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特表2024-500925リソグラフィー用の化学的に均一なシリコンハードマスク
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】リソグラフィー用の化学的に均一なシリコンハードマスク
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20231227BHJP
   G03F 7/09 20060101ALI20231227BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20231227BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G03F7/11 502
G03F7/09 501
G03F7/40 521
G03F7/26 511
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538689
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021064982
(87)【国際公開番号】W WO2022140621
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/129,807
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500499508
【氏名又は名称】ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】チャコ, リューベン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ウワタラ, タンタイボロ
(72)【発明者】
【氏名】チャコ, アンドレア エム.
(72)【発明者】
【氏名】リアン, イーチェン
(72)【発明者】
【氏名】ブラケンシーク, ケルシー
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196HA23
2H196KA08
2H196KA18
2H225AM85N
2H225AN37N
2H225AN38N
2H225AN49N
2H225AN67N
2H225AN79N
2H225CA12
2H225CB07
2H225CB14
2H225CC01
2H225CC03
2H225DA11
(57)【要約】
単一構成要素ポリマーによるハードマスクが開示される。これらのハードマスクは、高い光学的均一性及び高い化学的均一性を提供し、したがって、形状限界寸法に対する負の確率的影響を最小化するか又は回避する。ハードマスクは、低空隙率、高密度、及び高ケイ素含有量を更に提供し、LER/LWR、欠陥性、均一性、及びDoF等の性能因子を改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体を形成する方法であって、前記方法が、
基板を提供することであって、前記基板が、任意に、その上に1つ以上の中間層を含む、基板を提供することと、
シリコンハードマスク層を形成するために、組成物を前記基板、又は存在する場合には前記基板上の前記1つ以上の中間層に塗布することであって、前記組成物が、少なくとも2つの部分(I):
【化1】

を含むモノマー
(式中、
Rは各々、水素、アルキル、アルコキシ及びハロゲンから個々に選択され、

【化2】

」は、前記モノマーの残りの部分に対するケイ素原子の結合点を表す)
から形成された第1のポリマー又はオリゴマーを含む、組成物を塗布することと、
任意に、前記シリコンハードマスク層上に1つ以上の中間層を形成することと、
存在する場合、前記シリコンハードマスク層上の前記1つ以上の中間層上に、又は中間層が存在しない場合、前記シリコンハードマスク層上に、フォトレジスト層を形成することと、
前記フォトレジスト層の少なくとも一部を放射線に曝露することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のポリマー又はオリゴマーがSi-OH基を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、前記第1のポリマー以外のポリマーを含まない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のポリマー又はオリゴマーが[3-(トリエトキシシリル)プロピル]無水コハク酸モノマーを含まない、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1のポリマー又はオリゴマーが、少なくとも約95%の単一モノマー型を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1のポリマー又はオリゴマーが単一モノマー型からなる、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1のポリマー又はオリゴマーが、以下の構造:
【化3】

の一方又は両方を含むモノマー
(式中、Xは、
【化4】

(式中、mは1~約16であり、
nは1~約8であり、
Yは各々、
【化5】

(式中、pは1~6である)
の1つ以上から個々に選択される)
の1つ以上から選択される)
から形成される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1のポリマー又はオリゴマーが、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン、1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン、1,1-ビス(トリメトキシシリルメチル)-エチレン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,4-ビストリエトキシシリルベンゼン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)-エタン、n,n’-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、n,n’-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]チオウレア、1,8-ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、1,3-ビス(クロロジメチルシリル)プロパン、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン、ビス[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]ジスルフィド、n,n’-ビス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、n,n’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-n,n’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)-n-メチル-アミン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルエチル)-ビニルメチルシラン、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)フマレート、4,4’-ビス(ジメチルシリル)ビフェニル、n,n’-ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)チオウレア、1,11-ビス(トリメトキシシリル)-4-オキサ-8-アザウンデカン-6-オール、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、又はトリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートの1つ以上から形成される、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマーが、以下:
【化6】

の一方又は両方の繰り返し単位
(式中、Rは各々、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン及び-O-から個々に選択される)
を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記基板が、ケイ素、SiGe、SiO、Si、SiON、SiCO:H、テトラメチルシレート及びテトラメチル-シクロテトラシロキサンの組み合わせ、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ヒ化ガリウム、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、Ti、ハフニウム、HfO、ルテニウム、リン化インジウム、サンゴ、ガラス、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記放射線がEUV放射線である、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記フォトレジスト層を放射線に前記曝露することの後に前記フォトレジスト層においてパターンを形成することを更に含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記パターンを、前記シリコンハードマスク層、存在する場合は前記中間層、及び前記基板に転写することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
中間層が存在し、前記中間層が炭素リッチ層である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
構造体であって、
表面を有する基板と、
前記基板表面上の1つ以上の任意の中間層と、
前記基板表面上の、又は存在する場合には前記基板表面上の前記中間層上の、シリコンハードマスク層であって、以下:
【化7】

の一方又は両方の繰り返し単位
(式中、
は各々、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン及び-O-から個々に選択され、
Xは、
【化8】

(式中、
mは、1~約16であり、
nは、1~約8であり、
Yは各々、
【化9】

(式中、pは1~6である)
の1つ以上から個々に選択される)
から選択される)
を含むポリマー又はオリゴマーを含む、シリコンハードマスク層と、
前記シリコンハードマスク層上の1つ以上の任意の中間層と、
存在する場合、前記シリコンハードマスク層上の前記1つ以上の中間層上の、又は中間層が存在しない場合、前記シリコンハードマスク層上のフォトレジスト層と、を含む、構造体。
【請求項16】
前記基板が、ケイ素、SiGe、SiO、Si、SiON、SiCO:H、テトラメチルシレート及びテトラメチル-シクロテトラシロキサンの組み合わせ、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ヒ化ガリウム、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、Ti、ハフニウム、HfO、ルテニウム、リン化インジウム、サンゴ、ガラス、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の構造体。
【請求項17】
前記シリコンハードマスク層及び前記フォトレジスト層が、CFにおけるそれぞれのエッチング速度を有し、CFにおける前記シリコンハードマスク層のエッチング速度が、CFにおける前記フォトレジスト層のエッチング速度の少なくとも約1.5倍である、請求項15又は16に記載の構造体。
【請求項18】
前記シリコンハードマスク層がOにおけるエッチング速度を有し、3つのエッチング速度測定値間の標準偏差が約0.5nm/分未満である、請求項15~17のいずれかに記載の構造体。
【請求項19】
前記ポリマー又はオリゴマーが単一モノマー型からなる、請求項15~18のいずれかに記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年12月23日に出願された「CHEMICALLY HOMOGENEOUS SILICON HARDMASKS FOR EUV LITHOGRAPHY」と題する米国仮特許出願第63/129,807号の優先権利益を主張する。
【0002】
分野
本開示は、リソグラフィーを使用してマイクロエレクトロニクス構造体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多層リソグラフィー及び指向性自己組織化(「DSA」)等のいくつかの技術は、生成されたパターンを下地の基板に転写することを可能にするエッチングに依存する。しかしながら、形状サイズが小さくなるにつれて、確率的影響及びナノスケールの不均一性が、パターン化されたレジストの最適以下のリソグラフィー及び転写に寄与する。これらの不均一性は、従来のハードマスクでは0.5~2ナノメートル以上のオーダーであり得る。一貫したリソグラフィー及びエッチング特性を可能にするために、優れた光化学的均質性を有するシリコンハードマスク(Si-HM)が必要とされている。
【0004】
構成要素の均一性及び分布は、レジスト材料の性能においてますます重要な役割を果たすと仮定され、モデル化されている。例えば、EUVリソグラフィーでは、レジストの構成要素間の電子及び正孔移動、更にはハードマスク等のレジストと接触する材料は、EUV電子が生成された後にPAGがどのように均一に活性化されるかを決定することができる。これは、確率的影響が形状の重要な次元のかなりの部分に寄与し得る将来のノードにとってますます重要になる。光-化学的均一性を改善するためのほとんどの努力は、レジスト中の活性構成要素の均一性及び分布を改善することに向けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、概括的には構造体を形成する方法に関する。本方法は、1つ以上の中間層を任意に含む基板を提供することを含む。シリコンハードマスク層を形成するために、組成物が基板に、又は存在する場合には基板上の1つ以上の中間層に塗布される。組成物は、少なくとも2つの部分(I):
【化1】

