(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】テラヘルツ放射線を使用して少なくとも1つの層の少なくとも1つの特性を判定するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 21/3581 20140101AFI20231227BHJP
【FI】
G01N21/3581
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537537
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021077958
(87)【国際公開番号】W WO2022135763
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】102020134498.8
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523127187
【氏名又は名称】ヘルムート フィッシャー ゲーエムベーハー インスティトゥート フューア エレクトロニック ウント メステクニック
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アンクラム,ラース-クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】マイセンバッヒャー,ジェンス
(72)【発明者】
【氏名】メーテル,リュディガー
(72)【発明者】
【氏名】ケテルセン,ヘルガ
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB08
2G059BB10
2G059EE02
2G059EE04
2G059EE09
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2G059HH05
2G059JJ01
2G059JJ19
2G059MM01
2G059MM02
2G059MM05
2G059MM14
(57)【要約】
テラヘルツ、THz、放射線を使用して、基材に適用できる少なくとも1つの第1の層の少なくとも1つの特性を判定するための方法であって、本方法は、基材の少なくとも1つの特性を判定すること、第1の層を基材に適用すること、第1の層の少なくとも1つの特性を判定すること、を含む。
【選択図】
図35
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ、THz、放射線(TS)を使用して、基材(10)に適用できる少なくとも1つの第1の層(12-1)の少なくとも1つの特性(E-12-1)を判定するための方法であって、
前記基材(10)の少なくとも1つの特性(E-10)を判定すること(100)、前記第1の層(12-1)を前記基材(10)に適用すること(102)、前記第1の層(12-1)の前記少なくとも1つの特性(E-12-1)を判定すること(104)、を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのさらなる層、例えばn番目の層(12-n)を適用すること(106-n)であって、例えばnは2以上の正の整数である、適用すること(106-n)と、随意に、前記少なくとも1つのさらなる層(12-n)の少なくとも1つの特性(E-12-n)を判定すること(108-n)と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)前記少なくとも1つのさらなる層(12-n)の前記適用(106-n)と、随意に、b)前記少なくとも1つのさらなる層(12-n)の少なくとも1つの特性(E-12-n)の前記判定(108-n)と、を繰り返すこと(109)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基材(10)及び/または前記第1の層(12-1)ならびに/もしくは前記少なくとも1つのさらなる層(12-n)の前記少なくとも1つの特性(E-10)は、以下の要素、すなわち、a)光学特性、b)厚さ(D-10)、c)透磁率、d)電気伝導率、e)粗度のうちの少なくとも1つを有する、請求項の1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基材(10)の特性(E-10)を判定すること(100)は、さらに、前記基材(10)の表面(10-a)の少なくとも1つの表面特性(OE)を判定すること(100a)を含み、例えば、前記少なくとも1つの表面特性(OE)は、以下の要素、すなわち、a)粗度、b)形状、例えば、屈曲、c)空間位置、d)構造のうちの少なくとも1つを有し、例えば、前記少なくとも1つの表面特性(OE)は、例えば、以下の要素、すなわち、a)共焦点顕微鏡法、b)干渉分光法、c)光コヒーレンストモグラフィー、d)3次元画像化のうちの少なくとも1つを用いて判定される(100a)、請求項の1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記THz放射線(TS,TS-1)の反射に基づく少なくとも1つの測定法(110a)、及び/または前記THz放射線(TS,TS-2)の伝達に基づく少なくとも1つの測定法(110b)、例えばTHz分光法ならびに/もしくはTHzエリプソメトリー、及び/または例えばTHz放射線(TS)に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法(110c)、例えば触覚測定法、を使用すること(110)をさらに含み、前記方法は、以下の要素、すなわち、a)前記基材(10)の少なくとも1つの特性(E-10)を判定すること(100)、b)前記第1の層(12-1)の前記少なくとも1つの特性(E-12-1)を判定すること(104)、c)前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の前記少なくとも1つの特性(E-12-n)を判定すること(108-n)、d)前記基材(10)の表面(10-a)の前記少なくとも1つの表面特性(OE)を判定すること(100a)、のうちの少なくとも1つのために行われる、請求項の1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記基材(10)の配向(OR-10)または前記基材(10)を有するオブジェクト(OBJ)を変えること(120)をさらに含む、請求項の1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記THz放射線(TS)の入射角(EW-TS)を変えること(122)をさらに含む、請求項の1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
以下の要素、すなわち、a)前記THz放射線(TS)の偏光(POL-TS)を変えること(124)、b)前記THz放射線(TS)の通路の方向(DR-TS)を変えること(126)、c)少なくとも定期的に、前記THz放射線(TS)を反射させること(128)、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項の1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの測定法(110a,110b,110c)を実行すること(130)、または例えばM(M>1)に等しい数のいくつかの測定点(MP)に対して、前記少なくとも1つの測定法(110a,110b,110c)を実行すること(130)をさらに含む、請求項の1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
例えば、層の光学特性の変分を判定するために、例えばいくつかの測定点の測定結果を接続することによって、例えば組み合わせるまたは集めることによって、測定法のいくつかの測定点(MP)の測定結果、例えばMに等しい数の測定点を組み合わせること(132)をさらに含み、例えば、前記変分により、例えばさらなる測定値との比較に基づいて、例えば基準測定値に基づいて、例として、例えばモデルを用いて、例えば同時に、例えば補正して、全ての測定結果が説明される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
例えばMに等しい数の測定点(MP-1,MP-2,…,MP-M)において、少なくとも1つの参照層厚(RD-1)、例えば前記第1の層(12-1)のMに等しい数の参照層厚(RD-1-1,RD-1-2,…,RD-1-M)を判定すること(140)、及び/または、例えばMに等しい数の測定点において、少なくとも1つの参照層厚(RD-n)、例えば、少なくとも1つのさらなる層、例えばn番目の層(12-2、12-n)のMに等しい数の参照層厚(RD-n-1,RD-n-2,…,RD-n-M)を判定すること(142)、をさらに含み、例えば、前記少なくとも1つの参照層厚(RD-1,RD-n)の前記判定(140,142)は、例を挙げると、THz放射線(TS)に基づかない1つのさらなる測定法(110c)、例えば触覚測定法に基づいて実行される、請求項の1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
a)いくつかの測定点(MP)に対して、例えばM(M>1)に等しい数の測定点に対して、前記少なくとも1つの測定法(110a,110b,110c)を前記実行すること(130)、及び/またはb)例えばMに等しい数の測定点(MP-1,MP-2,…,MP-M)において、少なくとも1つの参照層厚(RD-1)、例えば前記第1の層(12-1)のMに等しい数の参照層厚(RD-1-1,RD-1-2,…,RD-1-M)を判定すること(140)、及び/またはc)前記少なくとも1つの参照層厚(RD-n)の前記判定(142)、例えば、前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)のMに等しい数の参照層厚(RD-n-1,RD-n-2,…,RD-n-M)の前記判定(142)は、各々、例えばMに等しい同数の測定点(MP;MP-1,MP-2,…,MP-M)に対して実行される、請求項10~12の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの参照層厚(RD-1,RD-n)の偏差を規定すること(144)及び/または考慮すること(145)をさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
a)前記基材(10)に適用された前記第1の層(12-1)に対するTHz放射線(TS)に基づく少なくとも1つの測定法(110a,110b)の少なくとも1つの測定結果(ME-TS-12-1)に基づいて、随意に、b)少なくとも1つの層厚または前記少なくとも1つの参照層厚(RD-1)にも基づいて、前記第1の層(12-1)の少なくとも1つの光学特性(OE-12-1)を判定すること(150)をさらに含む、請求項の1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
a)前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)に対するTHz放射線(TS)に基づく少なくとも1つの測定法(110a,110b)の少なくとも1つの測定結果(ME-TS-12-2,ME-TS-12-n)に基づいて、随意に、b)前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の少なくとも1つの参照層厚または前記少なくとも1つの参照層厚(RD-2,RD-n)にも基づいて、前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の少なくとも1つの光学特性(OE-12-2,OE-12-n)を判定すること(152)をさらに含む、請求項2~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の前記少なくとも1つの光学特性(OE-12-2,OE-12-n)を前記判定すること(152)は、加えて、前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の前に、前記基材(10)に適用された少なくとも1つの層(12-1)の少なくとも1つの参照層厚ならびに/もしくは少なくとも1つの光学特性に基づいて、及び/または前記基材(10)の少なくとも1つの特性(E-10)に基づいて実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光学特性(OE-12-1,OE-12-2,OE-12-n)を判定すること(150,152)は、第1のモデル(MOD-1)を用いて、前記基材(10)及び少なくとも前記第1の層(10-1)を有するオブジェクト(OBJ)をモデル化すること(1500)と、随意に、前記基材(10)に適用された前記第1の層(12-1)に対するTHz放射線(TS)に基づいて、前記判定された参照層厚(RD-1)及び/または前記少なくとも1つの測定法(110a,110b)の前記少なくとも1つの測定結果に合わせて前記第1のモデル(MOD-1)を調整すること(1502)であって、調整された第1のモデル(MOD-1’)が取得される、調整すること(1502)と、前記第1のモデル(MOD-1)及び/または前記調整された第1のモデル(MOD-1’)に基づいて、前記少なくとも1つの光学特性を判定すること(1404)と、を含む、請求項15~17の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項19】
前記THz放射線(TS,TS-1)の反射に基づく測定法(110a)、及び/または前記THz放射線(TS,TS-2)の伝達に基づく少なくとも1つの測定法(110b)、及び/または例えば、M(M>1)に等しい数の前記オブジェクト(OBJ)の点における、例えばTHz放射線(TS)に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法(110c)を用いて、前記基材(10)及び前記第1の層(12-1)を有するオブジェクト(OBJ)に対する少なくとも1つの測定(M-1)を実行すること(162)、前記少なくとも1つの測定(M-1)に基づいて、前記第1の層(12-1)の少なくとも1つの光学特性(OE-12-1)を判定すること(164)、を含む、請求項の1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
以下の要素、すなわち、a)少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)を例えば前記第1の層(12-1)に適用すること(166)、b)前記THz放射線(TS,TS-1)の反射に基づく測定法(110a)、及び/またはTHz放射線(TS,TS-2)の伝達に基づく少なくとも1つの測定法(110b)、及び/または例えばM(M>1)に等しい数の前記オブジェクト(OBJ)の点における、例えばTHz放射線(TS)に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法(110c)を用いて、前記基材(10)及び前記第1の層(12-1)ならびに前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)を有するオブジェクト(OBJ)に対する少なくとも1つの測定(M-2、M-N)を実行すること(168)、c)前記少なくとも1つのさらなる測定(M-1)に基づいて、前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の少なくとも1つの光学特性(OE-12-2,OE-12-n)を判定すること(169)、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
例えば異なる測定点及び/または層厚領域に関する測定結果に基づいて、例えば前記第1の層(12-1)及び/もしくは少なくとも1つのさらなる層(12-2)、または前記少なくとも1つのさらなる層(12-2)の前記少なくとも1つの光学特性(E-12-1)のいくつかの変分(VAR-OE)を判定すること(1040)と、随意に、例えば変分計算によって、前記いくつかの変分(VAR-OE)の特定の変分(VAR-OE’)を判定すること(1042)と、を含む、請求項の1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項の1~21のいずれか1項に記載の方法を実行するためのデバイス(200)。
