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▶ サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】カプセルのための測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
G01L5/00 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538690
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2021062062
(87)【国際公開番号】W WO2022137098
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】102020000032168
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ダニーロ,アルボネッティ
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB09
2F051BA07
(57)【要約】
カプセルと閉じた環状の保証バンドとを接続している脆弱手段の破壊力を測定する装置及び方法であって、保証バンドを軸方向に保持する環状隆起部、脆弱手段を破壊するためにカプセルを押す押圧要素、押圧要素によって及ぼされる牽引力を検出するセンサ手段と、カプセルを環状突起に供給するように構成された持上げ及び当接装置と、脆弱な媒体の破損後に、保証バンドの閉じた環状形状はそのままで、保証バンドを環状突起から取り外すための係合解除手段とを備えた装置及び方法が記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸を有する管状要素(81)と、
前記管状要素(81)の内部を軸方向に移動可能であり、カプセル(200)を下方に押し下げるように構成されている軸方向押圧要素(45)であって、前記カプセルには、閉じた管状形状の保証バンド(203)に該カプセル(200)を連結する脆弱手段(201)が設けられており、前記脆弱手段(201)の破壊を生じさせるために前記カプセル(200)を下方に押し下げるように構成されている軸方向押圧要素(45)と、
前記管状要素(81)から半径方向に突出しており、前記軸方向押圧要素(45)が前記カプセル(200)を押し下げて前記破壊を生じさせるとき、前記保証バンド(203)を軸方向に保持するように構成されている少なくとも1つの反応面(82)を備え、前記反応面(82)は周方向に延びると共に、前記保証バンド(203)の内径よりも大きい外径を備えている、環状突起(42)と、
前記軸方向押圧要素(45)によって前記カプセル(200)に加えられた少なくとも1つの力を検出するように構成されたセンサ手段(49)と、
前記破壊後に、前記環状突起(42)と前記保証バンド(203)との間に少なくとも1回の相対移動を生じさせるように構成されたバンド係合解除手段であって、前記相対移動は、前記保証バンド(203)の半径方向の広がり及び/又は前記環状突起(42)の半径方向の崩潰を含み、前記相対移動の効果により、前記保証バンド(203)は閉じた環状形状を維持する、バンド係合解除手段と
を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記バンド係合解除手段は、前記保証バンド(203)の外側に半径方向に広がるように構成された径方向押圧部(83、84、90)を備える、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記径方向押圧部(83、84、90)は、前記径方向押圧部が前記反応面(82)の径方向内側に配置される少なくとも1つの収縮した第1の構成と、前記径方向押圧部が前記第1の構成に対して径方向外側に移動して、前記保証バンド(203)を、前記環状突起(42)の向こうへ径方向に押して取り除く少なくとも1つの拡張した第2の構成と、をとるように移動可能である、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1の構成と前記第2の構成との間での前記径方向押圧部の移動を駆動するように構成された少なくとも1つのアクチュエータを備える、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記径方向押圧部は円周に沿って配置された2以上のセクタ(83)を備え、前記セクタはそれぞれが半径方向に移動可能である、請求項2~4のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記径方向押圧部は、前記軸方向押圧要素(45)の外部カウンタプロファイル(counter profile)(85)と接触するように構成された内部プロファイル(84)を備え、前記軸方向押圧要素(45)の上方への動きが、前記内部プロファイル(84)と前記外部カウンタプロファイル(85)との前記接触の影響で、前記径方向押圧部の外側への半径方向のスラストを引き起こす、請求項2~5のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記内部プロファイル(84)は、前記第1の構成に向かって弾性的に戻って静止するように構成された1以上の弾性要素(86)の一端に配置されており、前記内部プロファイル(84)は、特に、前記垂直軸の周りの前記弾性要素(86)の周方向配列の下端に配置され、前記弾性要素(86)のそれぞれは、軸方向に延びる要素を備えている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1以上の弾性要素(86)のそれぞれは、前記管状要素(81)における2つの貫通開口またはノッチによって2つの側面に画定される、前記管状要素(81)の一部を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記径方向押圧部は、前記軸方向押圧要素(45)に取り付けられ前記軸方向押圧要素(45)から半径方向に突出する押圧プロファイル(90)を備え、前記押圧プロファイル(90)は、前記軸方向押圧要素(45)の下方への動きの影響により、保証バンド(203)の外側に半径方向に広がるように構成されており、前記押圧プロファイル(90)は、前記管状要素(81)に作られた1つ以上の垂直スロット(91)に挿入され、前記押圧プロファイル(90)は、特に、逆フレア形状の、すなわち上部に向かって広がる、周方向に配置された少なくとも1つの押圧面を備える、請求項2~8のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項10】
