(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】センシング機能を有する閉塞性医療装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537012
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021064094
(87)【国際公開番号】W WO2022133250
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウェドゥル、エリック
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジャン-フン
(72)【発明者】
【氏名】ナテサン、ハリシャンカー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD53
4C160DD65
4C160MM33
(57)【要約】
例示的な閉塞性インプラントが開示される。例示的な閉塞性インプラントは、折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成された拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークの少なくとも一部に沿って設けられた閉塞性部材と、拡張可能なフレームワークに取り付けられた第1のカラーとを含む。閉塞性インプラントはまた、第1のカラーに結合されたセンサハウジングであって、第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を有するセンサハウジングと、センサハウジングの外面に沿って摺動可能に設けられた第2のカラーとを含む。さらに、第2のカラーは、ばねを介して拡張可能なフレームワークに結合される。閉塞性インプラントはまた、センサハウジングの第2の端部に沿って設けられたセンサを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成された拡張可能なフレームワークと、
前記拡張可能なフレームワークの少なくとも一部に沿って設けられた閉塞性部材と、
前記拡張可能なフレームワークに取り付けられた第1のカラーと、
前記第1のカラーに結合され、第1の端部及び前記第1の端部の反対側の第2の端部を有するセンサハウジングと、
前記センサハウジングの外面に沿って摺動可能に設けられ、ばねを介して前記拡張可能なフレームワークに結合された第2のカラーと、
前記センサハウジングの前記第2の端部に沿って設けられたセンサと
を備える、閉塞性インプラント。
【請求項2】
前記ばねの伸長が、前記第2のカラーが前記第1のカラーに隣接する第1の位置から、前記第2のカラーが前記センサに隣接する第2の位置に、前記第2のカラーをシフトするように構成される、請求項1に記載の閉塞性インプラント。
【請求項3】
前記ばねが、前記センサハウジングの前記外面に巻かれる、請求項1又は2に記載の閉塞性部材。
【請求項4】
前記ばねが、前記第1のカラーに結合された第1の端部と、前記第2のカラーに結合された第2の端部とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の閉塞性部材。
【請求項5】
前記ばねが、前記センサハウジングに結合された第1の端部と、前記第2のカラーに結合された第2の端部とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の閉塞性部材。
【請求項6】
前記第1のカラーがアパーチャを含み、前記センサハウジングが前記第1のカラーの前記アパーチャ内で延びる、請求項1~5のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項7】
前記第1のカラーが、前記センサハウジングの外面のまわりで円周方向に延びる、請求項1~6のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項8】
前記第1のカラー及び前記拡張可能なフレームワークが、材料のモノリシックシートから形成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項9】
前記拡張可能なフレームワークが、前記第1のカラーに取り付けられた複数のストラットをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項10】
前記拡張可能なフレームワークが、前記センサハウジングに取り付けられた複数のストラットをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項11】
前記第1のカラーは、前記拡張可能なフレームワークが前記折畳構成と前記拡張構成との間でシフトする間、前記センサハウジングに対して静止したままであるように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項12】
前記第1のカラーは、前記第2のカラーが前記センサハウジングの前記外面に沿ってシフトする間、前記センサハウジングに対して静止したままであるように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項13】
前記センサは、前記センサが前記閉塞性部材の反対側に面するように、前記拡張可能なフレームワークの中に位置付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項14】
前記閉塞性部材の第1の部分が前記拡張可能なフレームワークに取り付けられ、前記閉塞性部材の第2の部分が前記第2のカラーに取り付けられる、請求項1~13のいずれか一項に記載の閉塞性インプラント。
【請求項15】
閉塞性インプラントであって、
前記閉塞性インプラントは、折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成された拡張可能なフレームワークを備え、前記拡張可能なフレームワークは、その長手方向軸のまわりに離間配置された複数のストラットを含み、
前記閉塞性インプラントは、前記拡張可能なフレームワークの少なくとも一部に沿って設けられた閉塞性部材を備え、
前記閉塞性インプラントは、前記拡張可能なフレームワークの前記複数のストラットに取り付けられた第1のカラーを備え、前記第1のカラーは、アパーチャを画定し、前記アパーチャの中央領域が前記拡張可能なフレームワークの前記長手方向軸と整合し、
前記閉塞性インプラントは、前記第1のカラーに結合されて前記拡張可能なフレームワークの前記長手方向軸に沿って延びるセンサハウジングを備え、該センサハウジングは、第1の端部及び前記第1の端部の反対側の第2の端部を有し、
前記閉塞性インプラントは、前記センサハウジングの外面に沿って摺動可能に設けられた第2のカラーを備え、該第2のカラーは、ばねを介して前記拡張可能なフレームワークに結合され、
前記閉塞性インプラントは、前記センサハウジングの前記第2の端部に沿って設けられたセンサを備える、
閉塞性インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング機能を有する閉塞性医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
左心耳(LAA)は、袋状の突出部として心臓の左心房に付属する小器官である。心房細動を患う患者においては、左心耳が適切に左心房に結び付いておらず、望ましくない左心耳内血栓の形成をもたらす可能性がある血液の内部滞留を引き起こす。左心耳内に形成される血栓は、この領域から遊離して血流中に入ることがある。血管を通して移動する血栓は最終的に、より小さな下流の血管をふさぐことにより、脳卒中又は心臓発作に寄与することがある。臨床研究では、心房細動患者における血栓の大部分は左心耳内で発見されることが示されている。治療として、左心耳内に位置付けられ、左心耳の口を閉鎖するために展開される医療装置が開発されてきた。時間をかけて、左心耳の口にまたがる露出面が組織で覆われ(内皮化と呼ばれるプロセス)、効果的に左心耳を循環器系から隔離し、左心耳から血流に入ることがある血栓の数を低減又は排除する。心房細動患者の左心耳内血栓の形成を監視及び制御するための優れた医療装置及び方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
例示的な閉塞性インプラントは、折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成された拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークの少なくとも一部に沿って設けられた閉塞性部材と、拡張可能なフレームワークに取り付けられた第1のカラーとを含む。閉塞性インプラントはまた、第1のカラーに結合され、第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を有するセンサハウジングと、センサハウジングの外面に沿って摺動可能に設けられた第2のカラーとを含む。さらに、第2のカラーは、ばねを介して拡張可能なフレームワークに結合される。閉塞性インプラントはまた、センサハウジングの第2の端部に沿って設けられたセンサを含む。
【0004】
追加的に又は代替的に、ばねの伸長は、第2のカラーが第1のカラーに隣接する第1の位置から、第2のカラーがセンサに隣接する第2の位置に、第2のカラーをシフトするように構成される。
【0005】
追加的に又は代替的に、ばねは、センサハウジングの外面に巻かれる。
追加的に又は代替的に、ばねは、第1のカラーに結合された第1の端部と、第2のカラーに結合された第2の端部とを含む。
【0006】
追加的に又は代替的に、ばねは、センサハウジングに結合された第1の端部と、第2のカラーに結合された第2の端部とを含む。
追加的に又は代替的に、第1のカラーはアパーチャを含み、センサハウジングは第1のカラーのアパーチャ内で延びる。
【0007】
追加的に又は代替的に、第1のカラーは、センサハウジングの外面のまわりで円周方向に延びる。
追加的に又は代替的に、第1のカラー及び拡張可能なフレームワークは、材料のモノリシックシートから形成される。
【0008】
追加的に又は代替的に、拡張可能なフレームワークは、第1のカラーに取り付けられた複数のストラットをさらに含む。
