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特表2024-500816ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20231227BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q1/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537363
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2022114633
(87)【国際公開番号】W WO2023045688
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111125698.6
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521218881
【氏名又は名称】オナー デバイス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ユイ
(72)【発明者】
【氏名】チュイ,ズオンチャオ
【テーマコード(参考)】
5J020
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
5J020BC13
5J020CA04
5J020DA02
5J047AA04
5J047AB13
5J047FD01
(57)【要約】
本願の実施形態は、回路基板、バックカバー、及びミリメートル波アンテナモジュールを含む、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスを提供する。ミリメートル波アンテナモジュールは、バックカバーに面する回路基板の面上に配置され、ミリメートル波信号を送信するよう構成される。バックカバー及び回路基板のうちの少なくとも一方は同相反射構造を配置される。本願によれば、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波信号がより短い距離で回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に同じである。これは、電子デバイス全体の厚さを減らし、かつ、アンテナの放射性能を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスであって
回路基板と、
バックカバーと、
前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置され、ミリメートル波信号を送信するよう少なくとも構成されるミリメートル波アンテナモジュールと
を有し、
前記バックカバー及び前記回路基板のうちの少なくとも一方は、同相反射構造を配置され、該同相反射構造は、受信したミリメートル波信号を反射するために使用され、前記同相反射構造によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、前記ミリメートル波アンテナモジュールによって送信された前記ミリメートル波信号は、前記回路基板と前記バックカバーとの間で複数回反射され、前記回路基板と前記バックカバーとの間の距離は、毎回前記バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する、
電子デバイス。
【請求項2】
前記バックカバー又は前記回路基板が前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造を配置される前記バックカバー又は前記回路基板は、前記受信したミリメートル波信号を反射し、前記受信したミリメートル波信号の位相は、前記反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、あるいは、
前記バックカバー又は前記回路基板が前記同相反射構造を配置されない場合に、前記同相反射構造を配置されない前記バックカバー又は前記回路基板は、前記受信したミリメートル波信号を反射し、前記反射されたミリメートル波信号の位相と前記受信したミリメートル波信号の位相との間の差は-πである、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の波長に関係がある、
請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、d=n×λ/2-(Δφ1+Δφ2)×λ/4πであり、
Δφ1は、前記バックカバーによる反射後の前記第1変化位相を表し、Δφ2は、前記回路基板による反射後の前記第2変化位相を表し、λは、前記ミリメートル波信号の前記波長を表し、nは0又は正の整数である、
請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記バックカバーのみが前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置されない前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の距離であり、前記同相反射構造を配置される前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記同相反射構造を配置されない前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められ、あるいは、
前記回路基板のみが前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーとの間の距離であり、前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記同相反射構造を配置される前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められ、あるいは、
前記バックカバー及び前記回路基板の両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の距離であり、前記同相反射構造を配置される前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記同相反射構造を配置される前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められる、
請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記バックカバーのみが前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=-πであり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の前記距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい、
請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記回路基板のみが前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=-π及びΔφ2=0であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい、
請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記回路基板及び前記バックカバーの両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=0であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の前記距離であり、n×λ/2に等しい、
請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記同相反射構造は単層構造であり、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造は、前記回路基板に面する前記バックカバーの面上に配置され、あるいは、
前記回路基板が前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造は、前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置される、
請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含み、各反射ユニットは前記単層金属構造である、
請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層及びバックカバー本体を有し、
前記内側フィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有し、
前記バックカバー本体は、透明材料から作られ、
前記内側フィルム層は、前記回路基板に面する前記バックカバー本体の面上に配置され、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造は、前記回路基板に面する前記内側フィルム層の面上に配置される、
請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、毎回前記バックカバーに達する前記ミリメートル波信号は、前記反射ユニットに達するミリメートル波信号であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、毎回前記反射ユニットに達する前記ミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する、
請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記同相反射構造は、第1構造層及び第2構造層を有する二重層構造であり、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造の前記第1構造層は、前記回路基板に面する前記バックカバーの面上に配置され、前記第2構造層は、前記バックカバーに配置され、あるいは、
前記回路基板が前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造の前記第1構造層は、前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置され、前記第2構造層は、前記回路基板の層に又は前記バックカバーと反対側にある前記回路基板の面上に配置される、
請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含み、各反射ユニットは第1反射構造及び第2反射構造を有し、全ての前記反射ユニットの第1反射構造が前記第1構造層を形成し、全ての前記反射ユニットの第2反射構造が前記第2構造層を形成する、
請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、毎回前記バックカバーに達する前記ミリメートル波信号は、前記第1反射構造に達するミリメートル波信号であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、毎回前記第1反射構造に達する前記ミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する、
請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項16】
各反射ユニットの前記第1反射構造及び前記第2反射構造は、前記バックカバーの厚さ方向において対応して配置される、
請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記第1反射構造は正方形の金属シートであり、前記第2反射構造は十字の金属シートである、
請求項16に記載の電子デバイス。
【請求項18】
各反射ユニットの正方形の金属シートの投影は、前記バックカバーの前記厚さ方向において前記十字の金属シートの幾何学的中心の投影と一致する、
請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層、バックカバー本体、及び外側フィルム層を有し、
前記内側フィルム層は、前記回路基板に面する前記バックカバー本体の面上に配置され
前記外側フィルム層は、前記回路基板と反対側の前記バックカバー本体の面上に配置され、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造の前記第1構造層は、前記回路基板に面する前記内側フィルム層の面上に配置され、前記第2構造層は、前記バックカバー本体と前記外側フィルム層との間に配置される、
請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記内側フィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有し、
前記バックカバー本体は、ガラス材料から作られ、
前記外側フィルム層は、透明材料から作られ、
前記外側フィルム層は、前記第2構造層を保護するために使用され、
前記内側フィルム層の前記パターン及び/又は色は、前記バックカバー本体及び前記外側フィルム層を通して提示され、前記バックカバーのパターン及び/又は色として採用される、
請求項19に記載の電子デバイス。
【請求項21】
ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスであって
回路基板と、
バックカバーと、
前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置され、ミリメートル波信号を送信するよう少なくとも構成されるミリメートル波アンテナモジュールと
を有し、
前記バックカバー及び前記回路基板は夫々が同相反射構造を配置されるか又は前記回路基板が同相反射構造を配置され、該同相反射構造は、受信したミリメートル波信号を反射するために使用され、前記同相反射構造によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、前記ミリメートル波アンテナモジュールによって送信された前記ミリメートル波信号は、前記回路基板と前記バックカバーとの間で複数回反射され、前記回路基板と前記バックカバーとの間の距離は、毎回前記バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足し、
前記バックカバー及び前記回路基板の両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、前記バックカバーで配置される前記同相反射構造は、前記回路基板で配置される前記同相反射構造と相違し、前記バックカバーで配置される前記同相反射構造は、単層構造又は二重層構造のうちの一方であり、前記回路基板で配置される前記同相反射構造は、前記単層構造及び前記二重層構造のうちの他方である、
電子デバイス。
【請求項22】
前記バックカバー又は前記回路基板が前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造を配置される前記バックカバー又は前記回路基板は、前記受信したミリメートル波信号を反射し、前記受信したミリメートル波信号の位相は、前記反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、あるいは、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置されない場合に、前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーは、前記受信したミリメートル波信号を反射し、前記反射されたミリメートル波信号の位相と前記受信したミリメートル波信号の位相との間の差は-πである、
請求項21に記載の電子デバイス。
【請求項23】
前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の波長に関係がある、
請求項22に記載の電子デバイス。
【請求項24】
前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、d=n×λ/2-(Δφ1+Δφ2)×λ/4πであり、
Δφ1は、前記バックカバーによる反射後の前記第1変化位相を表し、Δφ2は、前記回路基板による反射後の前記第2変化位相を表し、λは、前記ミリメートル波信号の前記波長を表し、nは0又は正の整数である、
請求項23に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記回路基板のみが前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーとの間の距離であり、前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記同相反射構造を配置される前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められ、あるいは、
