IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マレキ, コムロンの特許一覧

特表2024-500608近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置
<>
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図1
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図2
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図3
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図4
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図5
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図6
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図7
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図8
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図9
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図10
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図11
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図12
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図13
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図14
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図15
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図16
  • 特表-近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】近赤外線分光法(NIRS)を適用した癌の診断および処置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/48 20060101AFI20231227BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20231227BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20231227BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20231227BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20231227BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20231227BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20231227BHJP
   G01N 21/3504 20140101ALI20231227BHJP
   G01N 21/359 20140101ALI20231227BHJP
【FI】
G01N33/48 P
G01N33/483 C
G01N33/50 Q
G01N33/497 Z
A61B18/12
A61B18/20
G01N1/02 W
G01N21/3504
G01N21/359
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527284
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 US2021056977
(87)【国際公開番号】W WO2022094028
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/106,986
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523161354
【氏名又は名称】マレキ, コムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マレキ, コムロン
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
2G059
4C026
4C160
【Fターム(参考)】
2G045AA26
2G045BB60
2G045CB01
2G045FA25
2G045FA29
2G045FA33
2G052AA28
2G052AB16
2G052AB27
2G052AD42
2G052CA04
2G052CA11
2G052EB01
2G052EB11
2G052GA12
2G052JA07
2G052JA08
2G052JA11
2G059AA01
2G059AA06
2G059BB01
2G059BB12
2G059CC16
2G059CC19
2G059DD13
2G059DD16
2G059EE01
2G059EE12
2G059HH01
2G059JJ01
2G059MM01
4C026AA02
4C026AA10
4C026FF59
4C160KK02
4C160KK03
4C160KK07
4C160MM32
(57)【要約】
本開示によると、煙を生成するために、熱が、組織上に集束され得、煙は、近赤外線分光法(NIRS)または他の分光法等を用いてサンプリングおよび分析され、煙に関する複素微分波長が、着目され、腫瘍特異的波長(単数または複数)が、認識される。これらの腫瘍特異的波長(単数または複数)が存在する限り、集束された熱およびアブレーションが、継続し、完全腫瘍除去につながる。この原理は、その特異的波長が識別される限り、全ての腫瘍に適用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を特性評価および処置する方法であって、前記方法は、
特性評価されるべき組織から発生させられた煙のスペクトルを測定することと、
