(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】構造資産の状態を監視するための高温超音波トランスデューサを有する超音波壁厚測定システム
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20231227BHJP
G01N 29/24 20060101ALI20231227BHJP
G01N 29/265 20060101ALI20231227BHJP
G01B 17/02 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H04R17/00 330Z
G01N29/24
G01N29/265
G01B17/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534904
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 IB2021062123
(87)【国際公開番号】W WO2022137131
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ケ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥミトル ロスカ
(72)【発明者】
【氏名】サーシャ シーケ
【テーマコード(参考)】
2F068
2G047
5D019
【Fターム(参考)】
2F068AA28
2F068BB09
2F068CC16
2F068DD08
2F068FF12
2F068GG01
2F068KK03
2F068KK09
2F068LL02
2G047AA05
2G047AB01
2G047AC02
2G047BC11
2G047BC18
2G047CA01
2G047DB17
2G047GA18
2G047GJ02
2G047GJ14
5D019AA17
5D019BB17
5D019FF03
(57)【要約】
【解決手段】高温用途のための超音波トランスデューサは、超音波壁厚測定システムの一部を形成する。超音波トランスデューサは、モジュール式設計を有する。超音波トランスデューサは、製造プロセスを変更することなく、かつ他の構成要素を再設計することなく、フィールド用途に基づいて圧電要素タイプの選択を可能にするモジュール式設計を有する。温度センサは、超音波トランスデューサの一部として提供され得る。組み立て方法も提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温用途のための超音波トランスデューサであって、
積層構成で提供される第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を含む、第1のモジュール式アセンブリと、
遅延部と、該遅延部の上側端部に回転可能に結合された結合部材と、を含む、第2のモジュール式アセンブリであって、前記第1のモジュール式アセンブリが、前記遅延部の開口部内に位置付けられるように構成されており、前記結合部材が、前記第1及び第2のモジュール式アセンブリを一緒に固定するために前記第1のモジュール式アセンブリの上側端部と係合するように回転されるように構成されている、第2のモジュール式アセンブリと、を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項2】
摂氏150度を超える温度で動作するように構成された第1の圧電要素が、前記第1のモジュール式アセンブリの第1の構成で提供され、摂氏150度を超える温度で動作するように構成された第2の圧電要素が、前記第1のモジュール式アセンブリの第2の構成で提供され、前記第1及び第2の圧電要素が、異なる温度で動作するように構成されている、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記遅延部の下側端部に回転可能に結合されており、かつ第3の箔を支持する、上側リング及び下側リングを含む、第3のモジュール式アセンブリを更に備える、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
前記遅延部が、その下側端部に段差部分を有し、前記第3の箔が、前記段差部分と係合する、請求項3に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項5】
前記遅延部内に取り付けられており、かつ前記第3の箔と接触する抵抗温度検出器を更に備える、請求項4に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項6】
IDボードアセンブリと、前記電極及び遅延部を前記IDボードアセンブリに結合する第1のケーブルアセンブリと、前記抵抗温度検出器を前記電極及び遅延部に結合するワイヤと、の組み合わされている、請求項5に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項7】
前記遅延部内に装着された抵抗温度検出器を更に備える、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項8】
IDボードアセンブリと、前記電極及び前記遅延部を前記IDボードアセンブリに結合する第1のケーブルアセンブリと、前記抵抗温度検出器を前記電極及び前記遅延部に結合するワイヤと、の組み合わされている、請求項7に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項9】
通路を有するハウジングと、前記通路の上側端部を閉鎖するために、前記ハウジングの上側端部に固定されるように構成されたキャップと、を含む、第3のモジュール式アセンブリであって、前記第1のモジュール式アセンブリが、前記ハウジングの通路内に着座するように構成されており、前記第2のモジュール式アセンブリが、前記ハウジングの通路内に部分的に着座し、該通路の下側端部から延在するように構成されている、第3のモジュール式アセンブリ、を更に備える、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項10】
前記超音波トランスデューサを構造要素に結合するように構成された装着アセンブリとの組み合わされている、請求項9に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項11】