前記押圧プロファイル(90)は、円周方向に配置された複数の別個のプロファイル部分を備え、各プロファイル部分はそれぞれのスロット(91)に挿入される、請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
前記押圧プロファイル(90)は、前記保証バンド(203)が押圧プロファイル(90)を越えて排出されるのを防止するために、前記保証バンド(203)と相互作用するように前記押圧プロファイル(90)から半径方向外側に突出する保持手段(92)を備え、前記保持手段(92)は、特に、前記保証バンドに軸方向に対向することができる周方向当接部を画定するように周方向に延びる突出部を備える、請求項9又は10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記バンド係合解除手段は、前記管状要素(81)の崩潰可能部(87)を備え、前記環状突起(42)は、前記崩潰可能部(87)上に配置されており、前記崩潰可能部は、前記環状突起(42)が前記保証バンド(203)を軸方向に保持することができる拡張保持構成と、前記環状突起(42)が前記拡張保持構成に対して半径方向内側に潰されて、前記保証バンド(203)を解放することができる崩潰解放構成(collapsed release configuration)とを取ることができ、前記崩潰可能部(87)は、前記軸方向押圧要素(45)が前記脆弱手段(201)の前記破壊を引き起こした後、前記崩潰解放構成をとるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項13】
前記崩潰可能部(87)は、垂直方向に延びる1つ以上の長手方向の弾性要素(88)を備え、前記1つ以上の弾性要素(88)のそれぞれは、前記崩潰解放構成で静止するように構成され、
前記測定装置は、前記軸方向押圧要素(45)がカプセル(200)を下方に押す間、前記1つ以上の弾性要素(88)を前記拡張保持構成に維持するように構成された当接手段を備え、前記当接手段は、特に、中間位置、下方位置、および上方位置を順次に取ることができる前記軸方向押圧要素(45)を備え、前記中間位置において、前記軸方向押圧要素(45)は、前記1つまたは複数の弾性要素(88)に対向して、前記弾性要素(88)を前記拡張保持構成に維持すると共に、保証バンド(203)を前記環状突起(42)に係合させるためにカプセル(200)の持ち上げを可能にし、前記下方位置では、前記軸方向押圧要素(45)が、カプセル(200)を下方に押した後、前記1つまたは複数の弾性要素(88)を前記拡張保持構成に維持するために前記1つまたは複数の弾性要素(88)に対向し、前記上方位置では、前記軸方向押圧要素(45)は、前記1つまたは複数の弾性要素(88)を、静止位置で前記崩潰解放構成に向かって自由に崩れるままにしておく、請求項12に記載の測定装置。
【請求項14】
少なくとも、前記カプセルが前記環状突起(42)から離れた下方位置から、前記カプセルの保証バンド(203)が、前記環状突起(42)を通過して、その環状突起(42)によって軸方向に保持されることのできる上方位置まで、前記カプセル(200)を輸送するように構成された持ち上げ要素(53)、及び/又は、
前記バンド係合解除手段が前記環状突起(42)と前記保証バンド(203)との間の相対運動を生じさせた後、前記保証バンド(203)を軸方向に押し下げるように構成された軸方向押圧部(89)
を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項15】
閉じた環状形状の保証バンド(203)が設けられたカプセル(200)を提供するステップと、
前記保証バンド(203)を環状突起(42)に係合させるステップと、
前記保証バンド(203)が前記環状突起(42)に係合した状態で前記カプセル(200)を押して、前記カプセル(200)と前記保証バンド(203)とを接続している脆弱手段(201)の破壊を引き起こすステップと、
前記脆弱手段(201)の破壊を引き起こすために前記カプセル(200)に加えられた少なくとも1つの力を検出するステップと、
前記破壊後、前記環状突起(42)と前記保証バンド(203)との間に少なくとも1回の相対移動を引き起こすステップと
を備え、
前記相対移動は、前記保証バンド(203)の半径方向の拡大及び/又は前記環状突起(42)の半径方向の崩れを含み、これにより、前記相対移動の作用により、閉じた環状形状を保ったままの前記環状突起(42)から、前記保証バンド(203)を取り外すことができることを特徴とする測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル又はクロージャの連結要素の引離し力(pull-off force)を測定するための測定装置及び方法に関し、具体的には、例えばボトル等の容器を閉鎖するために使用されるプラスチック材料で形成されたカプセル又はクロージャの引離し力を測定するための測定装置及び方法に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、カプセルの側壁の一部を不正開封防止バンド又は安全リングの一部に連結するために配置された連結要素の引離し力を測定するための測定装置及び方法に関するが、これだけに限らない。具体的には、連結要素は、ブリッジ要素又はブリッジ、すなわちカプセルが装着された容器の最初の開封時にユーザによって破壊されることを意図してプラスチック材料で形成され、容器のクロージャの不正開封の証拠を提供する要素、及び/又は、対照的に、容器の開封後でさえも、カプセルを不正開封防止バンドに保持することを可能にする少なくとも1つのテザー要素を備える。
