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特表2024-500799回転自在に駆動可能なフライスボディを備える装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】回転自在に駆動可能なフライスボディを備える装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 31/13 20060101AFI20231227BHJP
   B23C 3/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
E01B31/13
B23C3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537318
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021085214
(87)【国際公開番号】W WO2022135975
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】102020134660.3
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523212634
【氏名又は名称】シュヴェーアバウ・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】メーヴェルト・フランク
【テーマコード(参考)】
2D057
3C022
【Fターム(参考)】
2D057BA32
3C022AA01
3C022AA08
3C022AA10
(57)【要約】
本発明は、成形物(3)、特に軌道本体のレールを研削加工するための、幾何学的に特定された切れ刃(2)をそれぞれ有する複数の切れ刃支持体を有する、回転自在に駆動可能なフライスボディ(4)を備える、特に移動式の装置に関する。装置は、フライスボディ(4)に対して相対運動可動な複数の切れ刃支持体(S1)を備え、切れ刃支持体(S1)は、少なくとも1つの作動ボディ(7)によって、切れ刃(2)が成形物(3)に係合する間、フライスボディ(4)に半径方向に変位させられ、平らな軌道(8)に沿ってガイドされる。付加的に、フライスボディ(4)が回転するように周回運動する間、第1の機能位置又は第2の機能位置が設定されていて、第1の機能位置では、軌跡(18)の可動の切れ刃支持体(S1)の第1の群だけが成形物(3)に係合し、第2の機能位置では、同一の軌跡(18)の、フライスボディ(4)に配置された複数の不動の切れ刃支持体(S2)の第2の群だけが成形物(3)に係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横輪郭を有する成形物(3)、特に軌道本体のレールを研削加工するための、幾何学的に特定された切れ刃(2、2’)をそれぞれ有する複数の切れ刃支持体(S、S1、S2、S8)を有する回転自在に駆動可能なフライスボディ(4)を備える、特に移動式の装置(1)であって、
前記装置(1)は、フライスボディ(4)に対して相対運動可動な複数の切れ刃支持体(S1、S8)を備え、
フライスボディ(4)が回転しながら周回運動する間、作動ボディ(7、7’、7a、7b)が、切れ刃支持体(S1、S8)の、傾斜部を有する造形部(6、6’)に周期的に接触することによって、切れ刃支持体(S1、S8)が、少なくとも1つの作動ボディ(7、7’、7a、7b)によって、それぞれ可動の切れ刃支持体(S1、S8)の切れ刃(2、2’)が成形物(3)に係合する間、異なる作業位置を設定するために、フライスボディ(4)に半径方向に変位可能であるように配置されている、装置(1)において、
第1の機能位置及び第2の機能位置又はさらなる機能位置が設定可能であり、第1の機能位置では、1つ又は複数の軌跡(18)の可動の切れ刃支持体(S1)の第1の群の切れ刃(2、2’)だけが成形物(3)に係合し、
第2の機能位置又はさらなる機能位置では、同一の1つ又は複数の軌跡(18)の、フライスボディ(4)に配置された複数の切れ刃支持体(S2、S8)の第2の群又はさらなる群の切れ刃(2、2’)だけが成形物(3)に係合することを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
第2の群のうちの少なくとも幾つかの切れ刃支持体(S2)が、フライスボディ(4)に不動に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
第1の群の可動の切れ刃支持体(S1)及び/又はさらなる群の可動の切れ刃支持体(S8)は、それぞれの作動ボディ(7、7’)によって変位可能に構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記装置(1)は、回転軸線(9)の方向に隣り合う異なる軌跡(18)に相並んで配置された複数の切れ刃支持体(S1、S2、S8)を有し、