追加的に又は代替的に、拡張可能なフレームワークは、センサハウジングに取り付けられた複数のストラットをさらに含む。
【0009】
追加的に又は代替的に、第1のカラーは、拡張可能なフレームワークは折畳構成と拡張構成との間でシフトする間、センサハウジングに対して静止したままであるように構成される。
【0010】
追加的に又は代替的に、第1のカラーは、第2のカラーがセンサハウジングの外面に沿ってシフトする間、センサハウジングに対して静止したままであるように構成される。
追加的に又は代替的に、センサは、センサが閉塞性部材の反対側に面するように、拡張可能なフレームワークの中に位置付けられる。
【0011】
追加的に又は代替的に、閉塞性部材の第1の部分は拡張可能なフレームワークに取り付けられ、閉塞性部材の第2の部分は第2のカラーに取り付けられる。
別の例示的な閉塞性インプラントは、折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成された拡張可能なフレームワークを含み、拡張可能なフレームワークは、その長手方向軸のまわりに離間配置された複数のストラットを含む。閉塞性インプラントはまた、拡張可能なフレームワークの少なくとも一部に沿って設けられた閉塞性部材と、拡張可能なフレームワークの複数のストラットに取り付けられた第1のカラーとを含む。該第1のカラーは、アパーチャを画定し、アパーチャの中央領域が拡張可能なフレームワークの長手方向軸と整合する。閉塞性カラーはまた、第1のカラーに結合されて、拡張可能なフレームワークの長手方向軸に沿って延びるセンサハウジングを含む。該センサハウジングは、第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を有する。閉塞性インプラントはまた、センサハウジングの外面に沿って摺動可能に設けられた第2のカラーを含む。該第2のカラーは、ばねを介して拡張可能なフレームワークに結合される。さらに、閉塞性インプラントは、センサハウジングの第2の端部に沿って設けられたセンサを含む。
【0012】
追加的に又は代替的に、ばねの伸長は、第2のカラーが第1のカラーに隣接する第1の位置から、第2のカラーがセンサに隣接する第2の位置に、第2のカラーをシフトするように構成される。
【0013】
追加的に又は代替的に、ばねは、センサハウジングの外面に巻かれる。
追加的に又は代替的に、ばねは、第1のカラーに結合された第1の端部と、第2のカラーに結合された第2の端部とを含む。
【0014】
追加的に又は代替的に、第1のカラーは、第2のカラーがセンサハウジングの外面に沿ってシフトする間、センサハウジングに対して静止したままであるように構成される。
左心耳を閉塞するための例示的な方法は、閉塞性インプラントを左心耳に進めることを含み、閉塞性インプラントは、折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成された拡張可能なフレームワークを含む。閉塞性インプラントはまた、拡張可能なフレームワークの少なくとも一部に沿って設けられた閉塞性部材と、拡張可能なフレームワークに取り付けられた第1のカラーとを含む。閉塞性インプラントはまた、第1のカラーに結合されたセンサハウジングであって、第1の端部及び第1の端部の反対側の第2の端部を有するセンサハウジングを含む。閉塞性インプラントはまた、センサハウジングの外面に沿って摺動可能に設けられた第2のカラーを含み、第2のカラーは、ばねを介して拡張可能なフレームワークに結合される。閉塞性インプラントはまた、センサハウジングの第2の端部に沿って設けられたセンサを含む。方法はまた、左心耳の中で拡張可能なフレームワークを拡張することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態、態様、及び/又は例に関する上記概要は、本開示の各実施形態、又はすべての実施態様を説明することを意図したものではない。以下の図面及び詳細な説明は、より詳細にこれらの実施形態を例示するものである。
【0016】
本開示は、さまざまな実施形態の以下の詳細な説明を考慮し、添付図面に関連してさらに完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】心臓内に位置付けられた例示的な閉塞性インプラントを示す図。
【
図3】左心耳内に位置付けられた例示的な閉塞性インプラントを示す図。
【
図10】
図9に示される例示的なセンサの一部の斜視図。
【
図11】
図9に示される例示的なセンサの一部の別の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の態様は、さまざまな変更及び代替形態が可能であるが、そのうちの特別なものが、例示の方法によって図面に示され、且つ詳細に説明される。しかしながら、これは、本開示の態様を説明される特定の実施形態に限定することを意図したものではないことを理解されたい。その反対に、本開示の精神及び範囲内に入るすべての修正物、等価物、及び代替物をカバーすることを意図する。
【0019】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、類似の参照番号は、いくつかの図面にわたって類似の要素を示す。詳細な説明及び図面とは、特許請求の範囲に記載された開示を例示することを目的とし、限定を目的としていない。当業者であれば、説明及び/又は図示されるさまざまな要素が、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな組合せ及び構成で配置できることを理解するであろう。詳細な説明及び図面とは、特許請求の範囲に記載の開示の例示的な実施形態を示す。しかしながら、明確さ及び理解を容易にするために、すべての特徴及び/又は要素が各図面に示されていない場合があるが、特に指定されていない限り、特徴(単数若しくは複数)及び/又は要素(単数若しくは複数)は存在すると理解できる。
【0020】
以下の定義された用語については、特許請求の範囲又は本明細書の別の場所で異なる定義が与えられない限り、以下の定義が適用されるものとする。
本明細書では、数値はすべて、明示的に示されているか否かに関係なく、「約(about)」という用語で修飾されることが想定されている。「約」という用語は、数値の文脈において、一般に、当業者が列挙された値と同等であると考える(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値範囲を指す。多くの場合、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入された数値が含まれる。「約」という用語の(例えば、数値以外の文脈における)他の用法は、特に特定されない限り、明細書の文脈から理解され且つそれと一致する通常の慣習的な定義を有することが想定され得る。
【0021】
終点による数値範囲の記載には、終点を含むその範囲に含まれるすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれる)。
【0022】
さまざまな構成要素、特徴、及び/又は仕様に関するいくつかの適した寸法、範囲、及び/又は値が開示されているが、本開示を参照した当業者であれば、明示的に開示されたものから所望の寸法、範囲、及び/又は値が逸脱する場合があることが理解できるであろう。
【0023】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「ひとつ(a)」、「ひとつ(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合には、「又は(or)」という用語は、内容が明確に別のことを指示しない限り、「及び/又は(and/or)」を含む意味で一般に使用される。理解を容易にするために、本開示の特定の特徴は、開示された実施形態内で複数又は繰り返されている場合であっても、単数形で説明されている場合があることに留意されたい。特徴の各例は、反対に明確に述べられていない限り、単数形の開示を含むことがある、及び/又は、包含されることがある。簡潔、且つ明確に説明することを目的として、各図面、又は以下の説明において、開示の必ずしもすべての要素は、示されていない。しかしながら、以下の説明は、反対に明確に述べられていない限り、複数の構成要素の任意に及び/又はすべてに等しく適用可能であると理解されたい。さらに、明確化のために、各図面には、いくつかの要素又は特徴のすべての例は必ずしも示されていない。
【0024】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変形などの相対的な用語は、ユーザ/操作者/操縦者に対するさまざまな要素の位置付け、方向、及び/又は操作に関して一般に考慮され、「近位」及び「後退」という用語は、ユーザに近い又は向かっていることを示し、「遠位」及び「前進」という用語は、ユーザから遠ざかる又は離間することを示す。場合によっては、「近位」及び「遠位」という用語は、開示の理解を容易にするために任意に割り当てられてもよく、そのような場合は当業者であれば容易に理解できる。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」などの他の相対的な用語は、体管腔、血管などのルーメン内、又は装置内の流体の流れの方向を指す。
【0025】
「範囲」という用語は、当該範囲又は寸法の前に、述べられているか又は特定されている寸法の最小測定値を意味するように理解されることがある「最小」があるか、当該範囲又は寸法が「最小」として特定されていない限り、述べられているか又は特定されている寸法の最大測定値を意味するように理解することができる。例えば、「外側範囲」は最大外側寸法を意味し、「径方向範囲」は最大径方向寸法を意味し、「長手方向範囲」は最大長手方向寸法を意味することが理解できる。「範囲」の例はそれぞれ、異なる場合があるが(例えば、軸方向、長手方向、横方向、径方向、周方向など)、当業者であれば、個々の使用されている文脈から理解できる。一般に、「範囲」は、意図された使用法に従って測定された最大の可能な寸法と考えることができ、「最小範囲」は、意図された使用法に従って測定された最小の可能な寸法と考えることができる。場合によっては、「範囲」は一般に平面及び/又は横断面内で直交に測定されるが、特定の文脈から明らかなように、限定ではないが、斜め方向、径方向、周方向(例えば、円弧に沿って)など、異なって測定され得る。
