(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】デバイス支援式の眼の撮像および/または測定
(51)【国際特許分類】
A61B 3/15 20060101AFI20231227BHJP
A61B 3/12 20060101ALI20231227BHJP
A61B 3/10 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A61B3/15
A61B3/12
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537010
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021063967
(87)【国際公開番号】W WO2022133177
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518293446
【氏名又は名称】テッセラクト ヘルス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TESSERACT HEALTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ラルストン、タイラー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ロスバーグ、ジョナサン エム.
(72)【発明者】
【氏名】グレン、ポール イー.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ、マーク エム.
(72)【発明者】
【氏名】クーマンズ、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】グレン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アリエンツォ、マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】デホーグ、エドワード エイ.
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB02
4C316AB07
4C316AB11
4C316AB16
4C316FY02
4C316FY03
4C316FY05
4C316FY08
4C316FY09
(57)【要約】
本開示の態様は、臨床医または技師が不在であっても、対象によって操作される撮像および/または測定装置での使用に適している対象の眼の撮像および/または測定を支援するための改善された技術を提供し、それによって、医療グレード撮像および/または測定へのアクセスを改善する。いくつかの態様は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力の受信に応じて対象の眼の医療グレード画像および/または測定値を取り込むための技術に関する。いくつかの態様は、撮像および/または測定装置の視野内で対象の眼の位置を指し示す視覚的フィードバックを撮像および/または測定装置のユーザへ与えるための技術に関する。いくつかの態様は、対象の眼の第1の部分を照明光で選択的に照明し、対象の眼の第1の部分の画像を取り込むための技術に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の眼の第1の部分を照明光で選択的に照明するように少なくとも1つの光源を調整する工程と、前記対象の眼の前記第1の部分の画像および/または測定値を取り込む工程とを備える方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源は、前記対象の眼のそれぞれの部分を照明するように構成された複数の光源を備え、
前記少なくとも1つの光源を調整する工程は、前記対象の眼の前記第1の部分を照明する前記複数の光源のうちの選択されたサブセットをオンにする工程を備え、
前記方法は、複数の光学部品を使用して前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させる工程とをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の光源は、リング状に配列される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の光学部品は、第1のプレートを備え、前記第1のプレートは、環状部と、前記環状部内に位置決めされた掩蔽部とを有し、
前記対象の眼の前記第1の部分を選択的に照明する工程は、前記リング状に配列された前記複数の光源のうちの前記選択されたサブセットからの前記照明光を前記環状部の第1の部分を通して伝達する工程を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源は、前記対象の眼の前記第1の部分を照明するように前記照明光を選択的に与えるように構成された表示スクリーンを備え、
前記方法は、複数の光学部品を使用して前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させる工程をさらに備える
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の光学部品を使用して前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させる工程であって、前記複数の光学部品は、
穴を備えたミラー、および
前記ミラーに対して前記照明光を集束させるように構成された1つまたは複数の光学部品
を備える、集束させる工程と、
前記穴を通して撮像および/または測定センサで前記対象の眼の前記第1の部分からの反射した照明光を受け取る工程と
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象の眼の前記第1の部分の位置を特定するために、複数の赤外線(IR)光学部品を使用して前記対象の眼の第2の部分に対してIR光源からのIR光を集束させることによって前記対象の眼の前記第2の部分を少なくとも部分的に照明する工程
をさらに備え、
前記少なくとも1つの光源は、白色光源を備え、
前記少なくとも1つの光源を調整する工程は、前記第1の部分の位置を特定することに応じており、
前記方法は、複数の光学部品を使用して前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させる工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記対象の眼の第2の部分を照明することによって少なくとも部分的に前記対象の眼の前記第1の部分の位置を特定する工程
をさらに備え、
前記少なくとも1つの光源は、白色光源を備え、前記方法は、複数の光学部品を使用して前記白色光源からの第1の白色光を前記対象の眼の前記第1の部分に対して集束させる工程をさらに備え、
前記対象の眼の前記第2の部分を照明する工程は、前記対象の眼の前記第2の部分に対して前記白色光源からの第2の白色光を集束させる工程を備え、
前記第1の白色光は、前記第2の白色光よりも明るい、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記対象の眼の前記第1および第2の部分は、前記対象の眼の瞳孔上に位置する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記対象の眼の少なくとも前記第2の部分は、前記対象の眼の虹彩上に位置する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの光源を備える撮像および/または測定装置であって、前記撮像および/または測定装置は、対象の眼の第1の部分を照明光で選択的に照明するように前記少なくとも1つの光源を調整し、前記対象の眼の前記第1の部分の画像および/または測定値を取り込むように構成されている、撮像および/または測定装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光源は、前記対象の眼のそれぞれの部分を照明するように構成された複数の光源を備え、
前記撮像および/または測定装置は、前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させるように構成された複数の光学部品をさらに備え、
前記撮像および/または測定装置は、前記複数の光源のうちの選択されたサブセットをオンにして前記対象の眼の前記第1の部分を照明することによって前記少なくとも1つの光源を少なくとも部分的に調整するように構成されている、
請求項11に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項13】
前記複数の光源は、リング状に配列される、請求項12に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項14】
前記複数の光学部品は、第1のプレートを備え、前記第1のプレートは、環状部と、前記環状部内に位置決めされた掩蔽部とを有し、前記複数の光源のうちの前記選択されたサブセットは、前記環状部の第1の部分を通して前記照明光を伝達するように構成されている、請求項13に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光源は、表示スクリーンを備え、
前記撮像および/または測定装置は、前記対象の眼の前記第1の部分を照明するように前記照明光を選択的に与えるように前記表示スクリーンを調整するように構成され、
前記撮像および/または測定装置は、前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させるように構成された複数の光学部品をさらに備える、
請求項11に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項16】
前記撮像および/または測定装置は、
複数の光学部品であって、
穴を有するミラー、および
前記ミラーに対して前記照明光を集束させるように構成された1つまたは複数の光学部品
を備える複数の光学部品と、
前記ミラーの前記穴を通して前記対象の眼の前記第1の部分からの反射した照明光を受け取るように構成された撮像および/または測定センサと、
をさらに備える、請求項11に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光源は、前記照明光を与えるように構成された白色光源と、
前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させるように構成された複数の光学部品と、
赤外線(IR)光源と、
前記対象の眼の前記第1の部分の位置を特定するために、前記対象の眼の第2の部分に対して前記IR光源からのIR光を集束させるように構成された複数のIR光学部品と、を備え、
前記撮像および/または測定装置は、
前記対象の眼の前記第2の部分を照明することによって前記対象の眼の前記第1の部分の位置を少なくとも部分的に特定し、
前記対象の眼の前記第1の部分の位置を特定することに応じて前記少なくとも1つの光源を調整するようにさらに構成されている
請求項11に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光源は、前記照明光を与えるように構成された白色光源を備え、
前記撮像および/または測定装置は、
前記対象の眼の前記第1の部分に対して前記照明光を集束させるとともに、
前記対象の眼の第2の部分の位置を特定するために、前記対象の眼の前記第2の部分に対して前記照明光を集束させる、ように構成された複数の光学部品をさらに備え、
前記撮像および/または測定装置は、前記対象の眼の前記第2の部分を照明するために使用される白色光よりも明るい白色光で前記対象の眼の前記第1の部分を照明するように構成されている、
請求項11に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項19】
前記対象の眼の前記第1および第2の部分は、前記対象の眼の瞳孔上に位置する、請求項18に記載の撮像および/または測定装置。
【請求項20】
前記対象の眼の少なくとも前記第2の部分は、前記対象の眼の虹彩上に位置する、請求項18に記載の撮像および/または測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象の網膜眼底を含む対象の眼を撮像および/または測定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
対象の眼を撮像および/または測定するための技術は、改善から利益を得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示のいくつかの態様は、ユーザ入力を受信する工程と、ユーザ入力の受信に応じてユーザの眼の医療グレード画像および/または測定値を取り込む工程と、を備える方法に関する。
【0004】
本開示のいくつかの態様は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力の受信に応じてユーザの眼の医療グレード画像および/または測定値を取り込むように構成された撮像および/または測定装置に関する。
【0005】
本開示のいくつかの態様は、撮像および/または測定装置の視野内で対象の眼の位置を指し示すフィードバックを撮像および/または測定装置のユーザへ与える工程を備える方法に関する。
【0006】
本開示のいくつかの態様は、撮像および/または測定装置の野内で対象の眼の位置を指し示すフィードバックをユーザへ与えるように構成された撮像および/または測定装置に関する。
【0007】
本開示のいくつかの態様は、対象の眼の第1の部分を照明光で選択的に照明する工程と、対象の眼の第1の部分の画像を取り込む工程とを備える方法に関する。
本開示のいくつかの態様は、対象の眼の第1の部分を照明光で選択的に照明し、対象の眼の第1の部分の画像を取り込むように構成された撮像および/または測定装置に関する。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、第1の照明光を使用して対象の眼の第1の部分の位置を突き止める工程と、第2の照明光を使用して対象の眼の第2の部分の画像および/または測定値を取り込む工程とを備える方法に関する。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、第1の照明光を使用して対象の眼の第1の部分の位置を突き止め、第2の照明光を使用して対象の眼の第2の部分の画像および/または測定値を取り込むように構成された撮像および/または測定装置に関する。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、撮像および/または測定デバイスによって取り込まれた対象の眼の第1のスキャンと第2のスキャンとの間の位置合わせ不良を補償する工程を備える方法に関する。
【0011】
本開示のいくつかの態様は、撮像および/または測定装置を製造する方法に関し、方法は、撮像および/または測定装置の視野内で対象の眼の位置を指し示すフィードバックを撮像および/または測定装置のユーザへ与えるように撮像および/または測定装置を構成する工程を備える。
【0012】
本開示のいくつかの態様は、撮像および/または測定装置を製造する方法に関し、方法は、対象の眼の第1の部分を照明光で選択的に照明し、対象の眼の第1の部分の画像および/または測定値を取り込むように撮像および/または測定装置を構成する工程を備える。
【0013】
前述の概要は、限定であることは意図されない。また、本開示の様々な態様は、単独で実施されてもよく、または他の態様と組み合わせて実施されてもよい。
添付の図面は、原寸に比例していることは意図されない。図面では、様々な図に示される同一またはほぼ同一の各構成要素は、同じ数字によって表される。明確にするために、全ての図面において全ての構成要素に符号が付されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】いくつかの実施形態による、例示的な撮像装置の上面斜視図。
【
図1B】いくつかの実施形態による、
図1Aの撮像装置の分解組立図。
【
図1C】いくつかの実施形態による、
図1Aのユーザが操作する撮像装置の側面図。
【
図1D】いくつかの実施形態による、スタンドに設置された
図1Aの撮像装置の側面斜視図。
【
図1E】いくつかの実施形態による、撮像装置がユーザの頭に対してマウントされている間の
図1Aのユーザが操作する撮像装置の側面斜視図。
【
図1F】いくつかの実施形態による、撮像装置が表面上にマウントされている間の
図1Aの撮像装置の側面斜視図。
【
図2A】いくつかの実施形態による、撮像装置の光干渉断層撮影(OCT)撮像コンポーネントを示すためにハウジング部が除去されている撮像装置の上面斜視図。
【
図2B】いくつかの実施形態による、
図2Aの撮像装置の上面図。
【
図2C】いくつかの実施形態による、
図2Aの撮像装置の側面斜視図。
【
図3A】いくつかの実施形態による、撮像装置の白色光および蛍光撮像コンポーネントを示すためにハウジング部が除去されている例示的な撮像装置の一部の上面図。
【
図3B】いくつかの実施形態による、
図3Aの撮像装置の上面図。
【
図4】撮像装置の白色光、蛍光、OCT、および赤外線(IR)撮像コンポーネントを示すためにハウジング部が除去されている、いくつかの実施形態による例示的な撮像装置の上面斜視図。
【
図5】いくつかの実施形態による、撮像装置の白色光および蛍光撮像コンポーネントを示す
図4の撮像装置の一部の上面図。
【
図6A】いくつかの実施形態による、固視コンポーネントを備えた
図5の白色光および蛍光撮像コンポーネントの概略図。
【
図6B】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントの視点からの撮像ターゲットの図。
【
図6C】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントに含まれ得る光源コンポーネントの正面図。
【
図6D】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントに含まれ得る代替の光源コンポーネントの正面図。
【
図6E】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントの環状窓を備えたプレートの正面図。
【
図6F】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントの掩蔽部を備えたプレートの正面図。
【
図6G】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントの照明ミラーの正面図。
【
図7】いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネントを備える撮像装置のユーザの視点からの
図6Aの固視ディスプレイの図。
【
図8A】いくつかの実施形態による、固視マスクを備える白色光および蛍光撮像コンポーネントの概略図。
【
図8B】いくつかの実施形態による、
図8Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントの方向Aに沿った第1の固視マスクの図。
【
図8C】いくつかの実施形態による、
図8Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントの方向Aに沿った第2の固視マスクの図。
【