横輪郭の走行面に割り当てられた少なくとも1つの軌跡(18)には、可動の切れ刃支持体(S1、S8)だけが配置されていて、
横輪郭の側方の及び/又は中央の縁領域に割り当てられた少なくとも1つの軌跡(18)には、群の異なる可動の切れ刃支持体(S1、S8)及び不動の切れ刃支持体(S2)が配置されていることを特徴とする、請求項1から3の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
異なる軌跡(18)の隣り合う切れ刃支持体(S1、S2、S8)が、周方向にオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項1から4の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
同一の軌跡(18)の群の異なる可動の切れ刃支持体(S1、S8)及び/又は不動の切れ刃支持体(S2)は、周方向で交互に及び/又は均等に分散して成形輪郭ボディ(4)に配置されていることを特徴とする、請求項1から5の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
特にカム状の造形部(6、6’)は、傾斜部を有し、傾斜部に対して作動ボディ(7、7’、7a、7b)が、加工中に周期的に滑動及び/又は転動するように当接することを特徴とする、請求項1から6の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
カム状の造形部(7,7’,7a,7b)は、少なくとも部分的に凹状及び/又は凸状に形成されていることを特徴とする、請求項1から7の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記装置(1)は、互いに独立して調整可能な複数の作動ボディ(7、7’、7a,7b)を有することを特徴とする、請求項1から8の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
請求項1から9の少なくともいずれか一項に記載の装置(1)を用いて成形物(3)を研削加工する方法であって、
成形物(3)を研削加工する間、切れ刃(2、2’)を、フライスボディ(4)の軸線(9)に対して周期的に変位させ、これにより平らな軌道(8)に沿って動かす、方法において、
成形物(3)を加工する間、同一の成形物(3)の異なる横輪郭幾何形状を形成するために、少なくとも1つの作動ボディ(7、7’、7a、7b)を作動させ、これにより、少なくとも1つの軌跡(18)の可動の切れ刃支持体(S1、S8)の第1の群の切れ刃(2、2’)、又は同一の1つ又は同一の複数の軌跡(18)の、フライスボディ(4)に配置された複数の切れ刃支持体(S1、S2、S8)の第2の群の切れ刃(2、2’)が、成形物(3)に係合することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形物、特に軌道本体のレールを研削加工するための、幾何学的に特定された切れ刃をそれぞれ有する、周に配置された複数の切れ刃支持体を有する回転自在に駆動可能なフライスボディを備える、特に移動式の装置に関し、成形物は、走行面を形成する中央の領域と少なくとも凸状の縁領域とを具備する横輪郭を有し、この装置は、フライスボディに対して相対運動可動な切れ刃支持体を備え、切れ刃支持体は、調整可能な少なくとも1つの作動ボディによって、それぞれ可動の切れ刃支持体の切れ刃が成形物に係合する間、異なる作業位置を設定するために、フライスボディの回転軸線を基準として半径方向に変位可能に配置されていて、これにより、切れ刃の切込み深さが、被加工物の加工中に調整可能な作動ボディによって変更可能であり、このことは、フライスボディが回転しながら周回運動する間、作動ボディが、切れ刃支持体の、傾斜部を有するカム状の造形部に周期的に接触することによって達成され、それによって回転運動に対して付加的に、切れ刃の継続的な半径方向の変位が周期的に行われるので、その結果、作動ボディによって切込み深さが調整可能となる。
【背景技術】
【0002】
比較的高い軸荷重及び高い走行速度に基づいて、レールは、レール材料の降伏点まで荷重を掛けられることが多く、したがって、特にレール頭部の走行面の領域で横輪郭に不都合に作用する摩耗にさらされる。
【0003】
走行運転中に軌道レールの走行面に生じる波状摩耗又は波状部を除去するために、摩耗に応じた後加工が必要である。このような波状摩耗又は波状部は、車両の車輪群に振動を生じさせ、振動は、車両の静かな走行を妨げ、軌道上部構造及び車両の過剰な摩耗を引き起こすとともに走行騒音を生じさせる。
【0004】
そのために、例えば鉄道レールを加工する方法が公知であり、この方法では、回転する複数の砥石車が使用される。砥石車は、相並んでかつ相前後して配置されていて、この場合、砥石車の一部は、レール頭部の元の輪郭に従って傾斜付けられている。このような研削方法によって、レール頭部の元の輪郭により良好に近づけることが達成される。
