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特表2024-500782セッション管理機能(SMF)によるIPアドレス割り当て要求に非同期的に応えるために動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバからインターネットプロトコル(IP)アドレスプールを作成するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】セッション管理機能(SMF)によるIPアドレス割り当て要求に非同期的に応えるために動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバからインターネットプロトコル(IP)アドレスプールを作成するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/26 20090101AFI20231227BHJP
   H04W 80/04 20090101ALI20231227BHJP
   H04L 61/5014 20220101ALI20231227BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20231227BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20231227BHJP
【FI】
H04W8/26 110
H04W80/04
H04L61/5014
H04W88/18
H04W76/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537102
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2021057160
(87)【国際公開番号】W WO2022132317
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】17/125,925
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴエル,イェシュ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD57
5K067EE16
5K067HH23
(57)【要約】
インターネットプロトコル(IP)アドレスプールを取得して維持し、サービス管理機能(SMF)からのIPアドレス割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを使用するための方法は、少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたIPアドレスプロバイダマイクロサービスで、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、複数のIPアドレスをIPアドレスプールに格納するステップを含む。方法はさらに、IPアドレスリースを維持するステップを含む。方法はさらに、SMFからIPアドレスの割り当てのための要求を受信するステップを含む。方法はさらに、複数のIPアドレスのうちの1つをプールのうちの1つからSMFに割り当てるステップを含む。方法はさらに、IPアドレスをSMFに通信するステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットプロトコル(IP)アドレスプールを取得して維持し、サービス管理機能(SMF)からのIPアドレス割り当て要求に応答するために前記IPアドレスプールを使用するための方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたIPアドレスプロバイダマイクロサービスで、
動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、前記複数のIPアドレスをIPアドレスプールに格納するステップと、
前記IPアドレスリースを維持するステップと、
SMFからIPアドレスの割り当てのための要求を受信するステップと、
前記複数のIPアドレスのうちの1つを前記プールのうちの1つから前記SMFに割り当てるステップと、
前記IPアドレスを前記SMFに通信するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記DHCPサーバから前記複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得するステップは、前記IPアドレスプールの各々において初期数のIPアドレスが存在するまで、前記DHCPサーバからのIPアドレスの割り当てを要求するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期数は、ネットワークオペレータによって設定される静的な数である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記初期数は、SMFからのIPアドレス割り当て要求の量に基づいて動的に設定される動的な数である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記IPアドレスリースを維持するステップは、各IPアドレスリースについて、
前記IPアドレスリースのためのリース満了時間に先立って満了するように構成されたリース更新タイマーを維持するステップと、
前記リース更新タイマーの満了を検出するステップと、
前記更新タイマーの満了に応答して、前記IPアドレスリースの更新を要求するための更新要求を前記DHCPサーバに送信するステップとを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各IPアドレスリースについて、エントリを有するタイマー待ち行列を維持するステップを含み、
前記更新タイマーの満了を検出するステップは、現在の時間がいつ、前記タイマー待ち行列の先頭のエントリのためのタイマー値と等しいかを検出するステップと、前記タイマー待ち行列の前記先頭から前記エントリを除去するステップとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記DHCPサーバから、更新されたリース満了時間を含む前記更新要求への応答を受信するステップと、
前記タイマー待ち行列において、前記更新されたリース満了時間に対応する位置で、新たなエントリを作成するステップとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記IPアドレスリースを維持するステップは、前記SMFから透過的に前記IPアドレスリースを維持するステップを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記SMFから透過的にIPアドレスリースを維持するステップは、前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスでのリース更新タイマーの満了に応答して前記IPアドレスリースを自動的に更新するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスからIPアドレスの割り当てを要求するために、前記SMFのためのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供するステップを含み、
IPアドレスの割り当てのための前記要求を受信するステップは、前記APIを介して前記要求を受信するステップを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
インターネットプロトコル(IP)アドレスプールを取得して維持し、サービス管理機能(SMF)からのIPアドレス割り当て要求に応答するために前記IPアドレスプールを使用するためのシステムであって、前記システムは、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたIPアドレスプロバイダマイクロサービスとを含み、前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、前記複数のIPアドレスをIPアドレスプールとして前記メモリに格納し、前記IPアドレスリースを維持し、SMFからIPアドレスの割り当てのための要求を受信し、前記複数のIPアドレスのうちの1つを前記プールのうちの1つから前記SMFに割り当て、前記IPアドレスを前記SMFに通信するためのものである、システム。
