(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】高温電気化学デバイスのための、電流ロッドなどの電気導体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
C25B 9/65 20210101AFI20231227BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20231227BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20231227BHJP
H01M 8/2465 20160101ALI20231227BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20231227BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20231227BHJP
【FI】
C25B9/65
C25B1/04
C25B9/00 A
H01M8/2465
H01M8/04 Z
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023537681
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 FR2021052357
(87)【国際公開番号】W WO2022136772
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・プランク
(72)【発明者】
【氏名】ジェロー・キュビゾル
【テーマコード(参考)】
4K021
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA03
4K021CA05
4K021DB46
5H126AA28
5H126BB06
5H126DD05
5H127AA07
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA15
5H127BB02
5H127EE26
(57)【要約】
本発明は、電流ロッドなどの電気導体(100)を製造するための方法であって、以下の連続するステップ、すなわち-第1の金属材料で作成されたコア(110)を準備するステップと、-第2の金属材料で作成され、コアの第1の部分を覆うことが意図されるシース(120)を準備するステップと、-第3の金属材料で作成された接続端子(130)を準備するステップと、-圧着によって、または圧着と、ろう付けとによって、またはろう付け溶接によって、またはろう付けによってコア(110)と接続端子(130)を組み立てるステップと、-コア(110)および接続端子(130)をシース(120)と組み立てるステップとを含む、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流ロッドのような電気導体(100)を製造する方法であって、以下の連続するステップ、すなわち
-第1の金属材料で作成されたコア(110)を準備するステップと、
-第2の金属材料で作成され、前記コアの第1の部分(111)を覆うことが意図されるシース(120)を準備するステップと、
-第3の金属材料で作成された接続端子(130)を準備するステップと、
-前記コア(110)と前記接続端子(130)を組み立てるステップと、
-前記コア(110)および前記接続端子(130)を前記シース(120)と組み立てるステップとを含み、
前記シース(120)は、熱間静水圧プレス法によって前記コア(110)の前記第1の部分(111)に溶接されること、ならびに
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては、
-圧着によって、または
-圧着と、ろう付けとによって、または
-ろう付け溶接によって、または
-ろう付けによって実施されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては圧着によって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)のカウンターボア(132)に前記コア(110)を挿入することで、前記接続端子(130)は、前記コア(110)の第2の部分(112)を覆うステップと、
-前記接続端子(130)によって覆われた前記コア(110)の前記第2の部分(112)を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分(111)を前記シース(120)で覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、前記コアの前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接するステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては圧着と、ろう付けとによって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)にろう付け材料を位置決めするステップと、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)に前記コア(110)を挿入することで、前記接続端子が、前記コア(110)の前記第2の部分(112)を覆うステップと、