前記遅延部の下側端部に回転可能に結合されており、かつ第3の箔を支持する上側リング及び下側リングを含む、第4のモジュール式アセンブリを更に備える、請求項9に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項12】
前記超音波トランスデューサを構造要素に結合するように構成された装着アセンブリと組み合わされ、該装着アセンブリが、前記リングが位置付けられる下側ハウジングと、前記リングのうちの1つの上面に対して係合される上側ハウジングと、を含み、該上側ハウジングが、前記超音波トランスデューサを前記下側ハウジングに対して移動させるように該下側ハウジングに対して移動可能である、請求項11に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項13】
前記下側ハウジングに結合された少なくとも1つのストラップを更に備える、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項14】
前記下側ハウジング内に装着された抵抗温度検出器を更に備える、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項15】
IDボードアセンブリと、前記抵抗温度検出器を前記IDボードアセンブリに結合するケーブルアセンブリと、を更に備える、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
前記遅延部内に装着された抵抗温度検出器を更に備える、請求項12に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記抵抗温度検出器を前記電極及び遅延部に結合するワイヤを更に備える、請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項18】
高温用途のための超音波トランスデューサであって、
積層構成で提供される第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を含む、アセンブリと、
開口部を有する遅延部と、
該遅延部の上側端部に結合された結合部材であって、前記アセンブリが、前記遅延部の開口部内に位置付けられるように構成されており、前記結合部材が、前記アセンブリを前記遅延部に固定するために前記アセンブリの上側端部と係合するように移動されるように構成されている、結合部材と、
前記遅延部の下側端部に回転可能に結合されたリングと、
該リングに結合された第3の箔と、
前記遅延部内に装着され、前記第3の箔と接触する抵抗温度検出器と、を備える、超音波トランスデューサ。
【請求項19】
前記圧電要素が、摂氏150度を超える温度で動作するように構成されている、請求項18に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項20】
前記結合部材が、前記遅延部の上側端部に回転可能に結合されている、請求項18に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項21】
前記遅延部が、下側端部に段差部分を有し、前記第3の箔が、前記段差部分と係合する、請求項18に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項22】
前記遅延部が部分的に着座されるハウジングと、
該ハウジングの上側端部に固定されるように構成されたキャップと、を更に備える、請求項18に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項23】
前記リングが、下側リングであり、かつ上側リングを更に備え、該上側リングが、前記第3の箔の一部分を前記上側リングと下側リングとの間に挟むように回転可能である、請求項22に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項24】
前記超音波トランスデューサを構造要素に結合するように構成された装着アセンブリと組み合わされ、該装着アセンブリが、前記リングが位置付けられる下側ハウジングと、前記リングの上面に対して係合される上側ハウジングと、を含み、該上側ハウジングが、前記超音波トランスデューサを前記下側ハウジングに対して移動させるように該下側ハウジングに対して移動可能である、請求項23に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項25】
超音波トランスデューサを組み立てる方法であって、
第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を、積層構成に積層して、モジュール式アセンブリを形成することと、
該モジュール式アセンブリを遅延部に挿入することと、
結合部材を前記遅延部の上側端部と係合させることと、
前記結合部材を回転させて、該結合部材を前記モジュール式アセンブリの上側端部と係合させることと、を含む、方法。
【請求項26】
ケーブルアセンブリを前記電極及び遅延部に電気的に結合することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記モジュール式アセンブリと、前記遅延部と、前記結合部材と、をハウジング内に挿入することと、
ケーブルアセンブリを前記電極及び遅延部に電気的に結合することと、
前記ハウジングの開放端にキャップを着座させることと、更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
方法であって、
第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を、積層構成に積層して、第1のアセンブリを形成することと、
該第1のアセンブリを遅延部に挿入することと、
第1の結合部材を前記遅延部の上側端部と係合させて、結合された第1のアセンブリを形成することと、
前記第1の結合部材を回転させて、該第1の結合部材を前記第1のアセンブリの上側端部と係合させることと、
前記結合された第1のアセンブリと、前記遅延部と、前記第1の結合部材と、をハウジング内に挿入することと、
ケーブルアセンブリを前記電極及び遅延部に電気的に結合することと、
前記ハウジングの開放端にキャップを着座させることと、
前記遅延部を装着アセンブリの上側ハウジング内に挿入することと、
箔を支持するリングを、前記装着アセンブリの上側ハウジングの下の遅延部の下側端部に取り付けて、第2のアセンブリを形成することと、
