IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 天揚精密科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-電子ロックと電子キーのシステム 図1
  • 特表-電子ロックと電子キーのシステム 図2
  • 特表-電子ロックと電子キーのシステム 図3
  • 特表-電子ロックと電子キーのシステム 図4
  • 特表-電子ロックと電子キーのシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】電子ロックと電子キーのシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20231227BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
E05B47/00 U
E05B19/00 J
E05B47/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536443
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2021140231
(87)【国際公開番号】W WO2022135423
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011552270.5
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】518143495
【氏名又は名称】天揚精密科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】▲ライ▼ 建州
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲ディ▼程
(57)【要約】
【目的】本発明は、電子ロックと電子キーのシステムを提供する。
【解決手段】電子ロック(3)と電子キー(2)のシステム(1)は、第1プロセスモジュール(22)、第1ストレージモジュール(23)、電源モジュール(21)および第1端子(24)を含む電子キー(2)と、第2プロセスモジュール(32)、第2ストレージモジュール(33)、ロックシリンダーモジュール(31)および第2端子(34)を含む電子ロック(3)と、を備え、電子キー(2)が電子ロック(3)とペアリング設定されたとき、第1端子(24)は第2端子(34)と電気的に接続され、第1プロセスモジュール(22)または第2プロセスモジュール(32)は少なくとも1つの電子暗号キーを自動的に生成し、少なくとも1つの電子暗号キーは第1ストレージモジュール(23)および第2ストレージモジュール(33)に格納され、ペアリング設定動作が完了し、施錠または解錠する際に、第1端子(24)が第2端子(34)に電気的に接続され、第1プロセスモジュール(22)または第2プロセスモジュール(32)は、電子キー(2)と電子ロック(3)に格納された少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングすることを判別した場合、電源モジュール(21)は接続された電子ロック(3)に電源を供給し、施錠動作または解錠動作を発動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロセスモジュール、第1ストレージモジュール、電源モジュールおよび第1端子を含み、前記第1プロセスモジュールは、前記第1ストレージモジュール、前記電源モジュールおよび前記第1端子に電気的に接続される、電子キーと、
第2プロセスモジュール、第2ストレージモジュール、ロックシリンダーモジュールおよび第2端子を含み、前記第2プロセスモジュールは、前記第2ストレージモジュール、前記ロックシリンダーモジュールおよび前記第2端子に電気的に接続される、電子ロックと、を備え、
前記電子キーが前記電子ロックとペアリング設定されたとき、前記第1端子は前記第2端子と電気的に接続され、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールは少なくとも1つの電子暗号キーを自動的に生成し、前記少なくとも1つの電子暗号キーは前記第1ストレージモジュールおよび前記第2ストレージモジュールに格納され、ペアリング設定動作が完了し、施錠または解錠する際に、前記第1端子が前記第2端子に電気的に接続され、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールは、前記電子キーと前記電子ロックに格納された前記少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングすることを判別した場合、前記電源モジュールは接続された前記電子ロックに電源を供給し、施錠動作または解錠動作を発動することを特徴とする、電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項2】
前記第1ストレージモジュールが抹消暗号キーを格納し、ペアリング設定時に前記第2ストレージモジュールに前記抹消暗号キーが複製され、格納される、請求項1に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項3】
前記電子ロックは形状記憶合金錠であり、前記ロックシリンダーモジュールは形状記憶合金ユニットを含み、前記形状記憶合金ユニットは、特定の温度範囲で形状が可逆的に変化する少なくとも1つの金属合金を含む、請求項1に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項4】
前記電子キーは、複数の前記電子ロックとの前記ペアリング設定動作を繰り返し実行でき、複数の前記電子ロックとのペアリング設定によって自動的に生成された複数の前記少なくとも1つの電子暗号キーを格納することができる、請求項1に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項5】
前記電子キーまたは前記電子ロックに格納された前記抹消暗号キーまたは前記少なくとも1つの電子暗号キーを設定、削除、または変更するために使用される編集管理装置をさらに含む、請求項2に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項6】
前記編集管理装置が前記電子キーまたは前記電子ロックと同じ前記抹消暗号キーを有する、請求項5に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電子暗号キーは少なくとも一対のランダムな乱数である、請求項1に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項8】
前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールが、前記電子キーと前記電子ロックの前記抹消暗号キーが同じであることを判別すると、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールは、前記電子ロックに格納されている前記抹消暗号キーおよび前記少なくとも1つの電子暗号キーを削除または変更する、請求項2に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項9】
スレーブ電子キーをさらに含み、前記電子キーと前記スレーブ電子キーが電気的に接続されると、前記電子キーは、格納されている前記少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部を前記スレーブ電子キーに格納する、請求項1に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項10】
前記電子キーが同時に別の電子キーのスレーブ電子キーである場合、前記電子キーに格納された前記抹消暗号キーが紐付け対応する前記少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部のみが前記スレーブ電子キーに格納される、請求項2に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。
【請求項11】
前記電子キーは、前記第1プロセスモジュールをウェイクアップさせる起動ボタンをさらに含み、前記第1プロセスモジュールは、削除動作、抹消暗号キー設定動作、認可動作、前記ペアリング設定動作、前記施錠動作または前記解錠動作の完了後、スリープ状態に入る、請求項1に記載の電子ロックおよび電子キーのシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の電子ロックと電子キーのシステムに関し、特に電子ロックは電源が設けられておらず、電子キーはペアリング設定情報をマッチング比較し、電源を電子ロックに送信することで施錠・解錠動作を発動する。
【背景技術】
【0002】
