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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】双方向に操縦可能なカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/092 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
A61M25/092 500
A61M25/092 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537077
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2021064078
(87)【国際公開番号】W WO2022133244
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/127,605
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、クリストファー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハイムス、マシュー ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘプナー、グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】オヌシュコ、デイビッド ジョン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA32
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB39
4C267BB40
4C267BB63
4C267EE03
4C267GG01
(57)【要約】
双方向に操縦可能なカテーテルは、ハンドルと、ハンドルから遠位に延在する長尺シースとを含んでもよい。ハンドルは、軸方向並進メカニズムを含む。第1の操縦ワイヤは、長尺シースを通ってハンドルから遠位プルリングまで延在する。第2の操縦ワイヤが、長尺シースを通ってハンドルから遠位プルリングまで延在し、第2の操縦ワイヤは、中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤとは長尺シースの反対側に配置されている。第1の操縦ワイヤは、軸方向並進メカニズムと係合して、長尺シースの遠位部分を第1の方向に湾曲するように構成される。第2の操縦ワイヤは、軸方向並進メカニズムと係合して、遠位部分を第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲するように構成される。引張部材は、第1の操縦ワイヤの近位端をハンドルに連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルから遠位に延在する長尺シースとを備え、
前記ハンドルが、軸方向並進メカニズムを含み、
第1の操縦ワイヤが、前記長尺シースを通って前記ハンドルから遠位プルリングまで延在し、
第2の操縦ワイヤが、前記長尺シースを通って前記ハンドルから前記遠位プルリングまで延在し、前記第2の操縦ワイヤは、前記長尺シースの中心の長手方向の軸線に対して前記第1の操縦ワイヤとは前記長尺シースの反対側に配置され、
前記第1の操縦ワイヤは、前記軸方向並進メカニズムと係合して、前記長尺シースの遠位部分を第1の方向に湾曲するように構成され、
前記第2の操縦ワイヤは、前記軸方向並進メカニズムと係合して、前記長尺シースの前記遠位部分を前記第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲するように構成され、
引張部材が、前記第1の操縦ワイヤの近位端を前記ハンドルに連結する、双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項2】
前記軸方向並進メカニズムは、前記ハンドル内に摺動可能に配置されたねじ部材を含む、請求項1に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項3】
前記軸方向並進メカニズムは、前記ハンドルの少なくとも一部の周りを回転するように構成された回転可能ノブを含む、請求項2に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項4】
前記回転可能ノブは、前記ハンドルに対する前記回転可能ノブの回転が前記ハンドル内での前記ねじ部材の軸方向並進を引き起こすために、前記ねじ部材と係合するように構成される、請求項3に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項5】
前記第1の操縦ワイヤは、前記ねじ部材が前記ハンドル内で遠位方向に摺動して前記第1の操縦ワイヤに張力を加えるときに、前記軸方向並進メカニズムと係合するように構成された第1の停止要素を含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項6】
前記第1の停止要素は、前記ねじ部材が前記ハンドル内で近位方向に摺動するときに、前記軸方向並進メカニズムとの係合を解除されて前記第1の操縦ワイヤ上の張力を解放する、請求項5に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項7】
前記第1の停止要素は、前記ねじ部材が前記ハンドル内で近位方向に摺動するとき、前記軸方向並進メカニズムに対して浮動するように構成される、請求項5から6のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項8】
前記第2の操縦ワイヤは、前記ねじ部材が前記ハンドル内で近位方向に摺動するとき、前記軸方向並進メカニズムと係合するように構成された第2の停止要素を含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項9】
前記第2の停止要素は、前記ねじ部材が前記ハンドル内で遠位方向に摺動するとき、前記軸方向並進メカニズムとの係合を解除される、請求項8に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項10】
前記第2の停止要素は、前記ねじ部材が前記ハンドル内で遠位方向に摺動するとき、前記軸方向並進メカニズムに対して浮動するように構成される、請求項8から9のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項11】
前記引張部材は、前記第1の操縦ワイヤの前記近位端の遠位の位置で前記ハンドルに連結される、請求項1から10のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項12】
滑車輪が前記ハンドル内に配置され、前記滑車輪が前記第1の操縦ワイヤに係合される、請求項1から11のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項13】
前記滑車輪は、前記引張部材の近位の位置で前記第1の操縦ワイヤと係合する、請求項12に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項14】
前記引張部材が、弾性ポリマー又はコイルばねである、請求項1から13のいずれか一項に記載の双方向に操縦可能なカテーテル。
【請求項15】
ハンドルと、
前記ハンドルから遠位に延在する長尺シースとを備え、
前記ハンドルは、軸方向並進メカニズムを含み、
第1の操縦ワイヤが、前記長尺シースを通って前記ハンドルから遠位プルリングまで延在し、
第2の操縦ワイヤが、前記長尺シースを通って前記ハンドルから前記遠位プルリングまで延在し、前記第2の操縦ワイヤは、前記長尺シースの中心の長手方向の軸線に対して前記第1の操縦ワイヤとは前記長尺シースの反対側に配置され、
前記軸方向並進メカニズムは、第1のねじ部材と、前記第1のねじ部材に動作可能に係合された第1のキャリッジ部材とを含み、前記第1のキャリッジ部材は、前記長尺シースの遠位部分を第1の方向に湾曲するために前記第1の操縦ワイヤと係合するように構成され、
前記軸方向並進メカニズムは、第2のねじ部材と、前記第2のねじ部材に動作可能に係合された第2のキャリッジ部材とを含み、前記第2のキャリッジ部材は、前記長尺シースの前記遠位部分を前記第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲するために前記第2の操縦ワイヤと係合するように構成され、
前記軸方向並進メカニズムは、前記ハンドルの少なくとも一部の周りを回転するように構成された回転可能ノブを含み、前記回転可能ノブの回転は、前記第1のねじ部材及び前記第2のねじ部材の回転を引き起こす、双方向に操縦可能なカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療装置に関し、より具体的には、カテーテル、シース、及び/又は長尺管状シャフトを操縦するためのメカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用、例えば外科用及び/又は血管内用の多種多様な体内医療装置が開発されている。これらの装置のうちいくつかは、ガイドワイヤ、カテーテル、及び医療装置送達システム等(例えば、ステント、グラフト、置換弁等)を含む。これらの装置は、様々な異なる製造方法のいずれか1つによって製造され、様々な方法のいずれか1つに従って使用され得る。代替の医療装置、及び医療装置を製造及び/又は使用するための代替の方法を提供することが継続的に必要である。
【発明の概要】
【0003】
第1の実施例では、双方向に操縦可能なカテーテルは、ハンドルと、ハンドルから遠位に延在する長尺シースとを備えてもよい。ハンドルは、軸方向並進メカニズムを含んでもよい。第1の操縦ワイヤは、長尺シースを通ってハンドルから遠位プルリングまで延在してもよい。第2の操縦ワイヤは、ハンドルから遠位プルリングまで長尺シースを通って延在してもよく、第2の操縦ワイヤは、長尺シースの中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤとは長尺シースの反対側に配置される。第1の操縦ワイヤは、軸方向並進メカニズムと係合して、長尺シースの遠位部分を第1の方向に湾曲させるように構成されてもよい。第2の操縦ワイヤは、軸方向並進メカニズムと係合して、長尺シースの遠位部分を第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲させるように構成されてもよい。引張部材は、第1の操縦ワイヤの近位端をハンドルに連結してもよい。
【0004】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、軸方向並進メカニズムは、ハンドル内に摺動可能に配置されたねじ部材を含む。
【0005】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、軸方向並進メカニズムは、ハンドルの少なくとも一部分の周りを回転するように構成された回転可能ノブを含む。
【0006】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、ハンドルに対する回転可能ノブの回転がハンドル内のねじ部材の軸方向並進を引き起こすために、回転可能ノブは、ねじ部材と係合するように構成される。
【0007】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1の操縦ワイヤは、ねじ部材がハンドル内で遠位方向に摺動して第1の操縦ワイヤに張力を加えるとき、軸方向並進メカニズムと係合するように構成された第1の停止要素を含む。
【0008】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1の停止要素は、ねじ部材がハンドル内で近位方向に摺動するとき、軸方向並進メカニズムとの係合を解除されて第1の操縦ワイヤ上の張力を解放する。
【0009】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1の停止要素は、ねじ部材がハンドル内で近位方向に摺動するとき、軸方向並進メカニズムに対して浮動するように構成される。
【0010】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第2の操縦ワイヤは、ねじ部材がハンドル内で近位方向に摺動するとき、軸方向並進メカニズムと係合するように構成された第2の停止要素を含む。
【0011】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第2の停止要素は、ねじ部材がハンドル内で遠位方向に摺動するとき、軸方向並進メカニズムとの係合を解除される。
