(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】NcRNA、リンパ球、好中球、インフラマソーム及びp53の調節
(51)【国際特許分類】
A61K 36/80 20060101AFI20231227BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231227BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231227BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20231227BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231227BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20231227BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20231227BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20231227BHJP
A61K 31/7028 20060101ALI20231227BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/51 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20231227BHJP
A61K 31/375 20060101ALI20231227BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20231227BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20231227BHJP
【FI】
A61K36/80
A61P37/02
A61P29/00
A61P3/00
A61P35/00
A61P25/28
A61P31/14
A61P31/16
A61K31/7028
A61K31/7105
A61K9/14
A61K9/10
A61K9/06
A61K9/48
A61K9/51
A61K9/70 401
A61K9/12
A61K9/08
A61K31/375
A61K9/20
A23L33/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503456
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 IB2021056492
(87)【国際公開番号】W WO2022018606
(87)【国際公開日】2022-01-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523018070
【氏名又は名称】メダサニ, ムニセクハー
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】メダサニ, ムニセクハー
(72)【発明者】
【氏名】メダサニ, レヌ
(72)【発明者】
【氏名】メダサニ, ロシュニー
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4B018ME08
4B018ME09
4B018ME10
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF03
4B018MF06
4B018MF07
4C076AA09
4C076AA22
4C076AA24
4C076AA29
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB02
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB16
4C076BB21
4C076BB24
4C076BB25
4C076BB29
4C076BB30
4C076BB31
4C076CC01
4C076CC04
4C076CC07
4C076CC21
4C076CC35
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA18
4C086EA01
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA27
4C086MA28
4C086MA32
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA57
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA16
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZC21
4C088AB12
4C088AC11
4C088AC13
4C088CA09
4C088CA11
4C088MA02
4C088MA03
4C088MA04
4C088MA13
4C088MA17
4C088MA23
4C088MA28
4C088MA32
4C088MA35
4C088MA37
4C088MA41
4C088MA52
4C088MA55
4C088MA56
4C088MA57
4C088MA58
4C088MA59
4C088MA60
4C088MA63
4C088MA65
4C088MA66
4C088NA05
4C088NA14
4C088ZA16
4C088ZB07
4C088ZB11
4C088ZB26
4C088ZB33
4C088ZC21
(57)【要約】
【課題】呼吸ウイルス(COVID19、インフルエンザなど)に起因する免疫異常調節、炎症調節およびエネルギー調節の予防、処置および管理、または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症および長尺covidの予防、治療および管理。
