IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シネトロニクス バウグルッペン アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特表-モジュール式照明システム 図1
  • 特表-モジュール式照明システム 図2
  • 特表-モジュール式照明システム 図3
  • 特表-モジュール式照明システム 図4
  • 特表-モジュール式照明システム 図5
  • 特表-モジュール式照明システム 図6
  • 特表-モジュール式照明システム 図7
  • 特表-モジュール式照明システム 図8
  • 特表-モジュール式照明システム 図9
  • 特表-モジュール式照明システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】モジュール式照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/185 20200101AFI20231227BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20231227BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20231227BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20231227BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231227BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231227BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20231227BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H05B47/185
H05B47/19
H05B47/18
H05B47/11
F21S2/00 110
F21V23/00 140
F21V23/00 120
F21V23/06
F21V23/04 500
F21V23/00 117
F21V23/00 113
F21V23/00 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537705
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2021086499
(87)【国際公開番号】W WO2022136167
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】01655/20
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523229920
【氏名又は名称】シネトロニクス バウグルッペン アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィス、ティミー キム
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
3K014HA01
3K273PA01
3K273PA03
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA31
3K273SA02
3K273SA22
3K273SA38
3K273SA46
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA41
3K273TA53
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA69
3K273TA70
3K273UA17
3K273UA18
3K273UA22
3K273UA27
3K273VA04
(57)【要約】
複数のモジュール(2)を含む照明システム(1)が開示される。モジュール(2)は、マスタモジュール(2.1)および複数のスレーブモジュール(2.2)を含む。複数のモジュール(2)のそれぞれは、壁または天井に取り付けるための取り付けインターフェース(3)、および制御ユニット(4)を含む。制御ユニット(4)は、いずれの場合も、それぞれのアクティブな照明パターンを保存するように構成されている。複数のモジュール(2)は各々、モジュール通信インターフェースおよび複数の照明素子(6)をさらに含む。マスタモジュール(2.1)は、少なくとも1つのモジュール(2)に対するそれぞれの開始コマンドを生成するように構成されており、各モジュール(2)は、それぞれの開始コマンドに応答して、それぞれのモジュール(2)のアクティブな照明パターンを自律的に実行するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュール(2)を含む照明システム(1)であって、前記複数のモジュール(2)が、マスタモジュール(2.1)および複数のスレーブモジュール(2.2)を含み、前記複数のモジュール(2)のそれぞれが、
それぞれのモジュール(2)を壁または天井に取り付けるための取り付けインターフェース(3)と、
制御ユニット(4)であって、いずれの場合も、それぞれのモジュールのそれぞれのアクティブな照明パターンを保存するように構成されている、制御ユニット(4)と、
それぞれのモジュール(2)の前記制御ユニット(4)と動作可能に連結しているモジュール通信インターフェース(5)と、
それぞれのモジュール(2)の前記制御ユニット(4)と動作可能に連結している複数の照明素子(6)と、を含み、
前記マスタモジュール(2.1)が電源ユニット(7)を含み、前記電源ユニット(7)が外部電源に接続されるように構成されており、前記電源ユニット(7)が電力分配インターフェース(7.1)をさらに含み、前記複数のスレーブモジュール(2.2)のそれぞれが、前記電力分配インターフェース(7.1)に電気的に接続されるように構成された電力受取インターフェース(2.2.1)を含み、
前記マスタモジュール(2.1)が、少なくとも1つのモジュール(2)に対するそれぞれの開始コマンドを生成するように構成されており、各モジュール(2)が、前記開始コマンドのそれぞれに応答して、それぞれのモジュール(2)の前記アクティブな照明パターンを自律的に実行するように構成されており、
前記マスタモジュール(2.1)が、前記マスタモジュール(2.1)の前記制御ユニット(4)と動作可能に連結しているローカルユーザインターフェース(2.1.1)を含む、および/または、前記マスタモジュール(2.1)の前記制御ユニット(4)が、遠隔ユーザインターフェース(2.1.2)と動作可能に連結するように構成されている、照明システム(1)。
【請求項2】
前記マスタモジュール(2.1)が、フォールドアウト構成とフォールドイン構成との間で移動可能に、特に枢動可能に配置されているローカルユーザインターフェース(2.1.1)を含み、前記ローカルユーザインターフェース(2.1.1)が、前記フォールドアウト構成において前記マスタモジュール(2.1)の前面(2.4)から突出し、前記フォールドイン構成において前記マスタモジュール(2.1)の前記前面(2.4)と同一平面となる、請求項1に記載の照明システム(1)。
【請求項3】
前記マスタモジュール(2.1)が、遠隔デバイス通信インターフェース(2.1.4)を含み、前記マスタモジュール(2.1)が、前記遠隔デバイス通信インターフェース(2.1.4)を介して少なくとも1つの照明パターンを受信するように構成されている、請求項1または2に記載の照明システム(1)。
【請求項4】
前記マスタモジュール(2.1)が複数のセンサ(9)を含み、前記複数のセンサ(9)のそれぞれが、少なくとも1つの環境パラメータに依存してそれぞれのセンサ信号を提供するように構成されており、前記マスタモジュール(2.1)が、センサ信号の数に依存して前記複数のモジュール(2)のうちの少なくとも1つのモジュール(2)の前記複数の照明素子(6)の動作を制御するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項5】
前記複数のモジュール(2)のそれぞれが、それぞれ利用可能な複数の照明パターンを保存するように構成されており、前記マスタモジュール(2.1)が、各モジュール(2)に対するそれぞれの選択コマンドを生成するように構成されており、各モジュール(2)が、それぞれの選択コマンドに依存して、それぞれの利用可能な照明パターンのいずれかをそれぞれのアクティブな照明パターンとして選択するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項6】
前記照明システム(1)が、前記マスタモジュール(2.1)から複数の前記スレーブモジュール(2.2)に照明パターンを送信するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項7】
モジュール(2)のそれぞれが、それぞれの固有のモジュール識別子を保存し、前記それぞれの固有のモジュール識別子を複数の前記モジュール(2)のうちの少なくとも1つの別のモジュールに送信するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項8】
前記マスタモジュール(2.1)の前記制御ユニット(4)が、配置マップを保存するように構成されており、前記配置マップが、各々の他のモジュール(2)に対する各モジュールの位置を反映している、請求項1~7のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項9】
前記スレーブモジュール(2.2)のそれぞれが、少なくとも1つの別のモジュール(2)に対するそれぞれの開始コマンドを生成するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項10】