【請求項12】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、前記IPアドレスプールの各々において初期数のIPアドレスが存在するまで、前記DHCPサーバからのIPアドレスの割り当てを要求することによって、前記DHCPサーバから前記複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記初期数は、ネットワークオペレータによって設定される静的な数である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記初期数は、時間周期内に受信されたSMFからのIPアドレス割り当て要求の量に基づいて動的に設定される動的な数である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、各IPアドレスリースについて、
前記IPアドレスリースのためのリース満了時間に先立って満了するように構成されたリース更新タイマーを維持し、
前記リース更新タイマーの満了を検出し、
前記リース更新タイマーの満了に応答して、前記IPアドレスリースの更新を要求する更新要求を前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスから前記DHCPサーバに送信することによって、
前記IPアドレスリースを維持するように構成される、請求項11~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、各IPアドレスリースについて、エントリを有するタイマー待ち行列を維持し、現在の時間がいつ、前記タイマー待ち行列の先頭のエントリのためのリース更新タイマー値と等しいかを判定することによってリースのための前記更新タイマーの前記満了を検出し、前記タイマー待ち行列の前記先頭から前記エントリを除去するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、前記DHCPサーバから、更新されたリース満了時間を含む前記リース更新要求への応答を受信し、前記タイマー待ち行列において、前記更新されたリース満了時間に対応する位置で、新たなエントリを作成するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスでのリース更新タイマーの満了に応答して前記IPアドレスリースを自動的に更新することによって、前記SMFから透過的に前記IPアドレスリースを維持するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、前記IPアドレスプロバイダマイクロサービスからIPアドレスの割り当てを要求するために、前記SMFのためのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供するように構成され、
IPアドレスの割り当てのための前記要求を受信することは、前記APIを介して前記要求を受信することを含む、請求項11~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると複数のステップを行なうように前記コンピュータを制御する実行可能命令が格納された、非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記複数のステップは、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたインターネットプロトコル(IP)アドレスプロバイダマイクロサービスで、
動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、前記複数のIPアドレスをIPアドレスプールに格納するステップと、
前記IPアドレスリースを維持するステップと、
サービス管理機能(SMF)からIPアドレスの割り当てのための要求を受信するステップと、
前記複数のIPアドレスのうちの1つを前記プールのうちの1つから前記SMFに割り当てるステップと、
前記IPアドレスを前記SMFに通信するステップとを含む、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本願は、2020年12月17日に出願された米国特許出願連続番号第17/125,925号の優先権利益を主張する。当該開示は、その全体がここに引用により援用される。
【0002】
技術分野
本明細書に記載されている主題は、5G通信ネットワークにおけるネットワークアドレッシングに関する。より特定的には、本明細書に記載されている主題は、DHCPサーバとの対話からIPアドレスプールを作成し、IPアドレスプールにおいてIPアドレスのためのIPアドレスリースを自動的に維持し、IPアドレスプールを使用してSMFからのIPアドレス割り当て要求に非同期的に応えるための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
5G電気通信ネットワークでは、サービスを提供するネットワークノードは、プロデューサネットワーク機能(network function:NF)と呼ばれる。サービスを消費するネットワークノードは、コンシューマNFと呼ばれる。ネットワーク機能は、それがサービスを消費しているか提供しているかによって、プロデューサNFおよびコンシューマNFの双方であり得る。
【0004】
所与のプロデューサNFは、多くのサービスエンドポイントを有し得る。サービスエンドポイントとは、プロデューサNFによってホストされる1つ以上のNFインスタンスのための接点である。サービスエンドポイントは、プロデューサNFをホストするネットワークノード上のインターネットプロトコル(Internet protocol:IP)アドレスおよびポート番号または完全修飾ドメイン名(IPアドレスとポート番号とに分解する)の組合せによって識別される。NFインスタンスとは、サービスを提供するプロデューサNFのインスタンスである。所与のプロデューサNFは2つ以上のNFインスタンスを含んでいてもよい。なお、複数のNFインスタンスが同じサービスエンドポイントを共有することができる。
【0005】
プロデューサNFは、ネットワーク機能リポジトリ機能(NF repository function:NRF)に登録する。NRFは、各NFインスタンスによってサポートされるサービスを識別する、利用可能なNFインスタンスのサービスプロファイルを維持する。コンシューマNFは、NRFに登録したプロデューサNFインスタンスについての情報の受信をサブスクライブすることができる。
【0006】
コンシューマNFに加えて、NFサービスインスタンスについての情報の受信をサブスクライブすることができる別のタイプのネットワークノードは、サービス通信プロキシ(service communications proxy:SCP)である。SCPは、NRFにサブスクライブし、プロデューサNFサービスインスタンスに関する到達可能性およびサービスプロファイル情報を取得する。コンシューマNFはサービス通信プロキシに接続し、サービス通信プロキシは、要求されたサービスを提供するプロデューサNFサービスインスタンス間でトラフィックを負荷分散するか、または、トラフィックを宛先プロデューサNFインスタンスへ直接ルーティングする。
【0007】
SCPに加えて、プロデューサNFとコンシューマNFとの間でトラフィックをルーティングするネットワークノードの中間プロキシノードまたはグループの他の例は、5Gサービスメッシュにおけるセキュリティエッジ保護プロキシ(security edge protection proxy:SEPP)、サービスゲートウェイ、およびノードを含む。SEPPとは、異なる5Gパブリックランドモバイルネットワーク(public land mobile network:PLMN)間で交換される制御プレーントラフィックを保護するために使用されるネットワークノードである。そのため、SEPPは、すべてのアプリケーションプログラミングインターフェイス(application programming interface:API)メッセージのために、メッセージフィルタリング、ポリシー化、およびトポロジ隠蔽を行なう。
【0008】
5G通信ネットワークアーキテクチャに存在する1つの難題は、パケットデータユニット(packet data unit:PDU)セッションのためのIPアドレスを取得し、DHCPサーバとのIPアドレスのリースを更新することである。たとえば、UEがPDUセッションの確立を要求する場合、UEは、IPv4アドレス、IPv6アドレス、またはそれら双方がセッションのために必要とされることを示し得る。UEは、セッション確立手順の一環としてIPアドレス割り当てを要求する。5G通信ネットワークは、セッションのためのIPアドレス(複数可)を取得するためにDHCPサーバと通信する。DHCPに従って、IPアドレス(複数可)が、更新されなければならないリースの下で与えられる。
【0009】