-前記接続端子(130)によって覆われた前記コア(110)の前記第2の部分(112)を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-前記ろう付け材料を溶かすために、ろう付けを実施し、これにより、前記ろう付け材料の冷却後に前記接続端子(130)と前記コア(110)との間にろう付けされた継ぎ目が獲得されるステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分(111)を前記シース(120)で覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、前記コア(110)の前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接するステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては、圧着と、ろう付けとによって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)にろう付け材料を位置決めするステップと、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)に前記コア(110)を挿入することで、前記接続端子(130)が前記コア(110)の前記第2の部分(112)を覆うステップと、
-前記接続端子(130)によって覆われた前記コア(110)の前記第2の部分(112)を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分(111)を前記シース(120)で覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、前記ろう付け材料を溶かすのに十分高い温度で前記コア(110)の前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接し、これにより、同時に前記熱間静水圧プレス法が実施され、ろう付けされた継ぎ目が、前記接続端子(130)と前記コア(110)との間に獲得されるステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては、ろう付け溶接によって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)と前記コア(110)との間にろう付け材料(140)を位置決めするステップと、
-ろう付け溶接された継ぎ目を前記接続端子(130)と前記コア(110)との間に獲得するために、ろう付け溶接を実施するステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分を前記シース(120)によって覆うステップであって、前記シース(120)は、接続端子(130)と接触しており、その後、熱間静水圧プレス法によって前記コア(110)の前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接する、ステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ろう付け材料は、銀をさらに含有し得る銅、亜鉛およびニッケルベースの合金であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コア(110)は銅で作成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記シース(120)は、ステンレス鋼、または合金またはステンレスニッケルで作成され、前記接続端子(130)は、ステンレス合金で作成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記接続端子(130)は、ステンレス鋼で作成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記シース(120)は、ステンレス鋼で作成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
コア(110)、シース(120)および接続端子(130)を備え、前記シース(120)は、前記コア(110)の第1の部分(111)を覆っている、電流リードのような電気導体(100)であって、
前記シース(120)は、前記コア(110)の前記第1の部分(111)に溶接されること、ならびに
-前記コア(110)は、前記接続端子(130)に圧着される、または
-前記コア(110)は、前記接続端子(130)に圧着およびろう付けされる、または
-前記コア(110)は、前記接続端子(130)に、ろう付け溶接された継ぎ目を利用してろう付け溶接され、前記ろう付け溶接された継ぎ目は好ましくは、銅、亜鉛およびニッケルベースの合金であり、これは銀をさらに含有し得ることを特徴とする、電気導体(100)。
【請求項12】
前記シース(120)は、ステンレス鋼または合金またはステンレスニッケルで作成されること、ならびに前記接続端子(130)は、ステンレス合金で作成されることを特徴とする、請求項11に記載の電気導体(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池および固体酸化物型電解槽などの高温電気化学デバイスの一般的な分野に関し、より詳細には、高温(典型的には450℃を超え、さらには600℃を超える)で動作する電気化学セルのスタックへの電流の供給に関する。
【0002】
本発明は、極めて適切な機械的な堅固さ、および酸化に対する優れた抵抗および優れた導電性を有する組立体を有することを可能にし、かつ鋳鉄および特殊鋼などの広範囲の材料を使用することを可能にするため、とりわけ興味深い。
【背景技術】
【0003】
図1に表されるように、固体酸化物型電解セル10(SOEC、「固体酸化物型電解槽セル」を意味する)は、同じシステム内で、電流の作用の下にカソード11において水流H
2OをH
2に変換し、アノード12においてO
2に(またはCO
2をCOおよびO
2に)変換する。カソード11およびアノード12は、高温で動作し、イオン(ここではアニオンO
2-)の通過を可能にする高密度の固体酸化物型電解質13によって隔てられる。
【0004】
固体酸化物型燃料電池(SOEC、「固体酸化物型燃料電池」を意味する)の場合、燃料電池は、H2およびO2が供給され、場合によってCH4および空気が供給される。したがって、SOFCセルは、SOEC電解槽の方法と比べて逆のやり方で動作し、それは、水素(または天然ガス、アンモニアまたは一酸化炭素)および空気が供給されることによって電流および熱を生成する。