前記バックカバー及び前記回路基板の両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の距離であり、前記同相反射構造を配置される前記バックカバーによる反射後の第1変化位相、前記同相反射構造を配置される前記回路基板による反射後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められる、
請求項24に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記回路基板のみが前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=-π及びΔφ2=0であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい、
請求項25に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記回路基板及び前記バックカバーの両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=0であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の前記距離であり、n×λ/2に等しい、
請求項25に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置され、該同相反射構造が前記単層構造である場合に、前記同相反射構造は、前記回路基板に面する前記バックカバーの面上に配置され、あるいは、
前記回路基板が前記同相反射構造を配置され、該同相反射構造が前記単層構造である場合に、前記同相反射構造は、前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置される、
請求項21乃至27のうちいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項29】
前記単層構造である前記同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含み、各反射ユニットは単層金属構造である、
請求項28に記載の電子デバイス。
【請求項30】
前記バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層及びバックカバー本体を有し、
前記内側フィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有し、
前記バックカバー本体は、透明材料から作られ、
前記内側フィルム層は、前記回路基板に面する前記バックカバー本体の面上に配置され、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造は、前記回路基板に面する前記内側フィルム層の面上に配置される、
請求項28に記載の電子デバイス。
【請求項31】
前記バックカバーが、前記単層構造である前記同相反射構造を配置される場合に、毎回前記バックカバーに達する前記ミリメートル波信号は、前記反射ユニットに達するミリメートル波信号であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、毎回前記反射ユニットに達する前記ミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する、
請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項32】
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置され、該同相反射構造が前記二重層構造である場合に、前記二重層構造である前記同相反射構造は第1構造層及び第2構造層を有し、前記第1構造層は、前記回路基板に面する前記バックカバーの面上に配置され、前記第2構造層は、前記バックカバーに配置され、あるいは、
前記回路基板が前記同相反射構造を配置され、該同相反射構造が前記二重層構造である場合に、前記二重層構造である前記同相反射構造の前記第1構造層は、前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置され、前記第2構造層は、前記回路基板の層に又は前記バックカバーと反対側にある前記回路基板の面上に配置される、
請求項21乃至27のうちいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項33】
前記二重層構造である前記同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含み、各反射ユニットは第1反射構造及び第2反射構造を有し、全ての前記反射ユニットの第1反射構造が前記第1構造層を形成し、全ての前記反射ユニットの第2反射構造が前記第2構造層を形成する、
請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項34】
前記バックカバーが、前記二重層構造である前記同相反射構造を配置される場合に、毎回前記バックカバーに達する前記ミリメートル波信号は、前記第1反射構造に達するミリメートル波信号であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、毎回前記二重層構造である前記第1反射構造に達する前記ミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する、
請求項33に記載の電子デバイス。
【請求項35】
各反射ユニットの前記第1反射構造及び前記第2反射構造は、前記バックカバーの厚さ方向において対応して配置される、
請求項33に記載の電子デバイス。
【請求項36】
前記第1反射構造は正方形の金属シートであり、前記第2反射構造は十字の金属シートである、
請求項35に記載の電子デバイス。
【請求項37】
各反射ユニットの正方形の金属シートの投影は、前記バックカバーの前記厚さ方向において前記十字の金属シートの幾何学的中心の投影と一致する、
請求項36に記載の電子デバイス。
【請求項38】
前記バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層、バックカバー本体、及び外側フィルム層を有し、
前記内側フィルム層は、前記回路基板に面する前記バックカバー本体の面上に配置され
前記外側フィルム層は、前記回路基板と反対側の前記バックカバー本体の面上に配置され、
前記バックカバーが、前記二重層構造である前記同相反射構造を配置される場合に、前記二重層構造である前記同相反射構造の前記第1構造層は、前記回路基板に面する前記内側フィルム層の面上に配置され、前記第2構造層は、前記バックカバー本体と前記外側フィルム層との間に配置される、
請求項32に記載の電子デバイス。
【請求項39】
前記内側フィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有し、
前記バックカバー本体は、ガラス材料から作られ、
前記外側フィルム層は、透明材料から作られ、
前記外側フィルム層は、前記第2構造層を保護するために使用され、
前記内側フィルム層の前記パターン及び/又は色は、前記バックカバー本体及び前記外側フィルム層を通して提示され、前記バックカバーのパターン及び/又は色として採用される、
請求項38に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信技術の分野に、特に、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスに関係がある。
【背景技術】
【0002】
電磁波を送信及び受信する構成要素として、アンテナは電子デバイスの重要な部分である。現在、5G技術の発展により、電子デバイスによって必要とされるアンテナの数は増えている。一部のアンテナは電子デバイスの回路基板に配置されている。電子デバイスが組み立てられると、回路基板に配置されているアンテナはバックカバーによって遮られ、アンテナはバックカバーを通してミリメートル波信号を受信及び送信しなければならない。バックカバーにより、ミリメートル波信号は反射されるか、あるいは、ある程度損失を被る。これは、ミリメートル波信号の大幅な減衰をもたらし、アンテナの放射性能に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施形態は、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスを提供する。電子デバイスは、アンテナの放射性能を向上させ、かつ、電子デバイスのサイズを小さくする。
【0004】
第1の態様に従って、本願の実施形態は、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスを提供する。電子デバイスは、回路基板、バックカバー、及びミリメートル波アンテナモジュールを含む。ミリメートル波アンテナモジュールは、バックカバーに面する回路基板の面上に配置され、ミリメートル波信号を送信するよう少なくとも構成される。バックカバー及び回路基板のうちの少なくとも一方は同相反射構造を配置され、同相反射構造は、受信したミリメートル波信号を反射するために使用され、同相反射構造によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じである。ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号は、回路基板とバックカバーとの間で複数回反射され、回路基板とバックカバーとの間の距離は、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【0005】
従って、本願では、回路基板とバックカバーとの間に前もってセットされた距離を設定することによって、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は同じである。バックカバーに達するミリメートル波信号が毎回部分的に伝えられ、伝えられたミリメートル波信号の位相は、バックカバーに達するミリメートル波信号の位相に等しいので、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相は同じであり、同じ位相を持ったミリメートル波信号は互いに強めって増幅される。従って、最終的な全体のリターン損失は低くなるので、電磁波エネルギのほとんどはバックカバーを横切って流れ、高い利得効果が得られる。同相反射構造が配置されない場合と比較して、バックカバー及び回路基板のうちの少なくとも一方が同相反射構造A1を配置されるので、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号がより短い距離で回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に同じである。これは、電子デバイス全体の厚さを減らし、かつ、アンテナの放射性能を向上させる。
【0006】
可能な実施において、バックカバー又は回路基板が同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造を配置されるバックカバー又は回路基板は、受信したミリメートル波信号を反射し、受信したミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じである。バックカバー又は回路基板が同相反射構造を配置されない場合に、同相反射構造を配置されないバックカバー又は回路基板は、受信したミリメートル波信号を反射し、反射されたミリメートル波信号の位相と受信したミリメートル波信号の位相との間の差は-πである。同相反射構造によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、つまり、反射の前後で、同相反射構造によって反射されたミリメートル波信号の位相の変化はゼロであり、従って、ミリメートル波信号の方向しか変化せず、位相は同じままである。バックカバー及び回路基板のうちの少なくとも一方に同相反射構造を配置することによって、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号がより短い距離で回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に同じである。
【0007】
可能な実施において、回路基板とバックカバーとの間の距離は、バックカバーによる反射後の第1変化位相、回路基板による反射後の第2変化位相、及びミリメートル波信号の波長に関係がある。
【0008】
可能な実施において、回路基板とバックカバーとの間の距離は、d=n×λ/2-(Δφ1+Δφ2)×λ/4πであり、Δφ1は、バックカバーによる反射後の第1変化位相を表し、Δφ2は、回路基板による反射後の第2変化位相を表し、λは、ミリメートル波信号の波長を表し、nは0又は正の整数である。式から分かるように、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は同じであるという前提で、Δφ1及びΔφ2のうちの少なくとも一方がゼロに等しい場合に、距離dは有効に縮められ得る。
【0009】
可能な実施において、バックカバーのみが同相反射構造を配置される場合に、回路基板とバックカバーとの間の距離は、同相反射構造を配置されない回路基板と同相反射構造を配置されるバックカバーとの間の距離であり、同相反射構造を配置されるバックカバーによる反射後の第1変化位相、同相反射構造を配置されない回路基板による反射後の第2変化位相、及びミリメートル波信号の波長に基づき求められる。代替的に、回路基板のみが同相反射構造を配置される場合に、回路基板とバックカバーとの間の距離は、同相反射構造を配置される回路基板と同相反射構造を配置されないバックカバーとの間の距離であり、同相反射構造を配置されないバックカバーによる反射後の第1変化位相、同相反射構造を配置される回路基板による反射後の第2変化位相、及びミリメートル波信号の波長に基づき求められる。代替的に、バックカバー及び回路基板の両方が夫々同相反射構造を配置される場合に、回路基板とバックカバーとの間の距離は、同相反射構造を配置される回路基板と同相反射構造を配置されるバックカバーとの間の距離であり、同相反射構造を配置されるバックカバーによる反射後の第1変化位相、同相反射構造を配置される回路基板による反射後の第2変化位相、及びミリメートル波信号の波長に基づき求められる。すなわち、本願のこの実施形態では、回路基板又はバックカバーが同相反射構造を配置される場合に、回路基板又はバックカバーは同相反射構造を配置されると理解されるべきである。回路基板又はバックカバーが同相反射構造を配置されない場合には、回路基板又はバックカバーは同相反射構造を配置されないと理解されるべきである。
【0010】
可能な実施において、バックカバーのみが同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=-πであり、回路基板とバックカバーとの間の距離は、回路基板と同相反射構造を配置されるバックカバーとの間の前記距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい。従って、バックカバーのみが同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0のため、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射され、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであるという前提で、距離dは有効に縮められる。
【0011】
可能な実施において、回路基板のみが同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=-π及びΔφ2=0であり、回路基板とバックカバーとの間の距離は、同相反射構造を配置される回路基板とバックカバーとの間の距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい。従って、回路基板のみが同相反射構造を配置される場合に、Δφ2=0のため、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射され、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであるという前提で、距離dは有効に縮められる。
【0012】
可能な実施において、回路基板及びバックカバーの両方が夫々同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=0であり、回路基板とバックカバーとの間の距離は、同相反射構造を配置される回路基板と同相反射構造を配置されるバックカバーとの間の前記距離であり、n×λ/2に等しい。従って、回路基板又はバックカバーが同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=0のため、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射され、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであるという前提で、距離dは有効に縮められる。
【0013】