前記モジュール(2)のそれぞれが、複数の機械的モジュール相互接続インターフェース(2.3)を含み、前記機械的モジュール相互接続インターフェース(2.3)のそれぞれが、それぞれのモジュール(2)を隣接するモジュール(2)と機械的に相互接続するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項11】
前記モジュール(2)のそれぞれが、前記複数のモジュール(2)による壁または天井の平面充填を可能にするフットプリント、特に同一のフットプリントを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項12】
前記モジュール(2)のそれぞれが、正三角形、長方形、正方形、または正六角形に対応するフットプリントを有する、請求項11に記載の照明システム(1)。
【請求項13】
前記モジュール(2)が、いずれの場合も実質的に平坦または平面状の前面(2.4)を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項14】
前記電力分配インターフェース(7.1)が、複数の電力分配インターフェースコネクタ(7.1.1)、特に、前記マスタモジュール(2.1)の異なる側面に配置された複数の電力分配インターフェースコネクタ(7.1.1)を含み、前記複数の電力分配インターフェースコネクタのそれぞれが、それぞれの異なるスレーブモジュール(2.2)の前記電力受取インターフェース(2.2.1)との同時連結のために構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項15】
少なくとも複数のスレーブモジュール(2.2)の前記電力受取インターフェース(2.2.1)のそれぞれが、複数の電力受取インターフェースコネクタ(2.2.1.1)、特に、スレーブモジュール(2.2)のそれぞれの異なる側面に配置された複数の電力受取インターフェースコネクタ(2.2.1.1)を含み、前記複数の電力受取インターフェースコネクタ(2.2.1.1)のそれぞれが、前記電力分配インターフェース(7.1)、特に電力分配インターフェースコネクタ(7.1.1)、または、別のスレーブモジュール(2.2)の電力受取インターフェースコネクタ(2.2.1.1)と択一的に連結するように構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載の照明システム(1)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の照明システム(1)における使用のためのマスタモジュール(2.1)。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか1項に記載の照明システム(1)における使用のためのスレーブモジュール(2.2)。
【請求項18】
部屋を照射するための、請求項1~15のいずれか1項に記載の照明システム(1)および/または請求項16に記載のマスタモジュール(2.1)および/または請求項17に記載のスレーブモジュール(2.2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、特に、天井照明または壁に取り付けられた照明器具として設計されたモジュール式照明システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な照明システムが、家庭、ホテル、オフィスなどの部屋を照らすまたは照射する目的で当該技術分野で知られている。必要な量の光を提供するという主な目的に加えて、このような照明システムは、特に快適な方法で部屋を照射するように設計され得る。最先端の照明システムは、複数のモジュールと、異なる動作モード、明るさの制御、色温度などを含む、多種多様な制御機能と、を含む比較的複雑なシステムであり得る。
【0003】
EP3107354 A1は、いくつかの光モジュールを備えた配置を示す。光モジュールは、共通の電源に接続されており、無線または有線で通信することができる。完全な光制御は、各光モジュールの制御ユニットに明示的に一体化されている。たとえば、階段の吹き抜けでは、光モジュールは、調整された方法で応答し、「群知能」を有することができる。中央制御プログラムまたは中央制御ユニットは明示的に存在するべきではない。
【0004】
US9078299 B2は、知的照明システムを示している。計算最適化およびシミュレーションコンポーネントに加えて、当該システムは、たとえば、日光センサ、タイマー、天気予報データからさまざまな入力信号を受信し、これらの信号に基づいて調光器のための制御信号を判定する中央制御システムを含むことができる。接続は有線または無線とすることができる。当該制御システムは、集中システムとして、または分散型の自己組織化システムとして実装することができ、各照明器具はその独自の知能を備えたその独自の制御システムを有している。全体的な制御トポロジーは、群知能の原理に基づくことができる。
【0005】
EP2375867 A2は、LEDランプ用の制御システム(電力制御デバイス)を示している。これは、必須の無線制御を備えた、実装が簡単な特定のハードウェアソリューションに重点を置いている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の全体的な目的は、部屋、特に建物の内部の部屋のための照明システムに関する最先端技術を改善することである。有利なことに、照明システムは、設置が比較的簡単であり、幾何学的セットアップに加えて照明機能に関しても高い柔軟性を提供する。特定の設計では、照明システムは、特に子供部屋で使用され得るが、リビングルーム、オフィスなどの他の部屋でも使用され得る。有利なことに、照明システムは、複数の異なる照明パターンおよび/またはカスタマイズ可能な照明パターンを提供し、さまざまなニーズに適応可能である。
【0007】
一般的に、全体的な目的は独立請求項の主題によって達成される。例示的かつ特定の実施形態は、従属請求項の主題に加えて開示全体によってさらに定義される。
【0008】
一態様では、全体的な目的は照明システムによって達成される。照明システムには複数のモジュールを含む。複数のモジュールは、マスタモジュールおよび複数のスレーブモジュールを含む。さらなる態様では、全体の目的は、本開示のいずれかの実施形態による照明システムにおける使用のためのマスタモジュールによって達成される。さらなる態様では、全体の目的は、本開示のいずれかの実施形態による照明システムにおける使用のためのスレーブモジュールによって達成される。さらなる態様では、全体の目的は、本開示のいずれかの実施形態による照明システム、および/またはマスタモジュール、および/またはスレーブモジュールの使用によって達成される。
【0009】
モジュールは、有利なことに、各々が壁または天井にそれぞれのモジュールを取り付けるための取り付けインターフェースを含む。モジュールは各々、制御ユニットを含み、制御ユニットは、いずれの場合も、それぞれのモジュールのそれぞれのアクティブな照明パターンを保存するように構成されている。さらに、モジュールは各々、それぞれのモジュールの制御ユニットと動作可能に連結しているモジュール通信インターフェースを含む。さらに、モジュールは各々、それぞれのモジュールの制御ユニットと動作可能に連結している複数の照明素子を含む。
【0010】
マスタモジュールはさらに電源ユニットを含み、電源ユニットは外部電源に接続されるように構成されている。電源ユニットはさらに電力分配インターフェースを含む。複数のスレーブモジュールは各々、電力分配インターフェースに電気的に接続されるように構成された電力受取インターフェースを含む。マスタモジュールの電力分配インターフェースおよびスレーブモジュールの電力受取インターフェースを介して、スレーブモジュールに電力が供給される。電源ユニットは、入力供給コネクタを含み得、入力供給コネクタは、外部電源に接続される、特に恒久的に接続されるように構成されている。好ましい実施形態では、外部電源は、一般的な建物の電源、特に、230VACおよび/または110VACの線間電圧供給源などの線間電圧供給源である。
【0011】
実施形態では、電源ユニットは、当該技術分野で一般に知られているように、モジュールによる使用のために外部電源によって提供される通りに電力を変換するように構成されている中央電源アダプタを含み、変圧器、整流器、平滑コンデンサ、などを含み得る。このような実施形態では、中央電源アダプタの出力側が電力分配インターフェースに接続され、したがって、スレーブモジュールには、中央電源アダプタによってそれぞれのモジュールの電力分配インターフェースおよび電力受取インターフェースを介して電力が供給される。さらに、そのような実施形態では、スレーブモジュールは別個の電源アダプタを含まない。このタイプの実施形態に関して、すべてのモジュール、すなわちマスタモジュールに加えてスレーブモジュールも、中央電源アダプタによって電力供給されて動作する。代替の実施形態では、電力分配インターフェースは、外部電源に直接電気的に接続されるように構成され、電源インターフェースは、中央電源アダプタなしで入力電源コネクタに直接接続される。このような実施形態では、モジュールの各々は、外部電源、特に線間電圧によって提供された電力を受け取る。このような実施形態では、モジュール、すなわちマスタモジュールに加えてスレーブモジュールも各々、別個のローカル電源アダプタを含む。
【0012】
