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特表2024-500745スマートパネル制御方法、装置、システム、スマートパネル及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】スマートパネル制御方法、装置、システム、スマートパネル及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20231227BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231227BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20231227BHJP
【FI】
H04B7/06 956
H04W16/28
H04W64/00
H04B7/06 152
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536919
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2021136982
(87)【国際公開番号】W WO2022127697
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011487733.4
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊軍
(72)【発明者】
【氏名】陳藝▲ゲン▼
(72)【発明者】
【氏名】方敏
(72)【発明者】
【氏名】竇建武
(72)【発明者】
【氏名】魯照華
(72)【発明者】
【氏名】胡留軍
(72)【発明者】
【氏名】張万春
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
スマートパネル制御方法、装置、システム、スマートパネル及び記憶媒体である。該スマートパネル制御方法は、チャネル情報及びビーム制御情報を決定する(S100)ことと、チャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定する(S110)ことと、最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定する(S120)ことと、各電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整する(S130)ことと、を含む。該制御方法では、マルチユーザ場面での信号増強及び干渉抑制が実現される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル情報及びビーム制御情報を決定することと、
前記チャネル情報及び前記ビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定することと、
前記最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定することと、
前記各電磁ユニットの現在の状態を前記目標制御状態に調整することと、を含む、
スマートパネル制御方法。
【請求項2】
前記した、チャネル情報及びビーム制御情報を決定することは、
第1の通信ノード又は第2の通信ノードにより送信された前記チャネル情報及び前記ビーム制御情報を受信することと、
受信したプロトコルメッセージに応じて前記チャネル情報及び第2の通信ノードの位置を計算し、且つ前記第2の通信ノードの位置に応じて前記ビーム制御情報を決定することと、のいずれかを含む、
請求項1に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項3】
前記チャネル情報は、少なくとも、第1の通信ノードと前記スマートパネルとの間のチャネルマトリックス、前記スマートパネルと第2の通信ノードとの間のチャネルマトリックスを含む、
請求項1に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項4】
前記ビーム制御情報は、少なくとも、ビームカバー領域の情報を含み、前記ビームカバー領域は、無線電磁信号を増強する必要がある領域であり、前記ビームカバー領域の数は、少なくとも1つであり、前記ビームカバー領域は、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである、
請求項1に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項5】
前記ビーム制御情報は、ビーム抑制領域の情報をさらに含み、前記ビーム抑制領域は、無線電磁信号を弱める必要がある領域であり、前記ビーム抑制領域は、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである、
請求項4に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項6】
前記ビーム制御情報は、全ての第1タイプの通信ノードの位置及び全ての第2タイプの通信ノードの位置により決定され、前記第1タイプの通信ノードは、前記スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードであり、前記第2タイプの通信ノードは、前記スマートパネルが干渉を回避する必要がある第2の通信ノードであり、前記第1タイプの通信ノードの位置は、ビームカバー領域を構成し、前記第2タイプの通信ノードの位置は、ビーム抑制領域を構成する、
請求項1に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項7】
前記第1タイプの通信ノードの数及び前記第2タイプの通信ノードの数、並びに前記第1タイプの通信ノードの位置及び前記第2タイプの通信ノードの位置の決定方式は、事前配置と、リアルタイム測定と、のいずれかを含む、
請求項6に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項8】
前記プリセット目標関数は、第1タイプの通信ノードが受信した信号強度、第2タイプの通信ノードが受信した信号強度、第1タイプの通信ノードが受信した平均信号強度及び第2タイプの通信ノードが受信した平均信号強度により決定される、
請求項1に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項9】
遺伝的アルゴリズム又は勾配降下アルゴリズムを用いて前記プリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定する、
請求項1に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項10】
前記スマートパネルは、電磁ユニットアレイからなり、前記電磁ユニットアレイは、同じ又は異なるタイプの電磁ユニットにより構成され、前記電磁ユニットアレイは、平面アレイと、曲面アレイと、のいずれかを含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項11】