【0012】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第2の停止要素は、ねじ部材がハンドル内で遠位方向に摺動するとき、軸方向並進メカニズムに対して浮動するように構成される。
【0013】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、引張部材は、第1の操縦ワイヤの近位端の遠位の位置でハンドルに連結される。
【0014】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、双方向に操縦可能なカテーテルは、ハンドルと、ハンドルから遠位に延在する長尺シースとを備えてもよい。ハンドルは、軸方向並進メカニズムを含む。第1の操縦ワイヤは、長尺シースを通ってハンドルから遠位プルリングまで延在する。第2の操縦ワイヤは、ハンドルから遠位プルリングまで長尺シースを通って延在し、第2の操縦ワイヤは、長尺シースの中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤとは長尺シースの反対側に配置される。第1の操縦ワイヤは、軸方向並進メカニズムと係合して、長尺シースの遠位部分を第1の方向に湾曲するように構成される。第2の操縦ワイヤは、軸方向並進メカニズムと係合して、長尺シースの遠位部分を第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲するように構成される。引張部材は、第1の操縦ワイヤの近位端をハンドルに連結する。滑車輪はハンドル内に配置され、滑車輪が第1の操縦ワイヤに係合される。
【0015】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、滑車輪は、引張部材の近位の位置で第1の操縦ワイヤと係合する。
【0016】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、引張部材は弾性ポリマーである。
【0017】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、引張部材はコイルばねである。
【0018】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、双方向に操縦可能なカテーテルは、ハンドルと、ハンドルから遠位に延在する長尺シースとを備えてもよい。ハンドルは、軸方向並進メカニズムを含む。第1の操縦ワイヤは、長尺シースを通ってハンドルから遠位プルリングまで延在する。第2の操縦ワイヤは、ハンドルから遠位プルリングまで長尺シースを通って延在し、第2の操縦ワイヤは、長尺シースの中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤとは長尺シースの反対側に配置される。軸方向並進メカニズムは、第1のねじ部材と、第1のねじ部材に動作可能に係合された第1のキャリッジ部材とを含み、第1のキャリッジ部材は、長尺シースの遠位部分を第1の方向に湾曲させるために第1の操縦ワイヤと係合するように構成される。軸方向並進メカニズムは、第2のねじ部材と、第2のねじ部材に動作可能に係合された第2のキャリッジ部材とを含み、第2のキャリッジ部材は、長尺シースの遠位部分を第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲させるために第2の操縦ワイヤと係合するように構成される。軸方向並進メカニズムは、ハンドルの少なくとも一部分の周りを回転するように構成された回転可能ノブを含み、回転可能ノブの回転は、第1のねじ部材及び第2のねじ部材の回転を引き起こす。
【0019】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1のねじ部材は、長尺シースの中心の長手方向の軸線に対して第2のねじ部材から横方向にオフセットされる。
【0020】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1のねじ部材は、第2のねじ部材と同軸上に整列される。
【0021】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1のキャリッジ部材及び第2のキャリッジ部材は、ハンドル内で反対方向に軸方向に同時に並進するように構成される。
【0022】
本明細書に記載される任意の例に加えて又は代わりに、第1の操縦ワイヤは、第1のキャリッジ部材を近位方向に移動させることにより第1の操縦ワイヤに張力を加えるように、第1のキャリッジ部材に係合された第1の停止要素を含み、第2の操縦ワイヤは、第2のキャリッジ部材を近位方向に移動させることにより第2の操縦ワイヤに張力を加えるように、第2のキャリッジ部材に係合された第2の停止要素を含む。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態の上記概要は、開示された各実施形態又は本開示のすべての実施を記載することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示は、添付の図面に関連して様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より十分に理解され得る。
【0025】
図1】例示的な操縦可能なカテーテルの選択された態様を示す。
図2図1の例示的な操縦可能なカテーテルの選択された態様を示す。
図3図1の例示的な操縦可能なカテーテルの選択された態様を示す。
図4図1の例示的な操縦可能なカテーテルの選択された態様を示す。
図5図1の例示的な操縦可能なカテーテルを第1の方向に操縦する選択された態様を示す。
図6図1の例示的な操縦可能なカテーテルを第2の方向に操縦する選択された態様を示す。
図7図1の操縦可能なカテーテルの代替構成の選択された態様を示す。
図8図1の操縦可能なカテーテルの代替構成の選択された態様を示す。
図9図1の操縦可能なカテーテルの代替構成の選択された態様を示す。
図10図1の操縦可能なカテーテルの別の代替構成の選択された態様を示す。
図11図1の操縦可能なカテーテルの別の代替構成の選択された態様を示す。
図12図1の操縦可能なカテーテルの別の代替構成の選択された態様を示す。
【0026】
本開示の態様は、様々な変更及び代替形態を受け入れることができるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に記載される。しかし、その意図は、本開示の態様を記載される特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。対照的に、その意図は本開示の技術的思想及び範囲に収まる全ての変更、均等物及び代替物を対象とするものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、必ずしも縮尺通りではない図面を参照して読まれるべきであり、同様の参照番号は、いくつかの図面を通して同様の要素を示す。詳細な説明及び図面は、本開示を例示することを意図しているが、本開示を限定することを意図していない。当業者は、記載及び/又は示される様々な要素が、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組合せ及び構成で配置され得ることを認識するであろう。詳細な説明及び図面は、本開示の例示的な実施形態を示す。しかし、明確さ及び理解の容易さのために、全ての特徴及び/又は要素が各図面に示されない場合があるが、特徴(複数)及び/又は要素(複数)は、別段の指示がない限り、関係なく存在すると理解され得る。
【0028】
異なる定義が特許請求の範囲又は本明細書の他の部分において与えられない限り、以下に定義される用語はこれらの定義が適用されるものとする。
【0029】
明確に示されているか否かにかかわらず、全ての数値は本明細書において用語「約」によって修飾されると想定される。数値の文脈において、用語「約」は、一般に、当業者が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を示す。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。用語「約」の他の使用(例えば、数値以外の文脈において)は、別段の指示がない限り、本明細書の文脈から理解され、本明細書の文脈と一致するように、それらの通常の慣習的な定義(複数)を有すると想定され得る。
【0030】
複数の端点による数値範囲の列挙は、端点(複数)を含むその範囲内の全ての数を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0031】
様々な構成要素、特徴及び/又は仕様に関するいくつかの好適な寸法、範囲及び/又は値が開示されているが、本開示によって刺激された当業者は、要望の寸法、範囲及び/又は値が明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0032】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるとき、用語「又は」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味として一般に用いられる。理解を容易にするために、本開示の特定の特徴は、開示された実施形態(複数)内でそれらの特徴が複数又は繰り返され得るとしても、単数形で記載され得ることに留意されたい。特徴の各事例は、反対のことが明示的に述べられていない限り、単数の開示(複数)を含み、及び/又はそれによって包含され得る。簡潔及び明確にするために、本開示の全ての要素が必ずしも各図面に示されているわけではなく、又は以下で詳細に議論されているわけではない。しかし、以下の議論は、反対のことが明示的に述べられていない限り、2つ以上の構成要素のいずれか及び/又は全てに等しく適用され得ることが理解されるであろう。さらに、明確にするために、いくつかの要素又は特徴の全ての事例が各図面に示されているわけではない。
【0033】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、及びそれらの変形等の相対的な用語は、一般に、装置のユーザ/オペレータ/マニピュレータに対する様々な要素の位置決め、方向、及び/又は動作に関して考慮されてもよく、「近位」及び「後退」は、ユーザにより近い又はユーザに向かうことを示し又は指し、「遠位」及び「前進」は、ユーザからより遠い又はユーザから離れることを示す又は指す。場合によっては、用語「近位」及び「遠位」は、本開示の理解を容易にするために任意に割り当てられてもよく、そのような場合は、当業者には容易に明らかになるであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」等の他の相対的な用語は、体内管腔、血管等のルーメン(lumen)内、又は装置内の流体流れの方向を示す。「軸方向」、「円周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」等のさらに他の相対的な用語、及び/又はそれらの変形は、一般に、開示される構造又は装置の中心の長手方向の軸線に対する方向及び/又は配向を示す。
【0034】
用語「範囲」及び/又は「最大範囲」は、述べられた又は同定された寸法の最大測定値を意味すると理解されてもよく、一方、用語「最小範囲」は、述べられた又は同定された寸法の最小測定値を意味すると理解されてもよい。例えば、「外側範囲」は最大外側寸法を意味すると理解されてもよく、「半径方向範囲」は最大半径方向寸法を意味すると理解されてもよく、「長手方向範囲」は最大長手方向寸法を意味すると理解されてもよい、などである。「範囲」の各例は異なっていてもよく(例えば、軸方向、長手方向、横方向、半径方向、円周方向等)、個々の用法の文脈から当業者には明らかであろう。一般に、「範囲」又は「最大範囲」は、意図された用法に従って測定された最大可能寸法と考えられてもよい。代わりに、「最小範囲」は、意図された用法に従って測定された最小可能寸法であると考えられてもよい。場合によっては、「範囲」は、一般に、平面及び/又は断面内で直交して測定されてもよいが、特定の文脈から明らかであるように、限定されないが、角度的に、半径方向に、円周方向に(例えば、弧に沿って)等、異なって測定されてもよい。
【0035】
本明細書における「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」等への言及は、記載される実施形態(複数)が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まなくてもよいことを示すことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を示すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載されるとき、明示的に記載されているか否かにかかわらず、明確に反対のことが述べられていない限り、他の実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性をもたらすことは、当業者の知識の範囲内であろう。すなわち、以下で記載される様々な個々の要素は、たとえ特定の組合せで明示的に示されていなくても、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するために、又は記載される実施形態(複数)を補完及び/又は補強するために、互いに組合せ可能又は配置可能であると考えられる。
