(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】適量供給およびブレンドインカップ飲料プラットフォームのためのスマート在庫管理システム
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537287
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 US2021063366
(87)【国際公開番号】W WO2022132806
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523226103
【氏名又は名称】フレッシュ ブレンズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バーグマン, デニーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒルドマン, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ラング, マーク-アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB04
3E082CC05
3E082DD20
(57)【要約】
スマート在庫管理システムが、適量供給およびブレンドインカップ飲料プラットフォームに関して説明され、システムは、特定の製品に固有である一意の情報を記憶するように構成されている情報タグを有するコンテナと、記憶された情報を情報タグから読み取るように構成されている、読取機と、少なくとも部分的にその情報に基づいて、特定の製品に固有である情報を解釈し、1つまたは複数のシステム構成要素を制御するように構成されているソフトウェアベースの判断エンジンをホストするように構成されている制御ボードと、制御ボードによって制御されるポンプであって、飲料濃縮物を飲料ホルダの中に適量供給するために、飲料濃縮物をコンテナから外へと圧送するように構成されているポンプと、コンテナ上の開口部とポンプとの間に位置している逆止弁であって、逆止弁は、コンテナの中への異質溶液の逆流防止を提供するように構成されている、逆止弁とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適量供給およびブレンドインカップ飲料プラットフォームのためのスマート在庫管理システムであって、
特定の製品に固有である一意の情報を記憶するように構成されている情報タグを有する少なくとも1つのコンテナと、
前記コンテナに近接して位置している読取機であって、前記読取機は、前記記憶された情報を前記情報タグから読み取るように構成されている、読取機と、
ソフトウェアベースの判断エンジンをホストするように構成されている制御ボードであって、前記ソフトウェアベースの判断エンジンは、少なくとも部分的に前記情報に基づいて、特定の製品に固有である前記情報を解釈し、1つまたは複数のシステム構成要素を制御するように構成されている、制御ボードと、
前記制御ボードによって制御される少なくとも1つのポンプであって、前記情報タグ上に記憶された前記情報に基づいて飲料濃縮物を飲料ホルダの中に適量供給するために、前記飲料濃縮物を前記コンテナから外へと圧送するように構成されている少なくとも1つのポンプと、
前記コンテナ上の開口部と前記ポンプとの間に位置している少なくとも1つの逆止弁であって、前記逆止弁は、前記コンテナの中への異質溶液の逆流防止を提供するように構成されている、少なくとも1つの逆止弁と
を備えるシステム。
【請求項2】
特定の製品に固有である前記情報は、飲料製品組成パラメータ、飲料製品取扱パラメータ、飲料製造日パラメータ、飲料製品貯蔵寿命パラメータ、および飲料製品適量供給パラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記情報タグは、無線周波数識別(RFID)タグ、迅速応答(QR)コード(登録商標)、またはバーコードのうちの1つであり、ワイヤレス励振器は、無線周波数識別(RFID)励振器、迅速応答(QR)コード(登録商標)スキャナ、バーコードスキャナ、またはカメラである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
1つまたは複数のシステム構成要素の制御は、システム在庫を管理すること、ポンプパラメータを調節すること、適量供給パラメータを調節すること、または清浄プロトコルを開始することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記異質溶液は、洗浄水または清浄化学薬品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
特定の製品に固有である前記情報は、少なくとも飲料製品識別情報を含み、
前記ソフトウェアベースの判断エンジンは、少なくとも1つのポンプをアクティブ化することに先立って前記飲料製品識別情報を承認するように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンテナは、様々な消耗用液体を保持することが可能である液密バッグを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
消耗用液体のための原料バッグであって、前記原料バッグは、ワイヤレス読取可能な情報タグを備え、前記情報タグは、
特定の飲料製品に固有である、エンコードされた機械読取可能な情報を記憶することと、
前記読取機が前記情報タグ上に記憶された前記情報を読み取ることができるように、読取機に近接して位置しているとき、前記読取機にワイヤレスで係合することと
を行うように構成されており、前記特定の製品に固有である前記情報は、製品組成パラメータ、製品取扱パラメータ、製造日パラメータ、製品貯蔵寿命パラメータ、および製品適量供給パラメータのうちの少なくとも1つを含む、原料バッグ。
【請求項9】