【解決手段】本発明は、変調/調節ncRNAs、リンパ球、好中球、インフラマソームおよびp53のための成分であり、ncRNAs、リンパ球、好中球、好中球-リンパ球比(NLR)、インフラマソーム、p53、IL-6、TNF-アルファおよびROSの修正/調節による、免疫調節不全、炎症調節不全およびエネルギー調節不全の予防、管理および処置の対象で使用される、PK植物からなる群から選択される1種以上の疎水性抽出物(HE)を含有する組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ncRNAs、リンパ球、好中球、好中球-リンパ球比(NLR)、インフラマソーム、p53、IL-6、TNF-アルファおよびROSの修正/調節による、免疫調節不全、炎症調節不全およびエネルギー調節不全の予防、管理および処置の対象で使用される、PK植物からなる群から選択される1種以上の疎水性抽出物(HE)を含有する組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物であって、前記組成物が、80pctを超える非極性成分と、20pct未満の双極成分とを含む、組成物。
【請求項3】
前記組成物が、PK植物の、アグリコン配糖体、グルコシド、ピクロシド、テルペノイドを含有する、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項4】
前記組成物が、ピロサイド、グルコシド、ピクロシド、テルペノイド等のPK植物の糖部分を実質的に含まない、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項5】
前記組成物がPK植物の脂肪酸を含み、60pctを超える非極性脂肪酸、40pct未満が双極性脂肪酸である、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項6】
前記組成物が、miR(マイクロRNAs)のような非コードRNAs、アンチセンスRNAs、PK植物の非コードRNAsを含むエクソソームを含み、および/または、疎水性抽出物は、マイクロRNAsを調節する能力を有する、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項7】
前記組成物が、バニリン酸、桂皮酸、アセトバニリン、キャタルポル、およびその関連化合物のうちの1種以上を含む、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項8】
前記組成物が、細胞膜およびエクソソームを含むPK植物の他の無極性成分およびその分解分子のうちの1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項9】
前記組成物が、30-60℃の石油エーテル、n-ヘキサン、超臨界二酸化炭素(SCCO2)、SCCO2+n-ヘキサン、SCCO2+無極性溶媒から選択される無極性溶媒を用いて抽出される、しかしこれには限定ない、請求項1に記載の疎水性抽出物を含む組成物。
【請求項10】
前記組成物が、粉末、シロップ、飲料、錠剤、カプラット、ソフトゲル、カプセル、ナノゲル、ナノ粒子、注射、非経口、経皮パッチ、吸収性ゲル、鼻スプレー、点眼剤、膣ゲル、ゲルストリップの形態で製剤され、賦形剤に吸着される、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項11】
前記製剤は、さらに、相補的または補足的な治療効果をもたらす、1つ以上の追加の成分、および/または、栄養、食品、色、味、食感、匂い、風味、容積、安定性、吸収および他の特性のための追加的な要素である、請求項10に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項12】
前記製剤が、経口、静脈内、筋肉内、膀胱内、皮下、腹膜、直腸、鼻、点眼剤、経皮、真皮、舌下、膣、頬又は他の経路を経て投与するのに適した形態である、請求項11に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項13】
前記製剤が、1日当たり50mg-5000mgの範囲、または、それに比例して分割的な用量の疎水性抽出物、及び、他の活性もしくはキー成分を含む請求項11に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項14】
追加のアジュバンドの追加あり又は追加無しの状態で、前記製剤が、食品/栄養補助食品、医薬、代替医薬、統合的な医薬の形態である、請求項11に記載の疎水性抽出物を含有する組成物
【請求項15】
前記製剤がさらに、アスコルビン酸又はその還元形態/他の形態で、2000mg/日以上で、添加又は共投与される請求項11に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項16】
前記対象が動物である、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項17】
前記対象がヒトである、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項18】
呼吸ウイルスは、限定されないが、新規コロナウイルス(SARs-CoV、SARS-CoV-2/COVID19、MERS)、およびインフルエンザウイルスである請求項1に記載の疎水性抽出物。
【請求項19】
免疫異常調節の予防、管理および処置のために投与される組成物であって、成人や老化した成人における、T細胞、B細胞およびそのナイーブ細胞の量/有効性を調整や調節し、癌およびアルツハイマーにおける免疫損傷を予防、管理および処置のために投与される、請求項1に記載の疎水性抽出物を含有する組成物。
【請求項20】
修正や改良されたプロセスを含む疎水性抽出物の調製方法は、以下のようである:
-PK植物の根/根茎を回収し、洗浄し、清浄水で洗浄し、15%以下の含水率に乾燥する、この全工程は、25℃未満、より好ましくは15℃未満で行われる、
-根/根茎は、15℃未満できめ細かく粗粉化され、真空密閉容器内の15℃未満に貯蔵される、