マスタモジュールの電力分配インターフェースおよびスレーブモジュールの電力受取インターフェースを介したスレーブモジュールの電源が、概して、スレーブモジュールの照明素子および/または回路の動作電圧と直接一致しないが、異なる電圧、特により高い電圧を有してもよく、たとえばAC電圧であってもよいことが留意される。したがって、モジュール、特にスレーブモジュールは、概して、照明素子の他にそれぞれのモジュールの一般的な回路にも必要とされる動作電圧(複数可)を提供する対応する電力インターフェース回路を含む。このような電力インターフェース回路は、たとえば、それぞれのデバイスの制御ユニットの一部であり得る。各モジュールにローカル電源アダプタを備えた実施形態では、電力インターフェース回路は、それぞれのローカル電源アダプタの一部であってもよい。
【0013】
マスタモジュールはさらに、少なくとも1つのモジュールに対するそれぞれの開始コマンドを生成するように構成されている。各モジュールはさらに、それぞれの開始コマンドに応答して、それぞれのモジュールのアクティブな照明パターンを自律的に実行するように構成されている。したがって、各モジュールは、その開始コマンドを受信すると、そのそれぞれのアクティブな照明パターンを実行する。マスタモジュールによって生成され得る開始コマンドは、特に、照明システムを、モジュールがそのそれぞれのアクティブな照明パターンを実行しないスイッチオフ状態から1つまたは複数のモジュールがそれらそれぞれのアクティブな照明パターンを実行するスイッチオン状態に切り替えるための初期開始コマンドであり得るか、またはそれを含み得る。照明システムは、初期開始コマンドによってオンに切り替えられる。マスタモジュールは、特に、対応するユーザ入力またはユーザアクションに応答して初期開始コマンドを生成するように構成され得る。スイッチオン状態では、照明システムは作動されているものとしても言及され、スイッチオフ状態では、照明システムは停止されているものとしても言及される。実施形態では、マスタモジュールの制御ユニットは、以下でもさらに論じられるように、照明システムをスイッチオン状態からスイッチオフ状態に切り替えるための停止コマンド、たとえば全体的な停止コマンドを生成するようにさらに構成されている。典型的に、停止コマンドは、対応するユーザ入力またはユーザアクションに応答して生成され得る。
【0014】
マスタモジュールはさらに、マスタモジュールの制御ユニットと動作可能に連結しているローカルユーザインターフェースを含み、および/またはマスタモジュールの制御ユニットは、遠隔制御デバイスと動作可能に連結するように構成されている。遠隔制御デバイスは、以下でより詳細に説明されるように、遠隔ユーザインターフェースを提供する。
【0015】
概して、ユーザインターフェースは、キー、タッチボタン、プッシュボタンなどの、1つまたは複数の入力要素、および/またはインジケータLEDおよび/またはディスプレイなどの、1つまたは複数の出力要素を含む。ユーザインターフェースは、いくつかの実施形態では、特にタッチスクリーンを含み得る。「ローカルユーザインターフェース」という表現は、マスタモジュールに構造的に一体化されている、またはマスタモジュールの不可欠な部分を形成する、ユーザインターフェースを指す。「遠隔ユーザインターフェース」または「ローカルユーザインターフェース」と明示的に言及されていない場合、「ユーザインターフェース」という表現は、概して、それらのいずれかを指し得る。
【0016】
ユーザインターフェースを介して、マスタモジュールの制御ユニットは、前述したように初期開始コマンドを生成するように制御され得る。さらに、ユーザインターフェースは、ユーザによって提供される照明パターン入力を受信するように構成され得、照明パターン入力は、少なくとも1つのユーザ定義された照明パターンを定義する。さらにいくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは選択入力を受信するように構成され得、選択入力では、以下に論じられるように複数の利用可能な照明パターンからアクティブな照明パターンを選択する。
【0017】
遠隔制御デバイスと通信するために、マスタモジュールは、マスタモジュールの制御ユニットの一部であるか、またはそれと動作可能に連結される、遠隔制御デバイス通信インターフェース、特に無線遠隔制御デバイス通信インターフェースを含み得る。例として、遠隔制御デバイス通信インターフェースは、たとえば、赤外線、Bluetooth(登録商標)、WLAN、ZigBee(登録商標)、および/または当該技術分野で一般に知られているような任意の他の通信技術およびプロトコルを介した、および/または独自の通信プロトコルに従った、通信のために設計され得る。遠隔ユーザインターフェースは、たとえば、照明システムによる部屋の照明を開始および停止するための、および/または照明の明るさを調整する、当該技術分野で一般に知られているような無線照明スイッチおよび/または調光器であり得るか、またはそれらを含み得る。さらに、遠隔ユーザインターフェースは、遠隔制御デバイス通信インターフェースと連結する、特に無線で連結するように構成されている、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータPCなどの、汎用デバイス上に設けられ得る。このようなタイプの遠隔ユーザインターフェースは、ユーザ定義された照明パターンの定義またはプログラミング、以下でさらに説明されるような複数の利用可能な照明パターンからのアクティブな照明パターンの選択などの、より複雑なアクションに対する快適なユーザインターフェースを提供するなどの利点を有している。汎用デバイスは、照明システムのユーザインターフェースとして機能するために、対応するソフトウェアコードまたはアプリケーションを実行し得る。代替的に、または追加的に、マスタモジュールの制御ユニットは、遠隔制御デバイス通信インターフェースを介して、汎用デバイスのウェブブラウザ上にユーザインターフェースを提供するように構成されている一体化ウェブサーバを含む。
【0018】
任意にローカルユーザインターフェースに加えて接続された、1つを超える遠隔ユーザインターフェースが特定の構成で存在し、異なる遠隔ユーザインターフェースが異なる機能性を提供し得ることも留意される。例として、従来の照明と同じように、照明のオンとオフを切り替えるための単純な無線照明スイッチが存在し得る。照明システムのオンとオフの切り替えは、たとえば追加の機能性をさらに提供する汎用デバイスを介して、追加で行われてもよい。
【0019】
ユーザインターフェースはさらに、以下でさらに説明されるように、1つまたは複数のスポット照明素子および/またはエッジ照明素子を制御するために、特にそれらをオンおよびオフに切り替えるために使用され得る。
【0020】
スレーブモジュールは、概して、独自のユーザインターフェースおよび/またはユーザインターフェースの通信インターフェースを備えていない。スレーブモジュールとの通信は、概して、マスタモジュールとモジュール通信インターフェースをそれぞれ介して行われる。
【0021】
モジュールは、構造的に分離されており、別個のものである。しかし、以下でさらに説明されるように、それらは、概して、並んだ配置で配置され、取り付けられたまたは動作可能な構成で互いに連結される。概して、単一のマスタモジュールおよび複数のスレーブモジュールが存在する。指定されない場合、たとえば「マスタモジュール」または「スレーブモジュール」として、「モジュール」という表現は、概して、マスタモジュールまたはスレーブモジュールのいずれかのモジュールを指す。
【0022】
各モジュールの照明素子は、概して、それぞれのモジュールの前面に配置される。各モジュールの前面は、照明システムが設置されている部屋に面するか、またはモジュールが設置されている壁もしくは天井とは反対の面である。モジュールの外側から(または照明システムが設置されている室内から)その正面を、概して垂直に見たときのモジュールの輪郭は、モジュールのフットプリントと呼ばれる。フットプリントを横断する方向は厚さ方向と呼ばれ、この方向のモジュールの寸法は厚さと呼ばれる。厚さ方向を横断する寸法またはフットプリントの平面内の寸法は、横方向寸法と呼ばれる。厚さ方向はまた、概して、モジュールが取り付けられている壁または天井に対して本質的に垂直であり、横方向寸法は、壁もしくは天井に対して平行であるか、または正接している。有利なことに、モジュールの全体的な形状は、ディスク形状であり、たとえば、厚さは横方向寸法よりもかなり小さい。典型的な設計では、モジュールの厚さが、20mmから100mmの間、有利なことに20mmから30mmの間である一方で、フットプリントは、正方形であり、500mmのエッジ長を有する。有利なことに、厚さはすべてのモジュールで同一である。各モジュールの正面は、概して、それぞれのモジュールの前壁(フロントパネルとも呼ばれる)の室内に面する側によって与えられる。各モジュールの周壁は、有利なことに、側面の周縁から厚さ方向に突出する。周壁は、概して、それぞれのモジュールの前壁から、および/またはモジュールが取り付けられている壁または天井から垂直に突出する。取り付けられた状態では、モジュールは、ディスタンスピースまたはスペーサを介して、または周壁に沿って、(壁または天井に面するモジュールの側面が平面である場合に)それらの表面領域全体で壁または天井に接触し得る。概して閉じられた周壁が有利であるが、モジュールの一部またはすべての側面は、原則として、開口部を有するか、または開いていてもよく、および/または望まれるように構造化されてもよい。モジュールの側面とは、モジュールまたはその断面の円周または周壁を、概して垂直に見た面を指す。前面およびフットプリントが、多角形、たとえば、正方形、長方形、または六角形の形状を有する典型的な設計では、円周または周壁は、対応する数の側面またはセグメントを有している。
【0023】
実施形態では、モジュールは、いずれの場合も、実質的に平坦または平面状の前面を有する。このような実施形態では、モジュールの前面は、概して、照明システムが設置されている壁または天井に平行であり、モジュールの厚さだけそこから離間されている。
【0024】