【請求項23】
THz放射線(TS,TSR,TS’)を放出及び/または受信するための少なくとも1つのTHzデバイス(210)を有する、請求項22に記載のデバイス(200)。
【請求項24】
前記THz放射線用の少なくとも1つの反射体(215)をさらに有し、例えば、前記デバイス(200)は、a)少なくとも部分的に、前記THz放射線(TS)のビーム経路に、及び/またはb)例えば、事前に判定できる前記少なくとも1つの表面(10b)から空間(D)を有する前記基材(10)の少なくとも1つの表面(10b)の領域に、もしくは前記基材(10)を有するオブジェクト(OBJ)の領域に、少なくとも一定間隔をあけて、前記反射体(215)を配置するように設計されている、請求項23に記載のデバイス(200)。
【請求項25】
コンピューター(202)によって実行されるとき、前記コンピューターに、請求項1~21の少なくとも1項に記載の方法を実行することを要求するコマンド(PRG)を含む、コンピューター可読記憶媒体(SM)。
【請求項26】
前記プログラムがコンピューター(202)によって実行されるとき、前記コンピューターに、請求項1~21の少なくとも1項に記載の方法を実行させるコマンドを含むコンピュータープログラム(PRG)。
【請求項27】
請求項26に記載のコンピュータープログラム(PRG)を伝送及び/または特徴付けるデータ伝送信号(DCS)。
【請求項28】
請求項1~21のいずれか1項に記載の方法、及び/または請求項22~24のいずれか1項に記載のデバイス(200)、及び/または請求項25に記載のコンピューター可読記憶媒体(SM)、及び/または請求項26に記載のコンピュータープログラム(PRG)、及び/または請求項27に記載のデータ伝送信号(DCS)の使用法(400)であって、以下の要素、すなわち、a)前記第1の層(12-1)の前記少なくとも1つの特性(E-12-1)を判定すること(402)、b)前記少なくとも1つのさらなる層(12-2,12-n)の前記少なくとも1つの特性(E-12-2)を判定すること(404)、c)例えば、基材(10)に適用されたいくつかの層(12-1,12-2,..)の層厚を判定するために、THz測定用のモデル及び/またはデバイス(200)、例えば、前記基材(10)に適用された前記いくつかの層(12-1,12-2,..)を有する測定されたオブジェクトのTHz測定用のモデル及び/またはデバイス(200)を較正すること(406)、d)例えばさらなるTHz測定に基づいて、THz測定用の較正データを拡大(408)または改正すること、例えば較正または再較正すること、のうちの少なくとも1つに関する、使用法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テラヘルツ放射線を使用して少なくとも1つの層の少なくとも1つの特性を判定するための方法に関する。
【0002】
本開示は、さらに、テラヘルツ放射線を使用して少なくとも1つの層の少なくとも1つの特性を判定するためのデバイスに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的な実施形態は、テラヘルツ、THz、放射線を使用して、基材に適用できる少なくとも1つの第1の層の少なくとも1つの特性を判定するための方法に関し、該方法は、基材の少なくとも1つの特性を判定することと、第1の層を基材に適用することと、第1の層の少なくとも1つの特性を判定することと、基材に適用された層の少なくとも1つの特性を判定することと、を含む。
【0004】
さらなる例示的な実施形態では、基材は、金属性基体、または金属性(例えば、金属化)表面を有する非金属性基体を有する。さらなる例示的な実施形態では、基材は非金属性基体を有し、例えば、基体はプラスチック材料を有する。
【0005】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つのさらなる層を、例えばn番目の層を、例えば第1の層に、または基材に事前に適用された層に適用することであって、例えばnは2以上の正の整数である、適用することと、随意に、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの特性を判定することと、を含むことがもたらされる。
【0006】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層及び/または少なくとも1つのさらなる層を適用することは、例えば、液体及び/またはガス状媒質を、例えば適用後に対象の層を形成する基材の少なくとも1つの(例えば、コーティングされていない、または既にコーティングされた)表面に塗布することを含み得る。
【0007】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの層は、適用によって、基材に、または互いの上部に適用でき、それによって、例えば、基材及びいくつかの層を有する層構造が生じる。
【0008】
さらなる例示的な実施形態では、適用は、塗装で基材をコーティングすることを含む。
【0009】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、a)少なくとも1つのさらなる層の適用と、随意に、b)少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの特性の判定と、を繰り返すことを含む。このように、各々の層の1つまたはいくつかの特性は例示的な方式で連続的に判定でき、さらなる例示的な実施形態では、相互作用は例えば、また、互いに隣接する層間に境界面の領域においても考慮できる。
【0010】
さらなる例示的な実施形態では、例えば既定の終了条件を満足するまで、少なくとも1つのさらなる層の適用の繰り返しが実行される。例えば、基材で事前に判定できる層の数の存在は、終了条件を特徴付けできる。
【0011】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、nに等しい層の数は適用でき、例えば、対象の層の少なくとも1つの特性はnに等しい層の数のそれぞれに対して判定されないが、代わりに、例えば、k<nに等しい層の数だけに対して判定される。言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの層またはいくつかの層は、また、それらの層が適用された後に判定される適用された層の少なくとも1つの特性がなくても適用できる。例えば、少なくとも1つの適用された層(またはいくつかの層)の少なくとも1つの特性は、先験的に知ることができる。例えば、さらなる例示的な実施形態では、(i+1)番目の層がi番目の層の後に適用され、例えば、次に、例えば2つの事前に適用された層i及びi+1の少なくとも1つの特性を判定できることが提供できる。
【0012】
さらなる例示的な実施形態では、THz放射線は、0.1THz~30THz、例えば0.3THz~10THzの範囲の少なくとも1つのスペクトル成分を有する。
【0013】
さらなる例示的な実施形態では、基材及び/または第1の層ならびに/もしくは少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの特性は、以下の要素、すなわち、a)光学特性、b)厚さ、c)透磁率、d)電気伝導率、e)粗度のうちの少なくとも1つを有する。
【0014】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、光学特性はTHz放射線に対して分散する。さらなる例示的な実施形態では、分散は、屈折率n及び減衰係数eで特徴付けできる。例えば、さらなる例示的な実施形態では、屈折率n及び/または減衰係数eは、THz放射線の周波数によって決めることができ、その結果、分散は、例えば異なる各々の周波数における複数の屈折率の値または減衰係数の値で特徴付けできる。
【0015】
さらなる例示的な実施形態では、光学特性は、例えば特定の周波数、及び/または層もしくは基材の構造ならびに/もしくは粒子の周りにある場合、例えば屈折率または層厚及び/もしくは気孔率及び/もしくは伝達及び/もしくは反射における、例えば階調度である。
【0016】
さらなる例示的な実施形態では、基材の特性を判定することは、さらに、基材の表面の少なくとも1つの表面特性を判定することを含み、例えば、少なくとも1つの表面特性は、以下の要素、すなわち、a)粗度、b)形状、例えば屈曲、c)空間位置(例えばTHz放射線を提供するTHzデバイスの光軸に対して、例えば表面の法線ベクトルの方向で特徴付けできる)、d)構造、例えば基材(例えば、プラスチック基材の金属堆積物)の異物の配置及び/または表面の成形、例えば、構造化もしくはマイクロ構造化、のうちの少なくとも1つを有する。
【0017】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの表面特性は、例えば、以下の要素、すなわち、a)共焦点顕微鏡法、b)干渉分光法、c)光コヒーレンストモグラフィー、d)3次元画像化のうちの少なくとも1つを用いて判定される。
【0018】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、THz放射線の反射に基づく少なくとも1つの測定法、及び/またはTHz放射線の伝達に基づく少なくとも1つの測定法、例えばTHz分光法ならびに/もしくはTHzエリプソメトリー、及び/または例えばTHz放射線に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法、例えば触覚測定法、を使用することを含み、本方法は、以下の要素、すなわち、a)基材の少なくとも1つの特性を判定すること、b)第1の層の少なくとも1つの特性を判定すること、c)少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの特性を判定すること、d)基材の表面の少なくとも1つの表面特性を判定すること、のうちの少なくとも1つのために行われる。
【0019】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、基材の配向、または基材を有するオブジェクトの配向を変えることを含む。例えば、さらなる例示的な実施形態では、いくつかのTHzベース及び/またはTHzベースではない測定法は、オブジェクトのいくつかの測定のために使用でき、いくつかの測定は、例えば、オブジェクトまたは基材の配向に対して、例えば、THzデバイスの光軸に対して異なる。したがって、少なくとも1つの特性を判定するために有用な情報または使用できる情報は、異方性を有するオブジェクトまたは基材または層に対して判定できる。
【0020】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、例えば、基材の表面または基材に配置された層の法線ベクトルに対するTHz放射線の入射角を変えることを含む。
【0021】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、以下の要素、すなわち、a)THz放射線の偏光(POL-TS)を変えること、b)THz放射線の通路の方向を変えること、c)例えば、少なくとも一部のTHzベースの測定のためのTHz放射線のビーム経路に導入できる少なくとも1つのミラーを用いて、少なくとも定期的に、THz放射線を反射させること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つの測定法、またはいくつかの測定点、例えば、M(M>1)に等しい数の測定点に対する少なくとも1つの測定法を実行することを含み、いくつかの測定点は、例えば、基材の表面上の異なる場所に、または対応する層に割り当てられる。
【0023】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの測定点は、各々、基材(「基材測定」)及び少なくとも1つの層(「層測定」)のために、またはいくつかの層のために使用され、同じ測定点は、好ましくは、基材及び/または各々の層(複数可)のために使用され、これにより、精度を向上させることができる。さらなる例示的な実施形態では、同じ測定点は、各々、例えば、全ての測定のために使用できる。
【0024】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、測定法のいくつかの測定点の測定結果、例えばMに等しい数の測定点の測定結果を組み合わせることを含む。さらなる例示的な実施形態では、例えば、少なくとも1つの測定法(例えば、基材及び/または少なくとも1つの層のための測定法)のいくつかの測定点の測定結果は、少なくとも1つの特性を判定するために、モデルのための入力データとして使用できる。
【0025】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つの参照層厚を判定すること、例えばMに等しい数の測定点における、例えば第1の層のMに等しい数の参照層厚を判定することを含む。
【0026】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、同じ測定点、または同じ測定点の少なくともの一部を使用して、基材測定及び/または少なくとも1つの層の測定のためにも使用されるように、第1の層のMに等しい数の参照層厚を判定する。
【0027】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つの参照層厚を判定すること、例えばMに等しい数の測定点における少なくとも1つのさらなる層、例えばn番目の層のMに等しい数の参照層厚を判定することを含む。
【0028】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、同じ測定点、または同じ測定点の少なくともの一部を使用して、基材測定及び/または少なくとも1つの層の測定のためにも使用されるように、少なくとも1つのさらなる層のMに等しい数の参照層厚を判定する。
【0029】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層及び/または少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの参照層厚の判定は、例えばTHz放射線に基づかない1つの測定法または1つのさらなる測定法に基づいて、例えば触覚測定法に基づいて実行される。
【0030】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層の少なくとも1つの参照層厚の判定は、第1の層の適用後に実行される。さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの参照層厚の判定は、少なくとも1つのさらなる層の適用後に、例えば提供された全ての層が適用された後に実行される。
【0031】
さらなる例示的な実施形態では、a)いくつかの測定点に対して、例えばM(M>1)に等しい数の測定点に対して、少なくとも1つの測定法の実行、及び/またはb)例えばMに等しい数の測定点において、少なくとも1つの参照層厚、例えば第1の層のMに等しい数の参照層厚の判定、及び/またはc)少なくとも1つの参照層厚の判定、例えば少なくとも1つのさらなる層のMに等しい数の参照層厚の判定は、各々、例えばMに等しい同数の測定点に対して実行されることがもたらされる。
【0032】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つの参照層厚の偏差を規定及び/または考慮することを含む。したがって、対象の層の実際の層厚からの少なくとも1つの参照層厚の起こり得る偏差(例えば、使用される測定法の有限の測定精度に起因する)について、例えば第1の層の少なくとも1つの特性を判定するために考慮できる。
【0033】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの参照層厚の偏差を規定及び/または考慮することは、例えば2つの層厚値で特徴付けできる層厚領域を提供することを含み、例えば、層厚領域は、例えば測定技術によって判定された参照層厚が層厚領域で特徴付けできる間隔に存在するように選択できる。