前記情報タグは、無線周波数識別(RFID)タグ、迅速応答(QR)コード(登録商標)、またはバーコードのうちの1つであり、前記読取機は、無線周波数識別(RFID)励振器、迅速応答(QR)コード(登録商標)スキャナ、バーコードスキャナ、またはカメラである、請求項8に記載のコンテナ。
【請求項10】
前記情報タグは、ISO/IEC規格番号15693に準拠した無線周波数識別(RFID)タグである、請求項8に記載のコンテナ。
【請求項11】
前記コンテナは、前記バッグをポンプに接続するための結合器を備え、前記結合器は、逆止弁およびエルボを含み、前記逆止弁は、前記コンテナの中への異質溶液の逆流防止を提供するように構成されている、請求項8に記載のコンテナ。
【請求項12】
意思決定ルールベースのアクションのためのコンピュータ実装方法であって、
コンテナに近接して位置しているワイヤレス励振器を使用して、特定の製品に固有である一意の情報を記憶するように構成されている、前記コンテナ上に位置している情報タグをワイヤレスで読み取ることと、
前記一意の情報に基づいて、前記特定の製品と関連付けられた製品の識別情報、製品の真正性、および製品の出所のうちの少なくとも1つに関する点検を実施することと、
前記点検の結果に基づいて、ソフトウェア在庫管理システムにおけるパラメータを更新することと、
前記情報タグから読み取られた前記情報に基づいて、前記コンテナに結合されている流体導管に対して清浄プロセスが実行されるべきかを決定することと
を含む方法。
【請求項13】
前記パラメータは、製品貯蔵寿命および製品製造日のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記一意の情報に基づいて、製品固有のパラメータと一致するように飲料適量供給システムに対する設定を調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記設定は、ポンプの速さ、清浄ルーチン、および香味料プロファイルのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記情報タグから読み取られた前記情報に基づいて、飲料ディスペンサが、前記コンテナ内に貯蔵された前記製品を使用して飲料を出力することを防止することを決定することをさらに含む。請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記情報タグから読み取られた前記情報に基づいて、レシピ一覧を決定し、ユーザインターフェースに出力することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記情報タグから読み取られた前記情報に基づいて、飲料ディスペンサが、将来の日付または時間を過ぎて、前記コンテナ内に貯蔵された前記製品を使用して飲料を出力することを防止することを決定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
飲料適量供給システムへの前記コンテナの前記結合を示すように、前記製品と関連付けられたブロックチェーン台帳を更新することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年12月16日に出願された「SMART INVENTORY MANAGEMENT SYSTEM FOR A DISPENSING AND BLEND-IN-CUP BEVERAGE PLATFORM」と題する米国仮特許出願第63/126,222号の優先権を主張し、米国仮特許出願第63/126,222号の開示は、あらゆる目的のために参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、ブレンドインカップ飲料適量供給プラットフォームのためのスマート在庫および衛生管理システムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
(背景)
セルフサービスの飲料プラットフォームは、様々な施設において飲物を適量供給するために幅広く使用される。ファストフード店、沿道のコンビニエンスストア、給油所、およびカフェテリアは、冷凍、ブレンド、および適量供給される飲料の大量消費に関与する場所の例である。大量のため、これらのセルフサービスデバイスは、入れたての飲料において期待される成分を貯蔵および送達するための精巧なシステムを有しなければならない。したがって、そのような飲料プラットフォームのためのスマートかつ自動化された在庫および清浄管理の必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
適量供給およびブレンドインカップ飲料プラットフォームのためのスマート在庫管理システムが、本明細書に説明される。システムは、特定の製品に固有である一意の情報を記憶するように構成されている情報タグを有する少なくとも1つのコンテナと、コンテナに近接して位置している読取機であって、読取機は、記憶された情報を情報タグから読み取るように構成されている、読取機と、ソフトウェアベースの判断エンジンをホストするように構成されている制御ボードであって、ソフトウェアベースの判断エンジンは、少なくとも部分的にその情報に基づいて、特定の製品に固有である情報を解釈し、1つまたは複数のシステム構成要素を制御するように構成されている、制御ボードと、制御ボードによって制御される少なくとも1つのポンプであって、情報タグ上に記憶された情報に基づいて飲料濃縮物を飲料ホルダの中に適量供給するために、飲料濃縮物をコンテナから外へと圧送するように構成されている少なくとも1つのポンプと、コンテナ上の開口部とポンプとの間に位置している少なくとも1つの逆止弁であって、逆止弁は、コンテナの中への異質溶液の逆流防止を提供するように構成されている、逆止弁とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、特定の製品に固有である情報は、飲料製品組成パラメータ、飲料製品取扱パラメータ、飲料製造日パラメータ、飲料製品貯蔵寿命パラメータ、および飲料製品適量供給パラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、情報タグは、無線周波数識別(RFID)タグ、迅速応答(QR)コード(登録商標)、またはバーコードのうちの1つであり、ワイヤレス励振器は、無線周波数識別(RFID)励振器、迅速応答(QR)コード(登録商標)スキャナ、バーコードスキャナ、またはカメラである。