(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】電気分散型推進システムを備えた飛行船
(51)【国際特許分類】
B64D 27/24 20240101AFI20231227BHJP
B64B 1/00 20060101ALI20231227BHJP
B64B 1/32 20060101ALI20231227BHJP
B64B 1/34 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B64D27/24
B64B1/00
B64B1/32
B64B1/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537337
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 FR2021052377
(87)【国際公開番号】W WO2022129811
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520164518
【氏名又は名称】フライング・ホエールズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ル ブラン,ブノワ
(57)【要約】
飛行船であって、複数の発電機(G1、G2、G3、G4)と、複数の電気バス(バス1、バス2、バス3、バス4)と、複数の推進点(PXt、PXb、PY、PZbt、PZbb、PZst、PZsb)であって、電気モータ駆動プロペラタイプの各々複数のスラスタ(Xt1、Xt2、Xt3、Xt4、Xt5、Xt6;Xb1、Xb2、Xb3、Xb4、Xb5、Xb6;Y1、Y2、Y3、Y4;Zbt1、Zbt2、Zbt3、Zbt4;Zbb1、Zbb2、Zbb3、Zbb4;Zst1、Zst2、Zst3、Zst4;Zsb1、Zsb2、Zsb3、Zsb4)から形成される推進剤束を備える複数の推進点と、を備える、飛行船。推進点の各々について、スラスタは、電気バスのうちの1つによって発電機のうちの1つに電気的に接続され、推進点の別のスラスタは、電気バスのうちの別の電気バスによって発電機のうちの別の発電機に電気的に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気推進システムを備えたホバリング可能な飛行船であって、
-複数の発電機(G1、G2、G3、G4)と、
-複数の電気バス(バス1、バス2、バス3、バス4)と、
-複数の電気推進点(PXt、PXb、PY、PZbt、PZbb、PZst、PZsb)と、を備え、
前記複数の推進点は、長手方向の推力を加えるための専用の複数の電気駆動プロペラベースのスラスタから形成された少なくとも1つの推進剤束と、垂直方向の推力を加えるための専用の複数の電気駆動プロペラベースのスラスタから形成された少なくとも1つの推進剤束と、を備え、
前記長手方向又は垂直方向の推進剤束のうちの少なくとも1つは、前記推進剤束内の各スラスタが、前記複数の電気バスのうちの電気バス(バス1、バス2、バス3、バス4)によって前記複数の発電機内の発電機に電気的に接続され、前記推進剤束内の他の各スラスタが、前記複数の電気バスのうちの別の電気バスによって前記複数の発電機内の別の発電機に電気的に接続されるように配置され、
前記複数の推進点は、横方向推力を生成するための専用の少なくとも1つの推進剤束(PY)を更に備え、前記推進剤束(PY)は、そのスラスタのうちの1つが前記複数の電気バスのうちの電気バス(バス1、バス2、バス3、バス4)によって前記複数の発電機内の発電機に電気的に接続され、前記推進剤束内の少なくとも1つの他のスラスタの各々が前記複数の電気バスのうちの別の電気バスによって前記複数の発電機内の別の発電機に電気的に接続されるように配置されていることを特徴とする、ホバリング可能な飛行船。
【請求項2】
各推進点は、複数の電気プロペラスラスタから形成された推進剤束を備え、
各推進点において、前記推進剤束内のスラスタは、前記複数の電気バスのうちの電気バスによって前記複数の発電機内の発電機に電気的に接続され、前記推進剤束内の他の各スラスタは、前記複数の電気バスのうちの別の電気バスによって前記複数の発電機内の別の発電機に電気的に接続される、請求項1に記載の飛行船。
【請求項3】
前記発電機は、ターボ交流発電機を含む、請求項1又は2に記載の飛行船。
【請求項4】