図9A】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光コンポーネントの代替の固視コンポーネントの概略図。
【
図9B】いくつかの実施形態による、
図9AのマスクXの正面図。
【
図9C】いくつかの実施形態による、
図9Aのビーム・スプリッタYの正面図。
【
図10A】いくつかの実施形態による、
図6Aの白色光および蛍光撮像コンポーネントのさらなる代替の固視コンポーネントの概略図。
【
図10B】いくつかの実施形態による、
図10Aのビームスプリッタの第1の端部の正面図。
【
図11】いくつかの実施形態による、虹彩センサ・コンポーネントをさらに備える白色光および蛍光撮像コンポーネントの概略図。
【
図12A】いくつかの実施形態による、対象の眼に対してのスキャンの例示的な進行を示す図。
【
図12B】いくつかの実施形態による、
図12Aの進行に取り込まれたスキャンを使用して構築された画像。
【
図13A】いくつかの実施形態による、スキャンのうちの1つ同士間の位置合わせ不良に対して補償が行われた対象の眼に対してのスキャンの例示的な進行を示す図。
【
図13B】いくつかの実施形態による、
図13Aの進行において取り込まれたスキャンを使用して構築された画像。
【
図14】いくつかの実施形態による、対象へ与えられる例示的な視覚的フィードバック表示の図。
【
図15】いくつかの実施形態による、スキャン間の位置合わせ不良を補償するように構成され得る例示的なデジタル処理回路のブロック図。
【
図16】いくつかの実施形態による、対象の眼の画像を取り込む例示的な方法の流れ図。
【
図17】いくつかの実施形態による、対象の眼の画像を取り込む代替の例示的な方法の流れ図。
【
図18】いくつかの実施形態による、対象の眼のOCT画像および/または測定値を取り込む例示的な方法の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.導入
本開示の態様は、対象(ならびに/あるいは臨床医、技師、および/または医師)によって操作される撮像装置での使用に適している対象の眼の撮像を支援するための改善された技術を提供する。いくつかの態様は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力の受信に応じて、対象の眼の医療グレード画像および/または測定値を取り込むための技術に関する。いくつかの態様は、撮像および/または測定装置の視野内で対象の眼の位置を指し示す視覚的フィードバックを撮像および/または測定装置のユーザへ与えるための技術に関する。いくつかの態様は、対象の眼の第1の部分を照明光で照明し、照明光が対象の眼の第2の部分に到達するのを実質的に阻止するための技術に関する。いくつかの態様は、第1の光源からの光を使用して対象の眼の第1の部分の位置を突き止め、第2の光源からの光を使用して対象の眼の第2の部分の画像を取り込むための技術に関する。いくつかの態様は、対象の眼の第1のスキャンと第2のスキャンとの間の位置合わせ不良を補償するための技術に関する。本明細書中で説明される撮像および/または測定装置ならびに技術は、医療グレード撮像品質を与え、臨床医または技師が不在であっても、撮像される対象によって生成または実行され得、それによって、医療グレード撮像へのアクセスを改善する。本明細書に説明されるように、医療グレード画像は、対象の健康状態および/または病気を決定および/または診断するのに有用である対象の解剖学的構造(例えば、対象の眼)の一部の画像であり得る。
【0016】
本発明者らは、人の眼は、人が目の病気を有するか否かを決定するだけでなく、人の全体的な健康を決定するために使用され得る身体への窓を与えることを認識し、理解した。特に、網膜眼底は、様々な健康決定で使用するための撮像を介して価値のある情報を提供することができる。しかしながら、眼底を撮像する従来のシステムは、対象の眼についての表面的な情報を提供するのみであり、ある種の病気を診断するのに十分な情報を提供することができない。したがって、いくつかの実施形態では、複数の撮像モードが、対象の眼底をより完全に撮像するために使用される。例えば、2つ以上の技術が、眼底を同時に撮像するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、光学撮像、蛍光撮像、および光干渉断層撮影の技術が、眼底の多モード撮像を提供するために使用され得る。本発明者らは、多モード撮像を使用することによって、従来の単一モード撮像と比較して、対象の健康を決定するために使用され得るよりも大量の情報が眼底について得られ得ることを認識した。いくつかの実施形態では、光学撮像、光干渉断層撮影(OCT)、蛍光スペクトル撮像、および蛍光寿命撮像(FLI)のうちの2つ以上が、眼底の多モード画像を提供するために使用され得る。例として、カラー光学撮像、赤外線(IR)撮像、OCT、蛍光スペクトル撮像、およびFLIを一緒に使用するデバイスは、眼底を撮像する5つのモードを提供する。
【0017】
本明細書中で説明される蛍光撮像および/または測定技術は、撮像および/または測定の前および/または最中に、対象の眼内の自然発光分子および/または対象の眼内に配置された1つまたは複数の色素中の発光分子を励起する工程を含み得ることを理解されたい。また、本明細書中で説明されるOCT撮像および/または測定技術は、代替としてまたは追加的に、ドップラーOCT技術および/またはOCT血管造影(OCT-A)技術を含んでもよい。
【0018】
本発明者らは、デバイスを、ポータブル、ハンドヘルド、および手頃な価格にすることが、地球規模の健康に最大の影響を及ぼすことをさらに認識および理解している。特定の病気を診断するための専門の施設を提供することができないおよび/または撮像検査からのデータを分析するための医療専門家を有さない国または地域は、しばしば、全住民の全体的な健康を損なうまで取り残される。任意の低所得コミュニティに持ち込まれ得るポータブル・デバイスは、重要なヘルスケア診断へのより多くのアクセスを可能にする。したがって、いくつかの実施形態は、ポータブルであり、いくつかの例ではハンドヘルドであるハウジング内の眼底を撮像する複数のモードを含む装置に向けられている。いくつかの実施形態では、装置は、対象が眼底撮像のために装置を眼まで保持し得るように双眼フォームファクタを有する。いくつかの実施形態では、撮像モードのうちの1つまたは複数は、装置をより小型、効率的、および費用効果的にするために光学部品を共有してもよい。例えば、カラー光学撮像デバイスおよび蛍光撮像デバイスは、装置の双眼ハウジングの第1の半体内に収納されてもよく、OCTデバイスは、双眼ハウジングの第2の半体内に収納されてもよい。
【0019】
そのような装置を使用して、対象の両目は、異なるデバイスを使用して同時に撮像され得る。例えば、対象の左眼は、光学撮像デバイスおよび/または蛍光撮像デバイスを使用して撮像されてもよく、一方、対象の右眼は、OCTデバイスを使用して撮像される。最初の撮像が完了した後、対象は、双眼装置の向きを逆にすることができ、それによって、そこで、各眼は、双眼ハウジングの他方の半体に配置されたデバイスで測定されるようにすることができ、例えば、左眼は、OCTデバイスを使用して撮像され、右眼は、光学撮像デバイスおよび/または蛍光撮像デバイスを使用して撮像される。装置が両方の向きで動作できることを確実にするために、対象の眼の近くに配置される装置の前面は、実質的に対称的であり得る。加えてまたは代替として、装置のハウジングの2つの半体は、2つの半体がいずれかの向きであるように調整されることを可能にするヒンジによって接続されてもよい。
【0020】
本発明者らは、従来の眼撮像装置は、対象が対象自らの眼を撮像するために使用するのに適していないことをさらに認識および理解している。例えば、従来の撮像装置は、典型的には、臨床医または技師が、撮像の前、最中、および後に対象の眼を配置する場所を対象に指示することができる臨床現場において使用される。臨床医または技師が対象の位置決めに満足すると、対象の眼の画像が取り込まれてもよい。OCTスキャンのシーケンスなどの、画像のシーケンスが取り込まれることになると、対象は、スキャン・シーケンスの最中にOCTデバイスの移動を防止するように確実に位置決めされるOCTデバイスを使用してもよい。臨床医または技師は、対象がシーケンスの最中に移動する場合、スキャン・シーケンスを再開することができる。しかしながら、臨床医または技師がいないとき、ほとんどの対象は、自らを適切に位置決めすることができず、または画像を取り込むときを知ることができない。適切に位置決めされないとき、対象の眼のいくつかの部分は、撮像の最中に照明光を反射し、取り込まれた画像の品質を劣化させる可能性がある。また、ポータブル・デバイスを使用するとき、対象の眼は、デバイスに対して移動する場合があり、それによって、それが取り込まれている間、OCTスキャン・シーケンスを不安定にする。
【0021】
これらの問題に対処するために、本発明者らは、対象によって行われる対象の眼の撮像を容易にする技術を開発した。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像および/または測定装置は、対象の眼の一部の位置を突き止め、対象の眼の一部の画像を取り込むように構成されてもよい。例えば、撮像および/または測定装置は、対象の瞳孔の一部などの対象の眼の1つまたは複数の関心部分の位置を突き止め、その画像を取り込むように構成されてもよい。同じまたは別の例では、撮像および/または測定装置は、望ましくない部分が撮像されないように、対象の角膜または虹彩などの対象の眼の望ましくない部分の位置を突き止めるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、撮像および/または測定装置は、光第1の照明光(例えば、赤外光)で対象の眼を照明し、対象の眼の第1の部分(例えば、角膜または虹彩)の位置を突き止め、第2の照明光(例えば、白色光)で対象の眼の第2の部分を照明して、第2の部分の画像を取り込むように構成されてもよい。例えば、撮像および/または測定デバイスは、照明されたときに第1の部分によって反射される光を使用して、第1の部分の位置を決定するように構成されてもよい。対象の眼の一部の位置を突き止め、その画像を取り込むことによって、撮像装置は、(例えば、臨床医または技師が不在の場合に)初心者ユーザによって操作されるときでも、対象の眼のより高い品質の医療グレード画像を取り込むように構成され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像および/または測定デバイスは、対象の眼の1つまたは複数の第1の部分を照明光で選択的に照明するように1つまたは複数の光源を調整し、対象の眼の第1の部分の画像を取り込むように構成され得る。例えば、第1の部分は、対象の瞳孔の部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、撮像および/または測定デバイスは、照明光を与えるように構成された少なくとも1つの光源と、対象の眼の第1の部分に対して照明光を集束させるように構成された光学部品とを含むことができる。例えば、光源は、対象の眼の様々な部分を照明するように構成された複数の光源を含むことができる。例えば、光源の1つまたはグループは、リング状に配列され、対象の眼上の対応するリングを照明するように構成された光源を有するように対象の眼のそれぞれの部分を照明するように位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、光学部品は、本明細書中でさらに説明されるように、光源が環状部を通して第1の部分を照明するように構成されるように環状部とこの環状部の中央にある掩蔽部とを有するプレートを含んでよい。対象の眼の1つまたは複数の部分を選択的に照明し、撮像することによって、撮像および/または測定装置は、撮像のために所望される対象の眼の部分のみを照明し、それによって望ましくない部分からの反射が対象の眼のうちの選択された部分の取り込まれた画像の品質を劣化させることを防ぐことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像および/または測定デバイスは、撮像および/または測定装置の視野内で対象の眼の位置を指し示す撮像および/または測定装置のユーザへフィードバックを与えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、対象であり得る。例えば、従来のシステムでは、撮像装置のユーザは、技師または臨床医だけしかあり得ないが、本明細書中で説明される撮像および/または測定装置のユーザは、撮像されている対象であり得る。いくつかの実施形態では、撮像および/または測定装置は、撮像および/または測定装置の視野内で対象の眼の位置を突き止め、対象の眼の位置を突き止めることに応じて視覚的フィードバックを与えるように構成されてもよい。例えば、撮像および/または測定装置は、対象の眼がターゲット位置の閾値範囲(例えば、撮像および/または測定装置の撮像および/または測定デバイスから対象の眼までのターゲット距離)内に位置決めされていないことを決定し、ユーザに対して対象の眼の再位置決めをさせるためのフィードバックを与えることができる。いくつかの実施形態では、撮像および/または測定装置の固視ディスプレイ・コンポーネントは、ユーザへ視覚的フィードバックを表示するように構成されてもよい。ユーザへ視覚的フィードバックを与えることによって、撮像および/または測定装置は、初心者ユーザによっても装置の動作を容易にすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、撮像および/または測定装置は、対象の眼のスキャン間の位置合わせ不良を補償するように構成され得る。例えば、撮像および/または測定装置は、ユーザが位置合わせ不良を補償するために、例えば、OCT撮像および/または測定デバイスのスキャン・ミラーの参照経路長および/または位置決めを調整することによって、ならびに/あるいはユーザ(例えば、操作者および/または対象)へフィードバックを与えることによって、位置合わせ不良を補償するように構成されたOCT撮像および/または測定デバイスを含んでもよい。対象の眼のスキャン間の位置合わせ不良を補償することによって、撮像および/または測定装置は、スキャン・シーケンスの最中に対象の眼および/または撮像および/または測定装置が移動するときでも、対象の眼の高品質の医学的に有用な画像を取り込むことができる。
【0025】
本明細書中で上述された技術およびさらに説明される技術によれば、撮像および/または測定装置は、対象によって、対象の自らの眼を撮像するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像および/または測定装置は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力の受信に応じて対象の眼の医療グレード画像および/または測定値を取り込むように構成されてもよい。例えば、ユーザは、撮像および/または測定装置によって撮像されている対象であってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ入力は、撮像装置の1つまたは複数のボタンを使用して与えられ得る。いくつかの実施形態では、画像装置は、OCTデバイス、IRデバイス、FLIデバイス、および/または白色光デバイスなどの1つまたは複数の撮像および/または測定デバイスを含んでもよい。
【0026】
本明細書中で説明される技術は、単独で、または任意の組合せで実施され得ることを理解されたい。本明細書中で説明される技術は、対象の自らの眼を撮像するために必ずしも対象によって操作されない撮像および/または測定装置に使用され得ることも理解されたい。本明細書中で説明される実施形態はそのように限定されないので、例えば、本明細書中で説明される技術は、1つまたは複数の臨床医および/または技師によって支援される使用のために病院および診療所などの従来の現場のために構成された撮像装置に使用され得る。
【0027】
II.例示的な撮像および/または測定装置およびコンポーネント
図1A~
図1Fは、いくつかの実施形態による、撮像(および/または測定)装置100の例示的な一実施形態を示す。
図1Aに示されるように、撮像装置100は、複数のハウジング部分101a、101b、および101cを含むハウジング101を有する。ハウジング部分101aは、撮像装置100をオンまたはオフにするためのおよびスキャン・シーケンスを開始するための複数のボタンを含む制御パネル125を有する。
図1Bは、撮像(および/または測定)デバイス122および123ならびにエレクトロニクス120などのハウジング101内に配設されたコンポーネントを示す撮像装置100の分解組立図である。撮像デバイス122および123は、様々な実施形態による、白色光撮像コンポーネント、蛍光撮像コンポーネント、赤外線(IR)撮像コンポーネント、および/またはOCT撮像コンポーネントのうちの1つまたは複数を含み得る。一例では、撮像デバイス122は、OCT撮像コンポーネント、および/またはIR撮像コンポーネントを含んでもよく、撮像デバイス123は、白色光撮像コンポーネント、および/または蛍光撮像コンポーネントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、撮像デバイス122および/または123は、可視の固視オブジェクトをユーザの撮像装置100へ表示するように構成された固視コンポーネントを含んでもよい。撮像装置100は、例えば
図1Cに示されるように、撮像のために人の目を受け入れるように構成された前ハウジング部分105をさらに含む。
図1Dは、スタンド150に設置された撮像装置100を示す。
図1Eは、対象の頭に対してマウントされた撮像装置100を示す。
図1Fは、表面上にマウントされた撮像装置100を示す。
【0028】
図1A~
図1Fに示されるように、ハウジング部分101aおよび101bは、撮像装置100のコンポーネントの全部またはほとんどがハウジング部分101aと101bとの間に配設させられることなどによって撮像装置100を実質的に取り囲むことができる。ハウジング部分101cは、ハウジング101を一緒に留める1つまたは複数のねじを使用するなど、ハウジング部分101aおよび101bに機械的に結合され得る。
図1Bに示されるように、ハウジング部分101cは、撮像デバイス122および123を収容するためのハウジング部分102および103などの複数のハウジング部分をその中に有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ハウジング部分102および103は、撮像デバイス122および123を所定の位置に保持するように構成され得る。ハウジング部分101cは、レンズ110および111が配設されている一対のレンズ部分をさらに含む。ハウジング部分102および103ならびにレンズ部分は、レンズ110および111との位置合わせで撮像デバイス122および123を保持するように構成されてもよい。ハウジング部分102および103は、レンズ110および111の焦点を調整するための集束部品126および127を収容することができる。いくつかの実施形態は、固定タブ128をさらに含んでもよい。固定タブ128を調整する(例えば、押し付ける、引く、押すなど)ことによって、ハウジング部分101a、101b、および/または101cは、保守および/または修理の目的で撮像装置100のコンポーネントへアクセスするためになど、互いから分離されることが可能である。