を含むモノマー
(式中、
Rは各々、水素、アルキル、アルコキシ及びハロゲンから個々に選択され、

【化2】

」は、モノマーの残りの部分に対するケイ素原子の結合点を表す)
から形成される第1のポリマー又はオリゴマーを含む。
1つ以上の中間層が任意にシリコンハードマスク層上に形成される。フォトレジスト層は、存在する場合はシリコンハードマスク層上、又は中間層が存在しない場合はシリコンハードマスク層上の1つ以上の中間層上に形成される。フォトレジスト層の少なくとも一部は、放射線に曝される。
【0006】
別の実施形態では、構造体が提供される。構造体は、表面を有する基板と、基板表面上の1つ以上の任意の中間層と、基板表面上の、又は存在する場合には基板表面上の中間層上のシリコンハードマスク層と、シリコンハードマスク層上の1つ以上の任意の中間層と、存在する場合にはシリコンハードマスク層上の、又は中間層が存在しない場合にはシリコンハードマスク層上の、1つ以上の中間層上のフォトレジスト層とを含む。シリコンハードマスク層は、以下:
【化3】
の一方又は両方の繰り返し単位
(式中、
は各々、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン及び-O-から個々に選択され、
Xは、
【化4】

(式中、
mは、1~約16であり、
nは、1~約8であり、
Yは各々、
【化5】

(式中、pは1~6である)
の1つ以上から個々に選択される)
から選択される)
を含む、ポリマー又はオリゴマーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1(a)】図1(a)は、実施例14に記載されるように形成された緻密な形状を示す走査型電子顕微鏡(「SEM」、150kx)写真である。
図1(b)】図1(b)は、実施例14に記載のように形成された孤立形状を示すSEM(150kx)写真である。
図2(a)】図2(a)は、実施例7のハードマスク材料を使用した、実施例15に記載されるプロセスウィンドウ分析を示すグラフである。
図2(b)】図2(b)は、市販のハードマスク材料を使用した、実施例15に記載されるプロセスウィンドウ分析を示すグラフである。
図3(a)】図3(a)は、実施例15に記載される実施例7のハードマスク材料を使用して形成されたトレンチを上から見たSEM写真(150kx)である。
図3(b)】図3(b)は、実施例15に記載される市販のハードマスク材料を使用して形成したトレンチを上から見たSEM写真(150kx)である。
図4図4は、実施例16に記載されるように処理された実施例13のハードマスク材料の露光マトリックスである。
図5図5は、実施例16に記載されるようにして得られた印字ラインを上から見たSEM写真(164kx)である。
図6図6は、実施例13のハードマスク材料のボソン曲線である(実施例16を参照)。
図7図7は、実施例19に記載されるように処理された実施例18のハードマスク材料の露光マトリックスである。
図8図8は、実施例19に記載されるようにして得られた印字後のL/S形状を上から見たSEM写真(x方向150kx、y方向49kx)である。
図9図9は、実施例20に記載されるように処理された実施例18のハードマスク材料の露光マトリックスである。
図10図10は、実施例20に記載されるように形成されたコンタクトホールを上から見たSEM写真(164kx)である。
図11図11は、単一モノマー及び複数モノマーのポリマーの限界寸法均一性及びSEM画像を比較する(実施例22)。
図12図12は、実施例22に記載される試験のための無欠陥処理ウィンドウを示すグラフである。
図13図13は、実施例13のハードマスク配合物のCFエッチング速度を従来のハードマスク(実施例23)と比較するグラフである。並びに、
図14図14は、実施例13のハードマスク配合物のOエッチング速度を従来のハードマスク(実施例23)と比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、シリコンハードマスク組成物、及びそれらの組成物を使用してマイクロエレクトロニクス構造体を形成する方法に関する。組成物は、広範囲の波長で有用であるが、EUVリソグラフィープロセスに特によく適している。
【0009】
シリコンハードマスク組成物
1.組成物に使用するためのポリマー又はオリゴマー
シリコンハードマスク(「Si-HM」)組成物に使用されるポリマー及び/又はオリゴマー(すなわち、2~10個のモノマー又は反復単位)は、好ましくは、1つ以上の部分(I):
【化6】

を含むモノマー
(式中、
Rは各々、水素、アルキル(好ましくはC~約C、より好ましくはC~約C)、アルコキシ(好ましくはC~約C、より好ましくはC~約C)及びハロゲン(好ましくは、-Cl、-F、-Br及び/又は-I)から個々に選択され(すなわち、各Rは同じであっても異なっていてもよい)、

【化7】

」は、モノマーの残りの部分に対するケイ素原子の結合点を表す)
を重合及び/又はオリゴマー化することによって形成される。一実施形態では、Si原子は、モノマーの残りとの結合点でアルコキシ基及び/又はメチル基に結合していない。
【0010】
好ましくは、部分(I)の1個以下のRは水素であり、及び/又は部分(I)の1個以下のRはハロゲンである。すなわち、部分(I)中の少なくとも2個のR基はアルキル及び/又はアルコキシであることが好ましく、いくつかの実施形態では、部分(I)中の3個全てのR基がアルキル及び/又はアルコキシである。
【0011】
いくつかの実施形態において、モノマーは、少なくとも2つ(好ましくは3つ)の部分(I)を含む。
【0012】
Si-HM組成物に使用するためにオリゴマー化及び/又は重合することができる少なくとも1つの部分(I)を含む好ましいモノマーは、好ましくは、以下:
【化8】