前記発電機は、燃料電池を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行船。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のホバリング可能な航空機に搭載される電気推進システムを管理するための方法であって、前記飛行船は、飛行制御モジュールによって発せられた推進点からの推力コマンドを受信する推進管理モジュールを備え、前記管理モジュールは、一方では電力要求命令を前記発電機の各々に送信し、他方では推力コマンドを前記推進点の前記スラスタの各々に送信するように構成されている、方法。
【請求項6】
発電ユニット又はスラスタの故障が検出された場合に、前記推進点の前記スラスタに送信される前記推力コマンドの修正を更に含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホバリング可能な航空機のための電気分散型推進システムに関する。本発明は更に、そのようなシステムを装備したホバリング可能な航空機に関し、より詳細には、重い荷重を支える飛行船に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、航空機の推進システムは、2つの発電ユニットと、各々が2つの発電ユニットのうちの1つに接続されている2つの主電気バスとを備える。下流では、推進システムは複数のスラスタを備え、スラスタの各々は、通常構成において、2つの電気バスのうちの1つに接続されている。これは、例えば、特定のマルチロータ及び垂直離陸航空機の場合である。
【0003】
通常構成によれば、航空機の右推進点は、例えば、航空機の右側に位置する発電ユニットに電気的に接続され、一方、航空機の左推進点は、例えば、航空機の左側に位置する発電ユニットに電気的に接続される。
【0004】
冗長性の理由から、2つの電力ユニットのうちの1つが欠陥を有する場合のために、電気的再構成ステップが提供される。例えば、左側に配置された発電ユニットが故障した場合に、右側に配置された発電ユニットから左側のモータに電力供給するために、可能な電気的再構成が提供される。この目的のために、左側のモータを、右側に配置された発電ユニットに接続するバックアップ電気回路を設けなければならない。当然ながら、右側のモータと左側に位置する発電ユニットとの間でも同じである。
【0005】
欧州特許第3521172(B1)号は、電力を供給するための第1のパワーリザーブ及び電力を供給するための第2のパワーリザーブと、航空機に駆動力を提供するための複数の電気スラスタユニットとを備える、航空機の電気推進システムを開示している。電力分配ユニットは、第1のエネルギーアキュムレータから供給される電力及び第2のエネルギーアキュムレータから供給される電力を少なくとも1つの電気スラスタユニットに伝送するために設けられる。この電力分配ユニットはまた、少なくとも1つのスラスタユニットのためのエネルギーの第1の部分と、第2のパワーリザーブを充電するためのエネルギーの第2の部分とを使用して、第2のパワーリザーブを充電するように構成される。
【0006】
したがって、バックアップ回路は、通常動作において主バスによる電気接続から電気的に分離されなければならず、電気ユニットの故障の場合に主バスから引き継がれなければならない。これは、それらが主バスと実質的に同じ特性を有することを意味する。通常の方式では有用でないが、故障の場合にのみ有用であるこのようなバックアップ回路の搭載重量に加えて、これらの回路の制御は、故障の原因にもなり得るアクチュエータ及びエフェクタを必要とする。
【0007】
本発明の目的は、この欠点を克服することである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの目的は、特に、前述の欠点の全て又は一部を改善することである。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、静止飛行能力を有する航空機のための電気推進システムが提案され、
-複数の発電機と、
-複数の電気バスと、
-複数の電気推進点と、を備える。
【0010】
本発明による推進システムにおいて、複数の推進点のうちの少なくとも1つの推進点は、複数の電気プロペラスラスタから形成された推進剤束を含む。
【0011】
この推進剤束内のスラスタは、複数の電気バスのうちの電気バスによって複数の発電機内の発電機に電気的に接続され、この推進剤束内の他の少なくとも1つのスラスタは、複数の電気バスのうちの別の電気バスによって複数の発電機内の別の発電機に電気的に接続される。
【0012】