【0005】
端面側でレール表面に係合させられ、好ましくは、削正されるべきレール表面に対して傾斜角度をなして当接されるいわゆるカップ式の削正装置も公知である。
【0006】
鉄道レールの頭部を削正するために、いわゆるスライディングストーンも用いられる。その際、削正車が使用され、この削正車の下側にグラインディングストーンが配置されていて、グラインディングストーンは、圧力下でレール表面上をガイドされる。スライディングストーン研削は、車両の移動中にレールに沿って研削ボディが振動しながら並進運動することを基礎としている。使用中に摩耗が進んでも造形が適合される研削ボディの輪郭付けによって、原則として、良好な表面品質及び寸法維持が達成される。
【0007】
欧州特許第2525933号明細書は、レール頭部に沿ってガイドされる架台を有する、レール頭部の走行面を研削加工により後加工する装置に関する。複数の加工工具が、互いに逆向きに回転するように駆動可能な正面フライスとして構成されていて、正面フライスの回転軸線は、共通の一平面内に延在し、正面フライスの研削領域は、レール頭部の長手方向に対して横方向に互いに重なり合う。
【0008】
加工速度を増加させるために、例えば独国特許出願公開第3222208号明細書から、フライス工具を使用することが公知であり、このフライス工具の、複数の軸方向群においてカッタヘッドの周にわたって分散された切れ刃が、レール頭部輪郭を再現する。
【0009】
ただし、フライス工具の幾つかの切れ刃の、そのような平フライス加工に起因する湾曲した研削経過によって、レール頭部の表面にレール長手方向で波状部が生じ、この場合、送り速度が増加するにつれ、連続する切れ刃の切りくずを取り除く間隔が大きくなるので、表面品質は不良になる。
【0010】
また、国際公開第02/06587号には、レールの長手方向に6つ以上のフライス軌跡が相並んで位置する平フライスによる、レールのレール頭部横断面輪郭の少なくとも凸状の部分を再成形する方法が記載されている。
【0011】
研削加工による後加工を行う、特に軌道に敷設されたレール頭部をフライス加工するためのさらなる装置が、欧州特許第0952255号明細書、米国特許第5549505号明細書、欧州特許第0668398号明細書、欧州特許第0668397号明細書、米国特許第4275499号明細書及び欧州特許出願公開第0148089号明細書及び独国特許発明第3222208号明細書に記載されている。
【0012】
さらに、例えば独国特許発明第2841506号明細書によって、レール頭部がいわゆるレールプレーナによって加工される装置が公知である。プレーナ加工における欠点は、特にフライス加工法と比較して、送り方向により高い力が必要であること、切りくずが長いこと及び/又は停止時間がより長いことである。
【0013】
オーストリア国特許第400863号明細書には、加工ストリップに沿ってガイドされる、周回運動する工具を用いて、レール頭部の、研削加工による後加工を行う装置が記述されていて、この装置では、切れ刃は、支持体に保持されていて、方向転換ホイールの周りにガイドされた無端のリンクチェンのリンクを形成する。
【0014】
平らな表面を達成するために、冒頭で述べたようなタイプである欧州特許出願公開第2177664号明細書は、被加工物の研削加工中に真っ直ぐな軌道に沿って切れ刃を動かすことを提案しているので、後加工、例えば研削は不要である。欧州特許出願公開第2177664号明細書から、異なる軌跡に独立した作動ボディが割り当てられていることによって、例えばレールの側方の側に割り当てられた外側の軌跡でも、横輪郭の幾つかの軌跡の切れ刃を別個に作動させることもさらに公知である。
【0015】
これにより、例えばクロッシング、ウイングレール及び分岐器の転轍機の領域でレールを加工するとき、1つ又は複数の軌跡が非作動化され得るので、横輪郭の、軌跡に対応する部分では、加工ひいては材料削剥が行われない。そのような原則として所望されない削剥によって、他の箇所では分岐器の横輪郭の幾何形状が不適となる。例えば、クロッシングの領域で2本のレールが合流するので、この領域では横輪郭の側方の部分と中央の部分との区別が行われない。
【0016】
実際には、通常、横輪郭の表面について、走行面の中央の領域では、縁領域に対する傾斜部又は凸状の幾何形状が設けられていない。
【0017】
実際には、分岐器の横輪郭の縁領域で、欧州特許出願公開第2177664号明細書に開示された技術思想の原理に従って、対応する軌跡を非作動化することによって、加工が一時的に中断されることがあり、不都合であると判明している。ただし、実際には、対応する切れ刃の単純な非作動化では、フライス加工時、横輪郭の連続的な経過が生じない。むしろ、例えば所望されない急変化箇所を有する横輪郭部分の狂いが生じ得る。加えて、成形物は、この横輪郭部分では未加工に維持されるので、例えば亀裂などの、特に表面付近の欠陥箇所を排除できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】欧州特許第2525933号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3222208号明細書
