(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】衝突回避方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231227BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023532754
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2021083081
(87)【国際公開番号】W WO2022112462
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020131490.6
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523198981
【氏名又は名称】スファラ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Sfara GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100163902
【氏名又は名称】市川 奈月
(72)【発明者】
【氏名】ジモン,ザーシャ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181BB05
5H181BB20
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
少なくとも1の第1の道路利用者IB1及び少なくとも1の第2道路利用者の衝突を回避する方法が開示され、第1の移動プロファイルは第1の道路利用者によって規定され、第2の移動プロファイルは第2の道路利用者IB2によって規定され、第1の確率プロファイルは第1の移動プロファイルによって生成され、第2の確率プロファイルは第2の移動プロファイルによって生成され、確率プロファイルは、各道路利用者IB1,IB2の将来の時間の正確な位置に存在する確率に関する情報を含み、衝突の確率は、携帯端末で第1の確率プロファイル及び第1の確率プロファイルを互いに重ねることに基づいて確認される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の第1の交通参加者(IB1)と少なくとも1の第2の交通参加者(IB2)との衝突を回避する方法であって、
第1の移動プロファイルが前記第1の交通参加者(IB1)に割り当てられ、
第2の移動プロファイルが前記第2の交通参加者(IB2)に割り当てられ、
前記第1の移動プロファイルから第1の確率プロファイルが生成され、前記第2の移動プロファイルから第2の確率プロファイルが生成され、
前記確率プロファイルは、将来の時間の前記各交通参加者の位置の確率に関する情報を含み、
衝突確率は、携帯端末で、前記第1の確率プロファイルと前記第2の確率プロファイルを重ねて、決定される、
方法。
【請求項2】
将来の共通の時間の、前記第1の交通参加者の位置および前記第2の交通参加者の位置の、一致の可能性が決定される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動プロファイルは、前記交通参加者の移動の種類、特に使用される交通手段に関する情報を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記交通参加者の移動の種類は、特徴的な移動変数および/または測定可能な環境変数および/または交通参加者の能力から決定され、
前記決定は、好ましくは、前記交通参加者(IB1、IB2)に携帯される携帯端末、特にスマートフォン等で実行され、および/またはプリセットパラメータによって部分的に定義される、
請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記移動プロファイルは、前記交通参加者(IB1、IB2)が携帯する携帯端末、特にスマートフォン等で決定され、特に経験値および/またはセンサデータから決定される、
請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記確率プロファイルは、前記交通参加者が携帯する携帯端末、特にスマートフォン等で決定され、特に、移動プロファイルおよび/または移動の種類、好ましくは請求項4または5に記載の前記移動の種類から決定される、
請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記確率プロファイルは、平面(1,2)における確率漏斗(probability funnel)として、特に空間における確率円錐(probability cone)として決定される、
請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記確率プロファイルは、少なくとも1つの演算装置に送信され、好ましくは通信ネットワークを介して送信され、前記演算装置は、衝突確率を決定するため、少なくとも第1の交通参加者の第1の確率プロファイルと第2の交通参加者の第2の確率プロファイルとを重ねる、
請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記演算装置は、通信マスト(10)および/またはネットワークノードの領域に形成される