該第2のアセンブリを前記装着アセンブリの下側ハウジング内に挿入することと、
第2の結合部材を前記装着アセンブリの上側及び下側ハウジングと係合させることと、
前記第2の結合部材を作動させて、前記装着アセンブリの上側ハウジング及び前記第2のアセンブリを前記装着アセンブリの下側ハウジングに対して移動させることと、を含む、方法。
【請求項29】
前記第2の結合部材を作動させる前に、前記装着アセンブリの下側ハウジングを構造資産に装着することを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記下側ハウジング上に抵抗温度検出器を装着することを更に含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年12月21日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第63/128,205号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、パイプ及び圧力容器を含む構造資産の腐食及び浸食監視の分野に関する。より具体的には、本開示は、構造資産の状態を監視するための高温超音波トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0003】
石油、ガス及び発電産業で使用されるものなどのパイプ及び圧力容器を含む構造資産の状態及び完全性を超音波で監視するために超音波トランスデューサを使用することは周知である。
【0004】
現在、そのような超音波トランスデューサは、温度限界(典型的には、摂氏150度未満の温度で動作することが必要とされる)を有し、その温度限界により、種々の産業、例えば、電力、プロセス、自動車、及び航空宇宙における高温でのいくつかの要求の厳しい用途において使用されることが排除されている。既知の超音波トランスデューサの温度限界の主な理由は、既知の超音波トランスデューサがエポキシ及び/又は接着剤を利用するからである。
【0005】
現在、既知の超音波トランスデューサはまた、正確かつ一貫した監視のためのインダストリー4.0及びNDE4.0の進化する傾向の要件をサポートしていない。例えば、既知の超音波トランスデューサは、通常、業界標準によって必要とされる超音波システム較正のために、又は検査されるべき部品にわたる温度分布を監視するために使用され得るインサイチュ温度測定のための特徴を含まない。温度分布は、プロセス最適化(例えば、バーナの微調整)に有用かもしれない。別の典型的なNDE4.0設計概念は、トランスデューサが健康情報を監視ソフトウェアプラットフォームに提出することができる場合に提供される。健康情報の自動追跡は、フィールドサービス活動を計画し、測定の有効性を確認するために、トランスデューサの大量配備に必要である。トランスデューサ健康情報の処理は、トランスデューサにおいて、エッジにおいて、又はクラウド内で発生する可能性がある。エッジソリューションの場合、処理ハードウェアは、ハードウェア(IDボード)を損傷する可能性がある過剰な熱から保護される必要がある。
【0006】
現在、既知の超音波トランスデューサは、複雑なアセンブリプロセスも有する。
【0007】
上述の結果として、特定の個人は、構造資産の状態を監視するための超音波トランスデューサの改善を理解するであろう。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの実施形態では、高温用途のための超音波トランスデューサは、超音波壁厚測定システムの一部を形成する。超音波トランスデューサは、製造プロセスを変更することなく、かつ他の構成要素を再設計することなく、フィールド用途に基づいて圧電要素タイプの選択を可能にするモジュール式設計を有する。温度センサが、超音波トランスデューサの一部として提供され得る。
【0009】
組み立て方法も提供される。
【0010】
一実施形態では、高温用途のための超音波トランスデューサは、積層構成で提供される第1の箔、圧電要素、第2の箔、バッキング、及び電極を含む第1のモジュール式アセンブリと、遅延部及び遅延部の上側端部に回転可能に結合される結合部材を含む第2のモジュール式アセンブリと、を含む。第1のモジュール式アセンブリは、遅延部の開口部内に位置付けられるように構成されており、結合部材は、第1及び第2のモジュール式アセンブリを一緒に固定するために第1のモジュール式アセンブリの上側端部と係合するように回転されるように構成されている。第1のモジュール式アセンブリの第1の構成では、摂氏150度を超える温度で動作するように構成された第1の圧電要素が提供され、第1のモジュール式アセンブリの第2の構成では、摂氏150度を超える温度で動作するように構成された第2の圧電要素が提供される。第1及び第2の圧電要素は、異なる温度で動作するように構成されている。
【0011】
一実施形態では、高温用途のための超音波トランスデューサは、積層構成で提供される第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を含む、アセンブリを含む。超音波トランスデューサは、遅延部と、遅延部の上側端部に結合された結合部材と、を更に含む。アセンブリは、遅延部の開口部内に位置付けられるように構成されており、結合部材は、アセンブリを遅延部に固定するためにアセンブリの上側端部と係合するように移動されるように構成されている。超音波トランスデューサは、遅延部の下側端部に回転可能に結合されたリングと、リングに結合された第3の箔と、を更に含む。抵抗温度検出器は、遅延部内に装着され、第3の箔と接触している。
【0012】
一実施形態では、超音波トランスデューサを組み立てる方法が提供される。この方法は、第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を、積層構成に積層して、モジュール式アセンブリを形成することと、モジュール式アセンブリを遅延部に挿入することと、結合部材を遅延部の上側端部と係合させることと、結合部材を回転させて、結合部材をモジュール式アセンブリの上側端部と係合させることと、を更に含む。
【0013】