【0026】
「モノリシック」及び「一体」という用語は、一般に、単一の構造又は基本ユニット/要素から作製されるか又はそうしたものからなる1つの要素又は複数の要素を指すものとする。モノリシック及び/又は一体の要素は、複数の別個の要素を合わせて組み立てるか又は他の方法で接合することによって作製される構造及び/又は特徴を排除するものとする。
【0027】
本明細書中の「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らないことを示すことに留意されたい。さらに、こうした言い回しは、必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性について1つの実施形態に関連して記載する場合、明確に特段の記載がない限り、明示的に記載されているか否かに関わらず、その特定の特徴、構造、又は特性に他の実施形態に関連して影響することが、当業者の知識の範囲内にある。すなわち、後述するさまざまな個々の要素は、特定の組合せで明示的に示されていない場合であっても、当業者には理解されるように、他の追加の実施形態を形成する又は記載される実施形態を捕捉及び/又は拡充するように、互いに組合せ可能又は配置可能であるものとして想定されている。
【0028】
明確にする目的で、明細書及び/又は特許請求の範囲を通して、ある特定の識別するための数値的命名法(例えば、第1の、第2の、第3の、第4のなど)を使用して、さまざまな記載される及び/又は特許請求の範囲に記載の特徴を命名及び/又は識別する場合がある。この数値的命名法は、限定的であるようには意図されておらず、単に例示的であることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、簡潔且つ明確であるために、それより前に使用された数値的命名法から変更され、外れる場合もある。すなわち、「第1の」要素として識別された特徴が、後に「第2の」要素、「第3の」要素などと称される場合があり、若しくは完全に省略される場合があり、且つ/又は、異なる特徴が「第1の」要素と称される場合がある。各事例における意味及び/又は指定は、当業者には明らかであろう。
【0029】
心房細動中の左心耳(LAA)での血栓の発生は、LAAでの血液貯留の停滞が原因となることがある。溜まった血液は、左心室によって左心房から引き出されることがあるが、心房細動によって引き起こされる左心房の不規則な収縮のために効果は低い。従って、左心房及び左心耳の収縮によって積極的に血液が流されなくなり、左心室による吸引効果に、主に依存し、ないしは専ら依存して、左心室が充填されることがある。しかしながら、左心耳の収縮は左心室の周期に同期しないことがある。例えば、左心耳の収縮は所望の血流に大きな抵抗を生じさせることがある左心室との最大180度の位相のずれを引き起こすことがある。さらに、ほとんどの左心耳の形状は大きな不規則表面領域と、左心耳の深さに比べて狭い口又はアパーチャとを有しており、複雑で大きく変化する。個別に、又はさまざまな組合せで実現されるこれらの態様は、他の態様と同様に、左心耳外の血流に高い抵抗を生じさせることがある。
【0030】
左心耳内での血栓形成の発生を低減し、且つ、血栓が左心耳内から血流に入るのを防止するために、心臓及び/又は循環器系から左心耳を閉鎖し、それによって、左心耳から血流に入る血栓溶解物質による脳卒中のリスクを低減させる、医療装置及び/又は閉塞性インプラントを開発することが望ましいことがある。さらに、場合によっては、埋め込み型医療装置に診断機能を提供する医療装置及び/又は閉塞性インプラントを開発することが望ましいことがある。例えば、左心房圧、温度、酸素レベルなどのさまざまな診断情報を検知することができるセンサを含む医療装置を設計することが望ましいことがある。左心耳(又は、他の類似した開口)を密封するように設計され、診断センシング機能も有する例示的な医療装置及び/又は閉塞性インプラントが本明細書に開示される。
【0031】
図1は、例示的な閉塞性インプラント10を示す。閉塞性インプラント10は、拡張可能なフレームワーク12を含み得る。閉塞性インプラント10は閉塞性部材14も含み得る。該閉塞性部材14は、拡張可能なフレームワーク12の少なくとも一部に配置される。又は、該拡張可能なフレームワーク12の一部に被さる。又は、該拡張可能なフレームワーク12の一部のまわりに配置される。又は、該拡張可能なフレームワーク12の一部を覆う。いくつかの実施形態では、閉塞性部材14は、拡張可能なフレームワーク12の外面(又は、外向きの面)の少なくとも一部の上に配置され得る。又は、該拡張可能なフレームワーク12の外面(又は、外向きの面)の一部に被さり得る。又は、該拡張可能なフレームワーク12の外面(又は、外向きの面)の一部のまわりに配置され得る。又は、該拡張可能なフレームワーク12の外面(又は、外向きの面)の一部を覆い得る。
図1は、閉塞性部材14が、拡張可能なフレームワーク12の長手方向範囲(例えば、長手方向軸)に沿って部分的にのみ延び得ることをさらに示す。しかしながら、これは限定することを意図しない。むしろ、閉塞性部材14は、拡張可能なフレームワークの長手方向範囲に沿って任意の程度まで延び得る(例えば、拡張可能なフレームワーク12の長手方向の全長にわたって延びる)。
【0032】
いくつかの実施形態では、閉塞性部材14は、血液及び/又は水などの他の流体に対して透過性又は不透過性であり得る。いくつかの実施形態では、閉塞性部材14は、製織、編組、及び/若しくは編立された材料、繊維、シート状の材料、布、ポリマー膜、金属若しくはポリマーメッシュ、多孔質フィルター状材料、又は他の好適な構造を含み得る。いくつかの実施形態では、閉塞性部材14は、血栓(すなわち、血餅など)が閉塞性部材14を通過して、左心耳から血流に入るのを防止することができる。いくつかの実施形態では、閉塞性部材14は、埋込後の内皮化を促進して、それによって、患者の循環系から左心耳を効果的に隔離することができる。閉塞性部材14のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料の例が以下で論じられる。
【0033】
図1はさらに、拡張可能なフレームワーク12が、拡張可能なフレームワーク12の周囲に設けられた複数のアンカー部材16を含み得ることを示す。複数のアンカー部材16は、拡張可能なフレームワーク12から径方向外方に延び得る。いくつかの実施形態では、複数のアンカー部材16の少なくともいくつかは、
図1に示されるように、それぞれ、本体部分及びそこから周方向に突出する先端部分を有し得る、及び/又は、含み得る。拡張可能なフレームワーク12及び/又は複数のアンカー部材16のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料の例が以下で論じられる。
【0034】
いくつかの例では、本明細書に開示される、拡張可能なフレームワーク12、複数のアンカー部材16、及び/又は拡張可能なフレームワーク12の他の部材/構成要素は、一体形成され得る、及び/又は、一体(例えば、モノリシック)部材から切断され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク12及び複数のアンカー部材16は、単一の管状部材から一体形成及び/又は切断され、その後、拡張構成において所望の形状に形成及び/又はヒートセットされ得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク12及び複数のアンカー部材16は、単一の平坦部材から一体形成及び/又は切断され、続いて、管状構造に圧延又は形成され、その後、拡張構成において所望の形状に形成及び/又はヒートセットされ得る。拡張可能なフレームワーク12を作製及び/又は形成するいくつかの例示的な手段及び/又は方法は、レーザ切断、機械加工、パンチング加工、プレス加工、放電加工(EDM)、化学溶解などを含む。他の手段及び/又は方法も想定される。
【0035】
図1に示されるように、拡張可能なフレームワーク12に沿って設けられた複数のアンカー部材16は、2列のアンカー部材16を含み得る。しかしながら、これは限定することを意図しない。むしろ、拡張可能なフレームワーク12は、単一列のアンカー部材16を含み得る。他の例では、拡張可能なフレームワーク12は、2列より多いアンカー部材16を含み得る。例えば、場合によっては、拡張可能なフレームワーク12は、1、2、3、4、又はそれ以上の列のアンカー部材16を含み得る。
【0036】
図1はさらに、閉塞性インプラント10がフレームワーク12に結合されたセンサハウジング26を含み得ることを示す。センサハウジング26は、第1の端部27と、第1の端部27の反対側の第2の端部29とを含み得る。
図1に示されるように、フレーム12は1つ以上のストラット15を含み得る。該ストラット15は円筒状カラー34(例えば、円筒状バンド、円筒状リング)に固定的に(例えば、溶接、接着、はんだ付け、圧着などで)取り付けられ、該円筒状カラー34は、センサハウジング26の外面のまわりに円周方向に位置付けられるように設計される。カラー34はアパーチャを含んでもよく、該アパーチャの中心は、拡張可能なフレームワーク12の長手方向軸と整合し得る。しかしながら、
図1に示される閉塞性インプラント10がカラー34に溶接されたストラット15を示すが、他の例では、ストラット15がセンサハウジング26に直接溶接され得ることが意図されている。
【0037】
いくつかの例において、カラー34は、センサハウジング26がカラー34を貫通することを可能にするように設計された円筒状金属リング(例えば、金属カラー)を含み得る。いくつかの例において、カラー34は、センサハウジング26に完全に又は部分的に埋め込まれ得る。例えば、センサハウジング26は、カラー34の頂部の上にオーバーモールドされ得る。しかしながら、カラー34がさまざまな異なる取付け技術を介してセンサハウジング26に固定的に取り付けられ得ることが意図されている。例えば、カラー34は、ねじ、バヨネット取付け、クリンピング、溶接、圧入、Cクリップ、保持リング、スナップフィット、粘着剤、接着、はんだ付け、又は任意の他の好適な取付け技術のうちの1つ以上を使用して、センサハウジング26に取り付けられ得る。
【0038】
