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特表2024-500590コア除去及び切断装置、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】コア除去及び切断装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20231227BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A61B17/32 528
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511888
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 IB2021056609
(87)【国際公開番号】W WO2022038433
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,457
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/381,378
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110003845
【氏名又は名称】弁理士法人籾井特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーン, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ダグロウ, テリー
(72)【発明者】
【氏名】クーン, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】メルコール, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ミック, セオドア
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ, クリス
(72)【発明者】
【氏名】グエン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】サラザール, ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB18
4C160KK03
4C160KK04
(57)【要約】
組織を除去する方法は、標的組織部位に組織切除装置を配置することと、組織切除装置に標的組織部位から組織のコアを切除させることと、身体から組織のコアを除去することとを含むことができる。身体から組織のコアを除去することにより、標的組織部位にコア空洞を作る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織コア除去及び切断システムであって、
コア除去装置であって、
螺旋コイルを備える第1のクランプ要素と、
前記第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、
前記第1のクランプ要素及び前記第2のクランプ要素のうちの1つ以上に隣接する領域への高周波エネルギーの送達を行って組織を封止するように構成された第1の電極及び第2の電極と、
前記封止された組織の少なくとも一部を離断して組織のコアを形成するように構成された切断要素と、
を備える、コア除去装置と、
少なくとも前記組織のコアの切断を行うように構成された第2の切断要素を備える切断装置と、
を備える、組織コア除去及び切断システム。
【請求項2】
請求項1に記載の組織コア除去及び切断システムを使用する方法であって、
標的組織部位に隣接して前記コア除去装置を配置することと、
前記螺旋コイルを前記標的組織部位に回し入れることと、
前記第1のクランプ要素と前記第2のクランプ要素とを互いにクランプさせることと、
高周波エネルギーによって前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの1つ以上に通電することと、
前記切断要素に前記標的組織部位の少なくとも一部をコア除去させることと、
前記コア除去装置及び組織のコアを除去することと、
前記標的組織部位に隣接して前記切断装置を配置することと、
前記切断装置に前記標的組織部位の少なくとも一部を切断させることと、
を含む、方法。
【請求項3】
前記第1のクランプ要素又は前記第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、
前記切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターと、
を更に備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項4】
前記螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項5】
前記第1のコイルセグメントは、平面状の開放リングを含む、請求項4に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項6】
前記第1のコイルセグメントは、螺旋状であり、ゼロのピッチを有する、請求項5に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項7】
前記第2のコイルセグメントは、螺旋状であり、ゼロでないピッチを有する、請求項4に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項8】
前記第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有する、請求項7に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項9】
前記第1のコイルセグメントは、螺旋状であり、第1のピッチを有し、前記第2のコイルセグメントは、螺旋状であり、第2のピッチを有し、前記第1のピッチ及び前記第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変である、請求項4に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項10】
前記第1の電極は、前記第1のクランプ要素の少なくとも一部によって提供される、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項11】
前記第2の電極は、前記第2のクランプ要素の少なくとも一部によって提供される、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項12】
前記螺旋コイルは、鈍い先端を備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項13】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、一致する表面プロファイルを有する、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項14】
前記切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項15】
前記切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項16】
前記切断要素は、超音波刃を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項17】
前記第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項18】
前記第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項19】
前記第2の切断要素は、通電ワイヤを含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項20】
前記第2の切断要素は、縫合糸を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項21】
前記第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月17日に出願された米国特許出願第63/066,457号の優先権及び利益を主張する。この全体は引用することにより本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
癌は単一の疾患ではなく、本質的に身体内のどこからでも始まる可能性のある関連疾患の集まりである。全ての種類の癌に共通するのは、身体の細胞が分裂し始めると、停止することなく、急速に増殖し、周囲の組織に広がる可能性があることである。通常の成り行きにおいて、細胞は身体の必要に応じて成長し、分裂して新しい細胞を形成する。細胞が損傷したり古くなったりすると、細胞は死に、新しい細胞が損傷した細胞又は古い細胞と置き換わる。しかし、癌はこのプロセスを阻害する。癌にかかると、細胞が異常となり、死滅すべき細胞が死滅せず、必要のないときに新しい細胞が形成される。これらの新しい細胞は、停止することなく再生又は急速に増殖して、腫瘍と呼ばれる成長体(growths)を形成する可能性がある。
【0003】
癌性腫瘍は悪性であり、これは、それらが周囲の健康な組織に広がるか、又は浸潤する可能性があることを意味する。さらに、癌細胞は分裂し、血液又はリンパ系を介して身体内の離れた領域に移動する可能性がある。良性腫瘍は、悪性腫瘍とは異なり、周囲の組織に広がったり浸潤したりはしない。ただし、それらは大きくなり、損傷を引き起こす可能性がある。悪性腫瘍及び良性腫瘍は、いずれも除去又は治療することができる。悪性腫瘍は再発する傾向がある。一方、良性腫瘍は、再発する可能性があるが、その可能性ははるかに低い。
【0004】
癌は、細胞が機能する方法、特に細胞がどのように成長及び分裂するかを制御する遺伝子の変化によって引き起こされる遺伝的疾患である。癌の原因となる遺伝子変化は、遺伝したものである場合もあれば、細胞が分裂する際に発生するエラーの結果として、又は或る特定の環境への曝露、例えば、工業用/商業用化学物質及び紫外線によって引き起こされるDNAの損傷が原因で、個人の生涯にわたって発生する場合もある。癌を引き起こす可能性のある遺伝子変化は、3種類の遺伝子、すなわち、正常な細胞の成長及び分裂に関与する癌原遺伝子、細胞の成長及び分裂の制御にも関与する腫瘍抑制遺伝子、並びに、名前が示すように、損傷したDNAの修復に関与するDNA修復遺伝子に影響を及ぼす傾向がある。