従来のロックツールは、ロックツールを開くために対応する物理的な金属キーを必要とし、住居の門やドアのロック、自動車やオートバイのロック、会社の扉のロック、引き出しのロックなど、日常生活のいたるところに従来のロックツールが存在し、施錠または解錠するために、結果として数多くの鍵を身体上に携帯する必要があり、また一般的に各種の鍵の形状やサイズはそれぞれ異なり、かつ数が多く、持ち運びや保管の際に、ポケットに入れるか財布に入れるかに関わらずいずれも非常に整理し難く、重くてかさばるものであり、また鍵を失くし易い、あるいは外出時に携帯し忘れ易いものであり、施錠や解錠に際して往々にしてユーザを困らせるものである。
【0003】
従来のロックツールはさらにロックピン、スライダ、シャフト、カムなど様々な部品で構成されており、物理的な金属キーをロックシリンダーのキー穴に挿入し、回転によりシャフトを動かし、シャフト上のカムの回転によりスライダを推し動かし、スライダがロックピンを推し動かすことによりロックツールの施錠が完了するものであり、従来のロックツールは部品点数が多く、部品同士の接続関係が複雑なため、製造時に煩雑な工程が必要で、各部品を製造した後、ひとつずつ組み立てるため、人手と組み立て時間がかかり、製造コストも高く、ロックツールの価格は高いままである。
【0004】
市販の電子ロックの設計上、電子ロックは通常、コンピュータによる設定が必要であり、かつ既存のパスワード暗号化技術では、暗号化のための暗号キーが必要であり、暗号化の難易度を上げるために、よりバイト(Bytes)の多い暗号キーで暗号化する、または生体特徴の一意性を検証条件として利用する方法で、企図している人によって破られるのを防止する必要があり、より多くのバイトを持つキーは、より優れた性能を有するプロセッサで計算することが必要であり、またより多くのストレージ空間を必要とし、さらに生体特徴の判別には特殊な検証モジュールが必要になり、ハードウェアの設計コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の様々な従来のロックツールの欠点を改善するために、本発明は、特に電子暗号キーのペアリング設定および施錠または解錠の判別操作について、従来技術の欠点を解決するように電子ロックおよび電子キーのシステムを設計し、多数の鍵を持ち運ぶ保管の利便性を解決し、鍵とロックツール間の安全性、ロックツールの信頼性、コストダウンなどについて向上を提示し、それはまた必要とされるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電子キーと電子ロックを接続した後、コンピュータの設定を必要とせずにペアリング設定を自動的に紐付けして、それによってユーザの設定利便性を向上させることを特徴とする電子ロックと電子キーのシステムを提供する。
【0007】
本発明の別の特徴は、電子キーと電子ロックのペアリング設定が紐づけされると、電子暗号キーがランダムな乱数で自動的に生成され、何人も該電子暗号キーをのぞき見したり、知ったりすることができないため、電子ロックと電子キーのシステムの安全性を向上することができる。
【0008】
本発明の別の特徴は、電子キーは数百以上の電子ロックとペアリング設定を紐づけでき、かつ物理的な接続により施錠または解錠でき、ユーザは電子暗号キーを記憶する必要がなく、多数の鍵を保管または標記する必要もなく、これによりユーザの操作実用性を簡素化し、向上させる。
【0009】
本発明の別の特徴は、電子ロック自体が電源を含まず、電子キーが電力を供給することによって動作することで、電子ロックおよび電子キーのシステムの信頼性および適応性を向上させる。
【0010】
本発明の別の特徴は、従来の駆動モータを形状記憶合金ワイヤに置き換えて、電子ロックおよび電子キーのシステムの製造コストを削減する。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明で開示される電子ロックおよび電子キーのシステムは、第1プロセスモジュール、第1ストレージモジュール、電源モジュールおよび第1端子を含み、前記第1プロセスモジュールは、前記第1ストレージモジュール、前記電源モジュールおよび前記第1端子に電気的に接続される、電子キーと、第2プロセスモジュール、第2ストレージモジュール、ロックシリンダーモジュールおよび第2端子を含み、前記第2プロセスモジュールは、前記第2ストレージモジュール、前記ロックシリンダーモジュールおよび前記第2端子に電気的に接続される、電子ロックと、を備え、そのうち、前記電子キーが前記電子ロックとペアリング設定されたとき、前記第1端子は前記第2端子と電気的に接続され、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールは少なくとも1つの電子暗号キーを自動的に生成し、前記少なくとも1つの電子暗号キーは前記第1ストレージモジュールおよび前記第2ストレージモジュールに格納され、ペアリング設定動作が完了し、施錠または解錠する際に、前記第1端子が前記第2端子に電気的に接続され、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールは、前記電子キーと前記電子ロックに格納された少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングすることを判別した場合、前記電源モジュールは接続された前記電子ロックに電源を供給し、施錠動作または解錠動作を発動する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明が開示する電子ロックと電子キーのシステムは、前記第1ストレージモジュールが抹消暗号キーを格納し、ペアリング設定時に前記第2ストレージモジュールに前記抹消暗号キーが複製され、格納される。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記電子ロックは形状記憶合金錠であり、前記ロックシリンダーモジュールは形状記憶合金ユニットを含み、前記形状記憶合金ユニットは、特定の温度範囲で形状が可逆的に変化する少なくとも1つの金属合金を含む。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記電子キーは、複数の前記電子ロックとの前記ペアリング設定動作を繰り返し実行でき、複数の前記電子ロックとのペアリング設定によって自動的に生成された複数の前記少なくとも1つの電子暗号キーを格納することができる。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、さらに、前記電子キーまたは前記電子ロックに格納された前記抹消暗号キーまたは前記少なくとも1つの電子暗号キーを設定、削除、または変更するために使用される編集管理装置を含む。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記編集管理装置が前記電子キーまたは前記電子ロックと同じ前記抹消暗号キーを有する。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記少なくとも1つの電子暗号キーは一対のランダムな乱数である。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記第1端子と前記第2端子が電気的に接続され、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールが、前記電子キーと前記電子ロックの前記抹消暗号キーが同じであることを判別すると、前記第1プロセスモジュールまたは前記第2プロセスモジュールは、前記電子ロックに格納されている前記抹消暗号キーおよび前記少なくとも1つの電子暗号キーを削除または変更する。
【0019】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、スレーブ電子キーをさらに含み、前記電子キーと前記スレーブ電子キーが電気的に接続されると、前記電子キーは、格納されている前記少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部を前記スレーブ電子キーに格納する。
【0020】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記電子キーが同時に別の電子キーのスレーブ電子キーである場合、前記電子キーに格納された前記抹消暗号キーが紐付け対応する前記少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部のみが前記スレーブ電子キーに格納される。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本発明で開示する電子ロック及び電子キーのシステムは、前記電子キーは、前記第1プロセスモジュールに用いる起動ボタンをさらに含み、前記第1プロセスモジュールは、削除動作、抹消暗号キー設定動作、認可動作、ペアリング設定動作、施錠動作または解錠動作の完了後、スリープ状態に入る。
【0022】
本発明の上記特徴および利点をより理解しやすくするために、以下の特定の実施形態を例として、添付の図面と併せて以下のように詳細に説明を行う。上記の総体的な説明と以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、本発明に対してさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【0023】
