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特表2024-500592タイムピースムーブメントの脱進機、タイムピースの脱進機のための戻し構成要素、タイムピースムーブメント、及びこのようなムーブメントを備えたタイムピース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】タイムピースムーブメントの脱進機、タイムピースの脱進機のための戻し構成要素、タイムピースムーブメント、及びこのようなムーブメントを備えたタイムピース
(51)【国際特許分類】
   G04B 15/02 20060101AFI20231227BHJP
   G04B 17/04 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G04B15/02
G04B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515008
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021072227
(87)【国際公開番号】W WO2022048864
(87)【国際公開日】2022-03-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523076335
【氏名又は名称】カラブレーゼ,ヴィンセント
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カラブレーゼ,ヴィンセント
(57)【要約】
本発明は、特に渦巻バネに取って代わる、タイムピースのてん輪(10)における戻し構成要素に関する。この戻し構成要素は、てん輪ピニオン(20)と係合するよう配置された歯状区域(22)、が設けられたレーキ(21)を備える。レーキ(21)は、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された両端位置、の間で動くのを可能にする、回転軸(24)を備える。戻し構成要素は、レーキ(21)をその静止位置に向けて促すよう配置された、2つのバネ(26)も備える。各バネ(26)は、エネルギーを蓄え、次にエネルギーをレーキに復元するよう配置された、弾性ブレード(27)によって形成される。各弾性ブレードは、それらが決して同時に作動しないよう、交互に作動する。本発明は、このような戻し構成要素を備えた脱進機、この戻し構成要素を備えたタイムピースムーブメント、及びこのようなムーブメントを備えたタイムピース、にも関する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(11)で枢動するてん輪(10)、ガンギ車(14)、レバー(12)、及び前記てん輪の戻し部材(19)、を備えた、クロックワークムーブメントの脱進機であって、前記脱進機は、
前記てん輪(10)がてん輪ピニオン(20)と一体化されることと、
前記てん輪の前記戻し部材(19)が、
前記てん輪ピニオン(20)と共に作動するよう配置された歯状区域(22)が設けられ、かつ、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された2つの両端位置、の間での回転を可能にする軸(24)を備えた、レーキ(21)、及び
前記レーキ(21)をその静止位置に向けて押圧するよう配置された、2つのバネ(26)からなり、前記バネ(26)は、エネルギーを蓄積し、前記レーキ(21)にエネルギーを戻すよう、配置された弾性ブレード(27)を含んだ、戻し機構(25)、
を備えることと、
前記弾性ブレード(27)の一方のみが、同時にエネルギーを蓄えて戻すことと、
を特徴とする、クロックワークムーブメントの脱進機。
【請求項2】
前記レーキがその静止位置にあるとき、前記バネ(26)は、前記てん輪の前記回転軸(11)及び前記レーキの前記回転軸(24)を通過する面に対して、対称に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のクロックワークムーブメントの脱進機。
【請求項3】
てん輪(10)、ガンギ車(14)、及びレバー(12)が設けられた脱進機を備えた、タイムピースムーブメントの戻し部材(19)であって、
てん輪ピニオン(20)と共に作動するよう配置された歯状区域(22)が設けられたレーキ(21)を備え、かつ、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された両端位置、の間での回転を可能にする軸(24)を含んだ、前記レーキ(21)を備えることと、