可能な実施において、同相反射構造は単層構造である。バックカバーが同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造は、回路基板に面するバックカバーの面上に配置される。代替的に、回路基板が同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造は、バックカバーに面する回路基板の面上に配置される。同相反射構造が単層構造であるとき、同相反射構造は、回路基板に面するバックカバーの面上に配置される必要がある。これは、バックカバーの外観に影響を及ぼさず、プロセスを簡単にする。
【0014】
可能な実施において、同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含み、各反射ユニットは単層金属構造である。
【0015】
可能な実施において、バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層及びバックカバー本体を含む。内側フィルム層は特定のパターン及び/又は色を有する。バックカバー本体は透明材料から作られ、内側フィルム層は、回路基板に面するバックカバー本体の面上に配置される。バックカバーが同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造は、回路基板に面する内側フィルム層の面上に配置される。同相反射構造が単層構造であるとき、バックカバーは内側フィルム層及びバックカバー本体のみを含む。これはプロセスを簡単にする。
【0016】
可能な実施において、バックカバーが同相反射構造を配置される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号は、反射ユニットに達するミリメートル波信号であり、回路基板とバックカバーとの間の距離は、毎回反射ユニットに達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【0017】
可能な実施において、同相反射構造は、第1構造層及び第2構造層を含む二重層構造である。バックカバーが同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造の第1構造層は、回路基板に面するバックカバーの面上に配置され、第2構造層は、バックカバーに配置される。代替的に、回路基板が同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造の第1構造層は、バックカバーに面する回路基板の面上に配置され、第2構造層は、回路基板の層に又はバックカバーと反対側にある回路基板の面上に配置される。同相反射構造を二重層構造としてセットすることによって、二重層構造はミリメートル波信号の同相反射をより実施しやすいので、同相反射構造の同相反射特性は有効に改善され得る。
【0018】
可能な実施において、同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含む。各反射ユニットは第1反射構造及び第2反射構造を含む。全ての反射ユニットの第1反射構造が第1構造層を形成し、全ての反射ユニットの第2反射構造が第2構造層を形成する。
【0019】
可能な実施において、バックカバーが同相反射構造を配置される場合に、毎回前記バックカバーに達するミリメートル波信号は、第1反射構造に達するミリメートル波信号であり、回路基板とバックカバーとの間の距離は、毎回第1反射構造に達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【0020】
可能な実施において、各反射ユニットの第1反射構造及び第2反射構造は、バックカバーの厚さ方向において対応して配置される。
【0021】
可能な実施において、第1反射構造は正方形の金属シートであり、第2反射構造は十字の金属シートである。第1反射構造は正方形の金属シートであり、第2反射構造は十字の金属シートであるので、同相反射特性は有効に改善され得る。
【0022】
可能な実施において、各反射ユニットの正方形の金属シートの投影は、バックカバーの厚さ方向において十字の金属シートの幾何学的中心の投影と一致する。第1反射構造を正方形の金属シートとしてセットし、第2反射構造を十字の金属シートとしてセットすることによって、各反射ユニットの正方形の金属シート及び十字の金属シートの幾何学的中心の投影がバックカバーの厚さ方向において重なり合うという条件下で、同相反射の正確さは有効に改善され得る。
【0023】
可能な実施において、バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層、バックカバー本体、及び外側フィルム層を含む。内側フィルム層は、回路基板に面するバックカバー本体の面上に配置され、外側フィルム層は、回路基板と反対側のバックカバー本体の面上に配置される。バックカバーが同相反射構造を配置される場合に、同相反射構造の第1構造層は、回路基板に面する内側フィルム層の面上に配置され、第2構造層は、バックカバー本体と外側フィルム層との間に配置される。
【0024】
可能な実施において、内側フィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有する。バックカバー本体はガラス材料から作られ、外側フィルム層は透明材料から作られる。外側フィルム層は、第2構造層を保護するために使用される。内側フィルム層のパターン及び/又は色は、バックカバー本体及び外側フィルム層を通して提示され、バックカバーのパターン及び/又は色として採用される。
【0025】
本願では、回路基板とバックカバーとの間に前もってセットされた距離を設定することによって、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は同じである。バックカバーに達するミリメートル波信号が毎回部分的に伝えられ、伝えられたミリメートル波信号の位相は、バックカバーに達するミリメートル波信号の位相に等しいので、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相は同じであり、同じ位相を持ったミリメートル波信号は互いに強めって増幅される。従って、最終的な全体のリターン損失は低くなるので、電磁波エネルギのほとんどはバックカバーを横切って流れ、高い利得効果が得られる。同相反射構造が配置されない場合と比較して、本願では、バックカバー及び回路基板のうちの少なくとも一方が同相反射構造を配置されるので、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号がより短い距離で回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に同じである。これは、電子デバイス全体の厚さを減らし、かつ、アンテナの放射性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の実施形態における又は背景における技術的解決法についてより明りょうに記載するために、以下は、本願又は背景の実施形態について記載するために必要な添付の図面について説明する。
【0027】
図1】本願の実施形態に係る、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスの構造の模式図である。
図2】本願の実施形態に係る、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスの部分構造の模式断面図である。
図3】本願の実施形態に従って回路基板とバックカバーとの間で複数回ミリメートル波信号が反射及び伝送される模式図である。
図4】本願の他の実施形態に係る、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスの部分構造の模式断面図である。
図5】本願の別の他の実施形態に係る、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスの部分構造の模式断面図である。
図6】本願の実施形態に係る複数の場合においてミリメートル波信号をシミュレーションすることにより得られたリターン損失の模式図である。
図7】本願の実施形態に係る複数の場合におけるミリメートル波信号の個別のアンテナ放射方向図である。
図8】本願の実施形態に係る複数の場合におけるミリメートル波信号の個別のアンテナ放射方向図である。
図9】本願の実施形態に係る複数の場合におけるミリメートル波信号の個別のアンテナ放射方向図である。
図10】本願の実施形態に係る同相反射構造を配置されるバックカバーの模式平面図である。
図11】本願の実施形態に係るバックカバーの構造の模式図である。
図12】本願の実施形態に係るバックカバーの構造の模式図である。
図13】本願の他の実施形態に係る反射ユニットの模式図である。
図14】本願の他の実施形態に係る同相反射構造を配置されるバックカバーの模式平面図である。
図15】本願の実施形態に係る同相反射構造を配置されるバックカバーを通過するようミリメートル波信号がシミュレーションされる場合に得られる反射位相の模式図である。
図16】本願の実施形態に係る同相反射構造を配置されるバックカバーを通過するようミリメートル波信号がシミュレーションされる場合に得られる反射振幅の模式図である。
図17】本願の実施形態に係るミリメートル波アンテナモジュールの模式平面図である。
図18】本願の実施形態に係るミリメートル波アンテナモジュールの模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下は、本願の実施形態における添付の図面を参照して本願の実施形態について記載する。
【0029】
図1は、本願のこの実施形態に係る、ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイス1000(本願では略して電子デバイス1000と呼ばれる)の構造の模式図である。
【0030】
電子デバイス1000は、無線通信機能を備えている電子デバイス、例えば、ハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、コンピュータデバイス、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN,wireless local area network)デバイス、又はルータであってよい。いくつかの適用シナリオにおいて、電子デバイス1000は別の名称、例えば、ユーザ設備、アクセス端末、加入者ユニット、加入者局、モバイルサイト、移動局、リモート局、リモート端末、モバイルデバイス、ユーザ端末、無線電子デバイス、ユーザエージェント若しくはユーザ装置、セルラー電話、無線電話、セッション開始プロトコル(SIP,session initiation protocol)電話、無線ローカルループ(WLL,wireless local loop)局、パーソナルデジタルアシスタント(PDA,personal digital assistant)、又は5Gネットワーク若しくは将来の進化ネットワーク内の端末デバイスとも呼ばれ得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、電子デバイス1000は、基地局、中継局、アクセスポイント、車載デバイス、ワイヤレス・フィデリティ(Wi-Fi,wireless-fidelity)サイト、無線バックホールノード、スモールセル、マイクロ局、などを含むがこれらに限られない、無線通信機能を提供するよう無線アクセスネットワークに配置されたデバイスであってもよい。基地局は、ベーストランシーバ局(BTS,base transceiver station)、ノードB(Node B,NB)、エボルブド・ノードB(evolved Node B、eNB、又はeNodeB)、送信ノード若しくは送受信ポイント(transmission reception point,TRP又はTP)又はニューラジオシステム(NR,new radio)における次世代ノードB(generation node B,gNB)、基地局又は将来の通信システムのネットワークデバイス、などを含むがこれらに限られない、無線通信機能を提供するよう無線アクセスネットワークは位置されたデバイスであってもよい。本願のこの実施形態では、電子デバイス1000が携帯電話である例が説明のために使用される。
【0032】
電子デバイス1000は、筐体100、表示モジュール200、回路基板300、受信器(図示せず)、及びスピーカ(図示せず)を含む。表示モジュール200は筐体100に組み込まれ、筐体100と嵌合して収容キャビティを形成する。回路基板300、受信器、及びスピーカは、収容キャビティに組み込まれる。
【0033】
筐体100はフレーム110及びバックカバー120を含み得る。バックカバー120は、フレーム110の一方の側に固定される。フレーム110及びバックカバー120は、筐体100の構造安定性を確保するよう一体的に形成されてもよい。代替的に、フレーム110及びバックカバー120は、組み立てにより互いに固定されてもよい。筐体100には、スピーカ孔1001が設けられる。1つ以上のスピーカ孔1001があってもよい。例えば、複数のスピーカ孔1001があり、複数のスピーカ孔1001はフレームに配置される。スピーカ孔1001は、筐体100の内側及び筐体100の外側に接続される。本願のこの実施形態で記載される「孔」は、完全な穴壁を持った穴を指すことが留意されるべきである。
【0034】
表示モジュール200は、フレーム110の他方の側で固定される。表示モジュール200及びバックカバー120は、夫々、フレーム110の両側に固定される。ユーザが電子デバイス1000を使用するとき、表示モジュール200はユーザの方に置かれ、バックカバー120は、ユーザから離れた方に置かれる。表示モジュール200には、受音孔2001が設けられ、受音孔2001は、表示モジュール200を突き通る貫通孔である。表示モジュール200の表面は、電子デバイス1000のフロント面であり、表示モジュール200と反対側にある電子デバイス1000の面は、電子デバイス1000の背面である。バックカバー120は、電子デバイス1000の背面を封入するよう構成される。表示モジュール200は、ディスプレイ及びディスプレイの駆動回路を含む。表示モジュール200はタッチ式表示モジュールであってよい。
【0035】
回路基板300は、バックカバー120と表示モジュール200との間に位置する。回路基板300は、電子デバイス1000のメインボード(main board)であってよい。受信器は、電子デバイス1000の上に位置する。受信器によって発せられた音は、電子デバイス1000の音響再生機能を実施するよう、受音孔2001から電子デバイス1000の外へ伝えられ得る。スピーカは電子デバイス1000の下に位置する。スピーカによって発せられた音は、電子デバイス1000の音響再生機能を実施するよう、スピーカ孔1001から電子デバイス1000の外へ伝えられ得る。
【0036】
本願のこの実施形態では、「上」及び「下」などの用語によって示される電子デバイス1000の向きは、主に、ユーザが手により電子デバイス1000を使用するときの向きであることが理解されるべきである。電子デバイス1000の上面側に面しているポジションが「上」であり、電子デバイス1000の底面側に面しているポジションが「下」であり、これは、言及されている装置又は要素が特定の向きを有さなければならないことや、特定の向きで構成及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではなく、従って、実際の適用シナリオでの電子デバイス1000に対する制限と解釈されるべきではない。いくつかの実施形態において、電子デバイス1000の底部は、ヘッドホン孔及びUSB孔が配置されている端部である。電子デバイス1000の上部は、ヘッドホン孔及びUSB孔が配置されている端部と反対にある他方の端部である。
【0037】
本願のこの実施形態では、バックカバー120の厚さは、バックカバー120の内面から外面の間の距離を指す。バックカバー120の内面及び外面は、表示モジュール200のスクリーン表面に略平行であるバックカバー120の表面を指す。厚さ方向は、バックカバー120の内面及び外面に垂直である方向、つまり、表示モジュール200のスクリーン表面に垂直である方向を指す。
【0038】
図2は、本願のこの実施形態に係る電子デバイス1000の部分構造の模式断面図である。図2に示されるように、電子デバイス1000は、回路基板300、バックカバー120、及び回路基板300に配置されているミリメートル波アンテナモジュール400を含む。ミリメートル波アンテナモジュール400は、バックカバー120に面する回路基板300の面上に配置される。ミリメートル波アンテナモジュール400は、ミリメートル波信号を送信及び受信するよう構成される。バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方には、同相反射構造A1が設けられている。ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号は、回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射される。回路基板300とバックカバー120との間の距離は、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【0039】
