IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションの特許一覧

特表2024-500717低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト
<>
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図1
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図2
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図3
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図4
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図5
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図6
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図7
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図8
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図9
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図10
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図11
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図12
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図13
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図14
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図15
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図16
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図17
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図18
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図19
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図20
  • 特表-低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】低キャパシタンス低RCラップアラウンド型コンタクト
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20231227BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20231227BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H01L29/78 616S
H01L29/78 618C
H01L29/50 M
H01L21/28 301S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536427
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021081508
(87)【国際公開番号】W WO2022135790
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】17/132,980
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】デ シルバ、エクミニ、アヌジャ
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ジン
(72)【発明者】
【氏名】タン、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】チー、チェン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F110
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA02
4M104AA04
4M104AA05
4M104AA06
4M104AA09
4M104BB01
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB14
4M104BB16
4M104BB18
4M104BB21
4M104BB24
4M104BB25
4M104BB29
4M104BB30
4M104BB32
4M104BB33
4M104CC01
4M104CC05
4M104DD22
4M104DD33
4M104DD43
4M104DD64
4M104DD84
4M104EE03
4M104EE06
4M104EE12
4M104EE16
4M104EE17
4M104EE18
4M104FF06
4M104GG09
4M104HH15
5F110DD01
5F110DD05
5F110DD12
5F110DD13
5F110DD14
5F110DD15
5F110EE01
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE06
5F110EE29
5F110FF01
5F110FF02
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG03
5F110GG04
5F110GG30
5F110HJ01
5F110HJ30
5F110HK02
5F110HK04
5F110HK05
5F110HK32
5F110HK34
5F110HM02
5F110HM04
5F110NN03
5F110NN04
5F110NN22
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN27
5F110NN35
5F110NN36
(57)【要約】
電界効果トランジスタが提供される。電界効果トランジスタは、基板上の第1のソース/ドレインと、基板上の第2のソース/ドレインと、第1のソース/ドレインと第2のソース/ドレインとの間のチャネル領域とを含む。電界効果トランジスタは、第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方の少なくとも3つの面上の金属ライナーであって、第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方の側壁の全長未満を覆う金属ライナーをさらに含む。電界効果トランジスタは、金属ライナーと第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方との間の金属シリサイドと、第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方上の金属ライナー上の導電性コンタクトであって、金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である導電性コンタクトとをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の第1のソース/ドレインと、
前記基板上の第2のソース/ドレインと、
前記第1のソース/ドレインと前記第2のソース/ドレインとの間のチャネル領域と、
前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方の少なくとも3つの面上の金属ライナーであって、前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方の側壁の全長未満を覆う、前記金属ライナーと、
前記金属ライナーと前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方との間の金属シリサイドと、
前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方上の前記金属ライナー上の導電性コンタクトであって、前記金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である、前記導電性コンタクトと