カラー34は、さまざまな材料から構成され得る。例えば、カラー34は、金属、金属合金、ポリマー、セラミック、又はそれらの任意の組合せから形成され得る。さらに、場合によっては、カラー34は、フレーム12と同じ材料から構成され得る。例えば、(ストラット15を含む)フレーム12及びカラー34は、モノリシック構造であってもよく、それによって、フレーム12、ストラット15、及びカラー34は、同じモノリシック基材から形成され得る。しかしながら、いくつかの例において、フレーム12及びカラー34は、別個の構成要素として構成されてもよく、それによって、フレーム12のストラット15がカラー34に取り付けられ得ることが理解されよう。
図1は、ストラット15は、カラー34の外面のまわりで取り付けられてもよく、カラー34の外周全体に沿って延びることを示す。換言すれば、ストラット15は、均一に(又は、不均一に)離間した間隔でバンドに取り付けられてもよく、カラー34の外周のまわり360度に広がる。
【0039】
上述したように、カラー34は、センサハウジング26が貫通することを可能にするように設計された中央アパーチャ(例えば、開口)を含むように設計され得る。カラー34の中央アパーチャが内径を含み得ることが理解されよう。センサハウジング26がカラー34の内径に嵌合するために寸法決めされた外径を含み得ることはさらに理解されよう。
図1は、閉塞性インプラント10が左心耳の口に位置付けられたときに、センサハウジング26の第1の端部27がセンサハウジング26の第1の端部27が左心耳に向く(例えば、指す)ように向きが調整され得ることを示す。さらに、
図1は、センサハウジング26の第2の端部29が、閉塞性インプラント10が左心耳の口に位置付けられたときに、センサハウジング26の第2の端部29が心臓の左心房の方を指してもよいように向きが調整され得ることを示す。閉塞性インプラント10が左心耳の口の中に位置付けられたときのセンサハウジング26の向きは、
図2に関して以下でさらに詳細に説明される。
【0040】
図1はさらに、センサハウジング26が、センサハウジング26の第2の端部29に沿って設けられるセンサ30を含み得ることを示す。センサ30は、さまざまな異なるセンサを含み得る。例えば、センサ30は、圧力センサ、温度センサ、酸素センサ、電気的センサ(例えば、EKGセンサ)、インピーダンスセンサなどを含み得る。さらに、本明細書で意図されるセンサは、心臓リズム、血液化学検査(例えば、NT-proBNP検査)、又は他の類似した検査を検知するように構成され得る。さらに、センサ30(及び、センサ30を成り立たせる構成要素)がセンサハウジング26と一体化され得ることが理解されよう。例えば、場合によっては、センサ30(及び、その構成要素)は、センサハウジングの第2の端部29に固定的に取り付けられ得る。いくつかの例において、センサ30は、センサハウジング26を構成するために使用される材料に、完全に又は部分的に埋め込まれ得る。
【0041】
いくつかの例では、カラー34が、閉塞性部材14を取り付けることを可能にするように設計された1つ以上の固定要素を含み得ることが理解されよう。例えば、カラー34は、閉塞性部材14を取り付けることを可能にするように設計されたフック、穴、タインなどを含み得る。上述したように、いくつかの例では、閉塞性部材14は、布地から構成されてもよく、従って、カラー34上に位置するフック、穴、タインなどのうちの1つ以上上に掛けることができ得る。
【0042】
センサハウジング26は、さまざまな材料から形成され得る。例えば、センサハウジングは、ガラス、アクリル、ポリマー、金属、金属合金、セラミック、又はそれらの任意の組合せから形成され得る。さらに、(センサ30を含む)センサハウジング26は、生体適合性材料から形成され得る。
【0043】
図2は、閉塞性インプラント10が、閉塞性インプラント送達システム20を介して体管腔の中を通って挿入及び前進することができることを示す。
図2はさらに、閉塞性インプラント10が、左心耳50内に送達されて位置付けられていることを示す。場合によっては、閉塞性インプラント送達システム20は、左心房51に向かって心臓のさまざまな室及び管腔(例えば、下大静脈、右心房など)を介して左心耳50に隣接する位置に誘導される送達カテーテル24を含み得る。
【0044】
送達システム20は、送達カテーテル24の近位領域に結合されたハブ部材22を含み得る。ハブ部材22は、臨床医により操作されて、送達カテーテル24の遠位端領域を左心耳50に隣接する位置に向けることができる。いくつかの実施形態では、閉塞性インプラント送達システムは、コアワイヤ18を含み得る。さらに、拡張可能なフレームワーク12の近位端は、コアワイヤ18の遠位端に取り外し可能に取り付け、結合、結合、係合、又は接続するように構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク12の端部領域は、それに結合されたねじ切りインサートを含み得る。いくつかの実施形態では、ねじ切りインサートは、コアワイヤ18の遠位端に設けられたねじ切り部材と結合、結合、嵌合、又は係合するように構成及び/又は適合され得る。拡張可能なフレームワーク12の近位端をコアワイヤ18の遠位端に取り外し可能に結合及び/又は係合する他の手段も想定される。
【0045】
場合によっては、コアワイヤ18(又は、送達システム20の任意の他の構成要素)が、センサハウジング26に取り外し可能に取り付けられ得ることが理解されよう。例えば、場合によっては、コアワイヤ18は、さまざまな異なる接続方法を介して、医療装置10のセンサハウジング26、拡張可能なフレームワーク12、又は任意の他の構成要素に、取り外し可能に取り付け、係合、接合、結合、又は接続され得る。例えば、センサハウジング26が、コアワイヤ18の遠位端に設けられたねじ切り部材と結合、接合、嵌合、又は係合するように構成及び/又は適合されたねじ切り構成要素を含み得ることが意図されている。
【0046】
図3は、(
図2に関して上述された)送達カテーテル24を介して左心耳50の中に位置付けられた閉塞性インプラント10を示す。上記のように、いくつかの例では、インプラント10は、折畳構成と拡張構成との間でシフトするように構成され得る。例えば、場合によっては、閉塞性インプラント10は、閉塞インプラント送達システムを介した送達の間、折畳構成であってもよく、それによって、閉塞性インプラント10は、閉塞インプラント送達システムから展開されると、拡張構成に拡張する。
【0047】
さらに、
図3は、拡張可能なフレームワーク12がコンプライアントなものであり得、従って、拡張構成において左心耳50の側壁の形及び/又は形状に実質的に適合及び/又は密封係合してもよいことを示す。いくつかの実施形態では、閉塞性インプラント10は、左心耳の周囲組織52及び/又は側壁によって画定されるように、最大の拘束されていない範囲よりも小さな又は異なる寸法、範囲、又は形状に拡張できる。さらに、
図3は、拡張可能なフレームワーク12が、1つ以上のアンカー部材16によって左心耳に隣接して固定されて保持され得ることを示す。
【0048】
さらに、拡張可能なフレームワーク12の要素は、拡張可能なフレームワーク12及び/又は閉塞性インプラント10の柔軟性及びコンプライアントな特性を増大させるように調整されてもよく、それによって、組織を拡張可能なフレームワーク12及び/又は閉塞性インプラント10に適合させるのではなく、拡張可能なフレームワーク12及び/又は閉塞性インプラント10をその周囲の組織に適合させることが理解されよう。さらに、場合によっては、左心耳内の閉塞性インプラント10の密封能力を改善するさまざまな特徴、構成要素、及び/又は構成を含むように、上で論じられたインプラント10を設計することが望ましいことがある。さまざまな密封特徴を含むいくつかの例示的な閉塞装置が以下で開示される。
【0049】
上記のように、
図3は、左心耳50及び左心房51に対する(センサ30を含む)センサハウジング26の位置をさらに示す。例えば、
図3は、センサ30が左心房51の方を指して、左心房51内に延びるように、センサハウジング26がカラー34に取り付けられ得ることを示す。センサ30が左心房51の方を指して、左心房51内に延びるようにセンサハウジング26を位置付けることにより、センサ30が左心房及び/又は左心耳の診断パラメータ(例えば、圧力、温度、酸素レベルなど)を検知することを可能にすることができる。センサハウジング26の第2の端部29に隣接してセンサ30を位置付けることにより、センサ30が左心房と直接通信することが可能になる。
【0050】
図4は、上で論じられた閉塞性インプラント10と形態及び機能の点で同等であり得る別の医療装置110を示す。例えば、医療装置110は、拡張可能なフレームワーク112と、閉塞性部材114とを含み得る。該閉塞性部材114は、拡張可能なフレームワーク112の少なくとも一部の上に配置され得る。又は、拡張可能なフレームワーク112の一部に被さって配置され得る。又は、拡張可能なフレームワーク112の一部のまわりに配置され得る。又は、拡張可能なフレームワーク112の一部を覆う。拡張可能なフレームワーク112及び閉塞性部材114は、上述の拡張可能なフレームワーク12及び閉塞性部材14と形態及び機能の点で同等であり得る。さらに、簡単にするために、
図4は、拡張構成における閉塞性インプラント110の「輪郭」を示す。拡張可能なフレームワーク112が、非拡張構成と拡張構成との間でシフトするように構成され得ることが理解されよう。
【0051】
図4は、医療装置110が、カラー134に結合されたセンサハウジング126をさらに含み得ることを示す。センサハウジング126は、第1の端部127と、第1の端部127の反対側の第2の端部129とを含み得る。センサハウジング126は、センサハウジング126の第2の端部129に沿って設けられたセンサ130をさらに含み得る。センサ130及びカラー134は、形態及び機能の点で上述のセンサ30と同等であり得る。例えば、センサ130は、さまざまな異なる種類のセンサを含み得る。例えば、上述のように、センサ130は、圧力センサ、温度センサ、酸素センサ、電気的センサ(例えば、EKGセンサ)、インピーダンスセンサなどを含み得る。さらに、センサ130(及び、センサ130を画定する構成要素)が、センサハウジング126に一体化され得ることが理解されよう。場合によっては、センサ130(及び、その構成要素)は、センサハウジングの第2の端部129に固定的に取り付けられ得る。例えば、センサ130は、センサハウジング126を構成するために使用される材料に、完全に又は部分的に埋め込まれ得る。
