IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特表2024-500780外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給
<>
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図1
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図2
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図3
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図4
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図5
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図6
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図7
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図8
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図9
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図10
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図11
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図12
  • 特表-外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】外れ値ピクセルを考慮したマイクロLEDへの電力供給
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/325 20200101AFI20231227BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20231227BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20231227BHJP
   H05B 45/44 20200101ALI20231227BHJP
【FI】
H05B45/325
H05B47/105
H05B47/165
H05B45/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537090
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021063284
(87)【国際公開番号】W WO2022132750
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】17/125,841
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ロペス ジュリア,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジン フア
(72)【発明者】
【氏名】ボンヌ,ロナルド ヨハネス
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273PA07
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA11
3K273QA21
3K273QA27
3K273QA36
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA04
3K273RA05
3K273RA12
3K273SA02
3K273SA04
3K273SA21
3K273SA39
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA07
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA37
3K273TA41
3K273TA47
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA59
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA06
3K273UA22
3K273UA29
(57)【要約】
発光装置は、uLEDダイ内の駆動されない又は駆動不足のuLEDの数を減らすことができる。方法は、電源により、第1期間の間、マイクロ発光ダイオード(uLED)ダイの大半のuLEDを動作させるのに十分な第1電圧を有する電力を、uLEDダイのそれぞれのuLEDドライバに供給し、第1期間の間、uLEDドライバを用いてuLEDダイの前記大半のuLEDを駆動し、電源により、第1期間の後の第2期間の間、第2電圧を有する電力を供給し、第2電圧は、第1電圧よりも高くて、第1電圧によって動作可能でないuLEDダイのuLEDを動作させるのに十分であり、第2期間の間、第1電圧によって動作可能でないuLEDダイのuLED及び前記大半のuLEDを駆動する、ことを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源により、第1期間の間、マイクロ発光ダイオード(uLED)ダイの大半のuLEDを動作させるのに十分な第1電圧を有する電力を、前記uLEDダイのそれぞれのuLEDドライバに供給し、
前記第1期間の間、前記uLEDドライバを用いて前記uLEDダイの前記大半のuLEDを駆動し、
前記電源により、前記第1期間の後の第2期間の間、第2電圧を有する電力を供給し、前記第2電圧は前記第1電圧よりも高く、前記第2電圧は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイのuLEDを動作させるのに十分であり、
前記第2期間の間、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの前記uLED及び前記大半のuLEDを駆動する、
ことを有する方法。
【請求項2】
前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
試験機器により、前記uLEDダイの各uLEDを試験して、該uLEDが前記第1電圧によって動作可能であるかを判定し、
前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを、前記uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリに格納する、
ことを更に有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラにより、前記電源に、前記電源に前記第2電圧で電力を供給させるためのコマンドを発する、
ことを更に有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源により、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給する、ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電源により、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの各パルス幅変調サイクルオン時間の間、前記第2電圧を供給する、
ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電源により、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの複数のパルス幅変調(PWM)オン時間のうちの一部の間、前記第2電圧を供給する、
ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの前記uLEDの駆動電流が、該uLEDの平均駆動電流が目標平均電力に駆動されるように個別に変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数のマイクロ発光ダイオード(uLED)及びそれぞれのuLEDドライバを有するuLEDダイと、
電源と、
コントローラであり、
前記電源に、第1期間の間、第1電圧を有する電力を前記uLEDドライバに供給させる第1コマンドを提供し、前記第1電圧は、前記複数のuLEDのうち大半を動作させるのに十分であり、
前記電源に、前記第1期間の後の第2期間に、第2電圧を有する電力を供給させる第2コマンドを提供し、前記第2電圧は、前記第1電圧よりも高く、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイのuLEDを動作させるのに十分である、
ように構成されたコントローラと、
を有するシステム。
【請求項10】
前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記uLEDダイの各uLEDについて、該uLEDが前記第1電圧によって動作可能であるかを判定するように構成された試験機器と、