図1Bに示されるように、撮像装置100のエレクトロニクス120は、撮像、測定、および/または関連した処理を実行するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態では、エレクトロニクス120は、撮像デバイスを使用して取り込まれたデータを分析するなどのための1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、エレクトロニクス120は、携帯電話、デスクトップ、ラップトップ、またはタブレット・コンピュータ、および/あるいはスマート・ウォッチなどの他のデバイスおよび/またはコンピュータへ電気的に通信する有線手段および/または無線手段を含み得る。例えば、撮像装置100のエレクトロニクス120は、USBおよび/または適切な無線ネットワークなどによってそのようなデバイスへの有線および/または無線接続を確立するために構成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング101は、1つまたは複数の電気(例えば、USB)ケーブルを収容するための1つまたは複数の開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハウジング101は、そのようなデバイスへのまたはそれからの無線信号を送信および/または受信するためにそこに配設された1つまたは複数のアンテナを有してもよい。いくつかの実施形態では、撮像デバイス122および/または123は、電気ケーブルおよび/またはアンテナとインターフェースをとるように構成され得る。いくつかの実施形態では、エレクトロニクス120は、そのように通信可能に結合されたデバイスまたはコンピュータから受信される命令に基づいて取り込まれた画像データを処理するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、撮像装置100は、撮像装置100に通信可能に結合されたデバイスおよび/またはコンピュータから受信した命令に基づいて、画像取り込みシーケンスを開始することができる。いくつかの実施形態では、撮像装置100に通信可能に結合されたデバイスおよび/またはコンピュータは、撮像装置100によって取り込まれた画像データを処理することができる。
【0029】
制御パネル125は、エレクトロニクス120に電気的に結合され得る。例えば、制御パネル125のスキャン・ボタンは、撮像デバイス122および/または123を使用してスキャンを開始するために、画像取り込みおよび/またはスキャン・コマンドをエレクトロニクス120へ通信するように構成されてもよい。別の例として、制御パネル125の電源ボタンは、電源オンまたは電源オフコマンドをエレクトロニクス120へ通信するように構成されてもよい。
図1Bに示されるように、撮像装置100は、撮像装置100の周囲環境中の電磁干渉(EMI)源からエレクトロニクス120を絶縁するように構成された電磁シールド124をさらに含むことができる。電磁シールド124を含むことで、エレクトロニクス120の動作(例えば、ノイズ性能)を改善することができる。いくつかの実施形態では、電磁シールド124は、1つまたは複数のプロセッサで発生する熱を放散するためにエレクトロニクス120の1つまたは複数のプロセッサに結合されてもよい。
【0030】
図1Cに示されるように、例えば、撮像装置100の動作の最中に、撮像装置100を使用する人は、人の目が撮像装置100のレンズ部分と位置合わせされるように人の顔に対して前ハウジング・セクション105を配置することができる。いくつかの実施形態では、撮像装置100は、ハウジング101に結合されるとともに人の手による把持のために構成された把持部材(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、把持部材は、軟質プラスチック材料を使用して形成されてもよく、人の指を収容するように人間工学的に成形されてもよい。例えば、人は、両手で把持部材を把持し、人の目がレンズ部分と位置合わせしているように人の顔に対して前ハウジング・セクション105を配置することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像装置は、
図1Dの例に示されるように、スタンドに対してマウントするように構成されてもよい。
図1Dにおいて、撮像装置100は、基部152および保持部分158を含むスタンド150によって支持されている。基部152は、実質的にU形の支持部分を含んで示されており、支持部分の下側に取り付けられた複数の脚154を有する。基部152は、図に示されるように、テーブルまたは机の上で撮像装置100を支持するように構成され得る。保持部分158は、撮像装置100のハウジング101を収容するような成形され得る。例えば、保持部分158の外部に向いている側は、ハウジング101に適合するように成形されてもよい。
【0032】
図1Dに示されるように、基部152は、ヒンジ156によって保持部分158に結合され得る。ヒンジ156は、基部152を支持する表面に平行な軸を中心にした回転を許可することができる。例えば、撮像装置100およびスタンド150の動作の最中、人は、撮像装置100がそこに設置された保持部分158を、人が片眼または両眼を撮像するのに快適な角度まで回転させることができる。例えば、人は、テーブルまたは机支持スタンド150に着席させられてもよい。いくつかの実施形態では、人は、撮像装置内の撮像デバイスが人の眼を撮像するのに沿った光軸に平行な軸を中心にして撮像装置100を回転させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スタンド150は、代替としてまたは加えて、光軸に平行なヒンジを含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、保持部分158(またはスタンド150の何らかの他の部分)は、有線または無線接続を通して撮像装置100へ電力を伝達するように構成される充電ハードウェアを含んでもよい。一例では、スタンド150内の充電ハードウェアは、1つまたは複数の無線充電コイルに結合された電源を含むことができ、撮像装置100は、スタンド150内のコイルから電力を受け取るように構成された無線充電コイルを含むことができる。別の例では、スタンド150内の充電ハードウェアは、撮像装置100が保持部分158に対して設置されると、撮像装置100の相補的コネクタが、スタンド150のコネクタとインターフェースをとるように保持部分158の外部に向いている側にある電気コネクタに結合され得る。様々な実施形態によれば、無線充電ハードウェアは、充電のために適切な電圧および電流を撮像装置100へ与えるように構成された1つまたは複数の電力変換器(例えば、ACからDC、DCからDCなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、スタンド150は、撮像装置100に有線または無線電力を供給するように構成された少なくとも1つの充電式バッテリを収容することができる。いくつかの実施形態において、スタンド150は、単相壁コンセントなどの標準的な壁コンセントから電力を受け取るように構成された1つまたは複数の電力コネクタを含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、前ハウジング部分105は、複数の部分105aおよび105bを含み得る。部分105aは、機械的に弾性のある材料を使用して形成されてもよく、一方、前部分105bは、機械的に従順な材料を使用して形成されてもよく、それにより前ハウジング部分105は、ユーザが着用するのに快適である。例えば、いくつかの実施形態では、部分105aは、プラスチックを使用して形成されてもよく、部分105bは、ゴムまたはシリコーンを使用して形成されてもよい。他の実施形態では、前ハウジング部分105は、単一の機械的に弾性のある材料または機械的に従順な材料を使用して形成されてもよい。いくつかの実施形態では、部分105bは、前ハウジング部分105の外側に配設されてもよく、部分105aは、部分105b内に配設されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、撮像装置100は、対象の一部に対して位置決めされるように構成されたマウントによって支持されてもよい。例えば、
図1Eに示されるように、撮像装置100は、ストラップ172によって対象の頭に対してマウントされる。いくつかの実施形態では、ストラップ172などのマウント・コンポーネントは、撮像装置100上の1つまたは複数の位置に対して機械的に固定されることができる。撮像装置100に取り付けるように構成されたゴーグルおよび/またはフェース・マスクなどのマウント・コンポーネントの他の形態が使用されてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、マウント・コンポーネントは、対象が撮像装置100を1つまたは複数の方向に移動させることができるように手動で調整可能であってもよい。いくつかの実施形態では、マウント・コンポーネントは、撮像装置100を1つまたは複数の方向に移動させるように構成されたモータを含むなど、自動的に調節可能であってもよい。例えば、本明細書中で説明されるように対象の眼の1つまたは複数の部分の位置を特定した後に、撮像装置100は、対象の眼の位置に対応するように、撮像の前および/または撮像の最中に、様々な方向に移動するように構成されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、撮像装置は、表面上に位置決めされるように構成されたマウントによって支持され得る。例えば、
図1Fに示されるように、撮像装置100は、スタンド174によって表面176にマウントされる。いくつかの実施形態では、表面176は、テーブルまたは机の上面、天井面(例えば、撮像装置100は、上の方の表面からぶら下がってもよい)、あるいは床面にあってもよい。いくつかの実施形態では、撮像装置100は、撮像装置100の複数の位置にあるスタンド174に対して固定されてもよい。いくつかの実施形態では、スタンド174は、対象が1つまたは複数の方向に撮像装置100を移動することができるように手動で調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、
図1Eに関連して説明されるように、スタンド174は、1つまたは複数の方向に撮像装置100を移動させるように構成されたモータを含むなど、自動で調整可能であり得る。
【0037】
図2A~
図2Cは、いくつかの実施形態による、OCT源コンポーネント210、試料コンポーネント220、参照コンポーネント240、検出コンポーネント250、および固視ディスプレイ270を備える例示的な撮像装置200を示す。
図2Aは、撮像装置200のOCTコンポーネントを示すために撮像装置200のハウジング部分が除去されている撮像装置200の上面斜視図であり、
図2Bは、
図2Aに示された構成における撮像装置200の上面図であり、
図2Cは、
図2Aに示された構成における撮像装置200の側面斜視図である。
【0038】
源コンポーネント210は、対象の眼に対して集束させるために試料コンポーネント220へ、および参照コンポーネント240の1つまたは複数の参照面に対して集束させるために参照コンポーネント240へ、光を発生させて与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、源コンポーネント210は、スーパー・ルミネセント・ダイオードなどの1つまたは複数の光源と、源からの光を集束させるように構成された光学部品とを含み得る。源コンポーネント210のうち、光源212、円柱レンズ216、およびビーム・スプリッタ218が、
図2A~
図2Cに示されている。光源212は、円柱レンズ216を介してビーム・スプリッタ218へ光を与えるように構成され得る。ビーム・スプリッタ218は、光源212からの光を試料コンポーネント220および参照コンポーネント240に対して光学的に結合するように構成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、試料コンポーネント220は、1つまたは複数の光学部品を介して源コンポーネント210からの光を対象の眼に与え、対象の眼からの反射した光を受け取り、反射した光を検出コンポーネント250へ与えるように構成され得る。試料コンポーネント220のうち、スキャン・ミラー222、および固視ダイクロイック224が、
図2A~
図2Cに示されている。スキャン・ミラー222は、源コンポーネント210のビーム・スプリッタ218からの光を対象の眼のターゲット部分の方へ向けるように構成され得る。固視ダイクロイック224は、固視ディスプレイ270からの光を対象の眼に光学的に結合するように構成され得る。
図2Cでは、撮像装置200は、固視ディスプレイ270からのおよび源コンポーネント210からの光を、同じ光路に沿って対象の眼に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、試料コンポーネント220は、IR撮像コンポーネントからの光を対象の眼に結合するように構成された赤外線(IR)ダイクロイックを含むこともできる。例えば、IR撮像コンポーネントは、IRダイクロイックから対象の眼までの光路の少なくとも一部を共有することができる。いくつかの実施形態では、源コンポーネント210および試料コンポーネント220は、第1の方向に対象の眼を横切る線を照明するように構成されてもよく、スキャン・ミラー222は、第1の方向に直交する第2の方向に対象の眼を横切る線をスキャンするように構成されてもよい。例えば、第1方向は横方向であってもよく、第2方向は垂直方向であってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、参照コンポーネント240は、源コンポーネント210からの光を1つまたは複数の光学部品を介して1つまたは複数の参照面へ与えるように構成され得る。参照コンポーネント240のうち、分散補償器242、円柱レンズ244、折り返しミラー246、および参照面248が
図2A~
図2Cに示されている。分散補償器242、円柱レンズ244、および折り返しミラー246は、ビーム・スプリッタ218からの光を参照面248に向けて集束させ、参照面248から反射された光を、ビーム・スプリッタ218を介して検出コンポーネント250に与えるように構成され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、検出コンポーネント250は、源コンポーネント210からの光を試料コンポーネント220および参照コンポーネント240へ与えることに応じて試料コンポーネント220および参照コンポーネント240からの反射した光を受け取るように構成され得る。検出コンポーネント250のうち、非球面レンズ252、平凹レンズ254、色消しレンズ256、透過格子258、色消しレンズ260、および撮像センサ268が、
図2A~
図2Cに示されている。非球面レンズ252、平凹レンズ254、ならびに色消しレンズ256および260は、受け取った光を撮像センサ268に対して向けて集束させるように構成されることが可能である。透過格子258は、撮像センサ268の伝達関数のノイズ性能を強化し得るリトロー角で受け取った光を透過させるように構成され得る。撮像センサ268は、試料コンポーネント220を介して受け取った光と参照コンポーネント240を介して受け取った光との間の位相差を決定するように構成された干渉計(例えば、マイケルソンおよび/またはマッハツェンダー)を含み得る。いくつかの実施形態では、検出コンポーネント250は、試料コンポーネント220を介して受け取られたIR光を使用してIR画像を取り込むように構成されたIRセンサを含むこともできる。いくつかの実施形態では、検出コンポーネント250は、照明線に沿った深度情報を指し示すために、対象の眼を横切った照明線からの反射した光を使用して画像を発生させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スキャン・ミラー222は、(例えば、垂直方向に)対象の眼を横切って照明線をスキャンするとき、検出コンポーネント250は、スキャンされた線ごとに画像を発生させるように構成されてもよく、それによって、2次元(例えば、横方向および垂直、ならびに/または任意の他の一対の直交次元)における深度画像を作成する。
【0042】
図3A~
図3Bは、いくつかの実施形態による、例示的な撮像装置300の白色光および蛍光撮像コンポーネント304の上面図である。
図3Aは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント304を示すためにハウジング部が除去されている撮像装置300の一部の上面図である。
図3Bは、いくつかの実施形態による、
図3Aの撮像装置の上面図である。
図3A~
図3Bに示されるように、白色光および蛍光撮像コンポーネント304は、白色光源コンポーネント310と、励起源コンポーネント320と、試料コンポーネント330と、固視ディスプレイ342と、検出コンポーネント350とを含む。いくつかの実施形態では、白色光源コンポーネント310および励起源コンポーネント320は、対象の網膜眼底からの反射した光および/または蛍光が検出コンポーネント350を使用して撮像されることが可能であるように、試料コンポーネント330を介して対象の眼を照明するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、固視ディスプレイ342は、撮像の最中に対象が集束させる固視オブジェクトを与えるように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、白色光源コンポーネント310は、本明細書中で説明されるように、網膜眼底によって反射および/または散乱された光が、検出コンポーネント350によって取り込まれおよび撮像されることができるように対象の網膜眼底を照明するように構成され得る。
図3A~
図3Bに示されるように、白色光源コンポーネント310は、白色光源312、コリメート・レンズ314、およびレーザ・ダイクロイック316を含む。いくつかの実施形態では、白色光源312は、白色発光ダイオード(LED)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、白色光源312は、可視スペクトルを実質的にカバーするように組み合わされる複数のカラーLEDを含んでよく、それによって白色光源を近似する。いくつかの実施形態では、白色光源312は、1つまたは複数の青色レーザまたは紫外線(UV)レーザを含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、励起源コンポーネント320は、検出コンポーネント350によって蛍光が取り込まれ得るように対象の網膜眼底内の1つまたは複数の関心の分子内の蛍光を励起するように構成されてもよい。
図3A~
図3Bに示されるように、蛍光源コンポーネントは、レーザ322、コリメート・レンズ324、およびミラー326を含む。いくつかの実施形態では、レーザ322は、対象の網膜眼底内の1つまたは複数のそれぞれの関心の分子の蛍光特性に対応する1つまたは複数の波長で光を発生させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、そのような分子は、網膜眼底内で自然に生じていてもよい。いくつかの実施形態では、そのような分子は、蛍光撮像のために構成されたバイオ・マーカであり得る。例えば、レーザ322は、405nm~450nmの波長を有する励起光を発生させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、レーザ322は、5~6nmの帯域幅を有する光を発生させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態は、異なる波長を有する光を発生させるように構成された複数のレーザを含み得ることを理解されたい。
