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特表2024-5007943D印刷用のシリコーンベースの熱可塑性材料
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  • 特表-3D印刷用のシリコーンベースの熱可塑性材料 図1
  • 特表-3D印刷用のシリコーンベースの熱可塑性材料 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】3D印刷用のシリコーンベースの熱可塑性材料
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/64 20060101AFI20231227BHJP
   C08G 18/18 20060101ALI20231227BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20231227BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20231227BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231227BHJP
【FI】
C08G18/64 069
C08G18/18
B33Y70/00
B33Y80/00
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537298
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2021086242
(87)【国際公開番号】W WO2022129359
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20306609.7
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515023350
【氏名又は名称】セットアップ パフォーマンス エスエーエス
(71)【出願人】
【識別番号】507421304
【氏名又は名称】エルケム・シリコーンズ・フランス・エスアエス
【氏名又は名称原語表記】ELKEM SILICONES France SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ジメネス,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】デム,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロシェット,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】モレー,トマ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス,ジャン-マルク
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034BA07
4J034DA01
4J034DB04
4J034DB07
4J034DM01
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD02
4J034KD12
4J034KE02
4J034QB14
4J034RA19
(57)【要約】
本発明は、オルガノシロキサンブロックコポリマーの総質量に対して少なくとも90質量%のシリコーン含量を有するポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの製造方法に関するものである。本発明はさらに、この方法によって得られたポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー、及び付加技術による3D物品の製造方法におけるその使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン含量が、オルガノシロキサンブロックコポリマーの総質量に対して少なくとも90質量%である、ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)の製造方法であって、以下の工程:
1)以下の化合物:
a)式(A):
【化1】
の長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサン、
b)式(B):
【化2】
の短鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンである鎖延長剤、
c)式(C):
O=C=N-Y-N=C=O (C)
の少なくとも1種のジイソシアネート、
d)任意に式(D):
【化3】
のヒドロキシル又はアミノ単官能ポリシロキサンである分岐剤、
e)及び式(E):
【化4】
のグアニジンベースの触媒(E)、
を用意する工程、
2)Nbモルの式(B)の鎖延長剤、Ncモルの式(C)の少なくとも1種のジイソシアネート、任意にNdモルの式(D)の分岐剤及びNeモルの式(E)のグアニジンベースの触媒を、Naモルの式(A)の長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンに添加する工程
(式中、
- -Q-、-T-及び-X-は、同一又は異なり、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキレン基を表し、又は(C6~C22)アリーレン基を表し、
- -M、-W及び-Zは、同一又は異なり、-OH又は-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~22)アリール基を表し、
- -Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキル基であり、又は(C6~C22)アリール基を表し、
- -Y-は、(C1~C36)直鎖状又は環状のアルキレン基、(C6~C13)アリーレン基、又はオルガノポリシロキサンを表し、
- -R1、-R2及び-R3は、同一又は異なり、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C20)アルキル基を表し、
- -R3’は、-R3又は-Uを表し、
- -R4、-R4’及び-R5は、同一又は異なり、互いに独立して、-H、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換されている若しくは非置換のシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(シクロアルキル)アルキル基、置換されている若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(ヘテロシクロアルキル)アルキル基、又はフルオロアルキル基を表し、
- -R6は、-H、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;置換されている若しくは非置換であり且つ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されているアルキル基;芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、アルキルアミン基又はアルキルグアニジン基を表し、
- -R7は、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;置換されている若しくは非置換であり且つ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されているアルキル基;又はアリールアルキル、フルオロアルキル、アルキルアミン若しくはアルキルグアニジン基を表し、
- 又は-R6及び-R7は結合して、1つ若しくは複数の置換基で置換されていてもよい、3-、4-、5-、6-若しくは7-員シクロアルキルを一緒になって形成し、
- aは、30~1000の範囲の整数であり、
- bは、1~15の範囲の整数であり、
- cは、10~400の範囲の整数であり、
- dは、10~400の範囲の整数であり、
- 比率a/bは、2~200の範囲であり、
- モル比Nb/(Na+Nb+Nd)は、5%~60%の範囲であり、
- モル比Nc/(Na+Nb+Nc+Nd)は、45~55%の範囲であり、
- モル比Nd/(Na+Nd)は、0~20%の範囲である)
を含み、
- 硬質セグメント比が、1~94%の範囲であり、硬質セグメント比が、HS=(NbMb+NcMc)/(NaMa+NbMb+NcMc+NdMd)(式中、Ma、Mb、Mc及びMdは、それぞれ式(A)、(B)、(C)及び(D)の化合物の分子量を表す)で定義される、
方法。
【請求項2】
-R1、-R2及び-R3が、同一又は異なり、(C1~C10)アルキル基、特に、最終的に(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換されるメチル基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-Q-、-T-及び-X-が、同一又は異なり、(C1~C10)アルキレン基を表す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
-M、-W及び-Zが、同一であり、好ましくは-NHR’を表し、-R’が好ましくは-Hを表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
-Y-が、(C3~C13)直鎖状又は環状のアルキレンを表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
式(C)のジイソシアネートを1種だけ使用する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
式(C)の少なくとも1種のジイソシアネートが、式(A)、(B)及び存在する場合(D)の化合物と比較して化学量論的割合で存在し、これが化学量論的指数比Icの値が1に等しいことを意味し、化学量論的指数比が、Ic=2Nc/(2Na+2Nb+Nd)によって定義される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種のジイソシアネート(C)が、式(A)、(B)及び存在する場合(D)の化合物と比較して非化学量論的割合で存在し、これが化学量論的指数比Icの値が1とは異なり、特に1を上回ることを意味し、化学量論的指数比が、Ic=2Nc/(2Na+2Nb+Nd)によって定義され、好ましくはジイソシアネート(B)が、1<Ic≦1.20であるように過剰で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
グアニジンベースの触媒(E)が、以下の中から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法:
【化5】
【請求項10】
反応を化学反応器中で行う、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
式(A)の長鎖ポリシロキサンを、溶媒、又は溶媒の混合物に溶解させ、その後に式(B)の鎖延長剤、式(C)の少なくとも1種のジイソシアネート、任意に式(D)の分岐剤、及びグアニジンベースの触媒(E)を添加する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
式(B)の鎖延長剤、式(C)の少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式(D)の分岐剤、及びグアニジンベースの触媒(E)を、式(A)の長鎖ポリシロキサンに同時に添加する、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
式(B)の鎖延長剤、式(C)の少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式(D)の分岐剤、及びグアニジンベースの触媒(E)を、任意の順序で、式(A)のポリシロキサンに次々に添加する、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項14】
反応を、押出機、好ましくは二軸スクリュー押出機内で行う、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
式(A)のポリシロキサン、式(B)の鎖延長剤、式(C)の少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式(D)の分岐剤、及びグアニジンベースの触媒(E)が、全て前記押出機の第1の加熱ゾーンに導入される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