の一方又は両方
(式中、Rは、(部分(I)に関して)先に定義された通りであり、Xは、
【化9】

(式中、
mは、1~約16、好ましくは1~約12、より好ましくは1~約8であり、
nは、1~約8、好ましくは1~約6、より好ましくは1~約3であり、
Yは各々、
【化10】

(式中、pは1~約6、より好ましくは1~約4である)
の1つ以上から個々に選択される)
の1つ以上から選択される)
から選択される構造を有する。
【0013】
一実施形態では、重合又はオリゴマー化されるモノマーは、Si-OH基を含まない。
別の実施形態では、ポリマー又はオリゴマーは、約5モル%未満、好ましくは約3モル%未満、より好ましくは約0モル%の3-(トリエトキシシリル)プロピル]無水コハク酸モノマーを含む。
【0014】
本明細書に記載のSi-HM組成物に含めるために重合又はオリゴマー化することができるモノマーの例としては、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン、1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン、1,1-ビス(トリメトキシシリルメチル)-エチレン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,4-ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)-エタン、n,n’-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、n,n’-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]チオウレア、1,8-ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、1,3-ビス(クロロジメチルシリル)プロパン、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン、ビス[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]ジスルフィド、n,n’-ビス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、n,n’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-n,n’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)-n-メチル-アミン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルエチル)-ビニルメチルシラン、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)フマレート、4,4’-ビス(ジメチルシリル)ビフェニル、n,n’-ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)チオウレア、1,11-ビス(トリメトキシシリル)-4-オキサ-8-アザウンデカン-6-オール、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0015】
2.ポリマー化材料及び方法
ポリマーを合成するために、所望のモノマー(複数可)を、任意の蒸留装置又は還流装置を備えた反応器に、適切な重合溶媒中で撹拌しながら投入する。重合溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(「PGMEA」)、プロピレングリコールメチルエーテル(「PGME」)、アセトン、プロピレングリコールエチルエーテル(「PGEE」)、シクロヘキサノン、乳酸エチル、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、エチレングリコール、及びそれらの混合物が挙げられる。反応混合物中の単量体固形分パーセントは、好ましくは、反応混合物(単量体、触媒及び溶媒を含む)の合計重量を100重量%として、約10%~約40%、より好ましくは約25%~約35%である。次いで、触媒を約20℃~約100℃、好ましくは約25℃~約85℃の温度で反応器にゆっくり投入する。
【0016】
ゾルゲル重合に適した触媒としては、硝酸、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、スルホン酸、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。触媒を水溶液として添加する。触媒溶液は、好ましくは約0.001N~約10Nの溶液、より好ましくは約0.01N~約5Nの溶液、更により好ましくは弱酸の場合は約3Nの溶液、強酸の場合は約0.01Nの溶液として水中で調製される。これらの触媒水溶液は、全モノマーに対して好ましくは約0.5当量~約20当量、より好ましくは約5当量~約15当量、更により好ましくは約10当量の量で添加され、ここで、1当量はモノマー1モル当たり水1モルにほぼ等しい(又はモノマー1モル当たり水約18グラム)。反応混合物を、好ましくは約10分~約300分、より好ましくは約10分~約60分、更により好ましくは約10分~約30分撹拌する。反応は、任意に、窒素等の不活性雰囲気下で行われる。
【0017】
一実施形態では、ポリマーは、ロータリーエバポレータプロセス(本明細書では「ロタバップ(rotavap)」又は「ロタバップド(rotavaped)」とも呼ばれる)によって精製及び/又は単離される。このプロセスでは、反応混合物をロータリーエバポレーターで処理し、約30℃~約100℃、好ましくは約45℃~約55℃の温度で処理する。回転蒸発プロセスは、溶媒が除去されるまで行われる。回転蒸発の前に、必要に応じて共溶媒を反応混合物に添加してもよい。適切な共溶媒としては、PGEE、PGMEA、PGME及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
形成されたポリマーは、好ましくは、以下:
【化11】

の一方又は両方の繰り返し単位
(式中、
Xは先に定義した通りであり、
は各々、
水素、
アルキル(好ましくはC~約C、より好ましくはC~約C)、
アルコキシ(好ましくはC~約C、より好ましくはC~約C)、
ハロゲン(好ましくは、-Cl、-F、-Br及び/又は-I)、及び
-O-から個々に選択される)を含む。
【0019】
一実施形態では、ポリマー又はオリゴマーは、単一モノマー型から本質的になるか、又は更にはそれからなることが好ましい。すなわち、得られたポリマー又はオリゴマーは、主に単一の種類のモノマー(すなわち、同じモノマー)から形成され、したがって主に単一の種類の繰り返し単位(すなわち、同じ繰り返し単位)を含む。本明細書で使用される場合、モノマーは、それらの間に化学構造上の差がない限り(本質的に存在し得るわずかな不純物又は欠陥にもかかわらず)、同じ又は単一型であると見なされる。ポリマー又はオリゴマーの繰り返し単位は、それらが各々同一のX基を含む場合(構造(VIII)の場合)、又は構造(IX)の場合、各々が
【化12】