一実施形態では、方法が、提供される。この方法は、第1の箔と、圧電要素と、第2の箔と、バッキングと、電極と、を積層構成に積層して、第1のアセンブリを形成することと、第1のアセンブリを遅延部に挿入することと、結合部材を遅延部の上側端部と係合させることと、結合部材を回転させて、結合部材を第1のアセンブリの上側端部と係合させることと、結合された第1のアセンブリ、遅延部、及び第1の結合部材をハウジング内に挿入することと、ケーブルアセンブリを電極及び遅延部に電気的に結合することと、ハウジングの開放端にキャップを着座させることと、遅延部を装着アセンブリの上側ハウジング内に挿入することと、箔を支持するリングを、装着アセンブリの上側ハウジングの下の遅延部の下側端部に取り付けて、第2のアセンブリを形成することと、第2のアセンブリを装着アセンブリの下側ハウジング内に挿入することと、結合部材を装着アセンブリの上側及び下側ハウジングと係合させることと、結合部材を作動させて、装着アセンブリの上側ハウジング及び第2のアセンブリを装着アセンブリの下側ハウジングに対して移動させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は、例として示され、添付図面に限定されるものではなく、ここにおいて、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【0015】
【
図1】構造資産上に示された第1の実施形態による超音波壁厚測定システムの斜視図を示す。
【
図2】構造資産上に示された超音波壁厚測定システムの側面図を示す。
【
図3】部分的に示された構造資産上に示された超音波壁厚測定システムの斜視図を示す。
【
図4】部分的に示された構造資産上に示された超音波壁厚測定の断面斜視図を示す。
【
図5】超音波壁厚測定システムの第1の実施形態による超音波トランスデューサの分解側面図を示す。
【
図6】超音波トランスデューサの遅延部の斜視図を示す。
【
図10】超音波トランスデューサの電極の斜視図を示す。
【
図11】超音波トランスデューサの第3の箔の斜視図を示す。
【
図12】第2の実施形態による超音波トランスデューサの側面図を示す。
【
図13】第3の実施形態による超音波トランスデューサの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、異なる形式の実施形態を許可する場合があるが、図面にて示されている。また、本開示が本開示の原理の例示であると見なされるべきであり、本明細書にて図示及び説明されるものに本開示を制限することを意図するものではないという理解を伴う特定の実施形態は、本明細書で詳細に説明されることだろう。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にする目的で別様に示されなかった追加の組み合わせを形成するために組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、図面(複数可)において例として示される1つ以上の要素は、本開示の範囲内の代替的な要素で排除及び/又は置換され得ることが更に理解されるであろう。
【0017】
超音波壁厚測定システム20が本明細書で提供される。超音波壁厚測定システム20の特定の特徴は、本出願人によって所有される出願、すなわち、2019年9月24日に出願され、US2021/0348919として公開され、「A System for Monitoring a Thickness of One or More Assets Using an Ultrasonic Measurement System,a Multiplexer Switch Module and a Two-Conductor Connection,and a Method of Performing the Same」と題された国際出願PCT/US2019/052526、2019年3月22日に出願され、US2021/0096105として公開され、「System and Method of Submitting Data From Individual Sensors Over a Shared Cable」と題された国際出願PCT/US2019/023613、及び、2021年3月1日に出願され、2021年9月2日に公開され(WO/2021/171273)、「System and Method for Corrosion and Erosion Monitoring of Pipes and Vessels」と題された国際出願PCT/IB2021/051697として出願された、2020年2月28日に出願された米国仮出願第62/982,751号に説明され、及び/又は示され得る。上記の出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
図1~
図3に最もよく示されているように、超音波壁厚測定システム20は、装着アセンブリ22と、IDボードアセンブリ24と、第1のケーブルアセンブリ26と、温度センサ28、例えば、抵抗温度検出器(「RTD」)と、第2のケーブルアセンブリ30と、超音波トランスデューサ100と、を含む。超音波壁厚測定システム20は、パイプ又は圧力容器などの構造資産32の状態又は厚さを監視/測定するように動作することが意図されている。構造資産32は、厚さを有する円筒壁34と、それを貫通する中央通路36と、を有する。
【0019】
装着アセンブリ22は、超音波トランスデューサ100及び温度センサ28を構造資産32に装着及び固定する。装着アセンブリ22に関する更なる説明は、以下で更に詳細に提供される。
【0020】
IDボードアセンブリ24は、第1のケーブルアセンブリ26を介して超音波トランスデューサ100に接続される。
【0021】
一実施形態では、温度センサ28は、超音波トランスデューサ100に近接して位置付けられ、装着アセンブリ22に装着される。温度センサ28は、第2ケーブルアセンブリ30を介してIDボードアセンブリ24に接続されている。
【0022】
超音波トランスデューサ100を
図4~
図11に示す。超音波トランスデューサ100は、摂氏150度を超える温度(例えば、摂氏350度、摂氏650度、及びそれ以上)で動作するように構成されている。超音波トランスデューサ100は、遅延部102、第1の箔104、圧電要素106、第2の箔108、バッキング110、電極112、結合部材114、ハウジング116、キャップ118、上側リング120、下側リング122、及び第3の箔124を含む。
【0023】
遅延部102は、
図6~
図9に最もよく示されており、好ましくは、例えばステンレス鋼などの耐久性のある非腐食性材料で形成される。遅延部102は、第1の部分126、第2の部分128、第3の部分130、及び第4の部分132を有し、これらはそれぞれ一体的に形成される。