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記演算装置は、限定された地理的領域、例えば道路交差点の交差点領域(11)と、そこに位置する交通参加者(IB1、IB2)のみを捕捉し、それらの衝突確率を決する、
請求項8または9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記衝突確率は、前記確率プロファイルの送信後、最大100ms以内に決定され、前記決定は、少なくとも1つの演算装置、特に、請求項8、9または10に記載の方法の演算装置、好ましくはローカルサブネットワーク内で、実行される、
請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
衝突の可能性があるとき、視覚的および/または聴覚的および/または触覚的な警告、特に視覚的および/または聴覚的および/または触覚的な推奨行動が、前記交通参加者に伝達される、
請求項1から11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記衝突確率は、前記確率プロファイルを送信した後、リアルタイムで、特に前記演算装置で優先的に決定される、
請求項1から12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
衝突確率および/または移動プロファイルおよび/または移動の種類および/または確率プロファイルは、完全にまたは少なくとも比例してメモリに記憶され、好ましくは、時間的またはプロファイルベースの有効性構成要素にリンクされた方法で記憶される、
請求項1から13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
衝突確率の決定における学習パラメータとして、衝突確率および/または移動プロファイルおよび/または移動の種類および/または確率プロファイルが、含まれる、
請求項1から14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記移動プロファイルの決定に、機械学習、特にディープラーニングが、利用される、
請求項1から15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
必要な演算能力が、通信ネットワークの定義されたエッジで実行され、特にエッジコンピューティングで使用される、
請求項1から16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
確率プロファイルは、交通参加者の携帯端末、特に交通参加者の携帯端末において、分散化された方法で比較される、
請求項1から17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
確率プロファイルは、携帯端末によって送信される、
請求項1から18のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の衝突回避方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常の交通イベントにおける交通参加者間の衝突の回避は、これに対応するためにさまざまなアプローチがすでに開発されている問題である。
【0003】
代替方法であるRADAR(無線検出および測距)に加えてLIDAR(光検出および測距)を使用し、レーザー放射を使用して交通参加者間の距離および速度の測定の実行を可能とする。RADARとは対照的に、エアロゾルまたは空気中の水分含有量等、測定に悪影響を与える影響は、LIDARでは使用する光の波長に応じて最小限に抑えることができる。このようなシステムを装備した各交通参加者は、前記システムの使用を通じて、他の交通参加者との関係における自分の位置および移動を決定しうる。
【0004】
この欠点は、交通参加者同士のコミュニケーションおよび情報交換が不足しているため、時には急速に変化する交通参加者の行動を予測できないことである。衝突を避けるために必要な交通イベントの予測は、ここでは不可能である。
【0005】
これに基づいて、交通参加者をネットワーク化することは明らかである。これは、一般的な無線技術を使用して有効にできる。
【0006】
一方で、例えば、短距離無線技術等、交通事象の発生場所に限定されたローカルソリューションには、送信が干渉を受けやすく信頼性が低いという欠点があり、安全面において危険な状況となる。さらに、データを中央ルーティングする必要もある。
【0007】
一方、分散型の長距離モバイル無線ソリューションには、交通イベントから遠く離れたサーバーにデータを送信する必要があるという欠点があり、その結果、交通イベントの現状を評価する際に許容できない遅延が発生する。
【0008】
航空分野では、周囲の空域にいる、例えば、航空機等、他の交通参加者の通信するトランスポンダに質問をし、各交通参加者に提供される安全性に関する状況の概要を判断するTCAS(空中衝突防止装置)等のシステムが普及している。衝突の可能性がある相手からのデータに応じて、TCASは接近情報(traffic advisory)または回避警報(avoidance alert)を出力する。これは、最接近点の計算、この点に到達するまでの時間、および距離違反の有無のチェックに基づいて実行される。
【0009】