【0005】
100を超える異なる種類の癌が同定されている。癌の種類は、癌が発生する臓器又は組織にちなんで命名され得る(例えば、肺癌)か、又はそれらを形成した細胞の種類にちなんで命名され得る(例えば、扁平上皮癌)。残念なことに、癌は米国及び世界の両方における主要な死因である。世界保健機関によれば、新たな癌の症例数は、今後20年間で年間2500万人に増加すると予測されている。
【0006】
肺癌は、今日最も一般的な癌の1つである。世界保健機関のWorld Cancer Report 2014によれば、肺癌は世界中で1400万人に発生し、880万人が死亡しており、男性の癌関連死の最も一般的な原因であり、女性の癌関連死の2番目に一般的な原因となっている。肺癌又は肺癌腫は、治療せずに放置すると隣接する組織及び臓器に転移する可能性がある悪性肺腫瘍である。肺癌の大半は、長期の喫煙によって引き起こされる。しかし、肺癌の症例の約10%~15%は煙草に関連するものではない。これらの煙草以外の症例は、ほとんどの場合、遺伝的要因と、ラドンガス、アスベスト、受動喫煙、その他の形態の大気汚染、及びその他の因子を含む、或る特定の環境条件への曝露との組み合わせによって引き起こされる。肺癌だけでなく他の形態の癌の生存率も、早期発見と治療にかかっている。
【0007】
組織の除去における改善が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
コア除去後の出血の管理が望まれ得る、肺、肝臓、膵臓、又は胃腸(GI)管を含むがこれらに限定されない他の標的組織部位から組織のコアを除去することが望ましい場合がある。組織のコアは、コア除去装置に基づいた所定の(例えば、事前に規定された)形状(例えば、円柱状)及び寸法を有し得る。そのようなコア除去装置は、同じ又は実質的に同じ形状の組織コアを反復可能な方法でコア除去するために使用され得る。このようなコア除去は、切断された組織が事前に規定された形状又は寸法を有さない、例えばハサミ又は外科用メスを使用する他の組織除去とは区別され得る。
【0009】
組織をコア除去する方法は、標的組織部位に組織切除装置を配置することと、組織切除装置に標的組織部位から組織のコアを切除させることと、身体から組織のコアを除去することとを含むことができ、身体から組織のコアを除去することにより、標的組織部位にコア空洞を作る。組織のコアは、組織病変の少なくとも一部を含む。標的組織部位から組織のコアを切除することは、機械的離断を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、高周波エネルギーの送達を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、通電ワイヤによる離断を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、機械的圧縮、高周波エネルギーの送達、マイクロ波エネルギーの送達、超音波エネルギーの送達、又は通電ワイヤによる離断のうちの1つ以上を含むことができる。他の切除装置及び処置を使用することができる。切除装置は、機械的圧縮、高周波エネルギーの送達、マイクロ波エネルギーの送達、超音波エネルギーの送達、又は通電ワイヤによる離断のうちの1つ以上を行うように構成することができる。
【0010】
組織をコア除去する方法は、コア空洞の壁を支持するためにスリーブをコア空洞内に挿入することを更に含むことができる。組織をコア除去する方法は、コア空洞を画定する壁の少なくとも一部に高周波エネルギーを送達することを更に含むことができる。組織をコア除去する方法は、コア空洞を画定する壁の少なくとも一部に化学療法を送達することを更に含むことができる。組織をコア除去する方法は、コア空洞を画定する壁の少なくとも一部にマイクロ波エネルギーを送達することを更に含むことができる。組織をコア除去する方法は、コア空洞を画定する壁の少なくとも一部に熱エネルギーを送達することを更に含むことができる。組織をコア除去する方法は、コア空洞を画定する壁の少なくとも一部に超音波エネルギーを送達することを更に含むことができる。
【0011】
組織をコア除去する方法は、体液管を封止することを更に含むことができる。体液管を封止することにより、空洞コアへの体液の流れを最小限に抑えることができる。封止することは、少なくとも機械的圧縮を使用して行うことができる。封止することは、少なくとも高周波エネルギーを使用して行うことができる。封止することは、少なくともマイクロ波エネルギーを使用して行うことができる。封止することは、少なくとも超音波エネルギーを使用して行うことができる。封止することは、圧縮、又は高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、若しくは熱エネルギー等のエネルギーの送達のうちの1つ以上を使用して行うことができる。
【0012】
本開示は、肺病変除去を実施するシステム、装置、及び方法に関する。肺針生検は、通常、撮像検査、例えばX線又はCATスキャンで異常が見つかった場合に実施される。肺針生検では、細針を使用して肺組織のサンプルを除去し、顕微鏡下で検査して異常な細胞の存在を確認する。組織診断は、小結節(6mm未満)及び中結節(6mm~12mm)では困難である。胸壁(80%)を通じた又は気管支鏡(20%)による末梢病変のCT誘導生検では、0.001cm~0.002cmの診断組織しか得られないため、癌が存在する場合でも、小結節及び中結節の60%でしか正常に識別されない。気管支鏡検査の技法及び技術は進化し続けているが、生検の精度、特異度、及び感度は、肺の周辺にある小結節及び中結節を扱う場合には常に制限されることとなる。
【0013】
病変が癌性であると判断された場合、第2の処置を行って病変を除去し、その後、化学療法及び/又は放射線を用いてフォローアップすることができる。第2の処置は、肺手術を伴う可能性が最も高い。これらの処置は、通常、肋骨の間の切開を通して行われる。癌の状態に応じて、いくつかの可能な処置がある。ビデオ支援胸部手術は、或る特定の種類の肺癌に対する侵襲性の低い処置である。これは、内視鏡的手法を利用した小さな切開を通して行われ、通常、肺の表面に近いより小さな病変の楔状切除を行うために利用される。楔状切除では、葉の一部が除去される。スリーブ切除では、大きな気道の一部が除去され、それによってより多くの肺機能が維持される。
【0014】
肺表面から2cm~3cmよりも深い結節は、癌の疑いがあると同定されると、処置前の画像誘導生検及び位置特定にも関わらず、腹腔鏡又はロボット肺温存技法を使用して位置特定及び切除することは困難である。したがって、外科医は開胸又は葉切除を行い、肺表面から2cm~3cmの肺結節を除去する。開胸術は、葉の一部、葉全体、又は肺全体を除去するオープン手法の手術である。肺全摘術では、肺全体が除去される。この種の手術は明らかに最も侵襲性が高い。肺葉切除術では、除去されるのは、肺の全部位又は葉全体であり、肺全体を除去するよりも侵襲性が低い手法となる。全ての胸腔鏡下肺手術には、訓練を受けた経験豊富な胸部外科医が必要であり、手術結果の良好さは手術経験に応じたものとなる。
【0015】
これらの種の肺手術はいずれも、手術の程度及び患者の全体的な健康状態に依存する合併症を伴う可能性のある主要な手術である。これらの処置のいずれかに伴う肺機能の低下に加えて、回復には数週間から数ヶ月かかる場合がある。開胸術では、肋骨を広げる必要があるため、術後の痛みが増す。ビデオ支援胸部手術は侵襲性が低くなるが、そうであっても相当な回復期間が必要となり得る。さらに、手術が完了すると、完全な治療には全身化学療法及び/又は放射線治療が必要となり得る。
【0016】
上述のように、細針生検は完全に診断に役立つとは限らない。細針生検処置は、2次元撮像の下で3次元空間に針を誘導することを伴う。したがって、医師は病変を見逃す可能性がある。または、医師が正しい標的に当たったとしても、針を通して除去された病変の部分には、癌性細胞又は腫瘍の侵襲性を評価するために必要な細胞が含まれていない可能性がある。針生検では、スライド上に塗抹標本を作るのに十分な組織を除去する。本開示の装置は、健康な肺組織の除去量を最小限に抑えながら、病変全体又はそのかなりの部分を除去するように設計される。これには多くの利点がある。第1に、病変全体を検査して、サンプリングエラー、細胞充填の損失、又は全体的な構造を悪化させることなく、より正確な診断を行うことができる。第2に、病変全体が除去されるため、上記のような二次的処置が必要なくなり得る。第3に、局所化学療法及び/又は放射線等のエネルギーベースの腫瘍摘出が、病変除去によって作られた空洞を介して導入され得る。
【0017】
少なくとも1つの実施の形態において、本開示は、組織病変を除去する方法を定義するものであり、本方法は、組織病変に固定することと、組織内に組織病変に通じるチャネルを作ることと、組織病変を含む組織コアを作ることと、組織病変の下流の結紮点で組織コアを結紮することと、結紮点と組織病変との間の組織から組織コアを切断することと、チャネルから組織コアを除去することとを含む。
【0018】
本開示の態様によれば、スリーブは、組織コアを除去する前又は後にチャネル内に挿入することができる。スリーブは、組織に固定することもできる。本開示の別の態様によれば、局部治療は、スリーブを通して施すことができる。
【0019】
いくつかの実施の形態において、組織コアを作ることは、組織を焼灼することと切断することとを含む。組織を結紮することは、結紮点として知られる特定の位置で組織を焼灼することを含むことができる。組織コアの切断は、スネア、通電ワイヤ、又は組織をスライスできる任意の他の装置を用いて実施することができる。
【0020】
いくつかの実施の形態において、組織コアは、最初に血管を封止し、次に組織をスライスしてコアを形成することによって作成される。
【0021】
以下の図面は、概して、本開示において議論される様々な例を、限定としてではなく例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施形態に係る組織切除装置を示す図である。