【背景技術】
【0003】
ブリッジ要素の引き離し力を測定するための測定装置として、カプセルの端壁にほぼ垂直に応力を作用させるものが公知である。このような測定装置は、ブリッジ要素の引き離し力を検出するユニットを備えており、該ユニットは、外面に環状隆起部を有した管状要素を備え、カプセルの不正開封防止バンドの保持要素がそれに連結される。環状隆起部を有する管状要素は、容器のネック部を模したものであり、使用時には、容器を閉じるためにカプセルに係合される。カプセルは、側壁と、側壁に対して横方向に延びる端壁とによって画定されるカップ状の本体とからなる。側壁は、端壁に配置した閉塞端と、閉塞端とは反対側の開放端とを備える。管状要素は、使用時、保持要素が隆起部に係合するまで、軸方向に移動して測定装置の静止面に近づく。その静止面に、カプセルが開放端を上向きにして配置される。このようにして、カプセルは管状要素に保持される。その後、管状要素が静止面から離間する。そして、検出ユニットを設けられ、管状要素内で摺動可能な略円筒状のピストンが、ブリッジが破壊するまでカプセルの端壁の底面を下方すなわち静止面に向かって押し下げる。言い換えれば、ピストンは、カプセルの長手方向にほぼ垂直な方向、特に一致する方向に沿って、端壁の底面の少なくとも一部に法線方向の応力を付加するように配置される。ロードセルは、ピストンが静止面に向かって移動する際に、ピストンが端壁の底面に作用する軸方向の力を検出するためにピストンに取り付けられている。このような軸方向の力は、ブリッジ要素に作用する引張応力に変換される。
【0004】
しかしながら、カプセルの連結要素の引離し力を測定するための既存タイプの装置には、いくつかの限界と欠点がある。
【0005】
確かに、カプセルの連結要素の引離し力を測定するための既存タイプの装置は、ブリッジ要素の引離し力を決定するためだけに使用され、テザー要素の引き離し力を決定するためには使用されないかもしれない。実際、カプセルの全てのブリッジ要素が破壊されると、(管状要素に取り付けられた場合)側壁がカプセルの長軸に対して傾斜し、ピストンによって付与される力が方向付けられ、不正開封防止バンドの少なくとも一部分が、少なくとも1つのテザー要素によって側壁の少なくとも一部分に取り付けられたままとなる。このように、ピストンは、一方で側壁に取り付けられたままであり、他方で不正開封防止バンドに取り付けられたままであり、少なくとも1つのテザー要素に引張応力を付与することができない。これは、機械的応力を付与するためにピストンが停止する当接面が存在せず、少なくとも1つのテザー要素を歪ませることができないからである。
【0006】
さらに、カプセルの連結要素の引離し力を測定するための既存タイプの装置によって検出された力の測定値は、信頼性が低いことが判明した。いくつかのブリッジ要素は歪まないので、引張力が作用しないからである。実際、ピストンが端壁の底面の中心に均一な力を作用させているにも拘わらず、全てのブリッジ要素が破壊するのではなく、その一部だけが破壊することがある。これは、ピストンの力が作用する方向であるカプセルの長軸に対して、カプセルが傾斜する可能性があることと、カプセルが傾斜することでピストンがカプセルに衝突せずに移動を続ける可能性があることを意味する。この結果、一部のブリッジ要素には応力が作用せず、検出された引離し力の測定値が不正確になることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の先行技術の欠点の1以上を解消する測定装置及び/又は方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、前述の先行技術の測定装置及び/又は方法に代替する測定装置及び/又は方法を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、脆弱手段の破損後に保証バンドを容易に除去することを可能とする、保証バンドを備えたカプセルのための測定装置及び/又は方法を利用可能にすることである。
【0010】
本発明の目的は、検査されるカプセルの連結要素に作用する力を正確に測定することができる測定装置及び/又は方法を提供することである。
【0011】
一つの利点は、カプセルが備えることができるブリッジ要素及びテザー要素の両方の破壊を検査するために採用することができる、汎用性の高い、カプセルの連結要素に作用する力を測定するための測定装置及び/又は方法を提供することである。
【0012】
一つの利点は、カプセル処理ラインから切り離された実験装置として、又はインラインで、つまり、カプセル処理ラインの一部に連結された装置として、本発明に係る測定装置で検査するためにカプセルを受け取るカプセル通過部で使用することができる測定装置を提供することである。
【0013】
一つの利点は、処理ライン自体に大幅な変更を加える必要なく、既存のカプセルの処理ラインに容易に設置することができる測定装置を提供することである。
【0014】
一つの利点は、検出された力値を利用して、不正開封防止バンドの品質を評価することができ、その結果、加工ラインの作業パラメータに修正を加えることができる、汎用性の高い測定方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲で定義された、カプセルの連結要素の引離し力を測定するための装置及び方法が提供される。
【0016】