を含む場合、同じ又は単一型であると見なされる。
【0020】
一実施形態では、重合又はオリゴマー化されるモノマーは、Si-OH基を含まない。
【0021】
一実施形態では、ポリマー又はオリゴマーの少なくとも約95mol%、より好ましくは少なくとも約97mol%、更により好ましくは少なくとも約99%、最も好ましくは約100mol%が単一モノマー型で形成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、得られたポリマー又はオリゴマーは、高いケイ素含有量を有する。ポリマー又はオリゴマーは、好ましくは約20%のケイ素~約47%のケイ素、より好ましくは約35%~約45%のケイ素であり、ケイ素パーセントは、完全に加水分解されたポリマーの分子量の百分率としてのケイ素の分子量によって計算される。ポリマーの重量平均分子量(Mw)範囲は、ポリスチレン標準を使用するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される場合、好ましくは約500ダルトン~約50,000ダルトン、より好ましくは約1,000ダルトン~約10,000ダルトンである。
【0023】
3.組成物の調製
次いで、ポリマー及び/又はオリゴマーを溶媒系に分散又は溶解する。好ましい溶媒系としては、PGMEA、PGME、PGEE、プロピレングリコールn-プロピルエーテル(「PnP」)、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ガンマ-ブチロラクトン(「GBL」)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、エチレングリコール、及び/又はそれらの混合物等の1つ以上の溶媒が挙げられる。溶媒系は、好ましくは、組成物の総重量を100重量%として、約95重量%~約99.9重量%、より好ましくは約97.5%~99.9%、更により好ましくは約99重量%~約99.9重量%のレベルで利用される。シリコンハードマスク層を形成するために使用される組成物は、組成物の総重量を100重量%として、好ましくは約0.1重量%~約5重量%の固形分、より好ましくは約0.1重量%~約2.5重量%の固形分、更により好ましくは約0.1重量%~約1重量%の固形分を含む。
【0024】
一実施形態では、組成物は、組成物中の固体の総重量に基づいて、約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、好ましくは0重量%の上記ポリマー以外のポリマーを含む。
【0025】
別の実施形態では、組成物は、組成物中の固体の総重量に基づいて、約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、好ましくは0重量%の有機ポリマーを含む。
【0026】
溶媒系中で上記成分を一緒に混合すると、シリコンハードマスク層組成物が形成される。さらに、任意の成分(例えば、界面活性剤、鉱酸、有機酸、グラフト/縮合触媒、熱酸発生剤(「TAG」)、光酸発生剤(「PAG」)、阻害剤、及び/又はpH調整剤)も同時に溶媒系中に分散される。
【0027】
使用される場合、適切なTAGとしては、限定されないが、K-PURE(登録商標)TAG-2689、K-PURE(登録商標)TAG-2678,(コネチカット州ノーウォークのKing Industries,Inc.)、TAG-2700、CXC-1889、TAG-2789、及びそれらの組み合わせの名称で販売されているもの等の第4級アンモニウム封鎖トリフリック酸等の封鎖酸が挙げられる。TAGは、組成物の総重量を100重量%として、約0.01重量%~約1重量%、より好ましくは約0.05重量%~約0.5重量%、更により好ましくは約0.1重量%~約0.3重量%の量で組成物中に存在する。
【0028】
使用される場合、適切な触媒としては、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド(「EtPPB」)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(「BTEAC」)、テトラブチルホスホニウムブロミド(「TBPB」)、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。触媒は、組成物の総重量を100重量%として、約0.001重量%~約5重量%、より好ましくは約0.005重量%~約1重量%、更により好ましくは約0.01重量%~約0.05重量%の量で組成物中に存在する。
【0029】
使用される場合、適切な阻害剤としては、二重結合を保護するもの(例えば、ヒドロキノン)、ゾルゲルの安定性を維持するもの、及び/又はエージングを遅らせるもの(例えば、3-メチル-1,5-ペンタンジオール)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。エージングを遅らせ、及び/又はスピンボウル適合性を改善するために阻害剤を含めることができる。阻害剤は、組成物の総重量を100重量%として、約0.001重量%~約1.0重量%、より好ましくは約0.001重量%~約0.1重量%、更により好ましくは約0.001重量%~約0.01重量%の量で組成物中に存在する。
【0030】
使用される場合、適切なpH調節剤としては、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。pH調整剤は、エージングを遅らせ、及び/又はスピンボウル適合性を改善するために含まれ得る。利用される場合、pH調整剤は、組成物の総重量を100重量%として、約0.001%~約1.0重量%、より好ましくは約0.001重量%~約0.1重量%、更により好ましくは約0.001重量%~約0.01重量%の量で組成物中に存在する。
【0031】
一実施形態では、シリコンハードマスク組成物は、上記のポリマー/オリゴマー、1つ以上の上記の任意の成分、及び溶媒系から本質的になるか、又は更にはそれからなる。更なる実施形態では、シリコンハードマスク組成物は、上述のポリマー/オリゴマー、溶媒系、及び触媒、酸発生剤、ラジカル抑制剤、又はpH調整剤の1つ以上から本質的になるか、又は更にはそれらからなる。更なる実施形態では、シリコンハードマスク組成物は、上述のポリマー/オリゴマー及び溶媒系から本質的になるか、又は更にはそれからなる。
【0032】
シリコンハードマスク組成物を使用する方法
リソグラフィーに特に適したマイクロエレクトロニクス構造体を形成する方法も提供され、上述のハードマスク組成物は、基板表面上、又は基板表面上に存在する中間層(後述)上に層を形成する。
【0033】
任意のマイクロエレクトロニクス基板を利用することができる。基板は、好ましくは、ケイ素、SiGe、SiO、Si、SiON、SiCO:H(例えば、米国カリフォルニア州サンタクララのSVMによってBlack Diamondという名称で販売されているもの)、テトラメチルシレート及びテトラメチル-シクロテトラシロキサンの組み合わせ(CORALという名称で販売されているもの等)、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ヒ化ガリウム、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、Ti、ハフニウム、HfO、ルテニウム、リン化インジウム、サンゴ、ガラス、又はこれらの混合物等の半導体基板である。基板は、平坦な表面を有することができ、又はトポグラフィ形状(ビアホール、トレンチ、コンタクトホール、隆起形状、ライン等)を含むことができる。本明細書で使用される場合、「トポグラフィ」は、基板表面内又は基板表面上の構造の高さ又は深さを指す。
【0034】
基板表面は、必要に応じて、ハードマスク又は他の層形成の前にプライミングされてもよい。好ましいプライマーとしては、ヘキサメチルジシラザン(「HMDS」)が挙げられる。この処理では、150℃で90秒間加熱しながら、ウエハを密閉チャンバー内でプライマーの蒸気に曝露する。本明細書で使用される場合、プライミングプロセスが別個の層の形成ではなくプライミングされる層の表面改質を単にもたらす場合であっても、プライミングされた表面は中間層であると見なされる。
【0035】
上記のように、ハードマスク層形成の前に、(プライミングされた又はプライミングされていない)基板上に任意の中間層を形成することができる。炭素リッチ層は、基板又は任意の中間層の上に形成され得る1つの任意の層である。炭素リッチ層は、任意の既知の塗布方法によって形成することができ、1つの好ましい方法は、約1,000~約5,000rpm、好ましくは約1,250~約1,750rpmの速度で、約30~約120秒、好ましくは約45~75秒の時間にわたってスピンコーティングすることである。「炭素に富む」という用語は、組成物中の全固形分を100重量%として、約50重量%を超える炭素、好ましくは約70重量%を超える炭素、より好ましくは約75~約80重量%の炭素を含む組成物から形成された層を指す。適切な炭素リッチ層は、スピンオンカーボン層(「SOC」)、アモルファスカーボン層、及び炭素平坦化層からなる群から選択される。