【0036】
明確にするために、特定の識別数字命名法(例えば、第1、第2、第3、第4等)が説明及び/又は特許請求の範囲の全体にわたって使用され、様々な記載された及び/又は請求された特徴を命名及び/又は区別することがある。数字命名法は限定を意図するものではなく、単なる例示であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔さ及び明確さのために、以前に使用された数字命名法の変更及びそれからの逸脱が行われ得る。すなわち、「第1の」要素として識別された特徴は、後に「第2の」要素、「第3の」要素等と示されてもよく、又は完全に省略されてもよく、及び/又は異なる特徴が「第1の」要素と示されてもよい。各例における意味及び/又は名称は、当業者には明らかであろう。
【0037】
いくつかの医療手技では、送達及び/又はアクセスシースは、体腔、ルーメン、及び/又は治療部位の中に経皮的に送られてもよい。患者の脈管構造及び/又は器官を通るナビゲーションは、蛇行した解剖学的構造を通って操縦すること、及び/又は送達及び/又はアクセスシースの遠位端を体腔、ルーメン、及び/又は治療部位の中へ向けることを含み得る。医療手技用の好適な医療装置の例は、限定されないが、左心耳閉鎖、大動脈弁置換、僧帽弁置換、中隔欠損症修復等であり、本明細書に記載される。既存の医療装置は、特定の利点及び/又は欠点を有し得る。医療用インプラントを送達するための、及び/又は他の治療手技を行うための代替的な操縦可能な医療装置が継続的に必要とされている。
【0038】
図1は、双方向に操縦可能なカテーテル100の選択された態様を示す。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100は、血管内カテーテル等の様々なカテーテルのうちのいずれか1つであってもよい。血管内カテーテルの例は、限定されないが、バルーンカテーテル、アテレクトミーカテーテル、装置送達カテーテル、薬物送達カテーテル、診断カテーテル、及びガイドカテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100は、他の好適な誘導、診断、又は治療装置(内視鏡器具及び腹腔鏡器具等を含む)の形態をとってもよく、患者内の様々な場所及び/又は体腔における使用に適してもよい。
【0039】
双方向に操縦可能なカテーテル100は、ハンドル110と、ハンドル110から遠位に延在する長尺シース140とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100及び/又はハンドル110は、ガイドワイヤポート、サイドポート、流体フラッシュポート、撮像アクセスポート、又は他の好適なポート、アクセスポイント又は機能的特徴を含んでもよい。ハンドル110は、ハンドルハウジング112を含んでもよい。長尺シース140は、ハンドルハウジング112内の遠位開口部内に延在してもよく、及び/又は遠位開口部を通って延在してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、長尺シース140の近位端は、ハンドルハウジング112に固定して取り付けられてもよく、及び/又はその内部に固定して取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140の近位部分は、ハンドルハウジング112の遠位端の近位でハンドルハウジング112の内面に固定して取り付けられた1つ以上のロック要素を回転不能に係合するように構成されたキー要素を含み得る。いくつかの実施形態では、キー要素は、長尺シース140の外面に接着されてもよい。いくつかの実施形態では、キー要素は、長尺シース140と一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、キー要素は、長尺シース140に溶接(例えば、熱溶接、音波溶接、振動溶接等)されてもよい。いくつかの実施形態では、キー要素は、キー要素の材料が分子レベルで長尺シース140の材料と混合されるように、長尺シース140とともに溶融されてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドルハウジング112は、ハンドルハウジング112の内面に固定して取り付けられ、及び/又はそれと一体的に形成された1つ以上のロック要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のロック要素は、ハンドルハウジングの剛性を増加させ、ハンドルハウジング112の遠位端と長尺シース140との間のトルク伝達を可能にするように構成される、リブ又は他の構造支持部材として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成を有してもよい。長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成に向かって自己付勢されてもよく、及び/又はいかなる外力もない場合、通常構成又は弛緩構成に戻ってもよい。ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0040】
いくつかの実施形態では、長尺シース140は、軟質及び/又は非侵襲性遠位先端142を含んでもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、第1の湾曲部146及び第2の湾曲部148を有する遠位部分144を含んでもよく、それにより、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成において、事前設定された二重湾曲部を有する。いくつかの実施形態では、第1の湾曲部146は、側面から見たときに上方に湾曲するように事前設定されてもよい。他の構成も想定される。いくつかの実施形態では、第2の湾曲部148は、長尺シース140に沿って近位から遠位に見たときに、左に湾曲するように事前設定されてもよい。他の構成も想定される。いくつかの実施形態では、遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、第1の方向に湾曲又は偏向するように構成されてもよく、遠位先端142は、図1に示すように、ハンドル110に向かって湾曲及び/又は移動され、及び/又はハンドル110に近づくように湾曲及び/又は移動され、偏向構成に向かって及び/又は偏向構成の方へ湾曲及び/又は移動される。いくつかの実施形態では、遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、第1の方向とは反対の第2の方向に湾曲又は偏向するように構成されてもよく、遠位先端142は、図1に示すように、ハンドル110から離れるように湾曲及び/又は移動され、及び/又はハンドル110から遠ざかるように湾曲及び/又は移動され、直線構成に向かって及び/又は直線構成の方へ湾曲及び/又は移動される。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成において単一の湾曲のみを有してもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成において実質的に直線状であってもよい。本明細書に記載されるものの組み合わせを含む他の構成も想定される。
【0041】
図2及び図3は、双方向に操縦可能なカテーテル100の選択された特徴を示す。示される図では、ハンドルハウジング112の一部は、ハンドル110の内部構成要素を示すために取り除かれている。いくつかの実施形態では、ハンドル110は、軸方向並進メカニズム120を含んでもよい。いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム120は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内に摺動可能に配置されたねじ部材122を含むことができる。いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム120は、回転可能ノブ124を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ124は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112の少なくとも一部の周りに配置されてもよく、及び/又は、少なくとも一部の周りに及び/又は少なくとも一部に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ124は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に対する回転可能ノブ124の回転が、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で近位及び/又は遠位にねじ部材122の軸方向並進を引き起こすように、ねじ部材122と係合するために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100に沿って近位から遠位に見たときに、回転可能ノブ124の時計方向への回転は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内でねじ部材122の遠位への軸方向並進を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100に沿って近位から遠位に見たときに、回転可能ノブ124の反時計方向への回転は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内でねじ部材122の近位への軸方向並進を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、逆及び/又は反対の構成が使用されてもよく、回転可能ノブ124の時計回りの回転は、ねじ部材122を近位に移動させ、回転可能ノブ124の反時計回りの回転は、ねじ部材122を遠位に移動させてもよい。回転可能ノブ124及びねじ部材122上の雌ねじ及び雄ねじの配向は、それぞれ、どの回転方向がどの方向の軸方向並進に結び付くかを決定する。軸方向並進メカニズム120、ねじ部材122、及び/又は回転可能ノブ124のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0042】
第1の操縦ワイヤ130は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112から長尺シース140を通って遠位プルリング150(例えば、図4)まで延在し得る。第2の操縦ワイヤ132は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112から長尺シース140を通って遠位プルリング150(例えば、図4)まで延在し得る。第2の操縦ワイヤ132は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤ130とは長尺シース140の反対側に配置されてもよい。長尺シース140(例えば、図1)の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を湾曲及び/又は偏向させるために、本明細書で記載されるように、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132に張力が加えられてもよい。第1の操縦ワイヤ130は、軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122と係合して、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に向かう第1の方向に、偏向構成(例えば、図1)に向かって及び/又は偏向構成の方へ湾曲及び/又は偏向するように構成されてもよい。第2の操縦ワイヤ132は、軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122と係合して、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、第1の方向とは反対の第2の方向へ、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112から離れる方向に、直線構成(例えば、図1)に向かって及び/又は直線構成の方へ湾曲及び/又は偏向するように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内に配置された滑車輪160を含んでもよい。