【0045】
図3A~
図3Bに示されるように、白色光源312は、白色光を発生し、コリメート・レンズ314を介して白色光をレーザ・ダイクロイック316へ伝達するように構成される。レーザ322は、励起光を発生し、コリメート・レンズ324を介して励起光をミラー326へ伝達するように構成され、ミラー326は、励起光をレーザ・ダイクロイック316へ反射する。レーザ・ダイクロイック316は、白色光および励起光が対象の網膜眼底への光路を共有するように白色光を伝達し、励起光を反射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、レーザ・ダイクロイック316は、ロング・パス・フィルタとして構成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、固視ディスプレイ342は、撮像の最中に対象が焦点を合わせる固視オブジェクトを表示するように構成され得る。固視ディスプレイ342は、固視ダイクロイック344へ固視光を与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、固視ダイクロイック344は、固視光、白色光、および励起光が全て、固視ダイクロイック344から対象の網膜眼底までの光路を共有するように、固視光を伝達するとともに、白色光および励起光を反射するように構成され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、試料コンポーネント330は、白色光および励起光を対象の網膜眼底へ与えるとともに、対象の網膜眼底からの反射した光および/または蛍光を検出コンポーネント350へ与えるように構成され得る。
図3A~
図3Bに示されるように、試料コンポーネント330は、色消しレンズ332、絞り334、照明ミラー336、および色消しレンズ338を含む。いくつかの実施形態では、色消しレンズ332および338は、対象の網膜眼底に対して白色光、励起光、および固視光を集束させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、絞り334は、異なる源からの光が対象の網膜眼底のそれぞれの部分に対して集束するように白色光、励起光、および/または固視光の一部を散乱させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、照明ミラー336は、位置決めコンポーネント337を撮像軸に平行な方向に移動させることなどによって調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、色消しレンズ338は、対象の網膜眼底からの反射した光および/または蛍光を検出コンポーネント350へ与えるようにさらに構成されてもよい。
【0048】
検出コンポーネント350は、受け取った光を使用して画像を作成するために、対象の網膜眼底からの光を集束して取り込むように構成され得る。
図3A~
図3Bに示されるように、検出コンポーネント350は、色消しレンズ352、ダイクロイック354、集束レンズ356、およびカメラ358を含む。いくつかの実施形態では、色消しレンズ352および集束レンズ356は、受け取った光を使用してカメラ358が画像を取り込むことができるように、カメラ358に対して受け取った光を集束させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ダイクロイック354は、白色光および蛍光を伝達するとともに、励起光がカメラ358に到達しないように励起光を反射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ358は、白色光および蛍光を取り込むように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、別個の検出コンポーネント350が、白色光および蛍光画像を取り込むために含まれてもよい。例えば、ダイクロイックは、検出経路内に位置決めされてもよく、白色光を白色光および/またはカラー・カメラへ伝えるとともに、蛍光をモノクロ・カメラおよび/または蛍光寿命センサに伝えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、検出コンポーネント350は、モノクロ・カメラにおいて赤外光などの異なる波長の光を受け取り、白色光カメラおよびモノクロ・カメラによって取り込まれた光を使用して蛍光スペクトル画像(例えば、自家蛍光スペクトル画像)を生成するように構成された白色光カメラおよびモノクロ・カメラを含んでもよい。一例では、自動蛍光撮像のために使用される光源は、490nm、520nm、および/または636nmの波長を有してもよい。
【0049】
図4は、いくつかの実施形態による、OCTおよび赤外線(IR)撮像コンポーネント402と、白色光および蛍光撮像コンポーネント404とを示すためにハウジング部が除去されている例示的な撮像装置400の上面斜視図である。撮像装置400は、2つ以上の撮像デバイスを使用して、対象の眼のそれぞれを撮像するように構成され得る。例えば、
図4では、OCTおよびIR撮像コンポーネント402は、撮像装置400の側面に位置決めされ、対象の左眼401と位置合わせされた眼の部分を介して、対象の左眼401を撮像するように構成され、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、撮像装置400の他方の側面に位置決めされ、対象の右眼(図示せず)と位置合わせされた眼の部分を介して対象の右眼を撮像するように構成されている。いくつかの実施形態では、OCTおよびIR撮像コンポーネントは、
図2A~2CのOCTコンポーネントについて説明されるやり方で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、
図3A~
図3Bに関連して、白色光および蛍光撮像コンポーネント304について説明されたやり方で構成されてもよい。
【0050】
図5は、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404を示す撮像装置400の一部の上面図である。
図5では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、光源412および422と、コリメート・レンズ414と、ミラー416と、照明ミラー436と、固視ダイクロイック448と、カメラ458とを含む。
図5は、いくつかの実施形態において固視ディスプレイ(例えば、
図6A中の442)が位置決めされ得る固視ディスプレイ・マウント441、ならびに白色光および蛍光撮像コンポーネント404を支持するハウジング部材408も示す。
【0051】
いくつかの実施形態では、光源412および422は、それぞれ白色光光源および/または蛍光光源であってもよい。例えば、光源412および422は、コリメート・レンズ414を介して対象の眼内の分子を照明するおよび/または励起するための光を発生させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ミラー416は、光源412および422からの光を照明ミラー436に向けて反射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、固視ダイクロイック448は、固視ディスプレイからの光を対象の眼に向けて反射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、照明ミラー436は、対象の眼から受け取った光をカメラ458へ伝達するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、照明ミラー436は、光源412および422から受け取った光が照明ミラー436の一部に反射し、対象の眼から受け取った光が穴を通過するように位置決めされた穴を有してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像装置は、
図4~
図5に示されたものよりも少ない撮像コンポーネント、および/または
図4~
図5に示されたものとは異なる組合せの撮像コンポーネントを有してもよいことを理解されたい。例えば、撮像装置は、白色光および/または蛍光撮像コンポーネントのみを有してもよい。別の例では、本開示はそのように限定されないので、撮像装置は、撮像装置の同じ側に位置決めされた白色光、蛍光、OCT、および/またはIR撮像コンポーネントを有してもよい。
【0053】
III.目の位置の突き止める技術および/または望ましくない反射を減少させる技術
本発明者らは、白色光および蛍光撮像コンポーネント404を参照することを含めて本明細書中でさらに説明されるように、撮像の前、最中、および/または後に対象の眼の部分の位置を突き止め、対象の眼の一部の部分を選択的に照明して対象の眼のより高品質で医学的により有用な画像を生成するように1つまたは複数の光源を調整するための技術を開発した。白色光および蛍光撮像コンポーネント404のための本明細書中で説明される技術は、本明細書中で説明される実施形態がそのように限定されないので、白色光、蛍光、OCT、IR、および/または他のモダリティ、ならびに/あるいはこれらのモダリティおよび/または他のモダリティの任意の組合せを含む本明細書中で説明される任意または全ての撮像モダリティと関連して使用されてもよいことを理解されたい。
【0054】
図6Aは、いくつかの実施形態による、固視コンポーネント440を備えた白色光および蛍光撮像コンポーネント404の概略図である。
図6Aでは、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、源コンポーネント410および420と、試料コンポーネントと、固視コンポーネント440と、検出コンポーネント450とを含む。いくつかの実施形態では、源コンポーネント410および420は、光を発生させ、光を試料コンポーネントを介して対象の眼へ伝達するように構成されてもよく、検出コンポーネント450は、対象の眼から光を受け取り、受け取った光を使用して画像を取り込むように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、固視コンポーネント440は、撮像の前、最中、および/または後に、対象に対して固視オブジェクトを表示するように構成されてもよい。
【0055】
図6Aでは、源コンポーネント410および420は、光源412および422と、コリメート・レンズ414aおよび414bと、ミラー416と、ならびに集束レンズ418aおよび418bとを含む。いくつかの実施形態では、光源412および414は、それぞれ白色光および蛍光光源であってもよい。コリメート・レンズ414aおよび414bは、それぞれ、光源412および422からの光をコリメートするように構成され得る色消しレンズおよび平凸レンズとして
図6Aに示されている。光源412および422からの光を源コンポーネント430の照明ミラー436に向けて反射するように構成されたミラー416が、
図6Aに示されている。集束レンズ418aおよび418bは、それぞれ、光源412および422からの光を照明ミラー436の少なくとも一部に対して集束させるように構成され得る平凸レンズおよび色消しレンズとして
図6Aに示されている。
図6Aでは、照明ミラー436の中心へ光を伝達させることなく、照明ミラー436の少なくとも2つの部分に対して光を集束させる集束レンズ418aおよび418bが、示されている。
【0056】
図6Aでは、試料コンポーネントは、照明ミラー436と、対物レンズ438とを含む。いくつかの実施形態では、照明ミラー436は、源コンポーネント410および420からの光を対象の眼に向かって反射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、対物レンズ438は、照明ミラー436からの光を対象の眼に対して集束させ、対象の眼から受け取った光を照明ミラー436に対して集束させるように構成されてもよい。照明ミラー436は、対物レンズ438を介して対象の眼から受け取った光を検出コンポーネント450に向けて伝達するようにさらに構成され得る。
【0057】
図6Aでは、固視コンポーネント440は、固視ディスプレイ442と、固視ミラー444と、固視集束レンズ446と、固視ダイクロイック448とを含む。いくつかの実施形態では、固視ディスプレイ442は、撮像の前、最中、および/または後に対象の眼に対して固視オブジェクトを表示するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、固視ミラー444は、固視ディスプレイからの固視光を固視ダイクロイック448に向けて反射するように構成されてもよく、固視ダイクロイック212は、固視光を照明経路に沿って対象の眼へ与えるように構成されてもよく、対象の眼は、照明経路に沿って源コンポーネント410および420からの光で照明される。いくつかの実施形態では、固視集束レンズ446は、固視光を対象の眼に対して集束させるように構成されてもよい。
図6Aでは、試料コンポーネント430が対物レンズ438を介して固視光および照明光を伝えるので、固視コンポーネント440は、源コンポーネント410および420と光路の少なくとも一部を共有する。
図6Aでは、検出コンポーネント450は、カメラ458と、対象の眼から受け取った光をカメラ458に対して集束させるように構成されたレンズとを含む。
【0058】
図6Bは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404の視点からの撮像ターゲット470の図である。いくつかの実施形態では、撮像ターゲット470は、対象の眼であり得る。いくつかの実施形態では、撮像ターゲット470は、対象の眼の瞳孔などの対象の眼の一部であり得る。
図6Bでは、撮像ターゲット470は、第1の部分472aおよび472bと、第2の部分474とを含む。
【0059】
本発明者らは、対象の眼の特定の部分が、撮像の最中に照明されるときに望ましくない反射を生成し、この反射は、眼が照明されたときに取り込まれた画像の品質を劣化させる可能性があることを認識した。例えば、対象の眼の角膜および/または虹彩は、対象の眼の関心部分からの所望の反射とともに撮像センサに伝えられ得るとても明るい反射を生成する可能性があり、これは、角膜および/または虹彩反射ほど明るくないものであり得、それによって、関心部分の画像を劣化させる。
【0060】
これらの問題に対処するために、本発明者らは、対象の眼の1つまたは複数の部分を選択的に照明および撮像し、それによって照明光の一部または実質的に全てもが望ましくない部分に到達し、撮像センサに到達する反射を引き起こすのを防ぐための技術を開発した。いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、第1の部分472aおよび/または472bを照明光で選択的に照明するように構成され得る。例えば、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、照明光が第2の部分474に実質的に到達しないように、第2の部分474を照明しなくてもよい。いくつかの実施形態では、光源412および/または422は、照明光を与えるように構成されてもよく、レンズ414aおよび414bならびに418aおよび418bと対物レンズ438とは、第1の部分472aおよび/または472bに対して照明光を集束させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光源412および/または422は、本明細書中でさらに説明されるように、プレート462および464(それぞれ、
図6Eおよび6F)を通して照明光を伝達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、照明ミラー546(
図6G)は、第2の部分474から反射された少なくとも一部の光が検出コンポーネント450に到達するのを阻止するように構成され得る。
【0061】
本発明者らはまた、白色光および蛍光撮像コンポーネント404が関心部分を選択的に照明することができるように、対象の眼の関心部分および/または望ましくない部分の位置を突き止めるための技術も開発した。いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネントを含む撮像装置は、対象の眼の望ましくない部分を照明し、望ましくない部分からの反射した光を使用して、望ましくない部分の位置を決定することによって、対象の眼の望ましくない部分の位置を決定するように構成されてもよい。例えば、撮像装置は、対象の眼の複数の部分を照明し、望ましくない部分が最も明るい反射を生成する部分であると決定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、(例えば、光源412および422の)IR光源および/または(例えば、
図11の虹彩センサ483を使用した感知のための)固視コンポーネント440からの光を使用して、対象の眼の望ましくない部分の位置を照明し、決定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、蛍光撮像コンポーネント404は、関心部分を照明するために使用されるよりも薄暗い白色光を使用して、対象の眼の望ましくない部分の位置を照明し、その位置を決定するように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、関心部分を撮像するために、望ましくない部分の位置を特定するために使用されるものとは異なる照明光(例えば、光源412および422の白色光源)を用いて、対象の眼の1つまたは複数の関心部分を照明するように構成され得る。例えば、望ましくない部分の位置が特定されると、関心部分が撮像されることが可能である。いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、対象の眼の関心部分を選択的に照明するために、対象の眼の照明を調整する(例えば、いくつかの照明された光源412および/または422を調整する)ように構成され得る。いくつかの実施形態では、撮像装置は、対象の眼の選択的に照明された部分からの反射光を使用して、対象の画像を取り込むように構成されてもよい。
【0063】
図6Cは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404内に含まれ得る光源412aおよび412bを含む光源コンポーネントの正面図である。
図6Cでは、光源412aおよび412bは、リング状に配列された光源のグループの中にある。いくつかの実施形態では、光源は、白色LEDおよび/またはIR LEDであり得る。いくつかの実施形態では、光源は、独立して制御可能であり、対象の眼の部分を照明するように構成され得る。例えば、各光源、または光源の複数のグループの各々は、対象の眼のそれぞれの部分を照明するように構成されてもよく、または光源のいくつかは、対象の眼の様々な部分にわたって照明が重複するように構成され得る。いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、対象の眼の1つまたは複数の部分を選択的に照明するために、光源のうちの1つまたは複数を選択的に照明するように構成されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、
図6Cの光源は、第2の部分からの反射した光が第2の部分の位置を決定するために使用され得るように、対象の眼の1つまたは複数の第2の部分を照明するように構成され得る。いくつかの実施形態では、