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシステム構成要素の制御は、システム在庫を管理すること、ポンプパラメータを調節すること、適量供給パラメータを調節すること、または清浄プロトコルを開始することのうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、異質溶液は、洗浄水または清浄化学薬品を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、特定の製品に固有である情報は、少なくとも飲料製品識別情報を含み、ソフトウェアベースの判断エンジンは、少なくとも1つのポンプをアクティブ化することに先立って飲料製品識別情報を承認するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、コンテナは、様々な消耗用液体を保持することが可能である液密バッグを備える。
【0011】
消耗用液体のための原料バッグが、加えて開示され、原料バッグは、ワイヤレス読取可能な情報タグを含み、情報タグは、特定の飲料製品に固有である、エンコードされた機械読取可能な情報を記憶することと、読取機が情報タグ上に記憶された情報を読み取ることができるように、読取機に近接して位置しているとき、読取機にワイヤレスで係合することとを行うように構成されており、特定の製品に固有である情報は、製品組成パラメータ、製品取扱パラメータ、製造日パラメータ、製品貯蔵寿命パラメータ、および製品適量供給パラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、情報タグは、無線周波数識別(RFID)タグ、迅速応答(QR)コード(登録商標)、またはバーコードのうちの1つであり、読取機は、無線周波数識別(RFID)励振器、迅速応答(QR)コード(登録商標)スキャナ、バーコードスキャナ、またはカメラである。
【0013】
いくつかの実施形態では、情報タグは、ISO/IEC規格番号15693に準拠した無線周波数識別(RFID)タグである。
【0014】
いくつかの実施形態では、結合器が、バッグをポンプに接続するために含まれ、結合器は、逆止弁およびエルボを含み、逆止弁は、コンテナの中への異質溶液の逆流防止を提供するように構成されている。
【0015】
意思決定ルールベースのアクションのためのコンピュータ実装方法が、加えて開示され、方法は、コンテナに近接して位置しているワイヤレス励振器を使用して、特定の製品に固有である一意の情報を記憶するように構成されている、コンテナ上に位置している情報タグをワイヤレスで読み取るステップと、一意の情報に基づいて、特定の製品と関連付けられた製品の識別情報、製品の真正性、および製品の出所のうちの少なくとも1つに関する点検を実施するステップと、点検の結果に基づいて、ソフトウェア在庫管理システムにおけるパラメータを更新するステップと、情報タグから読み取られた情報に基づいて、コンテナに結合されている流体導管に対して清浄プロセスが実行されるべきかを決定するステップとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、パラメータは、製品貯蔵寿命および製品製造日のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
いくつかの実施形態は、一意の情報に基づいて、製品固有のパラメータと一致するように飲料適量供給システムに対する設定を調節することをさらに含み、設定は、ポンプの速さ、清浄ルーチン、および香味料プロファイルのうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
いくつかの実施形態は、情報タグから読み取られた情報に基づいて、飲料ディスペンサが、コンテナ内に貯蔵された製品を使用して飲料を出力することを防止することを決定することをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態は、情報タグから読み取られた情報に基づいて、レシピ一覧を決定し、ユーザインターフェースに出力することをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態は、情報タグから読み取られた情報に基づいて、飲料ディスペンサが、将来の日付または時間を過ぎて、コンテナ内に貯蔵された製品を使用して飲料を出力することを防止することを決定することをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態は、飲料適量供給システムへのコンテナの結合を示すように、製品と関連付けられたブロックチェーン台帳を更新することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、一実施形態による飲料適量供給プラットフォームの斜視図である。
【0023】
【
図2】
図2は、一実施形態による飲料適量供給プラットフォームの斜視図である。
【0024】
【
図3】
図3は、一実施形態による完全性ゲートエルボの図示である。
【0025】
【
図4】
図4は、一実施形態による製品バッグおよび付属のRFIDタグの底面図および側面図である。
【0026】
【
図5】
図5は、一実施形態によるRFID対応製品バッグおよびトレイ容器の側面図である。
【0027】
【
図6】
図6は、一実施形態による飲料適量供給システムへの完全性ゲートエルボ接続の図示である。