-測定された量の粉体が抽出器に充填される、
-1気圧以下、室温以下の溶媒を用いて抽出処理を行い、その溶媒は、ヘキサン、n-ヘキサン、30-60℃の石油エーテル、または任意の他の適切な無極性溶媒から選択される、
-HEと溶媒は回収容器に集められ、さらに溶媒を除去するために送られ、溶媒は、1気圧以下で室温以下の調整された空気/窒素/酸素/水素雰囲気の下、除去され、分離時のHEの温度は、12.5℃を超えない、
-収集されたHEは半固体状態であり、制御された状態で試験および配合のために、制御された状態で送られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NcRNA、リンパ球、好中球、インフラマソームおよびp53の調節に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の理解は、ヒトの体が約30-40兆個のセルを含み、毎日約150億個のセルを置換することであり、これは巨大なタスクであり、プロセスは非常に効率的かつバランスのとれた仕事をして、新しい健全な細胞を創出し、常に古いままに維持することである。毎日、ヒトが約1000億個の好中球を産生する。そのことは、システムがいかに完全に動作しているかを物語っている。
【0003】
心筋血管疾患(CVD)、アルツハイマー病(ALZ)、癌(CAN)のような多くの疾患では、免疫-炎症-エネルギー調節不全のネクサスが注目されているが、SARS-CoV-2(COVID19)においてより明らかになってきている。回復の速い軽度の疾患と入院/臓器の損傷/死との差は、免疫-炎症-エネルギーレベルの調節不全である。CD4、CD8の還元および好中球の増加は、免疫不全を示す。IL-6、CRPの増加は炎症調節不全を示す。呼吸困難(低酸素)は、エネルギー調節不全を引き起こし、臓器機能障害が、サイトカインストーム、ARDS、敗血症および入院につながる。
【0004】
代謝異常により、肝疾患や糖尿病などが原因となって、免疫および炎症の異常調節が、次のレベルに進行する場合がある。例えば、肝臓の脂肪化(NAFL)から非アルコール脂肪肝炎(NASH)、肝硬変から肝細胞癌に対するは、このプロセスにおいて、インスリン抵抗性、IL6U上方調節、免疫不全が注目されている。FLD、NAFLD、AFLD、NASH、肝硬変のような肝臓疾患は、西欧社会においては、その集団の25%以下がそれらに影響を及ぼす。糖尿病のような代謝障害、肥満、および関連疾患は、集団の約三分の一に影響する。これは、主要な負担となる。
【0005】
これらはインスリン感受性を引き起こし、免疫の異常調節および炎症をさらに引き起こす。
【0006】
代謝性障害の主要な原因の1つは、過剰な摂食、座りがちな生活様式、および増加されたレベルのストレスである。これらは、免疫不全を誘発し、関節炎、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、CVD、血管/神経血管疾患のような多くの他の疾患を引き起こす炎症を引き起こす。
【0007】
老化のような外的要因または内部原因により免疫異常調節が起こる可能性がある。一旦免疫不全が起こると、ヒトは、新規ウイルス、敗血症を引き起こす細菌、菌類、その他、癌(HCCなど)のような他の疾患を引き起す、外部の病原体と戦う能力を失う。
【0008】
非コードRNA(miR155及びmiR223など)、インターフェロン-a及びb(IFN-a/b)、IL-6およびp53のような遺伝子を調節することにより、免疫を調節し、炎症を減少させ、多くの種類の癌を予防/処理し、老化を遅くする。これにより、臓器(肝臓等)や腺(胸腺等)の機能性を復活させることも期待される。
【0009】
老化に起因して、炎症および免疫老化の負担が増大する。健康管理および余命を増大させると、ヒトの寿命を延ばすことができるが、炎症および免疫老化の負担により、健康を改善することができない。ALZ、MS、PD、ALS等のような神経変性疾患の治療のために最大障害となる神経炎症を管理する。
【0010】
最近、約4ミルで約18ヶ月に死滅したCOVID19は既知の例であり、いかに免疫-炎症-エネルギー間のバランスが微妙なものであるかを理解することが知られている。
【0011】
以前に存在していた低免疫(老化)またはCOVID19感染による低免疫は、COVID19が人体内で複製することを可能にする。適応免疫、主にCD8 T細胞は、COVID19感染細胞を排除することができないため、体は好中球/サイトカインストームに依存し、感染を制御する。そのために、炎症および臓器(主に肺)損傷につながり、エネルギー枯渇につながる。分化している間、CD4、CD8エフェクターT細胞は、より高いエネルギーニーズを有するが、これは失敗する。
【0012】
それは、丁度、免疫の増強または炎症の完全な減少またはエネルギーの回復ではない。それらは、個々のニーズに適合するように調整/調節されなければならない。現代の薬剤は、数百万の生活を救う能力を全て有しているが、同時に連続した基礎の上で、複数のメカニズムを調節/調整する能力は有していない。現代科学の大部分は、発熱、疼痛、抗ウイルス/ワクチン攻撃スパイク・タンパク質のような、1つの単一パラメータの用量依存性のアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションに基づく。
【0013】
HIV、HCV、ALZ、CVD、COVID19、RA、CANのようないくつかの疾患について、免疫-炎症-エネルギーの連続的な調整/調節は、より良い健康のための解決とすることができるかもしれない。統合された薬剤が、現代の薬剤と、この調節または調節の能力を有する天然物との両方を選択すると、ヒト、主として高齢の成人を助け、より良い健康と寿命とを有することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Stefanska J, Pawliczak R. Apocynin: molecular aptitudes. Mediators Inflamm. 2008; Epub 2008 Dec 2.