式(A)のポリシロキサンが前記押出機の第1の加熱ゾーンに導入され、式(B)の鎖延長剤、式(C)の少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式(D)の分岐剤、及びグアニジンベースの触媒(E)の少なくとも1つが、押出機の第2の加熱ゾーン又は後続の加熱ゾーンに導入される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法によって得られたポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)。
【請求項18】
0~60ショアAの範囲の硬度を有する、請求項17に記載のポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)。
【請求項19】
少なくとも200%、好ましくは少なくとも500%の破断伸びを有する、請求項17又は18に記載のポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)。
【請求項20】
50~140℃、好ましくは70~110℃の範囲の溶融温度を有する、請求項17から19のいずれか一項に記載のポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)。
【請求項21】
2.16kg下120℃で1~100cm.10分-1の範囲のメルトフローインデックスを有する、請求項17から20のいずれか一項に記載のポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)。
【請求項22】
請求項17から21のいずれか一項に記載のポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマー(I)を用いた、付加技術による3D物品の製造方法。
【請求項23】
前記3D物品が、溶融フィラメント製造プリンター及び液滴堆積プリンターから選択される3Dプリンターで製造されたものである、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの製造、及び得られたポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの、付加技術による3D物品の製造のための使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オーダーメイドの低コスト3D物品の製造を可能とする三次元(3D)印刷技術の出現により、ここ数年は転換期を迎えている。このような技術を用いて、3D物品は1層ずつ製造される。この目的のため、上流のコンピュータ支援設計ソフトウェア(CAD)により、得ようとする3D物品の3D構造は、薄片に分割される。次いで、3D物品全体が製造されるまで、材料の連続した薄片又は層を積層することにより、3D物品が作製される。つまり、以下の二進系列を繰り返し行うことで、薄片が1つずつ層の形態で生成される:
- 所望の物品を製造するために必要な材料の層を堆積させる工程、次いで
- 前記層を凝集させ、前記層を、あらかじめ定められたパターンに従って存在する場合に先行する層に結合させる工程。
【0003】
このように3D物品は、互いに結合させた基本層を重ねることで構成されている。
【0004】
従来の3D印刷プロセスは、特定の種類の材料に制限されている。これらの材料は、耐熱性(すなわち、付加プロセス中の加熱で分解が生じない)、耐湿性、耐放射線性及び耐候性があり、固化時間が遅く、且つ適切な粘度を有するべきである。重要なことは、崩壊しない満足な機械的強度を有する3D物品を製造するために、薄片又は層が互いに接着することである。理想的には、材料は低い溶融温度と適切な粘度も有するべきである。材料の粘性が高すぎる場合、3Dプリンターにできることが何かを考慮すると、ダイを通して押し出すのに必要な圧力が高すぎる。一方、材料が流動的すぎると、溶融強度が不足するので、最後に堆積させた層が前の層の上ですぐに崩れる。
【0005】
機械的特性、及びより具体的には硬度に関して、従来の材料は、70よりも高いショアA硬度を有している場合、硬質とみなされる。より低い硬度、典型的にはショアA60未満、又はさらに40未満の材料が求められている。
【0006】
熱可塑性シリコーンは多様な分野で広く使われているが、3D印刷可能な材料の分野ではほとんど使われていない。興味深いのは、これらが熱、放射線及び天候に対する良好な安定性を有することである。さらに、これは比較的低温でも弾性特性を維持し、非常に小さい表面張力及び柔らかい感触が特徴である。しかし、その加工性は通常、付加技術に用いるには不十分である。
【0007】
国際特許出願公開第2017/044735号パンフレットには、3Dプリンターで熱可塑性シリコーン組成物を使用して3D物品を形成する方法が記載されている。開示された熱可塑性シリコーン組成物は、シリコーンを他の成分と組み合わせて含む。使用された熱可塑性シリコーン組成物の硬度、又はその安定性に関する情報は提供されていない。典型的には、例示された熱可塑性シリコーン組成物の種類について、硬度は中程度であって、付加技術、特に解剖模型の印刷に使用するには十分な低さではないことがある。一方、3D印刷プロセスでは、高温で材料の流れを最適化するため、且つ機械的安定性が保持できるよう層の堆積後に3D物品が崩壊しないことを保証するため、中程度の粘度が要求される。多成分組成物の使用は安定性の問題を引き起こす場合もある。
【0008】
欧州特許出願第20315123.8号明細書は、付加技術による3D物品の製造のためにオルガノシロキサンブロックコポリマーの総質量に対して少なくとも90質量%のシリコーン含量を有するポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの使用について記載している。前記ブロックコポリマーは、触媒が存在する状態で、長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサン、鎖延長剤、少なくとも1種のジイソシアネート、任意の分岐剤を反応させることによって製造される。触媒は、銅ベースの触媒、ジルコニウムベースの触媒、スズベースの触媒及びチタンベースの触媒から選択される。
【0009】
米国特許出願公開第2013/0253085号明細書は、少なくとも1種のシロキサン及びポリイソシアネートを含む発泡性組成物に関する。組成物は、スズ化合物、亜鉛化合物、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物及びアミンから選択された触媒、好ましくはスズ、ジルコニウム及びビスマス化合物をさらに含んでいてもよい。
【0010】
有機金属触媒、特にスズベースの触媒は、有毒であり、環境にとって汚染物質であり得る。
【0011】
したがって、有毒でなく、環境にやさしく、先行技術からの有機金属触媒と少なくとも同様の収率、並びに同様に良好な熱特性及び機械的特性を備えた付加プロセスにおいて使用され得る熱可塑性シリコーンをもたらし得る触媒をもたらす必要がある。
【0012】
非有機金属触媒は、ポリシロキサンの製造について報告されている(米国特許出願公開第2014/0187731号明細書及び米国特許出願公開第2019/00768号明細書参照)が、ポリウレア又はポリウレタンオルガノシロキサンブロックコポリマーについて報告されていない。
【0013】
付加プロセスにおいて使用され得る熱可塑性シリコーンは、有利には前述の特性(耐熱性、耐湿性、放射線に対する耐性、耐候性、遅い凝固時間、適切な粘性、薄片の互いへの接着)に加えて、低硬度及び低融点温度を有することが思い起こされる。
【0014】
この目的のために、出願人は、先行技術から公知の有機金属触媒と少なくとも同様に良好な熱特性及び機械的特性、並びに少なくとも同様に良好な収率をもたらし得る新しい触媒を確認するために研究計画に着手した。そうすることによって、出願人は、特定のグアニジンベースの触媒が満足な収率で、及び少なくとも同様に良好な、さらには向上した熱特性及び機械的特性を有する所望のコポリマーをもたらすことを驚くべきことに見出した。
【0015】
米国特許出願公開第2011/0263743号明細書に記載するように、グアニジンベースの触媒はイソシアネートとアルコール官能基との反応を促進してポリウレタンをもたらすことが知られている。しかし、この文献は、この種の触媒を使用して、ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの製造について記載していない。この文献は、結果として生じるポリマーの熱特性及び機械的特性について検討していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際特許出願公開第2017/044735号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願第20315123.8号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0253085号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0187731号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2019/00768号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2011/0263743号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
この文脈の中で出願人は、特定のグアニジンベースの触媒の使用が、良好な収率で、及び熱的特性、機械的特性が向上、特に、硬度及び破断応力が向上したポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーをもたらすことを見出した。次いで、特許請求する発明は、これらのポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーと、そのグアニジンベースの触媒での製造の方法と、付加技術による3D物品の製造の方法における、特に解剖模型の製造における、それらの使用とに関するものである。
【0018】
具体的には、本発明は、シリコーン含量が、オルガノシロキサンブロックコポリマーの総質量に対して少なくとも90質量%である、ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの製造方法であって、以下の工程:
1)以下の化合物:
a)式A:
【0019】
【化1】
の長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサン、
b)式B:
【0020】
【化2】
の短鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンである鎖延長剤、
c)式C:
O=C=N-Y-N=C=O (C)
の少なくとも1種のジイソシアネート、
d)任意に式D:
【0021】
【化3】
のヒドロキシル又はアミノ単官能ポリシロキサンである分岐剤、
e)及び式E:
【0022】
【化4】
のグアニジンベースの触媒(E)
を用意する工程、
2)Nbモルの式Bの鎖延長剤、Ncモルの式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、任意にNdモルの式Dの分岐剤及びNeモルの式Eのグアニジンベースの触媒を、Naモルの式Aの長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンに添加する工程
(式中、
- -Q-、-T-及び-X-は、同一又は異なり、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキレン基を表し、又は(C6~C22)アリーレン基を表し、
- -M、-W及び-Zは、同一又は異なり、-OH又は-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~22)アリール基を表し、
- -Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキル基であり、又は(C6~C22)アリール基を表し、
- -Y-は、(C1~C36)直鎖状又は環状のアルキレン基、(C6~C13)アリーレン基、又はオルガノポリシロキサンを表し、
- -R1、-R2及び-R3は、同一又は異なり、最終的に1つ若しくは複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C20)アルキル基を表し、
- -R3’は、-R3又は-Uを表し、
- -R4、-R4’及び-R5は、同一又は異なり、互いに独立して、H、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換されている若しくは非置換のシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(シクロアルキル)アルキル基、置換されている若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(ヘテロシクロアルキル)アルキル基、又はフルオロアルキル基を表し、