前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを格納するように構成された、前記uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリと、
を更に有する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは更に、前記電源に前記第1電圧及び前記第2電圧よりも高い第3電圧で電力を供給させるコマンドを、前記電源に発するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源に、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給させるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは更に、前記電源に、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの各PWMサイクルオン時間の間、前記第2電圧を供給させるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは更に、前記電源に、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの複数のパルス幅変調(PWM)オン時間のうちの一部の間、前記第2電圧を供給させるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
命令を含んだ機械読み取り可能媒体であって、前記命令は、機械によって実行されるときに、該機械に、
マイクロ発光ダイオード(uLED)ダイに結合された電源に、第1期間の間、第1電圧を有する電力を前記uLEDダイのuLEDドライバに供給させる第1コマンドを提供し、前記第1電圧は、前記uLEDダイの複数のuLEDのうち大半を動作させるのに十分であり、
前記電源に、前記第1期間の後の第2期間に、第2電圧を有する電力を供給させる第2コマンドを提供し、前記第2電圧は、前記第1電圧よりも高く、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイのuLEDを動作させるのに十分である、
ことを有する処理を実行させる、
機械読み取り可能媒体。
【請求項17】
前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、請求項16に記載の機械読み取り可能媒体。
【請求項18】
前記処理は更に、
前記uLEDダイの各uLEDについて、該uLEDが前記第1電圧によって動作可能であるかを判定し、
前記uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリにより、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを格納する、
ことを有する、請求項16に記載の機械読み取り可能媒体。
【請求項19】
前記処理は更に、前記電源に前記第1電圧及び前記第2電圧よりも高い第3電圧で電力を供給させるコマンドを発する、ことを有する、請求項18に記載の機械読み取り可能媒体。
【請求項20】
前記処理は更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源に、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給させる、ことを有する、請求項16に記載の機械読み取り可能媒体。
【請求項21】
回路を有する発光ダイオード(LED)コントローラであって、
前記回路は、
電源に、第1期間の間、第1電圧を有する電力をuLEDドライバに供給させる第1コマンドを提供し、前記第1電圧は、複数のuLEDのうち大半を動作させるのに十分であり、
前記電源に、前記第1期間の後の第2期間に、第2電圧を有する電力を供給させる第2コマンドを提供し、前記第2電圧は、前記第1電圧よりも高く、前記第1電圧によって動作可能でないLEDダイのLEDを動作させるのに十分である、
ように構成されている、
LEDコントローラ。
【請求項22】
前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記LEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、請求項21に記載のLEDコントローラ。
【請求項23】
前記第1電圧によって動作可能でない前記LEDダイの各LEDの識別子(ID)を示すデータを格納するように構成されたメモリ、
を更に有する請求項22に記載のLEDコントローラ。
【請求項24】
前記回路は更に、前記電源に前記第1電圧及び前記第2電圧よりも高い第3電圧で電力を供給させるコマンドを、前記電源に発するように構成される、請求項23に記載のLEDコントローラ。
【請求項25】
前記回路は更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記LEDのうちのLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源に、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給させるように構成される、請求項21に記載のLEDコントローラ。
【請求項26】
前記回路は更に、前記電源に、前記第1電圧によって動作可能でないLEDの各PWMサイクルオン時間の間、前記第2電圧を供給させるように構成される、請求項25に記載のLEDコントローラ。
【請求項27】
前記回路は更に、前記電源に、前記第1電圧によって動作可能でないLEDの複数のパルス幅変調(PWM)オン時間のうちの一部の間、前記第2電圧を供給させるように構成される、請求項21に記載のLEDコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年12月17日に出願された米国特許出願第17/125,841号に対する優先権の利益を主張するものであり、それをその全体にてここに援用する。
【0002】
本開示は、異常に高い順電圧(Vf)で経験される暗収差(dark aberrations)を低減又は排除するように構成された発光装置及び発光装置制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば家庭用又は商業用照明などの一部の用途では、照明の可視的な効果に関するユーザ体験が非常に重要である。自動車照明は、ユーザ体験が非常に重要である別の用途である。発光ダイオード(LED)の順電圧が供給電圧を上回る場合、LEDは期待通りに動作しない可能性が高い。そのようなLEDは、点灯したLEDの中で黒色又はより暗いスポットとして現れ得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図は、一部の実施形態に従った、1つ以上の発光ダイオード(LED)から出現する光を変更することができる制御システムを含んだ、装置、システム、又は方法の様々な図を示す。用語“前”、“後ろ”、“頂部”、“側部”、及び他の方向指示用語は、装置及びシステム並びに他の要素を説明する際に単に便宜上使用され、何らかの限定をするものとして解釈されるべきでない。
図1】マイクロLED(uLED)のマトリクスを含むダイを駆動するためのシステムの一実施形態の論理ブロック図を例として示している。
図2】駆動されない及び/又は駆動不足のuLEDを含むuLEDダイの一実施形態の透視図を例として示している。
図3】ドライバ回路電気効率対uLED順電圧(Vf)のグラフを例として示している。
図4】uLEDのマトリクス及び対応するドライバ回路を含むパッケージの一実施形態の概念ブロック図を例として示している。
図5】uLEDピクセル(uLEDドライバ回路及び対応するuLED)の一実施形態の回路図を例として示している。
図6】uLEDを駆動する際にピクセルの順電圧(Vf)を考慮するシステムの一実施形態の論理ブロック図を例として示している。
図7】経時的な様々な電気的LED特性のグラフを例として示している。
図8】電圧源からの波形及び経時的なuLEDのマトリクスの幾つかのuLEDにおける対応する応答の一実施形態のグラフを例として示している。
図9】uLED順電圧(Vf)分析システムの一実施形態の概念ブロック図を例として示している。
図10】uLEDマトリクスダイを駆動する方法の一実施形態の図を例として示している。
図11】例えば以下にて図6図10に関して説明されるものなどの機能をサポートするシステムのチップレベル実装の一実施形態の図を例として示している。
図12】uLEDパッケージに含まれる回路の一実施形態の図を例として示している。
図13】1つ以上の実施形態を実装するための機械1300(例えば、コンピュータシステム)の一実施形態のブロック図を例として示している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
例えばuLEDダイ上のマイクロLED(“uLED”と表されることもある)のアレイなどの、コンパクトなピクセル化されたLEDは、大きいモノリシック領域を含むことができる。uLEDアレイは、例えばヘッドライト、テールライト、パーキングライト、フォグランプ、方向灯、又はこれらに類するものなどの自動車照明に用いられることができる。このような用途は単なる例であり、uLEDアレイの数多くの他の用途が可能である。
【0006】