この欠点は、必要な安全を確保し、危険な状況を評価できるようにするために、各交通参加者がそのようなTCASと通信するトランスポンダを有する必要があることである。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、衝突を回避する意味で交通の安全を高めるシンプルで費用効果の高い可能な方法を開発することである。
【0011】
この目的は、本発明によれば、特許請求項1の前文と併せて特許請求項1の特徴を述べることにより達成される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、移動の種類は、交通参加者によって使用される輸送手段に関する情報および関連する特徴的な移動変数を含む。
【0013】
本発明において、特徴的な移動変数は、例えば、速度、(半径方向)加速度等を意味するとして理解される。
【0014】
本発明において、移動の種類は、例えば、自転車に乗る人、電動車両の運転手、自動二輪車に乗る人、歩行者、または公共交通手段の利用者から区別するために使用することができる。自己誘導移動手段または自律移動輸送手段との区別も提供される。
【0015】
さらに、本発明において、移動の種類のプリセットパラメータは、例えば、大人の交通参加者が関与しているか、子供または特別な特性を備えた交通参加者が関与しているか、または別の好みがあるかおよび/または制限を考慮する必要があるかに関する区別を意味すると理解される。
【0016】
さらに、本発明において、測定可能な環境変数は、例えば無線ネットワーク接続またはBluetooth(登録商標)等の通信インターフェースを介した車両への接続、例えばGPS(全地球測位システム)または通信マストの位置決め等の位置データ、移動軌跡等を意味すると理解される。
【0017】
さらに、本発明において、通信ネットワークは、例えば3G、4G、5G移動無線規格等の、移動無線通信および移動データネットワーク、ネットワークを意味すると理解される。
【0018】
さらに、本発明における「交通」という用語には、例えば一般的な道路交通が含まれる。
【0019】
本発明は、少なくとも1の第1の交通参加者と少なくとも1の第2の交通参加者との衝突を回避する方法であって、第1の移動プロファイルが第1の交通参加者に割り当てられ、第2の移動プロファイルが第2の交通参加者に割り当てられる方法に関する。第1の移動プロファイルから第1の確率プロファイルが生成され、第2の移動プロファイルから第2の確率プロファイルが生成され、確率プロファイルは、将来の時間の各交通参加者の位置の確率に関する情報を含む。ここで、衝突確率は、携帯端末により、第1の確率プロファイルと第2の確率プロファイルを重ねて決定される。
【0020】
容易に決定できるすべての交通参加者に関するデータに基づいて、将来起こり得る衝突に関する知識の生成が可能であることが有利である。すべての交通イベントを考慮することが可能であり、これは、個々の交通参加者が互いに絶えずやり取りし、その行動によって交互に相互に影響を与えるという効果に必要であると考えることができる。差し迫った衝突の知識は、衝突を回避する基礎であり、物的損害を回避し、向上された形で人命を保護することが可能である。衝突確率は携帯端末で決定されるため、例えば、交通参加者に最も近い環境でデータを迅速に処理することができる。
【0021】
この場合、衝突確率を交通参加者自身でローカルに決定することができ、それによって確率を計算する追加のインフラストラクチャを省略できることでも利点である。
【0022】
この場合、例えば、携帯電話機やスマートフォン等、この方法に適した装置を多くの人が携帯し、衝突確率の計算に利用できることが利点である。さらに、各交通参加者に関連するデータがその交通参加者の環境範囲内に残り、交通参加者が前記データを容易に入手できる可能性がある。
【0023】
また、将来の共通の時間の、第1の交通参加者および第2の交通参加者の位置の、一致の可能性が決定されるように規定される。
【0024】
衝突の可能性の前提条件として位置と時間が一致する必要性を考慮すると、この場合、衝突の可能性の予測を関係する交通参加者の共通の時間についても決定できることが有利であることが判明する。したがって、衝突回避の向上が達成される。
【0025】
移動プロファイルが、交通参加者の移動の種類に関する情報、特に使用される輸送手段に関する情報を含むようにすることもできる。
【0026】
移動の種類および使用される輸送手段を知ることで、衝突の可能性をより適切に評価できるようになる。例えば、使用される輸送手段の質量等、問題の交通参加者の慣性は、衝突の可能性に決定的な影響を及ぼす。
【0027】
交通参加者が衝突の可能性に対して対応できるオプションは、移動の種類によっても異なる。これにより、例えば、自律移動手段の使用および車椅子の使用との区別を明確に考慮することができる。
【0028】
さらに、これにより、衝突を回避するために危険な状況をより正確に評価できるという利点があり、例えば、歩行者と歩行者の衝突の場合は、歩行者と自動車の衝突の場合とは異なる評価が可能となる。
【0029】
交通参加者の移動の種類が、特徴的な移動変数および/または測定可能な環境変数および/または交通参加者の能力から決定する規定が作られ、決定は、好ましくは、交通参加者に携帯される、特に、スマートフォン等の携帯端末で実行され、および/またはプリセットパラメータによって部分的に定義される。
【0030】