- -R6は、-H、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;置換若しくは非置換であり且つ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されているアルキル基;芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、アルキルアミン基又はアルキルグアニジン基を表し、
- -R7は、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;置換されている若しくは非置換であり且つ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されているアルキル基;又はアリールアルキル、フルオロアルキル、アルキルアミン若しくはアルキルグアニジン基を表し、
- 又は-R6及び-R7は結合して、1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、3-、4-、5-、6-若しくは7-員のシクロアルキルを一緒になって形成し、
- aは、30~1000の範囲の整数であり、
- bは、1~15の範囲の整数であり、
- cは、10~400の範囲の整数であり、
- dは、10~400の範囲の整数であり、
- 比率a/bは、2~200の範囲であり、
- モル比Nb/(Na+Nb+Nd)は、5%~60%の範囲であり、
- モル比Nc/(Na+Nb+Nc+Nd)は、45~55%の範囲であり、
- モル比Nd/(Na+Nd)は、0~20%の範囲である)
を含み、
- 硬質セグメント比が、1~94%の範囲であり、硬質セグメント比が、HS=(NbMb+NcMc)/(NaMa+NbMb+NcMc+NdMd)(式中、Ma、Mb、Mc及びMdは、それぞれ式A、B、C及びDの化合物の分子量を表す)で定義される、
方法に関する。
【0023】
本発明による製造方法は、有利には以下の特徴のうちの1つ又は複数をさらに有する:
- -R1、-R2及び-R3が、同一又は異なり、(C1~C10)アルキル基、特に、最終的に(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換されるメチル基を表す、
- -Q-、-T-及び-X-が、同一又は異なり、(C1~C10)アルキレン基を表す、
- -M、-W及び-Zが、同一であり、好ましくは-NHR’を表し、-R’が好ましくは-Hを表す、
- -Y-が、(C3~C13)直鎖状又は環状のアルキレンを表す、
- 式Cのジイソシアネートを1種だけ使用する、
- 式Cの少なくとも1種のジイソシアネートが、式A、B及び存在する場合Dの化合物と比較して化学量論的割合で存在し、これが化学量論的指数比Icの値が1に等しいことを意味し、化学量論的指数比が、Ic=2Nc/(2Na+2Nb+Nd)によって定義される、
- 少なくとも1種のジイソシアネート(C)が、式A、B及び存在する場合Dの化合物と比較して非化学量論的割合で存在し、これが化学量論的指数比Icの値が1とは異なり、特に1を上回ることを意味し、化学量論的指数比が、Ic=2Nc/(2Na+2Nb+Nd)によって定義され、好ましくはジイソシアネートBが、1<Ic≦1.20であるように過剰で存在する、
- グアニジンベースの触媒(E)が、以下の中から選択される、
【0024】
【化5】
- 反応を化学反応器中で行う、
- 反応を化学反応器中で行う場合、式Aの長鎖ポリシロキサンを、溶媒、又は溶媒の混合物に溶解させ、その後に式Bの鎖延長剤、式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、任意に式Dの分岐剤、及びグアニジンベースの触媒Eを添加する、
- 反応を化学反応器中で行う場合、式Bの鎖延長剤、式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式Dの分岐剤、及びグアニジンベースの触媒(E)を、式Aの長鎖ポリシロキサンに同時に添加する、
- 反応を化学反応器中で行う場合、式Bの鎖延長剤、式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式Dの分岐剤、及びグアニジンベースの触媒Eを、任意の順序で、式(A)のポリシロキサンに次々に添加する、
- 反応を、押出機、好ましくは二軸スクリュー押出機内で行う、
- 反応を押出機中で行う場合、式Aのポリシロキサン、式Bの鎖延長剤、式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式Dの分岐剤、及びグアニジンベースの触媒Eが、全て前記押出機の第1の加熱ゾーンに導入される、
- 反応を押出機中で行う場合、式Aのポリシロキサンが前記押出機の第1の加熱ゾーンに導入され、式Bの鎖延長剤、式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、存在する場合は式Dの分岐剤、及びグアニジンベースの触媒Eの少なくとも1つが、押出機の第2の加熱ゾーン又は後続の加熱ゾーンに導入される。
【0025】
本発明は、また、本発明による製造方法によって得られたポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーに関する。本発明によるポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーは、有利には以下の特徴のうちの1つ又は複数を有する:
- ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーIは、0~60ショアAの範囲の硬度を有する、
- ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーIは、少なくとも200%、好ましくは少なくとも500%の破断伸びを有する、
- ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーIは、50~140℃、好ましくは70~110℃の範囲の溶融温度を有する、
- ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーIは、2.16kg下120℃で1~100cm.10分-1の範囲のメルトフローインデックスを有する。
【0026】
本発明は、また、本発明によるポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーを用いた、付加技術による3D物品の製造方法に関する。有利なことに、このような物品が、溶融フィラメント製造プリンター及び液滴堆積プリンターから選択される3Dプリンターで製造されたものである。
【0027】
最後に、本発明は、本発明による製造の方法により得られた3D物品に関する。本発明の文脈において、印刷物は様々な分野で、特に医学分野で、例えば解剖模型の印刷に使用してよい。解剖模型として使用するためには、印刷物は滑らかで、十分に硬いが硬すぎず、有利には半透明でなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】コポリマーCP2.6で印刷された耳の模型を表す図である。
図2】コポリマーCP2.6で印刷されたダンベルを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明によるポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーの製造方法
第1の態様によれば、本発明は、ポリウレア又はポリウレタンオルガノポリシロキサンブロックコポリマーI(以下、CPと略す)の製造方法に関する。このCPは、グアニジンベースの触媒が存在する状態で、長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサン、短鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンである鎖延長剤、少なくとも1種のジイソシアネート、任意にヒドロキシル又はアミノ単官能ポリシロキサンである分岐剤の反応によって製造される。
【0030】
- 長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサン
本発明によれば、長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンは、式A:
【0031】
【化6】
(式中、
- -Q-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキレン基を表し、又は(C6~C22)アリーレン基を表し、
- -Wは、-OH又は-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~22)アリール基を表し、
- -R1は、最終的に1つ若しくは複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C20)アルキル基を表し、
- aは、30~1000の範囲の整数である)
のものである。
【0032】
「アルキレン」とは、2価のアルキル基を意味する。他に指定のない限り、アルキル基は分岐又は直鎖状であってよい。
【0033】
「アリーレン」とは、2価のアリール基を意味する。
【0034】
「アリール」とは、他に指定のない限り、少なくとも1つの芳香環を含む単環、二環又は多環の不飽和炭化水素化5~24員環を意味する。フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル及びシンナミルは、アリール基の例である。
【0035】
有利には、-Wは-NHR’を表す。この実施形態によれば、-R’は、好ましくは、-H、(C1~C10)アルキル基、及び(C6~18)アリール基の中から、より好ましくは-H、(C1~C6)アルキル基、及び(C6~10)アリール基の中から、さらにより好ましくは、-H、(C1~C6)アルキル基、及びC6-アリール基の中から選択される。特に好ましい実施形態において、-R’は、-H、及び(C1~C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの中から選択される。特定の実施形態において、-Wは-NHを表す。
【0036】
好ましくないが、-Wは-OHを表すこともある。
【0037】
有利には、-Q-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基、より好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基、又は(C6~C10)アリーレン基、さらにより好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又はC6-アリーレン基を表す。特に好ましい-Q-基は、(C1~C10)アルキレン基、好ましくは(C2~C10)アルキレン基、さらにより好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C2~C6)アルキレン基である。好ましい実施形態において、-Q-の-CH-は、-O-で置換されない。好ましい-Q基の例として、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン、特にプロピレンが挙げられる。
【0038】
有利には、-R1は、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基、好ましくは最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表す。好ましくは、-R1は、如何なる(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clでも置換されない。特に好ましい-R1基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基、特にメチルである。
【0039】
有利には、aは、30~1000、好ましくは30~700、さらにより好ましくは30~400、さらにより好ましくは30~150の範囲の整数である。
【0040】
特定の実施形態において、-Wは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-Q-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表す。
【0041】
特定の実施形態において、-Wは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、-Q-は、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表す。
【0042】
特定の実施形態において、-Wは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-Q-は、(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0043】