このアーキテクチャでの1つの問題または難題は、IPアドレスリースを必要とするすべてのPDUセッションについて、IPアドレスリースを取得し、リースタイマーを維持し、そしてセッションがリースよりも長く続く場合にはリースが満了する前にIPアドレスを更新するために、SMFがDHCPサーバと接触しなければならないという点で、手順がSMFと同期しているということである。SMFはまた、PDUセッションが終わるとIPアドレスを解除してDHCPサーバに戻すことを担う。この手順は、すべてではないにしろ多くのPDUセッションについて必要とされ得るため、IPアドレスリースを処理して維持する際のSMFへの負担が、PDUセッション確立の遅延をもたらし得る。
【0010】
これらのおよび他の難題を考慮すると、本明細書に記載されている主題は、5G通信ネットワークにおいてIPアドレスリースを取得して維持するための改良された方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
概要
インターネットプロトコル(IP)アドレスプールを取得して維持し、サービス管理機能(SMF)からのIPアドレス割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを使用するための方法は、少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたIPアドレスプロバイダマイクロサービスで、動的ホスト構成プロトコル(dynamic host configuration protocol:DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、複数のIPアドレスをIPアドレスプールに格納するステップを含む。方法はさらに、IPアドレスリースを維持するステップを含む。方法はさらに、SMFからIPアドレスの割り当てのための要求を受信するステップを含む。方法はさらに、複数のIPアドレスのうちの1つをプールのうちの1つからSMFに割り当てるステップを含む。方法はさらに、IPアドレスをSMFに通信するステップを含む。
【0012】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、DHCPサーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得するステップは、IPアドレスプールの各々において初期数のIPアドレスが存在するまで、DHCPサーバからのIPアドレスの割り当てを要求するステップを含む。
【0013】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、初期数は、ネットワークオペレータによって設定される静的な数である。
【0014】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、初期数は、SMFからのIPアドレス割り当て要求の量に基づいて動的に設定される動的な数である。
【0015】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、IPアドレスリースを維持するステップは、各IPアドレスリースについて、IPアドレスリースのためのリース満了時間に先立って満了するように構成されたリース更新タイマーを維持するステップと、更新タイマーの満了を検出するステップと、リース更新タイマーの満了に応答して、IPアドレスリースの更新を要求するためのリース要求をDHCPサーバに送信するステップとを含む。
【0016】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプールを取得して維持し、SMFからのIPアドレス割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを使用するための方法のための方法は、各IPアドレスリースについて、エントリを有するタイマー待ち行列を維持するステップを含み、リース更新タイマーの満了を検出するステップは、現在の時間がいつ、タイマー待ち行列の先頭のエントリのためのタイマー値と等しいかを検出するステップと、タイマー待ち行列の先頭からエントリを除去するステップと、タイマー待ち行列の先頭のエントリのためにIPアドレスリースを更新するための更新要求を送信するステップとを含む。
【0017】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプールを取得して維持し、SMFからのIPアドレス割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを使用するための方法は、DHCPサーバから、更新されたリース満了時間を含むリース更新要求への応答を受信するステップと、タイマー待ち行列において、更新されたリース満了時間に対応する位置で、新たなエントリを作成するステップとを含む。
【0018】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスリースを維持するステップは、SMFから透過的にIPアドレスリースを維持するステップを含む。
【0019】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、SMFから透過的にIPアドレスリースを維持するステップは、IPアドレスプロバイダマイクロサービスでのリース更新タイマーの満了に応答してIPアドレスリースを自動的に更新するステップを含む。
【0020】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプールを取得して維持し、SMFからのIPアドレス割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを使用するための方法は、IPアドレスプロバイダマイクロサービスからIPアドレスの割り当てを要求するために、SMFのためのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供するステップを含み、IPアドレスの割り当てのための要求を受信するステップは、APIを介して要求を受信するステップを含む。
【0021】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、インターネットプロトコル(IP)アドレスプールを取得して維持し、サービス管理機能(SMF)からのIPアドレス割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを使用するためのシステムが提供される。システムは、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含む。システムはさらに、少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたIPアドレスプロバイダマイクロサービスを含み、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、複数のIPアドレスをIPアドレスプールとしてメモリに格納し、IPアドレスリースを維持し、SMFからIPアドレスの割り当てのための要求を受信し、複数のIPアドレスのうちの1つをプールのうちの1つからSMFに割り当て、IPアドレスをSMFに通信するためのものである。
【0022】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、IPアドレスプールの各々において初期数のIPアドレスが存在するまで、DHCPサーバからのIPアドレスの割り当てを要求することによって、DHCPサーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得するように構成される。
【0023】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、各IPアドレスリースについて、IPアドレスリースのためのリース満了時間に先立って満了するように構成されたリース更新タイマーを維持し、更新タイマーの満了を検出し、更新タイマーの満了に応答して、IPアドレスリースの更新を要求するための更新要求をIPアドレスプロバイダマイクロサービスからDHCPサーバに送信することによって、IPアドレスリースを維持するように構成される。
【0024】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、各IPアドレスリースについて、エントリを有するタイマー待ち行列を維持し、現在の時間がいつ、タイマー待ち行列の先頭のエントリのためのタイマー値と等しいかを判定することによって更新タイマーの満了を検出するように構成され、更新タイマーの満了に応答して、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、タイマー待ち行列の先頭からエントリを除去するように構成される。