交通参加者によるアクティブデータ入力を省略することができる利点があり、たとえば交通参加者に携帯される携帯端末を使用して、例えば、交通手段が変更されたか否か、簡単に検出できることである。したがって、例えば、速度または加速度、および/または、測定可能な環境変数、および/または、交通参加者の能力等、特徴的な移動変数は、携帯端末によって検出でき、例えば、交通参加者の年齢等、プリセットパラメータを用いて移動プロファイルをより適切に決定できる。
【0031】
また、交通参加者に携帯される、特にスマートフォン等の携帯端末で移動プロファイルを決定する、特に経験値および/またはセンサデータを決定するように規定される。
【0032】
したがって、多くの交通参加者がすでに携帯しているデバイスを使用できる利点がある。これにより、交通イベントをより広範囲に浸透させることが可能になり、移動プロファイルの決定、ひいては品質にプラスの影響を与えることができる。
【0033】
それぞれの状況に有効な移動プロファイルに関する不確実性は、決定されたセンサデータおよび経験値により、即座に低減できる。経験値は、たとえば、交通参加者がカバーするルートの重複を反映している可能性がある。これらは、例えば職場への毎日の経路によって与えられ、それによって検出され、移動プロファイルの決定を向上しうる。
【0034】
また、確率プロファイルが、交通参加者によって携帯される、特にスマートフォン等の携帯端末で決定され、特に移動プロファイルおよび/または移動の種類、好ましくは、請求項4または5に記載の移動の種類から確率プロファイルを決定するように規定される。
【0035】
これにより、多くの交通参加者が既に携帯しているデバイスの利点を確率プロファイルにも利用することができるという利点がある。したがって、移動プロファイルの向上された決定に関する上述の利点は、確率プロファイルの向上された決定にも含まれ得る。
【0036】
平面内の確率漏斗(probability funnel)として、特に空間内の確率円錐(probability cone)として、確率プロファイルを決定するように、規定される。
【0037】
視覚的に引きつけやすい表示形式を選択できる利点がある。その結果、交通参加者の確率プロファイルを平面および/または空間に表示できるようになる。
【0038】
確率プロファイルが少なくとも1つの演算装置に送信され、好ましくは通信ネットワークを介して送信され、演算装置が衝突確率を決定するために、少なくとも第1の交通参加者の第1の確率プロファイルを第2の交通参加者の第2の確率プロファイルと重畳するように、規定される。
【0039】
演算装置を使用して衝突確率を直ちにかつ迅速に(quickly and promptly)決定できる利点がある。さらに、これは、一定の距離にわたる通信ネットワークを介した送信中に発生する可能性があり、携帯端末の外部で利用可能なリソースをこの目的に使用することができる。
【0040】
また、演算装置が、例えば道路交差点の交差点領域等、制限された地理的領域のみを捕捉し、そこに位置する交通参加者を捕捉し、それらの衝突確率を決定するように規定される。
【0041】
演算装置の利用可能なリソースを節約でき、適切な領域に焦点を当てた方法で使用できる利点がある。これにより、より高速かつ正確に衝突確率を決定することが可能となる。都市部の道路交差点の交差点領域では、交差点のない高速道路に比べて交通参加者の衝突の危険性が高いと考えられる。特定の高リスクエリアをキャプチャすることで、リソースを他の場所に節約できる。
【0042】
衝突確率が確率プロファイルの送信後最大100ミリ秒以内に決定されることが規定され、決定は少なくとも1つの演算装置、特に請求項8、9または10に記載の方法の演算装置によって実行され、演算装置で実行される。
【0043】
衝突を回避するには時間が重要な要素であるという観点から、この場合、100ms以内に決定できることが有利である。これにより、衝突の可能性を避けるために別の場所で必要となる貴重な時間を節約することができる。
【0044】
衝突の可能性がある場合、交通参加者に伝達される、視覚的および/または聴覚的および/または触覚的な警告、特に視覚的および/または聴覚的および/または触覚的な推奨行動が提供されるように規定される。
【0045】
衝突の可能性がある交通参加者に、差し迫った衝突に適切に反応できる方法を与えられる利点がある。
【0046】
また、確率プロファイルを送信した後、衝突確率をリアルタイムで、特に演算装置上で優先順位を付けて、決定するように規定される。
【0047】
計算を中断することなく、演算装置上で実行される他のプロセスによって妨げられることなく確実に実行できる利点がある。
【0048】
衝突確率および/または移動プロファイルおよび/または移動の種類および/または確率プロファイルが完全にまたは少なくとも比例的にメモリに格納されるように、好ましくは一時的またはプロファイルベースの有効性コンポーネントにリンクされた方法で格納されるように規定される。
【0049】
保存されているデータを使用することができ、新たに測定するデータに頼る必要がない利点があり、計算時間の短縮に貢献できる。さらに、有効性コンポーネントを使用すると、一定時間後にデータが確実に再生成されるため、変化する条件を考慮することができる。
【0050】
衝突確率および/または移動プロファイルおよび/または移動の種類および/または確率プロファイルもまた規定される。これらは、衝突確率の決定にあたって学習パラメータとして含まれるべき、本方法の以前の性能から得られる。