uLEDアレイは、個々のピクセル輝度の制御のためのドライバ電子回路とハイブリッド化されたuLEDのダイを含むことができる。ドライバ電子回路は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)材料若しくはプロセス、又は他の半導体製造プロセスを用いて製造されることができる。
【0007】
一部の実施形態において、ドライバ電子回路は線形駆動方式を実装することができる。線形駆動方式は、そのような制御電子回路、特に、大きいuLEDアレイ構成のための1つの実用的なソリューションである。しかしながら、線形駆動方式では、例えば安定したuLED電流供給及び許容可能な熱損失の両方を提供するなどのために、ドライバ電子回路への電圧供給を制御するために特別な注意が要求される。全てのピクセルドライバがそれらのコンプライアンス電圧より上で動作されることを保証するために、ドライバ電子回路への電圧供給は、一般に、アレイ内のuLEDの最も高い順電圧(Vf)よりも上に設定される。
【0008】
モノリシックuLEDチップの利点は、uLED集団の間での順電圧(Vf)の狭い分散(例えば、標準偏差<100ミリボルト)に有利に働くことである。この順電圧(Vf)均一性は、例えば供給される電圧とuLEDの順電圧(Vf)との間の電圧差を低減させることなどによって、熱損失を減少させる。残念ながら、依然として、順電圧(Vf)が過度に高い(例えば、uLEDの平均順電圧(Vf)よりも20%高い、25%高い、より大きい若しくは小さいパーセンテージだけ高い、又はそれらの間のパーセンテージだけ高い)外れ値uLEDの群が小さいながらも問題となる大きさで存在する。
【0009】
十分な供給電圧を提供するための1つのソリューションは、外れ値を含め、ダイ上のuLEDの全てについての、最も高いVfよりも高い(又はそれに等しい)供給電圧を提供することを含む。このソリューションを用いると、外れ値を含む全てのuLEDがちゃんと駆動されることになる。しかしながら、ドライバ電子回路にわたる電圧降下が平均で増加するので、熱損失が増加することになる(一部の実際的なケースにおいて禁止レベルまで)。
【0010】
別のソリューションは、外れ値uLEDを考慮しないことを含む。このように外れ値を飛ばす(スキップする)ことは、供給電圧が低いままであることを可能にし、それによって、uLED間の狭い順電圧(Vf)分散からの恩恵を受ける。このソリューションでは、外れ値のVfのうちの1つ以上に対処するために電源電圧を増大させるソリューションと比較して、熱損失が低減されることになる。しかしながら、このようなソリューションを用いると、一部の外れ値uLEDが駆動されない及び/又は駆動不足になる可能性が高い。そのような駆動されない又は駆動不足のuLEDは、uLEDアレイ上に暗いスポットとして現れ得る。外れ値のより大きい集団は、一部の用途において、特に、駆動されない及び/又は駆動不足のuLEDが目に見えるままである場合に、禁止されるべきものになり得る。
【0011】
実施形態は、外れ値uLEDドライバに電圧コンプライアンスを提供して、対応するuLEDが、熱損失に対して小さい影響で点灯することができるようにするための(例えば、単純な)駆動方式を含み得る。実施形態によって提供される利点は、線形ドライバ方式で駆動されるピクセル化マトリクスLEDの以下の課題のうちの1つ以上に対処することができる:(1)マトリクスuLEDの費用効果的な駆動方式を提供すること、(2)ドライバ効率制約を克服すること、(3)電圧コンプライアンス制約を克服すること、又は(4)外れ値が電圧コンプライアンス又はドライバ効率のいずれかを損ねるものであるピクセル集団にわたる順電圧分散に対処すること。
【0012】
図1は、uLED制御システム100の一実施形態の図を例として示している。図示されるシステム100は、複数のLEDドライバによってuLEDのマトリクス104に分配される電力を供給する電圧源102を含む。電圧源102は、一定の直流(DC)電圧VLED106と、一定の基準電圧VGND108とを供給する。電圧源102は、電圧供給をVLED106のDCレベルに固定することができる。この電圧は、負荷ライン応答(uLEDのアレイ104の負荷)に伴って動的に変化したりはしない。従って、VLED106は、電流ドライバ信号のパルス幅変調(PWM)期間中に動的に変化しない。
【0013】
先述したように、uLEDのアレイ104の外れ値ピクセルを考慮するようにVLED106が設定される場合、uLEDのドライバにおける熱損失が高くなる(禁止されるほどにさえ高くなる)。逆に、外れ値uLEDのVfを考慮せずにVLED106が設定される場合、外れ値uLEDは駆動されない又は駆動不足のままとなり得る。そのような駆動されない又は駆動不足のLEDは、uLEDのマトリクス104内の暗いスポットとして現れ得る。
【0014】
図2は、外れ値uLEDのVfを考慮せずに駆動されるuLEDのアレイ200の一実施形態の図を例として示している。見て取れるように、一部のuLEDが駆動されない又は駆動不足のままであり、uLEDのアレイ200内に黒い又は暗めのスポット220をもたらす。
【0015】
図3は、外れ値uLEDの数(uLEDのアレイ200内の全てのuLEDの%として)に対する効率のグラフの一実施形態の図を例として示している。見て取れるように、外れ値とみなされるピクセルの割合が増加するにつれて、ドライバ回路電気効率が低下する。目標は、電気効率を、例えば、85%、80%、より大きい若しくは小さいパーセンテージ、又はそれらの間のパーセンテージよりも高く保つこととすることができる。電気効率は、電力出力を供給電力で割ったものとして定義される。例えば、外れ値Vfが、uLEDのマトリクス104内のLEDの集団にわたって20%増加すると、ドライバ効率は86%(外れ値を考慮しない基準効率)から72%に低下する。
【0016】
図4は、uLEDのマトリクス104に電気的に結合された電気バックプレーンを含むシステム400の一実施形態の論理ブロック図を例として示している。電気バックプレーンは、uLEDドライバ444及び電力供給回路を含む。uLEDドライバ444の線形ドライババージョンの更なる詳細については、図5に関して提供する。電力供給回路は、電源からのVLED106及び基準電圧VGND108を含む。VLED106はパワープレーン442に提供される。VGND108はグランドプレーン440に提供される。uLEDドライバ444は、パワープレーン442からのVLED106を用いて電力供給される。uLEDドライバ444は、電気インターコネクト446を介して、uLEDのマトリクス104内の個々のuLED又はuLEDのグループを制御する。uLEDドライバ444は、uLEDがオンであるかオフであるか、デューティサイクル、又はuLED104の他の電力制御を制御することができる。
【0017】
uLEDのマトリクス104は、電気インターコネクト446を介してuLEDドライバ444に電気的に結合される。uLEDのマトリクス104は、他の電気インターコネクト448を介してグランドプレーン440に電気的に結合される。誘電体450が、uLEDドライバ444をグランドプレーン440から電気的及び物理的に分離する。すなわち、誘電体450は、uLEDドライバ444とグランドプレーン440との間に(例えば、直接)位置するとともに、グランドプレーン440とパワープレーン442との間に(例えば、直接)位置する。
【0018】
図5は、uLEDドライバ444とuLEDのマトリクス104のuLED550とを含むシステム500の一実施形態の論理回路図を例として示している。uLEDドライバ444は、電気インターコネクト446上の電気信号554を制御する。uLEDドライバ444は、電気信号554を制御することによって、電流がuLED550に流れるのを阻止又は許可することができる。この制御を用いて、uLEDドライバ444は最終的に、個々の又はグループのuLED550がオンであるか及びいつオンであるか、並びにuLEDのデューティサイクルを制御することができる。
【0019】
他のuLED駆動方式の制約を克服するため、及びuLEDのマトリクス104の電気効率を上昇させるために、幾つかの改善された駆動方式を提供する。実施形態は、個々にアドレス指定可能なピクセルを有するuLEDダイを考える。uLEDダイは、PWMモードで動作する線形ドライバアーキテクチャを含むuLEDドライバ444を含む。この(1つ以上の)制御方式は、少なくとも部分的に、uLEDのパルス幅変調(PWM)制御信号の位相がランダムにされることによって、電圧源102によって駆動される総二乗平均平方根(RMS)及び高調波電流を最小化する助けとなり得る。
【0020】
実施形態は、電圧源102を含むことができ、その出力電圧を、十分な帯域幅応答を有する負荷(例えば、負荷のコントローラ990(図9参照))によって動的に変調及び制御することができる。実施形態は、uLEDのマトリクス104の稼働時の前又は最中に外れ値ピクセルを特定する(例えば、感知電圧によってそのように分類される(図9参照))ことができる制御方式を含むことができる。コントローラ990は、ドライバのPWM信号のサイクル毎又は数サイクル毎に、電圧源102からの電圧を指定電圧値まで上昇させることができる。この高い方の電圧は、外れ値ピクセルの順電圧(Vf)の分布の関数として指定されることができる。
【0021】
実施形態は、ドライバのPWM信号のサイクル毎又は数サイクル毎に、電圧供給を指定電圧値まで繰り返し(例えば、所定の間隔などで周期的に)上昇させる制御方式を含むことができる。該高い方の設定電圧は、外れ値ピクセルの順電圧(Vf)の関数として指定されることができる。LEDの順電圧(Vf)は、LEDが点灯している間のLEDでの電圧降下である。
