(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】放射線切除治療のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G16H 30/00 20180101AFI20231227BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20231227BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20231227BHJP
A61N 5/10 20060101ALN20231227BHJP
【FI】
G16H30/00
A61B6/03 377
A61B6/03 360J
A61B6/03 360Q
A61N5/10 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537556
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2020066213
(87)【国際公開番号】W WO2022132181
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591030673
【氏名又は名称】バリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523227096
【氏名又は名称】シーメンス ヘルシニアーズ インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHINEERS INTERNATIONAL AG
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】オネゲル,ヨナス,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】アッタナシ,フランチェスカ
【テーマコード(参考)】
4C082
4C093
5L099
【Fターム(参考)】
4C082AJ08
4C082AJ13
4C082AJ14
4C082AN02
4C082AP07
4C093AA22
4C093AA25
4C093AA26
4C093FF17
4C093FF28
4C093FF35
4C093FF37
4C093FG01
4C093FG13
4C093FG16
5L099AA26
(57)【要約】
放射線切除治療計画のためのシステムおよび方法が開示される。いくつかの例では、計算装置は、医療専門家が患者の治療ターゲット領域を定義することを可能にするユーザインタフェースを表示用に提供する。ユーザインタフェースは、医療専門家が患者のために生成された対話型ターゲットマップを使用して治療領域を選択することを可能にし得る。また、計算装置は、患者のスキャンされた構造の3Dボリュームを特定する画像データなどの画像データを患者の画像システムから受信する。計算装置は、受信した画像データに基づいて、スキャンされた構造の3D画像を表示用に生成してもよく、医療専門家が患者の治療ターゲット領域を定義するために操作できるターゲット領域マップを3D画像に重畳してもよい。計算装置は、定義されたターゲット領域を患者を治療するための治療システムに送信することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
患者の臓器を特定する第1の入力を受け取り、
前記臓器のスキャン画像を受け取り、
前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成し、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定し、
少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成し、
前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存する、
ように構成された計算装置を含むシステム。
【請求項2】
前記計算装置は、表示用に前記第2のデジタルモデルを提供するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記計算装置が、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取り、
前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整し、
前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記計算装置が、
前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取り、
前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づき前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定し、
前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のデジタルモデルを再生成することは、前記対応する部分と表示用の明示的な特徴とを関連付けることを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記計算装置が、前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データを放射線切除治療システムに送信するようにさらに構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記計算装置は、
前記患者のための検査データ記録を取得し、各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について、複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを特定し、
前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定し、
前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定し、
前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成し、
前記データリポジトリに前記第1のマップを保存する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
各第1のマップは、前記複数の検査ターゲット領域それぞれについての前記対応する検査タイプの頻度を示す請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記計算装置は、
前記第1の数及び前記第2の数に基づいて第2のマップを生成し、前記第2のマップは前記複数の治療ターゲット領域それぞれに対する治療の確率を示し、
前記第2のマップを前記データリポジトリに保存する、
ようにさらに構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の入力を受け取ることは、表示されたターゲット定義マップの一部の選択に応じて行われる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
コンピュータで実行される方法であって、
患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、
前記臓器のスキャン画像受け取ること、
前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成すること、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定すること、
少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成すること、
前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存すること、
を含む方法。
【請求項12】
表示用に前記第2のデジタルモデルを提供することを含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取ること、
前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整すること、
前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存すること、
を含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取ること、
前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づいて前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定すること、
前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成すること、
を含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データを前記放射線切除治療システムに送信することを含む請求項14に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項16】
各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを特定し、
前記患者のための検査データ記録を取得すること、
前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定すること、
前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定すること、
前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成すること、
前記データリポジトリに前記第1のマップを保存すること、
を含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項17】
指示を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、
患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、
前記臓器のスキャン画像受け取ること、
前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成すること、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定すること、
少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成すること、
前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存すること、
を含む処理を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記処理は、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取ること、
前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整すること、
前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存すること、
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記処理は、
前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取ること、
前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づいて前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定すること、
前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成すること、
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記処理は、前記患者のための検査データ記録を取得することを含み、
各検査データ記録は、前記患者に実施される検査について、複数の検査タイプのうちの1つおよび複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域を特定し、
前記処理は、
前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施される前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定すること、
前記複数の検査タイプそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施される検査の第2の数を決定すること、
前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成すること、
前記第1のマップを前記データリポジトリに格納すること、
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般的には、医学的診断および治療システムに関連し、特に、心臓不整脈などの状態の診断および治療のための放射線切除診断、治療計画、及びデリバリーシステムを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の代謝、電気的、解剖学的情報を読み取ったり、画像化したりするために、様々な技術を用いることができる。例えば、陽電子放出断層撮影(PET)は、体内の陽電子放出同位元素の分布を表す断層画像を生成する代謝イメージング技術である。CT(断層撮影)とMRI(磁気共鳴撮像)は、それぞれX線と磁場を用いて画像を作成する解剖学的イメージング技術である。これらの例示的技術からの画像を互いに組み合わせて、複合解剖学的画像および機能的画像を生成することができる。例えば、Varian Medical Systems Inc.のVelocity(登録商標)ソフトウェアなどのソフトウェアシステムは、画像融合プロセスを用いて異なるタイプの画像を組み合わせて、画像を変形および/または登録して結合画像を生成する。
【0003】
心臓放射線切除では、医療専門家が協力して、心不整脈の診断、切除の領域の特定、放射線治療の処方、放射線切除治療計画の作成を行う。典型的には、様々な医療専門家がそれぞれ相補的な医療訓練を受けており、したがって、治療開発の様々な側面を専門としている。例えば、電気生理学者は、患者の解剖学および電気生理学に基づいて、心不整脈の治療のために患者の心臓の、1または複数の領域またはターゲットを特定することができる。例えば、電気生理学者は、切除のためのターゲット領域を手動で定義するための入力として、PETと心臓CTを組み合わせた画像を使用することができる。電気生理学者によってターゲット領域が一旦定義されると、放射線腫瘍医は、例えば、照射される放射線の分割数、ターゲット領域に照射される放射線量、およびリスクがある隣接臓器への最大線量を含む放射線治療を処方することができる。放射線量が処方されると、典型的には、線量測定士は、処方された放射線療法に基づいて放射線切除治療計画を作成することができる。その後、放射線腫瘍医が治療計画を検討し、承認するのが一般的である。さらに、放射線切除治療計画を確定する前に、電気生理学者は、放射線切除治療計画によって定義される患者のターゲット位置が正しいことを確認するために、定義されたターゲット体積の線量領域の位置、サイズ、および形状を理解することを望む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