【特許文献3】国際公開第02/06587号
【特許文献4】欧州特許第0952255号明細書
【特許文献5】米国特許第5549505号明細書
【特許文献6】欧州特許第0668398号明細書
【特許文献7】欧州特許第0668397号明細書
【特許文献8】米国特許第4275499号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第0148089号明細書
【特許文献10】独国特許発明第3222208号明細書
【特許文献11】独国特許発明第2841506号明細書
【特許文献12】オーストリア国特許第400863号明細書
【特許文献13】欧州特許出願公開第2177664号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の基礎をなす課題は、装置を使用して、様々な成形物の加工を可能にすることである。さらに、成形物の加工中に異なる横輪郭の幾何形状を形成できることが望まれる。さらに、成形物の加工中に異なる横輪郭の幾何形状を形成できる加工方法を提供するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
第1の課題は、本発明によれば、請求項1の特徴部に記載の装置によって解決される。本発明のさらなる形態は、従属請求項から看取される。
【0021】
本発明によれば、少なくとも1つの作動ボディによって、可動の切れ刃支持体の第1の機能位置、第2の機能位置又はさらなる機能位置が調整可能であり、第1の機能位置では、1つ又は複数の軌跡の可動の切れ刃支持体の第1の群の切れ刃だけが成形物に係合し、第2の機能位置又はさらなる機能位置では、同一の1つ又は複数の軌跡の、フライスボディに配置された複数の切れ刃支持体の第2の群又はさらなる群の切れ刃だけが成形物に係合し、第1の群の切れ刃支持体と第2の群の切れ刃支持体とは、同一ではない。この場合、本発明は、異なる横輪郭部分を加工するための可能な複数の軌跡のうちの幾つかに関連して、それぞれ異なる造形及び幾何形状を、少なくとも1つの作動ボディを用いて、様々な機能位置によって形成できるという認識から出発する。このために、特定の軌跡内で、作動ボディによって、異なる群の切れ刃支持体が作動又は非作動化させられ、これにより、横輪郭全体にわたって連続的な、しかし異なる横輪郭幾何形状が形成される。この横輪郭幾何形状は、特に成形物の他の延伸部分とは異なる分岐器の領域における横輪郭への特別な要求に整合することができる。
【0022】
本発明の観点では、半径方向の変位は、フライスボディの回転軸線からの距離の増加に制限されるのではない。むしろ、所望される切れ刃の一時的な平らな運動軌道が、回転運動と回転軸線に対して内向き又は外向きに向けられた半径方向の運動との重畳によって達成できる。
【0023】
このために、本発明に係る装置の特に有利な実施形態によれば、第2の群の少なくとも幾つかの切れ刃支持体が、不動にフライスボディに配置されている。フライスボディに、フライスボディの少なくとも1つの軌跡において、周にわたって分散して、少なくとも幾つかの切れ刃支持体が、加工中にフライスボディに対して又はフライスボディに対して相対的に不動に配置されていることによって、これらの切れ刃支持体の切れ刃は、可動の切れ刃支持体の切れ刃が半径方向外方に変位させられていない場合、つまり特に完全に非作動化されている場合にのみ係合する。例えば、このために、少なくとも1つの軌跡において、フライスボディの周上に可動の切れ刃支持体と固定の切れ刃支持体とが交互に配置されていて、異なる群を形成する。この場合、可動の切れ刃支持体は、半径方向外方へ移動した位置で、固定の切れ刃支持体に対して半径方向に突出する。分岐器では、これらの軌跡、例えば側方の軌跡の可動の切れ刃支持体が非作動化させられるので、切込み深さが減少し、ひいては固定の切れ刃の削剥量が減少する。したがって、横輪郭は、結果として、可動の切れ刃支持体の切れ刃による択一的な加工の場合よりも隆起する。他の機能位置では、削剥は、半径方向の広がりがより大きいので、可動の切れ刃支持体に制限される。したがって、同一の軌跡において必要に応じて様々な成形物を初めて形成することができ、これら形成物は、それぞれ均一で連続的に延在する横輪郭幾何形状を成す。
【0024】
この場合、本発明は、例えば、可動の切れ刃支持体と不動の切れ刃支持体との組合せに制限されるものではない。むしろ、異なる群の全ての切れ刃支持体が可動に構成されてよく、別個の作動ボディによって選択的に変位可能であってよいので、フライス加工の間、様々な成形物を形成し、その際、いわゆる回転式プレーナ加工、つまり部分的に平らで、成形物の長手延伸部分に対して平行の運動軌道を有するフライス加工と、これに伴う、切れ刃支持体の異なる群及びこれに応じた異なる横輪郭幾何形状について加工品質の向上との利点が達成される。