前記電磁ユニットは、金属、媒質材料及び液晶材料のいずれかにより構成され、前記電磁ユニットのサイズがサブ波長オーダーであり、前記電磁ユニットは、前記電磁ユニット表面に入射した電磁波を制御するように構成され、
前記電磁ユニットの制御される電磁的属性は、電磁波振幅、位相及び分極方向のいずれかを含み、
前記電磁ユニットは、電気抵抗、コンデンサ、ダイオード、バラクタダイオード及びトランジスタという調整可能な電子素子のいずれかを含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載のスマートパネル制御方法。
【請求項12】
チャネル情報及びビーム制御情報を決定するように構成される第1の決定モジュールと、
前記チャネル情報及び前記ビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定するように構成される第2の決定モジュールと、
前記最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定するように構成される第3の決定モジュールと、
前記各電磁ユニットの現在の状態を前記目標制御状態に調整するように構成される調整器と、を備える、
スマートパネル制御装置。
【請求項13】
通信モジュール、メモリ、及び少なくとも1つのプロセッサを備えるスマートパネルであって、
前記通信モジュールは、第1の通信ノード及び第2の通信ノードと通信するように構成され、
前記メモリは、少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成され、
前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~11のいずれか一項に記載のスマートパネル制御方法を実現する、
スマートパネル。
【請求項14】
少なくとも1つの第1の通信ノード、少なくとも1つの第2の通信ノード及び少なくとも1つのスマートパネルを備えるスマートパネル制御システムであって、前記第1の通信ノードは、有線又は無線方式で前記スマートパネルとシグナリングを行い、前記第2の通信ノードは、無線方式で前記スマートパネルとシグナリングを行い、1つの第1の通信ノード、1つのスマートパネル及び少なくとも1つの第2の通信ノードから1つのビーム最適化制御グループとなり、前記1つのビーム最適化制御グループは、請求項1~11のいずれか一項に記載のスマートパネル制御方法に従って無線電磁波に対して最適化制御を行うように構成される、
スマートパネル制御システム。
【請求項15】
コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると請求項1~11のいずれか一項に記載のスマートパネル制御方法が実現される、
記憶媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信分野に関し、例えばスマートパネル制御方法、装置、システム、スマートパネル及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信技術(5th-Generation、5G)ネットワークの商用化は、他の産業及び応用の発展を促進し、逆に通信ネットワークに対しても、超広帯域幅、超低遅延、超密集接続、超高信頼性などを含むより高い要求を提出している。そのため、如何にスマートに送信側と受信側との間の無線電磁環境を改造するかは、とりわけ重要である。そのうち、送信側と受信側との間の無線電磁環境を改造する中で、スマートパネルは、核心的な役割を果たしている。スマートパネルビーム制御の研究は、主にシングルユーザの場面に集中しているが、実際の応用場面では、1つのスマートパネルは場合によって同時に複数のエンドユーザにサービスを提供する必要がある。そのため、如何にマルチユーザ場面での信号増強及び干渉抑制を実現するかは、早急に解決すべき問題である。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施例は、マルチユーザ場面での信号増強及び干渉抑制を実現するスマートパネル制御方法、装置、システム、スマートパネル及び記憶媒体を提供する。
【0004】
本願の実施例は、チャネル情報及びビーム制御情報を決定することと、チャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定することと、前記最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定することと、前記電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整することと、を含むスマートパネル制御方法を提供する。
【0005】
本願の実施例は、チャネル情報及びビーム制御情報を決定するように構成される第1の決定モジュールと、チャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定するように構成される第2の決定モジュールと、前記最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定するように構成される第3の決定モジュールと、前記電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整するように構成される調整器と、を備えるスマートパネル制御装置を提供する。
【0006】
本願の実施例は、通信モジュール、メモリ、及び1つ又は複数のプロセッサを備えるスマートパネルを提供し、前記通信モジュールは、第1の通信ノード及び第2の通信ノードと通信するように構成され、前記メモリは、1つ又は複数のプログラムを記憶するように構成され、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサに実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサが上記いずれかの実施例に記載のスマートパネル制御方法を実現する。
【0007】
本願の実施例は、少なくとも1つの第1の通信ノード、少なくとも1つの第2の通信ノード及び少なくとも1つのスマートパネルを備えるスマートパネル制御システムを提供し、前記第1の通信ノードは、有線又は無線方式でスマートパネルとシグナリングを行い、前記第2の通信ノードは、無線方式でスマートパネルとシグナリングを行い、1つの前記第1の通信ノード、1つの前記スマートパネル及び少なくとも1つの前記第2の通信ノードから1つのビーム最適化制御グループとなり、1つのビーム最適化制御グループは、上記いずれかの実施例に記載のスマートパネル制御方法に従って無線電磁波に対して最適化制御を行う。
【0008】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると上記いずれかの実施例に記載のスマートパネル制御方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の実施例に係るスマートパネルの構造模式図である。
図2】本願の実施例に係るスマートパネルアシストの無線通信システムの模式図である。
図3】本願の実施例に係るスマートパネル制御方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例に係る他の1つのスマートパネル制御方法のフローチャートである。