本発明において開示される電子ロックおよび電子キーのシステムの詳細な構造、特長、組み立てまたは使用法は、以下の実施形態で詳細に説明にされる。しかし、本発明の分野の当業者は、本発明を実施するために列挙された詳細な説明および特定の例は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明の技術案を限定するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による電子ロックおよび電子キーのシステムの概略図である。
図2】本発明の一実施形態による電子キーの概略図である。
図3】本発明の一実施形態による電子ロックの概略図である。
図4】本発明の別の実施形態による電子ロックおよび電子キーのシステムの概略図である。
図5】本発明の別の実施形態による編集管理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、電子ロックと電子キーのシステム1には電子キー2と電子ロック3が含まれ、電子キー2が電子ロック3と接続されペアリング設定がされると、ペアリング設定情報がそれぞれ電子キー2と電子ロック3に格納されて、ペアリング設定動作が完了し、それから電子キー2と施錠または解錠したい電子ロック3と接続することにより、ペアリング設定情報が互いに一致すると判別された場合、施錠または解錠が実行され、ここで、ペアリング設定情報は少なくとも1つの電子暗号キーを含むか、または抹消暗号キーを検証するメカニズムにおいて、ペアリング設定情報が抹消暗号キーおよび少なくとも1つの電子暗号キーを含む。
【0026】
図2を参照すると、電子キー2は、ハンドヘルドデバイスであり、たとえば携帯電話、リモコン、キーリング、またはUSBフラッシュドライブ(USB flash drive)などの形態の装置であり、電子キー2には第1プロセスモジュール22、第1ストレージモジュール23、電源モジュール21および第1端子24が含まれ、第1プロセスモジュール22はそれぞれ第1ストレージモジュール23、電源モジュール21および第1端子24に電気的に接続され、第1ストレージモジュール23は異なる機能要求に従って少なくとも1つの電子暗号キーまたは抹消暗号キーを選択的に格納できる。
【0027】
第1プロセスモジュール22は電子キー2の計算コアであり、第1プロセスモジュール22により少なくとも1つの電子暗号キーを自動的に生成するように選択的に設定することができ、ペアリング設定情報は、少なくとも一つの電子暗号キーを含む、または抹消暗号キーを検証するメカニズムに抹消暗号キーおよび少なくとも1つの電子暗号キーを含むことができ、第1プロセスモジュール22は、たとえば、マイクロコントローラ(Micro Control Unit、MCU)またはさまざまなアクティブおよびパッシブコンポーネントで構成されたモジュールでもよいが、これらに限定されず、第1プロセスモジュール22には、中央処理装置(図示せず)、メモリユニット(図示せず)、クロックユニット(図示せず)、各種入力及び出力インターフェース(図示せず)などのユニットを含み、本発明の一実施形態では、第1プロセスモジュール22は、複数のユニットが統合された集積回路チップに相当し、複数のユニットがマイクロ化された集積回路チップに統合されることにより、第1プロセスモジュール22の体積が縮小され、電子キー2中に設けられるのに便利であり、空間利用に対しても効果的で好ましく、電子キー2の外観サイズをマイクロ化した設計とすることが可能であり、第1プロセスモジュール22は第1端子24が第2端子34に接続されることにより、ステータス信号、ペアリング設定情報、施錠コマンドまたは解錠コマンドをシリアルまたはパラレルに伝送することができ、また第2プロセスモジュール32により伝送されるペアリング設定情報と、電子キー2に格納された少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングするかどうかの第1プロセスモジュール22による判別を選択的に設定することにより、対応する施錠動作または解錠動作を実行するよう第2プロセスモジュール32に施錠コマンドまたは解錠コマンドを送るかどうかを判断するのに利便を有する。ステータス信号は第1端子24と第2端子34が接続されたとき、電子キー2または電子ロック3がペアリング設定が紐付けされているか、あるいはペアリング設定が紐付けされていない状態であるかを判別し、接続後にペアリング設定動作を行う、またはペアリング設定情報がマッチングすると判別された対応する施錠動作または解錠動作を行う必要があると判断し、電子キー2または電子ロック3に少なくとも1つの電子暗号キーのペアリング設定情報が格納されている場合、電子キー2または電子ロック3はペアリング設定が紐づけされており、電子キー2または電子ロック3にまだ少なくとも1つの電子暗号キーのペアリング設定情報が格納されていない場合は、電子キー2または電子ロック3はペアリング設定が紐付けされていない状態である。
【0028】
また、異なる電子キーの第1端子24同士が接続された場合は、ステータス信号または認可動作がシリアルまたはパラレルで送信され、ステータス信号は第1端子24が別の第1端子24と接続された場合、電子キー2の第1プロセスモジュール22は電子キー2がペアリング設定が紐付けされているか、またはペアリング設定が紐付けされていない状態かを判別し、接続後に認可動作を実行する必要があると判断し、電子キー2に少なくとも1つの電子暗号キーのペアリング設定情報が格納されていれば、電子キー2はペアリング設定が紐づけられており、電子キー2に少なくとも1つの電子暗号キーのペアリング設定情報が格納されていなければ、電子キー2はペアリング設定が紐付けされていない状態である。
【0029】
第1ストレージモジュール23は例えばメモリやハードディスクなどのストレージ装置であり、第1ストレージモジュール23は各電子ロック3のペアリング設定情報を格納するために使用され、電子ロック3が未だ電子キー2と接続されてペアリング設定されていない場合、第2ストレージモジュール33中にはペアリング設定情報は存在せず、電子キー2が電子ロック3に接続されてペアリング設定がされた後、第2ストレージモジュール33にペアリング設定情報が格納され、ペアリング設定情報は、少なくとも1つの電子暗号キーを含む、または抹消暗号キーの検証メカニズムに、抹消暗号キー及び少なくとも1つの電子暗号キーを含むことができる。
【0030】
電源モジュール21は、充電可能な充電式バッテリーまたは交換可能なバッテリーであり、電源モジュール21は、第1プロセスモジュール22、第1ストレージモジュール23、および第1端子24に直接的または間接的に電気的に接続され、第1プロセスモジュール22、第1ストレージモジュール23、および第1端子24に必要な電力を提供し、間接的な電気的接続とは、第1プロセスモジュール22を介して第1ストレージモジュール23および第1端子24に電力を供給することを指す。また、電子キー2は、さらに警告モジュール(図示せず)を含み、警告モジュールは、例えば、LED表示灯、ブザーまたは振動ユニットであり、第1プロセスモジュール22が、電源モジュール21の電力が設定値よりも低いことを検出した場合、警告信号を生成する。警告信号は、例えば、振動警告、音警告、点滅光警告、または上記の警告方法の少なくとも1つ以上の警告方法であり、電子キー2は、警告信号を通じてできるだけ早くバッテリーを交換するか、充電するようにユーザに注意喚起し、施錠または解錠ができないといった困難に陥ることを効果的に防止する。
【0031】
電子キーは、スリープ状態を使用して電力を節約するか、電力を節約しないかを選択でき、たとえば、電子キー2は、アイドル状態のときにスリープ状態に入り、たとえば、電子キーが数分間使用されていないとき、スリープ状態への進入を開始し、電源モジュール21の電力消費を削減し、電子キー2がスリープ状態でトリガー信号を受信すると、電子キー2をウェイクアップさせることができ、例えば,電子キー2は少なくとも1つのボタンをさらに含むことができ、少なくとも1つのボタンには起動ボタンが含まれ、起動ボタンを押すとトリガー信号が生成され、第1プロセスモジュール22をウェイクアップさせ、また第1プロセスモジュール22の削除動作、抹消暗号キー設定動作、認可動作、ペアリング設定動作、施錠動作または解錠動作が完了するとスリープ状態に入り、ここで、削除動作とは、電子キー2または電子ロック3に格納されている抹消暗号キーまたは少なくとも1つの電子暗号キーを削除することである。抹消暗号キーの設定動作は電子キー2に抹消暗号キーを設定して格納することで、また例えば電子キー2がスリープ状態のとき、電子キー2が電子ロック3に接続されると、電子キー2と電子ロック3が接続した瞬間にトリガー信号が生成され、それから第1プロセスモジュール22がウェイクアップされ、電子キー2を動作状態に復元し、スリープ状態の設計により、電子キー2の使用時間を効果的に延長し、電源モジュール21の交換頻度を減らす、または電源モジュール21の充電頻度を減らすことができるが、本発明はスリープ状態によって限定されない。