治療計画を作成し最適化するためには、治療ために患者の臓器のターゲット領域を適切に特定し定義することが不可欠である。例えば、過大包括のターゲット領域は、治療を必要としない領域を含み定義されたターゲットボリュームをもたらし、一方、過小包括のターゲット領域は、治療すべき領域を含まない定義されたターゲットボリュームをもたらし得る。そのため、心臓放射線切除診断や放射線治療計画に使用される心臓放射線切除治療システムなど、医療専門家が使用する放射線切除治療計画システムを改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
心臓放射線切除診断治療および計画のためのシステムおよび方法を開示する。いくつかの例において、計算装置は、医療専門家が治療のために患者のターゲット領域を定義することを可能にするユーザインタフェースを表示するために提供する。ユーザインタフェースは、医療専門家が、患者のために生成された対話型ターゲットマップを使用して治療領域を選択することを可能にし得る。計算装置はまた、患者のための撮像システムから患者のスキャンされた構造の3Dボリュームを特定する画像データなどの画像データを受信する。計算装置は、受信された画像データに基づいて、スキャンされた構造の3D画像を表示用に生成してもよく、医療専門家が患者の治療のターゲット領域を定義するために操作できるターゲット領域マップを3D画像上に重ね合わせてもよい。定義されると、計算装置は、定義されたターゲット領域を、患者を治療するための治療システムに送信することができる。
【0006】
いくつかの例では、システムは、患者の臓器の治療ターゲット領域を特定する第1の入力を受け取り、前記臓器のスキャン画像を受け取るように構成される計算装置を含む。前記計算装置は、さらに臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成するように構成される。さらに、計算装置は、第1のデジタルモデルに対するスキャン画像のアライメントを決定するように構成されている。さらに、計算装置は、少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成するように構成されている。計算装置は、さらに前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するように構成されている。
【0007】
いくつかの例では、コンピュータで実行される方法は、患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、前記臓器のスキャン画像受け取ること、前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成すること、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定すること、少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成すること、前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存すること、を含む。
【0008】
いくつかの例では、指示を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、患者の臓器を特定する第1の入力を受け取り、前記臓器のスキャン画像受け取ることを含む処理を実行させる。前記処理は、さらに前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成することを含む。さらに、前記処理は、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定することを含む。前記処理は、さらに少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成することを含む。前記処理は、さらに、前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存することを含む。
【0009】
いくつかの例では、方法は、患者の臓器の治療ターゲット領域を特定する第1の入力を受け取り、前記臓器のスキャン画像受け取るための手段を含む。前記方法は、さらに前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成する手段を含む。さらに、前記方法は、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定するための手段を含む。前記方法は、さらに少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成するための手段を含む。前記方法は、前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するための手段をさらに含む。
【0010】
本開示の特徴および利点は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明においてより完全に開示されるか、または明らかにされるであろう。例示的な実施形態の詳細な説明は、同様の番号が同様の部品を示し、さらに以下の添付図面と共に考慮される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による心臓放射線切除診断および治療システムを示す。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態によるターゲット定義計算装置のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による
図1の心臓放射線切除治療システムの例示的な部分を示す。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図4E】
図4Eは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図4F】
図4Fは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図6C】
図6Cは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図6D】
図6Dは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図6E】
図6Eは、いくつかの実施形態によるグラフィカルユーザインタフェースの一部を示している。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態による2次元セグメントモデルを示している。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態による3次元セグメントモデルを示している。
【
図7C】
図7Cは、いくつかの実施形態による隔壁縁を有する3次元セグメントモデルを示している。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による
図7Aの2次元セグメントモデルの編集オプションを示している。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による
図7Bの3次元セグメントモデルの編集オプションを図示する。
【
図10】
図10Aは、いくつかの実施形態によるセグメントモデル内のセグメントの選択を示している。
図10Bは、いくつかの実施形態による選択されたセグメントを特定する3次元セグメントモデルを示している。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態による患者のための検査を生成するための例示的方法のフローチャートである。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による治療ターゲット領域を特定するための対話型マップを生成するための例示方法のフローチャートである。
【
図13A】
図13Aは、いくつかの実施形態によるデジタルモデルを生成するための例示方法のフローチャートである。
【
図13B】
図13Bは、一部の実施形態による
図13Aのデジタルモデルの方向を調整するための例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施形態の説明は、添付の図面に関連して読まれるように意図されており、これらの図面は、本開示の書面による説明全体の一部と見なされる。本開示は、様々な修正を行うことや代替の形態とすることが可能であるが、特定の実施形態は、図面により例示され、本明細書において詳細に説明される。クレームされた主題の目的および利点は、添付の図面に関連して、これらの例示的な実施形態の以下の詳細な説明からより明白になるであろう。
【0013】
しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことは理解されるべきである。むしろ、本開示は、これらの例示的な実施形態の精神および範囲内に入るすべての変更、等価物、および代替物を対象としている。「結合し」、「結合され」、「動作可能に結合され」、「動作可能に接続され」などの用語は、機械的、電気的、有線、無線、またはその他のいずれかでデバイスまたはコンポーネントを一緒に接続し、その接続によって、関連するデバイスまたはコンポーネントがその関係によって意図されるように互いに動作(例えば、通信)し得ることを意味するものとして広く理解されるべきである。
【0014】
図面を参照すると、
図1は、撮影装置102、治療計画計算装置106、1または複数のターゲット定義計算装置104、および通信ネットワーク118を介して通信可能に接続されたデータベース116を含む心臓放射線切除診断および治療システム100のブロック図である。撮影装置102は、例えば、CTスキャナ、MRスキャナ、PETスキャナ、電気生理学的撮像装置、ECG、又はECG撮像装置であってよい。いくつかの例では、撮影装置102は、PET/CTスキャナまたはPET/MRスキャナであってもよい。いくつかの例では、撮影装置102および治療計画計算装置106は、患者への放射線切除治療を可能にする放射線切除治療システム126の一部であってもよい。例えば、放射線切除治療システム126は、患者の1または複数の治療領域に対して定義された線量を照射することを可能にし得る。
【0015】
各ターゲット定義計算装置104及び治療計画計算装置106は、データを処理するための任意の適切なハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含む任意の適切な計算装置であり得る。例えば、各々は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1または複数のステートマシン、デジタル回路、または任意の他の適切な回路を含むことができる。さらに、各々は、通信ネットワーク118にデータを送信し、通信ネットワーク118からデータを受信することができる。例えば、ターゲット定義計算装置104および治療計画計算装置106の各々は、クラウドベースのサーバなどのサーバ、コンピュータ、ラップトップ、モバイルデバイス、ワークステーション、または任意の他の適切な計算装置であってもよい。
【0016】
例えば、
図2は、ターゲット定義計算装置104および治療計画計算装置106の各々の例とすることができる計算装置200を示している。計算装置200は、1つまたは複数のプロセッサ201、作業メモリ202、1つ又は複数の入出力デバイス203、命令メモリ207、トランシーバ204、1または複数の通信ポート207、およびディスプレイ206を含み、これらは全て1つまたは複数のデータバス208に動作可能に結合されている。データバス208は、様々なデバイス間の通信を可能にする。データバス208は、有線または無線の通信チャネルを含むことができる。
【0017】
プロセッサ201は、それぞれが1つまたは複数のコアを有する1つまたは複数の別個のプロセッサを含むことができる。別個のプロセッサの各々は、同じまたは異なる構造を有することができる。プロセッサ201は、1又は複数の中央処理装置(CPU)、1つ又は複数のグラフィックス処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などを含むことができる。
【0018】
命令メモリ207は、プロセッサ201によってアクセス(例えば、読み取り)および実行され得る命令を格納することができる。例えば、命令メモリ207は、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、取り外し可能ディスク、CD-ROM、任意の不揮発性メモリ、または任意の他の適切なメモリなどの非一過性のコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。プロセッサ201は、命令メモリ207上に格納された、機能または動作を具現化するコードを実行することによって、特定の機能または動作を実行するように構成され得る。例えば、プロセッサ201は、命令メモリ207に格納されたコードを実行して、本明細書に開示された任意の機能、方法、または操作の1つまたは複数を実行するように構成され得る。
【0019】
さらにプロセッサ201は、作業メモリ202にデータを格納し、作業メモリ202からデータを読み出すことができる。例えば、プロセッサ201は、命令メモリ207からロードされた命令のような、作業命令セットを作業メモリ202に格納することができる。プロセッサ201はまた、作業メモリ202を使用して、放射線切除診断および治療計画計算装置200の動作中に作成された動的データを格納することができる。作業メモリ202は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)または動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、または任意の他の適切なメモリであってよい。
【0020】
入出力デバイス203は、データの入力または出力を可能にする任意の適切な装置を含むことができる。例えば、入出力デバイス203は、キーボード、タッチパッド、マウス、スタイラス、タッチスクリーン、物理ボタン、スピーカ、マイク、または他の任意の適切な入力または出力装置のうちの1つ以上を含むことができる。
【0021】
通信ポート209は、例えば、ユニバーサル非同期受信機/送信機(UART)接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、または任意の他の適切な通信ポートまたは接続などのシリアルポートを含んでもよい。いくつかの例では、通信ポート209は、命令メモリ207における実行可能命令のプログラミングを可能にする。いくつかの例では、通信ポート209は、画像データなどのデータの転送(例えば、アップロードまたはダウンロード)を可能にする。
【0022】