前記煙の前記測定されたスペクトルに基づいて前記組織を特性評価することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記煙を発生させるために前記特性評価されるべき組織を加熱することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記煙は、光または熱のうちの1つまたはそれより多くを前記組織に適用することによって発生させられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光または熱のうちの前記1つまたはそれより多くは、アブレーションデバイスによって適用される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記組織を焼灼することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組織を焼灼することは、前記煙を発生させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記組織は、原位置で焼灼される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記組織を患者から切除することをさらに含み、前記焼灼される組織は、前記切除される組織を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記発生させられた煙を捕捉することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記煙は、キュベット内に捕捉される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記煙のスペクトルは、前記キュベットにおいて測定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記組織は、癌性または非癌性として特性評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記組織を焼灼し、前記組織が非癌性として特性評価されるまで前記組織を焼灼し続けることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記組織は、皮膚を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記組織は、基底細胞癌腫(BCC)細胞、扁平上皮細胞癌腫(SCC)細胞、または正常細胞を含むとして特性評価される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定されたスペクトルは、近赤外線スペクトルである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記測定されたスペクトルは、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にある、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記測定されたスペクトルは、1,300nmを下回る波長を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
組織を特性評価および処置するためのデバイスであって、前記デバイスは、
煙を組織から発生させるために前記組織を加熱するためのエネルギー源と、
前記組織から発生させられた前記煙のスペクトルを測定するための分光器と
を備える、デバイス。
【請求項20】
前記組織から発生させられた前記煙を捕捉するためのキュベットをさらに備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記組織から発生させられた前記煙を前記キュベットへと方向付けるための負圧源をさらに備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記エネルギー源は、組織を焼灼するように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項23】
前記分光器は、近赤外線分光器を備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項24】
前記エネルギー源は、組織焼灼器またはレーザのうちの1つまたはそれより多くを備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスは、前記分光器に結合されているプロセッサをさらに備え、前記プロセッサは、前記煙の前記測定されたスペクトルに基づいて前記組織を特性評価するように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項26】
前記プロセッサは、前記組織を癌性または非癌性として特性評価するように構成されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記組織は、皮膚を含み、前記プロセッサは、前記組織を基底細胞癌腫(BCC)細胞、扁平上皮細胞癌腫(SCC)細胞、または正常細胞を含むとして特性評価するように構成されている、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記測定されたスペクトルは、近赤外線スペクトルである、請求項19に記載のデバイス。
【請求項29】
前記測定されたスペクトルは、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にある、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記測定されたスペクトルは、1,300nmを下回る波長を含む、請求項28に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(相互参照)
本願は、2020年10月29日に出願された米国仮出願第63/106,986号の利益を主張し、米国仮出願第63/106,986号は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(背景)
本開示は、特に、癌性組織の組織アブレーション等の処置手順中、組織を特性評価するための医療システム、デバイス、および方法に関する。
【0003】
癌性および非癌性組織の診断は、典型的には、組織サンプルの組織学的精査によって確認される。サンプルは、温存された形態において実験室に搬送され、専門的に訓練された医師によって適切な識別のために処理される。診断された結果は、腫瘍の処置をとりまとめる処置医師に報告される。外科手術オプションの場合、患者は、手術室に戻り、腫瘍は、除去され、完全な除去のためにチェックされるために実験室に返される。このプロセスは、時間がかかり、複数の保健医療従事者を伴い、かつコストがかかる。故に、腫瘍および癌性組織の処置中、組織を特性評価するための改良された方法の必要が、存在する。
【0004】
以下の参考文献、すなわち、第US2016/002816A1号(特許文献1)、第WO2018/115415A1号(特許文献2)、第US9,709,529B2号(特許文献3)、第US10,643,832B2号(特許文献4)、第US10,410,846B2号(特許文献5)、および第EP3558149A1号(特許文献6)が、関連し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/002816号明細書
【特許文献2】国際公開第2018/115415号
【特許文献3】米国特許第9,709,529号明細書