【0028】
【
図7】
図7は、一実施形態によるRFID対応製品バッグおよび飲料適量供給システムへの完全性ゲートエルボ接続の図示である。
【0029】
【
図8】
図8は、一実施形態による、ソフトウェア判断エンジンを伴うRFID制御ボードの概略図である。
【0030】
【
図9】
図9は、一実施形態によるRFID制御ボードおよび判断エンジンのプロセスに関するプロセスフローチャートである。
【0031】
【
図10】
図10は、一実施形態による、判断エンジンを使用してRFIDタグを読み取り、記憶された情報をアクションに変換するためのプロセスフローチャートである。
【0032】
【
図11】
図11は、一実施形態による、ブロックチェーン台帳を使用した製品検証のためのプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(詳細な説明)
以降、本開示の実装が、付随の図面の参照を伴って詳細に説明される。不必要な詳細を用いることで本説明を曖昧にすることがないように、周知の機能、構成、または構造の詳細な説明は、簡潔性および明瞭性のために省略される。
【0034】
本明細書で使用される用語は、特定の実装を説明する目的のみのためにあり、限定することを意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別様に文脈が明確に示さない限り、複数形も同様に含むことを意図されている。
【0035】
さらに、同一の参照番号は、図の解説において同一の要素に割り当てられ、相互に重複する説明は、省略される。
【0036】
本発明は、その用途において、本明細書で例証される構造物および説明されるステップの詳細に限定されない。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、関連出願のブレンドインカップ飲料適量供給システムまたはその広範な同等物のスマートかつ安全な在庫管理を確実にすることを意図されている。
【0037】
本開示の利点および特徴は、付随の図面と併せて検討される以下のより詳細な説明および請求項の参照を伴ってより深く理解されるようになり、図面では、同様の要素は、同様の番号を用いて示されている。同一の参照番号は、種々の図全体を通して同一の部分を指している。
【0038】
本開示の
図1および
図2は、本開示の原理および概念を具体化した飲料適量供給システムの一実施形態を含む。飲料適量供給システム1は、複数の構成要素を含む。一実施形態によると、飲料を大量に送達するためのいくつかの構成要素が、システムの筐体内に存在する。コントローラ構成要素は、氷容器を用いた内蔵式製氷を管理し、少なくとも1つの熱交換器が、氷容器と熱接触する筐体内に存在する。筐体の下側部分は、冷蔵製品貯蔵(バッグ内に充填された飲料シロップおよび濃縮物)のためのキャビネットと、製品、水、および内蔵式衛生化学薬品のための内部ポンプシステムと、高度衛生モジュールとを含む。
【0039】
図1に示されているように、飲料適量供給システム1が、提供される。これは、タッチスクリーンユーザインターフェース2と、一体型製氷機3と、内部構成要素4(例えば、制御装置、給水機、電子機器、および凝縮装置)と、オペレーティングシステム6を伴うメインコンピュータとを含む。飲料適量供給システム1は、移動を容易にするための一体型キャスタ16を含み得る。飲料製品は、貯蔵のために必要とされる温度を維持するためにキャビネットドア12によって密閉される冷蔵キャビネット15内のトレイ容器18内に貯蔵されるバッグ20内に充填される。製品バッグ20は、製品(飲料濃縮物、香味料、およびシロップ)を装填され、適量供給、冷凍、およびブレンドされる飲料において使用される。製品は、種々の飲料濃縮物と、水または炭酸水等の希釈剤と、氷または別の消耗用媒質を含み得る。このシステム1は、製品を製品バッグ20から、管およびラインを通して、製品適量供給ノズル7まで圧送する。
【0040】
大型タッチスクリーンユーザインターフェース2が、システムを動作させるために筐体の前面に取り付けられている。ユーザインターフェースは、機械がアイドリングモードにあるとき、デジタルマーチャンダイザーとして作用する。加えて、ユーザインターフェースは、末端消費者が種々のカテゴリ、香味料、および提供サイズにおいて飲料を選択することを可能にする。ユーザインターフェースは、専門の操作者が、食品の安全性の目的のために、点検、在庫管理および保守、ならびに清浄および衛生手順のための動作可能なシステムおよび方法にアクセスすることも可能にする。
【0041】
消費者は、飲料適量供給システム1のオペレーティングシステムにロードされた飲料レシピを伴うソフトウェアベースの調理本によって管理される様々な飲料から選択し得る。これらのレシピは、(飲料濃縮物またはシロップを装填されたバッグからの)最大4つまたはそれより多くの個々の香味料、氷塊および水、炭酸水、または別のベースリキッドを利用する。
【0042】
ユーザがドリンクを選択するとき、正確かつ最新のアレルゲン表記が、タッチスクリーンユーザインターフェース2上に表示される。これは、完全な透過性および食品の安全性を確実にし、一般に、食品ラベルの正確度を向上させる。また、この方法は、特定の食物アレルギーを伴う人々に対して安心を提供するため、有利である。システムは、製品の原料についての関連情報への特別なアクセスを与えることによって、特定のアレルゲンに対してアレルギーを引き起こす消費者の潜在的なアレルギー反応に対する付加的な保護を提供する。システムは、必要とされる食事量、原料、栄養、およびアレルゲン情報を提供し、これらを機械の操作者に表示することを可能にする。必要であれば、材料調達、製造、流通から貯蔵までのサプライチェーン全体が、追跡および表示されることができる。
【0043】
その後、製品は、カップ11または他のコンテナの中に適量供給される。飲料を所望の濃度に適切にブレンドまたは混合するために、カップは、飛散保護シールド8の後方に固定されたブレンドチャンバまで、自動化されたカップシャトルによって運搬される。カスタマイズされたカップホルダ9は、ブレンドインカップブレンダシャフトおよびブレード10を用いてブレンドシーケンス中に正しい位置にカップを保持し、カップの転倒を防止する。