図5】本願の実施例に係る最適化すべき制御パラメータの解を求めるフローチャートである。
図6】本願の実施例に係るスマートパネル制御装置の構造ブロック図である。
図7】本願の実施例に係るスマートパネルの構造模式図である。
図8】本願の実施例に係るスマートパネル制御システムの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記明細書では図面を参照しながら本願の実施例について説明する。以下、実施例図面を参照しながら本願を説明するが、挙げられる実例は、本願を解釈するためのものに過ぎない。
【0011】
スマートパネルは、大量の受動的電磁ユニットからなる二次元平面アレイであり、これらの電磁ユニットは、一定の規則に従って配列され、その厚さは無視してもよい。これらの特殊に設計された電磁ユニットは、自然界における材料にはない物理的属性を示すため、これらの人工電磁ユニットからなる二次元アレイは、メタサーフェス(meta-surface)とも呼ばれている。各電磁ユニットは、特定形状の金属又は媒質材料により構成され、電子素子に繋がり、電子素子は、パネルにおけるスマートコントローラにより制御され、電磁ユニットの電磁的属性(例えば平均透磁率、平均誘電率)の独立調整を実現することができる。電磁ユニットの電磁的属性に対する制御により、電磁ユニット表面に入射した電磁信号を異なる振幅、位相、分極方向などで反射又は透過させることが可能であるため、基地局とユーザ端末との間で仮想直射径を作り、空間電磁環境をスマートに制御する目的を達成することができる。図1は、本願の実施例に係るスマートパネルの構造模式図であり、図1に示すように、スマートパネルは、電磁ユニット表面に入射した電磁波の反射又は透過時に振幅、位相又は分極方向が相応的に変化するように、スマートコントローラにより各電磁ユニットに独立した制御命令を同時に送信し、全ての電磁ユニットにより反射又は透過された電磁波は、空間で重畳されビームフォーミングの効果を生じ、最終的に特定の端末機器に受信される。無線通信システムにスマートパネルを導入することで、空間資源の開拓及び効率的な利用を実現することができ、無線通信システムのチャネル容量の向上、通信の信頼性及びカバー範囲の向上、送信電力の低減、コストの節約などに役立つ。
【0012】
実際の応用場面において、1つのスマートパネルは場合によって同時に複数のエンドユーザにサービスを提供する必要があり、そのため、基地局により送信された信号は、スマートパネルによる制御後、複数のユーザ方向で同時に信号の増強を実現すべきであり、即ち基地局により送信された信号は、スマートパネルに到達した後に複数の強いビームに分けられそれぞれ異なるユーザに向けられる。他方で、スマートパネルによる制御後に生じた複数のビームは、強い副ローブを持つことができ、これらの副ローブは、隣のセルのユーザ信号に干渉する可能性があり、この際、これらの方向の副ローブを抑制し、干渉を減少させる必要がある。図2は、本願の実施例に係るスマートパネルアシストの無線通信システムの模式図である。図2に示すように、セル周辺に位置するスマートパネルは、本セル(セル1)のユーザ1、ユーザ2及びユーザ3にサービスを提供し、同時に隣のセル(セル2)のユーザ4及びユーザ5に干渉することをできるだけ避けるように、ビームカバー及びビーム抑制を実施する必要がある。スマートパネルビーム制御の研究は、主にシングルユーザ場面に集中しており、マルチユーザ場合での信号増強及び干渉抑制への配慮が少ない。
【0013】
これに鑑み、本願の実施例は、マルチユーザ場面での信号増強及び信号干渉抑制を実現するスマートパネル制御方法を提出する。
【0014】
一実施例において、図3は、本願の実施例に係るスマートパネル制御方法のフローチャートである。本実施例は、スマートパネル又は第1の通信ノードにより実行することができる。そのうち、第1の通信ノードとは、ネットワーク側(例えば、無線基地局)であり、第2の通信ノードとは、端末側(例えば、ユーザ機器、無線端末)である。一実施例において、スマートパネルにより本実施例の態様を実行することを例とし、スマートパネル制御の過程について説明する。
【0015】
図3に示すように、本実施例は、S100~S130を含む。
【0016】
S100において、チャネル情報及びビーム制御情報を決定する。
【0017】
一実施例において、チャネル情報及びビーム制御情報を決定することは、
第1の通信ノード又は第2の通信ノードにより送信されたチャネル情報及びビーム制御情報を受信することと、受信したプロトコルメッセージに応じてチャネル情報及び第2の通信ノードの位置を計算し、且つ第2の通信ノードの位置に応じてビーム制御情報を決定することと、のいずれかを含む。
【0018】
一実施例において、スマートパネルが、第1の通信ノード又は第2の通信ノードにより送信されたチャネル情報及びビーム制御情報を受信した場合、スマートパネルと第1の通信ノード又は第2の通信ノードとの間で通信接続が確立され、第1の通信ノード又は第2の通信ノードによりプロトコルメッセージに応じてチャネル情報及び第2の通信ノードの位置を計算し、且つ第2の通信ノードの位置に応じてビーム制御情報を決定し、次にチャネル情報及びビーム制御情報をスマートパネルに送信する。一実施例において、スマートパネルは、チャネル情報及びビーム制御情報を能動的に測定して決定することができ、即ちスマートパネルに能動測定ユニットを配置し、且つ標準プロトコルメッセージを送信、受信及び処理することができ、スマートパネルは、受信したプロトコルメッセージに応じてチャネル情報及び第2の通信ノードの位置を能動的に測定し、測定した第2の通信ノードの位置に応じてビーム制御情報を決定する。そのうち、受信したプロトコルメッセージに応じてチャネル情報及び第2の通信ノードの位置を計算する実現方式については、関連技術を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0019】
S110において、チャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定する。
【0020】
実施例において、チャネル情報は、無線基地局とスマートパネルとの間、スマートパネルと無線端末との間のチャネルの状態を表すためのものであり、例えば、チャネル情報は、無線信号のチャネルによる伝搬後の利得、位相変化、干渉レベルなどを含むことができ、ビーム制御情報とは、ビームが指向する方向であり、ビーム制御情報は、少なくともビームカバー領域の情報を含み、ビーム抑制領域の情報をさらに含んでもよい。一実施例において、ビームカバー領域及びビーム抑制領域は、リアルタイムに検出することにより得られてもよいし、又は事前配置された第1タイプの通信ノードの位置及び第2タイプの通信ノードの位置によって決められてもよい。一実施例において、スマートパネルが独立に動作し、且つ内部に測定ユニットが配置されていない場合、即ちスマートパネルと第1の通信ノードとの間で通信接続されていない、及びスマートパネル内部に測定ユニットが備えられていない場合、第1タイプの通信ノードの位置及び第2タイプの通信ノードの位置は、スマートパネルが事前記憶された第1タイプの通信ノードの位置及び第2タイプの通信ノードの位置に応じてビームカバー領域及びビーム抑制領域を決定する、即ちスマートパネルのビームの指向方向を決定するように事前に配置し、スマートパネルのメモリに保存することができる。一実施例において、スマートパネル内に測定ユニットが配置されている、又はスマートパネルと第1の通信ノードとで通信接続が確立されている場合、スマートパネル又は第1の通信ノード内の測定ユニットによりチャネル情報及びビーム制御情報を測定して得ることができる。