を備える、電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記チャネル領域上のゲート構造をさらに備え、前記金属ライナーは、2nm~15nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記金属ライナーは、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ニッケル白金(NiPt)、およびそれらの組合せからなる群から選択される導電性のシリサイド形成金属であり、前記金属ライナーは、前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方の上面上において、下にある前記ソース/ドレインの幅よりも大きい幅Wを有する、請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記導電性コンタクトは、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、銅(Cu)、およびアルミニウム(Al)からなる群から選択される導電性金属であり、前記導電性コンタクトは、前記金属ライナーの上面との界面において、前記金属ライナーの幅Wよりも小さい幅Wを有する、請求項3に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項5】
前記ゲート構造は、前記チャネル領域上のゲート誘電体層および前記ゲート誘電体層上の導電性ゲート充填物を含む、請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記ゲート誘電体層は、酸化ハフニウム(HfO)であり、前記導電性ゲート充填物は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン・アルミニウム(TiAl)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステン(WC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化チタン・アルミニウム(TiAlC)、およびそれらの組合せからなる群から選択される導電性材料である、請求項5に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項7】
前記第1のソース/ドレインと前記第2のソース/ドレインとの間の1つまたは複数のナノシート・チャネル層をさらに備え、前記1つまたは複数のナノシート・チャネル層は、前記チャネル領域を形成する、請求項5に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項8】
前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方と前記基板の一部分との間の絶縁性底部スペーサ層をさらに備える、請求項7に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項9】
前記第1のソース/ドレインまたは前記第2のソース/ドレインあるいはその両方の縁部と、前記絶縁性底部スペーサ層の下方における前記基板の部分の両側の各々における分離領域との間の保護ブロックをさらに備える、請求項8に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項10】
前記第1のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第1の金属ライナーであって、前記第1のソース/ドレインの側壁の長さの半分(1/2)~10分の9(9/10)を覆う、前記第1の金属ライナーと、
前記第2のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第2の金属ライナーであって、前記第2のソース/ドレインの側壁の長さの半分(1/2)~10分の9(9/10)を覆う、前記第2の金属ライナーと、
前記第1の金属ライナーと前記第1のソース/ドレインとの間の第1の金属シリサイド層、および、前記第2の金属ライナーと前記第2のソース/ドレインとの間の第2の金属シリサイド層であって、前記第1のソース/ドレインおよび前記第2のソース/ドレインは各々、前記第1の金属シリサイド層および前記第2の金属シリサイド層に隣接するアモルファス化した表面を有する、前記第1の金属シリサイド層および前記第2の金属シリサイド層と、
前記第1のソース/ドレイン上の前記第1の金属ライナー上の第1の導電性コンタクトであって、前記第1の金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である、前記第1の導電性コンタクトと、
前記第2のソース/ドレイン上の前記第2の金属ライナー上の第2の導電性コンタクトであって、前記第2の金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である、前記第2の導電性コンタクトと、
前記第1の金属ライナーおよび前記第1の導電性コンタクト上の第1のカバー層であって、前記第1のカバー層の一部分が、前記第1の金属ライナーと前記基板上の分離領域とを分離する、前記第1のカバー層と
を備える、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項11】
前記第1の金属シリサイド層および前記第2の金属シリサイド層の各々は、2nm~6nmの範囲の厚さを有し、前記第1の金属ライナーおよび前記第2の金属ライナーの各々は、3nm~12nmの範囲の厚さを有する、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項12】
前記第2の金属ライナーおよび前記第2の導電性コンタクト上の第2のカバー層をさらに備え、前記第2のカバー層の一部分が、前記第2の金属ライナーを前記基板上の前記分離領域から分離する、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項13】
前記第1のソース/ドレインおよび前記第2のソース/ドレインと前記基板の一部分との間の絶縁性底部スペーサ層をさらに備える、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項14】
前記絶縁性底部スペーサ層に隣接した、前記第1のソース/ドレインの縁部と前記基板における前記分離領域との間の保護ブロックをさらに備える、請求項13に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項15】
前記第2の金属ライナーおよび前記第2の導電性コンタクト上の第2のカバー層をさらに備え、前記第2のカバー層の一部分が、前記第2の金属ライナーと前記分離領域との間にある、請求項14に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項16】
ゲート構造は、前記チャネル領域上のゲート誘電体層および前記ゲート誘電体層上の導電性ゲート充填物を含む、請求項15に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項17】
電界効果トランジスタを形成する方法であって、
基板上にチャネル領域を形成することと、
前記チャネル領域の両側に第1のソース/ドレインおよび第2のソース/ドレインを形成することと、
イオン・ボンバードメントにより、前記第1のソース/ドレインおよび前記第2のソース/ドレインの少なくとも3つの面の表面をアモルファス化することと、
前記第1のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第1の金属ライナー、および前記第2のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第2の金属ライナーを形成することと、
前記第1の金属ライナーと前記第1のソース/ドレインとの間の第1の金属シリサイド層、および前記第2の金属ライナーと前記第2のソース/ドレインとの間の第2の金属シリサイド層を形成することと、
前記第1の金属ライナー上の第1のカバー層を形成することであって、前記第1のカバー層の一部分が、前記第1の金属ライナーと前記基板上の分離領域との間にある、前記第1のカバー層を形成することと、
前記第2の金属ライナー上の第2のカバー層を形成することであって、前記第2のカバー層の一部分が、前記第2の金属ライナーと前記基板上の前記分離領域との間にある、前記第2のカバー層を形成することと、