【特許文献4】米国特許第10,643,832号明細書
【特許文献5】米国特許第10,410,846号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第3558149号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
本開示によると、煙を生成するために、熱が、組織上に集束され得、煙が、近赤外線分光法(NIRS)または他の分光法等を用いてサンプリングおよび分析され、煙に関する複素微分波長が、着目され、腫瘍特異的波長(単数または複数)が、認識される。これらの腫瘍特異的波長(単数または複数)が存在する限り、集束される熱およびアブレーションは、継続し、完全な腫瘍除去につながる。この原理は、その特異的波長が識別される限り、全ての腫瘍に適用されることができる。
【0007】
基底細胞癌腫および扁平上皮細胞癌腫は、皮膚の癌の2つの最も一般的形態である。NIRSまたは他の分光法を通して、波長(単数または複数)のその特異的パターンが、認識されることができ、これは、癌の診断および正常隣接組織の温存を伴う精密かつ完全な除去につながり得る。この技法は、時間を節約することができ、より正確であり得、現在のルーチンおよび技法よりはるかに経済的であり得る。この技法は、同様に、他の形態の成長(良性および癌性)にも適用可能であり得る。
【0008】
本開示の局面は、組織を特性評価および処置する方法を提供する。例示的方法では、特性評価されるべき組織から発生させられた煙のスペクトルが、測定され得、組織は、煙の測定されたスペクトルに基づいて特性評価され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、特性評価されるべき組織は、煙を発生させるために加熱される。煙は、光または熱のうちの1つまたはそれより多くを組織に適用することによって発生させられ得る。光または熱のうちの1つまたはそれより多くは、アブレーションデバイスによって適用され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、組織を焼灼することをさらに含む。組織を焼灼することは、煙を発生させ得る。組織は、原位置で焼灼され得る。方法は、組織を患者から切除することをさらに含み得る。焼灼される組織は、切除される組織を備え得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、発生させられた煙を捕捉することをさらに含む。煙は、キュベット内に捕捉され得る。煙のスペクトルは、キュベットにおいて測定され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、組織は、癌性または非癌性として特性評価される。方法は、組織を焼灼し、組織が非癌性として特性評価されるまで組織を焼灼し続けることをさらに含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、特性評価されるべき組織は、皮膚を含む。組織は、基底細胞癌腫(BCC)細胞、扁平上皮細胞癌腫(SCC)細胞、または正常細胞を含むとして特性評価され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、測定されるスペクトルは、近赤外線スペクトルである。測定されるスペクトルは、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にあり得る。測定されるスペクトルは、1,300nmを下回る波長を含み得る。
【0015】
本開示のさらなる局面は、組織を特性評価および処置するためのデバイスを提供する。例示的デバイスは、煙を組織から発生させるためにそれを加熱するためのエネルギー源と、組織から発生させられた煙のスペクトルを測定するための分光器とを備え得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、デバイスは、組織から発生させられた煙を捕捉するためのキュベットをさらに備える。デバイスは、組織から発生させられた煙をキュベットへと方向付けるための負圧源をさらに備え得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、エネルギー源は、組織を焼灼するように構成されている。分光器は、近赤外線分光器を備え得る。エネルギー源は、組織焼灼器またはレーザのうちの1つまたはそれより多くを備え得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、デバイスは、分光器に結合されているプロセッサをさらに備える。プロセッサは、煙の測定されたスペクトルに基づいて組織を特性評価するように構成され得る。プロセッサは、組織を癌性または非癌性として特性評価するように構成され得る。組織は、皮膚を含み得る。プロセッサは、組織を基底細胞癌腫(BCC)細胞、扁平上皮細胞癌腫(SCC)細胞、または正常細胞を含むとして特性評価するように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、測定されるスペクトルは、近赤外線スペクトルである。測定されるスペクトルは、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にあり得る。測定されるスペクトルは、1,300nmを下回る波長を含み得る。
【0020】
(参照による援用)
本明細書に述べられた全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が特異的に、かつ個々に示され参照によって援用される場合と同程度に、参照によって本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の新規の特徴が、付属の請求項に詳細に記載される。本開示の実施形態の特徴および利点のより深い理解が、その中で本開示の原理が利用される、例証的実施形態を記載している以下の詳細な説明および付随の図面の参照によって得られるであろう。
【0022】
図1図1は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムの概略図である。
【0023】
図2図2は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置方法のフローチャートである。
【0024】
図3図3は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的な熱源の画像を示している。
【0025】
図4図4は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的な真空源の画像を示している。
【0026】
図5図5は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的煙収集要素の画像を示している。
【0027】
図6図6は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的煙収集要素ホルダの画像を示している。