【0032】
第1端子24は電子キー2の接続インターフェースであり、第1端子24は伝送線を介して電子ロック3に信号を送信し、また電力を供給し、第1プロセスモジュール22は第1端子24を介して電子ロック3と通信し、電源モジュール21は第1端子24を介して電子ロック3に電力を供給し、電子ロック3は電源モジュール21の電力を使用して動作し、第1端子24は、例えば、USB、Thunderbolt、RS‐232、または独自開発のハードウェア仕様を採用する。
【0033】
図3を参照すると、電子ロック3には、第2プロセスモジュール32、第2ストレージモジュール33、ロックシリンダーモジュール31および第2端子34が含まれ、第2プロセスモジュール32は、第2ストレージモジュール33、ロックシリンダーモジュール31および第2端子34に電気的に接続される。電子ロック3で必要な電力は外部の電子キー2で提供されるため、電力不足の問題を心配する必要がなく、電子ロック3の耐環境性が向上し、電子ロック3はたとえば自転車のロック、ウィンドウロック、南京錠、スーツケースのロック及び引き出しのロックなどのロックツールに限らず、ロックする必要がある機構であればいずれも本発明の電子ロック3を用いることができる。
【0034】
第2プロセスモジュール32は電子ロック3の計算コアであり、第2プロセスモジュール32により少なくとも1つの電子暗号キーを自動的に生成するように選択的に設定することができ、ペアリング設定情報は、少なくとも一つの電子暗号キーを含む、または抹消暗号キーを検証するメカニズムに抹消暗号キーおよび少なくとも1つの電子暗号キーを含むことができ、第2プロセスモジュール32と上記の第1プロセスモジュール22は同じ構造であるのでここでは繰り返しの説明は行わない。第2プロセスモジュール32は第2端子34を介して第1端子24に接続されて通信し、ステータス信号、ペアリング設定情報をシリアルまたはパラレルで送信し、また、第1プロセスモジュール22により伝送されたペアリング設定情報が電子ロック3に格納された少なくとも一つの電子暗号キーと互いにマッチングするかどうかの第2プロセスモジュール32による判別を選択的に設定し、対応する施錠動作または解錠動作を行うかどうかを判断するのに利便を有する。ステータス信号は、第1端子24と第2端子34が接続された場合に、電子キー2または電子ロック3がペアリング設定が紐付けされているか、ペアリング設定が紐付けされてない状態であるかを判別し、接続後にペアリング設定動作を行う、または対応する施錠動作または解錠動作のマッチング判別を行う必要があると判断する。
【0035】
第2ストレージモジュール33は、たとえば、メモリやハードディスクなどのストレージ装置であり、第2ストレージモジュール33はペアリング設定情報を格納するために使用され、ペアリング設定情報は少なくとも1つの電子暗号キーを含む、または抹消暗号キーの検証メカニズムに、ペアリング設定情報が抹消暗号キー及び少なくとも1つの電子暗号キーを含むことができ、電子ロック3がまだ電子キー2と接続せずペアリング設定されていない場合、第2ストレージモジュール33にはペアリング設定情報中の少なくとも一つの電子暗号キーは存在せず、電子キー2と電子ロック3が接続されてペアリング設定された後、第2ストレージモジュール33にペアリング設定情報が格納される。
【0036】
電子ロック3は形状記憶合金錠であり、ロックシリンダーモジュール31は形状記憶合金ユニット(Shape Memory Alloys、SMA)(図示せず)およびラッチユニット(図示せず)を含み、形状記憶合金ユニットは特定の温度範囲で形状が可逆的に変化可能な少なくとも一つの金属合金を含み、ロックシリンダーモジュール31内の記憶合金ユニットとラッチユニットが相互接続し、ラッチユニットは、たとえば一つのロックピンまたはロックピンと連動機構の組み合わせであり、記憶合金ユニットとラッチユニットが相互接続して、施錠位置と解錠位置の間を移動することにより、施錠または解錠の機能を実現する。
【0037】
形状記憶合金ユニットに電流が流れると、電気エネルギーから熱エネルギーが発生し、形状記憶合金ユニットの合金材料の温度が上昇し、特定の温度範囲まで温度が上昇すると、形状記憶合金ユニットの合金材料は、相変化により変形し、直接または間接的にラッチユニットを引っ張って施錠位置と解錠位置の間を移動するため、電子ロック3施錠または解錠され、ロックシリンダーモジュール31の形状記憶合金ユニットの構造は簡潔であり、モータの設計は省略され、記憶合金ユニットとラッチユニットの作動設計構造は簡単で低コストであり、製造プロセスは簡単である。ロックシリンダーモジュール31は形状記憶合金ユニットによってラッチユニットを動かす、ロックシリンダーモジュール31内部が駆動するので、モータの機械的故障による損傷を減らすことができ、電子ロックはより優れた信頼性と適応性を備えており、上記特性により、形状記憶合金ユニットは従来のロックツールの複雑な構造設計に取って代わることができ、温度の変化を利用して形状記憶合金ユニットの形状を変化させて、施錠と解錠の位置で移動するようラッチユニットを動かして、施錠または解錠動作を完了するが、本発明における電子ロック3の施錠動作または解錠動作は、これに限定されない。
【0038】
第2端子34は電子ロック3の接続インターフェースであり、電子キー2と電子ロック3はそれぞれ第1端子24と第2端子34が伝送線を介して電気的に接続され、ステータス信号、ペアリング設定情報、施錠コマンドまたは解錠コマンドを相互に伝送し、電子ロック3自体は電源を持たないため、電子ロック3は第2端子34と第1端子24の接続を介して、電子キー2の電源モジュール21が提供する電力が電子ロック3に供給され、電子ロック3は電源モジュール21の電力を用いて運転及び作動し、ここで第1端子24は、たとえば、USB、Thunderbolt、RS‐232、または独自開発のハードウェア仕様を採用する。
【0039】
ペアリング設定情報に少なくとも一つの電子暗号キーが含まれているとき、電子ロック3がいずれの電子キー2ともペアリング設定されていない場合、第2ストレージモジュール33中の電子暗号キーを有しないペアリング設定情報は、電子キー2の第1端子24と電子ロック3の第2端子34が接続することにより、電子ロック3の電子暗号キーが設定され、電源モジュール21は第1端子24と第2端子34の接続を介して、電源モジュール21の電力を電子ロック3に伝送し、第2プロセスモジュール32と第1プロセスモジュール22は信号送信を行い、第1プロセスモジュール22は電子ロック3にペアリング設定情報が存在するかを検出し、たとえば、第1プロセスモジュールは照会コマンドを発し、続いて第2プロセスモジュール32は第1プロセスモジュール22にステータス信号を送信して、電子ロック3に電子暗号キーが格納されているかを判断し、第1プロセスモジュール22がステータス信号を受信すると、ペアリング設定動作を行う、対応する施錠動作または解錠動作を実行するかを判断する。
【0040】
ペアリング設定情報に少なくとも1つの電子暗号キーが含まれているとき、ペアリング設定動作は次のように説明される。第1端子24と第2端子34が電気的に接続され、電子キー2と電子ロック3がペアリング設定された場合、第1プロセスモジュール22と第2プロセスモジュール32は互いに通信し、電子ロック3が電子暗号キーを有しないとき、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は少なくとも一つの電子暗号キーとして少なくとも一つのランダムな乱数を自動生成し、電子キー2の第1ストレージモジュール23と電子ロック3の第2ストレージモジュール33に前記自動生成された少なくとも1つの電子暗号キーを含むペアリング設定情報を同時に格納し、コンピュータによる設定を必要とせずにペアリング設定動作を完了し、また電子キー2は複数の電子ロック3とペアリング設定動作を繰り返して実行して、複数の電子ロック3とのペアリング設定により自動生成された複数の少なくとも1つの電子暗号キーを格納することができ、また、少なくとも1つの電子暗号キーは一つのランダムな乱数、少なくとも1対のランダムな乱数、または3つ以上のランダムな乱数であり、少なくとも1つの電子暗号キーは、第1プロセスモジュール22により生成される、第2プロセスモジュール32により生成される、または第1プロセスモジュール22および第2プロセスモジュール32により共同で生成されてもよく、第1プロセスモジュール22及び第2プロセスモジュール32が少なくとも1つの電子暗号キーを共同で生成するとは、第1プロセスモジュール22および第2プロセスモジュール32がそれぞれ少なくとも1つの電子暗号キーを生成し、それらを第1ストレージモジュール23および第2ストレージモジュール33に格納し、相互の通信により判別することと定義する。ここで、少なくとも1つの電子暗号キーはランダムな乱数として生成され、少なくとも1つの電子暗号キーの内容は何人であってものぞき見したり、あるいは知ったりすることができず、少なくとも1つの電子暗号キーは高い機密性を有する。
【0041】