【0044】
従来的なシステムでは、新しい製品バッグを冷蔵キャビネットの中に装填して、空であるか、消耗しているか、または期限が切れている製品を取り換えることは、手動作業の装填プロセスとは別に、装填された製品についての正しいかつ固有のデータが機械上の在庫管理画面に入力されていることを要求する。説明されている実施形態は、製品の装填プロセスと関連付けられた問題を排除し、手動作業を低減させ、再装填プロセスにおける機械の予想外のユーザ誤操作を回避する。さらに、開示されるシステムは、衛生手順を向上させ、したがって、交差汚染と、間違っているか、悪質であるか、または期限が切れている製品の使用またはカップの中への適量供給とを回避する。
【0045】
特に、各製品バッグ20は、(
図4に示されているような)無線周波数識別(RFID)タグ30を装備され得、これは、製造中にバッグに取り付けられている。各製品バッグ20は、製品バッグ内に含まれる特定の製品と関連付けられた全ての関連するデータおよびアルゴリズムを含むRFIDタグ30上に、所定の予めプログラムされたデータセットを備える。このデータは、例えば、他の製品組成パラメータ、製品取扱パラメータ、製造日パラメータ、製品貯蔵寿命パラメータ、および製品適量供給パラメータに加えて、変動する粘度に起因してどのように製品を適量供給するかについての香味料の識別情報、含有物、製造日、貯蔵寿命、およびポンプモータパラメータを含み得る。RFIDタグは、香味料を利用した、特定の香味料および特定のレシピのための特殊な提案を実行するための販売促進情報も記憶および提供し得る。これらの提案、販売促進、または割引は、次いで、システム1のタッチスクリーンユーザインターフェース2上に目立つように表示される。
【0046】
RFIDタグ30は、判断エンジンを伴うRFID制御ボード5によって管理される。制御ボードは、RFIDアンテナ13等のRFIDタグ読取機に動作可能に結合されている。RFID制御ボード5は、オペレーティングシステム6を伴うメインコンピュータに接続されている。システムのRFIDアンテナ13の位置付け、およびバッグ20上のRFIDタグ30に近接しているそれらの特定の場所は、バッグ20がシステムに装填されたときに有利である。特に、この設置は、異なる製品のために指定されるスロット内への製品の正しくない装填を回避し、在庫管理に伴う動作上の誤差を排除する。加えて、アンテナ13とタグ30との間の距離は、個々のスロットと個々の製品バッグ20との間の干渉も回避する。例示的実施形態では、アンテナ13とタグ30との間の距離は、最大1インチの約1/8、1インチの1/4、1インチの1/2、最大1インチ、または最大3インチであり得る。他の実施形態では、アンテナ13とタグ30との間の距離は、最大3フィートであり得る。
【0047】
図2は、システムの1の開放されたキャビネットを示している。RFIDアンテナ13は、ポンプ筐体17の上に設置され得、上記に説明されたように、製品バッグ20に取り付けられているRFIDタグ30から情報を読み取るように設計されている。RFIDアンテナ13は、ポンプ筐体17の上方の製品バッグ20の近位における垂直面内に位置している。アンテナ13は、タグと通信するために、および、オペレーティングシステム6を伴うメインコンピュータと通信するRFID制御ボード5と通信するために、タグ30に対して動作可能に結合されている。
【0048】
一実施形態では、RFIDアンテナ13およびタグ30は、ISO/IEC15693「識別カード-非接触集積回路カード-近傍カード」に説明される方法に従って通信する。この規格による通信は、13.56MHzのRFID読取/書込動作を利用し、水およびプラスチックを含む種々の媒質を通して正確な読取/書込動作を実施するための能力を提供するため、有利である。ISO/IEC15693認証タグは、個々に付番され、これは、システム内の各製品バッグを個々に追跡するための能力を可能にする。タグは、衝突防止識別プロトコルも有し、複数のタグが同時に読み取られることを可能にする。一実施形態では、タグは、タグがバッテリ源を有しない点において、パッシブタグである。パッシブタグは、タグが非常に長い貯蔵寿命を有するため、有利である。RFIDタグ30は、トレイ容器において、RFIDアンテナ13によって給電される。他の実施形態では、アクティブ(バッテリによって給電される)タグが、使用され得る。
【0049】
他の実施形態では、RFIDタグは、迅速応答(QR)コード(登録商標)、バーコード、または任意の他のワイヤレス読取可能な識別マーカによって置き換えられ得る。同様に、RFIDアンテナは、QRコード(登録商標)スキャナ、バーコードスキャナ、カメラ、または識別マーカを読み取ることが可能である任意の他のタイプの技術と置き換えられ得る。
【0050】
加えて、逆流防止逆止弁22を伴う個別の完全性ゲートエルボ19を使用してトレイ容器18に通信可能に接続されている複数のポンプ筐体17が、
図2に示されている。
図2に示されている例示的システムでは、2つの製品ポンプをそれぞれ伴う4つのポンプ筐体が、存在し、したがって、8つのスロットが、最大8つの製品を装填されることができる。これらの4つのポンプ筐体の各々は、ポンプコネクタと、RFIDアンテナ13とを伴う2つのスロットを有し、最大8つの製品バッグ20に対して、合計8つのポンプコネクタと、8つのRFIDアンテナ13とをもたらす。ポンプ制御ボード38は、製品ポンプモータ29と通信する。香味料が置き換えられるとき、古い製品と新しい製品との間の交差汚染を回避するために、システムは、内部衛生モジュールが、全ての製品ラインおよびポンプを自動的に洗流、洗浄、および消毒するための、製品に関連する清浄プロトコルを行うことを可能にする。
