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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】二酸化炭素の回収
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20231227BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B01D53/14 200
B01D53/18 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537678
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2021064757
(87)【国際公開番号】W WO2022140489
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/128,384
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518273633
【氏名又は名称】カーボン・エンジニアリング・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・セント・アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ノルド
(72)【発明者】
【氏名】ブリアック・メダール・ドゥ・シャルドン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・スレン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・エドワード・オルムステッド
(72)【発明者】
【氏名】ティラワット・サンパセルトパルニチ
(72)【発明者】
【氏名】メーガン・リン・オブライエン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ・ホームズ
(72)【発明者】
【氏名】キム・マーティン・ニコライセン
(72)【発明者】
【氏名】トレヴァー・ショーン・フォレット
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン・イニャス・ラフェルティ
【テーマコード(参考)】
4D020
【Fターム(参考)】
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA08
4D020BB03
4D020CB16
4D020CB18
4D020CB35
4D020CC05
4D020CC14
4D020CC15
4D020CC17
4D020CD02
4D020DA01
4D020DA03
4D020DB01
4D020DB12
4D020DB20
(57)【要約】
希薄なガス供給源からCOを回収するためのシステムは、複数の構造部材に連結されているハウジングと、ハウジングの中に位置決めされており、CO回収溶液を保持するように構成されている1つまたは複数の槽であって、1つまたは複数の槽は、底部槽を含む、1つまたは複数の槽と、少なくとも部分的に底部槽の上方に位置決めされている1つまたは複数のパッキングセクションと、1つまたは複数のパッキングセクションを通してCO含有率の高いガスを循環させるように動作可能なファンと、1つまたは複数のパッキングセクションの上にCO回収溶液を流すように構成されている液体分配システムとを含む、気液接触器を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希薄なガス供給源からCOを回収するためのシステムであって、前記システムは、
気液接触器であって、
複数の構造部材に連結されているハウジングと、
前記ハウジングの中に位置決めされており、CO回収溶液を保持するように構成されている1つまたは複数の槽であって、前記1つまたは複数の槽は、底部槽を含む、1つまたは複数の槽と、
少なくとも部分的に前記底部槽の上方に位置決めされている1つまたは複数のパッキングセクションと、
前記1つまたは複数のパッキングセクションを通してCO含有率の高いガスを循環させるように動作可能なファンと、
前記1つまたは複数のパッキングセクションの上に前記CO回収溶液を流すように構成されている液体分配システムと
を含む、気液接触器
を備え、
前記気液接触器は、前記CO回収溶液に適合可能な1つまたは複数の構築材料(MOC)を含む、システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数のMOCは、ステンレス鋼、または、ビニールエステルおよびガラス繊維を含む繊維強化プラスチック(FRP)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハウジングは、シーラント層によってライニングされた、1つまたは複数の開口部および1つまたは複数の切断端部を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記シーラント層は、ビニールエステル樹脂を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の構造部材、前記ハウジング、または前記1つまたは複数の槽のうちの少なくとも1つに適用された保護コーティングをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記保護コーティングは、ビニールエステル、ポリウレタン、ステンレス鋼、またはエポキシのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記底部槽は、HDPE槽セクションまたはコンクリート槽セクションのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンクリート槽セクションは、熱可塑性加硫物(TPV)、PVC、親水性クロロプレンゴム、またはステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含むウォーターストップを埋め込んでいる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ジオメンブレンライナーが、前記底部槽の少なくとも一部分を取り囲んでおり、前記ジオメンブレンライナーは、HDPEまたはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
漏出検出システムが、前記底部槽と前記ジオメンブレンライナーとの間に介在している、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の構造部材は、1つまたは複数の壁部によって前記底部槽から少なくとも部分的に分別されている収容部を含むプレナムを画定しており、前記底部槽は、少なくとも部分的に前記パッキングの下方に位置決めされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つまたは複数の壁部は、コンクリートまたはステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記収容部は、前記収容部の外側に所定の体積の液体を流すように動作可能なドレンパイプに流体的に連結されているサンプを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記収容部は、サンプの中に位置決めされているサンプポンプを含み、前記サンプポンプは、所定の体積の液体を前記底部槽に流すように動作可能である、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プレナムは、少なくとも2%のドレナージ傾斜を付けられたプレナム収容部フロアを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の構造部材は、前記底部槽の中の液体レベルよりも上に装着されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の構造部材は、前記底部槽の境界を定める1つまたは複数の壁部の上に装着されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つまたは複数の壁部は、前記底部槽の前記液体レベルよりも上に延在する1つまたは複数の隆起した壁部を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つまたは複数の壁部あるいは前記1つまたは複数の隆起した壁部のうちの少なくとも1つに適用された保護コーティングをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記液体分配システムは、
スパージャ孔のセットをそれぞれ有する1つまたは複数の液体分配パイプと、
前記1つまたは複数の液体分配パイプの下方に位置決めされているノズルのセットと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つまたは複数の槽は、上部槽を含み、
前記スパージャ孔のセットは、少なくとも部分的に前記上部槽の底部表面に向けて向き付けられている、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記上部槽の前記底部表面に連結されている堰をさらに備え、前記堰は、前記上部槽の中に前記CO回収溶液の第1の貯蔵部および第2の貯蔵部を形成するように構成されており、前記CO回収溶液は、前記第1の貯蔵部から前記第2の貯蔵部へ流れる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記スパージャ孔のセットは、前記上部槽の中の前記第1の貯蔵部の中に少なくとも部分的に水没されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ノズルのセットは、前記上部槽の中の前記第2の貯蔵部と流体的に連結されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記1つまたは複数のパッキングセクションは、少なくとも部分的に第2のパッキングセクションの上方に位置決めされている第1のパッキングセクションを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つのパッキング支持体は、前記1つまたは複数のパッキングセクションの前記第1のパッキングセクションと前記第2のパッキングセクションとの間に介在している、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のパッキングセクションは、第1のフルート角度を含み、前記第2のパッキングセクションは、前記第1のフルート角度とは異なる第2のフルート角度を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記1つまたは複数のパッキングセクションは、クロス波形パッキングシートのセットを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記1つまたは複数のパッキングセクションは、実質的にギャップを含まない、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記1つまたは複数のパッキングセクションの間に位置決めされている液体再分配器をさらに備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記液体再分配器は、前記1つまたは複数のパッキングセクションの前記第2のパッキングセクションを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記液体再分配器は、前記CO回収溶液を前記第2のパッキングセクションに流すように構成されている1つまたは複数の再分配ノズルを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記ファンを部分的に囲むファンスタックをさらに備え、前記ファンスタックは、10フィートから30フィートの間、10フィートから20フィートの間、または、20フィートから30フィートの間にあるファンスタック高さを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記ファンは、10フィートから30フィートの間、10フィートから15フィートの間、または、15フィートから30フィートの間にあるファン直径を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記ファンは、9m/sから15m/sの範囲にある排気速度で、CO含有率の低いガスを吐出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
前記1つまたは複数のパッキングセクションの上流に位置決めされているスラット型ルーバのセットをさらに備え、前記スラット型ルーバのセットは、前記CO回収溶液の少なくとも一部分をブロックするように向き付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
前記スラット型ルーバのセットは、構造化ルーバのセットの上流に位置決めされている、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
希薄なガス混合物から二酸化炭素を除去するための方法であって、前記方法は、
ファンを動作させることによって、CO含有率の高いガスを気液接触器の中へ流入させるステップであって、前記気液接触器は、
複数の構造部材を含むハウジング、
1つまたは複数のパッキングセクション、
1つまたは複数の槽、および、
前記ファンを部分的に取り囲むファンスタック
を含む、ステップと、
前記1つまたは複数のパッキングセクションの上にCO回収溶液を流すステップと、
前記CO回収溶液によって、前記CO含有率の高いガスからCOの少なくとも一部分を吸収して、CO含有率の低いガスを生み出すステップと
を含む、方法。
【請求項39】
所定の体積の液体を収容部の中に受け入れるステップであって、前記収容部は、前記複数の構造部材によって画定されたプレナムの中に位置決めされており、前記収容部の少なくとも一部分は、前記1つまたは複数の槽から分別されている、ステップ
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記収容部の少なくとも一部分は、1つまたは複数の隆起した壁部によって、前記1つまたは複数の槽から分別されている、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記1つまたは複数の隆起した壁部は、ステンレス鋼またはコンクリートのうちの少なくとも1つを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記1つまたは複数の隆起した壁部の上に前記複数の構造部材を支持することによって、前記1つまたは複数の槽の中の液体レベルよりも上に前記複数の構造部材の少なくとも一部分を上昇させるステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記所定の体積の液体を前記収容部からドレン排出するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記所定の体積液体を前記収容部からドレン排出する前記ステップは、
前記所定の体積の液体をサンプおよびドレンパイプの中へ流入させるステップと、
前記所定の体積の液体前記収容部の外側に流すステップと
を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記所定の体積の液体を前記収容部からドレン排出するステップは、
サンプポンプを含むサンプの中へ前記所定の体積の液体を流入させるステップと、
前記所定の体積の液体を前記底部槽に流すように前記サンプポンプを動作させるステップと
を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記所定の体積の液体を前記収容部からドレン排出するステップは、少なくとも2%のドレナージ傾斜を付けられたプレナム収容部フロアの上に前記所定の体積の液体を流すステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
スラット型ルーバのセットを通して前記CO含有率の高いガスを流すステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記スラット型ルーバのセットの下流の構造化ルーバのセットを通して、前記CO含有率の高いガスを流すステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記CO回収溶液を分配パイプの中へ流入させるステップと、
前記分配パイプの中のスパージャ孔のセットを通して、前記1つまたは複数の槽の上部槽の中へ前記CO回収溶液を流入させるステップと、
前記上部槽の中のノズルのセットを通して、前記1つまたは複数のパッキングセクションの少なくとも一部分の中へ前記CO回収溶液を流入させるステップと
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
前記スパージャ孔のセットは、少なくとも部分的に前記上部槽の底部表面に向けて向き付けられている、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記上部槽の前記底部表面に連結されている堰の上に前記液体を流すステップをさらに含み、前記堰は、前記上部槽の中に第1の貯蔵部および第2の貯蔵部を形成しており、前記CO回収溶液は、前記第1の貯蔵部から前記第2の貯蔵部へ流れる、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記スパージャ孔のセットを通して前記CO回収溶液を流すステップは、前記第1の貯蔵部の中に水没された前記スパージャ孔のセットを通して前記CO回収溶液を流すステップを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ノズルのセットを通して前記CO回収溶液を流すステップは、前記上部槽の中の前記第2の貯蔵部から前記CO回収溶液を流すステップを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記1つまたは複数のパッキングセクションは、クロス波形パッキングシートのセットを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記1つまたは複数のパッキングセクションの第1のパッキングセクションの下方に少なくとも部分的に位置決めされている液体再分配器を通して、前記CO回収溶液を流すステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
前記液体再分配器を通して前記CO回収溶液を流すステップは、収集トラフのセットおよび再分配ノズルのセットを通して前記CO回収溶液を流すステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記再分配ノズルのセットから、前記再分配ノズルの下方に位置決めされている向流フィルムパッキングへ、前記CO回収溶液を流すステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記液体再分配器を通して前記CO回収溶液を流すステップは、向流フィルムパッキングを通して前記CO回収溶液を流すステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記液体再分配器を通して前記CO回収溶液を流すステップは、加圧された分配パイプおよび再分配ノズルのセットを通して前記CO回収溶液を流すステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