【0005】
今日、これらのシステムは、高温(600℃から1000℃の間)で動作することができる。
【0006】
次に、電気分解モード(H
2O/H
2とO
2の対)にあるSOEC電解槽を詳細に記載する。一般に、電解槽は、連続するセットの基本モジュール10のスタックによって形成される(
図2)。
【0007】
基本モジュール10は、2つの電極11、12と共に電解質13によって形成され、2つの相互接続プレート14、15(「相互コネクタ」とも呼ばれる)との間に留められた組立体(電気化学セルとも呼ばれる)を備える。したがって、完全な電解槽は、電気化学セルと相互コネクタの交互のスタックである。セルのスタックの形態の組立体は、「スタック」と一般に呼ばれる。
【0008】
各相互コネクタプレート14は、電子伝導体であり、例えば、金属プレートであり、これは、片側で1つのセルのカソード12と接触し、次のセルのアノード21と他の面で接触する。
【0009】
相互コネクタ14、15の第1の役割は、セルに電流を供給することである。加えて、それらはまた、燃料を分配し、2つの隣接するセルのアノード区画とカソード区画を隔てつつ、生成されるガスを回収することが意図されている。
【0010】
電気分解モードでは、カソード区画は、水流および水素(および/または入口にCO2がある場合はCO)、すなわち電気化学反応の生成物を収容する。アノード区画は、存在する場合排気ガス、および酸素、すなわち水および/または二酸化炭素の電気分解の両方の場合の電気化学反応の別の生成物を収容する。
【0011】
SOFCモードにおいて、アノード区画は、燃料を収容するのに対して、カソード区画は、酸化剤を収容する。
【0012】
電気伝導デバイス(電流ロッドまたは電流供給デバイスとも呼ばれる)が一方でスタックの末端に接続され、他方で、デバイス(電解槽/燃料電池)の動作モードに従って電流源または負荷に接続される。
【0013】
このタイプのスタックの適切な動作は、とりわけ、
-そうでなければセルが短絡するが、適切な電気接点であり、セルと相互コネクタとの間の十分な接触面でもある、2つの連続する相互コネクタ間の電気絶縁であり、セルと相互コネクタとの間では最も低い可能なオーム抵抗が望ましいこと、
-2つの区画間(酸化剤-O2)および(燃料H2/CO/CH4/NH3)間の密閉、そうでなければ生成されたガスが再結合し、効率の低下を生じさせ、とりわけスタックを損傷させるホットスポットの出現が生じること、
-燃料入口および生成物回収の両方における適切なガス分配、そうでなければ効率の損失、異なる基本モジュール内での圧力および温度の不均等性、ならびに場合によっては禁止されたセルに対する損傷が生じること、
-数百アンペアの電流に適しており、高温酸化に耐性があり、900℃までの熱サイクルに耐える電気伝導デバイスを必要とする。
【0014】
この最後の点に関して、例えば、引例欧州特許公開第3 098 889 A1において、電気伝導デバイス20は、銅で作成され、ステンレス合金で作成されたシース22によって保護されたコア21を備える(
図3)。ホイッスル23は、接続端子として機能しており、コア21と接触しており、シース22の一端に位置決めされる。そのような電気伝導デバイスを製造するために、真空を引き込むための管で完成された閉鎖エンドピースが、シースの他端に位置決めされる。これらの要素のTIC(「タングステン不活性ガス」)による組み立て後、熱間静水圧プレス法(HIP)が実施されて、拡散接合を実現し、多くの熱サイクルの後でも、機械的特性および電気的特性の耐久性を保証する。
【0015】
しかしながらこの組立体は、ホイッスル23の表面が、銅のコアの平坦な表面との完全に平面上に位置決めされることは保証しない。当然のことながら、これらの部品の一方または両部品とも、例えば、接触領域(
図4Aおよび
図4Bにおける囲まれた領域)での幾何学的な欠点(
図4A)による、または切り取られた細い溝(
図4B)による、平坦さの欠点を有する場合がある。
【0016】
しかし、HIPサイクルは、本明細書におけるHIPは、半径方向に作用し、長手方向には作用しないことから、この問題を解決することはできない。よって、最初に提示された欠陥は、HIPの完了時に残されたままになる。
【0017】
電流は、接点のみを通って流れることができる。接触する表面上に平坦さの欠点がある場合、電流の通過は、接点のみを通って完全に行われ、これは電流密度を局所的に増大させ、接続の電気抵抗はその後、全体が接触する場合によりも高い熱放散を伴うことになる。これらの2つの現象は、2つの材料間の接触の完全性の損失につながる可能性のある、材料の劣化につながる可能性がある。
【0018】
よって、銅製のコアとホイッスルと間の最適な可能な平面/平面接触(平行度、表面状態...)を有することが必須である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】欧州特許公開第3 098 889 A1明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、数百アンペアの電流に適しており、高温での酸化に耐性があり、900℃までの熱サイクルを支持し、従来技術の欠点を克服する電気伝導デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的のために、本発明は、電流ロッドのような電気導体を製造するための方法であって、以下の連続するステップ、すなわち
-第1の金属材料で作成されたコア(またはロッド)を準備するステップと、
-第2の金属材料で作成され、コアの第1の部分を覆うことが意図されるシースを準備するステップと、
-第3の金属材料で作成されたホイッスル(接続端子とも呼ばれる)を準備するステップと、
-コアとホイッスルを組み立てるステップと、
-とりわけ嵌合によってシースとコアを組み立てるステップであって、コアの第1の部分でのシースの組み立ては、熱間静水圧プレス法によって実施され、ホイッスルおよびコアの組み立ては圧着によって、または圧着と、ろう付けとによって、またはろう付け溶接によって、またはろう付けによって実施されるステップとを含む方法を提供する。