モジュールの前壁は、照明素子のパターンに対応する開口部または開口を有し得、照明素子は各々、それぞれの開口部内に配置されるか、またはそれぞれの開口部と整列させられる。しかし、特に有利な実施形態では、前壁は、透明または半透明の材料、たとえばガラスから作られ、照明素子は、モジュール内に配置され、前壁を通して光を当てる。望ましい場合に、原則として透明な前壁は、部分的に不透明または半透明でもあり得、それによって、一部またはすべての照明素子に対する視野絞りが形成される。例として、前壁は、その表面積の大部分にわたって半透明または不透明であり得、照明素子が配置されている領域にのみ透明なセクションを有し得る。このような透明のセクションは、それぞれの照明素子が作動させられる場合に照射されて現れる、任意の所望の形状、たとえば、楕円形、円形、または星形を有し得る。適切な場合には、対応する視野絞りが、照明素子と前壁との間に配置され得る。
【0025】
モジュールの複数の照明素子は、概して、あるパターンで配置され、それぞれのモジュールまたその前面にわたって横方向に分散される。単一のモジュールの照明素子は、同じタイプであり得るか、または異なるタイプであり得る。典型的に、照明素子は、複数の発光ダイオード(LED)、好ましくは4色LEDを含む。各モジュールの制御ユニットは、概して、単一の照明素子および各照明素子の単色を個別に制御するように構成されている(4色LEDが、概して、赤、緑、青、白の色を有する4つのLEDからなることが留意される。しかし、本明細書の目的では、これらは1つの照明素子として組み合わせて考慮される)。
【0026】
典型的に、各モジュールは別個の取り付けインターフェースを含み、それによって、それぞれのモジュールを壁または天井に取り付け、支持/担持することが可能になる。壁または天井の代わりに、モジュールが、概して、任意の他の実質的に平らまたは平坦な表面に取り付けられてもよいことが留意される。しかし、以下でさらに説明されるように、複数のモジュールを備えた組み立てられた構成では、ありとあらゆるモジュールが必ずしも壁または天井に個別に取り付けられる必要はない。代わりに、モジュールの一部のみが、天井の壁に直接取り付けられてもよく、他のモジュールは、壁または天井に直接取り付けられているそれらのモジュールによって支持されている。取り付けインターフェースは、たとえば、フットプリントの幾何学的中心にまたはその近くに配置され得る、および厚さ方向に沿って伸長し得る、管状要素を含み得るか、またはそれによって実現され得、それによって、管状要素を通って伸長するネジなどを介してそれぞれのモジュールの取り付けが可能になる。しかし、他の取り付けおよび/または固定配置も予見され得ることが留意される。
【0027】
各モジュールの制御ユニットは、概して、対応するコードを実行するマイクロコントローラなどの、1つまたは複数のプログラマブルコンポーネント、および/または専用回路を典型的に含む、半導体ベースの回路である。さらに、制御ユニットは、概して、それぞれのモジュールの照明素子を制御および駆動するために必要とされるインターフェースおよびドライバ回路を含む。さらに、モジュールの他の機能ユニット、たとえばモジュール通信インターフェースは、制御ユニットと一体的に実現され得る。制御ユニットおよび随意にさらなる電子部品は、たとえば、プリント回路基板(PCB)または相互接続された複数のPCBに取り付けられ得る。
【0028】
各モジュールのモジュール通信インターフェースは、別のモジュールとの通信またはデータ交換のために構成されており、すなわち、モジュール間通信の目的を果たしている。典型的に、各モジュールのモジュール通信インターフェースは、別のモジュールのそれぞれと通信するまたはデータを交換するように構成されている。各モジュールのモジュール通信インターフェースは有線でも無線でもよい。モジュール通信インターフェースの特定の実施形態のさらなる態様は、以下でさらに論じられる。それぞれのモジュールのモジュール通信インターフェースを介して、開始コマンドおよび停止コマンドが交換される他に、任意の別のデータおよび情報もモジュール間で交換される。これに応じて、モジュール通信インターフェースは、概して、双方向通信のために構成されている。
【0029】
有線通信インターフェースの場合、各モジュールの通信インターフェースは、複数の専用通信インターフェースコネクタを含み得る。このような通信インターフェースコネクタは、特に、電力分配インターフェースコネクタおよび電力受取インターフェースコネクタに関連して以下でさらに論じられる方法と同じ方法で、各モジュールの異なる側面に配置され得る。
【0030】
実施形態では、マスタモジュールのモジュール通信インターフェースは、電力分配インターフェースと一体となっており、各スレーブモジュールのモジュール通信インターフェースは、それぞれのスレーブモジュールの電力受取インターフェースと一体となっている。このような実施形態では、電源または電力分配のための電気接続はデータ交換にも使用され、別個の物理インターフェースまたはコネクタは必要とされない。このような実施形態では、電力供給は、当該技術分野で一般的に知られているようにデータを送信するために変調され得るか、または変更され得る。
【0031】
実施形態では、マスタモジュールの電力分配インターフェースは、複数の電力分配インターフェースコネクタ、特に、マスタモジュールの異なる側面に配置された複数の電力分配インターフェースコネクタを含み、ここで、電力分配インターフェースコネクタは各々、それぞれの異なるスレーブモジュールの電力受取インターフェースとの同時連結のために構成されている。電力分配インターフェースコネクタは、概して、互いに電気的に接続されている。電力分配インターフェースコネクタは、前に説明したようにマスタモジュールの周壁に配置され得る。
【0032】
実施形態では、少なくとも複数のスレーブモジュールの各々の電力受取インターフェースは、複数の電力受取インターフェースコネクタ、特に、それぞれのスレーブモジュールの異なる側面に配置された複数の電力受取インターフェースコネクタを含む。電力分配インターフェースコネクタは、前に説明したようにそれぞれのスレーブモジュールの周壁に配置され得る。電力受取インターフェースコネクタは各々、電力分配インターフェース、特に電力分配インターフェースコネクタ、または別のスレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタと交互に連結するように構成されている。特定の実施形態では、すべてのスレーブモジュールがこのように設計される。スレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタは、概して、互いに電気的に接続されている。
【0033】
電力分配インターフェースコネクタおよび電力受取インターフェースコネクタは、特に、プラグコネクタおよび/またはソケットコネクタであり得るか、またはそれらを含み得る。マスタモジュールの異なる側面に電力分配インターフェースコネクタを設けることによって、それぞれの複数のスレーブモジュールに電力を直接提供することが可能になる。さらに、スレーブモジュールの異なる側面に電力受取インターフェースコネクタを設けることによって、さまざまな配向でスレーブモジュールをマスタモジュールに接続することが可能になる。さらに、スレーブモジュールの各々の電力受取インターフェースは、別のスレーブモジュールの電力受取インターフェースと連結するように構成され得る。具体的には、スレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタは各々、別のスレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタと連結するように構成され得る。この種の設計によって、他のスレーブモジュールを介して間接的にスレーブモジュールに電力を供給することが可能になる。換言すれば、スレーブモジュールの電力受取インターフェースは、1つまたは複数のさらなるスレーブモジュールに電力を同時に供給し得、それに応じて、電力供給は、1つまたは複数の中間スレーブを介してマスタモジュールから特定のスレーブモジュールに有線で行われる。したがって、それぞれのスレーブモジュールの電力受取インターフェースが、マスタモジュールの電力分配インターフェースに直接接続される場合、マスタモジュールによるスレーブモジュールの電力供給は直接的であり得る。これは、概して、マスタモジュールに隣接して配置されているスレーブモジュールの場合に当てはまる。代替的に、それぞれのスレーブモジュールの電力受取インターフェースが、別のスレーブモジュール、特に隣接するスレーブモジュールの電力受取インターフェースを介して電力を受け取る場合、マスタモジュールによるスレーブモジュールの電力供給は間接的であり得る。
【0034】
電力分配インターフェースコネクタおよび電力受取インターフェースコネクタを、異なる側面に、有利なことには、それぞれ、マスタモジュールおよびスレーブモジュールのすべての側面に設けることによって、モジュール間のケーブリングまたは配線を必要とせずに複数のモジュールの並んだ配置が可能になる。
【0035】
実施形態では、電力分配インターフェースコネクタおよび電力受取インターフェースコネクタは、いずれの場合も、側面もしくは周壁と同一平面になるように、または側面の後ろに位置するように配置される。隣接するモジュール間で電気接続が確立される場合、それぞれのコネクタを連結するために、対応する中間コネクタ要素が設けられ得る。このように、いかなる場合でも突出要素が存在せず、これは、全側面で隣接するモジュールによって囲まれていないモジュールにとって特に有利である。さらにすべての電力分配インターフェースコネクタおよび電力受取インターフェースコネクタが同一の設計であることが有利である。前に説明したように、マスタモジュールの電力分配インターフェースおよびそれに応じた電力分配インターフェースコネクタ、ならびにスレーブモジュールの電力受取インターフェースおよびそれに応じた電力受取インターフェースコネクタは、各モジュールが別個のローカル電源アダプタを含む場合、線間電圧用に設計され得るか、またはマスタモジュールの中央電源アダプタの出力に従って設計され得る。