【0028】
図7図7は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的な光源の画像を示している。
【0029】
図8図8は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的な光伝導要素の画像を示している。
【0030】
図9図9は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的な光学またはスペクトルセンサの画像を示している。
【0031】
図10図10は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的な光伝導要素の画像を示している。
【0032】
図11図11は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画像を示している。
【0033】
図12図12は、本開示の実施形態によるプロトタイプ組織特性評価および/または処置システムおよび方法の画像を示している。
【0034】
図13図13は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能な例示的グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画像を示している。
【0035】
図14図14図15、および図16は、それぞれ、本開示の実施形態による、BCC癌細胞、SCC癌細胞、および正常細胞に対するスペクトルデータグラフを示している。
図15図14図15、および図16は、それぞれ、本開示の実施形態による、BCC癌細胞、SCC癌細胞、および正常細胞に対するスペクトルデータグラフを示している。
図16図14図15、および図16は、それぞれ、本開示の実施形態による、BCC癌細胞、SCC癌細胞、および正常細胞に対するスペクトルデータグラフを示している。
【0036】
図17図17は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システムおよび方法との使用のための例示的コンピュータ処理システムの概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(詳細な説明)
本開示の種々の実施形態が本明細書に図示および説明されているが、そのような実施形態は一例のみとして提供されていることは、当業者に明白であろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本開示の実施形態の種々の代替が採用され得ることを理解されたい。
【0038】
用語「少なくとも~(at least)」、「~を上回る(greater than)」、または「~を上回るか、またはそれに等しい(greater than or equal to)」が一連の2つまたはそれより多くの数値の中の最初の数値に先行する度に、用語「少なくとも~(at least)」、「~を上回る(greater than)」、または「~を上回るか、またはそれに等しい(greater than or equal to)」は、その一連の数値の中の数値のそれぞれに適用される。例えば、「1、2、または3を上回るか、またはそれに等しい」は、「1を上回るか、またはそれに等しい」、「2を上回るか、またはそれに等しい」、または「3を上回るか、またはそれに等しい」と同等である。
【0039】
用語「~以下(no more than)」、「~未満(less than)」、または「~未満またはそれに等しい(less than or equal to)」が一連の2つまたはそれより多くの数値の中の最初の数値に先行する度に、用語「~以下(no more than)」、「~未満(less than)」、または「~未満またはそれに等しい(less than or equal to)」は、その一連の数値の中の数値のそれぞれに適用される。例えば、「3、2、または1未満またはそれに等しい」は、「3未満またはそれに等しい」、「2未満またはそれに等しい」、または「1未満またはそれに等しい」と同等である。
【0040】
本明細書におけるある発明実施形態は、数値範囲を検討する。範囲が存在するとき、範囲は、範囲の終点を含む。加えて、範囲内の全ての部分範囲および値が、明示的に記述されている場合と同様に存在する。用語「約」または「おおよそ」は、特定の値に関する容認可能な誤差範囲内を意味し得、これは、部分的に、値が測定または決定される方法、例えば、測定システムの限界に依存する。例えば、「約」は、当技術分野における実践に従って、1または1を上回る標準偏差以内を意味し得る。代替として、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味し得る。特定の値が本願および請求項に説明されている場合、別様に述べられない限り、特定の値に関する容認可能な誤差範囲内を意味する用語「約」が、仮定され得る。
【0041】
図1は、例示的な組織特性評価および/または処置システム100を示している。システム100は、煙SKを発生させるためにエネルギーを標的組織TIに向かって方向付けるためのエネルギー源105と、煙SKをキュベット135に収集するために負圧を煙SKに向かって適用するための真空源110と、キュベット135に収集された煙SKを測定するための分光器140とを備え得る。エネルギー源105は、集束された熱を発生させるための光学、熱、および/または電気エネルギー源、例えば、レーザまたは組織焼灼器であり得る。
【0042】
システム100は、真空源110によって発生させられた負圧を煙SKに向かって方向付けるためにキュベット135に結合されている煙収集要素130をさらに備え得る。システム100は、キュベット135のためのホルダまたは保持要素をさらに備え得、これは、典型的には、交換可能である。システム100は、ハンドヘルドプローブまたはワンド等のプローブ145(例えば、遠位吸入ポートおよび熱および/または光出口およびプローブを動作させるための制御ボタンおよび/またはスイッチを伴う)をさらに備え得、これは、煙収集要素130、および/またはエネルギー源105から組織TIへと方向付けられるエネルギーを方向付け得る光ファイバまたは熱および/または電気導体等のエネルギー運搬要素を統合し得る。プローブ145は、単回使用プローブであり得、プローブ145が1回またはそれより多くの使用後に交換され得るように、エネルギー源105および/または煙収集要素130に除去可能に結合され得る。プローブ145の外側のシステム100の他のコンポーネントが、システムボックスまたはコンパートメント内に格納され得る。
【0043】
