(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】毛髪着色組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20231227BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20231227BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A61K8/36
A61Q5/10
A61K8/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023532703
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2021083105
(87)【国際公開番号】W WO2022112473
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080901
【氏名又は名称】ウエラ インターナショナル オペレーションズ スウィッツァーランド エスエーアールエル
【氏名又は名称原語表記】Wella International Operations Switzerland Sarl
(71)【出願人】
【識別番号】523044356
【氏名又は名称】ウェラ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】センデュレバ, ヴィクトリヤ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, マンフレート ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ヴェヴェルカ, フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヘルクナー, フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン, ビョルン ティモ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB011
4C083AB032
4C083AB242
4C083AB281
4C083AB282
4C083AB352
4C083AB412
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC182
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC552
4C083AC782
4C083AC852
4C083AC892
4C083AC902
4C083AD042
4C083AD352
4C083AD642
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB43
4C083BB44
4C083BB47
4C083BB53
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE05
4C083EE26
(57)【要約】
毛髪着色組成物を得るためのキット、毛髪着色組成物、および毛髪を処理する方法が提供される。毛髪着色組成物は特に、所望の色合いおよび強度を、根元から毛先までの改善された均等性と共に毛髪に、特に以前に染められた毛髪および毛髪の長さに沿って広範囲の損傷レベルをもつ毛髪に提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキットであって、
染料成分が、8.5~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~4%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 1.2~1.8%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.01~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~1%の量で存在する少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.5%の量で存在する少なくとも1つの脂肪アルコール、
- 0.1~0.5%の量で存在する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、
- 存在する場合、合わせて20%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含み、
酸化成分が、1.8~3.5のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 1~3%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.15~0.5%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、キット。
【請求項2】
染料成分および酸化成分を2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキットであり、
染料成分が、9~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~2%、好ましくは0.2~1%、好ましくは0.6~0.9%の量で存在するアルカリ化剤、
- 1.2~1.6%、好ましくは約1.4%の量で存在するキレート剤、
- 0.05~0.45%、好ましくは0.15~0.45%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.5~0.8%、好ましくは0.5~0.65%の量で存在するアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.3%、好ましくは1.65~2.1%の量で存在する脂肪アルコール、
- 0.2~0.3%、好ましくは約0.25%の量で存在する非イオン性界面活性剤、
- 合わせて0.002~20%、好ましくは0.002~10%、好ましくは0.2~4%、好ましくは0.4~2%の量で存在する酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒
を含み、
酸化成分が、2~3のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒、
- 1.2~2.4%、好ましくは1.5~2%の量で存在する酸化剤、
- 0.17~0.4%、好ましくは0.17~0.3%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.5%、好ましくは0.2~0.35%の量で存在する緩衝アルカリ化合物、および
- 少なくとも60%、好ましくは約70%の量で存在する溶媒
を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
- 染料成分中に存在するアルカリ化剤が、アンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属およびアンモニウム水酸化物、アルカリ金属およびアンモニウム炭酸塩、ならびにこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアルカリ化剤がモノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物であり、
- 染料成分中に存在するキレート剤が、カルボン酸、ホスホン酸、ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアミノカルボン酸から選ばれ;好ましくはDTPA、EDDS、EDGA、HPDS、GADS、EDDG、HPDDS、EDTA、EDC、EDDHA、DDS、HBED、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはEDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはキレート剤がEDDSおよびEDTAの混合物であり、
- 染料成分中に存在する緩衝酸性化合物がクエン酸であり、
- 染料成分中に存在するアニオン性界面活性剤が、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはC14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアニオン性界面活性剤がリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物であり、
- 染料成分中に存在する脂肪アルコールが、線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれ;好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは脂肪アルコールがセテアリルアルコールであり、
- 染料成分中に存在する非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくは少なくとも50を有する1以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくはステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは非イオン性界面活性剤がステアレス-200であり、
- 染料成分中に存在する酸化毛髪染料前駆体が、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;カプラーが、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール、およびこれらの混合物から選ばれ、
- 染料成分中に存在する溶媒が、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネートおよびこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との、混合物から選ばれ;好ましくは溶媒が、水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物であり;好ましくは溶媒が、水とプロピレングリコールとの混合物であり;
- 酸化成分中に存在する酸化剤が、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質から選ばれ;好ましくは過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物、有機の過酸化物、無機過水和物塩漂白化合物、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは酸化成分が過酸化水素であり、
- 酸化成分中に存在する緩衝酸性物がリン酸であり、
- 酸化成分中に存在する緩衝アルカリがリン酸二ナトリウムであり、ならびに
- 溶媒が水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との、混合物から選ばれ;好ましくは溶媒が水である、
請求項1または2に記載のキット。
【請求項4】
染料成分が、少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のキット。
【請求項5】
酸化成分が、少なくとも1つのキレート剤、少なくとも1つの脂肪アルコール、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
染料成分および/または酸化成分が、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物であって、6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する、毛髪着色組成物。
【請求項8】
6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物であって、
組成物の全重量に対して、
- 0.1~2%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 0.5~1.5%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.6~0.9%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.05~0.3%の量で存在する少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物、
- 0.075~0.25%の量で存在する少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物、
- 0.1~0.3%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、
- 1.2~4.5%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系であり、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、ゲルネットワーク増粘剤系、
- 存在する場合、合わせて10%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、毛髪着色組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、少なくとも1つの第2のキレート剤および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項8に記載の毛髪着色組成物。
【請求項10】
追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分をさらに含む、請求項8または9に記載の毛髪着色組成物。
【請求項11】
毛髪を処理する方法であって、
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の染料成分および酸化成分を提供する工程と、
- 酸化成分および染料成分を混合して毛髪着色組成物を得る工程と、
- ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と、
- 組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と、
- 組成物を毛髪から濯ぎ落す工程と
を含む、方法。
【請求項12】
自然のストランド間の変動を維持するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の毛髪着色組成物の使用。
【請求項13】
毛髪上における根元から毛先までの改善された均等性を提供するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の毛髪着色組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は毛髪着色組成物を得るためのキット、毛髪着色組成物、毛髪を処理する方法およびその使用に関する。染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物はややアルカリ性のpHを有しており、その毛髪への適用後発色時間(development time)の間にやや酸性のpHに低下する。本発明は特に所望の色合い(color shade)および強度を提供する一方で、毛髪、特に以前に染められた毛髪および毛髪の長さに沿って広範囲の損傷レベルを有する毛髪上における根元から毛先までの改善された均等性と共に毛髪のストランド間の自然の変動を維持する。
【背景技術】
【0002】
毛髪染料の適用によるケラチン繊維、特にヒトの毛髪の色の永久的な変化はよく知られている。消費者に毛髪の色を提供するために複雑な化学プロセスが利用されることがある。永久的な毛染め製剤は典型的に酸化毛髪染料前駆体を含み、これは毛小皮を通って毛髪中および皮質中に拡散することができ、そこで互いに、そして適切な酸化剤と反応して目的の染料分子を形成することができる。これらの得られる分子はより大きいためその後の水および/または洗剤を用いた洗髪中毛髪から容易に拡散することができないので、消費者に望まれる色の不変性を供給する。
【0003】
現在所望の色合いおよび所望の色強度を提供する多種多様な毛髪の酸化着色組成物が利用可能である。しかしながら、ユーザーはこれらの組成物の根元から毛先までの性能に失望することが多い。実際、殊に以前に染められた毛髪で、着色の均等性(均一性)のかなりの欠如が根元と毛先との間で目立つことがある。特に、毛先が毛髪の根元より濃いことがある。加えて、これらの組成物は毛髪に対して攻撃的で損傷を引き起こす可能性がある。組成物を毛髪および頭皮に対してより穏やかにするためには、そのpHをわずかにアルカリ性または酸性の範囲に低下させ得る。しかし、均一性の問題はさらに一層顕著になり、バージン毛髪では実質的に色の取り込みがなく、以前に損傷を受けた毛髪では過度の色の取り込みがあり、例えばほとんど着色していない根元の毛髪および過飽和の毛先として現れることがある。現在入手できるより穏やかな組成物の別の一般的な問題は損傷レベルの違いによってユーザー毎に起こる色の高いばらつきであり、このため最終の結果が予測できなくなり、スタイリストおよび最終消費者の両者の不満を招く。
【0004】
このように染料成分および酸化成分を混合することにより得られる、毛髪、特に以前に染められた毛髪に対して良好な根元から毛先までの均等性を提供する毛髪着色組成物を提供する必要性がある。また、染料成分および酸化成分を混合することにより得られる、毛髪上における根元から毛先までの均等性を損なうことなく所望の色合いおよび所望の色強度を提供する毛髪着色組成物を提供する必要性がある。また、染料成分および酸化成分を混合することにより得られる、公知の毛髪着色組成物と比較して、特にpHの点で毛髪に対してより穏やかであり、毛髪上における根元から毛先までの均等性を損なうことなく自然のストランド間の変動を保つ毛髪着色組成物を提供する必要性もある。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様において、本発明は染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキットであって、
染料成分が、8.5~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~4%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 1.2~1.8%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.01~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~1%の量で存在する少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.5%の量で存在する少なくとも1つの脂肪アルコール、
- 0.1~0.5%の量で存在する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、
- 存在する場合、合わせて20%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、および
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含み、
酸化成分が、1.8~3.5のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 1~3%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.15~0.5%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、および
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、キットに関する。
【0006】
一部の実施形態において、毛髪着色組成物は染料成分および酸化成分を2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合すると得られる。
【0007】
一部の実施形態において、染料成分は、9~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~2%、好ましくは0.2~1%、好ましくは0.6~0.9%の量で存在するアルカリ化剤、
- 1.2~1.6%、好ましくは約1.4%の量で存在するキレート剤、
- 0.05~0.45%、好ましくは0.15~0.45%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.5~0.8%、好ましくは0.5~0.65%の量で存在するアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.3%、好ましくは1.65~2.1%の量で存在する脂肪アルコール、
- 0.2~0.3%、好ましくは約0.25%の量で存在する非イオン性界面活性剤、
- 合わせて0.002~20%、好ましくは0.002~10%、好ましくは0.002~4%、好ましくは0.002~2%の量で存在する酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、および
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒
を含む。
【0008】
一部の実施形態において、酸化成分は、2~3のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒、
- 1.2~2.4%、好ましくは1.5~2%の量で存在する酸化剤、
- 0.17~0.4%、好ましくは0.17~0.3%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.5%、好ましくは0.2~0.35%の量で存在する緩衝アルカリ化合物、および
- 少なくとも60%、好ましくは約70%の量で存在する溶媒
を含む。
【0009】
一部の実施形態において、染料成分中に存在するアルカリ化剤は、アンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属および水酸化アンモニウム、アルカリ金属および炭酸アンモニウム、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアルカリ化剤はモノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物である。
【0010】
一部の実施形態において、染料成分中に存在するキレート剤は、カルボン酸、ホスホン酸、ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアミノカルボン酸から選ばれ;好ましくはDTPA、EDDS、EDGA、HPDS、GADS、EDDG、HPDDS、EDTA、EDC、EDDHA、DDS、HBED、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはEDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはキレート剤はEDDSおよびEDTAの混合物である。
【0011】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する緩衝酸性化合物はクエン酸である。
【0012】
一部の実施形態において、染料成分中に存在するアニオン性界面活性剤は、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはC14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアニオン性界面活性剤はリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物である。
【0013】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する脂肪アルコールは、線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれ;好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは脂肪アルコールはセテアリルアルコールである。
【0014】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくは1以上の少なくとも50を有するポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくはステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは非イオン性界面活性剤はステアレス-200である。
【0015】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する酸化毛髪染料前駆体は、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;カプラーは、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール、およびこれらの混合物から選ばれる。
【0016】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する溶媒は、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネートならびにこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との。混合物から選ばれ;好ましくは溶媒は水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物であり;好ましくは溶媒は水とプロピレングリコールとの混合物である。
【0017】
一部の実施形態において、酸化成分中に存在する酸化剤は、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質から選ばれ;好ましくは過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物、有機の過酸化物、無機過水和物(perhydrate)塩漂白化合物、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは酸化成分は過酸化水素である。
【0018】
一部の実施形態において、酸化成分中に存在する緩衝酸性化合物はリン酸である。
【0019】
一部の実施形態において、酸化成分中に存在する緩衝アルカリ化合物はリン酸二ナトリウムである。
【0020】
一部の実施形態において、溶媒は、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との、;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との、混合物から選ばれ;好ましくは溶媒は水である。
【0021】
一部の実施形態において、染料成分は、少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。
【0022】
一部の実施形態において、酸化成分は少なくとも1つのキレート剤、少なくとも1つの脂肪アルコール、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。
【0023】
一部の実施形態において、染料成分および/または酸化成分は、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤(pearling agent)、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む。
【0024】
第2の態様において、本発明は、本明細書に記載されている染料成分および酸化成分を混合することにより得られ、6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物に関する。
【0025】
第3の態様において、本発明は、毛髪着色組成物であって、6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有し、組成物の全重量に対して、
- 0.1~2%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 0.5~1.5%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.6~0.9%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.05~0.3%の量で存在する少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物、
- 0.075~0.25%の量で存在する少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物、
- 0.1~0.3%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、
- 1.2~4.5%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系であり、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、ゲルネットワーク増粘剤系、
- 存在する場合、合わせて10%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、毛髪着色組成物に関する。
【0026】
一部の実施形態において、毛髪着色組成物は、少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、少なくとも1つの第2のキレート剤および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。
【0027】
一部の実施形態において、毛髪着色組成物は、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む。
【0028】
第4の態様において、本発明は、毛髪を処理する方法であって、
- 本明細書に記載されている染料成分および酸化成分を準備する工程と、
- 酸化成分および染料成分を混合して毛髪着色組成物を得る工程と、
- ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と、
- 組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と、
- 組成物を毛髪から濯ぎ落す工程と
を含む、方法に関する。
【0029】
第5の態様において、本発明は、自然のストランド間の変動を維持するための、本明細書に記載されている毛髪着色組成物の使用に関する。
【0030】
第5の態様において、毛髪上における根元から毛先までの改善された均等性を提供するための、本発明は本明細書に記載されている毛髪着色組成物の使用に関する。
【0031】