【0036】
1つまたは複数のスレーブモジュールに、その電力受取インターフェース、特に前述したような電力受取インターフェースコネクタに接続されている専用の配線またはケーブリングを介して電力が提供され得ることが留意される。これは、モジュールまたはモジュールのグループが、たとえばビームなどの制約により、別個に配置されないかもしれない場合に当てはまる。この場合、モジュールは、たとえば、ビームによって分離されている2つのグループに配置され、いずれかのグループがマスタモジュールを備えている。このような場合、ビームは、ケーブリングまたは配線によって架橋され得る。同じことがモジュール通信インターフェースにも当てはまり得る。
【0037】
実施形態では、モジュールは各々、複数のモジュール相互接続インターフェースを含む。モジュール相互接続インターフェースの領域は各々、それぞれのモジュールを隣接するモジュールに機械的に相互接続するように構成されている。概して、各モジュール相互接続インターフェースは、1対1の方法でそれぞれのモジュールを1つの隣接するモジュールに機械的に相互接続するように構成されている。各モジュールのモジュール相互接続インターフェースは、前に説明したように、有利なことに、各モジュールの周壁に、または周壁内に配置される。以下でさらに論じられるような壁または天井の平面充填を可能にするモジュールの場合、モジュール相互接続インターフェースは、隣接するモジュールが配置され得るモジュールの各側面の周壁に配置され得る。特に、正方形または長方形のフットプリントを有するモジュールの場合、モジュール相互接続インターフェースは、4つの側面の各々に配置され得る。
【0038】
モジュール相互接続インターフェースは、実施形態において、複数の、たとえば2つの受容部、たとえばそれぞれのモジュールの側面または周壁に穴を含み得る。取り付けられた構成では、受容部の各々は、隣接するモジュールの対応する受容部と整列させられる。隣接するモジュールは、隣接するモジュールの整列した受容部に部分的に挿入される接続要素、たとえばボルトを介して接続され得る。モジュール相互接続インターフェースに加えて接続要素も、有利なことに、曲げ力を吸収するように設計および寸法合わせされる。このように、あらゆるモジュールが、前述したように別個に壁または天井に取り付けられる必要はなく、一部のモジュールが付近のまたは隣接するモジュールによって支持されてもよい。例として、一列のモジュールでのモジュールを1つおきに壁または天井に直接取り付けるだけで十分であり得る。適切な場合、モジュール相互接続インターフェースは機械的ロック機構を含んでもよい。
【0039】
実施形態では、モジュールは各々、複数のモジュールによる壁または天井の平面充填を可能にするフットプリント、特に同一のフットプリントを有する。特定の実施形態では、モジュールは各々、正三角形、長方形、正方形、または正六角形に対応するフットプリントを有する。平面充填を可能にするフットプリントは、モジュールのそれぞれの前面が、照明システムの共通の途切れることのない前面を、組み合わせて形成するように、モジュールを配置することを可能にするため、設計および美的観点から有利である。言及された例示的なフットプリントが必須ではないことが留意される。代わりに、たとえばタイルに関して知られている、他のより複雑なフットプリント形状が使用されてもよい。
【0040】
典型的な実施形態では、モジュール相互接続インターフェースを含むモジュールの各側面は、マスタモジュールの場合には電力分配インターフェースコネクタまたはスレーブモジュールの場合には電力受取インターフェースコネクタを含む。さらに、別個の通信インターフェースコネクタが予見される実施形態では、そのような各側面は、有利なことに通信インターフェースコネクタを含む。
【0041】
「照明パターン」という表現は、時間に応じた具体的なモジュールの照明素子の制御を指す。照明パターンは、(前述したように4色LEDの単一LEDの制御によって判定されるような)照明素子のアクティブ化/非アクティブ化(すなわち、オンとオフの切り替え)、明るさ、および色温度に関する情報を含み得る。「保存する」、「送信する」、または「受信する」という表現は、照明パターンに関連して、それぞれの制御情報および/または制御パラメータを保存、送信、または受信すると理解されるべきである。照明パターンに対する例は、たとえば、点滅パターン、ランダムパターン(明るさと色温度の両方を含む)、明るさが上昇および下降するパターン、またはランニングライトパターンである。
【0042】
照明パターンは無限の照明パターンであってもよい。無限の照明パターンは、一度開始されると、たとえば対応する停止コマンドを介して、明示的に停止されるまで、連続的または無限に実行される。代替的に、照明パターンは単回実行の照明パターンであってもよい。単回実行の照明パターンは、それぞれの開始コマンドに応答して、一度だけ実行され、新しいそれぞれの開始コマンドがあった場合にのみ再度実行される照明パターンである。
【0043】
照明パターンは、モジュールとともに容易に提供される、予め定義された、および予め保存された照明パターンであってもよい。代替的に、または追加的に、照明パターンは、以下で説明されるように、ユーザインターフェースを介して入力されるユーザ定義された照明パターンおよび/または遠隔デバイス通信インターフェースを介して遠隔デバイスから受信される遠隔生成された照明パターンであってもよい。
【0044】
本開示によれば、各モジュールは、少なくともそれぞれのアクティブな照明パターンを保存し、それぞれの開始コマンドを受信すると、それぞれのアクティブな照明パターンを自律的に実行するように構成されている。このようにして、照明モジュールの総数および個々の照明パターンの複雑さとはほとんど関係なく、照明システムの動作時に最小量のモジュール間通信のみが必要とされる。「自律実行」という表現は、各照明モジュールがそれぞれのアクティブな照明パターンを実行するためにさらなるデータを必要としないことを指す。各モジュールの制御ユニットによって保存されるアクティブな照明パターンは、一部またはすべてのモジュール間で同一であり得るか、または異なり得る。
【0045】
部屋の照明は、マスタモジュールが、少なくとも1つのモジュールに対して、開始コマンド、特に前述したような初期開始コマンドを生成することによって開始され、それにより、それぞれのモジュールは、そのアクティブな照明シーケンスを実行する。任意で、マスタモジュールは、同じ時点でおよび/または相対的な時間遅延を伴って、一部またはすべてのモジュールに対してそれぞれの開始コマンドを生成し得る。一般的な照明パターン、特にそれぞれのアクティブな照明パターンの実行に関して、マスタモジュールがスレーブモジュールと同じ方法で作動するように構成されていることが留意される。それに応じて、マスタモジュールは、それぞれの開始コマンドに応答してそのアクティブな照明パターンを実行するように構成されている。マスタモジュールに対するそのような開始コマンドは、マスタモジュールの制御ユニットによって生成され得る。しかし、さらに以下でより詳細に論じられるように、スレーブモジュールまたは制御ユニットも、別のスレーブモジュールの他にマスタモジュールに対しても開始コマンドを生成するように構成され得る。
【0046】
実施形態では、マスタモジュールは停止コマンドを生成するようにさらに構成されている。このような停止コマンドは、特定のモジュールまたは複数のモジュールに対する専用の停止コマンド、またはすべてのモジュールに対する全体的な停止コマンドのいずれかであり得る。それぞれの停止コマンドに応答して、モジュールは、そのそれぞれのアクティブな照明パターンの実行を停止または終了する。停止コマンド、特に全体的な停止コマンドは、特に、照明システムが設置されている部屋の照明を終了するために使用され得る。
【0047】
ローカルユーザインターフェースを備えた特定の実施形態では、ローカルユーザインターフェースは、フォールドアウト(fold-out)構成とフォールドイン(fold-in)構成との間で移動可能に、特に枢動可能に配置される。ユーザインターフェースは、フォールドアウト構成ではマスタモジュールの前面から突出し、フォールドイン構成ではマスタモジュールの前面と同一平面になっている。
【0048】
このような移動可能に配置されたローカルユーザインターフェースは、スペース消費とデザイン/美観の両方の点で有利である。フォールドイン構成では、ローカルユーザインターフェースは、単にマスタモジュールの前面の一部を形成し、実質的に「消える」かもしれない。フォールドアウト構成では、このようなローカルユーザインターフェースは、ディスプレイ、キー、および/またはタッチスクリーンなどの、すべての所望の入力/出力要素に十分なスペースを提供する。
【0049】
照明素子が配置されるパターンに応じて、マスタモジュールの1つまたは複数の照明素子は、ローカルユーザインターフェースに一体化され得る。これらの照明素子は、フォールドイン構成でのマスタモジュールの他の照明素子と一緒に目に見える。
【0050】
代替の実施形態では、ローカルユーザインターフェースは、移動不可能な方法でマスタモジュールに一体化される。本実施形態では、ユーザインターフェースは、マスタモジュールの前面に対して後退させられ得、マスタモジュールの前壁自体は、枢動可能または取り外し可能に、たとえばユーザ操作可能なスナップインまたはクリックイン接続を介して、配置される。前壁が、マスタモジュールの本体から離れて取り外されるまたは枢動される場合、ローカルユーザインターフェースは、それに応じてアクセス可能であるが、そうでなければ、隠され、光学的に消える。
【0051】
実施形態では、マスタモジュールは遠隔デバイス通信インターフェースを含む。マスタモジュールは、遠隔デバイス通信インターフェースを介して少なくとも1つの照明パターンを受信するように構成され得る。このような遠隔生成された照明パターンは、以下でさらに説明されるように、アクティブな照明パターンおよび/または利用可能な照明パターンとして機能し得る。遠隔デバイス通信インターフェースは、マスタモジュールの制御ユニットの一部であり得るか、またはマスタモジュールの制御ユニットに動作可能に連結され得る。