システム100は、エネルギー源105、真空源110、および分光器140を制御するためにそのような要素に動作可能に結合されているコントローラまたはプロセッサ115をさらに備え得る。システム100は、ユーザインターフェース120と、プロセッサ115および/またはユーザインターフェース120に結合されているディスプレイ125とをさらに備え得る。ユーザインターフェース120は、オペレータによって、エネルギー源105を動作させ、煙SKを発生させるためにエネルギーを標的組織TI上へと方向付けるようにシステム100を制御するため等に使用され得る。ユーザインターフェース120は、標的組織TIを特性評価するために、オペレータによって、分光器140を用いて煙SKの測定値を発生させるために使用され得る。分光器140は、近赤外線分光器を備え、例えば、1,300nm~1,600nm以内の煙SKのスペクトルを測定し得るが、分光器140は、代替として、または組み合わせにおいて、1,300nmを下回る範囲、および/または赤外線スペクトル全体を含むその中の任意の範囲(例えば、700nm~1mm)を含む他の波長範囲も同様に測定し得る。そのような測定値および組織特性評価の結果は、ディスプレイ125によって示され得る。例えば、測定されたスペクトルに基づいて、そこから煙SKが発生させられた標的組織TIは、正常または癌性としてカテゴリー化され得る。さらなる実施例では、癌性組織は、標的組織TIが皮膚組織である場合、基底細胞癌腫(BCC)細胞、および扁平上皮細胞癌腫(SCC)細胞を含むもの等、タイプによって特徴付けられ得る。各細胞タイプカテゴリ内で発生させられた煙は、それらの独自の特性スペクトルを有し得る。
【0044】
図2は、例示的な組織特性評価および/または処置方法200のフローチャートである。ステップ210では、ユーザインターフェース120によって動作させられる、標的組織TIへのプローブ145を介して、熱が、エネルギー源105等を用いて標的組織に適用され得る。ステップ220では、適用された熱によって発生させられた煙を真空源110等によって収集するために、吸入力が、適用され得る。ステップ230では、煙が、キュベット135等のキュベット内に収集される。ステップ240では、収集された煙が、分光器140等を用いて、分光法で分析される。ステップ250では、標的組織が、プロセッサ115等を用いて、煙の測定されたスペクトルシグネチャに基づいて特性評価される。ステップ255では、標的組織が、例えば、正常細胞、基底細胞癌腫(BCC)細胞、または扁平上皮細胞癌腫(SCC)細胞を含むとして特性評価される。多くの実施形態では、組織特性評価結果は、ディスプレイ125を用いて示されること等によってオペレータに提供される。
【0045】
多くの実施形態では、組織特性評価および処置の両方が、プローブ145等を用いて同時に行われ、適用される熱は、適用可能な場合、分析される煙を発生させることと、標的組織を焼灼または破壊することとの両方を行うことができる。ステップ260では、処置プロトコルが、組織特性評価に基づいて修正され得る。例えば、集束された熱が、最初に組織を分析するための標的組織に適用され得、組織が正常細胞を含むとして識別された場合、オペレータは、ステップ265において、別の組織場所に移動することができ、組織が罹患として識別された場合、オペレータは、ステップ270において、同一デバイスを使用して、集束された熱を適用し続け、組織を焼灼または破壊することができる。多くの実施形態では、組織特性評価は、全体的な組織の処置手順が迅速な様式において行われ得るように、システムによって、リアルタイムまたは近リアルタイム(例えば、1分未満、例えば、1~60秒、1~30秒、1~15秒、1~10秒、1~5秒、1~4秒、1~3秒、1~2秒、約1秒、またはさらに1秒未満)で提供される。
【0046】
上記のステップは実施形態による方法200を示しているが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序において完了され得る。ステップは、追加または省略され得る。ステップのうちのいくつかは、部分ステップを含み得る。ステップの多くは、有益な回数だけ繰り返され得る。
【0047】
方法200のステップのうちの1つまたはそれより多くは、本明細書に説明されるように、回路網、例えば、プロセッサまたはフィールドプログラマブルゲートアレイのためのプログラマブルアレイ論理等の論理回路網のうちの1つまたはそれより多くを用いて実施され得る。回路網は、方法200のステップのうちの1つまたはそれより多くを提供するようにプログラムされ得、プログラムは、コンピュータ読み取り可能なメモリ上に記憶されるプログラム命令、または、例えば、プログラマブルアレイ論理またはフィールドプログラマブルゲートアレイ等の論理回路網のプログラムされたステップを備え得る。
【0048】
エネルギー源105に戻って参照すると、図3は、本開示の実施形態による組織特性評価および/または処置システム100および方法200を用いて使用可能な例示的な熱源の画像を示している。図3によって示されている例示的な熱源は、CONMED Corporation(Largo, FL)から利用可能である、微細な先端焼灼器を伴う、モノポーラ設定において「12」の電力におけるCONMED Hyfrecator2000電気外科手術ユニットであり、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。他の熱源も、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。
【0049】
真空源110に戻って参照すると、図4は、組織特性評価および/または処置システム100および方法200を用いて使用可能な例示的な真空源の画像を示している。図4によって示されている例示的な真空源は、フットペダル制御を伴う小型高圧真空ポンプ(12V-6W)であり、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。他の真空源も、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。
【0050】
キュベット135に戻って参照すると、図5は、組織特性評価および/または処置システム100および方法200を用いて使用可能な例示的煙収集要素の画像を示しており、図6は、組織特性評価および/または処置システム100および方法200を用いて使用可能な例示的煙収集要素ホルダの画像を示している。図5によって示されている例示的煙収集要素は、Thor Labs(NewtoN, New Jersey)から利用可能である、仕様10×10×45mm(CV19Q3500)を伴うキュベット等の、光学ガラスを伴うキュベットであり、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。キュベットは、ガラス、石英、サファイア、ジルコニウム、他の光学的に透明な材料、およびそれらの組み合わせから作製され得る。図6によって示されている例示的煙収集要素ホルダは、Avantes USA(Louisville, CO)から利用可能であるDirect-Attach Cuvette Holder(CUV-DA-HAL-Mini)であり、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。他のキュベットおよび/または煙収集要素も、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。
【0051】