従って、本願では、たとえバックカバー120がミリメートル波信号を反射するとしても、回路基板300とバックカバー120との間の距離を設定することによって、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射される場合に、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相は同じである。バックカバー120に達するミリメートル波信号が毎回部分的に伝えられ、伝えられたミリメートル波信号の位相は、バックカバーに達するミリメートル波信号の位相に等しいので、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相は同じであり、同じ位相を持ったミリメートル波信号は互いに強めって増幅される。従って、最終的な全体のリターン損失は低くなるので、電磁波エネルギのほとんどはバックカバーを横切って流れ、高い利得効果が得られる。同相反射構造A1が配置されない場合と比較して、本願では、バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方に同相反射構造が設けられるので、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号がより短い距離で回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射される場合に同じである。これは、電子デバイス全体の厚さを減らし、かつ、アンテナの放射性能を向上させる。具体的な原理については後述する。
【0040】
更に、バックカバー120又は回路基板300が同相反射構造を配置されない場合に、バックカバー120又は回路基板300へ送信されたミリメートル波信号の少量がバックカバー120又は回路基板300の表面に沿って伝播すると、表面波が形成される。これはエネルギ損失を引き起こす。本願では、バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方に同相反射構造A1が設けられるので、ミリメートル波信号がバックカバー120又は回路基板300の表面に達する場合に、信号がバックカバー120又は回路基板300の表面に沿って伝播すると形成される表面波は、低減されるか、又は除去さえされ得る。これによりエネルギ損失は減る。
【0041】
本願では、バックカバー120は、ミリメートル波信号を部分的に反射しかつ部分的に伝える材料、例えば、ガラス材料又はセラミック材料から作られる。
【0042】
本願のこの実施形態での「位相が同じ」とは、数学的な意味での絶対的かつ厳密な定義ではなく、わずかのずれが許されることが留意されるべきである、例えば、「位相が同じ」は、ずれが前もってセットされた位相範囲内であることを許されることを意味する。例えば、「位相が同じ」とは、位相間の差が-π/30からπ/30の範囲内にあることを意味し得る。2π周期の位相は360°に等しいので、位相が角度に変換された後、「位相が同じ」とは、角度間の差が-6°から6どの範囲内にあることを意味する。前もってセットされた範囲は、より小さい他の範囲であってもよい。
【0043】
同相反射構造A1は同相反射特性を有し、すなわち、同相反射構造A1によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、すなわち、位相は変化しない。バックカバー120又は回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造を設けられているバックカバー120又は回路基板300は、受信されたミリメートル波信号を反射し、受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、つまり、位相は変化しない。バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられていない場合に、通常の物体は電磁波を反射するので、同相反射構造A1を設けられていないバックカバー120又は回路基板300は、受信されたミリメートル波信号を反射し、反射されたミリメートル波信号の位相と受信されたミリメートル波信号の位相との間の差は-πであり、すなわち、同相反射構造A1を設けられていないバックカバー120又は回路基板300によって受信されたミリメートル波信号の位相は、同相反射構造A1を設けられていないバックカバー120又は回路基板300によってミリメートル波信号が反射された後で、-πに変化する。同相反射構造A1の具体的な原理及び構造については後で紹介する。
【0044】
同相反射構造A1によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、すなわち、反射の前後で、同相反射構造A1によって反射されたミリメートル波信号の位相の変化はゼロであり、従って、ミリメートル波信号の方向しか変化せず、位相は同じままである。バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方に同相反射構造A1を配置することによって、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号がより短い距離で回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射される場合に同じである。
【0045】
図2は、バックカバー120のみが同相反射構造A1を配置される例を示す。明らかに、バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方が同相反射構造A1を配置されることは、バックカバー120のみが同相反射構造A1を配置されること、回路基板300のみが同相反射構造A1を配置されること、及びバックカバー120が同相反射構造A1を設けられることを含む。
【0046】
図3は、本願のこの実施形態に従って回路基板とバックカバーとの間で複数回ミリメートル波信号が反射及び伝送される模式図である。
【0047】
バックカバー120による反射後のミリメートル波信号の第1変化位相がΔφ1にセットされ、回路基板300による反射後のミリメートル波信号の第2変化位相がΔφ2にセットされる場合に、つまり、バックカバー120による反射後のミリメートル波信号の位相とバックカバー120によって受信されたミリメートル波信号の位相との間の差がΔφ1であり、回路基板300による反射後のミリメートル波信号の位相と回路基板300によって受信されたミリメートル波信号の位相との間の差がΔφ2である。回路基板300とバックカバー120との間の距離は、バックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長に関係がある。すなわち、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、バックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長に基づいて求められ得る。
【0048】
図3に示されるように、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号がバックカバー120に達すると、ミリメートル波は部分的に伝えられ、そして部分的に反射される。バックカバー120に達する現在のミリメートル波信号の位相はφ0にセットされる、と仮定される。バックカバー120に達する次のミリメートル波信号の位相がφ0+2nπ(n=0,1,2,・・・、つまり、nは0又は正の整数である)である場合に、次のミリメートル波信号の位相とバックカバー120に達した前のミリメートル波信号の位相φ0との間の差はφ0+2nπ-φ0であり、つまり、差は0又は2πの整数倍であり、2πは1周期の位相である。従って、2πの整数倍の差を持った位相は、依然として同じであり、同相放射条件は満足され、つまり、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相は同じである。
【0049】
ミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波信号が1波長の距離だけ伝えられるときに2πだけ変化するので、Δφ/S=2π/λ、つまり、Δφ=2π×S/λが求められ得る。ここで、Sは伝送距離を表し、Δφは、電磁波が伝送距離Sだけ伝えられた後に変化した位相を表し、λは、ミリメートル波信号の波長を表す。更に、バックカバー120による反射後のミリメートル波信号の第1変化位相はΔφ1であり、回路基板300による反射後の第2変化位相はΔφ2であることを考慮して、回路基板300とバックカバー120との間の距離はdである、と仮定される。この場合に、2つの連続した時間についてバックカバー120に達するミリメートル波信号間の伝送距離は2dである。バックカバーに達するこのミリメートル波信号の位相とバックカバー120に達した前のミリメートル波信号の位相との間の差は2nπであることが要求される場合に、伝送距離、第1変化位相Δφ1、及び第2変化位相Δφ2によって引き起こされる、2つの連続した時間についてバックカバー120に達するミリメートル波信号の位相変化の和は、2nπである必要があり、第1式、つまり、2π×2d/λ+(Δφ1+Δφ2)=2nπが得られる。このとき、Δφ1は、バックカバー120による反射後の第1変化位相を表し、Δφ2は、回路基板300による反射後の第2変化位相を表し、λは、ミリメートル波信号の波長を表し、nは0又は正の整数である。
【0050】
第1式は、第2式:d=n×λ/2-(Δφ1+Δφ2)×λ/4πに変換されてもよく、ここで、Δφ1は、バックカバー120による反射後の第1変化位相を表し、Δφ2は、回路基板300による反射後の第2変化位相を表し、λは、ミリメートル波信号の波長を表し、nは0又は正の整数である。
【0051】
従って、本願のこの実施形態では、回路基板300とバックカバー120との間の距離dが第2式:d=n×λ/2-(Δφ1+Δφ2)×λ/4πを満足し、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射される場合に、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相は同じである。
【0052】
本願では、Δφ1及びΔφ2は0又は-πのどちらかである。第2式から分かるように、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、バックカバー120による反射後に変化した第1変化位相Δφ1の絶対値と、回路基板300による反射後に変化した第2変化位相Δφ2の絶対値とに正の相関がある。従って、第1変化位相Δφ1の絶対値及び第2変化位相Δφ2の絶対値のうちの少なくとも一方が小さくなり、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射されると、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じである場合に、距離dは有効に縮められ、電子デバイス全体の厚さは低減される。
【0053】
回路基板300及びバックカバー120に同相反射構造A1が設けられていない場合に同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120による反射後に変化した第1変化位相Δφ1と、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300による反射後に変化した第2変化位相Δφ2とは、-πに等しく、d=n×λ/2-(π+-π)×λ/4π=λ/2+n×λ/2である。
【0054】
本願のこの実施形態では、バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方に同相反射構造A1を配置することによって、バックカバー120又は回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1を設けられているバックカバー120又は回路基板300は、受信されたミリメートル波信号を反射し、受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、つまり、位相は変化しない。従って、第1変化位相Δφ1及び第2変化位相Δφ2のうちの少なくとも一方がゼロである場合に、(Δφ1+Δφ2)の絶対値は明らかに小さくなり、n個の位相が同じであるとき、距離dは有効に縮められ、電子デバイス全体の厚さは低減される。
【0055】
本願のこの実施形態では、バックカバー120のみが同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離であり、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長λに基づき求められる。回路基板300のみが同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120との間の距離であり、同相反射構造A1を設けられていないバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、同相反射構造A1を設けられている回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長λに基づき求められる。バックカバー120及び回路基板300両方が夫々同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離であり、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、同相反射構造A1を配置されている回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長λに基づき求められる。
【0056】
すなわち、本願のこの実施形態では、回路基板300又はバックカバー120が同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300又はバックカバー120は同相反射構造A1を配置されることが理解されるべきである。回路基板300又はバックカバー120が同相反射構造A1を配置されない場合には、回路基板300又はバックカバー120は同相反射構造A1を配置されないことが理解されるべきある。
【0057】
具体的に、図2及び図3は、バックカバー120のみが同相反射構造A1を配置される模式図であり、つまり、この実施形態では、バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられる。バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1は0に等しく、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2は-πに等しく、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、回路基板300と同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離である。従って、第2式は更に、d=n×λ/2-(0+-π)×λ/4π=λ/4+n×λ/2と簡単にされ得る。よって、バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい。nが0に等しいとき、回路基板300とバックカバー120との間の距離dはλ/4である。従って、バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられ、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射されるとき、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じである場合には、回路基板300とバックカバー120との間の最短距離はλ/4になる。
【0058】
バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられ、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射されるとき、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じである場合に、距離dは有効に縮められ、電子デバイス全体の厚さは低減される、ことが分かる。バックカバー120に同相反射構造A1を配置することによって、電子デバイス全体を組み立てて製造する手順は、電子デバイス1000のバックカバー120のみを改善することによって簡単にされ得る。同相反射構造A1は、バックカバー120が製造されるときにバックカバー120と一体化されてよく、つまり、同相反射構造A1であるバックカバー120は一体化され得るので、プロセスは簡単になる。
【0059】
図4は、本願の他の実施形態に係る電子デバイス1000の部分構造の模式断面図である。図4に示されるように、他の実施形態では、回路基板300のみが同相反射構造A1を配置され、上述されたように、回路基板300のみが同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120との間の距離であり、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、同相反射構造A1を配置されている回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長λに基づき求められる。
【0060】