第1のフルート角度を有する第1のパッキングセクションを通して前記CO回収溶液を流すステップと、前記第1のフルート角度とは異なる第2のフルート角度を有する第2のパッキングセクションを含む液体再分配器を通して前記CO回収溶液を流すステップとをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項61】
ファンを動作させるステップは、少なくとも9m/sから15m/sの排気速度で前記ファンスタックから前記CO含有率の低いガスを吐出するように、前記ファンを動作させるステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項62】
前記ファンは、10フィートから30フィートの間、10フィートから15フィートの間、または、15フィートから30フィートの間にあるファン直径を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記ファンスタックは、10フィートから30フィートの間、10フィートから20フィートの間、または、20フィートから30フィートの間にあるファンスタック高さを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
ガスを液体と接触させるためのシステムであって、前記システムは、
複数の構造部材に連結されているハウジングと、
前記ハウジングの中に位置決めされており、液体を保持するように構成されている1つまたは複数の槽であって、前記1つまたは複数の槽は、底部槽および上部槽を含む、1つまたは複数の槽と、
少なくとも部分的に前記底部槽の上方に位置決めされている1つまたは複数のパッキングセクションであって、前記1つまたは複数のパッキングセクションは、実質的にギャップを含まない、1つまたは複数のパッキングセクションと、
前記1つまたは複数のパッキングセクションを通してガスを循環させるように動作可能なファンと、
前記1つまたは複数のパッキングセクションの上に前記液体を流すように構成されている液体分配システムであって、前記液体分配システムは、ノズルのセット、および、スパージャ孔のセットをそれぞれ有する1つまたは複数の液体分配パイプを含み、前記ノズルのセットは、前記1つまたは複数の液体分配パイプの下方に位置決めされている、液体分配システムと
を備える、システム。
【請求項65】
前記上部槽の底部表面に連結されている堰をさらに備え、前記堰は、前記上部槽の中に前記液体の第1の貯蔵部および第2の貯蔵部を形成するように構成されており、
前記液体は、前記第1の貯蔵部から前記第2の貯蔵部へ流れ、
前記スパージャ孔のセットは、前記第1の貯蔵部の中に少なくとも部分的に水没されており、
前記ノズルのセットは、前記第2の貯蔵部と流体的に連結されている、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記1つまたは複数のパッキングセクションの間に位置決めされている液体再分配器をさらに備え、前記1つまたは複数のパッキングセクションは、第1のパッキングセクションおよび第2のパッキングセクションを含み、前記液体再分配器は、前記第2のパッキングセクション、または、前記第2のパッキングセクションに前記液体を流すように構成されている複数の再分配ノズルのうちの少なくとも1つを含む、請求項64に記載のシステム。
【請求項67】
前記1つまたは複数のパッキングセクションまたは液体再分配器のうちの少なくとも1つに隣接して位置決めされているバッフルのセットをさらに備える、請求項64に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素を回収するためのシステム、装置、および方法を説明する。
【背景技術】
【0002】
大気から二酸化炭素(CO)を回収することは、温室効果ガスの排出を緩和し、気候変動を遅らせるための1つのアプローチである。しかし、ポイントソース、たとえば、産業施設の煙道ガスなどからのCO回収のために設計された多くの技術は、一般的に、著しく低いCO濃度、および、プロセスに必要とされる大量の空気に起因して、大気からCOを回収するには非効果的である。近年、大気から直接的にCOを回収するのにより適した技術を見出すことが進歩している。これらの直接空気回収(DAC)システムには、活性剤が基材に付着された固体吸着剤を使用するものがある。これらのDACシステムは、典型的に、周期的な吸着-脱着プロセスを用いており、このプロセスでは、固体吸着剤がCOによって飽和された後に、固体吸着剤は、湿度または温度スイングを使用してCOを放出し、再生される。
【0003】
他のDACシステムは、大気からCOを回収するために、液体吸着剤(時には、溶媒と称される)を使用する。そのような気液接触システムの例は、冷却塔設計に基づくものであり、冷却塔設計では、液体吸着剤を含む溶液によって濡らされた高い表面積のパッキングを横切って空気を引き込むために、ファンが使用されている。空気の中のCOは、液体吸着剤と反応する。リッチ溶液は、下流でさらに処理され、リーン溶液(lean solution)を再生し、濃縮された炭素ストリーム(たとえば、CO、CO、または他の炭素生産物)を放出する。冷却塔に基づいて設計されたDACシステムは、有利である。その理由は、それらがいくつかの市販の機器を用いており、それらが大量の空気を移動させることが可能であるからである。DACシステムが単純にメンテナンス可能であり、操作的にフレキシブルであることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な実装形態において、希薄なガス供給源からCOを回収するためのシステムは、複数の構造部材に連結されているハウジングと、ハウジングの中に位置決めされており、CO回収溶液を保持するように構成されている1つまたは複数の槽であって、1つまたは複数の槽は、底部槽を含む、1つまたは複数の槽と、少なくとも部分的に底部槽の上方に位置決めされている1つまたは複数のパッキングセクションと、1つまたは複数のパッキングセクションを通してCO含有率の高いガス(CO2-laden gas)を循環させるように動作可能なファンと、1つまたは複数のパッキングセクションの上にCO回収溶液を流すように構成されている液体分配システムとを含む、気液接触器を含む。
【0005】
例示的な実装形態と組み合わせ可能な1つの態様において、気液接触器は、CO回収溶液に適合可能な1つまたは複数の構築材料(MOC: material of construction)を含む。
【0006】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のMOCは、繊維強化プラスチック(FRP)またはステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、FRPは、ビニールエステルおよびガラス繊維を含む。
【0008】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ハウジングは、1つまたは複数の開口部および1つまたは複数の切断端部を含む。
【0009】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の開口部および1つまたは複数の切断端部は、シーラント層によってライニングされている。
【0010】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、シーラント層は、ビニールエステル樹脂を含む。
【0011】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の開口部は、保護スリーブをライニングされている。
【0012】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、保護スリーブは、PVCを含む。
【0013】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、保護コーティングが、複数の構造部材、ハウジング、または1つまたは複数の槽のうちの1つに適用されている。
【0014】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、保護コーティングは、ビニールエステル、ポリウレタン、ステンレス鋼、またはエポキシのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、保護コーティングは、添加剤を含む。
【0016】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、底部槽は、HDPE槽セクションまたはコンクリート槽セクションのうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、HDPE槽セクションは、槽支持構造体に連結されている。
【0018】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、コンクリート槽セクションは、熱可塑性加硫物(TPV)、PVC、親水性クロロプレンゴム、またはステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含むウォーターストップを埋め込んでいる。
【0019】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ジオメンブレンライナーが、底部槽の少なくとも一部分を取り囲んでおり、ジオメンブレンライナーは、HDPEまたはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、漏出検出システムが、底部槽とジオメンブレンライナーとの間に介在している。
【0021】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ジオメンブレンライナーは、ピンチバーによってコンクリート槽セクションに対抗して保持されている。
【0022】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、複数の構造部材は、収容部(containment)を含むプレナムを画定している。
【0023】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、収容部は、底部槽から少なくとも部分的に分別されている。
【0024】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、収容部は、1つまたは複数の壁部によって底部槽から少なくとも部分的に分離されており、底部槽は、少なくとも部分的にパッキングの下方に位置決めされている。
【0025】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の壁部は、コンクリートまたはステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、収容部は、収容部の外側に所定の体積の液体を流すように動作可能なドレンパイプに流体的に連結されているサンプを含む。
【0027】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、収容部は、サンプの中に位置決めされているサンプポンプを含み、サンプポンプは、所定の体積の液体を底部槽に流すように動作可能である。
【0028】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、所定の体積の液体は、所定の体積の水およびCO回収溶液の一部分を含む。
【0029】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、プレナムは、少なくとも2%のドレナージ傾斜を付けられたプレナム収容部フロアを含む。
【0030】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、複数の構造部材は、底部槽の中の液体レベルよりも上に装着されている。
【0031】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、複数の構造部材は、底部槽の境界を定める1つまたは複数の壁部の上に装着されている。
【0032】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の壁部は、底部槽の液体レベルよりも上に延在する1つまたは複数の隆起した壁部を含む。
【0033】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、システムは、1つまたは複数の壁部または1つまたは複数の隆起した壁部のうちの少なくとも1つに適用された保護コーティングをさらに含む。
【0034】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配システムは、スパージャ孔のセットをそれぞれ有する1つまたは複数の液体分配パイプと、1つまたは複数の液体分配パイプの下方に位置決めされているノズルのセットとを含む。
【0035】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の槽は、上部槽を含み、スパージャ孔のセットは、少なくとも部分的に上部槽の底部表面に向けて向き付けられている。
【0036】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、システムは、上部槽の底部表面に連結されている堰をさらに含み、堰は、上部槽の中にCO回収溶液の第1の貯蔵部および第2の貯蔵部を形成するように構成されており、CO回収溶液は、第1の貯蔵部から第2の貯蔵部へ流れる。
【0037】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、スパージャ孔のセットは、上部槽の中の第1の貯蔵部の中に少なくとも部分的に水没されている。
【0038】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ノズルのセットは、上部槽の中の第2の貯蔵部と流体的に連結されている。
【0039】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のパッキングセクションは、少なくとも部分的に第2のパッキングセクションの上方に位置決めされている第1のパッキングセクションを含む。
【0040】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパッキング支持体は、1つまたは複数のパッキングセクションの第1のパッキングセクションと第2のパッキングセクションとの間に介在している。
【0041】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、第1のパッキングセクションは、第1のフルート角度を含み、第2のパッキングセクションは、第1のフルート角度とは異なる第2のフルート角度を含む。
【0042】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のパッキングセクションは、クロス波形パッキングシートのセットを含む。
【0043】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のパッキングセクションは、実質的にギャップを含まない。
【0044】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のパッキングセクションは、モノリシックのパッキングブロックである。
【0045】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、モノリシックのパッキングブロックは、少なくとも1つのパッキング支持体によって支持されている。
【0046】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体再分配器が、1つまたは複数のパッキングのセクションの間に位置決めされている。
【0047】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体再分配器は、1つまたは複数のパッキングセクションの第2のパッキングセクションを含む。
【0048】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体再分配器は、CO回収溶液を第2のパッキングセクションに流すように構成されている1つまたは複数の再分配ノズルを含む。
【0049】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンスタックが、ファンを部分的に囲んでいる。
【0050】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンスタックは、10フィートから30フィートの間、10フィートから20フィートの間、または、20フィートから30フィートの間にあるファンスタック高さを含む。
【0051】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンは、9m/sから15m/sの範囲にある排気速度で、CO含有率の低いガス(CO2-lean gas)を吐出するように構成されている。
【0052】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンは、10フィートから30フィートの間、10フィートから15フィートの間、または、15フィートから30フィートの間にあるファン直径を含む。
【0053】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、システムは、1つまたは複数のパッキングセクションの上流に位置決めされているスラット型ルーバのセットをさらに含み、スラット型ルーバのセットは、CO回収溶液の少なくとも一部分をブロックするように向き付けられている。
【0054】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、スラット型ルーバのセットは、構造化ルーバのセットの上流に位置決めされている。
【0055】
別の例示的な実装形態において、希薄なガス混合物から二酸化炭素を除去するための方法であって、方法は、ファンを動作させることによってCO含有率の高いガスを気液接触器の中へ流入させるステップであって、気液接触器は、複数の構造部材を含むハウジング、1つまたは複数のパッキングセクション、1つまたは複数の槽、および、ファンを部分的に取り囲むファンスタックを含む、ステップと、1つまたは複数のパッキングセクションの上にCO回収溶液を流すステップと、CO回収溶液によって、CO含有率の高いガスからCOの少なくとも一部分を吸収して、CO含有率の低いガスを生み出すステップとを含む、方法である。
【0056】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、CO含有率の高いガスは、大気を含む。
【0057】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、所定の体積の液体を収容部の中に受け入れるステップを含み、収容部は、複数の構造部材によって画定されたプレナムの中に位置決めされており、収容部の少なくとも一部分は、1つまたは複数の槽から分別されている。
【0058】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、所定の体積の液体を収容部の中へ受け入れるステップは、気液接触器のファンスタックを通して雨水を受け入れるステップを含む。