【0051】
この方法により決定が向上され、例えば、人工知能の助けを借りて、学習効果によってより正確な結果が得られる利点がある。これを使用して、方法を実行することで方法を継続的に向上できる。
【0052】
移動のプロファイルを決定するために、機械学習、特に深層学習が使用されることが規定される。
【0053】
既に作成された移動プロファイルからの経験を、これから作成される移動プロファイルの決定に含めることができる利点があり、したがって、衝突を回避する向上された予測を作成できる。
【0054】
確率プロファイルが、交通参加者、特に交通参加者の携帯端末において分散された方法で比較されることが規定される。
【0055】
データが交通参加者の影響範囲内でのみ使用及び処理されるため、データ保護の観点が考慮される利点がある。したがって、外部インフラストラクチャの使用を防止する、または、少なくとも最小限に抑えることができる。
【0056】
確率プロファイルは、携帯端末によって送信されるように規定される。
【0057】
これにより、送信用の追加のデバイスを省略し得、交通参加者が楽にデータを取得できるようになり、外部インフラストラクチャを省略できる方法が提供され得る。
【0058】
換言すると、本発明は、それぞれの場合において次の数秒にわたる交通参加者の移動の継続的予測を可能にし、交通参加者が位置する輸送手段を明らかにする方法を開示する。例えば、モバイル無線ネットワーク、無線ネットワーク接続またはBluetooth等の通信インターフェイス、例えば、GPS(全地球測位システム)等の位置データ、または通信マストの位置決め、および移動軌跡の組み合わせの方法により、スマートフォン等の携帯端末を有するすべての交通関係者に潜在的な事故について警告することが可能になる。
【0059】
本発明のさらなる詳細は、図面に概略的に示された実施形態の一例に基づいて説明される。
【0060】
【0061】
図1は、典型的な道路イベントの概略図の一例を示す。第1の交通参加者IB1には、参加者が携帯する、例えば、スマートフォン等の携帯端末(図示せず)によって、第1の移動プロファイルが割り当てられ、第2の交通参加者IB2にも、同様に第2の移動プロファイルが割り当てられる。第1の確率プロファイルは、第1の移動プロファイルから生成され、第2の確率プロファイルは、第2の移動プロファイルから生成される。
【0062】
第1の交通参加者IB1の第1の確率プロファイルは、平面内の第1の確率漏斗(probability funnel)1として示され、第2の交通参加者IB2の第2の確率プロファイルは、平面内の第2の確率漏斗2として示される。
【0063】
衝突確率は、各交通参加者に携帯される携帯端末において、第1の確率プロファイルと第2の確率プロファイルを重ねることで決定される。これは、一例として、第1の確率漏斗1と第2の確率漏斗2の交差点3として明確に示される。各確率プロファイルは、将来の時間での各交通参加者の位置の確率に関する情報を含む。
【0064】
確率プロファイルは、他の各交通参加者の携帯端末に位置し、確率プロファイルが送信される演算装置内で重ねられる。第1の確率プロファイルの第1の送信8は、通信ネットワーク、無線ネットワーク接続、またはBluetoothを介して行われることが好ましい。第2の確率プロファイルの第2の送信9も同様に行われる。換言すると、交通参加者は、互いの確率プロファイルを交換し、その後、各交通参加者の演算装置が、各交通参加者の衝突確率を決定する。各衝突確率に従って、関連する交通参加者に、例えば、警告が伝達される。
【0065】
また、一例として、交通状況において、交通参加者IB1が自動車4を運転し、交通参加者2が歩行者5であることも示される。同様に、
図1に示すように、例えば自転車6、車椅子7等の使用として識別される移動の種類についても規定される。各交通参加者の移動プロファイルは、交通参加者の各移動の種類に関する情報を含む。この情報、ならびに特徴的な移動変数および/または測定可能な環境変数は、各交通参加者IB1、IB2によって携帯される携帯端末(図示せず)によって検出される。
【0066】
図1では、演算装置は、ここに示される道路交差点の交差点領域11等の限定された地理的領域のみをキャプチャする通信マスト10の領域内にあり、交通参加者IB1、IB2がそこに位置する。
【0067】
100m秒以内の衝突確率を決定した後、この衝突確率にしたがって、各交通参加者に警告が伝達される。
【符号の説明】
【0068】
IB1 第1の交通参加者
IB2 第2の交通参加者
1 第1の確率漏斗
2 第2の確率漏斗
3 交差点
4 自動車
5 歩行者
6 自転車
7 車椅子
8 第1の送信
9 第2の送信
10 通信マスト
11 道路交差点の交差点領域
【手続補正書】
【提出日】2022-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の第1の交通参加者(IB1)と少なくとも1の第2の交通参加者(IB2)との衝突を回避する方法であって、
第1の移動プロファイルが前記第1の交通参加者(IB1)に割り当てられ、
第2の移動プロファイルが前記第2の交通参加者(IB2)に割り当てられ、
前記第1の移動プロファイルから第1の確率プロファイルが生成され、前記第2の移動プロファイルから第2の確率プロファイルが生成され、
前記確率プロファイルは、将来の時間の前記各交通参加者の位置の確率に関する情報を含み、