具体的に、回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1は-πに等しく、同相反射構造A1を配置されている回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2は0に等しく、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120と、同相反射構造A1を配置されている回路基板300との間の距離である。従って、第2式は更に、d=n×λ/2-(-π+0)×λ/4π=λ/4+n×λ/2と簡単にされ得る。回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120との間の距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい。n=0に等しいとき、回路基板300とバックカバー120との間の距離dはλ/4である。従って、回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられ、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射されるとき、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じである場合には、回路基板300とバックカバー120との間の最短距離はλ/4になる。
【0061】
回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられ、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射されるとき、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じである場合に、距離dは有効に縮められ、電子デバイス全体の厚さは低減される、ことが分かる。回路基板300に同相反射構造A1を配置することによって、バックカバーの構造及び外観は影響を及ぼされず、電子デバイス全体の外観は影響を及ぼされず、追加の外塗が施される必要がない。同相反射構造A1は、回路基板300が製造されるときに回路基板300と一体化されてよく、つまり、同相反射構造A1である回路基板300は一体化され得るので、プロセスは簡単になる。
【0062】
図5は、本願の更なる他の実施形態に係る電子デバイス1000の部分構造の模式断面図である。図5に示されるように、他の実施形態では、バックカバー120及び回路基板300が同相反射構造A1を配置され、上述されたように、バックカバー120及び回路基板300が同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離であり、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1、同相反射構造A1を配置されている回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2、及びミリメートル波信号の波長λに基づき求められる。
【0063】
具体的に、バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120による反射後の第1変化位相Δφ1は0に等しく、同相反射構造A1を配置されている回路基板300による反射後の第2変化位相Δφ2は0に等しく、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、同相反射構造A1を配置されてるバックカバー120と、同相反射構造A1を配置されている回路基板300との間の距離である。従って、第2式は更に、d=(0+0)×λ/4π+n×λ/2=n×λ/2と簡単にされ得る。バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離dは、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離であり、n×λ/2に等しい。
【0064】
従って、バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられ、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射されるとき、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が同じである場合に、必要とされる距離は、バックカバー120及び回路基板300のうちの一方に同相反射構造A1が設けられる場合と比べて、よりも短い。従って、バックカバー120と回路基板300との間の距離は更に縮められ得、デバイス全体の厚さは低減される。
【0065】
理論的に、n=0であるとき、同相反射構造A1を配置されている回路基板と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離は、0×λ/2に等しく、つまり、ゼロである。しかし、ミリメートル波信号を伝播するための空間要件を満足するために、かつ、バックカバー120と回路基板300との間の直接の接触を避けるために、本願では、n=0であるとき、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離は、近似的にゼロであるが、ゼロに等しくはない。例えば、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離は、前もってセットされた値よりも小さく、前もってセットされた値は、波長λの1/mであってよく、mは100、110、120などの値であってよい。
【0066】
上述されたように、ミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波信号が1波長の距離だけ伝えられるときに2πだけ変化するので、バックカバー120に達するミリメートル波信号が回路基板300に達してバックカバー120に反射され、再び回路基板300に達してバックカバー120に反射される伝送距離は、2d、つまり、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離の2倍である。同相反射構造A1を配置されている回路基板300及び同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の位相変化は両方ともゼロであるから、2つの連続した時間についてバックカバー120に達するミリメートル波信号の位相変化は、信号が伝送距離2dだけ伝えられるときにΔφ=2π×2d/λである。
【0067】
一般に、位相変化が小さくなればなるほど、より良い。すなわち、2つの連続した時間についてバックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを確かにするために、上述されたように、位相変化は-π/30からπ/30の間であり、つまり、位相変化の絶対値は0からπ/30である。Δφ=2π×2d/λを代入することによって、2π×2d/λは0からπ/30の間であることが求められ得る。従って、実施形態において、dは、0よりも大きく、近似的にλ/120である値であることができる。明らかに、以上は単なる一例である。位相が同じであり、位相変化Δφがその範囲内にあり、バックカバー120及び回路基板300が同相反射構造A1を配置されるとき、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120との間の距離は、他の適切な値であってもよい。ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射され、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであるとき、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号は、高い利得効率を達成するように、互いに増幅し合うことができる。
【0068】
図6は、本願のこの実施形態に係る複数の場合でミリメートル波信号をシミュレーションすることにより得られた全体のリターン損失の模式図である。図6に示されるように、横座標は周波数(単位GHz)であり、縦座標は、Sパラメータ(単位dB)とも呼ばれるリターン損失である。多くの場合は、(1)場合1:自由空間(ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバー無し)、(2)場合2:ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離はλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造は設けられていない、及び(3)場合3:ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離はλ/4であり、バックカバーに同相反射構造が設けられている、を含む。
【0069】
ミリメートル波信号は、28GHzの周波数を持ったミリメートル波信号であり、テスト信号として使用される。波長λ=ν/fに従って、自由空間の波長は10.7mmであり、ここで、νは、自由空間でのミリメートル波信号の伝播速度であり、3×10m/sであり、fは、電磁波の周波数、つまり、上述された28GHzを表す。
【0070】
場合1は、自由空間での入力リターン損失がS11-1であると仮定される。場合2は、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との距離がλ/4であり、入力リターン損失は、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられていない場合にS11-2であると仮定される。場合3は、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との距離がλ/4であり、入力リターン損失は、バックカバーに同相反射構造が設けられている場合にS11-3であると仮定される。入力リターン損失は、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号の反射係数である。入力リターン損失がより低い場合に、ミリメートル波信号の損失はより小さい。
【0071】
図6に示されるように、場合1の入力リターン損失S11-1及び場合3の入力リターン損失S11-3は両方とも、より小さく、場合2の入力リターン損失S11-2よりも大幅に小さい。具体的に、図6に示されるように、場合1の入力リターン損失S11-1は約-18dBであり、場合3の入力リターン損失S11-3は約-13dBであり、場合2の入力リターン損失S11-2は-5dBである。
【0072】
解析により、場合1は自由空間の場合であり、つまり、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーはない。この場合に、ミリメートル波信号はバックカバーによって反射されないので、リターン損失は低い。場合2は、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に夫々同相反射構造が設けられる場合である。上述されたように、回路基板及びバックカバーに同相反射構造が設けられないとき、同相反射構造を配置されていないバックカバーによる反射後の第1変化位相Δφ1及び同相反射構造を配置されていない回路基板による反射後の第2変化位相Δφ2は、-πに等しい。従って、回路基板とバックカバーとの間の距離がd=n×λ/2-(π+π)×λ/4π=λ/2+n×λ/2であるとき、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足する。従って、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられない場合に、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射されるときに、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足しない。従って、リターン損失は高い。
【0073】
場合3は、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバーに同相反射構造が設けられる場合である。上述されたように、バックカバーのみに同相反射構造が設けられ、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であるとき、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであること、つまり、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。従って、伝えられる全てのミリメートル波は、同じ位相のために互いに増幅し合うことができる。この場合に、全体のリターン損失は低く、完全伝送効果が基本的には実現される。
【0074】
従って、シミュレーションによって得られたリターン損失図は、バックカバーのみに同相反射構造が設けられ、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4である場合に、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射されるときに、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足する、ことを証明している。
【0075】
図6は、具体的に、ミリメートル波信号が様々な場合において伝えられることをシミュレーションしたときに得られた全体のリターン損失の模式図である。
【0076】
図7から図9は、本願のこの実施形態に係る上記の3つの場合におけるミリメートル波信号のアンテナ放射方向図である。具体的に、図7は、場合1、つまり、自由空間でのミリメートル波信号のアンテナ放射方向図を示す(ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバー無し)。図8は、場合2、つまり、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられていない場合に得られたミリメートル波信号のアンテナ放射方向図を示す。図9は、場合3,つまり、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバーに同相反射構造が設けられている場合に得られたミリメートル波信号のアンテナ放射方向図を示す。
【0077】
28GHzの周波数を持ったミリメートル波信号がまた、テスト信号として使用され、複数の方向におけるビームの下での利得効果は、図7から図9に示されている各場合でのミリメートル波信号のアンテナ放射パターンで示されている。ミリメートル波信号は、プラス又はマイナス45°の範囲で走査される。図7から図9に示されている各場合でのミリメートル波信号のアンテナ放射パターンでは、0°、30°、及び45°が実例のための例として選択される。
【0078】
図7から図8で、大きい暗い部分はメインローブM1であり、メインローブのそばの小さい部分はサイドローブS1である。
【0079】
図7に示されるように、自由空間の場合及びミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがない場合には、ミリメートル波信号の0°ビームのメインローブM1は主に0°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さいとき、放射エネルギは主に0°方向でメインローブM1に集中している。この場合に、ミリメートル波信号の0°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ11.70dBである。ミリメートル波信号の30°ビームのメインローブM1は主に30°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さいとき、放射エネルギは主に30°の方向でメインローブM1に集中している。この場合に、ミリメートル波信号の30°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ10.60である。図7に示されるように、ミリメートル波信号の45°ビームのメインローブM1は主に45°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さいとき、放射エネルギは主に40°方向でメインローブM1に集中している。この場合に、ミリメートル波信号の45°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ9.804dBである。
【0080】
従って、複数の方向におけるビームの下でのアンテナ放射パターンから分かるように、自由空間の場合及びミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがない場合には、ミリメートル波信号のリターン損失は低い。
【0081】