図2図1の組織切除装置の断面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る組織切除装置の断面図である。
図4】本開示の一実施形態に係る組織切除装置の断面図である。
図5】本開示の一実施形態に係る病変除去方法で使用することができる例示的なアンカーを示す図である。
図6】本開示の一実施形態に係る病変除去方法で使用するための一連の切開刃を示す図である。
図7】本開示の一実施形態に係る病変除去方法での使用に適した組織拡張器を示す図である。
図8】組織をコア除去及び封止する例示的な方法の流れ図である。
図9】AおよびBは、一例示のトロカールを示す図である。
図10】一例示のトロカールを示す図である。
図11】一例示の双極コア除去装置を示す図である。
図12】一例示の双極コア除去装置を示す図である。
図13】一例示の双極切断装置を示す図である。
図14】一例示の双極切断装置を示す図である。
図15】本開示の一実施形態に係る組織切除装置の細部を示す図である。
図16】溝及びスネアの細部が現れるように切断管を引き抜いた状態の装置の細部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、組織をコア除去するシステム及び方法に関する。様々な組織及び部位が、開示されたシステム及び方法から恩恵を得ることができる。
【0024】
組織のコアは、コア除去装置に基づいた所定の(例えば、事前に規定された)形状(例えば、円柱状)及び寸法を有し得る。そのようなコア除去装置は、同じ又は実質的に同じ形状の組織コアを反復可能な方法でコア除去するために使用され得る。このようなコア除去は、切断された組織が事前に規定された形状又は寸法を有さない、例えばハサミ又は外科用メスを使用する他の組織除去とは区別され得る。
【0025】
本開示は、組織をコア除去する方法及びシステムに関する。組織をコア除去する方法は、標的組織部位に組織切除装置を配置することと、組織切除装置に標的組織部位から組織のコアを切除させることと、身体から組織のコアを除去することとを含むことができ、身体から組織のコアを除去することにより、標的組織部位にコア空洞を作る。組織のコアは、組織病変の少なくとも一部を含む。標的組織部位から組織のコアを切除することは、機械的離断を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、高周波エネルギーの送達を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、通電ワイヤによる離断を含むことができる。標的組織部位から組織のコアを切除することは、機械的圧縮、高周波エネルギーの送達、マイクロ波エネルギーの送達、超音波エネルギーの送達、又は通電ワイヤによる離断のうちの1つ以上を含むことができる。他の切除装置及び処置を使用することができる。切除装置は、機械的圧縮、高周波エネルギーの送達、マイクロ波エネルギーの送達、超音波エネルギーの送達、又は通電ワイヤによる離断のうちの1つ以上を行うように構成することができる。
【0026】
本開示は、組織をコア除去し、組織コアを除去することによって作られたコア空洞を封止する方法及びシステムに関する。そのような方法は、コア空洞内に充填材料を配置することを含むことができる。方法は、コア空洞を画定する壁等のコア空洞の一部に圧力を印加することを含むことができる。方法は、コア空洞を画定する壁等のコア空洞の一部を融除することを含むことができる。方法は、縫合糸、ステープリング装置、超音波組織封止装置、双極高周波封止装置、又はこれらの任意の組み合わせ等の空洞閉鎖装置に組織空洞を閉鎖させることを含むことができる。方法は、組織空洞を閉鎖するために、組織移植片、止血パッチ、フィブリン若しくはトロンビン等の止血剤、Dermabond(商標)等の生体接着材料、又はこれらの任意の組み合わせ等の空洞封止材料を配置することを含むことができる。
【0027】
方法は、コア除去することと、コア除去処置が実施されると同時に血管を封止することとを含むことができる。例えば、コイルとアンビル電極との間に高周波エネルギーを供給することができる。更なる例として、コイルを標的部位に回し入れることができ、アンビル電極をコイルに対して閉じさせることができ、高周波エネルギーを使用して標的部位に隣接する領域を封止することができ、切断刃を使用して組織をコア除去することができる。このようなシーケンスは、コア除去された組織が切断管内に入るまで繰り返すことができる。この時点で、結紮(例えば、別の電極の組を用いて)を行って、コア除去された組織を周囲組織と接続する任意の可能な血管を封止することができる。一態様において、機械的結紮ラインを展開してコア除去プロセスを終了し、コア除去された組織を除去して、コア除去された空洞を任意の後続のステップに備えることができるようにすることができる。
【0028】
方法は、1)固定装置を組織空洞内に配置することと、2)組織アクセス口を組織空洞内に配置することと、3)組織封止装置を組織空洞内に配置すること(組織アクセス口あり又はなし、固定装置からの誘導あり又はなし)と、4)組織封止装置に組織空洞の少なくとも一部を封止させることと、5)組織空洞内に充填材料を導入すること(充填材料送達装置あり又はなし、組織空洞内に組織封止装置を配置することを先に行うことがあり又はなし、組織空洞の少なくとも一部を封止した後に組織封止装置を除去することがあり又はなし、組織アクセス口があり又はなし)と、6)空洞封止材料を組織空洞に隣接して配置すること(組織空洞内に組織封止装置を配置することを先に行うことがあり又はなし、組織空洞の少なくとも一部を封止した後に組織封止装置を除去することがあり又はなし、組織空洞内に充填材料を導入することを先に行うことがあり又はなし)と、7)空洞閉鎖装置を組織に隣接して配置することと、8)空洞閉鎖装置に組織空洞を閉鎖させること(上記のステップの任意の組み合わせ又は順列を先に行うことがあり又はなし)とを、任意の組み合わせ又は順列で含むことができる。本明細書に記載されるように、方法は、様々な標的部位で組織をコア除去及び/又は封止するために使用することができる。例示として肺が使用されているが、そのように限定されるべきではなく、他の標的部位が穿刺され、又は積極的にコア除去され、開示された封止方法から恩恵を受けることができる。
【0029】
様々な方法、装置、及びシステムを使用して、組織をコア除去又は除去することができる。
【0030】
組織病変を除去する方法は、組織切除装置を標的組織部位に導入することと、組織切除装置に標的組織部位から組織のコアを切除させることと、身体から組織のコアを除去することとを含むことができる。組織のコアは、組織病変の少なくとも一部を含むことができる。方法は、標的組織部位にコア空洞を作ることを更に含むことができる。方法は、スリーブをコア空洞内に挿入することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して高周波エネルギーを送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して化学療法を送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通してマイクロ波放射を送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して熱エネルギーを送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して超音波エネルギーを送達することを更に含むことができる。組織切除装置は、高周波エネルギーの送達を行うように構成することができる。組織切除装置は、機械的離断を行うように構成することができる。組織切除装置は、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含むことができる。方法は、標的組織部位から組織のコアを切断することを更に含むことができる。一例として、組織のコアの切断を行う手段は、機械的離断を含むことができる。更なる例として、組織のコアの切断を行う手段は、高周波エネルギーの送達を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、通電ワイヤによる離断を含むことができる。他の装置を使用することもできる。
【0031】
組織のコアを除去する方法は、組織切除装置を標的組織部位に導入することと、組織切除装置に標的組織部位から組織のコアを切除させることと、身体から組織のコアを除去することとを含むことができる。方法は、標的組織部位にコア空洞を作ることを更に含むことができる。方法は、スリーブをコア空洞内に挿入することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して高周波エネルギーを送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して化学療法を送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通してマイクロ波放射を送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して熱エネルギーを送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して超音波エネルギーを送達することを更に含むことができる。組織切除装置は、高周波エネルギーの送達を行うように構成することができる。組織切除装置は、機械的離断を行うように構成することができる。組織切除装置は、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を行うように構成することができる。方法は、標的組織部位から組織のコアを切断することを更に含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、機械的離断を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、高周波エネルギーの送達を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、通電ワイヤによる離断を含むことができる。
【0032】