図6Cの光源は、第1の部分から反射された光が第1の部分を撮像するために取り込まれ得るように対象の眼の1つまたは複数の第1の部分を選択的に照明するように調整可能であり得る。例えば、光源412bは、第2の部分474の位置が第2の部分474から反射された光を使用して決定され得るように
図6Bに示された撮像ターゲット470の第2の部分474を照明するように構成されてもよい。この例では、光源412aは、第2の部分474の位置を決定することに基づいて第1の部分472aを照明するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光源412aは、光源412bが第2の部分474を照明するために使用し得るものよりも明るい白色光を使用して、第1の部分472aを照明するように構成され得る。例えば、光源の輝度は制御可能であり得る。本発明者らは、望ましくない部分が所望の部分よりも実質的に多くの光を反射する対象の眼の望ましくない部分の位置を照明して決定するためにより薄暗い白色光が使用されてもよく、可能な場合、対象の眼が曝される照明の強度を減少させるためにより薄暗い白色光を使用することが好ましいことを認識している。
【0065】
図6Dは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404内に含まれ得る光源412a、412b、422a、および422bを含む代替の光源コンポーネントの正面図である。
図6Dの光源は、
図6Cの光源について説明されたやり方で構成されることが可能である。いくつかの実施形態では、光源412aおよび412bは白色光源であってもよく、光源422aおよび422bはIR光源であってもよい。例えば、光源412aおよび/または412bは、それぞれ第1の部分472aおよび472bを照明するように構成されてもよく、光源422aおよび422bは、第2の部分474を照明するように構成されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、光源は、代替としてまたは加えて、
図6Cおよび
図6Dに示されたリングの中心に位置決めされた光源を含んでもよいことを理解されたい。
図6Eは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404のプレート462の正面図である。
図6Eでは、プレート462は、外側部分462aおよび内側部分462cを含み、環状窓462bが外側部分462aと掩蔽部462cとの間にある。
図6Aでは、プレート462は、光源412および422とコリメート・レンズ414aおよび414bとの間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、光源412および422は、光を環状窓462bを通してコリメート・レンズ414aおよび414bへ伝達するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コリメート・レンズ414aおよび414b、集束レンズ418aおよび418b、ならびに/または対物レンズ438は、光を環状窓462bを通して対象の眼の1つまたは複数の第1の部分(例えば、
図6Bの第1の部分472aおよび/または472b)へ伝達するように構成されてもよい。例えば、伝達された光は、対象の眼上の環状部を照明することができる。いくつかの実施形態では、光源は、
図6Cおよび
図6Dに示された光源のサブセットを選択的に照明することなどによって、環状窓462bの一部のみを選択的に照明するように調節可能であり得る。いくつかの実施形態では、光源412および/または422は、
図6Cおよび
図6Dの光源に関連して説明したやり方などで選択的に、環状窓462aの少なくとも一部を通して光を伝達するように構成された液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンなどの表示スクリーンを含むことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、
図6Cおよび
図6Dの光源および/または
図6Eのプレート462の代替としてまたは加えて、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、
図6Cおよび
図6Dの光源およびLCDスクリーンについて本明細書中で説明されるように、対象の眼の1つまたは複数の部分を選択的に照明するように構成されたデジタル・マイクロミラー・デバイスおよび/またはデジタル光プロジェクタなどの照明制御デバイスを含んでもよい。例えば、照明制御デバイスは、1つまたは複数の光源412および/または422から照明光を受け取り、対象の眼の1つまたは複数の部分に照明光を選択的に向けるように構成されてもよい。
【0068】
図6Fは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404の掩蔽部を備えたプレート464の正面図である。
図6Fに示すように、プレート464は、掩蔽部464aを含む。
図6Aでは、プレート464は、コリメート・レンズ414aおよび414bとミラー416との間に位置決めされる。いくつかの実施形態では、光源の少なくとも一部からの光は、掩蔽部464aによって対象の眼に到達することが阻止され得る。本発明者らは、対象の眼に対して伝達された光を集束させる対物レンズが、対物レンズの特定の部分が照明されるときに望ましくない反射を撮像センサに到達させ得ることを認識している。この問題に対処するために、掩蔽部464aは、対物レンズの少なくとも一部の部分に照明光が到達するのを阻止することができ、それによって、撮像センサに到達する望ましくない反射を減少させる。
【0069】
図6Gは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404の照明ミラー436の正面図である。
図6Gに示されるように、照明ミラー436は、穴436aを含む。いくつかの実施形態では、集束レンズ418aおよび418bは、光が対象の眼に向かって反射されるように、光源412および422から受け取った光を穴436a以外の照明ミラー436の部分に対して集束させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、対物レンズ438は、受け取った光が穴436aを通して検出コンポーネント450(例えば、カメラ458)へ伝達されるように、対象の眼から受け取った光を穴436aに対して集束させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、対象の眼の他の部分の選択的照明の最中に対象の眼の望ましくない部分が照明されるとき、ミラー436は、望ましくない部分からの反射が検出コンポーネント450に到達することを阻止することができる。例えば、望ましくない反射の実質的に全てが、穴436a以外のミラー436の部分から反射し得る。
【0070】
図16は、いくつかの実施形態による、対象の眼の画像を取り込む例示的な方法1600の流れ図である。
図16では、方法1600は、工程1602において、対象の眼の第1の部分の位置を突き止める工程と、工程1604において、対象の眼の第2の部分を照明光で照明する工程と、工程1606において、対象の眼の第2の部分の画像を取り込む工程と、を含む。いくつかの実施形態では、方法1600は、本明細書中で説明される撮像および/または測定装置を使用して実行され得る。例えば、方法1600は、ユーザ(例えば、対象および/または臨床医)からの入力を受信することに応じて、および/または自動的に、実行され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、工程1602において、対象の眼の第1の部分の位置を突き止める工程は、対象の眼の第1の部分を照明する工程と、対象の眼の第1の部分から反射された光を使用して第1の部分の位置を決定する工程とを含み得る。例えば、撮像および/または測定装置は、部分のうちの1つが対象の眼の第1の部分であることを判定し、それによって対象の眼の第1の部分の位置を突き止める前に、対象の眼の複数の部分を照明することができる。この例では、第1の部分は、複数の部分の少なくとも大部分よりも多くの光を反射することによって複数の部分の中から決定され得る。
図6Bを参照すると、第1の部分は、第2の部分474であってもよい。いくつかの実施形態では、工程1602において、対象の眼の第1の部分を照明する工程は、
図6Dに示されたIR光源のサブセットなどの複数のIR光学部品を使用してIR光源からのIR光で第1の部分を照明する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分は、
図6Cに示された白色光源のサブセットを使用するなど白色光を使用して照明されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分は、対象の眼の瞳孔上に位置してもよい。例えば、第1の部分は、対象の角膜を含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、工程1604における対象の眼の第2の部分を照明光で照明する工程は、白色光源からの白色光で第2の部分を照明する工程を含み得る。例えば、撮像および/または測定装置は、対象の眼の第1の部分の位置を突き止めることに応じて、照明光で第2の部分を照明することができる。いくつかの実施形態では、撮像および/または測定装置は、
図6Cまたは
図6Dに示された光源のサブセットからの照明光で第2の部分を選択的に照明することができる。いくつかの実施形態では、第2の部分は、対象の眼の瞳孔上に位置してもよい。いくつかの実施形態では、対象の眼の第1の部分は、工程1602において白色光を使用して位置が突き止められてもよく、第2の部分は、工程1604において照明されてもよく、工程1604において第2の部分を照明するために使用される白色光は、工程1602において第1の部分を照明するために使用される白色光よりも明るい。いくつかの実施形態では、対象の眼の第2の部分の位置は、工程1602において決定された対象の眼の第1の部分の位置を参照して決定されてもよい。例えば、対象の眼の第1の部分は、角膜を含まない対象の瞳孔のサブセットおよび/または部分を含んでもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、工程1606において対象の眼の第2の部分の画像を取り込む工程は、対象の眼の第2の部分から反射した照明光を受け取る工程と、反射した照明光を使用して画像を取り込む工程とを含み得る。例えば、反射した照明光は、撮像および/または測定センサで受け取られてもよい。いくつかの実施形態では、穴を有するミラーは、対象の眼の第2の部分によって反射された照明光が、工程1606の最中に取り込まれる画像に寄与するのを阻止することができる。
【0074】
IV.ユーザ・フィードバック技術
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される撮像装置は、撮像装置のユーザへフィードバックを与えるように構成され得る。上述されたように、本明細書中で説明される撮像装置は、対象自身の眼を撮像するために対象によって操作されてもよい。本発明者らは、医療専門家または技師が不在であっても対象の眼の医学的に有用な画像を取り込むことを容易にするために対象へフィードバックを与えるための技術を開発した。いくつかの実施形態では、撮像装置は、撮像装置の視野内で対象の眼の位置を指し示す撮像装置のユーザ(例えば、対象、臨床医、技師、および/または医師)へフィードバックを与えるように構成されてもよい。例えば、対象は、対象の眼の異なる部分の画像を取り込むために、フィードバックの受信に応じて、撮像装置の視野内で対象の眼を移動させることができる。いくつかの実施形態では、撮像装置は、視野内の対象の眼の位置を突き止め、対象の眼の位置を突き止めたことに応じて、視覚的フィードバックを与えるように構成されてもよい。例えば、撮像装置は、視覚的フィードバックを促すために、ユーザからの入力を必要とするのではなく、視覚的フィードバックを自動的に与えるように構成されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、撮像装置は、対象の眼のターゲット位置を決定するように構成されてもよい。例えば、撮像装置は、対象の眼の関心部分および/または望ましくない部分の位置を突き止め、対象の眼が撮像装置(例えば、撮像装置の白色光および蛍光撮像コンポーネント)に対して位置決めされるべき位置としてターゲット位置を決定するように構成されてもよく、それにより、関心部分が照明されることが可能であり、光は望ましくない部分に到達することが阻止されることが可能である。いくつかの実施形態では、撮像装置は、対象の眼のターゲット位置および/または対象の眼の現在位置のインジケーションをユーザに表示するように構成され得る。例えば、インジケーションは、白色光および蛍光コンポーネント404の固視コンポーネント440を介してユーザへ表示され得る。いくつかの実施形態では、撮像装置は、撮像装置による現在位置の自動調整および/または視覚的フィードバックに応じたユーザによる手動再位置決めの後などに、対象の眼の現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあると、対象の眼の画像を取り込むように構成され得る。
【0076】
様々な実施形態によれば、ターゲット位置および現在位置は、撮像装置が照明光を伝達するように構成されている深度方向、深度方向に直交する横方向、深度方向および横方向に直交する垂直方向、深度方向を中心にして回転可能に向けられるロール方向、横方向を中心にして回転可能に向けられるピッチ方向、および垂直方向を中心にして回転可能に向けられるヨー方向のいずれかまたは各々にあってもよい。
【0077】
白色光および蛍光撮像コンポーネント404に関連して本明細書中で説明されるユーザ・フィードバック技術は、本明細書中で説明される実施形態がそのように限定されないので、白色光、蛍光、OCT、IR、および/または他のモダリティ、ならびに/あるいはこれらのモダリティおよび/または他のモダリティの任意の組合せを含む本明細書中で説明される任意または全ての撮像モダリティと関連して使用されてもよいことを理解されたい。
【0078】
図7は、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404を使用して撮像されている対象の視点からの固視ディスプレイ442の図である。
図7では、固視ディスプレイ442は、同心の第1のリング482および第2のリング484を示す。第1のリング482は、第2のリング484よりも大きい直径を有するように示されている。いくつかの実施形態では、第1のリング482および第2のリング484は、対象の眼のそれぞれの位置を指し示すことができる。例えば、第1のリング482は、対象の眼の現在位置を指し示してもよく、第2のリング484は、対象の眼のターゲット位置を指し示してもよい。この例では、第1のリング482は、対象の眼の位置がターゲット位置のより近くに移動するにつれて、第2のリング484に向かって潰れることができる。ターゲット位置を白色光および蛍光撮像コンポーネントから対象の眼までのターゲット距離にあるとし、現在位置を白色光および蛍光撮像コンポーネント404から対象の眼までの現在距離にあるとすると、例えば、現在距離がターゲット距離に近づくにつれて、第1のリング482は、第2のリング484に向かって潰れ得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、固視ディスプレイ442によって与えられる視覚的フィードバックに応じて、対象の眼を白色光および蛍光撮像コンポーネント404に物理的に近づけることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、撮像装置は、固視マスク上の光源を使用して、対象の眼のターゲット位置および/または対象の眼の現在位置のインジケーションを表示するように構成されてもよい。例えば、ターゲット位置および/または現在位置のインジケーションは、現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあるときのインジケーションなど、互いに関連して表示されてもよい。いくつかの実施形態では、撮像装置は、対象の眼の現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にないことを指し示すための第1の色または第2の色をユーザに表示し、現在位置が閾値範囲内にあることを指し示すための第3の色をユーザに表示するように構成されてもよい。例えば、本明細書中でさらに説明するように、現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあるとき、第1の色と第2の色とが混合して第3の色を表示してもよい。
【0080】
図8A~
図8Cは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404の固視マスク443aおよび443bを示す。
図8Aは、いくつかの実施形態による、固視ディスプレイ442と固視ミラー444との間に位置決めされた固視マスク443aおよび443bを備えた白色光および蛍光撮像コンポーネント404の概略図である。
図8Aでは、固視マスク443aは、対象の眼から固視ディスプレイ440への光路に沿って固視ディスプレイ442と固視マスク443bとの間に位置決めされている。
【0081】
図8Bは、いくつかの実施形態による、
図8Aに示された方向に沿った固視マスク443aの図である。
図8Cは、いくつかの実施形態による、
図8Aに示された方向Aに沿った固視マスク443bの図である。
図8Bに示されるように、固視マスク443aは、穴486aと、穴486aの周りに配列された光源488aとを含む。同様に、
図8Cでは、固視マスク443bは、穴488aと、穴488aの周りに配列された光源488bとを含む。
図8B~
図8Cでは、穴486aは、穴488aよりも大きい直径を有する。同様に、光源486bおよび光源488bは、それぞれのリング内に配列され、光源486bのリングは、光源488bのリングよりも大きい直径を有する。いくつかの実施形態では、光源486bおよび488bは、固視ディスプレイ440とは異なる波長の光を放出するように構成され得る。代替としてまたは加えて、いくつかの実施形態では、光源486bおよび488bは、互いに異なる波長の光を放出するように構成され得る。例えば、光源486bは、青色光を放出するように構成されてもよく、光源488bは黄色光を放出するように構成されてもよく、またはその逆である。
【0082】
いくつかの実施形態では、固視マスク443aおよび443bは、対象の眼の現在位置を指し示す第1の波長の光を表示するように構成され得る。例えば、撮像装置の視野内の第1の位置では、固視マスク443bからの光のみが対象の眼に到達することができ、固視マスク443aからの実質的に全ての光は固視マスク443bによって阻止される。いくつかの実施形態では、固視マスク443aおよび443bは、対象の眼のターゲット位置を指し示す第2の色の光を表示するようにさらに構成され得る。例えば、固視マスク443aおよび443bは、対象の眼がターゲット位置の閾値範囲内にあるとき、固視マスク443aと443bとの両方からの光が対象の眼に到達して混ざり合い、それによって第2の色を形成するように位置決めされ得る。これらの例では、ユーザは、第1の色または第2の色がユーザに表示されるかどうかに基づいて、対象の眼の現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあるかどうかを判定することができる可能性がある。