【0024】
第1の部分126は、本体134を有し、この本体は、その上側端部においてそこから外向きに延在する円筒形フランジ136を有する。本体134の下側端部134bは、好ましくは、平面状の構成であるが、その中央に段差部分138を有する。段差部分138は、好ましくは、本体134の下側端部134bから下方にわずかに延びる。段差部分138は、下側端部134bと平行な平面状の下側端部138bを有する。段差部分138は、(当技術分野で知られているように)超音波トランスデューサ100から構造資産32への伝達を増強する。フランジ136の下の本体134の外面の部分は、好ましくは、円柱形構成であり、その上にねじ山140を有する。円筒形フランジ136は、平面状の上面142を画定する。
【0025】
遅延部102の第2の部分128は、第1の部分126から上方に延在する。第2の部分128は、以下で更に詳細に説明されるように、超音波トランスデューサ100の他の部分を支持するように構成された上側端部144aを有する本体144から形成される。本体144は、好ましくは、円柱形構成であり、第1の部分126の外側円柱形ねじ山140と略同じ直径である。円筒形フランジ136は、第2の部分128が第1の部分126に接合される場所に提供される。上側端部144aは、好ましくは、平面状の構成であり、好ましくは、下側端部134bに平行である。
【0026】
遅延部102の第3の部分130は、本体144の上側端部144aから上方に延在する一対の対向する壁146、148と、壁146、148の上側端部の本体150と、を有する。本体144の上側端部144a、壁146、148の内面146d、148d、及び本体150の下側端部150bは、開口部154を画定する。
【0027】
本体150は、円筒形外面150cを有し、その上側端部150aから下側端部150bまで延在する中央ねじ付き通路156を有する。通路156は、開口部154と連通している。外面150cは、外面150cから内側に延在する平面状の水平壁面160と、上側端部150aから水平壁面160まで延在する垂直壁面162とから形成される第1のノッチ158によって中断される。第2のノッチ164は、円筒形外面部分150cを中断し、上側端部150aから下側端部150bまで延在し、開口部154と連通する。したがって、第2のノッチ164は、対向する壁146、148の間に提供される。円筒形外面150cの直径は、第2の部分128の本体134の直径よりもわずかに小さい直径を有し得る。上側端部150a及び下側端部150bは、好ましくは、平面状の構成であり、好ましくは、互いに平行であり、第1の部分126の下側端部134b及び第2の部分128の上側端部144aに平行である。
【0028】
壁146、148の外面146c、148cは、弓形構成であり、本体150の外面150cと略面一である。外面146c、148cは、本体144の外面から内側に離間され得る。壁146、148の内面146b、148bは、平面状である。
【0029】
遅延部102の第4の部分132は、本体150の上側端部150aから上方に延在する、略正方形又は長方形の角柱に似たブロック状の本体として形成される。第4の部分132は、ノッチ158の位置と正反対に位置付けられている。第4の部分132は、好ましくは、平面状であり、かつ好ましくは第3の部分130の上側端部150aに平行である上側端部132aを有し、第4の部分164の外壁132cは、好ましくは、弓形であり、本体150の外面150cと面一である。第4の部分132は、その平面状の上側端部132aから延在する凹部166と、凹部166と連通する貫通して延在する横孔168と、を有する。凹部166は、ねじなどの締結要素170を受容し、ボア168は、第1のケーブルアセンブリ26のワイヤ38を受容する。
【0030】
第1の箔104、圧電要素106、第2の箔108、バッキング110、及び電極112は、遅延部102の第3の部分130の開口部154内に積層構成で位置付けられる。電極112は、遅延部102の第3の部分130のノッチ164内に更に延在する。
【0031】
第1の箔104の下面は、遅延部102の第2の部分128の本体144の上側端部144a上に位置付けられる。圧電要素106の下面は、第1の箔104の上面に位置付けられる。第2の箔108の下面は、圧電要素106の上面に位置付けられる。バッキング110の下面は、第2の箔108の上面に位置付けられる。電極112の下面は、バッキング110の上面に位置付けられる。
【0032】
第1の箔104及び第2の箔108は、第1の箔104が以下の要件、すなわち、(1)材料が、超音波トランスデューサ100の所望の温度限界、すなわち、摂氏150度を超える温度(例えば、摂氏350度、摂氏650度、及びそれを上回る)に耐えるように定格されるべきであること、(2)材料が、任意の粗さを吸収することが可能な軟質金属でなければならないこと、及び(3)材料が、導電性でなければならないこと、を満たす限り、任意の好適な材料で形成され得る。好ましい実施形態では、第1及び第2の箔104は、銀から形成されるが、種々の用途では、箔104、108は、代替的に、金、銅、又は任意の他の好適な材料から形成され得る。ほとんどの場合、第1及び第2の箔104、108は、好ましくは、同じ材料で形成されるが、第1の箔104は第1の材料で形成され得、第2の箔108は第2の異なる材料で形成され得ることを理解されたい。
【0033】
圧電要素106は、超音波トランスデューサ100の所望の温度限界に応じて、任意の好適な材料から形成され得る。例えば、摂氏350度の温度限界を有することが意図される用途では、圧電要素106は、好ましくは、TRS BT194から形成され、摂氏650度の温度限界を有することが意図される用途では、圧電要素106は、好ましくは、チタン酸ビスマス又はニオブ酸リチウムから形成される。
【0034】
バッキング110は、超音波トランスデューサ100の所望の温度限界に応じて、任意の好適な材料から形成され得る。好ましい実施形態では、バッキング110は、好ましくは、金属酸化物から形成される。
【0035】