特定の実施形態において、-Wは-NHを表し、-Q-は(C2~C6)アルキレン基を表す。
【0044】
特定の実施形態において、-R1は、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、-Wは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-Q-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表す。
【0045】
特定の実施形態において、-R1は、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表し、-Wは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、-Q-は、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0046】
特定の実施形態において、-R1は、(C1~C6)アルキル基を表し、-Wは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-Q-は、(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0047】
特定の実施形態において、-R1はメチル基を表し、-Wは-NHを表し、-Q-は(C2~C6)アルキレン基を表す。
【0048】
好ましい実施形態において、-R1は、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、-Wは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-Q-は、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表し、aは30~1000、好ましくは30~700の範囲の整数である。
【0049】
特に好ましい実施形態において、-R1はメチル基を表し、-Wは-NHを表し、-Q-は(C2~C6)アルキレン基を表し、aは30~150の範囲の整数である。
【0050】
本発明の文脈において使用してよい式Aの長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンの例として、ビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、例えばSiltech社から販売されているSilmer NH Di-50が挙げられる。
【0051】
- 鎖延長剤
本発明によれば、鎖延長剤は、式B:
【0052】
【化7】
(式中、
- -X-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキレン基を表し、又は(C6~C22)アリーレン基を表し、
- -Mは、-OH又は-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~22)アリール基を表し、
- -R2は、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C20)アルキル基を表し、
- bは、2~15の範囲の整数である)
の短鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンである。
【0053】
有利には、-X-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基、より好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基、又は(C6~C10)アリーレン基、さらにより好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又はC6-アリーレン基を表す。特に好ましい-X-基は、(C1~C10)アルキレン基、より好ましくは(C2~C10)アルキレン基、さらにより好ましくは(C2~C6)アルキレン基であり、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される。好ましい実施形態において、-X-の-CH-は、-O-で置換されない。好ましい-X-基の例として、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン、特にプロピレンが挙げられる。
【0054】
有利には、-Mは-NHR’を表す。この実施形態によれば、-R’は、好ましくは、-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基の中から、より好ましくは-H、(C1~C6)アルキル基、又は(C6~10)アリール基の中から、さらにより好ましくは-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基の中から選択される。特に好ましい実施形態において、-R’は、-H、及び(C1~C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの中から選択される。特定の実施形態において、-Mは、-NHを表す。
【0055】
有利には、-R2は、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基、好ましくは最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表す。好ましくは、-R2は、如何なる-F及び/又は-Clでも置換されない。特に好ましい-R2基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基、特にメチルである。
【0056】
有利には、bは、2~15、好ましくは4~15、より好ましくは4~10の範囲の整数を表す。
【0057】
特定の実施形態において、-Mは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-X-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表す。
【0058】
特定の実施形態において、-Mは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、-X-は、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表す。
【0059】
特定の実施形態において、-Mは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-X-は、(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0060】
特定の実施形態において、-Mは、-NHを表し、-X-は、(C2~C6)アルキレン基を表す。
【0061】
特定の実施形態において、-R2は、最終的に-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、-Mは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-X-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表す。
【0062】
特定の実施形態において、-R2は、最終的に-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表し、-Mは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、-Xは、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0063】
特定の実施形態において、-R2は、(C1~C6)アルキル基を表し、-Mは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-X-は、(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0064】
特定の実施形態において、-R2は、メチル基を表し、-Mは、-NHを表し、-X-は、(C2~C6)アルキレン基を表す。
【0065】
好ましい実施形態において、-R2は、最終的に-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、-Mは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-X-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表し、bは4~15の範囲の整数である。
【0066】
特に好ましい実施形態において、-R2は、(C1~C6)アルキル基を表し、-Mは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-X-は、(C2~C10)アルキレン基を表し、bは、4~10の範囲の整数である。
【0067】
本発明の文脈において使用してよい鎖延長剤の例として、ビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、例えばSiltech社から販売されているSilmer NH Di-8が挙げられる。
【0068】
- ジイソシアネート
本発明によれば、使用してよいジイソシアネートは、式C:
O=C=N-Y-N=C=O (C)
(式中、-Y-は、(C1~C36)アルキレン基、(C6~C13)アリーレン基を表し、又はオルガノポリシロキサンを表す)
のものである。
【0069】
-Y-がオルガノポリシロキサンを表す場合、これは式F:
【0070】
【化8】
(式中、
- -P-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキレン基を表し、又は(C6~C22)アリーレン基を表し、
- -Ra及び-Rbは、同一又は異なり、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C20)アルキル基を各々表し、
- nは4~50の範囲の整数である)
のものであってよい。
【0071】
有利には、-P-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基、より好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基、又は(C6~C10)アリーレン基、さらにより好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又はC6-アリーレン基を表す。特に好ましい-P-基は、(C2~C10)アルキレン基、好ましくは(C2~C6)アルキレン基であり、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される。好ましい実施形態において、-P-の-CH-は、-O-で置換されない。好ましい-P基の例として、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン、特に-(CH-が挙げられる。
【0072】
有利には、-Ra及び-Rbは、同一又は異なり、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基、好ましくは最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を各々表す。好ましくは、-Ra及び-Rbは、如何なる-F及び/又は-Clでも置換されない。特に好ましい-Ra及び-Rb基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基、特にメチル基である。好ましくは、-Ra及び-Rbは同一である。
【0073】
好ましくは、nは6~30の範囲の整数である。
【0074】
特定の実施形態において、-P-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表し、-Ra及び-Rbは、同一又は異なり、両方とも最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表す。
【0075】
特定の実施形態において、-P-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又はC6アリーレン基を表し、-Ra及び-Rbは、同一又は異なり、両方とも最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表す。
【0076】
好ましい実施形態において、-P-は、(C2~C10)アルキレン基、好ましくは(C2~C6)アルキレン基を表し、-Ra及び-Rbは、同一又は異なり、両方とも(C1~C6)アルキル基を表す。
【0077】
特に好ましい実施形態において、-P-は、プロピレン基を表し、-Ra及び-Rbは、両方ともメチルを表す。
【0078】