図8に示されるように、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられていない場合2において、上述されたように、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられていない場合に、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射されるときに、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足しない。図8に示されるように、ミリメートル波信号の0°ビームのメインローブM1は散在しているが、サイドローブS1はより大きい。この場合に、利得はおおよそ8.022dBであるが、放射エネルギは集中しておらず、放射効率は低くなる。図8に示されるように、ミリメートル波信号の30°ビームのサイドローブS1は大きい。この場合に、利得はおおよそ8.050dBであるが、サイドローブS1は明らかに大きく、利得は実際には、メインローブM1及びサイドローブS1の利得である。従って、30°方向に面して放射する30°ビームは散乱ビームになり、効率は低くなる。図8に示されるように、ミリメートル波信号の45°ビームのサイドローブS1は大きい。この場合に、利得はおおよそ8.888dBであるが、サイドローブS1が大きく、利得は実際には、ほとんどがサイドローブS1の利得である。従って、40°方向に面して放射する45°ビームは散乱ビームになり、効率は低くなる。
【0082】
従って、複数の方向におけるビームの下でのアンテナ放射パターンからも分かるように、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられていない場合2には、放射効率は低く、ミリメートル波信号のリターン損失は低い。
【0083】
図9に示されるように、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバーに同相反射構造が設けられている場合3には、ミリメートル波信号の0°ビームのメインローブM1は主に0°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さい。この場合に、放射エネルギは主に0°方向でメインローブM1に集中しており、ミリメートル波信号の0°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ13.94dBであるから、0°ビームの高い利得効果が実装される。ミリメートル波信号の30°ビームのメインローブM1は主に30°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さい。この場合に、放射エネルギは主に30°の方向でメインローブM1に集中している。ミリメートル波信号の30°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ14.28dBであるから、30°ビームの高い利得効果が実装される。図9に示されるように、ミリメートル波信号の45°ビームのメインローブM1は主に45°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さい。この場合に、放射エネルギは主に40°方向でメインローブM1に集中している。ミリメートル波信号の45°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ12.75dBであるから、45°ビームの高い利得効果が実装される。場合3では、放射エネルギは、全ての方向において主にメインローブM1に集中しているので、放射効率は高い。
【0084】
従って、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバーに同相反射構造が設けられている場合3には、ミリメートル波信号の利得は大きく、放射エネルギは高い。
【0085】
従って、複数の方向でのビームのアンテナ放射パターンも、バックカバーのみに同相反射構造が設けられ、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4である場合に、それが、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射されるときに、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足する、ことを証明している。
【0086】
図7から図9はまた、具体的に、ミリメートル波信号が様々な場合に伝送されることをシミュレーションされる場合のミリメートル波信号のアンテナ放射方向図でもある。
【0087】
一実施形態では、同相反射構造A1は単層構造である。バックカバー120が同相反射構造A1を配置されるとき、同相反射構造A1は、回路基板300に面するバックカバー120の面上に配置される。回路基板300が同相反射構造A1を配置されるとき、同相反射構造A1は、バックカバー120に面する回路基板300の面上に配置される。
【0088】
図2から図5は、同相反射構造A1が単層構造である場合の具体的なポジションを示す。
【0089】
図10は、本願の実施形態に係る同相反射構造A1を配置されるバックカバー120の模式平面図である。図10は、バックカバー120の内面側、つまり、回路基板300に近い側から見た模式図である。図10及び図2から図5に示されるように、同相反射構造A1は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットR1を含んでよく、各反射ユニットR1は単層金属構造である。
【0090】
各反射ユニットR1の単層金属構造は、LC並列共振回路を形成するようキャパシタ又はインダクタを構成してもよく、LC並列共振回路により同相反射特性を実装し得る。解析により、LC並列共振回路が形成される場合に、受信されたミリメートル波信号の位相は、同相反射特性を実装するように、反射されたミリメートル波信号の位相と同じである。
【0091】
図10に示される反射ユニットR1の形状は単なる一例であり、反射ユニットR1の実際の形状を表すものではない。同相反射構造A1が単層構造である場合に、各反射ユニットR1の実際の形状は、LC並列共振回路を形成するようキャパシタンス及びインダクタンスを構成する要件に基づいて、セットされてよい。
【0092】
図11は、本願の実施形態に係るバックカバー120の構造の模式図である。図11に示されるように、バックカバー120は、順にスタックされている内側フィルム層120a及びバックカバー本体120bを含む。内側フィルム層120aは、特定のパターン及び/又は色を有する。バックカバー本体120bは、透明材料から作られている。内側フィルム層120aは、回路基板300に面するバックカバー本体120bの面上に配置される。バックカバー120に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1は、回路基板300に面する内側フィルム層120aの面上に配置される。
【0093】
バックカバー本体120bは、具体的にはガラスから作られてもよい。内側フィルム層120aのパターン及び/又は色は、バックカバー本体120bを通して提示され、バックカバー120のパターン及び/又は色として採用される。同相反射構造A1が単層構造である場合に、バックカバー本体120bは、バックカバー120の最も外側の層であってよい。
【0094】
各反射ユニットR1は、パッド印刷加工又はスクリーン印刷銀ペースト加工によって内側フィルム層120aに形成されてよい。
【0095】
従って、一実施形態では、同相反射構造A1が単層構造である場合に、同相反射構造A1が、回路基板300に面するバックカバー120の側に配置されさえすればよい。具体的に、同相反射構造A1は、回路基板300に面するバックカバー120の内側フィルム層120aの側に配置される必要がある。これは、バックカバー120の外観に影響を及ぼさず、プロセスを簡単にする。
【0096】
同相反射構造A1が単層構造であり、バックカバー120に同相反射構造が設けられる場合に、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号は、反射ユニットR1に達するミリメートル波信号であり、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、毎回反射ユニットR1に達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【0097】
具体的に、同相反射構造A1が単層構造であり、バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の反射ユニットR1との間の距離である。回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300と、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120の反射ユニットR1との間の距離である。バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300の反射ユニットR1と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の反射ユニットR1との間の距離である。
【0098】
反射ユニットR1間の間隔は小さく、反射ユニットR1のサイズよりも大幅に小さい。従って、同相反射構造A1は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットR1を含むが、反射ユニットR1の間の小さい間隔により、回路基板300及びバックカバー120のうちの少なくとも一方が同相反射構造A1を配置される場合に、回路基板300とバックカバー120との間で反射されたミリメートル波信号は、同相反射構造A1の反射ユニットR1へ伝えられ、反射ユニットR1によって反射され得る。
【0099】
図12及び図13を参照されたい。図12は、本願の他の実施形態に係るバックカバー120の構造の模式図である。図13は、本願の他の実施形態に係る反射ユニットR1の模式図である。
【0100】
他の実施形態では、同相反射構造A1は、第1構造層A11及び第2構造層A12を含む二重層構造である。図12に示されるように、バックカバー120に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1の第1構造層A11は、回路基板300に面するバックカバー120の面上に配置され、第2構造層A12は、バックカバー120に配置される。図12は、同相反射構造A1がバックカバー120に配置される模式図しか示さない。それに応じて、回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1の第1構造層A11は、バックカバー120に面する回路基板300の面上に配置され、第2構造層A12は、回路基板300の特定の層に又はバックカバー120と反対側にある回路基板300の面上に配置される。
【0101】
図12及び図13に示されるように、同相反射構造A1は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットR1を含む。各反射ユニットR1は、第1反射構造R11及び第2反射構造R12を含む。全ての反射ユニットR1の第1反射構造R11が第1構造層A11を形成し、全ての反射ユニットR1の第2反射構造R12が第2構造層A12を形成する。間隔をあけて配置された複数の反射ユニットR1は、バックカバー120の厚さ方向に垂直な平面に沿って間隔をあけて配置される。各反射ユニットR1は、バックカバー120の厚さ方向において間隔をあけて配置されている第1反射構造R11及び第2反射構造R12を含む。
【0102】
同相反射構造A1が二重層構造であり、バックカバーに同相反射構造が設けられる場合に、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号は、第1反射構造R11/第1構造層A11に達するミリメートル波信号であり、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、第1反射構造/第1構造層A11に達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【0103】
具体的に、同相反射構造A1が二重層構造であり、バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は具体的に、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の第1反射構造R11/第1構造層A11との間の距離である。回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300の第1反射構造R11/第1構造層A11と、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120との間の距離である。バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300の第1反射構造R11/第1構造層A11と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の第1反射構造R11/第1構造層A11との間の距離である。
【0104】
図13に示されるように、各反射ユニットR1の第1反射構造R11及び第2反射構造R12は、バックカバーの厚さ方向において対応して配置される。
【0105】
図13に示されるように、第1反射構造R11は、正方形の金属シートであり、第2反射構造R12は、十字の金属シートである。本願のいくつかの実施形態で、第1反射構造R11は具体的に、正方形の金属シートである。他の実施形態では、第1反射構造R11は、長方形の金属シートであってもよい。
【0106】
各反射ユニットR1の第1反射構造R11及び第2反射構造R12がバックカバーの厚さ方向において対応して配置されるとは、各反射ユニットR1の第1反射構造R11の投影が、バックカバーの厚さ方向において第2反射構造R12の幾何学的中心の投影と一致することを意味する。第1反射構造R11は正方形の金属シートとして構成され、第2反射構造R12は十字の金属シートとして構成され、各反射ユニットR1の正方形の金属シートの投影はバックカバー120の厚さ方向において十字の金属シートの幾何学的中心の投影と一致するので、同相反射精度は有効に改善され得る。
【0107】
図13に示されるように、いくつかの例で、正方形の金属シートである第1反射構造R11のサイズは、十字の金属シートである第2反射構造R12のサイズよりも小さくてもよい。
【0108】
他の実施形態では、同相反射構造A1を二重層構造としてセットすることによって、二重層構造はミリメートル波信号の同相反射をより実施しやすいので、同相反射構造の同相反射特性は有効に改善され得る。
【0109】
図12に示されるように、同相反射構造A1が二重層構造である場合に、バックカバー120は、順にスタックされている内側フィルム層120a、バックカバー本体120b、及び外側フィルム層120cを含む。内側フィルム層120aは、回路基板300に面するバックカバー本体120bの面上に配置され、外側フィルム層120cは、回路基板300と反対側にあるバックカバー本体120bの面上に配置される。バックカバー120に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1の第1構造層A11は、回路基板300に面する内側の面上に配置され、第2構造層A12は、バックカバー本体120bと外側フィルム層120cとの間に配置される。
【0110】
内側フィルム層120aは、特定のパターン及び/又は色を有する。バックカバー本体120bは、ガラス材料から作られ、外側フィルム層120cは、透明材料から作られている。外側フィルム層120cは、第2構造層A12を保護するよう構成される。内側フィルム層120aのパターン及び/又は色は、バックカバー本体120b及び外側フィルム層120cを通して提示され、バックカバー120のパターン及び/又は色として採用される。
【0111】
同相反射構造A1が二重層構造である場合に、バックカバー120は、同相反射構造A1を全体として保護するよう、外側フィルム層120cを更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、外側フィルム層120cもパターン及び/又は色を有し、内側フィルム層120aと協働して全体のパターン及び/又は色を提示し、同相反射構造A1をカバーし得る。
【0112】
外側フィルム層120cは、透明樹脂、透明プラスチック、などから作られてもよい。
【0113】
第2構造層A12は、複数の方法でバックカバー本体120bと外側フィルム層120cとの間に配置される。実施において、第2構造層A12が最初に外側フィルム層120cの表面に形成され得、第2構造層A12が設けられている外側フィルム層120cの、第2構造層A12が配置された面は、内側フィルム層120aと反対側にあるバックカバー本体120bの面に面しており、ボンド結合などによって内側フィルム層120aと反対側にあるバックカバー本体120bの面に取り付けられる。第2の方法では、内側フィルム層120aと反対側にあるバックカバー本体120bの面は、第2構造層A12に対応する収容溝を形成するようエッチングされ、金属ワイヤなどが、第2構造層A12を形成するよう収容溝に埋め込まれ、次いで、外側フィルム層120cが、内側フィルム層120aと反対側にあるバックカバー本体120bの表面に覆われる。
【0114】