【0025】
このために、異なる群の可動の切れ刃支持体は、例えばそれぞれの作動ボディのための接触面として凸状の造形部を有し、作動ボディはフライスボディの回転軸線を基準として異なる横断平面内に配置されているので、同一の軌跡に割り当てられた相並んで位置する複数の作動ボディを実現できる。好ましくは、フライスボディの回転軸線に対して平行の向きに、相並んで位置する複数の作動ボディを合わせても、この軌跡の割り当てられた切れ刃支持体によって加工されるべき横輪郭部分よりも広くない。
【0026】
この装置は、それぞれの軌跡における切れ刃支持体の2つの群に制限されるものでもない。むしろ、原則として、3つ以上の群を実現でき、この場合、接触する作動ボディによる機械的な変位は、存在するスペース状況に基づいて、付加的な構造上の手間に結び付いている。3つ以上の群の場合、可動の切れ刃支持体は、好ましくは、フライスボディに配置された、したがって作動ボディと一緒に回転するアクチュエータとして構成された適切な作動ボディによって、半径方向に変位でき、この場合、制御ユニットは、特に作動ボディ又はアクチュエータのための制御命令の無線の伝送にも用いられる。制御命令は、区間情報、特に分岐器の位置及び関連するパラメータを考慮して生成することもできるので、自動的な加工を行うことができる。
【0027】
実際には、試験において、この装置が、フライスボディの平行の横断平面の、回転軸線の方向に隣り合う異なる軌跡に相並んで配置された複数の切れ刃支持体を有し、横輪郭の走行面に割り当てられた少なくとも1つの軌跡には、可動の切れ刃支持体が配置されていて、横輪郭の側方の及び/又は中央の縁領域に割り当てられた少なくとも1つの軌跡には、可動の切れ刃支持体及び不動の切れ刃支持体の異なる群が配置されている場合が適切であると既に実証されている。したがって、特定の横輪郭部分の異なる幾何形状を形成するための選択的なフライス加工は、走行面の両側で横輪郭領域に制限されているので、走行面に当てはまるような高い品質要求の領域では、全ての切れ刃支持体が同一の幾何形状の形成に用いられ、これに応じて、周にわたって分散されたより多数の切れ刃支持体が、走行面成形輪郭のために提供され、それらの切れ刃支持体は、選択的に作動化可能な群の切れ刃支持体よりも小さい間隔で成形物に係合する。
【0028】
フライスボディは、好ましくは、互いに周方向に離れて配置された複数の切れ刃支持体を有する。同様に特に好都合なさらなる実施形態は、異なる軌跡の隣り合う切れ刃支持体が、周方向でオフセットして配置されていて、この場合、隣り合う切れ刃支持体同士の間のオフセットが、周にわたって分散されていて、及び/又は複数の平行の軌跡の切れ刃支持体同士の間ではそれぞれ一致していることによっても達成される。本発明の観点では、隣り合う軌跡の切れ刃支持体の一様のオフセットは、ゼロよりも大きい。これにより、同一の軌跡の切れ刃支持体と隣り合う軌跡の切れ刃支持体とが、フライスボディが周回運動するとき、相前後して成形物に係合し、これにより、加工品質をさらに向上できる。
【0029】
さらに、本発明の特に有利な実施形態は、同一の軌跡の群の異なる可動の切れ刃支持体及び/又は不動の切れ刃支持体は、周方向で交互に及び/又は均等に分散して成形輪郭ボディに配置されていることによっても達成され、その結果、それぞれの群によって均一な材料削剥が達成される。好ましくは、群の異なる切れ刃支持体は、数が一致していてい、フライスボディに周にわたって均一に分散して配置されている。
【0030】
作動ボディは、運動学的な結合によって、それぞれの可動の切れ刃支持体に作用できる。このために、作動ボディを、そのために中空体として又は環状に構成されたフライスボディ内で半径方向内側に配置ができるので、可動の切れ刃支持体は、作動ボディとの周期的な接触によって半径方向に移動させられる。この場合、作動ボディは、偏心体として、例えばカムとして構成されてよく、これにより、切れ刃支持体は、相応に半径方向に移動させられる。好ましくは、偏心体は、カムシャフトに配置されていて、カムシャフトは、固定の回転速度比で、例えば運動学的な結合によってフライスボディと共に回転運動するように駆動される。
【0031】
さらに、切れ刃支持体の変位は、作動ボディのスライダ機構を用いて実現可能である。特に好ましくは、接触面は、特に、傾斜部を有するカム形状の造形部を有し、傾斜部に対して作動ボディは、加工中に周期的に滑動するように及び/又は自由に転動するように当接し、この場合、造形部は、幾何形状が特定されていて、フライス加工中に不変であるが、しかし必要に応じて交換可能に構成されていて、切れ刃支持体の、切れ刃とは反対側で、切れ刃支持体に例えば一体的に結合されている。作動ボディは、フライスボディの回転中に造形部に周期的に当接し、その際、摩擦を低減するそれ自体公知の手段、例えば滑動又は転動する接触面が設けられてよい。