【0025】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、DHCPサーバから、更新されたリース満了時間を含む更新要求への応答を受信し、タイマー待ち行列において、更新されたリース満了時間に対応する位置で、新たなエントリを作成するように構成される。
【0026】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、IPアドレスプロバイダマイクロサービスでのリース更新タイマーの満了に応答してIPアドレスリースを自動的に更新することによって、SMFから透過的にIPアドレスリースを維持するように構成される。
【0027】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、IPアドレスプロバイダマイクロサービスからIPアドレスの割り当てを要求するために、SMFのためのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供するように構成され、IPアドレスの割り当てのための要求を受信することは、APIを介して要求を受信することを含む。
【0028】
本明細書に記載されている主題のさらに別の局面によれば、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると複数のステップを行なうようにコンピュータを制御する実行可能命令が格納された、非一時的コンピュータ読取可能媒体が提供される。複数のステップは、少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたインターネットプロトコル(IP)アドレスプロバイダマイクロサービスで行なわれる。複数のステップは、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから複数のIPアドレスおよび対応するIPアドレスリースを取得し、複数のIPアドレスをIPアドレスプールに格納するステップを含む。複数のステップはさらに、IPアドレスリースを維持するステップを含む。複数のステップはさらに、サービス管理機能(SMF)からIPアドレスの割り当てのための要求を受信するステップを含む。複数のステップはさらに、複数のIPアドレスのうちの1つをプールのうちの1つからSMFに割り当てるステップを含む。複数のステップはさらに、IPアドレスをSMFに通信するステップを含む。
【0029】
本明細書に記載されている主題は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実現されてもよい。そのため、本明細書で使用されるような「機能」、「ノード」、または「モジュール」という用語は、記載されている特徴を実現するための、ソフトウェアコンポーネントおよび/またはファームウェアコンポーネントも含み得るハードウェアを指す。例示的な一実現化例では、本明細書に記載されている主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されると複数のステップを行なうようにコンピュータを制御するコンピュータ実行可能命令が格納されたコンピュータ読取可能媒体を使用して実現されてもよい。本明細書に記載されている主題を実現するために好適である例示的なコンピュータ読取可能媒体は、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラマブルロジックデバイス、および特定用途向け集積回路といった、非一時的コンピュータ読取可能媒体を含む。加えて、本明細書に記載されている主題を実現するコンピュータ読取可能媒体は、単一のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム上に位置していてもよく、もしくは、複数のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム間で分散されていてもよい。
【0030】
図面の簡単な説明
ここで、添付図面を参照して、本明細書に記載されている主題を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】例示的な5Gネットワークアーキテクチャを示すネットワーク図である。
図2】PDUセッションのためのIPアドレスリースの取得に関連付けられた例示的なメッセージングを示すメッセージフロー図である。
図3】IPアドレスリースを維持する際のSMFとDHCPサーバとの間の例示的なメッセージングを示すネットワーク図である。
図4】SMFと対話し、SMFに代わってIPアドレスリースを維持するIPアドレスプロバイダマイクロサービスを示すネットワーク図である。
図5】IPアドレスプロバイダマイクロサービスによって維持され得る例示的なIPアドレスプール構造を示すブロック図である。
図6】IPアドレスリース更新のためのタイマー待ち行列を示すブロック図である。
図7】IPアドレスリースを取得して維持するためにIPアドレスプロバイダマイクロサービスを含むネットワークノード間で交換される例示的なメッセージを示すメッセージフロー図である。
図8】IPアドレスプロバイダマイクロサービスのための例示的な初期化アルゴリズムを示すフローチャートである。
図9】IPアドレスプロバイダマイクロサービスのための例示的なIPアドレス割り当て/解除アルゴリズムを示すフローチャートである。
図10】SMFからの割り当て要求に応答するためにIPアドレスプールを取得して利用するためにIPアドレスプロバイダマイクロサービスを使用するための例示的なプロセス全体を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明
本明細書に記載されている主題は、DHCPサーバからIPアドレスプールを作成し、5G SMFからのIPアドレス割り当て要求に非同期的に応えるための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。5G SMFからのIPアドレス割り当て要求に非同期的に応えることは、5Gネットワーク側でSMFと対話し、パケットデータネットワーク側でDHCPサーバと対話するIPアドレスプロバイダマイクロサービスによって実現され得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービスについて説明する前に、IPアドレスプロバイダマイクロサービスが対話する5Gネットワークアーキテクチャについて詳細に説明する。
【0033】
図1は、例示的な5Gシステムネットワークアーキテクチャを示すブロック図である。図1のアーキテクチャは、同じホームパブリックランドモバイルネットワーク(home public land mobile network:HPLMN)に位置し得るNRF100とSCP101とを含む。上述のように、NRF100は、利用可能なプロデューサNFサービスインスタンスおよびそれらのサポートされるサービスのプロファイルを維持し、コンシューマNFまたはSCPが、新たな/更新されたプロデューサNFインスタンスをサブスクライブしてその登録を通知されることを可能にし得る。SCP101はまた、サービス発見およびプロデューサNFインスタンスの選択をサポートし得る。SCP101は、コンシューマNFとプロデューサNFとの接続の負荷分散を行ない得る。
【0034】