図1~2に示されているように、キャビネットの底部に位置している内部衛生モジュールは、一体型の定置清浄システムのための水および衛生化学薬品を保持する。代替実施形態では、清浄および衛生化学薬品は、機械の構成に応じて、ホースを通して機械に接続される外部コンテナから提供されることもできる。製品バッグは、完全性ゲートエルボの逆止弁が製品貯蔵庫の中への衛生化学薬品の逆流を防止するため、種々の自動化された清浄および消毒プロトコル中、機械の内側に装填された状態のままであることができる。完全性ゲートエルボは、製品バッグを取り外すことなく、または冷蔵キャビネットからトレイ容器を装填解除することなく、飲料適量供給プラットフォームが、自動化されたセルフ清浄プロセスを実行することを可能にする。これは、製品の完全性を維持し、最高の食品安全要件を満たす。
【0051】
図3は、完全性ゲートエルボ19の詳細図を示している。完全性ゲートエルボ19は、逆流防止逆止弁22と、バッグに接続するための注口継手環21(図示せず)と、ポンプコネクタ整合環24と、ポンプ筐体17に接続するための出口25とを含む。逆流防止逆止弁22は、製品が製品ライン23を通して一方向にのみ適量供給されることを確実にする。
【0052】
図4に示されているように、逆止弁22を伴う完全性ゲートエルボ19は、製品バッグの吸引ポート34において製品バッグ20に取り付けられ、したがって、バッグ20をポンプ筐体のポンプコネクタに接続する。代替実施形態では、逆止弁は、一体型逆止弁を伴わないエルボがバッグに対して使用されている場合、ポンプコネクタと製品ポンプとの間のポンプ筐体内またはその場所において一体化されることもできる。加えて、バッグ20は、ディップストリップ32を組み込む。ディップストリップ32は、剛性、長方形の排出支援デバイスであり得、これは、従来的な混合後のシロップおよび排出困難な果肉の多い果汁または高粘性液体の両方の便利な適量供給を可能にする。製品の最適化された排出のために、吸引ポート継手34およびデルタシール33が、注口出口35の近位に存在する。
図4は、製品バッグ20上のRFIDタグ30の例示的設置も示している。
【0053】
図5は、一実施形態による、トレイ容器18の中に挿入される製品バッグ20の例示的例証を示している。完全性ゲートエルボ19は、バッグ20の容器18の中への挿入時、トレイ容器18のスナップイン継手36と連携するように整合させられる。この手順の後、バッグおよび容器は、飲料適量供給システム1の中に固定して装填されるための準備ができている。
【0054】
図6は、製品バッグ20を装填されたトレイ容器18が、筐体の上にRFIDアンテナ13を伴うポンプ筐体17に接続される方法の例示的実施形態を示している。4つの筐体の各々は、2つのポンプモータ29を保持し、8つの製品スロットの各々に対して、各々が、1つのトレイ容器18を収容する。バッグ20がエルボ19を通してポンプコネクタ14に接続されると、ポンプモータは、ポンプ回転子26を駆動し、製品をバッグから外へと、適量供給ノズル7に向かって、製品出口ライン27の中へと圧送し、製品をカップ11の中に適量供給する。水入口ライン28は、衛生モジュールから、水および清浄化学薬品の両方を供給する。逆止弁22は、バッグからの製品が入口ライン28に進入することを防止する。
【0055】
図7は、製品バッグ20を装填されたトレイ容器18と、ポンプ筐体17上に搭載されるポンプコネクタ14との間の正常な接続の例示的実施形態を示している。この最終的な位置において、RFIDアンテナ13は、バッグ上のRFIDタグ30への接続を確立することができ、必要とされる位置において、RFIDタグから情報を読み取ることが可能である。RFID接続は、アンテナおよびタグが近接しているときのみ確立され、したがって、アンテナがタグから情報を読み取ること、および、それをRFID制御ボード5に伝送することを可能にすることができる。
【0056】
図8は、RFIDアンテナ13間の接続ネットワークの例示的図示を示している。アンテナ13は、バッグ上のRFIDタグ30から信号を受信し、この情報をRFID制御ボード5に伝送する。
【0057】
判断エンジン100は、RFID制御ボード5上にホストされ、ポンプ制御ボード38と通信し、製品、水、または衛生化学薬品のためのポンプ29、37をアクティブ化および非アクティブ化する。ソフトウェアベースの判断エンジン100は、多くの理由のために有利である。例えば、内部在庫管理は、正しい製品IDおよび貯蔵寿命を伴うRFIDカードから読み出されたデータに基づいて更新され、期限が切れているか、または悪質である製品のカップの中への適量供給を防止するために、正しい有効期限を設定することができる。新しい香味料がスロットのうちの1つに挿入された場合、システムは、機械が、新しい香味料を組み込んだレシピの異なるセットを伴う特定の調理本を選択することを可能にする。これは、誤った製品の適量供給、または誤ったレシピの適量供給を防止する。
【0058】
加えて、システムの判断エンジンは、在庫管理のために、製品の識別情報、真正性および出所、貯蔵寿命、ならびに製造日を点検し、ポンプの速さ等の製品固有のパラメータを設定し、必要な場合、清浄アルゴリズムを開始し、食品の安全性を維持し、新しい香味料が、以前に異なる香味料を装填されたスロットに装填された場合に交差汚染を防止する。システムは、期限が切れている、誤っている、認可されていない、承認されていない、および検証されていない、製品の予想外の使用を防止し、無効にし、機械の技術的な誤動作、および正しくないかまたは欠陥のある飲物の適量供給を回避する。
【0059】
図9は、RFID制御ボードおよび判断エンジン100の主要構成要素およびプロセスを説明するプロセスフローチャートを示している。判断エンジンを伴うRFID制御ボード5は、製品がトレイ容器18の中に挿入された後、エンコードされた情報をRFIDアンテナ13から受信する。この情報は、解析され、ソフトウェア判断エンジン100に送信される。所定のルール110に基づいて、判断エンジンは、エンコードされたアクションを準備し、オペレーティングシステム6を伴うメインコンピュータにアクションを送信する。特に、