【0021】
一実施例において、プリセット目標関数は、第1タイプの通信ノードが受信した信号強度、第2タイプの通信ノードが受信した信号強度、第1タイプの通信ノードが受信した平均信号強度及び第2タイプの通信ノードが受信した平均信号強度により決定される。そのうち、第1タイプの通信ノードとは、スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードであり、第2タイプの通信ノードは、スマートパネルが干渉を回避する必要がある第2の通信ノードである。そのうち、第2の通信ノードとは、ユーザ機器(ユーザとも略称される)である。図2に示すように、スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードは、ユーザ1、ユーザ2及びユーザ3を含み、干渉を回避する必要がある第2の通信ノードは、ユーザ4及びユーザ5を含む。ユーザ1、ユーザ2及びユーザ3は第1タイプの通信ノードであり、ユーザ4及びユーザ5は第2タイプの通信ノードである、と理解できる。
【0022】
実施例において、最適化すべき制御パラメータとは、プリセット目標関数に最小値を取らせうるように対応するパラメータである。例示的に、最適化すべき制御パラメータは、振幅、位相を含むことができる。実施例において、第1タイプの通信ノードが受信した信号強度、第2タイプの通信ノードが受信した信号強度、第1タイプの通信ノードが受信した平均信号強度及び第2タイプの通信ノードが受信した平均信号強度を利用してプリセット目標関数を構築し、次にプリセット目標関数が最小値を取るまでチャネル情報及びビーム制御情報を調整することで、対応する最適化すべき制御パラメータを決定することができる。
【0023】
S120において、最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定する。
【0024】
S130において、電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整する。
【0025】
実施例において、目標制御状態とは、電磁ユニットが到達すべき状態である。実施例において、最適化すべき制御パラメータに応じて各電磁ユニットが到達すべき目標制御状態を決定した後、電磁ユニットにおける電子素子を制御して、電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整する。
【0026】
実施例において、第1の通信ノードにより送信された無線電磁信号がスマートパネルに到達した後、スマートパネルは、電磁ユニットが目標制御状態に到達するように、最適化すべき制御パラメータに応じて各電磁ユニットにおける電子素子の状態を調整し、これにより、より多くの信号エネルギーが、スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードに集まることができるため、信号対雑音比及びカバー範囲の向上が実現され、即ちサービスを提供する必要がある第2の通信ノードの受信信号が増強され、且つ回避する必要がある第2の通信ノードの干渉信号が抑制される。
【0027】
一実施例において、スマートパネル制御方法が第1の通信ノードにより実行される場合、第1の通信ノードは、受信したプロトコルメッセージに応じてチャネル情報及び第2の通信ノードの位置を計算し、且つ第2の通信ノードの位置に応じてビーム制御情報を決定し、次にチャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを計算し、最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定し、次に目標制御状態に対応する制御命令を生成し、スマートパネルが制御命令に従って電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整するようにスマートパネルに送信する。
【0028】
一実施例において、チャネル情報は、少なくとも、第1の通信ノードとスマートパネルとの間のチャネルマトリックス、スマートパネルと第2の通信ノードとの間のチャネルマトリックスを含む。
【0029】
一実施例において、ビーム制御情報は、少なくとも、ビームカバー領域の情報を含み、ビームカバー領域は、無線電磁信号を増強する必要がある領域であり、ビームカバー領域の数は、少なくとも1つであり、ビームカバー領域は、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである。
【0030】
一実施例において、ビーム制御情報は、ビーム抑制領域の情報をさらに含み、ビームカバー領域は、無線電磁信号を増強する必要がある領域であり、ビーム抑制領域は、無線電磁信号を弱める必要がある領域であり、ビーム抑制領域は、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである。
【0031】
実施例において、ビームカバー領域とは、スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードが所在する領域であり、ビーム抑制領域とは、スマートパネルが干渉を回避する必要がある第2の通信ノードが所在する領域である。そのうち、ビームカバー領域の数は、少なくとも1つであり、ビームカバー領域及びビーム抑制領域のいずれも、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである。ビームカバー領域は1つ又は複数あってもよいが、ビーム抑制領域はなくてもよいし、1つ又は複数あってもよい、と理解できる。スマートパネルには干渉を回避する必要がある第2の通信ノードが存在しない場合、ビーム制御情報は、ビームカバー領域の情報だけを含んでもよい、と理解できる。
【0032】
一実施例において、ビーム制御情報は、全ての第1タイプの通信ノードの位置及び全ての第2タイプの通信ノードの位置により決定され、第1タイプの通信ノードは、スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードであり、第2タイプの通信ノードは、スマートパネルが干渉を回避する必要がある第2の通信ノードであり、第1タイプの通信ノードの位置は、ビームカバー領域を構成し、前記第2タイプの通信ノードの位置は、ビーム抑制領域を構成する。
【0033】
一実施例において、第1タイプの通信ノードの数及び第2タイプの通信ノードの数、並びに第1タイプの通信ノードの位置及び第2タイプの通信ノードの位置の決定方式は、事前配置と、リアルタイム測定と、のいずれかを含む。一実施例において、スマートパネルが独立に動作し、且つ内部に測定ユニットが配置されていない場合、即ちスマートパネルと第1の通信ノードとの間で通信接続されていない、及びスマートパネル内部に測定ユニットが備えられていない場合、第1タイプの通信ノードの位置及び数、並びに第2タイプの通信ノードの位置及び数は、事前配置してもよい。一実施例において、スマートパネル内に測定ユニットが配置されている、又はスマートパネルと第1の通信ノードとの間で通信接続が確立されている場合、スマートパネル又は第1の通信ノード内の測定ユニットにより第1タイプの通信ノードの位置及び数、並びに第2タイプの通信ノードの位置及び数を測定して得ることができる。