NRF100は、プロデューサNFインスタンスのNFプロファイルまたはサービスプロファイルのためのリポジトリである。プロデューサNFインスタンスと通信するために、コンシューマNFまたはSCPは、NRF100からプロデューサNFインスタンスのNFプロファイルまたはサービスプロファイルを取得しなければならない。NFプロファイルまたはサービスプロファイルは、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP(登録商標))技術仕様書(Technical Specification:TS) 29.510で定義されたJavaScript(登録商標)オブジェクト表記法(JavaScript object notation:JSON)データ構造である。NFプロファイルまたはサービスプロファイルの定義は、完全修飾ドメイン名(fully qualified domain name:FQDN)、インターネットプロトコル(IP)バージョン4(IPv4)アドレス、またはIPバージョン6(IPv6)アドレスのうちの少なくとも1つを含む。図1では、(NRF100以外の)ノードはいずれも、それらがサービスを要求しているか提供しているかによって、コンシューマNFまたはプロデューサNFであり得る。図示された例では、ノードは、ネットワークにおいてポリシー関連動作を行なうポリシー制御機能(policy control function:PCF)102と、ユーザデータを管理するユーザデータ管理(user data management:UDM)機能104と、アプリケーションサービスを提供するアプリケーション機能(application function:AF)106とを含む。図1に示されるノードはさらに、アクセスおよびモビリティ管理機能(access and mobility management function:AMF)110とPCF102との間のセッションを管理するセッション管理機能(session management function:SMF)108を含む。AMF110は、4Gネットワークにおいてモビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)によって行なわれるものと同様のモビリティ管理動作を行なう。認証サーバ機能(authentication server function:AUSF)112は、ネットワークへのアクセスを求めるユーザ機器(User Equipment:UE)114などのユーザ機器(UE)のための認証サービスを行なう。
【0035】
ネットワークスライス選択機能(network slice selection function:NSSF)116は、ネットワークスライスに関連付けられた特定のネットワーク能力および特性にアクセスしようとするデバイスのためのネットワークスライシングサービスを提供する。ネットワーク公開機能(network exposure function:NEF)118は、ネットワークに接続されたインターネット・オブ・シングス(Internet of Things:IoT)デバイスおよび他のUEについての情報を取得しようとするアプリケーション機能のためのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供する。NEF118は、4Gネットワークにおけるサービス能力公開機能(service capability exposure function:SCEF)と同様の機能を行なう。
【0036】
無線アクセスネットワーク(radio access network:RAN)120は、無線リンクを介してユーザ機器(UE)114をネットワークに接続する。無線アクセスネットワーク120は、gノードB(gNB)(図1に図示せず)または他の無線アクセスポイントを使用してアクセスされ得る。ユーザプレーン機能(user plane function:UPF)122は、ユーザプレーンサービスのためのさまざまなプロキシ機能性をサポートすることができる。そのようなプロキシ機能性の一例は、マルチパス伝送制御プロトコル(multipath transmission control protocol:MPTCP)プロキシ機能性である。UPF122は性能測定機能性もサポートすることができ、それは、ネットワーク性能測定値を取得するためにUE114によって使用され得る。図1にはデータネットワーク(data network:DN)124も図示されており、それを通してUEは、インターネットサービスなどのデータネットワークサービスにアクセスする。
【0037】
SEPP126は、別のPLMNからの着信トラフィックをフィルタリングし、ホームPLMNを出るトラフィックのためのトポロジ隠蔽を行なう。SEPP126は、外部PLMNのためのセキュリティを管理する、当該外部PLMNにおけるSEPPと通信し得る。このため、異なるPLMNにおけるNF間のトラフィックは、ホームPLMNのためのSEPP機能と外部PLMNのためのSEPP機能という2つのSEPP機能を横断し得る。
【0038】
上述のように、現在の3GPPアーキテクチャでの1つの問題は、IPアドレスを必要とするすべてのPDUセッションについて、SMFがDHCPサーバとのIPアドレスリースを取得して維持するよう要求されるということである。図2は、IPアドレスリースを取得するために5Gネットワーク要素間で行なわれる例示的なシグナリングを示す。
【0039】
図2を参照して、ライン1で、UE114はPDUセッション確立要求をAMF110に送信する。この例では、UE114は、それがPDUセッションを確立するために少なくとも1つのIPアドレスを必要とすることを示すと仮定される。
【0040】
メッセージフロー図のライン2で、AMF110は、PDUセッション確立要求に応答して、Nsmf_PDU Session_Create SMコンテキスト要求をSMF108に送信する。Nsmf_PDU Session_Create SMコンテキスト要求は、サブスクリプション永続識別子(subscription permanent identifier:SUPI)、データネットワーク名(data network name:DNN)、および他のパラメータなどのパラメータを含む。メッセージフロー図のライン3で、SMF108は、Nsmf_PDU Session_Create SMコンテキスト応答をAMF110に送信することによって、Nsmf_PDU Session_Create SMコンテキストメッセージの受信を確認する。
【0041】
少なくとも1つのIPアドレスがUEによって要求されたため、ライン4で、SMF108は、少なくとも1つのIPアドレスの割り当てを要求するDHCP要求をDHCPサーバ200に送信する。DHCPサーバ200はライン5で、IPアドレスと当該IPアドレスのためのリース時間とを提供することによって要求に応答する。
【0042】
IPアドレスとリース時間との受信に応答して、ライン6で、SMF108は(IPリース時間-n)にわたってタイマーを始動させる。ここで、IPリースタイマーがDHCPサーバで満了する前に更新がトリガされることを保証するために、nは0よりも大きく、PDUセッションがリース時間を超えて延長した場合には、SMF108は、リースが満了する前にそれを更新するようになっている。
【0043】
ライン7で、UPF122はN4関連付け設定要求をSMF108に送信する。ライン8で、SMF108とUPF122とは、N4セッション確立要求および応答メッセージを交換する。ライン9で、SMF108とAMF110とは、Namf_Communication_N1N2メッセージ転送要求および応答メッセージを交換する。
【0044】
なお、図2に示すメッセージフローは、少なくとも1つのIPアドレスが要求されるPDUセッションごとに、SMF108によって行なわれなければならない。これは、SMF108のリソースへの負担を生み出すおそれがあり、また、セッション確立時間を遅延させるおそれがある。加えて、PDUセッションが現在のリース満了時間を超えて延長した場合、SMF108は各リースを更新しなければならない。
【0045】
図3は、リースを更新するためにSMF108によって行なわれる例示的なシグナリングを示すメッセージフロー図である。図3を参照して、ライン1で、DHCPサーバからのIPアドレスリースの受信に応答してSMF108によって始動されたIPリースタイマーが満了する。ライン2で、SMF108は、IPアドレスリースの延長を要求するDHCP要求をDHCPサーバ200に送信する。ライン3で、DHCPサーバ200は、リースが延長されたことを示す確認を用いて応答し、新たなリース満了時間を提供する。ライン4で、SMF108は、新たなIPリース満了時間にわたってIPリースタイマーを再始動させる。
【0046】
図3に示すシグナリングメッセージフローは、PDUセッションが終わる前に満了するIPアドレスリースごとに、SMF108によって行なわれなければならない。SMFが取り扱うPDUセッションの数が増加するにつれて、SMFへの負担も増加する。SMFへの処理負担を軽減するために、本明細書に記載されている主題は、宛先ネットワーク名(destination network name:DNN)ごとにリースされたIPアドレスのプールを取得し、リースされたIPアドレスをPDUセッションのためにSMFが利用できるようにし、PDUセッション満了時間に先立ってリースを自動的に更新するIPアドレスプロバイダマイクロサービスを含む。
【0047】