滑車輪160は、滑車輪160の周りに延在する円周状チャネルを介して第1の操縦ワイヤ130と係合することができる。いくつかの実施形態では、滑車輪160は、ねじ部材122の遠位端に近接した位置で第1の操縦ワイヤ130と係合することができる。いくつかの実施形態では、滑車輪160は、ねじ部材122の遠位端の近位の位置で第1の操縦ワイヤ130と係合することができる。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100は、引張部材170を含んでもよい。引張部材170は、第1の操縦ワイヤ130の第1の端部(例えば、近位端)をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に連結してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第1の操縦ワイヤ130の近位端は、引張部材170によってハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に固定して連結されてもよい。いくつかの実施形態では、滑車輪160は、引張部材170の近位の位置で第1の操縦ワイヤ130と係合してもよい。いくつかの実施形態では、引張部材170は、第1の操縦ワイヤ130の近位端の遠位の位置でハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、引張部材170は、図2に示すように、弾性ポリマーであってもよい。別の例では、引張部材170は、図3に示すように、コイルばねであってもよい。他の構成も想定される。明らかなように、引張部材170は、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146が通常構成又は弛緩構成に配置されるとき、及び/又は長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146が、直線構成に向かって及び/又は直線構成の方へ、第2の方向に湾曲される及び/又は偏向されるときに、第1の操縦ワイヤ130に小さい非付勢量の張力を加えるように構成されてもよい。引張部材170の目的は、滑車輪160の周りに張られた第1の操縦ワイヤ130を保持することによって、軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122によって第1の操縦ワイヤ130に張力が加えられていないとき(例えば、通常構成又は弛緩構成において、又は直線構成に向かって、及び/又は直線構成において)、第1の操縦ワイヤ130が滑車輪160から外れるのを防止することである。滑車輪160及び/又は引張部材170のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0044】
加えて又は代わりに、いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル100は、ハンドルハウジング112の対向する壁及び/又は対向する面の間においてハンドルハウジング112内で横方向に延在する、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱は、ハンドルハウジング112内で、滑車輪160の直径及び/又は外周に近接するように構成される位置に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱が、滑車輪160に取り替えられてもよい。いくつかの実施形態では、滑車輪160に加えて、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱が設けられてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱は、ハンドルハウジング112の片側からハンドル内部112の反対側までハンドルハウジング112の内部を完全に横切って延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の操縦ワイヤ130は、滑車輪160の周りに延在する第1の操縦ワイヤ130と同様に、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱の周りに経路指定されてもよく、及び/又はそれらを越えて摺動してもよく、それにより、1つ以上のリブ、突出部、ボス、又は柱は、第1の操縦ワイヤ130のためのガイドとして機能し、運動の損失を防止することができる。
【0045】
ねじ部材122は、ねじ部材122から第1の横方向に沿って横方向に延在する第1のキャッチ126を含むことができる。第1の操縦ワイヤ130は、第1のキャッチ126を通って延在してもよく及び/又はそれを通過してもよい。第1の操縦ワイヤ130は、図2に見られるように、ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で遠位方向に摺動して第1の操縦ワイヤ130に張力を加えるときに、軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122の第1のキャッチ126と係合するように構成された第1の停止要素134を含むことができる。軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122によって加えられる張力は、通常構成又は弛緩構成に向かう長尺シース140の自己付勢に打ち勝って、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を第1の方向に湾曲及び/又は偏向させるのに十分であってもよい。
【0046】
ねじ部材122は、第1の横方向とは反対の第2の横方向に沿ってねじ部材122から横方向に延在する第2のキャッチ128を含んでもよい。第2の操縦ワイヤ132は、第2のキャッチ128を通って延在してもよく、及び/又はそれを通過してもよい。第2の操縦ワイヤ132は、図3に見られるように、ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で近位方向に摺動して第2の操縦ワイヤ132に張力を加えるときに、軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122の第2のキャッチ128と係合するように構成された第2の停止要素136を含むことができる。軸方向並進メカニズム120及び/又はねじ部材122によって加えられる張力は、通常構成又は弛緩構成に向かう長尺シース140の自己付勢に打ち勝って、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を第2の方向に湾曲及び/又は偏向させるのに十分であってもよい。
【0047】
滑車輪160は、ねじ部材122がどちらの方向に移動しているかに応じて、ねじ部材122が第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132の両方に張力を加えることを可能にする。第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132に加えられた張力は、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、通常構成又は弛緩構成から離れるように湾曲及び/又は偏向させる。両方の操縦ワイヤが遠位プルリング150から近位に延在するので、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で第1の操縦ワイヤ130の方向を第2の操縦ワイヤ132に対して反転させて、その結果、ねじ部材122が反対方向に移動することによって第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132の両方に張力を選択的に加えることができるように、滑車輪160が必要である。1つ以上の代替構成では、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112は、滑車輪160の代わりに、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内に配置された内部リブ、内部突出部、又は他の特徴を含むことができ、その周りに第1の操縦ワイヤ130が延在し、方向を反転させることにより、本明細書に記載されるように機能することができる。
【0048】
ねじ部材122が中央位置に配置されるとき、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、通常構成又は弛緩構成に配置され得る。ねじ部材122が中央位置に配置されるとき、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132には実質的に張力が加えられていない。ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で近位及び/又は遠位に軸方向並進されると、軸方向並進メカニズム120のねじ部材122は、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132と係合して張力を加え、本明細書に記載されるように長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を湾曲及び/又は偏向させることができる。加えて、ねじ部材122が中央位置に配置されるとき、第1のキャッチ126は、第1の停止要素134と係合してもよいが、張力は第1の操縦ワイヤ130に加えられず、第2のキャッチ128は、第2の停止要素136と係合してもよいが、張力は第2の操縦ワイヤ132に加えられない。従って、ねじ部材122の中央位置は、第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132に対して張力中立であってもよい。
【0049】
ねじ部材122が中央位置から近位位置に向かって、及び/又は近位位置に配置されるまで移動されるとき、張力が第2の操縦ワイヤ132に加えられてもよく、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112から離れる第2の方向に、又は直線構成に向かって、及び/又は直線構成の方へ湾曲及び/又は偏向されてもよい。ねじ部材122をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で中央位置から近位に移動させる際に、第2のキャッチ128は、第2の停止要素136と係合し、その後、第2の停止要素136を近位に並進させ、それによって、図3に見られるように、第2の操縦ワイヤ132に張力を加える。第1の停止要素134は、ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で近位方向に摺動するときに、軸方向並進メカニズム120、ねじ部材122、及び/又は第1のキャッチ126との係合を解除されて、第1の操縦ワイヤ130上の張力を解放することができる。従って、ねじ部材122が中央位置から近位に移動されると、第1のキャッチ126は第1の停止要素134との係合を解除されてもよく、第1のキャッチ126は第1の操縦ワイヤ130に沿って及び/又はその上を近位に摺動してもよい。第1の停止要素134は、ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で近位方向に摺動するときに、軸方向並進メカニズム120、ねじ部材122、及び/又は第1のキャッチ126に対して浮動するように構成されてもよい(例えば、第1の停止要素134はそれらに直接固定されなくてもよい)。従って、弛みが第1の操縦ワイヤ130に形成され、引張部材170によって張力が加えられなければ、第1の操縦ワイヤ130が滑車輪160との係合を解除される。引張部材170は、ねじ部材122及び/又は第1のキャッチ126によって第1の操縦ワイヤ130に張力が加えられていない間、滑車輪160の周りに張られた第1の操縦ワイヤ130を保持する。引張部材170は、単に、第1のキャッチ126が第1の停止要素134との係合を解除されることに起因して第1の操縦ワイヤ130内に形成されるであろう任意の緩みを緩和し、第1の操縦ワイヤ130が滑車輪160との係合を解除されることを防止する。この特徴は、例えば、図3に示す構成に見ることができる。
【0050】