【0032】
この場合、フライスボディの横断平面に対して平行の作動ボディの多軸の相対的な移動は、それぞれの切れ刃の所望の重畳した運動軌道を形成するときに最適な調整性能を可能にする。さらに、アクチュエータ、例えばピエゾアクチュエータも、作動ボディとして有利に使用可能である。
【0033】
カム状の造形部は、楔状の又はランプ状の接触面として構成されてよく、接触面によって、切れ刃支持体は、半径方向に移動させられる。この場合、形成されるべき切れ刃の平らな運動軌道を基準として半径方向の変位について非線形の関係が生じるので、本発明の特に好適な形態によれば、カム状の造形部が、少なくとも部分的に凹状又は凸状に構成されている、又は切れ刃の周回軌道の接線に対して非平行に延在し、これにより、回転運動と半径方向の変位とが重畳すると、切れ刃の平らな運動軌道が確保される。
【0034】
軌跡の異なる可動の切れ刃支持体又は同一の軌跡の切れ刃支持体の異なる群が作動しているとき、この装置が互いに独立して調整可能な複数の作動ボディを有し、これらの作動ボディは、互いに対して相対的に調整可能に構成されていて、これにより、様々な半径方向の広がりが実現されると、既に、特に合理的であると証明されている。
【0035】
もちろん、切れ刃は、形成されるべき成形物の表面幾何形状に適合した形状を有してよいので、好適な形態によれば、少なくとも幾つかの切れ刃支持体の切れ刃が、凹状の造形を有する。
【0036】
切れ刃支持体の半径方向の変位は、本発明によれば、並進運動に限定されるものではない。むしろ、このために、可動の切れ刃支持体は、例えば梃子腕に、特に梃子腕の旋回軸線がフライスボディの回転軸線に対して平行に運動するように配置されてもよい。
【0037】
本発明による課題は、さらに装置を運転する方法において、第1の機能位置又は第2の機能位置で、同一の軌跡内の少なくとも1つの作動ボディを用いて、選択的に、可動の切れ刃支持体の第1の群の切れ刃又はフライスボディに配置された切れ刃の第2の群の切れ刃が、これらが互いに対して相対的に及び/又はフライスボディに対して相対的に半径方向に移動させられることによって、成形物に係合させられることによって解決される。特に、成形物の加工中、同一の成形物の異なる横輪郭の幾何形状を形成するために、少なくとも1つの作動ボディが作動させられ、これにより、少なくとも1つの軌跡の可動の切れ刃支持体の第1の群の切れ刃だけが成形物に係合する、可動の切れ刃支持体の第1の機能位置と、又は同一の1つ又は複数の軌跡の、フライスボディに配置された複数の切れ刃支持体のさらなる群の切れ刃だけが成形物に係合する第2の機能位置又はさらなる機能位置とが、選択的に設定されている。本発明によれば、同一の又は複数の軌跡に割り当てられてよい、フライスボディの周に分散された複数の切れ刃支持体が、群にまとめられていて、選択的に又は場合によっては互いに組み合わせた形でも作動させられるので、同一の軌跡内で成形物の異なる横輪郭幾何形状を形成できる。
【0038】
基本的に、第2の群の切れ刃支持体は、使用状態で加工中に不動にフライスボディに配置されてよく、その一方、少なくとも第1の群の切れ刃支持体の切れ刃は、フライス加工時に成形物に係合する間、運動可能であり、その際、回転運動に対して付加的に、半径方向内向き又は外向きに移動又は変位させられる。この場合、両群がそれぞれ異なる作動ボディによって変位可能な切れ刃支持体を有することによって、回転式プレーナ加工の原理に従って加工品質のさらなる向上が達成される。
【0039】
本発明は、様々な実施形態を可能にする。その基本原理をさらに分かりやすくするために、そのうちの1つを図示し、以下に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】成形物のフライス加工中に複数の切れ刃支持体の支持体としてフライスボディを有する本発明に係る装置を側面図で示す。
図2】装置の、群の異なる可動の切れ刃支持体と不動の切れ刃支持体とを拡大断面図で示す。
図3】平行の軌跡に相並んで配置された複数の切れ刃支持体を有する装置を側面図で示す。
図4】可動の全ての切れ刃支持体を変位させるための第1の機能位置と、幾つかの軌跡に割り当てられた可動の切れ刃支持体を変位させるための第2の機能位置とを拡大図で示す。
図5図4に示された異なる機能位置に対応する、2つの可能な横輪郭を拡大図で示す。
図6】同一の軌跡において群の異なる、互いに対して独立して可動の2つの切れ刃支持体を拡大図で示す。
図7】平行の6つの軌跡に配置された複数の切れ刃支持体を平面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