本発明によれば、カプセルの連結要素の引離し力を測定するために、押圧手段によってカプセルに付与される軸方向の力を正確に測定することを保証する測定装置を提供することができる。実際、本発明に係る測定装置は、カプセルの端壁の外面と相互作用するように配置された当接面を備え、軸方向の力の付与中に、カプセルが傾斜すること、すなわち、押圧手段の長軸にほぼ平行な軸に対して回転することが防止され、そのような回転によって、カプセルの連結要素の少なくとも一部が破壊することが防止される。さらに、本発明に係る測定装置により、カプセルのブリッジ要素とテザー要素の両方の引離し力を測定することが可能となる。
【0017】
なお、本発明に係る測定装置は、実験室用の検査装置としてカプセル処理ラインから切り離されたスタンドアローン方式でも、カプセル処理ラインの一部に連結され、カプセルの連結要素を形成する切断装置すなわちナイフの下流に配置された装置としても使用することができる。特に、測定装置は、処理ラインの一部に連結されるキャップ供給ガイドを備え、この部分には、使用時に、特にサンプルベースで、偏向装置によって測定装置にずらされたカプセルを供給ガイドに向かって搬送するカプセルの通路がある。
【0018】
さらに、本発明に係る測定装置は、処理ライン自体に大幅な変更を加える必要なく、既存のカプセル処理ラインに容易に設置することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る測定装置の一例では、カプセルの連結要素の引離し力を測定するための測定装置を提供することが可能である。この測定装置は、視覚システムが、カプセルの不正開封防止バンド又は安全リングを形成するために意図された、ブリッジ要素のサイズ、ブリッジ要素の角度分布、ナイフによる切断の規則性等、不正開封防止バンド及び/又は連結要素の特徴を検出することができるように、カプセルをその長軸の周りに回転させることができるものである。さらに、歪みを受けるカプセルを回転させることで、カプセルの基準要素、例えば、少なくとも1つのテザー要素のような連結要素の位置に応じて、その角度配向、すなわち、その位相を調整することができる。さらに、本発明に係る測定方法は、力を信頼性の高い方法で検出することができ、検出された力を使用して不正開封防止バンドの品質を評価することができる。実際、検出された力を分析することにより、カプセルの側壁にブリッジ要素(したがって不正開封防止バンド)と1以上のテザー要素を得るためにカプセルのその側壁を切断するナイフが摩耗しているか否か、そして交換又は保守が必要であるか否かを判断することができる。
【0020】
本発明の一例では、測定装置は、カプセルの不正開封防止バンドを軸方向に保持する環状隆起部と、不正開封防止バンドとカプセルとを連結する脆弱手段の破壊を引き起こすようにカプセルを押圧する押圧要素と、押圧要素によって付与される引離し力を検出するセンサ手段と、脆弱手段の破壊後に、不正開封防止バンドを環状隆起部から離脱させるが、不正開封防止バンドの閉じた環状形状をそのまま維持し、特に、脆弱手段の破壊後に、径方向押圧手段によってバンドを径方向外側に押し出すことによって、及び/又は、環状隆起部の内側への潰れを引き起こすことによって、不正開封防止バンドの閉じた環状の形状を維持するバンド離脱手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、非限定的な例によってそのいくつかの実施形態を示す添付図面を参照して、よりよく理解し、実施することができる。
図1】測定装置の一例の正面部分を示す斜視図である。
図2図1の測定装置の後方部分を示す斜視図である。
図3図1の測定装置の正面図である。
図4図1の測定装置のIV-IV線断面図である。
図4a図4の詳細拡大図Tである。
図5図1の測定装置の力検出ユニットを示すためにカバーを取り外した状態の斜視図である。
図6】力検出ユニットの一部と、カプセルの連結要素の引離し力を測定するために引張力を受けたカプセルの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第1の例示的なシーケンスのステップを示す。
図7】力検出ユニットの一部と、カプセルの連結要素の引離し力を測定するために引張力を受けたカプセルの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第1の例示的なシーケンスのステップを示す。
図8】力検出ユニットの一部と、カプセルの連結要素の引離し力を測定するために引張力を受けたカプセルの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第1の例示的なシーケンスのステップを示す。
図9】力検出ユニットの一部の断面図であり、カプセルの連結要素の引離し力を測定するために引張力を受けたカプセルと、カプセルの特徴を検出するように適合された視覚システムの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第2の例示的なシーケンスのステップを示す。
図10】力検出ユニットの一部の断面図であり、カプセルの連結要素の引離し力を測定するために引張力を受けたカプセルと、カプセルの特徴を検出するように適合された視覚システムの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第2の例示的なシーケンスのステップを示す。
図11図8-10の視覚システムを介して取得したカプセルの不正開封防止バンドの画像である。
図12】第3の実施例による力検出ユニットの一部と、カプセルの連結要素の引離し力を検査するために引張力を受けたカプセルの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第3の例示的なシーケンスのステップを示す。
図13】第3の実施例による力検出ユニットの一部と、カプセルの連結要素の引離し力を検査するために引張力を受けたカプセルの断面図である。連結要素の引離し力を検出するための第3の例示的なシーケンスのステップを示す。
図14図1の測定装置に実装可能な、カプセルのテザー要素の引離し力を検出するための第1のモードを示す。