【0022】
本発明は、ホイッスルとコアを組み立てる技術によって、従来技術とは基本的に異なる。
【0023】
加えて、コアの第1の部分でのシースの組み立ては、熱間静水圧プレス法(HIP)によって実施される。HIPは、高温時に、圧着のときよりも最適な機械的強度を可能にする(圧着は、機械的な保持の拘束が、温度が上昇する間に低下するのを認める)。
【0024】
有利には、コアは銅で作成される。
【0025】
有利には、シースは、ステンレス鋼または合金またはステンレスニッケルで作成され、接続端子(またはホイッスル)は、ステンレス合金で作成される。
【0026】
有利には、ホイッスルは、ステンレス鋼で作成される。
【0027】
有利には、シースは、ステンレス鋼で作成される。
【0028】
第1の変形形態によると、組み立ては、圧着によって実施される。製造方法は、
-ホイッスルのカウンターボアにコアを挿入することで、ホイッスルは、コアの第2の部分を覆うステップと、
-ホイッスルによって覆われたコアの第2の部分を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-コアの第1の部分をシースで覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、コアの第1の部分にシースを溶接するステップとによって実施されてよい。
【0029】
圧着によって、溶接の助けを借りずに、変形によって2つの部品を動かなくすることができ、これは、熱によって影響を受ける領域を有することを回避する。この技術は、追加の材料なしに実施され、このことは、より低コストで組立体を獲得することを可能にする。加えて、この技術は実施するのが簡素かつ迅速である。それは、安全に実施され得る。それは、酸化物を全く形成せず、汚染することもない。
【0030】
第2の変形形態によると、組み立ては、圧着と、ろう付けとによって実施される。特定の実施形態によると、製造プロセスは、
-ホイッスルのカウンターボアにろう付け材料を位置決めするステップと、
-ホイッスルのカウンターボアにコアを挿入することで、ホイッスルが、コアの第2の部分を覆うステップであって、コアは、それがろう付け材料と接触するまでカウンターボアに挿入される、ステップと、
-ホイッスルによって覆われたコアの第2の部分を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-ろう付け材料を溶かすために、ろう付けを実施し、これにより、溶けたろう付け材料の冷却後にホイッスルとコアとの間にろう付けされた継ぎ目が獲得されるステップと、
-コアの第1の部分をシースで覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、コアの第1の部分にシースを溶接するステップとによって実施されてよい。
【0031】
別の特定の実施形態によると、製造プロセスは、
-ホイッスルのカウンターボアにろう付け材料を位置決めするステップと、
-ホイッスルのカウンターボアにコアを挿入することで、ホイッスルがコアの第2の部分を覆うステップであって、コアは、それがろう付け材料と接触するまでカウンターボアに挿入される、ステップと、
-ホイッスルによって覆われたコアの第2の部分を好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-コアの第1の部分をシースで覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、ろう付け材料を溶かすのに十分高い温度でコアの第1の部分にシースを溶接し、これにより1つの単一のステップにおいて、同時に熱間静水圧プレス法が実施され、ろう付けされた継ぎ目が、ホイッスルとコアとの間に獲得されるステップとによって実施され得る。
【0032】
圧着に加えたろう付けは、電気導体の機械的強度を改善する。方法は、ろう付けが熱間静水圧プレス法と同時に実施される場合に簡素化される。
【0033】
第3の変形形態によると、組み立ては、ろう付け溶接によって実施される。製造方法は、
-ホイッスルとコアとの間にろう付け材料を位置決めするステップと、
-ろう付け溶接された継ぎ目をホイッスルとコアとの間に獲得するために、ろう付け溶接を実施するステップと、
-コアの第1の部分をシースによって覆うステップであって、コアは好ましくは、シースによって全体が覆われ、シースは、ホイッスルと接触しており、その後、熱間静水圧プレス法によってコアの第1の部分にシースを溶接する、ステップとによって実施され得る。
【0034】
ろう付け溶接は、いかなる充填金属も追加しない、固体状態にある異なる材料の拡散による溶接である。このプロセスは、所与の時間の間に溶接されるべき部品に高温で力を加えることで構成される。
【0035】
ホイッスルとコアとの間のろう付け溶接された継ぎ目は、高温の電気化学デバイスに使用される加熱温度にとりわけ抵抗性があり、耐性がある。
【0036】
有利には、ろう付け材料は、銅および亜鉛ベースの合金であり、これらは、さらにシリコンを含有してもよい。この実施形態は、600℃未満の動作温度にとりわけ有利である。
【0037】
別の有利な変形形態によると、ろう付け材料は、銀をさらに含有し得る銅、亜鉛およびニッケルベースの合金(とりわけCu/Zn/Ni/Ag)、またはCu/Mn、Cu/Mn/NiもしくはNi/Cr/Pベースの合金である。この実施形態は、600℃から900℃の間の動作温度にとりわけ有利である。
【0038】
本発明はまた、先に記載した方法で獲得される、電流リードのような電気導体にも関する。
【0039】
そのような電気導体は、コアと、ホイッスル(または接続端子)と、シースとを備え、シースは、コアの第1の部分を覆っている。
【0040】
シースは、コアの第1の部分に溶接される。
【0041】
第1の変形形態によると、コアは、ホイッスルの中に圧着されてもよい。
【0042】
第2の変形形態によると、コアは、ホイッスルの中に圧着され、ホイッスルと一緒にろう付けされる。