【0052】
遠隔デバイス通信インターフェースは、前に説明したように、遠隔制御デバイス通信インターフェースとは別個であり得るか、一体であり得るか、および/または同一であり得る。遠隔デバイス通信インターフェースを介して、新しい照明パターンが照明システムに好適な方法で転送され得る。遠隔デバイス通信インターフェースは、たとえば、WLANおよび/またはLANインターフェースであるか、またはそれらを含み得る。このようにして、照明パターンは、たとえば、照明システムの供給者から購入され得、遠隔生成された照明パターンとして供給者によって照明システムに直接送信され得る。
【0053】
実施形態では、マスタモジュールは複数のセンサを含み、ここで、センサは各々、少なくとも1つの環境パラメータに依存してそれぞれのセンサ信号を提供するように構成されている。マスタモジュールは、センサ信号の数に依存して複数のモジュールのうちの少なくとも1つのモジュールの照明素子の動作を制御するように構成され得る。
【0054】
このようなセンサは、たとえば、室温センサ、湿度センサなどの、室内気候センサ、さらに、たとえば、酸素センサおよび/または炭水化物センサ、および/またはフォトセンサまたは光センサを含み得る。このようなセンサ信号に依存した照明素子の動作の制御によって、関連する環境条件を監視および示唆するための照明システムの追加の使用が可能になる。マスタモジュールの制御ユニットは、特に、1つまたは複数のセンサ信号をそれぞれの閾値と連続的にまたは繰り返し比較し、閾値を超えた場合に光警報または警告を発するように照明素子を制御するように構成され得る。マスタモジュールは、測定値、警報、および/または警告などの、1つまたは複数のセンサによって判定された情報を、遠隔デバイス、たとえばスマートフォンに送信するようにさらに構成され得る。
【0055】
センサ信号に依存した照明素子の制御に加えて、センサ信号に依存した警報または警告を発することも、前述したように、ユーザインターフェースおよび/または遠隔デバイスを介して、有利に、構成、パラメータ化、および/またはアクティブ化または非アクティブ化され得る。さらに、1つまたは複数のセンサ、特に光センサは、以下でさらに説明されるようにエッジ照明素子のオンおよびオフの切り替えを制御し得る。さらなる実施形態では、前に説明したような1つまたは複数のセンサは、スレーブモジュールに配置され得る。
【0056】
実施形態では、モジュールは各々、複数のそれぞれの利用可能な照明パターンを保存するように構成されている。マスタモジュールは、各モジュールに対するそれぞれの選択コマンドを生成するように構成され得る。各モジュールは、それぞれの選択コマンドに応答して、それぞれの利用可能な照明パターンのいずれかをそれぞれのアクティブな照明パターンとして選択するように構成されている。
【0057】
複数の利用可能な照明パターンを保存するモジュールは各々、モジュール間の通信活動を最小限に抑えながら便利な方法で照明パターンを柔軟に使用および変更することを可能にする。このような利用可能な照明パターンは、予めインストールされ得、ユーザ定義の照明パターンであり得、および/または遠隔生成された照明パターンであり得る。典型的な実施形態では、すべてのモジュールが同じ利用可能な照明パターンを保存する。しかし、代替的に、異なるモジュールが異なる利用可能な照明パターンを保存してもよい。
【0058】
実施形態では、照明システムは、照明パターンをマスタモジュールから複数のスレーブモジュールに送信するように構成されている。照明パターンは、有利なことに、マスタモジュールおよびスレーブモジュールのモジュール通信インターフェースを介して送信され得る。送信された照明パターンは、たとえば、ユーザインターフェースを介して入力されるユーザ定義の照明パターン、または遠隔生成された照明パターンであり得る。方法として、照明パターンは、マスタモジュールからスレーブモジュールに分配されてもよい。照明システムは、照明パターンを特定のスレーブモジュール、複数のスレーブモジュール、またはすべてのスレーブモジュールに分配するように構成され得る。
【0059】
スレーブモジュールが、複数の利用可能な照明パターンを各々保存するのではなく、単一の照明パターン、すなわちそれぞれのアクティブな照明パターンのみを保存するように構成されている実施形態では、マスタモジュールからスレーブモジュールに照明パターンを送信することによって、照明パターンの変更が可能になる。
【0060】
実施形態では、スレーブモジュールは各々、少なくとも1つの別のモジュールに対するそれぞれの開始コマンドを生成するように構成されている。概して、少なくとも1つの別のモジュールは、マスタモジュールを含むモジュールの任意のモジュールまたはグループであり得る。この種の実施形態は、以下で説明されるようなメタ照明パターンに関連して特に有利である。メタ照明パターンは、複数の異なるモジュールによって同時にまたは順に実行される照明パターンである。典型的に、アクティブな照明パターンは単回実行の照明パターンである。例として、アクティブな照明パターンとしてモジュールによって実行される単回実行の照明パターンは、ランニングライトがモジュールの一方の端部、たとえば左端から、それぞれのモジュールの対向する端部、たとえば右端まで移動するように、それぞれのモジュールの照明素子を順に制御することを含むランニングライト照明パターンであり得る。複数のモジュールが一列に配置されていると想定すると、対応するランニングライトのメタ照明パターンは、ランニングライトが左端のモジュールの左側から右端のモジュールの右側に移動することを含み得る。このようなランニングライトのメタ照明パターンを調整的かつ同期的に実行するために、各モジュールは、そのランニングライトの照明パターンの実行が完了すると、右側に隣接するそれぞれのモジュールに対する開始コマンドを生成し得る。右端のモジュールが左端のモジュールの開始コマンドを生成することによって、ランニングライトのメタ照明パターンは、それぞれ無限に無限の照明パターンとして実行され得る一方で、個々のモジュールによる単回実行の照明パターンの実行で構成されている。したがって、メタ照明パターンが、無限の照明パターンであり得、典型的に無限の照明パターンである一方で、個々のモジュールのアクティブな照明パターンは、それ自体が単回実行の照明パターンである。有利なことに、マスタモジュールによるそのアクティブな照明パターンの実行はまた、スレーブモジュールによって生成される開始コマンドを介して開始され得る。
【0061】
スレーブモジュールは、1つ、複数、またはすべての別のモジュールに対する開始コマンドを生成するように構成され得る。概して、開始コマンドは、それぞれのモジュールのアクティブな照明パターンの実行に依存して、特にそれぞれのモジュールによるアクティブな照明パターンの実行の特定の時点で、モジュールによって生成され得る。少なくとも1つのさらなるモジュールに対する開始コマンドが生成される時点または複数の時点は、照明パターンの一部を形成し得る。
【0062】
実施形態では、各モジュールは、それぞれの固有のモジュール識別子を保存する、およびそれぞれの固有のモジュール識別子を複数のモジュールの少なくとも1つの別のモジュールに送信するように構成されている。固有のモジュール識別子は、たとえば、開始および/または停止コマンドの送信または前に説明したような照明パターンの送信の際に、選択したモジュール間で情報を交換するのに有利である。
【0063】
実施形態では、マスタモジュールの制御ユニットは、配置マップを保存するように構成されており、配置マップは、各々の他のモジュールに対する各モジュールの位置を反映している。前に説明したようなローカルユーザインターフェースおよび/または遠隔ユーザインターフェースは、たとえばタッチスクリーンを介して、配置マップを入力するように構成され得、および/または配置マップは、前に説明したような別の遠隔デバイスからを受信され得る。単一モジュールは、たとえば、前に説明したようなそれらのそれぞれのモジュール識別子を介して識別され得る。配置マップは、前述したようなメタ照明パターンの実行の際に特に有利である。特に有利な実施形態では、マスタモジュールは、配置マップをスレーブモジュールの各々に送信するように構成され、スレーブモジュールは各々、配置マップを受信して保存するように構成されている。メタ照明パターンが与えられると、照明システムは、モジュールの位置またはそれらの位置関係に基づいて、各モジュールに対する開始コマンドのタイミングを自動的に判定するように構成され得る。
【0064】
随意に、1つの、いくつかの、またはすべてのモジュールは、たとえばそれぞれのモジュールの中央領域に配置され得るスポット照明素子をさらに含んでもよい。このようなスポット照明素子は、さらなる照明素子よりも強力であり得る。スポット照明素子は、オンデマンドで部屋に追加の照明を提供するのに特に有用である。1つの、いくつかの、またはすべてのモジュールがスポット照明素子を含む実施形態では、そのようなスポット照明素子は、ユーザインターフェースを介して個別におよび/または組み合わせてオンおよびオフに切り替えられ得る。実施形態では、前に説明したように、スポットライトのオンおよびオフの切り替えは、照明システムのスイッチがオンの状態でのみ可能である。しかし、代替の実施形態では、スポット照明素子のオンおよびオフの切り替えは、照明システムの動作状態から独立している。
【0065】