分光器140に戻って参照すると、図7は、組織特性評価および/または処置システム100および方法200の分光器を用いて使用可能な例示的な光源の画像を示しており、図8は、組織特性評価および/または処置システム100および方法200を用いて使用可能な例示的な光伝導要素の画像を示しており、図9は、組織特性評価および/または処置システム100および方法200を用いて使用可能な例示的な光学またはスペクトルセンサの画像を示しており、図10は、組織特性評価および/または処置システム200および方法100を用いて使用可能な例示的な光伝導要素の画像を示している。
【0052】
図7によって示されている例示的な光源は、Avantes USA(Louisville, CO)から利用可能である、360nm~2,500nmの波長範囲を伴うタングステン光源である、AvaLight-Hal-S-Mini(s/n:LS-1811005)であり、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。他のコンパクトな安定された光源が、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。光源は、Aavantes USA(Louisville, CO)から利用可能であるAvantes光ファイバFC-UVRI400-1-ME(1609122)である、図8によって示されている例示的な光伝導要素または光ファイバと併せて実装され、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。他の光ファイバまたは光伝導要素も、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。
【0053】
図9によって示されている例示的な光学またはスペクトルセンサは、Si-Ware Systems, Inc.(Menlo Park, CA)から利用可能であるSi-Ware NeoSpectra-Module(PN:SWS62221.2.5スペクトル範囲;Rev:2.5;SN:K116241359)であり、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。この光学またはスペクトルセンサは、Si-Ware Systems, Inc.(Menlo Park, CA)から利用可能であるSi-Wareマルチモード光ファイバ(Q MMJ-35-IRVIS400/440-3-0.5;SN:T21574431-09)である、図10によって示されている例示的な光伝導要素または光ファイバと併せて実装され、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用された。例えば、赤外線範囲内の任意の範囲のために、他の光学またはスペクトルセンサも、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。
【0054】
ここで、本開示の組織特性評価および/または処置システムおよび方法を用いて使用可能なコンピュータシステムを参照すると、Dell Inc.(Round Rock, Texas)から利用可能であるDellラップトップが、発明者によって、試験用プロトタイプにおいて使用され、スペクトルデータをキャプチャ、表示、および保存するためのプログラムを実装するために使用された。試験用プロトタイプにおいてスペクトルデータをキャプチャ、表示、および保存するためのソフトウェアは、Si-Ware Systems, Inc.(Menlo Park, CA)から利用可能であるNeoSpectra SpectroMOSTソフトウェアツールであった。図11は、本ソフトウェアツールのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画像を示している。他のソフトウェアパッケージ(単数または複数)も、代替として、または組み合わせにおいて使用され得る。
【0055】
図12は、試験用プロトタイプ組織特性評価および/または処置システムの画像を示している。プロトタイプシステムが、設定され、デバイスが、オンにされた後、発明者は、Avantes光デバイス、NeoSpectraセンサ、およびコンピュータに約25分のウォームアップ期間を与えた。また、発明者らは、スペクトル測定の過程の間、外部雑音を最小限にし、高正確度を確実にするために、Avantes光源およびキュベットを迷光源から遮蔽した。測定サイクルにおける主要ステップは、(1)残留煙からキュベットを空にすることと、(2)SpectroMOSTプログラムを使用してバックグラウンド試験を起動することと、(3)熱が試験下の組織に適用された後、(SpectroMOSTの)「起動」ボタンをクリックし、スペクトルデータをキャプチャし、データを保存することと、(4)次いで、SpectroMOSTの画面をクリアし、次のデータキャプチャに備えることとを含んでいた。さらに、各起動およびデータキャプチャの完了後、次の起動サイクルを開始する前に、管類(およびキュベット)内の煙が、真空源/ポンプによって除去された。図13は、SpectroMOST GUIの画像を示しており、これは、各測定サイクルにおいて使用される、「バックグラウンド」、「起動」、および「クリア」ボタンを図示している。
【0056】
図14図15、および図16は、それぞれ、BCC癌細胞、SCC癌細胞、および正常細胞に対するスペクトルデータグラフ(例えば、相対的振幅対波長)を示している。図14は、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にある3つの基底細胞癌腫(BCC)サンプル(BCC-129-1a、BCC-129-1b、BCC-129-1c)に関する透過パーセンテージ対波長のグラフを示している。図14は、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にある3つの基底細胞癌腫(BCC)サンプル(BCC-129-1a、BCC-129-1b、BCC-129-1c)に関する透過パーセンテージ対波長のグラフを示している。図15は、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にある3つの扁平上皮細胞癌腫(SCC)サンプル(SCC-128-1a、SCC-128-1b、SCC-128-1c)に関する透過パーセンテージ対波長のグラフを示している。図16は、1,300nm~1,600nmの波長範囲内にある3つの正常皮膚細胞サンプル(N-2BCCs-1、N-2BCCs-2、N-2BCCs-3)に関する透過パーセンテージ対波長のグラフを示している。
【0057】
図14図15、および図16によって示されているように、BCC、SCC、および正常細胞に対するスペクトルデータは、例えば、下記の表1に示されているように、標的組織内の細胞タイプを識別するために使用可能である一意の特性を有し得る。
【表1】
【0058】