本発明の好ましいバージョンでは、各推進点は、複数の電気駆動プロペラベースのスラスタから形成された推進剤束を備え、各推進点において、当該推進剤束内のスラスタは、複数の電気バスのうちの電気バスによって複数の発電機内の発電機に電気的に接続され、この推進剤束内の他の各スラスタは、複数の電気バスのうちの別の電気バスによって複数の発電機内の別の発電機に電気的に接続される。
【0013】
したがって、電気バスによって発電機に接続されたスラスタと、別の電気バスによって別の発電機に接続された同じ推進点の別のスラスタとの間の電気的分離が提案される。
【0014】
分離は、
-高電圧高電力スイッチ技術が飛行中に使用されるほど十分に成熟していないことを考慮して、動的再接続スイッチを介して飛行中のネットワークを再構成する複雑さを回避し、
-再構成後に欠陥が広がる可能性を回避し、
-再構成なしにネイティブ冗長性の増加を提供する。
【0015】
-開発コストを削減し(トレイン当たりの電力を2で割る)、
-検証をより容易にし(再構成がないので、複雑性がより少ない)、
-電気機器の電力/電流を低減する、ことを可能にする。
【0016】
1つの可能性によれば、発電機は、ターボ交流発電機を備える。
【0017】
発電機は、熱式であってもよい。
【0018】
一実施形態では、発電機は燃料電池を含む。
【0019】
1つの可能性によれば、少なくとも1つの推進剤束は巡航推進専用である。
【0020】
第2の可能性によれば、任意選択で第1の可能性と組み合わせて、少なくとも1つの推進剤束は、実質的に垂直方向の推力を生成することに専用である。
【0021】
第3の可能性によれば、任意選択で第1及び/又は第2の可能性と組み合わせて、少なくとも1つの推進剤束は、ベクトル化された推力を生成することに専用である。
【0022】
第4の可能性によれば、任意選択で第1及び/又は第2及び/又は第3の推進剤束と組み合わせて、少なくとも1つの推進剤束は、横方向推力を生成することに専用である。
【0023】
本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態による推進システム、又はその改良のうちの1つ以上を装備したホバリング可能な航空機が提案される。
【0024】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様又はその改良の1つ以上による、ホバリング可能な航空機に装備される電気推進システムを管理するための方法が提案され、当該航空機は、飛行制御モジュールによって発せられた推進点に対する推力コマンドを受信する推進管理モジュールを備え、当該管理モジュールは、一方では電力要求命令を発電機の各々に送信し、他方では推力コマンドを当該推進点のスラスタの各々に送信するように構成されている。
【0025】
有利には、方法は、発電ユニット又はスラスタの故障が検出された場合に、推進点のスラスタに送信される推力コマンドの修正を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の他の利点及び特殊性は、添付の図面を参照して、決して網羅的ではない実施態様及び実施形態の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【
図1】本発明による飛行船の右舷前方からの斜視図を概略的に示す。
【
図3】
図2に示すシステムの詳細図を概略的に示す。
【
図4】
図2に示すシステムの接続方式を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に説明される実施形態は決して限定するものではないので、特性の選択が技術的利点を与えるか、又は本発明を従来技術から区別するのに十分である場合、説明された特徴の選択のみを含み、その後説明された他の特徴から分離される本発明の変形を考慮することが特に可能である。この選択は、少なくとも1つの特徴を含み、好ましくは機能的であり、構造的詳細を含まず、又は構造的詳細の一部のみが、技術的利点を与えるか、又は本発明を従来技術から区別するのに十分である場合、構造的詳細の一部のみを含む。
【0028】
図において、いくつかの図に現れる要素は同じ参照符号を保持する。
【0029】
ホバリング可能な航空機
航空機は、使用される揚力手段に応じて2つの主要なクラスに分類される。軽航空機は静的な力を使用し、一方、重航空機は、それらの重量を均衡させるために動的な力を生成する。これらの航空機は、多くの場合、空気よりも「軽い」又は「重い」と指定される。
【0030】
本発明は、ホバリング可能な航空機に関する。
【0031】
気球ベースの飛行船は、そのような航空機の一例であり、その揚力を提供するように意図された装置と、それにいくらかの操縦性を与える推進システムとを含む。移動のために、飛行船は推進システムを使用する。