図15図1の測定装置に実装可能な、カプセルのテザー要素の引離し力を検出するための第2のモードを示す。
図16】本発明に係る測定装置によって検出された引離し力の傾向を示すグラフであり、第1のカプセルが引張試験を受ける際に第1の検出方法及び第2の検出方法により検出された引離し力の傾向を示すグラフでもある。
図16a】第1カプセルの例を示す図である。
図17】本発明に係る測定装置によって検出された引離し力の傾向、及び第2のカプセルが引張試験を受けたときに第1の検出方法及び第2の検出方法により検出された引離し力の傾向を示すグラフである。
図17a】第2のカプセルの一例を示す図である。
図18】第1の検出方法及び第2の検出方法によってカプセルに作用する力の方向と感覚を、カプセルが取り付けられているボトルに対して示したものである。
図19】本発明に従って実装された別の例示的な測定装置の概略を示す垂直立面図である。
図20】本発明に従って実装された別の例示的な測定装置の透視図(左側)及び垂直立面図(右側)を模式的に示す。
図21】本発明に従って実装された別の例示的な測定装置の斜視図を模式的に示す。
図22】不正開封防止バンド連結構成(左側)及び不正開封防止バンド解除構成(右側)における、図21の装置の詳細の垂直立面図である。
図23】本発明に従って実装された別の例示的な測定装置の、不正開封防止バンド連結構成(左側)及び不正開封防止バンド解除構成(右側)の垂直立面図を模式的に示す。
図24図23の装置の詳細を示す斜視図である。
図25】保証バンドが結合された状態にある本発明に従って作られた測定装置の別の例の垂直断面の詳細を示す。
図26】保証バンドが解放された状態にある図25の測定装置の詳細を示す。
図27図25の測定装置の構成部分の斜視図である。
図28図25の測定装置の構成部分の別の斜視図である。
図29】押圧手段が持ち上がった(raised)状態にある、本発明に従って作られた測定装置の別の例の垂直断面図である。
図30】押圧手段が降下した状態にある、図29の垂直断面図である。
図31】本発明に係る測定装置の別の例の垂直立面図である。
図32図31のXXXII-XXXII線断面図である。
図33図32の拡大細部を示す。
図34】前述の測定装置のいずれかを含む生産ラインのレイアウトの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前記図面において、異なる実施形態の同様の要素は、簡単のために、同じ番号を付して示されている。
【0023】
前述の図を参照すると、PFM(Pull Force Machine)とも呼ばれる測定装置が、全体として参照符号1で示されており、カプセル又はクロージャ200(図6)が備える連結要素201(図6及び図8)の引離し力(pull-off force)を測定するように配置されている。具体的には、測定装置1は、カプセル200、ひいては連結要素201に引張力(tensile force)を付与することにより、連結要素201の引離し力を測定する。カプセル200はプラスチック材料で形成され、例えば、ボトル等の容器を閉鎖するために使用される種類のものである。連結要素201は、カプセル200が備える円筒形等の側壁202の一部を、カプセル200に設けた略環状である不正開封防止バンドつまり安全リング203の一部に連結するように設けられている。不正開封防止バンド203は、製品が容器に完全包装されているという情報をユーザに提供するのに適している。具体的には、連結要素201は、(図6及び図9に模式的に示す)ブリッジ要素つまりブリッジ201a、すなわちカプセル200が適用された容器の最初の開封中にユーザによって破壊されることを意図したプラスチック材料からなる要素、及び/又は、対照的に、容器が開封された後でもカプセル200をその不正開封防止バンド203に保持することができる、少なくとも1つのテザー要素201b(図8図13図14図15)である。カプセル200はさらに、側壁202の横方向に延びる端壁204を備える。カプセル200は、側壁202及び端壁204によって画定されるカップ状本体210を備える。側壁202は、端壁に設けた閉鎖端205と、不正開封防止バンド203に設けた開放端206とを備える。一端、特に閉鎖端205では、端壁204が側壁202の境界を定める。端壁204には、ボトルに収容された製品を外部環境から隔離することができるシール要素207が設けられている。シール要素207は、端壁204の底面214から突出するほぼ環状の形状であればよい。シール要素207は、カプセル200の内部、すなわちカプセル200の長軸Aに向かう内側シール面215を備える。側壁202は、ユーザがカップ状本体210をより容易に把持して、その上/下にねじ込む/外すことを可能にするローレット領域209を有する外側面208を備える。側壁202はさらに、ボトルの外ねじと螺合する内ねじ217を有する内側側面216を備える。
【0024】
不正開封防止バンド203は、端壁204とは反対側のカップ状本体210の縁部211に係合する。カップ状本体210と不正開封防止バンド203との間には、連結要素201によって間隔を空けて配置された複数の切れ目又は開口部を備える分離線が形成されている。保持要素213は、不正開封防止バンド203の内側環状表面212から、カプセル200の長軸Aに向かって略径方向に突出し、使用時に、ボトルの環状隆起部と相互作用して不正開封防止バンド203を軸方向に保持するのに適している。言い換えれば、保持要素213は、容器の最初の開封中にカプセル200が口から外されると、不正開封防止バンド203が長軸Aに対して平行に移動することを実質的に阻止するように作用することにより連結要素201の破壊を促進し、カップ状本体210から不正開封防止バンド203を分離可能とする。
【0025】