【0059】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体を収容部の中へ受け入れるステップは、気液接触器の1つまたは複数のパッキングセクションからCO回収溶液の一部分を受け入れるステップを含む。
【0060】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、収容部の少なくとも一部分を1つまたは複数の槽から分別するステップを含む。
【0061】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、収容部の少なくとも一部分を1つまたは複数の槽から分別するステップは、1つまたは複数の隆起した壁部によって、収容部の少なくとも一部分を1つまたは複数の槽から分別するステップを含む。
【0062】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の隆起した壁部は、ステンレス鋼またはコンクリートのうちの少なくとも1つを含む。
【0063】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、1つまたは複数の隆起した壁部の上に複数の構造部材を支持することによって、1つまたは複数の槽の中の液体レベルよりも上に複数の構造部材の少なくとも一部分を上昇させるステップをさらに含む。
【0064】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、所定の体積の液体を収容部からドレン排出するステップを含む。
【0065】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、所定の体積液体を収容部からドレン排出するステップは、所定の体積の液体をサンプおよびドレンパイプの中へ流入させるステップと、所定の体積の液体収容部の外側に流すステップとを含む。
【0066】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、所定の体積の液体を収容部からドレン排出するステップは、サンプポンプを含むサンプの中へ所定の体積の液体を流入させるステップと、所定の体積の液体を底部槽に流すようにサンプポンプを動作させるステップとを含む。
【0067】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、所定の体積の液体を収容部からドレン排出するステップは、少なくとも2%のドレナージ傾斜を付けられたプレナムフロアの上に所定の体積の液体を流すステップを含む。
【0068】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、所定の体積の液体は、所定の体積の水およびCO回収溶液の一部分を含む。
【0069】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、スラット型ルーバのセットを通してCO含有率の高いガスを流すステップを含む。
【0070】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、スラット型ルーバのセットの下流の構造化ルーバのセットを通して、CO含有率の高いガスを流すステップを含む。
【0071】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、CO回収溶液を分配パイプの中へ流入させるステップと、分配パイプの中のスパージャ孔のセットを通して、1つまたは複数の槽の上部槽の中へCO回収溶液を流入させるステップと、上部槽の中のノズルのセットを通して、1つまたは複数のパッキングセクションの少なくとも一部分の中へCO回収溶液を流入させるステップとを含む。
【0072】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、スパージャ孔のセットは、少なくとも部分的に上部槽の底部表面に向けて向き付けられている。
【0073】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、上部槽の底部表面に連結されている堰の上に液体を流すステップを含み、堰は、上部槽の中に第1の貯蔵部および第2の貯蔵部を形成しており、CO回収溶液は、第1の貯蔵部から第2の貯蔵部へ流れる。
【0074】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、スパージャ孔のセットを通してCO回収溶液を流すステップは、第1の貯蔵部の中に水没されたスパージャ孔のセットを通してCO回収溶液を流すステップを含む。
【0075】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ノズルのセットを通してCO回収溶液を流すステップは、上部槽の中の第2の貯蔵部からCO回収溶液を流すステップを含む。
【0076】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、CO含有率の高いガスは、大気を含む。
【0077】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、上部槽の中のノズルのセットを通してCO回収溶液を流すステップは、14gpm/ft未満の流量でノズルのセットを通してCO回収溶液を流すステップを含む。
【0078】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のパッキングセクションは、クロス波形パッキングシートのセットを含む。
【0079】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のパッキングセクションは、モノリシックのパッキングブロックである。
【0080】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、1つまたは複数のパッキングセクションの第1のパッキングセクションの下方に少なくとも部分的に位置決めされている液体再分配器を通して、CO回収溶液を流すステップを含む。
【0081】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体再分配器を通してCO回収溶液を流すステップは、収集トラフのセットおよび再分配ノズルのセットを通してCO回収溶液を流すステップを含む。
【0082】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、再分配ノズルのセットから、再分配ノズルの下方に位置決めされている向流フィルムパッキングへ、CO回収溶液を流すステップを含む。
【0083】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、方法は、第1のフルート角度を有する第1のパッキングセクションを通してCO回収溶液を流すステップと、第1のフルート角度とは異なる第2のフルート角度を有する第2のパッキングセクションを含む液体再分配器を通してCO回収溶液を流すステップとを含む。
【0084】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体再分配器を通してCO回収溶液を流すステップは、向流フィルムパッキングを通してCO回収溶液を流すステップを含む。
【0085】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体再分配器を通してCO回収溶液を流すステップは、加圧された分配パイプおよび再分配ノズルのセットを通してCO回収溶液を流すステップを含む。
【0086】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンを動作させるステップは、少なくとも9m/sから15m/sの排気速度でファンスタックからCO含有率の低いガスを吐出するように、ファンを動作させるステップを含む。
【0087】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンは、10フィートから30フィートの間、10フィートから15フィートの間、または、15フィートから30フィートの間にあるファン直径を含む。
【0088】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、ファンスタックは、10フィートから30フィートの間、10フィートから20フィートの間、または、20フィートから30フィートの間にあるファンスタック高さを含む。
【0089】
別の例示的な実装形態において、ガスを液体と接触させるためのシステムであって、システムは、複数の構造部材に連結されているハウジングと、1つまたは複数の槽であって、1つまたは複数の槽は、ハウジングの中に位置決めされており、液体を保持するように構成されており、1つまたは複数の槽は、底部槽および上部槽を含む、1つまたは複数の槽と、少なくとも部分的に底部槽の上方に位置決めされている1つまたは複数のパッキングセクションであって、1つまたは複数のパッキングセクションは、実質的にギャップを含まない、1つまたは複数のパッキングセクションと、1つまたは複数のパッキングセクションを通してガスを循環させるように動作可能なファンと、1つまたは複数のパッキングセクションの上に液体を流すように構成されている液体分配システムであって、液体分配システムは、ノズルのセット、および、スパージャ孔のセットをそれぞれ有する1つまたは複数の液体分配パイプを含み、ノズルのセットは、1つまたは複数の液体分配パイプの下方に位置決めされている、液体分配システムとを含む。
【0090】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、システムは、上部槽の底部表面に連結されている堰をさらに含み、堰は、上部槽の中に液体の第1の貯蔵部および第2の貯蔵部を形成するように構成されており、液体は、第1の貯蔵部から第2の貯蔵部へ流れ、スパージャ孔のセットは、第1の貯蔵部の中に少なくとも部分的に水没されており、ノズルのセットは、第2の貯蔵部と流体的に連結されている。
【0091】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、システムは、1つまたは複数のパッキングセクションの間に位置決めされている液体再分配器を含み、1つまたは複数のパッキングセクションは、第1のパッキングセクションおよび第2のパッキングセクションを含み、液体再分配器は、第2のパッキングセクション、または、第2のパッキングセクションに液体を流すように構成されている複数の再分配ノズルのうちの少なくとも1つを含む。
【0092】
前述の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、システムは、1つまたは複数のパッキングセクションまたは液体再分配器のうちの少なくとも1つに隣接して位置決めされているバッフルのセットを含む。
【0093】
本開示による二酸化炭素を回収するためのシステムおよび方法の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ、いくつか、またはすべてを含むことが可能である。たとえば、本発明において説明されている特徴を有する気液接触器は、商業用DAC用途のために特別に設計されており、そうであるので、DACプロセスの全体的なCO回収効率を改善することが可能である。良好な性能を反映する気液接触器の設計クライテリアは、空気バイパスの低減、パッキングを横切る圧力降下の低減、プルーム再摂取を防止すること、パッキングの全体を通してCO回収溶液を均一に分配する能力、および、回収溶液の汚染を最小化することを含む。本出願において説明されている構築材料(MOC)の適用を通して接触器の信頼性を改善することは、気液接触器のより長い寿命を提供し、メンテナンスコストを低減させることが可能である。
【0094】
本開示において説明されている主題の1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載されている。本主題の他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1A】本開示による例示的な気液接触器を示す図である。
図1B】本開示による例示的な気液接触器を示す図である。
図2A】本開示による例示的なデュアルセル直交流気液接触器を示す図である。
図2B】本開示による例示的なデュアルセル直交流気液接触器を示す図である。
図2C】本開示による例示的なデュアルセル直交流気液接触器を示す図である。
図3A】本開示による気液接触器システムのための例示的なI-ビームFRP構造体の断面図である。
図3B】本開示による気液接触器システムのための例示的なU-ビームFRP構造体の断面図である。
図3C】本開示による気液接触器システムのための例示的なビームコネクタFRP構造体の斜視図である。
図4A】本開示による、隆起した壁部によって境界を定められた底部槽を含む、気液接触器システムの例示的な部分の斜視図である。
図4B】本開示による、隆起した壁部によって境界を定められた底部槽を含む、気液接触器システムの例示的な部分の上面図である。
図5A】本開示による気液接触器システムのための例示的な底部槽収容部システムの断面図である。
図5B】本開示による気液接触器システムのための例示的な底部槽収容部システムの斜視図である。
図6A】本開示による気液接触器システムのためのスパージャおよびノズルを含む例示的な分配システムの断面図である。
図6B】本開示による気液接触器システムのためのスパージャおよびノズルを含む例示的な分配システムの上面図である。
図6C】本開示による、堰を含む例示的な液体分配システムの側断面図である。
図7】本開示による気液接触器システムのための例示的なパッキング支持体およびバッフルの断面図である。
図8】本開示による気液接触器の構造部材およびハウジングを支持する例示的な構造体の断面図である。
図9】本開示による、異なるファンおよびファンスタック設計から吐出されるCO含有率の低いガスに関する例示的なプルーム分配のイメージを示す図である。
図10】本開示による気液接触器システムのための例示的な制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
本開示は、COを含む大気、周囲空気、または他の流体供給源(本明細書で「CO含有率の高いガス」と称される)などのような、希薄な供給源からCOを回収するためのシステムおよび方法を説明する。いくつかの態様において、気液接触器は、CO回収溶液を用い、吸収によってCO含有率の高いガスからCOを収穫し、CO含有率の低いガスを生み出す。いくつかの態様において、CO回収溶液は、従来の冷却塔において使用されるいくつかの材料を劣化させ得る高pH(pH>10)溶液または苛性成分(たとえば、水酸化カリウムKOHまたは水酸化ナトリウムNaOH)を含むことが可能である。いくつかの態様において、気液接触器は、苛性のCO回収溶液に適合可能な1つまたは複数の構築材料(MOC)を含む。苛性適合性のMOCは、苛性材料によって引き起こされる劣化に抵抗することとなる。いくつかの態様において、気液接触器は、気液接触器から吐出されるCO含有率の低いガスの再摂取を防止することを助ける特徴を含むことが可能である。いくつかの態様において、気液接触器は、雨水からのCO回収溶液の汚染を防止することを助ける特徴を含む。いくつかの態様において、気液接触器は、より高い濡らされた表面積を実現するために、パッキングの上にCO回収溶液を分配するか、または、パッキングの中の1つまたは複数のセクションにおいて再分配する特徴を含む。
【0097】
本システムおよび本方法は、ポイントソース(たとえば、煙道ガス)からCOを回収するのではなく、希薄なガス供給源(たとえば、大気または周囲空気)からCOを回収するように設計されている。そのような設計考慮事項は、多数ある。化学的処理プラントの中の充填塔は、おおよそ10~15%v/vのCO濃度のために設計されたパッキングを用いている。したがって、DACを使用して空気から同等の量のCOを回収するために、著しく小さな体積のガスが、充填塔における処理のために必要とされる。従来の化学的処理充填塔におけるより高い濃度は、希薄な濃度と比較して、質量移送および反応速度論に関する著しく大きな駆動力を推進する。充填塔は、典型的に、向流構成で使用される。化学的処理のための向流充填カラムは、特定の問題(たとえば、フラッディング)に遭遇する可能性がある。フラッディングは、充填カラムの中を1つの方向に移動するガスが、充填カラムの中を反対方向に移動する液体を同伴する現象である。フラッディングは、充填カラムを横切る大きな圧力降下、ならびに、吸収プロセスの性能および安定性に有害な他の影響を引き起こす可能性があるので、フラッディングは望ましくない。化学的プロセス対向流吸収体カラムにおける直径とL/G速度との比は、対向流空気接触器におけるものと同じではなく、したがって、空気接触器における対向流構成は、化学的スクラビング塔と同じ問題に直面しない。そうであるので、DACのための気液接触器システムは、圧力降下の低減およびガスフロー制限の緩和に起因して、とりわけ直交流構成とともに上手く機能するが、DACにおける気液接触器に関しても、向流設計が可能である。化学的処理施設における回収動力学は、一般的に、DACのために設計された気液接触器と比較して、より好ましい。いくつかのDAC気液接触器のケースでは、直交流構成における圧力降下は、向流構成における圧力降下よりも低く、それは、ファンの動作コストを低減させることが可能である。したがって、ポイントソース回収およびDAC技術の両方とも、ガスストリームからCOを回収するが、異なる原材料、化学反応、および動作条件に起因して、それぞれの技術のためのプロセス設計は異なる。
【0098】
また、DACのための気液接触器は、従来の冷却塔とは異なる多数の設計考慮事項を有している。たとえば、冷却塔業界からの市販のパッキングは、水とともに使用するように、および、熱伝達を最大化するように設計されており、質量移送(それは、DACシステムにとって重要である)に関する考慮事項はあまり伴っていない。冷却塔では、構造的なフレームワークが、パッキングを支持しており、パッキングは、冷却塔セルの充填スペースの中に積層されるかまたは吊り下げられている。
【0099】
2つのタイプの構造化されたパッキングは、スプラッシュタイプ充填材およびフィルムタイプ充填材を含む。スプラッシュタイプ充填材は、スプラッシュバーから構成されており、スプラッシュバーは、典型的に、均一に間隔を置いて配置されており、水平方向に位置決めされている。スプラッシュバーは、液体のフローを破壊し、スプラッシュバー間のスペースを通って、および、他のスプラッシュバーの上に、液体が流れ落ちることを結果として生じさせ、それによって、ガスとインターフェースする液滴および濡らされた表面を生成させる。
【0100】
フィルムタイプ充填材は、充填材の表面の上の薄いフィルムの中へ液体が広がることを推進するように設計されている。これは、液体をガスに最大に露出させることを可能にする。スプラッシュタイプ充填材とフィルムタイプ充填材とを比較すると、フィルムタイプ充填材は、一般的に、DACにより適合可能である。その理由は、それらが、充填スペースの単位体積当たりのより効果的な質量移送のための能力を有するからである。これは、フィルムタイプ充填材がスプラッシュタイプ充填材よりもはるかに高い特定の表面積-対-体積比(「比表面積」(m/m))を有することに部分的に起因する。高い比表面積は、回収溶液の表面へのCOの露出にとって重要であるだけでなく、それは、コストおよび構造的な意味合いも有している。比表面積が低いほど、所与の量のCOを空気から吸収するために、より多くのパッキングが必要とされる。より多くのパッキングは、パッキングを保持するために必要とされる構造的なフレームワークの複雑さおよびサイズの増加につながる。