本発明者らは、驚くべきことに、本発明に従って染料成分および酸化成分を混合した際に得られる毛髪着色組成物が根元から毛先までの均等性を損なうことなく所望の色合いおよび強度を提供することを示した。特に、毛髪着色組成物は以前に染められた毛髪およびその長さに沿って広範囲の損傷レベルを有する毛髪でも根元から毛先までの改善された均等性を提供する。予想外のことに、ややアルカリ性のpHを有する着色用組成物が毛髪と接触するとそのpHは適用時間中にやや酸性の範囲に次第に低下することが観察された。損傷した毛髪ではさらに大きいpH低下が検出されることがある。いかなる理論にも縛られることは望まないが、本発明者はこの効果がキレート化および緩衝作用の特定の組合せにより奏されると考える。慣用のアルカリ性の、すなわち少なくとも9のpHを有する毛髪着色組成物は、過酸化水素との反応の際に染料の反応に必要とされる多量の酸素を速く生成するより多量のアルカリ化剤のために充分な着色能力を有する。毛髪着色組成物のpHを下げると、酸素の供給力がより低いために反応の速度も低下する。したがって発色が損なわれることがあり、結果として不充分な強度および/または予測できない色の結果が得られることがある。対照的に、染料成分および色合い(tint)成分を混合することにより得られる本発明の毛髪着色組成物中に存在するキレート剤は毛根上に小さめの量で沈殿した(鉄またはカルシウムのような)金属を可溶化し、これによりややアルカリ性のpHでも染料反応を開始することができると考えられる。同時に、たくさんの銅イオンが存在する損傷した毛髪には二重のプロセスがあり、すなわちキレート剤は他の場合には染料反応を強くし過ぎる銅イオンを中和する一方で組成物の緩衝能は適用時間中にpHをやや酸性のpH範囲に低下するのを可能にして損傷を受けてない毛髪もさることながら過度の発色を回避する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書で使用されるとき処理されるべき「毛髪」という用語は「生きている」すなわち生体上にあるか、または「生きていない」すなわちかつら、ヘアーピースまたはその他生きていないケラチン繊維の集合体であり得る。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら羊毛、毛皮およびその他のケラチン含有繊維は本発明の組成物に適切な基材である。
【0033】
「毛髪を染める(毛髪着色用)」組成物とは、毛髪の色を変えるのに適した組成物を意味する。毛髪着色組成物は以後本明細書中で他に規定されない限り「組成物」といわれる。毛髪着色組成物は酸化染料前駆体、直接染料を含むことができるか、またはさらには漂白するだけの組成物の場合染料をまったく、もしくは実質的にまったく含まないことができ、この場合色の変化は主として毛幹が含有する天然のメラニンの、酸化剤による分解により起こされる。用語「毛髪着色用」組成物は本明細書で使用されるとき毛髪の漂白および毛髪の酸化染色製品を包含する。
【0034】
すべてのパーセントは他に規定されない限り毛髪着色組成物、すなわちすぐに使える組成物の重量による。処理中1より多くの組成物が使用されるとき、考慮するべき全重量は、他に規定されない限り、典型的に酸化成分(oxidative component)(顕色剤および/または酸化成分(oxidizing component)ともいわれる)を染料成分(dye component)(色合い、および/または染料成分(dye component)ともいわれる)と混合する結果得られる同時に毛髪に適用されるすべての組成物の全重量(すなわち「頭」上にある重量)である。すべての比またはパーセントは特に他に断らない限り重量比または重量パーセントである。
【0035】
用語「約」が重量比または重量パーセントに関連して使用されるとき、具体的な値は±10%の範囲を意味すると理解されるべきであることを意味する。例えば、約1%の化合物の重量割合は0.9~1.1%の範囲の重量割合を意味する。例えば、約2.5%の化合物の重量割合は2.25~2.75%の範囲の重量割合を意味する。
【0036】
毛髪着色組成物
染料成分および酸化成分を混合して得られる毛髪着色組成物について記載する。
【0037】
酸化剤
組成物は組成物の全重量に対して0.5~1.5%、好ましくは0.6~1.2%、好ましくは約0.75~1%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤を含む。本発明で規定される「水溶性」とは、標準状態で少なくとも0.1g、1g、または10gの酸化剤が1リットルの脱イオン水に溶解させ得ることを意味する。
【0038】
混合する前、酸化剤は酸化成分の全重量に対して1~3%、好ましくは1.2~2.4%、好ましくは1.5~2%の量で酸化成分中に存在し得る。
【0039】
酸化剤は、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質であり得;好ましくは酸化剤は、過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物(例えば過ヨウ素酸ナトリウムおよび過酸化ナトリウム)、有機の過酸化物(例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物)、無機過水和物塩漂白化合物(例えば過ホウ酸、過炭酸、過リン酸、過ケイ酸、過硫酸のアルカリ金属塩)、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは酸化剤は過酸化水素である。
【0040】
酸化剤は水溶液で、または使用前に溶解される粉末として提供され得る。
【0041】
アルカリ化剤
組成物は、組成物全体の重量に対して0.1~2%、好ましくは0.1~1%、好ましくは0.1~0.5%、好ましくは0.3~0.45%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤を含む。
【0042】
混合する前、アルカリ化剤は、染料成分の全重量に対して0.2~4%、好ましくは0.2~2%、好ましくは0.2~1%、好ましくは0.6~0.9%の量で染料成分中に存在する。
【0043】
アルカリ化剤は、アンモニア、アルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、および2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、ジメチルグルカミン、グアニジウム塩、アルカリ金属およびアンモニウム水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)、アルカリ金属およびアンモニウム炭酸塩、ならびにこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアルカリ化剤はモノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物である。
【0044】
本発明において、アルカリ化剤(例えばアンモニア、モノエタノールアミンおよびそれらの誘導体)は単に「アルカリ化剤」と分類される。
【0045】
キレート剤
組成物は、組成物の全重量に対して0.6~0.9%、好ましくは0.6~0.8%、好ましくは0.7%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤を含む。
【0046】
混合する前、キレート剤は、染料成分および場合により酸化成分中に存在する。キレート剤が染料成分および酸化成分中に存在するとき、染料成分中に存在するキレート剤は「第1のキレート剤」といわれることがあり、酸化成分中に存在するキレート剤は「第2のキレート剤」といわれることがある。それぞれ染料成分および酸化成分中に存在する第1および第2のキレート剤は同じ化合物であってもよいし、または異なる化合物であってもよい。
【0047】
混合する前、キレート剤は染料成分の全重量に対して1.2~1.8%、好ましくは1.2~1.6%、好ましくは約1.4%の量で染料成分中に存在する。
【0048】
混合する前、存在する場合、キレート剤は酸化成分の全重量に対して0.1%以下、好ましくは0.001~0.05%、好ましくは約0.01%の量で酸化成分中に存在してもよい。
【0049】
キレート剤は、カルボン酸(例えばアミノカルボン酸)、ホスホン酸(例えばアミノホスホン酸)、ポリリン酸(例えば線状のポリリン酸)、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアミノカルボン酸、アミノホスホン酸、線状ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアミノカルボン酸から選ばれ得る。
【0050】
アミノカルボン酸キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、エチレンジアミン二グルタル酸(EDGA)、2-ヒドロキシプロピレンジアミン二コハク酸(HPDS)、グリシンアミド-N,N’-二コハク酸(GADS)、エチレンジアミン-N-N’-二グルタル酸(EDDG)、2-ヒドロキシプロピレンジアミン-N-N’-二コハク酸(HPDDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレン二システイン酸(EDC)、エチレンジアミン-N-N’-ビス(オルト-ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ジアミノアルキルジ(スルホコハク酸)(DDS)、N,N’-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはEDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得る。
【0051】
アミノホスホン酸は、アミノトリ-(メチレンホスホン酸)、アミノトリ-(1-エチルホスホン酸)、アミノトリ-(イソプロピルホスホン酸)、エチレン-ジアミンテトラ-(1-エチルホスホン酸)、アミノトリ-(1-プロピルホスホン酸)、エチレン-ジアミン-テトラ-(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、ジエチレン-トリアミン-ペンタ-(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0052】
1つの実施形態において、染料成分中に存在する(第1の)キレート剤はEDDSおよびEDTAの混合物である。
【0053】
1つの実施形態において、酸化成分中に存在する第2のキレート剤はエチドロン酸である。
【0054】
緩衝系
組成物は、組成物の全重量に対して0.08~0.55%、好ましくは0.125~0.425%、好ましくは0.16~0.375%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物、および0.1~0.3%、好ましくは0.1~0.25%、好ましくは0.1~0.175%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物を含み、この緩衝酸性化合物および緩衝アルカリ化合物が緩衝系を形成する。緩衝系はややアルカリ性からやや酸性のpHへのpH低下を可能にする。
【0055】
混合する前、緩衝酸性化合物は、酸化成分および/または染料成分中、好ましくは酸化成分中および染料成分中に存在し得、緩衝アルカリ化合物は酸化成分中に存在し得る。
【0056】
混合する前、緩衝酸性化合物が酸化成分および染料成分の両方に存在するとき、緩衝酸性化合物は染料成分の全重量に対して0.01~0.6%、好ましくは0.05~0.45%、好ましくは0.15~0.45%の量で存在し、緩衝酸性化合物は酸化成分の全重量に対して0.15~0.5%、好ましくは約0.17~0.4%、好ましくは0.17~0.3%の量で存在する。
【0057】
混合する前、緩衝アルカリ化合物は酸化成分の全重量に対して0.2~0.6%、好ましくは0.2~0.5、好ましくは0.2~0.35%の量で酸化成分中に存在する。
【0058】
緩衝酸性化合物は、有機および無機の酸から選ばれ;好ましくは亜硫酸、硫酸、塩酸、次亜硝酸、亜硝酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、クエン酸、リンゴ酸、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはリン酸、亜リン酸、クエン酸、リンゴ酸、塩酸、次亜硝酸、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはリン酸、クエン酸、およびこれらの混合物から選ばれる。
【0059】
緩衝アルカリ化合物は、アルカリ金属塩、アミノ酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはグリシン、アルカリ金属塩、アミノ酸、塩化物、硝酸塩、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアルカリ金属の塩化物、硝酸塩および/またはリン酸、グリシン、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはリン酸のアルカリ金属、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは緩衝アルカリ化合物はリン酸二ナトリウムである。本発明において、アルカリ化剤(例えばアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびそれらの誘導体)は「緩衝アルカリ化合物」として分類されない。したがって「緩衝アルカリ化合物」という表現は現在例えばアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウムおよびそれらの誘導体を排除する。
【0060】
バッファー系は、リン酸およびクエン酸である緩衝酸性化合物ならびにリン酸二ナトリウムである対応する緩衝アルカリ化合物を含むことができる。
【0061】
1つの実施形態において、染料成分は第1の緩衝酸性化合物を含み、酸化成分は第2の緩衝アルカリ化合物および緩衝アルカリ化合物を含む。好ましい実施形態において、第1の緩衝酸性化合物はクエン酸であり、第2の緩衝酸性化合物はリン酸であり、緩衝アルカリ化合物はリン酸二ナトリウムである。
【0062】
染料成分中に存在する第1の緩衝酸性化合物(例えばクエン酸)が酸化成分中に存在する第2の緩衝酸性化合物(例えばリン酸)と異なるとき、組成物は組成物の全重量に対して0.05~0.3%、好ましくは0.025~0.225%、好ましくは0.075~0.225%の第1の緩衝酸性化合物、および0.075~0.25%、好ましくは0.0.85~0.2%、好ましくは0.085~0.15%の第1の緩衝酸性化合物を含む。
【0063】
ゲルネットワーク増粘剤
組成物は組成物の全重量に対して1.2~4.5%、好ましくは2~4%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系を含む。ゲルネットワーク増粘剤系は三成分系(tertiary system)を含む増粘系と定義される。この系は少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む。
【0064】
混合する前、アニオン性界面活性剤成分は染料成分中に存在し得、脂肪アルコールは染料成分および/または酸化成分中に存在し得、非イオン性界面活性剤は染料成分中に存在し得る。
【0065】
アニオン性界面活性剤は、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはC14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアニオン性界面活性剤はリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物である。好ましくはアルキルエーテルホスフェートは平均して1~20、好ましくは1~10のエチレンオキシド単位を有する。
【0066】
アニオン性界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.1~0.5%、好ましくは0.25~0.4%、好ましくは0.25~0.325%の量で存在し得る。
【0067】
混合する前、アニオン性界面活性剤は、染料成分の全重量に対して0.2~1%、好ましくは0.5~0.8%、好ましくは0.5~0.65%の量で染料成分中に存在し得る。
【0068】
脂肪アルコールは、線状または分枝状のC14~C30脂肪アルコール、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはセテアリルアルコールから選ばれ得る。
【0069】
混合する前、脂肪アルコールは、染料成分および/または酸化成分中に存在し得る。1つの実施形態において、脂肪アルコールは染料成分中に存在するのみである。代わりの実施形態において、脂肪アルコールは染料成分中および酸化成分中に存在する。
【0070】
染料成分は、染料成分の全重量に対して1.6~2.5%、好ましくは1.6~2.3%、好ましくは1.65~2,1%の脂肪アルコールを含み得る。
【0071】
酸化成分は、酸化成分の全重量に対して1.6~3.4%、好ましくは1.8~3.2%、好ましくは2~3%の脂肪アルコールを含み得る。
【0072】
脂肪アルコールは、組成物の全重量に対して0.8~1.25%、好ましくは0.8~1.15%、好ましくは0.825~1.05%の量で存在し得る。あるいは、脂肪アルコールは組成物の全重量に対して1.6~2.95%、好ましくは1.7~2.75%、好ましくは1.825~2.55%の量で存在し得る。
【0073】
非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ得;好ましくは少なくとも50、または50~200、または100~200のエチレンオキシド単位を有する1以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ得;好ましくはステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはステアレス-200から選ばれ得る。
【0074】
非イオン性界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.05~0.25%、好ましくは約0.125%の量で存在し得る。
【0075】
混合する前、非イオン性界面活性剤は、成分の全重量に対して0.1~0.5%、好ましくは0.2~0.3%、好ましくは約0.25%の量で染料成分中に存在し得る。
【0076】
毛髪染料
組成物は、組成物の全重量に対して合わせて10%以下、好ましくは0.001~10%、好ましくは0.001~5%、好ましくは0.1~2%、好ましくは0.2~1%の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体(「一次中間体」、「一次染料」または「染料中間体」ともいわれる)および少なくとも1つのカプラー(「色調整剤」または「二次中間体」ともいわれる)を含む。
【0077】
混合する前、酸化毛髪染料前駆体およびカプラーは、成分の全重量に対して合わせて20%以下、好ましくは0.002~20%、好ましくは0.002~10%、好ましくは0.2~4%、好ましくは0.4~2%の量で染料成分中に存在し得る。
【0078】
前駆体およびカプラーの選択は、望まれる着色の色、色合いおよび強度により決定される。毛髪染料前駆体およびカプラーは、単独で、または組み合わせて本発明に使用されて灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色合いを有する染料を提供することができる。
【0079】
一次中間体は、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼンベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0080】
カプラーは、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール(ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリンともいわれる)、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0081】
酸化毛髪染料前駆体は、p-アミノフェノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、3-メチル-p-アミノフェノール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、2,5-トルエンジアミンスルフェート、およびこれらの混合物から選ばれ得;カプラーはレゾルシノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチルレゾルシノール、ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリン、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0082】
溶媒
組成物は、組成物の全重量に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する少なくとも1つの溶媒を含む。
【0083】
混合する前、溶媒は染料成分および/または酸化成分中、好ましくは染料成分中および酸化成分中に存在し得る。
【0084】
混合する前、染料成分は染料成分の全重量に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の溶媒を含む。
【0085】
混合する前、酸化成分は酸化成分の全重量に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の溶媒を含む。
【0086】
溶媒は、水、または水と、典型的に水に充分に可溶性でないであろう化合物を溶解させるための少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選択され得る。有機溶媒はC1~C4低級アルカノール(例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール)、芳香族アルコール(例えばベンジルアルコールおよびフェノキシエタノール)、ポリオールおよびポリオールエーテル(例えばカルビトール、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、グリセロール、エトキシグリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリセロール、ジプロピレングリコール、ポリグリセロール)、プロピレンカーボネート、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得;好ましくは有機溶媒はプロピレングリコールである。
【0087】
1つの実施形態において、染料成分は水およびプロピレングリコールを含む溶媒を含む。
【0088】
1つの実施形態において、酸化成分は水である溶媒を含む。
【0089】
組成物のpH
組成物は、新たに混合されたとき(すなわち混合直後)6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有し、これは毛髪上で発色時間中に(例えば20分後)6.5~7.0に低下する。わずかに酸性の範囲での過酸化水素のゆっくりした分解はより低い毛髪損傷の結果となるが、初期のわずかにアルカリ性のpHは所望の色結果を供給するのに十分な染料形成を可能にする。染料形成は毛髪着色組成物のpHの低下と共に低減することが知られており、したがって、色結果を損なうことなく毛髪損傷が低減するpH範囲を見出すことは重要である。組成物のpHは標準的な実験室pH電極を備えたMettler Toledo MP220またはMP225 pH機器を用いることにより決定され得る。機器は各々の使用前に標準的な較正バッファーを用い、標準的な較正手法を用いて較正される。
【0090】
ラジカルスカベンジャー
組成物は、0.5%以下、好ましくは0.2%以下、好ましくは0.1%以下の量で存在する少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含み得る。
【0091】
存在する場合、組成物は組成物の全重量に対して0.01~0.5%、好ましくは0.01~0.2%、好ましくは約0.15%の少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含み得る。
【0092】
染料成分は、染料成分の全重量に対して1%以下、好ましくは0.4%以下、好ましくは0.2%以下の少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含み得る。
【0093】
混合する前、存在する場合、ラジカルスカベンジャーは染料成分の全重量に対して1%以下、好ましくは0.02~1%、好ましくは0.02~0.4%、好ましくは約0.3%の量で染料成分中に存在し得る。
【0094】
ラジカルスカベンジャーは、酸化プロセス中毛髪に対する損傷を低減する役に立つ。
【0095】
ラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、5-アミノ-1-ペンタノール、1-アミノ-2-プロパノール、1-アミノ-2-ブタノール、1-アミノ-2-ペンタノール、1-アミノ-3-ペンタノール、1-アミノ-4-ペンタノール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはグリシン、サルコシン、リジン、セリン、2-メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、3-アミノ-1-プロパノール、およびこれらの混合物から選ばれ得る。本明細書で使用されるとき、ラジカルスカベンジャーに関連して用語「それらの塩」とは特にカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、およびこれらの混合物を意味する。
【0096】
コンディショニング剤
組成物は、20%以下の量で少なくとも1つのコンディショニング剤を含み得る。
【0097】
組成物は、少なくとも1つのコンディショニング剤を含み得る。存在する場合、組成物は組成物の全重量に対して0.05~20%、好ましくは0.1~15%、好ましくは0.2~10%、好ましくは0.2%~5%、好ましくは約1.65%または約2.5%のコンディショニング剤を含み得る。
【0098】
混合する前、コンディショニング剤は染料成分、酸化成分または第3の成分、好ましくは酸化成分中に存在し得る。
【0099】
1つの実施形態において、コンディショニング剤は酸化成分中に存在する。
【0100】
混合する前、存在する場合、コンディショニング剤は酸化成分の全重量に対して40%以下、好ましくは0.1~40%、好ましくは0.2~30%、好ましくは0.4~20%、好ましくは0.4%~10%、好ましくは約3.3%の量で酸化成分中に存在し得る。
【0101】
コンディショニング剤は、多価アルコール、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性の油、油由来材料、鉱油、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはコンディショニング剤は鉱油である。
【0102】
直接染料
組成物はまた、少なくとも1つの直接染料も含み得る。直接染料は組成物の全重量に対して0.05%~4%の量で存在し得る。
【0103】
混合する前、直接染料は染料成分および/または酸化成分中に存在し得る。
【0104】
染料成分は、染料成分の全重量に対して4%未満、好ましくは0.05~4%の直接染料を含み得る。あるいは、染料成分は染料成分の全重量に対して2%未満、好ましくは0.025~2%の直接染料を含み得る。
【0105】
酸化成分は、酸化成分の全重量に対して4%未満、好ましくは0.05~4%の直接染料を含み得る。あるいは、酸化成分は酸化成分の全重量に対して2%未満、好ましくは0.025~2%の直接染料を含み得る。
【0106】
増粘剤
組成物は、組成物の全重量に対して少なくとも0.05%、好ましくは0.05%~1.0%の量で存在する少なくとも1つの増粘剤を含み得る。
【0107】
混合する前、増粘剤は染料成分中および/または酸化成分中に存在し得る。
【0108】
混合する前、増粘剤は染料成分の全重量に対して少なくとも0.1%、好ましくは0.1%~2.0%、好ましくは約0.15%の量で染料成分中に存在し得る。
【0109】
混合する前、増粘剤は酸化成分の全重量に対して0.1%以下、好ましくは0.001%~0.1%の量で酸化成分中に存在し得る。
【0110】
増粘剤は会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0111】
1つの実施形態において、染料成分は少なくとも1つの多糖を含む。
【0112】
1つの実施形態において、酸化成分は少なくとも1つの会合性ポリマーを含む。
【0113】
本明細書で使用されるとき、「会合性ポリマー」という表現は親水性単位および疎水性単位、例えば、少なくとも1つのC8~C30脂肪鎖および少なくとも1つの親水性単位の両方を含む両親媒性ポリマーを意味する。会合性ポリマーは互いにまたは他の分子と可逆的に結合することができる。適切な会合性の増粘剤には、限定されることはないが、少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む非イオン性の両親媒性ポリマー;少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性の両親媒性ポリマー;少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むカチオン性の両親媒性ポリマー;ならびに少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性の両親媒性ポリマー、ならびにこれらの混合物がある。
【0114】
少なくとも1つの脂肪鎖および少なくとも1つの親水性単位を含む適切な非イオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース(例えばアルキル、アルケニルおよびアルキルアリール基から選ばれる少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシエチルセルロース);少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシプロピルグアー;少なくとも1つの脂肪鎖(例えばC8-C30アルキルまたはアルケニル基)を含むポリエーテルウレタン;ビニルピロリドンおよび脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー;C1-C6アルキルアクリレートまたはメタクリレートおよび少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;親水性のアクリレートまたはメタクリレートおよび少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、ならびにこれらの混合物がある。
【0115】
少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む適切な非イオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位およびエチレン性不飽和のアニオン性モノマー単位(例えばビニルカルボン酸単位、特にアクリル酸、メタクリル酸、およびこれらの混合物に由来する単位から選ばれる単位)を含む少なくとも1つの親水性単位を含むポリマーがあり、ここで脂肪鎖アリルエーテル単位は、下記式(I)
CH2=C(R1)CH2OBnR (I)
[式中、R1はHおよびCH3から選ばれ、Bはエチレンオキシ基であり、nはゼロおよび1~100の範囲の整数から選ばれ、Rは8~30個の炭素原子、さらには例えば10~24個の炭素原子、なおさらには例えば12~18個の炭素原子を含むアルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリールおよびシクロアルキル基から選ばれる炭化水素をベースとする基から選ばれる]
のモノマーに対応する。
【0116】
適切なアニオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、不飽和オレフィン性カルボン酸型の少なくとも1つの親水性単位、および不飽和カルボン酸の(C8~C30)アルキルエステルまたは(C8~C30)オキシエチレン化アルキルエステルのような型の少なくとも1つの疎水性単位を含むポリマーがあり、ここで不飽和オレフィン性カルボン酸型の親水性単位は、例えば、下記式(II)