【0036】
例示的な炭素リッチ層は、一般に、以下の任意の成分:酸及び/又は塩基クエンチャー、触媒、架橋剤、及び表面改質添加剤と共に、溶媒系に溶解又は分散したポリマーを含む。好ましい組成物は、厚い層を形成するのに適しており、好ましくは、組成物の総重量を100重量%として、約0.1重量%~約70重量%、より好ましくは約5重量%~約40重量%、更により好ましくは約10重量%~約30重量%の固形分を有する。炭素リッチ組成物を塗布した後、溶媒を蒸発させるために、好ましくは約100℃~約400℃、より好ましくは約160℃~約350℃の温度まで、約30秒~約120秒、好ましくは約45秒~約60秒の時間加熱する。ベーキング後の炭素リッチ層の厚さは、好ましくは約10nm~約120nm、より好ましくは約20nm~約100nm、更により好ましくは約50nm~約60nmである。炭素リッチ層は、化学蒸着(「CVD」)、プラズマ強化化学蒸着(「PECVD」)、原子層堆積(「ALD」)、又はプラズマ強化原子層堆積(「PEALD」)等の他の既知の塗布方法によって形成されてもよい。
【0037】
本発明のシリコンハードマスク層は、利用される場合、基板表面上に直接(プライミングされた又はプライミングされていない)又は炭素リッチ層上に、任意の既知の塗布方法によって形成することができる。1つの好ましい塗布方法は、ハードマスク組成物を約1,000rpm~約2,000rpm、好ましくは約1,250~約1,750rpmの速度で、約15秒~約120秒、好ましくは約30秒~約75秒の時間スピンコーティングすることを含む。シリコンハードマスク組成物を塗布した後、約150℃~約300℃、より好ましくは約200℃~約250℃の温度まで、約15秒~約120秒、好ましくは約30秒~約75秒の時間加熱して溶媒を蒸発させることが好ましい。ベーキング後のハードマスク層の厚さは、好ましくは約2nm~約50nm、より好ましくは約5nm~約30nm、更により好ましくは約10nm~約25nmである。ハードマスク層は、フッ素リッチ(例えば、CF)プラズマ雰囲気中でフォトレジスト(例えば、化学増幅型、金属酸化物型、又は鎖切断型フォトレジスト)の少なくとも1.5倍のエッチング速度を有するべきであり、SOC又は炭素リッチ層は、酸素リッチ(例えば、O)プラズマエッチング雰囲気中でハードマスク層よりも少なくとも1.5倍速くエッチングするべきである。ハードマスク層は、エッチングブロックとして作用し、SOC又はカーボン層へのパターン転写を可能にするのに十分遅いO中のエッチング速度を有するべきである。
【0038】
一実施形態では、O中でエッチングされたとき、ハードマスク層は、同様の官能基が使用される場合であっても、複数モノマーのポリマーを有する層と比較して変化が低減されたエッチング速度を有する。すなわち、実施例23に記載されているように3回のエッチング速度測定を行う場合の標準偏差は、約0.5nm/分未満、好ましくは約0.25nm/分未満、より好ましくは約0.15nm/分未満である。
【0039】
シリコンハードマスク層は、良好な光学的及び化学的均質性を有する、すなわち、1つのサンプルのハードマスク層のモノマー比は、好ましくは第2のサンプルのハードマスク層のモノマー比と少なくとも90%、より好ましくは少なくとも99%、更により好ましくは約99.9%~約100%同じである。これにより、ポリマー及び層全体の官能基の密度が実質的に均一に、好ましくは完全に均一に分布することが保証される。
【0040】
一実施形態では、シリコンハードマスク層は、実施例22に記載されているように決定される高い限界寸法均一性(「CDU」)を示す。すなわち、CDUは、約5nm未満、好ましくは約3nm未満、更により好ましくは約1nm~約2.5nmである。
【0041】
一実施形態では、シリコンハードマスク層は、VCA Optima接触角ツール等の接触角ツールで複数の液体を用いて表面接触角測定を実施することによって決定される、好ましくは約20mN/m~約70mN/m、より好ましくは25mN/m~約60mN/mの表面エネルギーを有する。
【0042】
シリコンハードマスク層をベークした後、フォトレジスト(すなわち、画像形成層)をシリコンハードマスク層に塗布してフォトレジスト層を形成することができる。フォトレジスト層は、任意の従来の方法によって形成することができ、好ましい一方法は、フォトレジスト組成物を約350rpm~約4,000rpm(好ましくは約1,000rpm~約2,500rpm)の速度で約10秒~約60秒(好ましくは約10秒~約30秒)の期間スピンコーティングすることである。次いで、フォトレジスト層を、任意に、少なくとも約70℃、好ましくは約80℃~約150℃、より好ましくは約100℃~約150℃の温度で、約30秒~約120秒の期間塗布後ベーク(「PAB」)する。ベーキング後のフォトレジスト層の厚さ(エリプソメータによる5箇所にわたる平均測定)は、典型的には約5nm~約120nm、好ましくは約10nm~約50nm、より好ましくは約20nm~約40nmである。
【0043】
フォトレジストをコーティングする前にプライミングプロセスを塗布することができる。好ましいプライマーとしては、ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この処理では、150℃で90秒間加熱しながら、ウエハを密閉チャンバー内でプライマーの蒸気に曝露する。
【0044】
その後、フォトレジスト層は、好ましくは約10nm~約400nm、より好ましくは約13nm~約193nmの波長の放射線への曝露によってパターニングされる。一実施形態では、層はEUV放射線(すなわち、約20nm未満、一般に約13.5nmの波長)に曝露される。それにもかかわらず、好ましい曝露線量は、約5mJ/cm~約120mJ/cm、好ましくは約10mJ/cm~約80mJ/cm、より好ましくは約20mJ/cm~約60mJ/cmである。より具体的には、フォトレジスト層の表面の上方に位置するマスクを用いてフォトレジスト層を露光する。マスクは、放射線がマスクから反射し(EUVの場合)、又はマスクを通過し(ArF以上の波長の場合)、フォトレジスト層の表面と接触することを可能にするように設計された領域を有する。マスクの残りの部分は、特定の領域において放射線がフォトレジスト層の表面に接触するのを防止するために光を吸収するように設計される。当業者は、反射部分及び吸収部分の配置が、フォトレジスト層、最終的には基板又は任意の中間層に形成される所望のパターンに基づいて設計されることを容易に理解するであろう。
【0045】
露光後、フォトレジスト層は、好ましくは、約180℃未満、好ましくは約60℃~約140℃、より好ましくは約80℃~約130℃の温度で、約30秒~約120秒(好ましくは約30秒~約90秒)の時間、露光後ベーク(「PEB」)に供される。
【0046】
次いで、フォトレジスト層を現像液と接触させてパターンを形成する。使用されるフォトレジストがポジ型加工であるかネガ型加工であるかに応じて、現像剤は、フォトレジスト層の露光部分を除去するか、又はフォトレジスト層の未露光部分を除去してパターンを形成する。次いで、パターンは、シリコンハードマスク層、任意の存在する中間層、及び最後に基板に転写される。このパターン転写は、プラズマエッチング(例えば、CFエッチャント、Oエッチャント)又はウェットエッチング若しくは現像プロセスを介して行うことができる。パターンがエッチングによってフォトレジスト層から基板に転写される実施形態では、典型的なフォトレジストに対するシリコンハードマスク層のエッチング速度は、少なくとも約1倍、好ましくは約1.5倍~約2倍であることが好ましい。
【0047】
パターン転写がエッチングによって実行されるか現像によって実行されるかにかかわらず、結果として得られる形状は高い解像度を有する。例えば、約40nm未満のハーフピッチ、好ましくは約30nm未満のハーフピッチ、更により好ましくは約20未満のハーフピッチの解像度を本発明の方法で達成することができる。シリコンハードマスク層は、好ましくは、最終的な形状の圧潰マージンを改善する。圧潰マージンは、構造体が依然としてポジ型画像形成レジストを表している最大線量、又はネガ型現像レジスト若しくはネガ型画像形成レジストの場合の最小線量からの線量とサイズとの差によって定量化される。
【0048】