組織のコアを除去する方法は、組織切除装置を標的組織部位に導入することを含むことができる。組織切除装置は、螺旋コイル及び第1の電極を備える第1のクランプ要素、又は第2の電極を備える第2のクランプ要素のうちの1つ以上を備えることができる。第2のクランプ要素が含まれる場合、第2のクランプ要素は、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めすることができる。本方法は、組織切除装置に標的組織部位から組織のコアを切除させることと、身体から組織のコアを除去することとを更に含むことができる。方法は、標的組織部位にコア空洞を作ることを更に含むことができる。方法は、スリーブをコア空洞内に挿入することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して高周波エネルギーを送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して化学療法を送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通してマイクロ波放射を送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して熱エネルギーを送達することを更に含むことができる。方法は、コア空洞を通して超音波エネルギーを送達することを更に含むことができる。組織切除装置は、組織のコアを切除するように構成することができ、高周波エネルギーの送達を含む。組織切除装置は、組織のコアを切除するように構成することができ、機械的離断を含む。組織切除装置は、組織のコアを切除するように構成することができ、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含む。方法は、標的組織部位から組織のコアを切断することを更に含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、機械的離断を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、高周波エネルギーの送達を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、機械的圧縮及び高周波エネルギーの送達を含むことができる。組織のコアの切断を行う手段は、通電ワイヤによる離断を含むことができる。
【0033】
体液管を封止する方法は、少なくとも1つの標的体液管の少なくとも一部を含む標的組織部位を、螺旋組織封止機構によって穿刺することを含むことができ、螺旋組織封止機構は、螺旋穿刺要素とクランプ要素とを備える。本方法は、螺旋組織封止機構に機械的圧縮を少なくとも1つの標的体液管に印加させることと、少なくとも1つの標的体液管を封止するためにエネルギーを送達することとを含むことができる。螺旋穿刺要素は、クランプ要素を備えることができる。機械的圧縮は、螺旋穿刺要素とクランプ要素との間に印加することができる。方法は、第2のクランプ要素を更に含むことができる。機械的圧縮は、第1のクランプ要素と第2のクランプ要素との間に印加することができる。送達されるエネルギーは、単極高周波エネルギーを含むことができる。送達されるエネルギーは、双極高周波エネルギーを含むことができる。送達されるエネルギーは、熱エネルギーを含むことができる。送達されるエネルギーは、超音波エネルギーを含む。
【0034】
体液管を封止する方法は、標的組織部位を螺旋穿刺要素によって穿刺することと、標的組織に機械的圧縮を印加するために螺旋穿刺要素のピッチを調整することと、標的組織の少なくとも1つの体液管を封止するためにエネルギーを送達することとを含むことができる。螺旋穿刺要素は、複数の組織封止電極を備えることができる。送達されるエネルギーは、単極高周波エネルギーを含むことができる。送達されるエネルギーは、双極高周波エネルギーを含むことができる。送達されるエネルギーは、熱エネルギーを含むことができる。送達されるエネルギーは、超音波エネルギーを含むことができる。
【0035】
組織切除装置は、螺旋コイルを備える第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、組織を封止するための高周波エネルギーの送達を行うように構成された第1の電極及び第2の電極と、封止された組織の少なくとも一部を離断するように構成された切断要素とを備える。組織切除装置は、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターとを更に備えることができる。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備えることができる。第1のコイルセグメントは、概して平面状の開放リングを含むことができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロのピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロでないピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有することができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第1のピッチを有することができ、第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第2のピッチを有することができ、第1のピッチ及び第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変とすることができる。第1の電極は、第1のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。第2の電極は、第2のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。螺旋コイルは、鈍い先端を備えることができる。第1の電極及び第2の電極は、一致する又は実質的に一致する表面プロファイルを備えることができる。切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。切断要素は、超音波刃を含むことができる。組織切除装置は、標的組織部位から組織のコアを切断するように構成された第2の切断要素を更に備えることができる。第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。第2の切断要素は、通電ワイヤを含むことができる。第2の切断要素は、縫合糸を含むことができる。組織切除装置は、第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備えることができる。
【0036】
組織切除装置は、遠位端に配置された螺旋コイルを有する第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、組織を封止するための高周波エネルギーの送達を行うように構成された第1の電極及び第2の電極と、封止された組織の少なくとも一部を離断するように構成された切断要素とを備えることができる。組織切除装置は、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターとを更に備えることができる。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備えることができる。第1のコイルセグメントは、概して平面状の開放リングを含む。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロのピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロでないピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有することができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第1のピッチを有することができ、第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第2のピッチを有することができ、第1のピッチ及び第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変とすることができる。第1の電極は、螺旋コイルの少なくとも一部によって構成することができる。第1の電極は、第1のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。第2の電極は、第2のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。螺旋コイルは、鈍い先端を備えることができる。第1の電極及び第2の電極は、一致する又は実質的に一致する表面プロファイルを備えることができる。切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。切断要素は、超音波刃を含むことができる。組織切除装置は、標的組織部位から組織のコアを切断するように構成された第2の切断要素を更に備えることができる。第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。第2の切断要素は、通電ワイヤを含むことができる。第2の切断要素は、縫合糸を含むことができる。組織切除装置は、第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備えることができる。
【0037】