式Cのジイソシアネートは、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートでよい。
【0079】
脂肪族ジイソシアネートの例として、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、テトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート及びメチレンジシクロヘキシル4,4’-ジイソシアネートが挙げられる。特に好ましい脂肪族ジイソシアネートは、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネートである。
【0080】
芳香族ジイソシアネートの例として、メチレンジフェニル4,4’-ジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,5-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネート、テトラメチルm-キシレンジイソシアネート、ナフタレン1,5-ジイソシアネート、又はこれらのイソシアネートの混合物が挙げられる。
【0081】
好ましい実施形態において、式Cのジイソシアネートは脂肪族ジイソシアネートである。この実施形態によれば、-Y-は好ましくは(C2~C36)直鎖状又は環状のアルキレン、好ましくは如何なる-Cl及び/又は-Fでも置換されていない(C2~C20)直鎖状又は環状のアルキレン、さらにより好ましくは(C3~C13)直鎖状又は環状のアルキレンを表す。
【0082】
市販されている化合物の例として、Covestro社、ドイツのDESMODUR(登録商標)シリーズ(H、I、M、T、W)のジイソシアネートが挙げられる。
【0083】
- 分岐剤
本発明によれば、分岐剤は、式D:
【0084】
【化9】
(式中、
- -T-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキレン基を表し、又は(C6~C22)アリーレン基を表し、
- -Zは、-OH又は-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~22)アリール基を表し、
- -Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C20)アルキル基であり、又は(C6~C22)アリール基を表し、
- -R3は、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C20)アルキル基を表し、
- -R3’は、-U又は-R3を表し、
- cは、10~400の範囲の整数であり、
- dは、10~400の範囲の整数である)
のヒドロキシル又はアミノ単官能ポリシロキサンである。
【0085】
有利には、-T-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基、より好ましくは最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基、又は(C6~C10)アリーレン基、さらにより好ましくは最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又はC6-アリーレン基を表す。特に好ましい-T-基は、(C1~C10)アルキレン基、より好ましくは(C2~C10)アルキレン基、さらにより好ましくは(C2~C6)アルキレン基であり、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される。好ましい実施形態において、-T-の-CH-は、-O-で置換されない。好ましい-T-基の例として、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン、特にエチレンが挙げられる。
【0086】
有利には、-Zは-NHR’を表す。この実施形態によれば、-R’は、好ましくは、-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基の中から、より好ましくは-H、(C1~C6)アルキル基、又は(C6~10)アリール基の中から、さらにより好ましくは-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基の中から選択される。特に好ましい実施形態において、-R’は、-H、及び(C1~C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの中から選択される。特定の実施形態において、-Zは、-NHを表す。
【0087】
有利には、-R3は、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基、好ましくは最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表す。好ましくは、-R3は、如何なる-F及び/又は-Clでも置換されない。特に好ましい-R3基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基、特にメチルである。
【0088】
有利には、-Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキル基を表し、又は(C6~C18)アリール基を表す。好ましくは、-Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C6)アルキル基を表し、又は(C6~C10)アリール基を表す。さらにより好ましくは、-Uは、(C1~C6)アルキル基を表し、又はC6-アリール基を表す。特に好ましい-U基の例として、フェニル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニルオキシ、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、及びヘキシルオキシ基、特に、エチルオキシ、プロピルオキシが挙げられる。
【0089】
有利には、cは10~150、好ましくは50~150、さらにより好ましくは50~120の範囲の整数を表す。
【0090】
有利には、dは10~150、好ましくは50~150、さらにより好ましくは50~120の範囲の整数を表す。
【0091】
特定の実施形態において、c及びdは、同一又は異なり、c及びdの両方が10~150、好ましくは50~120の範囲の整数を表す。
【0092】
特定の実施形態において、-Zは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-T-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表す。
【0093】
特定の実施形態において、-Zは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、-T-は、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0094】
特定の実施形態において、-Zは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-T-は、(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0095】
特定の実施形態において、-Zは-NHを表し、-T-は(C2~C6)アルキレン基を表す。
【0096】
特定の実施形態において、-R3は、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、-Zは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-U-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキル基を表し、又は(C6~C18)アリール基を表し、-T-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表す。
【0097】
特定の実施形態において、-R3は、最終的に1つ又は複数の-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表し、-Zは、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、-Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C6)アルキル基を表し、又は(C6~C10)アリール基を表し、-T-は、最終的にはそのうちの1つ又は複数の-CH-が-O-で置換される(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0098】
特定の実施形態において、-R3は(C1~C6)アルキル基を表し、-Zは-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基を表し、-T-は(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0099】
特定の実施形態において、-R3はメチル基を表し、-Zは-NHを表し、-Uは(C1~C6)アルキル基を表し、又はC6-アリール基を表し、-T-は(C2~C6)アルキレン基を表す。
【0100】
好ましい実施形態において、-R3は、最終的に-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、-Zは、-NHR’を表し、-R’は上で定義した通りであり、-Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキル基を表し、又は(C6~C18)アリール基を表し、-T-は、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表し、c及びdは、同一又は異なり、c及びdの両方が50~150の範囲の整数である。
【0101】
特に好ましい実施形態において、-R3はメチル基を表し、-Zは-NHを表し、-Uは(C1~C6)アルキル基を表し、又はC6-アリール基を表し、-T-は(C2~C6)アルキレン基を表し、c及びdは、同一又は異なり、c及びdの両方が50~120の範囲の整数である。
【0102】
特定の分岐剤として、分岐モノアミノエチル官能性ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0103】
- グアニジンベースの触媒
本発明によれば、CPは、式E:
【0104】
【化10】
(式中、
- -R4、-R4’及び-R5は、同一又は異なり、互いに独立して-H、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換されている若しくは非置換のシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(シクロアルキル)アルキル基、置換されている若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(ヘテロシクロアルキル)アルキル基、又はフルオロアルキル基を表し、
- -R6は、-H、直鎖状又は分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;置換されている又は非置換であり且つ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されているアルキル基;芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、アルキルアミン基、アルキルグアニジン基を表し、
- -R7は、直鎖状又は分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;置換されている若しくは非置換であり且つ少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されているアルキル基;アリールアルキル、フルオロアルキル、アルキルアミン、又はアルキルグアニジン基を表し、
- 又は、-R6及び-R7は結合して、1つ若しくは複数の置換基で置換され得る3-、4-、5-、6-若しくは7-員シクロアルキルを一緒になって形成する)
の1,2,3,3-テトラ置換グアニジン又は1,1,3,3テトラ置換グアニジン又は1,2,3-トリ置換グアニジンを使用して合成される。
【0105】
本発明の意味では、「ヘテロシクロアルキル」部分は、ヘテロ原子が環に含まれたシクロアルキル部分である。ヘテロ原子の例として、例えば、O、S、Nが挙げられる。
【0106】
本発明の文脈において、-R4、-R4’、-R5、-R6及び-R7はケイ素原子を含まない。
【0107】