【0034】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの参照層厚の偏差を規定及び/または考慮することは、例えば、各々、いくつかの測定点に対して実行できる。
【0035】
例えば、値RD11が第1の測定点における第1の層に関する参照層厚として取得される場合、例示的な方式で前述に説明した層厚領域は、例えば、2つの層厚値RD11-ΔRD1,RD11+ΔRD1で特徴付けでき、例えば、パラメーターΔRD1は、例えば、参照層厚RD11の測定に関する既知の測定精度に基づいて選択できる。さらなる例示的な実施形態では、同じ手順は、例えば、対応する層厚領域RD12-ΔRD1,RD12+ΔRD1,RD13-ΔRD1,RD13+ΔRD1,...を規定することによって、さらなる測定点及びそれらの各々割り当てられた参照層厚RD12,RD13,..に対して比較可能な方式で着手できる。
【0036】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、a)基材に適用された第1の層に対するTHz放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果に基づいて、随意に、b)少なくとも1つの層厚または少なくとも1つの参照層厚にも基づいて、第1の層の少なくとも1つの光学特性を判定することを含む。さらなる例示的な実施形態では、基材に適用された第1の層に対するテラヘルツ放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果、及び少なくとも1つの参照層厚の両方を使用して、第1の層の少なくとも1つの光学特性を判定する。
【0037】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、a)少なくとも1つのさらなる層に対するTHz放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果に基づいて、随意に、b)少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの層厚または少なくとも1つの参照層厚にも基づいて、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性を判定することを含む。さらなる例示的な実施形態では、テラヘルツ放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果、及び少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの参照層厚の両方を使用して、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性を判定する。
【0038】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性を判定することは、加えて、少なくとも1つのさらなる層の前に、基材に適用された少なくとも1つの層の少なくとも1つの参照層厚ならびに/もしくは少なくとも1つの光学特性に基づいて、及び/または基材の少なくとも1つの特性に基づいて実行されることがもたらされる。このように、さらなる例示的な実施形態では、基材に現在適用された少なくとも1つの層に関する情報を使用して、有利に、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性も判定できる。
【0039】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、例えば、第1の層及び/もしくは少なくとも1つのさらなる層、または少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性のいくつかの変分を判定することと、随意に、例えば変分計算によって、いくつかの変分の特定の変分を判定することと、を含むことがもたらされる。
【0040】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの変分は、例えば、例示的な方式で前述に説明した層厚領域RD12-ΔRD1,RD12+ΔRD1,RD13-ΔRD1,RD13+ΔRD1,...という意味で、例えば、参照層厚(複数可)の異なる値を使用することによって判定または生成される。
【0041】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの特性の変分、例えば光学特性、例えば分散の変分は、オブジェクトの1つの、いくつかの、または全ての層に対して、各々判定できる。さらなる例示的な実施形態では、例えば変分計算によって、例えばこれらの変分に基づいてすべての層に対して、(例えば光学)特性の特定の変分を各々判定または選択できる。さらなる例示的な実施形態では、例えば、以下の基準の少なくとも1つに従って選択を実行できる。その基準として、精度(例えば、さらなる/他の測定法の測定データ、例えば触覚基準測定値及び/もしくは顕微鏡写真、または他のTHzベース方法の測定データとの一致により特徴付けることが可能である精度)、安定度、適合度(例えば、例えばTHzベース測定法(複数可)によって判定される測定値を用いて、選択された特定の変分(複数可)に基づいてモデル化できる値の一致により特徴付けることが可能である)が挙げられる。
【0042】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの光学特性、例えば分散を判定することは、第1のモデルを用いて、基材及び少なくとも第1の層を有するオブジェクトをモデル化することと、随意に、基材に適用された第1の層に対するTHz放射線に基づいて、判定された参照層厚及び/または少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果に合わせて第1のモデルを調整することであって、調整された第1のモデルが取得される、調整することと、第1のモデル及び/または調整された第1のモデルに基づいて、少なくとも1つの光学特性を判定することと、を含むことがもたらされる。
【0043】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、第1のモデルを用いるオブジェクトのモデル化は、例えば、Drude-Lorentz、Cauchy、Sellmeier、Tauc-Lorentz等のタイプの事前に判定できる分散関数の使用を含み得る。さらなる例示的な実施形態では、分散の適合度、例えば点別の適合度を実行できる。
【0044】
さらなる例示的な実施形態では、複数の開始パラメーターは、例えばオブジェクトに関する先験的知識に基づいて、及び/または前述の測定、例えば参照層厚等の例えばTHzベースならびに/もしくはTHzベースではない測定からの少なくとも1つの測定結果に基づいて、例えば分散関数について事前に判定できる。
【0045】
さらなる例示的な実施形態では、適切な分散は、例えば少なくとも定期的に手動で選択できる。さらなる例示的な実施形態では、分散は、例えば検査によって、例えばデータベースから、(人と対話しないで)少なくとも定期的に自動的に選択できる。
【0046】
さらなる例示的な実施形態では、既知の分散は、例えば、較正される予定がないオブジェクトの層は、随意に、第1のモデルのために使用できる。さらなる例示的な実施形態では、また、例えばいくつかの起こり得る分散は層毎に存在する可能性があり、例えば該分散は前述の測定に基づいて判定される。
【0047】
さらなる例示的な実施形態では、第1のモデルを随意に調整することは、例えば、以下の要素、すなわち、a)例えば同時に、例えば分散により、少なくとも1つの測定点、例えばいくつかの測定点、例えばいくつかの測定点の全てを調整または適合させること、b)少なくとも1つの測定点、例えばいくつかの測定点、例えばいくつかの測定点の全てを個々に調整または適合させること、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0048】
さらなる例示的な実施形態では、例示的な形式で本発明で説明されている変形では、結果として、a)例えば、Nに等しい基材に適用された層の数の場合、また(例えば、層毎に)Mに等しい数の測定点の場合、例えば既知の層(例えば、例示的な実施形態に従って、例えば事前に判定された層)の分散のKに等しい数の考えられる組み合わせの毎に分散が生じる。
【0049】
さらなる例示的な実施形態では、例示的な形式で前述に説明した変形では、結果として、b)既知の層(例えば、例示的な実施形態に従って、例えば事前に判定された層)の分散のKに等しい数の考えられる組み合わせの毎に、Mに等しい数の分散が生じる。
【0050】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、例えば層毎に、最良の分散を選択すること、ひいては、例えば、測定技術によって判定されたデータを最良適合する例えば事前に判定されたものの分散を選択することを含む。さらなる例示的な実施形態では、例えば少なくとも1つに対して、例えばいくつかの層に対して、例えば全ての層に対して、層毎に選択を行うことができる。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、(M+1)*Kに等しい数の分散は、例えば層毎に生じ、Kは考えられる組み合わせの数を特徴付け、「*」はスカラー乗算演算子を表す。
【0051】
さらなる例示的な実施形態では、分散の選択は、変分計算を使用することによって、また、例えば、以下の基準、すなわち、精度、安定度、適合度のうちの1つに従って選択することによって、例えば、(M+1)*Kに等しい数の分散を減らすことを含む。
【0052】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、THz放射線の反射に基づく測定法、及び/またはTHz放射線の伝達に基づく少なくとも1つの測定法、及び/または例えばM(M>1)に等しい数のオブジェクトの点における、例えばTHz放射線に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法を用いて、基材及び第1の層を有するオブジェクトに対する少なくとも1つの測定を実行すること、少なくとも1つの測定に基づいて、第1の層の少なくとも1つの光学特性を判定すること、を含むことがもたらされる。
【0053】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、以下の要素、すなわち、a)少なくとも1つのさらなる層を、例えば第1の層(または事前に適用された層)に適用すること、b)THz放射線の反射に基づく測定法、及び/またはTHz放射線の伝達に基づく少なくとも1つの測定法、及び/または例えばM(M>1)に等しい数のオブジェクトの点(例えば、オブジェクトの基材及び/または少なくとも1つの他の層に対する少なくとも1つの測定法に使用されているような同じ点または測定点)における、例えばTHz放射線に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法を用いて、基材及び第1の層ならびに少なくとも1つのさらなる層を有するオブジェクトに対する少なくとも1つのさらなる測定を実行すること、c)少なくとも1つのさらなる測定に基づいて、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性を判定すること、のうちの少なくとも1つ、を有することがもたらされる。
【0054】
さらなる例示的な実施形態は、複数の実施形態に従った方法を実行するためのデバイスに関する。
【0055】
さらなる例示的な実施形態では、本デバイスは、THz放射線を放出及び/または受信するための少なくとも1つのTHzデバイスを有することがもたらされる。さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのTHzデバイスは、例えば、少なくとも定期的に、a)少なくとも1つの伝達装置でオブジェクトに対するTHzベース測定を実行し、その装置では、THz放射線はオブジェクトの少なくとも一部の領域を少なくとも定期的に通過すること、及び/またはb)少なくとも1つの反射装置でオブジェクトに対するTHzベース測定を実行し、その装置では、THz放射線がオブジェクトの少なくとも一部の領域で少なくとも定期的に反射すること、を行うように設計できる。
【0056】
さらなる例示的な実施形態では、本デバイスはTHz放射線用の少なくとも1つの反射体をさらに有し、例えば、本デバイスは、a)少なくとも部分的に、THz放射線のビーム経路に、及び/またはb)例えば、事前に判定できる少なくとも1つの表面から空間を有する基材の少なくとも1つの表面もしくは基材を有するオブジェクトの領域に、少なくとも一定間隔をあけて、反射体を配置するように設計されることがもたらされる。このように、さらなる例示的な実施形態では、オブジェクトに対するTHzベース測定の異なる測定構成を提供でき、その測定構成によって、さらなる例示的な実施形態では、基材に適用された少なくとも第1の層の少なくとも1つの特性を判定するための情報を判定できる。
【0057】
さらなる例示的な実施形態は、コンピューターによって実行されるとき、該コンピューターに、複数の実施形態に従った方法を実行することを要求するコマンドを含むコンピューター可読記憶媒体に関する。
【0058】
さらなる例示的な実施形態は、コンピューターによって実行されるとき、該コンピューターに、複数の実施形態に従った方法を実行することを要求するコマンドを含むコンピュータープログラムに関する。
【0059】
さらなる例示的な実施形態は、複数の実施形態に従ったコンピュータープログラムを伝送及び/または特徴付けるデータ伝送信号に関する。
【0060】
さらなる例示的な実施形態は、複数の実施形態に従った方法、及び/または複数の実施形態に従ったデバイス、及び/または複数の実施形態に従ったコンピューター可読記憶媒体、及び/または複数の実施形態に従ったコンピュータープログラム、及び/または複数の実施形態に従ったデータ伝送信号の使用法に関し、その使用法は、以下の要素、すなわち、a)第1の層の少なくとも1つの特性を判定すること、b)少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの特性を判定すること、c)例えば基材に適用されたいくつかの層の層厚を判定するために、THz測定用のモデル及び/またはデバイス、例えば基材に適用されたいくつかの層を有する測定されたオブジェクトのTHz測定用のモデル及び/またはデバイスを較正すること、d)THz測定用の較正データを拡大または改正すること、のうちの少なくとも1つに関する。
【0061】
本発明のさらなる特徴、使用可能性、及び利点は、図面の図に示される本発明の例示的な実施形態の以下の説明から生じる。説明されるまたは示される特徴の全ては、特許請求の範囲またはその後方参照で要約される方法から独立して、また、説明または図面におけるその公式または描写から独立して、単独で、または任意の組み合わせで、本発明の主題を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図2】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図3A】さらなる例示的な実施形態による、基材の側面図を概略的に示す。
【
図3B】さらなる例示的な実施形態による、基材の空中図を概略的に示す。
【
図4】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図5】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図6】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図7】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図8】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図9】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図10】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図11】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図12】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図13A】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図13B】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図14】さらなる例示的な実施形態による、ブロック図を概略的に示す。