CH2=C(R1)COOH (II)
[式中、R1はH、CH3、C2H5およびCH2COOH(すなわちアクリル酸、メタクリル、エタクリルおよびイタコン酸単位)から選ばれる]
のモノマーに対応し、
不飽和カルボン酸の(C8~C30)アルキルエステルまたは(C8~C30)オキシエチレン化アルキルエステルのような型の疎水性単位は、例えば、下記式(III)
CH2=C(R1)COOBnR2 (III)
[式中、R1はH、CH3、C2H5およびCH2COOH(すなわちアクリレート、メタクリレート、エタクリレートおよびイタコネート単位)から選ばれ、Bはエチレンオキシ基であり、nはゼロおよび1~100の範囲の整数から選ばれ、R2はC8-C30アルキル基、例えば、C12-C22アルキル基から選ばれる]
のモノマーに対応する。
【0117】
アニオン性の両親媒性ポリマーはさらに架橋されていてもよい。架橋剤は下記基(IV)
CH2=C< (IV)
を、その不飽和結合が互いに共役していない少なくとも1つの他の重合可能な基と共に含む、モノマーであることができる。例えば、ポリアリルスクロースおよびポリアリルペンタエリスリトールのようなポリアリルエーテルが挙げられる。
【0118】
適切なカチオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、四級化セルロース誘導体およびアミノ側基を含むポリアクリレートがある。四級化されたセルロース誘導体は、例えば、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルおよびアルキルアリール基、およびこれらの混合物のような少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性された四級化セルロース、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルおよびアルキルアリール基、およびこれらの混合物のような少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性された四級化ヒドロキシエチルセルロースから選ばれる。例えば、上記四級化されたセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースが有するアルキル基は8~30個の炭素原子を含有する。アリール基は、例えば、フェニル、ベンジル、ナフチルおよびアントリル基から選ばれる。
【0119】
少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む適切な両性の両親媒性ポリマーは、例えば、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸/C8~C30アルキルメタクリレートコポリマーであり得、ここでアルキル基は例えばステアリル基である。
【0120】
好ましい会合性ポリマーは、不飽和カルボン酸またはその誘導体である少なくとも1つの親水性単位、および不飽和カルボン酸のC8~C30アルキルエステルまたはオキシエチレン化されたC8~C30アルキルエステルである少なくとも1つの疎水性単位を含む。不飽和カルボン酸は好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはイタコン酸である。市販されている材料にはRohm & HaasによりAculy-22として;NoveonによりPermulen TR1、Carbopol 2020、Carbopol Ultrez-21として、National StarchによりStructure 2001/3001として販売されているものがある。他の好ましい会合性ポリマーとして、Rohm and HaasによりAculyn-44/-46として市販されているポリエーテルポリウレタンがある。さらに好ましい会合性ポリマーとして、Aqualonにより商品名Natrosol Plus Grade 330 CSで市販されている少なくとも1つのC8~C30脂肪鎖を含む基で変性されたセルロースがある。
【0121】
適切な非会合性の架橋されたポリカルボン酸ポリマーには、限定されることはないが、架橋されたアクリル酸ホモポリマー、アクリル酸または(メタ)アクリル酸およびC1~C6アルキルアクリレート(メタ)アクリレートのコポリマー、およびこれらの混合物がある。市販されている材料には、NoveonによりCarbopol 980/981/954/2984/5984として、3V SigmaによりSynthalen M/Synthalen L/Synthalen Kとして、Rohm and HaasによりAculyn-33として販売されているものがある。
【0122】
多糖は、グルカン、加工および未加工デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロースおよびそれらの誘導体、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アルギン酸およびアルギン酸塩、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアゴム、トラガカントガム、ガッチガム、カラヤゴム、カロブガム、ガラクトマンナン、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、サクシノグリカン、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはキサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカンまたはサクシノグリカン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得;好ましくはキサンタンガム、サクシノグリカン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得;好ましくは多糖はキサンタンガムである。
【0123】
その他の成分
本発明による組成物は、上記成分に加えて、組成物の特性をさらに高めるために、特許請求の範囲から除外されない限り、さらなる成分を含んでもよい。組成物は組成物の全重量に対して7%以下、好ましくは0.01~7%の上記以外の成分を含み得る。
【0124】
混合する前、他の成分は染料成分中および/または酸化成分中に存在し得る。
【0125】
染料成分は染料成分の全重量に対して5%以下、好ましくは0.01~5%の成分を含み得る。
【0126】
酸化成分は酸化成分の全重量に対して5%以下、好ましくは0.01~5%の他の成分を含み得る。
【0127】
他の成分は、追加のアニオン性界面活性剤(例えばセテアリル硫酸ナトリウム)、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤(例えば硫酸ナトリウム)、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤(例えばサリチル酸)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物)、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、およびこれらの混合物から選ばれ得る。上記適切なさらなる成分は、以下の記載に特定されることはないが、International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook, (8th ed.; The Cosmetics, Toiletry, and Fragrance Association)に揚げられている。特に、第2巻、第3(Chemical Classes)および4欄(Functions)は特定の目的または多目的を達成するために特定のアジュバントを同定する際に有用である。これらの成分のいくつかについては以下に述べるが、その開示は当然ながら完全に網羅するものではない。
【0128】
染料成分は少なくとも1つの抗酸化剤を含み得る。
【0129】
1つの実施形態において、染料成分は、染料成分の全重量に対して0.1~2%、好ましくは0.5~1.5%、好ましくは約0.7%の抗酸化剤を含む。毛髪着色組成物は染料成分の全重量に対して0.0.5~1%、好ましくは0.25~0.75%、好ましくは約0.35%の抗酸化剤を含み得る。
【0130】
抗酸化剤は、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは抗酸化剤はアスコルビン酸および亜硫酸ナトリウムの混合物である。
【0131】
染料成分は少なくとも1つの非増粘性の粘度調整剤を含み得る。
【0132】
1つの実施形態において、染料成分は、染料成分の全重量に対して0.5~1.5%、好ましくは0.7~1.3%、好ましくは約1%の非増粘性の粘度調整剤を含む。毛髪着色組成物は、染料成分の全重量に対して0.25~0.75%、好ましくは0.35~0.65%、好ましくは約0.5%の非増粘性の粘度調整剤を含み得る。
【0133】
非増粘性の粘度調整剤は硫酸ナトリウムであり得る。
【0134】
酸化成分は少なくとも1つの過酸化物安定剤も含み得る。
【0135】
1つの実施形態において、酸化成分は、酸化成分の全重量に対して0.01~0.5%、好ましくは0.05~0.2%、好ましくは約0.1%の過酸化物安定剤を含む。毛髪着色組成物は染料成分の全重量に対して0.005~0.25%、好ましくは0.025~0.1%、好ましくは約0.0.5%の過酸化物安定剤を含み得る。
【0136】
過酸化物安定剤はサリチル酸であり得る。
【0137】
酸化成分はまた、特に酸化成分が脂肪アルコール、例えばセテアリルアルコールも含むとき、追加の界面活性剤も含み得る。
【0138】
酸化成分は、酸化成分の全重量に対して0.7~1.7%、好ましくは0.9~1.5%、好ましくは約1.2%の追加の界面活性剤を含み得る。毛髪着色組成物は、酸化成分の全重量に対して0.35~0.85%、好ましくは0.45~0.75%、好ましくは約0.6%の追加の界面活性剤を含み得る。
【0139】
追加の界面活性剤は、硫酸アルキル、ポリオキシエチレンエーテル、好ましくはセテアリル硫酸ナトリウムから選ばれ得る。
【0140】
染料成分および酸化成分の混合
本明細書に記載されている毛髪着色組成物は、染料成分および酸化成分を3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合することにより得られる。毛髪着色組成物はすぐに使える組成物、すなわち毛髪にすぐ適用する準備ができている組成物に相当する。染料成分および酸化成分は毛髪着色組成物を毛髪に適用する直前に混合してもよい。
【0141】
酸化成分は、酸化剤、第2の緩衝酸性化合物、緩衝アルカリ化合物、脂肪アルコール(ゲルネットワーク)、溶媒、場合により第2のキレート剤、場合によりコンディショニング剤および場合により直接染料を含み得る。
【0142】
酸化成分は、1.8~3.5、好ましくは2~3のpHを有し得る。
【0143】
染料成分は、キレート剤、第1の緩衝酸性化合物、アニオン性界面活性剤(ゲルネットワーク)、脂肪アルコール(ゲルネットワーク)、非イオン性界面活性剤(ゲルネットワーク)、アルカリ化剤、毛髪染料前駆体、カプラー、溶媒、場合によりコンディショニング剤、場合により直接染料および場合により増粘剤を含み得る。
【0144】
染料成分は、8.5~10、好ましくは9~10のpHを有し得る。
【0145】
使用方法/キット
少なくとも1つの染料成分、少なくとも1つの酸化成分、場合により少なくとも1つのコンディショニング成分、場合により前処理組成物および/または場合によりカラーリフレッシャー組成物を含む、毛髪着色組成物を得るためのキットが記載される。
【0146】
染料成分および酸化成分は上に記載されている。
【0147】
染料成分および酸化成分を3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキットは、(...)。
【0148】
化合物/成分は上に記載した化合物/成分に対応する。
【0149】
小売り酸化毛髪染料組成物は、通常別々の容器のような個別に包装された成分として酸化染料前駆体および典型的にアンモニアであるアルカリ化剤を適切な担体中に含む染料成分(エマルションについては「毛染めクリーム」または溶液については「毛染め液」ともいわれる)および酸化剤(通常過酸化水素)を含む酸化成分(エマルションについては「過酸化水素クリーム」または溶液については「過酸化水素液」ともいわれる)を含むキットとして販売されている。消費者は、使用の直前に染料成分および酸化成分を一緒に混合し、それを毛髪に適用する。同様に、小売りの漂白用組成物もまた、通常典型的に2つまたは3つの別々の容器中に2つまたは3つの個別に包装された成分を含むキットとして販売されている。第1の成分はアンモニウムイオン源(例えばアンモニア)を含み、第2の成分は酸化剤を含み、第3の(任意選択の)成分は第2の酸化剤を含む。漂白用組成物は使用の直前に上述の組成物を混合することにより得られる。
【0150】
専門のヘアーサロンマーケットでは、毛髪染料成分および酸化成分および/または漂白用組成物が典型的に独立して供給されてプロは好ましい組合せを選択することができる。
【0151】
混合物を合わせて数分後(すべての毛髪に対する一様な適用を確実にするため)、酸化染料組成物を毛染めが起こるのに充分な量毛髪上に留まらせる(通常2~60分、典型的に30~45分)。消費者またはサロンのプロは次いで水および/またはシャンプーで毛髪を完全に濯ぎ、乾燥させる。毛髪がその元の色から所望の色に変化するのが観察される。
【0152】
小売り用途および専門用途のいずれにおいても、任意選択のコンディショニング剤(コンディショニング成分)を提供できる。この実施形態において、すべての3つの組成物を使用直前に混合し、一緒に適用することができ、またはコンディショニング剤を(任意選択の濯ぎ工程の後)、他の容器の混合物から得られる酸化染料組成物または漂白用組成物の直後に後処理として適用することができる。
【0153】
キットは、任意選択の成分として前処理組成物および/またはカラーリフレッシャー組成物も含み得る。かかるカラーリフレッシャー組成物は、少なくとも1つの予め形成された染料を含み、酸化的色の直後、すなわち酸化毛髪染料または漂白適用後1分から適用後60日後までに毛髪に適用され得る。これらのカラーリフレッシャー組成物は、得られる初期の色を増大するかまたは洗浄およびスタイルサイクル中次の酸化着色または漂白事象まで色を強化するのに使用され得る。
【0154】
包装および分配装置
本発明は、多種多様な包装装置および/または分配装置で提供され得る。これらの分配装置は、独立してまたは互いに組み合わせて使用し得る別々の装置の形態であることができる。典型的に、毛髪着色用または漂白用組成物は使用前組成物を互いに別々に保存することができるように別々の単一または多区画容器内に含有される。次いで組成物は混合手段により一緒に混合され、その後装置から分配され、適用手段により消費者の毛髪に適用される。
【0155】
本発明に使用することができる最も一般的な包装装置は、ボトル、チューブ、エアロゾル、またはサシェ剤のような容器に顕色剤を保存し、顕色剤容器内の追加の区画または好ましくは例えば二元的サシェ剤またはエアロゾル系のように同一であってももしくはボトルおよびチューブ系のように異なってもよい別の容器に染料ローションを別途保存することを含む。いかなる組合せを使用してもよく、典型的に保存される組成物のタイプ次第すなわち組成物が濃厚または希薄型であるかないかによる。消費者またはヘアーサロン専門家は何らかの手段により酸化成分および染料成分を混合し得る。これは単に、組成物が分配された後好ましくはある用具のような混合手段を用いて混合される混合ボウルの使用を含み得る。あるいは、組成物の1つを他の組成物の容器に加えることを含み得(典型的に染料組成物が酸化組成物に加えられる)、続いて手動で振盪するかまたは混合する。別の系は単一の容器またはサシェ剤内の染料および酸化組成物の別々の区画の間に位置するシールの穿孔または移動に続くその容器内または別々および/または追加の容器での手動の混合を含む。
【0156】
本明細書中上に記載した装置はまた、製品の毛髪への適用を補助するため製品供給および/または適用用具と組み合わせて使用され得る。ここでもこれらの装置は、容器の1つに取り付けられたノズルのような非常に単純な種類のものでも、または櫛もしくはブラシのような別のアプリケーター装置であってもよい。かかる櫛およびブラシは、迅速および均一な被覆もしくは毛根/生え際タッチアップ、またはハイライトもしくは縞であろうとなかろうと特定の作用を達成するために適応させることができる。あるいは、容器または複数の容器の1つが分配ノズルに添えてまたはそれに代えて取り付けられた櫛を備えてもよく、それにより製品は櫛の歯に位置する中空の歯および分配開口を通って分配される。櫛の歯は歯に沿って単一または多数の開口を備えていて、製品の適用および殊に根元から毛先までの均一性を改善し得る。製品分配は容器例えばデラミボトル(delaminating bottle)に加えられる機械的な圧力または上記した機構のいずれかにより達成することができる。櫛は容易な適用を促進するように容器に備えてもよく、垂直に(いわゆるバーティコーム(verticomb))またはある角度で配置して消費者がすべての領域にアクセスできるようにしてもよい。すべての装置は互換性を有するように設計されているので、毛髪適用のためのある範囲のいろいろな用具を消費者に提供することができる。
【0157】
適用装置はまた、ハイライトコーム、ブラシおよびツール、ホイルおよびハイライトキャップのような、ハイライトのような特定の効果を達成することを補助する装置も含み得る。ある量の組成物を入れ、その後その組成物を予め決定された/選択された毛髪ストランドに適用することに使用するヒンジ装置を含むハイライト装置も使用され得る。
【0158】
毛染め方法
第3の態様において、本発明は、毛髪を組成物で処理する方法であって、
a)本明細書に記載されている染料成分を準備する工程と、
b)本明細書に記載されている酸化成分を準備する工程と、
c)酸化成分および染料成分を混合して本明細書に記載されている毛髪着色組成物を得る工程と、
d)ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と、
e)組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と、
f)その後組成物を毛髪から濯ぎ落す工程と
を含む、方法に関する。
【0159】
毛髪着色組成物は、染料成分および酸化成分を使用する直前に混合することにより得られ得る。毛髪の量に応じて充分な量、一般に60~250グラムの混合物が毛髪に適用される。かかる調製の際組成物は染められる毛髪に適用され、毛髪を着色するのに有効な時間の間毛髪と接触したまま留まる。典型的に、毛髪着色組成物は2~60、好ましくは10~30、好ましくは20分、15~50℃の範囲の温度で毛髪に作用させられる。その後、毛髪を水で濯いで組成物を除去し、乾燥する。必要であれば、毛髪をシャンプーで洗浄し、例えば、水または弱酸性溶液、例えばクエン酸または酒石酸溶液で濯ぎ、乾燥する。場合により、別々のコンディショニング製品も提供され得る。
【0160】
方法は、ある期間、典型的に2分~60分待ち、次いで毛髪着色組成物を毛髪から濯ぎ落すことをさらに含み得る。毛髪着色組成物はアプリケーターボトルまたはブラシによって毛髪に適用され得る。それは頭全体または部分的に1房の髪に使用され得(ハイライト適用)、共通のハイライトアプリケーターホイル、キャップおよび特別なアプリケーターを使用することができるが、バレイヤージュ(balayage)のようなフリーハンド技術もブラシおよび/または櫛と共に可能である。組成物はまた手動のスプレー、高圧容器またはエアロゾルムースによってムースとして適用され得る。組成物は固体形態として分配されてもよく、これに水を加えて酸化剤を生成し、毛髪着色に適した濃厚なビヒクルを形成する。
【実施例】
【0161】
以下の実施例は本開示に従った毛髪着色組成物を例示する。本明細書に記載されている実施例および実施形態は説明の目的のみのものであり、それを考慮して本開示の範囲から逸脱することなく様々な修正または変化が当業者に示唆されると理解される。
【0162】
毛髪を処理する方法
すべての実施例において、酸化成分と染料成分を1:1の混合比でボウルまたはボトル内で一緒に混合する。1つの組成物が片側に適用され、もう1つ別の組成物が別の側に適用されるように、組成物をモデルの毛髪に適用する。適用は、時間差が最終結果に及ぼす影響を排除するために2人のスタイリストにより並行して行われる。組成物を20分間放置して発色させた後、完全に濯ぎ落す。その後、毛髪をシャンプーで洗い、ブローして乾燥する。
【0163】
根元から毛先までの均等性(色均一性)の評価
根元から毛先までの均等性の評価は熟練し検定を受けた(calibrated)スタイリストにより行われる。第1のステップでは、根元、中央および毛先を比較して、第1の組成物で着色した根元を第2の組成物で着色した根元と比較する。第2のステップでは、両方の組成物に対して異なる毛髪部分の色の差を同時に比較するために毛先の両側に根元が隣接するようにモデルの毛髪を折り畳む。第2の部分で、評価は「a」(第1の組成物が明らかに第2の組成物より悪い)から「g」(第1の組成物が明らかに第2の組成物より良い)までのスケールを用いて行われる。
【0164】
毛髪着色組成物AおよびB
本発明による毛髪着色組成物Aを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表1および2に示す染料成分A1および酸化成分A2を準備する。
【0165】
また、参照毛髪着色組成物Bを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表1および2に示す染料成分B1および酸化成分B2も準備する。
【0166】
【0167】
毛髪着色組成物CおよびD
本発明による毛髪着色組成物Cを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表3および4に示す染料成分C1および酸化成分C2を準備する。
【0168】
また、参照毛髪着色組成物Dを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表3および4に示す染料成分D1および酸化成分D2も準備する。
【0169】
【0170】
結果
各々の毛髪着色組成物の性能は2人のモデルに対してであり、着色の均一性(根元から毛先までの均等性)はプロの美容師による。美容師は本発明による毛髪着色組成物(AまたはC)の着色の均一性を参照毛髪着色組成物(BまたはD)と比べてスケール:a(明らかに悪い)、b(目立って悪い)、c(やや悪い)、d(同等)、e(やや良い)、f(目立って良い)およびg(明らかに良い)を用いて比較する。両方の場合において、各々のモデルについて、美容師は着色の均一性が本発明による毛髪着色組成物(AまたはC)で参照毛髪着色組成物(BまたはD)と比較して目立って良い(f)と評価する。
【0171】
加えて、本発明による毛髪着色組成物(AまたはC)は参照毛髪着色組成物(BまたはD)と比較してより輝かしく、全体として顕著により強い色を示す。
【0172】
毛髪着色組成物E
本発明による毛髪着色組成物Eを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表5および6に示す染料成分E1および酸化成分E2を準備する。
【0173】
【0174】
毛髪適用の際のpH調節
本発明による染料成分E1および酸化成分E2を混合することにより得られる毛髪着色組成物Eは、毛髪着色組成物のpHが下記表7に示される通りややアルカリ性のpH(適用の際)からやや酸性に(20分後)なるだけであるので、毛髪への適用に特に適している。毛髪着色組成物のpHのややアルカリ性のpHからやや酸性のpHへの穏やかな低下を維持することは特に望ましい。これは、ややアルカリ性のpHが所望の発色を可能にする一方で、やや酸性の範囲へのpH低下はより少ない損傷および損傷した毛髪への染料の付着過多をより少なくするのを可能にする。
【0175】
本発明者は、毛髪のpHの差を立証するために、未処理の毛髪(漂白剤による前処理なし)への適用前、染料成分E1を4種の異なる酸化成分、すなわち下記表8に示す成分E2A(本発明)および成分E2B~D(比較)と混合することにより、参照(水性酸化成分)のいろいろな緩衝系を試験した。
【0176】
【0177】
上記表9に記載のデータにより示されているように、組成物EA(E1+E2A)(本発明)のみが、毛髪上に満足なpH、すなわち適用の際のややアルカリ性のpHから20分後のやや酸性のpHを提供し、これによりキレート剤と共同して所望の色合いおよび強度を提供し、一方自然のストランド間の変動を毛髪上における根元から毛先までの改善された均等性およびより少ない毛髪の損傷と共に維持する。
【0178】
本発明者はまた、組成物EA(E1+E2A)を脱色した毛髪に対しても試験した。得られた結果を下記表10に示す。
【0179】
上記表9および10に記載のデータにより示されているように、組成物EA(E1+E2A)(本発明)の効果は未処理の毛髪および脱色した毛髪に適用したとき顕著に変化しない。
【0180】
毛髪着色組成物F
本発明による毛髪着色組成物Fを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表11および12に示す染料成分F1および酸化成分F2を準備する。
【0181】
表11および12の割合は成分の全重量当たりである。
【0182】
本発明による染料成分F1および酸化成分F2を混合することにより得られる毛髪着色組成物Fは、毛髪着色組成物Fで前に立証されているように組成物のpHがややアルカリ性のpH(適用の際)からやや酸性のpH(20分後)になるだけであるので、毛髪への適用に特に適している。
【0183】
実施形態
実施形態001:染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキット。
【0184】
E002:染料成分および酸化成分が2:1~1:2の重量比で混合される、実施形態001によるキット。
【0185】
E003:染料成分および酸化成分が約1:1の重量比で混合される、E001~002によるキット。
【0186】
E004:染料成分が8.5~10のpHを有する、E001~003によるキット。
【0187】
E005:染料成分が9~10のpHを有する、E001~004によるキット。
【0188】
E006:酸化成分が1.8~3.5のpHを有する、E001~005によるキット。
【0189】
E007:酸化成分が2~3のpHを有する、E001~006によるキット。
【0190】
E008:染料成分が少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、E001~007によるキット。
【0191】
E009:染料成分が染料成分の全重量に対して0.2~4%のアルカリ化剤を含む、E008によるキット。
【0192】
E010:染料成分が染料成分の全重量に対して0.2~2%のアルカリ化剤を含む、E008~009によるキット。
【0193】
E011:染料成分が染料成分の全重量に対して0.2~1%のアルカリ化剤を含む、E008~010によるキット。
【0194】
E012:染料成分が染料成分の全重量に対して0.6~0.9%のアルカリ化剤を含む、E008~011によるキット。
【0195】
E013:アルカリ化剤が、アンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属およびアンモニウム水酸化物、アルカリ金属およびアンモニウム炭酸塩、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E008~012によるキット。
【0196】
E014:アルカリ化剤が、アンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれる、E008~013によるキット。
【0197】
E015:アルカリ化剤が、モノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物である、E008~014によるキット。
【0198】
E016:染料成分が少なくとも1つのキレート剤を含む、E001~015によるキット。
【0199】
E017:染料成分が染料成分の全重量に対して1.2~1.8%のキレート剤を含む、E016によるキット。
【0200】
E018:染料成分が染料成分の全重量に対して1.2~1.6%のキレート剤を含む、E016~017によるキット。
【0201】
E019:染料成分が染料成分の全重量に対して約1.4%のキレート剤を含む、E016~018によるキット。
【0202】
E020:キレート剤が、カルボン酸、ホスホン酸、ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E016~019によるキット。
【0203】
E021:キレート剤がアミノカルボン酸から選ばれる、E016~020によるキット。
【0204】
E022:キレート剤が、DTPA、EDDS、EDGA、HPDS、GADS、EDDG、HPDDS、EDTA、EDC、EDDHA、DDS、HBED、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E016~021によるキット。
【0205】
E023:キレート剤が、EDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E016~022によるキット。
【0206】
E024:キレート剤がEDDSおよびEDTAの混合物である、E016~023によるキット。
【0207】
E025:染料成分が少なくとも1つの緩衝酸性化合物を含む、E001~024によるキット。
【0208】
E026:染料成分が0.01~0.6%の緩衝酸性化合物を含む、E025によるキット。
【0209】
E027:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.05~0.45%の緩衝酸性化合物を含む、E025~026によるキット。
【0210】
E028:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.15~0.45%の緩衝酸性化合物を含む、E025~027によるキット。
【0211】
E029:緩衝酸性化合物がクエン酸である、E025~028によるキット。
【0212】
E030:染料成分が少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む、E001~029によるキット。
【0213】
E031:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.2~1%のアニオン性界面活性剤を含む、E030によるキット。
【0214】
E032:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.5~0.8%のアニオン性界面活性剤を含む、E030~031によるキット。
【0215】
E033:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.5~0.65%のアニオン性界面活性剤を含む、E030~032によるキット。
【0216】
E034:アニオン性界面活性剤が、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれる、E030~033によるキット。
【0217】
E035:アニオン性界面活性剤が、C14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれる、E030~034によるキット。
【0218】
E036:アニオン性界面活性剤がリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物である、E030~035によるキット。
【0219】