【0022】
実施形態は、特定された外れ値ピクセルのランダムPWM位相制御を電源電圧の上昇と同期させることができる制御方式を含み得る。実施形態は、電源によって供給される電圧の上昇を外れ値ピクセルのPWM信号と同期させて、それらのコンプライアンス電圧が、少なくとも供給電圧の上昇によって確立される期間中に満たされ得るようにする制御方式を含むことができる。実施形態は、外れ値ピクセルの変更可能な設定電流を含む制御方式を提供することができる。
【0023】
図6は、uLEDのマトリクス104を駆動するために外れ値ピクセルVfを考慮するシステム600の一実施形態の論理回路図を例として示している。システム600はuLED制御システム100に類似しており、システム600は制御コマンド660を電圧源102に提供する回路を含んでいる。制御コマンド660は、次の電圧供給期間において電源102が高めの電圧を供給すべきことを示す。制御コマンド660は、uLEDドライバ444(図4参照)に結合されたコントローラ990(図9参照)によって発行されることができる。コントローラ990は、メモリ988を含むか、又はそうでなければ、少なくとも、異常に高いVf(例えば、平均Vfよりも指定パーセンタイルだけ又は標準偏差何個か分だけ高いVf)を持つuLEDの各々について、Vf、デューティサイクル、PWM周期、又はこれらに類するものを示すデータを含むメモリ988を含むことができ、あるいは、該データを含むメモリにアクセスすることができる。コントローラ990は、このデータを用いて、電源102に供給電圧をVfより高く上昇させるコマンド660を提供することができる。制御コマンド660のタイミングは、外れ値uLEDのオンPWM部分の間に電圧源102が供給電圧VLED106を上昇させるように同期され得る。
【0024】
図7は、経時的な様々な電気的LED特性のグラフ700を例として示している。グラフ700は、電圧源102によって提供される電圧(VLED)をプロットしている。電圧源102は、最低で、uLEDのマトリクス104内のuLEDの大半(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、より大きいパーセンテージ、又はそれらの間のパーセンテージより多い)についてのVfより高いコンプライアンス電圧に設定される。コントローラ990は、外れ値ピクセルの活性化をトリガするためのコマンド660を発行することができる。コマンド660に応答して、電圧源102は、供給電圧VLEDをVMINからVMAX(例えば、全てのuLEDの中で最も高い順電圧、uLEDのうち指定された割合(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、より大きいパーセンテージ、又はそれらの間のパーセンテージよりも大きい)よりも大きいように設定された電圧)に上昇させることができる。VMINからVMAXに移る際に、電圧は、ピクセルのオンPWM期間中に外れ値ピクセルのうちの1つ以上をオンにするのに十分になることができる。
【0025】
グラフ700に示される他の電気的パラメータは、定まらない電圧応答を有する外れ値uLEDについての外れ値uLED電流を含んでいる。電圧応答は、Vfより高くない電圧のときに定まらない。そのような例において、電流は、略0であったりフローティング(0とuLEDがターンオンされるときの電流との間のどこか)であったりし得る。
【0026】
図6及び図7は、uLEDのマトリクス104からの制御コマンド660が電圧源102に送られる実施形態の基本動作を示している。従って、図6の電圧源102は、uLEDドライバ444とほぼ同じ周波数の変調された信号を確立するための動的制御帯域幅を含む。十分な帯域幅で、電圧源102は、図7に示されるように、PWM周期内で少なくとも2つのレベル(VMIN及びVMAX)間で電圧をスイングすることができる電圧源を提供することができる。低い電圧レベル(VMIN)は、外れ値を考慮しない電圧レベルに相当する。高い電圧レベルは、電圧供給変調信号のデューティサイクルによって規定される短い期間中に印加される。このような高い電圧レベルは、この短い期間中に外れ値ピクセルの電圧コンプライアンスを保証するように決定される。電流ドライバのデューティサイクルは、“△”及び“x”のラインによって示されるように電圧源と一致してもよいし、“/”及び“○”のラインによって示されるようにこの期間を超えて延びてもよく、この場合、電圧コンプライアンスは保証されず、駆動電流は定まらない。なお、2つの電圧レベルの間で電圧供給が遷移するとき、立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、システムの帯域幅応答に依存し、それが、高い電圧レベルの最短時間、及びPWMドライバ電流の方形の形状品質を制限することになる。
【0027】
図8は、電圧源102からの波形及び経時的なuLEDのマトリクス104の幾つかのuLEDにおける対応する応答の一実施形態のグラフ800を例として示している。PWM駆動方式では、uLEDのマトリクス104のuLEDのうちの一部のみが所与の時間に駆動される。各uLEDが駆動される時間が、そのuLEDのPWM期間と見なされる。uLEDのオン時間の間の時間が十分に低い(周波数が十分に高い)限り、人間の目はオフ時間を知覚せず、色強度は、時間間隔にわたる強度の平均として現れる。
【0028】
図8においてのような電源電圧を用いることの、図7の電源電圧に対する利点は、電圧電源の位相をuLEDのPWMオンサイクルと同期させる必要性を排除することを含む。単純にするために、図8は、位相がPWM期間にわたって広がっている3つの外れ値ピクセルのみを示している。実際には、異なる位相を有するこのようなピクセルがもっと多く存在し得るが、動作原理は同様である。
【0029】
供給電圧VLED106は、ピクセルPWM周波数よりも高い周波数でVMIN値とVMAX値との間で交番する。すなわち、各PWMオン期間で、VLED106は、VMINとVMAXとの間で複数回のサイクルを経る。従って、指定されたデューティサイクル値での外れ値ピクセルでは、供給電圧VLED106の位相とピクセルのPWMとが同期していなくても、ピクセル電流は、図6について説明した方法と同様にして、供給電圧VLED106のパターンに概ね従うことができる。結果として得られる平均ピクセル電流は、図6に従って動作する実施形態の平均ピクセル電流と同様となり得る。
【0030】
図8では、各uLEDが略同じデューティサイクルを有するように示されているが、これは必要とされることではない。ピクセルは、様々なデューティサイクルを有することができ、依然として良好に動作することができる。ピクセルは異なるPWM位相を有するが、それらは全て、それらそれぞれのPWM信号のハイ(high)期間内に高い供給電圧の幾つかの発生を受ける。供給電圧VLED106の周波数が高いほど、uLEDの位相とVmaxとがより頻繁に対応し合い、より正確な平均ピクセル電流となる。十分に小さいデューティサイクル及び十分に高いVfを有するピクセルでは、高い供給電圧(VMAX)と高周波ピクセルPWM信号との間の重なり合いがないためにuLEDがターンオンできないことがあり得る。それにもかかわらず、ゼロ電流と小さい電流との間の差が依然として小さいので、表示される画像又はuLEDのアレイ104の総電流に対するそのような消灯(uLEDがターンオンできないこと)の影響は限られ得る。消灯に関するデューティサイクル閾値は、uLEDの交番周波数(1/VMINとVMAXとの間の時間)及びPWMオン期間(デューティサイクル)に依存する。周波数が高いほど、前記デューティサイクル閾値は小さくなり、消灯の影響は小さくなる。
【0031】
図9は、uLEDダイのuLEDの順電圧(Vf)を分析するためのシステム900の一実施形態の図を例として示している。実施形態を用いるために、説明したように、コントローラ990をuLEDのマトリクス104の一部として用いることができる。コントローラ990はメモリ988を含むことができる。メモリ988は、どのuLEDが異常に高いVfを持つかを示すデータを格納することができる。uLED996が異常に高いVfを持つかを判定するために、試験機器992によって電気刺激994をuLEDドライバ444に提供することができる。試験機器992は、電源102と同様の電源を含むことができる。試験機器992は、刺激994として供給される電流又は電圧の振幅、周波数、又は他のパラメータを変化させるように動作可能であるとし得る。
【0032】
刺激994は、殆どの時間、uLEDドライバ444を駆動するために使用される電圧(VMIN)を含むことができる。十分な応答998が検出された場合、そのuLED996は正常であるとみなすことができる。不十分な応答998が検出された場合、そのuLED996は外れ値とみなすことができる。
【0033】
不十分な応答998(期待される(閾値)電流を下回る電流)に応答して、試験機器992は、そのuLED996の識別子(例えば、行及び列によってなど、そのuLEDのマトリクス内での位置よって、又は他の識別子)をコントローラ990のメモリ988(又はコントローラ990によってアクセス可能なメモリ)に格納させることができる。そのようにして、コントローラ990は、供給電圧VLED106を上昇させるコマンド660をいつ発行すべきかを決定することができる。図9の動作は、製造中、パッケージング後、製造若しくは流通の何らかの他の段階中、又はこれらの組み合わせにおいて実行され得る。
【0034】