【0101】
DACの目標が質量移送であり、空気の中のCO濃度が希薄であることを所与として、意味のある量のCOを回収するためには、大量の空気が、DACシステムの気液接触器によって処理されなければならない。一般的に、同じ密度のパッキングに関して、冷却塔よりもDAC用途のために、より多くのパッキングが必要とされる。気液接触器におけるパッキング空気トラベル深さ(たとえば、パッキング深さ)は、DACに関して2~10メートルの範囲にあることが可能であり、それは、冷却塔において典型的に使用されるわずか数フィートのパッキング深さよりも大きい。
【0102】
気液接触器のサイズに応じて、CO回収溶液分配は、背の高いパッキング構造体において問題となる可能性がある。いくつかの態様において、気液接触器は、ハウジングとおおよそ同じ高さのパッキングを含む。冷却塔は、水から空気への熱伝達を強化するために、いくらかの量のパッキングから構成されることが可能であるが、それは、DAC用途において必要とされる量よりも著しく少ない。たとえば、冷却塔用途のための市販のパッキング(たとえば、Brentwood XF125、XF12560など)の最大高さは、おおよそ12フィートである。いくつかの態様において、気液接触器は、製造されているサイズの少なくとも1.5倍の高さのパッキングを使用する。
【0103】
いくつかのケースでは、DACシステムの気液接触器は、間欠的な湿潤、および、冷却塔のものよりも実質的に低い液体フローを用いる。低い液体フローのいくつかの利点は、ポンピング機器、インフラストラクチャ、ならびに、ポンピングおよびファンの電力要件が低減されることである。しかし、冷却塔業界から来るパッキングは、DACにおいて使用されるものよりも実質的に高い液体負荷率のために設計されている。たとえば、冷却塔パッキングは、おおよそ4.1L/msの液体負荷率のために設計されることが可能である。冷却塔は、典型的に、最大熱伝達のために、完全な連続フローで動作する。その理由は、それらが、通常は、より低い冷却水供給温度に伴ってプロセス効率が向上するプロセスに連結されているからである。結果として、冷却塔は、パッキングの不均一な湿潤を通して熱伝達の低減のリスクのある低い液体フローで稼働する動機付けはない。DAC用途のための液体-対-気体比は、冷却塔用途のものよりも約10倍小さい。
【0104】
従来から、液体によって上部槽を充填するために、スプラッシュボックスタイプ設計が、冷却塔において使用される。スプラッシュボックス設計は、上部槽の中の液体の衝突につながる可能性がある。その理由は、液体のストリーム全体が、スプラッシュプレートにぶつかる可能性があり、液体(および、微量の有機物)が空気と混合するときに泡を作り出す可能性があるからである。DAC気液接触器用途においてスプラッシュボックス設計を組み込むときに、微量の有機物(たとえば、グリースなど)が、配管、ポンプ、槽、または環境から、CO回収溶液を含む液体に進入するかまたは浸出する可能性があり、発泡および関連の動作的な課題を推進する可能性がある。たとえば、発泡は、パッキングの上への液体の不均一な分配、および、上部槽の中の液体レベルを測定する際の困難につながる可能性がある。また、発泡は、安全上の危険になる可能性がある。その理由は、それが、上部槽からのオーバーフローにつながる可能性があるからである。下流の機器は、時には、有機物および泡をハンドリングおよび分離する際に課題を有する可能性がある。
【0105】
標準的な冷却塔設計エレメントがDACにとって最適でなかったいくつかのエリアは、比表面積、液体ホールドアップ効率、および、フロンタルエリア当たりの資本コストを含む。
【0106】
ガスから液体(CO回収フラックスを含む)への質量移送に関して、制御および/または最適化するべき重要な特性は、充填比表面積および液体ホールドアップ効率に直接的に関係付けられる液体表面積である。比表面積の観点から、冷却塔(設計目的としての熱伝達を伴う)は、比較的に高い液体と空気との比で稼働し、それは、比較的に厚い液体フィルムを結果として生じさせ、充填材形状における任意のマイクロ特徴を効果的に滑らかにする。追加的に、滑らかな表面は、生物学的な汚れを防止する。DACに関して、生物学的な汚れは、高pH溶液に起因する問題ではない。低い液体流量および/または間欠的な液体流量は、DAC用途において支持される可能性があり、ポンピング液体のコストを低減させるために望ましい。さらに、低い液体流量は、より低い圧力降下を結果として生じさせ、それは、ファンエネルギー要件を低減させる。
【0107】
充填液体ホールドアップ効率は、表面エネルギーに直接的に関係付けられる物理的な湿潤性によって部分的に決定され、液体が充填材の上部から底部へトラベルするときの被覆の完全性(それは、充填材の幾何学形状および表面構造によって決定される)によって部分的に決定される。金属材料と比較して、PVCは、より低い表面エネルギーを有しており、それは、より大きな接触角度、および、湿潤の減少を結果として生じさせる。DACは一般的に低い液体流量を使用するので、冷却塔用途においてよりもDACにおいて、表面湿潤性を制御および最適化することが著しく重要である可能性がある。
【0108】
いくつかのケースでは、プルーム再摂取を防止することは、プルームの独自の特性を所与として、冷却塔よりもDACにとって重要である可能性がある。気液接触器の出口部から吐出されるガス(それは、一般的に、DAC用途ではCO含有率の低いガスである)は、プルームと称される。空気接触器(たとえば、気液接触器)から退出するプルームは、従来の冷却塔から退出するプルームよりも冷たくて浮力が小さい傾向がある。たとえば、いくつかのDAC用途に関して、気液接触器は、気液接触器構造体の前面または側部における入口部を通して、CO回収のために、新鮮な空気を連続的に引っ張り込み、気液接触器のファンを部分的に囲むファンスタック(または、カウリング)を通して、低CO空気(たとえば、CO含有率の低いガス)を上部からベントする。いくつかのケースでは、接触器構造体の1つまたは複数の側部に位置付けされているガス取り入れ口セクションは、地面に対して非平行であり、気液接触器が、地面に対して実質的に平行な方向に空気を引き込むようになっている(たとえば、直交流設計の気液接触器)。風の方向は、CO含有率の低いガスが気液接触器入口部の中へ引き戻されることを引き起こす可能性がある。この現象は、プルーム再摂取として知られている。プルーム再摂取を低減させるために、いくつかの設計考慮が行われることが可能である。
【0109】
本システムおよび本方法(希薄なガス供給源(たとえば、大気または周囲空気)からCO2を回収するように設計されている)は、DACにとって重要な問題に対処する(それに限定されないが、雨水侵入、回収溶液からの材料の劣化、液体飛散、発泡、より大きなパッキング深さ、またはプルーム再摂取を含む)。
【0110】
図1Aおよび図1Bは、本開示による気液接触器100a、100b(集合的におよび個別に100)のパッキング106と他のエレメントとの間のインターフェースの例示目的の例を示している。気液接触器100は、液体分配システム104、ファン112およびその関連のモータ、ガス取り入れ口118、CO回収溶液114、パッキング106、ならびに底部槽110などのような、エレメントを含むことが可能である。いくつかの実装形態において(図示されていない)、気液接触器100は、気液接触器100の他のエレメントを部分的に囲むハウジングと、気液接触器100に構造的安定性を提供する構造部材を含むフレームとを含むことが可能である。液体分配システム104は、ノズルのセット、上部槽、加圧ヘッダ、またはそれらの組み合わせを含むことが可能であり、それは、CO回収溶液114をパッキング106の上に分配するように構成されている。たとえば、上部槽は、CO回収溶液114を保持することが可能であり、上部槽のフロアに位置決めされているノズルは、CO回収溶液114をパッキング106の上に流すことが可能である。CO回収溶液114は、重力を介してパッキング材料を通って流れることが可能であり、底部槽110の中に収集されることが可能である。図1Aの気液接触器100aは、液体分配システム104を含み、液体分配システム104は、CO含有率の高い空気に対して対向流構成(向流としても知られる)でCO回収溶液114を流すように構成されている。向流構成では、CO回収溶液114は、CO含有率の高い空気に対して実質的に平行かつ反対の方向に、パッキング106を通って流れることが可能である。図1Bの気液接触器100bは、液体分配システム104を含み、液体分配システム104は、CO含有率の高い空気に対して直交流構成でCO回収溶液114を流すように構成されている。直交流構成では、CO回収溶液114は、CO含有率の高い空気に対して実質的に非平行の(たとえば、垂直の)方向に、パッキング106を通って流れることが可能である。
【0111】
CO回収溶液114は、再循環(たとえば、液体分配システム104にポンプ送りされる)、下流処理(たとえば、再生、精製、および濾過などのため)、またはそれらの組み合わせのために、底部槽110から移送されることが可能である。ガスストリーム(たとえば、CO含有率の高い空気)は、ファン112およびその関連のモータを動作させることによって、ガス取り入れ口118の中へ流入し、パッキング106を通って、気液接触器100の出口部から流出することが可能である。いくつかのケースでは(図示されていない)、気液接触器100の出口部の少なくとも一部分は、ドリフトエリミネータ材料によってカバーされている。出口部は、ファン112の下流にあり、CO含有率の低いガスを吐出する。ドリフトエリミネータ材料は、パッキング106と出口部との間に位置決めされ、CO回収溶液114がガスストリームとともに気液接触器100から退出することを防止することが可能である。いくつかのケースでは、ガス取り入れ口118は、入口部ルーバ、保護スクリーン、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。
【0112】
本開示に説明されているようなパッキングを用いる気液接触器構成は、それに限定されないが、化学スクラバー、HVACシステム、および冷却塔を含む、1つまたは複数の市販の気液接触機器タイプを含むことが可能である。パッキングは、直交流構成または向流構成のうちの1つまたは複数の中の液体分配およびガスフローを可能にするように、気液接触器の中に設計および位置決めされることが可能である。いくつかの実装形態において、気液接触器は、CO含有率の高い空気を引き込むために、ファンの代わりにまたはそれに加えて、ブロワーを含むことが可能である。いくつかの実装形態において、ファンまたはブロワーは、誘導フロー構成になっていることが可能であり、他の実装形態において、強制フロー構成になっていることが可能である。
【0113】
いくつかの実装形態において、気液接触器100aおよび100bのエレメントは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、気液接触器100aおよび100bは、図2Aから図2Cのルーバ220、図3Aから図3CのFRP構造体300、図4の槽400、図5Aから図5Bの槽収容部システム500、図6の液体分配システム600、図7のパッキング支持体およびバッフル712、図8の隆起した壁部804、図9のファンスタック902、または、図10の制御システム1000を含むことが可能である。
【0114】
図2Aは、本開示による例示的なデュアルセル直交流気液接触器200の断面側面図を示している。気液接触器200は、複数の相互接続された構造部材205a、205b(2つだけが呼び出されており、集合的に205と呼ばれる)に連結されているハウジング202を含む。構造部材205は、構造的支持および安定性を気液接触器200に提供する。ハウジング202は、気液接触器200の他のエレメント(パッキングセクション206、プレナム208、上部槽204、およびパッキング支持体209を含む)を部分的に囲んで保護する。ハウジング202は、気液接触器200の中へのCO含有率の高いガスの取り入れを可能にする開口部を含む。
【0115】
別の態様において、気液接触器200は、気液接触器200の内部セクションへのアクセス可能性を含む。たとえば、気液接触器200のパッキング206および他の内部にアクセスするために、ウィンドウ、アクセスハッチ、またはドアのうちの1つまたは複数が提供されることが可能である。たとえば、パッキング206を除去する必要なしに内部セクションにアクセスするために、ドアが、入口部ルーバの中へカットされることが可能である。これは、接触器200の内部セクションのメンテナンスに有益である可能性があり、パッキング206の上の任意の汚染物質の蓄積物の検査のためにパッキング206へのアクセス可能性を可能にすることができる。汚染物質は、流体フローを妨げ、および/または、活性気液界面面積を低減させる可能性があり、したがって、気液接触器200の効率を低減させる可能性がある。
【0116】
気液接触器200は、CO回収溶液をパッキング206の上に流すように構成されている液体分配システムを含むことが可能である。液体分配システムは、ノズルのセット、上部槽、加圧ヘッダ、またはそれらの組み合わせを含むことが可能であり、それは、CO回収溶液をパッキング206の上に分配するように構成されている。気液接触器200は、1つまたは複数の槽(たとえば、上部槽204および底部槽210など)を含む。上部槽204は、CO回収溶液214(たとえば、CO吸着剤)を保持または貯蔵することが可能である。CO回収溶液214は、上部槽204から(たとえば、ポンピングもしくは重力フローまたはその両方を通して)パッキング206の上に分配されることが可能である。たとえば、上部槽204は、CO回収溶液214を保持することが可能であり、上部槽のフロアに位置決めされているノズルは、CO回収溶液214をパッキング206の上に流すことが可能である。CO回収溶液214は、重力を介してパッキング材料を通して流れることが可能であり、底部槽210の中に収集されることが可能である。いくつかのケースでは(図示されていない)、2つ以上の底部槽210が存在することが可能である。パッキング206は、1つまたは複数のパッキングセクションを含むことが可能である。CO回収溶液は、パッキング206を通って流れ、最終的に、底部槽210の中へ流入する。CO回収溶液214がパッキング206を通ってパッキング206の上を流れるときに、CO含有率の高いガスは、(たとえば、ファン212を動作させることによって)パッキング206を通して循環され、CO回収溶液214に接触する。流体同士を接触させることによって、混合流体が形成され、CO含有率の高いガスの中のCOの少なくとも一部分は、CO回収溶液214によって吸収され、CO含有率の低いガスを生み出す。直交流構成が図2Aに図示されているが、向流構成または同軸流構成も用いられることが可能である。
【0117】
CO含有率の低いガスは、パッキング206に隣接して位置決めされているプレナム208の中へ流入し、ファン212を動作させることによってファンスタック207を通して吐出される。パッキング206を横切る圧力降下は、ファン212を設計する際の要因であることが可能である。いくつかの実装形態において、特定のパッキング206設計は、パッキングを横切る圧力降下を低下させることが可能である。これは、気液接触器システムの全体的な圧力降下を比較的に一定に維持しながら、ガス速度の増加を可能にすることができる。ガス速度の増加は、より大きなファンまたはより高いファンスタックを介して実現されることが可能である。より大きなファンは、より大きなファンモータ、より多くのインペラーブレード、または、ファンブレードのカスタムピッチに関連付けられることが可能である。いくつかの実装形態において、低い圧力降下を伴うパッキングを用いることは実行可能でない可能性があり、その代わりに、ファン212は、大きなシステム圧力降下を収容するように設計されることが可能である。
【0118】
いくつかの態様において、CO含有率の高いガスは、周囲空気を含むことが可能である。周囲空気または大気の中のCO含有量は、希薄である可能性がある(たとえば、約1体積%未満)。たとえば、現在、大気の中のCO濃度は、約400ppmから415ppmである可能性があるが、排出が適正に緩和されない限り、この値は上昇し続ける可能性が高い。上部槽204は、ハウジング202の中に位置決めされており、1つまたは複数のカバープレート211によって少なくとも部分的にカバーされることが可能である。カバープレート211は、ハウジングに除去可能に取り付けられるかまたは固定されることが可能である。いくつかの態様において、気液接触器200の上部槽204は、上部槽を通した雨水侵入を防止するカバープレート211を含むことが可能である。また、カバープレート211は、気液接触器200から周囲の環境へのCO回収溶液214の損失を防止するかまたは低減させることが可能である。
【0119】
気液接触器200のパッキング206の下に位置決めされている底部槽210は、CO回収溶液214を収集することが可能である。底部槽210の中のCO回収溶液214は、さらなるCO回収のために再循環させられ、および/または、回収溶液再生システムなどのような下流プロセスにポンプ送りされることが可能である。気液接触器200は、パッキングセクションに介在するパッキング支持体209を含むことが可能である。パッキング支持体209は、パッキング206の中の第1のパッキングセクションと第2のパッキングセクションとの間に位置決めされることが可能である。パッキング支持体209は、上部槽204と底部槽210との間に位置決めされることが可能である。たとえば、接触器200のパッキング206は、パッキング支持体209を通して追加的な支持を受けることが可能であり、パッキング206の上部セクションの中に保持されている液体の重量が、パッキング206自身の上部セクションの重量とともに、パッキング206の底部部分を押しつぶさないようになっている。たとえば、高さ24フィートのパッキング206は、それぞれが12フィートの高さを有する上部パッキングセクションおよび底部パッキングセクションを含むことが可能であり、パッキング支持体209は、パッキング206の上部パッキングセクションと底部パッキングセクションとの間に位置決めされることが可能である。いくつかの態様において(図示されていない)、気液接触器200は、パッキング支持体を含まなくてもよい。
【0120】
CO回収溶液214は、たとえば、従来から冷却塔用途において使用されているような水または処理水と比較して、より粘性が高く、より密度が高い。いくつかの実装形態において、パッキング206は、希薄な供給源からCOを回収するように設計された充填体を含むことが可能である。たとえば、気液接触器200は、CO回収溶液214の低い液体流量において動作することが可能であり、それは、CO回収溶液214のフローレジームに影響を与えることが可能である。たとえば、低い液体流量は、リブレットフローに向かう傾向がある可能性があり、それは、望ましくない。その理由は、それが、CO含有率の高いガスからCO回収溶液214への質量交換に利用可能な気液インターフェース面積を低減させる可能性があるからである。他方では、特定の特性(たとえば、パッキング206の固体表面の自由エネルギー、ならびに、CO回収溶液214の密度、粘度、および表面張力など)は、フィルムフローを維持するために活用されることが可能である。CO回収溶液214のこれらの特性のうちの少なくともいくつかは、苛性の吸着剤(たとえば、KOHまたはNaOH)などのような溶解した吸着剤の高い濃度に起因して、水(それは、冷却塔用途における典型的な液体である)のものと異なっている可能性がある。
【0121】