前記第1のソース/ドレイン上の前記第1の金属ライナー上の第1の導電性コンタクト、および前記第2のソース/ドレイン上の前記第2の金属ライナー上の第2の導電性コンタクトを形成することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記基板上の絶縁性底部スペーサ層を形成することをさらに含み、前記第1のソース/ドレイン、前記チャネル領域、および前記第2のソース/ドレインは、前記絶縁性底部スペーサ層上にある、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の金属シリサイド層および前記第2の金属シリサイド層の各々は、2nm~6nmの範囲の厚さを有し、前記第1の金属ライナーおよび前記第2の金属ライナーの各々は、3nm~12nmの範囲の厚さを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の金属ライナーは、前記第1のソース/ドレインの側壁の各々の長さの半分(1/2)~10分の9(9/10)を覆う、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して半導体コンタクトに関し、より詳細には、ソース/ドレインのための低キャパシタンスのラップアラウンド型コンタクトに関する。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタ(FET)は通常、ソース、チャネル、およびドレイン、ならびにデバイス・チャネルを通る電流の流れを制御するゲートを有し、電流はソースからドレインへと流れる。電界効果トランジスタ(FET)は、多種多様な構造を有する場合があり、例えば、FETは、基板材料自体に形成されたソース、チャネル、およびドレインを有するように製造されており、電流は水平に(すなわち基板の平面内で)流れ、FinFETは、基板から外方に延びるチャネルを有するように形成されているが、電流は同様にソースからドレインへと水平に流れる。FinFETのチャネルは、基板の平面に平行な単一のゲートを有する金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と比較して、フィン上にゲートを有するフィンと一般に称される薄い矩形のシリコン(Si)の垂直な平板である場合がある。ソースおよびドレインのドーピングに応じて、NFETまたはPFETが形成される場合がある。2つのFETが結合されて相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路を形成する場合もあり、この場合、p型MOSFETおよびn型MOSFETが共に結合される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施形態によれば、電界効果トランジスタが提供される。電界効果トランジスタは、基板上の第1のソース/ドレインと、基板上の第2のソース/ドレインとを含む。電界効果トランジスタは、第1のソース/ドレインと第2のソース/ドレインとの間のチャネル領域をさらに含む。電界効果トランジスタは、第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方の少なくとも3つの面上の金属ライナーであって、第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方の側壁の全長未満を覆う金属ライナーをさらに含む。電界効果トランジスタは、金属ライナーと第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方との間の金属シリサイドと、第1のソース/ドレインまたは第2のソース/ドレインあるいはその両方上の金属ライナー上の導電性コンタクトであって、金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である導電性コンタクトとをさらに含む。
【0004】
本発明の別の実施形態によれば、電界効果トランジスタが提供される。電界効果トランジスタは、基板上の第1のソース/ドレインと、基板上の第2のソース/ドレインと、第1のソース/ドレインと第2のソース/ドレインとの間のチャネル領域とを含む。電界効果トランジスタは、第1のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第1の金属ライナーであって、第1のソース/ドレインの側壁の長さの約半分(1/2)~約10分の9(9/10)を覆う第1の金属ライナーと、第2のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第2の金属ライナーであって、第2のソース/ドレインの側壁の長さの約半分(1/2)~約10分の9(9/10)を覆う第2の金属ライナーとをさらに含む。電界効果トランジスタは、第1の金属ライナーと第1のソース/ドレインとの間の第1の金属シリサイド層、および、第2の金属ライナーと第2のソース/ドレインとの間の第2の金属シリサイド層であって、第1のソース/ドレインおよび第2のソース/ドレインは各々、第1の金属シリサイド層および第2の金属シリサイド層に隣接するアモルファス化した表面を有する、第1の金属シリサイド層および第2の金属シリサイド層をさらに含む。電界効果トランジスタは、第1のソース/ドレイン上の第1の金属ライナー上の第1の導電性コンタクトであって、第1の金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である第1の導電性コンタクトと、第2のソース/ドレイン上の第2の金属ライナー上の第2の導電性コンタクトであって、第2の金属ライナーの導電性材料とは異なる導電性材料である第2の導電性コンタクトとをさらに含む。電界効果トランジスタは、第1の金属ライナーおよび第1の導電性コンタクト上の第1のカバー層であって、第1のカバー層の一部分が、第1の金属ライナーと基板上の分離領域とを分離する、第1のカバー層をさらに含む。
【0005】
本発明のさらに別の実施形態によれば、電界効果トランジスタを形成する方法が提供される。方法は、基板上にチャネル領域を形成することを含む。方法は、チャネル領域の両側に第1のソース/ドレインおよび第2のソース/ドレインを形成することと、イオン・ボンバードメントにより、第1のソース/ドレインおよび第2のソース/ドレインの少なくとも3つの面の表面をアモルファス化することとをさらに含む。方法は、第1のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第1の金属ライナー、および第2のソース/ドレインの少なくとも3つの面上の第2の金属ライナーを形成することと、第1の金属ライナーと第1のソース/ドレインとの間の第1の金属シリサイド層、および第2の金属ライナーと第2のソース/ドレインとの間の第2の金属シリサイド層を形成することとをさらに含む。方法は、第1の金属ライナー上の第1のカバー層を形成することであって、第1のカバー層の一部分が、第1の金属ライナーと基板上の分離領域との間にある、第1のカバー層を形成することと、第2の金属ライナー上の第2のカバー層を形成することであって、第2のカバー層の一部分が、第2の金属ライナーと基板上の分離領域との間にある、第2のカバー層を形成することとをさらに含む。方法は、第1のソース/ドレイン上の第1の金属ライナー上の第1の導電性コンタクト、および第2のソース/ドレイン上の第2の金属ライナー上の第2の導電性コンタクトを形成することをさらに含む。
【0006】
これらおよび他の特徴および利点が、添付の図面に関して読まれるべきである、その例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0007】
以下の説明は、以下の図面を参照して、好適な実施形態の詳細を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインおよび犠牲充填層を有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインおよび保護ライナーを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す、図1に垂直なナノシート・デバイスのソース/ドレイン領域を通る断面側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る、犠牲充填層を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る、犠牲充填層を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す、図3に垂直な断面側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る、保護ライナーの露出部分を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る、保護ライナーの露出部分を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す、図5に垂直な断面側面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る、ボンバードメントによるソース/ドレインのアモルファス化を示す断面側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る、ボンバードメントによるソース/ドレインのアモルファス化を示す、図7に垂直な断面側面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインのアモルファス化した表面上の金属ライナーを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインの上面および側壁面上の金属ライナーを示す、図9に垂直な断面側面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る、金属ライナー上に形成された平坦化層を有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る、平坦化層上に形成された反射防止膜(ARC)層を有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインの上方において平坦化層上に形成されたパターニング済みの反射防止膜(ARC)テンプレート、および側壁スペーサを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る、側壁スペーサの間において平坦化層に形成されたトレンチを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインに隣接するチャネルを形成するために金属ライナーの一部分が除去されていることを示す断面側面図である。