前記レーキ(21)を、その静止位置に向けて押圧するよう配置された2つのバネ(26)で、かつ、エネルギーを蓄積し、及び前記レーキ(21)にエネルギーを戻すよう配置された、弾性ブレード(27)を含んだ、前記バネ(26)を備えることと、
前記弾性ブレード(27)の一方のみが、同時にエネルギーを蓄えて戻すことと、
を特徴とする、戻し部材。
【請求項4】
前記レーキがその静止位置にあるとき、前記バネ(26)は、前記てん輪の回転軸(11)及び前記レーキの回転軸(24)を通過する面に対して、対称に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の戻し部材。
【請求項5】
前記レーキ(21)は、内側の歯状部を備えることを特徴とする、請求項3に記載の戻し部材。
【請求項6】
前記弾性ブレード(27)は、前記歯状区域と一体化されることを特徴とする、請求項3に記載の戻し部材。
【請求項7】
前記弾性ブレード(27)は、前記レーキ(21)のアーム(23)に寄り掛かるよう配置されることを特徴とする、請求項3に記載の戻し部材。
【請求項8】
てん輪(10)、ガンギ車(14)、レバー(12)、及び前記てん輪のための戻し部材(19)、が設けられた脱進機を備える、タイムピースムーブメントであって、前記ムーブメントは、
前記てん輪(10)が、てん輪ピニオン(20)と一体化されることと、
前記てん輪の前記戻し部材(19)が、
前記てん輪ピニオン(20)と共に作動するよう配置された歯状区域(22)が設けられたレーキ(21)で、かつ、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された両端位置、の間での回転を可能にする軸(24)を備えた、前記レーキ(21)、及び
前記レーキ(21)をその静止位置に向けて押圧するよう配置された2つのバネ(26)で、かつ、エネルギーを蓄積し、及び前記レーキ(21)にエネルギーを戻すよう配置された、弾性ブレード(27)を含んだ、前記バネ(26)を備えた、戻し機構(25)、
を備えることと、
前記弾性ブレード(27)の一方のみが、同時にエネルギーを蓄えて戻すことと、
を特徴とする、タイムピースムーブメント。
【請求項9】
少なくとも2本のピンを備え、それらを用いて前記弾性ブレードは、前記レーキがその回転軸(24)周りに運動する間に、交互に相互作用することを特徴とする、請求項8に記載のタイムピースムーブメント。
【請求項10】
前記脱進機の調整要素(29)を備えることを特徴とする、請求項8に記載のタイムピースムーブメント。
【請求項11】
前記脱進機の前記調整要素(29)は、前記ムーブメントのプレート上で可動であり、かつ前記バネ(26)と相互作用する、少なくとも2本のピン(30)を備えることを特徴とする、請求項10に記載のタイムピースムーブメント。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一項に記載のムーブメントを備える、タイムピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計学の分野に関し、より詳細には、小型の機械式時計学の分野に関する。その主題は、より簡単に製造され、ひげゼンマイの欠点を有さず、かつ小型の時計学的デバイスにおける現存の脱進機システムに適応できる構成要素によって、てん輪の戻し部材として、渦巻バネに取って代わることである。
【0002】
より詳細には、本発明は、てん輪、ガンギ車、レバー、及びてん輪の戻し部材、を備えた、クロックワークムーブメントの脱進機に関する。さらに、てん輪、ガンギ車、及びレバーが設けられた脱進機を備えた、タイムピースムーブメントのための戻し部材に関する。
【0003】
さらに本発明は、てん輪、ガンギ車、レバー、及びてん輪の戻し部材が設けられた脱進機を備えた、タイムピースムーブメントに関する。
【0004】
最後に、本発明は、上記で定義したムーブメント、脱進機、または戻し部材を備えたタイムピースに関する。
【背景技術】
【0005】
巨大な時計、壁時計、または卓上時計のいずれかである、固定された時計学的デバイスは、振り子のおかげで、数世紀の間に十分な精度を提供してきた。振り子の、この精度は、振り子をその死点に戻すために戻し部材に作用する、重力によるものである。固定されたタイムピースは、不変である重力の利点を活用する。
【0006】