【0032】
重航空機、すなわち、揚力が主に空気力によって確保される「空気より重い」航空機は、ホバリング可能な航空機であってもよい。
【0033】
これは、例えば、変換段階中に、推力が垂直である飛行形態から推力が水平である飛行形態にシフトする能力を有するベクトル化された推力を有する電気モータによって重航空機の揚力が提供される場合である。
【0034】
これは、重航空機の揚力が回転翼によって提供される場合にも当てはまる。
【0035】
更に、いくつかの重航空機は、固定翼及び回転翼の両方を有し、転換段階中に、固定翼飛行構成から回転翼飛行構成にシフトする能力を有する。
【0036】
スラスタ
本発明によるスラスタは、電気モータ駆動プロペラタイプである。電気モータユニットは、当然、ギヤドモータなどの他の要素を備えてもよい。
【0037】
本明細書において、スラスタという用語は、特に、水平及び/又は垂直成分を有する静的タイプの推進装置を指す。スラスタという用語は更に、ベクトル推力を有する推進装置、例えば、操縦可能なノズルによって出口流を方向付けるものを指す。
【0038】
図1は、長手方向Xのロール軸と、横方向Yのピッチ軸と、縦方向及び横方向に垂直な垂直方向Zのヨー軸とを有する飛行船1を示す。
【0039】
飛行船1は、船尾に、エレベータが設けられた右舷安定板2と左舷安定板3の2つの安定板と、方向舵が設けられた尾部垂直安定板4とを備える。
【0040】
飛行船1は、2つの側方補助翼、それぞれ右舷補助翼5及び左舷補助翼6を更に備える(
図1)。
【0041】
飛行船1は、4つの発電機G1、G2、G3、G4を備えている。図示の例では、発電機は、ターボ発電機とも呼ばれるターボ交流発電機タイプである。変形例によれば、発電機は、燃料電池及び/又は電池に電気的に接続される。また、図示の例では、4つの発電機の各々は、1MWの電力を有する。
【0042】
図示の例では、4つの発電機G1、G2、G3、G4は、側方補助翼5及び6の内側に配置されている。より具体的には、ターボ発電機G1、G2は右舷補助翼5内に配置され、ターボ発電機G3、G4は右舷補助翼6内に配置されている。
【0043】
また、図示の例では、飛行船1は、航空機のホバリング及び移動を可能にする7つの推進点、それぞれPXt、PXb、PY、PZbt、PZbb、PZst、PZsbを備えている。
【0044】
推進点PXt、PXbは、長手方向Xの推力を船首又は船尾に向けて発生するように配置されている。推進点PXt及びPXbは、飛行船1の右舷及び左舷に配置されている。
【0045】
更により正確には、推進点PXt及びPXbの各々は、電気モータ駆動プロペラタイプXt1、Xt2、Xt3、Xt4、Xt5、Xt6の6つのスラスタ、それぞれXb1、Xb2、Xb3、Xb4、Xb5、Xb6の推進剤束である。推進点PXt及びPXbのスラスタの各々のプロペラは、例えば、3枚羽根プロペラタイプである。
【0046】
したがって、これらの推進点は、前方又は後方への軸方向推力又は差動推力によるヨーモーメントを生成することを可能にする。
【0047】
推進点PYは、右舷又は左舷に対して横方向Yに推力を発生し、ヨー軸に沿ったモーメントを発生するように配置される。図示の例では、推進点PYは、飛行船1の船首に、その上部の側部に配置されている。
【0048】
更に正確には、推進点PYは、電気モータ駆動プロペラタイプの4つのスラスタY1、Y2、Y3、Y4の推進剤束である。推進点PYのスラスタの各々のプロペラは、例えば、3枚羽根プロペラタイプである。
【0049】
推進点PZbt及びPZbbは、下向き又は上向きの方向Zに推力を発生させるように配置される。推進点PZbt及びPZbbは、飛行船1の船首、右舷、及び左舷に配置される。
【0050】
更により正確には、推進点PZbt及びPZbbの各々は、電気モータ駆動プロペラタイプZbt1、Zbt2、Zbt3、Zbt4の4つのスラスタ、それぞれZbb1、Zbb2、Zbb3、Zbb4の推進剤束である。推進点Pzbt及びPZbbのスラスタの各々のプロペラは、例えば、3枚羽根プロペラタイプである。
【0051】
推進点PZst及びPZsbは、下向き又は上向きの方向Zに推力を発生させるように配置される。推進点PZst及びPZsbは、飛行船1の船尾、右舷、及び左舷に配置される。
【0052】
更により正確には、推進点PZst及びPZsbの各々は、電気モータ駆動プロペラタイプZst1、Zst2、Zst3、Zst4の4つのスラスタ、それぞれZsb1、Zsb2、Zsb3、Zsb4の推進剤束である。推進点Pzbt及びPZbbのスラスタの各々のプロペラは、例えば、3枚羽根プロペラタイプである。