組織切除装置は、螺旋コイル及び第1の電極を備える第1のクランプ要素と、第2の電極を備え、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素とを備えることができる。第1のクランプ要素及び第2のクランプ要素は、(a)組織を封止するための高周波エネルギーの送達、及び(b)組織の離断のための機械的圧縮の印加を行うように構成することができる。組織切除装置は、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターとを更に備えることができる。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備えることができる。第1のコイルセグメントは、概して平面状の開放リングを含むことができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロのピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロでないピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有することができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第1のピッチを有することができ、第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第2のピッチを有することができ、第1のピッチ及び第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変とすることができる。第1の電極は、螺旋コイルの少なくとも一部によって構成することができる。第1の電極は、第1のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。第2の電極は、第2のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。螺旋コイルは、鈍い先端を備えることができる。第1の電極及び第2の電極は、一致する又は実質的に一致する表面プロファイルを備えることができる。切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。切断要素は、超音波刃を含むことができる。組織切除装置は、標的組織部位から組織のコアを切断するように構成された第2の切断要素を更に備えることができる。第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。第2の切断要素は、通電ワイヤを含むことができる。第2の切断要素は、縫合糸を含むことができる。組織切除装置は、第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備えることができる。
【0038】
組織の切除用の手術器具システムは、組織を切断して封止するように動作可能なエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、組織を封止するための第1の電極及び第2の電極を有する、エンドエフェクターと、エンドエフェクターに電力を供給するように構成されたジェネレーターとを備えることができる。エンドエフェクターは、螺旋コイルを備えた第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、組織を封止するための高周波エネルギーの送達を行うように構成された第1の電極及び第2の電極と、封止された組織の少なくとも一部を離断するように構成された切断要素とを備えることができる。手術器具システムは、ジェネレーターと通信するコントローラーを更に備えることができ、コントローラーは、エンドエフェクターの少なくとも1つの感知された動作状態に基づいて、ジェネレーターを制御して、エンドエフェクターの第1の電極及び第2の電極に組織を封止するのに十分な高周波エネルギーを供給するように構成される。コントローラーは、エンドエフェクターにおける組織の存在を感知するように構成することができる。コントローラーは、第1の電極及び第2の電極に関連する測定されたインピーダンスレベルに基づいて、エンドエフェクターにおける組織の存在を感知するように構成することができる。コントローラーは、エンドエフェクターにおける組織の存在を検知するために、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素のうちの少なくとも1つに印加される力の量を感知するように構成することができる。コントローラーは、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素のうちの少なくとも1つに対する切断要素の位置を感知するように構成することができる。コントローラーは、第2のアクチュエーターが作動し、エンドエフェクターにおいて組織が感知されないときに、ジェネレーターを制御して、エンドエフェクターに高周波エネルギーを供給するように構成することができる。コントローラーは、ジェネレーターを制御して、連続量の高周波エネルギーを供給するように構成することができる。コントローラーは、ジェネレーターを制御して、高周波エネルギーの量を自動的に増加又は減少させるように構成することができる。本システムは、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターとを更に備えることができる。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備えることができ、第1のコイルセグメントは、第1の電極を含む。第1のコイルセグメントは、概して平面状の開放リングを含むことができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロのピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロでないピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有することができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第1のピッチを有することができ、第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第2のピッチを有することができ、第1のピッチ及び第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変とすることができる。第1の電極は、螺旋コイルの少なくとも一部によって構成することができる。第1の電極は、第1のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。第2の電極は、第2のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。螺旋コイルは、鈍い先端を備えることができる。第1の電極及び第2の電極は、一致する又は実質的に一致する表面プロファイルを備えることができる。切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。切断要素は、超音波刃を含むことができる。組織切除装置は、標的組織部位から組織のコアを切断するように構成された第2の切断要素を更に備えることができる。第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。第2の切断要素は、通電ワイヤを含むことができる。第2の切断要素は、縫合糸を含むことができる。組織切除装置は、第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備えることができる。
【0039】
組織切除装置は、螺旋コイルを備える第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、組織を封止するための高周波エネルギーの送達を行うように構成された第1の電極及び第2の電極と、封止された組織の少なくとも一部を離断するように構成された第1の切断要素と、第1の結紮要素及び第2の結紮要素と、上記第1の結紮要素と第2の結紮要素と間に位置決めされる第2の切断要素とを備えることができる。組織切除装置は、第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターとを更に備えることができる。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備えることができる。第1のコイルセグメントは、概して平面状のリングを含むことができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロのピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、ゼロでないピッチを有することができる。第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有することができる。第1のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第1のピッチを有することができ、第2のコイルセグメントは、螺旋状とすることができ、第2のピッチを有することができ、第1のピッチ及び第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変とすることができる。第1の電極は、螺旋コイルの少なくとも一部によって構成することができる。第1の電極は、第1のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。第2の電極は、第2のクランプ要素の少なくとも一部によって構成することができる。螺旋コイルは、鈍い先端を備えることができる。第1の電極及び第2の電極は、一致する又は実質的に一致する表面プロファイルを備えることができる。切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。切断要素は、超音波刃を含むことができる。組織切除装置は、標的組織部位から組織のコアを切断するように構成された第2の切断要素を更に備えることができる。第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備えることができる。第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含むことができる。第2の切断要素は、通電ワイヤを含むことができる。第2の切断要素は、縫合糸を含むことができる。組織切除装置は、第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備えることができる。
【0040】
組織封止機構は、概して楕円形の断面と遠位端に配置された円錐点を有する螺旋コイルと、螺旋コイルの平行な平面状の表面によって提供される第1の螺旋組織封止面及び第2の螺旋組織封止面と、第1の螺旋組織封止面上に配置された第1の電極と、第2の螺旋組織封止面上に配置された第2の電極とを備えることができ、第1の電極及び第2の電極は、組織を封止するための双極高周波エネルギーを印加するように構成される。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備えることができる。螺旋コイルは、鈍い先端を備えることができる。第1の電極及び第2の電極は、実質的に一致する表面プロファイルを有することができる。第1の螺旋組織封止面及び第2の螺旋組織封止面は、双極高周波エネルギーの送達を行うように構成された複数の電極を更に備えることができる。