ねじ部材122が中央位置から遠位位置に向かって、及び/又は遠位位置に配置されるまで移動されるとき、張力が第1の操縦ワイヤ130に加えられてもよく、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、ハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に向かう第1の方向に、又は偏向構成に向かって、及び/又は偏向構成の方に湾曲及び/又は偏向されてもよい。ねじ部材122をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で中央位置から遠位に移動させる際に、第1のキャッチ126は、第1の停止要素134と係合し、その後、第1の停止要素134を遠位に並進させ、それによって、図2に見られるように、第1の操縦ワイヤ130に張力を加える。第2の停止要素136は、ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で遠位方向に摺動するときに、軸方向並進メカニズム120、ねじ部材122、及び/又は第2のキャッチ128との係合を解除されて、第2の操縦ワイヤ132上の張力を解放することができる。従って、ねじ部材122が中央位置から遠位に移動されると、第2のキャッチ128は第2の停止要素136との係合を解除されてもよく、第2のキャッチ128は第2の操縦ワイヤ132に沿って及び/又はその上を遠位に摺動してもよい。第2の停止要素136は、ねじ部材122がハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で遠位方向に摺動するときに、軸方向並進メカニズム120、ねじ部材122、及び/又は第2のキャッチ128に対して浮動するように構成されてもよい(例えば、第2の停止要素136はそれらに直接固定されなくてもよい)。従って、図2に示す構成に見られるように、第2のキャッチ128が第2の停止要素136との係合を解除されることに起因して、第2の操縦ワイヤ132に弛みが形成される。ねじ部材122が近位位置及び/又は中央位置から遠位に並進されると、第1のキャッチ126が第1の停止要素134と係合し、その後、第1の操縦ワイヤ130が滑車輪160の周りに引っ張られ、張力が代わりに第1のキャッチ126及び/又はねじ部材122によって第1の操縦ワイヤ130に加えられるので、引張部材170によって加えられた張力が解放される。
【0051】
図4は、長尺シース140の例示的な構成の態様を示す。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、軟質及び/又は非侵襲性遠位先端142を含んでもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、第1の湾曲部146及び第2の湾曲部148を有する遠位部分144を含むことができ、その結果、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成において、事前設定された二重湾曲部を有する。いくつかの実施形態では、第1の湾曲部146は、側面から見たときに上方に湾曲するように事前設定されてもよい。他の構成も想定される。いくつかの実施形態では、第2の湾曲部148は、長尺シース140に沿って近位から遠位に見たときに、左に湾曲するように事前設定されてもよい。他の構成も想定される。
【0052】
いくつかの実施形態では、長尺シース140は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線に沿って近位端から遠位先端142まで延在する中心ルーメン143を規定する壁141を含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態では、中心ルーメン143は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線と同軸であってもよい。いくつかの実施形態では、中心ルーメン143は、ガイドワイヤルーメンであってもよい。いくつかの実施形態では、中心ルーメン143は、医療装置又はインプラントを送達するために使用される装置ルーメンであってもよい。いくつかの実施形態では、中心ルーメン143は、複数の用途を有してもよい。長尺シース140は、壁141内に延在する及び/又は配置される複数の操縦ワイヤルーメン145を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の操縦ワイヤルーメン145は、第1の操縦ワイヤルーメン及び第2の操縦ワイヤルーメンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の操縦ワイヤルーメン145は、3つ以上の操縦ワイヤルーメンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の操縦ワイヤルーメン145は、中心ルーメン143及び/又は長尺シース140の中心の長手方向の軸線に実質的に平行に配向されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の操縦ワイヤルーメン145は、互いに対向して、及び/又は中心ルーメン143及び/又は長尺シース140の中心の長手方向の軸線に対して長尺シース140の反対側に配置されてもよい。他の構成も想定される。
【0053】
本明細書で議論するように、遠位プルリング150は、長尺シース140の遠位部分144内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位プルリング150は、第2の湾曲部148及び/又は遠位先端142の近位に配置されてもよい。少なくともいくつかの実施形態において、遠位プルリング150は、第1の湾曲部146の遠位端に近接して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位プルリング150は、長尺シース140の壁141内に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、遠位プルリング150は、長尺シース140の壁141の内面に固定され、接着され、及び/又は固定して取り付けられてもよい。他の構成も想定される。遠位プルリング150のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が以下に記載される。
【0054】
第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132はそれぞれ、複数の操縦ワイヤルーメン145内に摺動可能に配置されてもよい。一例では、第1の操縦ワイヤ130は、第1の操縦ワイヤルーメン内に摺動可能に配置されてもよく、第2の操縦ワイヤ132は、第2の操縦ワイヤルーメン内に配置されてもよい。第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132は、遠位プルリング150に固定して取り付けられてもよい(例えば、接着、溶接等)。例えば、第1の操縦ワイヤ130の遠位端は、遠位プルリング150に固定して取り付けられてもよく、第2の操縦ワイヤ132の遠位端は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤ130の遠位端とは反対側の位置で遠位プルリング150に固定して取り付けられてもよい。第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0055】
いくつかの実施形態では、長尺シース140は、その意図される用途に従ってサイズを決定されてもよい。例えば、長尺シース140は、約50から約200センチメートル、約75から約175センチメートル、又は約100から約150センチメートルの範囲の長さを有してもよい。他の長さも想定される。長尺シース140の外径は、使用又は用途に基づいて異なり得ることがさらに想定される。いくつかの例では、長尺シース140の外径は、約2ミリメートル(mm)、約3mm(すなわち9フレンチ)、約3.5mm、約4mm(すなわち12フレンチ)、約4.5mm、約5mm(すなわち15フレンチ)、約5.33mm、約5.5mm、約5.66mm(すなわち17フレンチ)、約6mm、約6.5mm、約7mm(すなわち21フレンチ)、約8mm、又は他の適切なサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140の外径は、最大5.66mm(17フレンチ)であってもよく、好適には5.66mm(17フレンチ)より小さい。他の構成も想定される。長尺シース140のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0056】
図5及び図6は、偏向構成及び直線構成における双方向に操縦可能なカテーテル100の特定の特徴間の関係を示す。図5に見られるように、近位から遠位に見て、回転可能ノブ124の時計回りの回転は、ねじ部材122をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で遠位に移動させ、それによって、張力を第1の操縦ワイヤ130に加え、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112に向かって、又は偏向構成に向かって、及び/又は偏向構成の方へ、湾曲又は偏向させる。図6に見られるように、近位から遠位に見て、回転可能ノブ124の反時計回りの回転は、ねじ部材122をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112内で近位に移動させ、それによって、張力を第2の操縦ワイヤ132に加え、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146をハンドル110及び/又はハンドルハウジング112から離れて、又は直線構成に向かって、及び/又は直線構成の方へ、湾曲又は偏向させる。本明細書で議論するように、他の構成も想定される。
【0057】
図7から図9は、双方向に操縦可能なカテーテル200のハンドル210の代替構成の選択された特徴を示す。上記と同様に、双方向に操縦可能なカテーテル200は、ハンドル210と、ハンドル210から遠位に延在する長尺シース140とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル200及び/又はハンドル210は、ガイドワイヤポート、サイドポート、流体フラッシュポート、撮像アクセスポート、又は他の好適なポート、アクセスポイント又は機能的特徴を含んでもよい。ハンドル210は、ハンドルハウジング212を含んでもよい。長尺シース140は、ハンドルハウジング212内の遠位開口部内に及び/又は遠位開口部を通って延在してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、長尺シース140の近位端は、ハンドルハウジング212に固定して取り付けられてもよく、及び/又はその内部に固定して取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成を有してもよい。長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成に向かって自己付勢されてもよく、及び/又はいかなる外力もない場合、通常構成又は弛緩構成に戻ってもよい。ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0058】