【0083】
図9A~
図9Cは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404に含まれ得る代替の固視コンポーネントを示す。
図9Aは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光コンポーネント440の代替の固視コンポーネント404’の概略図である。
図9Aに示されるように、固視コンポーネント440’は、固視ディスプレイ442と、固視ミラー444’と、固視光源445aおよびマスク445bと、固視集束レンズ446と、固視ダイクロイック448とを含む。いくつかの実施形態では、固視光源445aは、固視ディスプレイ442とは異なる波長の光を表示するように構成され得る。いくつかの実施形態では、固視ミラー444’は、固視ディスプレイ442からの光が固視ミラー444’によって反射され、固視光源445aからの光が穴を通って対象の眼へ伝達されるように配列された穴を有する。例えば、固視ミラー444’は、固視ディスプレイ442と固視光源445aとの間に位置決めされて
図9Aに示されている。
【0084】
図9Bは、いくつかの実施形態による、マスク445bの正面図である。
図9Cは、いくつかの実施形態による、固視ミラー444’の正面図である。穴492a、492b、および492cを含むマスク445bが、
図9Bに示されており、穴492aは外側リング内に配列され、穴492bは内側リング内に配列され、穴492cはマスク445bの中心にある。同様に、穴494a、494b、および494cを含む固視ミラー444’が、
図9Cに示されており、穴494aは外側リング内に配列され、穴494bは内側リング内に配置され、穴494cはミラー444’の中心にある。いくつかの実施形態では、マスク445bの穴492aの外側リングおよび中心穴492cは、固視ミラー444’の穴494aの外側リングおよび中心穴494cと位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、マスク445bの穴492bの内側リングは、固視ミラー444’の穴494bの内側リングよりも大きい直径を有し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、固視コンポーネント440’は、対象の眼の現在位置を指し示す光の第1の構成を表示するように構成されてもよい。例えば、撮像装置の視野内の第1の位置では、固視ミラー444’によって反射される固視ディスプレイ442からの光と、中心穴492cおよび494cを通して伝達される固視光源445aからの光とのみが、対象の眼に到達することができ、穴492bの内側リングを通して伝達される固視光源445aからの実質的に全ての光は、固視ミラー444’によって阻止される。いくつかの実施形態では、固視コンポーネント440’は、対象の眼のターゲット位置を指し示す光の第2の構成を表示するようにさらに構成されてもよい。例えば、マスク445bおよび固視ミラー444’は、対象の眼がターゲット位置の閾値範囲内にあるとき、固視光源445aからの光がマスク445bの穴492bの内側リングおよび固視ミラー444’の穴494bの内側リングを通して伝達され、対象の眼に到達するように構成されてもよい。これらの例では、ユーザは、光の第1または第2の構成がユーザへ表示されるかどうかに基づいて、対象の眼の現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあるかどうかを決定することが可能であり得る。
【0086】
図10Aは、いくつかの実施形態による、白色光および蛍光撮像コンポーネント404のさらなる代替の固視コンポーネント440’’の概略図である。
図10Aでは、固視コンポーネント440’’は、固視ディスプレイ442と、固視ミラー444’と、固視光源445と、ビームスプリッタ447と、固視集束レンズ446と、固視ダイクロイック448とを含む。ビームスプリッタ447は、固視ディスプレイ442と固視光源445との間に位置決めされた状態で示されている。いくつかの実施形態では、固視光源は、
図9A~
図9Cに関連して固視光源445aについて説明したやり方で構成され得る。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ447は、少なくとも部分的に不透明な材料を使用して形成され得る。
【0087】
図10Bは、いくつかの実施形態による、固視光源445に近接した第1の端部447aにおけるビームスプリッタ447の正面図である。
図10Cは、いくつかの実施形態による、固視ミラー444’に近接した第2の端部447bにおけるビームスプリッタ447の背面図である。
図10Bに示されるように、ビームスプリッタ447の第1の端部447aは、穴496a、496b、および496cを有し、穴496aは外側リング内に配列され、穴496bは内側リング内に配列され、穴496cは第1の端部447aの中心にある。同様に、ビームスプリッタ447の第2の端部447bは、穴498a、498b、および498cを有して
図10Cに示されており、穴498aは外側リング内に配列され、穴498bは内側リング内に配列され、穴498cは第2の端部447bの中心にある。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ447内のチャネルは、穴496a、496b、および496cを穴498a、498b、および498cにそれぞれ接続することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、固視コンポーネント440’’は、固視コンポーネント440’と同様に、対象の眼の現在位置を指し示す第1の光の構成と、対象の眼のターゲット位置を指し示す第2の光の構成とを表示するように構成され得る。例えば、撮像装置の視野内の第1の位置において、固視ミラー444’によって反射される固視ディスプレイ442からの光と、中心穴496cおよび498cを通して伝達される固視光源445からの光とのみが、対象の眼に到達することができ、穴496bの内側リングを通して伝達される固視光源445からの実質的に全ての光は、固視ミラー444’によって阻止される。いくつかの実施形態では、固視コンポーネント440’は、対象の眼のターゲット位置を指し示す第2の光の構成を表示するようにさらに構成され得る。例えば、ビームスプリッタ447および固視ミラー444’は、対象の眼がターゲット位置の閾値範囲内にあるとき、固視光源445からの光が、対象の眼に到達するように、ビームスプリッタ447の第1の端部447aの穴496bの内側リング、ビームスプリッタ447の第2の端部447bの穴498bの内側リング、および固視ミラー444’の穴494bの内側リングを通して伝達されるように構成され得る。これらの例では、ユーザは、第1または第2の光の構成がユーザへ表示されるかどうかに基づいて、対象の眼の現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあるかどうかを決定することが可能であり得る。
【0089】
V.虹彩感知技術
図11は、いくつかの実施形態による、虹彩センサ・コンポーネント480をさらに備える白色光および蛍光撮像コンポーネント404の概略図である。
図11に示されるように、虹彩センサ・コンポーネント480は、固視コンポーネント440の固視集束レンズ446と固視ダイクロイック448との間に位置決めされる。いくつかの実施形態では、虹彩センサ・コンポーネント480は、対象の眼から受け取られ、固視ダイクロイックによって固視コンポーネント440に向かって反射される光を使用して画像を取り込むように構成され得る。例えば、
図11では、虹彩センサ・コンポーネントは、虹彩ダイクロイック481と、虹彩センサ483とを備え、虹彩ダイクロイックは、固視ディスプレイ442から固視ダイクロイック448へ光を伝達し、固視ダイクロイックから483に向かって光を反射するように構成されている。いくつかの実施形態では、虹彩ダイクロイック481は、固視ディスプレイ442によって伝達される光の波長で光を伝達し、虹彩センサ483が受け取るように構成される光の波長で光を反射するように構成され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、白色光および蛍光撮像コンポーネント404は、虹彩センサ・コンポーネント480を使用して対象の眼の虹彩を撮像するように構成され得る。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明されるように、白色光および蛍光コンポーネント404を含む撮像装置は、対象の眼の異なる部分の位置を突き止めるように構成され得る。例えば、撮像装置は、対象の虹彩の位置を突き止め、および/または少なくとも一部の照明光が対象の虹彩に到達するのを阻止して、虹彩の反射が他の対象の眼の部分の取り込まれた画像の品質を劣化させるのを防ぐように構成され得る。くつかの実施形態では、固視コンポーネント440は、対象の虹彩を照明するように構成されてもよく、虹彩センサ・コンポーネント480は、対象の虹彩を撮像するように構成されてもよい。例えば、対象の虹彩から反射された光は、固視ダイクロイック448および虹彩ダイクロイック481によって虹彩センサ483に向かって反射されてもよく、対象の眼によって反射される他の光は、固視ダイクロイック448を通って検出コンポーネント450に向かって伝達され得る。いくつかの実施形態では、対象の虹彩の画像は、単独で、または対象の網膜眼底の画像と組み合わせて、対象を識別するために使用され得る。例えば、対象の虹彩の画像は、第2のセキュリティ層を与えることができ、第1のセキュリティ層は。対象の網膜眼底の画像である。
【0091】
図17は、いくつかの実施形態による、対象の眼の画像を取り込む代替の例示的な方法1700の流れ図である。
図17では、方法1700は、工程1702において、ユーザからユーザ入力を受信する工程と、工程1704において、視野内で対象の眼の位置を突き止める工程と、工程1706において、ユーザへフィードバックを与える工程と、工程1708において、対象の眼の医療グレード画像を取り込む工程とを含む。いくつかの実施形態では、方法1700は、本明細書中で説明される撮像および/または測定装置を使用して実行されることが可能である。様々な実施形態によれば、ユーザは、対象、臨床医、技師、および/または医師であり得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、工程1702においてユーザからユーザ入力を受信する工程は、撮像および/または測定装置の1つまたは複数のユーザ・インターフェース・デバイスを介してユーザ入力を受信する工程を含み得る。例えば、ユーザは、撮像および/または測定の準備ができたときにボタンを押し付けることができる。別の例では、ユーザ入力は、1つまたは複数のマイクロフォンを使用して検出されたボイス信号などの音声を介して受信され得る。さらに別の例では、ユーザ入力は、カメラおよび/または静電容量センサを使用して検出されるジェスチャを含み得る。本明細書中で説明される実施形態はそのように限定されないので、ユーザ入力は、任意のやり方でユーザから受信され得ることを理解されたい。
【0093】
いくつかの実施形態では、工程1704において視野内で対象の眼の位置を突き止める工程は、対象の眼のターゲット位置に対する対象の眼の現在位置、例えば、ターゲット距離に対する撮像および/または測定装置の1つまたは複数の撮像および/または測定デバイスから対象の眼までの現在距離を決定する工程を含んでもよい。例えば、ターゲット位置は、撮像装置が照明光を伝達するように構成されている深度方向、深度方向に直交する横方向、深度方向および横方向に直交する垂直方向、深度方向を中心にして回転可能に向けられるロール方向、横方向を中心にして回転可能に向けられるピッチ方向、および垂直方向を中心にして回転可能に向けられるヨー方向のいずれかまたは各々にあってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、工程1706においてユーザへフィードバックを与える工程は、視覚的フィードバック、音声フィードバック、触覚フィードバック、および/または他のモードのフィードバックをユーザに与える工程を含み得る。例えば、撮像装置は、本明細書中で説明されるような固視コンポーネントを介してユーザへフィードバックを表示することができる。代替としてまたは加えて、フィードバックは、スピーカなどの1つまたは複数の音声デバイスを使用して、1つまたは複数の触覚フィードバック・デバイスを使用して、および/または他のモードで与えられることが可能である。いくつかの実施形態では、ユーザへ与えられるフィードバックは、工程1704の最中に決定された対象の眼の位置を示すものであってもよい。例えば、フィードバックは、対象の眼の現在位置と対象の眼のターゲット位置との間の差を指し示すことができる。視覚的フィードバックを含むいくつかの実施形態では、固視ディスプレイ上の異なる色および/または他の視覚化が、本明細書中で説明されるように、現在位置とターゲット位置との間の差を指し示すために使用されてもよい。音声フィードバックを含むいくつかの実施形態では、ビープ音などの一連の音が、現在位置がターゲット位置に近くなるにつれて音の間の遅延を減少させるなど、現在位置とターゲット位置との間の差を指し示すことができ、ソリッド・トーンが、現在位置がターゲット位置の閾値範囲内にあることを指し示す。触覚フィードバックを含むいくつかの実施形態では、一連の振動が、音声フィードバックについて説明されたやり方で、および/または現在位置がターゲット位置に近くなるにつれて振動の強度を増加させることによって、現在位置とターゲット位置との間の差を指し示すことができる。本明細書中で説明される実施形態はそれに限定されないので、他のフィードバック技術が用いられてもよいことを理解されたい。
【0095】
いくつかの実施形態では、工程1708における対象の眼の医療グレード画像を取り込む工程は、工程1704において位置を特定された対象の眼の部分および/または工程1704に続いて位置を特定された対象の眼の部分などの対象の眼を照明する工程を含むことができる。例えば、工程1704において位置を特定された対象の眼の部分は、撮像の最中に照明されるべき所望の部分であってもよく、または撮像の最中に照明されるべきでない望ましくない部分であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、撮像の最中に照明されることが望まれる対象の眼の一部が撮像の最中に照明される位置にあるターゲット位置に対象の眼が到達するまで、工程1706で受信されたフィードバックに応じて、対象の眼に対して撮像装置を移動させることができる。いくつかの実施形態では、工程1708において取り込まれた医療グレード画像は、ユーザの健康状態および/または健康ステータスを決定するために使用されてもよい。
【0096】
VI.安定化技術
本発明者らは、本明細書中で説明されるように、OCTを使用して取り込まれる対象の眼のスキャン間の位置合わせ不良を補償するための技術を開発した。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明されるOCT撮像コンポーネントは、対象の眼のそれぞれの第1および第2の部分をスキャンすることによって対象の眼の第1および第2のスキャンを取り込むように構成されてもよい。例えば、OCT撮像コンポーネントのスキャン・ミラーは、線に沿って分けられ得るそれぞれの第1および第2の部分を撮像するために、第1のスキャンと第2のスキャンとの間に機械的に回転するように構成されてもよい。例えば、第1および第2のスキャンの各々は、深度方向の深度スキャンであってもよく、OCT撮像コンポーネントは、深度方向に沿って反射した光を伝達しおよび受け取り、第1および第2のスキャンは、深度方向に直交する横方向および/または水平方向に互いから変位されてもよい。代替として、第1および第2のスキャンの各々は、横方向または垂直方向スキャンであってもよく、各々は、(例えば、横方向または垂直方向に互いから変位される)複数の深度スキャンを含み、第1および第2のスキャンは、それぞれ、垂直方向または横方向に互いから変位されてもよい。
【0097】
本発明者らは、OCTスキャニングが、取り込みスキャン間の対象および/または撮像装置の何らかの移動を伴うことができることを認識している。例えば、対象は、撮像装置がマウントによって所定の位置に保持されるときなど、取り込みスキャン間で撮像装置に対して移動することができる。代替としてまたは加えて、撮像装置は、対象が対象の手に撮像装置を保持するときなど、対象に対して移動してもよい。いずれの場合も、スキャンは、撮像されている対象の視点から認識可能な時間遅延を有さない一連のスキャンなど、単一のスキャン・シーケンスの最中であっても位置合わせ不良になる可能性がある。
【0098】
図12Aは、いくつかの実施形態による、対象の眼に対してのスキャンの例示的な進行1200aを示す。
図12Bは、いくつかの実施形態による、
図12Aの進行において取り込まれたスキャンを使用して構築された画像1200bを示す。
図12Aおよび
図12Bの例では、進行1200aの各スキャンは、複数の深度スキャンを含み得る横方向スキャンであり、深度スキャンは、撮像装置が光を対象の眼へ伝達しおよび対象の眼から受け取り得る深度方向である。各横方向スキャンの深度スキャンは、深度方向に直交する横方向に互いから変位させられ得る。進行1200aに示される横方向スキャンは、横方向に直交する垂直方向に互いから変位させられる。例えば、
図12Bでは、進行1200aにおける横方向スキャンは、画像のそれぞれのスライスを与え、スライスは、横方向にそれぞれ延び、垂直方向に互いから変位させられ、各スライスの深度スキャン・データは、スライス内の輝度によって差し示される。
【0099】
図12Aに示されるように、進行1200aの横方向スキャンは、互いに位置合わせ不良である。例えば、横方向スキャンは、横方向および/または深度方向に対して位置合わせ不良であり得る。横方向に位置合わせ不良であるとき、第1の横方向スキャンの終点は、第2の横方向スキャンの終点から横方向にオフセットされ得る。同様に、深度方向に位置合わせ不良であるとき、第1の横方向スキャンの1つまたは複数の深度スキャンの終点は、第2の横方向スキャンの1つまたは複数の深度スキャンの終点から深度方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、スキャンは、スキャンを取り込む間の対象、撮像装置、または対象と撮像装置の両方の移動の結果として、位置合わせ不良であり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、撮像装置のOCT撮像コンポーネントは、OCT撮像コンポーネントの参照コンポーネントの経路長を調整することによって深度方向のスキャン間の位置合わせ不良を補償するように構成され得る。例えば、OCT画像は、移動時間、経路長、および/または位相における差など、参照コンポーネントの参照面に伝達されるとともにそれによって反射される参照光と、対象の眼へ伝達されるとともにそれによって反射されるサンプル光との間の差に基づいて取り込まれることが可能である。いくつかの実施形態では、スキャン間の対象の眼、撮像装置、または両方の移動に基づいて、参照コンポーネントの経路長を調整することによって、反射されたサンプル光と参照光との間の差は、スキャン間の対象の眼に向かう深度方向に沿った経路長の差を含まなくてもよい。
【0101】