小型の時計学的デバイスのための、初期の試験は、王冠脱進機、及び戻しデバイスとしての棒てんぷを追加して、実行された。このシステムは、満足のいく精度を与えることができず、実質的な改善は、渦巻バネの発明後に初めて成された。
【0007】
しかし、渦巻バネは、重力よりもはるかに不十分であり、その性能は不変からはほど遠い。その非常にデリケートな製造に加えて、最も重要な欠点は、垂直位置における変動と、同様に、専門用語で上昇角度及び下降角度と呼ばれる、回転の収縮と弛緩との間における連結の変動と、である。あらゆる研究にもかかわらず、その形態及び材料において、不利点に対する満足した解決策は、まだ見出されていない。
【0008】
したがって、脱進機、さらにてん輪または他の構成要素、それらの配置及び機能に対する、あらゆる研究にもかかわらず、ひげゼンマイの制約を克服することは可能ではない。
【0009】
クロックワークムーブメントにおける渦巻バネに取って代わるための、いくつかの改善が探られてきた。それらの内で、スイス国特許発明第34983号明細書を挙げることができる。この特許において、クロックワークムーブメントは、てん輪ピニオンに作用する歯状レーキを含む。このレーキは分割ロッドを有し、レーキの歯状部の反対側において、この分割ロッドの端部に配置されたシャフトで枢動する。タイムピースムーブメントは弾性ブレードを備え、これは、プレートの一方の端部に固定され、かつ他方の端部の近くに突起が設けられる。この突起は、レーキにおける分割ロッドのスロットで摺動するよう、設けられる。このレーキ、分割ロッド、及び弾性ブレードは、共に作動して、てん輪の戻し部材を形成する。
【0010】
この具現化において、弾性ブレードは、レーキの運動によって変形されたときに、エネルギーを蓄えることが可能でなければならない。次に、レーキを反対方向に、レーキの死点または静止位置を越えて動かすために、このエネルギーを戻さなければならない。ムーブメントの保守及び摩擦補償は、ガンギ車のインパルス面とレバーのアンクルとの間における協働によって成される。
【0011】
前述の特許において説明された具現化は、いくつかの課題を呈する。弾性ブレード及び分割ロッドは、同じ面にない。突起は、分割ロッドのスロットに配置することができるように、弾性ブレードから突出する。スロットにおける突起の運動は、弾性ブレードの捩じれ、ならびに摩擦を発生させ、それは大幅なエネルギー損失をもたらす。
【0012】
さらに、弾性ブレードは、2つの相反した制約に対応しなければならない。一方では、てん輪の運動の影響下で変形する間に、十分なエネルギー量を蓄えて、弾性ブレードがその静止位置に戻るときにエネルギーを解放するために、弾性ブレードの剛性は十分高くなければならない。このエネルギー量は、スロットにおける突起の摩擦、及び弾性ブレードの捩じれに関連した損失も、補わなければならない。
【0013】
他方では、この剛性は、レーキが十分に動くことができ、てん輪の少なくとも300°の角運動を可能にするために、十分に低くなければならない。
【0014】
剛性が高すぎる弾性ブレードは、レーキの大きい角運動を妨げ得る。なぜなら、この弾性ブレードは、比較的弱い角運動をすると直ぐに、このレーキをその死点まで戻す傾向があるからである。十分に剛性が高くない弾性ブレードは、てん輪が動きを継続するのを可能にするための、十分なエネルギーを蓄えられない。
【0015】
さらに、弾性ブレードの剛性が高すぎる場合、この動きを開始することはできない。実際、この動きは、レバーのアンクルが、ガンギ車のインパルス面に達した場合のみ開始できる。弾性ブレードの剛性が高すぎる場合、これは可能ではない。
【0016】
前述の特許で説明したシステムを用いて、既に存在するか、または現行の材料及び技術で作られた弾性ブレードは、本発明の原則を使用できない。その剛性は、てん輪の十分に大きい運動を可能にするには高すぎる。
【0017】
バネの剛性は、特にその有効長に依存し、弾性ブレードの剛性を低減するのを可能にする解決策は、恐らくはそれを伸ばすことであろう。通常の渦巻バネは、12~15のコイルを有する。詳細には、典型的な腕時計などの携帯用時計では、機能的な戻し部材を得るために十分長い弾性ブレードを収容することは、可能ではない。
【0018】
このスイス国特許発明第34983号明細書で説明されている発明は、渦巻バネの非対称性に関する課題を回避する、対称の戻し部材を生成することによって、渦巻バネの特定の課題を解決するよう試みられた。しかし、得られた結果は、腕時計タイプの携帯用時計には使用できない。
【0019】