様々な実施形態の更なる利点は、本明細書の開示及び以下の実施例を検討すれば、当業者には明らかであろう。本明細書に記載の様々な実施形態は、本明細書に別段の指示がない限り、必ずしも相互に排他的ではないことが理解されよう。例えば、一実施形態で説明又は図示された形状は、他の実施形態に含まれてもよいが、必ずしも含まれなくてもよい。したがって、本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態の様々な組み合わせ及び/又は統合を包含する。
【0049】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という語句は、2つ以上の項目のリストで使用される場合、列挙された項目のいずれか1つが単独で使用され得るか、又は列挙された項目の2つ以上の任意の組み合わせが使用され得ることを意味する。例えば、組成物が構成要素A、B及び/又はCを含有する又は除外すると記載されている場合、組成物はA単独、B単独、C単独、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、BとCの組み合わせ、又はAとBとCの組み合わせを含有又は除外することができる。
【0050】
本明細書はまた、様々な実施形態に関する特定のパラメータを定量化するために数値範囲を使用する。数値範囲が提供される場合、そのような範囲は、範囲の下限値のみを列挙する特許請求の範囲の限定並びに範囲の上限値のみを列挙する特許請求の範囲の限定に対する文字通りの裏付けを提供すると解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、約10~約100の開示された数値範囲は、「約10より大きい」(上限なし)と記載している請求項及び「約100未満」(下限なし)と記載している請求項を文字通り支持する。
【実施例
【0051】
以下の実施例は、本開示による方法を示す。しかしながら、これらの例は例示として提供されており、その中のいかなるものも、全体的な範囲に対する限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0052】
実施例1
ポリ(1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン)の合成
250mlの三口丸底フラスコの中に、10.08グラムの1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン(ペンシルベニア州モリスビルのGelest)及び84.88グラムのアセトンを加えた。撹拌棒を混合物に加え、撹拌しながら、5.15グラムの0.01N HClを滴下した。2.5時間の反応時間後、84グラムのPGEE(テキサス州カールトンのFujifilm Ultra Pure Solutions)をフラスコに加え、混合物をロタバップして(rotavaped)アセトンを除去した。この母液を、後の実施例における更なる試験に使用した。
【0053】
実施例2
実施例1のポリマーを用いたSi-HMの配合物
250mlのAicelloボトルに、1.57グラムの実施例1で合成したポリマー、0.02グラムのK-PURE(登録商標)TAG-2689(コネチカット州ノーウォークのKing Industries Inc)、78.81グラムのPGEE及び19.7グラムのPGME(テキサス州フォートワースのKMG Electronic Chemicals)を加え、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンPTFEフィルター(英国バッキンガムシャーのGE Healthcare UK Limited)を用いて濾過した。
【0054】
実施例3
ポリ(1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン)の合成
250mlのAicelloボトルに、12.04グラムの1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン及び101.9グラムのアセトンを加えた。次に、ボトルの内容物を混合しながら、6.21グラムの0.01N HClを滴下した。混合物を回転させ、室温にて3時間ホイール上で混合し、その後、102グラムのPGEEを添加した。混合物を500ml丸底フラスコに移した。混合物を室温で5分間ロタバップさせ、アセトンの蒸留が停止するまで50℃に保たれたロタバップ水浴に浸した。ロタバップを更に5分間続けた。混合物を室温に冷却し、母液を0.2ミクロンPTFEフィルターを用いて濾過した。
【0055】
実施例4
実施例3ポリマーを用いたSi-HMの配合物
250mlのAicelloボトルに、実施例3で合成した母液0.603グラム、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド(「EtPPB」、ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.から入手した触媒)0.006グラム、78.72グラムのPGEE、及び20.67グラムのPGMEを添加し、一緒に30分間混合した。この配合物を0.1ミクロンPTFEフィルターを用いて濾過した。
【0056】
実施例5
実施例3ポリマーを用いたSi-HMの配合物
100mlのAicelloボトルに、実施例3で合成した母液0.347グラム、0.003グラムのEtPPB、79.727グラムのPGEE、及び19.923グラムのPGMEを添加し、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンPTFEフィルターを用いて濾過した。
【0057】
実施例6
ポリ(1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン)の合成
500mlの丸底フラスコ内で、10.09グラムの1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン(ペンシルベニア州モリスビルのGelest)及び83.87グラムのアセトンを添加した。次に、室温で30分間撹拌しながら、6.2グラムの0.01N HClを滴下した。混合物を80℃で4時間加熱還流し、その後、84グラムのPGEEを反応フラスコに添加した。混合物を室温で5分間ロタバップさせ、アセトンの蒸留が停止するまで50℃に保たれたロタバップ水浴に浸した。ロタバップを更に5分間続けた。混合物を室温に冷却し、-20℃で保存した。
【0058】
実施例7
実施例6のポリマーを用いたSi-HMの配合物
250mlのAicelloボトルに、1.67グラムの実施例6で合成した母液、0.02グラムのベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(「BTEAC」、ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.から入手した触媒)、78.62グラムのPGEE、及び19.69グラムのPGMEを添加し、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンPTFEフィルターを用いて濾過した。
【0059】
実施例8
ポリ(1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン)の合成
250mlの三口丸底フラスコの中に、5.18グラムの1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン及び43.46グラムのPGMEAを加えた。次に、室温で30分間撹拌しながら、3.21グラムの0.01M HClを滴下した。混合物を80℃で4時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、清浄なAicelloボトルに移し、-20℃で保存した。
【0060】
実施例9
実施例8ポリマーを用いたSi-HMの配合物
250mlのAicelloボトルに、35.32グラムの実施例8で合成した母液、0.883グラムのPGMEA中1%ヒドロキノン(ラジカル阻害剤)(テキサス州フォートワースのKMG Electronic Chemicals)、211.31グラムのPGMEA、及び2.48グラムの3-メチル-1,5-ペンタンジオール(ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.)を添加し、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンPTFEフィルターを用いて濾過した。
【0061】
実施例10
ポリ(1,4-ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン)の合成