図10に示すように、電極112は、好ましくは、一体的に形成されたベース部分172及び直立部分174を有する。電極112は、好ましくは、ステンレス鋼で形成される。ベース部分172は、上側端部172a及び下側端部172bを有し、これらは、それぞれ好ましくは平面状であり、互いに平行である。ベース部172は、開口部154内に位置付けられ、下側端部172bは、バッキング110の上面に位置付けられる。直立部分174は、ベース部分172の上側端部172aからその端部に近接して上方に延在し、その結果、直立部分174が、ノッチ164内にかつそれを通って延在する。直立部分174の外面部分174cは円筒形であり、座部は、第3の部分130の壁148の外側円筒形壁148cと面一である。直立部分174は、その平面状の上側端部174aから延在する凹部176と、凹部166と連通する貫通して延在する横孔178と、を有する。直立部分174の上側部分は、遅延部102の第4の部分132の第4の部分132と位置合わせされ、ボア168、178は互いに平行である。凹部176は、ねじなどの締結要素180を受容し、ボア178は、第1のケーブルアセンブリ26のワイヤ40を受容する。
【0036】
結合部材114は、対向する上側端部114a及び下側端部114bを有し、これらは、好ましくは平面状の構成である。結合部材114は、好ましくは、円柱形本体の構成を有し、外側円筒形ねじ山182を有する。凹部などの係合部184が上側端部114aに提供されており、この係合部は、係合部材114を適切な工具によって回転させることができるように構成されている。結合部材114は、遅延部102の第3の部分130の通路156内に位置付けられるようにサイズ決めされ、ねじ山182は、通路156を画定する内壁と螺合されるように構成されている。所望であれば、好適なねじロッカーが利用され得るが、ねじロッカーは、超音波トランスデューサ100の所望の温度限界に耐えるように定格されるべきである。一実施形態では、結合部材114は、圧縮ナットである。
【0037】
第1の箔104、圧電要素106、第2の箔108、バッキング110、及び電極112の各々が上述のように定位置にあるとき、結合部材114は、その下側端部114bが電極112のベース部分172の上側端部172aに接触するように下方に回転され得、それによって、第1の箔104、圧電要素106、第2の箔108、バッキング110、及び電極112の各々を遅延部102及び結合部材114に対して定位置に固定する。従来の圧電要素を装着する方法は、圧電要素上にリードを半田付けすること、バッキング調製などを含むが、本アセンブリでは、所望の圧電要素106のみが、選択及び設置されることが必要である。位置調整可能な結合部材114は、従来の準備を必要とせずに、異なる圧電要素106の容易な設置を提供する。例えば、第1の圧電要素106を収容することができ、第2の圧電要素を収容することができるが、アセンブリの残りの構成要素は、同じままである。これは、異なる温度限界(例えば、摂氏350度及び摂氏650度)を有する様々な圧電要素106を収容する超音波トランスデューサ100を提供しながら、より少ない部品が必要とされるので、製造上の利点を提供する。
【0038】
ハウジング116は、略細長いチューブであり、好ましくは、ステンレス鋼で形成される。ハウジング116は、上側端部116aと、反対側の下側端部116bと、略円筒形外面116cと、上側端部116aから下側端部116bまでハウジング116を通って延在する通路186と、を有する。通路186は、略円筒形内面188と、上側端部116bから円筒形表面188まで延在する上側円筒形凹部190と、下側端部116aから円筒形表面188まで延在する下側円筒形凹部192とによって画定される。上側円筒形凹部190は、円筒形表面188よりも大きい直径を有し、その下側端部に下側肩部を形成する。下側円筒形凹部192は、円筒形表面188よりも大きい直径を有し、その上側端部に上側肩部を形成する。ハウジング116は、外面116cを貫通して通路186まで延在するアパーチャ194を更に有し、この通路は、第1のケーブルアセンブリ26のハウジング116への接続を可能にする。
【0039】
遅延部102の第2の部分128、第3の部分130及び第4の部分132は、ハウジング116内に提供されている。ハウジング116の下側端部116aは、遅延部102の円筒形フランジ136の上面136a上に位置付けられるように構成されており、下側凹部192によって形成された上側肩部は、遅延部102の第2の部分128の本体144の上側端部144a上に位置付けられるように構成されている。したがって、遅延部102の第1の部分126は、ハウジング116の通路186の下側端部を閉鎖し、遅延部102の第2の部分128、第3の部分130及び第4の部分132、第1の箔104及び第2の箔108、圧電要素106、バッキング110、電極112、及び結合部材114はすべて、ハウジング116の通路186内に位置付けられる。
【0040】
キャップ118は、好ましくは、ハウジング116と同じ材料で形成される。キャップ118は、略円柱形構成であり、下側端部118bを有する。下側端部118bは、ハウジング116の上側凹部190によって形成された下側肩部上に位置付けられるように構成されており、それによって、ハウジング116の通路186の上側端部を閉鎖する。
【0041】
上側リング120及び下側リング122は、好ましくは、ステンレス鋼で形成される。各リング120、122は、内壁120d、122dを有し、この内壁は、ねじ切りされ、遅延部102の第1の部分126の本体134のねじ山140と回転係合するように構成されている。リング120、122はそれぞれ、適切な工具による係合のための一対の平坦部196を有する円筒形外壁122d、120dを有する。上側リング120の外形寸法は、フランジ136の外径よりも大きい。
【0042】
第3の箔124は、
図11に最もよく示されているように、底ベース壁198と、ベース壁198から上方に延在する一対のL字形アーム200と、を有する。ベース壁198は、下側リング122の内壁122dを覆うか又は閉鎖するように構成されており、L字形アーム200は、平坦部分226の両方の周りに延在し、下側リング122の上面122a上に載るように位置付けられる。
【0043】