特定の実施形態において、-R4’は-H及びR4を表し、-R5は同一又は異なり、互いに独立して直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換されている若しくは非置換のシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(シクロアルキル)アルキル基、置換されている若しくは非置換のヘテロシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の(ヘテロシクロアルキル)アルキル基、又はフルオロアルキル基を表す。
【0108】
好ましくは、-R4及び-R5は同一又は異なり、互いに独立して、H、直鎖状若しくは分岐状の(C1~C12)アルキル基、置換されている若しくは非置換の(C5~C10)シクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の((C5~C10)シクロアルキル)(C1~C12)アルキル基、置換されている若しくは非置換の(C4~C10)ヘテロシクロアルキル基、置換されている若しくは非置換の((C4~C10)ヘテロシクロアルキル)(C1~C12)アルキル基、又は(C1~C12)フルオロアルキルを表す。好ましい実施形態では、-R4及び-R5は同一又は異なり、H、直鎖状又は分岐状の(C1~C12)アルキル基、及び置換されている又は非置換の(C5~C10)シクロアルキル基から選択され、特に、イソプロピル基、シクロヘキシル基、及びブチル基などの直鎖状の(C1~C12)アルキル基から選択される。
【0109】
好ましい実施形態によれば、-R4’は-Hを表す。別の好ましい実施形態によれば、-R4’は(C1~C6)アルキル基、好ましくはメチルを表す。
【0110】
好ましくは、-R6は-H、直鎖状若しくは分岐状の(C1~C12)アルキル基;(C5~10)シクロアルキル基;置換されている若しくは非置換であり且つO、S又はNなどの少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよい環によって置換されている(C1~C12)アルキル基;芳香族基、アリール(C1~C12)アルキル基、(C1~C12)フルオロアルキル基、(C1~C12)アルキルアミン基、(C1~C12)アルキルグアニジン基を表す。好ましい実施形態では、-R6は-H、直鎖状又は分岐状の(C1~C12)アルキル基、又は(C5~10)シクロアルキル基を表し、特に-R6は、-H、イソプロピル基、シクロヘキシル基、及びメチル基又はブチル基などの直鎖状の(C1~C12)アルキル基から選択される。
【0111】
別の好ましい実施形態によれば、-R6及び-R7は結合して、1つ又は複数の置換基で置換され得る3-、4-、5-、6-又は7-員シクロアルキル、特に5-又は6-員シクロアルキルを一緒になって形成する。
【0112】
特定の実施形態によれば、グアニジンベースの触媒Eは、以下から選択される:
【0113】
【化11】
【0114】
特に好ましいグアニジンベースの触媒は、式E4のものである。
【0115】
- 好ましい実施形態
或る実施形態によれば、
- -Q-、-T-及び-X-は、同一又は異なり、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表し、
- -M、-W及び-Zは、同一又は異なり、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~22)アリール基を表し、
- -Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C10)アルキル基であり、又は(C6~C18)アリール基を表し、
- -Y-は、(C2~C36)直鎖状又は環状のアルキレンを表し、
- -R1、-R2及び-R3は、同一又は異なり、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C10)アルキル基を表し、
- -R3’は、-R3又は-Uを表し、
- aは、30~1000の範囲の整数であり、
- bは、2~15の範囲の整数であり、
- cは、10~200の範囲の整数であり、
- dは、10~200の範囲の整数であり、
- 比率a/bは、2~200の範囲である。
【0116】
別の実施形態によれば、
- -Q-、-T-及び-X-は、同一又は異なり、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C2~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C18)アリーレン基を表し、
- -M、-W及び-Zは、同一又は異なり、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C10)アルキル基、又は(C6~18)アリール基を表し、
- -Uは、最終的にはそのうちの1つ若しくは複数の-CH-が-O-で置換される(C1~C6)アルキル基であり、又は(C6~C10)アリール基を表し、
- -Y-は、(C2~C20)直鎖状又は環状のアルキレンを表し、
- -R1、-R2及び-R3は、同一又は異なり、最終的に1つ又は複数の(C6~C12)アリール基、-F及び/又は-Clで置換される(C1~C6)アルキル基を表し、
- -R3’は、-R3又は-Uを表し、
- aは、30~700の範囲の整数であり、
- bは、4~15の範囲の整数であり、
- cは、10~150の範囲の整数であり、
- dは、10~150の範囲の整数であり、
- 比率a/bは、2~100の範囲である。
【0117】
別の実施形態によれば、
- -Q-、-T-及び-X-は、同一又は異なり、(C2~C10)アルキレン基を表し、又は(C6~C10)アリーレン基を表し、
- -M、-W及び-Zは、同一又は異なり、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、又はC6-アリール基、好ましくは-Hを表し、
- -Uは、(C1~C6)アルキル基であり、
- -Y-は、(C3~C13)直鎖状又は環状のアルキレンを表し、
- -R1、-R2及び-R3は、同一又は異なり、(C1~C6)アルキル基を表し、
- -R3’は、-R3又は-Uを表し、
- aは、30~400の範囲の整数であり、
- bは、4~10の範囲の整数であり、
- cは、50~150の範囲の整数であり、
- dは、50~150の範囲の整数であり、
- 比率a/bは、3~40の範囲である。
【0118】
有利には、比率a/bは、2~200、好ましくは2~100、より好ましくは3~40、さらにより好ましくは6~15の範囲である。
【0119】
有利には、-R1、-R2及び-R3は同一であり、好ましくは(C1~C6)アルキル基を表す。
【0120】
有利には、-Q-、-T-及び-X-は同一であり、好ましくは(C2~C10)アルキレン基を表す。
【0121】
有利には、-M、-W及び-Zは同一であり、好ましくはNHを表す。
【0122】
別の実施形態によれば、
- -Q-、-T-及び-X-は、同一又は異なり、(C2~C6)アルキレン基を表し、又はC6-アリール基を表し、
- -M、-W及び-Zは、同一又は異なり、-NHR’を表し、-R’は-H、(C1~C6)アルキル基、好ましくは-Hを表し、
- -Uは、(C1~C6)アルキル基であり、
- -Y-は、(C3~C13)直鎖状又は環状のアルキレンを表し、
- -R1、-R2及び-R3は、同一又は異なり、(C1~C6)アルキル基を表し、
- -R3’は、-R3又は-Uを表し、
- aは、30~150の範囲の整数であり、
- bは、4~10の範囲の整数であり、
- cは、50~120の範囲の整数であり、
- dは、50~120の範囲の整数であり、
- 比率a/bは、6~15の範囲である。
【0123】
- 反応条件
好ましい実施形態によれば、本発明による製造方法において、1種のジイソシアネートのみを使用する。好ましくはないが、1種より多いジイソシアネート、例えば2種又は3種のジイソシアネートを使用してよい。この最新の実施形態において、ジイソシアネートは全て同時に、又は段階的に導入してよい。
【0124】
本発明の文脈において、Na、Nb、Nc、及びNdはそれぞれ、式Aの長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサン、式Bの鎖延長剤、式Cの少なくとも1種のジイソシアネート、式Dの分岐剤、及びグアニジンベースの触媒Eのモル数を表す。
【0125】
有利には、モル比Nb/(Na+Nb+Nd)は、5%~60%、好ましくは15%~45%、さらにより好ましくは20%~30%の範囲である。
【0126】
有利には、モル比Nc/(Na+Nb+Nc+Nd)は、45%~55%、好ましくは48~53%、さらにより好ましくは49%~52%の範囲である。
【0127】
有利には、モル比Nd/(Na+Nd)は、0~20%、好ましくは0%~5%の範囲である。
【0128】
触媒濃度は、典型的には5~300質量ppm、好ましくは50~250質量ppmの範囲である。
【0129】
第1の実施形態によれば、ヒドロキシル及び/又はアミノ官能基を含有する試薬(式A、B及び存在する場合はDの化合物)及びジイソシアネート(式Cの化合物)を、化学量論的割合で使用する。換言すれば、化学量論的指数比Icは、1に等しい。有利なことに、この実施形態によれば、高分子量のCPが達成される。
【0130】
本発明の文脈において、化学量論的指数比は、Ic=2Nc/(2Na+2Nb+Nd)によって定義される。
【0131】
そうでない場合は、試薬の1種又は複数を過剰に使用することが可能である。
【0132】
第2の実施形態によれば、少なくとも1種のジイソシアネートを過剰に使用する。この実施形態によれば、指数比Icは1を超え、特に1を超え且つ1.2以下である。この実施形態によれば、得られるCPは分岐コポリマーとなる。
【0133】
第3の実施形態によれば、式Dの分岐剤を過剰に導入してよい。過剰な分岐剤は分岐CPをもたらし、その機械的性質を改善する。
【0134】
好ましくは、式Dの分岐剤が存在する場合、指数比Icは1に等しい。
【0135】
本発明によるCPは、溶媒又は溶媒の混合物中の溶液中で製造してよく、又は溶媒なしで製造してよい。溶媒は、使用される場合、不活性でなければならない。本発明の文脈において使用され得る溶媒の例は、m-キシレン、THF(テトラヒドロフラン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、クロロホルム、TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオリド)、及びPMA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)である。
【0136】
好ましい実施形態において、反応は溶媒なしで行う。
【0137】
製造に溶媒を使用するしないにかかわらず、反応混合物は均一でなければならない。
【0138】
より良い再現性のために、CPは好ましくは、水分なしで、且つ不活性ガス下、通常は窒素、アルゴン又はそれらの混合物の下で製造される。そうでない場合、混合時間が短い(例えば15分以下)ときは、あらかじめ乾燥させた試薬を制御されていない雰囲気下で一緒に混合してよい。形成されたCPは、好ましくは、真空又は不活性ガス下で硬化させる。
【0139】
本発明によるCPの製造方法は、20~80℃の範囲の温度で行うことができる。
【0140】
本発明によるCPの製造方法は、典型的には、温度に応じて3~240分の反応時間を有する。
【0141】
本発明によるCPの製造方法は、以下に詳述するように、押出機又は反応器内で行ってよい。
【0142】
- 押出機内における製造
第1の実施形態によれば、CPは、反応性押出によって製造される。その場合、二軸スクリュー共回転押出機を使用することが好ましい。
【0143】
典型的には、押出機の長さは、少なくとも40L/Dである(Lは軸のミリメートル単位の長さ、及びDはミリメートル単位のその直径である)。押出機の長さは必要なだけ長くすることができ、合理的な収率を達成するために、当業者が確定できる。収率は、メルトフローインデックスが100cm.10分-1(2.16kg下120℃で測定)より低い、好ましくは50cm.10分-1より低い、さらにより好ましくは30cm.10分-1よりも低い場合に、妥当とみなされる。
【0144】
有利には、押出機の長さは80L/Dである。
【0145】
第1の実施形態によれば、全ての試薬を、押出機の第1の加熱ゾーンに同時に導入する。
【0146】
第2の実施形態によれば、全ての試薬を同時に押出機内に導入しない。有利には、この実施形態によれば、添加順序の選択により、重合反応を制御することができる。例えば、式Aの長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンを、式Cの少なくとも1種のジイソシアネートと予備重合させた後、式Bの鎖延長剤を添加することが可能である。ジイソシアネートは、押出機の第1の加熱ゾーンに部分的に導入し、次いでさらなる加熱ゾーンで反応混合物に再び注ぐこともできる。あらゆる場合において、式Aの長鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンは、第1の加熱ゾーンに導入される。
【0147】
ダイから、形成されたCPをペレット化するか、又はバッチで回収することができる。
【0148】