100mlの丸底フラスコ内で、1.50グラムの1,4-ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン(ペンシルベニア州モリスビルのGelest)及び12.83グラムのPGMEAを添加した。次に、フラスコの内容物を撹拌しながら、0.67gの0.01M HClを滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、溶液を還流装置内で窒素によりパージし、絶えず撹拌しながら6時間80℃に加熱した。次いで、撹拌しながら熱から母液を除去して冷却した。室温になったら、母液を100mlのAicelloボトルに注ぎ、保存した。
【0062】
実施例11
実施例10ポリマーを用いたSi-HMの配合物
100mlのAicelloボトルに、8.2931グラム実施例10で合成した母液、10.0109グラムのPGME及び82.7083グラムのPGMEAを添加し、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンフィルターを用いて濾過した。
【0063】
実施例12
ポリ(1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン)の合成
100mlの丸底フラスコ中に、7.83グラムの1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン(ペンシルベニア州モリスビルのGelest)及び65.34グラムのPGMEAを加えた。次に、フラスコの内容物を撹拌しながら、4.85グラムの0.01M HClを滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、その後、溶液を還流装置内で窒素でパージし、絶えず撹拌しながら6時間80℃に加熱した。次いで、撹拌しながら熱から母液を除去して冷却した。室温になったら、母液を100mlのAicelloボトルに注ぎ、保存した。
【0064】
実施例13
実施例12ポリマーを用いたSi-HMの配合物
100mlのAicelloボトルに、11.9434グラムの実施例12で合成した母液、0.2985グラムのTBPB(ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.)、9.5819グラムのPGME、及び78.1605グラムのPGMEAを添加し、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンフィルターを用いて濾過した。
【0065】
実施例14
ネガトーン現像リソグラフィー性能のスクリーニング
Sokudo DUOトラックを使用して、12インチシリコンウエハを230℃で60秒間脱水し、ヘキサメチルジシラザンを110℃で50秒間プライミングした後、SOCコーティングした。OptiStack(登録商標)SOC110D(ミズーリ州ローラのBrewer Science)という名称で販売されているスピンオンカーボン又は「SOC」組成物を、プライミングされたウエハ上に1,727rpmで30秒間スピンコートし、続いて205℃で60秒間ベークした。次いで、シリコンハードマスクを以下のように異なるSOCコーティングウエハ上にスピンコートした:実施例2の配合物を1,280rpmで30秒間スピンコートし、続いて240℃で60秒間ベークした。また実施例4の配合物を1,000rpmで30秒間スピンコートし、続いて205℃で60秒間ベークした。ハードマスクでコーティングされた積層体を、ヘキサメチルジシラザンで150℃にて80秒間プライミングした。フォトレジスト(FujiFilm製のAN02レジスト)を1,930rpmのスピン速度で30秒間スタックの上部(プライミングされたハードマスク上)に塗布し、続いて90℃で60秒間塗布後ベークした。浸漬ツール(TWINSCAN NXT:1950 i、オランダのASMLから入手可能)を使用して焦点線量マトリックスを作成するために、ウエハをレチクルを通して露光した。実施例2のハードマスク配合物について、線量を18mJ/cmから46mJ/cmまで変化させ、焦点を-0.23μmから0.13μmまで変化させた。実施例4のハードマスク配合物について、線量を18mJ/cmから46mJ/cmまで変化させ、焦点を-0.21μmから0.11μmまで変化させた。これに続いて、FN-DP001/20現像液(インディアナ州ノースキングスタウンのFujiFilm)を使用する現像工程を行った。
【0066】
これらのハードマスクの性能を評価するために、CD-SEM測定(Hitachi CG5000-2、150Kx;ビーム=500V、8Pa)を行った。データを表1に示すが、図1(a)~(b)は形成されたトレンチの画像を示しており、これらはきれいである。レジストプロファイルはまた、高密度(図1(a))及び孤立(図1(b)形状の両方で直線状であった。
表1.高い光学化学的均質性ハードマスクについて得られた性能測定基準
【0067】
【表1】
【0068】
実施例15
ポジトーン現像リソグラフィー性能のスクリーニング
Sokudo DUOトラックを使用して、12インチシリコンウエハを230℃で60秒間脱水し、ヘキサメチルジシラザンを110℃で50秒間プライミングした後、SOCコーティングした。OptiStack(登録商標)SOC120材料(ミズーリ州ローラ、Brewer Science)という名称で販売されているSOCを、プライミングされたウエハ上に1,368rpmで30秒間スピンコートし、続いて205℃で60秒間ベークした。次に、シリコンハードマスクを、以下のように異なるSOCコーティングウエハ上にスピンコートした:実施例7を1,110rpmで30秒間、続いて205℃で60秒間のベーク、及びOptiStack(登録商標)HM825-303.2(ミズーリ州ローラのBrewer Science)の名称で販売されている市販のハードマスク組成物を1,171rpmで30秒間、続いて205℃で60秒間のベーク。両方のハードマスクを30nmの目標厚さにコーティングした。市販のレジスト(AIM5484、JSR Micro,Inc.)を1,185rpmのスピン速度で30秒間スタックの上に塗布し、続いて120℃で60秒間塗布後ベークした。次いで、ウエハをレチクル(TM07-40)を通して露光して、浸漬ツール(ツインスキャンNXT:1950i)を使用して焦点線量マトリックスを作成した。シグマ(外側/内側)は(0.98/0.821)であった。Dipole35Y Gen2の照射モードを使用した。NAは1.35であった。実施例7からのハードマスク配合物について、線量を6.4mJ/cmから28.8mJ/cmまで変化させ、焦点を0.15μmから-0.21μmまで変化させた。露光後、100℃で60秒間ベークした。次いで、パターンを現像剤(FujiFilmから入手可能なOPD262)で20秒間現像した。この露光により、一連のトレンチ及び空間が形成された。これらの形状を、走査型電子顕微鏡(CG5000-2、Hitachi)を使用して、500V及び8pAを用いて150Kxの倍率で分析した。データを表2に示す。図2(a)及び(b)に示すように、実施例7で配合された材料のプロセスウィンドウは、市販のシリコンハードマスク層(OptiStack(登録商標)HM825-303.2)のプロセスウィンドウよりも大きい。図3(a)及び(b)は、両サンプルの上から見た図である。
表2.実施例7のハードマスク及び市販のハードマスクから得られた性能測定基準
【0069】
【表2】
【0070】
実施例16
実施例13の配合物のリソグラフィー結果
実施例13の材料を1340rpmで30秒間スピンコートし、OptiStack(登録商標)SOC120材料のスピンオンカーボン層(ミズーリ州ローラのBrewer Science)の上に205℃で60秒間ベークし、Siウエハ上に1,406rpmで30秒間スピンコーティングし、205℃で60秒間ベーキングして25nmの膜を形成した。EUVレジスト(JSR 4267、JSR Corporationから入手可能;MECによって供給される)をハードマスク層上に、1,040rpmで25秒間スピンコーティングし、次いで130℃で60秒間ベーキングして、厚さ35nmのコートを形成した。形成されたレジストを、画像形成工程のためにEUVスキャナ(TWINSCAN NXE:3400B、AMSLから入手可能)を使用し、ウエハプロセスのためにCLEAN TRACK(商標)LITHIUS Pro(商標)Z(日本国東京都のTELによる)の名称で販売されているトラックを使用して露光した。露光後、110℃のベークを60秒間行った。次いで、パターンを現像剤(FujiFilmから入手可能なOPD262)で現像した。得られた形状を、走査型電子顕微鏡(CG5000-2、Hitachi)を使用して、500V及び8pAを用いて164Kxの倍率で分析した。図4は露光マトリックスを示し、図5はサンプルの上から見た図を示し、図6は実施例13の材料のボソン曲線を示す。