【
図15】さらなる例示的な実施形態による、ブロック図を概略的に示す。
【
図16】さらなる例示的な実施形態による、ブロック図を概略的に示す。
【
図17A】さらなる例示的な実施形態による、基材を概略的に示す。
【
図17B】さらなる例示的な実施形態による、基材を概略的に示す。
【
図17C】さらなる例示的な実施形態による、基材を概略的に示す。
【
図17D】さらなる例示的な実施形態による、基材を概略的に示す。
【
図18】さらなる例示的な実施形態による、ブロック図を概略的に示す。
【
図19】さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。
【
図20】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図21】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図22】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図23】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図24】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図25】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図26】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図27】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図28】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図29】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図30】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図31】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図32】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図33】さらなる例示的な実施形態による、態様を概略的に示す。
【
図34】さらなる例示的な実施形態による、使用の態様を概略的に示す。
【
図35】さらなる例示的な実施形態による、簡略化されたブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1、
図3を参照すると、例示的な実施形態は、テラヘルツ、THz、放射線を使用して、基材10に適用できる少なくとも1つの第1の層12-1の少なくとも1つの特性を判定するための方法に関し、本方法は、基材10の少なくとも1つの特性E-10を判定すること100(
図1)と、第1の層12-1を基材10に適用すること102と、第1の層12-1の少なくとも1つの特性E-12-1、ひいては、例えば基材10に適用された層の特性を判定すること104と、を含む。
【0064】
さらなる例示的な実施形態では、基材10は、金属性基体、または金属性(例えば、金属化)表面10-aを有する非金属性基体を有する。さらなる例示的な実施形態では、基材10は非金属性基体を有し、例えば、基体はプラスチック材料を有する。
【0065】
さらなる例示的な実施形態では、
図2では、本方法は、さらに、少なくとも1つのさらなる層を、例えばn番目の層12-nを、例えば第1の層12-1に、または基材10に事前に適用された層に適用すること106-nであって、例えばnは2以上の正の整数である、適用すること106-nと、随意に、少なくとも1つのさらなる層12-nの少なくとも1つの特性E-12-nを判定すること108-nと、を含むことがもたらされる。
【0066】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層12-1及び/または少なくとも1つのさらなる層12-nを適用することは、例えば、液体及び/またはガス状媒質を、例えば適用後に対象の層を形成する基材10の少なくとも1つの(例えば、コーティングされていない、または既にコーティングされた)表面10aに塗布することを含み得る。
【0067】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの層は、例えば、適用102、106-nによって、基材10に、または互いの上部に適用でき、それによって、例えば、基材10及びいくつかの層12-1,12-2,12-nを有する層構造OBJが生じる。
【0068】
さらなる実施形態では、基材10は、例えば、金属性基材であり得、その実施形態では、複数の塗装層12-1,12-2,12-nが適用される。例えば、第1の塗装層12-1は基材10の表面に適用され、例えば、第2の塗装層12-2は第1の塗装層12-1の表面12-1-aに適用される等がもたらされる。随意に、さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのさらなる塗装層(示されない)は、第2の塗装層12-2の表面12-2-aに適用できる。
【0069】
さらなる例示的な実施形態では、
図2では、本方法は、a)少なくとも1つのさらなる層12-nの適用106-nと、随意に、b)少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの特性E-12-nの判定108-nと、を繰り返すこと109を含む。このように、各々の層12-1,12-2,12-nの1つまたはいくつかの特性は例示的な方式で連続的に判定でき、さらなる例示的な実施形態では、相互作用は例えば、また、互いに隣接する層12-1,12-2の間に境界面の領域においても考慮できる。
【0070】
さらなる例示的な実施形態では、例えば既定の終了条件を満足するまで、少なくとも1つのさらなる層の適用の繰り返し109が実行される。例えば、基材10で事前に判定できる層の数の存在は、終了条件を特徴付けできる。
【0071】
さらなる例示的な実施形態では、THz放射線TSは、0.1THz~30THz、例えば0.3THz~10THzの範囲の少なくとも1つのスペクトル成分、例えばいくつかのスペクトル成分を有する。
【0072】
さらなる例示的な実施形態では、基材10及び/または第1の層12-1ならびに/もしくは少なくとも1つのさらなる層12-nの少なくとも1つの特性E-10は、以下の要素、すなわち、a)光学特性、b)厚さD-10(
図3A)、c)透磁率、d)電気伝導率、e)粗度のうちの少なくとも1つを有する。
【0073】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、光学特性はTHz放射線TSに対して分散する。さらなる例示的な実施形態では、分散は、屈折率n及び減衰係数eで特徴付けできる。
【0074】
さらなる例示的な実施形態では、基材10の特性E-10を判定すること100は、さらに、基材10の表面10aの少なくとも1つの表面特性OEを判定すること100aを含み、例えば、少なくとも1つの表面特性OEは、以下の要素、すなわち、a)粗度、b)形状、例えば屈曲、c)空間位置(例えばTHz放射線TSを提供するTHzデバイスの光軸に対して、例えば表面10aの法線ベクトルの方向で特徴付けできる)(例えば、
図14のブロック210を参照)、d)構造、例えば基材10(例えば、プラスチック基材の金属堆積物)の異物の配置及び/または表面10aの成形、例えば、構造化またはマイクロ構造化、のうちの少なくとも1つを有する。
【0075】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの表面特性OEは、例えば、以下の要素、すなわち、a)共焦点顕微鏡法、b)干渉分光法、c)光コヒーレンストモグラフィー、d)3次元画像化のうちの少なくとも1つを用いて判定される100a。
【0076】
さらなる例示的な実施形態では、
図4では、本方法は、さらに、THz放射線TS-1(
図3A)の反射に基づく少なくとも1つの測定法110a、及び/またはTHz放射線TS-2(
図3A)の伝達に基づく少なくとも1つの測定法110b、及び/または例えばTHz放射線TSに基づかない少なくとも1つのさらなる測定法、例えば触覚測定法110c、を使用すること110を含み、本方法は、以下の要素、すなわち、a)基材の少なくとも1つの特性E-10を判定すること100と、b)第1の層の少なくとも1つの特性E-12-1を判定すること104と、c)少なくとも1つのさらなる層12-nの少なくとも1つの特性E-12-nを判定すること108-nと、d)基材10の表面10aの少なくとも1つの表面特性OEを判定すること100aと、のうちの少なくとも1つのために行われる。
【0077】
さらなる例示的な実施形態では、以下に指定される、すなわち、a)THz分光法、b)THzエリプソメトリーなどのテラヘルツ放射線に基づく1つまたはいくつかの測定法は、例えば、少なくとも定期的に使用できる。
【0078】
さらなる例示的な実施形態では、
図5では、本方法は、さらに、基材10の配向OR-10、または基材10を有するオブジェクトOBJの配向OR-10を変えること120を含む。例えば、さらなる例示的な実施形態では、いくつかのTHzベース及び/またはTHzベースではない測定法は、オブジェクトOBJのいくつかの測定のために使用でき、いくつかの測定は、例えば、オブジェクトOBJ(
図3A)または基材10の配向に対して、例えば、THzデバイス210(
図14)の光軸に対して異なる。したがって、少なくとも1つの特性を判定するために有用な情報または使用できる情報は、異方性を有するオブジェクトOBJまたは基材10または層12-1,12-2,..に対して判定できる。
【0079】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、例えば、基材10の表面10aまたはその上に配置された層12-1,12-2,..の法線ベクトルに対するTHz放射線の入射角EW-TSを変えること122を含む。
【0080】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、以下の要素、すなわち、a)THz放射線の偏光POL-TSを変えること124、b)THz放射線の通路の方向DR-TSを変えること126、c)例えば、少なくとも一部のTHzベースの測定のためのTHz放射線のビーム経路に導入できる少なくとも1つのミラーまたは反射体を用いて、少なくとも定期的に、THz放射線を反射させること128、のうちの少なくとも1つを含む。
【0081】
さらなる例示的な実施形態では、
図6では、本方法は、さらに、少なくとも1つの測定法、またはいくつかの測定点、例えば、M(M>1)に等しい数の測定点MPに対する少なくとも1つの測定法を実行すること130を含み、いくつかの測定点MPは、例えば、基材10の表面10a(
図3A)の異なる場所に、または対応する層に割り当てられる。
【0082】
図3Bは、例示的な形式でM=8の測定点MP1,MP2,..,MP8を有する、例示的な形式で基材10を有するオブジェクトOBJの空中図を示す。また、他の実施形態では、実質的にマトリクスの
図3Bの例示的な形式に示される本発明の配置とは異なる測定点MP1,MP2,..,MP8の配置も考えられる。
【0083】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの測定点MP(例えば、
図3Bの例示的な方式で示される8個の測定点MP1,MP2,..,MP8)は、各々、基材10(「基材測定」)及び少なくとも1つの層12-1(「層測定」)のために、またはいくつかの層12-1,12-2,..,のために使用され、同じ測定点MPは、好ましくは、基材10及び/または各々の層(複数可)12-1,12-2,..,のために使用され、これにより、精度を向上させることができる。さらなる例示的な実施形態では、同じ測定点は、各々、例えば、全ての測定のために使用できる。
【0084】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの測定、例えば異なるタイプのTHzベース(随意に、またTHzベースではない)測定は、また、各々、測定点に対して実行できる。
【0085】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、測定法のいくつかの測定点MPの測定結果、例えばMに等しい数の測定点の測定結果を組み合わせること132を含む。さらなる例示的な実施形態では、例えば少なくとも1つの測定法(例えば、基材10及び/または少なくとも1つの層12-1のための測定法)のいくつかの測定点MPの測定結果は、少なくとも1つの特性E-12-1を判定するために、モデルMODのための入力データとして使用できる。
【0086】
組み合わせ132は、例として、例えばモデルMODを用いて、例えば同時に、例えば補正して、いくつかの測定結果、例えば全ての測定結果を説明する層の光学特性の変分を判定するために、例として、例えば測定結果を組み合わせること、例えば集めることを含む組み合わせの評価という意味で理解できる。
【0087】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、例えばモデルMODを用いて及び/またはさらなる測定値、例えば基準測定値との比較に基づく、結果の評価、例えば測定結果の評価を含み得る。
【0088】
さらなる例示的な実施形態では、
図7では、本方法は、さらに、少なくとも1つの参照層厚RD-1,RD-1-1,..,を判定すること140、例えばMに等しい数の測定点MPにおける、例えば第1の層12-1のM(M>=1)に等しい数の参照層厚RD1
1,RD1
2,..,RD1
Mを判定すること140を含む。
【0089】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、同じ測定点、または同じ測定点の少なくともの一部を使用して、基材測定(具体的には、例えばTHzベース基材測定にも)及び/または少なくとも1つの層測定(具体的には、例えば少なくとも1つのさらなる層12-2における、例えばTHzベース層測定にも)でも使用されるように、第1の層12-1のMに等しい数の参照層厚RD11,RD12,..,RD1Mを判定する140。
【0090】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つの参照層厚RD-nを判定すること142、例えばMに等しい数の測定点における少なくとも1つのさらなる層、例えばn番目の層のMに等しい数の参照層厚RDn1,RDn2,..,RDnMを判定すること142を含む。
【0091】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、同じ測定点、または同じ測定点の少なくともの一部を使用して、基材測定(具体的には、例えばTHzベース基材測定にも)及び/または少なくとも1つの層測定(具体的には、例えばTHzベース層測定にも、またはいくつかの他の層測定もしくは全ての層測定にも)でも使用されるように、少なくとも1つのさらなる層のMに等しい数の参照層厚を判定する142。