示される図では、ハンドルハウジング212の一部は、ハンドル210の内部構成要素を示すために取り除かれている。いくつかの実施形態では、ハンドル210は、軸方向並進メカニズム220を含んでもよい。いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム220は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内に配置された第1のねじ部材222及び第1のキャリッジ部材225を含んでもよい。第1のキャリッジ部材225は、第1のねじ部材222と動作可能に係合されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第1のねじ部材222は、第1のキャリッジ部材225の中及び/又は上に形成された雌ねじと係合するように構成された雄ねじを含んでもよい。いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム220は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内に配置された第2のねじ部材223及び第2のキャリッジ部材227を含んでもよい。第2のキャリッジ部材227は、第2のねじ部材223と動作可能に係合されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第2のねじ部材223は、第2のキャリッジ部材227の中及び/又は上に形成された雌ねじと係合するように構成された雄ねじを含んでもよい。第1のねじ部材222及び第1のキャリッジ部材225は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線に対してハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で第2のねじ部材223及び第2のキャリッジ部材227から横方向にオフセットされてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム220は、回転可能ノブ224を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ224は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212の少なくとも一部の周りに配置されてもよく、及び/又は、少なくとも一部の周りに及び/又は少なくとも一部に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ224は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212に対する回転可能ノブ224の回転が、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内の第1のねじ部材222及び第2のねじ部材223の回転を引き起こすように、第1のねじ部材222及び第2のねじ部材223と係合するように構成され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、回転可能ノブ224の回転は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内の第1のねじ部材222に沿った第1のキャリッジ部材225の軸方向並進を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ224の回転は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内の第2のねじ部材223に沿った第2のキャリッジ部材227の軸方向並進を引き起こし得る。第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で軸方向に反対方向に同時に並進するように構成されてもよい。例えば、第1のキャリッジ部材225の遠位並進を引き起こす回転可能ノブ224の回転は、第2のキャリッジ部材227の近位並進を同時に引き起こす。同様に、第2のキャリッジ部材227の遠位並進を引き起こす回転可能ノブ224の回転は、第1のキャリッジ部材225の近位並進を同時に引き起こす。第1のねじ部材222及び第1のキャリッジ部材225、及び第2のねじ部材223及び第2のキャリッジ部材227上の雌ねじ及び雄ねじの配向は、どの回転方向がどの方向の軸方向並進に結び付くかを決定する。少なくともいくつかの実施形態では、第1のねじ部材222上の雄ねじ及び第2のねじ部材223上の雄ねじは、第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227をそれぞれ互いに反対方向に移動するように、反対方向に配向されてもよい。軸方向並進メカニズム220、第1のねじ部材222、第2のねじ部材223、回転可能ノブ224、第1のキャリッジ部材225、及び第2のキャリッジ部材227のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0061】
第1の操縦ワイヤ130は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212から長尺シース140を通って遠位プルリング150(例えば、図4)まで延在し得る。第2の操縦ワイヤ132は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212から長尺シース140を通って遠位プルリング150(例えば、図4)まで延在し得る。第2の操縦ワイヤ132は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤ130とは長尺シース140の反対側に配置されてもよい。長尺シース140(例えば、図1)の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を湾曲及び/又は偏向させるために、本明細書で記載されるように、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132に張力が加えられてもよい。第1の操縦ワイヤ130は、軸方向並進メカニズム220及び/又は第1のキャリッジ部材225に係合される第1の停止要素134を含んでもよく、その結果、図8に示すように、第1のキャリッジ部材225を近位方向に移動させることが、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212に向かう第1の方向に、偏向構成(例えば、図1、5)に向かって、及び/又は偏向構成の方へ、湾曲及び/又は偏向させる。第2の操縦ワイヤ132は、軸方向並進メカニズム220及び/又は第2のキャリッジ部材227に係合される第2の停止要素136を含んでもよく、その結果、図9に示すように、第2のキャリッジ部材227を近位方向に移動させることが、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、第1の方向とは反対の第2の方向であり、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212から離れる方向へ、直線構成(例えば、図1、6)に向かって、及び/又は直線構成の方へ、湾曲及び/又は偏向させる。
【0062】
第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227が、それぞれ、第1のねじ部材222及び第2のねじ部材223に沿って中央位置(例えば、図7)に配置されるとき、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、通常構成又は弛緩構成に配置され得る。第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227が、それぞれ、第1のねじ部材222及び第2のねじ部材223に沿って中央位置に配置されているとき、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132に実質的に張力が加えられていない。第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227がハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で近位及び/又は遠位に軸方向に並進されると、軸方向並進メカニズム220の第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227は、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132と係合して、これらに張力を加えて、本明細書で記載するように長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を湾曲及び/又は偏向させてもよい。加えて、第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227が中央位置に配置されるとき、第1のキャリッジ部材225は、第1の停止要素134に係合され得るが、張力は第1の操縦ワイヤ130に加えられず、第2のキャリッジ部材227は、第2の停止要素136に係合され得るが、張力は第2の操縦ワイヤ132に加えられない。従って、第1のキャリッジ部材225及び第2のキャリッジ部材227の中央位置は、第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132に対して張力中立であってもよい。
【0063】
第1のキャリッジ部材225が中央位置から近位位置(例えば、図8)に向かって、及び/又は近位位置に配置されるまで移動されると、張力が第1の操縦ワイヤ130に加えられてもよく、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212に向かって、又は偏向構成(例えば、図1、5)に向かって、及び/又は偏向構成の方へ、第1の方向に湾曲及び/又は偏向されてもよい。図8に見られるように、第1のキャリッジ部材225を中央位置からハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で近位に移動させる際に、第1のキャリッジ部材225は、第1の停止要素134と係合し、その後、第1の停止要素134を近位に並進させ、それによって、張力を第1の操縦ワイヤ130に加える。第1のキャリッジ部材225がハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で近位方向に摺動すると、第2のキャリッジ部材227及び第2の停止要素136は、遠位に並進して、第2の操縦ワイヤ132上の張力を解放することができる。
【0064】
第2のキャリッジ部材227が中央位置から近位位置(例えば、図9)に向かって、及び/又は近位位置に配置されるまで移動されるとき、張力が第2の操縦ワイヤ132に加えられてもよく、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、ハンドル210及び/又はハンドルハウジング212から離れる第2の方向に、又は直線構成(例えば、図1、6)に向かって、及び/又は直線構成の方へ湾曲及び/又は偏向されてもよい。図9に見られるように、第2のキャリッジ部材227を中央位置からハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で近位に移動させる際に、第2のキャリッジ部材227は、第2の停止要素136と係合し、その後、第2の停止要素136を近位に並進させ、それによって、張力を第2の操縦ワイヤ132に加える。第2のキャリッジ部材227がハンドル210及び/又はハンドルハウジング212内で近位方向に摺動するとき、第1のキャリッジ部材225及び第1の停止要素134は、遠位に並進して、第1の操縦ワイヤ130上の張力を解放することができる。
【0065】
図10から図12は、双方向に操縦可能なカテーテル300のハンドル310の代替構成の選択された特徴を示す。上記と同様に、双方向に操縦可能なカテーテル300は、ハンドル310と、ハンドル310から遠位に延在する長尺シース140とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル300及び/又はハンドル310は、ガイドワイヤポート、サイドポート、流体フラッシュポート、撮像アクセスポート、又は他の好適なポート、アクセスポイント又は機能的特徴を含んでもよい。ハンドル310は、ハンドルハウジング312を含んでもよい。長尺シース140は、ハンドルハウジング312内の遠位開口部内に及び/又は遠位開口部を通って延在してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、長尺シース140の近位端は、ハンドルハウジング312に固定して取り付けられてもよく、及び/又はその内部に固定して取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成を有してもよい。長尺シース140は、通常構成又は弛緩構成に向かって自己付勢されてもよく、及び/又はいかなる外力もない場合、通常構成又は弛緩構成に戻ってもよい。ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0066】