ディスプレイ206は、3Dビューアやモニタなど、任意の適切なディスプレイとすることができる。ディスプレイ206は、ユーザインタフェース205を表示することができる。ユーザインタフェース205は、計算装置200とのユーザインタラクションを可能にすることができる。例えば、ユーザインタフェース205は、ユーザ(例えば、医療専門家)が、本明細書に記載されるように、患者の治療のターゲット領域を定義するために、モデルを表示または操作することを可能にするアプリケーションのためのユーザインタフェースであってもよい。いくつかの例では、ユーザは、入出力デバイス203を利用することによって、ユーザインタフェース205と対話することができる。いくつかの例では、ディスプレイ206はタッチスクリーンであってもよく、ユーザインタフェース205は、そのタッチスクリーン上に表示される。いくつかの例では、ディスプレイ206は、スキャンされた画像データ(例えば、画像スライス)の画像を表示する。
【0023】
トランシーバ204は、
図1の通信ネットワーク118のようなネットワークとの通信を可能にする。例えば、
図1の通信ネットワーク118がセルラーネットワークである場合、トランシーバ204は、セルラーネットワークとの通信を可能にするように構成される。いくつかの例では、トランシーバ204は、放射線切除診断および治療計画計算装置200が動作することになる通信ネットワーク118のタイプに基づいて選択される。プロセッサ201は、トランシーバ204を介して、
図1の通信ネットワーク118などのネットワークからデータを受信するか、またはネットワークにデータを送信するように動作可能である。
【0024】
図1に戻って、データベース116は、クラウドベースのサーバ、ディスク(例えば、ハードディスク)、別のアプリケーションサーバ上のメモリデバイス、ネットワーク化されたコンピュータ、または任意の他の適切なリモートストレージなどのリモート記憶デバイス(例えば、不揮発性メモリを含む)であってもよい。いくつかの例では、データベース116は、1つ又は複数のターゲット定義計算装置104および治療計画計算装置106に対する、ハードドライブ、不揮発性メモリ、またはUSBスティックなどのローカル記憶装置であってもよい。
【0025】
通信ネットワーク118は、WiFi(登録商標)ネットワーク、3GPP(登録商標)ネットワークなどのセルラーネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、衛星ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線周波数(RF)通信プロトコルを利用するネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワーク、複数の無線LANを接続する無線大都市圏ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、または任意の他の適切なネットワークであり得る。通信ネットワーク118は、例えば、インターネットへのアクセスを提供することができる。
【0026】
撮影装置102は、患者の臓器の画像などの画像をスキャンし、スキャンされた画像を識別し特徴付ける画像データ103(例えば、測定データ)を通信ネットワーク118に提供するように動作可能である。あるいは、撮影装置102は、心臓ECG画像などの電気的撮像を取得するように動作可能である。例えば、撮影装置102は、患者の構造(例えば、臓器)をスキャンし、スキャンした構造の3Dボリュームの1つ又は複数のスライスを識別する画像データ103を、通信ネットワーク118を介して1つ又は複数のターゲット定義計算装置104及び治療計画計算装置106に対して送信してもよい。いくつかの例では、撮影装置102は画像データ103をデータベース116に格納し、1つ又は複数のターゲット定義計算装置104及び治療計画計算装置106は、データベース116から画像データ103を取得してもよい。
【0027】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、通信ネットワーク118を介して治療計画計算装置106と通信するように動作可能である。いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104および治療計画計算装置106は、データベース116を介して(例えば、データベース116からデータを格納および検索することによって)互いに通信する。いくつかの例では、1つまたはターゲット定義計算装置104および1つまたは複数の治療計画計算装置106は、リソースの共有および各デバイスとの通信を可能にするクラウドベースネットワークの一部である。
【0028】
いくつかの例では、電気生理学者(EP)は、本明細書に記載されるように、ターゲット定義計算装置104を操作して、患者の治療のターゲット領域を定義する。いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、患者のターゲット領域を特定するターゲットデータを生成し、そのターゲットデータを治療計画計算装置106に送信する。放射線腫瘍医は、治療計画計算装置106を操作して、撮影装置102を介した治療を患者に提供することができる。いくつかの例では、ターゲット領域は、患者を治療するための放射線アブレーション治療計画に統合される。
【0029】
いくつかの例では、1つまたはターゲット定義計算装置104は、医療施設120の第1のエリア122に配置され、1または複数のターゲット定義計算装置104は、医療施設120の第2のエリア124に配置される。このように、心臓放射線切除診断及び治療システム100は、複数のEPが協力してターゲット領域を確定させることを可能にする。例えば、1人のEPが第1の医療施設122で第1のターゲット定義計算装置104を操作し、第2のEPが第2の医療施設124で第2のターゲット定義計算装置102を操作してもよい。第1のターゲット定義計算装置104および第2のターゲット定義計算装置104は、ターゲット領域(例えば、提案されたターゲット領域)に関連する(例えば、定義する)データを送信および受信することなどにより、通信ネットワーク118を介して通信することができる。各EPは、対応するターゲット定義計算装置104を操作してターゲット領域を調整してもよく、両方のEPがターゲット領域に合意した時点でターゲットエリアを最終決定してもよい。
【0030】
[検査生成]
ターゲット定義計算装置102は、EPなどの医療専門家に対して表示されることがあるユーザインタフェース(例えば、ユーザインタフェース205)の生成を行うアプリケーションを実行することができる。実行されたアプリケーションは、治療のために医療専門家が患者のターゲット領域を定義することを可能とすることができる。例えば、ユーザインタフェースは、医療専門家が検査タイプ(例えば、CT、ECG、MRIなど)を選択することを可能にする。検査タイプは、患者のための画像化のタイプを識別することがある。例えば、検査タイプは、患者のために撮影された画像のタイプを識別することができる。
【0031】
検査タイプの選択に応じて(例えば、ドロップダウンメニューを介して)、実行されたアプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、選択された検査タイプに対する検査カテゴリの選択を自動的に提供する。検査カテゴリは、特定の検査タイプのための機能(または、検査ローカライゼーション)のリストを特定することができる。例えば、また、医療専門家が検査タイプに「ECG」を選択すると仮定すると、ユーザインタフェースは、「電気」などの1または複数の検査カテゴリの選択を提供することができる。別の例として、「CT」、「МR」、「PET/SPECT」、及び「US」の検査タイプに対して、「構造」の検査カテゴリが提供されてもよい。追加の検査カテゴリは、「代謝」又は任意の他の適切な検査カテゴリを含んでいてもよい。いくつかの例では、1つの検査タイプ(例えば、「ECG」検査タイプに対する「電気」など)に対して1つの検査カテゴリのみが利用可能であってもよく、そのように、実行アプリケーションは、選択された検査タイプに対して単独の検査カテゴリを自動的に選択してもよい。
【0032】
検査カテゴリが選択されると、実行されるアプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、検査ローカライゼーションを選択することを可能にしてもよい。検査ローカライゼーションは、心臓の1つ又は複数のセグメントなど、治療される患者の臓器の一般的なターゲット領域を特定することができる。選択用に表示される検査ローカライゼーションは、選択された検査カテゴリおよび/または検査タイプで決められてもよい。例えば、検査タイプが「ECG」であり、検査カテゴリが「電気」であると仮定すると、実行されるアプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、特に「VT出口部位」、「VT入口部位」、及び「VT入口及び出口部位」を含む1又は複数の検査ローカライゼーションの選択を提供してもよい。別の例として、また、検査タイプが「CT」であり、検査カテゴリが「構造」であると仮定すると、実行されるアプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、「傷」を含む1つ又は複数の検査ローカライゼーションの選択を提供してもよい。
【0033】
いくつかの例では、医療専門家が検査タイプ、検査カテゴリ、及び検査ローカライゼーションを選択すると、実行されたアプリケーションは、心臓の心室の基底レベル、中腔レベル、及び心尖部を表す17セグメントモデルなど、臓器又はその一部の対話型モデルを、表示用に提供することができる。対話型モデルは、治療される臓器の1つ又は複数の部分を医療専門家により選択可能にすることができる。例えば、対話型モデルが心臓の心室の17セグメントモデルであると仮定すると、対話型モデルは、医療専門家が17セグメント(例えば、セグメント1~17)のうちの1つ又は複数を選択することを可能にする場合がある。医療専門家は、例えば、各セグメントをクリックする(例えば、入出力装置203を使用する)ことにより、各セグメントを選択することができる。各セグメントが選択されると、いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、各セグメントの色を変更し、又はセグメントが選択されたことを示す他の何らかの表示を提供することができる。いくつかの例では、選択された各セグメントの色は、選択された検査カテゴリにより決まる。例えば、実行されたアプリケーションは、「構造」の検査カテゴリに対して選択されたセグメントを灰色で表示し、「電気」の検査カテゴリに対して選択されたセグメントをオレンジ色で表示してもよい。
【0034】
いくつかの例では、実行されるアプリケーションは、臓器の各部分の名前を表示することができる。例えば、実行されたアプリケーションは、医療専門家がセグメント上にカーソルをドラッグすると、17セグメントモデルのうちの1つのセグメントの名称を表示することができる。
【0035】
いくつかの例では、ユーザインタフェースは、医療専門家がデータベース116などのデータベースに記録を保存することを可能にし、記録は、選択された検査タイプ、検査カテゴリ、検査ローカライゼーション、および対話型モデルの任意の選択部分(例えば、セグメント)を特定する。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、医療専門家が記録に名前を付けること、検査の日付を選択すること、さらに記録に関連するメモを提供することを可能にし、これらのすべては、記録の一部としてデータベースに保存されてもよい。
【0036】
[ターゲット選択]
実行されたアプリケーションは、医療専門家が治療のためのターゲット領域を特定することをさらに可能にし得る。例えば、実行されたアプリケーションは、1つ又は複数の検査カテゴリマップを表示してもよく、各検査カテゴリマップ(例えば、「ヒートマップ」)は検査カテゴリに対応する。各検査カテゴリマップは、心臓の心室の17セグメントモデルなど、患者の器官の1つまたは複数の部分を特定することができる。さらに、各検査カテゴリマップは、検査カテゴリに対応する、患者の以前に特定された特徴(例えば、検査ローカライゼーション)の表示を提供する。例えば、「電気マップ」は、患者に行われた「電気」タイプの検査において特定された1つ又は複数の不整脈起源の表示を提供することができ、一方で、「構造マップ」は、患者に行われた「構造」タイプの検査において特定された1つ又は複数の傷跡位置の表示を提供することができる。患者に対する以前の検査を特定するデータは、例えば、データベース116に格納されてもよい。ターゲット定義計算装置104は、検査カテゴリマップを生成するためにデータを取得することができる。
【0037】
いくつかの例では、各検査カテゴリマップは、患者の臓器の1つ又は複数の部分それぞれに対する選択に対応する数値を示す。例えば、17セグメントモデルを仮定すると、実行されるアプリケーションは、そのセグメントがその検査カテゴリについて臨床的関心として選択された回数の数に基づいて、各セグメントを特定の色で表示してもよい。例えば、「電気マップ」に対して、(例えば、以前の検査中に)一度も選択されたことのないセグメントは白で表示され、閾値量まで(例えば、1回)選択されたセグメントは薄いオレンジ色で表示され、閾値量を超える回数選択されたセグメントは濃いオレンジ色で表示されてもよい。
【0038】
各検査カテゴリマップは、対応する選択量範囲に基づいて、セグメントを様々な色(例えば、様々な色の濃淡)で表示することができる。例えば、「構造マップ」に対して、一度も選択されたことのないセグメントは白で表示され、閾値量まで選択されたセグメントは薄い灰色で表示され、閾値量以上選択されたセグメントは濃い灰色で表示されてもよい。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、さらに、各検査カテゴリマップへの範囲および対応する色を示す棒グラフを提供する。
【0039】
いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、そのセグメントが臨床的関心として選択された回数の割合に基づいて、特定の色で検査カテゴリマップの各セグメントを表示してもよい。ターゲット定義計算装置104は、データベース116から患者のデータを取得してもよく、各検査カテゴリ(例えば、電気、構造など)について、すべての検査タイプにわたって各セグメントが選択された回数の数を決定してもよい。各セグメントに対する選択の数に基づいて、ターゲット定義計算装置104は、各検査カテゴリに対する選択の合計数を決定してもよい。さらに、各セグメントに対して、ターゲット定義計算装置104は、特定の検査カテゴリに対する検査の数およびセグメントに対する選択の総数(例えば、(セグメントに対する選択の数/検査の総数)*100))に基づいて、そのセグメントが検査カテゴリに対して選択された回数の割合を決定してもよい。
【0040】
例えば、「電気マップ」に対して、過去に選択されたことのないセグメントは白で表示され、「電気」の検査カテゴリの選択率が閾値まで達するセグメントは、薄いオレンジ色で表示され、「電気」の検査カテゴリの選択率が閾値を上回るセグメントは、濃いオレンジ色で表示されるようにしてもよい。同様に、「構造マップ」に対して、以前に選択されたことのないセグメントは白で表示され、「構造」検査カテゴリの選択率が閾値まで達するセグメントは、薄い灰色で表示され、「構造」検査カテゴリの選択率が閾値を上回るセグメントは、濃い灰色で表示されてもよい。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、さらに、各検査カテゴリマップに対する割合および対応する色を示す棒グラフを提供する。