図16】本発明の一実施形態に係る、金属ライナーおよびソース/ドレイン上の平坦化メサを形成するために側壁スペーサおよびその下の平坦化層の部分が除去されていることを示す断面側面図である。
図17】本発明の一実施形態に係る、基板、金属ライナー、およびソース/ドレイン上に形成されたカバー層および誘電体充填物を示す断面側面図である。
図18】本発明の一実施形態に係る、カバー層の一部分が除去され平坦化メサがエッチ・バックされていることを示す断面側面図である。
図19】本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレイン上の平坦化メサおよび金属ライナーの残りの部分を示す、図18に垂直な断面側面図である。
図20】本発明の一実施形態に係る、平坦化メサの残りの部分が除去され導電性コンタクトが金属ライナー上に形成されていることを示す断面側面図である。
図21】本発明の一実施形態に係る、導電性コンタクトが金属ライナー上に形成されていることを示す、図20に垂直な断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、低RC時定数を有するソース/ドレインのための低キャパシタンスのラップアラウンド型コンタクトを提供する。RC時定数は、秒を単位とする、回路抵抗にキャパシタンスを掛けた積である。半導体ソース/ドレインと導電性コンタクトとの間の界面接触面積の量を制御することにより、抵抗およびキャパシタンスのバランスを取ることができる。接触面積がより大きいと、抵抗が低減するが、導体の体積およびキャパシタンスが増大する。ソース/ドレイン半導体表面のアモルファス化を制御することにより、コンタクトまたはシリサイドあるいはその両方の形成の前にアモルファス化されていない面と比較して、ソース/ドレインの上面および側面について、ラップアラウンド型コンタクトと界面シリサイドと半導体ソース/ドレインとの間の接触抵抗を低減することができる。ソース/ドレイン表面のアモルファス化の増大により、絶縁体領域および金属コンタクトとの界面における抵抗を低減し、それによりRC時定数を低減することができる。
【0010】
本発明の実施形態は、ソース/ドレインの側壁におけるラップアラウンド型コンタクトの厚さを低減して寄生キャパシタンスを最小化しつつ、抵抗を最小化するために、ソース/ドレインの導電性コンタクトに対する表面積が大きい、ソース/ドレインのための低キャパシタンスのラップアラウンド型コンタクトを提供する。
【0011】
本発明の実施形態は、ソース/ドレインの側壁、およびコンタクトのビア開口部に面するソース/ドレイン表面に沿った低接触抵抗の界面を提供する。ソース/ドレインの全ての露出面の表面ボンバードメントにより、コンタクトのシリサイドおよび界面を形成するためのアモルファス化した表面を提供することができる。誘電体により囲まれたソース/ドレイン・チャネルでは、アモルファス化ボンバードメントのための見通し曝露(line of sight exposure)が制限されるため、側壁のアモルファス化が難しい場合がある。
【0012】
本発明の実施形態は、ソース/ドレイン側壁に隣接する下部導電性ライナーおよび上部導電性コンタクト・プラグを含む二成分ソース/ドレイン・コンタクトを提供する。
【0013】
本発明が適用され得る例示的アプリケーション/用途は、限定されるものではないが、MOSFET技術を利用するロジック・デバイス、メモリ・デバイス、アナログ・デバイス、撮像デバイス、および他のデバイスを含む。
【0014】
所与の例示的アーキテクチャに関して本発明の態様が説明されるが、他のアーキテクチャ、構造、基板材料、ならびにプロセスの特徴およびステップは、本発明の態様の範囲内において多様であり得ることを理解されたい。
【0015】
ここで、同様の数字が同じまたは類似の要素を表す図面を参照し、まず図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインおよび犠牲充填層を有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図が示されている。
【0016】
1つまたは複数の実施形態において、電界効果トランジスタ・デバイスが、基板110上に形成されてよい。電界効果トランジスタ・デバイスは、1つまたは複数のソース/ドレイン170、およびソース/ドレインのうちの1つまたは複数に対する導電性ソース/ドレイン・コンタクトを有してよい。電界効果トランジスタ・デバイスは、ラップアラウンド型コンタクトが形成され得る上面および側壁を有する少なくとも1つのソース/ドレイン170を有してよい。
【0017】
様々な実施形態において、電界効果トランジスタ・デバイスは、垂直輸送(vertical transport)フィン電界効果トランジスタ・デバイス、水平輸送(horizontal transport)フィン電界効果トランジスタ・デバイス、ナノワイヤ電界効果トランジスタ・デバイス、またはナノシート電界効果トランジスタ・デバイスであってよく、トランジスタ・デバイスは、導電性コンタクトが形成され得る側壁を有する少なくとも1つのソース/ドレインを有する。図面は、例示の目的でナノシート・トランジスタ・デバイスを示すが、これらの他のデバイス・アーキテクチャも、本発明の範囲内のものとして想定される。
【0018】
1つまたは複数の実施形態において、電界効果トランジスタ・デバイスは、基板110上に形成されたナノシート電界効果トランジスタ・デバイスであってよく、ナノシート電界効果トランジスタ・デバイスは、電気絶縁性底部スペーサ層120と、絶縁性底部スペーサ層120の上方の1つまたは複数のナノシート・チャネル層130と、ゲート誘電体層150および導電性ゲート充填物160を含むラップアラウンド型ゲート構造を隣接するソース/ドレイン170から分離するための、1つまたは複数のナノシート・チャネル層130の両縁部の上方または下方あるいはその両方の絶縁性凹部充填物140とを含んでよい。絶縁性凹部充填物140はまた、ナノシート・チャネル層130上のラップアラウンド型ゲート構造に隣接し、ゲート構造をソース/ドレイン170から電気的に分離してよい。コンタクト・エッチング停止層(CESL)であり得る保護ライナー180が、ソース/ドレイン170の露出面上およびゲート・キャップ200の側壁上に形成されてよい。犠牲充填層190が、保護ライナー180および基板110上に形成されてよく、犠牲充填層190は、保護ライナー180、および、ゲート構造およびナノシート・チャネル層130の上に形成されるゲート・キャップ200に対して選択的に除去され得る誘電材料であってよい。ナノシートFETデバイスは、1つまたは複数のナノシート・チャネル層130の間に配されたゲート構造との積層構成における1つまたは複数のナノシート・チャネル層130を含むデバイス・チャネルを有してよい。
【0019】
提示の図面は、デバイスのチャネル領域を形成するナノシート・チャネル層130を有するナノシート・トランジスタ・デバイスを示すが、他のデバイス・アーキテクチャは単一のモノリシック・チャネル領域を有する、例えば垂直または水平輸送フィン電界効果トランジスタであり、本発明の実施形態は、本明細書に記載の発明的特徴を適用および利用してもよい。ゲート構造に隣接するソース/ドレインを有する電界効果トランジスタ・デバイスは、ゲート構造とソース/ドレインとの間の寄生キャパシタンスを最小化する厚さを有する金属ライナーを含むラップアラウンド型ソース/ドレイン・コンタクトを有してよい。
【0020】
様々な実施形態において、ゲート誘電体層150は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、高k誘電材料、およびそれらの組合せを含む絶縁性誘電材料であってよい。高k誘電材料は、二酸化シリコン(SiO)よりも大きい誘電率を有する誘電材料、例えば、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(TaO)、酸化チタン(TiO)等を含んでよい。
【0021】
様々な実施形態において、導電性ゲート充填物160は、限定されるものではないが、金属(例えば銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン・アルミニウム(TiAl)等)、金属化合物、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステン(WC)、炭化ハフニウム(HfC)、アモルファス・シリコン(a-Si)、導電性カーボン(例えばグラフェン、カーボン・ナノロッド等)、炭化チタン・アルミニウム(TiAlC)、およびそれらの組合せを含む導電性材料であってよい。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインおよび保護ライナーを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す、図1に垂直なナノシート・デバイスのソース/ドレイン領域を通る断面側面図である。