いくつかの態様において、パッキングブロックの総数は、異なるブロック間のパッキングインターフェースの数を低減させるために、パッキング体積において最小化されることが可能である。たとえば、気液接触器200の中のパッキング206(パッキング体積)の例示的な寸法は、24’x10’x24’であることが可能である。これらの寸法を得るために使用され得るパッキングブロックは、2’x2’x2’から2’x2’x12’の範囲にあることが可能である(これらのケースにおいて、寸法は、LxWxHフォーマットで提供されている)。ブロックは、所望のパッキング体積を得るために一緒に整合されている。これは、以下の2つの問題のうちの一方または両方を作り出す可能性がある:1)ブロックが整合されない可能性があり、たとえば、1つのパッキングブロックの面の上のパターンは、それに隣接するパッキングの上のパターンと完全には整合されない、および、2)2つのパッキングブロックの間にスペースまたはギャップが存在する可能性がある。ブロック間のこれらの問題は、1つのパッキングブロックから別のパッキングブロックへのCO回収溶液214の不適正な分配につながる可能性があり、パッキング206を横切る圧力降下を増大させる可能性がある。
【0122】
いくつかの態様において、気液接触器200は、パッキング体積において使用されるブロックの数を低減させることによって、これらの問題に対処することが可能である。一般的に、所与のパッキング体積におけるブロックのサイズが大きいほど、隣接するブロックの間のインターフェースの数は小さくなる。パッキング体積を充填するためのパッキングの単一のモノリスは、そのような不整合を回避することが可能であり、実質的なギャップを残さず、パッキング206を通る回収溶液の均質なフローを提供する。また、そのような設計は、パッキング206を横切る圧力降下を低減させることが可能である。上記の例におけるモノリスは、気液接触器ハウジング202の所望の寸法全体を充填する、パッキングの単一のブロック(たとえば、24’x10’x24’)を指す。随意的に、モノリスは、ドリフトエリミネータのセットに連結されることが可能であり、それは、典型的に、パッキングの下流に位置決めされている。いくつかのケースでは、モノリシックのパッキングブロックは、1つまたは複数のパッキング支持体によって支持されることが可能である。パッキング206は、3D構造体であり、3D構造体において、面は、従来の通り設計されている(たとえば、立方体の面または直方体の面など)。
【0123】
いくつかのケースでは、パッキングとハウジングとの間に、および/または、1つもしくは複数のパッキングセクション(たとえば、パッキングブロック)のそれぞれの間に、ギャップが存在する可能性がある。本開示において、「実質的にギャップがない」は、パッキングを保持するように構成されている気液接触器の体積が、1つまたは複数のパッキングセクションによって少なくとも98%占有されていること、および、気液接触器の入口部の断面積が、1つまたは複数のパッキングセクションによって少なくとも98%カバーされていることを意味する可能性がある。
【0124】
以前に述べられたように、CO回収溶液の溶液特性は、冷却水の溶液特性とは異なっている可能性があり、温度および組成に基づいて変化する可能性がある。したがって、より良好なCO回収性能のために溶液特性が修正され得る方式が存在している。たとえば、CO回収溶液214の密度および粘度は、そのような溶液の組成および温度に応じて変化する可能性がある。たとえば、20℃から0℃の温度において、1M KOHおよび0.5M KCOを含む回収溶液は、1115~1119kg/mの範囲にある密度、および、1.3~2.3mPa-sの範囲にある粘度を有することが可能である。別の例では、20℃から0℃の温度において、2M KOHおよび1M KCOを含む回収溶液は、1260~1266kg/mの範囲にある密度、および、1.8~3.1mPa-sの範囲にある粘度を有することが可能である。比較すると、水は、20℃において、998kg/mの密度および1mPa-sの粘度を有している。
【0125】
いくつかのケースでは、CO回収溶液の表面張力を水の表面張力に近付けるように低下させることは、パッキング材料を濡らす溶液の能力を改善することが可能である。CO回収溶液の表面張力を調節することは、濃度を希釈することまたは界面活性剤を追加することによって達成されることが可能である。
【0126】
いくつかのケースでは、パッキング206のタイプ、または、パッキング206の据え付けは、CO回収溶液の液体飛散に伴う潜在的な問題につながる可能性があり、それは、時には危険である可能性があり、および/または、CO回収溶液の追加的な補給を必要とする可能性がある。湿潤気候では、CO回収溶液が希釈されないように雨水侵入を防止することも重要である可能性がある。したがって、CO含有率の高いガスに対しては浸透性であるが液体に対しては不浸透性であるバリア(たとえば、ルーバなど)を実装することが有利である可能性がある。
【0127】
図2A図2Cは、構造化ルーバ220またはスラット型ルーバ222(時にはブレードスタイルルーバと称される)を含む例示的な気液接触器200の図を示している。いくつかの実装形態において(図示されていない)、気液接触器200は、構造化ルーバ220およびスラット型ルーバ222の組み合わせを含むことが可能である。気液接触器200の入口部224は、構造化ルーバ220、スラット型ルーバ222、またはそれらの組み合わせによって、少なくとも部分的にカバーされることが可能である。
【0128】
図2Bは、構造化ルーバ220によって少なくとも部分的にカバーされている例示的な気液接触器200の入口部224の正面図を示している。構造化ルーバ220は、開口部226a、226b(煩雑になるのを回避するために、2つだけが呼び出されており、集合的に226と呼ばれる)を含む支配的な面を有することが可能であり、開口部226a、226bは、CO含有率の高いガスが気液接触器200の入口部224に進入すること、および、次いで、パッキング206の中へ流入することを可能にする。構造化ルーバ220は、開口部226に互いに接続されている1つまたは複数のシートを含むことが可能である。1つまたは複数のシートは、格子、グリッド、ハニカム、またはそれらの組み合わせを形成するように配置されることが可能であり、開口部226がそれらの間に画定されている。いくつかの実装形態において、構造化ルーバ220は、一体的に形成されている1つの連続的なシートを含むことが可能であり、シートの縁部は、構造化ルーバ220の開口部226を画定している。いくつかの実装形態において(図示されていない)、構造化ルーバ220は、パッキング206と一体的に形成されることが可能である。
【0129】
いくつかのケースでは、いくらかのCO回収溶液は、たとえば、支持コンポーネント(たとえば、アングルおよびロッドなど)の表面から偏向することが可能であり、および、構造化ルーバ220から排出されることが可能である。液体飛散を緩和するために、構造化ルーバ220に加えてスラット型ルーバ222を用いることが有利である可能性がある。図2Cは、スラット型ルーバ222によって少なくとも部分的にカバーされている例示的な気液接触器200の入口部224の正面図を示している。スラット型ルーバ222は、平坦な面を備えたパネルまたはブレードとしてそれぞれ形状決めされることが可能である。いくつかの実装形態において、スラット型ルーバ222は、液体(たとえば、CO回収溶液、雨水)を収集してドレン排出するガターを形成するように曲線または角度を含む(たとえば、L字形状になっている、J字形状になっている、など)断面を有することが可能である。液滴は、周囲の環境へ飛散するのではなく、平坦な面に接触し、ガターまで下にトラベルすることが可能である。
【0130】
気液接触器200が構造化ルーバ220およびスラット型ルーバ222の両方を用いるケースでは、構造化ルーバ220の(CO含有率の高いガスフローの観点から)上流にスラット型ルーバ222を位置決めすることが有益である可能性がある。これは、飛散する大量の液体を構造化ルーバ220が少なくとも部分的にブロックすることを可能にし、構造化ルーバ220をバイパスする液体のより小さな部分をスラット型ルーバ222が少なくとも部分的にブロックすることを可能にし、したがって、2つ以上のバリアを提供する。一般的に、CO含有率の高いガスは、最初にスラット型ルーバ222を通って流れ、次いで、下流に位置決めされている構造化ルーバ220を通って流れることが可能である。
【0131】
構造化ルーバ220およびスラット型ルーバ222は、CO含有率の高いガスのフローをパッキング206の中へ方向付けるように向き付けられることが可能である。スラット型ルーバ222は、独立して制御可能であり得る。たとえば、スラット型ルーバ222の上側部分は、スラット型ルーバ222の下側部分が閉じられた状態で開いていることが可能である。大量のCO含有率の高いガスが処理される必要がある可能性があり、破片、動物、および昆虫から気液接触器200を遮蔽することが有益である可能性がある。構造化ルーバ220およびスラット型ルーバ222は、CO含有率の高いガスフローを選択的に取り込んで方向付けることに加えて、これを補助することが可能である。それぞれの構造化ルーバ220の支配的な面は、気液接触器200の入口部224(たとえば、前面)と実質的に平行になっていることが可能である。それぞれのスラット型ルーバ222の平坦な面は、気液接触器200の入口部224(たとえば、前面)に対して実質的に非平行の角度で向き付けられることが可能である。
【0132】
いくつかの実装形態において、気液接触器200の入口部224は、他のエレメントを適切な位置に保持するための支持コンポーネント(たとえば、アングル、ストラップ、およびロッドなど)を含むことが可能である。これらのコンポーネントは、時には、ルーバから外へ液体を偏向させる表面を提供することによって、液体飛散を悪化させる可能性がある。いくつかのケースでは、コンポーネントのこれらの表面または部分のうちのいくつかは、液体がルーバから外へ偏向されて排出されないように、修正または除去されることが可能である。いくつかのケースでは、雨水は、ルーバの中の開口部を通って気液接触器に進入し、次いで、底部槽410へ下に流れ、CO回収溶液を汚染または希釈する可能性がある。いくつかの実装形態(図示されていない)において、カバーが、構造化ルーバ220および/またはスラット型ルーバ222の上方に設置され、雨水が入口部を通って進入することを防止することが可能である。
【0133】
気液接触器システムの中のプロセスストリーム、ならびに、気液接触器システムが流体的に連結されている任意の下流プロセスの中のプロセスストリームは、システムの全体を通して実装される1つまたは複数のフロー制御システム(たとえば、制御システム999)を使用して流されることが可能である。フロー制御システムは、プロセスストリームを移動させるための1つまたは複数のフローポンプ、ファン、ブロワー、または固形物コンベヤー、プロセスストリームがそれを通して流される1つまたは複数のフローパイプ、および、パイプを通るストリームのフローを調整するための1つまたは複数のバルブを含むことが可能である。本明細書で説明されている構成のそれぞれは、少なくとも1つの液体流量を制御することができるそれぞれのポンプに連結されている少なくとも1つの可変周波数駆動装置(VFD)を含むことが可能である。いくつかの実装形態において、液体流量は、少なくとも1つのフロー制御バルブによって制御される。
【0134】
いくつかの実施形態において、フロー制御システムは、手動で動作されることが可能である。たとえば、オペレータは、それぞれのポンプまたは移送デバイスのための流量を設定し、バルブの開位置または閉位置を設定し、フロー制御システムの中のパイプを通るプロセスストリームのフローを調整することが可能である。オペレータが、システムを横切って分配されたすべてのフロー制御システムに関して、流量およびバルブの開位置または閉位置を設定すると、フロー制御システムは、一定のフロー条件(たとえば、一定の体積流量)または他のフロー条件の下でストリームを流すことが可能である。フロー条件を変化させるために、オペレータは、たとえば、ポンプ流量またはバルブの開位置もしくは閉位置を変化させることによって、フロー制御システムを手動で動作させることが可能である。
【0135】
いくつかの実施形態において、フロー制御システムは、自動的に動作されることが可能である。たとえば、フロー制御システムは、フロー制御システムを動作させるためのコンピュータまたは制御システム(たとえば、制御システム999)に接続されることが可能である。制御システムは、動作(たとえば、フロー制御動作など)を実施するための1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なインストラクション(たとえば、フロー制御インストラクションおよび他のインストラクションなど)を記憶したコンピュータ可読媒体を含むことが可能である。オペレータは、制御システムを使用して、施設を横切って分配されたすべてのフロー制御システムに関して流量およびバルブの開位置または閉位置を設定することが可能である。そのような実施形態では、オペレータは、制御システムを通して入力を提供することによって、フロー条件を手動で変化させることが可能である。また、そのような実施形態では、制御システムは、たとえば、制御システムに接続されているフィードバックシステムを使用して、フロー制御システムのうちの1つまたは複数を自動的に(すなわち、手動の介在なしに)制御することが可能である。たとえば、センサー(たとえば、圧力センサー、温度センサー、または他のセンサーなど)は、プロセスストリームがそれを通って流れるパイプに接続されることが可能である。センサーは、プロセスストリームのフロー条件(たとえば、圧力、温度、または他のフロー条件など)をモニタリングし、制御システムに提供することが可能である。フロー条件が閾値(たとえば、閾値圧力値、閾値温度値、または他の閾値など)を超えることに応答して、制御システムは、自動的に動作を実施することが可能である。たとえば、パイプの中の圧力または温度が閾値圧力値または閾値温度値をそれぞれ超えた場合には、制御システムは、流量を減少させるための信号、圧力を解放するためにバルブを開けるための信号、プロセスストリームフローをシャットダウンするための信号、または他の信号を、ポンプに提供することが可能である。
【0136】
いくつかの実装形態において、気液接触器200のエレメントは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、気液接触器200は、図3Aから図3CのFRP構造体300、図4の槽400、図5Aから図5Bの槽収容部システム500、図6の液体分配システム600、図7のパッキング支持体およびバッフル712、図8の隆起した壁部804、図9のファンスタック902、または、図10の制御システム1000を含むことが可能である。
【0137】
商業用冷却塔において使用される従来の構築材料(MOC)は、木材、炭素鋼、および繊維強化ポリエステル標準樹脂を含む。しかし、木材、炭素鋼、アルミニウム、およびポリエステル標準樹脂は、典型的に、苛性溶液(たとえば、KOHまたはNaOHなど)の中で良好に持ちこたえられない。これらの材料(それらは、冷却塔にとって標準的である)は、それらが経時的な露出によって劣化する傾向があるので、苛性溶液とは相性が悪いと考えられている。気液接触器200は、苛性溶液を含むCO回収溶液214を用いることが可能であるので、冷却塔において使用される従来のMOCは、理想的でないことが多い。気液接触器を構築するために使用されるいくつかの構造体は、それに限定されないが、いくつかの耐腐食性スチール合金、ステンレス鋼(たとえば、304ステンレス鋼)、またはガラス繊維強化ポリエステル(FRP)を含む、苛性適合性のMOCを含むことが可能である。苛性適合性のMOCとしてFRPを含む構造体は、本明細書でFRP構造体と称される。FRP構造体は、より伝統的な材料から作製された構造体と比較して、いくつかのCO回収溶液の中でより耐久性があることが可能である。
【0138】
図3A図3B、および図3Cは、本開示による気液接触器システムのためのライニングされた開口部および切断端部を含む、例示的なFRP構造体の断面図および斜視図を示している。図3A図3B、および図3Cは、I-ビーム300a、U-ビーム300b、およびビームコネクタ300cをそれぞれ示している。
【0139】
I-ビーム300a、U-ビーム300b、およびビームコネクタ300cは、苛性適合性のMOCを含む気液接触器200の例示的なFRP構造体である。苛性適合性のMOCは、CO回収溶液214の苛性成分からの劣化に対するその耐性のために選ばれる。いくつかのケースでは、苛性適合性のMOCは、最大で10%までのKOHの溶液からの劣化に抵抗することが可能である。いくつかの実装形態において、I-ビーム300a、U-ビーム300b、およびビームコネクタ300cは、CO回収溶液214に少なくとも部分的に接触する(たとえば、CO回収溶液214に露出されるかまたはCO回収溶液214によって濡らされる表面積の少なくとも一部分を有する)こととなるコンポーネントであることが可能である。I-ビーム300a、U-ビーム300b、およびビームコネクタ300cは、ガラス繊維324の1つまたは複数のセクションを少なくとも部分的にカバーするFRP材料322をそれぞれ含む。FRP322は、ポリエステル標準樹脂、ビニールエステル樹脂、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。苛性のCO回収溶液214を使用する気液接触器200に関して、たとえば、コンポーネントのI-ビーム300a、U-ビーム300b、およびビームコネクタ300cが、FRP322の中にポリエステル樹脂の代わりにビニールエステル樹脂を含むことが有利である可能性がある。ビニールエステル樹脂は、それがポリエステル標準樹脂よりもコストがかかるので、冷却塔業界において広く使用されてはいないが、ビニールエステルは、苛性溶液(たとえば、KOH、NaOH)からの劣化に対して著しくより抵抗力がある。ポリエステルは、ビニールエステルと比較して、苛性溶液に長時間露出されると加水分解をより起こしやすい。たとえば、ビニールエステルのビスフェノールAグループは、苛性溶液に対して良好な耐性を実証している。ガラス繊維324は、Advantex(登録商標)ガラス、EC-Rガラス、Eガラス、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。Advantex(登録商標)ガラスは、腐食性である可能性があるアルカリ用途のためのFRPの補強として、他のガラス(たとえば、標準的なEガラスなど)よりも良好であり得る。苛性溶液との適合性に加えて、FRP322およびガラス繊維324(たとえば、FRP複合材)の中の樹脂が、効果的な結合を形成し、機械的に安定したFRP構造体を形成することが重要である可能性がある。たとえば、あるタイプのガラス繊維324は、苛性溶液に対して優れた耐性を有することが可能であるが、そのタイプのガラス繊維324がFRP322の中の樹脂と効果的な結合を形成しない場合には、それは、FRP322の中へ苛性溶液の浸透を引き起こす可能性がある。いくつかのケースでは、気液接触器200は、10年以上の動作のために建設されており、そのような浸透は、FRP322の構造的完全性を損傷させる可能性がある。
【0140】
いくつかの態様において、I-ビーム300a、U-ビーム300b、およびビームコネクタ300cは、取り付けハードウェア326(たとえば、ボルト)および開口部320を含む例示的なFRP構造体である。ガラス繊維324は、FRP構造体の強度の55~90%を提供することが可能である。苛性溶液を含むCO回収溶液が、亀裂、孔、切断端部328を通って、化学的な拡散によって、または、これらの任意の組み合わせによって、ガラス繊維324の中へ入る場合に、腐食が起こる可能性がある。切断端部は、FRP構造体が(たとえば、カットすること、ノコギリで切ること、細断すること、スライスすることなどによって)終端されるときに形成されるFRP構造体の面または側部であり、それによって、ガラス繊維324は、潜在的に露出される。苛性溶液の侵入によって引き起こされる腐食を防止するために、1つの例において、FRP構造体の開口部320および切断端部328は、シーラント層によってライニングされることが可能である。シーラント層は、FRPにおいて使用される同じ樹脂(たとえば、ビニールエステル樹脂)を含むことが可能である。いくつかの実装形態において、開口部320は、保護スリーブをライニングされることが可能であり、保護スリーブは、苛性溶液を含むCO回収溶液に適合可能なPVCまたは別のMOCから形成されることが可能である。いくつかの実装形態において、取り付けハードウェア326は、ビニールエステル樹脂によってコーティングされることが可能である。取り付けハードウェア326は、ボルトとして図示されているが、締結具、クランプ、クリップ、ピン、スクリュー、タイダウン(tie-down)、またはネイルを含む、他のタイプの取り付けハードウェアが、ボルトの代わりにまたはボルトに加えて使用されることも可能である。