スイス国特許発明第19698号明細書も、その実施形態の内の1つで、てん輪ピニオンに作用するレーキを記載している。上記で挙げたスイス国特許発明第34983号明細書のように、レーキは弾性ロッドに連接され、その変形は、てん輪ピニオンの回転を可能にするものと想定される。
【0020】
この特許で説明された発明は、前述の特許で説明したものと同じ課題を有し、そのためこの発明を実用することは可能ではない。
【0021】
渦巻バネ、及び渦巻バネの不利点に取って代わる目的で、てん輪の作動部材を提供するための解決策を見出すことは、有利となり得る。この、てん輪の作動部材は、ひげゼンマイよりも製造が容易で、対称であり、タイムピースムーブメントの始動を可能にする。そのサイズは、従来サイズの腕時計における使用と互換性があり、先行技術で説明された発明の具現化の不利点を有さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】スイス国特許発明第34983号明細書
【特許文献2】スイス国特許発明第19698号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
先行技術における戻し部材の不利点は、本発明の戻し部材によって排除される。
【0024】
本発明の目的は、てん輪の両方向における運動において、同じように反応する戻し部材を提供することであり、それは垂直位置で妨げられず、かつ渦巻バネのように、取扱いが脆弱でもデリケートでもない。
【課題を解決するための手段】
【0025】
これらの目的は、プリアンブルで定義され、かつ、てん輪がてん輪ピニオンと一体化されることと、てん輪の戻し部材が、てん輪ピニオンと共に作動するよう配置された歯状区域が設けられたレーキを備えることと、を特徴とする、クロックワークムーブメントの脱進機によって実現される。このレーキは、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された2つの両端位置、の間における回転を可能にする軸を備える。この戻し部材は、レーキをその静止位置に向けて押圧するよう配置された2つのバネを備えた、戻し機構をさらに備える。
【0026】
本発明の目的は、プリアンブルで定義され、かつ、てん輪ピニオンと共に作動するよう配置された、歯状区域が設けられたレーキを備えることを特徴とする、戻し部材によっても実現される。このレーキは、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された2つの両端位置、の間における回転を可能にする軸と、レーキをその静止位置に向けて押圧するよう配置された、2つのバネと、を備える。
【0027】
本発明の目的はさらに、プリアンブルで定義され、かつ、てん輪がてん輪ピニオンと一体化されることと、てん輪の戻し部材が、てん輪ピニオンと共に作動するよう配置された歯状区域が設けられたレーキを備えることと、を特徴とする、タイムピースムーブメントによって実現される。このレーキは、作動位置と呼ばれる、静止位置によって分離された2つの両端位置、の間における回転を可能にする軸を備える。この戻し部材は、レーキをその静止位置に向けて押圧するよう配置された2つのバネを備えた、戻し機構をさらに備える。
【0028】
最後に、本発明の目的は、上記で定義したムーブメント、脱進機、または戻し部材を備えたタイムピースによって実現される。
【0029】
本発明によると、渦巻バネとは異なり、戻し部材は、てん輪に固定されず、てん輪との戻し部材の接続は、機械式歯車装置によって行われる。
【0030】
この戻し部材は、以降ではレーキと呼ばれる歯状部と、2つの弾性ブレードの形態で作られた2つのバネを含んだ戻し機構と、を備える。レーキと、てん輪ピニオンとの間における歯車装置による、摩擦の増加は、本発明によると、渦巻バネ、スタッドに対する渦巻バネの押し付け、渦巻バネのインデックスアセンブリ、ならびに本開示の初めに説明した欠点、のための不利点を軽減することによって補われる。
【0031】
本発明の脱進機は、てん輪ピニオンと共に作動する、歯状区域が設けられたレーキを備える。本発明の脱進機は、2つの弾性ブレードが設けられた戻し機構も備える。このレーキは、その軸において、作動位置と呼ばれ、かつ、てん輪の最大回転に相当する、2つの両端位置の間で枢動する。これら2つの両端ポイントは、静止位置によって分離される。
【0032】