【非特許文献2】TUHIN KANTIBISWAS et al,EFFECT OF PICRORHIZA KURROA BENTH. IN ACUTE INFLAMMATION, Ancient Science of life Vol No XVII July 1996, Page 11-14
【非特許文献3】Johansson, C., Kirsebom, F.C.M. Neutrophils in respiratory viral infections. Mucosal Immunol 14, 815-827 (2021)
【非特許文献4】Marjolein Kikkert, Innate Immune Evasion by Human Respiratory RNA Viruses, Innate Immun 2020;12:4-20
【非特許文献5】https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/risk-comms-updates/update-34-immunity-2nd.pdf
【非特許文献6】Rosales C. Neutrophil: A Cell with Many Roles inInflammation or Several Cell Types?. Front Physiol. 2018;9:113. Published 2018 Feb 20.
【非特許文献7】Le Bert, N., Tan, A.T., Kunasegaran, K. et al. SARS-CoV-2-specific T cell immunity in cases of COVID-19 and SARS, and uninfected controls. Nature 584, 457-462(2020).
【非特許文献8】Diao B, et al Reduction and Functional Exhaustion of T Cells in Patients With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19). Front. Immunol. 2020:11:827.
【非特許文献9】Tay, R.E., Richardson, E.K. & Toh, H.C. Revisiting the role of CD4+ T cells in cancer immunotherapy-new insights into old paradigms. Cancer Gene Ther 28, 5-17(2021).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ピクロリザ クロアは、伝統的に知られている、3500年を超えるような間、アーユルベーダでクッキとして知られている。ピクロリザ クロア及びその関連種は、より高い高度のヒマヤラ領域で成長する。ピクロリザ クロアは、主として、インドやブータンにおいて利用可能である。ネオピクロリザ スクロプラリイフロラは、主として、チャイナで利用可能である。ピクロリザ スクロプラリイフロラ ペンネルは、主として、ネパール及びブータンで利用可能である。これらの3つの種は、本発明においては、「PK植物」と総称する。
【0016】
これらは、ピクロリザ、クッキ、カツカ、ヒュ-ヒュアン-リアン等の一般名で知られている。
【0017】
これらのPK植物の一般的または商業的使用は、主に、粉末形態の生根/根茎、その粉末または切断片(主としてチャイナ)、水性抽出物、アルコール抽出物、またはそれらの水-アルコール抽出物またはポリハーブ組成物(これらのすべてを、伝統的な抽出物と本発明において呼ばれる)である。これらの全ては、ピクロシド-I/II/III/IV、クトコサイド、テルペノイドのような配糖体は、自然的に生じる。これらを抽出した後は苦みがある。個々の許容範囲は変動する可能性があるが、より高い用量での消費は、その本来の高い苦味によって、悪心、嘔吐および下痢を引き起こす可能性がある。
【0018】
本発明者の第1発明者は、非常に高用量でも安全であり、日常的に長期の消費にも優れるよう、苦みのような伝統的な抽出物の欠点を解消するために、開発過程において、10年以上、働いている。その後、プロセスおよび品質における連続的な改良および修正を行って、人間の消費に対してより良い生成物を与え、また、人的被害を軽減する。