コントローラ990は、その動作を実行するように構成された電気又は電子コンポーネントを含むことができる。該電気又は電子コンポーネントは、1つ以上のトランジスタ、抵抗、キャパシタ、ダイオード、インダクタ、発振器、スイッチ、論理ゲート(例えば、AND、OR、XOR、ネゲート、バッファ、若しくはこれらに類するもの)、マルチプレクサ、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、増幅器、整流器、変調器、復調器、プロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、若しくはこれらに類するもの)、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、若しくはこれらに類するもの)、又はこれらに類するものを含むことができる。
【0035】
ドライバ444は、uLEDのマトリクス104(uLEDダイと呼ぶこともある)の(1つ以上の)uLEDへの電力供給を実装するように構成された電気又は電子コンポーネントを含むことができる。該電気又は電子コンポーネントは、1つ以上のトランジスタ、抵抗、キャパシタ、ダイオード、インダクタ、発振器、スイッチ、論理ゲート、マルチプレクサ、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、増幅器、整流器、変調器、復調器、プロセッサ、メモリデバイス、又はこれらに類するものを含むことができる。
【0036】
図10は、uLEDマトリクスダイを駆動するための方法1000の一実施形態の図を例として示している。方法1000は、少なくとも部分的に、電圧源102、uLEDのマトリクス104、コントローラ990、ドライバ444、他のコンポーネント、又はこれらの組み合わせによって実行され得る。方法1000は、図示されるように、動作1002にて、電源により、第1期間の間、マイクロ発光ダイオード(uLED)ダイの大半のuLEDを動作させるのに十分な第1電圧を有する電力を、uLEDダイのそれぞれのuLEDドライバに供給し、動作1004にて、第1期間の間、uLEDドライバを用いてuLEDダイの大半のuLEDを駆動し、動作1006にて、電源により、第1期間の後の第2期間の間、第2電圧を有する電力を供給し、第2電圧は第1電圧よりも高く、第2電圧は、第1電圧によって動作可能でないuLEDダイのuLEDを動作させるのに十分であり、動作1008にて、第2期間の間、第1電圧によって動作可能でないuLEDダイのuLED及び大半のuLEDを駆動する、ことを含む。
【0037】
方法800は更に、第2期間は、第1電圧によって動作可能でないuLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、ことを含み得る。当該方法は更に、試験機器により、uLEDダイの各uLEDを試験して、該uLEDが第1電圧によって動作可能であるかを判定することを含み得る。方法800は更に、第1電圧によって動作可能でないuLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを、uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリに格納することを含み得る。
【0038】
方法800は更に、コントローラにより、電源に、電源に第2電圧で電力を供給させるためのコマンドを発することを含み得る。方法800は更に、第1電圧によって動作可能でないuLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、電源により、複数回にわたって第1電圧及び第2電圧で電力を供給することを含み得る。方法800は更に、電源により、第1電圧によって動作可能でないuLEDの各パルス幅変調サイクルオン時間の間、第2電圧を供給することを含み得る。
【0039】
方法800は更に、電源により、第1電圧によって動作可能でないuLEDの複数のパルス幅変調(PWM)オン時間のうちの一部の間、第2電圧を供給することを含み 得る。方法800は更に、第1電圧によって動作可能でないuLEDダイのuLEDの駆動電流が、該uLEDの平均駆動電流が目標平均電力に駆動されるように個別に変更される、ことを含み得る。
【0040】
以下は、uLEDのマトリクス104に関する一部の詳細と、一部の実施形態によって従われる一部の適用検討事項である。
【0041】
図11は、例えば図6図10に関して説明されるものなどの機能をサポートするシステム1100のチップレベル実装形態の一実施形態をより詳細に示している。システム1100は、例えば図6図10及びこの中の別の箇所に関して説明されるものなどの回路及び手順のための振幅及びデューティサイクルの、ピクセルレベル又はグループピクセルレベルの制御を実施することができるコマンド&制御モジュール1116(コントローラと呼ぶこともあり、図9のコントローラ990と同様又は同じとし得る)を含む。一部の実施形態において、システム1100は更に、uLEDのマトリクス1120に供給され得る生成済み又は処理済みの画像を保持するためのフレームバッファ1110を含む。他のモジュールは、制御データ又は命令又は応答データを伝送するように構成された、例えばシリアルバス(例えば、IC(Inter-Integrated Circuit)シリアルバス)又はSPI(Serial Peripheral Interface)(1114)などのデジタル制御インタフェースを含むことができる。
【0042】
動作時、システム1100は、SPIインタフェース1114を介して到着する、車両又は他のソースからの画像又は他のデータを受け入れることができる。連続した画像又はビデオデータは、画像フレームバッファ1110に格納されることができる。画像データが利用可能でない場合、スタンバイ画像バッファ1111に保持された1つ以上のスタンバイ画像を画像フレームバッファ1110に向けることができる。そのようなスタンバイ画像は、例えば、車両の法的に許可されたロービームヘッドランプ放射パターン、又は建築照明若しくは表示のためのデフォルト光放射パターン、と一致する強度及び空間パターンを含むことができる。
【0043】
動作時、画像内のピクセルを用いて、アクティブ内の対応するLEDピクセルの応答を定め、LEDピクセルの強度及び空間変調が画像に基づくものとされる。データレート問題を低減させるために、一部の実施形態において、ピクセルのグループ(例えば、5×5ブロック)を1つのブロックとして制御することができる。一部の実施形態において、高速及び高データレート動作がサポートされ、連続した画像からのピクセル値が、60Hzを典型として30Hzと100Hzとの間のレートで、画像シーケンス内の連続したフレームとしてロードされることが可能となる。PWMを用いて、画像フレームバッファ1110に保持された画像に少なくとも部分的に依存したパターン及び強度で光を発するように各ピクセルを制御することができる。
【0044】
一部の実施形態において、システム1100は、ロジック電力をVdd及びVssピンを介して受け取ることができる。アクティブマトリクスは、LEDアレイ制御のための電力を複数のVLED及びVCathodeピンによって受け取る。SPI1114は、単一のマスターとのマスター-スレーブアーキテクチャを用いて全二重モード通信を提供することができる。マスターデバイスは、読み取り及び書き込みのためのフレームを発信する。複数のスレーブデバイスが、個々のスレーブ選択(SS)ラインでの選択を介してサポートされる。入力ピンは、マスター出力スレーブ入力(MOSI)、マスター入力スレーブ出力(MISO)、チップ選択(SC)、及びクロック(CLK)を含むことができ、全てがSPIインタフェース1114に接続される。SPIインタフェース1114は、アドレス生成器、フレームバッファ、及びスタンバイフレームバッファに接続する。ピクセルは、パラメータセットと、(例えば、フレームバッファへの入力前に電力ゲーティングによって、又はパルス幅変調若しくは電力ゲーティングを介してフレームバッファからの出力後に)コマンド&制御モジュールによって変更された信号又は電力を有することができる。SPIインタフェース1114はアドレス生成モジュール1118に接続されることができ、そして、アドレス生成モジュール1118が行及びアドレス情報をアクティブマトリクス1120に提供する。そして、アドレス生成モジュール1118は、フレームバッファアドレスをフレームバッファ1110に提供することができる。
【0045】
一部の実施形態において、コマンド&制御モジュール1116は、シリアルバス1112を介して外部から制御されることができる。例えば7ビットアドレス指定などのクロック(SCL)ピン及びデータ(SDA)ピンがサポートされ得る。コマンド&制御モジュール1116は、デジタルアナログ変換器(DAC)及び2つのアナログデジタル変換器(ADC)を含むことができる。該DAC及びADCは、それぞれ、接続されたアクティブマトリクスのVbiasを設定し、最大Vfを決定すること及びシステム温度を決定することを助けるために使用される。アクティブマトリクス1120のパルス幅変調発振(PWMOSC)周波数を設定するための発振器(OSC)も接続される。一実施形態において、診断、較正、又は試験目的でアクティブマトリクス内の個々のピクセル又はピクセルブロックのアドレス指定を可能にするためのバイパスラインも存在する。アクティブマトリクス1120は、データライン、バイパスライン、PWMOSCライン、Vbiasライン、及びVfラインが供給される個々のピクセルをアドレス指定するために使用される行及び列選択によって更にサポートされ得る。