【0141】
いくつかの態様において、気液接触器200は、CO回収溶液に対して抵抗力がある保護コーティングを含むことが可能である。たとえば、保護コーティングは、苛性のCO回収溶液に対して抵抗力がある苛性適合性のコーティングまたは苛性適合性の材料を含むことが可能である。保護コーティングは、CO回収溶液214によって湿潤可能な気液接触器200のコンポーネントに適用されることが可能である。たとえば、保護コーティングは、気液接触器200の湿潤可能なコンポーネントに適用されるビニールエステル樹脂を含むことが可能である。「湿潤可能な」という用語は、CO回収溶液214と接触する接触器200のコンポーネント(構造部材、ハウジング、および槽を含む)を指すことが可能である。
【0142】
いくつかのケースでは、CO回収溶液214の汚染を防止することが、性能にとって重要である。たとえば、底部槽および/または上部槽は、周囲環境に露出される可能性があり、したがって、周囲から多量の水(たとえば、雨水)または微粒子を不注意に受け入れる可能性がある。たとえば、雨水は、ファンスタックを通して気液接触器に進入することが可能である。雨水消費は、湿潤気候において特に問題である可能性があり、CO回収溶液214の希釈につながる可能性がある。気液接触器200の底部槽210は、雨水の大部分が気液接触器に入らないように維持するかまたはプレナムの中に雨水を隔離するエレメントを含むことが可能であり、雨水がCO回収溶液を汚染または希釈する可能性が低くなるようになっている。
【0143】
いくつかの実装形態において、FRP構造体300のエレメントは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200は、図3Aから図3CのFRP構造体300を含むことが可能である。
【0144】
図4Aおよび図4Bは、本開示による、気液接触器の例示的な底部部分400a、400b(集合的に400)の斜視図および上面図をそれぞれ示している。気液接触器の底部部分(または、「槽」)400は、プレナムの下方の収容部402から底部槽410を少なくとも部分的に分別する分離壁部406および隆起した壁部408を含む。収容部402は、サンプ412を含み、サンプ412は、液体(たとえば、雨水またはCO回収溶液の一部分など)をドレン排出することが可能である。底部槽410は、接触器サンプ404に隣接しており、接触器サンプ404に流体的に連結されており、接触器サンプ404は、CO回収溶液を下流プロセス(たとえば、再生システム、精製システム、または濾過システムなど)に送る。
【0145】
CO回収溶液214は、パッキング206の上を流れ、または、その上で分配し、底部槽410の中に収集されることが可能である。底部槽410の中のCO回収溶液214は、接触器ポンプ404を動作させることによって、気液接触器200の上部槽204ポンプ送りされて戻され、および/または、下流プロセス(たとえば、再生システム、精製システム、または濾過システムなど)に送られることが可能である。底部槽410は、CO回収溶液に適合可能な少なくとも1つのMOCを含むことが可能である。いくつかの実装形態において(図示されていない)、気液接触器の底部部分400は、底部槽410に対する損傷のケースにおいて、底部槽410から外部環境(たとえば、土壌、地下水など)へのCO回収溶液の漏出を防止するかまたは低減させるエレメントを含むことが可能である。
【0146】
いくつかの態様において、底部槽410は、CO回収溶液に適合可能な1つまたは複数のMOCを含むことが可能である。たとえば、底部槽410は、ステンレス鋼、コンクリート、HDPE、またはそれらの組み合わせを含む(たとえば、それから少なくとも部分的に形成されている)複数の槽セクションを含むことが可能である。いくつかのケースでは、これらのMOCのうちの1つまたは複数は、苛性溶液からの劣化に抵抗することが可能である。
【0147】
別の態様において、CO回収溶液に適合可能なMOCの例は、高密度ポリエチレン(HDPE)、PVC、または、穿刺抵抗力がある他の熱可塑性プラスチックを含む。HDPE、PVC、またはそれらの組み合わせは、底部槽410の少なくとも一部分を形成するように使用されることが可能である。たとえば、底部槽410は、可撓性であるHDPE槽を含むことが可能である。いくつかのケースでは、底部槽410は、厚さ1mm以上のHPDE槽を含むことが可能である。いくつかのケースでは、追加的な構造的完全性コンポーネントまたは槽支持構造体が、HDPE槽に連結されることが可能である。これらの槽支持構造体は、アースバーム(earth berm)、ロックブロック、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。いくつかの態様において、底部槽410は、コンクリート、スチール、HDPE、またはそれらの組み合わせを含む(たとえば、それらから建設される)ことが可能である。底部槽410は、湿潤可能な表面を含むことが可能であり、湿潤可能な表面は、保護コーティング(たとえば、図5における底部槽500のものなど)によってコーティングまたはライニングされている。たとえば、保護コーティングは、苛性のCO回収溶液に対して抵抗力がある苛性適合性のコーティングまたは苛性適合性の材料を含むことが可能である。底部槽410の湿潤可能な表面は、CO回収溶液214に接触することができる槽210の任意の表面を含む。
【0148】
大量の降水量を伴う気候では、雨水侵入は、雨水がCO回収溶液を希釈する可能性があるので、とりわけDAC用途に関して、気液接触器の懸念になる可能性がある。いくつかのケースでは、雨水は、特にファンが動いていないときに、気液接触器のファンスタックを通ってプレナムおよび収容部402に進入する可能性がある。いくつかのケースでは、雨水は、気液接触器の入口部を通ってプレナムおよび収容部402に進入する可能性がある。たとえば、雨水液滴は、CO含有率の高いガス(たとえば、空気)の中に同伴され、かなりの空気バイパスに起因してガス入口部からプレナムへ流れる可能性がある。ギャップまたは不適正なシーリングに起因して、CO含有率の高いガス(および、時には、CO含有率の高いガスの中に同伴された液体)の一部分がパッキングおよび/またはドリフトエリミネータ材料を通過して移動するときに、空気バイパスが起こり、回収効率を低減させる可能性がある。いくつかのケースでは、雨水は、気液接触器の入口部に進入し、次いで、底部槽410へ下に流れ、CO回収溶液214と混合する可能性がある。プレナムおよび収容部402の中への雨水侵入の課題に対処する1つのアプローチは、プレナムおよび収容部402を底部槽410から少なくとも部分的に分別する1つまたは複数の隆起した壁部408を含むことである。1つまたは複数の隆起した壁部408は、コンクリート、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせから形成されることが可能である。いくつかの態様において、1つまたは複数の隆起した壁部408は、プレナムに進入する雨水が、底部槽410に進入し、底部槽410の中に収集されたCO回収溶液214を希釈することを防止することが可能である。
【0149】
いくつかのケースでは、雨水は、かなりの空気バイパスおよびドリフトエリミネータにおける非効率性またはギャップに起因して、気液接触器のガス入口部からプレナムおよび収容部402に進入する可能性がある。いくつかのケースでは、CO回収溶液の一部分は、液体飛散に起因してパッキングからプレナムおよび収容部402に進入する可能性がある。CO回収溶液および雨水の一部分は、サンプ412などのような雨水退出口を使用してドレン排出されることが可能である。いくつかの実装形態において、サンプ412は、雨水、CO回収溶液、またはそれらの組み合わせを収容部402から流出させるドレンパイプに流体的に連結されることが可能である。いくつかの実装形態において、サンプ412は、雨水、CO回収溶液、またはそれらの組み合わせを底部槽410へ流すサンプポンプを含むことが可能である。底部槽410から、液体は、下流プロセス(たとえば、再生システム、精製システム、または濾過システムなど)に送られることが可能である。いくつかの実装形態において、サンプ412の中のサンプポンプを動作させることは、収容部402から雨水をドレン排出し、水処理システムに送ることが可能である。プレナムは、プレナムフロアを含み、プレナムフロアは、除去を可能にするようにサンプ412に向けて傾斜されることが可能である。いくつかのケースでは、プレナムフロアは、少なくとも2%のドレナージ傾斜を付けられることが可能である。
【0150】
隆起した壁部408(それは、槽410の周囲および槽410の分別壁部406の境界を定めている)は、気液接触器の構造部材の少なくとも一部分を支持するという追加的な利益を提供することが可能である。底部槽410の中のCO回収溶液214の液体レベルよりも上において、1つまたは複数の隆起した壁部408の上に構造部材を装着することによって、構造部材がCO回収溶液214の中に水没されることを防止することが可能である。これは、CO回収溶液214が苛性溶液を含むケースにおいて有益である可能性がある。その理由は、従来の冷却塔材料から形成された構造部材の長時間の水没は、時間の経過とともに材料劣化につながる可能性があるからである。
【0151】
いくつかの実装形態において、気液接触器の底部部分400のエレメントは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200は、図4Aおよび図4Bの気液接触器の底部部分400を含むことが可能である。
【0152】
図5Aおよび図5Bは、本開示による気液接触器システムのための例示的な底部槽収容部システム500a、500b(集合的に500)の断面図および斜視図をそれぞれ示している。
【0153】
底部槽収容部システム500は、1つまたは複数のバリアを含むことが可能であり、1つまたは複数のバリアは、CO回収溶液への露出によって引き起こされる劣化を防止するかまたは低減させることが可能であり、底部槽508が損傷された場合にCO回収溶液の漏出を防止することが可能である。底部槽508は、コンクリート、スチール、またはそれらの組み合わせを含む複数の槽セクションまたはスラブから形成されることが可能である。
【0154】
底部槽収容部システム500は、底部槽508の湿潤可能な表面の上に適用された保護コーティング510を含むことが可能である。たとえば、保護コーティングは、苛性のCO回収溶液に対して抵抗力がある苛性適合性のコーティングまたは苛性適合性の材料を含むことが可能である。保護コーティング510は、底部槽508の劣化を防止するかまたは低減させることが可能である。保護コーティング510の例は、ステンレス鋼コーティング、コテ塗りされ得るポリウレタンベースのコーティングシステム(たとえば、Ucrete UD200)、スプレーされるかまたはローラー塗りされ得るビニールエステルベースの複合システム(たとえば、Ceilcote 242/242MR Flakeline)、コテ塗りされ得るガラス繊維強化材料およびノボラックエポキシトップコートを含むエポキシベースのシステム(たとえば、Dudick-Protecto-Flex 100XT)、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である。いくつかの実装形態において、保護コーティング510は、苛性溶液からの劣化に対して抵抗力がある添加剤を含むことが可能である。たとえば、添加剤は、PVC粒子または繊維を含むことが可能である。
【0155】
底部槽508は、互いに連結されている複数のコンクリートスラブまたは槽セクションを含むことが可能である。いくつかの実装形態において(図示されていない)、コンクリート基礎は、1つまたは複数のウォーターストップを含むことが可能であり、1つまたは複数のウォーターストップは、スラブ間または槽セクション間に位置付けされている構築ジョイントにおいて、コンクリートスラブまたは槽セクションの中に埋め込まれている。ウォーターストップは、コンクリート(たとえば、コンクリートスラブまたはコンクリート槽セクション)の中に埋め込まれており、流体(典型的に液体)がジョイントを通って周囲の環境へ通過することを防止するように構成されている。底部槽508は、苛性溶液を含むCO回収溶液214を収集するように構成されており、したがって、底部槽508は、苛性適合性であるウォーターストップから利益を受けることが可能である。ウォーターストップは、苛性溶液を含むCO回収溶液に適合可能なMOCを含むことが可能であり、CO回収溶液214がコンクリートスラブ間またはコンクリート槽セクション間に漏出した場合に、ウォーターストップが劣化されないようになっている。たとえば、構築ジョイントにおいてコンクリートスラブまたは槽セクションの中に埋め込まれているウォーターストップは、熱可塑性加硫物(TPV)、PVC、親水性クロロプレンゴム、ステンレス鋼、またはそれらの組み合わせから形成されることが可能である。
【0156】
底部槽収容部システム500は、ライナー506(たとえば、ジオメンブレンライナー)を含むことが可能である。底部槽508は、ライナー506によって少なくとも部分的に取り囲まれることが可能である。ライナー506は、槽と周囲の地面またはグレードとの間に位置決めされることが可能である。いくつかの実装形態において、ライナー506の少なくとも一部分は、底部槽508と直接的に接触している。いくつかの実装形態において、ライナー506は、保護コーティング510が損傷を受けた(そして、結果として、CO回収溶液が底部槽508を通って漏れ出すことを可能にする)場合に、3次的な収容部として作用することが可能である。たとえば、ライナーは、底部槽210の少なくとも一部分を取り囲むかまたはその下に横たわるジオメンブレンライナー506であることが可能である。ライナー506は、苛性溶液を含むCO回収溶液に適合可能なHDPE、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、または別のMOCを含むことが可能である(たとえば、それから少なくとも部分的にされることが可能である)。いくつかの実装形態において、ライナー506は、0.5mmから5mmの間の厚さのライナー厚さを有することが可能である。たとえば、ライナー506は、1mmのライナー厚さを有するHDPEライナーであることが可能である。図5Bに図示されているように、いくつかのケースでは、ピンチバー512は、底部槽508に対してライナー506を保持するために使用されることが可能である。ピンチバー512は、複数のボルト孔を備えたスチール製バーであることが可能である。ピンチバー512は、コンクリートに対してライナー506を挟み込むことが可能であり、複数のボルトによって固定されることが可能である。ライナー506は、コンクリートスラブの側部に対して終端され、次いで、シーラントによってシールされることが可能である。ライナー506において使用されるHDPEまたは同等の材料は、苛性溶液を含むCO回収溶液に対する保護を提供する。いくつかのケースでは、締結具、クランプ、クリップ、ピン、スクリュー、タイダウン、またはネイルを含む、他のタイプの取り付けハードウェアが、ピンチライナー506およびピンチバー512を底部槽508に固定するために使用されることも可能である。
【0157】
底部槽収容部システム500は、ライナー506の少なくとも一部分を取り囲むかまたはその下に横たわる不織ジオテキスタイル504を含むことが可能である。不織ジオテキスタイル504は、フィルタファブリックを含むことが可能であり、フィルタファブリックは、ライナー506と押しつぶされた砂利502(または、周囲の環境)との間に挿入され、据え付けの間にライナー506が穿刺されないように保護する。いくつかの実装形態において(図示されていない)、底部槽収容部システム500は、底部槽508とジオメンブレンライナー506との間に介在する漏出検出システムを含むことが可能である。1つの実装形態(図示されていない)において、ジオメンブレンライナー506は、2つの保護用の不織ジオテキスタイル層の間に挟まれている。
【0158】
いくつかのケースでは、据え付けの間に、ライナー506は、(たとえば、槽セクションまたはスラブを形成するための)コンクリート打設の前におよびその間に、砂によって不織ジオテキスタイルに対抗して適切な場所に一時的に保持されることが可能である。モニタリングウェルは、ライナー506と底部槽508との間の埋め戻しを低減させるのに有益である可能性がある。いくつかのケースでは、据え付けの間に、コンクリート槽セクションまたはスラブは、別の槽セクションまたはスラブと連結する前に、ライナー506によって包まれることが可能である。
【0159】
いくつかの実装形態において、底部槽収容部システム500のエレメントは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200は、図5Aから図5Bの槽収容部システム500を含むことが可能である。
【0160】
いくつかのケースでは、気液接触器200の上部槽604における泡防止が、重要である可能性がある。泡は、一般的に望ましくない。その理由は、泡がパッキング206の上での不均一な液体分配につながり、上部槽204の中のCO回収溶液214のレベルを測定することに伴う課題を引き起こす可能性があるからである。いくつかの従来のパッキング設計は、パッキングの形状および/または材料に起因してチャネリングを起こしやすい可能性があり、CO回収溶液へのCO含有率の高いガスにおける質量移送効率COを低下させる可能性がある。気液接触器は、パッキングの中のCO回収溶液214のチャネリングを緩和するように構成された特徴を含むことが可能である。
【0161】
図6Aおよび図6Bは、本開示による気液接触器システムのためのスパージャおよびノズルを備えた加圧された分配パイプを含む例示的な液体分配システム600a、600b(集合的に600)の正面断面図および上面図をそれぞれ示している。液体分配システム600は、上部槽604の中へのCO回収溶液614の概して均一な分配を実現し、CO回収溶液614の飛散または発泡を低減させることが可能である。液体分配システム600は、液体再分配器610(たとえば、ノズル610)を含むことが可能であり、液体再分配器610は、第1のパッキングセクション606aと第2のパッキングセクション606b(集合的に606)との間に介在し、下に横たわっているパッキングセクションの上にCO回収溶液614を再分配する。
【0162】