【0019】
従来技術およびPK植物に関する研究の大部分は、主に伝統的な抽出物に基づく。いくつかの研究者は、他の溶媒を使用しているが、体外試験のために主に画分用であるが、非画分の伝統的な抽出物は生体内試験で使用される。
【0020】
PK植物の伝統的な抽出物は、肝臓疾患、ウイルス性フィーバー、喘息、肝炎等を治療するために知られている。免疫調節、抗ウイルス、ワクチンアジュバント、腎疾患、糖尿病、高脂血症、癌等に関与していた他の研究の中のほどんどのものは、ヒトの使用の主流に入るのに十分ではなかった。市販されている主な配合物は、CSIRによって開発されたピクロリブ、インドのゴブト、その他は、多くの他のハーブと抽出物との組み合わせで抽出する抽出物を主成分とするすべての組成物である。伝統的な知識データベースライブラリ(TKDL)、インドは、アーユルベータ、シダハ、ユナニのような、伝統的な医薬において、クッキのしようのための参考資料を持っている。しかし、それらの大部分は、20~30ハーブのようなものの組み合わせである。さらに、石油エーテル、ヘキサン、n-ヘキサン、SCCO2(超臨界二酸化炭素)のような現代の溶媒は、これらの古代の時間中には入手できなかった。
【0021】
免疫-炎症-エネルギーを一緒に調整/調節しない限り、COVID19、CVD、ALZ、敗血症、癌に効果的かつ安全な処理を与えることができない可能性がある。
【0022】
第2及び第3の共同発明者は、いずれも専門による医師であり、COVID19の初期段階では、証明された抗ウイルスまたはワクチンを入手することなく病院で作業しなければならなかった。COVIDの区域で、COVID19患者に、長時間、PPEキット、フェイスマスク、でシールドすることができないともいえる。第1の発明者は、従前の仕事及び知識について、HEを使用して開始され、かれらの免疫を改善し、かれら自体を保護する。RT-PCRの検査にもかかわらず、軽度な疾患で陽性の抗原検査があり、COVID10 IgG抗体を見ることができなかった。その後の研究で、他の人が、短期間すなわち適応免疫が活性化される前に、ウイルス分解能による十分な抗体応答が存在しない場合であっても、T細胞がCOVID19感染から保護することができることが示されている。COVID19の最前線にたって、COVID19ワクチンを入手する前に、COVID19疾患を気にすることなく、ほぼ1年に亘って、かれらは仕事をしてきた。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明者らは、ヒトが、T細胞が病原体に対抗する能力を有する限り、有効なワクチンまたはIgG抗体を有していなくても、COVID19のような新規疾患から保護することができることを見出したことは驚くべきことである。また、SARS-cov-1(~2003)の入院患者である他の研究も、コロナウイルスに対するT細胞応答を有し、2020年、すなわち17年後にSARS-CoV-2へのある程度の保護を有し、一方、最近の感染からの抗体は、消失し、より良好な保護のために、ブースター用量が必要とされる。
【0024】
第1の発明者の試験および研究は、HEが、T細胞を短い時間、すなわち、免疫が損なわれた患者においても、1週間、調整/調節する能力を有することを証明した。
【0025】
熟成された成人(例えば65歳以上)のためのワクチンは、免疫加齢に起因してうまく機能しないことが既に知られている。これらはナイーブT細胞およびB細胞を必要とするので、免疫老化により不足する効果的なIgG応答を生成することができる。
【0026】
2021年6月からは、COVID19に対する有効な抗ウイルス処理がない。抗体カクテルも変異により失敗する。政府及び公衆は、主にワクチン接種、ステロイド、IL6遮断薬等に依存する。デルタ株のような最近の変異体は、おそらく、免疫逃避機構を発達させていて、以前のCOVID19の変異体/突然変異体より速い広がりを有する。主要な脆弱性集団は、高齢者、免疫障害者、移植患者または癌患者である。状況は、イミュニティ-炎症-エネルギーの治療にすぐに代わることを保証する。これにより、医師、看護師のようなCOVID19関係者が介護下でより多くの人々を救済することができる。
【0027】
本発明者が観察/予期したHEのいくつかの態様を次に述べる。
【0028】