図9に示されているように、ステップ210において、製品バッグ20が、トレイ容器18の中に挿入される。挿入されると、RFIDタグ30は、RFID制御ボード5に接続されているアンテナ13の極めて近位にある。ステップ220において、RFIDタグ30内に記憶されたエンコードされた入力は、アンテナ13によって読み取られ、RFID制御ボード5に送信される。RFID制御ボード5によって受信されると、エンコードされた入力は、解析され、ステップ230では、変換された入力が、判断エンジン100に送信される。ステップ240において、判断エンジン100は、ステップ230において受信された情報に基づいて、必要とされるアクションを決定するために、所定のルール110を参照する。ステップ250では、判断エンジン100は、エンコードされたアクションを、オペレーティングシステム6を伴うメインコンピュータに送信する。ステップ260において、オペレーティングシステム6を伴うメインコンピュータは、続いて、必要とされるアクションを実施し、これは、
図9に示されているように、衛生ポンプ37を介して高度な衛生ルーチンを実施することを含み得る。付加的なアクションは、RFIDタグ30を介して受信された製品情報と関連付けられた在庫またはパラメータを調節することを含み得る。
【0060】
図10は、RFIDタグを読み取り、判断エンジンを使用して、記憶された情報をアクションに変換することを説明するプロセスフローチャートを示している。特に、
図10に示されているように、ステップ305において、RFID制御ボード5ならびにRFID読取機およびアンテナ13は、飲料システムと併用するために初期化される。初期化プロセスが完了すると、ステップ310において、システムは、製品バッグ20が、トレイ容器18の中に挿入されるのを待つ状態に入る。この状態にある間、システムは、製品バッグがトレイ容器18の中に挿入されているかどうかを絶えず点検している。ループ312に示されているように、システムがトレイ容器18内に製品バッグ20を検出しない場合、システムは、タイムアウトカウンタを設定し、この時間中、トレイ容器18内での製品バッグ20に関する点検を遅延させる。タイムアウトカウンタは、任意の所定または可変時間枠にプログラムされることができる。タイムアウトカウンタが経過すると、システムは、再度、製品バッグがトレイ容器18内に存在するかどうかを確かめるために点検する。製品バッグが検出された場合、システムは、ループ314に入り、この間にシステムは、タグ30から、情報を入手するか、または読み取ることを試みる。タグが検出されなかった場合、ループ314は、製品バッグ20が容器トレイ18内に存在するかどうかを再度点検することに戻る。タグ30が検出された場合、システムは、ステップ316に移動し、タグが有効なタグであるかどうかを決定することを試みる。システムがタグが有効であるかどうかを決定すると、ステップ320において、製品情報101が、アンテナ13によって読み取られ、RFID制御ボード5に渡される。製品情報101は、他の製品組成パラメータ、製品取扱パラメータ、製造日パラメータ、製品貯蔵寿命パラメータ、および製品適量供給パラメータに加えて、変動する粘度に起因してどのように製品を適量供給するかについての香味料の識別情報、内容物、製造日、貯蔵寿命、およびポンプモータパラメータのうちの任意のものを含み得る。ステップ322において、この情報は、次いで、以前の状態の製品情報102と比較される。製品情報101が以前の状態の製品情報102と異なる場合、ステップ332において、在庫は、製品情報101と関連付けられた新しい製品情報および設定103に適応するように調節される。この調節が行われると、ステップ334において、衛生手順が、実行される。製品情報101が以前の状態の製品情報102と同一である場合、ステップ342において、在庫情報は新しい量の製品に適応するように調節されるが、製品のタイプは、調節される必要がない場合がある。この場合、向上した衛生手順は、必要とされない。
【0061】
加えて、システムの判断エンジンは、RFIDタグをスキャンしてブロックチェーン台帳に通信することによって、製品の識別情報、真正性、および原産地を検証することが可能である。スマートコントラクトが、実行され、次いで、複数の信頼されるノードが、情報がブロックチェーン台帳に戻って書き込まれる前にそれが正しいことを検証する。ブロックチェーン台帳内の各エントリは、暗号的に署名され、暗号化され、これは、詐欺を阻止し、ハッキングの機会を低減させる。製品バッグのRFIDタグをスキャンしてデータを追加することによって、サプライチェーンプロセス全体が透過的な状態になる一方、履歴状態データは以前のブロック内に留まったままであるため、製品の原産地を迅速かつ安価に検証することが可能になる。真正性に合格しない製品はいずれも、次いで、疑わしいものとなり、機能不良、誤動作、または交差汚染を回避し、ブロックチェーン台帳によって要求される場合、清浄および衛生プロセスを強化するために、この製品を使用しないように機械をロックする。非乳製品以外にも、乳製品含有製品は、潜在的なアレルゲンの局面のためだけではなく、異なる貯蔵寿命および取扱仕様に起因して、特定の清浄プロトコルを要求する。RFIDタグを伴う全ての製品バッグは、それら自体のかつ特定の清浄プロトコルを機械に提供する。台帳は、食品の安全性および規制要件を追跡するための清浄プロトコルの包括的かつシームレスなドキュメンテーションを提供する。
【0062】
製品バッグがトレイ容器18の中に挿入されると、RFIDタグからのエンコードされた情報30は、RFIDアンテナ13を通して読み取られ、ソフトウェア判断エンジン100に渡される。読み出された情報101は、スマートコントラクトを含み、これは、ブロックチェーンにアップロードされ、実行され、(例えば、農場からカップまでの)製品サプライチェーン全体を通して持続し得るブロックチェーン上に以前に記録された情報と比較される。ブロックチェーンの使用は、製品の純度および出所の付加的な証明と、原料およびアレルゲンの一覧化の正確度とを提供するため、有利である。