【0043】
第3の変形形態によると、コアは、ろう付け溶接された継ぎ目を利用してホイッスルにろう付け溶接され、ろう付け溶接された継ぎ目は好ましくは、Cu/Zn/Ni/Ag、Cu/Mn、Cu/Mn/Ni、Ni/Cr/Pベースの合金である。
【0044】
有利には、シースは、ステンレス鋼、または合金またはステンレスニッケルで作成され、接続端子(またはホイッスル)は、ステンレス合金で作成される。
【0045】
そのようなデバイスは、燃料電池および固体酸化物型電解槽などの電気化学デバイスの場合でのように、多数の高温動作サイクルの後でも、極めて最適な電気的および機械的特性を有する。
【0046】
本発明の他の特徴および利点は、以下の相補的な記載から生じるであろう。
【0047】
言うまでもないが、この相補的記載は、単に本発明の目的の例示のために提示されており、決してこの目的の限定として解釈されるべきではない。
【0048】
本発明は、添付の図面を参照して、純粋に示すために、および非制限的な目的のために提示される実施形態の記載を読むとき、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】既に以前に記載した、高温電解槽(SOEC)の動作原理を概略的に表す図である。
【
図2】既に以前に記載した、高温電解槽(SOEC)の主な構成要素を概略的に表す図である。
【
図3】既に以前に記載した、電流リードの分解組立図を概略的に表す図である。
【
図4A】既に以前に記載したホイッスル/コアインターフェースでの、電流リードにある欠陥の例の概略的に表す図である。
【
図4B】既に以前に記載したホイッスル/コアインターフェースでの、電流リードにある欠陥の例の概略的に表す図である。
【
図5】本発明の特定の実施形態による、電流リードの分解組立図を概略的に表す図である。
【
図6】
図5に表される電流リードの断面図を概略的に表す図である。
【
図7】本発明の特定の実施形態による、電流リードの圧着領域の周辺部に圧着中に及ぼされる圧力を概略的に表す図である。
【
図8】本発明の別の特定の実施形態による電流リードの分解組立図を概略的に表す図である。
【
図9】
図8に表される電流リードの断面図を概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図面に表される異なる部分は、図面をより読みや易くするために、均一の縮尺に従って必ずしも図表化されていない。
【0051】
次に、たとえ記載が、より詳細に電流ロッドの組み立てに対して言及したとしても、本発明は、極めて抵抗性の高い金属および/または合金、例えば鋳鉄および特殊鋼などの組み立てに対して概ね置き換え可能である。詳細には、本発明は、溶接性の低い鋼の組立体、異なる金属および合金の組立体、亜鉛めっき鋼およびステンレス鋼の組立体、銅およびその合金の組立体、アルミニウムおよびその合金の組立体のため、あるいはほとんど、または全く変形のない組立体を形成するための用途を見いだす。
【0052】
図5から
図9を参照して、電気導体、およびより詳細には電流ロッド(電流リードとも呼ばれる)を製造するための方法を記載する。
【0053】
電流ロッドを形成するために組み立てられるべき部品は、第1の金属材料で作成されたコア110と、第2の材料で作成されたシース120と、第3の材料で作成されたホイッスル130とである。
【0054】
ホイッスル130はまた、共通して接続端子とも呼ばれる。
【0055】
コア110は、最適な電気導体であるが、酸化に対して敏感であり、例えばニッケル、銀、銅または銅合金である。好ましくは、コア110は銅である。例えば、それは、Cuc1またはCua1銅で構成されてよい。コア110はロッドである。
【0056】
コア110は、シース120に挿入される。シース120は管である。シースは、第1の端部および第2の端部を備える。第1の端部の側で、シース120は、コア110の第1の部分111(コア/シース重なり領域)を覆う。コア110のものより高い酸化に対する抵抗性のその特性によって、それは、酸化大気に対するコアの保護を保証する。この方法において、それは、酸化大気中で組立体の耐用寿命を最大にすることによって、コアの材料のより良好な導電性から利益を得ることを可能にする。例えば、シース120は、ステンレス鋼またはステンレスニッケル合金で作成される。第2の端部は、表されていないエンドピースで固定されることが意図されている。
【0057】
ホイッスル130は、電解槽のプレートに接続されることが意図されている。それは、接続脚部として作用し、電解槽との電気接続を保証する。それは、それが締結される電解槽のプレートに対して相補的な形状を有する。ホイッスル130は、電解槽のスタック上にねじ込まれるように、シースの軸に直交して穿孔されてもよい(貫通穴131)。ホイッスル130は、図面に例示されるもの以外の幾何学形状を有してもよい。例えば、それは、円筒形であり、穴に嵌合される、または電力が供給されるべきデバイスに固定された2つの半分の外殻の間で圧締めされることが意図されてもよい。
【0058】
シース120の第1の端部に組み立てられた後、ホイッスル130はこの端部を気密式に密閉し、これによりガスの通過を回避する。
【0059】
好ましくは、ホイッスル130は、ステンレス合金で作成され、例えばニッケルクロム鉄合金、Inconel(登録商標)600などで作成される。
【0060】
部品の組み立てより前に、その表面の準備が、1つの手段によって、または一セットの適切な手段(特に、サンドブラスト、ブラッシング、洗剤および/または溶剤による酸洗)によって有利に実施される。
【0061】
本発明によると、電気導体を形成するためのコア110、シース120およびホイッスル130の組み立ては、異なる生産プロセスに従って、すなわち、圧着、または圧着と、ろう付け、またはろう付け溶接、および熱間静水圧プレス法に従って実施されてよい。
【0062】
次に、
図5、
図6および