レーキが静止位置から動かされると、弾性ブレードの一方はレーキによって変形される。この変形は、弾性ブレードがエネルギーを蓄えるのを可能にする効果を有する。次にこのエネルギーは、弾性ブレードによって使用され、レーキをその静止位置に向けて押圧する。脱進機、及び特にレバーの構成によって、レーキに供給されたエネルギーは、レーキがその静止位置を越えて進むのを可能にする。この静止位置を越えたとき、エネルギーが提供された弾性ブレードは、もはやレーキと相互作用しない。他方の弾性ブレードは、同様にエネルギーを蓄え、次にエネルギーを戻すために相互作用する。
【0033】
本発明によると、戻し部材は、てん輪の回転軸を通過する面に対して対称性を有する。この対称性のために、てん輪が回転の一方の方向に動くときに作用する力は、てん輪が回転の他方の方向に動くときに作用する力と等しい。ひげゼンマイの非対称性による不利点の1つは、これによって排除される。
【0034】
本発明の戻し部材は、2つの弾性ブレードの形態で作られた2つのバネか、またはレーキに作用するバネブレードを備えた戻し機構、によって形成される。これらの弾性ブレードは、弾性ブレードの一方がレーキに作用してレーキをその静止位置に戻す前に、レーキが僅かな角度だけ動かせるように、構成かつ位置付けることができる。これは、携帯用時計のムーブメントの開始を可能にし、静止面で止まる課題を回避する。互いに独立し、かつ決して同時に作動しない2つの弾性ブレードを使用することは、戻し機構の剛性を2つに分割するのを可能にし、それは、従来サイズの携帯用時計におけるケースの中に設置するのを可能にするよう、十分短い長さのブレードを確立することを可能にする。これは、スイス国特許発明第34983号明細書及びスイス国特許発明第19698号明細書に記載された、特に戻り部材の課題を、回避するのを可能にする。
【0035】
本発明の戻り部材において、2つの弾性ストリップは互いに独立している。そのため、ブレードの一方が、エネルギーを蓄えるか、またはエネルギーを戻すように変形され、他方の弾性ブレードは停止して、レーキと相互作用しない。これは、2つの弾性ブレードが同時にレーキに作用する場合に発生しかねない、剛性が高すぎる弾性ブレードに関する課題を、回避する。
【0036】
レーキは、通常は80~160の歯状部を有し得る、歯状ホイールの区域から構成される。てん輪が、330°の振幅で運動を実施し、かつ、てん輪が10個の歯状部を有するものと想定すると、角運動は、80個の歯状ホイールに相当するレーキに対して37.125°であり、160個の歯状ホイールに相当するレーキに対して18.5625°である。レーキの弱い角運動は、戻し機構によって管理することができ、その一方では、てん輪の大きい角運動を可能にする。
【0037】
本発明及びその利点は、添付の図面及び特定の実施形態の詳細な説明を参照すると、より良好に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ひげゼンマイの無い、従来のスイスレバー脱進機の上面図である。
図2図1における脱進機の側面図である。
図3】ピニオンに適合した、てん輪シャフトを備えた、図1及び図2の脱進機の側面図である。
図4】本発明の第1の実施形態による、静止位置にある戻し部材を備えた、図1図3における脱進機の一部の上面図である。
図5】静止位置にある、図4の戻し部材を示す図である。
図6】作動位置にある、図4の戻し部材を示す図である。
図7】静止位置にある、本発明の戻し部材における変形の上面図である。
図7a図7の一部の拡大図である。
図8】作動位置にある、図7の戻し部材の上面図である。
図9】弾性ブレードの位置調整を実施できる、図6のものと類似の戻し部材を示す図である。
図10】静止位置にある、本発明による戻し部材における変形を表わす図である。
図11】作動位置にある、図10の戻し部材を示す図である。
図12】静止位置にある、本発明による戻し部材における他の変形を示す図である。
図13】静止位置にある、本発明による戻し部材における他の変形を示す図である。
図14】静止位置にある、本発明による戻し部材における他の変形を示す図である。
図15】作動位置にある、図14の戻し部材を表わす図である。