上記の表1に示されているように、異なる細胞タイプは、異なる一意のスペクトル特性を有し得、これは、癌性細胞を正常細胞から区別し、次いで、癌性細胞のタイプを区別するために使用され得る。例えば、表1におけるイタリック表記の特性を参照されたい。例えば、正常細胞に関する最大トラフは、通常、癌性細胞に関するもの(49~55%)よりはるかに低く(29~49%)、最高ピークから最低トラフの範囲は、癌性細胞に関するもの(BCC細胞に関して、約12~20パーセンテージポイント、SCC細胞に関して、約10~15パーセンテージポイント)より大きく(約25パーセンテージポイント)、SCC細胞は、その最大ピークおよびトラフが、概して、BCC細胞に対して、より低い波長範囲に偏移されて現れ、かつより低い最大ピークを有する(SCC細胞に関して63~66%であるのに対して、BCC細胞に関して67~69%)。
【0059】
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされたコンピュータシステムも提供する。図17は、上記に説明された方法200を含む本開示の方法を実装するようにプログラムされているかまたは別様に構成されているコンピュータシステム1701を示している。コンピュータシステム1701は、例えば、システム100の1つまたはそれより多くの要素等、本開示の組織特性評価および/または処置デバイスおよびシステムの種々の局面を調整することができる。コンピュータシステム1701は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに対して遠隔に位置しているコンピュータシステムであることができる。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであることができる。
【0060】
コンピュータシステム1701は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであり得る中央処理ユニット(CPU、また、本明細書では、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)1705を含み得る。また、コンピュータシステム1701は、メモリまたはメモリロケーション1710(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット1715(例えば、ハードディスク)と、1つまたはそれより多くの他のシステムと通信するための通信インターフェース1720(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス1725とを含み得る。メモリ1710、記憶ユニット1715、インターフェース1720、および周辺デバイス1725は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU1705と通信し得る。記憶ユニット1715は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム1701は、通信インターフェース1720の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1730に動作的に結合されることができる。ネットワーク1730は、インターネット、イントラネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ネットワーク1730は、ある場合には、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク1730は、クラウドコンピューティング等の分散コンピューティングを可能にし得る1つまたはそれより多くのコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク1730は、ある場合には、コンピュータシステム1701の助けを借りてコンピュータシステム1701に結合されるデバイスがクライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得るピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0061】
CPU1705は、プログラムまたはソフトウェアにおいて具体化され得る機械読み取り可能な命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ1710等のメモリロケーション内に記憶され得る。命令は、CPU1705に向けられることができ、これは、続けて、本開示の方法を実装するようにCPU1705をプログラムするか、または別様に構成することができる。CPU1705によって実施される動作の実施例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0062】
CPU1705は、集積回路等の回路の一部であり得る。システム1701の1つまたはそれより多くの他のコンポーネントが、回路内に含まれることができる。ある場合には、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0063】
記憶ユニット1715は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット1715は、ユーザデータ、例えば、ユーザプリファレンスおよびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム1701は、ある場合には、イントラネットまたはインターネットを通してコンピュータシステム1701と通信する遠隔サーバ上等に位置している、コンピュータシステム1701の外部にある1つまたはそれより多くの追加のデータ記憶ユニットを含むことができる。
【0064】
コンピュータシステム1701は、ネットワーク1730を通して1つまたはそれより多くの遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム1701は、ユーザ(例えば、オペレータまたは外科医)の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。遠隔コンピュータシステムの実施例は、個人的コンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple iPad(登録商標)、Samsung Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク1730を介してコンピュータシステム1701にアクセスすることができる。
【0065】
本明細書に説明される方法は、例えば、メモリ1710または電子記憶ユニット1715上等、コンピュータシステム1701の電子記憶場所上に記憶される機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装されることができる。機械実行可能または機械読み取り可能なコードが、ソフトウェアの形態において提供されることができる。使用中、コードは、プロセッサ1705によって実行されることができる。ある場合には、コードは、記憶ユニット1715から読み出され、プロセッサ1705による迅速なアクセスのためにメモリ1710上に記憶されることができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット1715は、除外されることができ、機械実行可能命令は、メモリ1710上に記憶される。