成形物3をフライス加工する、本発明に係る装置1を、以下、図1から図7に基づいて詳説する。装置1は、加工中に軸線9を中心に回転自在に駆動可能なフライスボディ4を有する。フライスボディ4は、軌道本体のレールとして構成された成形物3を研削加工するそれぞれの切れ刃2を有する、周面側に配置された切れ刃支持体Sの支持体として用いられる。フライス加工の課題は、所望の横輪郭、特に成形物3の縁部領域同士の間に形成された、レール車両の図示されていないレール車輪のための走行面を平滑化及び復元することである。この場合、フライス加工の特別な課題は、原則として平フライスを用いて加工するとき、特に成形物に沿った、移動式の装置の高い送り速度に関連して完全には回避できない表面波状部を十分に回避することにある。
【0042】
加工品質を改善するために、回転式プレーナ加工とも称される方法では、一方では切れ刃支持体Sが、フライスボディ4と一緒に、フライスボディ4の円形の周回軌道15上を矢印方向11に動かされる。この場合、切れ刃2のこの運動は、歯切り加工の運動に対応する。他方では、付加的に、切れ刃2を有する可動の切れ刃支持体S1が、フライスボディ4において、周期的に半径方向外方へ動かされる。このために、切れ刃支持体S1は、それぞれの収容部5内で、フライスボディ4に対して相対的に並進運動可能である。収容部5内で切れ刃支持体S1が変位することによって、切れ刃2は、特定の期間にわたって、成形物3の表面に対して平行に動かされる。成形物3の表面に対して平行の切れ刃2の運動は、従来技術から公知のプレーナの運動に対応する。切れ刃2の一時的に平行のこの運動は、周回軌道15上の周回運動と、この周回軌道15から外れる、半径方向で矢印方向12での切れ刃支持体S1の運動との重畳によって達成される。矢印方向11及び12で示唆された運動の重畳は、図2に一転鎖線で示された、切れ刃2の作業運動16の平らな軌道8を生じさせる。
【0043】
装置1は、収容部5内でそれぞれ並進運動可能な複数の切れ刃支持体S1と、不動の複数の切れ刃支持体S2とを有する。図1から図3に示されているように、フライスボディ4の周にわたって複数の切れ刃支持体S1、S2が周方向に相前後して分散されていて、図3から図7において看取されるように、複数の軌跡18に相並んで配置されている。各軌跡18は、成形物3の横輪郭部分の加工に役立つ。
【0044】
可動の切れ刃支持体S1は、フライスボディ4にあるそれぞれの収容部5内に移動可能に配置されていて、半径方向の変位のために楔状又はカム状の造形部6をそれぞれ有する。フライスボディ4の周回中、それぞれの切れ刃支持体S1の造形部6は、自由に回転可能な又は駆動装置19によって回転自在に駆動される、回転ボディとして構成された作動ボディ7に沿って動かされる。作動ボディ7と造形部6との間で接触が生じると、切れ刃支持体S1は、造形部6の楔状又はランプ状の幾何形状に応じて、作動ボディ7によって矢印方向12に変位させられる。収容部5は、復元装置14を有するので、切れ刃支持体S1は、復元力に抗して変位させられるが、造形部6がもはや作動ボディ7に接触しなくなると、復元装置14によって出発位置へ戻される。
【0045】
軸線9を中心に回転するフライスボディ4は、周方向に相並んで配置された複数の収容部5を有する。成形物3の加工のために、造形部6上を作動ボディ7が転動する又は滑動することによって、収容部5にガイドされる切れ刃支持体S1のうちの少なくとも幾つかは、切れ刃2が成形物3に係合する間、成形物3の方向に周期的に動かされる。
【0046】
特に図3及び図4において看取されるように、図示の実施形態による装置1は、シャフト10上で互いに独立して自由に回転可能に配置された2つの作動ボディ7a、7bを有し、この場合もちろん本発明によれば、さらなる作動ボディは排除されない。シャフト10を介して、切れ刃2を変位させるために作動ボディ7a、7bによって受け取られた力が伝達される。
【0047】
シャフト10の角度位置αの変化によって、シャフト10の偏心領域13の位置が変化させられるので、シャフト10に配置された又は領域13に支持された作動ボディ7bが、割り当てられた軌跡18の割り当てられた切れ刃支持体S1にもはや作用し得ないか、又は同一の振幅では作用し得ない。これに応じてこれらの切れ刃支持体S1は、もはや変位させられない又はそれほど変位させられず、これにより、この切れ刃支持体S1の切れ刃2はもはや成形物3に係合せず、フライス加工が行われない又は著しく制限されたフライス加工しか行われない。
【0048】
図3及び図4において明らかであるように、フライスボディ4が完全に一回転すると、作動ボディ7aが割り当てられた全ての切れ刃支持体S1が、一度変位させられ、その一方で、作動ボディ7bが割り当てられた切れ刃支持体S1は、図4の図面左側に示された、作動ボディ7bの対応する角度位置αのときにしか変位させられない。
【0049】
図4の図面右側において看取されるように、選択的に、作動ボディ7bの少なくとも角度位置α’が調整可能であり、この角度位置α’では、可動の切れ刃支持体S1が変位させられず、したがって成形物3に係合しない。これらの可動の切れ刃支持体S1は、記述されたように必要に応じて又は調整可能に変位可能であり、可動の切れ刃支持体S1の第1の群を形成する。