【0053】
したがって、推進点PZbt、PZbb、PZst、及びPZsbは、上向き又は下向きの垂直方向の推力、又は船首と船尾との間の推力差によるピッチングモーメント、又は右舷と左舷との間の推力差によるロールモーメントを生成することを可能にする。
【0054】
図2に示すように、飛行船1はまた、1MWの電力輸送容量を有する4つの電気バス、バス1、バス2、バス3、バス4を備えている。
【0055】
各電気バスバス1、バス2、バス3、バス4は、以下に説明するシステムS1、S2、S3、S4によってタービンG1、G2、G3、G4にそれぞれ接続されている。
【0056】
バス1は、電気モータXt1、Xt3、Xb3、Y4、Zbt1、Zbb1、Zst1、Zsb1に接続されている。
【0057】
バス2は、電気モータXt4、Xb1、Xb4、Y3、Zbt2、Zbb2、Zst2、Zsb2に接続されている。
【0058】
バス3は、電気モータXt2、Xt5、Xb5、Y5、Zbt3、Zbb3、Zst3、Zsb3に接続されている。
【0059】
バス4は、電気モータXt6、Xb2、Xb6、Y1、Zbt4、Zbb4、Zst4、Zsb4に接続されている。
【0060】
次に、
図3を参照してシステムS1、S2、S3、S4について説明する。
【0061】
システムS1は、
-ターボ発電機G1と、
-ターボ発電機G1に接続された整流装置R1と、
-バスBus1に接続された主電力分配ユニットMain PDU1と、
-電力分配ユニットMain PDU1に接続されたバッテリHVBATT1と、を備える。
【0062】
主電力ユニットMain PDU1はまた、地上電力ユニットGPU1に接続されている。
【0063】
システムS2は、
-ターボ発電機G2と、
-ターボ発電機G2に接続された整流装置R2と、
-バスBus2に接続された主電力分配ユニットMain PDU2と、
-電力分配ユニットMain PDU2に接続されたバッテリHVBATT2と、を備える。
【0064】
主電力ユニットMain PDU2はまた、地上電力ユニットGPU2に接続されている。
【0065】
システムS1及びS2は、左舷補助翼5に共に設置される。
【0066】
システムS3は、
-ターボ発電機G3と、
-ターボ発電機G3に接続された整流装置R3と、
-バスBus3に接続された主電力分配ユニットMain PDU3と、
-電力分配ユニットMain PDU3に接続されたバッテリHVBATT3と、を備える。
【0067】
主電力ユニットMain PDU3はまた、地上電力ユニットGPU3に接続されている。
【0068】
システムS4は、
-ターボ発電機G4と、
-ターボ発電機G4に接続された整流装置R4と、
-バスBus4に接続された主電力分配ユニットMain PDU4と、
-電力分配ユニットMain PDU4に接続されたバッテリHVBATT4と、を備える。
【0069】
主電力ユニットMain PDU4はまた、地上電力ユニットGPU4に接続されている。
【0070】
システムS3及びS4は、右舷補助翼6に共に設置される。
【0071】
したがって、
図4に示されるように、飛行船1の飛行の制御は、パイロットからコマンドを受信し、それらを処理し、それらを電気モータのセットに送信する制御ユニットUcによって保証される。
【0072】
電気モータは、送達される推力を管理することを可能にするプロペラピッチを制御するためのユニットを個別に備えている。したがって、パイロットの命令が、
-制御ユニットUcXt1、UcXt2、UcXt3、UcXt4、UcXt5、UcXt6をそれぞれ介して、推進点PXtの電気モータXt1、Xt2、Xt3、Xt4、Xt5、Xt6に、
-制御ユニットUcXb1、UcXb2、UcXb3、UcXb4、UcXb5、UcXb6をそれぞれ介して、推進点PXbの電気モータXb1、Xb2、Xb3、Xb4、Xb5、Xb6に、
-制御ユニットUcY1、UcY2、UcY3、UcY4をそれぞれ介して、推進点PYの電気モータY1、Y2、Y3、Y4に、
-制御ユニットUcZbt1、UcZbt2、UcZbt3、UcZbt4をそれぞれ介して、推進点PZbtの電気モータZbt1、Zbt2、Zbt3、Zbt4に、
-制御ユニットUcZbb1、UcZbb2、UcZbb3、UcZbb4をそれぞれ介して、推進点PZbbの電気モータZbb1、Zbb2、Zbb3、Zbb4に、
-制御ユニットUcZst1、UcZst2、UcZst3、UcZst4をそれぞれ介して、推進点PZstの電気モータZst1、Zst2、Zst3、Zst4に、