- HEは、高齢者または免疫が損なわれた場合であっても、主にCD4およびCD8のナイーブ/エフェクター/メモリT細胞の量/機能性を改善する能力を有する。
【0029】
- HEは、好中球を調節する能力を有する。
【0030】
- HEは、グルタチオンを調節する可能性によって、細胞ROSを減少させる能力を有する。
【0031】
- HEは、感染または変異した細胞を死滅/低減するためにCD8免疫をトリガする能力を有する。
【0032】
- HEは、TP53遺伝子、及び、細胞を保護するp53タンパク質を調節する能力を有する。
【0033】
- HEは、NLRP3のような炎症を調節する能力を有する。
【0034】
- HEはATP機能を改善する能力を有し、それによってエネルギーレベルを増加させ、CD4、CD8分化のような、より優れた免疫のためにも必要とされる。
【0035】
- HEは、限定されないが、miR155、miR223、miR29、miR125等を調整/調節する能力を有する。
【0036】
- HEは、補体系タンパク質合成および応答を調節する能力を有する。
【0037】
- HEは、ヒト免疫系の老化をある程度逆転させることによって、高齢の成人におけるナイーブT細胞を調整/調節する能力を有する。これにより、高齢者用ワクチンをより良好に作用することができる。
【0038】
- HEは、COVID19感染、癌及びALZ等の治療における免疫アジュバントとして使用することができる。
【0039】
- HEは、より高い用量で安全であり、長期間使用するために良好である。
【0040】
従来の研究のいくつかは、本発明より、はるかに高い温度で研究目的のために単離された伝統的な抽出物またはフラクションを使用する、対外モデルで主に行われてきた。
【0041】
例えば、アポシニンは、NADPH阻害剤、抗炎症性、酸化ストレス誘導剤、グルタチオン調節剤のような多数の文献を有しているが、グルタチオン調節剤は、非常に高用量で摂取する必要があり、治療的に有効である。化学分子としては、アポシニンのみで免疫-炎症-エネルギーを調節することができない。その一方で、HEは、1日当たり300-400mgで有効であることが判明した。
【0042】
抽出物としてのHEは、COVID19の予防、管理、および治療に有益な免疫-炎症-エネルギーを調節する能力を有する。特に、低エネルギーレベル、低免疫性、慢性炎症、さらに併存疾患により影響を受けている高齢の成人において、当てはまる。
【0043】
COVID19感染では、多くの場合(80-90%)が無症候性であり、7日未満に分解される穏やかな事例であることに注目される。しかし、通常、適応免疫は、7日未満ではトリガーされず、新規感染のためのT細胞応答または抗体応答を生成する。COVID19ワクチンは、非入院患者においてより効果的になる。感染症状の大部分は7日未満であるが、14日までに伝達可能であるためである。抗体は、感染細胞のみをタグ化することができるが、感染細胞を死滅させ、複製を停止するのに有効なCD8応答を必要とする。余分な細胞病原体を死滅させるために良好なCD4応答を必要とするとともに、B細胞応答をトリガーして抗体を生成する。
【0044】
COVID19または将来の新規疾患における、より速い回収を達成するために、免疫-炎症-エネルギー間のバランスを必要とする。例えば、免疫活性化および修復のために一定のレベルの炎症が必要であるが、必要なレベルを超えると、好中球、T細胞枯渇およびサイトカインストームを引き起こす可能性がある。最適な免疫機能および回復のためにバランスが必要とされる。
【0045】
本発明者は、ピクロリザ(ピクロリザ クロア、ネオピクロリザ スクロピュラリイフロラ、ピクロリザ スクロピュラリイフロラ ペンネル、から選択される1種以上の植物)からの特別の植物の抽出物を実現した。「PK植物」と総称されるものは、免疫異常を補正することができるが、ROS、疾患または感染によって完全に引き起こされる炎症の負担を軽減することができない。急性又は慢性の炎症が減少しない場合には、再び炎症を引き起こし、胸腺及び骨髄によって生成されるT細胞及びB細胞の機能と干渉することにより、再度、免疫の異常調整を引き起こす。十分なナイーブT細胞およびB細胞を生成できないことは、疾患または感染を管理することができなくなり、免疫系が細胞を特定し修復できないし、または、癌のような疾患に起因する新たな感染、疾患または突然変異から保護することができない。ナイーブT細胞は、ALZにおけるプラークおよび絡み合い、CVDにおけるプラークおよびブロックの制御又は低減に必要であり、癌におけるp53と協調して変異した細胞を制御および除去するために必要とされる。