いくつかの実施形態において、例えば、上記の第1の実施では、外側フィルム層120cは、透明なフィルム層と、バックカバー本体120bと反対側にある透明なフィルム層の面に配置されているコーティングフィルム層とを含み得る。第2構造層A12は、コーティングフィルム層とは反対側の透明なフィルム層の面に形成される。コーティングフィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有し、内側フィルム層120aと協働して全体のパターン及び/又は色を提示し、同相反射構造A1をカバーする。他の実施形態において、例えば、上記の第2の実施では、外側フィルム層120cは、単にコーティングフィルム層であってよく、コーティングなどの加工によって内側フィルム層120aと反対側にあるバックカバー本体120bの面上に直接に覆われ得る。
【0115】
図14は、本願の他の実施形態に係る同相反射構造A1がバックカバー120に設けられる場合の同相反射構造A1の模式平面図である。図14は、バックカバー120の外面側、つまり、回路基板300と反対側にある側から見た模式図である。図14に示されるように、同相反射構造A1は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットR1を含み、反射ユニットは、バックカバー120にマトリクスで分布している。正方形の金属シートである第1反射構造R11のサイズは、十字の金属シートである第2反射構造R12のサイズよりも小さく、正方形の金属シートの第1反射構造R11は、回路基板300に面する内側フィルム層120aの側に配置されているので、図14がバックカバー120の外面側から見られる場合に、十字の金属シートである第2反射構造R12のみが見られる。
【0116】
図14から分かるように、第2反射構造R12の間の間隔は小さい。いくつかの実施形態において、隣接する第2反射構造R12は、第2構造層A12全体を形成するように互いに接続され得、バックカバー120における製造及び形成を容易にする。第1反射構造R11は第2反射構造R12よりも小さいので、複数の反射ユニットR1の第1反射構造R11は間隔をあけて配置される。
【0117】
具体的に、図14に示されるように、第2反射構造R12は十字の金属シートであるから、隣接する第2反射構造R12は、十字の金属シートの4つの突起部によって互いに接続され、間隔J1は、4つの突起部により十字の金属シート間で形成され、それにより、内側フィルム層120aは、対応するパターン及び/又は色を提示することができ、反射効果は確かにされ得る。
【0118】
図14はまた、ミリメートル波アンテナモジュール400のポジションも示す。図14から分かるように、同相反射構造A1でのミリメートル波アンテナモジュール400の投影は、同相反射構造A1の真ん中にほぼ位置している。
【0119】
図12から図14は、同相反射構造A1がバックカバー120に配置される例を使用する。上述されたように、同相反射構造A1が二重層構造であり、回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1の第1構造層A11は、バックカバー120に面する回路基板300の面上に配置され、第2構造層A12は、回路基板300の特定の層に又はバックカバー120と反対側の回路基板300の特定の面上に配置される。回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1を対応して設けられる回路基板300のエリアは、回路及び銅ホイルを除くクリアランスエリアなどであり、それにより、ミリメートル波信号の伝送は遮断及び干渉されない。
【0120】
回路基板300に配置される同相反射構造A1の構造は、バックカバー120に配置される同相反射構造A1のそれと同じであり、更なる詳細はここでは記載されない。
【0121】
第1構造層A11及び第2構造層A12は、LC並列共振回路を構成する。上述されたように、LC並列共振回路が形成され、ミリメートル波信号が提供される場合に、受信されたミリメートル波信号の位相は、同相反射特性を実装するように、反射されたミリメートル波信号の位相と同じである。具体的に、バックカバー120又は回路基板300に同相反射構造A1が配置される場合に、バックカバー120又は回路基板に達するミリメートル波信号は最初に第1構造層A11に伝えられて、反射のために第1構造層A11及び第2構造層A12によりLC並列共振回路を形成する。これは、いずれかの第1構造層A11内で伝えられたミリメートル波信号の位相が、同相反射特性を実装するように、その第1構造層A11の外で伝えられたミリメートル波信号の位相と同じであることを確かにし得る。
【0122】
本願のこの実施形態では、バックカバー120又は回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、同相反射構造A1は、バックカバー120又は回路基板300の対応する面のエリア全体に、あるいは、バックカバー120又は回路基板300の対応する面の部分エリアにのみ配置され得る。同相反射構造A1が配置されるバックカバー120又は回路基板300の対応する面の部分エリアは、ミリメートル波アンテナモジュール400が、バックカバー120又は回路基板300での投影エリアを中心とした前もってセットされた放射範囲だけ周囲に向けて放射するターゲットエリアであってよい。ミリメートル波信号がバックカバー120と回路基板300との間で複数回反射された後、エネルギは徐々に減衰する。ターゲットエリアの最も端の位置は、ミリメートル波信号の反射エネルギが小さく無視可能であり得る、例えば、元のエネルギの1/100である位置であってよい。代替的に、同相反射構造A1が配置されるバックカバー120又は回路基板300の対応する面の部分エリアは、ミリメートル波アンテナモジュール400が、バックカバー120での投影エリアを中心として前もってセットされた放射範囲へミリメートル波信号のビームを放射するターゲットエリアであってよい。この場合に、同相反射構造A1が配置されるバックカバー120又は回路基板300の対応する面の部分エリアは、ターゲットエリアに対応するエリアであることができる。バックカバー120でのミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号のビームの投影範囲は、プラス又はマイナス45°の範囲で走査するミリメートル波信号の走査ビームの、バックカバー120での投影範囲を指す。
【0123】
いくつかの実施形態において、バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、バックカバー120に配置されている同相反射構造A1は、回路基板300に配置されている同相反射構造A1と同じであっても又は異なってもよい。例えば、バックカバー120に配置されている同相反射構造A1及び回路基板300に配置されている同相反射構造A1は両方とも、上記の単層構造又は二重層構造であってよい。代替的に、バックカバー120に配置されている同相反射構造A1は単層構造であり、回路基板300に配置されている同相反射構造A1は二重層構造である。代替的に、バックカバー120に配置されている同相反射構造A1は二重層構造であり、回路基板300に配置されている同相反射構造A1は単層構造である。
【0124】
従って、バックカバー120及び回路基板300は、それら自身の構成により良く適応しかつ全体のレイアウトに対する要件を満足するように、各々の構造に基づいて、単層構造である同相反射構造A1、又は二重層構造である同相反射構造A1を選択し得る。
【0125】
上述されたように、同相反射構造A1の反射ユニットR1間の間隔は小さいので、回路基板300及びバックカバー120のうちの少なくとも一方に同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間で反射されるミリメートル波信号は、同相反射構造A1の反射ユニットR1へ伝えられ得る。単層構造である同相反射構造A1における反射ユニットR1、又は二重層構造である同相反射構造A1の反射ユニットR1のいずれであっても、上記の構造と反射ユニットR1との間には一定の距離があるので、ミリメートル波信号が回路基板300又はバックカバー120の表面に沿って伝播するときに表面波は形成され得ない。よって、上述されたように、本願の同相反射構造A1はまた、形成された表面波によるエネルギ損失を回避するように、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120及び/又は回路基板300に形成された表面波を低減し又は除去しさえすることができる。
【0126】
図5に示されるように、バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300にはミリメートル波アンテナモジュール400も設けられているので、回路基板300上にある同相反射構造A1のエリアは、バックカバー120上にある、同相反射構造A1が配置されるエリアよりも小さくてもよい。例えば、回路基板300上にある、同相反射構造A1が配置されるエリアは、相応して、バックカバー120上にある、同相反射構造A1が配置されるエリアから、ミリメートル波アンテナモジュール400に対応するエリアを減じることによって求められるエリアであってよい。
【0127】
図15及び図16を参照されたい。図15は、ミリメートル波信号が、同相反射構造を配置されているバックカバーを通過するようシミュレーションされる場合に得られた反射位相の模式図である。図16は、ミリメートル波信号が、同相反射構造を配置されているバックカバーを通過するようシミュレーションされる場合に得られた反射振幅の模式図、つまり、リターン損失/反射係数の模式図である。
【0128】
図15及び図16に示されるように、28GHzの周波数を持ったミリメートル波信号がテスト信号として使用される。例えば、ガラスバックカバーから作られたバックカバー120と、二重層構造である上記の同相反射構造A1とが、シミュレーションテストで使用される。
【0129】
図15から分かるように、28GHzミリメートル波信号が反射される場合に、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の位相は0に等しい。従って、シミュレーション結果から分かるように、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120は同相反射特性を実装し得る。
【0130】
図16から分かるように、同相反射構造を有するバックカバー120の反射振幅は依然として大きく、つまり、リターン損失/反射係数は依然として大きく、近似的に約-2.15dBである。従って、大量のミリメートル波信号が反射され、伝えられるミリメートル波信号は少ない。本願の解決法によれば、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は基本的に同じであり、つまり、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相は同じである。従って、伝えられる全てのミリメートル波信号は、同じ位相のために互いに増幅し合う。最終的に、全体のリターン損失は低く、完全伝送効果が基本的に達成され得る。
【0131】
図16は単に、ミリメートル波信号がバックカバー120によって1回反射されることをシミュレーションされる場合のリターン損失の模式図であり、距離要因は考慮されていないことに留意すべきである。上述されたように、図6は、ミリメートル波信号が様々な場合に伝送されるようシミュレーションされる場合に得られた全体のリターン損失の模式図、例えば、ミリメートル波信号が、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120によって伝送される場合に得られた全体のリターン損失の模式図である。従って、バックカバー120によって1回反射されたミリメートル波信号のリターン損失/反射係数は高いとしても、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は基本的に同じであり、つまり、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相は同じである。従って、伝えられる全てのミリメートル波信号は、同じ位相のために互いに増幅し合う。最終的に、全体のリターン損失は低い。
【0132】
本願のこの実施形態では、同相反射構造A1が単層構造又は二重層構造であるかに関わらず、同相反射構造A1に含まれている複数の反射ユニットR1は、上述されたようにマトリクスで配置されても、ミリメートル波アンテナモジュール400に中心があり半径が異なる複数のリングアレイで配置されても、あるいは、他の方法で配置されてもよい。ミリメートル波信号のビームは、バックカバー120での投影範囲において走査方向に沿って行及び列で配置されてもよい。
【0133】
図17及び図18を参照されたい。図17は、本願の実施形態に係るミリメートル波アンテナモジュール400の模式平面図である。図18は、本願の実施形態に係るミリメートル波アンテナモジュール400の模式断面図である。
【0134】
実施形態において、ミリメートル波アンテナモジュール400は複数のアンテナ401を含む。複数のアンテナ401はアンテナアレイを形成する。バックカバー120でのミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号の投影範囲は、バックカバー120での複数のアンテナによって送信されたミリメートル波信号のビームの投影範囲を指す。バックカバー120でのミリメートル波アンテナモジュール400の投影は、バックカバー120での複数のアンテナの投影を指す。アンテナ401はミリメートル波アンテナであり、複数のアンテナ401を含むアンテナアレイはミリメートル波アンテナアレイである。
【0135】
図17及び図18に示されるように、ミリメートル波アンテナモジュール400は、アンテナ基板402を更に含む。複数のアンテナ401は、間隔をあけて一列にアンテナ基板402に配置される。アンテナ基板402は絶縁媒質基板である。
【0136】
図18に示されるように、アンテナ基板402は第1表面402a及び第2表面402bを含む。ミリメートル波アンテナモジュール400が回路基板300に配置される場合に、第1表面402aはバックカバー120に面する面であり、第2表面402bはバックカバー120と反対側にある面である。各アンテナ401は上側金属シート401a及び下側金属シート401bを含む。上側金属シート401a及び下側金属シート401bは、間隔をあけて配置され、上側金属シート401aの投影は、第1表面402aから第2表面402bへの方向において下側金属シート401bの投影と実質的に一致する。図15に示されるように、上側金属シート401aは、アンテナ基板402内にあり第1表面402aに近い位置に配置され、下側金属シート401bは、アンテナ基板402内にあり第2表面402bに近い位置に配置される。上側金属シート401a及び下側金属シート401bは、パッチ形状をとり、第1表面402a及び第2表面402bと略平行に、つまり、バックカバー120の内面又は回路基板300の表面と略平行に配置される。
【0137】
下側金属シート401bには、フィード点K1が設けられる。下側金属シート401bは、フィード点K1を通じてフィードソース(図示せず)へ接続され、下側金属シート401bは、上側金属シート401aと空間的に結合されてフィード信号を上側金属シート401aへ伝え、それから上側金属シート401a及び下側金属シート401bによりミリメートル波信号を生成し、ミリメートル波信号をバックカバー120に向けて上側金属シート401aを通じて放射する。
【0138】
アンテナ401の構造は同じであるから、ただ1つのアンテナ401が記載のための例として使用される。
【0139】
各アンテナ401は、上側金属シート401a及び下側金属シート401bを使用することによってパッチアンテナを構成し、レーザ加工などによってアンテナ基板402の上に形成される。代替的に、各アンテナ401は、アンテナ基板402に配置されるフレキシブルプリント回路(FPC,flexible printed circuit)アンテナであってもよい。FPCアンテナは、FPCに形成された金属アンテナパターンを指す。FPCアンテナは、ボンド結合、埋め込み、溶接などによってアンテナ基板402に固定されてよい。
【0140】
ミリメートル波アンテナモジュール400は、バックカバー120に面する回路基板300の面上で担持されてもよい。代替的に、回路基板300を貫通する又は貫通しない溝が、バックカバー120に面する回路基板300の面上に配置されてもよく、ミリメートル波アンテナモジュール400は、電子デバイス全体の厚さを低減するように、溝に収容される。
【0141】
ミリメートル波アンテナモジュール400の構造は、電子デバイス1000に含まれるミリメートル波アンテナモジュール400の構造、又は上記のシミュレーションで使用されたミリメートル波アンテナモジュールの構造であってよい。
【0142】
他の実施形態においては、ミリメートル波アンテナモジュール400はまた、他の構造であってもよい。例えば、ミリメートル波アンテナモジュールは、1つ以上のアンテナ401のみを含み、アンテナ基板402を含まず、アンテナ401の構造は、上記の構造とは異なり、例えば、平面逆F型アンテナ(PIFA,Planner Inverted F antenna)であってもよく、アンテナ401は、回路基板300に直接形成される。
【0143】