電子キー2の第1ストレージモジュール23は、複数の電子ロック3と紐づけ対応する複数のペアリング設定情報が含む複数の少なくとも1つの電子暗号キーを格納しており、すなわち、1本の電子キー2は第1ストレージモジュール23に格納された複数のペアリング設定情報中の複数の電子暗号キーを介して複数の電子ロック3を開き、電子キー2は自動的に数百以上のロックツールとペアリング設定を紐づけることができ、従来の複数のロックツールを開くときに、1対1で相互にマッチングする複数本のキーを持ち歩く必要がなく、施錠または解錠におけるユーザの利便性が大幅に向上する。
【0042】
さらに、ペアリング設定情報が少なくとも1つの電子暗号キーを含むように設定されている場合、他の電子キー2への電子キー2の認可、たとえば、電子キー2の第1ストレージモジュール23に格納され、少なくとも1つの電子ロック3と紐づけ対応する少なくとも1つのペアリング設定情報、即ち少なくとも1つの電子暗号キーのすべてまたは一部が他の電子キー2に格納され、他の電子キー2がスレーブ電子キーとして定義され、認可後、スレーブ電子キー2には、認可もととなる電子キー2の少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部が追加される。
【0043】
抹消暗号キーを検証するメカニズムでは、1本の電子キー2ごとに対応する一つの抹消暗号キーを設定することができ、たとえば、出荷前にプリセットすることができ、抹消暗号キーは第1端子24を介して第1ストレージモジュール23に格納され、電子キー2が電子ロック3に接続される前は、第1ストレージモジュール23は抹消暗号キーのみを格納しており、抹消暗号キーは、電子キー2の製品情報に関連付けて設定することができ、例えば、製造ロット番号を計算に使用して抹消暗号キーを取得する、あるいは製造ロット番号の特定の桁を抹消暗号キーとすることができ、またはさらに編集管理装置4を介して抹消暗号キーを設定または削除したりすることができ、編集管理装置4は電子キー2の第1端子24と接続し、編集管理装置4は第1端子24の送信を介して、編集管理装置4で設定し格納した電子キー2の出荷時と同じ抹消暗号キーまたは自ら設定した抹消暗号キーは、第1ストレージモジュール23にダウンロードして格納することができるため、各電子キー2は同じまたは異なる抹消暗号キーを有することができ、また、抹消暗号キーは電子キー2と電子ロック3のペアリング設定権限の判別と、他方の電子キー2に対する電子キー2の認可権限の制限に用いる。
【0044】
電子ロック3がまだいずれの電子キー2ともペアリング設定されていないとき、第2ストレージモジュール33中の抹消暗号キー及び電子暗号キーを有しないペアリング設定情報は、電子キー2の第1端子24と電子ロック3の第2端子34の接続を介して、電子ロック3の抹消暗号キーまたは少なくとも1つの電子暗号キーのペアリング設定情報を設定し、電源モジュール21が第1端子24と第2端子34の接続を介して、電源モジュール21の電力を電子ロック3に伝送し、電子ロック3が電力を受信すると、第2プロセスモジュール32と第1プロセスモジュール22は信号送信を行い、第1プロセスモジュール22は電子ロック3にペアリング設定情報が存在するかどうかを検出し、例えば第1プロセスモジュール22は照会コマンドを発し、続いて第2プロセスモジュール32は第1プロセスモジュール22にステータス信号を送信する。また、第1端子24と第2端子34が接続されているとき、ステータス信号は、電子ロック3がペアリング設定が紐づけられているか、ペアリング設定が紐づけられていない状態かを判別し、電子ロック3に抹消暗号キーまたは少なくとも一つの電子暗号キーを有するペアリング設定情報が格納されている場合、電子ロック3はペアリング設定が紐づけられており、電子ロック3が抹消暗号キーまたは少なくとも1つの電子暗号キーを有するペアリング設定情報がまだ格納されていない場合、電子ロック3はペアリング設定が紐づけられていない状態であり、第1プロセスモジュール22がステータス信号を受信すると、ペアリング設定動作、施錠動作または解錠動作のプロセスを実行するかを判断する。
【0045】
抹消暗号キーを検証するメカニズムにおける、ペアリング設定動作を次のように説明する。第1プロセスモジュール22と第2プロセスモジュール32は第1端子24と第2端子34の接続を介して、電子ロック3がまだペアリング設定されていないとの信号を第1プロセスモジュール22が検出した後、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は少なくとも一つの電子暗号キーとして少なくとも1つのランダムな乱数を自動的に生成し、少なくとも一つの電子暗号キーを第1ストレージモジュール23と第2ストレージモジュール33に格納し、第2ストレージモジュール33に電子キー2の抹消暗号キーを格納して、ペアリング設定が完了した電子ロック3の第2ストレージモジュール33に抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーを有するペアリング設定情報を具えさせる。電子キー2が複数のペアリング設定されていない電子ロック3と順次接続される場合、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は複数のランダムな乱数を複数のペアリング設定情報として順次自動的に生成し、各電子ロック3の第2ストレージモジュール33は、電子キー2の抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーを含む対応したペアリング設定情報を格納し、電子キー2の第1ストレージモジュール23に格納されるペアリング設定情報は、電子キー2の抹消暗号キー及び抹消暗号キーが紐づけ対応する複数の少なくとも1つの電子暗号キーを含み、第1ストレージモジュール23には複数の電子ロック3に対応する複数の電子暗号キーが格納される、つまり一本の電子キー2は、第1ストレージモジュール23に格納された複数の電子暗号キーを介して、複数の電子ロック3を開くことができ、電子キー2は、数百以上のロックツールで抹消暗号キーを具えた紐づくペアリング設定動作を自動的に行うことができ、従来の複数のロックツールを開くときに、1対1で相互にマッチングする複数本のキーを持ち歩く必要がなく、施錠または解錠におけるユーザの利便性が大幅に向上する。
【0046】
抹消暗号キーの検証メカニズムでは、抹消暗号キーは必要に応じて例えば少なくとも8つのバイト(Bytes)として設計でき、各バイトは8ビット(Bit)であるため、抹消暗号キーの組み合わせは264通りある。抹消暗号キーの機能の1つは、電子キー2および電子ロック3の制御権限を管理することであり、制御権限には、電子キー2が電子ロック3の抹消暗号キーおよび電子暗号キーを変更または削除する権限が含まれ、抹消暗号キーの別の1つの機能は、別の電子キー2に対する電子キー2の認可を制限するものであり、たとえば抹消暗号キーを有する電子キー2が認可の機能により、別の電子キー2に電子ロック3の施錠または解錠を制御する能力を認可し、認可後、別の電子キー2は、認可もととなる電子キー2の抹消暗号キーが紐づけ対応する少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部を取得できるが、認可もとと同じ抹消暗号キーを得ることはでず、したがって、認可された別の電子キー2には、認可もとの電子キー2と同じ抹消暗号キーが存在することはなく、認可もとの電子キー2と同じ抹消暗号キーを有する電子ロック3を変更することはできず、認可もとの電子キー2と同じ抹消暗号キーを有する電子ロック3を制御する能力をその他の電子キー2に再認可することもできない。
【0047】
抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キー2は抹消暗号キーによりメイン電子キー2とスレーブ電子キー2の2種類に区分され、電子キー2と電子ロック3のペアリング設定動作が完了した後、電子キー2と電子ロック3の両方がいずれも同じ抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーを含むペアリング設定情報を有し、抹消暗号キーが存在する電子キー2が別の電子キー2に認可動作を行う場合、電子キー2は抹消暗号キーと同じ紐づけ対応された少なくとも1つの電子暗号キーのすべてまたは一部を別の電子キー2に複製することができるだけであり、抹消暗号キーの設定は複製されることができず、電子ロックと同じ抹消暗号キーが存在する電子キー2は即ちメイン電子キー2であり、認可された別の電子キー2が電子ロック3と同じ抹消暗号キーを持たない場合、電子ロック3のスレーブ電子キー2と定義され、スレーブ電子キー2は認可された同じ抹消暗号キーが紐づけ対応された少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部の電子ロック3を制御する能力を持つが、認可もとの電子キー2と同じ抹消暗号キーが紐づけ対応された少なくとも1つの電子暗号キーを別の電子キー2に再認可する能力は有さず、また認可もとの電子キー2と同じ抹消暗号キーを持つ電子ロック3のペアリング設定情報を変更または削除する能力は有さず、それは認可時に抹消暗号キーを別の電子キー2に複製せず、抹消暗号キーにより電子キー2の認可及び変更または削除の権限を管理するからである。