図7に表される第1の実施形態(圧着による組み立て)をより詳細に記載する。この実施形態では、カウンターボアを備えるホイッスル130が有利に使用される。カウンターボア132は、平坦な底部を有する止まり穴である。カウンターボア132は、例えば8から20mmの深さを有してよい。カウンターボア132の直径は、コア110の直径に左右される。コア110は、カウンターボアに挿入される。組み立てられた後、カウンターボア132は、コア110の第2の部分112を覆う(コア/ホイッスル重なり領域)。有利にはコアとホイッスルのカウンターボアとの間に0.05の隙間が選択される。有利には、カウンターボア132の壁には、コア110のホイッスル130のカウンターボア132への挿入中の空気の排出を可能にするために貫通穴133が備わっている。
【0063】
コア110がカウンターボア132に挿入された後、コア/ホイッスル重なり領域112の周辺部に圧力を及ぼすことによって(
図7)圧着が実施される。圧着は、電気機械的圧着工具で実施されてもよい。その後、組立体の有効な寸法および圧着されるべき材料の機械的特性に応じた圧着力が加えられる。本明細書に記載されるケースでは(Inconel 600管、10mmの範囲内の直径)、20kNの範囲内の力が十分な圧着を実現するのに十分である。
【0064】
その後、シース120が、コア110の第1の部分111を覆うように位置決めされる。こうして、コア110は、シース120によって一方が完全に覆われ、他方がホイッスル130によって完全に覆われる。ホイッスル130およびシース120が接触するようになった後、それらは、組み立てを密閉するために有利に溶接される。
【0065】
圧着は、室温(典型的には20から25℃の間)で実施され、銅で作成されたコア110の分子構造は、加熱によって変形せず、このことは、耐用寿命の延長を保証する。圧着は、耐久性のある組み立て技術である。
【0066】
次に、第2の実施形態(圧着+ろう付けによる組み立て)をより詳細に記載する。
【0067】
この第2の実施形態によると、コア110を挿入する前に、ホイッスル130のカウンターボアの中にろう付け材料をさらに位置決めすることによって第1の実施形態でのように続行される。好ましくは、ろう付け材料は、カウンターボア132の平坦な底部を覆って位置決めされる。ろう付け材料132(充填材料とも呼ばれる)は、広げることができるペレットまたはペースの形態であってよい。コア110がカウンターボア132に挿入された後、ろう付け材料は、組み立てられるべき2つの部品(すなわち、ホイッスルおよびコア)と接触する。好ましくは25μmから200μmの間に含まれる厚さ、およびさらにはより好ましくは100μmの厚さでの設置中のろう付けペレットの配置は、欠点に対応し、インコネルと銅との間の接続を生み出し、電気的な連続性を保証することを有利に可能にする。
【0068】
ろう付けステップは、
-ろう付け材料を溶かすために、2つの部品110、130およびろう付け材料を、ろう付け材料の溶融温度より高い組み立て温度まで加熱し、組み立て温度を保持時間の間維持するステップであって、ろう付け温度は、選択されたろう付け合金に左右され、それは好ましくは、組立体が作動される温度、すなわち、電解槽/SOFC燃料電池タイプのシステムの電流バーの場合の900℃より高い、ステップと、
-ホイッスル130とコア110との間にろう付けされた継ぎ目を形成するために組立体を冷却し、それらを組み立てるステップとによって実施される。
【0069】
有利には、ろう付けは、熱間静水圧プレス法中に実施される。
【0070】
図8および
図9に表される第3の実施形態(ろう付け溶接-酸素アセチレン溶接プロセスによる組み立て)をより詳細に記載する。
【0071】
この実施形態では、ホイッスル130は、カウンターボアを含まない。それは、シース120に対して相補的な形状を有し、シース120は、ホイッスル130の端部の一方の周りに嵌合する。
【0072】
この第3の実施形態によると、組み立ては、
-コア110とホイッスル130との間にろう付け材料140を位置決めするステップと、
-ろう付け溶接された継ぎ目によってホイッスル130に接続されたコア110を備える組立体を有するために、こうして獲得された組立体のろう付け溶接を実施するステップと、
-コア110、ろう付け溶接された継ぎ目およびホイッスル130の一部をシース120に挿入するステップとに従って実施される。
【0073】
好ましくは、ろう付け材料140は、銅および亜鉛の合金である。この合金は、シリコンをさらに含有してもよい。
【0074】
例えば、Castolin Eutectic社によって参照16 XFCR(登録商標)の下に商業化されたCu-Zn-Ag合金が選択される。
【0075】
別の実施形態によると、ホイッスル130と、コア110との組み立ては、ろう付けによって実施される場合がある(圧着を実施せずに)。
【0076】
コア110、シース120およびホイッスル130が(圧着によって、および/またはろう付けによって、またはろう付け溶接によって)組み立てられた後、この組立体は有利には、シース120をコア110に溶接し、これにより最終組立体の機械的強度を強化するために、熱間静水圧プレスステップを受ける。
【0077】
方法の特定の実施形態によると、熱間静水圧プレス法による拡散溶接は、
-シース120の第2の端部上に脱気管をTIG(「タングステン不活性ガス」)溶接するステップであって、シース120の第2の端部は、ホイッスル130と接触する方の反対側である、ステップと、
-この第2の端部を密閉するためにキャップ(または締め具エンドピース)をTIG溶接するステップ。好ましくは、エンドピースおよびその管は、ステンレス合金、例えばAISI 316Lで作成される。エンドピースは、そこを通ってそれを横切り、シース120と連通している、脱気中心管のところを除いて、シース120の第2の端部を気密式に密閉する、ステップと、
-第1の端部の管を介して汲み上げることによって、真空下にシースを配置するステップであって、これは、コア110とシース120との間に存在するガスを抜き取ることを可能にする、ステップと、
-この管を、例えばシース120を摘み取ることによって密閉するステップと、
-熱間静水圧プレス法(HIP)によって拡散溶接サイクルを組立体に適用するステップとを含む。