【0071】
実施例17
ポリ(トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート)の合成
100mlの丸底フラスコ内で、6.16グラムのトリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート(ペンシルベニア州モリスビルのGelest)及び17グラムのPGME(テキサス州フォートワースのKMG Electronic Chemicals)を添加した。次に、室温で30分間撹拌しながら、0.01N HNO(ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.)0.88gを滴下した。混合物を90℃で20分間加熱還流した後、室温まで冷却し、-20℃で保存した。
【0072】
実施例18
実施例17ポリマーを用いたSi-HMの配合物
1リットルのAicelloボトルに、5.43グラムの実施例17で合成した母液、0.11グラムの2%TBPB/PGMEストック溶液(ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.製のTBPB)、1.09グラムの2%マレイン酸/PGMEストック溶液(pH調整剤;ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich Inc.製のマレイン酸)、257.18グラムのPGME、及び29.19グラムのPGMEAを加え、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンフィルターを用いて濾過した。
【0073】
実施例19
実施例18の配合物のEUV線/空間(L/S)パターニング結果
実施例18の材料を1521rpmで30秒間スピンコートし、スピンオンカーボン層(OptiStack(登録商標)SOC120という名称で、ミズーリ州ローラのBrewer Scienceによって販売されている)の上に205℃で60秒間ベークし、これをSiウエハ上に1,521rpmで30秒間スピンコーティングし、205℃で60秒間ベーキングして25nmの膜を形成した。次いで、EUVレジスト(JSR4267、JSR Corporationから入手可能;IMECによって供給される)を1,040rpmで25秒間スピンコーティングし、続いて130℃で60秒間ベーキングして、厚さ35nmのコートを形成した。形成されたレジストを、画像形成工程のためにEUVスキャナ(TWINSCAN NXE:3400B、AMSLから入手可能)を使用し、ウエハプロセスのためにCLEAN TRACK(商標)LITHIUS Pro(商標)Z(日本国東京都のTELによる)の名称で販売されているトラックを使用して露光した。露光後、110℃のベークを60秒間行った。次いで、パターンを現像剤(FujiFilmから入手可能なOPD262)で現像した。得られた形状を、走査型電子顕微鏡(CG6300、Hitachi)を使用して、500V及び8pAを用いて164Kxの倍率で分析した。図7は、L/Sパターニングのための露光マトリックスを示し、図8は、印刷されたL/Sサンプルの上から見た図を示す。
【0074】
実施例20
実施例18の配合物のEUVコンタクトホールパターニング
実施例18の材料をベアシリコンウエハ上に1,900rpmで30秒間スピンコートし、205℃で60秒間ベーキングして厚さ5nmのハードマスク層を形成した。EUVレジスト(JSR 4267、JSR Corporationから入手可能;MECによって供給される)をハードマスク層上に、1,040rpmで25秒間スピンコーティングし、続いて130℃で60秒間ベーキングして、厚さ35nmのレジストの層を形成した。形成されたレジストを、画像形成工程のためにEUVスキャナ(TWINSCAN NXE:3400B、AMSLから入手可能)を使用し、ウエハプロセスのためにCLEAN TRACK(商標)LITHIUS Pro(商標)Z(日本国東京都のTELによる)の名称で販売されているトラックを使用して露光した。露光後、110℃のベークを60秒間行った。次いで、パターンを現像剤(FujiFilmから入手可能なOPD262)で現像した。得られた形状を、走査型電子顕微鏡(CG6300、Hitachi)を使用して、500V及び8pAを用いて164Kxの倍率で分析した。図9は、コンタクトホールパターニングのための露光マトリックスを示し、図10は、印刷されたコンタクトホール形状の上から見た図を示す。
【0075】
実施例21
実施例17ポリマーを用いたSi-HMの配合物
250mlのAicelloボトルに、8.85グラムの実施例17で合成した母液、1.77グラムの2%マレイン酸/PGMEストック溶液、145.72グラムのPGME及び17.17グラムのPGMEAを添加し、30分間一緒に混合した。この配合物を0.1ミクロンフィルターを用いて濾過した。
【0076】
実施例22
実施例21の配合物のEUVコンタクトホールパターニング
実施例21の材料をベアシリコンウエハ上に1,900rpmで30秒間スピンコートし、205℃で60秒間ベーキングして厚さ5nmのハードマスク層を形成した。EUVレジスト(JSR 4267、JSR Corporationから入手可能;MECによって供給される)をハードマスク層上に、1,040rpmで25秒間スピンコーティングし、次いで130℃で60秒間ベーキングして、厚さ35nmのレジスト層を形成した。次いで、レジストを、EUVスキャナ(TWINSCAN NXE:3400B、AMSLから入手可能)を使用して露光し、OPD262現像液を用いて20秒間現像した。パターンの限界寸法均一性(「CDU」)をCD-SEM測定(Hitachi CG5000-2,150Kx;ビーム=500V、8pA)によって分析し、実施例21からの材料と同じパラメータを使用して塗布したトリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)及びフェニルトリメトキシシランから形成された線形対照ポリマーと比較した。各ポリマーのCDU情報及びSEM画像を図11に示す。
【0077】
欠陥のないプロセスウィンドウを、Kolonaソフトウェアを使用して合計8,600個のコンタクトホールで分析し、対照と比較した。このデータは図12に示されており、x軸は形状の直径をナノメートルで示している。
【0078】
実施例23
実施例13配合物のエッチング結果
実施例13の材料及び実施例13で使用したポリマー(すなわち、1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エチレン)と同様の官能基を有するように設計されたメチルトリメトキシシランとビニルトリメトキシシランの比が2:1の従来の(複数モノマー)Si-HMサンプルを、O及びCFベースのプラズマエッチング化学におけるエッチング速度について試験した。サンプルを100mmシリコンウエハ上にスピンコートし、205℃で60秒間ベークし、2.5mm×2.5mmチップに切り込み、次いで、Oxford Plasma Lab 80+エッチャーを使用してエッチングした。これらのチップの1つのセットでOベースのエッチングを使用し、これらのチップの別のセットでCFベースのエッチングを使用した。エッチングプロセスの設定は、50sccmの流量(O又はCF)、50mTorrのチャンバー圧力、50Wの電力、及び30秒のエッチング時間であった。Gaertnerエリプソメータを用いて行われたエッチング前後の膜厚測定値を使用して、2つのエッチング化学種を有するサンプルのエッチング速度を計算した。これらのエッチング速度の結果を図13及び図14に示し、左側に複数モノマー材料があり、右側に単一モノマー材料(すなわち、実施例13の配合物)がある。
【0079】
CFエッチング速度の結果は、単一モノマーポリマーサンプルが従来の複数モノマーSi-HMサンプルよりも高いエッチング速度(18.47nm/分)を有することを示している。Si-HMを用いた半導体処理中、より高いCFエッチング速度が望ましい。Oプラズマでは、平均エッチング速度は2つのサンプルで同等であるが、単一構成要素ポリマーサンプルは、従来のSi-HMサンプル(0.945nm/分の標準偏差)と比較してエッチング速度の変動が減少し(0.115nm/分の標準偏差)、その結果、より均一なエッチング及び形状のより良好な画定が得られる。
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】