【0048】
電子キー2の認可動作を以下のように説明する。電子キー2がスレーブ電子キー2に電気的に接続されると、電子キー2は第1端子24を介して別の電子キー2の第1端子24に接続され、電子キー2の第1プロセスモジュール22が第1ストレージモジュール23に格納されている少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部をスレーブ電子キー2の第1ストレージモジュール23に複製する。本実施形態では、電子キーとスレーブ電子キーは、伝送線を介して両者の第1端子24を相互に接続するが、これに限定されず、電子キー2は、接続後、自動的にまたは少なくとも1つのボタンを押すことによって、認可動作を開始する。抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キー2は第1端子24を介して別の電子キー2の第1端子24に接続され、電子キー2の第1プロセスモジュール22は、第1ストレージモジュール23中の抹消暗号キーが紐づけ対応する少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部をスレーブ電子キー2の第1ストレージモジュール23に複製して格納し、そのうち電子キー2は少なくとも1つのボタンを使用して、認可したい抹消暗号キーが紐づけ対応する少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部に対応する電子ロック3を選択することができ、それにより認可したい対応する少なくとも一つの電子暗号キーの全てまたは一部をスレーブ電子キー2に格納することができ、電子キー2のバックアップと認可のプロセスは簡単であり、コンピュータによる設定を必要としない。
【0049】
抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キー2が同時に別の電子キー2のスレーブ電子キー2である場合、電子キー2に格納された抹消暗号キーが紐づけ対応する少なくとも1つの電子暗号キーの全てまたは一部のみがスレーブ電子キー2に格納され、このうち、抹消暗号キーの紐づけとは、電子キー2と電子ロック3のペアリング設定動作時に、第1ストレージモジュール23または第2ストレージモジュール33に書き込まれた同一組の少なくとも1つの電子暗号キーと書き込まれた抹消暗号キーとが対応関係を構成することと定義され、つまり、抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キー2がペアリング設定で格納した少なくとも一つの電子暗号キーが、格納された抹消暗号キーと対応関係を形成し、電子キー2中には同じ抹消暗号キーが紐づけ対応された少なくとも1つの電子暗号キーを有し、電子キー2が同時に別の電子キー2のスレーブ電子キー2である場合、電子キー2の第1ストレージモジュール23は、抹消暗号キーに紐づけ対応された少なくとも1つの電子暗号キーと抹消暗号キーに紐づけられていない少なくとも1つの電子暗号キーを含む。このうち、抹消暗号キーに紐づけ対応する少なくとも1つの電子暗号キーは、スレーブ電子キー2を認可する権限を有し、抹消暗号キーが紐づけられていない少なくとも1つの電子暗号キーは他の電子キー2を認可する権限を有さず、本発明では抹消暗号キーを格納している電子キー2のみ、たとえば出荷時の設定または編集管理装置のリセット設定によってのみ、他のスレーブ電子キー2を認可する能力を有することができ、電子キー2は、少なくとも1つのボタンを押すことにより、認可したい同じ抹消暗号キーの電子ロック3のすべてまたは一部を選択し、対応する少なくとも1つの電子暗号キーのすべてまたは一部をスレーブ電子キー2に格納することができ、抹消暗号キーの設計により認可権限を管理することより、電子ロック3の権限を効果的に制御し、電子キー2の権限が乱用されることを防止する。
【0050】
電子キー2の第1プロセスモジュール22が認可動作にあるとき、複数組の電子暗号キーを第1ストレージモジュール23に受信し格納する場合、同じ電子暗号キーを有することが検出された場合、電子キー2の第1プロセスモジュール22は同じ電子暗号キーを第1ストレージモジュール23に重複して格納しないため、第1ストレージモジュール23のスペースを効果的に節約することができ、第1ストレージモジュール23のストレージ空間が使い果たされたとき、またはまもなく使い果たされそうであるとき、あるいは電子キー2の電源モジュール21の電力がしきい値を下回ったとき、電子キー2は警告モジュール(図示せず)を介して、例えばLEDの点灯表示灯やブザーの音など、警告信号を発して、電子キー2の正常な使用を維持するために、第1ストレージモジュール23の電子暗号キーを手動で選択削除するか、またはバッテリーを交換するようユーザに注意喚起する。
【0051】
ペアリング設定情報が少なくとも1つの電子暗号キーを含む、または抹消暗号キーの検証メカニズム中にペアリング設定情報が抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーを含むとき、電子暗号キーの機能は電子ロック3の施錠または解錠の判別根拠を確認することであり、電子暗号キーは第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32によって生成されるランダムな乱数であり、ランダムな乱数は少なくとも4つのバイト(Bytes)で設計され、各バイトは8ビット(Bit)であるため、ランダムな乱数の組み合わせは232通りあり、他の実施形態では、ランダムな乱数が2つで一組に設計され、ランダムな乱数の組み合わせは264通りに達するため、ランダムな乱数の重複率は非常に低く、解読されにくく、非常に高い安全性を備えており、電子キー2と電子ロック3はいずれも電子暗号キーが格納されており、電子ロック3と電子キー2の電子暗号キーが互いにマッチングしたとき、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は自動的に起動する、または施錠または解錠コマンドを発して、電源モジュール21にロックシリンダーモジュール31の形状記憶合金ユニットに電力を供給させ、ラッチユニットの動作を動かし、電子ロック3に施錠または解錠させることができ、本発明は生体特徴判別及び手動でのパスワード入力を必要とせず、高度な安全性を有する。
【0052】
電子キー2とペアリング設定された電子ロック3を施錠または解錠するとき、電子キー2と電子ロック3が第1端子24と第2端子34を介して電気的に接続され、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32はペアリング設定情報を発し、受信側の第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は、ペアリング設定情報と第1ストレージモジュール23または第2ストレージモジュール33に格納されている少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングすると判別すると、電源モジュール21は、接続された電子ロック3のロックシリンダーモジュール31に電源を提供し、対応する施錠動作または解錠動作を発動させ、電子キー2と電子ロック3の少なくとも一つの電子暗号キーが互いにマッチングするとは、電子暗号キーが同じと定義される、または同一組の電子暗号キーであると定義され、電子キー2と電子ロック3の間で送受信されるペアリング設定情報が同じ電子暗号キーを有していれば、互いにマッチングすると判定される。ペアリング設定情報が同一組の少なくとも2つ以上の電子暗号キーを含むように設定されている場合、電子キー2と電子ロック3の間で互いに送受信されるペアリング設定情報は同一組の電子暗号キーを有していれば、互いにマッチングすると判定される。ペアリング設定情報が少なくとも一組の対となる電子暗号キーを含むように設定されている場合、電子キー2および電子ロック3の間では、対となる電子暗号キーのうちの一つを順番どおりに発信し、対となる電子暗号キーの他方を順番どおりに正確に受信してはじめて互いにマッチングすると判定することができる。
【0053】
電子キー2と電子ロック3の間で、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32が、電子キー2と電子ロック3に格納されている少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングしていると判別すると、施錠動作または解錠動作を開始し、電子ロック3を元の施錠状態から解錠状態へ自動的に起動する、または電子ロック3を元の解錠状態から施錠状態へ自動的に起動してもよく、また電子キー2と電子ロック3の間で施錠コマンドまたは解錠コマンドを送信してもよく、たとえば、電子キー2と電子ロック3の間で送信されるペアリング設定情報に格納されている少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングするとき、自動的な起動または施錠コマンド或いは解錠コマンドに基づき、第2プロセスモジュール32が電子キー2の電源モジュール21を介して提供される電力によりロックシリンダーモジュール31の形状記憶合金ユニットを通電して加熱し、形状記憶合金ユニットの温度が上昇すると、形状記憶合金ユニットが変形し、それにより施錠の位置と解錠の位置の間を移動するようラッチユニットを動かし、電子ロック3を施錠または解錠し、電子ロック3が施錠または解錠した後、施錠または解錠完了の信号が電子キー2に送信され、電子キー2が施錠または解錠完了の信号を受信した後、電子ロック3の施錠または解錠が成功したことユーザに注意喚起する。電子キー2と電子ロック3の間の少なくとも一つの電子暗号キーが互いにマッチングしないとき、電子ロック3は施錠動作または解錠動作を行わない。