【0041】
図1図7は、本明細書に記載されるように、コア除去プロセスを達成するために使用することができる装置の例を示す。例えば、本開示の切除装置は、標的病変1320に向かって組織を貫通することができるエネルギーベースの構成を備えることができる。図1に示される1つの実施形態において、組織切除装置1100は、遠位縁部プロファイルを有し、内径IDouterを有する外管1105を備える。コイル1110は、外管1105に取り付けられ、コイル巻き部は、外管1105の遠位端から間隔を空けて対向している。コイル1110は、胸膜及び実質等の組織を貫通するのに十分な鋭さを備えながら、血管を貫通する可能性を最小限に抑える、僅かに鈍い先端1115を有することが好ましい。いくつかの実施形態において、コイル1110は、一定又は可変のピッチを有する螺旋の形態をとることができる。また、コイル1110は、可変の断面形状を有することもできる。コイル電極1130は、表面上に配置されるか、又はコイル1110内に埋め込まれる。
【0042】
いくつかの実施形態において、図1に示されるように、コイル1110は、複数の連接するコイルセグメント、例えばコイルセグメント1120及び1125を含むことができる。コイルセグメント1120は、ゼロのピッチを有する螺旋部材、例えば、内径IDcoil及び外径ODcoilを有する概して平面状の開放リング構造を備える。コイルセグメント1125は、一定又は可変のピッチ及び一定又は可変の断面形状の螺旋構造を備える。この実施形態において、コイル電極1130は、コイルセグメント1120の表面上に配置することができる、又はその中に埋め込むことができる。
【0043】
1つ以上の表面セグメントを備える縁部プロファイルを伴う遠位端を有し、外径ODcentral及び内径IDcentralを有する、中央管1200が設けられる。図2に示されるように、アンビル電極1205は、表面セグメントのうちの少なくとも1つに配置されるか、又はその中に埋め込まれる。中央管1200は、外管1105内に摺動可能に配置され、アンビル電極1205がコイル電極1130の少なくとも一部に対向して重なり合うように位置決めされる。アンビル電極1205とコイル電極1130との間の空間は、組織クランプゾーン1140と称する。本開示の一態様によれば、ODcentral>IDcoil及びODcoil>IDcentralである。いくつかの実施形態において、ODcentralは、ODcoilに略等しい。したがって、中央管1200は、アンビル電極1205がコイル電極1130に当接するように、組織クランプゾーン1140を通ってコイル1110に向かって前進することができる。
【0044】
切断管1300は、中央管1200内に摺動可能に配置される。切断管1300の遠位端には、組織の切断を容易にするナイフ縁部1302が設けられる。
【0045】
組織切除を可能にするために、切除装置1100を組織内に挿入し、外管1105を標的に向かって所定の距離だけ前進させることができる。コイルセグメント1125は、装置がコルクねじと同様の方法で組織を貫通することを可能にする。コイルセグメント1125が組織を貫通するとき、その経路内の管は、コイルセグメント1120に対して平面的に移動するか、又は後続のターンのためにコイル1110から押し出される。コイル先端1115は、肺胸膜及び実質等の或る特定の組織を貫通するのに十分な鋭さを保ちながら、血管を貫通する可能性を最小限に抑えるのに十分なほど鈍いものとなっている。次いで、中央管1200は、標的に向かって所定の距離だけ前進することができる。組織クランプゾーン1140に配置された任意の管は、コイル電極1130とアンビル電極1205との間にクランプされる。その後、コイル電極1130及びアンビル電極1205に双極エネルギーを印加することによって、管を封止することができる。血管が封止されると、切断管1300は、外管1105が到達した深さまで組織をコア除去するために前進する。封止及び切断のプロセスを繰り返して、所望の大きさのコアを作ることができる。
【0046】
本開示の一態様によれば、切除装置1100は、標的病変1320を切開し、切開点に近接する組織を封止するように更に構成することができる。切開及び封止を容易にするために、図3に示されるように、中央管1200には、結紮スネア1230、第1の結紮電極1215、第2の結紮電極1220、及び切断スネア1225が設けられる。本明細書において使用する場合、「スネア」という用語は、可撓性ライン、例えば、紐又はワイヤを意味する。中央管1200の内壁表面は、遠位端に近接して配置された上方円周溝経路1212及び下方円周溝経路1214を含む。第1の結紮電極1215及び第2の結紮電極1220は、下方円周溝1214がそれらの間となるように、中央管1200の内壁上に配置される。上方溝経路1212は、結紮電極1215及び1220の軸方向上方に配置される。
【0047】
結紮スネア1230は、下方円周溝1214内に配置され、中央管1200を通って外壁表面に沿って軸方向にスネア作動機構(図示せず)まで延在する。切断スネア1225は、上方円周溝1212内に配置され、中央管1200を通って外壁表面に沿って軸方向にスネア作動機構(図示せず)まで延在する。中央管1200の外面には、切断スネア1225、結紮スネア1230を収容し、上方円周溝経路1212及び下方円周溝経路1214と連通する複数の軸方向に延在する溝経路を設けることができる。さらに、結紮電極1215及び1220用の電極リードは、軸方向に延在する溝経路を介してエネルギー源まで延在することができる。
【0048】
動作時において、この実施形態の切除装置1100は、組織コアを取り外して封止することができる。切断管1300を後退させ、結紮スネア1230を露出させることができ、結紮スネア1230は、例えば縫合糸等の可撓性ラインで作製されることが好ましい。結紮スネア1230は、組織を引っ掛けて、第1の結紮電極1215と第2の結紮電極1220との間の内壁表面に抗して組織を引っ張るように係合することができる。次いで、双極エネルギーが第1の結紮電極1215及び第2の結紮電極1220に印加されて、組織を封止、すなわち焼灼する。封止されると、切断管1300は更に後退して、切断スネア1225を露出させ、切断スネア1225を作動させて、組織が封止された点(結紮点)の上流で組織コアを切断することができる。いくつかの実施形態において、切断スネア1225は、結紮スネア1230の直径よりも小さい直径を有する。直径が小さいほど、組織のスライスが容易となる。したがって、この実施形態に係る切除装置1100は、組織コアを作ることと、周囲の組織からコアを係合解除することとの両方を行う。
【0049】
代替的な実施形態において、本開示の切除装置1100には、組織の結紮及び切断の両方を行う、結紮電極間に配置された単一のスネアが設けられる。この実施形態においては、最初に、単一のスネアが、結紮電極1215と結紮電極1220との間で中央管1200の内壁表面に抗して組織を引っ張る。次に、双極エネルギーが第1の結紮電極1215及び第2の結紮電極1220に印加されて、組織を封止、すなわち焼灼する。封止されると、スネアを更に引っ張って組織コアを切断する。
【0050】
更に別の実施形態において、切断及び封止は、電極を使用せずに行うことができる。この実施形態において、結紮スネア1230は、例えば図4に示されるように、負荷がかかると締まる結び目1235及び1240の組を含む。結紮は、切断管1300を後退させて結紮スネア1230を露出させ、結紮の結び目が締まるにつれて組織を捕らえる結紮スネア1230を作動させることによって行われる。組織が捕らえられると、切断管1300が更に後退して切断スネア1225を露出させ、そして切断スネア1225が作動し、組織が捕らえられた点の上流で組織コアを切断することができる。
【0051】
また、本開示は、切除装置を使用して組織病変、例えば肺病変を除去する方法及びシステムを企図する。本方法は、概して、除去の標的となる病変を固定することと、組織内に標的病変1320に通じるチャネルを作ることと、固定された病変を含む組織コアを作ることと、組織コアを結紮し、周囲の組織を封止することと、チャネルから標的病変1320を含む組織コアを除去することとを含む。
【0052】
固定は、装置を肺に固定する任意の適した構造によって行うことができる。病変が固定されると、切除装置1100の挿入を容易にするためにチャネルを作ることができる。チャネルは、肺領域に切開を行い、組織拡張器及びポートを切開部に挿入することによって作ることができる。固定された病変を含む組織コアを作ることができる。本開示によれば、切除装置1100は、上述のように、組織コアを作り、組織コアを結紮し、組織コアを封止し、周囲の組織から切断するために使用することができる。次いで、組織コアをチャネルから除去することができる。一例として、空洞ポートをチャネル内に挿入して、化学療法及び/又は放射線等のエネルギーに基づく腫瘍摘出による標的病変1320部位のその後の治療を容易にすることができる。更なる例として、組織切除装置の周囲に空洞ポートを配置することができる。装置が組織部位から除去されるとき、空洞ポートは所定の位置に留まるか、又は除去され得る。
【0053】
図5に示すアンカー1400は、本明細書に記載の組織病変を除去する方法を実施する際の使用に適している。アンカー1400は、過度の損傷を引き起こすことなく胸腔組織及び肺を穿刺するのに十分に鋭利な縁部を有する外管1422と、外管1422内に配置された内管1424とを備える。事前に成形された形状記憶材料、例えばニチノールから形成される1つ以上のタイン又はフィンガー1420が内管1424の端部に取り付けられる。外管1422は、内管1424の上に後退可能に配置され、外管1422が後退すると、タイン1420は、図示されているようにプリフォーム形状を取る。本開示によれば、外管1422は、肺病変を穿刺した後に後退させられ、それによってタイン1420を肺病変に係合させる。他の適したアンカーには、コイル及び吸引ベースの構造が含まれ得る。
【0054】