【0023】
1つまたは複数の実施形態において、保護ライナー180は、ソース/ドレイン170の一部分、分離領域115の一部分、および絶縁性底部スペーサ層120の一部分上に形成されてよい。絶縁性底部スペーサ層120がナノシート・チャネル層130およびラップアラウンド型ゲート構造を基板110から物理的に分離し電気的に絶縁するように、絶縁性底部スペーサ層120は、ナノシート・チャネル層130の積層体の下方かつ分離領域115の間における基板110の一部分上にあってよい。様々な実施形態において、保護ライナー180は、ソース/ドレイン170の少なくとも3つの面または少なくとも4つの面上にあってよい。犠牲充填層190は、保護ライナー180、およびソース/ドレイン170の少なくとも3つの面上にあってよい。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、基板110は、限定されるものではないが、IV族半導体、例えばシリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)、IV-IV族化合物半導体、例えばシリコン・ゲルマニウム(SiGe)および炭化シリコン(SiC)、III-V族化合物半導体、例えばヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、II-VI族化合物半導体、例えばセレン化カドミウム(CdSe)および硫化亜鉛(ZnS)、ならびにそれらの組合せを含む半導体材料であってよい。基板110は、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SeOI)基板、例えば、埋め込み酸化物層を有するシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板であってよい。
【0025】
1つまたは複数の実施形態において、分離領域115が基板110に形成されてよく、分離領域115は、デバイスを基板および周囲のデバイスから電気的に絶縁するシャロー・トレンチ・アイソレーション領域であってよい。分離領域115は、ソース/ドレイン170の両側、および絶縁性底部スペーサ層120の下方の基板110の一部分にあってよい。分離領域115は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(SiOC)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、ホウ炭窒化シリコン(SiBCN)、およびそれらの組合せを含む電気絶縁性誘電材料であってよい。
【0026】
様々な実施形態において、絶縁性底部スペーサ層120は、基板110の一部分上に形成されてよく、絶縁性底部スペーサ層120は、ゲート構造およびソース/ドレイン170を含む上にあるデバイスを基板110から電気的に絶縁してよい。様々な実施形態において、絶縁性底部スペーサ層120は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(SiOC)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、ホウ炭窒化シリコン(SiBCN)、およびそれらの組合せを含む絶縁性誘電材料であってよい。
【0027】
様々な実施形態において、ナノシート・チャネル層130は、ソース/ドレイン170の間に形成され、ソース/ドレイン170に電気的に接続されてよく、ナノシート・チャネル層130は、限定されるものではないが、IV族半導体、例えばシリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)、IV-IV族化合物半導体、例えばシリコン・ゲルマニウム(SiGe)および炭化シリコン(SiC)、III-V族化合物半導体、例えばヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、II-VI族化合物半導体、例えばセレン化カドミウム(CdSe)および硫化亜鉛(ZnS)、ならびにそれらの組合せを含む半導体材料であってよい。
【0028】
様々な実施形態において、絶縁性凹部充填物140は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(SiOC)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、ホウ炭窒化シリコン(SiBCN)、およびそれらの組合せを含む絶縁性誘電材料であってよい。
【0029】
様々な実施形態において、ソース/ドレイン170は、限定されるものではないが、IV族半導体、例えばシリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)、IV-IV族化合物半導体、例えばシリコン・ゲルマニウム(SiGe)および炭化シリコン(SiC)、III-V族化合物半導体、例えばヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、II-VI族化合物半導体、例えばセレン化カドミウム(CdSe)および硫化亜鉛(ZnS)、ならびにそれらの組合せを含む半導体材料であってよい。ソース/ドレイン170は、例えばエピタキシャル成長プロセスにより、ナノシート・チャネル層130の端壁面上に形成されてよく、ソース/ドレインは、例えばホウ素(B)、ガリウム(Ga)、またはインジウム(In)を用いてn型ドープされ、あるいは、例えばリン(P)、ヒ素(As)、またはアンチモン(Sb)を用いてp型ドープされて、それぞれNFETまたはPFETを形成するものであってよい。
【0030】
様々な実施形態において、保護ライナー180は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(SiOC)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、ホウ炭窒化シリコン(SiBCN)、およびそれらの組合せを含む絶縁性誘電材料であってよい。保護ライナー180の材料は、処理中に露出され得る他の絶縁性誘電材料に対して選択的にエッチング可能であってよい。
【0031】
様々な実施形態において、犠牲充填層190は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、シリコン(Si)よりも小さい誘電率を有する低k誘電材料(例えばフッ素ドープ酸化シリコン(SiO:F)、炭素ドープ酸化シリコン(SiO:C)等)、アモルファス・カーボン(a-C)、およびそれらの組合せを含む絶縁性誘電材料であってよい。犠牲充填層190の材料は、処理中に露出され得る、保護ライナー180およびゲート・キャップ200を含む他の絶縁性誘電材料に対して選択的にエッチング可能であってよい。
【0032】
様々な実施形態において、ゲート・キャップ200は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、ホウ炭窒化シリコン(SiBCN)、酸炭化シリコン(SiOC)、およびそれらの組合せを含む絶縁性誘電材料であってよい。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係る、犠牲充填層を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、犠牲充填層190は、ソース/ドレイン170およびゲート・キャップ200上の保護ライナー180の壁の間から除去されてよく、犠牲充填層190は、選択的エッチング、例えば選択的湿式化学エッチング、選択的乾式プラズマ・エッチング、またはそれらの組合せを用いて除去されてよい。犠牲充填層190を選択的に除去することを可能とするために、犠牲充填層190の材料は、ゲート・キャップ200および保護ライナー180とは異なっていてよい。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態に係る、犠牲充填層を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す、図3に垂直な断面側面図である。
【0036】
1つまたは複数の実施形態において、犠牲充填層190の除去により、分離領域115、ならびにソース/ドレイン170の頂部および側部上における保護ライナー180の部分が露出してよい。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態に係る、保護ライナーの露出部分を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0038】
1つまたは複数の実施形態において、保護ライナー180の露出部分が、ゲート・キャップ200の壁の間から除去されてよく、保護ライナー180は、選択的エッチングを用いて除去されてよい。保護ライナー180の除去により、ソース/ドレイン170の上面が露出してよい。保護ライナー180を選択的に除去することを可能とするために、保護ライナー180の材料は、ゲート・キャップ200およびソース/ドレイン170とは異なっていてよい。