【0054】
この実施形態では、電子キー2と電子ロック3の間のペアリング設定情報は、単独の一つ、複数または対となる電子暗号キーを選択的に設定することができ、単独の一つの電子暗号キーであるとき、電子キー2と電子ロック3が第1端子24および第2端子34によって接続され、電子キー2が電子ロック3に電力供給し、またペアリング設定動作を発動し、ペアリング設定時には、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32によりランダムな乱数の電子暗号キーが生成され、電子暗号キーはそれぞれ第1ストレージモジュール23と第2ストレージモジュール33に格納され、抹消暗号キーも第1ストレージモジュール23から第2ストレージモジュール33に複製され、電子キー2と電子ロック3のいずれもが電子暗号キーと抹消暗号キーを有する。電子キー2が電子ロック3を施錠または解錠させたいとき、第1端子24と第2端子34の接続によって、電源モジュール21の電力が電子ロック3に供給され、電子ロック3を起動させたのち、電子キー2とペアリング設定情報が互いにマッチングするかを相互検証した後、対応する施錠動作または解錠動作を発動し、第1プロセスモジュール22は電子暗号キーを有するペアリング設定情報を第2プロセスモジュール32に送信し、第2プロセスモジュール32はペアリング設定情報を受信し、第2ストレージモジュール33中の電子暗号キーと互いにマッチングするかどうかを判断し、互いにマッチングしていれば、対応する施錠動作または解錠動作を発動し、施錠動作または解錠動作は第2プロセスモジュール32がロックシリンダーモジュール31中の形状記憶合金ユニットに通電して加熱することを含んでもよく、形状記憶合金ユニットの温度が特定のしきい値まで上昇すると、形状記憶合金ユニットは収縮して変形し、施錠位置と施錠位置の間で移動するようラッチユニットを動かし、電子ロック3に施錠または解錠機能を実現させ、施錠または解錠が完了すると、第2プロセスモジュール32は施錠または解錠の完了の信号を第1プロセスモジュール22に返し、第1プロセスモジュール22は施錠または解錠の完了の信号を受信した後、電子キー2の点滅表示ライトを駆動し、ユーザに施錠または解錠を通知する。第2プロセスモジュール32が受信し、第2ストレージモジュール33中の電子暗号キーと互いにマッチングしないと判断した場合、電子ロック3は施錠動作または解錠動作を行わない。他の一つの電子キー2の複数の電子ロック3に対するペアリング設定動作、ペアリング設定情報の検証、および施錠動作または解錠動作は上記と同じであり、ここでは繰り返しての説明は行わない。
【0055】
1つの電子キー2と1つの電子ロック3の間のペアリング設定情報は、単独の一つ、複数または対となる電子暗号キーを含むように選択的に設定することができ、電子キー2が電子ロック3を施錠または解錠したいとき、第1端子24と第2端子34の接続を介して、電源モジュール21の電力が電子ロック3に供給され、電子ロック3を起動した後、電子キーとペアリング設定情報が互いにマッチングすることを相互検証してから、対応する施錠動作または解錠動作を発動し、第2プロセスモジュール32は少なくとも1つの電子暗号キーを含むペアリング設定情報を第1プロセスモジュール22に送信し、第1プロセスモジュール22はペアリング設定情報を受信した後、第1ストレージモジュール23に格納された少なくとも1つの電子暗号キーが互いにマッチングするかを判断し、互いにマッチングする場合、第1プロセスモジュール22は第2プロセスモジュール32に施錠コマンドまたは解錠コマンドを送信し、第2プロセスモジュール32が施錠コマンドを受信すると施錠動作を開始し、第2プロセスモジュール32が解錠コマンドを受信すると、解錠動作を開始し、施錠または解錠が完了すると、第2プロセスモジュール32は施錠または解錠完了の信号を第1プロセスモジュール22に返し、第1プロセスモジュール22は施錠または解錠完了の信号を受信した後、電子キー2の表示灯の点滅を駆動してユーザに施錠または解錠を通知する。第1プロセスモジュール22が受信し、ペアリング設定情報が第1ストレージモジュール23に格納されている少なくとも1つの電子暗号キーと互いにマッチングしないと判断した場合、電子ロック3は施錠動作または解錠動作を行わない。1つの電子キー2の複数の電子ロック3に対するペアリング設定動作、ペアリング設定情報の検証と施錠動作または解錠動作は上記と同じであるため、繰り返しての説明は行わない。ここで、電子暗号キーは、単独の一つ、複数、または対である実施形態に限定されず、電子キー2と電子ロック3における第1プロセスモジュール22と第2プロセスモジュール32との間の通信方法も上記の内容に限定されず、上記の説明は一種の実施例に過ぎず、本発明を限定するために使用するものではない。
【0056】
他の実施形態では、電子キー2と電子ロック3の安全性を向上させたい場合、ペアリング設定情報の設定は、複数組の対となる電子暗号キーを判断条件として含んでもよく、電子キー2と電子ロック3の間での複数組の対となる電子暗号キーの検証により、既定の組数の対となる電子暗号キーが満たされるまで判断を行う、または格納されるすべての組数の対となる電子暗号キーの比較判断を完了してから、電子ロック3が対応する施錠動作または解錠動作を実行できるようにしてもよい。
【0057】
抹消暗号キーを検証するメカニズムでは、ユーザが電子キー2または電子ロック3の電子暗号キーを変更する必要がある場合、たとえばスレーブ電子キー2が紛失または盗難にあった場合、電子ロック3が不当に開錠される疑いがある場合、電子暗号キーはいつでも変更または削除が可能であり、たとえば、電子ロック3の電子暗号キーまたは抹消暗号キーをリセットし、電子ロック3のペアリング設定情報を変更または削除するには、同じ抹消暗号キーを有する電子キー2に接続する必要があり、電子キー2と電子ロック3が第1端子24と第2端子34を介して電気的に接続され、ユーザは電子キー2のボタンをたとえば長押しすることで、電子ロック3のメカニズムの変更または削除を発動することができ、たとえば、異なる色の点灯表示により、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は、電子キー2と電子ロック3の抹消暗号キーが同じであることを判別した場合、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は電子ロック3に格納されている抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーを削除または変更し、電子ロック3の抹消暗号キーと電子暗号キーを変更または削除する必要がある場合、第1プロセスモジュール22と第2プロセスモジュール32は第1端子24と第2端子34の間の接続を介して互いに通信し、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32は電子キー2に格納された抹消暗号キーが電子ロック3に格納されている抹消暗号キーと同じかどうかを判断し、電子キー2と電子ロック3の抹消暗号キーが同じである場合、第1プロセスモジュール22と第2プロセスモジュール32は、変更または削除のコマンドを発し、第2ストレージモジュール33中の抹消暗号キーと電子暗号キーを変更または削除し、電子キー2と電子ロック3の抹消暗号キーが異なる場合、如何なる動作も行わず、抹消暗号キーの設定を介して、電子キー2と電子ロック3の電子暗号キーの変更または削除の権限を効果的に管理し、使用上のより良好な安全性を電子ロック3と電子キー2に具えさせる。
【0058】
抹消暗号キーの検証メカニズムでは、第2ストレージモジュール33中のペアリング設定情報が削除または変更された後、電子ロック3に抹消暗号キーと電子暗号キーの設定が存在しない場合、任意の電子キー2はいずれも電子ロック3に接続して改めてペアリング設定動作を行うことができ、第1プロセスモジュール22または第2プロセスモジュール32により少なくとも1つの電子暗号キーが生成され、それから少なくとも1つの電子暗号キーがそれぞれ第1ストレージモジュール23と第2ストレージモジュール33に格納されて、電子キー2の抹消暗号キーが第2ストレージモジュール33に書き込まれ、電子ロック3中の抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーのリセットが完了し、抹消暗号キーと少なくとも1つの電子暗号キーの変更により、電子ロック3の安全性が強化され、電子キー2が失われた場合でも、電子ロック3のペアリング設定情報をすぐに交換して、電子ロック3の保護力を確保することができる。