上側リング120は、第1の部分126の本体134のねじ山140と螺合される。次いで、第3の箔124が取り付けられた下側リング122が、上側リング120の下で本体134のねじ山140と螺合され、下側リング122の下側端部が本体134の下側端部134bと位置合わせされるようにする。次いで、第3の箔124を上側リング120と下側リング122との間の定位置に固定するために、上側リング120を下方に回転させて第3の箔124のL字形アーム200に係合させる。第3の箔124が何らかの理由で損傷を受けるか、又は交換が必要になる場合、上側リング120を上方に回転させて、第3の箔124を下側リング122から除去して交換することができる。第1の箔104、第2の箔108と同様に、第3の箔124は、第3の箔124が以下の要件、すなわち、(1)材料が、超音波トランスデューサ100の所望の温度限界、すなわち、摂氏150度を超える温度(例えば、摂氏350度、摂氏650度、及びそれを上回る)に耐えるように定格されるべきであること、(2)材料が、任意の粗さを吸収することが可能な軟質金属でなければならないこと、及び(3)材料が、音響エネルギー伝達において効率的であること、を満たす限り、任意の好適な材料で形成され得る。好ましい実施形態では、第3の箔124は、銀から形成されるが、様々な用途では、第3の箔124は、代替的に、金、銅、鉛、又は任意の他の好適な材料で形成され得る。
【0044】
超音波壁厚測定システム20を組み立てる方法が提供される。組み立て方法の第1のステップでは、第1のケーブルアセンブリ26は、超音波トランスデューサ100に対して位置付けられる。より具体的には、第1のケーブルアセンブリ26は、超音波トランスデューサ100のハウジング116のアパーチャ194内に位置付けられる。ブッシング62は、第1のノッチ158内に着座し、水平壁表面160は、ブッシング62のための支持を提供する。
【0045】
組み立て方法の第2のステップでは、第1のケーブルアセンブリ26の第1のワイヤ38は、遅延部102に固定され、第1のケーブルアセンブリ26の第2のワイヤ40は、電極112に固定され、それによって、第1のケーブルアセンブリ26から遅延部102及び電極112への接続を確立する。第1のケーブルアセンブリ26の第1のワイヤ38は、遅延部102のボア178内に挿入され、締結要素170は、第1のワイヤ38を遅延部102に固定するように回転される。第1のケーブルアセンブリ26の第2のワイヤ40は、電極112のボア178に挿入され、締結要素180は、第2のワイヤ40を電極112に固定するように取り付けられる。ワイヤを固定する特定の順序は重要ではない。
【0046】
組み立て方法の第3のステップでは、キャップ118がハウジング116に固定され、ハウジング116が遅延部102に固定され、第1のケーブルアセンブリ26がハウジング116に固定される。この第3のステップにおける各固定は、任意の好適な方式で行われ得るが、好ましくは、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、レーザスポット溶接、又は電子ビーム溶接(その特定の順序は重要ではない)などの溶接によって行われる。レーザスポット溶接は、圧電要素106を環境から保護するために、(ハウジング116の通路186によって画定される)隔離された空間を作成するために部品間の任意の間隙を封止する。当然ながら、圧電要素106を保護することができる限り、他の好適な固定方法も利用し得る。
【0047】
必要に応じて、隔離された空間は、動作中に圧電要素106を冷却し、高温でのその性能を向上させるために、冷却剤(図示せず)、例えば鉱油で充填され得る。そのような場合、冷却剤を加える前にハウジング116を遅延部102に固定し、冷却剤が加えられたら、キャップ118をハウジング116に固定し、第1のケーブルアセンブリ26をハウジング116に固定することが好ましい(後者は、必要に応じて冷却剤が加えられる前に行われ得る)。
【0048】
組み立て方法の第4のステップでは、第1のケーブルアセンブリ26がIDボードアセンブリ24に接続され、第2のケーブルアセンブリ30が温度センサ28をIDボードアセンブリ24に接続する。
【0049】
上述したように組み立てられると、所望の圧電要素106を有する超音波壁厚測定システム20は、所望の位置での設置/装着を可能にするために出荷され得る。出荷のときに、第3の箔124は、超音波トランスデューサ100から分離されることが好ましく、上側リング120及び下側リング122の一方又は両方も、超音波トランスデューサ100から分離され得るか、又は遅延部102と螺合され得ることを理解されたい。
【0050】
積層された第1の箔104、圧電要素106、第2の箔108、バッキング110、及び電極112は、モジュール式アセンブリを形成する。遅延部102及び結合部材114は、モジュール式アセンブリを形成し、第1のモジュール式アセンブリは、第2のモジュール式アセンブリと組み立てられ得る。ハウジング116、キャップ118は、モジュール式アセンブリを形成する。リング120、122及び第3の箔124は、モジュール式アセンブリを形成する。モジュール式設計のため、超音波トランスデューサ20は、製造プロセスを変更することなく、かつ他の構成要素を再設計することなく、フィールド用途に基づいて圧電要素タイプの選択することを可能にする。
【0051】
超音波壁厚測定システム20を構造資産32に装着する方法が提供される。この方法では、上側リング120及び下側リング122並びに第3の箔124は、最初は遅延部102上に提供されない。
【0052】
本明細書に開示される実施形態では、装着アセンブリ22は、下側ハウジング42と、複数の結合部材46によって下側ハウジング42に結合された上側ハウジング44と、下側ハウジング42に結合されたストラップ48(又は複数のストラップ)と、を含む。下側ハウジング42は、その上面42aからその下面42bまで延在する中央開口50を有する。底面42bの少なくとも一部分は、構造資産32の壁34の外面34aに適合するように成形される。下側ハウジング42は、上面42aから延在する複数のねじ付き開口部52を有する。上側ハウジング44は、その上面54aからその下面54bまで延在する中央通路56を有する円筒形本体54を有する。フランジ58が、上面54aに近接して本体54から外向きに延在している。フランジ58は、下側ハウジング42のねじ付き開口部52と位置合わせされる複数のねじ付き通路60を有する。結合部材46は、ねじなどの締結具であり得る。
【0053】
装着方法の第1のステップでは、リング120、122及び第3の箔124の第4のモジュール式アセンブリなしの超音波トランスデューサ100が、上側ハウジング44の中央通路56内に位置付けられる。
【0054】
装着方法の第2のステップでは、上側リング120及び下側リング122並びに第3の箔124が、上述のように本体134に取り付けられる。上側リング120は、上側ハウジング44の本体54の底面54bに接触する。