【0039】
図6は、本発明の一実施形態に係る、保護ライナーの露出部分を除去した後のソース/ドレインを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す、図5に垂直な断面側面図である。
【0040】
犠牲充填層190の除去により露出した保護ライナー180の部分の除去により、ソース/ドレイン170の側壁面も露出してよい。様々な実施形態において、保護ライナー180の露出部分を除去することにより、ソース/ドレイン170の縁部と分離領域115との間に保護ブロック185が残ってよく、保護ブロック185は、絶縁性底部スペーサ層120の両側にあってよい。保護ブロック185は、ソース/ドレイン170のエピタキシャル・フィーチャ(epitaxial features)と分離領域115および基板110との間の窪みを充填してよい。
【0041】
様々な実施形態において、ソース/ドレイン170におけるドーパントを活性化するために、アニールが用いられてよく、アニールは、ソース/ドレイン170を再結晶化してドーパントを活性化するためのレーザ・スパイク・アニールであってよい。
【0042】
図7は、本発明の一実施形態に係る、ボンバードメントによるソース/ドレインのアモルファス化を示す断面側面図である。
【0043】
1つまたは複数の実施形態において、ソース/ドレイン170の表面がアモルファス化されてよく、アモルファス化は、イオン・ボンバードメント300により行われてよい。様々な実施形態において、イオン・ボンバードメント300は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またはソース/ドレイン170を形成する他の主要な半導体成分をボンバードメント種(bombardment species)として用いるものであってよい。様々な実施形態において、イオンは、約0.1キロ電子ボルト(keV)~約25keV、または約1keV~約6keV、または約2keV~約4keVの範囲のエネルギーを有してよく、イオンは、他の深さも想定されるが少なくとも1ナノメートル(nm)~約15nm、または約3nm~約10nmの深さまで、ソース/ドレイン170の結晶格子を破壊するのに十分なエネルギーを有する。
【0044】
図8は、本発明の一実施形態に係る、ボンバードメントによるソース/ドレインのアモルファス化を示す、図7に垂直な断面側面図である。
【0045】
1つまたは複数の実施形態において、ソース/ドレイン170の露出面の各々がボンバード種(bombarding species)に曝露されてよく、それにより、ソース/ドレイン170の両側壁およびソース/ドレイン170の上面がアモルファス化される。
【0046】
図9は、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインのアモルファス化した表面上の金属ライナーを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0047】
1つまたは複数の実施形態において、金属ライナー210が、ゲート・キャップ200の上面および側壁上ならびにソース/ドレイン170の露出面上に形成されてよく、金属ライナー210は、コンフォーマル堆積、例えば原子層堆積(ALD)、プラズマ支援ALD(PEALD)、または低圧有機金属化学気相成長(LP-MOCVD)により形成されてよく、それにより、一様な厚さの金属ライナー210を露出面に堆積させることができる。
【0048】
様々な実施形態において、金属ライナー210は、限定されるものではないが、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ニッケル白金(NiPt)、およびそれらの組合せを含む、シリサイドを形成し得る導電性金属であってよい。
【0049】
様々な実施形態において、金属ライナー210は、約2ナノメートル(nm)~約15nm、または約3nm~約12nm、または約4nm~約8nmの範囲の厚さaを有してよく、金属ライナー210の厚さは、ソース/ドレイン170の表面に金属シリサイドを形成するのに十分である。金属ライナー210の厚さは、ソース/ドレイン170の少なくとも3つの面の各々において一様であってよい。
【0050】
様々な実施形態において、金属シリサイド層215は、他の厚さも想定されるが、約2ナノメートル(nm)~約15nm、または約3nm~約12nm、または約4nm~約8nm、または約2nm~約6nmの範囲の厚さを有してよい。金属シリサイド層215は、金属ライナー210の厚さ以下の厚さを有してよい。金属シリサイド層は、金属ライナー210がソース/ドレイン170上に堆積されたときまたは後続の熱処理中に形成されてよく、金属ライナーが金属シリサイド層215を形成してよい。
【0051】
図10は、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインの上面および側壁面上の金属ライナーを示す、図9に垂直な断面側面図である。
【0052】
様々な実施形態において、金属ライナー210は、ソース/ドレイン170に隣接する電荷を維持する導体の体積を低減することにより、ソース/ドレイン170と隣接するゲートとの間の最小限の寄生キャパシタンスを提供するために、ソース/ドレイン170の両側壁を一様な厚さaで覆ってよい。
【0053】
ソース/ドレイン170の側壁面がアモルファス化されている場合、アモルファス化が行われなかった場合よりも、界面における接触抵抗が低い。表面が予めアモルファス化される場合、後続のドーパント(例えばB)の注入を、ソース/ドレイン170の表面においてより良好に保持することができ、表面におけるドーパント濃度をより高くすることで、金属シリサイド層215が界面に形成されたときの接触抵抗をより低くすることができる。接触抵抗をより低くすることで、界面におけるキャパシタンスを低減することができる。
【0054】
様々な実施形態において、金属ライナー210は、ソース/ドレイン170の上面上において幅Wを有し、金属ライナー210の幅は、ソース/ドレイン170の幅よりも大きくてよい。金属ライナー210の幅は、ソース/ドレイン170の幅と、金属ライナー210の厚さの2倍(2x)との合計であってよい。
【0055】
図11は、本発明の一実施形態に係る、金属ライナー上に形成された平坦化層を有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0056】
1つまたは複数の実施形態において、平坦化層220が、金属ライナー210上に形成されてよく、平坦化層220は、スピンオン・プロセスまたはコンフォーマル堆積(例えばALD、PEALD)により形成されてよく、それにより、平坦化層220は、ソース/ドレイン170およびゲート・キャップ200上における金属ライナー210の複数の部分の間の空間を充填する。平坦化層220は、間隙を充填し、一様な平坦面を提供してよい。
【0057】
様々な実施形態において、平坦化層220は、有機平坦化層(OPL)であってよい。
【0058】
図12は、本発明の一実施形態に係る、平坦化層上に形成された反射防止膜(ARC)層を有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0059】
1つまたは複数の実施形態において、反射防止膜(ARC)層230が、平坦化層220上に形成されてよい。反射防止膜(ARC)層230は、リソグラフィ法およびエッチングを用いて後にパターニングされてよい。
【0060】
様々な実施形態において、反射防止膜(ARC)層230は、SiARC、TiARC、または、SiO、TiOx、SiN等のような他の材料であってよい。
【0061】
図13は、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインの上方において平坦化層上に形成されたパターニング済みの反射防止膜(ARC)テンプレート、および側壁スペーサを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0062】
様々な実施形態において、反射防止膜(ARC)層230は、ソース/ドレイン170の上方に反射防止膜(ARC)テンプレート235を形成するようにパターニングされてよい。反射防止膜(ARC)テンプレート235により覆われていない平坦化層220の部分を除去するために、方向性エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)が用いられてよい。
【0063】
1つまたは複数の実施形態において、側壁スペーサ240が、反射防止膜(ARC)テンプレート235の下方に残っている平坦化層220の一部分に隣接する箇所を含めて、平坦化層220上に形成されてよい。
【0064】
様々な実施形態において、側壁スペーサ240は、露出面上にコンフォーマルな側壁スペーサ層を堆積させ、続いて異方性エッチングを行うことにより形成されてよい。側壁スペーサ層および側壁スペーサ240は、限定されるものではないが、酸化チタン(TiO)、窒化シリコン(SiN)、低温酸化物(LTO)等を含む誘電材料であってよい。側壁スペーサ240は、約5nm~約30nmの範囲の幅を有してよく、側壁スペーサ240の幅は、ソース/ドレイン170の側部を越えて延びるのに十分であってよい。