【0063】
具体的には、
図11に示されているように、ステップ410におけるソフトウェア判断エンジン100は、最初に、製品詐欺111に関するタグ情報を点検する。これは、ステップ412において、スマートコントラクトをブロックチェーンにアップロードすることによって行われ、この後、ステップ414において、情報は、判断エンジン100内のデータベースブロックチェーン台帳、または、例えばクラウド内の遠隔動作する別個の検証プロセスに対して、一意の製品コード、製造日、貯蔵寿命、およびポンプモータパラメータを使用して比較される。製品バッグがブロックチェーン上に以前に登録されている場合、ステップ416において、新しいブロックが、ブロックチェーン台帳に追加され、ループは、タグが有効であるというインジケーションを返す。製品バッグがブロックチェーン上に以前に登録されていない場合、ステップ418において、ループは、タグが無効であるというインジケーションを返す。
【0064】
一局面では、方法は、動作、命令、または機能であり得、その逆も同様である。一局面では、付記または請求項は、他の1つもしくは複数の付記、1つもしくは複数の用語、1つもしくは複数の文、1つもしくは複数の語句、1つもしくは複数の段落、および/または1つもしくは複数の請求項において列挙されている用語(例えば、命令、動作、機能、または構成要素)の一部または全てを含むように補正され得る。
【0065】
ハードウェアおよびソフトウェアの互換性を例証するために、種々の例示的ブロック、モジュール、構成要素、方法、動作、命令、およびアルゴリズム等の項目が、一般にそれらの機能性の観点から説明されている。そのような機能性がハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実装されるかどうかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依存する。当業者は、特定の用途毎に、様々な手法において、説明される機能性を実装し得る。
【0066】
本明細書は、多くの詳細を含むが、これらは、主張され得る内容の範囲への限定として解釈されるべきではなく、むしろ、主題の特定の実装の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において、本明細書内で説明されるある特徴は、単一の実施形態において、組み合わせにおいて実装されることもできる。逆に言えば、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴が、複数の実施形態において、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせにおいて実装されることもできる。さらに、ある組み合わせにおいて作用するものとして、特徴が上記に説明され、最初に、そのように主張さえされ得るが、主張される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、ある場合には、その組み合わせから削除されることができ、主張される組み合わせは、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0067】
本明細書の主題は特定の局面の観点において説明されているが、他の局面が、実装されることもでき、以下の請求項の範囲内にある。例えば、動作は、図面において、特定の順序において描写されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序または順次順序において実施されるものとして、または、全ての図示されている動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。請求項において列挙されているアクションは、異なる順序において実施されることができ、依然として、望ましい結果を達成することができる。一実施例として、付随の図に描写されているプロセスは、必ずしも、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序または順次順序を要求しない。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明された局面における種々のシステム構成要素の分離は、全ての局面において、そのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品内にともに一体化され得るか、または複数のソフトウェア製品の中にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0068】
図面の表題、背景、および簡単な説明、要約、および図面は、本明細書によって本開示の中に援用され、制限する説明としてではなく、本開示の例証的実施例として提供される。これは、それらが請求項の範囲または意味を限定するために使用されていないという理解を伴って提起される。加えて、詳細な説明では、説明は例証的実施例を提供し、種々の機能は本開示を合理化する目的のために種々の実装においてともにグループ化されることが分かり得る。本開示の方法は、請求項される主題が、各請求項において明示的に列挙されているより多くの機能を要求するという意図を反映していると解釈されるべきでない。むしろ、請求項が反映しているように、発明の主題は、単一の開示される構成または動作の全ての特徴より少ない。請求項は、本明細書によって詳細な説明において援用され、各請求項は、個別に主張される主題として、それ自体で成立する。
【0069】
請求項は、本明細書に説明される局面に限定されることを意図されておらず、請求項の文言と一致する完全な範囲を許容され、全ての法的同等物を包含するべきである。それにもかかわらず、請求項はいずれも、適用され得る特許法の要件を充足することができない主題を包含することを意図されておらず、そのように解釈されるべきではない。
【国際調査報告】