-制御ユニットUcZsb1、UcZsb2、UcZsb3、UcZsb4をそれぞれ介して、推進点PZsbの電気モータZsb1、Zsb2、Zsb3、Zsb4に送信される。
【0073】
制御ユニットUcは、パイロットからの要求を全ての電気モータに分配する。推進チェーン又は電気モータのいずれかが故障した場合、この要求は残りの機能ユニットに分配される。
【0074】
各推進チェーンは、制御ユニットUp1、Up2、Up3、Up4によってそれぞれ制御される。
【0075】
各ターボ発電機は、発電機G1、G2、G3、G4に対してそれぞれ発電機制御ユニットGCU1、GCU2、GCU3、GCU4によって制御される。
【0076】
各バッテリは、それぞれバッテリHVBATT1、HVBATT2、HVBATT3、HVBATT4に対する制御ユニットBMS1、BMS2、BMS3、BMS4(「バッテリ管理システム」用)によって制御される。
【0077】
制御ユニットUp1は、バス1上で利用可能な電力の管理を保証する。バス1によって供給される電気モータXt1、Xt3、Xb3、Y4、Zbt1、Zbb1、Zst1、Zsb1の総電力に応じて、ユニットUp1は、コントローラGCU1を介してターボ発電機G1の動作点を制御し、コントローラBMS1を介してバッテリHVBATT1の充電又は放電を管理する。
【0078】
制御ユニットUp2は、バス2上で利用可能な電力の管理を保証する。バス2によって供給される電気モータXt4、Xb1、Xb4、Y3、Zbt2、Zbb2、Zst2、Zsb2の総電力に応じて、ユニットUp2は、コントローラGCU2を介してターボ発電機G2の動作点を制御し、コントローラBMS2を介してバッテリHVBATT2の充電又は放電を管理する。
【0079】
制御ユニットUp3は、バス3上で利用可能な電力の管理を保証する。バス3によって供給される電気モータXt2、Xt5、Xb5、Y5、Zbt3、Zbb3、Zst3、Zsb3の総電力に応じて、ユニットUp3は、コントローラGCU3を介してターボ発電機G3の動作点を制御し、コントローラBMS3を介してバッテリHVBATT3の充電又は放電を管理する。
【0080】
制御ユニットUp4は、バス4上で利用可能な電力の管理を保証する。バス4によって供給される電気モータXt6、Xb2、Xb6、Y1、Zbt4、Zbb4、Zst4、Zsb4の総電力に応じて、ユニットUp4は、コントローラGCU4を介してターボ発電機G4の動作点を制御し、コントローラBMS4を介してバッテリHVBATT4の充電又は放電を管理する。
【0081】
したがって、推進点の各々について、当該推進点のスラスタは、電気バスによって複数の発電機のうちの1つに電気的に接続され、当該推進点の別のスラスタは、別の電気バスによって複数の発電機のうちの別の発電機に電気的に接続される。
【0082】
前に所定の推力を有していた各推進点に対して、ターボ発電機が動作を停止する場合、当該推進点が4つのスラスタを備え、各スラスタは1つのターボ発電機によって他のスラスタとは独立して供給される場合、推進点の新しい推力は、前の推力の4分の1だけ低減されることが理解されよう。この推力の損失は、当該推進点の他の3つのスラスタの推力を修正することによって補正されてもよい。
【0083】
したがって、1つの発電ユニットが故障しており、別の発電ユニットが正常に動作しているとき、制御ユニットは、正常に動作している発電ユニットに接続されたスラスタを対象とする命令を生成することができ、当該スラスタは命令を実施することができる。
【0084】
同様に、推進点の1つのスラスタが動作を停止する場合、当該推進点が4つのスラスタを備え、各スラスタが1つのターボ発電機によって他のスラスタから独立して供給される場合、推進点からの新しい推力は、前の推力の4分の1だけ低減される。この推力の損失は、他の3つのスラスタの推力を修正することによって補正されてもよい。
【0085】
したがって、推進点の1つのスラスタが故障しており、当該推進点の別のスラスタが正常に動作している場合、制御ユニットは、当該正常に動作している推進点のスラスタを対象とする命令を生成することができ、当該スラスタは命令を実施することができる。
【0086】
当然のことながら、本発明は、今説明した例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの例に多くの修正を加えることができる。加えて、本発明の異なる特徴、形態、変形、及び実施形態は、それらが互いに適合しないか又は排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに関連付けられてもよい。
【国際調査報告】