【0041】
本明細書で説明する閾値量は設定可能であってもよい。例えば、医療専門家は、実行されたアプリケーションによって提供されるユーザインタフェースを介してターゲット定義計算装置104に閾値量を提供してもよく、ターゲット定義計算装置104は、データベース116に閾値を保存してもよい。
【0042】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、確率マップを生成する。いくつかの例では、確率マップは、検査カテゴリマップと同じ形式であってもよい。例えば、検査カテゴリマップが17セグメントモデルである場合、確率マップも17セグメントモデルであってよい。確率マップは、1つまたは複数の検査カテゴリマップによって識別された臓器のそれらの部分に基づいて、臓器の1つまたは複数の部分に対する治療の確率を示すことができる。一例では、ターゲット定義計算装置104は、検査カテゴリに関係なく臓器の各部分(例えば、セグメント)に提供される選択回数(例えば、全ての検査カテゴリにわたってセグメントに提供される選択回数の合計値)を決定する。例えば、確率マップは、2つ以上の検査カテゴリマップを一緒に組み合わせ、臓器の1つ以上の部分が何回選択されたかの表示を提供することができる(例えば、個々の検査カテゴリマップによって示されるように)。各部分の決定された選択回数に基づいて、実行されたアプリケーションは、確率マップの対応する部分を、対応する色で表示するか、対応するハッチングなどの別の適切な表示を使用する。
【0043】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、すべての検査カテゴリにわたって各部分が選択された回数の割合を決定する。各部分の決定されたパーセンテージに基づいて、実行されたアプリケーションは、確率マップの対応する部分を対応する色で表示するか、または任意の他の適切な表示を使用する。
【0044】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、すべての検査カテゴリにわたって各部分が選択された平均量を決定する。例えば、ターゲット定義計算装置104は、すべての検査カテゴリにわたって部分が選択された回数の数を決定し、検査カテゴリの数で除算することにより、各部分の平均量を決定してもよい。各部分の決定された平均値に基づいて、実行されたアプリケーションは、確率マップの対応する部分を対応する色で表示し、または任意の他の適切な表示を使用する。
【0045】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、各検査カテゴリに重み(例えば、乗数)を割り当てる。例えば、ターゲット定義計算装置104は、上述のように確率マップの第1の部分に対する選択数を決定し、選択数の合計に第1の値を乗じて第1の重み付け値を決定してもよい。同様に、ターゲット定義計算装置104は、上述のように確率マップの第2の部分に対する選択数を決定してもよく、選択数の合計に第2の値を乗じて第2の重み付けされた値を決定してもよい。第1の値は、第2の値より小さくてもよいし、大きくてもよい。第1の重み付け値および第2の重み付け値に基づいて、ターゲット定義計算装置104は、確率マップの対応する部分を対応する色で表示してもよく、または任意の他の適切な表示を使用する。
【0046】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、臓器の対応する部分が対応する検査カテゴリ内で何回選択されたかに関わらず、各検査カテゴリマップを等しく重み付けしてもよい。例えば、ターゲット定義計算装置104は、上述のように、臓器の各部分がその検査カテゴリ内で選択された割合に従って検査カテゴリマップを表示してもよい。ターゲット定義計算装置104は、検査カテゴリの各々におけるそのセグメントのパーセンテージに基づいて、各部分の値を決定してもよい。各部分の決定された値に基づいて、実行されたアプリケーションは、確率マップの対応する部分を対応する色で表示するか、又は任意の他の適切な表示を使用する。いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、各部分について割合を重み付けし(例えば、乗数を適用する)、重み付けされた割合に基づいて値を決定する。乗数は、少なくとも2つのセグメントについて異なっていてもよい。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、医療専門家が乗数を構成することを可能にする。ターゲット定義計算装置104は、データベース116に乗数を保存してもよい。
【0047】
いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、医療専門家が治療のためのターゲット領域(例えば、アブレーション領域)を識別できるように、ターゲット定義モデルを生成することができる。そのターゲット定義モデルは、心臓の心室の17セグメントモデルであってもよい。いくつかの例では、医療専門家は、ターゲット領域を識別するために、ターゲット定義モデルの1つ又は複数の部分を選択することができる。17セグメントモデルの例では、医療専門家は、セグメントをクリックすることによって(例えば、入出力デバイス203を使用して)セグメントを選択することができる。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、選択されたセグメントの色を変更し、又は他の方法で医療専門家に選択されたセグメントを示してもよい。
【0048】
さらに、いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、確率マップおよび/または対応する検査カテゴリマップ(例えば、検査カテゴリマップを生成するために使用される値)に基づいて、選択された部分が「起こりえない」または選択されそうにないかどうかを決定してもよい。例えば、ターゲット定義計算装置104は、選択された部分が起こり得ないかどうかを決定するために、検査カテゴリマップを生成するために決定された値に1つまたは複数の規則(例えば、アルゴリズム)を適用してもよい。規則を特定し特徴付けるデータは、例えば、データベース116に格納されてもよい。一例として、1つのルールは、閾値を下回る確率マップ内の割合に対応する選択された部分(例えば、セグメント)が「起こりえない」と指定することができる。別の例として、別のルールは、閾値を下回る確率マップに示される選択数に対応する選択された部分を「起こりえない」と指定することができる。ルールはこれらの例に限定されるものではなく、任意の適切なルールが採用されてもよい。
【0049】
いくつかの例では、1つ又は複数の訓練された機械学習モデルが患者のデータに適用され、選択された区分が起こり得ないかどうかを判断することができる。例えば、ニューラルネットワーク又は決定木に基づくものなどの機械学習モデルは、治療の可能性が高い領域を決定するために、過去の患者データで訓練されることがある。訓練された機械学習モデルは、特定の患者の治療歴データ(例えば、データベース116に格納された治療データ)及びその患者に対する選択された部分に適用されて、選択された部分を可能性が高い又はあり得ないものとして分類することができる。モデルは、医療用画像および電気診断検査(例えば、ECG、ECGI、旧カテーテルマップなど)のような幅広い診断データの選択に適用されてもよい。
【0050】
実行されたアプリケーションは、「起こりえない」と判断された選択されたセグメントについて、その選択の起こりえなさを示す警告を伴うメッセージを(例えば、ポップアップウィンドウを介して)生成する。医療専門家は、警告を検討し、ユーザインタフェースを介して入力を提供することにより、警告を解除することができる。
【0051】
[ターゲットアライメント]
ターゲット定義モデルに基づいて、ターゲット定義計算装置104は、対応する構造(例えば、臓器)の3次元(3D)モデルを生成することができる。例えば、ターゲット定義モデルが心臓の心室の2次元(2D)17セグメントモデルであると仮定すると、ターゲット定義計算装置104は、17セグメントモデルの3D表現を生成することができる。3Dモデルは、心臓の心室の基底部、中洞部、尖部、及び頂点領域を特定することができる。例えば、17セグメントモデルの3D表現は、左心室構造の表面メッシュの形状に基づくことがある。
【0052】
例えば、
図7Aは、右心室モデル704に隣接する2D心室モデル702を含む2D心臓モデル700を示している。図示されるように、2D心室モデル702は、17個のセグメントを含み、各セグメントは対応する数値により識別される。キー706は、各セグメントに関連する心室部分を特定する。
【0053】
図7Bは、2D心室モデル702の3D表現である3D心室モデル720を示す。3D心室モデル720は、心臓の心室の基底724、中腔726、尖部728、および頂点730領域を特定し、各部分は3Dモデル720の長軸722に沿った構造を含む。
【0054】
図7Cは、右心室モデル760に隣接する3D心室モデル720を含む3D心臓モデル750を示している。3D心室モデル720は、中腔面上端754から基底面上端752までの基底領域724、尖部面上端756から中腔面上端754までの中腔領域726、頂点730の上端から尖部面上端756までの尖部領域728を含む。さらに、3D心臓モデル750は、右心室モデル760と3D心室モデル720との境界を定義する隔壁輪郭762を含む。隔壁輪郭762に沿って、基底面上端752が右心室760に接触する最上点764が図示されている。
【0055】
ターゲット定義計算装置104は、2Dモデル702、3D心室モデル720、および3D心臓モデル750のうちの1つ以上を特定して特徴づけるモデルデータを生成し、そのデータをデータベース116に格納することができる。
【0056】
いくつかの例において、医療専門家は、2Dモデル702、3D心室モデル720、および3D心臓モデル750のいずれか1つを調整するために、ターゲット定義計算装置104に(例えば、入出力装置203を介して)入力を提供することができる。実行されたアプリケーションは、入力を受信し、本明細書で説明されるように、対応するモデルを調整することができる。
【0057】
例えば、
図8は、ドラッグポイント802、804を有する2D心臓モデル700を示す。医療専門家は、ドラッグポイント802を調整することによって、前室間溝803の位置を調整するためにターゲット定義計算装置104に入力を提供することができる。同様に、医療専門家は、ドラッグポイント804を調整することによって後室間溝805の位置を調整するためにターゲット定義計算装置104に入力を提供することができる。ドラッグポイント802、804は、2Dモデル702の外縁に沿ってスライドするように構成される。
【0058】
医療専門家は、3D心室720のような3Dモデルについて調整を行うことができる。例えば、
図9は、調整を可能にするドラッグポイント902、904、906、908、910を有する3D心室モデル720を図示している。医療専門家は、ドラッグポイント906を調整して、前室間溝956の位置を調整することができる。同様に、医療専門家は、ドラッグポイント908を調整して、後室間溝954の位置を調整することができる。このようにして、右心室760のような心室とのアライメントが可能となる。
【0059】
医療専門家は、ドラッグポイント902を調整することによって、3D心室モデル720の向きを調整することもできる。例えば、医療専門家がドラッグポイント902を右にドラッグすると、3D心室モデル720は右に(例えば、数度ずつ)「傾く」ことになる。医療専門家は、長軸722に沿ってドラッグポイント902を調整することによって、長さ980を調整することもできる。例えば、医療専門家は、ドラッグポイント902を上方にドラッグすることによって3D心室モデル720の伸長を引き起こすことができ、ドラッグポイント902を下方にドラッグすることによって3D心室モデル720の短縮を引き起こすことができる。いくつかの例では、長さ980への調整は、長さ980A、980B、980Cにおける等しい、又はほぼ等しい変化を引き起こす。
【0060】
ドラッグポイント904をドラッグすることにより、基底領域724を伸長させる(例えば、ドラッグポイント904を上方にドラッグすることにより)、または短縮させる(例えば、ドラッグポイント904を下方にドラッグすることにより)ことが可能である。例えば、ドラッグポイント904をドラッグすることにより、長さ980Aを変更させることができる。同様に、抗力点910をドラッグすることにより、頂点領域730を伸長させ又は短縮させ、長さ940を変化させることができる。
【0061】
図10Aおよび10Bは、選択されたターゲットセグメントに基づく切除ボリュームの生成を示す。例えば、
図10Aは、ターゲット定義モデルであり得る2Dセグメントモデル1002Aを示す。
図10Bは、対応する3Dセグメントモデル1002Bを示す。2Dセグメントモデル1002Aは、人工内面1010Aから測定された特定の壁厚1006A(例えば、10ミリメートル)を有する左心室1008を図示する。内側表面は、中心点1004Aを囲んでいる。さらに、
図10Aは、医療専門家が選択した可能性のある、選択されたセグメント1012A(例えば、心室の17セグメントモデルのセグメント9)を示す。
【0062】
3Dセグメントモデル1002Bは、人工内面1010Bから測定された壁厚1006Bを有する左心室1008Bを含む。人工内面1010Bは、側線1004Bを囲んでいる。側線1004Bは、中心点1004Aに対応する。
図10Bはまた、選択されたセグメント1012Aに対応する切除ボリューム1012Bを示している。
【0063】
したがって、医療専門家がセグメント1012Aを選択した場合、ターゲット定義計算装置104は、3Dセグメントモデル1002Bの切除ボリューム1012Bを自動的に生成し、3Dセグメントモデル1002Bを表示することができる。
【0064】
図1に戻り、ターゲット定義計算装置104は、患者の画像データ103を取得することができる。画像データ103は、患者のスキャンされた構造の画像を含む。例えば、画像データ103は、患者のスキャンされた構造の3Dボリュームを含んでもよい。スキャンされた構造は、3D表現モデルによって特定される臓器又はその一部に対応していてもよい。ターゲット定義計算装置104は、対応する構造の3Dモデルを、スキャンされた構造の画像にマッピングしてもよい。例えば、ターゲット定義計算装置104は、画像のスキャンされた構造に対する3Dモデルの初期アライメントを決定することができる。初期アライメントを決定するために、ターゲット定義計算装置104は、アライメントアルゴリズムを実行してもよい。例えば、以下は、左心室の解剖学的構造を有する17セグメントモデルの初期アライメントを以下に基づき説明する。
【0065】
まず、アップロードした左心室と右心室を人為的に拡張して表面の交点を検出することで、左心室表面の心室間中隔の輪郭を特定する。左心室の幾何学的形状と中隔面の向きに基づいて長軸を決定する。次に、以下のステップに基づき、基底面、中洞面、頂部断面面を特定する。基底面の頂部は、長軸に垂直な中隔の外形の最も上方に位置する点に対応して配置される。頂面セグメントは、長軸に沿った既定の厚み(例えば、10mm)を有する心室の極端な先端に配置される。頂面、中腔面及び基底面は、長軸に沿って一様に分布している。さらに、セグメントは、以下のステップに基づいて位置決めされる。中隔セグメントの位置は、前室間溝と後室間溝によって決定される。中隔の輪郭の最も前と最も下にある点に対応して特定される。次に、他の基底部と中洞部のセグメントは、それぞれ基底部と中洞部のセクションで、心室壁全体に均一に分布している。先端部には、90度ずつの4つのセグメントが配置されている。これらは、尖部隔壁セグメントが基底、中後方外側、および前方外側セグメントと中心に整列されるように、配置される。