図16】内側の歯状レーキ、及び図14及び図15と同一の戻し機構を伴う、戻し部材を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、特にクロックワークムーブメントの脱進機に関する。例示される実施形態において、脱進機は、従来の部品及び新たな部品を備える。従来の部品は、図1図3において、スイスレバー脱進機の一部として表わされる。この脱進機は、てん輪シャフト11で枢動するてん輪10と、レバーシャフト13で枢動するレバー12と、ガンギ車シャフト15で枢動するガンギ車14と、を備える。さらにレバー12は、従来の方法で、特にてん輪10によって作動されるフォーク16と、ガンギ車14の歯状部18に作用する2つのアンクル17と、を備える。従来の脱進機とは異なり、この脱進機は、いかなる渦巻バネも含まない。スイスレバー脱進機がここで表わされ、この脱進機は、実際に最も一般的に使用されていることに留意されたい。しかし本発明による戻し部材も、てん輪が調整部材として作用する任意の他の脱進機に、使用され得る。
【0040】
新たな部品は、その機能において渦巻バネに取って代わる、戻し部材19を含む。
【0041】
本発明による戻しデバイスは、現存の脱進機に一体化されるか、またはこのムーブメントのために特別に開発された脱進機の一部を形成することができる。
【0042】
図3を詳細に参照すると、本発明に使用されるてん輪10は、てん輪シャフト11と一体化された、てん輪ピニオン20を備える。
【0043】
本発明による戻し部材19は、歯状区域22及び1つまたは2つのアーム23を含んだ、レーキ21を備える。レーキ21は、クロックワークムーブメントのプレート(表示せず)と一体化されたレーキの軸24周りを枢動する。このレーキは、てん輪10が、右回りまたは左回りに最大の運動を成す、2つの両端作動位置の間で、その静止位置のいずれの側にも動くことができる。
【0044】
戻し部材19は、2つのバネ26を含んだ戻し機構25をさらに備え、その動作は以下で説明する。これらのバネ26は、例示された実施形態において2つの弾性ブレード27から構成される。
【0045】
図4図6に例示された実施形態において、レーキ21は2つのアーム23を備える。その一方の端部は、歯状区域22の各端部に配置され、その他方の端部は、レーキの回転軸24の近くで接合する。
【0046】
このレーキ21は、ロッド28をさらに備える。ロッド28は、レーキの軸24に近い一方の端部と、弾性ブレード27と一体化された他方の端部と、を有する。
【0047】
戻し部材19は、2つのピン30を有するタイムピースのプレート上に設置することができる。これら2つのピン30は、レーキ21の位置に依拠して、弾性ブレード27が、これらのピンに寄り掛かることができるよう、配置される。
【0048】
この実施形態において、レーキ21、アーム23、ロッド28、及び弾性ブレード27、は一体化されて1つのピースで作られる。
【0049】
図4及び図5は、静止位置にあるレーキ21を例示する。図6は、作動位置にあるレーキ21を例示する。
【0050】
てん輪10が一方向に枢動されたとき、例えば図6に例示される作動位置において、てん輪ピニオン20は、レーキ21の歯状区域22で作用して、歯状区域22を回転軸24で反対方向に枢動させる。これは、弾性ブレード27の一方を、対応したムーブメントのピン30に対して変形させる効果を有する。この弾性ブレード27は、エネルギーを蓄える。他方の弾性ブレードは自由で、ムーブメントの残り、または他方のピン30とは相互作用しない。そのため、レーキ21の回転またはてん輪10の回転に対抗しない。
【0051】
弾性ブレード27によって加えられたストレスが十分であるとき、レーキ21の特定の角運動の後、したがっててん輪10の角運動後に、ブレードはエネルギーを戻し、レーキを他方の回転方向に枢動させる。これは、てん輪ピニオン20を介して、てん輪の回転を生じさせる。従来、てん輪10は、ガンギ車14の歯状部18を解放するよう、レバー12に作用する。フォーク16を介してエネルギーをてん輪10に伝えるこのレバーに、エネルギーを供給するよう、ガンギ車14における歯状部のインパルス面は、レバー12のアンクル17の1つに作用する。このエネルギーは、てん輪の軸11で枢動するよう、てん輪によって使用される。それは、軸24上でレーキ21の回転を生じさせ、戻し機構25の他方の弾性ブレード27に負荷を加えるのを可能にする。
【0052】
この交互の動きは、ひげゼンマイによって生成されるものと類似する。しかし、ひげゼンマイとは異なり、弾性ブレード27は、レーキが静止位置にあるとき、互いに対して対称であり、それは、てん輪10が右回りまたは左回りに枢動するときに、動作に違いがないことを示唆する。
【0053】