【0059】
図4を参照すると、抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キーと電子ロックシステム10はさらに編集管理装置4を含み、編集管理装置4はコンピュータまたはタブレットなどでもよく、編集管理装置4は、電子キー2または電子ロック3に格納される抹消暗号キーまたは少なくとも一つの電子暗号キーを設定、削除または変更するのに用いられ、また、編集管理装置は、選択した機能に応じて電子キーまたは電子ロックに対して抹消暗号キーまたは少なくとも一つの電子暗号キーを直接設定、削除、または変更することができ、編集管理装置は電子キーまたは電子ロックと同じ抹消暗号キーを有するとマッチングすれば、電子キーまたは電子ロックの抹消暗号キー及び電子暗号キーに対して、抹消暗号キーまたは少なくとも一つの電子暗号キーを設定、削除、または変更することができるようにしてもよく、編集管理装置4は、たとえば、コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、または計算能力を備えたデバイスであり、図5を参照すると、編集管理装置4は、第3端子44、第3プロセスモジュール42、第3ストレージモジュール43およびI/Oモジュール41を含み、このうち、第3プロセスモジュール42は第3端子44と第3ストレージモジュール43に接続し、第3端子44は第1端子24または第2端子34に接続して抹消暗号キーの設定情報を送信するために使用され、そのうち、第3端子44は、例えば、USB、ThunderboltまたはRS-232の伝送インターフェースであり、第3ストレージモジュール43は、例えばメモリやハードディスク等のストレージ装置であり、第3プロセスモジュール42は、例えば、中央処理装置またはマイクロプロセッサである。
【0060】
抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キー2が抹消暗号キーを削除または変更したい場合、編集管理装置4を介して抹消暗号キー設定動作を実行する必要があり、すなわち電子キー2と編集管理装置4は第1端子24と第3端子44の接続を介して、第1プロセスモジュール22および第3プロセスモジュール42を通信させ、ユーザは、編集管理装置4を操作することにより、たとえばユーザがI/Oモジュール41により削除コマンドを選択するか、抹消暗号キーの設定情報を入力して書き込むことにより、編集管理装置4が電子キー2に対して、抹消暗号キー或いは少なくとも一つの電子暗号キーを削除または変更して、電子キー2を紐づけされていない状態、または新しい抹消暗号キーが書き込まれた状態に復帰させ、抹消暗号キーの設定動作を完了する。第1プロセスモジュール22および第3プロセスモジュール42もまた、抹消暗号キーの検証メカニズムを介して、はじめて電子キー2の抹消暗号キーまたは少なくとも1つの電子暗号キーを削除または変更することができ、例えば、ユーザがI/Oモジュール41を介して入力した抹消暗号キーの設定情報を第1ストレージモジュール23に格納された抹消暗号キーと比較し、入力された抹消暗号キーが第3プロセスモジュール42と第1プロセスモジュール22の間で伝送され、第3プロセスモジュール42または第1プロセスモジュール22により抹消暗号キーが比較され、同じ抹消暗号キーであると判断された場合、第1プロセスモジュール22または第3プロセスモジュール42は第1ストレージモジュール23中の抹消暗号キー及びすべての電子暗号キー、または抹消暗号キーが紐付け対応された少なくとも一つの電子暗号キーを削除し、ユーザが再びI/Oモジュール41により新たな抹消暗号キーを入力し、第3プロセスモジュール42が新しい抹消暗号キーを第1ストレージモジュール23に書き入れて、新しい抹消暗号キーによる電子ロック3に対するペアリング設定動作を行い、また、電子キー2が抹消暗号キーを削除または変更する場合、まず紐づけ対応された電子ロック3に対して同じ抹消暗号キーの設定情報を削除する必要があり、電子キー2の抹消暗号キーを変更した後、電子キー2が紐づけ対応された電子ロック3に対する変更ができなくなることを回避する。
【0061】
また、抹消暗号キーの検証メカニズムでは、電子キー2を遺失した場合、編集管理装置4も電子ロック3の抹消暗号キーまたは少なくとも1つの電子暗号キーを削除または変更することができ、編集管理装置4と電子ロック3は、第3端子44と第2端子34の接続により、第3プロセスモジュール42と第2プロセスモジュール32が相互通信し、ユーザは編集管理装置4を操作して、編集管理装置4に電子ロック3に対する抹消暗号キーの削除または変更を行わせ、第2プロセスモジュール32および第3プロセスモジュール42は抹消暗号キーの検証メカニズムにより、はじめて電子キー2の抹消暗号キーと少なくとも一つの電子暗号キーの削除または変更を行うことができ、たとえばユーザがI/Oモジュール41により入力した抹消暗号キーの設定情報と第2ストレージモジュール33に格納された抹消暗号キーを比較して、入力された抹消暗号キーを第3プロセスモジュール42と第2プロセスモジュール32の間で伝送し、抹消暗号キーを第3プロセスモジュール42または第2プロセスモジュール32で比較することにより、同じ抹消暗号キーであると判断した場合、第2プロセスモジュール32または第3プロセスモジュール42は、第2ストレージモジュール33中の抹消暗号キーまたは少なくとも一つの電子暗号キーを削除または変更し、電子キー2のほか、さらに編集管理装置4でも電子ロック3のリセットを行うことができる。
【0062】
本発明で開示される電子キー2および電子ロック3は、ペアリング設定動作のメカニズムにより、ランダムな乱数を少なくとも1つの電子暗号キーとして生成する設計により、電子キー2と電子ロック3の間の電子暗号キーのマッチングの概念を以て、従来の複雑な暗号化および復号化プロセスを省略し、大量で複雑な計算を回避し、高性能なハードウェア設計と大量のストレージ空間も省くことができる。電子キー2はデジタル化した電子暗号キーを使用して従来の物理キーに取って代わり、電子キー2は必要に応じて第1ストレージモジュール23のメモリスペースサイズを設計でき、電子キー2が格納する電子ロックの数は、数百、ましてや数千以上に上り、そのような膨大な数の電子ロック3を1本の電子キー2のみで施錠または解錠することができ、従来のロックツールと比較して、膨大な数のキーを製造することを省き、膨大な数のキーを持ち歩く必要がなくなり、使用上より便利になり、ハードウェアのコストも大幅に削減される。
【0063】
電子キー2と電子ロック3は簡単な手段で物理的に接続され、少なくとも1つの電子暗号キーがランダムな乱数によって生成されて、ペアリング設定情報が完了し、また電子暗号キーの組み合わせは数十億に達する可能性があり、大数の法則により電子暗号キーが重複する確率は非常に低く、コンピュータ計算のブルートフォースアタックに直面しても、クラッキングすることは依然として容易ではなく、従来の物理キーが数百または数千の排列の組み合わせしかないこと、また従来の物理キーの構造は露出しており、複製やクラッキングが容易であることと比較して、また市場の無線信号で送信される情報は容易に傍受されることと比較して、本発明の電子暗号キーはのぞき見することも知ることもできず、電子キー2と電子ロック3は物理的なドッキングにより少なくとも一つの電子暗号キーを含むペアリング設定情報を送信し、スキミングやクラッキングの可能性は極めて微々たるものであり、本発明の電子ロック3は相当高い安全性を備えている。
【0064】
また、本発明の電子キー2と電子ロック3との間では、抹消暗号キーの検証メカニズムを権限管理として利用することができ、電子キー2が抹消暗号キーを有する場合、抹消暗号キーが紐づけ対応された電子ロック3の制御権限を別の電子キー2に認可する、または抹消暗号キーが対応する電子ロック3に格納された設定情報を変更して、認可された電子キー2が同じ抹消暗号キーを有していないことにより、同じ抹消暗号キーで紐づけ対応された電子ロック3の制御権限を他の電子キー2に再認可することはできない、また電子ロック3を変更する権限を有さず、抹消暗号キーの検証メカニズムにより電子ロック3の制御権限を効果的に管理することができ、上限なくその他の電子キー2に再認可がされる、または電子ロック3の設定情報が変更されることを防止し、電子キー2と電子ロック3の間の同じ抹消暗号キーの制御権限を維持する。
【0065】
電子ロック3のロックシリンダーモジュール31は形状記憶合金ユニットの設計を採用し、加熱後に形状記憶合金ユニットの長さを短縮して、ラッチユニットを引っ張り、簡単な構造設計により施錠動作または解錠動作の機能を実現し、電子ロック3が必要とする電源は電子キー2によって提供され、電子ロック3自体は電源を設置する必要がなく、ロックシリンダーモジュール31の構造は非常に簡単であり、低コストで製造プロセスが簡単であるという利点があり、本発明の電子キー2および電子ロック3の設計は、信頼性が高く、より優れた適応性を備えるなどの利点がある。
【0066】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】