E037:染料成分が少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E001~036によるキット。
【0220】
E038:染料成分が、染料成分の全重量に対して1.6~2.5%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E037によるキット。
【0221】
E039:染料成分が、染料成分の全重量に対して1.6~2.3%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E037~038によるキット。
【0222】
E040:染料成分が、染料成分の全重量に対して1.65~2.1%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E037~039によるキット。
【0223】
E041:脂肪アルコールが線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれる、E037~040によるキット。
【0224】
E042:脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E037~041によるキット。
【0225】
E043:脂肪アルコールがセテアリルアルコールである、E037~042によるキット。
【0226】
E044:染料成分が少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、E001~043によるキット。
【0227】
E045:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.1~0.5%の非イオン性界面活性剤を含む、E044によるキット。
【0228】
E046:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.2~0.3%の非イオン性界面活性剤を含む、E044~045によるキット。
【0229】
E047:染料成分が、染料成分の全重量に対して約0.25%の非イオン性界面活性剤を含む、E044~046によるキット。
【0230】
E048:非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれる、E044~047によるキット。
【0231】
E049:非イオン性界面活性剤が、少なくとも50を有する1以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれる、E044~048によるキット。
【0232】
E050:非イオン性界面活性剤が、ステアレス-20;ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれる、E044~049によるキット。
【0233】
E051:非イオン性界面活性剤がステアレス-200である、E044~050によるキット。
【0234】
E052:染料成分が、少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラーを含む、E001~051によるキット。
【0235】
E053:染料成分が、20%以下の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052によるキット。
【0236】
E054:染料成分が、0.002~20%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~053によるキット。
【0237】
E055:染料成分が、0.002~10%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~054によるキット。
【0238】
E056:染料成分が、0.02~4%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~055によるキット。
【0239】
E057:染料成分が、0.4~2%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~056によるキット。
【0240】
E058:酸化毛髪染料前駆体が、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E052~057によるキット。
【0241】
E059:カプラーが、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール、およびこれらの混合物
から選ばれる、E052~058によるキット。
【0242】
E060:染料成分が少なくとも1つの溶媒を含む、E001~059によるキット。
【0243】
E061:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも50%の溶媒を含む、E060によるキット。
【0244】
E062:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも60%の溶媒を含む、E060~061によるキット。
【0245】
E063:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも70%の溶媒を含む、E060~062によるキット。
【0246】
E064:溶媒が、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選ばれる、E060~063によるキット。
【0247】
E065:有機溶媒が、C1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネートならびにこれらの混合物から選ばれる、E064によるキット。
【0248】
E066:有機溶媒が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E064~065によるキット。
【0249】
E067:有機溶媒が、プロピレングリコールである、E064~066によるキット。
【0250】
E068:溶媒が、水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物である、E060~067によるキット。
【0251】
E069:溶媒が、水とプロピレングリコールとの混合物である、E060~068によるキット。
【0252】
E070:染料成分が少なくとも1つの増粘剤を含む、E001~069によるキット。
【0253】
E071:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも0.1%の増粘剤を含む、E070によるキット。
【0254】
E072:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.1%~2.0%の増粘剤を含む、E070~071によるキット。
【0255】
E073:染料成分が、染料成分の全重量に対して約0.15%の増粘剤を含む、E070~072によるキット。
【0256】
E074:増粘剤が、会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの混合物から選ばれる、E070~073によるキット。
【0257】
E075:増粘剤が多糖から選ばれる、E070~074によるキット。
【0258】
E076:増粘剤がキサンタンガムである、E070~075によるキット。
【0259】
E077:染料成分が少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含む、E001~076によるキット。
【0260】
E078:染料成分が少なくとも1つのコンディショニング剤を含む、E001~077によるキット。
【0261】
E079:染料成分が少なくとも1つの直接染料を含む、E001~078によるキット。
【0262】
E080:染料成分が染料成分の全重量に対して4%未満の直接染料を含む、E079によるキット。
【0263】
E081:染料成分が少なくとも1つの他の成分を含む、E001~080によるキット。
【0264】
E082:染料成分が、染料成分の全重量に対して7%以下の他の成分を含む、E081によるキット。
【0265】
E083:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.01~7%の他の成分を含む、E081~082によるキット。
【0266】
E084:他の成分が、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E081~083によるキット。
【0267】
E085:染料成分が少なくとも1つの非増粘性粘度(レオロジー)調整剤を含む、E001~084によるキット。
【0268】
E086:染料成分が少なくとも1つの追加のアニオン性界面活性剤を含む、E001~085によるキット。
【0269】
E087:染料成分が少なくとも1つの抗酸化剤を含む、E001~086によるキット。
【0270】
E088:酸化成分が少なくとも1つの酸化剤を含む、E001~087によるキット。
【0271】
E089:酸化成分が酸化成分の全重量に対して1~3%の酸化剤を含む、E088によるキット。
【0272】
E090:酸化成分が酸化成分の全重量に対して1.2~2.4%の酸化剤を含む、E088~089によるキット。
【0273】
E091:酸化成分が酸化成分の全重量に対して1.5~2%の酸化剤を含む、E088~090によるキット。
【0274】
E092:酸化成分が、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質から選ばれる、E088~091によるキット。
【0275】
E093:酸化成分が、過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物、有機の過酸化物、無機過水和物塩漂白化合物、およびこれらの混合物から選ばれる、E088~092によるキット。
【0276】
E094:酸化成分が、過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E088~093によるキット。
【0277】
E095:酸化成分が過酸化水素である、E088~094によるキット。
【0278】
E096:酸化成分が少なくとも1つの緩衝酸性化合物を含む、E001~095によるキット。
【0279】
E097:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.15~0.5%の緩衝酸性化合物を含む、E096によるキット。
【0280】
E098:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.17~0.4%の緩衝酸性化合物を含む、E096~097によるキット。
【0281】
E099:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.17~0.3%の緩衝酸性化合物を含む、E096~098によるキット。
【0282】
E100:緩衝酸性化合物がリン酸である、E096~099によるキット。
【0283】
E101:酸化成分が少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物を含む、E001~100によるキット。
【0284】
E102:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~0.6%の緩衝アルカリ化合物を含む、E101によるキット。
【0285】
E103:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~0.5%の緩衝アルカリ化合物を含む、E101~102によるキット。
【0286】
E104:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~0.35%の緩衝アルカリ化合物を含む、E101~103によるキット。
【0287】
E105:緩衝アルカリ化合物がリン酸二ナトリウムである、E101~104によるキット。
【0288】
E106:酸化成分が少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E001~105によるキット。
【0289】
E107:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して1.6~3.4%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E106によるキット。
【0290】
E108:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して1.8~3.2%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E106~107によるキット。
【0291】
E109:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して2~3%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E106~108によるキット。
【0292】
E110:脂肪アルコールが線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれる、E106~109によるキット。
【0293】
E111:脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E106~110によるキット。
【0294】
E112:脂肪アルコールがセテアリルアルコールである、E106~111によるキット。
【0295】
E113:酸化成分が少なくとも1つのキレート剤を含む、E001~112によるキット。
【0296】
E114:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.1%以下のキレート剤を含む、E113によるキット。
【0297】
E115:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.005~0.05%のキレート剤を含む、E113~114によるキット。
【0298】
E116:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して約0.01%のキレート剤を含む、E113~115によるキット。
【0299】
E117:キレート剤がエチドロン酸である、E113~116によるキット。
【0300】
E118:酸化成分が少なくとも1つの溶媒を含む、E001~117によるキット。
【0301】
E119:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して少なくとも50%の溶媒を含む、E118によるキット。
【0302】
E120:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して少なくとも60%の溶媒を含む、E118~119によるキット。
【0303】
E121:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して少なくとも70%の溶媒を含む、E118~120によるキット。
【0304】
E122:溶媒が水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選ばれる、E118~121によるキット。
【0305】
E123:有機溶媒がC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E118~122によるキット。
【0306】
E124:有機溶媒が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E118~123によるキット。
【0307】
E125:有機溶媒がプロピレングリコールである、E118~124によるキット。
【0308】
E126:溶媒が水である、E118~125によるキット。
【0309】
E127:酸化成分が少なくとも1つのコンディショニング剤を含む、E001~0126によるキット。
【0310】
E128:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して40%以下のコンディショニング剤を含む、E127によるキット。
【0311】
E129:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.1~40%のコンディショニング剤を含む、E127~128によるキット。
【0312】
E130:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~30%のコンディショニング剤を含む、E127~129によるキット。
【0313】
E131:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.4~20%のコンディショニング剤を含む、E127~130によるキット。
【0314】
E132:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.4%~10%のコンディショニング剤を含む、E127~131によるキット。
【0315】
E133:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して約3.3%のコンディショニング剤を含む、E127~132によるキット。
【0316】
E134:コンディショニング剤が、多価のアルコール、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性油、油由来材料、鉱油、およびこれらの混合物から選ばれる、E127~133によるキット。
【0317】
E135:コンディショニング剤が鉱油である、E127~134によるキット。
【0318】
E136:酸化成分が少なくとも1つの直接染料を含む、E001~135によるキット。
【0319】
E137:酸化成分が酸化成分の全重量に対して4%未満の直接染料を含む、E36によるキット。
【0320】
E138:酸化成分が少なくとも1つの増粘剤を含む、E001~137によるキット。
【0321】
E139:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.1%以下の増粘剤を含む、E138によるキット。
【0322】
E140:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.001%~0.1%の増粘剤を含む、E138~139によるキット。
【0323】
E141:増粘剤が、会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの混合物から選ばれる、E138~140によるキット。
【0324】
E142:増粘剤が会合性ポリマーから選ばれる、E138~141によるキット。
【0325】
E143:酸化成分が少なくとも1つの他の成分を含む、E001~142によるキット。
【0326】
E144:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して5%以下の他の成分を含む、E143によるキット。
【0327】
E145:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.01~5%の他の成分を含む、E143~144によるキット。
【0328】
E146:他の成分が、追加のアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性または双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E143~145によるキット。
【0329】
E147:酸化成分が少なくとも1つの過酸化物安定剤を含む、E001~146によるキット。
【0330】
E148:E001~147による染料成分および酸化成分を混合することにより得られ、(混合直後に)6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物。
【0331】
E149:組成物が少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、E148による毛髪着色組成物。
【0332】
E150:組成物が、組成物の全重量に対して0.1~2%のアルカリ化剤を含む、E149による毛髪着色組成物。
【0333】
E151:組成物が少なくとも1つの酸化剤を含む、E148~150による毛髪着色組成物。
【0334】
E152:組成物が、組成物の全重量に対して0.5~1.5%の酸化剤を含む、E151による毛髪着色組成物。
【0335】
E153:組成物が少なくとも1つのキレート剤を含む、E148~152による毛髪着色組成物。
【0336】
E154:組成物が、組成物の全重量に対して0.6~0.9%のキレート剤を含む、E153による毛髪着色組成物。
【0337】
E155:組成物が少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物を含む、E148~154による毛髪着色組成物。
【0338】
E156:組成物が、組成物の全重量に対して0.05~0.3%の第1の緩衝酸性化合物を含む、E155による毛髪着色組成物。
【0339】
E157:第1の緩衝酸性化合物がクエン酸である、E155~156による毛髪着色組成物。
【0340】
E158:組成物が少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物を含む、E148~157による毛髪着色組成物。
【0341】
E159:組成物が、組成物の全重量に対して0.075~0.25%の第2の緩衝酸性化合物を含む、E158による毛髪着色組成物。
【0342】
E160:第2の緩衝酸性化合物がリン酸である、E158~159による毛髪着色組成物。
【0343】
E161:組成物が少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物を含む、E148~160による毛髪着色組成物。
【0344】
E162:組成物が、組成物の全重量に対して0.1~0.3%の緩衝アルカリ化合物を含む、E161による毛髪着色組成物。
【0345】
E163:緩衝アルカリ化合物がリン酸二ナトリウムである、E161~162による毛髪着色組成物。
【0346】
E164:組成物がゲルネットワーク増粘剤系を含む、E148~163による毛髪着色組成物。
【0347】
E165:ゲルネットワーク増粘剤系が、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、E164による毛髪着色組成物。
【0348】
E166:組成物が、組成物の全重量に対して1.2~4.5%のゲルネットワーク系を含む、E164~165による毛髪着色組成物。
【0349】
E167:組成物が少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラーを含む、E148~166による毛髪着色組成物。
【0350】
E168:組成物が、組成物の全重量に対して合わせて10%以下の量で酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E167による毛髪着色組成物。
【0351】
E169:組成物が少なくとも1つの溶媒を含む、E148~168による毛髪着色組成物。
【0352】
E170:組成物が、組成物の全重量に対して少なくとも50%の溶媒を含む、E169による毛髪着色組成物。
【0353】
E171:組成物が少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含む、E148~170による毛髪着色組成物。
【0354】
E172:組成物が少なくとも1つのコンディショニング剤を含む、E148~171による毛髪着色組成物。
【0355】
E173:組成物が少なくとも1つの直接染料を含む、E148~172による毛髪着色組成物。
【0356】
E174:組成物が少なくとも1つの第2のキレート剤を含む、E148~173による毛髪着色組成物。
【0357】
E175:組成物が少なくとも1つの増粘剤を含む、E148~174による毛髪着色組成物。
【0358】
E176:組成物が少なくとも1つの他の成分を含む、E148~175による毛髪着色組成物。
【0359】
E177:他の成分が、追加のアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性または双性のイオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E176による毛髪着色組成物。
【0360】
E178:E148~177に記載の毛髪着色組成物で毛髪を処理する方法。
【0361】
E179:方法が、E001~148による染料成分および酸化成分を準備する工程を含む、E178による毛髪を処理する方法。
【0362】
E180:方法が、酸化成分および染料成分を混合して毛髪着色組成物を得る工程を含む、E178~179による毛髪を処理する方法。
【0363】
E181:方法が、ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程を含む、E178~180による毛髪を処理する方法。
【0364】
E182:方法が、組成物を毛髪上に2~60分放置する工程を含む、E178~181による毛髪を処理する方法。
【0365】
E183:方法が、組成物を毛髪から濯ぎ落す工程を含む、E178~182による毛髪を処理する方法。
【0366】
E184:自然のストランド間の変動を維持するための、E001~177による染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物の使用。
【0367】
E185:毛髪上における根元から毛先までの改善された均等性を提供するための、E001~177による染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物の使用。
【0368】
項目
項目1:毛髪着色組成物であって、組成物の全重量に対して、0.5~1.5重量%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤;0.6~0.9重量%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤;0.01~0.4重量%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物および0.01~0.4重量%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、ここで緩衝酸性化合物および緩衝アルカリ化合物は緩衝系を形成する;1.2~4.5重量%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系であり、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、ゲルネットワーク増粘剤系;0.1~2重量%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤;合わせて0.001~10重量%の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー;少なくとも50重量%の量で存在する少なくとも1つの溶媒を含み、6~8のpHを含む、毛髪着色組成物。
【0369】
項目2:組成物の全重量に対して、0.8~1.2重量%の酸化剤;0.6~0.8重量%のキレート剤;0.05~0.4重量%の緩衝酸性化合物および0.05~0.3重量%の緩衝アルカリ化合物;0.5~1重量%のアニオン性界面活性剤、0.8~3.5重量%の脂肪アルコールおよび0.05~0.25重量%の非イオン性界面活性剤;0.1%~1重量%のアルカリ化剤;0.001~5重量%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーの混合物;少なくとも60重量%の溶媒を含み、6.8~7.99のpHを含む、項目1による毛髪着色組成物。
【0370】
項目3:酸化剤が水溶性の無機過酸素物質であり;好ましくは酸化剤が過酸化水素、過硫酸塩およびこれらの混合物から選ばれ;キレート剤がアミノカルボン酸から選ばれ、好ましくはエチレンジアミン二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、およびこれらの混合物から選ばれ;緩衝酸性化合物がリン酸、クエン酸およびこれらの混合物から選ばれ、緩衝アルカリ化合物がリン酸二ナトリウム、塩化カリウムおよびこれらの混合物から選ばれ;アニオン性界面活性剤が平均して1~20のエチレンオキシド単位を有するアルキルエーテルホスフェートから選ばれ;脂肪アルコールがセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびこれらの混合物から選ばれ;非イオン性界面活性剤がステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200およびこれらの混合物から選ばれ;アルカリ化剤がアンモニア、モノエタノールアミン、それらの誘導体、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアルカリ化剤がモノエタノールアミンおよびその誘導体であり;溶媒が水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選ばれる、先行するいずれかの項目による毛髪着色組成物。
【0371】
項目4:少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、少なくとも1つの増粘剤および/またはレオロジー調整剤ならびにこれらの混合物から選ばれる追加の成分を含む、先行するいずれかの項目による組成物。
【0372】
項目5:染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合することにより得られる、先行するいずれかの項目による組成物。
【0373】
項目6:少なくとも1つの染料成分、少なくとも1つの酸化成分、場合により少なくとも1つのコンディショニング成分、場合により前処理組成物および/または場合によりカラーリフレッシャー組成物を含む先行するいずれかの項目による毛髪着色組成物を得るためのキット。
【0374】
項目7:毛髪を処理する方法であって、本明細書に記載されている染料成分を準備する工程と;本明細書に記載されている酸化成分を準備する工程と;酸化成分および染料成分を混合して本明細書に記載されている毛髪着色組成物を得る工程と;ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と;組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と;組成物を毛髪から濯ぎ落す工程とを含む、方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は毛髪着色組成物を得るためのキット、毛髪着色組成物、毛髪を処理する方法およびその使用に関する。染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物はややアルカリ性のpHを有しており、その毛髪への適用後発色時間(development time)の間にやや酸性のpHに低下する。本発明は特に所望の色合い(color shade)および強度を提供する一方で、毛髪、特に以前に染められた毛髪および毛髪の長さに沿って広範囲の損傷レベルを有する毛髪に対して高まった根元から毛先までの均等性と共に毛髪のストランド間の自然の変動を維持する。
【背景技術】
【0002】