【0052】
図4の詳細図はさらに、センサハウジング126が、カラー134へのその取付けを容易にする1つ以上の特徴を含み得ることを示す。例えば、
図4は、センサハウジング126が、センサハウジング126の外面から径方向に離れるように延びる1つ以上の突起137を含み得ることを示す。いくつかの例において、突起137が、センサハウジング126の外面から径方向に離れるように延びる1つ以上の個々の突起であり得ることが理解されよう。しかしながら、他の例において、突起137は、センサハウジング126の外面から径方向に離れるように延びるが、センサハウジング126の外面のまわりで周方向にも延びる円周リップ(例えば、棚、傾斜、ショルダ、リム、隆起など)を含み得る。
【0053】
図4はさらに、カラー134が、センサハウジング126の突起137と嵌合するように設計された凹部136を含み得ることを示す。いくつかの例において、センサハウジング126がカラー134に固定的に取り付けられるように、突起137が凹部136と係合してもよい(例えば、スナップ、クリンプ、プレス嵌めなど)ことが理解されよう。
図4が、センサハウジング126が、センサハウジング126の外面から径方向に離れるように延び、カラー134の凹部136と嵌合する突起137を含むことを示しているが、カラー134がその表面から径方向に延びる突起を含んでもよく、それによって、突起がセンサハウジング126に配置された凹部と嵌合することが意図されていることはさらに理解されよう。
【0054】
図4の詳細図は、フレーム112がカラー134に固定的に取り付けられ得ることも示す。さらに、
図4の詳細図は、閉塞性部材114がカラー134に固定的に取り付けられ得ることも示す。しかしながら、閉塞性部材114が、いくつかの例において、フレーム112の1つ以上の部分に固定的に取り付けられていてもよい(且つ、カラー134に直接取り付けられてもよく又は取り付けられなくてもよい)ことが意図されている。
【0055】
図5は、上で論じられた閉塞性インプラント10/110と形態及び機能の点で同等であり得る別の医療装置210を示す。例えば、医療装置210は、拡張可能なフレームワーク212と閉塞性部材214とを含み得る。該閉塞性部材は、拡張可能なフレームワーク212の少なくとも一部の上に配置される。又は、拡張可能なフレームワーク212の一部に被さって配置される。又は、拡張可能なフレームワーク212の一部のまわりに配置される。又は、拡張可能なフレームワーク212の一部を覆う。拡張可能なフレームワーク212及び閉塞性部材214は、上述の拡張可能なフレームワーク12/112及び閉塞性部材14/114と形態及び機能の点で同等であり得る。さらに、簡単にするために、
図5は、拡張構成における閉塞性インプラント210の「輪郭」を示す。拡張可能なフレームワーク212が、非拡張構成と拡張構成との間でシフトするように構成され得ることが理解されよう。
【0056】
図5は、医療装置210が、カラー234に結合されたセンサハウジング226をさらに含み得ることを示す。センサハウジング226は、第1の端部227と、第1の端部227の反対側の第2の端部229とを含み得る。センサハウジング226は、センサハウジング226の第2の端部229に沿って設けられたセンサ230をさらに含み得る。センサ230及びカラー234は、形態及び機能の点で上述のセンサ30/130と同等であり得る。例えば、センサ230は、さまざまな異なる種類のセンサを含み得る。例えば、センサ230は、圧力センサ、温度センサ、酸素センサなどを含み得る。さらに、センサ230(及び、センサ230を画定する構成要素)が、センサハウジング226に一体化され得ることが理解されよう。場合によっては、センサ230(及び、その構成要素)は、センサハウジングの第2の端部229に固定的に取り付けられ得る。例えば、センサ230は、センサハウジング226を構成するために使用される材料に、完全に又は部分的に埋め込まれ得る。
【0057】
図5の詳細図はさらに、センサハウジング226が、カラー234へのその取付けを容易にする1つ以上の特徴を含み得ることを示す。例えば、
図5は、センサハウジング226が、センサハウジング226の外面に沿って設けられた1つ以上のねじ山238を含み得ることを示す。
図5はさらに、カラー234が、センサハウジング226に沿って設けられたねじ山238に係合して、嵌合するように設計された1つ以上のねじ山239を含み得ることを示し、カラー234のねじ山239との、センサハウジングのねじ山238のそのような係合は、センサハウジング226をカラー234に固定的に取り付ける。
【0058】
図5の詳細図は、フレーム212がカラー234に固定的に取り付けられ得ることも示す。さらに、
図5の詳細図は、閉塞性部材214がカラー234に固定的に取り付けられ得ることも示す。しかしながら、閉塞性部材214が、いくつかの例において、フレーム212の1つ以上の部分に固定的に取り付けられていてもよい(且つ、カラー234に直接取り付けられてもよく又は取り付けられなくてもよい)ことが意図されている。
【0059】
図6及び
図7は、上で論じられた閉塞性インプラントと形態及び機能の点で同等であり得る別の医療装置310を示す。例えば、医療装置310は、拡張可能なフレームワーク312と閉塞性部材314とを含み得る。該閉塞性部材314は、拡張可能なフレームワーク312の少なくとも一部の上に配置される。又は、拡張可能なフレームワーク312の一部に被さる。又は、拡張可能なフレームワーク312の一部のまわりに配置される。又は、拡張可能なフレームワーク312の一部を覆う。拡張可能なフレームワーク312及び閉塞性部材314は、上述の拡張可能なフレームワーク及び閉塞性部材と形態及び機能の点で同等であり得る。さらに、簡単にするために、
図6及び
図7は、拡張構成における閉塞性インプラント310の「輪郭」を示す。拡張可能なフレームワーク312が、非拡張構成と拡張構成との間でシフトするように構成され得ることが理解されよう。
【0060】
図6及び
図7はさらに、医療装置310が、第1のカラー334に結合されたセンサハウジング326をさらに含み得ることを示す。センサハウジング326は、第1の端部327と、第1の端部327の反対側の第2の端部329とを含み得る。センサハウジング326は、センサハウジング326の第2の端部329に沿って設けられたセンサ330をさらに含み得る。センサ330及び第1のカラー334は、形態及び機能の点で上述の他のセンサと同等であり得る。例えば、センサ330は、さまざまな異なる種類のセンサを含み得る。例えば、センサ330は、圧力センサ、温度センサ、酸素センサなどを含み得る。さらに、センサ330(及び、センサ330を画定する構成要素)が、センサハウジング326に一体化され得ることが理解されよう。場合によっては、センサ330(及び、その構成要素)は、センサハウジングの第2の端部329に固定的に取り付けられ得る。例えば、センサ330は、センサハウジング326を構成するために使用される材料に、完全に又は部分的に埋め込まれ得る。
【0061】
図6はさらに、いくつかの例において、センサハウジング326が、医療装置送達システムの取付けを支援するように設計された1つ以上の取付部材342を含み得る(
図6には示されていないが、例は
図2に示されて説明されている)ことを示す。例えば、
図6は、センサハウジング326が、
図6に示される閉塞性部材310を送達するように設計された送達システムの取付けに利用され得る複数のアパーチャ342を含み得ることを示す。
図6は一連のアパーチャとして取付部材342を示すが、これは限定することを意図しないことはさらに理解されよう。むしろ、センサハウジング326が、例示的な閉塞性部材送達システムを係合するように設計されたさまざまな異なる取付部材342を含み得ることが意図されている。例えば、取付部材342は、隆起、フック、ピン、ねじ山、リップコードを含み得る。
【0062】
さらに、センサハウジング326が取付部材342を含むと説明されたが、取付部材342が、拡張可能なフレームワーク312の任意の部分の上に位置付けられ得ること、及び/又は、含まれ得ることがさらに意図されている。例えば、コアワイヤ(
図6には示されていないが、
図2に示されている)は、センサハウジング326、拡張可能なフレームワーク312、又はセンサハウジング326及び拡張可能なフレームワーク312の両方を含む閉塞性部材310の任意の構成要素に沿って位置付けられた取付部材342を介して、閉塞性部材310の任意の構成要素に取り付けられていてもよい。
【0063】
図6に示されるように、取付部材342はセンサハウジング326に沿って位置付けられ得、取付部材342がセンサ330から離間している。換言すれば、取付部材342は、センサハウジング326の第2の端部329上のセンサ330の位置に対して、センサハウジングの第1の端部327の方へ離間し得る。いくつかの例では、取付部材342が、フレームワーク312から遠位であるように、センサハウジング326に沿って位置付けられ得ることが理解されよう。換言すれば、左心耳の口に位置付けられるとき、取付部材342が左心房に位置付けられた送達システムにアクセス可能であるように、取付部材342は、フレームワーク312及び閉塞性部材314から離れて位置付けられ得る。
【0064】
いくつかの例では、送達システムが左心耳の口への閉塞性部材310の送達及び展開に利用された後に、送達システムが閉塞性インプラントから分離されて、体から取り除かれ得ることが理解されよう。さらに、送達システムの除去後、取付部材342を覆うことが望ましいことがある。換言すれば、取付部材342が装置関連血栓症などの悪影響を潜在的に引き起こすことを防ぐために、左心耳の口に閉塞性部材310を位置付けた後に、取付部材342を覆うことが望ましいことがある。全体的に、
図6及び
図7は、左心耳の口に閉塞性部材310を位置付けた後に、取付部材342を覆うように設計された例示的な機構を示す。
【0065】
図6は、閉塞性部材310が第1のカラー334と第2のカラー344とを含み得ることを示す。第1のカラー334は、上述の他のカラー(例えば、カラー34/134/234)と形態及び機能の点で同等であり得る。例えば、第1のカラーは、フレームワーク312が非拡張構成と拡張構成との間でシフトされるときに、カラー334がセンサハウジング326に対して固定位置のままであるように、センサハウジング326に固定的に係合され得る(例えば、固定的に取り付けられ得る)。第1のカラー334は、さまざまな取付け技術(例えば、接着、圧着など)を使用して、センサハウジング326に固定的に取り付けられてもよく、そのいくつかは上に説明されている。