【0034】
一実施例において、遺伝的アルゴリズム又は勾配降下アルゴリズム用いてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定する。
【0035】
一実施例において、スマートパネルは、電磁ユニットアレイからなり、電磁ユニットアレイは、同じ又は異なるタイプの電磁ユニットにより構成され、電磁ユニットアレイは、平面アレイと、曲面アレイと、のいずれかを含む。
【0036】
一実施例において、電磁ユニットは、金属、媒質材料及び液晶材料のいずれかにより構成され、サイズがサブ波長オーダーであり、その表面に入射した電磁波を制御し、電磁ユニットの制御される電磁的属性は、電磁波振幅、位相及び分極方向のいずれかを含み、電磁ユニットは、電気抵抗、コンデンサ、ダイオード、バラクタダイオード及びトランジスタという調整可能な電子素子のいずれかを含む。
【0037】
一実施例において、第1の通信ノードが基地局であり、第2の通信ノードがユーザ機器(端末機器とも呼ばれる)であることを例とし、スマートパネルの構造及び実現方式について説明する。実施例において、スマートパネルは、無線電磁ビーム制御に用いることができる。そのうち、スマートパネルは、人工電磁ユニットにより構成された反射又は透過アレイからなることが可能であり、スマートコントローラにより各電磁ユニットに対して制御を実施し、電磁ユニットは、制御命令のもとでその表面に入射した電磁波に対して特定の電磁応答を生じさせることで、入射電磁波に対して制御を実施し、これにより、スマート表面による反射又は透過後の電磁波は、振幅、位相、分極方向などで変化が生じる。そのため、無線基地局送信の無線電磁信号は、スマートパネルに到達した後、より多くの信号エネルギーがそのサービスを提供する端末機器に集まるように制御され、信号対雑音比及びカバー範囲の向上が実現される。
【0038】
実施例において、スマートパネルの特徴には、電磁制御能力を有する電磁ユニットにより構成されたアレイであり、チャネル情報及びビーム制御情報を受信又は測定することができ、チャネル情報及びビーム制御情報に応じて電磁ユニットの制御状態を調整する、ことが含まれる。
【0039】
一実施例において、スマートパネルが、電磁制御能力を有する電磁ユニットにより構成されたアレイからなることについて説明する。電磁ユニットは、金属、媒質材料又は液晶材料により構成され、その厚さは無視してもよい。各電磁ユニットはサイズがサブ波長オーダーであるため、電磁波振幅、位相、分極方向などの電磁的属性に対する制御が含まれた、入射電磁波を制御する独特の能力を有する。電磁ユニットは、例えば電気抵抗、コンデンサ、ダイオード、バラクタダイオード、トランジスタなどの調整可能な電子素子をさらに含んでもよく、電子素子の状態を制御することにより、電磁ユニットは、その入射電磁波に対する制御特性を動的に調整することができる。電磁ユニットは、制御可能な電子素子を備えない場合、固定の電磁制御特性を有する。
【0040】
スマートパネルは、同じ又は異なるタイプの電磁ユニットからなることが可能であり、異なるタイプの電磁ユニットは、異なる物理構造を有するか、又は異なる電子素子により接続され、そのため、異なる電磁応答特性を有する。これらの同じ又は異なるタイプの電磁ユニットは、一定規則に従って一緒に配列されて電磁ユニットアレイを形成し、1つの空間電磁制御能力を有するスマートパネルとなる。前記電磁ユニットアレイは、例えば矩形アレイ、環状アレイなどの平面アレイであってもよいし、例えば球面アレイ、放物面アレイ、双曲面アレイなどの曲面アレイであってもよい。スマートパネルは、必要に応じて室外又は室内に配設することができる。室外の場面では、スマートパネルは、建築物ファサード又は他の固定が容易である位置に取り付けられることが可能である。室内の場面では、スマートパネルは、天井、壁又は他の固定が容易である位置に取り付けられることが可能である。
【0041】
一実施例において、スマートパネルがチャネル情報及びビーム制御情報を受信又は測定することができることについて説明する。実施例において、スマートパネルは、有線又は無線方式により基地局と通信することができる。1つの場合では、スマートパネルが、基地局又は端末機器により送信されたチャネル情報及びビーム制御情報を受動的に受信することができ、他の1つの場合では、スマートパネルが、チャネル情報及びビーム制御情報を能動的に測定することができる。スマートパネルがチャネル情報及びビーム制御情報を能動的に測定する場合、スマートパネルは、能動測定ユニットを有する必要があり、標準プロトコルメッセージを送信、受信及び処理することで、チャネル情報及び端末位置情報を計算し、端末位置情報に応じてビーム制御情報を決定することができる。実施例において、スマートパネルは、基地局と通信せず、独立して動作してもよい。
【0042】
一実施例において、スマートパネルは、チャネル情報及びビーム制御情報を取得した後、チャネル情報及びビーム制御情報に応じて電磁ユニットの現在制御状態を調整する。実施例において、スマートパネルは、能動的又は受動的にチャネル情報及びビーム制御情報を取得することができる。実施例において、ビーム制御情報は、ビームカバー領域情報及びビーム抑制領域情報を含む。そのうち、ビームカバー領域とは、無線電磁信号を増強する必要がある領域であり、通常、該領域の利用可能な信号のカバー及び信号品質の向上を実現するためであり、1つ又は複数のビームカバー領域があってもよい。ビーム抑制領域とは、無線電磁信号を弱める必要がある領域であり、通常、干渉信号による該領域の端末機器の影響を低減するためであり、ゼロ、1つ又は複数のビーム抑制領域があってもよい。ビーム制御情報に応じて、スマートパネルは、その反射又は透過した電磁波をできるだけ多くビームカバー領域に集め、できるだけ少なくビーム抑制領域に集める必要がある。
【0043】
スマートパネルにより受信されたチャネル情報及びビーム制御情報に応じて、本願の実施例における電磁パネル状態制御方法を利用して、スマートパネルにおける各電磁ユニットの制御状態を決定する。そのうち、電磁ユニットの制御状態とスマートパネル制御回路の出力レベルとは、一対一の対応関係を有する。決定された制御状態に応じてスマートパネル制御回路の出力レベルを調整して、電磁ユニットにおける電子素子の状態を変化させることで、電磁ユニット制御状態の調整が実現され、最終的に電磁ビーム制御目標が実現される。スマートパネルが独立に動作する場合、取付配設に先立って、他の方式を利用して取得されたチャネル情報及びビーム制御情報をスマートパネルシステムメモリに書き込む必要があり、スマートパネルは、書き込まれた情報に応じて制御状態の最適化を完了させる。取付配設が完了した後、スマートパネルシステムメモリにおけるチャネル情報及びビーム制御情報を再度更新し、スマートパネルが制御最適化を再度実施するようにトリガーしてもよい。
【0044】