測定装置1は、ユーザが最初にボトルを開けるとき、カプセル200のねじを外さずに行う動作をシミュレートすることによって、連結要素201の引離し力を測定するように設けられている。実際に、カプセル200は、以下に詳述するように、引張力を受けることにより測定装置1で検査される。測定装置1は、静止面3(図3)、例えば、実験室の床又は容器を閉鎖するカプセル200の製造のための工場の床、に静止状態で配置されるフレーム2を備える。フレーム2には、測定装置1を静止面3に静止させるための支持手段4が設けられている。支持手段4は、複数の脚部5及び足部6から構成してもよく、各足部6は、一方の側では各脚部に連結され、他方の側では静止面3に連結される。特に図1図2、及び図3を参照すると、フレーム2は、支持手段4に取り付けた下方部7と、下方部7よりも静止面3から離間した位置に取り付けた上方部8とを備える。下方部7と上方部8は、下方部7の上縁に取り付けた支持プレート9によって分離されている。測定装置1は、下方部7の上壁11に取り付けた制御パネル10を備える。この制御パネルは、特に、測定装置1の垂直軸V(図3)に対して傾斜している。このような垂直軸Vは、静止面3に対してほぼ直角である。制御パネル10は、オペレータが測定装置1と対話できるように設けられている。例えば、オペレータは、制御パネル10を介して、測定装置1の構成要素を操作することができる。この目的のために、制御パネル10は、特にタッチスクリーンタイプのインターフェースパネル12を備え、グラフィカルインターフェースが実装されるディスプレイ等の表示装置13を含み、オペレータはこれを通して測定装置1の構成要素と対話する。制御パネル10はさらに、特にタッチスクリーンタイプの追加のインターフェースパネル14を備えてもよく、ディスプレイ等の追加の表示装置15を備え、その上に追加のグラフィカルインターフェースを実装してもよく、それを通してオペレータは、以下に詳述するように、測定装置1の追加の構成要素、例えば、測定装置1の力センサと対話する。制御パネル10はさらに、特に機械的なタイプの複数の押しボタンからなる押しボタン手段16を備えてもよい。例えば、測定装置1が緊急状態を経験した場合、測定装置の1以上の構成要素が適切に機能しない場合、測定装置1の構成要素に対して実施されるべき保守介入の場合、又は、緊急状態の後に操作されるリセットボタンの場合に操作されるマッシュルームヘッドボタンを設けるようにしてもよい。制御パネル10はさらに、力センサ連結ソケット17を備えてもよい。連結ソケット17は、力センサによって検出されたデータを格納するUSBタイプの電子デバイスを受け入れるように形成してもよい。フレーム2の下方部7はさらに、測定装置1の主電源スイッチ19が取り付けられる前壁18を備える。この主電源スイッチ19は、測定装置1の電気/電子部品に電圧を印加するために、すなわちそれらに電力を供給するために操作してもよい。さらに、測定装置1の電気/電子部品が電源に連結されていることを示す表示灯20を前部18に取り付けてもよい。フレーム2の下方部7は、回転軸Rの周りで回転可能となるように、特に少なくとも1つのヒンジ24を介して縁部23に沿ってヒンジ結合された開閉可能なパネル22を有する第1側壁21をさらに備える。最後に、フレーム2の下方部7は、第1側壁21とは反対側の第2側部25と、上壁11及び前壁18とは反対側の後壁26と、支持プレート9とは反対側の底壁27とを備える。第2側部25には、開閉可能なパネル22と同様な開閉可能な追加パネル39を設けてもよい。
【0026】
上壁11、前壁18、第1側壁21、第2側部25、後壁26、底壁27及び支持プレート9は、測定装置1のいくつかの電子/電気部品を収容するように配置されたチャンバ28を画定する。底壁27上には容器29を配置してもよい。この容器は、使用中に測定装置1内で引張力を受けたカプセル200を、特に重力によって受けるのに適している。上方部8は、支持プレート9の取付側に、ほぼ開放された箱状のケーシング30を備える。ケーシング30は、測定装置1に近接し、測定装置1の突出部及び下動部に接触するリスクにさらされるオペレータを保護する物理的バリアとして機能する。ケーシング30及び支持プレート9は、測定装置1のいくつかの電子/電気/機械部品を収容するように設けたハウジング31と、測定装置1の作業領域とを区画する。ケーシング30は、オペレータが測定装置1の可動部が機能しているのを目視できるように、透明なプラスチック材料(図4)で形成してもよい。ケーシング30の一方の側部32には、特にドア33が設けられ、オペレータが測定装置1の可動部にアクセスできるように、例えばメンテナンスを行うために、追加ヒンジ35を介して追加縁部34に沿ってその回転軸Bの周りで回転可能にヒンジ結合されている。ケーシング30の追加側面37には、ドア33と同様の追加ドア36を設けてもよい。
【0027】
測定装置1は、フレーム2、特に上方部8の天井部分に取り付けられ、測定装置1の状態をオペレータに表示するための状態表示手段38を備えてもよい。例えば、状態表示手段38は、1以上の光源からなり、放出される光の色が測定装置1の状態を示す。特に、赤色の光は、例えば、測定装置1の1以上の構成要素の誤動作に起因する測定装置1の緊急状態に関係する一方、緑色の光は、測定装置1の動作状態、すなわち、測定装置1が適切に機能するときに関係する。
【0028】
特に図4図4a及び図5を参照すると、測定装置1は、検出ユニット40自体によって、カプセル200が受ける複数の引張力の値を測定することにより、連結要素201の引離し力を得るように設けた検出ユニット40をさらに備える。検出ユニット40は、特に環状の隆起部42を有する中空の把持スピンドル41を備える。隆起部42には、引張力を受けるカプセル200が連結可能である。使用時、隆起部42は、カプセル200の保持要素213と相互作用して、カプセル200の不正開封防止バンド203を軸方向に保持し、ひいてはカプセル200自体を保持するように構成されている。カプセル200の不正開封防止バンド203が連結される中空把持スピンドル41は、カプセル200が取り付けられるボトルのネック部によって提供される把持状態(握りgrip)をシミュレートする。中空把持スピンドル41は、ほぼ管状の形状をしている。使用時には、カプセル200は、中空把持スピンドル41の端部47に連結される。中空把持スピンドル41は、検出ユニット40の支持構造体43(例えば図5に示す)に固定されている。この支持構造体43は、支持プレート9の面44の一部に取り付けられている。支持構造体43は、例えば、門型の形状を有し、例えば、アルミニウム等の金属材料で構成されている。面44は、検出ユニット40のワークトップ(worktop)を構成する。