【0046】
当業者によって理解されるように、一部の実施形態において、説明される回路及びアクティブマトリクス1120は、パッケージ化されることができ、オプションで、半導体LEDによる光生成に電力供給して制御するために接続されるサブマウント又はプリント回路基板を含むことができる。特定の実施形態において、プリント回路基板はまた、電気ビア、ヒートシンク、グランドプレーン、電気トレース、及びフリップチップ若しくは他のマウントシステムを含むことができる。サブマウント又はプリント回路基板は、例えばセラミック、シリコン、アルミニウムなどの任意の好適材料から形成され得る。サブマウント材料が導電性である場合、基板材料上に絶縁層が形成され、該絶縁層上に金属電極パターンが形成される。サブマウントは、機械的サポートとして機能することができ、LED上の電極と電源との間の電気的インタフェースを提供するとともに、ヒートシンク作用も提供する。
【0047】
一部の実施形態において、アクティブマトリクス1120は、様々なタイプ、サイズ、及びレイアウトの発光素子から形成されることができる。一実施形態において、個々にアドレス指定可能な発光ダイオード(LED)の1次元アレイ又は2次元マトリクスアレイが用いられ得る。一般に、N及びMをそれぞれ2と1000との間として、N×Mアレイが用いられ得る。個々のLED構造は、正方形、長方形、六角形、多角形、円形、弓形、又は他の表面形状を持つことができる。LEDアセンブリ又は構造のアレイは、幾何学的に直線状の行及び列、ずらされた行又は列、曲がった線、又は準ランダム若しくはランダムなレイアウトで配置され得る。個別にアドレス指定可能な複数のピクセルアレイとして形成された複数のLEDを含むLEDアセンブリもサポートされる。一部の実施形態において、LEDへの導電ラインの放射状又は他の非矩形グリッド配置が用いられ得る。他の実施形態において、LEDへの導電ラインの湾曲、巻回、蛇行、及び/又は他の好適な非直線状配置が用いられ得る。
【0048】
一部の実施形態において、マイクロLED(μLEDs又はuLED)のアレイが用いられ得る。uLEDは、100μm×100μmよりも小さい横方向寸法を持つ高密度ピクセルをサポートすることができる。一部の実施形態において、直径又は幅で約50μm以下の寸法を有するuLEDが用いられ得る。このようなuLEDは、赤色、青色、及び緑色の波長を有するuLEDを近接させてアライメントすることによって、カラーディスプレイの製造に使用されることができる。他の実施形態において、uLEDは、モノリシック窒化ガリウム(GaN)又は他の半導体基板上に画成されたり、セグメント化されて部分的に又は完全に分割された半導体基板上に形成されたり、あるいは、uLEDのグループ分けとして個々に形成又はパネル組み立てされたりすることができる。一部の実施形態において、アクティブマトリクス1120は、センチメートルスケールの面積以上の基板上に位置付けられた少数のuLEDを含み得る。一部の実施形態において、アクティブマトリクス1120は、センチメートルスケールの面積以下の基板上に数百、数千、又は数百万のLEDが一緒に位置付けられたuLEDピクセルアレイをサポートし得る。一部の実施形態において、uLEDは、30ミクロンと500ミクロンとの間のサイズにされたLEDを含み得る。一部の実施形態において、発光ピクセルアレイ内の発光ピクセルの各々は、疎なLEDアレイを形成するように、少なくとも1ミリメートル離して位置付けられ得る。他の実施形態において、疎なLEDアレイの発光ピクセルは、1ミリメートルより小さく離して位置付けられ、30ミクロンから500ミクロンの範囲の距離だけ離隔され得る。LEDは、少なくとも部分的に透明であるとし得る固体基板又はフレキシブル基板に埋め込まれ得る。例えば、発光ピクセルアレイは、ガラス、セラミック、又はポリマー材料に少なくとも部分的に埋め込まれることができる。
【0049】
ここで説明されるものなどの発光マトリクスピクセルアレイは、光分布のきめ細かい強度、空間、及び時間制御から恩恵を受ける用途をサポートし得る。これは、以下に限られないが、ピクセルブロック又は個々のピクセルからの放射光の正確な空間パターニングを含み得る。用途に応じて、放射光は、スペクトル的に別個であり、経時的に適応可能であり、及び/又は環境応答性であるとし得る。発光ピクセルアレイは、様々な強度、空間、又は時間パターンで事前にプログラムされた光分布を提供し得る。放射光は、受信したセンサデータに少なくとも部分的に基づくことができ、光無線通信のために用いられることができる。関連する光学系は、ピクセルレベル、ピクセルブロックレベル、又はデバイスレベルで別個にされ得る。一例の発光ピクセルアレイは、関連する共通の光学系を備えた、共通制御される高輝度ピクセルの中心ブロックを有するデバイスを含むことができ、一方、エッジピクセルは個別の光学系を有し得る。発光ピクセルアレイによってサポートされる一般的な用途は、映像照明、自動車ヘッドライト、建築及びエリア照明、街路照明、並びに情報ディスプレイを含む。
【0050】
発光マトリクスピクセルアレイは、改善された視覚表示のために建物又は領域を選択的及び適応的に照明するために使用されたり、照明コストを低減させるために使用されたりし得る。また、発光ピクセルアレイは、装飾的な動き又は映像効果のためにメディアファサードを投影するために使用され得る。追跡用のセンサ及び/又はカメラと共に、歩行者の周りの領域の選択的な照明が可能となり得る。スペクトル的に異なるピクセルを用いて、照明の色温度を調整することができるとともに、特定波長の園芸照明をサポートすることができる。
【0051】
街路照明は、発光ピクセルアレイの使用から恩恵を受け得る一用途である。単一の発光アレイを用いて様々な街灯タイプを模倣することができ、選択されたピクセルの適切な活性化又は非活性化によって、例えば、タイプIの直線状の街灯とタイプIVの半円状の街灯との間での切り換えを可能にし得る。さらに、環境条件又は使用時間に従って光ビームの強度又は分布を調節することにより、街路照明コストを低下させ得る。例えば、歩行者が存在しないときに光の強さ及び分布面積を小さくし得る。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に異なる場合、昼光、夕暮れ、又は夜間の条件に従って光のそれぞれの色温度を調節し得る。
【0052】
発光アレイはまた、直接的な又は投影的な表示を必要とする用途をサポートするのに適している。例えば、警告標識、緊急標識、又は情報標識は全て、発光アレイを用いて表示又は投影されることができる。これは、例えば、色が変化する又は点滅する出口標識が投影されることを可能にする。発光アレイが多数のピクセルで構成される場合、テキスト又は数値の情報が提示されてもよい。指示の矢印又は類似のインジケータも提供され得る。
【0053】
車両ヘッドランプは、大きいピクセル数及び高いデータリフレッシュレートを必要とする発光アレイ用途である。道路の選択された部分のみを能動的に照らす自動車ヘッドライトは、対向する運転者のまぶしさ又は目の眩みに関連する問題を軽減するために使用されることができる。赤外線カメラをセンサとして用いて、発光ピクセルアレイは、歩行者又は対向車の運転者の目を眩ませてしまい得るピクセルを非活性化しながら、道路を照らすのに必要なピクセルのみを活性化することができる。また、運転者の環境認知を高めるために、道路外の歩行者、動物、又は標識を選択的に照明することができる。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に異なる場合、昼光、夕暮れ、又は夜間の条件に従って光のそれぞれの色温度を調節してもよい。一部のピクセルを、光無線車両対車両通信のために使用してもよい。
【0054】
LED光モジュールは、マトリクスLEDを、単独で、又はレンズ若しくはリフレクタを含む一次若しくは二次光学系と共に、含むことができる。全体的なデータ管理要件を減らすために、光モジュールは、オン/オフ機能、又は比較的少ない光強度レベル間での切り替えに制限されてもよい。光強度の全ピクセルレベルでの制御は必ずしもサポートされない。
【0055】
動作時、画像内のピクセルを用いて、ピクセルモジュール内の対応するLEDピクセルの応答を定め、LEDピクセルの強度及び空間変調が画像に基づくものとされる。データレート問題を低減させるために、一部の実施形態において、ピクセルのグループ(例えば、5×5ブロック)を1つのブロックとして制御することができる。高速及び高データレート動作がサポートされ、連続した画像からのピクセル値が、60Hzを典型として30Hzと100Hzとの間のレートで、画像シーケンス内の連続したフレームとしてロードされることが可能となる。パルス幅変調モジュールと併せて、ピクセルモジュール内の各ピクセルは、画像フレームバッファに保持された画像に少なくとも部分的に依存したパターン及び強度で光を発するように動作されることができる。
【0056】
上述の実施形態において、uLEDの強度は、好適な照明ロジック、制御モジュール、及び/又はPWMモジュールを用いて、各LEDピクセルに対して適切なランプ時間及びパルス幅を設定することによって、別々に制御及び調節されることができる。外れ値ピクセル電圧管理は、信頼性のあるパターン化照明を提供するためのLEDピクセル活性化を提供することができる。電源102の電圧管理を提供することができる制御システム1200を図12に例示する。図12に見られるように、マトリクスマイクロLEDアレイ1220は、個別に制御されて能動的に光を発する数千から数百万の微細LEDピクセルの1つ以上のアレイを含むことができる。画像の表示をもたらすパターン又はシーケンスで光を放射するために、アレイ上の異なる位置にあるマイクロLEDピクセルの電流レベルが、具体的な画像に従って個々に調節される。これは、特定の周波数でピクセルをターンオン及びターンオフするPWMを伴い得る。PWM動作時、ピクセルを通る平均DC電流は、導通時間と周期又はサイクル時間との間の比であるPWMデューティサイクルと、電流振幅との積である。