【0066】
ターゲット定義計算装置104は、その後、決定されたアライメントに従って3Dモデルを画像に重ね合わせ、3D構造画像を生成することができる。実行されたアプリケーションは、3D構造画像(例えば、3Dモデルと重畳されたスキャンされた構造の画像)の表示のために提供することができる。
【0067】
マッピングされると、実行されたアプリケーションは、医療専門家が、本明細書で説明するように、画像に対する3Dモデルのアライメント及び/又は向きを調整することを可能にする。例えば、ターゲット定義計算装置104は、3Dモデルに沿った長軸を決定してもよく、3Dモデル上の治療のターゲット領域の境界をさらに決定してもよい。実行されたアプリケーションは、3Dモデルに沿った1つまたは複数の「ドラッグポイント」を含むことができ、医療専門家は、各ポイントを新しい場所にドラッグし(例えば、入出力デバイス203を使用して)、それによって画像内の構造に関して3Dモデルの部分を調整することができる。また、医療専門家は、長軸を新しい位置にドラッグして、画像内の構造物に対する3Dモデルの向きを変更することもできる。
【0068】
いくつかの例では、3Dモデルは、医療専門家が患者の治療のターゲット領域(例えば、アブレーション領域)を定義するために操作できるターゲット領域マップを含む。当初、ターゲット領域マップは、ターゲット定義モデル(例えば、ターゲット領域マップ)の選択された部分(例えば、セグメント)に対応する、3Dモデルによって定義される画像部分に対応する。例えば、医療専門家が切除のために17セグメントモデルのセグメント17及び16を選択した場合、ターゲット定義計算装置104は、3Dモデルによって定義されるように対応するセグメントを決定する。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、ターゲット領域マップを明瞭な色で表示する。更に、決定された3D部分内に入る、画像内のスキャンされた構造のそれらの部分は、明瞭化される色(例えば、赤)で表示されてもよい。医療専門家は、ターゲット領域マップを調整するためにドラッグポイントを調整してもよい。例えば、医療専門家は、3Dモデルのターゲット領域マップの輪郭を定義するために、1つ以上のドラッグポイントを調整することができる。
【0069】
いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、各医療専門家の調整が1つまたは複数の所定の規則に違反しているかどうかを決定する。調整が規則に違反する場合、実行されたアプリケーションは、警告を伴うポップアップメッセージを表示することができる。規則は、例えば、現在のアライメントが初期アライメントから閾値以上の量、例えば閾値以上の割合で外れているかどうかを判定することを含んでもよい。医療専門家は、警告を閲覧して対処してもよいし、警告を却下してもよい。ルールの適用は、各調整の「正常さチェック」として機能する。
【0070】
いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、医療専門家が、3D構造画像と関連して表示され得る1つ以上の他の臓器を選択することを可能にする。例えば、実行されたアプリケーションは、医療専門家が、心臓の心室の3D構造画像に隣接する食道又は肺の表示について選択することを可能にし得る。他の臓器の表示は、その臓器の3Dモデルの表示を含んでもよい。いくつかの例では、その表示は、患者の対応する臓器のスキャン画像を含む。これらの特徴は、アライメントの際に医療専門家を支援し、提案された治療によって他の臓器がどのように影響を受けるか(例えば、アブレーション領域によって特定されるように)を説明することができる。
【0071】
いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、3D構造画像全体のパンニングおよびズームを可能にする。いくつかの例では、実行されたアプリケーションは、3D構造画像)の特定の視点のための事前に構成された選択(例えば、プリセット)を含む。これらの事前構成された選択は、医療専門家により設定可能なものでであってもよい。
【0072】
医療専門家がアライメントを完了すると、医療専門家は、実行されたアプリケーションに(例えば、入出力デバイス203を介して)、3D構造画像をデータベース116などのデータリポジトリに保存するための入力を提供し得る。いくつかの例では、ターゲット定義計算装置104は、識別されたアブレーション領域に基づいて患者に治療を提供するために、3D構造画像を治療計画計算装置106に送信する。
【0073】
図3は、
図1の心臓放射線切除診断及び治療システムの例示的な部分を示す。この例では、ターゲット定義計算装置104は、検査定義生成エンジン302、ターゲット選択エンジン304、及びアライメント決定エンジン306を含む。いくつかの例では、検査定義生成エンジン302、ターゲット選択エンジン304、およびアライメント決定エンジン306のうちの1つまたは複数は、ハードウェアで実装されてもよい。いくつかの例では、検査定義生成エンジン302、ターゲット選択エンジン304、およびアラインメント決定エンジン306の1つ又は複数は、
図2のプロセッサ201のような1つ又は複数のプロセッサによって実行されてもよく、
図2の命令メモリ207のような、有形の非一過性メモリに記憶される実行可能プログラムであってもよい。
【0074】
この例では、各ターゲット定義計算装置104は、検査定義生成エンジン302、ターゲット選択エンジン304、およびアライメント決定エンジン306を含み、ユーザ入力301を受信することができる。例えば、医療専門家は、入出力デバイス203またはディスプレイ206のタッチスクリーンを介して、ユーザ入力301を提供してもよい。ユーザ入力301は、実行されたアプリケーションによって提供されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)内で受信されてもよい。検査定義生成エンジン302、ターゲット選択エンジン304、およびアライメント決定エンジン306の各々は、GUI(例えば、ユーザ入力301)からデータを受信することができ、表示のためのデータなどのデータをGUIに提供することができる。
【0075】
検査定義生成エンジン302は、ユーザ入力301に基づいて検査データ記録を特定する検査定義データ303を生成することができる。検査データ記録は、本明細書で説明するように、検査タイプ、検査カテゴリ、検査ローカライゼーション、および対話型モデルの任意の選択部分(例えば、セグメント)を特定することができる。検査データ記録はまた、本明細書に記載されるように、検査データ記録の名前、検査データ記録の日付、および医療専門家によって提供された任意の備考を特定することができる。検査定義生成エンジン302は、検査定義データ303をターゲット選択エンジン304に提供する。いくつかの例では、検査定義生成エンジン302は、検査定義データ303をデータベース116に格納する。
【0076】
ターゲット選択エンジン304は、治療のためのターゲット領域を特定するための動作を実行することができる。例えば、ターゲット選択エンジン304は、表示のために1つ又は複数の検査カテゴリマップを生成してもよく、各検査カテゴリマップ(例えば、「ヒートマップ」)は、検査カテゴリに対応する。各検査カテゴリマップは、心臓の心室の17セグメントモデルなど、患者の臓器の1つ又は複数の部分を特定することができる。さらに、ターゲット選択エンジン304は、表示のために確率マップを生成してもよく、これは、いくつかの例では、検査カテゴリマップと同じ形態であってもよい。確率マップは、本明細書で説明するように、検査カテゴリマップによって識別された臓器の部分に基づいて、臓器の各部分に対する治療の確率を(例えば、異なる色を使用して)示すことができる。例えば、ターゲット選択エンジン304は、データベース116から対応する患者の患者データ310を取得することができる。患者データ310は、その患者が受けた以前の検査、およびその治療に対応する任意の検査データ記録を特定することができる。患者データ310に基づいて、ターゲット選択エンジン304は、本明細書で説明するように、患者に対する治療がどの程度可能であるかを決定することができる。
【0077】
ターゲット選択エンジン304は、医療専門家が治療のためのターゲット領域(例えば、アブレーション領域)を特定できるように、心臓の心室の17セグメントモデルなどのターゲット定義モデルを、表示用にさらに生成してもよい。医療専門家は、ターゲット領域を特定するためにターゲット定義モデルの1つ又は複数の部分を選択するためにユーザ入力301を提供することができる。いくつかの例では、ターゲット選択エンジン304は、本明細書で説明するように、選択が「ありそうもない」か否かを判断し、選択がありそうもないと判断された場合に、選択に関する警告(例えば、ポップアップウィンドウを介して)の表示を行う。ターゲット選択エンジン304は、ターゲット定義モデルの選択部分を特定する選択ターゲットデータ305を生成し、選択ターゲットデータ305をアライメント判定エンジン306に提供する。
【0078】
アライメント決定エンジン306は、臓器又はターゲット定義モデルに対応する臓器の部分の3Dモデルを生成し、表示のために提供する動作を実行することができる。さらに、アライメント決定エンジン306は、患者の心室の3D画像などの対応するスキャン構造を特定する、患者の画像データ103を取得してもよい。アライメント決定エンジン306は、3Dモデルに対する画像のアライメントを決定してもよく、決定されたアライメントに従って3Dモデルを画像に重ね合わせ、3D構造画像を生成してもよい。その後、アライメント決定エンジン306は、ディスプレイ206に表示されるような、表示用の3D構造画像を提供してもよい。
【0079】
さらに、アライメント決定エンジン306は、3D構造画像への調整を特定し特徴付けるユーザ入力301を受信してもよい。ユーザ入力301に応答して、アライメント決定エンジン306は、それに応じて3D構造画像を調整することができる。例えば、アライメント決定エンジン306は、画像に対する3Dモデルのアライメントを改良してもよいし、ドラッグポイントを調整して治療のターゲット領域を特定するターゲット領域マップを定義してもよい。アライメント決定エンジン306は、ターゲット領域マップを含む3D構造画像を特定し特徴付けるターゲット定義データ307を生成してもよく、ターゲット定義データ307をデータベース116に格納してもよい。
【0080】
いくつかの例では、アライメント決定エンジン306は、各医療専門家の調整が1つ又は複数の所定の規則に違反しているかどうかを決定する。調整が規則に違反する場合、アライメント決定エンジン306は、警告を伴うポップアップメッセージの表示を行うことができる。いくつかの例では、アライメント決定エンジン306は、3D構造画像と組み合わせて表示され得る1つ又は複数の他の臓器の選択を特定する1つ又は複数のユーザ入力301を受け取る。これに応答して、アライメント決定エンジン306は、そのような臓器の3Dモデルの表示を行う。いくつかの例では、アライメント決定エンジン306は、患者の対応する臓器の画像データ103の表示を行う。
【0081】
いくつかの例では、アライメント決定エンジン306は、パンまたはズーム動作を特定する1つ又は複数のユーザ入力301を受信する。これに応答して、アライメント決定エンジン306は、3D構造画像を横切ってパンまたはズームすることができる。いくつかの例では、アライメント決定エンジン306は、3D構造画像の特定の視点のために事前に構成された選択を特定する1つまたは複数のユーザ入力301を受信する。アライメント決定エンジン306は、選択された特定の視点に応じて3D構造画像を調整し、調整された3D構造画像の表示を行ってもよい。
【0082】
図4Aは、EPなどの医療専門家が治療(例えば、アブレーション)のためのターゲット領域を定義することを可能にするGUI400の第1の部分402を示す。GUI400は、ターゲット定義計算装置104によって実行されるアプリケーションによって生成されてもよく、医療専門家に対してディスプレイ206などのディスプレイに表示されてもよい。
【0083】
GUI400は、検査データレコードの生成し、治療のためのターゲット領域の特定し、ターゲット領域を患者の臓器の画像にアライメントを行い、治療のためのターゲット領域を定義するための多くのステップを容易にする。これらのステップは、検査アイコン406、ターゲット選択アイコン408、及びアライメントアイコン410によって表され、これらの各々は、ターゲット定義アイコン404の下に図示される。検査アイコン406、ターゲット選択アイコン408、及びアライメントアイコン410のうちの1つを選択することにより、そのステップに対応するGUI400の一部がユーザに提示されてもよい。
【0084】
ターゲット定義を開始するために、第1の部分402は、選択された場合に新しい検査データ記録の生成を可能にする、検査アイコン401を含む。ページ402はまた、選択された場合には、対応する検査データ記録に基づいてレポートを生成するレポートアイコン411を含む。レポートは、検査データ記録、任意の選択されたターゲット領域(例えば、セグメント)、患者のスキャンされた画像(例えば、撮影装置102によってスキャンされた)、および患者の臓器の画像に対する選択されたターゲット領域のアライメントを特定し特徴づけるデータを含んでもよい。
【0085】
図4Bは、医療専門家が
図4Aの追加検査アイコン401を選択したときに表示され得るGUI400の第2の部分420を示す。例えば、第2の部分420は、医療専門家が追加検査アイコン401をクリックしたときに表示されるポップアップウィンドウであってもよい。第2の部分420は、検査タイプドロップダウンメニュー424、検査カテゴリドロップダウンメニュー428、および検査ローカライゼーションドロップダウンメニュー430を含む。
【0086】
検査タイプドロップダウンメニュー424は、医療専門家が検査タイプ記録のための検査タイプを選択することを可能にする。例えば、
図4Bに図示されるように、検査タイプドロップダウンメニュー424は、医療専門家がCT、カテーテルマッピング、ECG、ECGI、およびMRIなどの複数の検査タイプ(例えば、イメージングタイプ)から選択することを可能とすることができる。
【0087】
医療専門家が検査タイプを選択すると、GUI400は、選択された検査タイプに基づいて1つまたは複数の検査カテゴリを自動的に決定する。各検査カテゴリは、特定の検査タイプのための特徴(または、検査ローカライゼーション)のリストを特定することができる。医療専門家は、検査カテゴリドロップダウンメニュー426を使用して利用可能な、利用可能な検査カテゴリを表示することができる。例えば、そして
図4Dに示されるように、医療専門家は、検査タイプが「ECG」である場合に、「電気」の検査カテゴリを選択することができる。
【0088】
検査カテゴリが選択されると、GUI400は、選択された検査カテゴリおよび/または選択された検査タイプに基づいて、1つまたは複数の検査ローカライゼーションを自動的に決定する。検査ローカライゼーションは、心臓の1つまたは複数のセグメントなど、治療されるべき患者の臓器の一般的なターゲット領域を特定することができる。例えば、