さらに任意で、モジュールは、1つまたは複数のエッジ照明素子を含み得る。エッジ照明素子は、モジュールのエッジ、特にそれぞれモジュールの前面のエッジに沿って設けられ得、エッジを照射し得るか、または照らし得る。エッジ照明素子は、有利なことに、取り付けられた構成で最も外側のモジュールの自由縁に設けられる。複数のモジュールが配置される特定のパターンに依存して、エッジ照明素子は、1つまたは複数の縁部に沿って設けられ得る。エッジ照明素子は、スポット照明素子と同様に、照明パターンの実行とは独立して、アクティブ化および非アクティブ化され得るか、またはオンおよびオフに切り替えられ得る。さらに、エッジ照明素子は、時間制御方式でオンおよびオフに切り替えられ得、および/または1つまたは複数のセンサ、たとえば光センサを介して制御され得る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】照明システムの実施形態の概略図を示す。
図2】マスタモジュールの実施形態のブロック図を示す。
図3】スレーブモジュールの実施形態のブロック図を示す。
図4】モジュールの実施形態の概略正面図を示す。
図5】マスタモジュールおよび複数のスレーブモジュールの例示的な配置を概略図で示す。
図6】マスタモジュールおよび複数のスレーブモジュールのさらなる例示的な配置を概略図で示す。
図7】マスタモジュールおよび複数のスレーブモジュールのさらなる例示的な配置を概略図で示す。
図8】本開示によるフォールドアウト構成のマスタモジュールの概略図を示す。
図9】本開示によるスレーブモジュールの概略図を示す。
図10図8によるマスタモジュールの概略分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、例示的な配置での複数のモジュール2を含む照明システム1の概略図を示す。図示の構成は、1つのマスタモジュール2.1および6つのスレーブモジュール2.2を含む。この配置は例示目的のみで選択される。任意のカスタマイズされた配置またはパターンが可能であり、任意の数のモジュール2が可能である。図示のモジュール2は各々、それぞれのモジュール2を壁または天井に取り付けるように構成されている取り付けインターフェース3を含む。モジュール2は各々、前述の一般的な説明で開示されたような任意の実施形態に従って構成されている制御ユニット4をさらに含む。図示のモジュール2は各々、それぞれのモジュール2の制御ユニット4と動作可能に連結している複数の照明素子6をさらに含み、照明素子6は4色LEDとして実現されている。マスタモジュール2.1は、外部電源、特に線間電圧電源に接続されるように構成されている電源ユニット7を含む。図示のモジュール2は、構造的に分離され、別個である。それらは、取り付けられた動作可能な構成で、並んだ配置で配置され、互いに連結される。モジュール2は、それぞれのモジュール2を隣接するモジュール2と機械的に相互接続するように構成されている複数の機械的モジュール相互接続インターフェース2.3によって図示の配置を形成するように互いに相互接続されている。電源ユニット7のマスタモジュール2.1は、その4つの側面に4つの電力分配インターフェースコネクタを備えた電力分配インターフェースをさらに含む。さらに、スレーブモジュール2.2は各々、4つの側面に4つの電力受取インターフェースコネクタを備えた電力受取インターフェースを含む。それぞれのスレーブモジュール2.2が、マスタモジュールに、または代替的に隣接するスレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタに隣接する場合、各電力受取インターフェースコネクタは、マスタモジュール2.1の電力分配インターフェースコネクタと連結するように構成される。図示の構成では、4つの電力分配インターフェースコネクタのうちの2つのみが、いずれの場合も、隣接するスレーブモジュール2.2の電力受取インターフェースコネクタに(すなわち、マスタモジュール2.1の右側面と底面に)連結される一方で、左側面と上側面での電力分配インターフェースコネクタが、図示の構成では未接続のままであることが留意される。同様に、マスタモジュール2.2のフリーな側面での電力受取インターフェースコネクタは、未接続のままである。
【0068】
図2は、本開示によるマスタモジュール2.1の実施形態のブロック図を示し、図3は、スレーブモジュール2.2の実施形態のブロック図を示す。例として、図1のマスタモジュール2.1およびスレーブモジュール2.2は、図2および図3に従って設計され得る。
【0069】
図示のモジュール2.1、2.2は各々、それぞれのモジュール2を壁または天井に取り付けるための取り付けインターフェース3を含む。さらに、マスタモジュール2.1およびスレーブモジュール2.2は各々、それぞれの制御ユニット4を含むが、マスタモジュール2.1の制御ユニット4は、スレーブモジュール2.2の制御ユニット4と比較して、および一般的な説明で前に説明した通り、異なって動作し、さらなる機能性を提供するように構成されている。モジュール2.1、2.2は各々、それぞれのモジュールの制御ユニット4と動作可能に連結されているモジュール通信インターフェース5をさらに含む。モジュール通信インターフェース5は、対応するコネクタを備えた専用の有線通信インターフェースであってもよいし、無線通信インターフェースであってもよいし、または一般的な説明で上で説明されたように、および以下で説明されるように電力供給および電力分配と一体であってもよい。モジュール2.1、2.2は各々、それぞれのモジュールの制御ユニット4に動作可能に連結され、それによって制御されている複数の照明素子6をさらに含む。
【0070】
マスタモジュール2.1は、外部電源に接続されるように構成されている、および入力供給コネクタ7.2を含む、電源ユニット7をさらに含む。入力供給コネクタ7.2は、概して、壁または天井に取り付け可能なランプまたは照明システムに関して知られている方法と同じ方法で設計され得、たとえば、線間電圧供給源に電気的に連結するためのネジ端子を含み得る。図示の電源ユニット7は電力分配インターフェース7.1を含み、スレーブモジュール2.2は電力受取インターフェース2.2.1を含む。スレーブモジュール2.2の電力受取インターフェース2.2.1は、電力分配インターフェース7.1、特にマスタモジュール2.1の電力分配インターフェースコネクタ7.1.1、または別のスレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタ2.2.1.1と択一的に連結するように構成されている複数の電力受取インターフェースコネクタ2.2.1.1を含む。
【0071】
実施形態によっては、電源ユニット7は、当該技術分野で一般に知られているように、モジュール2.1、2.2による使用のために線間電圧を変圧または変換するように構成されている中央電源アダプタ7.1.2のいずれかを含む。中央電源アダプタ7.1.2は、特に、その出力側に、AC電圧またはDV電圧のいずれかとして、たとえば12Vまたは24Vのより低い電圧を提供し得る。このような実施形態では、中央電源アダプタ7.1.2の出力側は、電力分配インターフェース7.1に接続される。このような実施形態の中央電源アダプタ7.1.2は、マスタモジュール2.1の他にスレーブモジュール2.2にも電力を供給するように構成および寸法合わせされる。このような実施形態では、電力分配インターフェース7.1、およびしたがってマスタモジュール2.1の電力分配インターフェースコネクタ7.1.1の他に、電力受取インターフェース2.2.1、およびしたがってスレーブモジュール2.2の電力受取インターフェースコネクタ2.2.1.1も、マスタモジュール2.1の中央電源アダプタ7.1.2の出力に従って設計される。
【0072】
代替的に、電力分配インターフェース7.1は、外部電源に直接電気的に接続され、モジュールの各々は、外部電源または線間電圧電源によって提供されるように電力が供給される。このような実施形態では、マスタモジュール2.1の他にスレーブモジュール2.2も、別個のローカル電源アダプタ8を含む。このようなローカル電源アダプタ8は、中央電源アダプタ7.1.2に関連して前に説明した方法と同じ方法で設計され得るが、概して、それぞれのモジュール2.1、2.2に電力を供給するためのみに構成および寸法合わせされる。このような実施形態では、電力分配インターフェース7.1、およびしたがってマスタモジュール2.1の電力分配インターフェースコネクタ7.1.1の他に、電力受取インターフェース2.2.1、およびしたがってスレーブモジュール2.2の電力受取インターフェースコネクタ2.2.1.1も、線間電圧用に設計される。
【0073】
マスタモジュール2.1は、マスタモジュール2.1の制御ユニット4と動作可能に連結しているローカルユーザインターフェース2.1.1をさらに含む。図示の実施形態では、マスタモジュール2.1の制御ユニット4はまた、ローカルユーザインターフェース2.1.1および/または遠隔ユーザインターフェース2.1.2を介して遠隔ユーザインターフェース2.1.2と動作可能に連結するように構成されている。マスタモジュール2.1の制御ユニット4は、初期開始コマンドを生成するように制御され得、それによって、照明システム1をオンおよびオフに切り替えるか、または照明システムの作動状態と非作動状態との間で切り替え、新しい照明パターンをプログラムまたは入力し、複数の利用可能な照明パターンからアクティブな照明パターンを選択するなどを行う。図示の実施形態では、マスタモジュール2.1はまた、たとえば、遠隔デバイス、たとえばサーバから照明パターンを受信するための、および/またはファームウェアまたはソフトウェアのアップデートなどを受信するための任意の遠隔デバイス通信インターフェース2.1.4を含む。
【0074】
遠隔ユーザインターフェース2.1.2と通信するために、マスタモジュール2.1は、マスタモジュール2.1の制御ユニット4と動作可能に連結されている、無線遠隔制御デバイス通信インターフェース2.1.3として設計することができる、遠隔制御デバイス通信インターフェース2.1.3を含み、たとえば、Bluetoothインターフェース、WLANインターフェース、および/またはZigBeeインターフェースのうちの1つまたは複数を含み得る。遠隔デバイス通信インターフェース2.1.4は、遠隔制御デバイス通信インターフェース2.1.3とは別個であり得るか、またはそれと部分的または完全に一体となり得、すなわち、同じインターフェースが遠隔制御デバイス通信インターフェース2.1.3と遠隔デバイス通信インターフェース2.1.4の両方として機能し得る。