- 反応器内における製造
第2の実施形態によれば、CPは、反応器内でバッチ合成によって製造する。
【0149】
この実施形態によれば、CPを押出機内で製造する場合で上記に詳述したのと同様に、全ての試薬を反応器内に同時に、又は段階的に導入する。
【0150】
コポリマー
本発明はさらに、本発明による製造の方法により得られたCPに関するものである。
【0151】
本発明によるCPは、鎖延長剤として式Bの短鎖ヒドロキシル又はアミノ二官能化ポリシロキサンを使用することにより、高いシリコーン含量を有する。
【0152】
本発明の意味において、シリコーン含量は、CPの総質量に対する(Si(R)O)(式中、Rは、存在する場合はR1、R2、R3、Ra及びRbを表す)の質量による含量によって定義される。
【0153】
本発明の文脈において、シリコーン含量は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、さらにより好ましくは少なくとも94%のものである。特定の実施形態において、シリコーン含量は、92%~99%、好ましくは95%~98%の範囲である。この高いシリコーン含量により、低い硬度、良好な安定性及び低い粘度を有する一方、良好な機械的特性を維持するCPを実現することができる。
【0154】
このような高いシリコーン含量を有するために、硬質セグメント比は、1~94%、好ましくは5~50%、さらにより好ましくは8~20%の範囲である。
【0155】
本発明の文脈において、硬質セグメント比は、HS=(NbMb+NcMc)/(NaMa+NbMb+NcMc+NdMd)により定義され、Ma、Mb、Mc及びMdは、式A、B、C及びDの化合物の分子量をそれぞれ表す。
【0156】
硬質セグメントの形成は、式Aの長鎖二官能ポリシロキサンと式Bの短鎖二官能ポリシロキサンの割合を調整することによって達成してよい。換言すれば、比率a/bは、2~200、好ましくは2~100、より好ましくは3~40、さらにより好ましくは6~15の範囲である。本発明の文脈において、短いセグメントは、適切な硬質セグメントを作成するために、鎖延長剤としてみなすことができるよう、最大で15個のシロキサン繰り返し単位を有する(換言すれば、bは15以下である)。
【0157】
有利には、本発明によるCPは、好ましくは60ショアA未満、より好ましくは50ショアA未満、さらにより好ましくは1~40ショアAの範囲の低い硬度を有する。本発明の文脈において、硬度はショアAデュロメータで測定する。
【0158】
式Bのシロキサンベースの鎖延長剤を使用すると、相分離の発生を示さない、ガラス製の透明なCPを得ることができる(不透明な最終生成品をもたらす炭化水素化された鎖延長剤で観察され得るものとは対照的である)。換言すれば、CPは半透明である。
【0159】
有利には、本発明によるCPは、ほとんど結晶性を有しない。
【0160】
本発明によるCPの数平均分子量は、典型的には50,000~300,000g.モル-1、特に80,000~150,000g.mol-1のものである。
【0161】
本発明によるCPは、高い破断伸びを備えた弾性挙動を有する。有利には、CPは、200%を超える、好ましくは500%を超える破断伸びを有する。本発明の文脈において、破断時ひずみは、引張試験により50mm.分-1の速さで測定され得、破断伸びは、NF ISO527規格に準拠して決定される。
【0162】
有利には、本発明によるCPの溶融温度は、CPがFDM式プリンターで使用され得るように140℃未満である。典型的には、CPの溶融温度は、50~140℃、好ましくは70~110℃の範囲である。本発明の文脈において、溶融温度は、DSC(加熱傾斜(ramp):10℃.分-1)により測定される。
【0163】
本発明によるCPは、1~100、好ましくは2~30cm.10分-1(2.16kg下120℃で測定)の範囲のメルトフローインデックスを呈するので、射出成形、押出成形により、又は押出式の付加製造プロセスによっても処理することができる。本発明の文脈において、メルトフローインデックスは、NF ISO1133規格に準拠して測定される。
【0164】
三次元物品及び製造の方法
本発明はさらに、本発明によるCPから作製された、又は本発明による製造方法によって得られた3D印刷物品、及び付加技術によるその製造方法に関する。
【0165】
本発明の文脈において、「3D印刷された物品」(又は「三次元印刷された物品」又は「3D物品」)とは、3D印刷システム、例えば熱可塑性フィラメント供給装置、シリンジポンプ押出機又はホッパー/スクリューペレット搬送システムを供給装置として用いる溶融フィラメント製造プリンター、及び例えばAPFプロセス(ARBURG Plastic Freeformingプロセス)を用いる液滴堆積プリンターなどによって構築される物品を指す。
【0166】
本発明によるCPは、付加プロセスにおいて単独の材料として使用される。換言すれば、CPは、付加プロセスで使用される場合は組成物中に存在せず、単独成分として印刷される。
【0167】
有利な実施形態によれば、付加技術は、特に、熱可塑性フィラメント供給装置、シリンジポンプ押出機又はホッパー/スクリューペレット搬送システムを供給装置として用いる溶融フィラメント製造プリンター、及び例えばAPFプロセス(ARBURG Plastic Freeformingプロセス)を用いる液滴堆積プリンターから選択される3Dプリンターによって行われる。
【0168】
最後に、本発明は、本発明による3D物品を製造する方法によって得られた3D物品に関するものでもある。得られた3D物品は、様々な用途、特に解剖模型などの医療用途に使用してよい。
【実施例
【0169】
以下の実施例において、溶融温度(T)は示差走査熱量計(DSC)により、加熱及び冷却傾斜10℃.分-1で測定する。破断時応力(σ)及び破断時ひずみ(ε)は、引張試験により、50mm.分-1の速さで測定する。メルトボリュームフローレート(MVR)はメルトフローインデックス(MFI)測定装置で、硬度はショアAデュロメータで測定する。
【0170】
[実施例1]
反応器内での合成
- CP1.1~CP1.3
80℃に加熱した20Lの連続撹拌槽反応器に、2700gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-50、モル質量4244g.モル-1、Siltech社から販売)を充填する。その後続いて、139gの室温の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H、モル質量168g.モル-1、Covestro社から販売)を、シロキサンに滴下して添加する。混合物を80℃で2分間撹拌し、次いで162gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-8、モル質量840g.モル-1、Siltech社から販売)を、80℃で反応混合物に添加する。次に、混合物を80℃でさらに2分間撹拌し、プラスチック容器中に滴下する。最後に混合物を、真空下80℃で2時間硬化させ、CP1.1を得る。
【0171】
CP1.2について、CP1.1と同じ手順を使用するが、ここでは、216質量ppm(1.02×10-3モル、618モルppm)の室温のジブチルスズジラウレート(DABCO T12N、モル質量632g.モル-1、Air Products社から販売)触媒を官能化PDMSに添加して混合し、その後ジイソシアネートを添加する。
【0172】
CP1.3について、CP1.1と同じ手順を使用するが、ここでは、100質量ppm(1.02×10-3モル、618モルppm)の室温の1-ブチル-2,3-ジシクロヘキシル-1-メチルグアニジン(モル質量293g.モル-1、Elkem社によって合成)触媒を(CP1.2のDABCO T12Nの代わりに)官能化PDMSに添加して混合し、その後ジイソシアネートを添加する。
【0173】
冷却により、硬質セグメント比が10.0%であり、その機械的特性及び熱的特性が表1に記載のものであるガラス透明ポリウレアポリジメチルシロキサンブロックコポリマーが得られる。シリコーン含量(Si(R)O)は、95質量%よりも多い。
【0174】
【表1】
【0175】
CP1.1、CP1.2及びCP1.3で得られた結果から、触媒を使用しないと、得られたブロックコポリマーは固体ポリマーとみなすことができず、標準的な圧力及び温度環境下で依然として流動能を有する粘弾性材料としてしかみなされないことがわかる。したがって、触媒の添加は、ポリウレアオルガノポリシロキサンブロックコポリマーを反応器内で80℃で合成する場合、高分子量及び良好な機械特性を得るために必要である。グアニジンベースの触媒は、ジブチルスズジラウレートを触媒として得られたCP1.2と比較して少なくとも同等の破断ひずみを有するコポリマーCP1.3をもたらした。
【0176】
- CP1.4~CP1.6
80℃に加熱した20Lの連続撹拌槽反応器に、2550gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-50、モル質量4244g.モル-1、Siltech社から販売)及び150g(5質量%)の分岐モノアミノエチル官能性ポリジメチルシロキサン(Bluesil FLD21643、モル質量7619g.モル-1、Elkem社から販売)から構成される混合物を充填する。その後続いて、136gの室温の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H、モル質量168g.モル-1、Covestro社から販売)を混合物に添加する。混合物を2分間80℃で撹拌し、次に164gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-8、モル質量840g.モル-1、Siltech社から販売)を80℃で混合物に添加する。次いで混合物を80℃でさらに2分間撹拌し、プラスチック容器内に滴下する。最後に混合物を、真空下80℃で2時間硬化させ、CP1.4を得る。
【0177】
CP1.5について、CP1.4と同じ手順を使用するが、ここでは、216質量ppm(1.02×10-3モル、630モルppm)の室温のジブチルスズジラウレート(DABCO T12N、モル質量632g.モル-1、Air Products社から販売)触媒を官能化PDMSに添加して混合し、その後ジイソシアネートを添加する。
【0178】
CP1.6について、CP1.4と同じ手順を使用するが、ここでは、100質量ppm(1.02×10-3モル、618モルppm)の室温の1-ブチル-2,3-ジシクロヘキシル-1-メチルグアニジン(モル質量293g.モル-1、Elkem社によって合成)触媒を(CP1.5のDABCO T12Nの代わりに)官能化PDMSに添加して混合し、その後ジイソシアネートを添加する。
【0179】
冷却により、硬質セグメント比が10.0%であり、その機械的特性及び熱的特性が表2に記載のものであるガラス透明ポリジメチルシロキサン/ポリウレアブロックコポリマーが得られる。シリコーン含量(Si(R)O)は、95質量%よりも多い。
【0180】
【表2】
【0181】
CP1.4~CP1.6で得られた結果は、分岐コポリマーの影響力を示している。これらの実施例では、分岐は分岐剤を添加することによって達成される。これらの実施例はまた、グアニジンベースの触媒が、これらの分岐コポリマーに対して、ジブチルスズジラウレート触媒よりも効率的であることを際立たせる。触媒を使用しない場合、材料は依然として固体ポリマーとはみなすことができず、標準的な圧力及び温度環境下で流動するのに留意することが重要である。
【0182】
- CP1.7~CP1.9
80℃に加熱した20Lの連続撹拌槽反応器に、2700gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-50、モル質量4244g.モル-1、Siltech社から販売)を充填する。その後続いて、147gの室温の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H、モル質量168g.モル-1、Covestro社から販売)を、シロキサンに滴下して添加する。混合物を80℃で2分間撹拌し、次いで152gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-8、モル質量840g.モル-1、Siltech社から販売)を、80℃で反応混合物に添加する。次いで、混合物を80℃でさらに2分間撹拌し、プラスチック容器中に滴下する。最後に混合物を、真空下80℃で2時間硬化させ、CP1.7を得る。
【0183】
CP1.8について、CP1.7と同じ手順を使用するが、ここでは、216質量ppm(1.02×10-3モル、605モルppm)の室温のジブチルスズジラウレート(DABCO T12N、モル質量632g.モル-1、Air Products社から販売)触媒を官能化PDMSに添加して混合し、その後ジイソシアネートを添加する。
【0184】
CP1.9について、CP1.7と同じ手順を使用するが、ここでは、100質量ppm(1.02×10-3モル、618モルppm)の室温の1-ブチル-2,3-ジシクロヘキシル-1-メチルグアニジン(モル質量293g.モル-1、Elkem社によって合成)触媒を(CP1.8のDABCO T12Nの代わりに)官能化PDMSに添加して混合し、その後ジイソシアネートを添加する。