【0057】
図12は、uLEDパッケージに含められ得る回路を含むシステム1200の論理ブロック図を例として示している。システム1200の効率的な使用を容易にする処理モジュールが図12に示されている。システム1200は、例えば図6図11に関して説明したものなどの回路及び手順のための振幅及びデューティサイクルのピクセルレベル又はグループピクセルレベルでの制御を実装することができる制御モジュール1216を含む。一部の実施形態において、システム1200は更に、画像を生成、処理、又は送信するための画像処理モジュール1204と、制御データ及び/又は命令を送信するように構成された、例えばIC(inter-integrated circuit)、SPI(serial peripheral interface)、CAN(controller area network)、UART(universal asynchronous receiver transmitter)などのデジタル制御インタフェース1213とを含む。デジタル制御インタフェース1213及び制御モジュール1116は、システムマイクロコントローラと、外部デバイスから制御入力を受信するように構成された任意のタイプの有線又は無線モジュールとを含み得る。例として、無線モジュールは、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、Z-wave、メッシュ、WiFi、近距離通信(NFC)を含むことができ、及び/又はピアツーピアモジュールが使用されてもよい。マイクロコントローラは、LED照明システムに組み込まれ、有線若しくは無線モジュール又はLEDシステム内の他のモジュールから入力を受信し、それに基づいて他のモジュールに制御信号を提供するように構成されるか構成可能であるかし得る任意のタイプの専用コンピュータ又はプロセッサとし得る。マイクロコントローラ又は他の好適な制御モジュール1116によって実装されるアルゴリズムは、専用プロセッサによる実行のために非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにて実装され得る。非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体の例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、及び半導体メモリデバイスを含む。メモリは、マイクロコントローラの一部として含まれてもよいし、プリント回路基板若しくはエレクトロニクス基板上で又はその外でのいずれかで、他の場所に実装されてもよい。
【0058】
モジュールという用語は、ここで使用されるとき、1つ以上のエレクトロニクス基板にはんだ付けされ得る個々の回路基板上に配置される電気及び/又は電子コンポーネントを指し得る。しかしながら、モジュールという用語はまた、同様の機能を提供するが、同じ領域内又は異なる領域内で1つ以上の回路基板に個々にはんだ付けされ得る電気及び/又は電子コンポーネントも指し得る。
【0059】
制御モジュール1216は更に、画像処理モジュール1204及び例えばICなどのデジタル制御インタフェース1213を含み得る。理解されるように、一部の実施形態において、画像処理計算は、変調画像を直接生成することを通して制御モジュール1116によって行われてもよい。あるいは、標準画像ファイルを処理するか、他の方法で変換するかして、画像をマッチングする変調を提供することができる。主にPWMデューティサイクル値を含む画像データが、画像処理モジュール1204内で全てのピクセルについて処理され得る。振幅は固定値又は殆ど変化しない値であるので、振幅関連コマンドは、例えばICなどのいっそう単純なデジタルインタフェースを介して別個に与えられることができる。制御モジュール1216がデジタルデータを解釈し、それが、ピクセルに対するPWM信号を生成するためにPWM生成器1210によって使用されるとともに、必要な電流源振幅を得るための制御信号を生成するためにデジタルアナログ変換器(DAC)ブロック1212によって使用され得る。
【0060】
一部の実施形態において、図12のアクティブマトリクス1220は、m個の共通アノードLEDを含むm個のピクセルを含むことができる。一例の実施形態において、ピクセルユニットは、LED1なる単一のLEDと、3つのトランスコンダクタンスデバイス(例えば、MOSFET)スイッチM1乃至M3とを含み、電源V1(VLEDと呼ぶこともある)によって給電される。M3はNチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、そのゲートが振幅制御信号に結合されて、必要な電流源振幅を生成する。PチャネルMOSFET M1は、LED1に対して並列であり、NチャネルMOSFET M2とトーテムポールペアを形成する。M1及びM2トランジスタペアのゲートは互いに結合され且つPWM信号に結合される。従って、PWMがハイであるとき、M1がターンオフされ、M2がターンオンされる。M3ゲートに結合された振幅制御信号によって決定される値で、電流がLED1、M2、及びM3を通って流れる。PWMがローであるとき、M1がターンオンされ、M2がターンオフされる。その結果、M3の電流源は遮断され、LEDはM1を通じて高速放電される。
【0061】
図13は、1つ以上の実施形態を実装するための機械1300(例えば、コンピュータシステム)の一実施形態のブロック図を例として示している。機械1300は、uLEDダイの駆動不足の又は駆動されないuLEDを管理する技術を実装することができる。コントローラ990、試験機器992、電圧源102、又はそれらのコンポーネントが、機械1300のコンポーネントのうちの1つ以上を含み得る。コントローラ990、試験機器992、電圧源102、又はそれらのコンポーネントのうちの1つ以上が、少なくとも部分的に、機械1300のコンポーネントを用いて実装され得る。(コンピュータの形態をした)一例の機械1300は、処理ユニット1302、メモリ1303、リムーバブルストレージ1310、及び非リムーバブルストレージ1312を含み得る。機械1300としてコンピューティング装置の例を図示して説明するが、コンピューティング装置は、異なる実施形態では異なる形態であり得る。例えば、コンピューティング装置は、代わりに、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、又は図13に関して図示して説明されるのと同じ若しくは同様の要素を含む他のコンピューティング装置であってもよい。例えばスマートフォン、タブレット、及びスマートウォッチなどの装置は、一般に、モバイル装置と総称される。また、様々なデータストレージ要素が機械1300の一部として示されているが、ストレージはまた、あるいは代わりに、例えばインターネットなどのネットワークを介してアクセス可能なクラウドベースのストレージを含み得る。
【0062】
メモリ1303は、揮発性メモリ1314及び不揮発性メモリ1308を含み得る。機械1300は、例えば揮発性メモリ1314及び不揮発性メモリ1308、リムーバブルストレージ1310、並びに非リムーバブルストレージ1312などの、多様なコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができ、あるいは、このような多様なコンピュータ読み取り可能媒体を含むコンピューティング環境へのアクセスを有することができる。コンピュータストレージは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)及び電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくはここで説明される機能を実行するためのコンピュータ読み取り可能命令を格納することができる他の磁気ストレージデバイスを含む。
【0063】
機械1300は、入力1306、出力1304、及び通信接続1316を含むコンピューティング環境を含むことができ、あるいは、それへのアクセスを有することができる。出力1304は、入力デバイスとしても機能し得る例えばタッチスクリーンなどのディスプレイデバイスを含み得る。入力1306は、タッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボード、カメラ、1つ以上のデバイス固有ボタン、機械1300内に統合された又は有線若しくは無線データ接続を介して機械1300に結合された1つ以上のセンサ、及び他の入力デバイス、のうちの1つ以上を含み得る。コンピュータは、クラウドベースのサーバ及びストレージを含め、例えばデータベースサーバなどの1つ以上のリモートコンピュータに接続するために通信接続を用いて、ネットワーク化された環境内で動作し得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス若しくは他の共通ネットワークノード、又はこれらに類するものを含み得る。通信接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラー、電気電子技術者協会(IEEE)802.11(Wi-Fi)、Bluetooth(登録商標)、又は他のネットワークを含み得る。