【0092】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層ならびに/もしくは少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの参照層厚の判定140、及び/または少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの参照層厚の判定142は、例えばTHz放射線に基づかない1つの測定法または1つのさらなる測定法に基づいて、例えば触覚測定法に基づいて実行される。例えば、THz放射線に基づかない測定法は、以下の要素、すなわち、a)顕微鏡写真の視覚分析、b)触覚測定、c)光学的測定、例えば共焦点顕微鏡法及び/または干渉分光法及び/または光コヒーレンストモグラフィー及び/または3次元画像化のうちの少なくとも1つを有し得る。
【0093】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層12-1の少なくとも1つの参照層厚の判定140(
図7)は、基材10への第1の層12-1の適用後に実行される。さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのさらなる層12-2の少なくとも1つの参照層厚の判定142は、少なくとも1つのさらなる層12-2の(例えば第1の層12.1への)適用後に、例えば提供された全ての層が適用された後に実行される。
【0094】
さらなる例示的な実施形態では、a)いくつかの測定点に対して、例えばM(M>1)に等しい数の測定点に対して、少なくとも1つの測定法110a,110b,110c(
図4)の実行、及び/またはb)例えばMに等しい数の測定点において、少なくとも1つの参照層厚、例えば第1の層のMに等しい数の参照層厚の判定、及び/またはc)少なくとも1つの参照層厚の判定、例えば少なくとも1つのさらなる層のMに等しい数の参照層厚の判定は、各々、例えばMに等しい同数の測定点MP-1,MP-2,..,MP-M(例えばMP-8)に対して実行されることがもたらされる。
【0095】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、少なくとも1つの参照層厚の偏差を規定すること144及び/または考慮すること145を含む。したがって、対象の層12-1の実際の層厚からの少なくとも1つの参照層厚RD-1の起こり得る偏差(例えば、使用される測定法の有限の測定精度に起因する)について、例えば、第1の層12-1の少なくとも1つの特性E-12-1を判定すること104(
図1)を行うために考慮できる。
【0096】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの参照層厚の偏差を規定すること144及び/または考慮すること145は、例えば2つの層厚値で特徴付けできる層厚領域を提供することを含み、例えば、層厚領域は、例えば測定技術によって判定された参照層厚が層厚領域で特徴付けできる間隔に存在するように選択できる。
【0097】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの参照層厚の偏差を規定及び/または考慮することは、例えば、各々、いくつかの測定点、例えば全ての測定点MP1,MP2,..,MP8に対して実行できる。
【0098】
例えば、値RD1
1が第1の測定点MP1(
図3B)における第1の層12-1(
図3A)に関する参照層厚として取得される場合、例示的な方式で前述に説明した層厚領域は、例えば、2つの層厚値RD1
1-ΔRD1,RD1
1+ΔRD1で特徴付けでき、例えば、パラメーターΔRD1は、例えば、参照層厚RD1
1の測定に関する既知の測定精度に基づいて選択できる。さらなる例示的な実施形態では、同じ手順は、例えば、対応する層厚領域RD1
2-ΔRD1,RD1
2+ΔRD1,RD1
3-ΔRD1,RD1
3+ΔRD1,...を規定することによって、さらなる測定点MP2,MP3,..,及びそれらの各々割り当てられた参照層厚RD1
2,RD1
3,...,に対して比較可能な方式で着手できる。
【0099】
さらなる例示的な実施形態では、例えば変分計算のために使用できる変分のいくつかは、対応する層厚領域RD12-ΔRD1,RD12+ΔRD1,RD13-ΔRD1,RD13+ΔRD1,...に基づいて判定または生成できる。
【0100】
さらなる例示的な実施形態では、例えば層の光学特性のいくつかの変分は、例えば分散は、例えば、例示的な方式で前述に規定した層厚領域内の層の厚さの仕様の変分によって判定または形成できる。
【0101】
さらなる例示的な実施形態では、
図8では、本方法は、さらに、a)基材10に適用された第1の層12-1に対するTHz放射線TS,TS-1,TS-2に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果ME-TS-12-1に基づいて、随意に、b)少なくとも1つの層厚または少なくとも1つの参照層厚RD-1にも基づいて、第1の層12-1の少なくとも1つの光学特性OE-12-1、例えば分散を判定すること150を含む。さらなる例示的な実施形態では、基材10に適用された第1の層12-1に対するテラヘルツ放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果ME-TS-12-1、及び少なくとも1つの参照層厚RD1の両方を使用して、第1の層12-1の少なくとも1つの光学特性OE-12-1を判定する150。
【0102】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、測定結果ME-TS-12-1は、例えばいくつかの測定点MP1,..,MP8に対応するいくつかの値を有する。同じものは、参照層厚RD-1のさらに有利な実施形態の場合に適用される。言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、判定150は、測定結果ME-TS-12-1に対するいくつかの測定点MP1,MP2,..,MP8に基づいて、また、いくつかの測定点MP1,MP2,..,MP8に対するいくつかの参照層厚RD-11,RD-12,..,RD18に基づいて実行できる。
【0103】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、a)少なくとも1つのさらなる層12-2,12-nに対するTHz放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果ME-TS-12-2,ME-TS-12-n(例えば、さらには、いくつかの結果MPに対しても)に基づいて、随意に、b)少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの層厚または少なくとも1つの参照層厚RD-2,RD-n,..にも基づいて、少なくとも1つのさらなる層12-2,12-nの少なくとも1つの光学特性OE-12-2,OE-12-nを判定すること152を含む。さらなる例示的な実施形態では、テラヘルツ放射線に基づく少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果ME-TS-12-2,ME-TS-12-n、及び少なくとも1つのさらなる層12-2,12-nの少なくとも1つの参照層厚RD-2,RD-n,..の両方を使用して、少なくとも1つのさらなる層12-2,12-nの少なくとも1つの光学特性OE-12-2,OE-12-nを判定する152。
【0104】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのさらなる層12-2の少なくとも1つの光学特性を判定すること152は、加えて、少なくとも1つのさらなる層12-2の前に、基材10に適用された少なくとも1つの層12-1の少なくとも1つの参照層厚ならびに/もしくは少なくとも1つの光学特性に基づいて、及び/または基材10の少なくとも1つの特性E-10に基づいて実行されることがもたらされる。このように、さらなる例示的な実施形態では、基材10に現在適用された少なくとも1つの層12-1に関する情報を使用して、有利に、少なくとも1つのさらなる層12-2の少なくとも1つの光学特性も判定できる。
【0105】
さらなる例示的な実施形態では、
図9では、少なくとも1つの光学特性を判定することは、第1のモデルMOD-1を用いて、基材10及び少なくとも第1の層12-1を有するオブジェクトOBJをモデル化すること1500と、随意に、基材10に適用された第1の層12-1に対するTHz放射線に基づいて、判定された参照層厚RD-1,RD-2及び/または少なくとも1つの測定法の少なくとも1つの測定結果ME-TS-12-1に合わせて第1のモデルMOD-1を調整すること1502であって、調整された第1のモデルMOD-1’が取得される、調整すること1502と、第1のモデルMOD-1及び/または調整された第1のモデルMOD-1’に基づいて、少なくとも1つの光学特性OE-12-1,OE-12-2,OE-12-nを判定すること1504と、を含む。
【0106】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、第1のモデルMOD-1を用いるオブジェクトOBJのモデル化1500は、例えば、Drude-Lorentz、Cauchy、Sellmeier、Tauc-Lorentz等のタイプの事前に判定できる分散関数DFの使用を含み得る。さらなる例示的な実施形態では、分散の適合度、例えば点別の適合度を実行できる。
【0107】
さらなる例示的な実施形態では、複数の開始パラメーターは、例えばオブジェクトOBJに関する先験的知識に基づいて、及び/または前述の測定、例えば参照層厚等の例えばTHzベースならびに/もしくはTHzベースではない測定からの少なくとも1つの測定結果ME-TS-12-1に基づいて、例えば分散関数DFについて事前に判定できる。
【0108】
さらなる例示的な実施形態では、適切な分散は、例えば少なくとも定期的に手動で選択できる。さらなる例示的な実施形態では、分散は、例えば検査によって、例えばデータベースから、(人と対話しないで)少なくとも定期的に自動的に選択できる。
【0109】
さらなる例示的な実施形態では、既知の分散は、例えば、較正される予定がないオブジェクトOBJの層は、随意に、第1のモデルMOD-1のために使用できる。さらなる例示的な実施形態では、また、例えばいくつかの起こり得る分散は層毎に存在する可能性があり、例えば該分散は前述の測定に基づいて判定されている。
【0110】
さらなる例示的な実施形態では、第1のモデルMOD-1を随意に調整すること1502は、例えば、以下の要素、すなわち、a)例えば同時に、例えば分散により、少なくとも1つの測定点、例えばいくつかの測定点、例えばいくつかの測定点の全てを調整または適合させること(「態様1」)、b)少なくとも1つの測定点、例えばいくつかの測定点、例えばいくつかの測定点の全てを個々に調整または適合させること(「態様2」)、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0111】
さらなる例示的な実施形態では、例示的な形式で前述に説明した変形では、結果として、a)例えば、Nに等しい基材10(
図3A)に適用された層の数の場合、また(例えば、層毎に)Mに等しい数の測定点の場合、例えば既知の層(例えば複数の実施形態に従って、例えば事前に判定された層)の分散のKに等しい数の考えられる組み合わせ毎に分散が生じる。
【0112】
さらなる例示的な実施形態では、例示的な形式で前述に説明した変形では、結果として、b)既知の層(例えば複数の実施形態に従って、例えば事前に判定された層)のKに等しい数の考えられる組み合わせ毎に、Mに等しい数の分散が生じる。
【0113】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、例えば層毎に、例えばいくつかの層に対して、例えば全ての層に対して、最良の分散を選択すること、ひいては、例えば、測定技術によって判定されたデータを最良適合する事前に判定されたものの分散を選択することを含む。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、(M+1)*Kに等しい数の分散は、例えば層毎に、例えばいくつかの層に対して、例えば全ての層に対して生じ、Kは考えられる組み合わせの数を特徴付け、「*」はスカラー乗算演算子を表す。
【0114】
さらなる例示的な実施形態では、分散の選択は、変分計算を使用することによって、また、例えば、以下の基準、すなわち、精度、安定度、適合度のうちの1つに従って選択することによって、例えば、(M+1)*Kに等しい数の分散を減らすことを含む。さらなる例示的な実施形態では、例えば、(例えば層毎に)選択された分散に基づいて、例えば第1のモデルMOD-1を調整できる。
【0115】
さらなる例示的な実施形態では、
図10は、本方法は、随意に、サンプルを提供すること160であって、例えば、サンプルはオブジェクトOBJを有する、提供すること160と、THz放射線TSの反射に基づく測定法、及び/またはTHz放射線TSの伝送に基づく少なくとも1つの測定法、及び/または例えば、オブジェクトOBJのM(M>1)に等しい点の数(
図3Bから、例えば、測定点MP1,MP2,..を参照)における、例えばTHz放射線TSに基づかない少なくとも1つのさらなる測定法を用いて、基材10及び第1の層12-1を有するオブジェクトOBJに対する少なくとも1つの測定M-1を実行すること162と、少なくとも1つの測定M-1に基づいて、第1の層12-1の少なくとも1つの光学特性OE-12-1を判定すること164と、を含むことがもたらされる。
【0116】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、さらに、以下の要素、すなわち、a)少なくとも1つのさらなる層12-2,12-nを例えば第1の層(または事前に適用された層)12-1に適用すること166、b)THz放射線の反射に基づく測定法、及び/またはTHz放射線の伝達に基づく少なくとも1つの測定法、及び/または例えばM(M>1)に等しい数のオブジェクトの点(
図3Bから、例えば、測定点MP1,MP2,..を参照)における、例えばTHz放射線に基づかない少なくとも1つのさらなる測定法を用いて、基材10及び第1の層12-1及び少なくとも1つのさらなる層12-2、12-nを有するオブジェクトOBJに対する少なくとも1つの測定M-2、M-nを実行すること168、c)少なくとも1つのさらなる測定M-2に基づいて、少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性OE-12-2,OE-12-nを判定すること169、のうちの少なくとも1つを含むことがもたらされる。
【0117】
さらなる例示的な実施形態では、サンプルのオプションの措置160(
図10)、措置1600(
図11)は、以下の要素、すなわち、a)単一層を有するサンプルを提供すること、ひいては、例えば、第1の層12-1が適用された基材10の形態で提供すること、b)いくつかの被覆を有するサンプルを提供すること、ひいては、例えば、いくつかの層12-1,12-2,..が適用されている基材10の形態で提供すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0118】
さらなる例示的な実施形態では、
図12では、少なくとも1つの測定を実行すること162(
図10)は、例えば、以下の要素、すなわち、a)THzベース測定を実行する、ひいては、THz放射線TSを使用して、例えばオブジェクトOBJで少なくとも部分的に反射されたTHz放射線TS-1ならびに/もしくは例えばオブジェクトOBJによって少なくとも部分的に伝達されたTHz放射線TS-2を使用して、THzベース測定を実行する1662、及び/またはb)THz放射線に基づかない測定法、例えば、a)顕微鏡写真の視覚分析、b)触覚測定、c)光学的測定、例えば共焦点顕微鏡法ならびに/もしくは干渉分光法ならびに/もしくは光コヒーレンストモグラフィーならびに/もしくは3次元画像化を実行すること1624、のうちの少なくとも1つを有する。
【0119】
さらなる例示的な実施形態では、
図13Aでは、少なくとも1つの層12-1の少なくとも1つの光学特性OE-12-1(例えば、THz放射線TS,TS-1,TS-2の分散)を判定すること1640は、モデルを用いてサンプルまたはオブジェクトOBJをモデル化すること1642、随意に、モデルを調整すること1644、最良の分散を選択すること1646を含む。
【0120】