本願では、バックカバー120はミリメートル波信号を反射するが、回路基板300とバックカバー120との間に前もってセットされた距離を設定することによって、ミリメートル波アンテナモジュール400によって送信されたミリメートル波信号が回路基板300とバックカバー120との間で複数回反射される場合に、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相は同じである。バックカバー120に達するミリメートル波信号が毎回部分的に伝えられ、伝えられたミリメートル波信号の位相は、バックカバー120に達するミリメートル波信号の位相に等しいので、毎回伝えられるミリメートル波信号の位相は同じであり、同じ位相を持ったミリメートル波信号は互いに強めって増幅される。従って、最終的な全体のリターン損失は低くなるので、電磁波エネルギのほとんどはバックカバーを横切って流れ、高い利得効果が得られる。同相反射構造A1が配置されない場合と比較して、バックカバー120及び回路基板300のうちの少なくとも一方が同相反射構造A1を配置されるので、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相は、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号がより短い距離で回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に同じである。これは、電子デバイス全体の厚さを減らし、かつ、アンテナの放射性能を向上させる。
【0144】
以上の記載は、本願の具体的な実施に過ぎず、本願の保護範囲はそれに制限されない。当業者であれば、本願の技術的範囲内での変更又は置換を容易に想到可能であり、これらの変更及び置換は、本願の保護範囲内に入るべきである。本願の実施形態及び実施形態の特徴は、矛盾が生じない限りは、互いに組み合わされてよい。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
【0145】
本願は、2021年9月24日付けで「ELECTRONIC DEVICE WITH MILLIMETER WAVE ANTENNA MODULE」との発明の名称で中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第2021111256986号に対する優先権を主張するものであり、その全文を参照により本願に組み込む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリメートル波アンテナモジュールを備えた電子デバイスであって
回路基板と、
バックカバーと、
前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置され、ミリメートル波信号を送信するよう少なくとも構成されるミリメートル波アンテナモジュールと
を有し、
前記バックカバー及び前記回路基板のうちの少なくとも一方は、同相反射構造を配置され、該同相反射構造は、受信したミリメートル波信号を反射するために使用され、前記同相反射構造によって受信されたミリメートル波信号の位相は、反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり、前記ミリメートル波アンテナモジュールによって送信された前記ミリメートル波信号は、前記回路基板と前記バックカバーとの間で複数回反射され、前記回路基板と前記バックカバーとの間の距離は、毎回前記バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足し、
前記同相反射構造は二重層構造である
電子デバイス。
【請求項2】
前記バックカバー又は前記回路基板が前記同相反射構造を配置される場合に、前記同相反射構造を配置される前記バックカバー又は前記回路基板は、前記受信したミリメートル波信号を反射し、前記受信したミリメートル波信号の位相は、前記反射されたミリメートル波信号の位相と同じであり
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置されない場合に、前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーは、前記受信したミリメートル波信号を反射し、前記反射されたミリメートル波信号の位相と前記受信したミリメートル波信号の位相との間の差は-πである、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記ミリメートル波信号が前記バックカバーによって反射された後の第1変化位相、前記ミリメートル波信号が前記回路基板によって反射された後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の波長に関係がある、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、d=n×λ/2-(Δφ1+Δφ2)×λ/4πであり、
Δφ1は、前記ミリメートル波信号が前記バックカバーによって反射された反射後の前記第1変化位相を表し、Δφ2は、前記ミリメートル波信号が前記回路基板によって反射された後の前記第2変化位相を表し、λは、前記ミリメートル波信号の前記波長を表し、nは0又は正の整数である、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記回路基板のみが前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーとの間の距離であり、前記ミリメートル波信号が前記同相反射構造を配置されない前記バックカバーによって反射された後の第1変化位相、前記ミリメートル波信号が前記同相反射構造を配置される前記回路基板によって反射された後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められ
前記バックカバー及び前記回路基板の両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の距離であり、前記ミリメートル波信号が前記同相反射構造を配置される前記バックカバーによって反射された後の第1変化位相、前記ミリメートル波信号が前記同相反射構造を配置される前記回路基板によって反射された後の第2変化位相、及び前記ミリメートル波信号の前記波長に基づき求められる、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記回路基板のみが前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=-π及びΔφ2=0であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離であり、λ/4+n×λ/2に等しい、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記回路基板及び前記バックカバーの両方が夫々前記同相反射構造を配置される場合に、Δφ1=0及びΔφ2=0であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、前記同相反射構造を配置される前記回路基板と前記同相反射構造を配置される前記バックカバーとの間の前記距離であり、n×λ/2に等しい、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記同相反射構造は第1構造層及び第2構造層を有し、
前記バックカバーが前記同相反射構造を配置される場合に、前記第1構造層は、前記回路基板に面する前記バックカバーの面上に配置され、前記第2構造層は、前記バックカバーに配置され
前記回路基板が前記同相反射構造を配置される場合に前記第1構造層は、前記バックカバーに面する前記回路基板の面上に配置され、前記第2構造層は、前記回路基板の層に又は前記バックカバーと反対側にある前記回路基板の面上に配置される、
請求項乃至のうちいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項9】
記同相反射構造は、間隔をあけて配置された複数の反射ユニットを含み、各反射ユニットは第1反射構造及び第2反射構造を有し、全ての前記反射ユニットの第1反射構造が前記第1構造層を形成し、全ての前記反射ユニットの第2反射構造が前記第2構造層を形成する、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記バックカバーが、前記同相反射構造を配置される場合に、毎回前記バックカバーに達する前記ミリメートル波信号は、前記第1反射構造に達するミリメートル波信号であり、前記回路基板と前記バックカバーとの間の前記距離は、毎回前記第1反射構造に達する前記ミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
各反射ユニットの前記第1反射構造及び前記第2反射構造は、前記バックカバーの厚さ方向において対応して配置される、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記第1反射構造は正方形の金属シートであり、前記第2反射構造は十字の金属シートである、
請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項13】
各反射ユニットの正方形の金属シートの投影は、前記バックカバーの前記厚さ方向において前記十字の金属シートの幾何学的中心の投影と一致する、
請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記バックカバーは、順にスタックされている内側フィルム層、バックカバー本体、及び外側フィルム層を有し、
前記内側フィルム層は、前記回路基板に面する前記バックカバー本体の面上に配置され
前記外側フィルム層は、前記回路基板と反対側の前記バックカバー本体の面上に配置され、
前記バックカバーが、前記二重層構造である前記同相反射構造を配置される場合に、前記二重層構造である前記同相反射構造の前記第1構造層は、前記回路基板に面する前記内側フィルム層の面上に配置され、前記第2構造層は、前記バックカバー本体と前記外側フィルム層との間に配置される、
請求項に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記内側フィルム層は、特定のパターン及び/又は色を有し、
前記バックカバー本体は、ガラス材料から作られ、
前記外側フィルム層は、透明材料から作られ、
前記外側フィルム層は、前記第2構造層を保護するために使用され、
前記内側フィルム層の前記パターン及び/又は色は、前記バックカバー本体及び前記外側フィルム層を通して提示され、前記バックカバーのパターン及び/又は色として採用される、
請求項14に記載の電子デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
解析により、場合1は自由空間の場合であり、つまり、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーはない。この場合に、ミリメートル波信号はバックカバーによって反射されないので、リターン損失は低い。場合2は、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられない場合である。上述されたように、回路基板及びバックカバーに同相反射構造が設けられないとき、同相反射構造を配置されていないバックカバーによる反射後の第1変化位相Δφ1及び同相反射構造を配置されていない回路基板による反射後の第2変化位相Δφ2は、-πに等しい。従って、回路基板とバックカバーとの間の距離がd=n×λ/2-(π+π)×λ/4π=λ/2+n×λ/2であるとき、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射される場合に、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足する。従って、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられない場合に、それは、ミリメートル波アンテナモジュールによって送信されたミリメートル波信号が回路基板とバックカバーとの間で複数回反射されるときに、毎回バックカバーに達するミリメートル波信号の位相が基本的に同じであることを満足しない。従って、リターン損失は高い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
図7に示されるように、自由空間の場合及びミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがない場合には、ミリメートル波信号の0°ビームのメインローブM1は主に0°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さいとき、放射エネルギは主に0°方向でメインローブM1に集中している。この場合に、ミリメートル波信号の0°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ11.70dBである。ミリメートル波信号の30°ビームのメインローブM1は主に30°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さいとき、放射エネルギは主に30°の方向でメインローブM1に集中している。この場合に、ミリメートル波信号の30°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ10.60dBである。図7に示されるように、ミリメートル波信号の45°ビームのメインローブM1は主に45°方向に集中しているが、サイドローブS1は小さいとき、放射エネルギは主に40°方向でメインローブM1に集中している。この場合に、ミリメートル波信号の45°ビームの損失は小さく、利得は大きく、おおよそ9.804dBである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
従って、複数の方向におけるビームの下でのアンテナ放射パターンからも分かるように、ミリメートル波アンテナモジュールの上にバックカバーがあり、バックカバーと回路基板との間の距離がλ/4であり、バックカバー及び回路基板に同相反射構造が設けられていない場合2には、放射効率は低く、ミリメートル波信号のリターン損失は高い
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
具体的に、同相反射構造A1が単層構造であり、バックカバー120のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されていない回路基板300と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の反射ユニットR1との間の距離である。回路基板300のみに同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300の反射ユニットR1と、同相反射構造A1を配置されていないバックカバー120との間の距離である。バックカバー120及び回路基板300に同相反射構造A1が設けられる場合に、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、同相反射構造A1を配置されている回路基板300の反射ユニットR1と、同相反射構造A1を配置されているバックカバー120の反射ユニットR1との間の距離である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
同相反射構造A1が二重層構造であり、バックカバーに同相反射構造が設けられる場合に、毎回バックカバー120に達するミリメートル波信号は、第1反射構造R11/第1構造層A11に達するミリメートル波信号であり、回路基板300とバックカバー120との間の距離は、第1反射構造R11/第1構造層A11に達するミリメートル波信号の位相が同じであることを満足する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0136】
図18に示されるように、アンテナ基板402は第1表面402a及び第2表面402bを含む。ミリメートル波アンテナモジュール400が回路基板300に配置される場合に、第1表面402aはバックカバー120に面する面であり、第2表面402bはバックカバー120と反対側にある面である。各アンテナ401は上側金属シート401a及び下側金属シート401bを含む。上側金属シート401a及び下側金属シート401bは、間隔をあけて配置され、上側金属シート401aの投影は、第1表面402aから第2表面402bへの方向において下側金属シート401bの投影と実質的に一致する。図18に示されるように、上側金属シート401aは、アンテナ基板402内にあり第1表面402aに近い位置に配置され、下側金属シート401bは、アンテナ基板402内にあり第2表面402bに近い位置に配置される。上側金属シート401a及び下側金属シート401bは、パッチ形状をとり、第1表面402a及び第2表面402bと略平行に、つまり、バックカバー120の内面又は回路基板300の表面と略平行に配置される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
他の実施形態においては、ミリメートル波アンテナモジュール400はまた、他の構造であってもよい。例えば、ミリメートル波アンテナモジュールは、1つ以上のアンテナ401のみを含み、アンテナ基板402を含まず、アンテナ401の構造は、上記の構造とは異なり、例えば、平面逆F型アンテナ(PIFA,Planer Inverted F antenna)であってもよく、アンテナ401は、回路基板300に直接形成される。
【国際調査報告】