図6に示す切開刃は、本明細書に記載の組織病変を除去する方法を実施する際の使用に適している。アンカー1400が設置されると、胸壁組織拡張器の挿入を容易にするために小さな切り込み又は切開を作ることが好ましい。切開刃1605は、より広い切り込みを行うために使用される。切開刃1605は、連続していてもよく、アンカー1400に沿って切開刃1605を同軸上で前進させて胸壁により広い切り込みを作ることを可能にする中央開口部を含んでもよく、連続する各刃は前の刃よりも大きく、それによって切開の幅が増大する。
【0055】
図7に示す組織拡張器は、本明細書に記載の組織病変を除去する方法を実施する際の使用に適している。組織拡張器は、有機組織内にチャネルを作るための任意の適した装置を含むことができる。1つの例示的な実施形態において、組織拡張器アセンブリは、丸みを帯びた端部1510を有する単一の円筒形ロッド又は丸みを帯びた端部1510を有する円筒形ロッドと、剛性スリーブ構成1515とを含む。連続する組織拡張器は、アンカーに沿って同軸上で前進し、胸壁内に組織経路又はチャネルを作り、連続する各拡張器は前の拡張器よりも大きく、それによってチャネルの直径が増大する。剛性スリーブを備えた最終拡張器が展開されると、剛性スリーブを肋骨間の肋間スペースに残しながら内側ロッドが取り除かれ、肺胸膜への直接通路が作られる。
【0056】
肺組織を貫通し、標的病変1320を含む組織コアを作ることができる任意の組織切除装置が、本明細書に記載の組織病変を除去する方法を実施する際の使用に適している。本明細書に記載の組織切除装置1100が好ましい。
【0057】
組織切除装置1100が除去されると、標的病変が除去された肺内の小さなチャネルが存在する。このチャネルは、組織診断の結果に応じて、エネルギーベースの融除装置及び/又は局所化学療法を導入するために利用することができる。したがって、本開示の方法及びシステムは、効果的な生検が実施されることを保証するだけでなく、健康な肺組織の除去を最小限にして病変を完全に除去するために利用することができる。
【0058】
図8は、例示的な方法の流れ図を示す。組織コアが標的部位から除去され、それによって標的部位にコア空洞が作られるように、標的部位の組織をコア除去することができる。標的部位の組織をコア除去することは、組織を離断することと、封止することとを含むことができる。標的部位の組織をコア除去することは、標的組織部位に隣接して組織コア除去装置を配置することを含むことができる。組織コア除去装置は、螺旋コイルを備えた第1のクランプ要素、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素、組織を封止するための高周波エネルギーの送達を行うように構成された第1の電極及び第2の電極、及び/又は封止された組織の少なくとも一部の離断を行うように構成された切断要素を備えることができる。他の装置を使用することもできる。
【0059】
1802において、組織切除装置を標的組織部位に配置することができる。標的組織部位は、組織病変を含むことができる。様々な組織が標的部位として含まれ得る。組織切除装置は、本明細書に記載の装置又は構成要素のうちの1つ以上を備えることができる。
【0060】
1804において、組織のコアを切除することができる。組織のコアは、コア除去装置に基づいた所定の(例えば、事前に規定された)形状(例えば、円柱状)及び寸法を有し得る。そのようなコア除去装置は、同じ又は実質的に同じ形状の組織コアを反復可能な方法でコア除去するために使用され得る。このようなコア除去は、切断された組織が事前に規定された形状又は寸法を有さない、例えばハサミ又は外科用メスを使用した他の組織除去とは区別され得る。一例として、組織切除装置は、標的組織部位から組織のコアを切除するようにされ得る。
【0061】
1806において、組織切除装置は、その身体から除去することができる、又は標的組織部位にコア空洞を作ることができる。組織のコアが除去されたことから、体液はコア空洞に向かって、又はコア空洞内に流れ込み得る。
【0062】
1808において、コア空洞の少なくとも一部を封止することができる。そのような封止は、体液管を封止することを含むことができる。体液管を封止することにより、空洞コアへの体液の流れを最小限に抑えることができる。
【0063】
本明細書に記載されるように、標的組織部位へのアクセスは、トロカール900を介して実現することができる。例示のトロカールは、図9及び図10に示される。トロカールは、トロカールチャネル(例えば、図9Bのトロカールチャネル902)を備えることができる。トロカールチャネルは、胸膜空間の第1の層を貫通したときに胸膜空間内に空気を導入するために使用することができる。胸膜内の真空が失われ、これにより、肺が下げられ、肺胸膜を損傷する可能性が最小限に抑えられる。病変が首尾よく場所特定されると、固定装置を使用して標的組織病変を安定させることができる。また、組織コア除去装置は、トロカールを使用して、又はガイドアンカーを用いて若しくは用いずに直接可視化した状態で標的病変の場所へ直接導入し、組織切除を行うこともできる。外管1105は、使用時にトロカール900をより良好に適所に保持するために、外面上にリブ、柔突起等の突起1116を有することができる。
【0064】
コア除去装置は、本明細書において図示及び記載されるように、標的組織をコア除去及び切断するように構成することができる。加えて、又は代替として、コア除去装置及び切断装置を個別の装置として構成してもよい。コア除去装置は、コア除去を行うために使用することができ、アンカー1400及びコア除去された組織を組織空洞の底部における周囲の組織に付着させたままにして除去することができる。ユーザーは、切断装置をアンカー1400上に配備し、後続の組織分析のために組織サンプルを切断して除去する前に、サンプルの目視検査を行うことができる。
【0065】
例えば図11及び図12に示されるように、双極コア除去装置1100は、標的病変を経皮的にコア除去するように構成することができる。図示されているように、遠位先端のコイル電極1130が一方の極であり、中央管1200の遠位先端上のアンビルリング電極1205が第2の極である。外管1105の外面上の突起1116は、装置1100を適所に固定することを補助する。ハンドル上のルアーポート1106は、コア除去中に真空接続するためのものである。使用時において、ユーザーは、アンカー1400上に装置1100を配置し、アンカー1400が装置の遠位端上に係止されるまでコア除去を行うことができる。この点において、標的病変1320は、切断管1300(最も内側の管)の内径(ID)内にある。ユーザーは、アンカー1400を装置から係止解除し、装置1100をアンカーから取り外す前にコイル電極1130を反時計回りに回転させてコイル電極1130を周囲の組織から係合解除することができる。標的病変1320及びアンカー1400は、適所に残され得る。ユーザーは、標的病変1320が肺組織に付着したままの状態で標的病変1320を目視で検査することができる。
【0066】
例えば図13及び図14に示されるように、双極装置1100は、コア除去された標的病変1320を結紮して周囲の組織から切断するように構成することができる。図示されているように、2つの可撓性ライン1225、1230を中央管1200のID上の内部溝1212、1214内に配置することができる。結紮ライン溝l214は、2つの結紮電極1215、1220間に配置される。切断ライン溝1212は、2つの電極に近接して配置される。ハンドル上のルアーポート1106は、使用中に真空接続するためのものである。一例示の使用において、コア除去の後、装置1100は、アンカー1400が装置の遠位端に係止されるまでアンカー1400の上に挿入される。標的病変1320は、アンカー1400が適所に係止されると、装置1100の内径内にある。次いで、切断管1300を後方へ動かし、結紮ライン1230及び切断ライン1225を露出させる。ハンドル上の結紮リング1706を作動させ、組織を2つの電極に対して病変から遠位に引っ張り、結紮する。結紮が完了すると、ハンドル上の切断リング1702を引っ張り、標的病変1320と結紮場所との間の組織を切断し、病変を肺組織から分離する。次いで、標的病変1320及びアンカー1400と共に装置を除去し、病変組織の収集を行う。リング1702、1706のいずれかを手動で引っ張る動作は、内部機構、例えば、モーター、搭載されたばね、カム動作等を使用するように設計され得る。
【0067】
例えば図15及び図16に示されているように、組織切除装置1100の一実施形態は、外管1105と、中央管1200と、切断管1300とを備えることができる。中央管1200の遠位端には、アンビル電極1205を設けることができる。コイル上には、コイル電極1130を設けることができる。アンビル電極1205とコイル電極1130との間の領域は、組織クランプゾーン1140と称する。図15は、切断管1300が中央管1200内において更に引き出されたときの構造を示す。第1の結紮電極1215及び第2の結紮電極1220は、結紮スネア1230を含む下方円周溝1214がそれらの間となるように、中央管1200の内壁上に配置される。上方溝経路1212は、切断スネア1225のための結紮電極1215及び1220の軸方向上方に配置される。
【0068】
本開示は、少なくとも以下の態様を含む。
【0069】
態様1。組織コア除去及び切断システムであって、コア除去装置であって、螺旋コイルを備える第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、第1のクランプ要素及び第2のクランプ要素のうちの1つ以上に隣接する領域への高周波エネルギーの送達を行って組織を封止するように構成された第1の電極及び第2の電極と、封止された組織の少なくとも一部を離断して組織のコアを形成するように構成された切断要素とを備える、コア除去装置と、少なくとも組織のコアの切断を行うように構成された第2の切断要素を備える切断装置とを備える、組織コア除去及び切断システム。
【0070】
態様2。態様1に記載の組織コア除去及び切断システムを使用する方法であって、標的組織部位に隣接してコア除去装置を配置することと、螺旋コイルを標的組織部位に回し入れることと、第1のクランプ要素と第2のクランプ要素とを互いにクランプさせることと、高周波エネルギーによって第1の電極及び第2の電極のうちの1つ以上に通電することと、切断要素に標的組織部位の少なくとも一部をコア除去させることと、コア除去装置及び組織のコアを除去することと、標的組織部位に隣接して切断装置を配置することと、切断装置に標的組織部位の少なくとも一部を切断させることとを含む、方法。