【0029】
検出ユニット40は、カプセル200の内面の少なくとも一部分と相互作用するように設けた押圧手段45をさらに備える。カプセル200の内面は、平坦な表面であってもよいし、略L字型であってもよい。カプセル200の内面は、端壁204の底面214及び/又はシール要素207の内側シール面215を備えてもよい。押圧手段45は、破壊方向Dに沿って移動可能であり、カプセル200を中空把持スピンドル41に取り付けたとき、カプセル200の連結要素201を破壊させるように、カプセル200、特にカプセル200の内面の少なくとも一部分に力を作用させるために、上から下に、すなわち静止面3に近づくように設けられている。図4図7図8及び図9に矢印で示す破壊方向Dは、測定装置1の垂直軸Vとほぼ平行であり、支持プレート9の面44にほぼ垂直である。押圧手段45は、押圧手段45が連結されるアクチュエータ、すなわちリニアアクチュエータ等の移動装置48によって、破壊方向Dに沿って移動可能である。移動装置48は、検出ユニット40の支持構造体43に取り付けられている。使用時には、押圧手段45は、中空の把持スピンドル41の内部に得られる長尺キャビティ内をスライドして、カプセル200の内面の少なくとも一部で停止して押し付けるように形成されている。その後、押圧手段45は、中空把持スピンドル41の端部47を過ぎて移動を続け、検査されるカプセル200が備える全てのブリッジ要素201a、次いで1以上のテザー要素201bを順次、破壊する。
【0030】
検出ユニット40はさらに、押圧手段45と連携するセンサ手段49を備え、破壊方向Dに沿って移動する際に押圧手段45がカプセル200の内面の少なくとも一部に作用する力の値、結果的に、連結要素201に作用する力の値を検出する。センサ手段49は、特に、押圧手段45によって印加された力がカプセル200の連結要素201に生じる変形に比例した測定信号、例えば、張力又は力の値等、特に電気的な測定信号を検出するように構成されている。電気的な測定信号が力の値ではなく、例えば張力の値である場合、測定装置1の処理・制御ユニットはそれを力の値に変換する。具体的には、センサ手段49は、連結要素201が受ける複数の引張力の力値を検出し、各力値は、押圧手段45の破壊方向Dに沿った移動に関連付けられる。センサ手段49は、力センサ手段、圧力センサ手段又は電力手段で構成してもよい。例えば、センサ手段49はロードセルを備える。
【0031】
破壊方向Dに沿った押圧手段45の移動と同時に、センサ手段49は、カプセル200に付加された力の値を検出し、場合によっては、測定装置1の処理・制御ユニットのメモリに格納する。検出された複数の力値は、USBタイプの電子記憶装置の端部を連結ソケット17に挿入することにより電子記憶装置に転送してもよい。これに加えて又はこれに代えて、検出された複数の力値は、例えば、イーサネットケーブルを介して、カプセル処理ラインの主制御装置(PLC)に自動転送してもよい。一例では、押圧手段45は、略円筒形のプッシャーを備える。
【0032】
検査されるカプセル200は、手動、又は有利には測定装置1の持上当接装置50によって検出ユニット40に供給される。持上当接装置50は、カプセル200の端壁204の外面218の領域を静止した状態で受けるように配置した当接面51を備え、さらに、図4図6図9及び図10に矢印で示す供給方向Sに沿って端壁204の外面218の領域を押圧してカプセル200を検出ユニット40に供給するように配置されている。供給方向Sは、静止面3及び支持プレート9の面44に対してほぼ垂直である。具体的には、使用時には、保持要素213が隆起部42に係合するまでは、供給方向Sに沿って持上当接装置50を移動させることにより、カプセル200を中空把持スピンドル41に保持する。カプセル200を検出ユニット40に供給するために、持上当接装置50は、特に、当接面51が面44の下方に位置する図4及び図4aに示す下降・非動作位置Nと、当接面51が面44の上方に位置する図6及び図10に示す供給位置Pとの間を移動可能であり、カプセル200の隆起部への連結が保証されるように、面44から距離を置いて配置される。供給位置Pにおいて、当接面51は、カプセル200の長軸Aにほぼ平行な方向に沿って測定される端壁204の厚さ、又は端壁204及び存在する場合にはシール要素207の厚さ分、端部47からずれていてもよい。下降位置N及び供給位置Pは、持上当接装置50の移動行程の両端にある。当接面51は、持上当接装置50の端部にあり、平坦であってもよい。使用時には、連結要素201を破壊する引張力が作用しているときにカプセル200が傾斜することを制限又は回避するため、当接面51はさらに、端壁204の外面218の少なくとも1つの領域と協働するようになっている。すなわち、カプセル200が、その長軸A(カプセル200が中空把持スピンドル41に取り付けられたときのもの)、又は中空把持スピンドル41のキャビティ46の長軸Gに対して傾いた場合、カプセル200が中空把持スピンドル41の隆起部42に連結された後に引張力が作用する。
【0033】
使用時には、カプセル200を中空把持スピンドル41の端部47に連結した後にカプセル200の傾きを制限又は回避するために、持上当接装置50は動作方向Oに沿って設定部(図7及び図12)を移動するように操作され、当接面51と外面218(又は押圧面52)との間に、動作方向Oに沿って測定された設定部の長さに対応する設定距離Xが維持されるようにしている。設定距離Xは、0.5mm以上1mm以下の範囲であればよい。動作方向Oは、端壁204の外面218から離れる、すなわち面44及び静止面3に近づく、供給方向Sとほぼ平行で反対方向の少なくとも1つのベクトル成分を有していてもよい。動作方向Oは、破壊方向Dにほぼ平行で、それと一致する少なくとも1つのベクトル成分をさらに有していてもよい。