【0055】
装着方法の第3のステップでは、リング120、122及び第3の箔124が取り付けられ、上側ハウジング44が装着された超音波トランスデューサ100が、下側ハウジング42の中央通路50内に挿入される。
【0056】
装着方法の第4のステップでは、結合部材46が、位置合わせされた通路60及び開口部52に通され、段差部分138が下側ハウジング42の底面42bを越えて延在しないような位置で上側ハウジング44を下側ハウジング42に結合するために使用される。
【0057】
装着方法の第5のステップでは、下側ハウジング42は、ストラップ48を使用して構造資産32に定位置に固定される。
【0058】
装着方法の第6のステップでは、結合部材46は、段差部分138を覆う第3の箔124が構造資産32の外面34aと接触するまで、上側ハウジング44及び超音波トランスデューサ100を構造資産32の外面34aに向かって下方に移動させるように作動される。これは、圧縮を引き起こして、第3の箔124が構造資産32に接触することを確実にし得る。フランジ58が下側ハウジング42の上面42aと係合することにより、更なる下方への移動が防止される。追加的に、下側ハウジング42の中央通路50は、上側ハウジング44の本体54の底面54bと係合して更なる下方への移動を防止することができる肩部64を有し得る。
【0059】
装着方法の第7のステップでは、温度センサ28が、超音波トランスデューサ100が構造資産32に接触する場所に近接して温度センサ28の端部が構造資産32に接触するように、下側ハウジング42に固定される。
【0060】
代替的な実施形態では、第5のステップは、第1~第4のステップのいずれかの前に行われる。
【0061】
したがって、超音波トランスデューサ100を含む超音波壁厚測定システム20は、従来のシステム/トランスデューサと比較して多くの利点を提供する。より具体的には、超音波壁厚測定システム20/超音波トランスデューサ100は、圧電要素106の選択に基づいて超音波壁厚測定システム20/超音波トランスデューサ100を異なる高温環境で使用することができるように、コンパクトなモジュール式設計(接着剤又はエポキシを使用しない)を提供する。超音波壁厚測定システム20は、温度センサ28を使用した正確な厚さ補償のためのインサイチュ温度測定を更に含む。超音波壁厚測定システム20/超音波トランスデューサ100は、構造資産32からの簡単な取り外しを可能にし、その結果、超音波壁厚測定システム20/超音波トランスデューサ100を修理(例えば、第3の箔124の容易な除去/交換)又は所望されるように交換することができる。
【0062】
本明細書では、上側リング120及び下側リング122が提供されているが、リングのうちの一方のみが、それに取り付けられる第3の箔124に提供され得る。
【0063】
超音波トランスデューサ300の代替的な実施形態が、
図12に示されている。超音波トランスデューサ300は、超音波トランスデューサ300が、遅延部102のフランジ136の下の本体134の一部分に提供されたノッチ302を、その下側端部134bに対して所定の位置で、かつフランジ136の下で有することを除いて、超音波トランスデューサ100と同一である。ノッチ302は、超音波信号が反射されるための明確なインターフェースとして、ノッチ302から本体134の下側端部134bまでの所定の距離をラベル付けする物理的マークを提供する。ノッチ302は、遅延部102の(下側端部134bにおける)端部反射に加えて、追加の厚さ測定を提供する。これらの2つの一貫した厚さ測定は、別個の較正ブロックを使用する必要なく、産業標準によって要求される超音波壁厚測定システム20のための2段階較正を実現するために使用される。更に、システム較正目的のために余分なサイト訪問も必要とされず、したがって、資産所有者は、安全性の観点及びコスト節約の観点の両方から利益を得る。
【0064】
超音波トランスデューサ400の別の代替的な実施形態が、
図13に示されている。超音波トランスデューサ400は、超音波トランスデューサ400が、内部に温度センサ426、例えば抵抗温度検出器(「RTD」)を有するように構成されていることを除いて、超音波トランスデューサ100と同一である(先に説明し、
図1及び
図2に示したような近接して位置付けられた温度センサ28と協働するのとは対照的に)。温度センサ426は、好ましくは、温度センサ426の下側端部462bが遅延部102の本体134の下側端部134bにおいて露出され、かつ温度センサ426の下側端部426bが第3の箔124(
図13には図示せず)に対して位置付けられるように、遅延部102に組み込まれる。温度センサ426は、反対側の端部から外向きにハウジング116の通路186内に延在する第1のワイヤ438及び第2のワイヤ440を更に有する。第1のワイヤ438及び第2のワイヤ440は、第1のケーブルアセンブリ26の第1のワイヤ38及び第2のワイヤ40と同様に、遅延部102及び電極112にそれぞれ固定され、それによって、温度センサ426から遅延部102及び電極112の各々への接続を確立する。
【0065】
特定の実施形態が、図面に関して示され、説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な改変を考案し得ることが想定される。したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲は、図面に例示され、図面に関して論じられた特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、本開示及び添付図面の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるであろう。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的組み合わせの文脈における例示的な実施形態を説明しているが、要素及び/又は機能の異なる組み合わせは、本発明の範囲及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態によって提供され得ることを理解されたい。更に、前述の説明は、いくつかのステップの性能を列挙する方法を説明する。特段の記載がない限り、方法内の1つ以上のステップは必要とされない場合があり、1つ以上のステップは、記載されたものとは異なる順序で実行され得、1つ以上のステップは、実質的に同時に形成され得る。
【国際調査報告】