ピン30は偏心して取り付けることができ、それによって調整要素29を形成する。この偏心は、弾性ブレード27の剛性を修正するのを可能にし、それによってレーキ21の回転の振幅、及びてん輪10の振幅を修正するのを可能にする。より正確には、この調整要素29の2つのピン30を動かすことができ、それは、特定の余裕内で、弾性ブレード27とレーキの回転軸24との間の距離を調整することを可能にする。これは、携帯用時計の進度の繊細な調整を可能にする。携帯用時計の進度の、この繊細な調整は、様々な図面に表わされたネジてん輪を介してか、または慣性ブロックのてん輪を用いることでも、成すことができる。
【0054】
図7及び図8で例示された実施形態において、戻し機構25はレーキ21から分離され、レーキ21とは一体化されていない。この具現化において、レーキ21はその回転軸24で枢動し、レーキの歯状区域22をその回転軸24に接続する、単一のアーム23を備える。
【0055】
戻し機構25も、2つの弾性ブレード27を備える。これらのブレードは、レーキ21とは独立して生成される。これらの弾性ブレードは、タイムピースムーブメントのプレートに固定された支持部32と一体化される。弾性ブレード27の各々は、レーキのアーム23における一方の側と共に作動する。レーキを一方向に動かすとき、弾性ブレード27の一方は、レーキのアームの対応した側に寄り掛かり、変形する。これは、この弾性ブレードがエネルギーを蓄えるのを可能にする効果を有する。他方の弾性ブレードは、レーキ21と相互作用せず、そのため両方ではなく、一方のブレードの剛性のみが介在する。
【0056】
レーキ21の運動の終わりにおいて、上記で説明したように、弾性ブレード27はエネルギーを戻し、レーキを反対方向に押す。弾性ブレード27とレーキのアーム23との間の接触領域を、摩擦を最小に抑えるよう研磨することができる。レーキ21及び弾性ブレード27は、同じ面に配置され、これらの弾性ブレードは、捩じれを受けずに曲げのみを受ける。それは、エネルギーを蓄えること、及び戻すことを可能にする。
【0057】
図9の実施形態において、弾性ブレード27は、可動支持部33に配置される。可動支持部33の位置は、携帯用時計のムーブメントのプレート上で調整することができる。この調整は、この可動支持部33が、歯状バー34を備えること、及びプレートが調整ピニオン35を備えること、によって可能である。調整ピニオン35の回転は、歯状バー34を動かす効果、したがって弾性ブレード27の位置を動かす効果、を有する。これは、レーキの回転軸24と、弾性ブレード27及びレーキのアーム23の間における接触ポイントと、の間の距離を修正するのを可能にする。したがって、これは、レーキ21を動かすために必要な力を修正し、それは剛性の調整、または弾性ブレード27の可視剛性の調整に相当する。
【0058】
図10及び図11は、本発明による戻し部材19の変形を例示する。そこでは、レーキ21、レーキのアーム23、及び戻し機構の弾性ブレード27、は1つのピースで作られる。この実施形態において、図4図6を参照して説明したもののように、タイムピースは2つのピン30を備える。2つのピン30は、弾性ブレード27がそれらに寄り掛かれるよう配置され、エネルギーを蓄えるよう、及びエネルギーを戻すよう、変形させることができる。
【0059】
この実施形態において、弾性ブレード27は、ピン30に沿って摺動し、それらとは一体化されない。したがって、一度に一方のブレードの、曲げ形態での変形が起こる。2つの弾性ブレードには、同時変形も、座屈も起こらず、その剛性が大きすぎて実際の動作に支障をきたすことはない。
【0060】
図10は、静止位置にあるレーキ21を例示し、図11は、作動位置にあるレーキ21を例示する。特に図11で判るように、一方のブレードのみが一度に、エネルギーを蓄え、及びエネルギーを戻すよう作動する。実際、ピン30と相互作用している弾性ブレードのみが、作用する。図11の左側に表わされた他方の弾性ブレード27は、対応したピン30と相互作用せず、したがってレーキの運動におけるこの段階においては、エネルギーを蓄積すること、またはエネルギーを戻すことには関係しない。
【0061】
図12図15に例示される実施形態において、レーキ21は、図7図9のものと類似する。戻し機構25の弾性ブレード27は、静止状態で直線ロッドではなく、曲線を形成する。弾性ブレード27の各々の端部ゾーンは、レーキ21のアーム23における一方の側に寄り掛かり、図7図9を参照して説明したものと同じ原理に従って動作する。
【0062】
この具現化は、弾性ブレード27の長さを増加させ、したがってその後、それらの剛性を下げるのを可能にする利点を有するが、この戻し部材が収容されることになる時計のサイズを、増加させる必要はない。図12及び図13に例示されるブレードは、それらの幅、及び弾性ブレードとレーキのアームとの間の接触位置、が異なる。ブレードにおける特定の形状の選択は、特にムーブメントで利用可能な空間に依拠する。