【0066】
コードは、事前にコンパイルされ、コードを実行するように適合されるプロセッサを有する機械との使用のために構成されることができ、またはランタイム中にコンパイルされることができる。コードは、事前にコンパイルされた様式またはコンパイル直後の方式においてコードが実行されることを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給されることができる。
【0067】
コンピュータシステム1701等の本明細書に提供されるシステムおよび方法の局面は、プログラミングにおいて具体化されることができる。本技術の種々の局面は、典型的には、あるタイプの機械読み取り可能な媒体上で搬送されるか、またはそれにおいて具体化される機械(もしくはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連付けられるデータの形態における「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスク等の電子記憶ユニット上に記憶されることができる。「記憶」タイプの媒体は、ソフトウェアプログラミングのために任意の時点で非一時的な記憶を提供し得るコンピュータ、プロセッサ、または同等物の有形メモリ、または種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同等物等のその関連付けられるモジュールのうちのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全てまたは一部は、随時、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して通信され得る。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのローディングを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を保有し得る別のタイプの媒体は、ローカルデバイス間の物理的インターフェースを横断して、有線および光学固定ネットワークを通して、および種々のエアリンクを経由して使用されるもの等の光学、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンク、もしくは同等物等のそのような波を搬送する物理的要素は、ソフトウェアを保有する媒体とも見なされ得る。本明細書で使用される場合、非一時的な有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「読み取り可能な媒体」等の用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0068】
故に、コンピュータ実行可能コード等の機械読み取り可能な媒体は、限定ではないが、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されているデータベース等を実装するために使用され得るもの等、任意のコンピュータ(単数もしくは複数)または同等物内の記憶デバイスのうちのいずれか等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等の動的メモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブルを含み、コンピュータシステム内のバスを備えるワイヤを含む銅ワイヤおよび光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に発生させられるもの等の電気もしくは電磁信号または音響もしくは光波の形態をとり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体の一般的な形態は、したがって、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を転送する搬送波、そのような搬送波を転送するケーブルもしくはリンク、または、それからコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体のこれらの形態のうちの多くは、1つまたはそれより多くの命令の1つまたはそれより多くのシーケンスを実行のためにプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0069】
コンピュータシステム1701は、例えば、システム100の制御および標的化された組織に関する特性評価または分析結果を提供するために、ユーザインターフェース(UI)1740、例えば、ユーザインターフェース120を備える電子ディスプレイ1735、例えば、ディスプレイ125を含むか、またはそれと通信することができる。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0070】
本開示の方法およびシステムは、1つまたはそれより多くのアルゴリズムを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット1705による実行時、ソフトウェアを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、例えば、組織の疾患状態または細胞組成物に関する部分カテゴリを含む、健康および非健康な組織を含むカテゴリにスペクトル測定値を分類するための機械学習アルゴリズムまたはベイズ最適化であることができる。これらの機械学習アルゴリズムおよび/または分類子モデルは、1人またはそれより多くのオペレータからの入力によって訓練され得、これは、分析された組織の1つまたはそれより多くのスペクトルパターンのその独立査定に基づいて、アルゴリズム/モデルによって提供される組織分類を照合または更新し、それによって、機械学習アルゴリズムおよび/または分類子に改良を経時的に提供する。これらの機械学習アルゴリズムおよび/または分類子モデルのための訓練セットは、分析された種々の組織のスペクトルパターンおよび/または手順中または後のオペレータからの入力またはスペクトルパターンの他のヒト分析、例えば、教師あり学習を介した訓練を備え得る。機械学習アルゴリズムおよび/または分類子モデルは、同一または異なる訓練データセットからの教師なし学習を介しても訓練され得る。
【0071】
本開示の好ましい実施形態が本明細書に図示され、説明されてきたが、そのような実施形態は一例のみとして提供されていることは、当業者に明白であろう。ここでは、多数の変形例、変更、および代用が、本開示から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本開示の実施形態への種々の代替は、本開示を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびその均等物の範囲内の方法および構造は、それらによって網羅されることを意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】