【0078】
有利には、HIPによる溶接サイクルは、
-コア110とシース120とによって形成された組立体を600℃から1060℃の間に含まれる温度、好ましくは800℃から1000℃の間に含まれる温度、さらにより好ましくは900℃から1000℃の間に含まれる温度、とりわけ920℃の温度にするステップと、
-シース120に、500バールから1500バールの間に含まれる圧力、好ましくは800から1200バールの間に含まれる圧力、とりわけ1020バールの圧力を加えるステップと、
-30分から数時間の期間の間、好ましくは1時間から3時間の間、とりわけ2時間の間圧力および温度レベルを加えるステップと、
-組立体を冷えるままにし、減圧するステップとを含んでよい。
【0079】
有利には、電流ロッド100は、
-これによって境界が決められる体積中での空気の循環のための筐体と、
-筐体内に収容される電気化学デバイス(好ましくは、それは高温蒸気電解槽または高温燃料電池で構成される)であって、
-基本の電気化学セルのスタック、または各々がカソードとアノードとの間に介在する電解質を含み、2つの電気端子の間に連続して接続されたスタックと、
-2つの電気端子にそれぞれ接続された、以前に記載したような2つの電気導体とを備える電気化学デバイスとを含む電気化学システムにおいて使用される。
【0080】
一実施形態の例示的かつ非制限的な例:
この例では、Castolin Eutecticによって商業化された16 XFCR(登録商標)(Cu/Zn/Ag/Ni)ろう付け材料が使用されて、Inconel(登録商標)600合金で作成されたホイッスル130と銅で作成されたコア110との間にろう付け溶接された継ぎ目を作成する。
【0081】
ろう付け材料140は、弾性ストリッパーでコーティングされたスティックの形態で供給される。スティックは、著しい可撓性を有し、これは、組み立て作業中、溶融プールの優れた視認性を可能にする。
【0082】
ろう付け材料140は、以下の特徴、すなわち1%の銀/9%のニッケル、固相線885℃、液相線915℃、引っ張り強度550MPa、弾性限界236MPa、伸張35%、密度8.4および硬度120HBを有する。
【0083】
そのようなろう付け材料140は、高い機械的特性を有し、鋼および鋳鉄をろう付け溶接するのにとりわけ適している。
【0084】
コア110とホイッスル130との間の隙間は、例えば、0.1mmまでの範囲であってよく、これは合金が毛管現象の点において優れた特性を有することが理由である。
【0085】
ろう付け溶接が行われた後、電流ロッドの設置(シース120をコア110に嵌合する)によって進められ、充填金属を加えることなく、それらの間で異なる材料の拡散溶接を実施するために熱間静水圧プレス(HIP)サイクルが行われる。
【符号の説明】
【0086】
10 基本モジュール
11、12 電極
13 電解質
14、15 相互接続プレート
20 電気伝導デバイス
21 コア
22 シース
23 ホイッスル
100 電流ロッド
110 コア
111 第1の部分
112 第2の部分
120 シース
130 ホイッスル
131 貫通穴
132 カウンターボア
133 貫通穴
140 ろう付け材料
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流ロッドのような電気導体(100)を製造する方法であって、以下の連続するステップ、すなわち
-第1の金属材料で作成されたコア(110)を準備するステップと、
-第2の金属材料で作成され、前記コアの第1の部分(111)を覆うことが意図されるシース(120)を準備するステップと、
-第3の金属材料で作成された接続端子(130)を準備するステップ
であって、前記接続端子(130)は、電解槽プレートに締結されることが意図されており、前記接続端子(130)は、前記電解槽プレートに対して相補的な形状を有する、ステップと、
-前記コア(110)と前記接続端子(130)を組み立てるステップと、
-前記コア(110)および前記接続端子(130)を前記シース(120)と組み立てるステップとを含み、
前記シース(120)は、熱間静水圧プレス法によって前記コア(110)の前記第1の部分(111)に溶接されること、ならびに
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては、
-圧着によって、または
-圧着と、ろう付けとによって、または
-ろう付け溶接によって、または
-ろう付けによって実施されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては圧着によって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)のカウンターボア(132)に前記コア(110)を挿入することで、前記接続端子(130)は、前記コア(110)の第2の部分(112)を覆うステップと、
-前記接続端子(130)によって覆われた前記コア(110)の前記第2の部分(112)を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分(111)を前記シース(120)で覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、前記コアの前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接するステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては圧着と、ろう付けとによって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)にろう付け材料を位置決めするステップと、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)に前記コア(110)を挿入することで、前記接続端子が、前記コア(110)
の第2の部分(112)を覆うステップと、