【0071】
態様3。第1のクランプ要素又は第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターとを更に備える、態様1又は2に記載の組織コア除去及び切断システム。
【0072】
態様4。螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備える、態様1~3のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0073】
態様5。第1のコイルセグメントは、概して平面状の開放リングを含む、態様4に記載の組織コア除去及び切断システム。
【0074】
態様6。第1のコイルセグメントは、螺旋状であり、ゼロのピッチを有する、態様5に記載の組織コア除去及び切断システム。
【0075】
態様7。第2のコイルセグメントは、螺旋状であり、ゼロでないピッチを有する、態様1~4のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0076】
態様8。第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有する、態様7に記載の組織コア除去及び切断システム。
【0077】
態様9。第1のコイルセグメントは、螺旋状であり、第1のピッチを有し、第2のコイルセグメントは、螺旋状であり、第2のピッチを有し、第1のピッチ及び第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変である、態様1~4のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0078】
態様10。第1の電極は、第1のクランプ要素の少なくとも一部によって提供される、態様1~9のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0079】
態様11。第2の電極は、第2のクランプ要素の少なくとも一部によって提供される、態様1~10のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0080】
態様12。螺旋コイルは、鈍い先端を備える、態様1~11のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0081】
態様13。第1の電極及び第2の電極は、実質的に一致する表面プロファイルを有する、態様1~12のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0082】
態様14。切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備える、態様1~13のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0083】
態様15。切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含む、態様1~14のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0084】
態様16。切断要素は、超音波刃を含む、態様1~15のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0085】
態様17。第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備える、態様1~16のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0086】
態様18。第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含む、態様1~17のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0087】
態様19。第2の切断要素は、通電ワイヤを含む、態様1~18のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0088】
態様20。第2の切断要素は、縫合糸を含む、態様1~19のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0089】
態様21。第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備える、態様1~20のいずれか1つに記載の組織コア除去及び切断システム。
【0090】
図示及び説明したものは、最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものであるが、説明及び図示された特定の設計及び方法からの逸脱が当業者に示唆され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用され得ることは明らかである。例えば、肺から病変を除去するためのシステム、装置、及び方法が本明細書に記載されている。本明細書に記載の装置及び方法は、肺に限定されず、身体の他の領域における組織の切除及び病変の除去に使用できることを当業者は理解するであろう。本発明は、説明及び図示された特定の構成に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれ得る全ての変更と一致するように構成されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織コア除去及び切断システムであって、
コア除去装置であって、
螺旋コイルを備える第1のクランプ要素と、
前記第1のクランプ要素の少なくとも一部に対向するように位置決めされる第2のクランプ要素と、
前記第1のクランプ要素及び前記第2のクランプ要素のうちの1つ以上に隣接する領域への高周波エネルギーの送達を行って組織を封止するように構成された第1の電極及び第2の電極と、
前記封止された組織の少なくとも一部を離断して組織のコアを形成するように構成された切断要素と、
を備える、コア除去装置と、
少なくとも前記組織のコアの切断を行うように構成された第2の切断要素を備える切断装置と、
を備える、組織コア除去及び切断システム。
【請求項2】
前記第1のクランプ要素又は前記第2のクランプ要素を作動させて組織に機械的圧縮を印加するように動作可能な第1のアクチュエーターと、
前記切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能な第2のアクチュエーターと、
を更に備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項3】
前記螺旋コイルは、連接する第1のコイルセグメントと第2のコイルセグメントとを備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項4】
前記第1のコイルセグメントは、平面状の開放リングを含む、請求項に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項5】
前記第1のコイルセグメントは、螺旋状であり、ゼロのピッチを有する、請求項に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項6】
前記第2のコイルセグメントは、螺旋状であり、ゼロでないピッチを有する、請求項に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項7】
前記第2のコイルセグメントは、可変のピッチを有する、請求項に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項8】
前記第1のコイルセグメントは、螺旋状であり、第1のピッチを有し、前記第2のコイルセグメントは、螺旋状であり、第2のピッチを有し、前記第1のピッチ及び前記第2のピッチのうちの少なくとも1つは可変である、請求項に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項9】
前記第1の電極は、前記第1のクランプ要素の少なくとも一部によって提供される、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項10】
前記第2の電極は、前記第2のクランプ要素の少なくとも一部によって提供される、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項11】
前記螺旋コイルは、鈍い先端を備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項12】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、一致する表面プロファイルを有する、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項13】
前記切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項14】
前記切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項15】
前記切断要素は、超音波刃を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項16】
前記第2の切断要素の少なくとも一部は、鋭利な縁部を備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項17】
前記第2の切断要素は、高周波エネルギーの送達を行うように構成された少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項18】
前記第2の切断要素は、通電ワイヤを含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項19】
前記第2の切断要素は、縫合糸を含む、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。
【請求項20】
前記第2の切断要素を作動させて組織を離断するように動作可能なアクチュエーターを更に備える、請求項1に記載の組織コア除去及び切断システム。

【国際調査報告】