一実施例において、図4は、本願の実施例に係る他の1つのスマートパネル制御方法のフローチャートである。本実施例の方法は、単一の電磁パラメータ(振幅、位相のいずれか)制御のプリコーディング最適化に用いられる。スマートパネル電磁状態に対する制御最適化とは、ビームカバー領域及びビーム抑制領域が与えられた条件下で、スマートパネルにより透過又は反射された電磁波ができるだけ多くビームカバー領域に集まり、できるだけ少なくビーム抑制領域に集まるようにスマートパネルにおける各電磁ユニットの必要な制御状態を決定する。例えば、位相制御能力を有するスマートパネルにおいて、ビームカバー領域及びビーム抑制領域という2つの制約条件を満たすには、スマートパネルにおける各電磁ユニットが入射電磁波に対してどの程度の位相を変化させる必要があるかを決定する必要があり、振幅制御能力を有するスマートパネルについては、制約条件を満たせるには、パネルにおける各電磁ユニットが入射電磁波に対してどの程度の振幅を変化させる必要があるかを決定する必要がある。図4に示すように、本実施例は、S210~S230を含む。
【0045】
S210において、スマートパネルは、能動的又は受動的にチャネル情報及びビーム制御情報を取得する。
【0046】
1つの状況において、スマートパネルは、能動測定ユニットが配備され、基地局及び端末機器と接続を確立し、標準プロトコルメッセージを送信、受信及び処理することにより、必要なチャネル情報及びビーム制御情報を得ることができる。そのうち、チャネル情報は、少なくとも、基地局とスマートパネルとの間のチャネルマトリックス(Hと記される)、及びスマートパネルと端末機器との間のチャネルマトリックス(Hと記される)、を含む。基地局がN個の送信アンテナを有し、スマートパネルがM個の電磁ユニットを有し、スマートパネルがK個の端末機器にサービスを提供し、同時にK個の端末機器に干渉することを避ける必要があると仮定する場合、Hは、1つのM*N次元の複素マトリックスであり、Hは、(K1+K2)*M次元の複素マトリックスである。1つのチャネルマトリックスHの第(m,n)個の要素は、
【0047】
【数1】
【0048】
として書くことができ、ここで、要素のモジュラス|hmn|は、信号が対応するチャネルを通過した後の利得を表し、偏角θは、信号が対応するチャネルを通過した後の位相の変化を表す。ビーム制御情報は、サービスを提供する必要があるK個の端末機器の位置及びK個の干渉を回避する必要がある端末機器の位置により決められ、これらの端末の位置に応じてビームカバー領域及びビーム抑制領域が計算されて得られる。ビームカバー領域及びビーム抑制領域は、必要に応じて、現在スマートパネルのサービスを提供領域内の端末機器の位置により決定するのではなく、人為的に指定してもよい。
【0049】
他の1つの状況において、スマートパネルは、受動的に基地局又は端末機器からチャネル情報及びビーム制御情報を取得し、そのうち、スマートパネルと基地局との接続は、有線又は無線伝送を用いることができ、端末機器との接続は、無線伝送を用いることができる。
【0050】
また、スマートパネルが独立して動作する場合、前もってチャネル情報及びビーム制御情報をスマートパネルのシステムメモリに書き込む必要があり、スマートパネルは、書き込まれた情報に応じて次のステップの最適化を完了させる。取付配設が完了した後、さらに、そのシステムメモリにおけるチャネル情報及びビーム制御情報を再度更新し、次のステップの操作をトリガーしてもよい。
【0051】
S220において、チャネル情報及びビーム制御情報に応じて制御最適化計算を実施し、制御最適化すべきパラメータを得る。
【0052】
ステップS210で得られたチャネル情報に応じて、以下のプリセット目標関数を構築することができる。
【0053】
【数2】
【0054】
ここで、式(1)において、PRx,i及びPIx,jは、それぞれ第i個の信号をカバーする必要がある端末機器及び第j個の干渉を回避する必要がある端末機器が受信した信号強度を表し、即ち、それぞれ上記実施例における第1タイプの通信ノードが受信した信号強度及び第2タイプの通信ノードが受信した信号強度を表し、
【0055】
【数3】
【0056】
及び
【0057】
【数4】
【0058】
は、それぞれK個の信号をカバーする必要がある端末機器及びK個の干渉を回避する必要がある端末機器が受信した平均信号強度を表し、即ち、それぞれ上記実施例における第1タイプの通信ノードが受信した平均信号強度及び第2タイプの通信ノードが受信した平均信号強度を表す。そのうち、
【0059】
【数5】
【0060】
ここで、w,w,w,wは、式中の各項目の重みをそれぞれ表し、xは、スマートパネルにおける最適化すべき制御パラメータ(例えば、振幅又は位相)を表す。ここで、xは即ち上記実施例における制御最適化すべきパラメータである。S210で得られたチャネル情報に応じて、各端末機器の受信信号を、
y=HXHs (3)
として得ることができる。
ここで、yは(K+K)*1次元ベクトルであり、その要素のモジュラス値は、即ち信号強度であり、即ちyのモジュラス値によれば、信号をカバーする必要がある各端末機器の信号強度PRx,i及び干渉を回避する必要がある各端末機器の信号強度PIx,jを得ることができ、送信された信号sは、N*1次元ベクトルであり、X=diag(x)は、M*M次元の対角正方マトリックスである。制御されるパラメータが位相である場合、
【0061】
【数6】
【0062】
は、スマートパネルにおける第i個の電磁ユニットによる入射電磁波の位相変化量がθであることを表し、制御されるパラメータが振幅である場合、
【0063】
【数7】
【0064】
は、スマートパネルにおける第i個の電磁ユニットによる入射電磁波の振幅変化量がAであり、同時に各電磁ユニットによる入射電磁波の位相変化量が同じであることを表す。式(2)及び式(3)を式(1)に代入すると、完全なプリセット目標関数が得られる。スマートパネルによる制御後の電磁波をできるだけ多くビームカバー領域に集め、できるだけ少なくビーム抑制領域に集めるために、プリセット目標関数f(x)が最小値を取るように1グループのxを見つける必要がある。
【0065】
実施例において、該最適化問題を解く遺伝的アルゴリズム及び勾配降下アルゴリズムという2つの方法を提供する。
【0066】
(1)遺伝的アルゴリズムを用いてxの解を求める
遺伝的アルゴリズムは、自然進化過程を模擬することにより最適解を探索する方法であり、解を求める過程を生物進化における染色体の交叉及び変異などに類似する過程に変換することにより、通常、非線形最適化問題の最適化結果を比較的速く得ることができる。該アルゴリズムは、まず個体群数、個体ごとの初期値、収束条件、最大反復回数などを設定する必要があり、次に遺伝変異により目標関数f(x)の最適解を反復に探索し、1つの回の反復の結果が収束条件を満たす場合、該回の反復結果を最終結果として出力する。図5は、出願の実施例に係る最適化すべき制御パラメータの解を求めるフローチャートである。図5の(a)に示すように、まず個体群数Kを設け、各個体群に初期値x=xを設け、且つ収束閾値ε及び最大反復回数Nを設け、次に各個体群に対してf(x)を計算し、次にf(x)がεよりも小さいか否かを判断し、f(x)<εの場合、xを出力し、f(x)≧εの場合、K個の個体群から一定比例の良質個体を選出し遺伝変異を行い、K個の新個体群を得、次に現在反復回数nがNよりも大きいか否かを判断し、n>Nの場合、xを出力し、n≦Nの場合、xが出力されるまで各個体群に対してf(x)を計算するステップに戻る。