【0046】
これらの課題を解決するとともに免疫調節のために、体および脳におけるROS/サイトカイン/ケモカインの負担をさらに軽減し、疾患を効果的に予防、治療または管理する必要がある。本発明者は、ビタミンC(>2000mg/日)、グルタチオン、Q10など、治療的に活性な用量の酸化防止剤/ビタミンを追加/共投与することを提案し、それらの他の/または低減された形態は、増強された効力および迅速な回復のためのものである。
【0047】
Covid19におけるリンパ球減少は、CD8T-細胞の優先的減少であるにもかかわらず、CD4およびCD8の両方に影響を及ぼす。このように、リンパ球減少症および修復リンパ球の修正は、COVID19分解能において必須となる。
【0048】
肺中の過剰な好中球の補充や好中球細胞外のトラップ(NETs)の形成が、 COVID19疾患において肺損傷を引き起こすことが報告された。
【0049】
いくつかの研究者は、リンパ球減少が7日以下の疾患であり、続いて、9日にARDSおよび好中球増加に続いていることが観察された。可能性のある原因は、適応免疫(主にCD8)を回復することができず、これは、疾患分解能に対する炎症および好中球へのより多くの依存性をもたらす。好中球およびNETsの形成は、いくつかの分解された場合であっても、恒久的な肺損傷を引き起こす可能性がある。
【0050】
通常、症状を得てから、重症のCOVID19患者は、1-3日に病院に合流し、4-5日の時間帯を残して、リンパ球が昇圧し、好中球を必要なレベルまで減少させ、患者がサイトカイストームに入らないようにする。すなわち、本発明は、リンパ球を調節し、サイトカインの暴走を防止し、または入院時間を減少させるのに役立つ可能性がある
【0051】
軽度のCOVID19に罹患している高齢者のHEについての進行中の臨床研究からの予備データは、HEを開始して、主としてCD4、CD8を非常に短い期間に調整/調節し、患者の回復がより良くなることを示す。
【0052】
特許請求される組成物は、miRを調節して、T細胞、B細胞を生成/調節することが期待され、p53遺伝子は、癌、神経変性栄養、感染、CVD、血管および神経血管疾患および疼痛管理のための予防、管理および処置のためのものである。
【0053】
免疫炎症エネルギーを同時に調節する能力のため、HEおよびその製剤は、限定されないが、疾患または障害の予防、管理および除去に有用である。
【0054】
- 関節リウマチ、敗血症、ARDS、CVD、過敏性ボウル症候群(IBS)、慢性/全身性炎症。
【0055】
- NASH、ALD、線維症、肝硬変、HCC、HCVのような肝疾患においては、低免疫性高炎症が治療しにくい。
【0056】
- ALZ、パーキソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)のような、癌及び神経性炎症は、炎症、免疫およびエネルギー代謝の不均衡のためであると知られている。
【0057】
- ワクチンに対する、免疫老化、低/非応答性に関連する老化に関して、自然免疫および適応免疫の機能性を改善し、補体系の有効性を改善する。
【0058】
- T細胞(主にCD4およびCD8)およびB細胞の調節。また、リンパ球のナイーブ細胞。
【0059】
- 胸腺及び甲状腺のような腺の機能性の補正。
【0060】
- p53およびp53タンパク質のような癌抑制遺伝子の調節および修正
【0061】
- 疼痛管理。主に成人では慢性的かつ低レベルの炎症および疼痛を有する
【0062】
PK植物のHE抽出物は、以下の特徴を有することが期待されるが、これらに限定されない。
【0063】
- PK植物の、アグリコン配糖体、グルコサイド、ピクロシド、テルペノイドを含有すること。
【0064】
- ピクロシド、クッコシド、テルペノイド等の、PK植物の糖部分を実質的に含まない。
【0065】
- 80pct超の非極性成分と、20pct未満の双極成分とを含む。
【0066】
- 60pctを超える非極性脂肪酸及び40pct未満の双極性脂肪酸である、PK植物のHE中の脂肪酸。
【0067】
- MiR(マイクロRNA)のような非コードRNA、PK植物のアンチセンスRNAを含むこと、および/または、マイクロRNAを調節する能力を有すること。