毛髪染料の適用によるケラチン繊維、特にヒトの毛髪の色の永久的な変化はよく知られている。消費者に毛髪の色を提供するために複雑な化学プロセスが利用されることがある。永久的な毛染め製剤は典型的に酸化毛髪染料前駆体を含み、これは毛小皮を通って毛髪中および皮質中に拡散することができ、そこで互いに、そして適切な酸化剤と反応して目的の染料分子を形成することができる。これらの得られる分子はより大きいためその後の水および/または洗剤を用いた洗髪中毛髪から容易に拡散することができないので、消費者に望まれる色の不変性を供給する。
【0003】
現在所望の色合いおよび所望の色強度を提供する多種多様な毛髪の酸化着色組成物が利用可能である。しかしながら、ユーザーはこれらの組成物の根元から毛先までの性能に失望することが多い。実際、殊に以前に染められた毛髪で、着色の均等性(均一性)のかなりの欠如が根元と毛先との間で目立つことがある。特に、毛先が毛髪の根元より濃いことがある。加えて、これらの組成物は毛髪に対して攻撃的で損傷を引き起こす可能性がある。組成物を毛髪および頭皮に対してより穏やかにするためには、そのpHをわずかにアルカリ性または酸性の範囲に低下させ得る。しかし、均一性の問題はさらに一層顕著になり、バージン毛髪では実質的に色の取り込みがなく、以前に損傷を受けた毛髪では過度の色の取り込みがあり、例えばほとんど着色していない根元の毛髪および過飽和の毛先として現れることがある。現在入手できるより穏やかな組成物の別の一般的な問題は損傷レベルの違いによってユーザー毎に起こる色の高いばらつきであり、このため最終の結果が予測できなくなり、スタイリストおよび最終消費者の両者の不満を招く。
【0004】
例えば、2020年3月18日に出願された国際公開第2020/188001号は、毛髪着色剤組成物に関する。
【0005】
このように染料成分および酸化成分を混合することにより得られる、毛髪、特に以前に染められた毛髪に対して良好な根元から毛先までの均等性を提供する毛髪着色組成物を提供する必要性がある。また、染料成分および酸化成分を混合することにより得られる、毛髪に対する根元から毛先までの均等性を損なうことなく所望の色合いおよび所望の色強度を提供する毛髪着色組成物を提供する必要性がある。また、染料成分および酸化成分を混合することにより得られる、公知の毛髪着色組成物と比較して、特にpHの点で毛髪に対してより穏やかであり、毛髪に対する根元から毛先までの均等性を損なうことなく自然のストランド間の変動を保つ毛髪着色組成物を提供する必要性もある。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本発明は染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキットであって、
染料成分が、8.5~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~4%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 1.2~1.8%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.01~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~1%の量で存在する少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.5%の量で存在する少なくとも1つの脂肪アルコール、
- 0.1~0.5%の量で存在する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、
- 存在する場合、合わせて20%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、および
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含み、
酸化成分が、1.8~3.5のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 1~3%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.15~0.5%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、および
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、キットに関する。
【0007】
一部の実施形態において、毛髪着色組成物は染料成分および酸化成分を2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合すると得られる。
【0008】
一部の実施形態において、染料成分は、9~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~2%、好ましくは0.2~1%、好ましくは0.6~0.9%の量で存在するアルカリ化剤、
- 1.2~1.6%、好ましくは約1.4%の量で存在するキレート剤、
- 0.05~0.45%、好ましくは0.15~0.45%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.5~0.8%、好ましくは0.5~0.65%の量で存在するアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.3%、好ましくは1.65~2.1%の量で存在する脂肪アルコール、
- 0.2~0.3%、好ましくは約0.25%の量で存在する非イオン性界面活性剤、
- 合わせて0.002~20%、好ましくは0.002~10%、好ましくは0.002~4%、好ましくは0.002~2%の量で存在する酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、および
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒
を含む。
【0009】
一部の実施形態において、酸化成分は、2~3のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒、
- 1.2~2.4%、好ましくは1.5~2%の量で存在する酸化剤、
- 0.17~0.4%、好ましくは0.17~0.3%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.5%、好ましくは0.2~0.35%の量で存在する緩衝アルカリ化合物、および
- 少なくとも60%、好ましくは約70%の量で存在する溶媒
を含む。
【0010】
一部の実施形態において、染料成分中に存在するアルカリ化剤は、アンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属および水酸化アンモニウム、アルカリ金属および炭酸アンモニウム、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアルカリ化剤はモノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物である。
【0011】
一部の実施形態において、染料成分中に存在するキレート剤は、カルボン酸、ホスホン酸、ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアミノカルボン酸から選ばれ;好ましくはDTPA、EDDS、EDGA、HPDS、GADS、EDDG、HPDDS、EDTA、EDC、EDDHA、DDS、HBED、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはEDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはキレート剤はEDDSおよびEDTAの混合物である。
【0012】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する緩衝酸性化合物はクエン酸である。
【0013】
一部の実施形態において、染料成分中に存在するアニオン性界面活性剤は、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはC14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアニオン性界面活性剤はリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物である。
【0014】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する脂肪アルコールは、線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれ;好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは脂肪アルコールはセテアリルアルコールである。
【0015】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくは1以上の少なくとも50を有するポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくはステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは非イオン性界面活性剤はステアレス-200である。
【0016】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する酸化毛髪染料前駆体は、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;カプラーは、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール、およびこれらの混合物から選ばれる。
【0017】
一部の実施形態において、染料成分中に存在する溶媒は、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネートならびにこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との。混合物から選ばれ;好ましくは溶媒は水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物であり;好ましくは溶媒は水とプロピレングリコールとの混合物である。
【0018】
一部の実施形態において、酸化成分中に存在する酸化剤は、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質から選ばれ;好ましくは過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物、有機の過酸化物、無機過水和物(perhydrate)塩漂白化合物、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは酸化成分は過酸化水素である。
【0019】
一部の実施形態において、酸化成分中に存在する緩衝酸性化合物はリン酸である。
【0020】
一部の実施形態において、酸化成分中に存在する緩衝アルカリ化合物はリン酸二ナトリウムである。
【0021】
一部の実施形態において、溶媒は、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との、;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との、混合物から選ばれ;好ましくは溶媒は水である。
【0022】
一部の実施形態において、染料成分は、少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。
【0023】
一部の実施形態において、酸化成分は少なくとも1つのキレート剤、少なくとも1つの脂肪アルコール、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。
【0024】
一部の実施形態において、染料成分および/または酸化成分は、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤(pearling agent)、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む。
【0025】
第2の態様において、本発明は、本明細書に記載されている染料成分および酸化成分を混合することにより得られ、6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物に関する。
【0026】
第3の態様において、本発明は、毛髪着色組成物であって、6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有し、組成物の全重量に対して、
- 0.1~2%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 0.5~1.5%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.6~0.9%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.05~0.3%の量で存在する少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物、
- 0.075~0.25%の量で存在する少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物、
- 0.1~0.3%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、
- 1.2~4.5%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系であり、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、ゲルネットワーク増粘剤系、
- 存在する場合、合わせて10%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、毛髪着色組成物に関する。
【0027】
一部の実施形態において、毛髪着色組成物は、少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、少なくとも1つの第2のキレート剤および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。
【0028】
一部の実施形態において、毛髪着色組成物は、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む。
【0029】
第4の態様において、本発明は、毛髪を処理する方法であって、
- 本明細書に記載されている染料成分および酸化成分を準備する工程と、
- 酸化成分および染料成分を混合して毛髪着色組成物を得る工程と、
- ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と、
- 組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と、
- 組成物を毛髪から濯ぎ落す工程と
を含む、方法に関する。
【0030】
第5の態様において、本発明は、自然のストランド間の変動を維持するための、本明細書に記載されている毛髪着色組成物の使用に関する。
【0031】
第5の態様において、毛髪の高まった根元から毛先までの均等性を提供するための、本発明は本明細書に記載されている毛髪着色組成物の使用に関する。
【0032】
本発明者らは、驚くべきことに、本発明に従って染料成分および酸化成分を混合した際に得られる毛髪着色組成物が根元から毛先までの均等性を損なうことなく所望の色合いおよび強度を提供することを示した。特に、毛髪着色組成物は以前に染められた毛髪およびその長さに沿って広範囲の損傷レベルを有する毛髪でも高まった根元から毛先までの均等性を提供する。予想外のことに、ややアルカリ性のpHを有する着色用組成物が毛髪と接触するとそのpHは適用時間中にやや酸性の範囲に次第に低下することが観察された。損傷した毛髪ではさらに大きいpH低下が検出されることがある。いかなる理論にも縛られることは望まないが、本発明者はこの効果がキレート化および緩衝作用の特定の組合せにより奏されると考える。慣用のアルカリ性の、すなわち少なくとも9のpHを有する毛髪着色組成物は、過酸化水素との反応の際に染料の反応に必要とされる多量の酸素を速く生成するより多量のアルカリ化剤のために充分な着色能力を有する。毛髪着色組成物のpHを下げると、酸素の供給力がより低いために反応の速度も低下する。したがって発色が損なわれることがあり、結果として不充分な強度および/または予測できない色の結果が得られることがある。対照的に、染料成分および色合い(tint)成分を混合することにより得られる本発明の毛髪着色組成物中に存在するキレート剤は毛根上に小さめの量で沈殿した(鉄またはカルシウムのような)金属を可溶化し、これによりややアルカリ性のpHでも染料反応を開始することができると考えられる。同時に、たくさんの銅イオンが存在する損傷した毛髪には二重のプロセスがあり、すなわちキレート剤は他の場合には染料反応を強くし過ぎる銅イオンを中和する一方で組成物の緩衝能は適用時間中にpHをやや酸性のpH範囲に低下するのを可能にして損傷を受けてない毛髪もさることながら過度の発色を回避する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書で使用されるとき処理されるべき「毛髪」という用語は「生きている」すなわち生体上にあるか、または「生きていない」すなわちかつら、ヘアーピースまたはその他生きていないケラチン繊維の集合体であり得る。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら羊毛、毛皮およびその他のケラチン含有繊維は本発明の組成物に適切な基材である。
【0034】
「毛髪を染める(毛髪着色用)」組成物とは、毛髪の色を変えるのに適した組成物を意味する。毛髪着色組成物は以後本明細書中で他に規定されない限り「組成物」といわれる。毛髪着色組成物は酸化染料前駆体、直接染料を含むことができるか、またはさらには漂白するだけの組成物の場合染料をまったく、もしくは実質的にまったく含まないことができ、この場合色の変化は主として毛幹が含有する天然のメラニンの、酸化剤による分解により起こされる。用語「毛髪着色用」組成物は本明細書で使用されるとき毛髪の漂白および毛髪の酸化染色製品を包含する。
【0035】
すべてのパーセントは他に規定されない限り毛髪着色組成物、すなわちすぐに使える組成物の重量による。処理中1より多くの組成物が使用されるとき、考慮するべき全重量は、他に規定されない限り、典型的に酸化成分(oxidative component)(顕色剤および/または酸化成分(oxidizing component)ともいわれる)を染料成分(dye component)(色合い、および/または染料成分(dye component)ともいわれる)と混合する結果得られる同時に毛髪に適用されるすべての組成物の全重量(すなわち「頭」上にある重量)である。すべての比またはパーセントは特に他に断らない限り重量比または重量パーセントである。
【0036】
用語「約」が重量比または重量パーセントに関連して使用されるとき、具体的な値は±10%の範囲を意味すると理解されるべきであることを意味する。例えば、約1%の化合物の重量割合は0.9~1.1%の範囲の重量割合を意味する。例えば、約2.5%の化合物の重量割合は2.25~2.75%の範囲の重量割合を意味する。
【0037】
毛髪着色組成物
染料成分および酸化成分を混合して得られる毛髪着色組成物について記載する。
【0038】
酸化剤
組成物は組成物の全重量に対して0.5~1.5%、好ましくは0.6~1.2%、好ましくは約0.75~1%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤を含む。本発明で規定される「水溶性」とは、標準状態で少なくとも0.1g、1g、または10gの酸化剤が1リットルの脱イオン水に溶解させ得ることを意味する。
【0039】
混合する前、酸化剤は酸化成分の全重量に対して1~3%、好ましくは1.2~2.4%、好ましくは1.5~2%の量で酸化成分中に存在し得る。
【0040】
酸化剤は、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質であり得;好ましくは酸化剤は、過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物(例えば過ヨウ素酸ナトリウムおよび過酸化ナトリウム)、有機の過酸化物(例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物)、無機過水和物塩漂白化合物(例えば過ホウ酸、過炭酸、過リン酸、過ケイ酸、過硫酸のアルカリ金属塩)、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは酸化剤は過酸化水素である。
【0041】
酸化剤は水溶液で、または使用前に溶解される粉末として提供され得る。
【0042】
アルカリ化剤
組成物は、組成物全体の重量に対して0.1~2%、好ましくは0.1~1%、好ましくは0.1~0.5%、好ましくは0.3~0.45%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤を含む。
【0043】
混合する前、アルカリ化剤は、染料成分の全重量に対して0.2~4%、好ましくは0.2~2%、好ましくは0.2~1%、好ましくは0.6~0.9%の量で染料成分中に存在する。
【0044】
アルカリ化剤は、アンモニア、アルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、および2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、ジメチルグルカミン、グアニジウム塩、アルカリ金属およびアンモニウム水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)、アルカリ金属およびアンモニウム炭酸塩、ならびにこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアルカリ化剤はモノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物である。
【0045】
本発明において、アルカリ化剤(例えばアンモニア、モノエタノールアミンおよびそれらの誘導体)は単に「アルカリ化剤」と分類される。
【0046】
キレート剤
組成物は、組成物の全重量に対して0.6~0.9%、好ましくは0.6~0.8%、好ましくは0.7%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤を含む。
【0047】
混合する前、キレート剤は、染料成分および場合により酸化成分中に存在する。キレート剤が染料成分および酸化成分中に存在するとき、染料成分中に存在するキレート剤は「第1のキレート剤」といわれることがあり、酸化成分中に存在するキレート剤は「第2のキレート剤」といわれることがある。それぞれ染料成分および酸化成分中に存在する第1および第2のキレート剤は同じ化合物であってもよいし、または異なる化合物であってもよい。
【0048】
混合する前、キレート剤は染料成分の全重量に対して1.2~1.8%、好ましくは1.2~1.6%、好ましくは約1.4%の量で染料成分中に存在する。
【0049】
混合する前、存在する場合、キレート剤は酸化成分の全重量に対して0.1%以下、好ましくは0.001~0.05%、好ましくは約0.01%の量で酸化成分中に存在してもよい。
【0050】
キレート剤は、カルボン酸(例えばアミノカルボン酸)、ホスホン酸(例えばアミノホスホン酸)、ポリリン酸(例えば線状のポリリン酸)、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアミノカルボン酸、アミノホスホン酸、線状ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアミノカルボン酸から選ばれ得る。
【0051】
アミノカルボン酸キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、エチレンジアミン二グルタル酸(EDGA)、2-ヒドロキシプロピレンジアミン二コハク酸(HPDS)、グリシンアミド-N,N’-二コハク酸(GADS)、エチレンジアミン-N-N’-二グルタル酸(EDDG)、2-ヒドロキシプロピレンジアミン-N-N’-二コハク酸(HPDDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレン二システイン酸(EDC)、エチレンジアミン-N-N’-ビス(オルト-ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ジアミノアルキルジ(スルホコハク酸)(DDS)、N,N’-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはEDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得る。
【0052】
アミノホスホン酸は、アミノトリ-(メチレンホスホン酸)、アミノトリ-(1-エチルホスホン酸)、アミノトリ-(イソプロピルホスホン酸)、エチレン-ジアミンテトラ-(1-エチルホスホン酸)、アミノトリ-(1-プロピルホスホン酸)、エチレン-ジアミン-テトラ-(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、ジエチレン-トリアミン-ペンタ-(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0053】
1つの実施形態において、染料成分中に存在する(第1の)キレート剤はEDDSおよびEDTAの混合物である。
【0054】
1つの実施形態において、酸化成分中に存在する第2のキレート剤はエチドロン酸である。
【0055】
緩衝系
組成物は、組成物の全重量に対して0.08~0.55%、好ましくは0.125~0.425%、好ましくは0.16~0.375%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物、および0.1~0.3%、好ましくは0.1~0.25%、好ましくは0.1~0.175%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物を含み、この緩衝酸性化合物および緩衝アルカリ化合物が緩衝系を形成する。緩衝系はややアルカリ性からやや酸性のpHへのpH低下を可能にする。
【0056】
混合する前、緩衝酸性化合物は、酸化成分および/または染料成分中、好ましくは酸化成分中および染料成分中に存在し得、緩衝アルカリ化合物は酸化成分中に存在し得る。
【0057】
混合する前、緩衝酸性化合物が酸化成分および染料成分の両方に存在するとき、緩衝酸性化合物は染料成分の全重量に対して0.01~0.6%、好ましくは0.05~0.45%、好ましくは0.15~0.45%の量で存在し、緩衝酸性化合物は酸化成分の全重量に対して0.15~0.5%、好ましくは約0.17~0.4%、好ましくは0.17~0.3%の量で存在する。
【0058】
混合する前、緩衝アルカリ化合物は酸化成分の全重量に対して0.2~0.6%、好ましくは0.2~0.5、好ましくは0.2~0.35%の量で酸化成分中に存在する。
【0059】
緩衝酸性化合物は、有機および無機の酸から選ばれ;好ましくは亜硫酸、硫酸、塩酸、次亜硝酸、亜硝酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、クエン酸、リンゴ酸、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはリン酸、亜リン酸、クエン酸、リンゴ酸、塩酸、次亜硝酸、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはリン酸、クエン酸、およびこれらの混合物から選ばれる。
【0060】
緩衝アルカリ化合物は、アルカリ金属塩、アミノ酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはグリシン、アルカリ金属塩、アミノ酸、塩化物、硝酸塩、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアルカリ金属の塩化物、硝酸塩および/またはリン酸、グリシン、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはリン酸のアルカリ金属、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは緩衝アルカリ化合物はリン酸二ナトリウムである。本発明において、アルカリ化剤(例えばアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびそれらの誘導体)は「緩衝アルカリ化合物」として分類されない。したがって「緩衝アルカリ化合物」という表現は現在例えばアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウムおよびそれらの誘導体を排除する。
【0061】
バッファー系は、リン酸およびクエン酸である緩衝酸性化合物ならびにリン酸二ナトリウムである対応する緩衝アルカリ化合物を含むことができる。
【0062】
1つの実施形態において、染料成分は第1の緩衝酸性化合物を含み、酸化成分は第2の緩衝アルカリ化合物および緩衝アルカリ化合物を含む。好ましい実施形態において、第1の緩衝酸性化合物はクエン酸であり、第2の緩衝酸性化合物はリン酸であり、緩衝アルカリ化合物はリン酸二ナトリウムである。
【0063】
染料成分中に存在する第1の緩衝酸性化合物(例えばクエン酸)が酸化成分中に存在する第2の緩衝酸性化合物(例えばリン酸)と異なるとき、組成物は組成物の全重量に対して0.05~0.3%、好ましくは0.025~0.225%、好ましくは0.075~0.225%の第1の緩衝酸性化合物、および0.075~0.25%、好ましくは0.0.85~0.2%、好ましくは0.085~0.15%の第1の緩衝酸性化合物を含む。
【0064】
ゲルネットワーク増粘剤
組成物は組成物の全重量に対して1.2~4.5%、好ましくは2~4%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系を含む。ゲルネットワーク増粘剤系は三成分系(tertiary system)を含む増粘系と定義される。この系は少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む。
【0065】
混合する前、アニオン性界面活性剤成分は染料成分中に存在し得、脂肪アルコールは染料成分および/または酸化成分中に存在し得、非イオン性界面活性剤は染料成分中に存在し得る。
【0066】
アニオン性界面活性剤は、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはC14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはアニオン性界面活性剤はリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物である。好ましくはアルキルエーテルホスフェートは平均して1~20、好ましくは1~10のエチレンオキシド単位を有する。
【0067】
アニオン性界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.1~0.5%、好ましくは0.25~0.4%、好ましくは0.25~0.325%の量で存在し得る。
【0068】
混合する前、アニオン性界面活性剤は、染料成分の全重量に対して0.2~1%、好ましくは0.5~0.8%、好ましくは0.5~0.65%の量で染料成分中に存在し得る。
【0069】
脂肪アルコールは、線状または分枝状のC14~C30脂肪アルコール、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはセテアリルアルコールから選ばれ得る。