【0067】
(2)勾配降下アルゴリズムを用いて解を求める
実施例において、勾配降下アルゴリズムは、反復に基づくもう一つの種類の非線形最適化アルゴリズムであり、該アルゴリズムは、プリセット目標関数f(x)の変数xに関する偏導関数を探索方向として利用し、プリセット目標関数が徐々に最小値に近づくように、求めようとする変数を反復更新する。該アルゴリズムは、まず求めようとする変数の初期値、収束条件、最大反復回数などを設ける必要があり、次にプリセット目標関数の独立変数に関する偏導関数を探索方向とし、最適解を反復探索し、1つの回の反復の結果が収束条件を満たす場合、該回の反復結果を最終出力とし、詳しい計算フローは、図5の(b)の通りである。図5の(b)に示すように、まず初期値x=x、収束閾値ε及び最大反復回数Nを設け、次にf(x)を計算し、f(x)がεよりも小さいか否かを判断し、f(x)<εの場合、xを出力し、f(x)≧εの場合、変数
【0068】
【数8】
【0069】
を更新し、次に現在反復回数nがNよりも大きいか否かを判断し、n>Nの場合、xを出力し、n≦Nの場合、xが出力されるまでf(x)を計算するステップに戻る。
【0070】
該最適化問題を解くには一定の計算資源が必要であるため、スマートパネル自体の計算資源が限られている場合、又はスマートパネルのコストを低減するためである場合、該最適化問題の解を求めることを基地局に転送してもよく、基地局は計算を完了した後に再度計算結果をスマートパネルに伝送し、その後スマートパネルは次のステップの操作を実施する。スマートパルが独立して動作し、基地局に接続されない場合、先に他の利用可能なサーバで該最適化問題の解を求めることを完了させてから、計算結果をスマートパネルのシステムメモリに書き込み、その後スマートパネルが次のステップの操作に入るようにトリガーすることができる。
【0071】
S230において、制御最適化すべきパラメータに従って電磁ユニットの現在制御状態を調整する。
【0072】
S220で計算して得られた結果に応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定し、決定した目標制御状態に応じてスマートパネル制御回路の出力レベルを調整し、電磁ユニットにおける電子素子の状態を調整することで、スマートパネル全体の制御状態の調整を実現し、最終的にビーム制御目標を実現する。
【0073】
一実施例において、図6は、本願の実施例に係るスマートパネル制御装置の構造ブロック図である。図6に示すように、本実施例は、第1の決定モジュール300、第2の決定モジュール310、第3の決定モジュール320及び調整器330を備える。
【0074】
そのうち、第1の決定モジュール300は、チャネル情報及びビーム制御情報を決定するように構成され、第2の決定モジュール310は、チャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定するように構成され、第3の決定モジュール320は、最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定するように構成され、調整器330は、電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整するように構成される。
【0075】
一実施例において、第1の決定モジュール300は、
受信したプロトコルメッセージに応じてチャネル情報及び第2の通信ノードの位置を計算し、且つ第2の通信ノードの位置に応じてビーム制御情報を決定するように構成される第1の決定ユニットと、第1の通信ノード又は第2の通信ノードにより送信されたチャネル情報及びビーム制御情報を受信するように構成される受信ユニットと、のいずれかを備える。
【0076】
一実施例において、チャネル情報は、少なくとも、第1の通信ノードとスマートパネルとの間のチャネルマトリックス、スマートパネルと第2の通信ノードとの間のチャネルマトリックスを含む。
【0077】
一実施例において、ビーム制御情報は、少なくとも、ビームカバー領域の情報を含み、ビームカバー領域は、無線電磁信号を増強する必要がある領域であり、ビームカバー領域の数は、少なくとも1つであり、ビームカバー領域は、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである。
【0078】
一実施例において、ビーム制御情報は、ビーム抑制領域の情報をさらに含み、ビーム抑制領域は、無線電磁信号を弱める必要がある領域であり、ビーム抑制領域は、空間内の1つの点又は1つの幾何学的エリアである。
【0079】
一実施例において、ビーム制御情報は、全ての第1タイプの通信ノードの位置及び全ての第2タイプの通信ノードの位置により決定され、第1タイプの通信ノードは、スマートパネルがサービスを提供する必要がある第2の通信ノードであり、第2タイプの通信ノードは、スマートパネルが干渉を回避する必要がある第2の通信ノードであり、第1タイプの通信ノードの位置は、ビームカバー領域を構成し、第2タイプの通信ノードの位置は、ビーム抑制領域を構成する。
【0080】
一実施例において、第1タイプの通信ノードの数及び第2タイプの通信ノードの数、並びに第1タイプの通信ノードの位置及び第2タイプの通信ノードの位置の決定方式は、事前配置と、リアルタイム測定と、のいずれかを含む。
【0081】
一実施例において、プリセット目標関数は、第1タイプの通信ノードが受信した信号強度、第2タイプの通信ノードが受信した信号強度、第1タイプの通信ノードが受信した平均信号強度及び第2タイプの通信ノードが受信した平均信号強度により決定される。
【0082】
一実施例において、遺伝的アルゴリズム又は勾配降下アルゴリズム用いてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定する。
【0083】
一実施例において、スマートパネルは、電磁ユニットアレイからなり、電磁ユニットアレイは、同じ又は異なるタイプの電磁ユニットにより構成され、電磁ユニットアレイは、平面アレイと、曲面アレイと、のいずれかを含む。
【0084】
一実施例において、電磁ユニットは、金属、媒質材料及び液晶材料のいずれかにより構成され、サイズがサブ波長オーダーであり、その表面に入射した電磁波を制御し、電磁ユニットの制御される電磁的属性は、電磁波振幅、位相、分極方向のいずれかを含み、電磁ユニットは、電気抵抗、コンデンサ、ダイオード、バラクタダイオード、トランジスタという調整可能な電子素子のいずれかを含む。
【0085】
本実施例に係るスマートパネル制御装置は、図3に示す実施例のスマートパネル制御方法を実現するように構成され、本実施例に係るスマートパネル制御装置の実現原理及び技術効果は類似しており、ここでは繰り返し説明しない。
【0086】