衝突確率は、携帯端末で、前記第1の確率プロファイルと前記第2の確率プロファイルを重ねて、決定され
、
前記確率プロファイルは、平面(1,2)における確率漏斗(probability funnel)として、特に空間における確率円錐(probability cone)として決定される、
方法。
【請求項2】
将来の共通の時間の、前記第1の交通参加者の位置および前記第2の交通参加者の位置の、一致の可能性が決定される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動プロファイルは、前記交通参加者の移動の種類、特に使用される交通手段に関する情報を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記交通参加者の移動の種類は、特徴的な移動変数および/または測定可能な環境変数および/または交通参加者の能力から決定され、
前記決定は、好ましくは、前記交通参加者(IB1、IB2)に携帯される携帯端末、特にスマートフォン等で実行され、および/またはプリセットパラメータによって部分的に定義される、
請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記移動プロファイルは、前記交通参加者(IB1、IB2)が携帯する携帯端末、特にスマートフォン等で決定され、特に経験値および/またはセンサデータから決定される、
請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記確率プロファイルは、前記交通参加者が携帯する携帯端末、特にスマートフォン等で決定され、特に、移動プロファイルおよび/または移動の種類、好ましくは請求項4または5に記載の前記移動の種類から決定される、
請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記確率プロファイルは、少なくとも1つの演算装置に送信され、好ましくは通信ネットワークを介して送信され、前記演算装置は、衝突確率を決定するため、少なくとも第1の交通参加者の第1の確率プロファイルと第2の交通参加者の第2の確率プロファイルとを重ねる、
請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記演算装置は、通信マスト(10)および/またはネットワークノードの領域に形成される
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記演算装置は、限定された地理的領域、例えば道路交差点の交差点領域(11)と、そこに位置する交通参加者(IB1、IB2)のみを捕捉し、それらの衝突確率を決する、
請求項7または8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記衝突確率は、前記確率プロファイルの送信後、最大100ms以内に決定され、前記決定は、少なくとも1つの演算装置、特に、請求項8、9または10に記載の方法の演算装置、好ましくはローカルサブネットワーク内で、実行される、
請求項1から9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
衝突の可能性があるとき、視覚的および/または聴覚的および/または触覚的な警告、特に視覚的および/または聴覚的および/または触覚的な推奨行動が、前記交通参加者に伝達される、
請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記衝突確率は、前記確率プロファイルを送信した後、リアルタイムで、特に前記演算装置で優先的に決定される、
請求項1から11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
衝突確率および/または移動プロファイルおよび/または移動の種類および/または確率プロファイルは、完全にまたは少なくとも比例してメモリに記憶され、好ましくは、時間的またはプロファイルベースの有効性構成要素にリンクされた方法で記憶される、
請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
衝突確率の決定における学習パラメータとして、衝突確率および/または移動プロファイルおよび/または移動の種類および/または確率プロファイルが、含まれる、
請求項1から13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記移動プロファイルの決定に、機械学習、特にディープラーニングが、利用される、
請求項1から14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
必要な演算能力が、通信ネットワークの定義されたエッジで実行され、特にエッジコンピューティングで使用される、
請求項1から15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
確率プロファイルは、交通参加者の携帯端末、特に交通参加者の携帯端末において、分散化された方法で比較される、
請求項1から16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
確率プロファイルは、携帯端末によって送信される、
請求項1から17のいずれか1つに記載の方法。
【国際調査報告】