【0070】
混合する前、脂肪アルコールは、染料成分および/または酸化成分中に存在し得る。1つの実施形態において、脂肪アルコールは染料成分中に存在するのみである。代わりの実施形態において、脂肪アルコールは染料成分中および酸化成分中に存在する。
【0071】
染料成分は、染料成分の全重量に対して1.6~2.5%、好ましくは1.6~2.3%、好ましくは1.65~2,1%の脂肪アルコールを含み得る。
【0072】
酸化成分は、酸化成分の全重量に対して1.6~3.4%、好ましくは1.8~3.2%、好ましくは2~3%の脂肪アルコールを含み得る。
【0073】
脂肪アルコールは、組成物の全重量に対して0.8~1.25%、好ましくは0.8~1.15%、好ましくは0.825~1.05%の量で存在し得る。あるいは、脂肪アルコールは組成物の全重量に対して1.6~2.95%、好ましくは1.7~2.75%、好ましくは1.825~2.55%の量で存在し得る。
【0074】
非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ得;好ましくは少なくとも50、または50~200、または100~200のエチレンオキシド単位を有する1以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ得;好ましくはステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはステアレス-200から選ばれ得る。
【0075】
非イオン性界面活性剤は、組成物の全重量に対して0.05~0.25%、好ましくは約0.125%の量で存在し得る。
【0076】
混合する前、非イオン性界面活性剤は、成分の全重量に対して0.1~0.5%、好ましくは0.2~0.3%、好ましくは約0.25%の量で染料成分中に存在し得る。
【0077】
毛髪染料
組成物は、組成物の全重量に対して合わせて10%以下、好ましくは0.001~10%、好ましくは0.001~5%、好ましくは0.1~2%、好ましくは0.2~1%の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体(「一次中間体」、「一次染料」または「染料中間体」ともいわれる)および少なくとも1つのカプラー(「色調整剤」または「二次中間体」ともいわれる)を含む。
【0078】
混合する前、酸化毛髪染料前駆体およびカプラーは、成分の全重量に対して合わせて20%以下、好ましくは0.002~20%、好ましくは0.002~10%、好ましくは0.2~4%、好ましくは0.4~2%の量で染料成分中に存在し得る。
【0079】
前駆体およびカプラーの選択は、望まれる着色の色、色合いおよび強度により決定される。毛髪染料前駆体およびカプラーは、単独で、または組み合わせて本発明に使用されて灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色合いを有する染料を提供することができる。
【0080】
一次中間体は、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼンベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0081】
カプラーは、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール(ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリンともいわれる)、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0082】
酸化毛髪染料前駆体は、p-アミノフェノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、3-メチル-p-アミノフェノール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、2,5-トルエンジアミンスルフェート、およびこれらの混合物から選ばれ得;カプラーはレゾルシノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチルレゾルシノール、ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリン、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0083】
溶媒
組成物は、組成物の全重量に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する少なくとも1つの溶媒を含む。
【0084】
混合する前、溶媒は染料成分および/または酸化成分中、好ましくは染料成分中および酸化成分中に存在し得る。
【0085】
混合する前、染料成分は染料成分の全重量に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の溶媒を含む。
【0086】
混合する前、酸化成分は酸化成分の全重量に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の溶媒を含む。
【0087】
溶媒は、水、または水と、典型的に水に充分に可溶性でないであろう化合物を溶解させるための少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選択され得る。有機溶媒はC1~C4低級アルカノール(例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール)、芳香族アルコール(例えばベンジルアルコールおよびフェノキシエタノール)、ポリオールおよびポリオールエーテル(例えばカルビトール、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノメチルエーテル、ヘキシレングリコール、グリセロール、エトキシグリコール、ブトキシジグリコール、エトキシジグリセロール、ジプロピレングリコール、ポリグリセロール)、プロピレンカーボネート、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得;好ましくは有機溶媒はプロピレングリコールである。
【0088】
1つの実施形態において、染料成分は水およびプロピレングリコールを含む溶媒を含む。
【0089】
1つの実施形態において、酸化成分は水である溶媒を含む。
【0090】
組成物のpH
組成物は、新たに混合されたとき(すなわち混合直後)6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有し、これは毛髪上で発色時間中に(例えば20分後)6.5~7.0に低下する。わずかに酸性の範囲での過酸化水素のゆっくりした分解はより低い毛髪損傷の結果となるが、初期のわずかにアルカリ性のpHは所望の色結果を供給するのに十分な染料形成を可能にする。染料形成は毛髪着色組成物のpHの低下と共に低減することが知られており、したがって、色結果を損なうことなく毛髪損傷が低減するpH範囲を見出すことは重要である。組成物のpHは標準的な実験室pH電極を備えたMettler Toledo MP220またはMP225 pH機器を用いることにより決定され得る。機器は各々の使用前に標準的な較正バッファーを用い、標準的な較正手法を用いて較正される。
【0091】
ラジカルスカベンジャー
組成物は、0.5%以下、好ましくは0.2%以下、好ましくは0.1%以下の量で存在する少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含み得る。
【0092】
存在する場合、組成物は組成物の全重量に対して0.01~0.5%、好ましくは0.01~0.2%、好ましくは約0.15%の少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含み得る。
【0093】
染料成分は、染料成分の全重量に対して1%以下、好ましくは0.4%以下、好ましくは0.2%以下の少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含み得る。
【0094】
混合する前、存在する場合、ラジカルスカベンジャーは染料成分の全重量に対して1%以下、好ましくは0.02~1%、好ましくは0.02~0.4%、好ましくは約0.3%の量で染料成分中に存在し得る。
【0095】
ラジカルスカベンジャーは、酸化プロセス中毛髪に対する損傷を低減する役に立つ。
【0096】
ラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、5-アミノ-1-ペンタノール、1-アミノ-2-プロパノール、1-アミノ-2-ブタノール、1-アミノ-2-ペンタノール、1-アミノ-3-ペンタノール、1-アミノ-4-ペンタノール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはグリシン、サルコシン、リジン、セリン、2-メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、3-アミノ-1-プロパノール、およびこれらの混合物から選ばれ得る。本明細書で使用されるとき、ラジカルスカベンジャーに関連して用語「それらの塩」とは特にカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、およびこれらの混合物を意味する。
【0097】
コンディショニング剤
組成物は、20%以下の量で少なくとも1つのコンディショニング剤を含み得る。
【0098】
組成物は、少なくとも1つのコンディショニング剤を含み得る。存在する場合、組成物は組成物の全重量に対して0.05~20%、好ましくは0.1~15%、好ましくは0.2~10%、好ましくは0.2%~5%、好ましくは約1.65%または約2.5%のコンディショニング剤を含み得る。
【0099】
混合する前、コンディショニング剤は染料成分、酸化成分または第3の成分、好ましくは酸化成分中に存在し得る。
【0100】
1つの実施形態において、コンディショニング剤は酸化成分中に存在する。
【0101】
混合する前、存在する場合、コンディショニング剤は酸化成分の全重量に対して40%以下、好ましくは0.1~40%、好ましくは0.2~30%、好ましくは0.4~20%、好ましくは0.4%~10%、好ましくは約3.3%の量で酸化成分中に存在し得る。
【0102】
コンディショニング剤は、多価アルコール、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性の油、油由来材料、鉱油、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはコンディショニング剤は鉱油である。
【0103】
直接染料
組成物はまた、少なくとも1つの直接染料も含み得る。直接染料は組成物の全重量に対して0.05%~4%の量で存在し得る。
【0104】
混合する前、直接染料は染料成分および/または酸化成分中に存在し得る。
【0105】
染料成分は、染料成分の全重量に対して4%未満、好ましくは0.05~4%の直接染料を含み得る。あるいは、染料成分は染料成分の全重量に対して2%未満、好ましくは0.025~2%の直接染料を含み得る。
【0106】
酸化成分は、酸化成分の全重量に対して4%未満、好ましくは0.05~4%の直接染料を含み得る。あるいは、酸化成分は酸化成分の全重量に対して2%未満、好ましくは0.025~2%の直接染料を含み得る。
【0107】
増粘剤
組成物は、組成物の全重量に対して少なくとも0.05%、好ましくは0.05%~1.0%の量で存在する少なくとも1つの増粘剤を含み得る。
【0108】
混合する前、増粘剤は染料成分中および/または酸化成分中に存在し得る。
【0109】
混合する前、増粘剤は染料成分の全重量に対して少なくとも0.1%、好ましくは0.1%~2.0%、好ましくは約0.15%の量で染料成分中に存在し得る。
【0110】
混合する前、増粘剤は酸化成分の全重量に対して0.1%以下、好ましくは0.001%~0.1%の量で酸化成分中に存在し得る。
【0111】
増粘剤は会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの混合物から選ばれ得る。
【0112】
1つの実施形態において、染料成分は少なくとも1つの多糖を含む。
【0113】
1つの実施形態において、酸化成分は少なくとも1つの会合性ポリマーを含む。
【0114】
本明細書で使用されるとき、「会合性ポリマー」という表現は親水性単位および疎水性単位、例えば、少なくとも1つのC8~C30脂肪鎖および少なくとも1つの親水性単位の両方を含む両親媒性ポリマーを意味する。会合性ポリマーは互いにまたは他の分子と可逆的に結合することができる。適切な会合性の増粘剤には、限定されることはないが、少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む非イオン性の両親媒性ポリマー;少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性の両親媒性ポリマー;少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むカチオン性の両親媒性ポリマー;ならびに少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性の両親媒性ポリマー、ならびにこれらの混合物がある。
【0115】
少なくとも1つの脂肪鎖および少なくとも1つの親水性単位を含む適切な非イオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース(例えばアルキル、アルケニルおよびアルキルアリール基から選ばれる少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシエチルセルロース);少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシプロピルグアー;少なくとも1つの脂肪鎖(例えばC8-C30アルキルまたはアルケニル基)を含むポリエーテルウレタン;ビニルピロリドンおよび脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー;C1-C6アルキルアクリレートまたはメタクリレートおよび少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;親水性のアクリレートまたはメタクリレートおよび少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、ならびにこれらの混合物がある。
【0116】
少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む適切な非イオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位およびエチレン性不飽和のアニオン性モノマー単位(例えばビニルカルボン酸単位、特にアクリル酸、メタクリル酸、およびこれらの混合物に由来する単位から選ばれる単位)を含む少なくとも1つの親水性単位を含むポリマーがあり、ここで脂肪鎖アリルエーテル単位は、下記式(I)
CH2=C(R1)CH2OBnR (I)
[式中、R1はHおよびCH3から選ばれ、Bはエチレンオキシ基であり、nはゼロおよび1~100の範囲の整数から選ばれ、Rは8~30個の炭素原子、さらには例えば10~24個の炭素原子、なおさらには例えば12~18個の炭素原子を含むアルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリールおよびシクロアルキル基から選ばれる炭化水素をベースとする基から選ばれる]
のモノマーに対応する。
【0117】
適切なアニオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、不飽和オレフィン性カルボン酸型の少なくとも1つの親水性単位、および不飽和カルボン酸の(C8~C30)アルキルエステルまたは(C8~C30)オキシエチレン化アルキルエステルのような型の少なくとも1つの疎水性単位を含むポリマーがあり、ここで不飽和オレフィン性カルボン酸型の親水性単位は、例えば、下記式(II)
CH2=C(R1)COOH (II)
[式中、R1はH、CH3、C2H5およびCH2COOH(すなわちアクリル酸、メタクリル、エタクリルおよびイタコン酸単位)から選ばれる]
のモノマーに対応し、
不飽和カルボン酸の(C8~C30)アルキルエステルまたは(C8~C30)オキシエチレン化アルキルエステルのような型の疎水性単位は、例えば、下記式(III)
CH2=C(R1)COOBnR2 (III)
[式中、R1はH、CH3、C2H5およびCH2COOH(すなわちアクリレート、メタクリレート、エタクリレートおよびイタコネート単位)から選ばれ、Bはエチレンオキシ基であり、nはゼロおよび1~100の範囲の整数から選ばれ、R2はC8-C30アルキル基、例えば、C12-C22アルキル基から選ばれる]
のモノマーに対応する。
【0118】
アニオン性の両親媒性ポリマーはさらに架橋されていてもよい。架橋剤は下記基(IV)
CH2=C< (IV)
を、その不飽和結合が互いに共役していない少なくとも1つの他の重合可能な基と共に含む、モノマーであることができる。例えば、ポリアリルスクロースおよびポリアリルペンタエリスリトールのようなポリアリルエーテルが挙げられる。
【0119】
適切なカチオン性の両親媒性ポリマーには、限定されることはないが、四級化セルロース誘導体およびアミノ側基を含むポリアクリレートがある。四級化されたセルロース誘導体は、例えば、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルおよびアルキルアリール基、およびこれらの混合物のような少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性された四級化セルロース、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルおよびアルキルアリール基、およびこれらの混合物のような少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性された四級化ヒドロキシエチルセルロースから選ばれる。例えば、上記四級化されたセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースが有するアルキル基は8~30個の炭素原子を含有する。アリール基は、例えば、フェニル、ベンジル、ナフチルおよびアントリル基から選ばれる。
【0120】
少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む適切な両性の両親媒性ポリマーは、例えば、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸/C8~C30アルキルメタクリレートコポリマーであり得、ここでアルキル基は例えばステアリル基である。
【0121】
好ましい会合性ポリマーは、不飽和カルボン酸またはその誘導体である少なくとも1つの親水性単位、および不飽和カルボン酸のC8~C30アルキルエステルまたはオキシエチレン化されたC8~C30アルキルエステルである少なくとも1つの疎水性単位を含む。不飽和カルボン酸は好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはイタコン酸である。市販されている材料にはRohm & HaasによりAculy-22として;NoveonによりPermulen TR1、Carbopol 2020、Carbopol Ultrez-21として、National StarchによりStructure 2001/3001として販売されているものがある。他の好ましい会合性ポリマーとして、Rohm and HaasによりAculyn-44/-46として市販されているポリエーテルポリウレタンがある。さらに好ましい会合性ポリマーとして、Aqualonにより商品名Natrosol Plus Grade 330 CSで市販されている少なくとも1つのC8~C30脂肪鎖を含む基で変性されたセルロースがある。
【0122】
適切な非会合性の架橋されたポリカルボン酸ポリマーには、限定されることはないが、架橋されたアクリル酸ホモポリマー、アクリル酸または(メタ)アクリル酸およびC1~C6アルキルアクリレート(メタ)アクリレートのコポリマー、およびこれらの混合物がある。市販されている材料には、NoveonによりCarbopol 980/981/954/2984/5984として、3V SigmaによりSynthalen M/Synthalen L/Synthalen Kとして、Rohm and HaasによりAculyn-33として販売されているものがある。
【0123】
多糖は、グルカン、加工および未加工デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロースおよびそれらの誘導体、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アルギン酸およびアルギン酸塩、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアゴム、トラガカントガム、ガッチガム、カラヤゴム、カロブガム、ガラクトマンナン、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカン、サクシノグリカン、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくはキサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、スクレログルカンまたはサクシノグリカン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得;好ましくはキサンタンガム、サクシノグリカン、およびこれらの混合物からなる群から選ばれ得;好ましくは多糖はキサンタンガムである。
【0124】
その他の成分
本発明による組成物は、上記成分に加えて、組成物の特性をさらに高めるために、特許請求の範囲から除外されない限り、さらなる成分を含んでもよい。組成物は組成物の全重量に対して7%以下、好ましくは0.01~7%の上記以外の成分を含み得る。
【0125】
混合する前、他の成分は染料成分中および/または酸化成分中に存在し得る。
【0126】
染料成分は染料成分の全重量に対して5%以下、好ましくは0.01~5%の成分を含み得る。
【0127】
酸化成分は酸化成分の全重量に対して5%以下、好ましくは0.01~5%の他の成分を含み得る。
【0128】
他の成分は、追加のアニオン性界面活性剤(例えばセテアリル硫酸ナトリウム)、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤(例えば硫酸ナトリウム)、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤(例えばサリチル酸)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物)、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、およびこれらの混合物から選ばれ得る。上記適切なさらなる成分は、以下の記載に特定されることはないが、International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook, (8th ed.; The Cosmetics, Toiletry, and Fragrance Association)に揚げられている。特に、第2巻、第3(Chemical Classes)および4欄(Functions)は特定の目的または多目的を達成するために特定のアジュバントを同定する際に有用である。これらの成分のいくつかについては以下に述べるが、その開示は当然ながら完全に網羅するものではない。
【0129】
染料成分は少なくとも1つの抗酸化剤を含み得る。
【0130】
1つの実施形態において、染料成分は、染料成分の全重量に対して0.1~2%、好ましくは0.5~1.5%、好ましくは約0.7%の抗酸化剤を含む。毛髪着色組成物は染料成分の全重量に対して0.0.5~1%、好ましくは0.25~0.75%、好ましくは約0.35%の抗酸化剤を含み得る。
【0131】
抗酸化剤は、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ得;好ましくは抗酸化剤はアスコルビン酸および亜硫酸ナトリウムの混合物である。
【0132】
染料成分は少なくとも1つの非増粘性の粘度調整剤を含み得る。
【0133】
1つの実施形態において、染料成分は、染料成分の全重量に対して0.5~1.5%、好ましくは0.7~1.3%、好ましくは約1%の非増粘性の粘度調整剤を含む。毛髪着色組成物は、染料成分の全重量に対して0.25~0.75%、好ましくは0.35~0.65%、好ましくは約0.5%の非増粘性の粘度調整剤を含み得る。
【0134】
非増粘性の粘度調整剤は硫酸ナトリウムであり得る。
【0135】
酸化成分は少なくとも1つの過酸化物安定剤も含み得る。
【0136】
1つの実施形態において、酸化成分は、酸化成分の全重量に対して0.01~0.5%、好ましくは0.05~0.2%、好ましくは約0.1%の過酸化物安定剤を含む。毛髪着色組成物は染料成分の全重量に対して0.005~0.25%、好ましくは0.025~0.1%、好ましくは約0.0.5%の過酸化物安定剤を含み得る。
【0137】
過酸化物安定剤はサリチル酸であり得る。
【0138】
酸化成分はまた、特に酸化成分が脂肪アルコール、例えばセテアリルアルコールも含むとき、追加の界面活性剤も含み得る。
【0139】
酸化成分は、酸化成分の全重量に対して0.7~1.7%、好ましくは0.9~1.5%、好ましくは約1.2%の追加の界面活性剤を含み得る。毛髪着色組成物は、酸化成分の全重量に対して0.35~0.85%、好ましくは0.45~0.75%、好ましくは約0.6%の追加の界面活性剤を含み得る。
【0140】
追加の界面活性剤は、硫酸アルキル、ポリオキシエチレンエーテル、好ましくはセテアリル硫酸ナトリウムから選ばれ得る。
【0141】
染料成分および酸化成分の混合
本明細書に記載されている毛髪着色組成物は、染料成分および酸化成分を3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合することにより得られる。毛髪着色組成物はすぐに使える組成物、すなわち毛髪にすぐ適用する準備ができている組成物に相当する。染料成分および酸化成分は毛髪着色組成物を毛髪に適用する直前に混合してもよい。
【0142】
酸化成分は、酸化剤、第2の緩衝酸性化合物、緩衝アルカリ化合物、脂肪アルコール(ゲルネットワーク)、溶媒、場合により第2のキレート剤、場合によりコンディショニング剤および場合により直接染料を含み得る。
【0143】
酸化成分は、1.8~3.5、好ましくは2~3のpHを有し得る。
【0144】
染料成分は、キレート剤、第1の緩衝酸性化合物、アニオン性界面活性剤(ゲルネットワーク)、脂肪アルコール(ゲルネットワーク)、非イオン性界面活性剤(ゲルネットワーク)、アルカリ化剤、毛髪染料前駆体、カプラー、溶媒、場合によりコンディショニング剤、場合により直接染料および場合により増粘剤を含み得る。
【0145】
染料成分は、8.5~10、好ましくは9~10のpHを有し得る。
【0146】
使用方法/キット
少なくとも1つの染料成分、少なくとも1つの酸化成分、場合により少なくとも1つのコンディショニング成分、場合により前処理組成物および/または場合によりカラーリフレッシャー組成物を含む、毛髪着色組成物を得るためのキットが記載される。
【0147】
染料成分および酸化成分は上に記載されている。
【0148】
染料成分および酸化成分を3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2、好ましくは約1:1の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキットは、(...)。
【0149】
化合物/成分は上に記載した化合物/成分に対応する。
【0150】
小売り酸化毛髪染料組成物は、通常別々の容器のような個別に包装された成分として酸化染料前駆体および典型的にアンモニアであるアルカリ化剤を適切な担体中に含む染料成分(エマルションについては「毛染めクリーム」または溶液については「毛染め液」ともいわれる)および酸化剤(通常過酸化水素)を含む酸化成分(エマルションについては「過酸化水素クリーム」または溶液については「過酸化水素液」ともいわれる)を含むキットとして販売されている。消費者は、使用の直前に染料成分および酸化成分を一緒に混合し、それを毛髪に適用する。同様に、小売りの漂白用組成物もまた、通常典型的に2つまたは3つの別々の容器中に2つまたは3つの個別に包装された成分を含むキットとして販売されている。第1の成分はアンモニウムイオン源(例えばアンモニア)を含み、第2の成分は酸化剤を含み、第3の(任意選択の)成分は第2の酸化剤を含む。漂白用組成物は使用の直前に上述の組成物を混合することにより得られる。
【0151】
専門のヘアーサロンマーケットでは、毛髪染料成分および酸化成分および/または漂白用組成物が典型的に独立して供給されてプロは好ましい組合せを選択することができる。
【0152】
混合物を合わせて数分後(すべての毛髪に対する一様な適用を確実にするため)、酸化染料組成物を毛染めが起こるのに充分な量毛髪上に留まらせる(通常2~60分、典型的に30~45分)。消費者またはサロンのプロは次いで水および/またはシャンプーで毛髪を完全に濯ぎ、乾燥させる。毛髪がその元の色から所望の色に変化するのが観察される。
【0153】
小売り用途および専門用途のいずれにおいても、任意選択のコンディショニング剤(コンディショニング成分)を提供できる。この実施形態において、すべての3つの組成物を使用直前に混合し、一緒に適用することができ、またはコンディショニング剤を(任意選択の濯ぎ工程の後)、他の容器の混合物から得られる酸化染料組成物または漂白用組成物の直後に後処理として適用することができる。
【0154】
キットは、任意選択の成分として前処理組成物および/またはカラーリフレッシャー組成物も含み得る。かかるカラーリフレッシャー組成物は、少なくとも1つの予め形成された染料を含み、酸化的色の直後、すなわち酸化毛髪染料または漂白適用後1分から適用後60日後までに毛髪に適用され得る。これらのカラーリフレッシャー組成物は、得られる初期の色を増大するかまたは洗浄およびスタイルサイクル中次の酸化着色または漂白事象まで色を強化するのに使用され得る。
【0155】
包装および分配装置
本発明は、多種多様な包装装置および/または分配装置で提供され得る。これらの分配装置は、独立してまたは互いに組み合わせて使用し得る別々の装置の形態であることができる。典型的に、毛髪着色用または漂白用組成物は使用前組成物を互いに別々に保存することができるように別々の単一または多区画容器内に含有される。次いで組成物は混合手段により一緒に混合され、その後装置から分配され、適用手段により消費者の毛髪に適用される。
【0156】
本発明に使用することができる最も一般的な包装装置は、ボトル、チューブ、エアロゾル、またはサシェ剤のような容器に顕色剤を保存し、顕色剤容器内の追加の区画または好ましくは例えば二元的サシェ剤またはエアロゾル系のように同一であってももしくはボトルおよびチューブ系のように異なってもよい別の容器に染料ローションを別途保存することを含む。いかなる組合せを使用してもよく、典型的に保存される組成物のタイプ次第すなわち組成物が濃厚または希薄型であるかないかによる。消費者またはヘアーサロン専門家は何らかの手段により酸化成分および染料成分を混合し得る。これは単に、組成物が分配された後好ましくはある用具のような混合手段を用いて混合される混合ボウルの使用を含み得る。あるいは、組成物の1つを他の組成物の容器に加えることを含み得(典型的に染料組成物が酸化組成物に加えられる)、続いて手動で振盪するかまたは混合する。別の系は単一の容器またはサシェ剤内の染料および酸化組成物の別々の区画の間に位置するシールの穿孔または移動に続くその容器内または別々および/または追加の容器での手動の混合を含む。