SMFにIPリース割り当てを要求させ、リースを維持させ、リースを更新させるのではなく、本明細書に記載されている主題は、これらの機能をSMFに対して自動的にかつ透過的に行なうIPアドレスプロバイダマイクロサービスを含む。図4は、IPアドレスプロバイダマイクロサービスと、IPアドレスプロバイダマイクロサービスによって行なわれる例示的な動作とを示す。図4を参照して、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、宛先ネットワーク名(DNN)ごとに、リースされたIPアドレスの1つ以上のプールを管理する。IPバージョン4アドレスおよびIPバージョン6アドレスのための別々のプールがあり得る。加えて、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスプールごとに、使用済みのリースされたIPアドレスと予約済みのリースされたIPアドレスとのリストを提供または維持し得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスプールを使用してPDUセッションのためのIPアドレスを割り当ておよび解除を行なうために、APIを提供し得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、SMFまたはPDUセッションNFサービスに、DNNごとに到達されるIPアドレス枯渇しきい値とDHCPサーバ利用可能性とを通知するために、レプリゼンテーショナル・ステート・トランスファー(representational state transfer:REST)ベースのサブスクリプションメカニズムを提供し得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、SMF108に代わって、DHCPサーバからリースされたIPアドレスのライフサイクルを管理し得る。IPアドレスを維持することは、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400の起動または初期化時に予約済みIPアドレスを予めリースすること、DHCPサーバでの満了時間に先立ってリースされたIPアドレスを更新すること、マイクロサービスを用いてリースされたIPアドレスのステータスを管理することを含み得る。リースされたIPアドレスのステータスを管理することは、IPアドレスを、使用済み、すなわち、SMF/PDUセッションNFサービスに割り当てられているとしてマークするか、または、予約済み、すなわち、SMF/PDUセッションNFサービスに割り当てられていないとしてマークすることを含み得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400はまた、未使用のリースされたIPアドレスのリストを維持し得る。このリストのサイズは、静的または動的アルゴリズムに基づき得る。静的アルゴリズムとは、未使用のIPアドレスまたは予約済みIPアドレスのサイズが一定であることを意味する。動的アルゴリズムは、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400がSMFまたはPDUセッションNFサービスによる使用パターンに基づいて未使用のIPアドレスプールのサイズを変更し得ることを意味する。
【0048】
IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、プロセッサとメモリとを含む少なくとも1つのコンピューティングプラットフォーム上で実現され得る。メモリは、IPアドレスプールと、本明細書に記載されている他のデータ構造と、DHCPサーバからIPアドレスリースを取得し、リースを維持し、SMFからのIPアドレス割り当て要求に応答してIPアドレスをSMFに割り当てるために本明細書に記載されているステップを行なうためのコンピュータ実行可能命令とを格納し得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、それがサービス提供するSMFから分離し、また、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400がIPアドレスおよび対応するリースを取得するDHCPサーバから分離し得る。SMFとDHCPサーバとの間で別個のエンティティとして動作することは、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400が、高可用性のための要件を含むネットワークオペレータ要件に基づいてスケール変更されることを可能にする。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスプールを格納するメモリ内データベースを含み得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスリースのためにDHCPサーバと対話するためのSMF側での時間および処理を取り除くことによって、PDUセッション確立の際の待ち時間を著しく向上させ得る。
【0049】
図4で、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、SMF108およびSMF PDUセッションNFサービスインスタンス108~108のための連絡先アドレスとして、IPアドレス402を提供する。上述のように、5Gネットワークアーキテクチャでは、SMF108は、UEによって要求されたPDUセッションの確立および分解を取り扱うエンティティである。PDUセッションNFサービスインスタンス108~108は、PDUセッションを取り扱うためにSMF108によって作成されたサービスインスタンスである。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400はまた、IPアドレスを取得し、DNN1およびDNN2のためのIPアドレスプール404および404を作成するためにDHCPサーバ200~200と対話するIPアドレスプロバイダマイクロサービスインスタンス400~400を含み得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスプール404~404を、メモリ内データベースまたはキャッシュ406に格納し得る。
【0050】
図示された例では、各IPアドレスプール404および404は、IPv4アドレスおよびIPv6アドレスのための別々のプールを含む。加えて、各プールは、静的予約アルゴリズムが実現されるか動的予約アルゴリズムが実現されるかによって静的または動的であり得る最大サイズを有する。静的予約とは、DNNごとにDHCPから取得されたIPアドレスリースの数が、ネットワークオペレータによって設定された静的な数であるということを意味する。動的予約とは、DNNごとにDHCPから取得されたIPアドレスリースの数が、タイマー周期内にSMFから受信されたIPアドレス割り当て要求の数に基づいて動的に調節可能であるということを意味する。
【0051】
図4に示す例では、所与のDNNのための各アドレスプール内に、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、使用済みIPアドレスと予約済みIPアドレスとのリストを維持する。使用済みアドレスとは、DHCPからリースされ、PDUセッションに割り当てられているアドレスである。予約済みIPアドレスとは、DHCPからリースされたものの、PDUセッションに割り振られなかったアドレスである。
【0052】
IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、スケールアップまたはダウンするSMF/PDUセッションNFサービスインスタンス、スケールアップまたはダウンするDHCPサーバ、もしくは、DNNの追加または削除に起因するDHCPサーバ更新に対して、シームレスに動作および/またはスケール変更し得る。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400はSMFおよびDHCPサーバから独立しているため、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、ネットワーク要求を満たすようにスケールアップまたはダウンされ得る。
【0053】
図5は、IPアドレスプール404および404の構造をより詳細に示す。図5では、各IPアドレスプール404および404は、IPバージョン4アドレスを格納するIPバージョン4プールと、IPバージョン6アドレスを含むIPバージョン6プールとを含む。IPバージョン4プールおよびIPバージョン6プールの各々は、ネットワークオペレータによって静的に構成され得る最大サイズを有する。それに代えて、最大サイズは、時間周期内のIPアドレス割り当て要求の数に基づいて動的に変わり得る。IPバージョン4プールおよびIPバージョン6プールの各々は、使用済みIPアドレス500のリストと、予約済みIPアドレス502のリストとを含み得る。上述のように、使用済みIPアドレス500とは、DHCPサーバから取得され、PDUセッションによって現在使用されているアドレスである。予約済みIPアドレス502とは、DHCPサーバから取得されたものの、PDUセッションに割り当てられなかったアドレスである。
【0054】