【0066】
しかしながら、
図6に示される閉塞性部材310が、依然として本明細書に記載の閉塞性部材310の機能を維持しながら、第1のカラー334を省いてもよいことも意図されている。例えば、場合によっては、フレームワーク312のストラットは、センサハウジング326に直接結合(例えば、溶接)され得る。換言すれば、センサハウジング326は、さまざまな異なる取付け技術を使用して、フレーム312の任意の構成要素(例えば、ストラット)と直接統合され得る。
【0067】
さらに、
図6は、フレームワーク312が第1のカラー334に固定的に取り付けられ得ることを示す。さらに、
図6は、閉塞性部材314が第2のカラー344に固定的に取り付けられ得ることを示す。換言すれば、閉塞性部材314は、センサハウジング326から離間しているフレームワーク312の一部に固定的に取り付けられ、同時にセンサハウジング326により近い位置ではフレームワーク312に取り付けられていなくてもよい。閉塞性部材314は、センサハウジング326に近づくにつれて、フレームワーク312から離れて、第2のカラー344に延びてもよく、それによって、上記のように、固定的に取り付けられ得る。
【0068】
図6はさらに、第2のカラー344が第1のカラー334よりもセンサ330に近いように、閉塞性部材310の第2のカラー344が(センサハウジングの長手方向軸に沿って)第1のカラー334から離間し得ることを示す。さらに、
図6は、第2のカラー344が、コイル(例えば、ばね)部材345を介して、第1のカラー334に結合され得ることを示す(例えば、ばね345の第1の端部が第1のカラー334に取り付けられてもよく、一方、ばね345の第2の端部が第2のカラー344に取り付けられ得る。しかしながら、他の例では、ばね345が、センサハウジング326に取り付けられた第1の端部と、第2のカラー344に取り付けられた第2の端部とを含み得ることが意図されている)。コイル部材345がセンサハウジング345のまわりに巻かれ得ることが理解されよう。
図7に関してより詳細に説明及び図示されるように、コイル部材345がセンサハウジング326に沿って自由に伸長してもよい(例えば、平行移動する、伸びるなど)ことはさらに理解されよう。
図6に示されるばね345がさまざまな異なるばね設計を含み得ることがさらに意図されている。例えば、ばね345は、線形ばね、アコーディオンばね、直線状波形ばね、拡張可能なメッシュフレームなどを含んでもよく、そのいくつかは、必ずしもセンサハウジング326のまわりに巻きつくというわけではない。
【0069】
図7は、第2のカラー344は、(
図7の破線で示され、
図6の上で説明されたその初期位置に対応する)第1の位置から、第2の位置まで、センサハウジング326に沿って自由に摺動してもよく、それによって、第2のカラー344がセンサ330のより近くに摺動することを示す。第2のカラー344がセンサハウジング326に沿って摺動する方向は、矢印346によって示される。
図7はさらに、第2のカラー344がセンサハウジング326の長手方向軸に沿って摺動するとき、取付部材342の上方を通過してもことを示す。閉塞性部材314が第2のカラー344に取り付けられ得るので、第2のカラー344が取付部材342の上方を摺動するとき、閉塞性部材314も取付部材342の上方を通過してもよい。取付部材342の上方を通過した後、閉塞性部材314は、取付部材342を覆ってもよく、それによって、取付部材342が装置関連血栓症などの悪影響を引き起こす可能性を減少させる。
【0070】
体内での閉塞性部材の送達及び展開後に、第2のカラー344を「解放する」ように、さまざまな機構が設計されていてもよいことが理解されよう。いくつかの例では、第2のカラー344は、送達システムからの閉塞性部材の展開とともに、自動的に解放され、センサ330の方へ近位に移動してもよい。換言すれば、いくつかの例では、閉塞性インプラントが送達カテーテル24(
図6には示されていないが、
図2に示されている)から展開されるとすぐに、第2のカラー344は解放される。他の実施例では、第2のカラー344は、個別の機構を介して解放され得る。例えば、第2のカラー344は、リップコード又は類似した機構を介して解放され得る。第2のカラー344が解放された後、コイル345は拡張してもよく、それによって、第2のカラー344を、(
図6に示され、
図7の破線で示される)その第1の位置から、(
図7に示される)その第2の位置まで、センサハウジング326に沿って摺動させることはさらに理解されよう。さらに、センサハウジング326に沿って(及び、取付部材342の上方を)摺動した後、第2のカラー344は、閉塞性部材314を緊張構成に引っ張ってもよい。この構成では、閉塞性部材314は、テント状構成に似ていてもよく、それによって、閉塞性部材314は、第2のカラー344からフレームワーク312まで引き伸ばされ、最小限の緩みを有する。
【0071】
図8は、上で論じられた閉塞性インプラントと形態及び機能の点で同等であり得る別の医療装置410を示す。例えば、医療装置410は、拡張可能なフレームワーク412と閉塞性部材414とを含み得る。該閉塞性部材414は、拡張可能なフレームワーク412の少なくとも一部の上に設けられ得る。又は、拡張可能なフレームワーク412の一部に被さる。又は、拡張可能なフレームワーク412の一部のまわりに設けられる。又は、拡張可能なフレームワーク412の一部を覆う。拡張可能なフレームワーク412及び閉塞性部材414は、上述の拡張可能なフレームワーク及び閉塞性部材と形態及び機能の点で同等であり得る。さらに、簡単にするために、
図8は、拡張構成における閉塞性インプラント410の「輪郭」を示す。拡張可能なフレームワーク412が、非拡張構成と拡張構成との間でシフトするように構成され得ることが理解されよう。
【0072】
図8は、医療装置410が、カラー434に結合されたセンサハウジング426をさらに含み得ることを示す。センサハウジング426は、第1の端部427と、第1の端部427の反対側の第2の端部429とを含み得る。センサハウジング426は、センサハウジング426の第2の端部429に沿って設けられたセンサ430をさらに含み得る。センサ430及びカラー434は、形態及び機能の点で本明細書に記載の他のセンサと同等であり得る。例えば、センサ430は、さまざまな異なる種類のセンサを含み得る。例えば、センサ430は、圧力センサ、温度センサ、酸素センサなどを含み得る。さらに、センサ430(及び、センサ430を画定する構成要素)が、センサハウジング426に一体化され得ることが理解されよう。場合によっては、センサ430(及び、その構成要素)は、センサハウジングの第2の端部429に固定的に取り付けられ得る。例えば、センサ430は、センサハウジング426を構成するために使用される材料に、完全に又は部分的に埋め込まれ得る。
【0073】
図8はさらに、拡張可能なフレームワーク412が、センサハウジング426の第1の端部427を受けるように設計され得るフレームポケット431をさらに含み得ることを示す。換言すれば、フレームポケット431は、センサハウジング426の第1の端部427の幾何学的形状と嵌合し、受け入れるように設計された幾何学的形状を含み得る。そのいくつかが上に記載された、さまざまな取付け技術(例えば、接着、圧着、ねじ接続は、圧入、溶接、Cクランプ、スナップフィット、オーバーモールドなど)が、拡張可能なフレームワーク412のフレームポケット431にセンサハウジング426を取り付けるために利用され得る。さらに、
図8は、閉塞性部材414がセンサハウジング426に取り付けられ得ることを示す。例えば、
図8は、閉塞性部材414がセンサハウジングの第2の端部429に取り付けられ得ることを示す。しかしながら、閉塞性部材414がセンサハウジング426の任意の部分に取り付けられ得ることが意図されているので、これは限定することを意図しない。さらに、
図8に示されていないが、
図8に示される閉塞性部材410は、
図6及び
図7に関して上に記載されたような第2の摺動可能なカラー(及び、コイル部材)を含み得ることが意図されている。
【0074】
図9~
図11は、上で論じられた閉塞性インプラントと形態及び機能の点で同等であり得る別の医療装置510を示す。例えば、医療装置510は、拡張可能なフレームワーク512と、拡張可能なフレームワーク512の少なくとも一部の上に設けられた、その一部の上方に設けられた、その一部のまわりに設けられた、又は、その一部を覆う及び閉塞性部材514とを含み得る。拡張可能なフレームワーク512及び閉塞性部材514は、上述の他の拡張可能なフレームワーク及び閉塞性部材と形態及び機能の点で同等であり得る。さらに、簡単にするために、
図9は、拡張構成における閉塞性インプラント510の「輪郭」を示す。拡張可能なフレームワーク512が、非拡張構成と拡張構成との間でシフトするように構成され得ることが理解されよう。
【0075】
図9は、医療装置510が、カラー534に結合されたセンサハウジング526をさらに含み得ることを示す。センサハウジング526は、第1の端部527と、第1の端部527の反対側の第2の端部529とを含み得る。しかしながら、
図9~
図11に示されるように、センサハウジング526は、第2のハウジング部材554と係合された第1のハウジング部材552を含み得る。いくつかの例において、第2のハウジング部材554は、第1のハウジング部材552と螺合され得る。換言すれば、第2のハウジング部材554は、第1のハウジング部材552から螺合が解除されて、分離され得る。第1のハウジング部材552からの第2のハウジング部材554の解放は、
図10及び
図11に関して以下により詳細に記載される。
【0076】
第2のハウジング部材554は、センサハウジング526の第2のハウジング部材554の第2の端部529に沿って設けられたセンサ530をさらに含み得る。例えば、センサ530は、さまざまな異なる種類のセンサを含み得る。例えば、センサ530は、圧力センサ、温度センサ、酸素センサなどを含み得る。さらに、センサ530(及び、センサ530を画定する構成要素)が、センサハウジング526の第2のセンサハウジング554に一体化され得ることが理解されよう。場合によっては、センサ530(及び、その構成要素)は、(センサハウジング526の第2の端部529に対応する)第2のハウジング部材554の端部に、固定的に取り付けられ得る。例えば、センサ530は、センサハウジング526の第2のハウジング部材554を構成するために使用される材料に、完全に又は部分的に埋め込まれ得る。