分配システム600は、分配パイプ602(たとえば、スパージパイプ)の長さに沿って複数のスパージャ孔608を備えた分配パイプを含むことが可能であり、単一フロー進入の飛散問題(それは、空気がCO回収溶液614の中に分散されるときに泡生産につながる可能性がある)を低減させることが可能である。分配パイプ602(たとえば、スパージパイプ)は、少なくとも部分的に上部槽604の上方に位置決めされている。ノズル610のセットは、上部槽604からパッキングセクション606の上への流体フローを可能にするように、上部槽604の中に支持されることが可能である。ノズル610は、少なくとも部分的に分配パイプ602の下方に位置決めされることが可能である。分配システム600を動作させるときに、液体(たとえば、CO回収溶液614)は、分配パイプ602の中へ流れ、スパージャ孔608を通って流れ、そして、上部槽604の中へ流れる。上部槽604は、CO回収溶液614を収集し、次いで、上部槽604のベースにあるノズル610のセットを通して、CO回収溶液614を流す。ノズル610は、少なくとも部分的に1つまたは複数のパッキングセクション606およびノズル610の上方に位置決めされ、1つまたは複数のパッキングセクション606の上方にCO回収溶液614を流す。スパージャ孔608を含むこの設計では、上部槽604の中のノズル610は、CO回収溶液614(たとえば、KOH)が上部槽604に進入する速度を低減させることが可能である。これは、ガスとの混合によって引き起こされる飛散および発泡を低減させることが可能である。いくつかの実装形態において、スパージャ孔608は、互いに等距離に位置決めされることが可能である。いくつかの実装形態において、スパージャ孔608のそれぞれの間の距離は変化し得る。いくつかの実装形態において、スパージャ孔は、円形になっていることが可能である。いくつかのケースでは、発泡および飛散は、スパージャ孔のサイズおよび/または数を調節することによって低減されることが可能である。たとえば、分配パイプ602の中の特定の流量において、より大きなスパージャ孔またはより多くのスパージャ孔は、より小さなスパージャ孔またはより少ないスパージャ孔と比較して、液体がスパージャ孔から上部槽の中へ流れる速度を低減させ、それによって、発泡を低減させることが可能である。
【0163】
いくつかの実装形態において、上部槽の中のノズル610は、0gpm/ftから14gpm/ftの範囲において、CO回収溶液614を流すことが可能である。いくつかの実装形態において、CO回収溶液614は、上部槽604の中のノズル610を通ってパルスモードで流れることが可能であり、パルスモードでは、ノズル610は、第1の時間期間にわたって第1の流量で、次いで、第2の時間期間にわたって第2の流量で、溶液を流すことが可能である。たとえば、上部槽604の中のノズル610は、第1の時間期間にわたってゼロフローで、次いで、第2の時間期間にわたって14gpm/ft未満の流量で、CO回収溶液614を流すことが可能である。たとえば、上部槽604の中のノズル610は、第1の時間期間において少なくとも4.2gpm/ftの流量で、次いで、第2の時間期間にわたってより高い流量で、CO回収溶液614を流すことが可能である。
【0164】
いくつかの実装形態において(図示されていない)、スパージャ孔608は、分配パイプ602の中の別のセットのノズル(たとえば、スパージャノズル)と交換されることが可能である。そのような実装形態では、気液接触器200は、2セットのノズルを有することが可能であり、それらは、飛散および泡生産を低減させるために上部槽604の中へCO回収溶液614を流すように分配パイプ602の中に支持されている第1のノズルセット(たとえば、スパージャノズル)、および、上部槽604からパッキングセクション606の上にCO回収溶液614を分配するように上部槽の中に支持されている第2のノズルセットである。2セットのノズルは、気液接触器200におけるそれらの用途の違いに起因して、設計および形状に関して異なっていることが可能である。
【0165】
いくつかの実装形態において、異なる構成および追加的なエレメントは、上部槽の中の飛散および泡生産をさらに低減させることが可能である。図6Cは、例示的な液体分配システム600の側断面図を示しており、液体分配システム600は、上部槽604を分割する堰616と、少なくとも部分的に上部槽604の底部表面に向けて向き付けられているスパージャ孔608とを含む。液体(CO回収溶液を含む)がスパージャ孔608を通って流れるとき、堰616は、上部槽の中の液体を部分的に制限し、それによって、第1の貯蔵部を形成する。第1の貯蔵部の中の液体レベルは、それが滴り落ちるかまたは堰616をあふれ出て第2の貯蔵部を形成するまで上昇する。いくつかのケースでは、第1の貯蔵部の中の液体レベルは、スパージャ孔608が少なくとも部分的に水没されるのに十分に高くなっていることが可能である。上部槽604の底部にあるノズル610は、第2の貯蔵部の中の液体と流体的に連結されることが可能である。液体は、周囲のガスとの液体の混合を低減させる速度で、第1の貯蔵部から第2の貯蔵部の中へ流れることが可能である。たとえば、液体は、第1の貯蔵部から第2の貯蔵部の中へ層流レジームで流れることが可能である。これらのフローパターンは、とりわけ、液体がノズル610に給送される第2の貯蔵部において、上部槽604の中の泡立ちを低減させることを助けることが可能である。
【0166】
いくつかのケースでは、CO回収溶液614がパッキングセクション606の中を流れるにつれて、それは、チャネリングを開始し、単一の方向に流れるリブレットを形成する傾向があり、気液界面表面積を低減させることが可能である。この現象は、表面の上で分配されている流体が表面の特定のセクションの上で他のものよりも大きい流量を有するときに起こる可能性がある。チャネリングは、接触器システムのCO回収効率を低減させる可能性がある。
【0167】
チャネリングの問題に対処するために、液体分配システム600は、パッキング606の中でのより均一な分配のためにCO回収溶液614を方向転換させるための1つまたは複数の液体再分配器612を含むことが可能である。液体再分配器612は、パッキングセクション606に介在することが可能であり、上部槽604と底部槽との間に位置決めされることが可能である。いくつかの実装形態において、液体再分配器612は、パッキング606の層間またはセクション間に挿入されたスプラッシュフィルのブロックを含むことが可能である。液体再分配器612は、CO回収溶液614のランダム分配を促進させることが可能であり、したがって、CO回収溶液614が異なる方向に流れることを可能にし、任意のチャネリングを分裂させる。いくつかの実装形態において(図示されていない)、バッフルが、液体再分配器612(たとえば、スプラッシュフィル)の中に挿入され、CO含有率の高いガスのバイパスを緩和し、パッキング606の周りとは対照的に、パッキング606を通って流れるようにCO含有率の高いガスを方向転換させることが可能である。スプラッシュフィルは、水平方向のスプラッシュバーの連続的な層を含むことが可能であり、それは、液体がスプラッシュバーの上に落下するときに、液体をより小さな液滴へと連続的に分裂させる。スプラッシュフィルの例は、Babcock & Wilcox SPIGによるFUTURA, STAR X20を含むことが可能である。
【0168】
いくつかの実装形態において、液体再分配器612は、パッキングセクションまたはパッキング層を含むことが可能であり、それは、パッキング606の方向とは異なる特定の方向に流れるCO回収溶液614の傾向に影響を与えるように構成されている。液体再分配器612の中のパッキングは、CO回収溶液614のフロー方向および再分配の大幅な変化を可能にするために、パッキング606の構成とは異なる構成である。たとえば、パッキング606は、第1の角度をなす複数のフロー通路またはフルートを形成するように配置されているパッキングシートのセットを含むパッキングセクションを含むことが可能であり、液体再分配器612は、第1のフルート角度とは異なる第2のフルート角度をなす複数のフロー通路またはフルートを形成するように配置されているパッキングシート(たとえば、クロス波形パッキングシート)のセットを含むパッキングセクションを含むことが可能である。液体再分配器の中の異なるフルート角度は、パッキング606の中にチャネリングされたCO回収溶液614が異なる速度でおよび遠回りのまたは蛇行した様式で流れることを可能にし、したがって、CO回収溶液614を再分配させることが可能である。いくつかの実装形態において、液体再分配器612は、パッキング206の1つまたは複数の交差部に位置決めされることが可能である(たとえば、複数の方向にフローを循環させる)。フルートは、CO回収溶液614が流れる速度に影響を及ぼす1つまたは複数のフルート角度で位置決めされることが可能である。いくつかのケースでは(図示されていない)、液体再分配器612は、一体的に形成された連続的なパッキング層を含むパッキングセクションを含むことが可能である。
【0169】
いくつかの実装形態において、液体再分配器612は、少なくとも部分的に第1のパッキングセクション606aの下方におよび/または少なくとも部分的に第2のパッキングセクション606bの上方に位置決めされているパッキングセクションを含むことが可能である。液体再分配器612のパッキングセクションは、パッキングセクション606とは異なるフルート角度を有することが可能である。たとえば、液体再分配器612のパッキングセクションは、第1のパッキングセクション606aよりも低いフルート角度を有することが可能である。これは、液体再分配器612のパッキングセクションがCO回収溶液614流量を低減させることを可能にし、それは、下方に位置決めされている第2のパッキングセクション606の上への再分配を助ける。
【0170】
低い流量におけるいくつかの実装形態において、ノズル610は、下にあるパッキングの上にCO回収溶液614を分配するのに十分なヘッドを有していない可能性があり、したがって、下にあるパッキングとは異なる接触角度またはフルート角度を有するパッキングの薄い層が、再分配を助けることが可能である。たとえば、液体再分配器612は、第2のパッキングセクション606b(それは、直交流パッキングを含むことが可能である)の上方に位置決めされている向流フィルムパッキングを含むことが可能である。そのようなケースでは、向流フィルムパッキングは、下方の第2のパッキングセクション606bの上にCO回収溶液を再分配することが可能である。
【0171】
いくつかのケースでは、パッキング606aの第1のセクションと向流フィルムパッキングとの間に位置決めされている収集トラフのセットおよび再分配ノズルが存在することも可能である。CO回収溶液は、第1のパッキングセクション606aから収集トラフおよび再分配ノズルへ流れることが可能であり、それは、向流フィルムパッキングの上にCO回収溶液を分配する。次いで、CO回収溶液は、向流フィルムパッキングを通って流れることが可能であり、下方のパッキング606b(たとえば、直交流パッキング)の第2のセクションの上に再分配されることが可能である。
【0172】
いくつかの実装形態において(図示されていない)、液体再分配器612は、下方のパッキングセクションの上にCO回収溶液614を流すかまたはスプレーするように構成されている再分配ノズルのセットを含むことが可能である。いくつかの実装形態において(図示されていない)、液体再分配器612は、再分配槽を含むことが可能であり、再分配槽は、パッキングセクション606間に位置決めされることが可能である。液体再分配器612は、再分配槽の中に支持されているノズル610と同様の再分配ノズルを含むことが可能である。再分配槽は、パッキング206を上部セクションおよび底部セクションに分割することが可能である。再分配ノズルは、再分配槽の下にある底部パッキングセクションの上にCO回収溶液614を流す(たとえば、スプレーするかまたは分配する)ことが可能である。CO回収溶液614は、底部槽から、または、保持タンクもしくは下流処理ユニット(たとえば、再生、精製、または濾過など)から、この再分配槽の中へポンプ送りされることが可能である。いくつかのケースでは、上部槽から上部パッキングセクションの上にスプレーされたCO回収溶液614は、再分配槽の中に収集され、次いで、再分配槽の下にある底部パッキングセクションの上に再分配ノズルを使用してスプレーされることが可能である。
【0173】
いくつかの実装形態において、液体分配システム600のエレメントは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200は、図6Aから図6Cの液体分配システム600を含むことが可能である。
【0174】
図7は、本開示による気液接触器システムのための例示的なパッキング支持体709およびバッフル712の断面図を示している。いくつかの態様において、特定の高さのパッキング206は、追加的な支持を必要とする可能性があり、第1のパッキングセクション706aの中に保持されている液体を伴う第1のパッキングセクション706a(たとえば、パッキングの上部セクション)の重量が、第2のパッキングセクション706b(たとえば、パッキングの底部セクション)を押しつぶさないようになっている。たとえば、気液接触器は、少なくとも部分的に第2のパッキングセクション706bの上方に位置決めされている第1のパッキングセクション706aを含むことが可能であり、パッキング支持体709は、パッキングセクションに介在し、第1のパッキングセクション706aを保持または支持することが可能である。いくつかの態様において、少なくとも1つのパッキング支持体709は、パッキングセクション706間に位置決めされることが可能である。たとえば、高さ24フィートのパッキング709は、2つのパッキングセクション(それぞれ高さ12フィート)を含むことが可能であり、パッキング支持体709は、パッキングの上部セクションと底部セクションとの間に位置決めされることが可能である。
【0175】
いくつかの態様において、パッキング支持体709は、気液接触器200のハウジング202の上部と底部との間に(たとえば、中間に)位置付けされることが可能である。パッキング支持体709は、バッフル712のセットに連結されることが可能である。バッフル712は、金属またはFRPのシートを含むことが可能である。いくつかのケースでは、バッフル712は、パッキング706の上側セクションと下側セクションとの間の空気バイパス問題(たとえば、CO含有率の高いガスのバイパス)を緩和することが可能である。バッフル712は、パッキングセクション706の上方および下方に位置決めされ、空気バイパス(たとえば、CO含有率の高いガスのバイパス)を緩和することが可能である。いくつかの実装形態において(図示されていない)、バッフル712は、パッキング706の側部に位置決めされ、任意の空気バイパス(たとえば、CO含有率の高いガスのバイパス)を緩和することが可能である。
【0176】
いくつかの実装形態において、パッキング支持体709およびバッフル712は、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2の気液接触器200は、図7のパッキング支持体709およびバッフル712を含むことが可能である。
【0177】
図8は、本開示による気液接触器の構造部材802およびハウジングを支持する例示的な構造体の断面図を示している。いくつかの実装形態において、気液接触器200の構造部材802は、底部槽808の一部である(たとえば、周囲の一部として、または、槽808自身の中にある)隆起した壁部804または構造体(もしくは、複数の構造体)の上に装着されることが可能である。いくつかの実装形態において、構造部材802は、隆起した壁部804または構造体(たとえば、図4の隆起した壁部408など)の組み合わせの上に装着されることが可能である。隆起した壁部804は、底部槽808の中の液体レベル(たとえば、CO回収溶液を含む液体)の上方に構造部材802を支持することが可能である。隆起した壁部804は、プレナム810および/または底部槽808の中に、隆起したプラットフォームを形成することが可能である。隆起した壁部804は、コンクリート、ステンレス鋼、苛性溶液を含むCO回収溶液に適合可能なMOC、またはそれらの組み合わせを含むことが可能である(たとえば、それから少なくとも部分的に形成されることが可能である)。いくつかのケースでは、隆起した壁部804は、保護コーティングによってコーティングされることが可能である。たとえば、保護コーティングは、苛性のCO回収溶液に対して抵抗力がある苛性適合性のコーティングまたは苛性適合性の材料を含むことが可能である。一般的に、隆起した壁部804の数(および/またはサイズ、および/または材料タイプ)は、パッキングの量、および、気液接触器システムの中に含まれている他のエレメント(たとえば、ファン、モータ、ハウジング、構造部材)の重量とともに増加する可能性がある。
【0178】
追加的に、気液接触器は、構造部材802の少なくとも一部分をハウジングの中の湿潤可能なエリアまたは湿潤可能なエレメント(たとえば、CO回収溶液214と接触している接触器ハウジングの任意のエリア)の外に維持するように設計されることが可能である。湿潤可能なエレメントの例は、パッキングおよび底部槽808を含む。
【0179】
いくつかの実装形態において、隆起した壁部804は、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200は、図8の隆起した壁部804を含むことが可能である。
【0180】
いくつかのケースでは、DACプルームの独自の特性(たとえば、DACシステムから退出するプルームは、冷却塔から退出する温かいプルームよりも冷たくて浮力が小さい傾向がある)を所与として、プルーム再摂取を防止することは、DACにとってとりわけ重要である可能性がある。また、風の方向は、低CO空気(たとえば、CO含有率の低いガス)が気液接触器入口部の中へ引き込まれて戻されることを引き起こす可能性がある。たとえば、いくつかのDAC用途に関して、気液接触器は、気液接触器構造体の側部(および/または底部)を通したCO回収のために、新鮮なCO含有率の高いガス(たとえば、新鮮な空気)を連続的に引っ張り込み、ファンスタックを通して、上部において、CO含有率の低いガスをベントする。いくつかのケースでは、気液接触器から吐出されるプルームは、入口部に再進入することが可能である。いくつかのケースでは、複数の気液接触器が、互いの近くにまたは互いに隣接して位置決めされることが可能であり、1つの気液接触器の出口部からのプルームが、別の気液接触器の入口部に進入する可能性がある。気液接触器の中の質量移送は、入口部におけるCO含有率の高いガスのCO濃度に依存するので、プルームの再摂取は、入口部におけるCO濃度を低減させ、したがって、気液接触器の中で回収されるCOの量を低減させ、したがって、全体的なCO回収効率を低減させる。したがって、気液接触器(たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200など)は、プルーム再摂取を回避するために、この問題を緩和するための1つまたは複数の設計考慮事項(たとえば、ファン速度およびファンスタック高さなど)を含むことが可能である。
【0181】
図9は、本開示によるファン904およびファンスタック902の異なる設計から吐出されるCO含有率の低いガス906のための例示的なプルーム分配900のイメージを示している。たとえば、ファンスタック902は、従来の冷却塔ファンスタック設計と比較して異なる寸法(高さおよび直径)を有することが可能であり、CO含有率の低いガス906が、気液接触器200の取り入れ口へ下向きに流れるのではなく、実質的に上向きにおよび周囲環境の中へ分散するようになっている。より背の高いスタック902は、気液接触器200の再循環ゾーンを実質的に迂回するのに十分に高いポイントにおいて、CO含有率の低いガス906を吐出することが可能である。再循環ゾーンは、CO含有率の低いガスが気液接触器の取り入れ口の中に(たとえば、ハウジングの取り入れ口または開放セクション側部の近くに)再摂取される可能性が高いスペースを含む。気液接触器の入口部におけるCO濃度は、CO含有率の低いガスが再摂取される程度を示すことが可能である。入口部におけるCO濃度が周囲空気または大気のCO濃度を下回る場合には、気液接触器は、CO含有率の低いガスを再摂取している可能性がある。プルーム再摂取を示す入口部CO濃度の範囲は、周囲条件または大気条件にしたがって変化する可能性があり、そして、それは、時間の経過とともに変化する可能性がある。たとえば、おおよそ410ppmから420ppmの現在の大気CO濃度の場合、いくらかのプルーム再摂取を伴う気液接触器は、385ppmから420ppmの範囲にある入口部CO濃度を有することが可能である。この範囲よりも低い入口部CO濃度は、CO含有率の低いガスが再循環ゾーンを十分に迂回していないことを示す可能性がある。いくつかのケースでは、再循環ゾーンを越えてプルームを押すようにファン904およびファンスタック902を設計するよりも(そのような設計は、資本または運転費用の増加に関連付けられる可能性がある)、低減されたCO回収を補償することを助けるために1つまたは複数の追加的な気液接触器を用いることが、よりコスト効率が良い可能性がある。そのようなコスト最適化考慮事項は、典型的に、適切な再摂取緩和戦略を決定する際の要因である。いくつかの態様において、ファンスタック902は、プルーム再摂取に対抗するために、冷却塔ファンスタックの標準的な業界の高さよりも少なくとも4倍の高さになる可能性がある。いくつかの実装形態において、ファンスタック902の高さは、10フィートから30フィートの範囲にあることが可能である。いくつかの実装形態において、ファンスタック902の高さは、10フィートから20フィートの間、または、20フィートから30フィートの間にサイズ決めされることが可能である。