-前記接続端子(130)によって覆われた前記コア(110)の前記第2の部分(112)を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-前記ろう付け材料を溶かすために、ろう付けを実施し、これにより、前記ろう付け材料の冷却後に前記接続端子(130)と前記コア(110)との間にろう付けされた継ぎ目が獲得されるステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分(111)を前記シース(120)で覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、前記コア(110)の前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接するステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては、圧着と、ろう付けとによって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)にろう付け材料を位置決めするステップと、
-前記接続端子(130)の前記カウンターボア(132)に前記コア(110)を挿入することで、前記接続端子(130)が前記コア(110)
の第2の部分(112)を覆うステップと、
-前記接続端子(130)によって覆われた前記コア(110)の前記第2の部分(112)を、好ましくは20kNの力で圧着するステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分(111)を前記シース(120)で覆い、その後、熱間静水圧プレス法によって、前記ろう付け材料を溶かすのに十分高い温度で前記コア(110)の前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接し、これにより、同時に前記熱間静水圧プレス法が実施され、ろう付けされた継ぎ目が、前記接続端子(130)と前記コア(110)との間に獲得されるステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コア(110)および前記接続端子(130)の前記組み立ては、ろう付け溶接によって実施されること、ならびに前記方法は、
-前記接続端子(130)と前記コア(110)との間にろう付け材料(140)を位置決めするステップと、
-ろう付け溶接された継ぎ目を前記接続端子(130)と前記コア(110)との間に獲得するために、ろう付け溶接を実施するステップと、
-前記コア(110)の前記第1の部分を前記シース(120)によって覆うステップであって、前記シース(120)は、接続端子(130)と接触しており、その後、熱間静水圧プレス法によって前記コア(110)の前記第1の部分(111)に前記シース(120)を溶接する、ステップとによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ろう付け材料は、銀をさらに含有し得る銅、亜鉛およびニッケルベースの合金であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コア(110)は銅で作成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記シース(120)は、ステンレス鋼または
ステンレスニッケル合金で作成され、前記接続端子(130)は、ステンレス合金で作成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記接続端子(130)は、ステンレス鋼で作成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記シース(120)は、ステンレス鋼で作成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
コア(110)、シース(120)および接続端子(130)を備え、前記シース(120)は、前記コア(110)の第1の部分(111)を覆って
おり、前記接続端子(130)は、電解槽プレートに締結されることが意図されており、前記接続端子(130)は、前記電解槽プレートに対して相補的な形状を有する、電流ロッドのような電気導体(100)であって、
前記シース(120)は、
熱間静水圧プレス法によって前記コア(110)の前記第1の部分(111)に溶接されること、ならびに
-前記コア(110)は、前記接続端子(130)に圧着される、または
-前記コア(110)は、前記接続端子(130)に圧着およびろう付けされる、または
-前記コア(110)は、前記接続端子(130)に、ろう付け溶接された継ぎ目を利用してろう付け溶接され、前記ろう付け溶接された継ぎ目は好ましくは、銅、亜鉛およびニッケルベースの合金であり、これは銀をさらに含有し得ることを特徴とする、電気導体(100)。
【請求項12】
前記シース(120)は、ステンレス鋼または
ステンレスニッケル合金で作成されること、ならびに前記接続端子(130)は、ステンレス合金で作成されることを特徴とする、請求項11に記載の電気導体(100)。
【請求項13】
前記コア(110)は、ニッケル、銀、銅で、または銅合金で作成されることを特徴とする、請求項11および12のいずれか一方に記載の電気導体(100)。
【請求項14】
前記コア(110)は、前記接続端子(130)のカウンターボア(132)に挿入されその中に圧着され、前記接続端子(130)は、前記コア(110)の第2の部分(112)を覆うことを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の電気導体(100)。
【請求項15】
前記コア(110)は、前記接続端子(130)のカウンターボア(132)に挿入され、その中に圧着され、ろう付けされ、前記接続端子(130)は、前記コア(110)の第2の部分(112)を覆うことを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の電気導体(100)。
【国際調査報告】