示される図では、ハンドルハウジング312の一部は、ハンドル310の内部構成要素を示すために取り除かれている。いくつかの実施形態では、ハンドル310は、軸方向並進メカニズム320を含んでもよい。いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム320は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内に配置された第1のねじ部材322及び第1のキャリッジ部材325を含んでもよい。第1のキャリッジ部材325は、第1のねじ部材322と動作可能に係合されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第1のねじ部材322は、第1のキャリッジ部材325の中及び/又は上に形成された雌ねじと係合するように構成された雄ねじを含んでもよい。いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム320は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内に配置された第2のねじ部材323及び第2のキャリッジ部材327を含んでもよい。第2のキャリッジ部材327は、第2のねじ部材323と動作可能に係合されてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第2のねじ部材323は、第2のキャリッジ部材327の中及び/又は上に形成された雌ねじと係合するように構成された雄ねじを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のねじ部材322及び第1のキャリッジ部材325は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で、第2のねじ部材323及び第2のキャリッジ部材327と同軸に整列されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323は、ベベルギア、遊星歯車などとして形成されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、軸方向並進メカニズム320は、回転可能ノブ324を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ324は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312の少なくとも一部の周りに配置されてもよく、及び/又は、少なくとも一部の周りに及び/又は少なくとも一部に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ324は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312に対する回転可能ノブ324の回転が、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内の第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323の回転を引き起こすように、第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323と係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323は、第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323の両方が同じ方向に及び/又は単一のモノリシック構造として回転するように、共に及び/又は互いに対してしっかりと固定されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、回転可能ノブ324の回転は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内の第1のねじ部材322に沿った第1のキャリッジ部材325の軸方向並進を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、回転可能ノブ324の回転は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内の第2のねじ部材323に沿った第2のキャリッジ部材327の軸方向並進を引き起こし得る。第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で軸方向に反対方向に同時に並進するように構成されてもよい。例えば、第1のキャリッジ部材325の遠位並進を引き起こす回転可能ノブ324の回転は、第2のキャリッジ部材327の近位並進を同時に引き起こす。同様に、第2のキャリッジ部材327の遠位並進を引き起こす回転可能ノブ324の回転は、第1のキャリッジ部材325の近位並進を同時に引き起こす。第1のねじ部材322及び第1のキャリッジ部材325、及び第2のねじ部材323及び第2のキャリッジ部材327上の雌ねじ及び雄ねじの配向は、どの回転方向がどの方向の軸方向並進に結び付くかを決定する。少なくともいくつかの実施形態では、第1のねじ部材322上の雄ねじ及び第2のねじ部材323上の雄ねじは、第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327をそれぞれ互いに反対方向に移動するように、反対方向に配向されてもよい。軸方向並進メカニズム320、第1のねじ部材322、第2のねじ部材323、回転可能ノブ324、第1のキャリッジ部材325、及び第2のキャリッジ部材327のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料が、以下に記載される。
【0069】
第1の操縦ワイヤ130は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312から長尺シース140を通って遠位プルリング150(例えば、図4)まで延在し得る。第2の操縦ワイヤ132は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312から長尺シース140を通って遠位プルリング150(例えば、図4)まで延在し得る。第2の操縦ワイヤ132は、長尺シース140の中心の長手方向の軸線に対して第1の操縦ワイヤ130とは長尺シース140の反対側に配置されてもよい。長尺シース140(例えば、図1)の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を湾曲及び/又は偏向させるために、本明細書で記載されるように、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132に張力が加えられてもよい。第1の操縦ワイヤ130は、軸方向並進メカニズム320及び/又は第1のキャリッジ部材325に係合される第1の停止要素134を含んでもよく、その結果、図11に示すように、第1のキャリッジ部材325を近位方向に移動させることが、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312に向かう第1の方向に、偏向構成(例えば、図1、5)に向かって、及び/又は偏向構成の方へ、湾曲及び/又は偏向させる。第2の操縦ワイヤ132は、軸方向並進メカニズム320及び/又は第2のキャリッジ部材327に係合される第2の停止要素136を含んでもよく、その結果、図12に示すように、第2のキャリッジ部材327を近位方向に移動させることが、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を、第1の方向とは反対の第2の方向であり、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312から離れる方向へ、直線構成(例えば、図1、6)に向かって、及び/又は直線構成の方へ、湾曲及び/又は偏向させる。
【0070】
第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327が、それぞれ、第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323に沿って中央位置(例えば、図10)に配置されるとき、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、通常構成又は弛緩構成に配置され得る。第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327が、それぞれ、第1のねじ部材322及び第2のねじ部材323に沿って中央位置に配置されているとき、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132には実質的に張力が加えられていない。第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327がハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で近位及び/又は遠位に軸方向に並進されると、軸方向並進メカニズム320の第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327は、第1の操縦ワイヤ130及び/又は第2の操縦ワイヤ132と係合して、これらに張力を加えて、本明細書で記載するように長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146を湾曲及び/又は偏向させてもよい。加えて、第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327が中央位置に配置されるとき、第1のキャリッジ部材325は、第1の停止要素134に係合され得るが、張力は第1の操縦ワイヤ130に加えられず、第2のキャリッジ部材327は、第2の停止要素136に係合され得るが、張力は第2の操縦ワイヤ132に加えられない。従って、第1のキャリッジ部材325及び第2のキャリッジ部材327の中央位置は、第1の操縦ワイヤ130及び第2の操縦ワイヤ132に対して張力中立であってもよい。
【0071】
第1のキャリッジ部材325が中央位置から近位位置(例えば、図11)に向かって、及び/又は近位位置に配置されるまで移動されると、張力が第1の操縦ワイヤ130に加えられてもよく、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312に向かう第1の方向へ、又は偏向構成(例えば、図1、5)に向かって、及び/又は偏向構成の方へ、湾曲及び/又は偏向されてもよい。図11に見られるように、第1のキャリッジ部材325を中央位置からハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で近位に移動させる際に、第1のキャリッジ部材325は、第1の停止要素134と係合し、その後、第1の停止要素134を近位に並進させ、それによって、張力を第1の操縦ワイヤ130に加える。第1のキャリッジ部材325がハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で近位方向に摺動すると、第2のキャリッジ部材327及び第2の停止要素136は遠位に並進して、第2の操縦ワイヤ132上の張力を解放することができる。
【0072】
第2のキャリッジ部材327が中央位置から近位位置(例えば、図12)に向かって、及び/又は近位位置に配置されるまで移動されるとき、張力が第2の操縦ワイヤ132に加えられてもよく、長尺シース140の遠位部分144及び/又は第1の湾曲部146は、ハンドル310及び/又はハンドルハウジング312から離れる第2の方向に、又は直線構成(例えば、図1、6)に向かって、及び/又は直線構成の方へ湾曲及び/又は偏向されてもよい。図12に見られるように、第2のキャリッジ部材327を中央位置からハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で近位に移動させる際に、第2のキャリッジ部材327は、第2の停止要素136と係合し、その後、第2の停止要素136を近位に並進させ、それによって、張力を第2の操縦ワイヤ132に加える。第2のキャリッジ部材327がハンドル310及び/又はハンドルハウジング312内で近位方向に摺動するとき、第1のキャリッジ部材325及び第1の停止要素134は遠位に並進して、第1の操縦ワイヤ130上の張力を解放することができる。
【0073】
双方向に操縦可能なカテーテル(及び/又は本明細書に開示される他のシステム又は構成要素)の様々な構成要素及び本明細書に開示されるその様々な要素のために使用され得る材料は、医療装置と一般的に関連付けられるものを含んでもよい。簡単にするために、以下の議論ではシース等に言及する。しかし、これは、本明細書に記載される装置及び方法を限定することを意図するものではなく、議論は、限定ではないが、長尺シース、ハンドル、ハンドルハウジング、ねじ部材(複数)、キャリッジ部材(複数)、操縦ワイヤ(複数)等、及び/又はそれらの要素又は構成要素等の本明細書に開示される他の要素、部材、構成要素、又は装置に適用されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル及び/又はその構成要素は、金属、合金、ポリマー(そのいくつかの例が以下に開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、及びそれらの組み合わせ等、又は他の好適な材料から作製されてもよい。適切な金属及び合金のいくつかの例は、444V、444L、及び314LVステンレススチール等のステンレススチール、軟鋼、線形弾性及び/又は超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金、ニッケル-クロム-モリブデン合金などの他のニッケル合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)等のUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、及び他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、及びNICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)等のUNS:R44035など)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)等のUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、及び他のニッケル-タングステン又はタングステン合金等、コバルト-クロム合金、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、及びPHYNOX(登録商標)等のUNS:R44003)、白金強化ステンレススチール、チタン、白金、パラジウム、金、及びこれらの組み合わせ等、又は任意の他の適切な材料を含む。