【0077】
場合によっては、カラー534は、さまざまな取付け技術を使用して、第1のハウジング部材552に固定的に取り付けられ得る。例えば、カラー534は、第1のハウジング部材552に溶接、スエージ加工、圧着、接着、圧入、オーバーモールド、螺合などされ得る。さらに、
図9は、拡張可能なフレームワーク512、閉塞性部材514、又は、フレームワーク512及び閉塞性部材514の両方が、カラー534に直接取り付けられ得ることを示す。さらに、
図9は、第1のハウジング部材552に取り付けられたカラー534を示すが、他の実施形態では、カラー534が第2のハウジング部材554に取り付けられ得ることが意図されている。
【0078】
図10は、上述の閉塞性部材510の一部の斜視図である。特に、
図10は、第2のハウジング部材554に螺合された第1のハウジング部材552を含むセンサハウジング526を示す。
図10は、第2のハウジング部材554が、第1のハウジング部材に配置されたキャビティの1つ以上の噛合ねじに延びて、係合する複数のねじ山555を含み得る(第1のハウジング部材のキャビティは
図11に示される)ことを示す。
【0079】
図10は、第1のハウジング部材552の外面のまわりで円周方向に延びるカラー534をさらに示す。さらに、
図10は、カラー534に直接取り付けられた拡張可能なフレームワーク512のストラットを示す。
図10は、第2のハウジング部材554の端部に位置付けられたセンサ530も示す。
【0080】
図11は、第2のハウジング部材554が第1のハウジング部材552から分離された閉塞性部材510を示す。特に、
図11は、第2のハウジング部材554が、第1のハウジング部材554から螺合を解除されて、分離されたことを示す。上述のように、
図11は、第2のハウジング部材554のねじ山555が延びて、螺合してもよいねじ付きキャビティ556を示す。
【0081】
図9~
図11には示されていないが、いくつかの例において、閉塞性部材514を第1のハウジング部材552と第2のハウジング部材554との間にはさむことによって、閉塞性部材514がセンサハウジング526に取り付けられ得ることが意図されている。換言すれば、センサハウジング526への閉塞性部材514の取付けは、第1のハウジング部材552の表面に閉塞性部材514を取り付け、次いで、第1のハウジング部材552に第2のハウジング部材554を螺合し、それによって、閉塞性部材514を第1のハウジング部材552と第2のハウジング部材554との間にはさむことを含み得る。
【0082】
閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)並びに本明細書に開示されるそのさまざまな要素のさまざまな構成要素のために使用することができる材料は、一般に医療装置に関連するものを含み得る。簡単にする目的で、以下の議論は、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示される変形、システム、又は構成要素)に言及する。しかしながら、これは、本明細書に記載される装置及び方法を限定するようには意図されておらず、それは、この議論が、本明細書に開示される他の要素、部材、構成要素、又は装置に適用され得るためである。
【0083】
いくつかの実施形態において、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例は以下で開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組合せなど、又は他の好適な材料から作製され得る。好適な金属及び金属合金の例は、444V、444L、及び314LVステンレス鋼などのステンレス鋼;軟鋼;線形弾性及び/又は超弾性ニチノールなどのニッケルチタン合金;ニッケルクロムモリブデン合金(例えば、インコネル(INCONEL)(登録商標)625などのUNS:N06625、ハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)C-22(登録商標)などのUNS:N06022、ハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、他のハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)合金など)、ニッケル銅合金(例えば、モネル(MONEL)(登録商標)400、ニッケルヴァック(NICKELVAC)(登録商標)400、ニコロス(NICORROS)(登録商標)400などのUNS:N04400など)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R44035など)、ニッケルモリブデン合金(例えば、ハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)アロイ(ALLOY)B2(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケルクロム合金、他のニッケルモリブデン合金、他のニッケルコバルト合金、他のニッケル鉄合金、他のニッケル銅合金、他のニッケルタングステン若しくはタングステン合金などの他のニッケル合金;コバルトクロム合金;コバルトクロムモリブデン合金(例えば、エルジロイ(ELGILOY)(登録商標)、ファイノックス(PHYNOX)(登録商標)などのUNS:R44003など);白金強化ステンレス鋼;チタン;白金;パラジウム;金;それらの組合せなど;又は、任意の他の好適な材料を含む。
【0084】
本明細書で言及したように、市販のニッケルチタン又はニチノール合金のファミリーには、「線形弾性」又は「非超弾性」と命名されたカテゴリがあり、化学的には従来の形状記憶及び超弾性の種類と似ているが、明確で有用な機械的特性を示す場合がある。線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールは、線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールが、超弾性ニチノールのように、応力/ひずみ曲線に実質的な「超弾性プラトー」又は「フラグ領域」を示さない点で超弾性ニチノールと判別することができる。代わりに、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールでは、回復可能なひずみが増加するにつれて、応力は、ほぼ直線状、すなわちいくらか線形であるが、必ずしも塑性変形が始まるまでずっと線形関係ではなく、又は少なくとも超弾性ニチノールで見られる超弾性プラトー及び/又はフラグ領域よりもより直線的な関係で増加し続ける。従って、本開示の目的では、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、「ほぼ」線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールと呼ぶこともできる。
【0085】
いくつかの場合には、線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールは、実質的に弾性を維持しながら(例えば、塑性変形する前に)、最大約2~5%のひずみを受け入れる一方で、超弾性ニチノールは、塑性変形する前に最大約8%のひずみを受け入れるという点で、線形弾性ニチノール及び/又は非超弾性ニチノールは、超弾性ニチノールと判別され得る。これらの両方の材料は、塑性変形する前に約0.2~0.44%のひずみしか受け入れない(その組成に基づいて区別することもできる)ステンレス鋼などの他の線形弾性材料と区別することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、広い温度範囲にわたって、示差走査熱量測定(DSC)及び動的金属熱分析(DMTA)によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態では、線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金では、約-60摂氏度(℃)から約120℃の範囲で、DSC及びDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化がなくてもよい。従って、そのような材料の機械的曲げ特性は、この非常に広い温度範囲にわたって温度の影響に対して一般に不活性であり得る。いくつかの実施形態では、周囲温度又は室温での線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金の機械的曲げ特性は、例えば、それらが超弾性プラトー及び/又はフラグ領域を示さないという点で、体温での機械的特性と実質的に同一である。換言すると、広い温度範囲にわたって、線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、その線形弾性及び/又は非超弾性の性質及び/又は特性を維持する。
【0087】
いくつかの実施形態では、線形弾性ニッケルチタン合金及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、約50~約60重量パーセントのニッケルの範囲であってもよく、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態では、組成は、約54~約57重量パーセントのニッケルの範囲である。好適なニッケルチタン合金の1つの例は、日本の神奈川県の古河テクノマテリアル社から市販されているFHP-NT合金である。別の好適な材料は、ウルタニウム(ULTANIUM)(商標)(ネオメトリクス(Neo-Metrics)社から入手可能)及びゴムメタル(GUMMETAL)(商標)(トヨタ社から入手可能)を含み得る。いくつかの他の実施形態では、超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールを使用して所望の特性を達成することができる。
【0088】