図4Dに示されるように、検査ローカライゼーションドロップダウンメニュー430で、選択された検査タイプが「ECG」であり、選択された検査カテゴリが「電気」である場合に、医療専門家が、「VT出口サイト」、「VT入口サイト」、「VT入口と出口サイト」という検査ローカライゼーションを選択することができる。
【0089】
図4B、
図4C、および
図4Dに戻り、第2の部分420はまた、医療専門家が検査記録のための名前を提供することを可能にする検査名テキストボックス426、日付(例えば、現在の日付)の選択を可能にする検査日付選択ボックス432、および医療専門家が備考(例えば、治療注記、リマインダー、他の医療専門家への注記など)を入力することを可能にする備考テキストボックス434を含む。
【0090】
さらに、第2の部分420は、対話型モデル422を含む。対話型モデル422は、この例では、心臓の心室のセグメントを表す17セグメントモデルである。医療専門家は、治療のための領域となり得る対話型モデル422の1つまたは複数の部分を選択することができる。例えば、
図4Eに示されるように、医療専門家は、第1のセグメント423A(例えば、セグメント11)、第2のセグメント423B(例えば、セグメント16)、および第3のセグメント423C(例えば、セグメント15)を選択することができる。さらに、いくつかの例では、カーソル489がセグメント(例えば、セグメント4)上に置かれると、GUI400は、セグメントの名前を(例えば、ポップアップウィンドウを介して)表示する。この例では、対話型モデル422のセグメント4上にカーソル489が現れ、これに応答してGUI400は、セグメント4を心臓の心室の「基底下」部分として特定するネームボックス425を表示する。
【0091】
検査データ記録を作成するために、医療専門家は追加アイコン490でクリックすることができる。これに応答して、104は、GUI400に提供された情報を特定し特徴付けるデータを生成し、生成されたデータをデータベース116内などのデータリポジトリに保存する。医療専門家がやり直しを行い、検査データ記録を保存しないことを望む場合、医療専門家は、キャンセルアイコン492でクリックしてもよい。その結果、提供されたいずれの入力も消去され、いくつかの例では、
図4Aに示されるように第1の部分402が表示される。
【0092】
図4Fを参照すると、GUI400は、生成された検査データ記録の要約を表示する第3の部分478を含んでもよい。例えば、GUI400は、
図4Eの追加アイコン490を医療専門家がクリックすることに応答して、部分478を表示することができる。いくつかの例では、GUI400は、医療専門家が
図4Aの検査アイコン406をクリックすることに応答して部分478を表示する。
【0093】
第3の部分478は、生成された各検査データレコードに対する検査カテゴリ480A、検査名480B、選択セグメント480C、取得日480D、および備考480Eの表示領域を含む。検査カテゴリ480Aは、生成された各検査データレコードに対して選択された検査カテゴリ428に対応する。同様に、検査名480B、取得日480D、および注記480Eは、各検査データレコードに対する検査名426、検査日432、および備考434に対応する。
【0094】
この例では、第1の検査概要495Aおよび第2の検査概要495Bを含む2つの概要が図示されている。第1の検査概要495Aは、選択されたセグメント11、15、および16を示す、対応する対話型モデル491に加えて、「構造」の検査カテゴリ480Aを含んでいる。第2の検査概要495Bは、選択されたセグメント10および15を示す対話型モデル4912に対応することに加えて、「電気」の検査カテゴリ480Aを含んでいる。いくつかの例では、カーソル489が対話型モデルの対応する部分の上に置かれると、GUI400はセグメントの名前を(例えば、ポップアップウィンドウを介して)表示する。この例では、カーソル489が対話型モデル492のセグメント10上に現れ、これに応答してGUI400は、セグメント0を心臓の心室の「中下位」部分として特定するネームボックス493を表示する。
【0095】
図5Aは、GUI400のターゲット選択部501を示す。例えば、
図4A~
図4Fに関して上述したように、検査データレコードが生成されると、GUI400は、医療専門家に対してターゲット選択部501を表示してもよい。いくつかの例では、GUI400は、医療専門家が
図4Aのターゲット選択アイコン408をクリックすることに応答してターゲット選択部501を表示する。
【0096】
この例では、ターゲット選択部501は、「電気」という検査カテゴリ428に基づく第1の検査カテゴリマップ510と、「構造」という検査カテゴリ428に基づく第2の検査カテゴリマップ520を表示する。本明細書に記載されているように、各検査カテゴリマップ510、520は、心臓の心室の17セグメントモデルなどの、患者の臓器の1つまたは複数の部分を特定することができる。さらに、各検査カテゴリマップ510、520は、対応する検査カテゴリに対応する患者について以前に実施された検査の表示を提供する。さらに、各検査カテゴリマップ510、520は、それぞれ対応する棒グラフ512、522と共に表示される。さらに、各検査カテゴリマップ510、520は、それぞれ対応する棒グラフ512、522と共に表示される。各棒グラフ512、522は、本明細書に記載されるように、各検査カテゴリについて決定された治療量範囲を示し、各検査カテゴリマップ510、520のセグメント内で使用されるそれらの対応するハッチングを示す。
【0097】
ターゲット選択部502は、検査カテゴリマップ510、520によって識別される臓器のそれらの部分に基づいて、患者の臓器(この例では、患者の心臓)の1つまたは複数の部分に対する治療の確率を示す確率マップ502も含む。確率マップ502は、本明細書で説明されるように、治療セグメント確率範囲を示す、対応する棒グラフ506と、確率マップ502のセグメント内で使用される、それらの対応するハッチングと共に表示される。
【0098】
さらに、ターゲット選択部502は、この実施形態では、心臓の心室の17セグメントモデルの形態であるターゲット定義マップ530を含む。ターゲット定義マップ530は、医療専門家が治療のためのターゲット領域を特定することを可能にする。例えば、医療専門家は、ターゲット領域532を特定するために、ターゲット定義マップ530のセグメントを選択してもよい(例えば、カーソル489を操作するために入出力装置203を使用する)。この例では、ターゲット領域532は、ターゲット定義マップ530のセグメント17を含んでいる。
【0099】
図5Bは
図5Aと同様であるが、医療専門家は、ターゲット領域542を特定するためにターゲット定義マップ530のセグメント16を選択してもよい。医療専門家がターゲット定義マップ530の一部を選択することによってターゲット領域532、542を特定すると、医療専門家は、「次へ」アイコン545でクリックして次のステップに進むことができる。
【0100】
図6Aは、スキャン画像604上に重畳された3Dセグメントモデル606を含む3D構造画像602を表示するGUI400のアライメント部分601を示している。3Dセグメントモデル606は、例えば心臓の心室の3Dセグメントモデルであってもよい。スキャン画像604は、患者のスキャンされた構造の3Dボリュームなどの、画像スキャン装置102によってスキャンされた画像であってもよい。3D構造画像602はまた、患者に対する治療のためのターゲット領域を定義するターゲット領域マップ648を含む。ターゲット領域マップ648は、少なくとも最初(例えばEPによる調整前)に、ターゲット定義マップ530のターゲット領域532、542など、ターゲット定義マップの1つ以上の選択されたターゲット領域に対応していてもよい。いくつかの例では、ターゲット領域マップ648は明示的な色で表示される。いくつかの例では、ターゲット領域マップ648を表示するために、明示的なハッチングが使用され、またはEPがターゲット領域マップ648の輪郭を容易に決定することを可能にする任意の他の好適な機構が使用される。さらに、表示されるように、縦軸650は、3D構造画像602の頂部608を通っている。
【0101】
アライメント部601は、いくつかの例では、参照キャラクタ680を表示してもよい。参照キャラクタ680は、3D構造画像602の方向に従った視点から表示される。例えば、3D構造画像602の向きが、対応する臓器が患者の中に位置するように頭上から表示されるような場合、参照キャラクタ680は頭上から表示される。これにより、EPは、どのような視点および/または向きから3D構造画像602が現在表示されているかを容易に判断することができる。
【0102】
いくつかの例では、アライメント部601は、値の入力を可能にするテキスト入力ボックス640を含んでもよい。この例では、入力される値は、心筋厚(例えば、左心室心筋厚)である。心筋厚は、以下で説明するように、全ての識別されたターゲットセグメントが投影される内心室心筋表面を再構成するために使用され得る。例えば、ターゲット定義計算装置104は、選択されたセグメント及び基礎となる投影によって境界付けられた全ての領域を組み合わせることによって、最終的な3Dターゲットボリュームを生成するためのアルゴリズムを実行することができる。ユーザ(例えば、EP)が心筋厚を編集していない場合、10mmのようなデフォルト値が使用される。例えば、ターゲット定義計算装置104は、ここで説明するように、選択されたセグメントに基づいて3Dターゲットボリュームを生成することができる。例えば、心臓の例では、ターゲット定義計算装置104は、選択されたセグメント(例えば、心外膜壁の一部であってもよい)を取り、壁厚定義に基づく深さを有する左心室の中心に向かってボリュームを押し出してもよい。
【0103】
いくつかの例では、アライメント部601は、3D構造画像602の調整を可能にする1つまたは複数の調整アイコン655を含む。例えば、調整アイコン655によって、ズームイン、ズームアウト、パンニング、および回転の機能を可能にすることができる。
【0104】
図6Bを参照すると、アライメント部601は、EPが3D構造画像602に調整を加えることを可能にするドラッグポイント670A、670Bなどの1つまたは複数のドラッグポイントを表示してもよい。例えば、EPは、ドラッグポイント670Aを新しい位置にドラッグすることによって、縦軸650を調整することができる。これに応答して、GUI400は、3Dセグメントモデル606に対するスキャン画像604の向きを調整する。同様に、EPは、ドラッグポイント670Bを新しい位置にドラッグすることによって、ターゲット領域マップ648を調整することができる。
【0105】
いくつかの例では、GUI400は、ドラッグポイントの作成または削除を可能にする。例えば、EPはドラッグポイント670Bのようなドラッグポイントで右クリックして、ドラッグポイントを削除するために「削除」オプションを選択してもよい。同様に、EPは、3Dセグメントモデル606の一部を右クリックし、ドラッグポイントを追加するための「追加」オプションを選択してもよい。
【0106】
図6Cは、EPが3D構造画像602を縦軸650の周りに時計回りに回転させる入力を提供した後の3D構造画像602を示す。この例では、ドラッグポイント670Cは、EPが3D構造画像602の前室間溝686を調整することを可能にしてもよい。
【0107】
調整アイコン655は、EPがスキャン画像604によって特定された臓器に隣接する臓器などの、追加の臓器の画像を表示することを可能にしてもよい。例えば、そして
図6Dを参照すると、EPは調整アイコン655を選択して器官選択ボックス675を表示することができ、これによりEPは表示する1つまたは複数の臓器から選択することができる。
【0108】
例えば、EPが「肺」(例えば、右肺の場合は「肺_R_P」、左肺の場合は「肺_L_P」)及び「食道」を選択したと仮定すると、GUI400は、
図6Eに示されるように、第1の臓器685(例えば肺)及び第2の臓器687(例えば食道)のレンダリング(例えば3Dレンダリング)を表示してもよい。レンダリングは、例えば、データベース116に予め記憶された3Dモデルであってもよい。他の例では、レンダリングは、患者の対応する構造のスキャン画像である。
【0109】
図11は、例えば、ターゲット定義計算装置104によって実施され得る例示的な方法1100のフローチャートである。ステップ1102で始まり、第1の入力が受信される。第1の入力は選択された検査の種類を特定する。例えば、EPは、入出力デバイス203を使用して、ディスプレイ206上にGUI400などのGUIを表示する実行アプリケーションに入力を提供することができる。EPは、GUI400の部分420内に表示された検査タイプ424を選択することができる。
【0110】
ステップ1104において、複数の検査カテゴリが表示のために提供される。複数のカテゴリは、選択された検査タイプに基づき決定される。例えば、GUI400は、複数の検査カテゴリを検査カテゴリドロップダウンメニュー428内に表示してもよい。ステップ1106に進み、第2の入力が受信される。第2の入力は、複数の検査カテゴリのうち選択された検査カテゴリを特定する。例えば、EPは、検査カテゴリドロップダウンメニュー428内に表示される複数の検査カテゴリのうちの1つを選択することができる。
【0111】
ステップ1108において、複数の検査ローカライゼーションが、表示のために提供される。複数の検査ローカライゼーションは、選択された検査カテゴリに基づいて決定される。たとえば、GUI400は、複数の検査ローカライゼーションを検査ローカライゼーションドロップダウンメニュー430内に表示してもよい。ステップ1110において、第3の入力が受信される。第3の入力は、複数の検査ローカライゼーションのうち、選択された検査ローカライゼーションを特定する。例えば、EPは、検査ローカライゼーションドロップダウンメニュー430内に表示される複数の検査ローカライゼーションのうちの1つを選択することができる。
【0112】
ステップ1112に進み、選択された検査タイプ、選択された検査カテゴリ、および選択された検査ローカライゼーションは、データリポジトリに格納される。例えば、104は、選択された検査カテゴリ、および選択された検査ローカライゼーションを特定する検査データレコードを生成し、検査データレコードをデータベース116に格納することができる。その後、本方法は終了する。
【0113】
図12は、例えば、ターゲット定義計算装置104によって実行され得る例示的な方法1200のフローチャートである。ステップ1202で始まり、患者に対する検査データ記録が取得される。検査データ記録は、患者に対して実施された複数の検査を特定する。例えば、ターゲット定義計算装置104は、患者についてのデータベース116から検査定義データ303を取得し得る。ステップ1204において、複数の検査の各々について、検査カテゴリが決定される。例えば、複数の検査の各々は、「電気」または「構造」などの検査カテゴリに関連付けられることがある。ステップ1206において、各異なるカテゴリに対する検査の数が決定される。さらに、ステップ1208において、複数の検査の各々についての治療ターゲット領域が決定される。例えば、複数の検査の各々は、治療のターゲットとなる、1つまたは複数のセグメントに関連付けられることがある。
【0114】
ステップ1210に進むと、対応する検査および治療ターゲット領域の数に基づいて、各検査カテゴリについて第1のマップが生成される。例えば、ターゲット定義計算装置104は、各検査カテゴリに対して、患者の臓器の複数のセグメントのそれぞれを治療する検査の対応する数の割合を決定してもよい。例えば、第1のマップの各々は、検査カテゴリマップ510、520であってもよい。