さらなる例示的な実施形態では、モデル化すること1642は、以下の要素、すなわち、a)例えば較正されない層(複数可)の既知の分散を使用すること(例えば、また、層毎にいくつかの分散が存在する可能性もある)、b)基準測定値から参照層厚を使用すること、c)随意に、層厚領域を判定すること、d)例えば開始パラメーターを有する、または分散の点別の適合度を使用する分散関数(例えば、Drude-Lorentz,Cauchy,Sellmeier,Tauc-Lorentzのタイプ)を採用すること、随意に、e)例えば検査によって、適切な分散を手動で選択すること、またはデータベースから自動的に選択すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0121】
図13Bは、さらなる例示的な実施形態による、フロー図を概略的に示す。本方法は、例えば異なる測定点及び/または対応する層厚領域RD12-ΔRD1,RD12+ΔRD1,RD13-ΔRD1,RD13+ΔRD1,...に関する測定結果に基づいて、例えば、第1の層及び/もしくは少なくとも1つのさらなる層、または少なくとも1つのさらなる層の少なくとも1つの光学特性E-12-1のいくつかの変分VAR-OEを判定すること1040と、随意に、例えば、(例えば、事前に判定できる基準に従って最良に)変分を選択するためのアルゴリズム最適化という意味で、例えば変分計算によって、いくつかの変分VAR-OEの特定の変分VAR-OE’を判定すること1042と、を含み、これは、例示的な方式で前述に説明した層厚領域を参照されたい。さらなる例示的な実施形態では、例えば変分計算のために使用できる変分のいくつかは、例えば、対応する層厚領域RD12-ΔRD1,RD12+ΔRD1,RD13-ΔRD1,RD13+ΔRD1,...に基づいて判定または生成できる。さらなる例示的な実施形態では、前述に説明した変形では、結果として、a)「態様1」に関して、例えば、Nに等しい基材10(
図3A)に適用された層の数の場合、また(例えば、層毎に)Mに等しい数の測定点の場合、例えば既知の層(例えば複数の実施形態に従って、例えば事前に判定された層)の分散のKに等しい数の考えられる組み合わせ毎に分散が生じる。さらなる例示的な実施形態では、例示的な形式で前述に説明した変形の場合、結果として、b)「態様2」に関して、既知の層(例えば複数の実施形態に従って、例えば事前に判定された層)のKに等しい数の考えられる組み合わせ毎に、Mに等しい数の分散が生じる。
【0122】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの特性の変分VAR-OE(
図13B)、例えば光学特性の変分、例えば分散の変分は、オブジェクトOBJ(
図3A)の1つ、いくつかの、または全ての層に対して判定できる。さらなる例示的な実施形態では、例えば変分計算によって、例えばこれらの変分に基づいて層ごとに、(例えば光学)特性の特定の変分を各々判定または選択できる。さらなる例示的な実施形態では、例えば、以下の基準の少なくとも1つに従って選択を行うことができる。その基準として、精度(例えば、さらなる/他の測定法の測定データ、例えば触覚基準測定値及び/もしくは顕微鏡写真、または他のTHzベース方法の測定データとの一致により特徴付けることが可能である精度)、安定度、適合度(例えば、例えばTHzベース測定法(複数可)によって判定される測定値を用いて、選択された特定の変分(複数可)に基づいてモデル化できる値の一致により特徴付けることが可能である)が挙げられる。
【0123】
さらなる例示的な実施形態は、
図14は、複数の実施形態に従った方法を実行するためのデバイス200に関する。デバイス200は、コンピューターデバイス(「コンピューター」)202、コンピューターデバイス202に割り当てられたストレージデバイス204を有し、ストレージデバイス204は、以下の要素、すなわち、a)データDAT、b)具体的には複数の実施形態に従った方法を実行するためのコンピュータープログラムPRGの少なくとも1つを少なくとも定期的に保存するためのものである。
【0124】
さらなる例示的な実施形態では、ストレージデバイス204は、揮発性メモリ(例えば、ワーキングメモリ(RAM))204a、及び/または不揮発性メモリ(例えば、フラッシュEEPROM)204bを有する。
【0125】
さらなる例示的な実施形態では、コンピューターデバイス202は、以下の要素、すなわち、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラー(μC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブル論理コンポーネント(例えば、FPGA、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ハードウェア接続のうちの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせを有する。
【0126】
さらなる例示的な実施形態は、コンピューター202によって実行されるとき、該コンピューターに、複数の実施形態に従った方法を実行することを要求するコマンドPRGを含むコンピューター可読記憶媒体SMに関する。
【0127】
さらなる例示的な実施形態は、コンピューター202によって実行されるとき、該コンピューターに、複数の実施形態に従った方法を実行することを要求するコマンドを含むコンピュータープログラムPRGに関する。
【0128】
さらなる例示的な実施形態は、複数の実施形態に従ったコンピュータープログラムPRGを伝送及び/または特徴付けるデータ伝送信号DCSに関する。データ伝送信号DCSは、例えば、デバイス202のオプションのデータインターフェース206を介して受信できる。
【0129】
さらなる例示的な実施形態では、デバイス200は、THz放射線TSを放出及び/または受信するための少なくとも1つのTHzデバイス210を有することがもたらされる。さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つのTHzデバイス210は、例えば、少なくとも定期的に、a)少なくとも1つの伝達装置でオブジェクトまたは基材10に対するTHzベース測定を実行し、その装置では、THz放射線はオブジェクトの少なくとも一部の領域を少なくとも定期的に通過すること、及び/またはb)少なくとも1つの反射装置でオブジェクトに対するTHzベース測定を実行し、その装置では、THz放射線がオブジェクトの少なくとも一部の領域で少なくとも定期的に反射すること、を行うように設計できる。
【0130】
図15は、例示的な実施形態による、THzデバイス210の構成210aの概略ブロック図を例示的な方式で示し、THzデバイス210は、例えば、基材またはオブジェクト10におけるTHz放射線TSの少なくとも1つの反射TSRによるTHzベース測定に合わせて設計されている。ブロック211ではTHz放射線TSを伝達するためのTHz送信機が記号で表され、ブロック212では、反射されたTHz放射線TSRを受信するためのTHz検出器が記号で表される。反射体またはミラー215は随意に提供でき、反射体215は、少なくとも定期的に、THz放射線TSのビーム経路に、または例えば空間Dに被験体もしくはオブジェクトの少なくとも1つの表面10-bの近くに導入でき、さらなる例示的な実施形態では、空間Dはゼロであると事前に判定でき、その結果、例えば、技術的ゼロギャップが反射体215と表面10-bとの間に作成される。
【0131】
図16は、例示的な実施形態による、THzデバイス210の構成210bの概略ブロック図を例示的な方式で示し、THzデバイス210は、例えば、基材またはオブジェクト10を通るTHz放射線TSの少なくとも1つの伝達TS’によるTHzベース測定に合わせて設計されている。
図16の構成要素211’,212’は、例えば、
図15の構成要素211,212に対応する。
【0132】
図17A~
図17Dは、異なる状態のさらなる例示的な実施形態による、基材の側面図を概略的に示す。
図17Aは、例えば、まだコーティングされていない初期状態の基材10を示す。
図17Bは、第1の層12-1が基材10の表面10aに適用されている状態の基材10を示す。
図17Cは、第2の層12-2が基材10または第1の層12-1に適用されている状態の基材10を示す。
図17Dは、第3の層12-3が基材10または第2の層12-2に適用されている状態の基材10を示す。
【0133】
図18は、さらなる例示的な実施形態による、ブロック図を概略的に示し、
図17による基材10(「基材測定」)に対して、または基材10の上に適用された層(複数可)12-1,12-2,12-3(「層測定」)に対して、または基材10と、基材10の上に適用された層(複数可)12-1,12-2,12-3とによって形成されたオブジェクトに対して、ブロック矢印S
1-M,T1L
1-M,T2L
1-M,T3L
1-Mを用いて異なる測定を示す。
【0134】
さらなる例示的な実施形態では、いくつかの測定点、例えばMに等しい数の測定点は、各々、基材測定S
1-M及び層測定T1L
1-M,T2L
1-M,T3L
1-Mの両方のために使用され、例えばMに等しい数の測定点は、いくつかの測定、例えば測定S
1-M,T1L
1-M,T2L
1-M,T3L
1-Mの全てで同一になるように選択される。さらなる例示的な実施形態の場合でも、同様に、参照層厚の測定にも適用される。さらなる例示的な実施形態では、また、層測定T3L
1-Mは、例えば、
図17Dに従った構成のスタック測定の全部として説明できる。この理由として、該層測定は、例として、基材10及び現在3つの層12-1,12-2,12-3を有する完全な積層に関するものであるためである。
【0135】
さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(
図3B)(例では、M=8)から開始する基材10(
図17A)の基材測定S
1-Mは、例えば、以下の測定結果、すなわち、S1
1,S1
2,S1
3,S1
4,S1
5,S1
6,S1
7,S1
8を有し得る。さらなる例示的な実施形態では、基材測定S
1-Mが実行されるとすぐ、第1の層12-1は基材10の表面10aに適用できる。さらなる例示的な実施形態では、層測定T1L
1-Mは、次に、第1の層12-1(
図17B)を有する基材10の構成に対して実行でき、随意に、参照層厚RD1
1-Mの測定(複数可)を行う。
【0136】
さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(
図3B)(例では、M=8)から開始する第1の層12-1(
図17B)を有する基材10の構成に対する層測定T1L
1-Mは、例えば、以下の測定結果、すなわち、T1L
1,T1L
2,T1L
3,T1L
4,T1L
5,T1L
6,T1L
7,T1L
8を有し得る。
【0137】
さらなる例示的な実施形態では、層測定T1L
1-Mは、第1の層12-1(
図17B)を有する基材10の構成に対して実行されるとすぐ、第2の層12-2は、基材10または第1の層12-1に適用できる。さらなる例示的な実施形態では、次に、層測定T2L
1-Mは、ひいては、第2の層12-2の適用後、第1の層12-1及び第2の層12-2(
図17C)を有する基材10の構成に対して実行でき、随意に、参照層厚RD1
1-M及び/またはRD2
1-Mの測定(複数可)を行う。
【0138】
さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(
図3B)(例では、M=8)から開始する第1の層12-1及び第2の層12-2(
図17C)を有する基材10の構成に対する層測定T2L
1-Mは、例えば、以下の測定結果、すなわち、T2L
1,T2L
2,T2L
3,T2L
4,T2L
5,T2L
6,T2L
7,T2L
8を有し得る。
【0139】
さらなる例示的な実施形態では、層測定T2L
1-Mは、第1の層12-1及び第2の層12-2(
図17C)を有する基材10の構成に対して実行されるとすぐ、第3の層12-3は、基材10または第2の層12-2に適用できる。さらなる例示的な実施形態では、次に、層測定T3L
1-Mは、ひいては、第3の層12-3の適用後、第1の層12-1及び第2の層12-2及び第3の層12-3(
図17D)を有する基材10の構成に対して実行でき、随意に、参照層厚RD1
1-M及び/またはRD2
1-M及び/またはRD3
1-Mの測定(複数可)を行う。
【0140】
さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(
図3B)(例では、M=8)から開始する第1の層12-1及び第2の層12-2及び第3の層12-3(
図17D)を有する基材10の構成に対する層測定T3L
1-Mは、例えば、以下の測定結果、すなわち、T3L
1,T3L
2,T3L
3,T3L
4,T3L
5,T3L
6,T3L
7,T3L
8を有し得る。
【0141】
さらなる例示的な実施形態では、例示的な方式で前述に規定した測定結果のそれぞれは、T1L1,T1L2,T1L3,T1L4,T1L5,T1L6,T1L7,T1L8,T2L1,T2L2,T2L3,T2L4,T2L5,T2L6,T2L7,T2L8,T3L1,T3L2,T3L3,T3L4,T3L5,T3L6,T3L7,T3L8,S11,S12,S13,S14,S15,S16,S17,S18は、例えば、以下の方法、すなわち、a)THz放射線TS,TS-1反射に基づく測定法110a、b)THz放射線TS,TS-2の伝達に基づく測定法110b、c)例えば、THz放射線TSに基づかないさらなる測定法110c、例えば触覚測定法または光学的測定法のうちの少なくとも1つによって取得できる。
【0142】
さらなる例示的な実施形態では、参照層厚,例えば、各々、3つの層12-1,12-2,12-3のそれぞれに、参照層厚RD11-M、RD21-M、RD31-MのMに等しい数は、随意に、既に前述に言及したように、例えば、触覚測定法及び/または光学的測定法等を用いて、3つの層12-1,12-2,12-3のうちの少なくとも1つに対して、例えば3つの層の全てに対して判定される。さらなる例示的な実施形態では、対応する層の各々の参照層厚の判定は、例えば、対象の層の適用後及び/または少なくとも1つのさらなる層の適用後に実行できる。
【0143】
さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(例では、M=8)から開始する第1の層12-1(
図17B)に対する参照層厚RD1
1-Mの測定は、例えば、以下の測定結果、すなわち、RD1
1,RD1
2,RD1
3,RD1
4,RD1
5,RD1
6,RD1
7,RD1
8を有し得る。さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(例では、M=8)から開始する第2の層12-2(
図17C)に対する参照層厚RD2
1-Mの測定は、例えば、以下の測定結果、すなわち、RD2
1,RD2
2,RD2
3,RD2
4,RD2
5,RD2
6,RD2
7,RD2
8を有し得る。さらなる例示的な実施形態では、測定点MPの数(例では、M=8)から開始する第3の層12-3(
図17D)に対する参照層厚RD3
1-Mの測定は、例えば、以下の測定結果、すなわち、RD3
1,RD3
2,RD3
3,RD3
4,RD3
5,RD3
6,RD3
7,RD3
8を有し得る。
【0144】
さらなる例示的な実施形態では、参照層厚の起こり得る偏差は、例えば参照層厚の最終的な測定精度を反映するために、層厚領域を事前に判定することによって考慮できる。
【0145】
例えば、第1の測定点MP1(
図3B)における第1の層12-1の参照層厚RD
1に関して、層厚領域は、2つの層厚値RD1
1-ΔRD1,RD1
1+ΔRD1で特徴付けでき、例えば、パラメーターΔRD1は、例えば、参照層厚RD1
1の測定に関する既知の測定精度に基づいて選択できる。同様に、さらなる例示的な実施形態では、第1の層12-1の参照層厚RD1
2の層厚領域は、下式、すなわち、RD1
2-ΔRD1,RD1
2+ΔRD1等のように、第2の測定点MP2で事前に判定できる。
【0146】
さらなる例示的な実施形態では、層厚領域は、比較可能な方式で、さらなる層12-2,12-3の参照層厚RD21-M,RD31-Mに対して事前に判定できる。
【0147】
さらなる例示的な実施形態では、第1の層12-1のテラヘルツ放射線TSの分散を特徴付ける1つまたはいくつかの値は、基材測定S