【0075】
各モジュール2のモジュール通信インターフェース5は、別のモジュール2との通信またはデータ交換のために構成されている。典型的に、各モジュール2のモジュール通信インターフェース5は、別のモジュール2のそれぞれと通信するかまたはデータを交換するように構成されている。
【0076】
図示のマスタモジュール2.1は、少なくとも1つの環境パラメータに依存してそれぞれのセンサ信号を提供するように構成された複数のセンサ9をさらに含む。マスタモジュール2.1は、一般的な説明でより詳細に説明されるように、センサ信号の数に依存して複数のモジュール2のうちの少なくとも1つのモジュール2の照明素子6の動作を制御するように構成されている。
【0077】
各モジュール2の制御ユニット4は、概して、一般的な説明でより詳細に説明されるように、対応するコードを実行するマイクロコントローラなどの、1つまたは複数のプログラマブルコンポーネント、および/または専用回路を典型的に含む、半導体ベースの回路である。さらなる電子コンポーネントおよびモジュール、たとえばセンサ9、遠隔制御デバイス通信インターフェース2.1.3および/または遠隔デバイス通信インターフェース2.1.4は、制御ユニット4と部分的または完全に一体的に形成され得る。
【0078】
図4は、マスタモジュール2.1またはスレーブモジュール2.2のいずれかであり得るモジュール2の概略正面図を示す。図示のモジュール2の前面2.4は、照明システム1が設置されている部屋に面するか、またはモジュール2が設置されている壁または天井から反対になっている。図示のモジュール2の全体的な形状が、20mmから100mmの典型的な範囲のモジュール2の厚さを有する、ディスク形状である一方で、フットプリントは、正方形であり、たとえば500mmのエッジ長を有する。図示のモジュール2の照明素子6は、複数の発光ダイオード(LED)、有利なことには4色LEDを含む。各モジュール2の制御ユニット4は、概して、単一の照明素子6および各照明素子の単一の色を個別に制御するように構成されている。管状の取り付けインターフェース3は、例示目的で図4で見ることもできるが、典型的に、モジュール2の前壁の取り外し後にのみ見ることができ、アクセス可能である。
【0079】
図5~7は、照明システム1のさまざまな幾何学的配置を示す。図5は、例示的に9つのモジュール2の正方形の配置を示す。図示の配置のモジュール2は各々、互いに隣接して配置されることを可能にする同一のフットプリント、たとえば500mm×500mmのフットプリントを有する。図示のモジュール2の正方形の平面充填(tessellation)は、内側のモジュールが隣接するモジュール2によって完全に囲まれるようにモジュールを配置することが可能であるため、デザインおよび美的観点から有利である。図示のモジュール2の配置は、途切れることのないパターンを形成し、壁または天井全体を覆うのに利点がある。図示の例示的なフットプリントが必須ではないことが留意される。一般的な説明で既に説明したように、他のより複雑なフットプリント形状が使用されてもよい。9つのモジュール2のいずれか1つがマスタモジュール2.1であり得、他のモジュールがスレーブモジュール2.2である。
【0080】
図6は、一列にまたは線に沿って配置された総数がたとえば4つのモジュール2を有する配置を示す。例として、左端のモジュールがマスタモジュール2.1であり、他のモジュールはスレーブモジュール2.2である。しかし、マスタモジュール2.1は、図6に従った配置で、所望および/または必要に応じて、たとえば外部電源の位置によって任意の他の位置も有し得る。
【0081】
図7は、1つのマスタモジュール2.1および4つの隣接するスレーブモジュール2.2の十字型の配置を示す。この配置は、モジュール2が、正方形、長方形、または一線に配置される必要はないが、理論的には任意の所望のパターンで配置することができることを実証するように示されている。さらに例示的には、マスタモジュール2.1は、中央に示されているが、前に説明したように任意の位置にあってもよい。
【0082】
図8は、ローカルユーザインターフェース2.1.1がフォールドアウト構成であるマスタモジュール2.1の実施形態を示す。図9は、スレーブモジュール2.2にも対応している、ローカルユーザインターフェース2.1.1がフォールドイン構成であるマスタモジュール2.1を示す。したがって、ローカルユーザインターフェース2.1.1とは別に、マスタモジュール2.1に対する以下の説明は、具体的に区別されないスレーブモジュールに対しても言及される。
【0083】
モジュールはフレーム2.6によって周方向に制限される。図示の実施形態では、フレーム2.6は、押出形材で作られ、ボルトを介してモジュール2を相互接続するためのモジュール相互接続インターフェース2.3を含む。代替の設計では、フレーム2.6は、機械加工、たとえばフライス加工によって製造されてもよく、成型、打ち抜き、ダイカットなどがされてもよい。フレーム2.6は、例示的に、モジュールの4つの側面を画定し、組み合わせてモジュールの周壁を形成する、4つのセグメントを有する。図示のマスタモジュール2.1は、マスタモジュール2.1の各側面に配置される複数の電力分配インターフェースコネクタを含む。電力分配インターフェースコネクタにアクセスするために、対応するスリット2.9がフレーム2.6内に予見される。スレーブモジュールの場合、電力受取インターフェースコネクタは、それぞれのモジュールの同じ位置に同様に配置される。マスタモジュール2.1と隣接するスレーブモジュール2.2との間に電気接続が確立される場合、対応する中間コネクタ要素が、電力分配インターフェースコネクタと電力受取インターフェースコネクタとの間に連結され得る。これは、隣接するスレーブモジュールの電力受取インターフェースコネクタ間の電気接続にも当てはまる。モジュール通信インターフェースが専用のモジュール通信インターフェースコネクタを備えた有線インターフェースである実施形態では、そのようなモジュール通信インターフェースコネクタは、概して同じ方法で配置され得、たとえば、同じスリット2.9を介して、または別々にアクセス可能であり得る。
【0084】
各モジュールのフレーム2.6は、照明素子が上に配置される照明素子キャリア2.7(図10を参照)を収容するようにさらに構成されている。両方のモジュール2は、前壁またはフロントパネル2.8によって覆われている。図示の実施形態では、前壁2.8は透明な材料で作られている。図示のマスタモジュール2.1は、枢動可能に配置されているローカルユーザインターフェース2.1.1を含む。ローカルユーザインターフェース2.1.1は、図示のフォールドアウト構成(図8)ではマスタモジュール2.1の前面2.4から突き出ており、フォールドイン構成(図9)ではマスタモジュール2.1の前面2.4と同一平面になっている。この構成においては、マスタモジュール2.1の目に見える外観は、概して、スレーブモジュールに対応するか、またはそれと同一である。
【0085】
図10は、図8によるマスタモジュール2.1の分解図を示す。図示のマスタモジュール2.1は、サンドイッチ構造として設計されている。図示の実施形態では、マスタモジュール2.1は、軽量の建築用板材で作られたベースプレート2.5を含む。図示の実施形態では、ベースプレート2.5は、ハニカム構造として設計されている。代替的に、食器棚、繊維板、または、薄板およびその上に取り付けられた発泡材料または布地の組み合わせも可能である。図示のマスタモジュール2.1は、本実施形態では押出形材で作られたフレーム2.6によって周方向に制限されている。代替的に、板金、複合材、または強化複合材のような他の材料で作られたフレーム2.6も可能である。図示のモジュール相互接続インターフェース2.3は、モジュール相互接続インターフェース2.3に部分的に挿入されている、および隣接するモジュールのモジュール相互接続インターフェース2.3と整列させられている、接続要素、特にボルトを受け入れるように構成されている。図示の実施形態では、前壁2.8は透明なポリマーで作られている。たとえば、ガラス、プレキシガラス、または他の透明な材料が可能である。マスタモジュール2.1は、取り付けインターフェースに配置されている、およびモジュール2のベースプレート2.5、照明素子キャリア2.7、およびカバープレート2.8を相互接続し、モジュール2全体をそれが取り付けられる壁または天井にも相互接続する、中央接続要素の助けを得て組み立てられる。ローカルユーザインターフェース2.1.1は別として、スレーブモジュール2.2の設計および分解図は、概して、同一である。
【符号の説明】
【0086】
1 照明システム
2 モジュール
2.1 マスタモジュール
2.1.1 ローカルユーザインターフェース
2.1.2 遠隔ユーザインターフェース
2.1.3 遠隔制御デバイス通信インターフェース
2.1.4 遠隔デバイス通信インターフェース
2.2 スレーブモジュール
2.2.1 電力受取インターフェース
2.2.1.1 電力受取インターフェースコネクタ
2.3 モジュール相互接続インターフェース
2.4 前面
2.5 ベースプレート
2.6 フレーム
2.7 照明素子キャリア
2.8 前壁
2.9 スリット
3 取り付けインターフェース
4 制御ユニット
5 モジュール通信インターフェース
6 照明素子
7 電源ユニット
7.1 電力分配インターフェース
7.1.1 電力分配インターフェースコネクタ
7.1.2 中央電源アダプタ
7.2 入力電源コネクタ
8 別個のローカル電源アダプタ
9 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】