【0050】
可動の切れ刃支持体S1の第1の群に加えて、フライスボディ4は、同一の軌跡18に切れ刃支持体S2の第2の群をさらに有し、これら切れ刃支持体S2は、周方向に、例えば第1の群の切れ刃支持体S1と交互に配置されてよい。同一の軌跡18の可動の切れ刃支持体1の合計と不動の切れ刃支持体S2の合計とは、一致してよく又は異なっていてもよく、それぞれの用途に適合され得る。
【0051】
第2の群の切れ刃支持体S2は、使用時にフライスボディ4に不動に、しかし好ましくは交換可能に固定されている。第1の機能位置では、不動の切れ刃支持体S2が、可動の切れ刃支持体S1に対して、不動の切れ刃支持体S2の切れ刃2が成形物3に係合できないように後退する。この第1の機能位置及びそこから生じる切れ刃支持体S1の横輪郭が、図5において図面左側に示されている。
【0052】
これに対して、第2の機能位置は、角度位置α’で作動ボディ7bを非作動化させることによって設定可能であり、角度位置α’では、第2の群に割り当てられた不動の切れ刃支持体S2の切れ刃2だけが成形物3に係合する。というのも、可動の切れ刃支持体S1が、不動の切れ刃支持体S2に対して後退しているからである。第2の機能位置及びそこから生じる、切れ刃支持体S1及び切れ刃支持体S2の横輪郭が、図5の図面右側に示されている。これにより初めて、中断のないフライス加工中でも、特に成形物3の異なる延伸区間において、例えば分岐器の領域で必要とされるように、異なる横輪郭幾何形状を形成できる。
【0053】
図6には補足的に、装置1のさらに1つの形態が示されていて、この形態では、異なる切れ刃支持体S1、S8の2つの群が設けられていて、これらの群は、図2に示されたものとは異なり、それぞれ可動の切れ刃支持体S1、S8として構成されている。より良好に理解するために、図6には、異なる切れ刃支持体S1、S8が、相並んで示されている。これらの切れ刃支持体S1、S8は、実際に周方向に相前後して配置されているので、切れ刃2は、フライス加工中、同一の軌跡18において選択的に成形物3に係合する。看取されるように、切れ刃支持体S1、S8の造形部6、6’は、異なる側から切れ刃支持体S1、S8の幅Bの約半分まで延在し、この場合、異なる群の切れ刃支持体S1、S8の造形部6、6’は、異なる側に配置されている。したがって、図4に示された原理に従って独立して作動可能な2つの作動ボディ7、7’は、ほぼ平らな軌道8に沿った同一の軌跡18における加工中に、異なる群の切れ刃支持体S1、S8を独立して変位することを可能にする。換言すると、要するに切れ刃支持体S1、S8の両方の群は、回転式プレーナ加工の前提条件を満たすので、一定の高い加工品質が達成され、それにもかかわらず切れ刃支持体S1、S8の切れ刃2、2’の異なる切れ刃幾何形状を用いることによって、同一の軌跡18において異なる横輪郭部分を形成できる。
【0054】
そのために、作動ボディ7、7’は、シャフト10上にそれぞれ偏心して配置されているので、シャフト10の回転運動によって、作動ボディ7又は作動ボディ7’が選択的に変位させられ、その結果、同一の軌跡18において切れ刃支持体S1の切れ刃2又は切れ刃支持体S8の切れ刃2’が成形物3に係合する。共通の作動ボディによる切れ刃支持体S1又は切れ刃支持体S8の可能な選択的な作動は図示されていないが、共通の作動ボディは、このために、作動ボディ7の図示された位置と作動ボディ7’の図示された位置との間でシャフト10の軸方向に並進運動可能である。
【0055】
切れ刃支持体S1又は切れ刃支持体S8の選択的な作動から形成される異なる横輪郭形状は、図5に示された横輪郭に対応し、この場合、使用されるそれぞれ可動の切れ刃支持体S1、S8に基づいて、加工品質は、相応に著しく高められている。
【0056】
図7は、相前後してかつ相並んで配置された複数の切れ刃2によるフライスボディ4の展開面の一部を示す。切れ刃2は、平行の複数の軌跡18に割り当てられていて、これにより、図1から図3に示された成形物3の加工された表面上の痕跡形成が回避される。矢印11の方向に運動するフライスボディ4は、個々のセグメント17から構成されている。セグメント17は、フライスボディ4に着脱自在に固定可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 装置
2,2’ 切れ刃
3 成形物
4 フライスボディ
5 収容部
6、6’ 造形部
7a、7b、7、7’ 作動ボディ
8 軌道
9 軸線
10 シャフト
11 矢印方向
12 矢印方向
13 領域
14 復元装置
15 周回軌道
16 作業運動
17 セグメント
18 軌跡
19 駆動装置
α、α’ 角度位置
B 幅
S、S1、S2、S8 切れ刃支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】