【0068】
- バニリン酸、桂皮酸、アセトバニリン、カタルポル、およびその関連化合物を含むこと。
【0069】
さらに、PK植物の、他の無極性成分のうちの1つ以上、及びそれらの分解分子を含む。
【0070】
- HEは、室温で半固体状態であり、40~60℃の間では液体状態である。
【0071】
以下に、改善された抽出プロセスの実施例/実施形態のいくつかがある。当業者が行う本発明の修正、改良は、本発明の範囲及び思想にあり、同一であることが予期される。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0072】
- PK植物の根/根茎を集め、洗浄し、通常の水で洗浄し、乾燥する。この全工程は、35℃未満で行われる。
【0073】
- 根/根茎を粉砕して純度のきめ細かく粗粉化する。
【0074】
- 測定された量の抽出器に粉体が充填される。
【0075】
- 抽出プロセスは、35℃未満の温度、及び必要とされるより高い圧力で、超臨界CO2(SCCO2)で実施される。
【0076】
- HEは収集容器に収集され、試験および調合のために送られる。
【実施例2】
【0077】
- PK植物の根/根茎を集め、洗浄し、通常の水で洗浄し、乾燥する。この全工程は、15℃未満で行われる。
【0078】
- 根/根茎を粉砕してきめ細かに粗粉化し、15℃未満で保存する。
【0079】
- 測定された量の抽出器に粉体が充填される。
【0080】
- 抽出プロセスは、超臨界CO2(SCCO2)と、35℃未満の温度での共溶媒とを用いて行われる。共溶媒は、ヘキサン、n-ヘキサンまたは任意の他の好適な無極性溶媒から選択される。
【0081】
- HEは、回収容器に集められ、さらに、共溶媒の除去のために送られる。1気圧以下で25℃未満の共溶媒を除去する。
【0082】
- HEは収集され、試験および配合のために送られる。
【実施例3】
【0083】
- PK植物の根/根茎を回収し、洗浄し、清浄水で洗浄し、15%以下の含水率に乾燥する。この全工程は、25℃未満、より好ましくは15℃未満で行われる。
【0084】
- 根/根茎は、15℃未満で、きめ細かく粗粉化され、真空密閉容器内に15℃未満に貯蔵される。
【0085】
- 測定された量の抽出器に粉体が充填される。
【0086】
- 抽出処理は、1気圧以下、室温以下の溶媒を用いて行う。溶媒は、ヘキサン、n-ヘキサン、30-60℃の石油エーテル、または任意の他の適切な無極性溶媒から選択される。
【0087】
- HEと溶媒は回収容器に集められ、さらに溶媒を除去するために送られる。溶媒は、室温以下に調整された、空気/窒素/酸素/水素雰囲気下、1気圧以下下で除去される。分離時のHEのコア温度が12.5℃を超えないようにする。
【0088】
収集されたHEは半固体状態にあり、制御された状態で試験および配合のために送られる。
【実施例4】
【0089】
- PK植物の根/根茎を集め、洗浄し、通常の水で洗浄し、乾燥する。この全体のプロセスは、25℃未満で行われる。
【0090】
- 根/根茎は、25℃未満できめ細かく粗粉化され、真空密閉容器内の25℃以下に貯蔵される。
【0091】
- 測定された量の抽出器に粉体が充填される。
【0092】
- 抽出プロセスは、1気圧以下で35℃未満の温度で溶媒を使用して実施する。ここで、溶媒は、30-60℃の石油エーテル、より好ましくは40-60℃の石油エーテル、または低沸点を有する任意の他の適切な無極性溶媒から選択される。
【0093】
- HEと溶媒は回収容器に集められ、さらに溶媒を除去するために送られる。溶媒を25℃以下の温度で1気圧以下で除去する。任意の点で、HE接触温度を1気圧以下で12.5℃未満に維持することを確実にする。
【0094】
このようにして収集されたHEは、制御された状態で試験および配合のために送られる。
【0095】
この出願において根/根茎として言及されている場合、PK植物の根及び/又は根茎を意味することが理解される。
【0096】
組成物、成分、化合物、及び分子は、相互に変換可能に使用している。注意されたい。
【0097】
この改良された抽出プロセス及び技術は、ニーム、クルクミン、ツラシ、アシュワガンダ、ジンセンのような、他の植物抽出物に使用することができるが、これに限定されるものではない。同様の植物抽出物が、発明者により予測され、本発明の範囲に含まれる。
【国際調査報告】