代替または追加として、いくつかの実施形態では、撮像装置のOCT撮像コンポーネントは、横方向および垂直方向などの深度方向に直交する方向における位置合わせ不良を補償するように構成され得る。例えば、OCTコンポーネントのスキャン・ミラーを制御するスキャン・モータは、そのような方向における位置合わせ不良を補償するように調節されることが可能である。
【0102】
図13Aは、いくつかの実施形態による、複数のスキャンのスキャン同士間の位置合わせ不良に対する補償が行われた対象の眼に対するスキャンの例示的な進行1300aを示す。
図13Bは、いくつかの実施形態による、
図13Aの進行において取り込まれるスキャンを使用して構築された画像1300bを示す。
図13Aの例では、スキャンは、深度方向および横方向に位置合わせされる。
【0103】
いくつかの実施形態では、撮像装置は、対象が対象の眼と撮像装置との相対的な位置決めを調整することができるようにスキャン間の位置合わせ不良を指し示す視覚的フィードバックを対象へ与えるように構成され得る。
図14は、いくつかの実施形態による、対象へ与えられる例示的な視覚的フィードバック表示1400の図である。
図14では、視覚的フィードバック表示1400は、固視リング1402、およびOCTスキャン線1404を含む。いくつかの実施形態では、固視リング1402は、本明細書中で説明されるように、対象の眼の現在位置および/またはターゲット位置を対象へ差し示すように構成され得る。いくつかの実施形態では、OCTスキャン線1404は、横方向に沿ったスキャン線を指し示すように構成されてもよく、それに沿って撮像装置のOCT撮像コンポーネントは、深度スキャンを取り込むように構成される。例えば、OCTスキャン線に沿った深度スキャンは、同時に取り込まれてもよい。いくつかの実施形態では、OCTスキャン線1404は、より良い位置合わせで第2の一連のスキャンを取り込むために一連のスキャン(例えば、垂直方向に沿った一連の横方向スキャン)が完了した後、対象が、対象の眼および/または撮像装置を再位置決めすることができるようにスキャン(例えば、横方向スキャン)間の位置合わせまたは位置合わせ不良を指し示すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、OCTスキャン線1404は、OCTコンポーネントのスキャン・ミラーによる機械的スキャニングではないまたはそれに加えての一連のスキャンの最中に対象の眼をガイドするように構成されてもよい。例えば、OCTスキャン線1404は、検出された位置合わせ不良を補償するように対象の眼をガイドするために、スキャン間の検出された位置合わせ不良に基づいて調整されることが可能である。
【0104】
代替的としてまたは加えて、いくつかの実施形態では、撮像装置は、本明細書中でさらに説明されるように、深度方向、横方向、および/または垂直方向におけるスキャン画像間の位置合わせを補償するように構成されたデジタル処理回路を含むことができる。例えば、デジタル処理回路は、撮像装置のOCTコンポーネントを使用して取り込まれたスキャンを再サンプリングして、対象のためのフィードバックを発生させる制御信号を与え、および/またはOCTコンポーネントを自動的に調整して位置合わせ不良を補償するように構成され得る。
【0105】
図15は、いくつかの実施形態による、スキャン間の位置合わせ不良を補償するように構成され得る例示的なデジタル処理回路1500のブロック図である。
図15では、デジタル処理回路1500は、入力フリップ・フロップ1502、アドレス発生ロジック1504、出力アドレス発生ロジック1506、画像ランダム・アクセス・メモリ(RAM)1508、アドレス読み出し専用メモリ(ROM)1510、マルチプレクサ1512、およびベクトル乗算器1514を含む。いくつかの実施形態では、デジタル処理回路1500は、撮像装置のOCT撮像コンポーネントからスキャン・データを受信し、補間されたスキャン・データを下流処理回路へ与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、デジタル処理回路1500は、単独で、または下流回路と組み合わせて、OCT撮像コンポーネントを制御して、続いて取り込まれた画像間の位置合わせ不良を補償するように構成され得る。代替としてまたは加えて、デジタル処理回路1500は、単独で、または下流回路と組み合わせて、スキャン・データを使用して発生させられた画像間の位置合わせ不良を補償するように構成され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、デジタル処理回路1500は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数のデジタル論理ユニットをプログラミングすることによって形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、(例えば、コンピュータの)1つまたは複数のプロセッサは、プロセッサに対してデジタル処理回路1500のための本明細書中で説明される機能を実行させる(例えば、メモリに記憶された)命令を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、デジタル処理回路1500は、撮像装置の画像処理回路に含まれてもよい。あるいは、デジタル処理回路1500は、撮像装置に電気的に結合された、および/または通信ネットワークを介してスキャン・データを受信するように構成された遠隔デバイスに電気的に結合されたそうした別個のデバイス上に位置してもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、デジタル処理回路1500は、受信したスキャン・データに対して非線形補間を実行するように構成され得る。例えば、補間は、結び付けられたエンドポイントを有するパラメータ化された再サンプリングのための多項式再サンプリングに基づき得る。任意の数のタップ(例えば、22タップ)および任意の数の位相整合(例えば、2048の位相整合)を有する扁長回転楕円窓付きシンクを含む任意の形態の補間が使用され得ることを理解されたい。
【0108】
いくつかの実施形態では、入力フリップ・フロップ1502、アドレス発生ロジック1504、および出力アドレス発生ロジック1506は、デジタル処理回路1500に入力されるスキャン・データを受信するように構成され得る。例えば、クロック・サイクルごとに、いくつかの画素(例えば、4画素)が、デジタル処理回路1500へ入力されてもよい。いくつかの実施形態では、入力フリップ・フロップ1502は、画像RAM1508へスキャン・データを与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、アドレス発生ロジック1504は、画像RAM1508へスキャン・データに対応するアドレス・データを与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、出力アドレス発生ロジック1506は、アドレスROM1510へ出力アドレス・データを与えるように構成され得る。いくつかの実施形態において、出力アドレス生成ロジック1506は、スキャン・データが書き込まれる前にRAM1508から読み出されることを防ぐために、対応するスキャン・データが画像RAM1508に書き込まれた後まで出力アドレス・データの発生を遅延させるように構成されてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、画像RAM1508は、画像RAM1508のアドレス指定された位置ごとにいくつかの画素(例えば、4画素)についてのスキャン・データを記憶するように構成され得る。いくつかの実施形態では、RAM1508に記憶されたスキャン・データのアドレスは、クロック・サイクルごとに(例えば、クロック・サイクルの始め、中間、または終わりに)シフトされ得る。例えば、最も古いスキャン・データはクロック・サイクルごとに画像RAM1508からシフトされてもよく、新しいスキャン・データはクロック・サイクルごとに画像RAM1508にシフトされてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、アドレスROM1510は、画像RAM1508からスキャン・データを読み出すための読み出しアドレスを与え、マルチプレクサ1512を制御してスキャン・データを乗算器1514へ与えるように構成され得る。代替としてまたは加えて、いくつかの実施形態において、アドレスROM1510は、アドレスROM(またはRAM)1510がランタイムにおいて再構成可能であり得るようにRAMを含み得る。いくつかの実施形態では、アドレスROM1510の各ユニットは、画像RAM1508からの画素の対応するウィンドウからいくつかのサンプルを選択するように構成され得る。例えば、ピクセルのウィンドウは、アドレスROM1510のユニットにわたるインデックスにおける最悪の場合のスキュー量を許容するのに十分な幅である得る。例えば、ウィンドウサイズは、選択されたサンプルの数+8であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、乗算器1514は、デジタル処理回路1500へのスキャン入力間の位置合わせ不良を補償するために、マルチプレクサ1512を介して与えられるスキャン・データのベクトル乗算を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態において、乗算器1514の係数は、アドレスROM1510のそれぞれのユニットから与えられ得る。いくつかの実施形態では、乗算器1514から出力される再サンプリングされたデータは、追加の処理のために高速フーリエ変換(FFT)回路へ与えられてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、デジタル処理回路1500は、代替としてまたは加えて、対象の眼における焦点のぼけに対してジオプトリ調整を与えるように構成され得る。
本明細書中で説明される実施形態はそのように限定されないので、OCT撮像のための本明細書中で説明されるスキャン位置合わせ不良補償技術は、白色光、蛍光、OCT、IR、および/もしくは他のモダリティ、ならびに/またはこれらのモダリティおよび/もしくは他のモダリティの任意の組合せを含む本明細書中で説明される任意のまたは全ての撮像モダリティに関連して使用され得ることを理解されたい。
【0113】
図18は、いくつかの実施形態による、対象の眼のOCT画像および/または測定値を取り込む例示的な方法1800の流れ図である。
図18に示されるように、方法1800は、工程1802において、対象の眼の1つまたは複数のスキャンを取り込む工程と、工程1804において、スキャン間の位置合わせ不良を補償する工程と、工程1806において、スキャンを使用してOCT画像を発生させる工程とを含む。いくつかの実施形態では、方法1800は、OCT撮像および/または測定コンポーネントを含むなどの本明細書中で説明される撮像および/または測定装置を使用して実行され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、工程1802における対象の眼のスキャンを取り込む工程は、OCT撮像および/または測定コンポーネントを使用して対象の眼の1つまたは複数の深度、横方向、および/あるいは垂直スキャンを取り込む工程を含み得る。例えば、1つまたは複数の深度スキャンは、撮像および/または測定装置が光を伝達するように構成される方向に取り込まれ得る。いくつかの実施形態では、横方向または垂直方向に互いから変位される複数の深度スキャンが、工程1802において取り込まれてもよい。例えば、横方向に互いから変位される複数の深度スキャンを含む横方向スキャンは、工程1802において、同時に取り込まれることが可能である。
【0115】
いくつかの実施形態では、工程1804におけるスキャン間の位置合わせ不良の補償は、工程1802において取り込まれる2つ以上のスキャン間にあり得る。例えば、補償は、位置合わせ不良を補償するために取り込まれたスキャンを再サンプリングする補間器を含むようなデジタル・フィードバック回路を使用して実施され得る。代替としてまたは加えて、工程1804におけるスキャン間の位置合わせ不良の補償は、工程1802において取り込まれる1つまたは複数のスキャンと、工程1804においておよび/または工程1804の後に取り込まれる1つまたは複数のスキャンとの間にあってもよい。例えば、補償は、参照経路に沿った参照ミラーの位置決めを調整することなどによって、OCT撮像および/または測定コンポーネントの参照コンポーネントの参照経路長を調整する工程を含んでもよい。別の例では、補償は、スキャン・ミラーのスキャン角度を調整することなど、OCT撮像および/または測定コンポーネントの試料コンポーネントのスキャン・ミラーを調整する工程を含むことができる。
【0116】
様々な実施形態によれば、工程1804におけるスキャン間の位置合わせ不良の補償は、深度方向、横方向、および垂直方向のいずれかまたは各々にあってもよく、ならびに深度方向を中心にして回転可能に向けられるロール方向、横方向を中心にして回転可能に向けられるピッチ方向、および垂直方向を中心にして回転可能に向けられるヨー方向のいずれかまたは各々にあってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、工程1806で取り込まれるスキャンを使用してOCT画像を発生させる工程は、スキャン間の位置合わせ不良の補償後にOCT画像を作成することを含み得る。例えば、OCT画像は、深度方向の位置合わせ不良が補償された2つ以上の深度スキャン、横方向および/または深度方向の位置合わせ不良が補償された1つまたは複数の深度スキャンをそれぞれ含む2つ以上の横方向スキャン、ならびに/あるいは垂直方向および/または深度方向の位置合わせ不良が補償された1つまたは複数の深度スキャンおよび/または横方向スキャンをそれぞれ含む2つ以上の垂直スキャンを使用して形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、複数のOCT画像が、工程1806において取り込まれたスキャンを使用して形成されてもよい。
【0118】
VII.応用
本発明者らは、本明細書中で説明される撮像装置を使用して実施され得る改善された撮像技術を開発した。様々な実施形態によれば、そのような撮像技術は、バイオメトリック識別、健康ステータス決定、および病気診断などのために使用され得る。
【0119】
本発明者らは、様々な健康状態が、本明細書中で説明される技術に従って取り込まれた1つまたは複数の画像における人の網膜眼底の外観によって指し示され得ることを認識している。例えば、糖尿病性網膜症は、より小さい血管の血管壁から突出する小さな隆起または微小動脈瘤によって指し示される場合があり、時には、流体および血液を網膜に漏出する。加えて、より大きな網膜血管は、拡張し始め、直径が不規則になり得る。網膜の神経線維は、腫脹し始める場合がある。時には、黄斑浮腫のように、網膜の中心部(黄斑)が腫脹し始める。損傷した血管は閉塞し、網膜に新しい異常な血管の成長を引き起こし得る。緑内障性視神経症または緑内障は、軸索および二次網膜神経節細胞損失の結果としての乳頭周囲の網膜神経線維層(RNFL)の菲薄化および視神経乳頭陥凹によって指し示され得る。本発明者らは、例えばOCTによって指し示されるRNFL欠損が緑内障の最も初期の徴候の1つであることを認識している。加えて、加齢性黄斑変性(AMD)は、黄斑の剥離および/もしくは浮揚、中心色素上皮層ゾーンにおける網膜下の黄色物質などの黄斑色素形成の障害、ならびに/または黄斑ドルーゼン、末梢ドルーゼン、および/もしくは顆粒パターン・ドルーゼンなどのドルーゼンによって指し示され得る。AMDは、色素過剰、貨幣状萎縮、および/または網膜下液の鋭く輪郭が描かれた円形領域などの地図状萎縮によっても指し示され得る。
【0120】
スターガード病は、網膜の中心部分における光受容体細胞の死によって指し示され得る。黄斑浮腫は、中心窩を囲む領域内の溝によって指し示され得る。黄斑円孔は、黄斑の穴によって指し示され得る。飛蚊症は、非集束光路の不明瞭化によって指し示され得る。網膜剥離は、重度の視神経円板破壊および/または下にある色素上皮からの分離によって指し示され得る。網膜変性は、網膜の劣化によって指し示され得る。中心性網膜症(CSR)は、黄斑における感覚網膜の上昇、および/または色素上皮からの局所的剥離によって指し示され得る。脈絡膜黒色腫は、脈絡膜において開始される色素細胞から得られる悪性腫瘍によって指し示され得る。白内障は、不透明な水晶体によって指し示される場合があり、不鮮明な蛍光寿命および/または2D網膜眼底画像を引き起こす場合もある。黄斑部毛細血管拡張症は、黄斑について劇的に増加する蛍光寿命の環によって、ならびに中心窩の中および周囲で分解するより小さい血管によって指し示され得る。アルツハイマー病およびパーキンソン病は、RNFLの菲薄化によって指し示され得る。糖尿病性網膜症、緑内障、および他のそのような状態は、適切にスクリーニングおよび治療されない場合、失明または重度の視力障害をもたらし得ることを理解されたい。
【0121】
別の例では、視神経障害、視神経萎縮、および/または脈絡膜の折り畳みは、本明細書中で説明される技術を使用して取り込まれた画像において指し示され得る。視神経障害および/または視神経萎縮は、緑内障、視神経炎、および/もしくは乳頭浮腫などの眼内の損傷、腫瘍、神経変性障害、および/もしくは外傷などの脳への視神経の経路に沿った損傷、ならびに/またはレーバー遺伝性視神経萎縮(LHOA)常染色体優性視神経萎縮(ADOA)などの先天性状態によって引き起こされ得る。例えば、圧迫性視神経萎縮症は、下垂体腺腫、脳内髄膜腫、動脈瘤、頭蓋咽頭腫、粘液嚢、乳頭腫、および/もしくは転移などの外在的徴候、ならびに/または視神経グリオーマ、視神経鞘(ONS)髄膜腫、および/もしくはリンパ種などの外在的徴候によって指し示され、かつ/またはそれらに関連し得る。血管および/または虚血性視神経萎縮は、セクタ・ディスク蒼白、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)、動脈炎性虚血性視神経症(AION)、グリオーシスを伴う重度視神経萎縮、巨細胞性動脈炎、網膜中心動脈閉塞症(CRAO)、頚動脈閉塞、および/または糖尿によって指し示され、および/またはそれらに関連する。腫瘍性視神経萎縮は、リンパ腫、白血病、腫瘍、および/または神経膠腫によって指し示され、および/またはそれらに関連し得る。炎症性視神経萎縮症は、類肉腫、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、ベーチェット病、脱髄、例えば多発性硬化症(MS)および/またはデヴィック病としても知られる視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)、アレルギー性血管炎(AN)、および/またはチャーグ・ストラウス症候群によって指し示され得る。感染性視神経萎縮は、ウイルス、細菌、および/または真菌感染の存在によって指し示され得る。放射線視神経症もまた指し示され得る。
【0122】
また、いくつかの実施形態では、撮像装置は、一連の画像にわたって人の目の移動を少なくとも部分的に追跡することによって脳震盪を検出するように構成され得る。例えば、本明細書中で説明される虹彩センサ、白色光撮像コンポーネント、および/または他の撮像コンポーネントは、脳震盪の様々なインジケーションについて人の眼の移動を追跡するように構成され得る。中毒性視神経萎縮および/または栄養性視神経萎縮は、エタンブトール、アミオダロン、メタノール、ビタミンB12欠乏症、および/または甲状腺眼症と関連して指し示され得る。代謝性視神経萎縮は、糖尿病によって指し示され、かつ/または糖尿病に関連し得る。遺伝性視神経萎縮症は、ADOAおよび/またはLHOAによって指し示され、ならびに/あるいはADOAおよび/またはLHOAに関連し得る。外傷性視神経症は、視神経の外傷、ONS血腫、および/または骨折によって指し示され、ならびに/あるいはそれらに関連し得る。