【0075】
本明細書で言及されるように、市販のニッケル-チタン又はニチノール合金のファミリー内には、「線形弾性」又は「非超弾性」と称されるカテゴリーがあり、これは、従来の形状記憶及び超弾性の種類と化学的に類似し得るが、別個の有用な機械的特性を示し得る。線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールが、その応力/歪み曲線において、超弾性ニチノールが示すような実質的な「超弾性プラトー」又は「フラグ領域」を示さないという点で、超弾性ニチノールと区別され得る。代わりに、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールでは、回復可能なひずみの増加につれて、応力は、塑性変形が始まるまで実質的に線形である又はいくつかは線形であるが必ずしも全体的に線形ではない関係において、又は少なくとも、超弾性ニチノールに見られ得る超弾性プラトー及び/又はフラグ領域よりも線形である関係において増加を継続する。従って、本開示の目的のために、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールはまた、「実質的に」線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールと称されてもよい。
【0076】
場合によっては、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールはまた、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールが、実質的に弾性のままでありながら(例えば、塑性変形前に)、最大約2から5%の歪みを受け入れることができるが、一方、超弾性ニチノールは、塑性変形前に最大約8%の歪みを受け入れることができるという点で、超弾性ニチノールと区別され得る。これらの材料は両方とも、塑性変形前に約0.2から0.44パーセントの歪みのみを許容し得るステンレススチール(その組成に基づいて区別することもできる)等の他の線形弾性材料と区別することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、広い温度範囲にわたって示差走査熱量測定(DSC)及び動的金属熱分析(DMTA)分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金において、摂氏約-60度(℃)から約120℃の範囲で、DSC及びDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化がなくてもよい。従って、そのような材料の機械的湾曲特性は、一般に、この非常に広い温度範囲にわたる温度の影響に対して不活性であり得る。いくつかの実施形態では、周囲温度又は室温での線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金の機械的湾曲特性は、例えば、それらが超弾性プラトー及び/又はフラグ領域を示さないという点で、体温での機械的特性と実質的に同じである。言い換えると、広い温度範囲にわたって、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、その線形弾性及び/又は非超弾性特徴及び/又は特性を維持する。
【0078】
いくつかの実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、約50から約60重量パーセントの範囲のニッケルであってもよく、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態では、組成は、約54から約57重量パーセントの範囲のニッケルである。好適なニッケル-チタン合金の一例は、日本神奈川県の古河テクノマテリアル社から市販されているFHP-NT合金である。他の適切な材料は、ULTANIUM(商標)(Neo-Metricsから入手可能)及びGUM METAL(商標)(トヨタから入手可能)を含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、望ましい特性を達成するために、超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールが使用されてもよい。
【0079】
少なくともいくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル及び/又はその構成要素の一部又は全部はまた、放射線不透過性材料でドープされてもよく、作製されてもよく、又は別様に含んでもよい。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視スクリーン又は別の撮像技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解される。この比較的明るい画像は、ユーザが双方向に操縦可能なカテーテルの位置を決定するのを助ける。放射線不透過性材料のいくつかの例は、限定されないが、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填材が充填されたポリマー材料等を含み得る。さらに、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルもまた、同じ結果を達成するために、双方向に操縦可能なカテーテルの設計に組み込まれ得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴撮像(MRI)適合性が、双方向に操縦可能なカテーテルに付与される。例えば、双方向に操縦可能なカテーテル及び/又はその構成要素又はその一部分は、画像を実質的に歪めず、実質的なアーチファクト(例えば、画像内の間隙)を生成しない材料から作製されてもよい。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーチファクトを生成する可能性があるので、適切でない場合がある。双方向に操縦可能なカテーテル又はその一部はまた、MRI機械が撮像することができる材料から作製されてもよい。これらの特性を示すいくつかの材料は、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R44035)、ニチノールなど、及びその他を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテル及び/又はその部分は、ポリマー又は他の好適な材料から作製されてもよく、又はそれを含んでもよい。好適なポリマーのいくつかの例として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyurethane 85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステル系コポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート及び/又はDuPontから入手可能なHYTREL(登録商標)等の他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)高密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルフォン、ナイロン、ナイロン-12(例えば、EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標))、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS 50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリウレタンシリコーンコポリマー(例えば、Aortech BiomaterialsからのElastEon(登録商標)又はAdvanSource BiomaterialsからのChronoSil(登録商標))、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、又はその混合物、組み合わせ、コポリマー、及びポリマー/金属複合材料等を含み得る。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)と混合されてもよい。例えば、混合物は最大約6%までのLCPを含有することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテルは、繊維製品材料を含んでもよく、及び/又は繊維製品材料から形成されてもよい。好適な繊維製品材料のいくつかの例は、平坦、成形、撚り、テクスチャード加工、予備収縮又は未収縮であり得る合成糸を含み得る。本開示における使用に好適な合成生体適合性糸は、限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然絹、及びポリテトラフルオロエチレンを含む。さらに、合成糸の少なくとも1つは、金属糸又はガラス又はセラミック糸又は繊維であってもよい。有用な金属糸は、ステンレススチール、白金、金、チタン、タンタル又はNi-Co-Cr系合金から製造された糸又はそれらを含有する糸を含む。糸は、炭素、ガラス又はセラミック繊維をさらに含んでもよい。望ましくは、糸は、限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを含む熱可塑性材料から作製される。糸は、マルチフィラメント、モノフィラメント、又はスパンタイプであってもよい。選択される糸の種類及びデニールは、生体適合性及び移植可能なプロテーゼ、より具体的には、望ましい特性を有する血管構造を形成するように選択されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、双方向に操縦可能なカテーテルは、好適な治療薬を含んでもよく、及び/又は好適な治療薬と共に処置されてもよい。適切な治療剤のいくつかの例は、抗血栓剤(例えば、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など)、抗増殖剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞増殖を遮断することができるモノクローナル抗体、ヒルジン及びアセチルサリチル酸など)、抗炎症剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンなど)、抗悪性腫瘍薬/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤など)、麻酔剤(リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインなど)、抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチドなど)、血管細胞増殖プロモータ(例えば、増殖因子阻害剤、増殖因子受容体アンタゴニスト、転写アクチベータ及び翻訳プロモータ)、血管細胞増殖阻害剤(例えば、増殖因子阻害剤、細胞増殖受容体アンタゴニスト、転写リプレッサ、翻訳リプレッサ、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子及び細胞毒素からなる二官能性分子、抗体及び細胞毒素からなる二官能性分子など)、コレステロール低下剤、血管拡張剤、及び内因性血管作動性メカニズムを阻害する薬剤を含んでもよい。
【0084】
本開示が、多くの態様において例示的なものにすぎないことは理解されるべきである。本開示の範囲を逸脱することなく、詳細に、特に形状、大きさ、及び工程の配置に関して変更され得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態に使用されている1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。本開示の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
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【国際調査報告】