【0185】
冷却により、硬質セグメント割合が10.0%であり、その機械的特性及び熱的特性が以下の表3に記載のものであるガラス透明ポリジメチルシロキサンポリウレアブロックコポリマーが得られる。シリコーン含量(Si(R)O)は、95質量%よりも多い。
【0186】
【表3】
【0187】
CP1.7~CP1.9で得られた結果は、分岐コポリマーの影響力を示している。これらの実施例では、分岐は過剰なジイソシアネートの添加によって達成され、したがって、コポリマー上のビウレット形成によって側枝が形成される。これらの実施例はまた、グアニジンベースの触媒が、これらの分岐コポリマーに対して、ジブチルスズジラウレート触媒よりも効率的であることを際立たせる。触媒を使用しない場合、材料は依然として固体ポリマーとはみなすことができず、標準的な圧力及び温度環境下で流動するのに留意することが重要である。
【0188】
[実施例2]
押出機内における合成
- CP2.1~CP2.3
CP2.1を製造するために、TSA Industrial社、15個の加熱ゾーン及び温度制御ダイを備える、80L/D26mmの共回転二軸スクリュー押出機に、3600gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-50、モル質量4244g.モル-1、Siltech社から販売)及び214gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-8、モル質量840g.モル-1、Siltech社から販売)から構成される混合物を、60℃で3814g.h-1の流量で、第1の加熱ゾーンに計量供給した。
【0189】
第2の加熱ゾーンにおいて、室温の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H、モル質量168g.モル-1、Covestro社から販売)を、186g.h-1の流量で滴下して添加する。
【0190】
加熱ゾーンの温度プロファイルは、以下の表4に詳述するようにプログラムされている。
【0191】
【表4】
【0192】
回転速度は250RPMである。
【0193】
CP2.2について、CP2.1と同じ手順を使用するが、ここでは、216質量ppm(1.37×10-3モル、617モルppm)の室温のジブチルスズジラウレート(DABCO T12N、モル質量632g.モル-1、Air Products社から販売)触媒を、第1の加熱ゾーンに計量供給した官能化PDMS混合物に添加して混合する。
【0194】
CP2.3について、CP2.1と同じ手順を使用するが、ここでは、100質量ppm(1.37×10-3モル、618モルppm)の室温の1-ブチル-2,3-ジシクロヘキシル-1-メチルグアニジン(モル質量293g.モル-1、Elkem社によって合成)触媒を(CP2.2のDABCO T12Nの代わりに)第1の加熱ゾーンに計量供給した官能化PDMS混合物に添加して混合する。
【0195】
押出機のダイで取り出された材料は、硬質セグメント比が10.0%であり、以下の表5に記載の特性を有するポリジメチルシロキサン/ポリウレアブロックコポリマーである。全ての最終的なブロックコポリマーは、95質量%よりも多いシリコーン(Si(R)O)含量を有する。
【0196】
【表5】
【0197】
CP2.1~CP2.3で得られた結果から、触媒を使用しないと、得られたブロックコポリマーは固体ポリマーとみなすことができず、標準的な圧力及び温度環境下で依然として流動能を有する粘弾性材料としてしかみなされないことがわかる。したがって、触媒の添加は、オルガノポリシロキサンポリウレアブロックコポリマーを反応性押出で合成する場合、高分子量及び良好な機械特性を得るために必要である。グアニジンベースの触媒により得られたCP2.3は、触媒としてジブチルスズジラウレートによって得られたCP2.2と比較してより良好な機械的特性を有する。
【0198】
- CP2.4~CP2.6
CP2.4を製造するために、TSA Industrial社、15個の加熱ゾーン及び温度制御ダイを備える、80L/D26mmの共回転二軸スクリュー押出機に、3400gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-50、モル質量4244g.モル-1、Siltech社から販売)、218gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-8、モル質量840g.モル-1、Siltech社から販売)、及び200g(5質量%)の分岐モノアミノエチル官能性ポリジメチルシロキサン(Bluesil FLD21643、モル質量7619g.モル-1、Elkem社から販売)の混合物を、60℃で3818g.h-1の流量で、第1の加熱ゾーンに計量供給した。
【0199】
第2の加熱ゾーンにおいて、室温の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H、モル質量168g.モル-1、Covestro社から販売)を181g.h-1の流速で滴下して添加する。
【0200】
加熱ゾーンの温度プロファイルは、以下の表6に詳述するようにプログラムされている。
【0201】
【表6】
【0202】
回転速度は250RPMである。
【0203】
CP2.5について、CP2.4と同じ手順を使用するが、ここでは、216質量ppm(1.37×10-3モル、630モルppm)の室温のジブチルスズジラウレート(DABCO T12N、モル質量632g.モル-1、Air Products社から販売)触媒を、第1の加熱ゾーンに計量供給した官能化PDMS混合物に添加して混合する。
【0204】
CP2.6について、CP2.4と同じ手順を使用するが、ここでは、100質量ppm(1.37×10-3モル、630モルppm)の室温の1-ブチル-2,3-ジシクロヘキシル-1-メチルグアニジン(モル質量293g.モル-1、Elkem社によって合成)触媒を(CP2.5のDABCO T12Nの代わりに)第1の加熱ゾーンに計量供給した官能化PDMS混合物に添加して混合し、その後、ジイソシアネートを添加する。
【0205】
押出機のダイで取り出された材料は、硬質セグメント比が10.0%であり、以下の表7に記載の特性を有するポリジメチルシロキサン/ポリウレアブロックコポリマーである。全ての最終生成品は、95質量%よりも多いシリコーン含量(Si(R)O)を有する。
【0206】
【表7】
【0207】
CP2.4~CP2.6で得られた結果は、分岐コポリマーの影響力を示している。これらの実施例では、分岐は分岐剤を添加することによって達成される。これらの実施例はまた、グアニジンベースの触媒が、これらのブロックコポリマーに対して、ジブチルスズジラウレート触媒よりも効率的であることを際立たせる。得られたブロックコポリマーCP2.6は、CP2.5と比較してより良好な機械的及び熱的特性を有する。
【0208】
- CP2.7~CP2.10
CP2.7を製造するために、TSA Industrial社、15の加熱ゾーン及び温度制御ダイを備える、80L/D26mmの共回転二軸スクリュー押出機に、3600gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-50、モル質量4244g.モル-1、Siltech社から販売)、205gのビスアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Silmer NH Di-8、モル質量840g.モル-1、Siltech社から販売)から構成される混合物を、60℃で3803g.h-1の流量で、第1の加熱ゾーンに計量供給した。
【0209】
第2の加熱ゾーンにおいて、室温の1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H、モル質量168g.モル-1、Covestro社から販売)を、197g.h-1の流量で滴下して添加する。ジイソシアネートは、そのとき過剰であり、化学量論的指数比は1.07である。
【0210】
加熱ゾーンの温度プロファイルは、表8に詳述するようにプログラムされている。
【0211】
【表8】
【0212】
回転速度は250RPMである。
【0213】
CP2.8について、CP2.7と同じ手順を使用するが、ここでは、216質量ppm(1.37×10-3モル、630モルppm)の室温のジブチルスズジラウレート(DABCO T12N、モル質量632g.モル-1、Air Products社から販売)を、第1の加熱ゾーンに計量供給した官能化PDMS混合物に添加して混合する。
【0214】
CP2.9、CP2.10及びCP2.11について、CP2.7と同じ手順を使用するが、ここでは、100質量ppm(1.37×10-3モル、603モルppm)の1-ブチル-2,3-ジシクロヘキシル-1-メチルグアニジン(モル質量293g.モル-1、Elkem社によって販売)を第1の加熱ゾーンに計量供給した官能化PDMS混合物に添加して混合する。
【0215】
ジイソシアネートの過剰の影響を評価した。反応混合物の流量を減少させて、4000g.h-1の全産出を維持した。
【0216】
CP2.9について、化学量論的指数比は1.07である。
【0217】
CP2.10について、化学量論的指数比を、204g.h-1でジイソシアネート流量を増加させることによって1.12に増加させた。鎖延長剤の量を198gに減少させて、硬質セグメント比を10.0%で維持した。主混合物流量を3796g.h-1に減少させた。
【0218】
CP2.11について、化学量論的指数比を、ジイソシアネート流量を208g.h-1で増加させることによって1.16に増加させた。鎖延長剤の量を190gに減少させて、硬質セグメント比を10.0%で維持した。主混合物流量を3792g.h-1に減少させた。
【0219】
押出機のダイで取り出された材料は、硬質セグメント比が10.0%であり、以下の表9に記載の特性を有するポリジメチルシロキサン/ポリウレアブロックコポリマーである。全ての最終生成品は、94質量%よりも多いシリコーン含量(Si(R)O)を有する。
【0220】
【表9】
【0221】
CP2.7~CP2.11で得られた結果は、分岐コポリマーの影響力を示している。これらの実施例では、分岐は過剰なジイソシアネートの添加によって達成され、したがって、コポリマー上のビウレット形成によって側枝が形成されている。これらの実施例はまた、グアニジンベースの触媒が、触媒なしで、又はジブチルスズジラウレートで得られたコポリマーと比較して、機械的特性が改善されたコポリマーをもたらすことを際立たせる。CP2.9、CP2.10及びCP2.11は、全て破断ひずみが370%から710%の範囲であり、硬度ショアAが0~30ショアAの範囲である。
【0222】
[実施例3]
CP2.6の3D印刷
CP2.6を、FDM式の3Dプリンターで、後述する印刷条件で印刷した。
【0223】
材料
3DプリンターCosmed333、XYデカルトZデカップリング(TOBECA社、仏)を使用した:
・移動限界:10μm、
・印刷容量:300300300mm、
・外部環境の制御なし、
・沈殿の種類:Ultimus V圧力コントローラーによる1~7バールの空気圧式(Nordson EFD社、米国)、
・Syringe Optimum(Nordson EFD社、米国)10cm、標準ピストン及びキャップ(Nordson EFD社、米国)付き及び40μm金属針(FISNAR社、米国)。
【0224】
プリンターの用意
シリコーンベースのポリウレタン-ポリウレアコポリマーを用いた供給カートリッジの用意:
・材料のペレットをシリンジの3/4充填する、
・プランジャーとストッパーでシリンジを閉じる、
・溶融温度Tより高い温度で4時間生成物を溶融及び熱安定化させる。
【0225】
3D印刷
以下の特徴を使用した:
・印刷用ソフトウェア:Repetier Host、
・スライスソフトウェア:Slic3r、
・印刷高さ:400μm、
・印刷幅:400μm、
・印刷速度:5mm.s-1
・真空変位速度:50mm.s-1
・印刷温度:95℃、
・堆積圧力:1~7バール(配合による)、好ましくは4~6バール。
【0226】
CP2.6を用いて、図1に示すように耳の模型を印刷した。シリコーンベースのウレタン-ウレアコポリマーは粘性の熱可塑性材料であるので、物体のはみ出し部分にも支持体印刷なしで印刷を行った。
【0227】
[実施例4]
CP2.6の3D印刷
CP2.6を、液滴堆積型3Dプリンターにより、後述する印刷条件で印刷した。
【0228】
材料
3DプリンターArburg Freeformer200-3Xバージョン2/3:
・吐出ユニット:2、
・X、Y、Zの移動、
・印刷チャンバ寸法:15×25×0.1~40cm、
・有効印刷面:200cm
【0229】
3D印刷
・フーパー30℃-120℃-130℃-140℃(ノズル)、
・チャンバ温度:60℃、
・層厚250μm、
・印刷速さ20mm/s。
【0230】
CP2.6で、図2に示すように、いくつかのH2ダンベル試験片を印刷した。
図1
図2
【国際調査報告】