【0182】
いくつかの態様において、プルーム再摂取を低減させるための別のアプローチは、CO含有率の低いガスのプルームが少なくとも部分的に再循環ゾーンを迂回するのに十分に高い排気速度を有するように、ファン904からのCO含有率の低いガス906の排気速度を増加させることを含む。いくつかの実装形態において、ファン904およびファンスタック902の高さは、9m/sから15m/sの範囲にある排気速度でCO含有率の低いガス906を吐出するように構成されることが可能である。いくつかの実装形態において、ファン速度の増加は、(たとえば、ファンスタック902の出口部における)ファンスタック902の断面積を低減させることによって実現されることが可能である。たとえば、CO含有率の低いガスの排気速度は、(たとえば、出口部における)ファンスタックの断面積を半分に低減させることによって2倍にされることが可能である。いくつかの実装形態において、ファン直径は、10フィートから30フィートの間でサイズ決めされることが可能である。いくつかの実装形態において、ファン直径は、10フィートから15フィートの間、または、15フィートから30フィートの間でサイズ決めされることが可能である。
【0183】
いくつかのケースでは、ファン904の態様は、CO含有率の低いガス906の排気速度を増加させるように構成されることが可能である。ファン904は、従来のファン設計と比較して、ファン速度を増加させるためのより大きなファンモータ、追加的なインペラーブレード、および/または、ファンブレードピッチのための異なる設計を含むことが可能である。
【0184】
図9は、ファンスタック902の異なる高さ(3m、10m、25m)に対するCO含有率の低いガス906のプルーム分配900の数値流体力学(CFD)イメージを示している。ファンスタック902の高さのそれぞれに関して、プルーム分配(たとえば、CO含有率の低いガス906のフローパターン)は、ベースライン排気速度およびベースライン排気速度の2倍に関して示されている。低いスタック高さおよび/または低い排気速度の場合、プルームは、風下側のゾーン(たとえば、再循環ゾーン)においていくらか停滞する可能性があり、再循環ゾーンから離れるように流れるのではなく、気液接触器200の取り入れ口の中へ引っ張り戻されるリスクがある。
【0185】
例示的なプルーム分配900に関して、ファン速度は、フローパターンのそれぞれに関して一定に保持されることが可能であり、ファンスタック寸法は、速度を査定するために変化させられる。たとえば、ファンスタック902aは、3メートルの高さ、および、24フィートの直径を有している。ファンスタック902aは、第1の排気速度でCO含有率の低いガス906aを吐出する。比較すると、例示的なファンスタック902bは、3メートルの高さ、および、ファンスタック902aよりも小さい直径を有しており、それは、ファンスタック902aの第1の排気速度よりも2倍高い第2の排気速度で、ファンスタック902bがCO含有率の低いガス906bを吐出することを可能にする。
【0186】
たとえば、ファンスタック902cは、10メートルの高さ、および、24フィートの直径を有している。ファンスタック902cは、第3の排気速度で、ファンスタック902aおよび902bよりも取り入れ口から遠いポイントにおいて、CO含有率の低いガス906cを吐出する。比較すると、例示的なファンスタック902dは、10メートルの高さ、および、ファンスタック902cよりも小さい直径を有しており、それは、ファンスタック902cの第3の排気速度よりも2倍高い第4の排気速度で、ファンスタック902dがCO含有率の低いガス906dを吐出することを可能にする。
【0187】
たとえば、ファンスタック902eは、25メートルの高さ、および、24フィートの直径を有している。ファンスタック902eは、第5の排気速度で、ファンスタック902a、902b、902c、または902dよりも取り入れ口から遠いポイントにおいて、CO含有率の低いガス906eを吐出する。比較すると、例示的なファンスタック902fは、25メートルの高さ、および、ファンスタック902eよりも小さい直径を有しており、それは、ファンスタック902eの第3の排気速度よりも2倍高い第4の排気速度で、ファンスタック902fがCO含有率の低いガス906fを吐出することを可能にする。
【0188】
いくつかの実装形態において、ファンスタック902eのフローパターンは、図9に示されている他のファンスタックと比較して、より効果的に再摂取を低減させる。その理由は、それが、より高いポイントにおいて、CO含有率の低いガス906を吐出し、より高い排気速度を実現するためにより小さな断面積を有しているからである。
【0189】
いくつかの実装形態において、ファン904またはファンスタック902、902a、902b、902c、または902dのいずれかは、図1から図10に説明されているエレメントのいずれかと組み合わせ可能である。たとえば、図1の気液接触器100aおよび100b、または、図2A図2Cの気液接触器200は、図9のファン904またはファンスタック902、902a、902b、902c、または902dを含むことが可能である。
【0190】
図10は、気液接触器システム(たとえば、図2に示されている気液接触器200など)のための制御システム(または、コントローラー)1000の概略図である。システム1000は、たとえば、本明細書で説明されている制御システム999もしくは他のコントローラーとして、または、その一部として、以前に説明されているコンピュータ実装方法のいずれかに関連付けて説明された動作のために使用されることが可能である。
【0191】
システム1000は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適当なコンピュータなどのような、さまざまな形態のデジタルコンピュータを含むことを意図している。また、システム1000は、モバイルデバイス(たとえば、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、および他の同様のコンピューティングデバイスなど)を含むことが可能である。追加的に、システムは、ポータブルストレージ媒体(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブなど)を含むことが可能である。たとえば、USBフラッシュドライブは、オペレーティングシステムおよび他のアプリケーションを記憶することが可能である。USBフラッシュドライブは、入力/出力コンポーネント(たとえば、ワイヤレストランスミッタ、または、別のコンピューティングデバイスのUSBポートの中へ挿入され得るUSBコネクタなど)を含むことが可能である。
【0192】
システム1000は、プロセッサ1010、メモリ1020、ストレージデバイス1030、および入力/出力デバイス1040を含む。コンポーネント1010、1020、1030、および1040のそれぞれは、システムバス1050を使用して相互接続されている。プロセッサ1010は、システム1000の中で実行するためのインストラクションを処理することができる。プロセッサは、複数のアーキテクチャーのうちのいずれかを使用して設計されることが可能である。たとえば、プロセッサ1010は、CISC(Complex Instruction Set Computers)プロセッサ、RISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサ、またはMISC(Minimal Instruction Set Computer)プロセッサであることが可能である。
【0193】
1つの実装形態において、プロセッサ1010は、シングルスレッドのプロセッサである。いくつかの実装形態において、プロセッサ1010は、マルチスレッドのプロセッサである。プロセッサ1010は、メモリ1020の中にまたはストレージデバイス1030の上に記憶されているインストラクションを処理し、入力/出力デバイス1040の上のユーザインターフェースのためのグラフィカルな情報を表示することができる。
【0194】
メモリ1020は、システム1000の中の情報を記憶する。1つの実装形態において、メモリ1020は、コンピュータ可読媒体である。1つの実装形態において、メモリ1020は、揮発性のメモリユニットである。いくつかの実装形態において、メモリ1020は、不揮発性のメモリユニットである。
【0195】
ストレージデバイス1030は、システム1000のためのマスストレージを提供することができる。1つの実装形態において、ストレージデバイス1030は、コンピュータ可読媒体である。さまざまな異なる実装形態において、ストレージデバイス1030は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイスであることが可能である。
【0196】
入力/出力デバイス1040は、システム1000のための入力/出力動作を提供する。1つの実装形態において、入力/出力デバイス1040は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含む。いくつかの実装形態において、入力/出力デバイス1040は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するためのディスプレイユニットを含む。
【0197】
説明されている特定の特徴は、デジタル電子回路の中に実装されるか、または、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアの中に、または、それらの組み合わせで実装されることが可能である。装置は、情報キャリアの中に(たとえば、プログラマブルプロセッサによる実行のための機械可読ストレージデバイスの中に)有形に具現化されているコンピュータプログラム製品の中で実装されることが可能であり、方法ステップは、入力データに対して動作して出力を発生させることによって、説明された実装形態の機能を果たすためのインストラクションのプログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって実施されることが可能である。説明された特徴は、1つまたは複数のコンピュータプログラムにおいて、有利に実装されることが可能であり、1つまたは複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムの上で実行可能であり、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、データストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスから、データおよびインストラクションを受信するように連結されており、それらにデータおよびインストラクションを送信するように連結されている。コンピュータプログラムは、特定の活動を実施するために、または、特定の結果を引き起こすために、コンピュータの中で(直接的にまたは間接的に)使用され得るインストラクションのセットである。コンピュータプログラムは、任意の形態のプログラミング言語(コンパイラ型言語またはインタプリタ型言語を含む)で記述されることが可能であり、それは、任意の形態(スタンドアロンプログラムとして、または、コンピューティング環境において使用するのに適切なモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくは他のユニットとして含む)で展開されることが可能である。
【0198】
インストラクションのプログラムの実行に適切なプロセッサは、例として、一般用途および特殊用途の両方のマイクロプロセッサ、ならびに、ソロプロセッサ、または、任意の種類のコンピュータの複数のプロセッサのうちの1つを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリーメモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から、インストラクションおよびデータを受信することとなる。コンピュータの本質的なエレメントは、インストラクションを実行するためのプロセッサ、ならびに、インストラクションおよびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリである。一般的に、コンピュータは、また、データファイルを記憶するための1つまたは複数のマスストレージデバイスを含むこととなり、または、それらと通信するように動作可能に連結されることとなり、そのようなデバイスは、磁気ディスク(たとえば、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなど)、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータプログラムインストラクションおよびデータを有形に具現化するのに適切なストレージデバイスは、すべての形態の不揮発性のメモリを含み、それは、例として、半導体メモリデバイス(たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなど)、磁気ディスク(たとえば、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなど)、光磁気ディスク、ならびに、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補足されるかまたはその中に組み込まれることが可能である。
【0199】
ユーザとの相互作用を提供するために、特徴は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(たとえば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタなど)と、ユーザがそれによってコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボールなど)とを有するコンピュータの上で実装されることが可能である。追加的に、そのような活動は、タッチスクリーンフラットパネルディスプレイおよび他の適当なメカニズムを介して実装されることが可能である。
【0200】
特徴は、制御システムの中で実装されることが可能であり、制御システムは、バックエンドコンポーネント(たとえば、データサーバなど)を含み、または、それは、ミドルウェアコンポーネント(たとえば、アプリケーションサーバまたはインターネットサーバなど)を含み、または、それは、フロントエンドコンポーネント(たとえば、グラフィカルユーザインターフェースまたはインターネットブラウザーを有するクライエントコンピュータなど)またはそれらの任意の組み合わせを含む。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体(たとえば、通信ネットワークなど)によって接続されることが可能である。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ピアツーピアネットワーク(アドホックメンバまたはスタティックメンバを有する)、グリッドコンピューティングインフラストラクチャ、およびインターネットを含む。
【0201】
本開示の複数の実施形態が説明されてきた。それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正が行われ得ることが理解されることとなる。したがって、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲の中にある。さまざまな態様のさらなる修正例および代替的な実施形態は、本説明を考慮して当業者に明らかになることとなる。したがって、本説明は、単に例示的なものとして解釈されるべきである。本明細書で示されて説明されている形態は、実施形態の例としてとられるべきであることが理解されるべきである。本説明の利益を得た後に当業者にすべて明らかになるように、エレメントおよび材料は、本明細書で図示されて説明されているものと置換されることが可能であり、パーツおよびプロセスは逆にされることが可能であり、特定の特徴は、独立して利用されることが可能である。以下の特許請求の範囲において説明されているような精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されているエレメントにおいて変更が行われることが可能である。
【符号の説明】
【0202】
100 気液接触器
100a、100b 気液接触器
104 液体分配システム
106 パッキング
110 底部槽
112 ファン
114 CO回収溶液
118 ガス取り入れ口
200 デュアルセル直交流気液接触器
202 ハウジング
204 上部槽
205 構造部材
205a、205b 構造部材
206 パッキングセクション
207 ファンスタック
208 プレナム
209 パッキング支持体
210 底部槽
211 カバープレート
212 ファン
214 CO回収溶液
220 構造化ルーバ
222 スラット型ルーバ
224 入口部
226a、226b 開口部
300 FRP構造体
300a I-ビーム
300b U-ビーム
300c ビームコネクタ
320 開口部
322 FRP材料
324 ガラス繊維
326 取り付けハードウェア
328 切断端部
400 槽、底部部分
400a、400b 底部部分
402 収容部
404 接触器サンプ、接触器ポンプ
406 分別壁部
408 隆起した壁部
410 底部槽
412 サンプ
500 底部槽、底部槽収容部システム
500a、500b 底部槽収容部システム
502 砂利
504 不織ジオテキスタイル
506 ジオメンブレンライナー、ピンチライナー
508 底部槽
510 保護コーティング
512 ピンチバー
600 液体分配システム
600a、600b 液体分配システム
602 分配パイプ
604 上部槽
606 パッキングセクション
606a 第1のパッキングセクション
606b 第2のパッキングセクション
608 スパージャ孔
610 液体再分配器、ノズル
612 液体再分配器
614 CO回収溶液
616 堰
706 パッキングセクション
706a 第1のパッキングセクション
706b 第2のパッキングセクション
709 パッキング支持体
712 バッフル
802 構造部材
804 隆起した壁部
808 底部槽
810 プレナム
900 プルーム分配
902 ファンスタック
902a、902b、902c、902d、902e、902f ファンスタック
904 ファン
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】