【0115】
ステップ1212において、第2のマップが生成される。第2のマップは、第1のマップと、対応する治療ターゲット領域とに基づいて生成される。例えば、第2のマップは、第1のマップにおいて特定されたそれらの部分に基づいて、患者の臓器の1つまたは複数の部分に対する検査の確率を示すことができる。第2のマップは、例えば、検査カテゴリマップ510、520によって特定された臓器のそれらの部分に基づいて、患者の臓器の1つ又は複数の部分に対する治療の確率を示す確率マップ502であってもよい。
【0116】
ステップ1214において、第1のマップおよび第2のマップは、表示のために提供される。例えば、第1のマップおよび第2のマップは、GUI400のターゲット選択部分501内に表示され得る。その後、本方法は終了する。
【0117】
図13Aは、例えばターゲット定義計算装置104によって実行され得る例示的な方法1300のフローチャートである。ステップ1302において、第1のデータが受信される。第1のデータは、患者の臓器の治療ターゲット領域を特定する。例えば、ターゲット定義計算装置104は、EPがターゲット領域532を特定するために選択したターゲット定義マップ530のセグメントに基づいて治療ターゲット領域を決定し得る。ステップ1304において、患者の臓器の画像が取得される。例えば、ターゲット定義計算装置104は、画像スキャン装置102によってスキャンされた患者の臓器の、3Dボリュームの画像などの画像を取得してもよい。
【0118】
ステップ1306に進み、患者の臓器のタイプの第1のデジタルモデルが生成される。例えば、ターゲット定義計算装置104は、患者の臓器の3D心室モデル720又は3Dセグメントモデル1002Bなどの3Dモデルを生成することができる。ステップ1308において、患者の臓器の画像と第1のデジタルモデルのアライメントが決定される。さらにまた、ステップ1310において、第2のデジタルモデルが生成される。第2のデジタルモデルは、患者の臓器の画像及び第1のデジタルモデルの少なくとも一部を含んでいる。例えば、ターゲット定義計算装置104は、3Dセグメントモデル606をスキャン画像604に重ね合わせて3D構造画像602を生成することができる。ステップ1312において、第2のデジタルモデルは、表示のために提供される。例えば、ターゲット定義計算装置104は、EPに対して第2のデジタルモデルを表示してもよい。その後、本方法は終了する。
【0119】
図13Bは、例えば、ターゲット定義計算装置104によって実行され得る例示的な方法1350のフローチャートである。ステップ1352で始まり、デジタルモデルが表示用に提供される。デジタルモデルは、患者の臓器の画像の一部と、臓器のタイプの第2のデジタルモデルとから構成される。例えば、デジタルモデルは、
図13Aの方法1300に従って生成されてもよい。ステップ1354では、入力が受信される。この入力は、デジタルモデルに対するアライメント調整を特定する。例えば、104は、本明細書で説明するように、1つまたは複数のドラッグポイント670をドラッグすることによって3D構造画像602に調整を加えるために、入出力デバイス203を使用してEPからの入力を受け取ってもよい。
【0120】
ステップ1356に進み、入力に基づいてデジタルモデルに対する調整が決定される。例えば、この調整は、第2のデジタルモデルに関して患者の臓器の画像の向きの変更であってもよい。例えば、EPは、縦軸650を移動させるために1つまたは複数のドラッグポイント670をドラッグすることによって、向きを調整することができる。いくつかの例では、調整はデジタルモデルのターゲット領域マップに対する変更であってもよい。例えば、調整は3D構造画像602のターゲット領域マップ648に対するものであってもよい。
【0121】
ステップ1358で、決定された調整に基づいてデジタルモデルsisが再生成される。さらに、ステップ1360で、再生成されたデジタルモデルが表示用に提供される。いくつかの例では、104は、再生成されたデジタルモデルを、患者を治療するための放射線切除治療システム126に送信する。そして、本方法は終了する。
【0122】
いくつかの例では、システムは計算装置を含む。計算装置は、患者の臓器を特定する第1の入力を受け取り、臓器のスキャン画像を受け取るように構成される。また、計算装置は、臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成するように構成されている。さらに、計算装置は、第1のデジタルモデルに対するスキャン画像のアライメントを決定するように構成されている。また、計算装置は、少なくともスキャン画像の一部と第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成するように構成される。計算装置は、さらに、第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するように構成される。いくつかの例では、第1の入力を受け取ることは、表示されたターゲット定義マップの一部を選択することに応答する。いくつかの例では、臓器は心臓である。いくつかの例では、計算装置は、表示用に第2のデジタルモデルを提供するように構成される。
【0123】
いくつかの例では、計算装置は、第1のデジタルモデルに対するスキャン画像のアライメントに対する調整を特定する第2の入力を受信するように構成される。計算装置はまた、第2の入力に基づいて第2のデジタルモデルを調整するように構成される。計算装置は、調整された第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するように更に構成される。
【0124】
いくつかの例では、計算装置は、臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受信するように構成される。また、計算装置は、臓器の治療ターゲット領域に基づき第2のデジタルモデルの対応する部分を決定するように構成される。さらに、計算装置は、対応する部分を特定するために第2のデジタルモデルを再生成するように構成される。いくつかの例では、第2のデジタルモデルを再生成することは、対応する部分を表示用の明示的な特徴に関連付けることを含む。いくつかの例では、計算装置は、臓器の治療ターゲット領域を特定する治療データを放射線切除治療システムに送信するようにさらに構成される。
【0125】
いくつかの例では、計算装置は、患者の検査データ記録を取得するように構成され、各検査データ記録は、複数の検査タイプのうちの1つと、患者に対して行われる検査のための複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを識別する。また、計算装置は、検査データ記録に基づいて患者に実施される複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定するように構成される。さらに、計算装置は、複数の検査タイプそれぞれに対して、複数の検査ターゲット領域それぞれにおいて患者に対して実施される検査の第2の数を決定するように構成されている。また、計算装置は、対応する第1の数および第2の数に基づいて、複数の検査タイプそれぞれについて第1のマップを生成するように構成される。計算装置は、第1のマップをデータリポジトリに保存するようにさらに構成される。いくつかの例では、各第1のマップは、複数の検査ターゲット領域それぞれにおける対応する検査タイプの頻度を示す。いくつかの例では、計算装置は、第1の番号および第2の番号に基づいて第2のマップを生成し、第2のマップは、複数の検査ターゲット領域それぞれに対する治療の確率を示し、第2のマップをデータリポジトリに記憶するようにさらに構成される。
【0126】
いくつかの例では、コンピュータで実行される方法は、患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、および前記臓器のスキャン画像を受け取ることを含む。本方法はまた、臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成することを含む。さらに、本方法は、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定することを含む。本方法はまた、少なくとも前記スキャン画像の一部と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成することを含む。本方法は、前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存することをさらに含む。いくつかの例では、前記第1の入力を受け取ることは、表示されたターゲット定義マップの一部の選択に応じて行われる。いくつかの例では、臓器は心臓である。いくつかの例では、本方法は、表示用に第2のデジタルモデルを提供することを含む。
【0127】
いくつかの例では、本方法は、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取ることを含む。本方法はまた、第2の入力に基づいて第2のデジタルモデルを調整することを含む。本方法は、前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存することをさらに含む。
【0128】
いくつかの例では、本方法は、前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取ることを含む。本方法はまた、前記臓器の治療ターゲット領域に基づいて第2のデジタルモデルの対応する部分を決定することを含む。さらに、本方法は、前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成することを含む。いくつかの例では、前記第2のデジタルモデルを再生成することは、前記対応する部分と表示用の明示的な特徴とを関連付けることを含む。いくつかの例では、本方法は、前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データを放射線切除治療システムに送信することを含む。
【0129】
いくつかの例では、本方法は、前記患者のための検査データ記録を取得することを含み、前記各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域を特定する。本方法はまた、前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定することを含む。さらに、本方法は、前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定することを含む。本方法はさらに、前記対応する第1の数および第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成することを含む。本方法はまた、前記データリポジトリに第1のマップを保存することを含む。いくつかの例では、各第1のマップは、前記複数の検査ターゲット領域それぞれについての前記対応する検査タイプの頻度を示す。いくつかの例では、本方法は、前記第1の数および前記第2の数に基づいて第2のマップを生成することを含み、前記第2のマップは、前記複数の検査ターゲット領域それぞれに対する治療の確率を示し、前記第2のマップを前記データリポジトリに保存することを含む。
【0130】
いくつかの例では、非一時的なコンピュータ可読媒体は指示を記憶し、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、前記臓器のスキャン画像を受け取ることを含む処理を実行させる指示を記憶する。また、前記処理は、臓器の種類の第1のデジタルモデルを生成することを含む。さらに、前記処理は、前記第1のデジタルモデルに対するスキャン画像のアライメントを決定することを含む。また、前記処理は、少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成することを含む。前記処理は、前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存することをさらに含む。いくつかの例では、前記第1の入力を受け取ることは、表示されたターゲット定義マップの一部の選択に応じて行われる。いくつかの例では、前記臓器は心臓である。いくつかの例では、前記処理は、表示用に前記第2のデジタルモデルを提供することを含む。
【0131】
いくつかの例では、前記処理は、第1のデジタルモデルに対するスキャン画像のアライメントの調整を特定する第2の入力を受け取ることを含む。前記処理はまた、前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整することを含む。前記処理は、前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存することをさらに含む。
【0132】
いくつかの例では、前記処理は、前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取ることを含む。前記処理はまた、前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づいて第2のデジタルモデルの対応する部分を決定することを含む。さらに、前記処理は、前記対応する部分を特定するために第2のデジタルモデルを再生成することを含む。いくつかの例では、前記第2のデジタルモデルを再生成することは、前記対応する部分と表示用の明示的な特徴とを関連付けることを含む。いくつかの例では、前記処理は、前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データを放射線アブレーション治療システムに送信することを含む。
【0133】
いくつかの例では、前記処理は、患者のための検査データ記録を取得することを含み、各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について、複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを特定する。前記処理はまた、前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定することを含む。さらに、前記処理は、前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定することを含む。前記処理は、前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成することをさらに含む。前記処理はまた、前記第1のマップを前記データリポジトリに格納することを含む。いくつかの例では、各第1のマップは、前記複数の検査ターゲット領域それぞれについての前記対応する検査タイプの頻度を示す。いくつかの例では、前記処理は、前記第1の数及び前記第2の数に基づいて第2のマップを生成することを含み、前記第2のマップは前記複数の検査ターゲット領域それぞれに対する治療の確率を示し、前記第2のマップを前記データリポジトリに保存することを含む。
【0134】