1-M及び層測定T1L
1-Mに基づいて選択され、随意に参照層厚RD1
1-Mまたは対応する参照厚領域に基づいて、例として、例えば屈折率及び/または減衰係数に関して、
図17Bに従った構成を特徴付ける第1のモデルに基づいて選択され、その選択は、さらなる例示的な実施形態では、例えば、第1の層を適用し、対応する層測定(複数可)を実行した後に及び/または後の時点で(例えば、少なくとも1つのさらなる層を適用した後に)実行できる。さらなる例示的な実施形態では、ベクトルまたはマトリクスは、例えばMに等しい数の測定点のそれぞれに対して判定され、それは、複数の値を用いて、例えば屈折率及び/または減衰係数に関して分散を特徴付ける。
【0148】
例えば、さらなる例示的な実施形態では、第1のベクトルv1は屈折率の数値を有し得、屈折率の値のそれぞれは、THz放射線の別の周波数に関連付けられる。
【0149】
例えば、さらなる例示的な実施形態では、第2のベクトルv2は減衰係数の数値を有し得、減衰係数の値のそれぞれは、THz放射線の別の周波数に関連付けられる。
【0150】
さらなる例示的な実施形態では、事前に判定できるTHz放射線の周波数の場合の分散に関する値は、例えば、事前に判定できる周波数の場合の屈折率n及び減衰係数eを有する2つのタプル(n,e)で特徴付けできる。
【0151】
例えば、第1の層12-1の第1の測定点MP1に対して判定できる分散は、2つのタプル(n11,e11)のベクトルv3によって説明でき、第1の層12-1の第2の測定点MP2に対して判定できる分散は、2つのタプル(n12,e12)のベクトルによって説明できるなどが挙げられ、例えば、ベクトルkのそれぞれは多くの2つのタプル(e,n)を有し、kは周波数指数を特徴付ける。
【0152】
さらなる例示的な実施形態では、基材測定S
1-M及び層測定T1L
1-M,T2L
1-Mに基づいて、随意に参照層厚RD1
1-M,RD2
1-Mまたは対応する参照層厚領域に基づいて、例えば
図17Cに従った構成を特徴付けるモデルにも基づいて、例えば、第2の層12-2を適用し、少なくとも1つの層測定T2L
1-Mを実行した後、1つまたはいくつかの値は、第2の層12-2のテラヘルツ放射線TSの分散について判定される。
【0153】
さらなる例示的な実施形態では、第2の層12-2の分散に関する「値」は、例えばMに等しい数の測定点のそれぞれに対して判定され、各々の測定点の分散に関する「値」は、例えば、例示的な方式で前述に説明した第1のベクトルv1及び/もしくは第2のベクトルv2、またはベクトルv3で特徴付けできる。例えば、第2の層12-2の第1の測定点MP1に対して判定できる分散は、2つのタプル(n21,e21)によって説明でき、第2の層12-2の第2の測定点MP2に対して判定できる分散は、2つのタプル(n22,e22)によって説明できるなどが挙げられる。
【0154】
さらなる例示的な実施形態では、前述に言及したように、また、測定点毎のいくつかの分散(または、分散に関する「値」)は、例えば、いくつかの異なる層厚(例えば各々一定の層厚)についても考えられる。さらなる例示的な実施形態では、基材測定S
1-M及び層測定T1L
1-M,T2L
1-M,T3L
1-Mに基づいて、随意に参照層厚RD1
1-M,RD2
1-M,RD3
1-Mまたは対応する参照層厚領域に基づいて、例えば
図17Dに従った構成を特徴付ける第3のモデルにも基づいて、例えば、第3の層12-3を適用し、少なくとも1つの層測定T3L
1-Mを実行した後、1つまたはいくつかの値(例えば、各々、例示的な方式で前述に説明した第1のベクトルv1及び/もしくは第2のベクトルv2、またはベクトルv3で特徴付けることが可能である値)は、第3の層12-3のテラヘルツ放射線TSの分散に対して判定される。
【0155】
さらなる例示的な実施形態では、第3の層12-3の分散に関する「値」(例えば、各々、例示的な方式で前述に説明した第1のベクトルv1及び/もしくは第2のベクトルv2、またはベクトルv3で特徴付けることが可能である値)は、例えばMに等しい数の測定点のそれぞれに対して判定される。例えば、第3の層12-3の第1の測定点MP1に対して判定できる分散は、2つのタプル(n31,e31)によって説明でき、第3の層12-3の第2の測定点MP2に対して判定できる分散は、2つのタプル(n32,e32)によって説明できるなどが挙げられる。
【0156】
さらなる例示的な実施形態では、さらなる分散(例えば、各々、例示的な方式で前述に説明した第1のベクトルv1及び/もしくは第2のベクトルv2、またはベクトルv3で特徴付けることが可能である分散)は、また、例えば、いくつかまたは全ての測定点を同時に調整することによって判定できる。
【0157】
さらなる例示的な実施形態では、例えば層12-1,12-2,12-3の、例えば層毎の、それらの層の少なくとも1つの層の分散、それらの層の全ての各々の分散は、前述に説明したように判定した測定結果S11,S12,S13,S14,S15,S16,S17,S18,T1L1,T1L2,T1L3,T1L4,T1L5,T1L6,T1L7,T1L8,T2L1,T2L2,T2L3,T2L4,T2L5,T2L6,T2L7,T2L8,T3L1,T3L2,T3L3,T3L4,T3L5,T3L6,T3L7,T3L8,RD11,RD12,RD13,RD14,RD15,RD16,RD17,RD18,RD21,RD22,RD23,RD24,RD25,RD26,RD27,RD28,RD31,RD32,RD33,RD34,RD35,RD36,SRD37,RD38に基づいて判定できる。さらなる例示的な実施形態では、最適化または変分計算は、この目的のために実行でき、例えば、前述に規定した測定結果及び/または他の測定に基づく測定結果、例として、例えば構成要素の生産または連続生産から、他の積層またはオブジェクトの例えばTHzベース(及び/またはTHzベースではない)の測定に基づく測定結果を用いて実行される。
【0158】
さらなる例示的な実施形態では、各々、例えば少なくとも1つの層に対して、例えば観察された層の全てに対して、起こり得る分散の自動及び/または手動の事前選択を行うことができる。
【0159】
さらなる例示的な実施形態では、有利に、第1の層または少なくとも1つの前の層の測定結果または判定された分散を使用して、第2の層またはさらなる層の分散を判定し、これにより、精度が向上する。
【0160】
図19は、さらなる例示的な実施形態による、簡略化されたフロー図を示す。オプションのブロック170では、基材10が提供され、ブロック171では、基材10は、例えばMに等しい数の測定点MPにおいて、例えばTHz放射線TSに基づいて(例えば、反射及び/もしくは伝達またはエリプソメトリーを使用して)、例えば少なくとも1つの測定を実行することによって評価される。さらなる例示的な実施形態では、ブロック171では、少なくとも1つの分散は、基材10に対して判定され、例えば、屈折率n_S及び減衰係数e_S、あるいは対応する第1のベクトルv1及び/もしくは第2のベクトルv2、または第3のベクトルv3で特徴付けることが可能である。
【0161】
さらなる例示的な実施形態では、ブロック172では、第1の層12-1(
図17B参照)は基材10の表面10aに適用され、次に、第1の層12-1が評価される。さらなる例示的な実施形態では、第1の層12-1の評価は、以下の要素、すなわち、a)(例えば反射及び/または伝達に基づいて、例えばエリプソメトリーを用いて)少なくとも1つのTHzベース測定を実行すること、b)随意に、少なくとも1つの参照層厚の測定を実行すること(また、さらなる例示的な実施形態では、後で実行でき、例えば、基材10への少なくとも1つのさらなる層への適用後に実行できる)、c)第1の層12-1の複数の分散を判定することであって、例えば、参照層厚は、測定不確実性の範囲内で自由に動くことができる、または、例えば、事前に判定できる層厚領域に、もしくは、事前に判定できるいくつかの参照厚の値に固定できる、判定すること、d)随意に、例えば自動的に及び/またはユーザーを介して、第1の層12-1で判定された分散の事前選択を行うこと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0162】
さらなる例示的な実施形態では、ブロック173では、第2の層12-2(
図17C参照)は、基材10の表面10a、または基材10に既に適用された第1の層12-1に適用され、次に、第2の層12-2が評価され、この評価は、例えばブロック172に従った第1の層12-1の評価に類似する、例えばさらなる例示的な実施形態で実行でき、例えば、ブロック172に従って判定された、または随意に事前に選択された第1の層12-1の分散を使用して、加えて、第2の層12-2を評価できる差を用いて評価が行われる。さらなる例示的な実施形態では、第2の層12-2の評価は、以下の要素、すなわち、a)(例えば反射及び/または伝達に基づいて、例えばエリプソメトリーを用いて)少なくとも1つのTHzベース測定を実行すること、b)随意に、少なくとも1つの参照層厚の測定を実行すること(また、さらなる例示的な実施形態では、後で実行でき、例えば、基材10への少なくとも1つのさらなる層への適用後に実行できる)、c)第2の層12-2の複数の分散を判定することであって、例えば、参照層厚は、測定不確実性の範囲内で自由に動くことができる、または、例えば、事前に判定できる層厚領域に、もしくは、事前に判定できるいくつかの参照厚の値に固定できる、判定すること、d)随意に、例えば自動的に及び/またはユーザーを介して、第2の層12-2で判定された分散の事前選択を行うこと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0163】
さらなる例示的な実施形態では、ブロック174では、第3の層12-3は、基材10の表面10a、または基材10に既に適用された第2の層12-2に適用され、次に、第3の層12-3が評価され、この評価は、例えばブロック173に従った第2の層12-2の評価に類似する、例えばさらなる例示的な実施形態で実行でき、例えば、ブロック173に従って判定された、または随意に事前に選択された第2の層12-2の分散を使用して、加えて、第3の層12-3を評価できる差を用いて評価が行われる。
【0164】
さらに、オプションのブロック175では、例えば、
図19を参照して例示的な方式で前述に説明したブロック172,173,174に類似する、少なくとも1つのさらなる層の適用及び評価が記号で表される。
【0165】
図19に従ったさらなるブロック176では、例えば、ブロック170~175によって取得された情報またはデータの全てを用いて、最適化及び/または変分計算は記号で表され、例えば、評価された層の各々の分散は、例えば、事前に判定できる少なくとも1つの分散関数を使用して分散を適合させるとき、例えば、各々の層の事前に判定された厚さからの最小の偏差に基づいて、及び/または評価の安定度に基づいて、及び/または適合度に基づいて判定できる。
【0166】
以下では、さらなる例示的な実施形態は、
図20~
図33を参照して説明され、その実施形態は、特に、例示的な実施形態に従った方法を実行するための可能なTHzベース測定110a,110bの構成に関する。
【0167】
図20は、層12-1が適用された基材10を有するオブジェクトを概略的に示す。
図20では、THz放射線TSは、例えば
図14に従ったTHzデバイス210を用いて、上からオブジェクトの第1の層12-1の上に照射でき(「前方から照射され」)、オブジェクト上に反射されたTHz放射線TSRは、例えば、THzデバイス210によって検出できる(
図14)。また、
図20からも確認できるように、照射されたTHz放射線TSは、層12-1を介して少なくとも部分的に伝達される。
【0168】
図21は
図20と比較可能な構成を示し、
図21には、
図20に加えて、THz放射線TSのいわゆる後方反射が基材10の下側の境界表面10-b(
図21)に当たることが示される。
【0169】
図22は
図20と比較可能な構成を示し、
図22では、
図20とは異なり、THz放射線TSは、基材上に照射される(その後、層12-1に照射される)(「後方から照射される」)。
【0170】
図23は
図22と比較可能な構成を示し、
図23では、
図22に加えて、反射体215は層12-1から空間dに配置される。さらなる例示的な実施形態では、空間dは、自由に事前に判定でき、そして、例えば少なくとも定期的に<1ミリメートルとして、例えば少なくとも定期的に<0.1ミリメートルとして選択でき、例えば、少なくとも定期的に、技術的ゼロギャップが反射体215と層12-1と間に生じる程度に小さくなるように選択できる。
【0171】
図24はオブジェクトを通ってテラヘルツ放射線TSの伝達を示し、伝送部分TS’は、例えば検出器212’によって受信できる(
図16)。
【0172】
図25は、後方反射TS”を含むテラヘルツ放射線TSの伝達を用いて、
図24と同様のオブジェクト10,12-1の構成を示す。
【0173】
現在、
図20~
図25では、層12-1は各々基材10上に撮像されるが、しかしながら、各々の測定原理は、また、大部分をいくつかの層を有するオブジェクトに限定することもなく、一緒に使用できることに留意されたい。これに関して、例えば
図17Dを確認されたい。
【0174】
図26は、さらなる例示的な実施形態による、THzベース測定のための構成を例示的な方式で示す。反射体215はTHzデバイス300に割り当てられ、反射体215は、THz測定ヘッドであり、例えば、現在、例として、オブジェクトとTHzデバイス300との間に配置され、その結果、THzデバイス300によって少なくとも部分的に直接放出されたTHz放射線TSは、オブジェクトOBJ(さらなる例示的な実施形態では、例えば、
図17A,
図17B,
図17C,
図17Dに従った構成を有し得るオブジェクト)に当たり、そして、オブジェクトOBJに直接当たり、オブジェクトOBJによって反射されたTHz放射線TSの少なくとも一部のTS1は、反射体215の上に向かい、反射体215によって反射され、再度、オブジェクトOBJの上に照射され、これは参照符号TS2を確認されたい。そして、次に、TS2は、再度、オブジェクトOBJによって反射され、例えば、THzデバイス300の検出器(示されない)によって検出され、これは参照符号TS3を確認されたい。さらなる例示的な実施形態では、したがって、
図26に従った例示的な構成は、また、オブジェクトOBJを通るTHz放射線TSの複数の通路を有する反射装置として説明できる。
【0175】
図27に従ったさらなる例示的な構成では、例えば、その構成に対して、結果として、オブジェクトOBJを通るTHz放射線TSの単一の通路が生じ、
図28に従ったさらなる例示的な構成では、例えば、結果として、オブジェクトOBJを通るTHz放射線TSの複数の通路が生じ、
図26に従った構成とは異なり、
図28に従った構成では、オブジェクトOBJはTHzデバイス300と反射体215との間に配置される。
【0176】
図29は、さらなる例示的な実施形態による、オブジェクトOBJに対するTHzベース測定のための構成を例示的な形態で示し、その形態では、伝達測定はTHz平行ビームPSを用いて実行できる。また、THzデバイス211”は、例えば、トランシーバーとしても設計され、この目的のために、第1の反射体、例えばミラー、例えば放物面鏡216aに、THz放射線TSを放出し、放物面鏡216aは、照射されたTHz放射線TSは、オブジェクトOBJに当たるTHZ平行ビームPSに変換されるように設計されている。オブジェクトOBJを通るTHz平行ビームPSの伝達後、THZ平行ビームPSは、さらなる反射体、例えばミラー、例えば放物面鏡216bを用いて、例えば、平面反射体215上に向かって方向転換する。反射体215に反射されたTHz放射線は、前述に説明したビーム経路を通過し、その後、反対方向に進み、それと同時に、オブジェクトOBJを通って、THz平行ビームPSの形態で再度伝送され、トランシーバー211”によって検出できる。代替として、反射体215に反射されたTHz放射線は、また、例えばミラーシステム(示されない)によって、別のTHz検出器(示されない)に向かって方向転換でき、また、ユニット211”は、例えばTHz送信機(トランシーバーではない)としても形成できる。
【0177】
図30,
図31は、例として、オブジェクト上へのTHz放射線TSの入射角に対して異なるさらなる例示的な実施形態による測定構成を示す。また、オブジェクト上へのTHz放射線TSの入射角の比較可能な変分は、さらなる例示的な実施形態では、オブジェクトを通るTHz放射線の伝達に関する測定のためにも使用できる。