図7は、本願の実施例に係るスマートパネルの構造模式図である。図7に示すように、本願に係るスマートパネルは、プロセッサ410、メモリ420及び通信モジュール430を備える。該スマートパネルにおけるプロセッサ410の数は、1つ又は複数であってもよく、図7では、1つのプロセッサ410を例とする。該スマートパネルにおけるメモリ420の数は、1つ又は複数であってもよく、図7では、1つのメモリ420を例とする。該スマートパネルのプロセッサ410、メモリ420及び通信モジュール430は、バス又は他の方式により接続することができ、図7では、バスにより接続することを例とする。スマートパネルのメモリ420は、コンピュータ可読記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶するように構成されることができ、例えば本願の任意の実施例のスマートパネルに対応するプログラム命令/モジュール(例えば、スマートパネル制御装置における第1の決定モジュール300、第2の決定モジュール310、第3の決定モジュール320及び調整器330)である。メモリ420は、プログラム記憶エリア及びデータ記憶エリアを含むことができ、そのうち、プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要とされるアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶エリアは、スマートパネルの使用に応じて作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ420は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよいし、不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスクメモリ装置、フラッシュメモリ装置、又は他の不揮発性固体メモリ装置を含んでもよい。いくつかの実例においては、メモリ420は、プロセッサ410に対して遠隔に設けられたメモリを含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークによりスマートパネルに接続可能である。上記ネットワークの実例は、インタネット、企業内部ネットワーク、ローカルネットワーク、移動通信ネットワーク及びこれらの組合せを含むが、これらに限られない。
【0087】
通信モジュール430は、第1の通信ノード及び第2の通信ノードと通信するように構成される。
【0088】
上記に係るスマートパネルは、上記任意の実施例に係るスマートパネル制御方法を実行するように構成されることができ、相応する機能及び効果を備える。
【0089】
一実施例において、図8は、本願の実施例に係るスマートパネル制御システムの構造ブロック図である。本実施例におけるスマートパネル制御システムは、少なくとも1つの第1の通信ノード510、少なくとも1つの第2の通信ノード520及び少なくとも1つのスマートパネル530を備え、前記第1の通信ノード510は、有線又は無線方式でスマートパネル530とシグナリングを行い、前記第2の通信ノード520は、無線方式でスマートパネル530とシグナリングを行い、1つの前記第1の通信ノード510、1つの前記スマートパネル530及び少なくとも1つの前記第2の通信ノード520から1つのビーム最適化制御グループとなり、1つのビーム最適化制御グループは、上記いずれかの実施例に記載のスマートパネル制御方法に従って無線電磁波に対して最適化制御を行う。図8に示すように、スマートパネル制御システムは、1つの第1の通信ノード510、1つの第2の通信ノード520及び1つのスマートパネル530を備え、且つ第1の通信ノード510、1つの第2の通信ノード520及び1つのスマートパネル530の間は、無線方式で通信することを例とし、スマートパネル制御システムの構造について説明する。実施例において、第1の通信ノード510は、無線方式によりスマートパネル530とシグナリングを行い、且つ第2の通信ノード520は、無線方式でスマートパネル530とシグナリングを行う。
【0090】
本願の実施例は、コンピュータ実行可能な命令を含む記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ実行可能な命令がコンピュータプロセッサにより実行されるとスマートパネル制御方法の実行に用いられ、該方法は、チャネル情報及びビーム制御情報を決定することと、チャネル情報及びビーム制御情報に応じてプリセット目標関数における最適化すべき制御パラメータを決定することと、最適化すべき制御パラメータに応じてスマートパネルにおける各電磁ユニットの目標制御状態を決定することと、電磁ユニットの現在の状態を目標制御状態に調整することと、を含む。
【0091】
当業者であれば、ユーザ機器という用語は、任意の適切なタイプの無線ユーザ機器、例えば携帯電話、携帯型データ処理装置、携帯型ウェブブラウザ又は車載型移動局を含むことを理解すべきである。
【0092】
一般的に、本願の複数の実施例は、ハードウエア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック又はそれらの任意の組合せで実現することができる。例えば、いくつかの側面ではハードウエアで実現することができるが、他の側面ではコントローラ、マイクロプロセッサ又は他の計算装置により実行可能なファームウェア又はソフトウェアで実現することができ、しかし本願はこれらに限られない。
【0093】
本願の実施例は、移動装置のデータプロセッサがコンピュータプログラム命令を実行することによって、例えばプロセッサエンティティにおいて、ハードウエアによって、またはソフトウェアとハードウエアとの組合せによって実現することができる。コンピュータプログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(Instruction Set Architecture、ISA)命令、機械命令、機械関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、或いは1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソースコード又はオブジェクトコードであってもよい。
【0094】
本願図面における任意のロジックフローのブロック図は、プログラムステップを表してもよいし、又は相互接続される論理回路、モジュール及び機能を表してもよいし、又はプログラムステップと論理回路、モジュールと機能の組合せを表してもよい。コンピュータプログラムは、メモリに記憶することができる。メモリは、ローカル技術環境に適した任意のタイプを有してもよく且つ任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現してもよく、例えば読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、光メモリ装置及びシステム(デジタル多機能ディスク(Digital Video Disc、DVD)又はコンパクトディスク(Compact Disk、CD))などであるが、これらに限られない。コンピュータ可読媒体は、非一時的記憶媒体を含むことができる。データプロセッサは、ローカル技術環境に適した任意のタイプであってもよく、例えば汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサであるが、これらに限られない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】