【0065】
図14は、本発明の一実施形態に係る、側壁スペーサの間において平坦化層に形成されたトレンチを有するナノシート電界効果トランジスタ・デバイスを示す断面側面図である。
【0066】
1つまたは複数の実施形態において、側壁スペーサ240は、平坦化層220に形成される1つまたは複数のトレンチ250の形成のためのマスクとして機能してよい。トレンチ250は、方向性エッチング(例えばRIE)を用いて平坦化層220に形成されてよく、トレンチ250は、分離領域115上における金属ライナー210の一部分を露出させてよい。トレンチ250の開口部は、ソース/ドレイン170の両側に隣接してよい。ソース/ドレイン170上の金属ライナー210上における平坦化層220の一部分が、トレンチ250の側壁を形成してよい。
【0067】
図15は、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレインに隣接するチャネルを形成するために金属ライナーの一部分が除去されていることを示す断面側面図である。
【0068】
1つまたは複数の実施形態において、金属ライナー210の一部分が、基板110、およびソース/ドレイン170の側壁から除去されてよく、金属ライナー210の当該部分は、等方性エッチング(例えば湿式化学エッチング)を用いて除去されてよい。金属ライナー210は、平坦化層220の複数の部分の下方から除去されてよい。
【0069】
1つまたは複数の実施形態において、金属ライナー210の一部分が、保護ブロック185、およびソース/ドレイン170の両側壁から除去されて、平坦化層220の一部分と分離領域115との間の間隙255、および、ソース/ドレイン170および保護ブロック185の側壁に隣接するチャネル257を形成してよく、チャネルは、ソース/ドレインおよび保護ブロックの側部に沿って延びてよい。除去される金属ライナー210の部分により、ソース/ドレイン170の側壁上における金属ライナー210の長さ、および、金属ライナー210とソース/ドレイン170との間の界面面積を制御することができ、金属ライナーは、ソース/ドレインの側壁の各々の全長未満を覆ってよい。金属ライナー210の一部分が、ソース/ドレイン170の側壁および上面に残ってよく、金属ライナー210の当該部分は、ソース/ドレイン170の側壁の大部分を覆ってよい。様々な実施形態において、金属ライナー210は、ソース/ドレイン170の側壁の長さの少なくとも半分(1/2、すなわち50%)、またはソース/ドレイン170の側壁の長さの少なくとも3分の2(2/3)、またはソース/ドレイン170の側壁の長さの少なくとも4分の3(3/4)を覆ってよく、より大きく覆うことにより、抵抗を低減することができるが、キャパシタンスが増大し得る。様々な実施形態において、金属ライナー210は、ソース/ドレイン170の側壁の長さの約半分(1/2)~ソース/ドレイン170の側壁の長さの約10分の9(9/10、すなわち90%)、またはソース/ドレイン170の側壁の長さの約半分(1/2)~ソース/ドレイン170の側壁の長さの約5分の4(4/5、すなわち80%)を覆ってよい。金属ライナー210により覆われるソース/ドレイン170の表面積の量により、抵抗およびキャパシタンスのバランスを取ることができる。ソース/ドレイン170の側壁に隣接するチャネル257の形成は、金属ライナー210の底縁部と分離領域115の上面との間の間隙を形成してよく、ソース/ドレイン170の下側部分は、金属ライナー210により覆われない。
【0070】
図16は、本発明の一実施形態に係る、金属ライナーおよびソース/ドレイン上の平坦化メサを形成するために側壁スペーサおよびその下の平坦化層の部分が除去されていることを示す断面側面図である。
【0071】
1つまたは複数の実施形態において、側壁スペーサ240は、選択的エッチング、例えば湿式化学エッチングまたは乾式プラズマ・エッチングを用いて除去されてよい。次いで、その下の平坦化層220の部分が、方向性エッチング(例えばRIE)を用いて除去されて、反射防止膜(ARC)テンプレート235とソース/ドレイン170との間の平坦化メサ225を形成してよい。金属ライナー210の側壁からの平坦化層220の除去により、ソース/ドレイン170上における金属ライナー210の一部分が露出してよい。金属ライナー210の底縁部の下方におけるソース/ドレイン170の下側部分および保護ブロック185も露出してよい。
【0072】
図17は、本発明の一実施形態に係る、基板、金属ライナー、およびソース/ドレイン上に形成されたカバー層および誘電体充填物を示す断面側面図である。
【0073】
1つまたは複数の実施形態において、カバー層260が、基板110、分離領域115、金属ライナー210、保護ブロック185、およびソース/ドレイン170の露出面上に形成されてよく、カバー層260は、コンフォーマル堆積(例えばALD、PEALD)により形成されてよい。カバー層260は、金属ライナー210の下側縁部と分離領域115との間の間隙を充填してよく、カバー層260は、金属ライナー210により覆われないソース/ドレイン170の下側部分上にあってよい。
【0074】
様々な実施形態において、カバー層260は、限定されるものではないが、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(SiOC)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、ホウ炭窒化シリコン(SiBCN)、およびそれらの組合せを含む電気絶縁性誘電材料であってよい。
【0075】
様々な実施形態において、カバー層260は、約1nm~約20nm、または約3nm~約8nmの範囲の厚さを有してよく、カバー層260の厚さは、層間誘電体(ILD)充填材料270が堆積されたときに金属ライナー210が損傷または酸化しないように保護するのに十分である。
【0076】
1つまたは複数の実施形態において、ILD充填物270が、カバー層260および基板110上に形成されてよく、ILD充填物270は、ブランケット堆積、例えば化学気相成長(CVD)、プラズマ支援CVD(PECVD)、スピンオン、またはそれらの組合せにより形成されてよい。
【0077】
様々な実施形態において、誘電体充填物270は、限定されるものではないが、酸化物または低k誘電体(例えばフッ素ドープ酸化シリコン(SiO:F)、炭素ドープ酸化シリコン(SiO:C)等)を含む誘電材料であってよい。
【0078】
様々な実施形態において、ILD充填物270は、カバー層260の一部分を露出させるように平坦化およびエッチ・バックされてよく、エッチ・バックは、選択的方向性エッチング(例えばRIE)を用いて行われてよい。層間誘電体(ILD)充填物270は、カバー層260の一部分を露出させるように、平坦化メサ225上に残っている反射防止膜(ARC)テンプレート235の下方までエッチ・バックされてよい。
【0079】
図18は、本発明の一実施形態に係る、カバー層の一部分が除去され平坦化メサがエッチ・バックされていることを示す断面側面図である。
【0080】
1つまたは複数の実施形態において、カバー層260の露出部分の一部分が、反射防止膜(ARC)テンプレート235から除去されてよく、反射防止膜(ARC)テンプレート235は、平坦化メサ225を露出させるようにエッチングを用いて除去されてよい。カバー層260の露出部分の当該部分は、選択的方向性エッチング(例えばRIE)を用いて除去されてよい。
【0081】
様々な実施形態において、平坦化メサ225は、選択的方向性エッチング(例えばRIE)を用いてエッチ・バックされてよい。
【0082】
図19は、本発明の一実施形態に係る、ソース/ドレイン上の平坦化メサおよび金属ライナーの残りの部分を示す、図18に垂直な断面側面図である。
【0083】
1つまたは複数の実施形態において、平坦化メサ225は、ソース/ドレイン170の上方における金属ライナー210の部分を露出させるようにエッチ・バックされてよい。金属ライナー210は、エッチ・バックされた平坦化メサ225の高さまで、選択的エッチングを用いてエッチ・バックされてよい。
【0084】
図20は、本発明の一実施形態に係る、平坦化メサの残りの部分が除去され導電性コンタクトが金属ライナー上に形成されていることを示す断面側面図である。
【0085】
1つまたは複数の実施形態において、平坦化メサ225の残りの部分は、ソース/ドレイン170上の金属ライナーを露出させるように金属ライナー210から除去されてよい。平坦化メサ225は、選択的エッチングを用いて除去されてよい。
【0086】
1つまたは複数の実施形態において、導電性コンタクト280が、金属ライナー210の露出面、およびカバー層260の残りの部分の側壁上に形成されてよい。導電性コンタクト280は、カバー層260の残りの部分の側壁上における金属ライナー210の複数の部分の間に形成される凹部を充填してよい。様々な実施形態において、導電性コンタクト280は、限定されるものではないが、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、およびそれらの組合せを含む金属であってよい。導電性コンタクト280は、金属ライナー210の導電性材料とは異なる導電性材料であってよい。