図6は、IPアドレス更新のためのタイマー待ち行列の構造を示すブロック図である。より特定的には、図6のブロック600は、時間tでのDHCPサーバからのIPリース更新のためのタイマー待ち行列を示す。タイマー待ち行列600における各要素は、IPアドレスと、IPリース更新が起こるべき時間とを示す。たとえば、タイマー待ち行列600の先頭に位置する要素602は、DNNaのためのIPアドレスIPxが時間t+2で更新されるべきであることを示し、ここでtは現在の時間である。各要素のための更新時間は、IPアドレスが最初にリースされたとき、またはリースが最後に更新されたときにDHCPサーバから受信されたリース満了時間に基づいて設定され得る。一例では、更新時間は、DHCPサーバとのリースが満了する前にリースが更新され得るように、リース満了時間よりも小さい値に設定され得る。
【0055】
ブロック604は、リース更新タイマーが満了する時間t+2でのDNNaのためのIPアドレスIPxの更新を示す。更新タイマーの満了に応答して、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、更新要求をDHCPサーバに送信し、図示された例ではt+52分である新たなリース満了時間とともに更新確認をDHCPサーバから受信する。ブロック606は、時間t+2でのタイマー待ち行列のステータスを示す。ブロック606からは、IPxのための新たなリースが、待ち行列において、図示された例ではt+52であるその更新時間に従った位置に配置されることが見て分かる。時間t+2で、タイマー待ち行列の先頭の要素は、DNNcのためのIPアドレスIPxのための更新時間がt+3であることを示す。
【0056】
タイマー待ち行列は、リースされたIPアドレスと、DHCPサーバと、リース時間満了タイムスタンプとのリストを含む。これらの要素はタプルとして格納されてもよく、待ち行列は、DHCPサーバから受信されたリース時間満了タイムスタンプに基づいて順序付けられ得る。タイマー待ち行列は、単一または複数のタイマースレッドによって処理され得る。スレッド(複数可)は、時間単位ごとに、待ち行列の先頭の要素のタイムスタンプの満了が生じたかどうかをチェックし得る。現在のタイムスタンプが満了した場合、DHCP更新要求が送信される。ブロック608によって示されるように、DHCPサーバから受信された新たなタイムスタンプは、新たな要素が待ち行列の末尾で挿入されるようにする。
【0057】
IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、SMFに、または、SMFにおけるPDUセッションNFサービスインスタンスに、APIを公開し得る。これらのAPIは、IP割り当て(DNN、およびIPアドレスタイプ(IPv4またはIPv6))と、IP解除と、通知についてのサブスクライブとを含む。このため、SMFに、PDUセッションごとにIPアドレスのためのリース満了タイマーを維持するよう要求するのではなく、SMFが実行を要求されるすべては、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400からIPアドレスを要求すること、IPアドレスに関連する通知についてサブスクライブすること、および、PDUセッションが終了したときにIPアドレスプロバイダマイクロサービス400に通知することである。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、SMFに代わってIPアドレスリースを透過的に維持し、あらゆる要求された通知をSMFに送信する。そして、IPアドレスを使用するPDUセッションが解除中であることをSMFがIPアドレスプロバイダマイクロサービス400に通知する場合には、当該IPアドレスを使用済みプールから予約済みプールへ動かす。
【0058】
図7は、本明細書に記載されているIPアドレスプロバイダマイクロサービスによって提供されるSMFへの負担の軽減を示すメッセージフロー図である。図7を参照して、ライン1で、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、DHCPサーバ200からIPアドレスプールを取得して維持する。IPアドレスプールの取得および維持の詳細は、図8および図9に関して以下に説明されるであろう。
【0059】
メッセージフロー図のライン2で、UE114はPDUセッション確立要求をSMF108に送信する。PDUセッション確立要求は、PDUセッションのための少なくとも1つのIPアドレスのための要求を含む。IPアドレスは、IPv4アドレスであってもよく、IPv6アドレスであってもよく、またはそれら双方であってもよい。
【0060】
メッセージフロー図のライン3で、SMF108はIPアドレス割り当て要求をIPアドレスプロバイダマイクロサービス400に送信する。IPアドレスプロバイダ400は、それがメモリで維持するIPアドレスプールのうちの1つからIPアドレスを取得し、ライン4で、IPアドレス割り当て応答メッセージをSMF108に送信する。なお、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400がSMF108に代わってリース満了時間を維持するため、IPアドレス割り当て応答メッセージは、IPアドレスのための満了時間を含むよう要求されない。メッセージフロー図のライン5で、SMF108は、要求されたIPアドレスを含むPDUセッション確立応答をUE114に送信する。
【0061】
なお、SMF108はもはや、DHCPサーバ200とのIPアドレスリースを更新するよう要求されない。なぜなら、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400がこの機能を自動的に行なうためである。そのような更新は、セッションが解除されるまで起こり得る。メッセージフロー図のライン6で、UE114はPDUセッション解除メッセージをSMF108に送信する。ライン7で、SMF108はIPアドレス解除要求メッセージをIPアドレスプロバイダマイクロサービス400に送信する。IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスを使用済みプールから予約済みプールへ動かすことによって、IPアドレスを解除する。ライン8で、アドレスプロバイダマイクロサービス400はIPアドレス解除確認メッセージをSMF108に送信する。ライン9で、SMF108はPDUセッション解除確認メッセージをUE114に送信する。
【0062】
図8は、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400を初期化するプロセスを示す。初期化プロセスは、DNNごとに行なわれ得る。図8のフローチャートでは、NはDNNの数と等しく、iは、初期化が実行中である特定のDNNを表わす添え字である。初期化プロセスはまた、IPアドレスプールタイプごとに行なわれ、タイプは、IPv4と、IPv6と、IPv4およびIPv6である。各プールについてプロビジョニングされる別の構成変数は、各DNNについての最大プールサイズである。
【0063】
図8のフローチャートを参照して、ステップ800で、第1のDNNのIPアドレスプールが初期化中であることを示すために、カウンタiが1に初期化される。ステップ802で、iがN以下であるかどうかが判定され、ここで、NはDNNの数である。iがN以下でない場合、これは、iがNと等しいこと、および、DNNのすべてのためのIPアドレスプールのすべてが初期化されたことを意味し、制御はステップ804に進み、そこでは、初期化が完了する。DNNのためのIPアドレスプールのすべてが初期化されていなかった場合、制御はステップ806に進み、そこでは、DNNプールタイプが判定される。プールタイプがIPv4である場合、制御はステップ808に進み、そこでは、カウンタが初期化され、カウンタctrV4CHUNKがゼロに設定され、DNNiのためのIPアドレスプールがDNNiのためのアドレスプールのための最大サイズに設定される。
【0064】
制御は次にステップ810に進み、そこでは、カウンタctrV4CHUNKは、変数RESERVEとV4SIZE[DNNi]との差異と比較される。カウンタctrV4CHUNKが当該差異よりも小さい場合、制御はステップ812に進み、そこでは、DHCP要求および応答を使用してIPv4アドレスがDHCPサーバからリースされ、カウンタctrV4CHUNKがインクリメントされる。ステップ810および812は、アレイV4SIZE[DNNi]におけるアレイ要素のすべてがリースされたIPアドレスで充填されるまで繰り返される。制御は次にステップ814に進み、そこでは、IPv4アドレスプールの処理がIPv6プールの処理と融合される。制御は次にステップ816に進み、そこでは、DNNを選択して次のDNNのためのIPアドレスプールを初期化するために、変数iがインクリメントされる。