【0064】
コンピュータ読み取り可能記憶装置に格納されたコンピュータ読み取り可能命令は、機械1300の処理ユニット1302(処理回路と呼ぶこともある)によって実行可能である。ハードドライブ、CD-ROM、及びRAMは、例えばストレージデバイスなどの非一時的(例えば、有形)コンピュータ読み取り可能媒体を含む物品の一部の例である。例えば、コンピュータプログラム1318を用いて、処理ユニット1302に、ここで説明された1つ以上の方法又はアルゴリズムを実行させ得る。なお、用語“非一時的”は、媒体又はストレージデバイスが移動不可能であることを意味するように解釈されるべきでない。
【0065】
ここで開示された装置及び関連する方法を更に示すために、非限定的な例のリストを以下に提供する。以下の非限定的な例は各々、単独で存在してもよいし、他の例のうちのいずれか1つ以上との任意の置換又は組み合わせで組み合わされてもよい。
【0066】
例1において、方法は、電源により、第1期間の間、マイクロ発光ダイオード(uLED)ダイの大半のuLEDを動作させるのに十分な第1電圧を有する電力を、前記uLEDダイのそれぞれのuLEDドライバに供給し、前記第1期間の間、前記uLEDドライバを用いて前記uLEDダイの前記大半のuLEDを駆動し、前記電源により、前記第1期間の後の第2期間の間、第2電圧を有する電力を供給し、前記第2電圧は前記第1電圧よりも高く、前記第2電圧は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイのuLEDを動作させるのに十分であり、前記第2期間の間、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの前記uLED及び前記大半のuLEDを駆動する、ことを含み得る。
【0067】
例2において、例1は更に、前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、ことを含み得る。
【0068】
例3において、例2は更に、試験機器により、前記uLEDダイの各uLEDを試験して、該uLEDが前記第1電圧によって動作可能であるかを判定し、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを、前記uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリに格納する、ことを含み得る。
【0069】
例4において、例3は更に、前記コントローラにより、前記電源に、前記電源に前記第2電圧で電力を供給させるためのコマンドを発する、ことを含み得る。
【0070】
例5において、例1乃至4のうち少なくとも1つは更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源により、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給する、ことを含み得る。
【0071】
例6において、例1乃至5のうち少なくとも1つは更に、前記電源により、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの各パルス幅変調サイクルオン時間の間、前記第2電圧を供給する、ことを含み得る。
【0072】
例7において、例1乃至6のうち少なくとも1つは更に、前記電源により、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの複数のパルス幅変調(PWM)オン時間のうちの一部の間、前記第2電圧を供給する、ことを含み得る。
【0073】
例8において、例1乃至7のうち少なくとも1つは更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの前記uLEDの駆動電流が、該uLEDの平均駆動電流が目標平均電力に駆動されるように個別に変更される、ことを含み得る。
【0074】
例9は、複数のマイクロ発光ダイオード(uLED)及びそれぞれのuLEDドライバを有するuLEDダイと、電源と、コントローラであり、前記電源に、第1期間の間、第1電圧を有する電力を前記uLEDドライバに供給させる第1コマンドを提供し、前記第1電圧は、前記複数のuLEDのうち大半を動作させるのに十分であり、前記電源に、前記第1期間の後の第2期間に、第2電圧を有する電力を供給させる第2コマンドを提供し、前記第2電圧は、前記第1電圧よりも高く、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイのuLEDを動作させるのに十分である、ように構成されたコントローラと、を有するシステムを含む。
【0075】
例10において、例9は更に、前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、ことを含み得る。
【0076】
例11において、例10は更に、前記uLEDダイの各uLEDについて、該uLEDが前記第1電圧によって動作可能であるかを判定するように構成された試験機器と、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを格納するように構成された、前記uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリと、を含み得る。
【0077】
例12において、例11は更に、前記コントローラは更に、前記電源に前記第1電圧及び前記第2電圧よりも高い第3電圧で電力を供給させるコマンドを、前記電源に発するように構成される、ことを含み得る。
【0078】
例13において、例9は更に、前記コントローラは更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源に、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給させるように構成される、ことを含み得る。
【0079】
例14において、例9乃至13のうち少なくとも1つは更に、前記コントローラは更に、前記電源に、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの各PWMサイクルオン時間の間、前記第2電圧を供給させるように構成される、ことを含み得る。
【0080】
例15において、例9乃至14のうち少なくとも1つは更に、前記コントローラは更に、前記電源に、前記第1電圧によって動作可能でないuLEDの複数のパルス幅変調(PWM)オン時間のうちの一部の間、前記第2電圧を供給させるように構成される、ことを含み得る。
【0081】
例16は、命令を含んだ機械読み取り可能媒体であって、前記命令は、機械によって実行されるときに、該機械に、マイクロ発光ダイオード(uLED)ダイに結合された電源に、第1期間の間、第1電圧を有する電力を前記uLEDダイのuLEDドライバに供給させる第1コマンドを提供し、前記第1電圧は、前記uLEDダイの複数のuLEDのうち大半を動作させるのに十分であり、前記電源に、前記第1期間の後の第2期間に、第2電圧を有する電力を供給させる第2コマンドを提供し、前記第2電圧は、前記第1電圧よりも高く、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイのuLEDを動作させるのに十分である、ことを有する処理を実行させる、機械読み取り可能媒体を含む。
【0082】
例17において、例16は更に、前記第2期間は、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDのパルス幅変調(PWM)オン期間と同期する、ことを含み得る。
【0083】
例18において、例16乃至17のうち少なくとも1つは更に、前記処理は更に、前記uLEDダイの各uLEDについて、該uLEDが前記第1電圧によって動作可能であるかを判定し、前記uLEDダイのコントローラによってアクセス可能なメモリにより、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDダイの各uLEDの識別子(ID)を示すデータを格納する、ことを有することを含み得る。
【0084】
例19において、例18は更に、前記処理は更に、前記電源に前記第1電圧及び前記第2電圧よりも高い第3電圧で電力を供給させるコマンドを発する、ことを含み得る。
【0085】
例20において、例16乃至19のうち少なくとも1つは更に、前記処理は更に、前記第1電圧によって動作可能でない前記uLEDのうちのuLEDの単一のパルス幅変調(PWM)オン期間の間に、前記電源に、複数回にわたって前記第1電圧及び前記第2電圧で電力を供給させる、ことを有することを含み得る。
【0086】
本開示の主題の実施形態例がここに示されて説明されてきたが、当業者に明らかなことには、このような実施形態は単に例として提供されている。ここで提供された題材を読んで理解することにより、開示された主題から逸脱することなく、数多くの変形、変更、及び代用が当業者に思い浮かぶであろう。理解されるべきことには、ここで説明された開示の主題の実施形態に対する様々な代替が、主題の様々な実施形態を実施する際に使用され得る。意図されることには、以下の請求項が、開示された主題の範囲を定義し、それによって、これらの請求項の範囲内の方法及び構造とそれらに均等なものとが包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】