【0157】
本明細書中上に記載した装置はまた、製品の毛髪への適用を補助するため製品供給および/または適用用具と組み合わせて使用され得る。ここでもこれらの装置は、容器の1つに取り付けられたノズルのような非常に単純な種類のものでも、または櫛もしくはブラシのような別のアプリケーター装置であってもよい。かかる櫛およびブラシは、迅速および均一な被覆もしくは毛根/生え際タッチアップ、またはハイライトもしくは縞であろうとなかろうと特定の作用を達成するために適応させることができる。あるいは、容器または複数の容器の1つが分配ノズルに添えてまたはそれに代えて取り付けられた櫛を備えてもよく、それにより製品は櫛の歯に位置する中空の歯および分配開口を通って分配される。櫛の歯は歯に沿って単一または多数の開口を備えていて、製品の適用および殊に根元から毛先までの均一性を改善し得る。製品分配は容器例えばデラミボトル(delaminating bottle)に加えられる機械的な圧力または上記した機構のいずれかにより達成することができる。櫛は容易な適用を促進するように容器に備えてもよく、垂直に(いわゆるバーティコーム(verticomb))またはある角度で配置して消費者がすべての領域にアクセスできるようにしてもよい。すべての装置は互換性を有するように設計されているので、毛髪適用のためのある範囲のいろいろな用具を消費者に提供することができる。
【0158】
適用装置はまた、ハイライトコーム、ブラシおよびツール、ホイルおよびハイライトキャップのような、ハイライトのような特定の効果を達成することを補助する装置も含み得る。ある量の組成物を入れ、その後その組成物を予め決定された/選択された毛髪ストランドに適用することに使用するヒンジ装置を含むハイライト装置も使用され得る。
【0159】
毛染め方法
第3の態様において、本発明は、毛髪を組成物で処理する方法であって、
a)本明細書に記載されている染料成分を準備する工程と、
b)本明細書に記載されている酸化成分を準備する工程と、
c)酸化成分および染料成分を混合して本明細書に記載されている毛髪着色組成物を得る工程と、
d)ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と、
e)組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と、
f)その後組成物を毛髪から濯ぎ落す工程と
を含む、方法に関する。
【0160】
毛髪着色組成物は、染料成分および酸化成分を使用する直前に混合することにより得られ得る。毛髪の量に応じて充分な量、一般に60~250グラムの混合物が毛髪に適用される。かかる調製の際組成物は染められる毛髪に適用され、毛髪を着色するのに有効な時間の間毛髪と接触したまま留まる。典型的に、毛髪着色組成物は2~60、好ましくは10~30、好ましくは20分、15~50℃の範囲の温度で毛髪に作用させられる。その後、毛髪を水で濯いで組成物を除去し、乾燥する。必要であれば、毛髪をシャンプーで洗浄し、例えば、水または弱酸性溶液、例えばクエン酸または酒石酸溶液で濯ぎ、乾燥する。場合により、別々のコンディショニング製品も提供され得る。
【0161】
方法は、ある期間、典型的に2分~60分待ち、次いで毛髪着色組成物を毛髪から濯ぎ落すことをさらに含み得る。毛髪着色組成物はアプリケーターボトルまたはブラシによって毛髪に適用され得る。それは頭全体または部分的に1房の髪に使用され得(ハイライト適用)、共通のハイライトアプリケーターホイル、キャップおよび特別なアプリケーターを使用することができるが、バレイヤージュ(balayage)のようなフリーハンド技術もブラシおよび/または櫛と共に可能である。組成物はまた手動のスプレー、高圧容器またはエアロゾルムースによってムースとして適用され得る。組成物は固体形態として分配されてもよく、これに水を加えて酸化剤を生成し、毛髪着色に適した濃厚なビヒクルを形成する。
【実施例】
【0162】
以下の実施例は本開示に従った毛髪着色組成物を例示する。本明細書に記載されている実施例および実施形態は説明の目的のみのものであり、それを考慮して本開示の範囲から逸脱することなく様々な修正または変化が当業者に示唆されると理解される。
【0163】
毛髪を処理する方法
すべての実施例において、酸化成分と染料成分を1:1の混合比でボウルまたはボトル内で一緒に混合する。1つの組成物が片側に適用され、もう1つ別の組成物が別の側に適用されるように、組成物をモデルの毛髪に適用する。適用は、時間差が最終結果に及ぼす影響を排除するために2人のスタイリストにより並行して行われる。組成物を20分間放置して発色させた後、完全に濯ぎ落す。その後、毛髪をシャンプーで洗い、ブローして乾燥する。
【0164】
根元から毛先までの均等性(色均一性)の評価
根元から毛先までの均等性の評価は熟練し検定を受けた(calibrated)スタイリストにより行われる。第1のステップでは、根元、中央および毛先を比較して、第1の組成物で着色した根元を第2の組成物で着色した根元と比較する。第2のステップでは、両方の組成物に対して異なる毛髪部分の色の差を同時に比較するために毛先の両側に根元が隣接するようにモデルの毛髪を折り畳む。第2の部分で、評価は「a」(第1の組成物が明らかに第2の組成物より悪い)から「g」(第1の組成物が明らかに第2の組成物より良い)までのスケールを用いて行われる。
【0165】
毛髪着色組成物AおよびB
本発明による毛髪着色組成物Aを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表1および2に示す染料成分A1および酸化成分A2を準備する。
【0166】
また、参照毛髪着色組成物Bを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表1および2に示す染料成分B1および酸化成分B2も準備する。
【0167】
【0168】
毛髪着色組成物CおよびD
本発明による毛髪着色組成物Cを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表3および4に示す染料成分C1および酸化成分C2を準備する。
【0169】
また、参照毛髪着色組成物Dを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表3および4に示す染料成分D1および酸化成分D2も準備する。
【0170】
【0171】
結果
各々の毛髪着色組成物の性能は2人のモデルに対してであり、着色の均一性(根元から毛先までの均等性)はプロの美容師による。美容師は本発明による毛髪着色組成物(AまたはC)の着色の均一性を参照毛髪着色組成物(BまたはD)と比べてスケール:a(明らかに悪い)、b(目立って悪い)、c(やや悪い)、d(同等)、e(やや良い)、f(目立って良い)およびg(明らかに良い)を用いて比較する。両方の場合において、各々のモデルについて、美容師は着色の均一性が本発明による毛髪着色組成物(AまたはC)で参照毛髪着色組成物(BまたはD)と比較して目立って良い(f)と評価する。
【0172】
加えて、本発明による毛髪着色組成物(AまたはC)は参照毛髪着色組成物(BまたはD)と比較してより輝かしく、全体として顕著により強い色を示す。
【0173】
毛髪着色組成物E
本発明による毛髪着色組成物Eを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表5および6に示す染料成分E1および酸化成分E2を準備する。
【0174】
【0175】
毛髪適用の際のpH調節
本発明による染料成分E1および酸化成分E2を混合することにより得られる毛髪着色組成物Eは、毛髪着色組成物のpHが下記表7に示される通りややアルカリ性のpH(適用の際)からやや酸性に(20分後)なるだけであるので、毛髪への適用に特に適している。毛髪着色組成物のpHのややアルカリ性のpHからやや酸性のpHへの穏やかな低下を維持することは特に望ましい。これは、ややアルカリ性のpHが所望の発色を可能にする一方で、やや酸性の範囲へのpH低下はより少ない損傷および損傷した毛髪への染料の付着過多をより少なくするのを可能にする。
【0176】
本発明者は、毛髪のpHの差を立証するために、未処理の毛髪(漂白剤による前処理なし)への適用前、染料成分E1を4種の異なる酸化成分、すなわち下記表8に示す成分E2A(本発明)および成分E2B~D(比較)と混合することにより、参照(水性酸化成分)のいろいろな緩衝系を試験した。
【0177】
【0178】
上記表9に記載のデータにより示されているように、組成物EA(E1+E2A)(本発明)のみが、毛髪上に満足なpH、すなわち適用の際のややアルカリ性のpHから20分後のやや酸性のpHを提供し、これによりキレート剤と共同して所望の色合いおよび強度を提供し、一方自然のストランド間の変動を毛髪の高まった根元から毛先までの均等性およびより少ない毛髪の損傷と共に維持する。
【0179】
本発明者はまた、組成物EA(E1+E2A)を脱色した毛髪に対しても試験した。得られた結果を下記表10に示す。
【0180】
上記表9および10に記載のデータにより示されているように、組成物EA(E1+E2A)(本発明)の効果は未処理の毛髪および脱色した毛髪に適用したとき顕著に変化しない。
【0181】
毛髪着色組成物F
本発明による毛髪着色組成物Fを提供するために重量比1:1で混合される、それぞれ下記表11および12に示す染料成分F1および酸化成分F2を準備する。
【0182】
表11および12の割合は成分の全重量当たりである。
【0183】
本発明による染料成分F1および酸化成分F2を混合することにより得られる毛髪着色組成物Fは、毛髪着色組成物Fで前に立証されているように組成物のpHがややアルカリ性のpH(適用の際)からやや酸性のpH(20分後)になるだけであるので、毛髪への適用に特に適している。
【0184】
実施形態
実施形態001:染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るためのキット。
【0185】
E002:染料成分および酸化成分が2:1~1:2の重量比で混合される、実施形態001によるキット。
【0186】
E003:染料成分および酸化成分が約1:1の重量比で混合される、E001~002によるキット。
【0187】
E004:染料成分が8.5~10のpHを有する、E001~003によるキット。
【0188】
E005:染料成分が9~10のpHを有する、E001~004によるキット。
【0189】
E006:酸化成分が1.8~3.5のpHを有する、E001~005によるキット。
【0190】
E007:酸化成分が2~3のpHを有する、E001~006によるキット。
【0191】
E008:染料成分が少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、E001~007によるキット。
【0192】
E009:染料成分が染料成分の全重量に対して0.2~4%のアルカリ化剤を含む、E008によるキット。
【0193】
E010:染料成分が染料成分の全重量に対して0.2~2%のアルカリ化剤を含む、E008~009によるキット。
【0194】
E011:染料成分が染料成分の全重量に対して0.2~1%のアルカリ化剤を含む、E008~010によるキット。
【0195】
E012:染料成分が染料成分の全重量に対して0.6~0.9%のアルカリ化剤を含む、E008~011によるキット。
【0196】
E013:アルカリ化剤が、アンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属およびアンモニウム水酸化物、アルカリ金属およびアンモニウム炭酸塩、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E008~012によるキット。
【0197】
E014:アルカリ化剤が、アンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれる、E008~013によるキット。
【0198】
E015:アルカリ化剤が、モノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物である、E008~014によるキット。
【0199】
E016:染料成分が少なくとも1つのキレート剤を含む、E001~015によるキット。
【0200】
E017:染料成分が染料成分の全重量に対して1.2~1.8%のキレート剤を含む、E016によるキット。
【0201】
E018:染料成分が染料成分の全重量に対して1.2~1.6%のキレート剤を含む、E016~017によるキット。
【0202】
E019:染料成分が染料成分の全重量に対して約1.4%のキレート剤を含む、E016~018によるキット。
【0203】
E020:キレート剤が、カルボン酸、ホスホン酸、ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E016~019によるキット。
【0204】
E021:キレート剤がアミノカルボン酸から選ばれる、E016~020によるキット。
【0205】
E022:キレート剤が、DTPA、EDDS、EDGA、HPDS、GADS、EDDG、HPDDS、EDTA、EDC、EDDHA、DDS、HBED、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E016~021によるキット。
【0206】
E023:キレート剤が、EDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E016~022によるキット。
【0207】
E024:キレート剤がEDDSおよびEDTAの混合物である、E016~023によるキット。
【0208】
E025:染料成分が少なくとも1つの緩衝酸性化合物を含む、E001~024によるキット。
【0209】
E026:染料成分が0.01~0.6%の緩衝酸性化合物を含む、E025によるキット。
【0210】
E027:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.05~0.45%の緩衝酸性化合物を含む、E025~026によるキット。
【0211】
E028:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.15~0.45%の緩衝酸性化合物を含む、E025~027によるキット。
【0212】
E029:緩衝酸性化合物がクエン酸である、E025~028によるキット。
【0213】
E030:染料成分が少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む、E001~029によるキット。
【0214】
E031:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.2~1%のアニオン性界面活性剤を含む、E030によるキット。
【0215】
E032:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.5~0.8%のアニオン性界面活性剤を含む、E030~031によるキット。
【0216】
E033:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.5~0.65%のアニオン性界面活性剤を含む、E030~032によるキット。
【0217】
E034:アニオン性界面活性剤が、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれる、E030~033によるキット。
【0218】
E035:アニオン性界面活性剤が、C14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれる、E030~034によるキット。
【0219】
E036:アニオン性界面活性剤がリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物である、E030~035によるキット。
【0220】
E037:染料成分が少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E001~036によるキット。
【0221】
E038:染料成分が、染料成分の全重量に対して1.6~2.5%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E037によるキット。
【0222】
E039:染料成分が、染料成分の全重量に対して1.6~2.3%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E037~038によるキット。
【0223】
E040:染料成分が、染料成分の全重量に対して1.65~2.1%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E037~039によるキット。
【0224】
E041:脂肪アルコールが線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれる、E037~040によるキット。
【0225】
E042:脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E037~041によるキット。
【0226】
E043:脂肪アルコールがセテアリルアルコールである、E037~042によるキット。
【0227】
E044:染料成分が少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、E001~043によるキット。
【0228】
E045:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.1~0.5%の非イオン性界面活性剤を含む、E044によるキット。
【0229】
E046:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.2~0.3%の非イオン性界面活性剤を含む、E044~045によるキット。
【0230】
E047:染料成分が、染料成分の全重量に対して約0.25%の非イオン性界面活性剤を含む、E044~046によるキット。
【0231】
E048:非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれる、E044~047によるキット。
【0232】
E049:非イオン性界面活性剤が、少なくとも50を有する1以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれる、E044~048によるキット。
【0233】
E050:非イオン性界面活性剤が、ステアレス-20;ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれる、E044~049によるキット。
【0234】
E051:非イオン性界面活性剤がステアレス-200である、E044~050によるキット。
【0235】
E052:染料成分が、少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラーを含む、E001~051によるキット。
【0236】
E053:染料成分が、20%以下の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052によるキット。
【0237】
E054:染料成分が、0.002~20%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~053によるキット。
【0238】
E055:染料成分が、0.002~10%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~054によるキット。
【0239】
E056:染料成分が、0.02~4%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~055によるキット。
【0240】
E057:染料成分が、0.4~2%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E052~056によるキット。
【0241】
E058:酸化毛髪染料前駆体が、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E052~057によるキット。
【0242】
E059:カプラーが、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール、およびこれらの混合物
から選ばれる、E052~058によるキット。
【0243】
E060:染料成分が少なくとも1つの溶媒を含む、E001~059によるキット。
【0244】
E061:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも50%の溶媒を含む、E060によるキット。
【0245】
E062:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも60%の溶媒を含む、E060~061によるキット。
【0246】
E063:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも70%の溶媒を含む、E060~062によるキット。
【0247】
E064:溶媒が、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選ばれる、E060~063によるキット。
【0248】
E065:有機溶媒が、C1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネートならびにこれらの混合物から選ばれる、E064によるキット。
【0249】
E066:有機溶媒が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E064~065によるキット。
【0250】
E067:有機溶媒が、プロピレングリコールである、E064~066によるキット。
【0251】
E068:溶媒が、水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物である、E060~067によるキット。
【0252】
E069:溶媒が、水とプロピレングリコールとの混合物である、E060~068によるキット。
【0253】
E070:染料成分が少なくとも1つの増粘剤を含む、E001~069によるキット。
【0254】
E071:染料成分が、染料成分の全重量に対して少なくとも0.1%の増粘剤を含む、E070によるキット。
【0255】
E072:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.1%~2.0%の増粘剤を含む、E070~071によるキット。
【0256】
E073:染料成分が、染料成分の全重量に対して約0.15%の増粘剤を含む、E070~072によるキット。
【0257】
E074:増粘剤が、会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの混合物から選ばれる、E070~073によるキット。
【0258】
E075:増粘剤が多糖から選ばれる、E070~074によるキット。
【0259】
E076:増粘剤がキサンタンガムである、E070~075によるキット。
【0260】
E077:染料成分が少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含む、E001~076によるキット。
【0261】
E078:染料成分が少なくとも1つのコンディショニング剤を含む、E001~077によるキット。
【0262】
E079:染料成分が少なくとも1つの直接染料を含む、E001~078によるキット。
【0263】
E080:染料成分が染料成分の全重量に対して4%未満の直接染料を含む、E079によるキット。
【0264】
E081:染料成分が少なくとも1つの他の成分を含む、E001~080によるキット。
【0265】
E082:染料成分が、染料成分の全重量に対して7%以下の他の成分を含む、E081によるキット。
【0266】
E083:染料成分が、染料成分の全重量に対して0.01~7%の他の成分を含む、E081~082によるキット。
【0267】
E084:他の成分が、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E081~083によるキット。
【0268】
E085:染料成分が少なくとも1つの非増粘性粘度(レオロジー)調整剤を含む、E001~084によるキット。
【0269】
E086:染料成分が少なくとも1つの追加のアニオン性界面活性剤を含む、E001~085によるキット。
【0270】
E087:染料成分が少なくとも1つの抗酸化剤を含む、E001~086によるキット。
【0271】
E088:酸化成分が少なくとも1つの酸化剤を含む、E001~087によるキット。
【0272】
E089:酸化成分が酸化成分の全重量に対して1~3%の酸化剤を含む、E088によるキット。
【0273】
E090:酸化成分が酸化成分の全重量に対して1.2~2.4%の酸化剤を含む、E088~089によるキット。
【0274】
E091:酸化成分が酸化成分の全重量に対して1.5~2%の酸化剤を含む、E088~090によるキット。
【0275】
E092:酸化成分が、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質から選ばれる、E088~091によるキット。
【0276】
E093:酸化成分が、過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物、有機の過酸化物、無機過水和物塩漂白化合物、およびこれらの混合物から選ばれる、E088~092によるキット。
【0277】
E094:酸化成分が、過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれる、E088~093によるキット。
【0278】
E095:酸化成分が過酸化水素である、E088~094によるキット。
【0279】
E096:酸化成分が少なくとも1つの緩衝酸性化合物を含む、E001~095によるキット。
【0280】
E097:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.15~0.5%の緩衝酸性化合物を含む、E096によるキット。
【0281】
E098:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.17~0.4%の緩衝酸性化合物を含む、E096~097によるキット。
【0282】
E099:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.17~0.3%の緩衝酸性化合物を含む、E096~098によるキット。
【0283】
E100:緩衝酸性化合物がリン酸である、E096~099によるキット。
【0284】
E101:酸化成分が少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物を含む、E001~100によるキット。
【0285】
E102:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~0.6%の緩衝アルカリ化合物を含む、E101によるキット。
【0286】
E103:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~0.5%の緩衝アルカリ化合物を含む、E101~102によるキット。
【0287】
E104:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~0.35%の緩衝アルカリ化合物を含む、E101~103によるキット。
【0288】
E105:緩衝アルカリ化合物がリン酸二ナトリウムである、E101~104によるキット。
【0289】
E106:酸化成分が少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E001~105によるキット。
【0290】
E107:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して1.6~3.4%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E106によるキット。
【0291】
E108:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して1.8~3.2%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E106~107によるキット。
【0292】
E109:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して2~3%の少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、E106~108によるキット。
【0293】
E110:脂肪アルコールが線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれる、E106~109によるキット。
【0294】
E111:脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E106~110によるキット。
【0295】
E112:脂肪アルコールがセテアリルアルコールである、E106~111によるキット。
【0296】
E113:酸化成分が少なくとも1つのキレート剤を含む、E001~112によるキット。
【0297】
E114:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.1%以下のキレート剤を含む、E113によるキット。
【0298】
E115:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.005~0.05%のキレート剤を含む、E113~114によるキット。
【0299】
E116:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して約0.01%のキレート剤を含む、E113~115によるキット。
【0300】
E117:キレート剤がエチドロン酸である、E113~116によるキット。
【0301】
E118:酸化成分が少なくとも1つの溶媒を含む、E001~117によるキット。
【0302】
E119:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して少なくとも50%の溶媒を含む、E118によるキット。
【0303】
E120:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して少なくとも60%の溶媒を含む、E118~119によるキット。
【0304】
E121:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して少なくとも70%の溶媒を含む、E118~120によるキット。
【0305】
E122:溶媒が水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選ばれる、E118~121によるキット。
【0306】
E123:有機溶媒がC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E118~122によるキット。
【0307】
E124:有機溶媒が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物から選ばれる、E118~123によるキット。
【0308】
E125:有機溶媒がプロピレングリコールである、E118~124によるキット。
【0309】
E126:溶媒が水である、E118~125によるキット。
【0310】
E127:酸化成分が少なくとも1つのコンディショニング剤を含む、E001~0126によるキット。