【0087】
様々な実施形態において、導電性コンタクト280は、金属ライナー210の上面との界面において幅Wを有し、導電性コンタクト280の幅は、金属ライナー210の幅よりも小さくてよい。様々な実施形態において、導電性コンタクト280は、金属ライナー210の上面上において幅Wを有し、導電性コンタクト280の幅は、ソース/ドレイン170の幅よりも小さくてよい。
【0088】
図21は、本発明の一実施形態に係る、導電性コンタクトが金属ライナー上に形成されていることを示す、図20に垂直な断面側面図である。
【0089】
様々な実施形態において、導電性コンタクト280は、ゲート・キャップ200の側壁上における金属ライナー210の複数の部分の間の空間を充填し、金属ライナー210を覆ってよい。
【0090】
層、領域または基板などの要素が別の要素「上に」ある、または別の要素「の上に」あると記載される場合、これは当該別の要素上に直接あってもよく、または介在する要素が存在してもよいことも理解されよう。これに対し、要素が別の要素「上に直接」ある、または別の要素「の上に直接」あると記載される場合には、介在する要素が存在しない。要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と記載される場合、これは当該別の要素に直接接続または結合されてもよく、または介在する要素が存在してもよいことも理解されよう。これに対し、要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と記載される場合には、介在する要素が存在しない。
【0091】
提示の実施形態は、グラフィカル・コンピュータ・プログラミング言語で作成され、(ストレージ・アクセス・ネットワーク等における、ディスク、テープ、物理ハード・ドライブ、または仮想ハード・ドライブなどの)コンピュータ記憶媒体に記憶され得る、集積回路チップの設計を含んでよい。設計者がチップ、またはチップの製造に用いられるフォトリソグラフィのマスクを製造しない場合、設計者は、結果として得られる設計を、物理的手段により(例えば、設計を記憶した記憶媒体のコピーを提供することにより)または電子的に(例えばインターネットを介して)、そのようなエンティティに直接または間接的に伝送してよい。記憶された設計は次いで、典型的にはウェハ上に形成されるべき当該チップ設計の複数のコピーを含む、フォトリソグラフィのマスクの製造のための適切なフォーマット(例えばGDSII)に変換される。フォトリソグラフィのマスクは、エッチングまたは他の処理が行われるべきウェハの領域を(またはウェハ上の層あるいはその両方)を画定するために利用される。
【0092】
本明細書に記載の方法は、集積回路チップの製造に用いられてよい。結果として得られる集積回路チップは、未加工のウェハの形態で(つまり複数の未パッケージングのチップを有する単一のウェハとして)、ベア・ダイとして、またはパッケージング済みの形態で、製造者により配布されてよい。後者の場合、チップは、(マザーボードまたは他のより上位のキャリアに取り付けられたリードを有するプラスチック・キャリアなどの)シングル・チップ・パッケージに、または(表面配線または埋め込み配線のいずれかまたは両方を有するセラミック・キャリアなどの)マルチチップ・パッケージに実装される。いずれの場合も、チップは次いで、(a)マザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品のいずれかの一部として、他のチップ、ディスクリート回路素子、または他の信号処理デバイスあるいはそれらの組合せと統合される。最終製品は、玩具および他のローエンド用途から、ディスプレイ、キーボードまたは他の入力デバイス、および中央プロセッサを有する先進的コンピュータ製品にまで及ぶ集積回路チップを含む任意の製品であってよい。
【0093】
例えばSiGeのように、列挙される複数の元素に関して材料化合物が説明されることも理解されるべきである。これらの化合物は、化合物内の元素の様々な割合を含み、例えば、SiGeはSiGe1-xを含み、xは1以下である、等である。加えて、他の要素が化合物に含まれ、提示の原理に従って機能してもよい。追加の元素を有する化合物は、本明細書において合金と称される。
【0094】
本明細書における「1つの実施形態」または「一実施形態」という記載、および他の変形は、当該実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、特性等が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体における様々な箇所に現れる「1つの実施形態において」または「一実施形態において」という語句の出現、および任意の他の変形は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。
【0095】
例えば「A/B」、「Aおよび/またはB」および「AおよびBのうちの少なくとも1つ」といった場合における、「/」、「および/または」、および「うちの少なくとも1つ」のいずれかの使用は、1番目に挙げた選択肢(A)のみの選択、または2番目に挙げた選択肢(B)のみの選択、または両方の選択肢(AおよびB)の選択を包含することを意図したものであることを理解されたい。さらなる例として、「A、B、および/またはC」および「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」といった場合、そのような語句は、1番目に挙げた選択肢(A)のみの選択、または2番目に挙げた選択肢(B)のみの選択、または3番目に挙げた選択肢(C)のみの選択、または1番目および2番目に挙げた選択肢(AおよびB)のみの選択、または1番目および3番目に挙げた選択肢(AおよびC)のみの選択、または2番目および3番目に挙げた選択肢(BおよびC)のみの選択、または3つの選択肢全て(AおよびBおよびC)の選択を包含することを意図したものである。これは、当技術分野および関連技術分野における当業者には容易に明らかとなるように、挙げられる項目の数について拡張されてよい。
【0096】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示的実施形態を限定することを意図したものではない。本明細書で用いる場合、単数形の「一の」および「その」は、文脈によりそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、本明細書において用いられる用語「備える」または「含む」あるいはその両方は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、または構成要素あるいはそれらの組合せの存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらの群あるいはそれらの組合せの存在または追加を排除するものではないことが理解されよう。
【0097】
「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等のような空間的に相対的な用語は、本明細書において、図面に示されている1つの要素または特徴の、別の要素または特徴に対する関係を説明するための説明を容易にするために用いられてよい。これらの空間的に相対的な用語は、図面に示されている向きに加えて、使用中または動作中におけるデバイスの様々な向きを包含することを意図したものであると理解されよう。例えば、図面におけるデバイスが裏返された場合、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあるものとして説明されている要素は、当該他の要素または特徴の「上方」に向くことになる。よって、「下方」という用語は、上方および下方の向きの両方を包含してよい。デバイスは、他の向きであって(90度または他の向きに回転されて)もよく、本明細書において用いられる空間的に相対的な説明は、それに応じて解釈されてよい。加えて、層が2つの層の「間」にあると記載される場合、これは2つの層の間の唯一の層であってもよく、あるいは1つまたは複数の介在層が存在してもよいことも理解されよう。
【0098】
本明細書において、様々な要素を説明するために、第1、第2等の用語が用いられる場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ用いられる。よって、提示の概念の範囲から逸脱しない限りにおいて、以下で論じられている第1の要素が、第2の要素と称されてもよい。
【0099】
デバイス、およびデバイスを製造する方法の好適な実施形態(それらは例示であり限定ではないことが意図されている)を説明したが、上記の教示に照らして、修正および変形が当業者によりなされてよいことに留意されたい。したがって、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内における変更が、開示されている特定の実施形態においてなされてよいことを理解されたい。ここまで、特許法により要求される詳細および特定事項と共に本発明の態様を説明したが、特許状により保護される、特許請求され求められる事項が、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】