少なくともいくつかの実施形態では、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)の一部又はすべては、放射線不透過性材料でドープされ、放射線不透過性材料から形成され、或いは放射線不透過性材料を含み得る。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視スクリーン又は別の画像化技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解されている。この比較的明るい画像は、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)の位置を判定する際にユーザを支援する。放射線不透過性材料のいくつかの例は、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性フィラーが充填されたポリマー材料などを含むことができるが、これらに限定されない。さらに、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルも、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)の設計に組み込むことができ、同じ結果を達成することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴画像(MRI)適合性が、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)に付与される。例えば、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)並びに/又はその構成要素若しくはその部分は、画像を実質的に歪ませず、実質的なアーチファクト(例えば、画像内のギャップ)を生じない材料で作製され得る。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーチファクトを生じる可能性があるため、適切でない場合がある。閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示される変化、システム若しくは構成要素)又はその一部はまた、MRI機器が画像化できる材料から作製され得る。これらの特性を示すいくつかの材料は、例えば、タングステン、コバルトクロムモリブデン合金(例えば、エルジロイ(ELGILOY)(登録商標)、ファイノックス(PHYNOX)(登録商標)などのUNS:R44003)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R44035)、ニチノールなどを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、若しくは構成要素)並びに/又はその一部は、ポリマー又は他の好適な材料から作製されてもよく、又は、ポリマー又は他の好適な材料を含み得る。好適なポリマーのいくつかの例は、コポリマー、ポリイソブチレンポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン(DuPont)社から入手可能なデルリン(DELRIN)(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSMエンジニアリングプラスティクス(DSM Engineering Plastics)社から入手可能なアルニテル(ARNITEL)(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸塩及び/又は他のポリエステルエラストマ(例えば、デュポン(DuPont)社から入手可能なハイトレル(HYTREL)(登録商標)))、ポリアミド(例えば、バイエル(Bayer)社から入手可能なデュレタン(DURETHAN)(登録商標)又はエルフアトケム(Elf Atochem)社から入手可能なクリスタミド(CRISTAMID))(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えば、商品名ペバックス(PEBAX)(登録商標)として入手可能なPEBA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、マ-レックス(Marlex)高密度ポリエチレン、マ-レックス(Marlex)低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、レクセル(REXELL)(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、ケブラ(KEVLAR)(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMSアメリカングリロン(EMS American Grilon)社から入手可能なグリルアミド(GRILAMID)(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリウレタンシリコーン共重合体(例えば、エイオールテックバイオマテリアルズ(Aortech Biomaterials)社からのエラストイオン(ElastEon)(登録商標)、又は、アドバンソースバイオマテリアルズ(AdvanSource Biomaterials)社からのクロノシル(ChronoSil)(登録商標))、生体適合性ポリマー、他の好適な材料、或いは、それらの混合物、組合せ、コポリマー、ポリマー/金属複合材などを含み得る。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)と混合することができる。例えば、混合物は、最大約6パーセントのLCPを含有することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)は織物材料を含み得る。好適な織物材料のいくつかの例は、平坦加工、成形加工、撚り加工、織り目加工、防縮加工された、又は縮まない加工をされた合成糸を含み得る。本開示での使用に適した生体適合性合成糸は、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然シルク、及びポリテトラフルオロエチレンを含むがこれらに限定されるものではない。さらに、合成糸の少なくとも1つは、金属糸又はガラス糸又はセラミック糸又は繊維であり得る。有用な金属糸は、ステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、又はニッケルコバルトクロム系(Ni-Co-Cr)合金から作られた、又は、それらを含む糸を含む。糸は、炭素繊維、ガラス繊維、又はセラミック繊維をさらに含み得る。望ましくは、糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを含むがこれらに限定されない熱可塑性材料から作られる。糸は、マルチフィラメント、モノフィラメント、又は紡糸タイプのものであり得る。選択される糸の種類及びデニールは、生体適合性で移植可能なプロテーゼ、より詳細には、望ましい特性を有する血管構造を形成する方法で選択され得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、閉塞性インプラント10(及び、本明細書に開示されるその変形、システム、又は構成要素)は、好適な治療薬を含んでもよく、及び/又は、好適な治療薬で治療され得る。好適な治療薬のいくつかの例は、抗血栓薬(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);抗増殖剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻害可能なモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸など);抗炎症薬(デキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンなど);抗腫瘍剤/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤など);麻酔薬(リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインなど);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチドなど);血管細胞成長プロモータ(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写活性化因子、及び翻訳プロモータなど);血管細胞成長阻害剤(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗薬、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、阻害抗体、成長因子に対する抗体、成長因子及び細胞毒素からなる二機能性分子、抗体及び細胞毒素からなる二機能性分子など);コレステロール低下約薬;血管拡張剤;並びに、内因性の血管作動性機構を妨害する薬剤を含み得る。
【0093】
上記議論は、一般に、心臓の左心耳に使用するための閉塞性インプラントについてのものであるが、上記特徴は、動脈瘤の治療のためのインプラント(例えば、腹部大動脈瘤、胸部大動脈瘤など)、交換用弁インプラント(例えば、交換用心臓弁インプラント、交換用大動脈弁インプラント、交換用僧帽弁インプラント、交換用血管弁インプラントなど)、及び/又は他のタイプの閉塞装置(例えば、心房中隔閉塞器、脳動脈瘤閉塞器、末梢動脈閉塞器など)を含むがこれらに限定されない、布地又は膜がフレーム又は支持構造に取り付けられる他のタイプの医療用インプラントにおいても有用であることがある。開示される特徴の他の有用な用途もまた想定される。
【0094】
本開示は、多くの点で、単なる例示であることを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細において、特に、形状、寸法、及び工程の構成の事項に関して変更を加えることができる。これには、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の任意の特徴を別の実施形態に使用することが含まれる。本開示の範囲は、言うまでもないが、添付の特許請求の範囲で表現される文言で定義される。
【国際調査報告】