【0063】
図14及び図15で例示される実施形態において、弾性ブレード27は、蛇腹の形態の折り目を形成する。この実施形態は、タイムピースのケースにおいて大きい利用可能空間を必要とせず、長い延長のブレードを生成することを可能にするので、興味深い。この点で、関連の不利点を有することなく、渦巻バネの延長に近付く。
【0064】
図12図15の実施形態も、作用したバネブレード27と、レーキのアーム23との間における接触ポイントの位置が、レーキ21の運動と共に動くので、興味深い。特に、静止位置にあるレーキ21、及び作動位置にあるレーキ21をそれぞれ表す、図14及び図15を比較して判るように、レーキ21が静止位置にあるとき、または静止位置に近付いたときに、弾性ブレード27の一方と、レーキのアーム23との間の接触ポイントは、レーキの回転軸24に非常に近くにある。したがって、弾性ブレード27は、レーキ21に対して非常に小さい抵抗しか示さず、それは、遮断の危険なく、ムーブメントの簡単な始動を可能にする。図15で例示されるように、レーキ21が枢動したとき、弾性ブレードの形状は、作用する弾性ブレード27とレーキ21との間の接触ポイントが、レーキの回転軸24とは反対の、歯状区域22の方向に動くことを意味する。レーキに対する、弾性ブレードによる対抗する力は増加し、それは、弾性ブレードが蓄えることができるエネルギーを増加させる。このように、戻し機構25のエネルギーは、レーキ21の運動に対して直線的ではなく、レーキ21がその静止位置に近いときに、非常に弱い。これは、ムーブメントの簡単な始動を可能にするだけではなく、エネルギーの最適な蓄積及び戻しを可能にする。
【0065】
図16の実施形態において、レーキ21は、内側の歯状部を備える。戻し機構25は、図14及び図15のものと同一である。これは、レーキの一部が、レーキの回転軸24に対して、てん輪シャフト11の他方の側に位置されるので、興味深い。これは、空間を節約し、小さい携帯用時計のケースにおいて、及び/または脱進機専用の空間が限定される場合、有用となり得る。
【0066】
上昇する間にムーブメントを始動するのを可能にするため、及び静止面で停止する課題を回避するために、レーキ21が死点において静止位置にあるときに、レーキ21のアーム23にストレス、または弱いストレスを加えないことは賢明である。これは、いくつかの方法で成すことができる。方法の1つによると、弾性ブレード27自体の形状が、図14及び図15を参照して説明したように、この目的のために提供される。例えば図7及び図8で例示される、別の変形によると、レーキが死点にあるとき、僅かな空隙が、弾性ブレード27とレーキのアーム23との間に設けられ得る。この空隙は、特に図7aで視認できる。それは図7で例示されるように、弾性ブレード27とレーキのアーム23との間の接触ゾーンを、非常に大きく拡大して表わしている。このように、レーキが死点にあるとき、このレーキには戻し機構25による力は加えられない。力は、レーキが動き始めたときにレーキに加えられ始める。
【0067】
別の方法によると、タイムピースムーブメントは、図5及び図6で例示される偏心ピン30などの、調整要素29を備え、弾性ブレード27を好適な位置に位置付けるのを可能にして、それは必要に応じて調整かつ修正することができる。
【0068】
好ましい実施形態によると、ストレスは、てん輪10が約10°で枢動されたとき、レーキ21のアーム23に適用され始め得る。このような回転は、レバーのアンクルの1つを、脱進機の歯状部の1つにおけるインパルス面上に配置するのを可能にし、それは、ムーブメントの遮断を回避して、ムーブメントが始動するのを可能にする。
【0069】
レーキ21は、図4図6では2本のアーム23を備えるよう表わされ、他の図面には単一のアームが表わされている。弾性ブレードの特定の形状は、各実施形態のために表わされている。様々な実施形態の組み合わせも可能である。例えば、図4及び図6に例示されるような2本アームの歯状レーキを伴う、図12図16に例示される弾性ブレードの使用することが可能である。
【0070】
同様に、偏心部または可動支持部などの調整要素を、例示される様々な実施形態に加えることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図7a
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】