【0178】
図32は、例えばTHz放射線TSのビームを形成するために、さらなる例示的な実施形態で使用できる、さらなる反射体、例えば放物面鏡216c,216dを示す。例えば、放物面鏡216cは、さらなる例示的な実施形態では、焦点が合わせられたTHzビームTS-FをオブジェクトOBJ上に指向するために使用できる。例えば、さらなる例示的な実施形態では、放物面鏡216dは、THz平行ビームPSをオブジェクトOBJ上に指向するために使用できる。
【0179】
さらなる例示的な実施形態では、
図33では、オブジェクトOBJは、例えばTHzデバイス210に対して少なくとも定期的に回転でき、例えば、いくつかのTHzベース測定値は各々回転Aの異なる角度で実行でき、THzデバイス210は、異方性を有するオブジェクトの場合、対象の材料に関するさらなる情報を送達できる。
【0180】
図20~
図33を参照して例として前述に説明した構成は、さらなる例示的な実施形態では、基材10に対する測定のために、または基材10に適用された少なくとも1つの層12-1,12-2,12n(
図3A)に対する測定のために、少なくとも定期的に使用でき、そして、さらなる例示的な実施形態では、このように取得された測定結果を使用して、例えば少なくとも1つの光学特性、例えば複数の層のうちの少なくとも1つの分散を判定する。
【0181】
さらなる例示的な実施形態は、
図34では、複数の実施形態に従った方法、及び/または複数の実施形態に従ったデバイス、及び/または複数の実施形態に従ったコンピューター可読記憶媒体、及び/または複数の実施形態に従ったコンピュータープログラム、及び/または複数の実施形態に従ったデータ伝送信号の使用法400に関し、使用法400は、以下の要素、すなわち、a)第1の層12-1の少なくとも1つの特性E-12-1を判定すること402、b)少なくとも1つのさらなる層12-nの少なくとも1つの特性E-12-nを判定すること404、c)例えば基材に適用されたいくつかの層の層厚を判定するために、THz測定用のモデル及び/またはデバイス200、例えば、基材10に適用されたいくつかの層12-1,12-2,12-nを有する測定されたオブジェクトOBJのTHz測定用のモデル及び/またはデバイス200を較正すること406、d)THz測定用の較正データを拡大すること408または改正すること、のうちの少なくとも1つに関する。
【0182】
以下では、複数の実施形態に従った原理に関するさらなる態様及び利点が説明され、複数の実施形態は、さらなる例示的な実施形態に従って、前述に説明した実施形態のうちの少なくとも1つは、各々、本質的に個々に、または互いの任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0183】
さらなる例示的な実施形態では、複数の実施形態に従った方法を使用して、積層OBJ(
図3A)の分散を較正でき、例えば、一連の塗装、ひいては、順々に行われる個々の層12-1,12-2,12-nの適用(例えば、ブロック102(
図1,2)、ブロック106-n(
図2)を参照)が実行される。さらなる例示的な実施形態では、1つまたはいくつかの測定は、例えばTHzベース測定及び/またはTHzベースではない測定は、各々、対象の層の適用後に実行され、例えば、
図1,
図2に従ったブロック104,108-nを確認されたい。
【0184】
さらなる例示的な実施形態では、複数の実施形態に従った原理を使用して、例えばTHz時間領域分光法(TDS)用の例えばTHzデバイス210を較正でき、例えば積層OBJの層厚を判定できる。THz時間ドメイン分光法は、例えば、例として前述に規定した0.1THz~30THz、例えば0.3THz~10THzの領域で、例えばTHzスペクトル範囲の反射測定に基づいている。さらなる例示的な実施形態では、測定される積層OBJ(
図3A)の反射スペクトルは、例えば、金属基板10の基準測定値と比較される。その比較から、さらなる例示的な実施形態では、例えば、分光反射率及び位相差を計算できる。さらなる例示的な実施形態では、反射率及び結果として生じる積層OBJの位相差は、例えばフレネル公式に基づいて、また例えばサンプル測定値と基準測定値との補正に基づいて、例えば、個々の層12-1,12-2,12-n,..及び基材10の層厚及び光学特性(例えば屈折率n、及び例えば減衰指数eで特徴付けることが可能である減衰係数)から生じる。さらなる例示的な実施形態では、屈折率及び減衰係数は、周波数によって決めることができる。
【0185】
さらなる例示的な実施形態は、積層OBJの反射率及び位相差の測定と、このデータと積層OBJの光学モデルとの比較に関し、積層OBJは、具体的には、層12-1,12-2,12-nの層厚を含み、そして、それらの光学特性、例えば分散を含み、積層OBJは、例えば、オブジェクトOBJのテラヘルツ放射線TSの広がりを説明する。さらなる例示的な実施形態では、理論的反射率スペクトルは、光学モデルを変えることによって、測定されたスペクトルを調整できる。
【0186】
具体的には、いくつかの層12-1,12-2,12-nを有するオブジェクトOBJの場合、さらなる例示的な実施形態では、積層の層の層厚及び分散は、全て、(例えば、THzベースの)測定から同時に明確に判定できるわけではない。層材料の分散がさらなる例示的な実施形態では、例えば、THzスペクトル範囲で知られてなく、例えば、ある文献では、利用できないこともあるため、複数の実施形態に従った原理を使用して、有利に、いくつかの層12-1,12-2,12-nの層材料の光学特性を効率的に判定できる。
【0187】
さらなる例示的な実施形態では、オブジェクトOBJによって形成された多層システムのいくつかの層材料は、(例えば、拡散、異なる相互接続等によって)例えば隣接層の他の層材料と相互作用し、したがって、その光学特性は、(例えば、個々の層のこれらの材料光学特性と比較して)変化する場合がある可能性がある。さらなる例示的な実施形態では、したがって、実施形態に従った原理を使用して、有利に、例えば、オブジェクトOBJで特徴付けることを可能にする実際の層システムの層材料の分散を較正できる。
【0188】
例えば、
図1~
図34を参照して前述に説明した例示的な実施形態に従ったプロセスを使用して、例えばTHzスペクトル範囲の多層システムOBJの層12-1,12-2,12-nの層材料の光学特性を判定または較正できる。
【0189】
さらなる例示的な実施形態では、例えばコーティングステップ102(
図1)、106-n(
図2)の後、例えばコーティングステップ102,106-nのすべての後、1つ以上の測定は、異なる方法(例えばTHzベース及び/またはTHzベースではない方法)で実行されることがもたらされる。さらなる例示的な実施形態では、これは、有利に、1つまたはいくつかの層を、例えば後で適用される全ての後続の層を、下部にある層の対応する予備知識で較正することを可能にする。さらなる例示的な実施形態では、これは、層間の相互作用を考慮することと、下部にあるスタックまたは積層の予備知識により可能な限り完全な層の較正と、の両方を可能にする。
【0190】
前述に既に数回説明したように、例示的な実施形態は、一連のコーティング、例えば多層の全ての層12-1,12-2,12-n(
図3A)の塗装を可能にし、そして、例えば各処理ステップ(例えば塗装)の後に、例えば前述の処理ステップから既に取得された情報を使用して、各々新たに適用された層/スタックOBJの特性評価または評価(例えば、分散(複数可)及び/または層厚(複数可)を判定すること)も可能にする。
【0191】
さらなる例示的な実施形態では、基材10は、例えば金属体、例えば車両のボディ部分、または車両のボディ部分の模型であり得る。さらなる例示的な実施形態では、第1の層12-1はプライマーであり得、例えば、基材10の表面10aと第2の層12-2のとの間の結合剤として機能する。さらなる例示的な実施形態では、第2の層12-2は、例えばベースコートであり得る。さらなる例示的な実施形態では、第3の層12-3は、例えばクリヤコートであり得る。
【0192】
複数の実施形態に従った原理は、塗装されたボディ部分の例として事前に規定された例示的な使用及び/または例として与えられた3つの層の数に限定されないが、その原理は、例えば、具体的には、THz測定法にアクセス可能な他の多層システムにも適用できる。
【0193】
さらなる例示的な実施形態では、層及び測定点のそれぞれ毎のいくつかの分散または分散値、または、代替としてまたは加えて、全ての測定点の層毎に共有分散(例えば、全ての測定点の同時フィッティング)は、例えば、層の数及び測定点MPの数Mに応じて判定できる。
【0194】
さらなる例示的な実施形態では、変分計算によって、全ての分散の最適な分散組み合わせを判定でき、例えば参照層厚との最良適合もしくは最良一致、または最高感度もしくは最高安定度によって、例えば判別が行われる。また、さらなる例示的な実施形態では、規定された変分計算のために、対象の層の各々の最良の分散を判別するためのさらなる基準を使用できる。
【0195】
さらなる例示的な実施形態では、個々の層の「最良の」分散が必ずしも積層OBJ(例えば、拡散に起因するもの等)のための「最良の」分散とは限らない場合がある可能性がある。そして、随意に、層の分散の特定の組み合わせは積層OBJに最良適合し、各々の個々の層の分散について各々適合が比較的に不十分になる。複数の実施形態に従った原理により、全体的に最良適合し、例えば隣接層間の起こり得る相互作用も考慮される分散を判定できる。
【0196】
さらなる例示的な実施形態では、例えばTHzデバイス210を位置決めするためのロボットを有するロボットシステムで及び/または別のシステム、例えば実験室システムで、複数の実施形態に従った方法を使用できる。
【0197】
さらなる例示的な実施形態では、複数の実施形態に従った方法は、例えば複数の実施形態に従って判定された情報に基づいて、例えば層(複数可)12-1,12-2,12-nの判定された分散(複数可)に基づいて動作する、ターゲットシステム(例として、例えば生産デバイスにおける、例えば自動製品測定用のシステム)で、及び/または別の測定システム(例えば、反射率測定法及び/または伝達及び/またはエリプソメトリー等の原理に従って、THzベース測定を実行するように設計されたシステム)で使用できる。
【0198】
さらなる例示的な実施形態では、ターゲットシステムは、例示的な実施形態に従って取得されたデータ(例えば、少なくとも1つの層の光学特性)、及び測定値、例えば塗装されたボディ部分についての例えば層厚に基づいて、またはそれらのデータを用いて較正できる例えば連続生産用の例えばTHz測定システムである。
【0199】
複数の実施形態に従った原理は、THz放射線TSの前述の例示的なスペクトル範囲に限定されないが、また、該例示的なスペクトル範囲から逸脱しているTHz放射線のスペクトル範囲で使用できる。
【0200】
さらなる例示的な実施形態では、層12-1,12-2,12-nの層厚の追加の特性評価は、随意に、他の方法を用いて、例えば触覚的方法及び/または光学的測定(例えば、共焦点顕微鏡法、白色光干渉計、OCT、…)、顕微鏡写真を用いて、例えば参照層厚RD11-M,RD21-Mを判定するために行うことができる。
【0201】
さらなる例示的な実施形態では、複数の実施形態に従った方法を使用して、多層システムで個々の層の光学定数/分散を判定できる。
【0202】
さらなる例示的な実施形態では、複数の実施形態に従った方法は、具体的には、THzスペクトル範囲に限定されないが、全ての現在のスペクトル範囲(例えば、可視スペクトル範囲または近赤外スペクトル範囲)でエリプソメトリー及び/または反射測定ならびに伝達測定について同様に考えられる。
【0203】
さらなる例示的な実施形態では、
図35では、デバイス200は、THzデバイス210及び/またはオブジェクトOBJもしくは基材10を互いに対して(例えば回転可能に及び/または並進して)移動させるように設計されている位置決めデバイス220を有する。オプションの反射体215(
図15)が提供される場合、位置決めデバイス220は、また、THzデバイス210及び/またはオブジェクトもしくは基材10に対して、オプションの反射体215を移動させるように設計できる。
【0204】
さらなる例示的な実施形態では、位置決めデバイス220はロボット221を有し、ロボット221には、例えば、THz測定ヘッドとして設計されたTHzデバイス210がTHzベース測定を実行するために配置される。
【0205】
さらなる例示的な実施形態では、位置決めデバイス220は、ロボット221に加えて、またはロボット221の代替として、少なくとも1つのさらなる設置要素222を有し、該設置要素の設置精度は、例えば、材料データを判定する及び/または較正することに関して、ロボット221の精度よりも良好になり、例えば、これにより測定精度が向上する。例えば、この理由として、結果として、異なる測定点MPは、各々、THz放射線TSの焦点に正確に移動できるためである。
【0206】
さらなる例示的な実施形態では、位置決めデバイス220は、例えばさらなる設置要素222として2Dゴニオメーターと、例えばz軸用のアクチュエータと、随意に、空間及び/または角度測定ユニット223とを有し、これらは、例えば、サンプルOBJと測定ヘッド210との間の相対位置を判定する。
【0207】
さらなる例示的な実施形態では、以下の例示的な方式で並べられたプロセスは、サンプルOBJのMに等しい数の測定点MP1,MP2,..,MP8(
図3B)に対して実行される。
1.ロボット221のTHz測定ヘッド210を用いた空間x1,y1,z1における粗い位置決め、例えば、第1の測定点MP1に近づき、ひいては、THz放射線TSの焦点が第1の測定点MP1にあるように、THz測定ヘッド210を整合させる、
2.空間/角度測定、
3.随意に、例えば少なくとも1つのさらなる設置要素222を用いる位置補正、
4.空間/角度の制御測定、
5.空間/角度が所望の許容範囲内にある場合、ステップ6に進み、そうでなければ、ステップ3に戻る、
6.THz測定(複数可)、
7.潜在的な別の比較測定、例えば、光学的方法及び/または触覚的方法を用いる参照層厚の比較測定、
8.次の測定点MP2に近づき、ひいては、例えば、THz測定ヘッド210を整合させ、その結果、THz放射線TSの焦点は、第2の測定点MP2等にあり、随意に、例えばMに等しい数の測定点の全てが調整されるまで、プロセスを繰り返す。
【0208】
さらなる例示的な実施形態では、ユニット230は、例えば湿った環境空気によってTHz放射線TSの吸収が意図せず減るとき、さらに精度を向上できる保護ガスTRL、例えば乾燥空気を用いて、THz放射線TS,TSRのビーム経路の少なくとも一部を加圧するために提供される。
【0209】
さらなる例示的な実施形態では、判定された光学特性、例えばオブジェクトOBJの層12-1,12-2,12-nの分散に基づいて、例えばTHz測定システムを較正するために、例えば、生産デバイスまたは塗装工場でデバイス200を使用できる。
【0210】
さらなる例示的な実施形態では、層12-1,12-2,12-nの一連の較正では、特定の層厚領域(または限定数の測定点)が覆われ、ターゲットシステム(例えば複数の実施形態に従って受信したデータで較正でき、例えば塗装ボディ部分の層厚を測定する連続生産用のTHz測定システム)でコーティングされた基材で実際に発生する厚み偏差は、かなり大きくなる可能性がある。具体的には、金属塗料の場合、材料データは厚さによって決まり、該材料データは、例えば、既に存在する/較正された材料データの厚さ領域内で、またはその厚さ領域の周りで、さらなる実施形態で正確に測定できる。さらなる例示的な実施形態では、したがって、例えば複数の実施形態に従った方法を用いて判定されている較正データは、例として、例えばターゲットシステムによる継続中の生産プロセスまたは他の処理で、連続的に拡張及び/または修正されることが示唆される。
【0211】
さらなる例示的な実施形態では、例えば、コーティングされた物体、例えばかなり異なる厚さを有する塗装部分の場合、以下のプロセス、すなわち、a)積層(例えば、既に存在する層)のTHzベース測定、b)厚さの比較測定、c)システムOBJ全体の対応する層(通常、ベースコート12-1)の後較正(ひいては、較正の向上)を実行でき、例えば、測定可能な厚さ領域の連続的増加が可能になる。
【国際調査報告】