【0311】
E128:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して40%以下のコンディショニング剤を含む、E127によるキット。
【0312】
E129:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.1~40%のコンディショニング剤を含む、E127~128によるキット。
【0313】
E130:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.2~30%のコンディショニング剤を含む、E127~129によるキット。
【0314】
E131:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.4~20%のコンディショニング剤を含む、E127~130によるキット。
【0315】
E132:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.4%~10%のコンディショニング剤を含む、E127~131によるキット。
【0316】
E133:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して約3.3%のコンディショニング剤を含む、E127~132によるキット。
【0317】
E134:コンディショニング剤が、多価のアルコール、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性油、油由来材料、鉱油、およびこれらの混合物から選ばれる、E127~133によるキット。
【0318】
E135:コンディショニング剤が鉱油である、E127~134によるキット。
【0319】
E136:酸化成分が少なくとも1つの直接染料を含む、E001~135によるキット。
【0320】
E137:酸化成分が酸化成分の全重量に対して4%未満の直接染料を含む、E36によるキット。
【0321】
E138:酸化成分が少なくとも1つの増粘剤を含む、E001~137によるキット。
【0322】
E139:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.1%以下の増粘剤を含む、E138によるキット。
【0323】
E140:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.001%~0.1%の増粘剤を含む、E138~139によるキット。
【0324】
E141:増粘剤が、会合性ポリマー、多糖、非会合性ポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの混合物から選ばれる、E138~140によるキット。
【0325】
E142:増粘剤が会合性ポリマーから選ばれる、E138~141によるキット。
【0326】
E143:酸化成分が少なくとも1つの他の成分を含む、E001~142によるキット。
【0327】
E144:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して5%以下の他の成分を含む、E143によるキット。
【0328】
E145:酸化成分が、酸化成分の全重量に対して0.01~5%の他の成分を含む、E143~144によるキット。
【0329】
E146:他の成分が、追加のアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性または双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E143~145によるキット。
【0330】
E147:酸化成分が少なくとも1つの過酸化物安定剤を含む、E001~146によるキット。
【0331】
E148:E001~147による染料成分および酸化成分を混合することにより得られ、(混合直後に)6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物。
【0332】
E149:組成物が少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、E148による毛髪着色組成物。
【0333】
E150:組成物が、組成物の全重量に対して0.1~2%のアルカリ化剤を含む、E149による毛髪着色組成物。
【0334】
E151:組成物が少なくとも1つの酸化剤を含む、E148~150による毛髪着色組成物。
【0335】
E152:組成物が、組成物の全重量に対して0.5~1.5%の酸化剤を含む、E151による毛髪着色組成物。
【0336】
E153:組成物が少なくとも1つのキレート剤を含む、E148~152による毛髪着色組成物。
【0337】
E154:組成物が、組成物の全重量に対して0.6~0.9%のキレート剤を含む、E153による毛髪着色組成物。
【0338】
E155:組成物が少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物を含む、E148~154による毛髪着色組成物。
【0339】
E156:組成物が、組成物の全重量に対して0.05~0.3%の第1の緩衝酸性化合物を含む、E155による毛髪着色組成物。
【0340】
E157:第1の緩衝酸性化合物がクエン酸である、E155~156による毛髪着色組成物。
【0341】
E158:組成物が少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物を含む、E148~157による毛髪着色組成物。
【0342】
E159:組成物が、組成物の全重量に対して0.075~0.25%の第2の緩衝酸性化合物を含む、E158による毛髪着色組成物。
【0343】
E160:第2の緩衝酸性化合物がリン酸である、E158~159による毛髪着色組成物。
【0344】
E161:組成物が少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物を含む、E148~160による毛髪着色組成物。
【0345】
E162:組成物が、組成物の全重量に対して0.1~0.3%の緩衝アルカリ化合物を含む、E161による毛髪着色組成物。
【0346】
E163:緩衝アルカリ化合物がリン酸二ナトリウムである、E161~162による毛髪着色組成物。
【0347】
E164:組成物がゲルネットワーク増粘剤系を含む、E148~163による毛髪着色組成物。
【0348】
E165:ゲルネットワーク増粘剤系が、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、E164による毛髪着色組成物。
【0349】
E166:組成物が、組成物の全重量に対して1.2~4.5%のゲルネットワーク系を含む、E164~165による毛髪着色組成物。
【0350】
E167:組成物が少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラーを含む、E148~166による毛髪着色組成物。
【0351】
E168:組成物が、組成物の全重量に対して合わせて10%以下の量で酸化毛髪染料前駆体およびカプラーを含む、E167による毛髪着色組成物。
【0352】
E169:組成物が少なくとも1つの溶媒を含む、E148~168による毛髪着色組成物。
【0353】
E170:組成物が、組成物の全重量に対して少なくとも50%の溶媒を含む、E169による毛髪着色組成物。
【0354】
E171:組成物が少なくとも1つのラジカルスカベンジャーを含む、E148~170による毛髪着色組成物。
【0355】
E172:組成物が少なくとも1つのコンディショニング剤を含む、E148~171による毛髪着色組成物。
【0356】
E173:組成物が少なくとも1つの直接染料を含む、E148~172による毛髪着色組成物。
【0357】
E174:組成物が少なくとも1つの第2のキレート剤を含む、E148~173による毛髪着色組成物。
【0358】
E175:組成物が少なくとも1つの増粘剤を含む、E148~174による毛髪着色組成物。
【0359】
E176:組成物が少なくとも1つの他の成分を含む、E148~175による毛髪着色組成物。
【0360】
E177:他の成分が、追加のアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性または双性のイオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる、E176による毛髪着色組成物。
【0361】
E178:E148~177に記載の毛髪着色組成物で毛髪を処理する方法。
【0362】
E179:方法が、E001~148による染料成分および酸化成分を準備する工程を含む、E178による毛髪を処理する方法。
【0363】
E180:方法が、酸化成分および染料成分を混合して毛髪着色組成物を得る工程を含む、E178~179による毛髪を処理する方法。
【0364】
E181:方法が、ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程を含む、E178~180による毛髪を処理する方法。
【0365】
E182:方法が、組成物を毛髪上に2~60分放置する工程を含む、E178~181による毛髪を処理する方法。
【0366】
E183:方法が、組成物を毛髪から濯ぎ落す工程を含む、E178~182による毛髪を処理する方法。
【0367】
E184:自然のストランド間の変動を維持するための、E001~177による染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物の使用。
【0368】
E185:毛髪の高まった根元から毛先までの均等性を提供するための、E001~177による染料成分および酸化成分を混合することにより得られる毛髪着色組成物の使用。
【0369】
項目
項目1:毛髪着色組成物であって、組成物の全重量に対して、0.5~1.5重量%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤;0.6~0.9重量%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤;0.01~0.4重量%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物および0.01~0.4重量%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、ここで緩衝酸性化合物および緩衝アルカリ化合物は緩衝系を形成する;1.2~4.5重量%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系であり、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、ゲルネットワーク増粘剤系;0.1~2重量%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤;合わせて0.001~10重量%の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー;少なくとも50重量%の量で存在する少なくとも1つの溶媒を含み、6~8のpHを含む、毛髪着色組成物。
【0370】
項目2:組成物の全重量に対して、0.8~1.2重量%の酸化剤;0.6~0.8重量%のキレート剤;0.05~0.4重量%の緩衝酸性化合物および0.05~0.3重量%の緩衝アルカリ化合物;0.5~1重量%のアニオン性界面活性剤、0.8~3.5重量%の脂肪アルコールおよび0.05~0.25重量%の非イオン性界面活性剤;0.1%~1重量%のアルカリ化剤;0.001~5重量%の酸化毛髪染料前駆体およびカプラーの混合物;少なくとも60重量%の溶媒を含み、6.8~7.99のpHを含む、項目1による毛髪着色組成物。
【0371】
項目3:酸化剤が水溶性の無機過酸素物質であり;好ましくは酸化剤が過酸化水素、過硫酸塩およびこれらの混合物から選ばれ;キレート剤がアミノカルボン酸から選ばれ、好ましくはエチレンジアミン二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、およびこれらの混合物から選ばれ;緩衝酸性化合物がリン酸、クエン酸およびこれらの混合物から選ばれ、緩衝アルカリ化合物がリン酸二ナトリウム、塩化カリウムおよびこれらの混合物から選ばれ;アニオン性界面活性剤が平均して1~20のエチレンオキシド単位を有するアルキルエーテルホスフェートから選ばれ;脂肪アルコールがセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびこれらの混合物から選ばれ;非イオン性界面活性剤がステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200およびこれらの混合物から選ばれ;アルカリ化剤がアンモニア、モノエタノールアミン、それらの誘導体、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアルカリ化剤がモノエタノールアミンおよびその誘導体であり;溶媒が水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物から選ばれる、先行するいずれかの項目による毛髪着色組成物。
【0372】
項目4:少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、少なくとも1つの増粘剤および/またはレオロジー調整剤ならびにこれらの混合物から選ばれる追加の成分を含む、先行するいずれかの項目による組成物。
【0373】
項目5:染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合することにより得られる、先行するいずれかの項目による組成物。
【0374】
項目6:少なくとも1つの染料成分、少なくとも1つの酸化成分、場合により少なくとも1つのコンディショニング成分、場合により前処理組成物および/または場合によりカラーリフレッシャー組成物を含む先行するいずれかの項目による毛髪着色組成物を得るためのキット。
【0375】
項目7:毛髪を処理する方法であって、本明細書に記載されている染料成分を準備する工程と;本明細書に記載されている酸化成分を準備する工程と;酸化成分および染料成分を混合して本明細書に記載されている毛髪着色組成物を得る工程と;ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と;組成物を毛髪上に2~60分放置する工程と;組成物を毛髪から濯ぎ落す工程とを含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
染料成分および酸化成分を3:1~1:3の重量比で混合して毛髪着色組成物を得るための、染料成分および酸化成分を含むキットであって、
染料成分が、8.5~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~4%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 1.2~1.8%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.01~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~1%の量で存在する少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.5%の量で存在する少なくとも1つの脂肪アルコール、
- 0.1~0.5%の量で存在する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、
- 存在する場合、合わせて20%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含み、
酸化成分が、1.8~3.5のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 1~3%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.15~0.5%の量で存在する少なくとも1つの緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.6%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、キット。
【請求項2】
染料成分が、9~10のpHを有し、染料成分の全重量に対して、
- 0.2~2%、好ましくは0.2~1%、好ましくは0.6~0.9%の量で存在するアルカリ化剤、
- 1.2~1.6%、好ましくは約1.4%の量で存在するキレート剤、
- 0.05~0.45%、好ましくは0.15~0.45%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.5~0.8%、好ましくは0.5~0.65%の量で存在するアニオン性界面活性剤、
- 1.6~2.3%、好ましくは1.65~2.1%の量で存在する脂肪アルコール、
- 0.2~0.3%、好ましくは約0.25%の量で存在する非イオン性界面活性剤、
- 合わせて0.002~20%、好ましくは0.002~10%、好ましくは0.2~4%、好ましくは0.4~2%の量で存在する酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒
を含み、
酸化成分が、2~3のpHを有し、酸化成分の全重量に対して、
- 少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の量で存在する溶媒、
- 1.2~2.4%、好ましくは1.5~2%の量で存在する酸化剤、
- 0.17~0.4%、好ましくは0.17~0.3%の量で存在する緩衝酸性化合物、
- 0.2~0.5%、好ましくは0.2~0.35%の量で存在する緩衝アルカリ化合物、および
- 少なくとも60%、好ましくは約70%の量で存在する溶媒
を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
- 染料成分中に存在するアルカリ化剤が、アンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属およびアンモニウム水酸化物、アルカリ金属およびアンモニウム炭酸塩、ならびにこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアルカリ化剤がモノエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムの混合物であり、
- 染料成分中に存在するキレート剤が、カルボン酸、ホスホン酸、ポリリン酸、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアミノカルボン酸から選ばれ;好ましくはDTPA、EDDS、EDGA、HPDS、GADS、EDDG、HPDDS、EDTA、EDC、EDDHA、DDS、HBED、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはEDDS、EDTA、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはキレート剤がEDDSおよびEDTAの混合物であり、
- 染料成分中に存在する緩衝酸性化合物がクエン酸であり、
- 染料成分中に存在するアニオン性界面活性剤が、C14~C30アルキルホスフェート、C14~C30アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはC14~C18アルキルホスフェート、C14~C18アルキルエーテルホスフェート、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくはアニオン性界面活性剤がリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの混合物であり、
- 染料成分中に存在する脂肪アルコールが、線状または分枝状C14~C30脂肪アルコールから選ばれ;好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは脂肪アルコールがセテアリルアルコールであり、
- 染料成分中に存在する非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくは少なくとも50を有する1以上のポリエチレンオキシド鎖を含むポリオキシエチレンC14~C30アルキルエーテルから選ばれ;好ましくはステアレス-20、ステアレス-100、ステアレス-150、ステアレス-200、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは非イオン性界面活性剤がステアレス-200であり、
- 染料成分中に存在する酸化毛髪染料前駆体が、トルエン-2,5-ジアミン、p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシプロピル-ビス-(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2,2’-(2-(4-アミノフェニルアミノ)エチルアザンジイル)ジエタノール、2-(2,5-ジアミノ-4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオール、2-(7-アミノ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)エタノール、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、p-(メチルアミノ)フェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、5-エチル-o-アミノフェノール、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ブチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ペンチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ベンジルピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロキシピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1(5H)-オンジメトスルホネート、4,5-ジアミノ-1-ヘキシルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヘプチルピラゾール、メトキシメチル-1,4-ジアミノベンゼン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)-1,2-ジアミノタン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールヒドロクロリド、それらの塩、およびこれらの混合物から選ばれ;カプラーが、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4,6-ジクロロベンゼン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジオール、m-アミノフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、2-アミノ-5-エチルフェノール、2-アミノ-5-フェニルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-エトキシフェノール、5-メチル-2-(メチルアミノ)フェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)-プロパン、2,2’-(2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザンジイル)ジエタノール、ベンゼン-1,3-ジアミン、2,2’-(4,6-ジアミノ-1,3-フェニレン)ビス(オキシ)ジエタノール、3-(ピロリジン-1-イル)アニリン、1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)尿素、1-(3-アミノフェニル)尿素、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオールまたは1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、4-クロロ-2-メチルナフタレン-1-オール、4-メトキシ-2-メチルナフタレン-1-オール、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン、ピリジン-2,6-ジオール、5,6-ジヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン、3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5(4H)-オン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イルアミノ)エタノール、およびこれらの混合物から選ばれ、
- 染料成分中に存在する溶媒が、水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネートおよびこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシジグリコール、およびこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との、混合物から選ばれ;好ましくは溶媒が、水と少なくとも1つの有機溶媒との混合物であり;好ましくは溶媒が、水とプロピレングリコールとの混合物であり;
- 酸化成分中に存在する酸化剤が、水性溶液中で過酸化水素を生じることができる水溶性の無機過酸素物質から選ばれ;好ましくは過酸化水素、無機のアルカリ金属過酸化物、有機の過酸化物、無機過水和物塩漂白化合物、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは過酸化水素、過硫酸塩、およびこれらの混合物から選ばれ;好ましくは酸化成分が過酸化水素であり、
- 酸化成分中に存在する緩衝酸性物がリン酸であり、
- 酸化成分中に存在する緩衝アルカリがリン酸二ナトリウムであり、ならびに
- 溶媒が水、または水と少なくとも1つの有機溶媒との;好ましくはC1~C4低級アルカノール、芳香族アルコール、ポリオールおよびポリオールエーテル、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物からの少なくとも1つの有機溶媒との、混合物から選ばれ;好ましくは溶媒が水である、
請求項1または2に記載のキット。
【請求項4】
染料成分が、少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のキット。
【請求項5】
酸化成分が、少なくとも1つのキレート剤、少なくとも1つの脂肪アルコール、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
染料成分および/または酸化成分が、追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の染料成分および酸化成分を3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2、より好ましくは約1:1の重量比で混合することにより得られる毛髪着色組成物であって、6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する、毛髪着色組成物。
【請求項8】
6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物であって、
組成物の全重量に対して、
- 0.1~2%の量で存在する少なくとも1つのアルカリ化剤、
- 0.5~1.5%の量で存在する少なくとも1つの酸化剤、
- 0.6~0.9%の量で存在する少なくとも1つのキレート剤、
- 0.05~0.3%の量で存在する少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物であり、クエン酸である、少なくとも1つの第1の緩衝酸性化合物、
- 0.075~0.25%の量で存在する少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物であり、リン酸である、少なくとも1つの第2の緩衝酸性化合物、
- 0.1~0.3%の量で存在する少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物であり、リン酸二ナトリウムである、少なくとも1つの緩衝アルカリ化合物、
- 1.2~4.5%の量で存在するゲルネットワーク増粘剤系であり、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの脂肪アルコールおよび少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、ゲルネットワーク増粘剤系、
- 存在する場合、合わせて10%以下の量で存在する少なくとも1つの酸化毛髪染料前駆体および少なくとも1つのカプラー、ならびに
- 少なくとも50%の量で存在する少なくとも1つの溶媒
を含む、毛髪着色組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのラジカルスカベンジャー、少なくとも1つのコンディショニング剤、少なくとも1つの直接染料、少なくとも1つの第2のキレート剤および/または少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項8に記載の毛髪着色組成物。
【請求項10】
追加のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非増粘性粘度(レオロジー)調整剤、香料、酵素、分散剤、過酸化物安定剤、抗酸化剤、天然成分、セラミド、保存剤、乳白剤および真珠光沢剤、ならびにこれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの他の成分をさらに含む、請求項8または9に記載の毛髪着色組成物。
【請求項11】
毛髪を処理する方法であって、
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の染料成分および酸化成分を提供する工程と、
- 酸化成分および染料成分を3:1~1:3、好ましくは2:1~1:2、より好ましくは約1:1の重量比で混合して6.8~8、好ましくは7.2~7.99のpHを有する毛髪着色組成物を得る工程と、
- ケラチン繊維の酸化染色のための毛髪着色組成物を毛髪に適用する工程と、
- 組成物を毛髪上に2~60分、好ましくは10~30分、より好ましくは約20分放置する工程であり、組成物が毛髪上で発色時間の間に6.5~7.0に低下するpHを有する、工程と、
- 組成物を毛髪から濯ぎ落す工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
組成物が20分後に6.5~7.0に低下するpHを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
自然のストランド間の変動を維持するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の毛髪着色組成物の使用。
【請求項14】
毛髪上の根元から毛先までの改善された均等性を提供するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の毛髪着色組成物の使用。
【請求項15】
色結果を損なうことなく毛髪の損傷を低減するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の毛髪組成物の使用。
【国際調査報告】