【0123】
したがって、いくつかの実施形態では、様々な病状に対する人の素因は、本明細書中で説明される技術に従って取り込まれる人の網膜眼底の1つまたは複数の画像に基づいて決定され得る。例えば、特定の病状(例えば、AMDについての黄斑剥離および/または浮揚)の上述の兆候の1つまたは複数が、取り込まれた画像内で検出される場合、人は、その病状にかかりやすい可能性がある。
【0124】
本発明者らは、いくつかの健康状態が、本明細書中で説明される蛍光撮像技術を使用して検出され得ることも認識している。例えば、黄斑円孔は、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する対象の眼における網膜色素上皮(RPE)および/または黄斑色素を励起するように340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。RPEからの蛍光は、主にRPEリソソームからのリポフスチンに起因し得る。網膜動脈閉塞症は、520~570nmの蛍光発光波長を有する対象の眼のフラビン・アデニン・ジヌクレオチド(FAD)、RPE、および/またはニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NADH)を励起するように445nmの励起光波長を使用して検出され得る。ドルーゼンにおけるAMDは、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する対象の眼のRPEを励起するように340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。地図状萎縮を含むAMDは、520~570nmの蛍光発光波長を有する対象の眼のRPEおよびエラスチンを励起するように445nmの励起光波長を使用して検出され得る。血管新生型のAMDは、対象の脈絡膜および/または網膜内層を励起させることによって検出され得る。糖尿病性網膜症は、590~560nmの蛍光発光波長を有する対象の眼のFADを励起するように448nmの励起光波長を使用して検出され得る。中心漿液性脈絡網膜症(CSCR)は、520~570nmの蛍光発光波長を有する対象の眼のRPEおよびエラスチンを励起するように445nmの励起光波長を使用して検出され得る。スターガード病は、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する対象の眼のRPEを励起するように340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。コロイデレミアは、540nmおよび/または430~460nmの蛍光発光波長を有する対象の眼におけるRPEを励起するように340~500nmの励起光波長を使用して検出され得る。
【0125】
本発明者らは、人の網膜眼底の取り込まれた画像を使用して人の様々な健康問題を診断する技術も開発した。例えば、いくつかの実施形態では、上述された健康状態のいずれかが、診断され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像技術は、健康ステータス決定のために使用されてもよく、健康ステータス決定は、心臓の健康、心血管の病気および/もしくは心血管のリスク、貧血、網膜毒性、肥満度指数、水分重量、水和状態、筋肉量、年齢、喫煙習慣、血中酸素濃度、心拍数、白血球数、赤血球数、ならびに/または他のそのような健康属性に関する決定を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも40nmの帯域幅を有する光源は、6μmの直径を有する赤血球および少なくとも15μmの直径を有する白血球を取り込む十分な撮像分解能で構成され得る。したがって、本明細書中で説明される撮像技術は、赤血球および白血球の選別および計数、血液内のそれぞれの密度の推定、ならびに/または他のそのような決定を容易にするように構成され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像技術は、血流速度を測定するために、血液細胞の移動の追跡を容易にし得る。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像技術は、血圧変化および灌流の推定値を与えることができる血管の幅の追跡を容易にすることができる。例えば、1μs以内に完了する2次元(2D)空間スキャンを使用して赤血球および白血球を解像するように構成される本明細書中で説明されるような撮像装置は、毎秒1メートルで血液細胞の移動を取り込むように構成され得る。いくつかの実施形態では、スーパー・ルミネセント・ダイオード、LED、および/またはレーザなどの本明細書に説明される装置に含まれ得る光源は、画像が1マイクロ秒未満で取り込まれ得るように、サブマイクロ秒の光パルスを放出するように構成されてもよい。本明細書中で説明されるスペクトル・スキャン技術を使用して、(例えば、横方向の)スキャンされた線対深度の断面全体が、サブマイクロ秒で取り込まれ得る。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される2次元(2D)センサは、低速での内部または外部読取りおよび後続分析のために、そのような画像を取り込むように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、3Dセンサが使用されてもよい。以下に説明される実施形態は、たった1マイクロ秒以内に複数の高品質スキャンを得るという課題を克服する。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像装置は、血管方向に沿って位置合わせされる線をスキャンするように構成されてもよい。例えば、スキャンは、対象の網膜眼底の血管構成を識別し、観察のためにより大きい血管を選択した後に、回転および位置決めされることが可能である。いくつかの実施形態では、小さく、1つの細胞だけが血管を順に通過することを可能にする血管は、選択された血管が単一のスキャン線内にはまるように選択され得る。いくつかの実施形態では、ターゲット撮像領域を対象の眼のより小さいセクションに限定することで、撮像センサのための収集面積を減少させることができる。いくつかの実施形態では、撮像センサの一部を使用することで、撮像フレーム・レートを数十KHzに増加させることを容易にする。いくつかの実施形態では、本明細書中で説明される撮像装置は、スペクトル拡散干渉を減少させつつ、対象の眼の小さい面積にわたって高速スキャンを実行するように構成され得る。例えば、各スキャン線は、撮像センサ・アレイの異なるセクションを使用してもよい。したがって、複数の深度スキャンは、同時に取り込まれることが可能であり、各スキャンは、撮像センサ・アレイのそれぞれの部分によって取り込まれる。いくつかの実施形態では、各スキャンは、各深度スキャンが独立して測定され得るように、分散スペクトルよりも広いなど、撮像センサ・アレイ上でより広い間隔をもたらすように拡大され得る。
【0129】
VIII.結論
かくして、本開示に記載された技術のいくつかの態様および実施形態について説明してきたが、様々な変更、修正、および改善は当業者が容易に想到することを理解されたい。そのような変更、修正、および改善は、本明細書中で説明される技術の趣旨および範囲内であることが意図される。例えば、当業者は、本明細書中で説明される機能を実行し、ならびに/あるいは本明細書中で説明される結果および/または利点のうちの1つもしくは複数を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に思い描き、そのような変形および/または修正の各々は、本明細書中で説明される実施形態の範囲内であるとみなされる。当業者は、本明細書中で説明される特定の実施形態の多くの均等物を認識し、またはわずかにルーチンの実験を使用して確認することができる。したがって、前述の実施形態は、例として提示されるに過ぎず、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、発明の実施形態は、具体的に説明されるもの以外のやり方で実施されてもよいことを理解されたい。加えて、本明細書中で説明される2つ以上の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0130】
上述の実施形態は、多数のやり方のいずれかで実施されることが可能である。プロセスまたは方法の実行を伴う本開示の1つまたは複数の態様および実施形態は、デバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサ、または他のデバイス)によって実行可能なプログラム命令を利用して、プロセスまたは方法を実行する、あるいはその実行を制御することができる。この点において、様々な発明概念は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、上述された様々な実施形態のうちの1つまたは複数を実施する方法を実行する1つまたは複数のプログラムで符号化されたコンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータ・メモリ、1つまたは複数のフロッピー(登録商標)・ディスク、コンパクト・ディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュ・メモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイもしくは他の半導体デバイスにおける回路構成、または他の有形コンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。1つまたは複数のコンピュータ可読媒体は、そこに記憶された1つまたは複数のプログラムは、上述された態様のうちの様々な態様を実施するために1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサ上に対してロードされ得るように搬送可能であってもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、非一時的媒体であってもよい。
【0131】
「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書中では、上述された様々な態様を実施するためにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために用いられることができる任意のタイプのコンピュータ・コードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指すために一般的な意味で使用される。さらに、一態様によれば、実行されるときに、本開示の方法を実行する1つまたは複数のコンピュータ・プログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に存在する必要はなく、本開示の様々な態様を実施するために、いくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサの中でモジュール式に分散されてもよいことを理解されたい。
【0132】
コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラム・モジュールなどの多くの形態であり得る。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行するまたは特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。典型的には、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように組み合わせられてもよく、または分散されてもよい。
【0133】
また、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。説明を簡単にするために、データ構造は、データ構造内の位置を通して関連付けられるフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体内の位置に関してフィールドについてストレージを割り当てることによって達成され得る。しかしながら、データ要素間の関係を確立するポインタ、タグ、または他のメカニズムの使用によることを含む任意の適切なメカニズムが、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立するために使用されてもよい。
【0134】
ソフトウェアで実施されるとき、ソフトウェア・コードは、単一のコンピュータ内において与えられるか、複数のコンピュータ間に分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサまたはプロセッサの集合で実行されることが可能である。
【0135】
さらに、コンピュータは、非限定的な例として、ラック・マウント式コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、またはタブレット・コンピュータなどのいくつかの形態のいずれかで具体化されてもよいと理解されたい。加えて、コンピュータは、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、スマートフォン、または任意の他の適切なポータブルもしくは固定式の電子デバイスを含む、一般にはコンピュータとみなされないが適切な処理能力を有するデバイスに組み込まれてもよい。
【0136】
また、コンピュータは、1つまたは複数の入力デバイスおよび出力デバイスを有し得る。これらのデバイスは、数ある中でも、ユーザ・インターフェースを提示するために使用されることが可能である。ユーザ・インターフェースを与えるために使用され得る出力デバイスの例は、出力の視覚的提示のためのプリンタまたは表示スクリーン、および出力の可聴提示のためのスピーカまたは他の音響発生デバイスを含む。ユーザ・インターフェースに使用することができる入力デバイスの例は、キーボード、ならびにマウス、タッチ・パッド、およびデジタイジング・タブレットなどのポインティングデバイスを含む。別の例として、コンピュータは、音声認識を通じて、または他の可聴フォーマットで入力情報を受信することができる。
【0137】
そのようなコンピュータは、企業ネットワークなどのローカル・エリア・ネットワークまたはワイド・エリア・ネットワーク、およびインテリジェント・ネットワーク(IN)またはインターネットを含む任意の適切な形態の1つまたは複数のネットワークによって相互接続され得る。そのようなネットワークは、任意の適切な技術に基づくことができ、任意の適切なプロトコルに従って動作することができ、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバ・ネットワークを含み得る。
【0138】
方法の一部として実行される行為は、任意の適切なやり方で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では連続した行為として示されているが、いくつかの行為を同時に実行することを含み得る図示されたものとは異なる順序で行為が実行される実施形態が構築され得る。
【0139】
本明細書中で定義および使用されるような全ての定義は、辞書の定義、参照により援用される文書における定義、および/または定義された用語の通常の意味に優先すると理解されたい。
【0140】
本明細書中のその中で使用されるおよび特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、そうでないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されたい。
【0141】
本明細書および特許請求の範囲においてその中で使用される「および/または」という語句は、そのように連結された要素、すなわち、ある場合には連結して存在し、他の場合には分離して存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されたい。「および/または」を用いて挙げられる複数の要素は、同様に解釈されるべきであり、すなわち、そのように連結された要素の「1つまたは複数」である。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外の他の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連しているか関連していないかにかかわらず、任意選択で存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「備える(comprising)」などのオープン・エンド言語と併せて使用されるとき、一実施形態では、Aのみ(任意選択でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AとBの両方(任意選択で他の要素を含む)などを指し得る。
【0142】
本明細書および特許請求の範囲においてそこで使用されるとき、1つまたは複数の要素のリストに関して、「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的に挙げられた各要素および全ての要素のうちの少なくとも1つを含むとは限らず、要素のリスト内の要素の任意の組合せを除外するわけではないと理解されたい。この定義は、「少なくとも1つの」という語句が指す要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択で存在してもよいことも可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態において、少なくとも1つ(任意選択で2つ以上)のAを指すことができ、Bは存在せず(および任意選択でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、少なくとも1つ(任意選択で2つ以上)のBを指すことができ、Aは存在せず(およい任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ(任意選択で2つ以上)のAを指すとともに、少なくとも1つ(任意選択で2つ以上)のBを指す(および任意選択で他の要素を含む)などである。
【0143】
また、本明細書で使用される表現および専門語は、説明のためのものであり、限定するものとみなされるべきではない。本明細書中の「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」、およびそれらの変形の使用は、その後に挙げられる項目、およびそれらの均等物、ならびに追加の項目を包含することを意味される。
【0144】
特許請求の範囲、ならびに上記の明細書において、例えば、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「持っている(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「~で構成される(composed of)」などの全ての移行句は、オープン・エンドであると理解されるべきであり、すなわち、含むことを意味するがそれに限定されるものではない。「~からなる(consisting of)」および「本質的に~からなる(consisting essentially of)」の移行句だけが、それぞれ、クローズまたは半クローズの移行句であるものとする。
【国際調査報告】