【0065】
IPバージョン6アドレスプールを初期化して構築するためのプロセスはステップ818で始まり、そこでは、IPv6アドレスプールのためのカウンタおよびアレイサイズ変数が初期化される。制御は次にステップ820および824に進み、そこでは、IPv6アドレスがリースされ、DNNのためのIPv6アドレスプールをポピュレートするために使用される。
【0066】
ステップ806で、プールタイプがIPv4およびIPv6である場合、制御はステップ824に進み、そこでは、IPバージョン6アレイおよびIPバージョン4アレイのためのカウンタが0に初期化され、IPバージョン4アドレスプールアレイおよびIPバージョン6アドレスプールアレイの双方が最大サイズに初期化される。次に、制御はステップ826に進み、そこでは、IPバージョン4アドレスプールおよびIPバージョン6アドレスプールをポピュレートするための並列処理が並行して行なわれる。図8におけるプロセスがDNNのすべてについて完了した後では、IPアドレスプールのすべてが、リースされたIPアドレスでポピュレートされるべきである。
【0067】
IPアドレスプロバイダマイクロサービス400はまた、リースされたIPアドレスをSMFに割り当てるためのステップを行なう。このプロセスは、図9に示される。図9を参照して、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400がSMFまたはPDU NFセッションNFサービスインスタンスからIPアドレスの割り当てまたは解除のための要求を受信すると、プロセスは始まる。割り当てまたは解除は、IPアドレスプロバイダマイクロサービスによって提供されるAPIに従ってフォーマット化され、要求タイプ(割り当てまたは解除)と、DNNと、IPアドレスタイプとを含む。要求に応答して、ステップ900で、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、IPアドレスタイプに依存して、IPアドレスプールのうちの1つからIPアドレスをフェッチする。プロセスステップはまた、動的予約アルゴリズムが実現されるか、静的予約アルゴリズムが実現されるかによって変わるであろう。
【0068】
ステップ902で、SMFからの要求が割り当てか解除かが判定される。要求がIPアドレス割り当てのための要求である場合、制御はステップ904に進み、そこでは、予約済みリストにアドレスがあるかどうかが判定される。予約済みリストにアドレスがない場合、制御はステップ906に進み、そこでは、要求は拒否される。予約済みリストにアドレスがある場合、制御はステップ908に進み、そこでは、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、予約済みリストから次の利用可能なIPアドレスを選択する。
【0069】
ステップ908から、制御はステップ910に進み、そこでは、並列処理が始まる。並列処理の一方の分岐はステップ912で始まり、そこでは、IPアドレスが割り当てられたことを示すために、リースされたIPアドレスが予約済みリストから使用済みリストへ動かされる。動的アルゴリズムが実現される場合、ステップ914が実行され、そこでは、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、予約済みリストのサイズを再計算する。静的アルゴリズムが実現される場合、ステップ914はスキップされる。ステップ916で、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、調節されたプールサイズと一致するようにIPアドレスをDHCPサーバから予約済みIPアドレスリストにリースし、新たにリースされたIPアドレスのための対応するエントリをタイマー待ち行列に追加する。
【0070】
ステップ910からの並列処理の他方の分岐はステップ918で起こり、そこでは、IPアドレスプロバイダマイクロサービスは、割り当て要求に応答して、IPアドレスをSMFに送信する。ステップ920で、並列処理は終わり、ステップ922で、アドレス割り当てのための論理フローが終わる。
【0071】
ステップ902に戻って、SMFからの要求が解除要求である場合、制御はステップ924に進み、そこでは、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、リースされたIPアドレスを使用済みリストから予約済みリストへ動かす。制御は次にステップ926に進み、そこでは、動的アルゴリズムが実現される場合、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、予約済みリストのサイズを再計算する。静的アルゴリズムが実現される場合、ステップ926は省略される。
【0072】
ステップ928で、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、予約済みIPアドレスリストにおける余分なIPアドレスを解除してDHCPサーバに戻し、対応するエントリをタイマー待ち行列から除去する。ステップ928での余分なIPアドレスとは、すでに解除されており、予約済みリストのサイズをその構成値よりも大きくするであろうIPアドレスであり得る。ステップ930で、IPアドレスを解除するためのプロセスが終わる。
【0073】
図10は、DHCPサーバからリースされたIPアドレスを取得し、SMFからのIPアドレス割り当て要求に応答するためにリースされたIPアドレスを使用するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。図10を参照して、ステップ1000で、IPアドレスがDHCPサーバから取得され、IPアドレスプールに格納される。たとえば、SMF108およびDHCPサーバ200から分離し得るIPアドレスプロバイダマイクロサービス400が、DHCPサーバ200からIPアドレスおよび対応するリースを要求して取得し、リースされたIPアドレスをIPアドレスプールに格納し得る。
【0074】
ステップ1002で、プロセスは、IPアドレスリースを維持することを含む。IPアドレスリースを維持することは、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400が、リース満了タイマーのすべてを保ち、リース更新タイマーよりも長く続くPDUセッションによってIPアドレスが使用されている場合には必要に応じてリースを更新することによって行なわれ得る。
【0075】
ステップ1004で、プロセスは、SMFからIPアドレスの割り当てのための要求を受信することを含む。たとえば、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400は、SMF108からIPアドレスの割り当てのための要求を受信し得る。要求は、IPアドレスプロバイダマイクロサービス400によって提供されるAPIを使用してフォーマット化され得る。
【0076】
ステップ1006で、プロセスは、IPアドレスをプールからSMFに割り当てることと、IPアドレスをSMFに通信することとを含む。たとえば、SMF108は、IPアドレスプールのうちの1つにおける予約済みIPアドレスリストのうちの1つからのIPアドレスを割り当て、IPアドレスを要求元SMFに通信し得る。
【0077】
このため、本明細書に記載されているステップを使用して、SMFの機能性は非常に簡略化される。加えて、DHCPサーバからIPアドレスのプールを予めリースするためにIPアドレスプロバイダマイクロサービスを使用して、PDUセッション設定時間も減少され得る。また、リース満了がPDUセッションにおいて混乱を引き起こす可能性が、さらに減少される。
【0078】
以下の参考文献の各々の開示は、その全体がここに引用により援用される:
参考文献
1.第3世代パートナーシッププロジェクト;技術仕様書 グループサービスおよびシステム局面;5Gシステム(5G System:5GS)のためのシステムアーキテクチャ;ステージ2(リリース16)、3GPP TS 23.501、V16.6.0(2020年9月)
2.ドロムス(Droms)ら、「動的ホスト構成プロトコル」、IETF RFC 2131、1997年3月
3.ドロムスら、「IPv6のための動的ホスト構成プロトコル(DHCPv6)」、2003年7月。
【0079】
ここに開示されている主題のさまざまな詳細は、ここに開示されている主題の範囲から逸脱することなく変更され得るということが理解されるであろう。さらに、上述の説明は、限定のためではなく、例示のためのものであるに過ぎない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】