いくつかの例では、コンピュータで実行される方法は、患者の臓器を特定する第1の入力を受け取り、前記臓器のスキャン画像を受け取るための手段を含む。本方法はまた、前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成するための手段を含む。さらに、本方法は、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定するための手段を含む。本方法はまた、少なくとも前記スキャンの一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成するための手段を含む。本方法は、前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するための手段をさらに含む。いくつかの例では、前記第1の入力を受け取ることは、表示されたターゲット定義マップの一部の選択に応じて行われる。いくつかの例では、前記臓器は心臓である。いくつかの例では、本方法は、表示用に前記第2のデジタルモデルを提供するための手段を含む。
【0135】
いくつかの例では、本方法は、第1のデジタルモデルに対するスキャン画像のアライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取るための手段を含む。本方法はまた、前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整するための手段を含む。本方法は、調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存するための手段をさらに含む。
【0136】
いくつかの例では、本方法は、前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取るための手段を含む。本方法はまた、前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づいて前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定するための手段を含む。さらに、本方法は、前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成するための手段を含む。いくつかの例では、前記第2のデジタルモデルを再生成することは、前記対応する部分と表示用の明示的な特徴とを関連付けることを含む。いくつかの実施例では、本方法は、前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データを放射線アブレーション治療システムに送信するための手段を含む。
【0137】
いくつかの例では、本方法は、前記患者のための検査データ記録を取得するための手段を含み、各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について、複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを特定する。本方法はまた、前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定するための手段を含む。さらに、本方法は、前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定するための手段を含む。本方法はさらに、前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成するための手段を含む。本方法はまた、データリポジトリに第1のマップを保存するための手段を含む。いくつかの例では、各第1のマップは、前記複数の検査ターゲット領域それぞれについての前記対応する検査タイプの頻度を示す。いくつかの例では、本方法は、前記第1の数及び前記第2の数に基づいて第2のマップを生成し、前記第2のマップは前記複数の治療ターゲット領域それぞれに対する治療の確率を示し、前記第2のマップを前記データリポジトリに保存するための手段を含む。
【0138】
上述した方法は、図示したフローチャートを参照しているが、方法に関連する行為を実行する多くの他の方法を使用できることが理解されるであろう。例えば、いくつかの処理の順序を変更してもよく、説明された処理のいくつかは任意であってもよい。
【0139】
さらに、本明細書に記載された方法およびシステムは、少なくとも部分的に、コンピュータに実装されたプロセスおよびそれらのプロセスを実行するための装置の形態で実施することができる。また、開示された方法は、コンピュータプログラムコードでエンコードされた有形で、非一時的で、機械により可読な記憶媒体の形で、少なくとも部分的に実施されてもよい。例えば、方法のステップは、ハードウェア、プロセッサ(例えば、ソフトウェア)によって実行される実行可能な命令、またはその2つの組み合わせで実施されてもよい。媒体は、例えば、RAM、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、BD-ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、または任意の他の非一時的で機械により可読な記憶媒体を含んでもよい。コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、本方法を実施するための装置となる。また、本方法は、コンピュータプログラムコードがロードまたは実行されるコンピュータの形態で少なくとも部分的に実施することもでき、その場合、コンピュータは、本方法を実施するための特殊用途コンピュータとなる。汎用プロセッサで実施される場合、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を作成するようにプロセッサを構成する。本方法は、代替的に、本方法を実行するための特定用途向け集積回路で少なくとも部分的に実施することができる。
【0140】
上記は、これら開示の実施形態を例示し、説明し、記述する目的で提供されるものである。これらの実施形態に対する修正および適応は、当業者に明白であり、これら開示の範囲または精神から逸脱することなく行われてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
患者の臓器を特定する第1の入力を受け取り、
前記臓器のスキャン画像を受け取り、
前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成し、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定し、
少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成し、
前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存する、
ように構成された計算装置を含むシステム。
【請求項2】
前記計算装置は、表示用に前記第2のデジタルモデルを提供するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記計算装置が、前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取り、
前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整し、
前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記計算装置が、
前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取り、
前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づき前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定し、
前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のデジタルモデルを再生成することは、前記対応する部分と表示用の明示的な特徴とを関連付けることを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記計算装置が、前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データを放射線切除治療システムに送信するようにさらに構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記計算装置は、
前記患者のための検査データ記録を取得し、各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について、複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを特定し、
前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定し、
前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定し、
前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成し、
前記データリポジトリに前記第1のマップを保存する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
各第1のマップは、前記複数の検査ターゲット領域それぞれについての前記対応する検査タイプの頻度を示す請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記計算装置は、
前記第1の数及び前記第2の数に基づいて第2のマップを生成し、前記第2のマップ
は複数の治療ターゲット領域それぞれに対する治療の確率を示し、
前記第2のマップを前記データリポジトリに保存する、
ようにさらに構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の入力を受け取ることは、表示されたターゲット定義マップの一部の選択に応じて行われる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
コンピュータで実行される方法であって、
患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、
前記臓器のスキャン画像受け取ること、
前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成すること、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定すること、
少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成すること、
前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存すること、
を含む方法。
【請求項12】
表示用に前記第2のデジタルモデルを提供することを含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取ること、
前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整すること、
前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存すること、
を含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取ること、
前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づいて前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定すること、
前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成すること、
を含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記臓器の前記治療ターゲット領域を特定する治療データ
を放射線切除治療システムに送信することを含む請求項14に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項16】
各検査データ記録は、前記患者に実施された検査について複数の検査タイプのうちの1つと複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域とを特定し、
前記患者のための検査データ記録を取得すること、
前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施された前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定すること、
前記複数の検査タイプのそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施された検査の第2の数を決定すること、
前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成すること、
前記データリポジトリに前記第1のマップを保存すること、
を含む、請求項11に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項17】
指示を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、
患者の臓器を特定する第1の入力を受け取ること、
前記臓器のスキャン画像受け取ること、
前記臓器のタイプの第1のデジタルモデルを生成すること、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像のアライメントを決定すること、
少なくとも前記スキャン画像の一部分と前記第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成すること、
前記第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存すること、
を含む処理を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記処理は、
前記第1のデジタルモデルに対する前記スキャン画像の前記アライメントに対する調整を特定する第2の入力を受け取ること、
前記第2の入力に基づいて前記第2のデジタルモデルを調整すること、
前記調整された第2のデジタルモデルを前記データリポジトリに保存すること、
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記処理は、
前記臓器の治療ターゲット領域を特定する第2の入力を受け取ること、
前記臓器の前記治療ターゲット領域に基づいて前記第2のデジタルモデルの対応する部分を決定すること、
前記対応する部分を特定するために前記第2のデジタルモデルを再生成すること、
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記処理は、前記患者のための検査データ記録を取得することを含み、
各検査データ記録は、前記患者に実施される検査について、複数の検査タイプのうちの1つおよび複数の検査ターゲット領域のうちの1つの検査ターゲット領域を特定し、
前記処理は、
前記検査データ記録に基づいて前記患者に実施される前記複数の検査タイプそれぞれの第1の数を決定すること、
前記複数の検査タイプそれぞれに対して、前記複数の検査ターゲット領域それぞれで前記患者に実施される検査の第2の数を決定すること、
前記対応する第1の数と第2の数に基づいて前記複数の検査タイプそれぞれに対する第1のマップを生成すること、
前記第1のマップを前記データリポジトリに格納すること、
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】