【0034】
押圧手段45が破壊方向Dに沿って移動し、同時にカプセル200に力を加えると、持上当接装置50は、第1部分において、具体的には全てのブリッジ要素201aが破壊されるまで、設定距離Xに等しい設定距離を維持するように、動作方向Oに沿って移動する。例えば、この状態は、押圧手段45によって付与され、センサ手段49によって測定された力の値が、最大値に到達した後、減少し始めたときに生じる可能性がある。言い換えれば、第1部分に沿って、持上当接装置50の当接面51、及び押圧手段45の押圧面52は、相対的な動きによって移動せず、同時に、特にほぼ同じ速度で移動するため相対的に静止する。次に、持上当接装置50は、動作方向Oに沿って更なる部分を移動し、押圧手段45は、カプセル200の内面と相互作用して、存在する場合にはテザー要素201bを破壊するために、破壊方向Dに沿って動作する。この場合も、更なる設定距離Yが維持される。これは例えば、持上当接装置50及び押圧手段45の(更なる部分に続く)第2の移動部分についての、当接面51と端壁204(又は当接面52)の外面218との間の設定距離Xに対応するもので、すなわち全てのテザー要素201bが破壊されるまで設定距離Yは維持される。例えば、この状態は、押圧手段45によって付与され、センサ手段49によって測定された力の値が、最大値に達した後に減少し始めたときに生じる可能性がある。言い換えれば、第2部分に沿っても、持上当接装置50の当接面51、及び押圧手段45の押圧面52は、相対的な動きによって移動しないが、同時に、特にほぼ同じ速度で移動するので相対的に静止している。
【0035】
カプセル200が転倒したとき、すなわちカプセル200が中空把持スピンドル41の長尺キャビティ46の長軸Gに対して傾斜したとき、当接面51と表面214には設定距離Xは維持されない。これは、カプセル200の回転、及びその結果としての端壁204の回転によって、端壁204が中空把持スピンドル41の長尺キャビティ46の長軸に対してほぼ垂直なままである場合の通常想定される位置を超えて外面218の領域が延びるからである。このように、当接面51は、外面218の領域に当接させることができ、したがって、当接面52が位置する平面と、端壁204が位置する平面とが、特に75°よりも大きい角度をなす場合に生じるカプセル200の過剰な回転を防止することができる。カプセル200の傾斜は、全てのブリッジ要素201aがほぼ同時に破壊されないときに発生し、全てのブリッジ要素201aが一旦破壊されると、不正開封防止バンド203はテザー要素201bによって側壁202に固定されたままとなる。カプセル200の過度の回転は、押圧手段45がカプセル200の内面に当接せず、連結要素201が破壊しないことを意味する。設定距離X及び追加距離は、当接面51がカプセル200の端壁204の外面218と協働することを保証するように選択される。したがって、持上当接装置50により、当接面51がない場合のカプセル200の傾きが制限又は回避されるので、検査されるカプセル200すなわち歪みを受けるカプセル200の連結要素201に作用する力の信頼できる測定が保証される。これにより、全ての連結要素201が、まず引張力を受け、次に引離し力(pull-off force)を受けることが保証される。
【0036】
持上当接装置50は、特に円筒形の持上要素53、例えばピストンと、持上要素53を供給方向Sに沿って、又は動作方向Oに沿って交互に移動させるように配置された、既存タイプの駆動装置54、例えばリニアアクチュエータとを備える。測定装置1は、持上当接装置50が下降位置Nにあるときに、検査されるカプセル200を当接面51の上方に位置決めするために配置されたカプセル位置決め装置55をさらに備えてもよい。カプセル位置決め装置55は、支持プレート9の面44に取り付けた、回転軸Mの周りに回転可能な回転ディスク56を備える。回転ディスク56は、検査されるカプセル200を、開放端206を上向きに、つまり閉鎖端205を静止面3に向けた状態で収容する形状の座部57を備える。座部57のサイズは、回転ディスク56の回転中にカプセル200が座部57自体の中で動かない、又は限られたクリアランスで動くように選択されることにより、当接面51上方の最適な位置を確保することができる。回転ディスク56は、座部57内に位置し、検査されるカプセル200を受け取り、座部57に供給するように配置された第1端と、第1端の反対側に位置し、検査されるカプセル200のための入口を設けた第2端とを有する入口チャネル60をさらに備えてもよい。カプセル200は使用時に、入口チャネル60の入口に挿入され、座部57に到達するまで入口チャネル60の底面を滑る。
【0037】
カプセル位置決め装置55はさらに、回転ディスク56に取り外し可能に取り付けたカバー58を備えてもよい。このカバーには、回転ディスク56の回転中に、カプセル200がシート57に挿入されたときにカプセル200を目視することができる貫通開口59を設けてもよい。回転ディスク56は使用時に、座部57が入口チャネル60の第1端に対向する図5に示す受渡位置Cと、座部57が中空把持スピンドル41とほぼ同軸である図示しない取外位置との間で、回転軸Mの周りに、具体的には図5の矢印で示す方向に回転可能である。カプセル200は、その長軸Aが、中空把持スピンドル41の長尺キャビティ46の長軸Gとほぼ平行で、特に一致している。取外位置は、受取位置Cとは正反対に位置していてもよい。カプセル200は、入口チャネル60に挿入するか、又はシート57に直接挿入することにより、手動で回転ディスク56に供給してもよい。あるいは、カプセル200は、カプセル生産工場に設けたプラグ処理ラインの一部分に、具体的には切断機の下流側で、測定装置1を連結するカプセル供給ガイド61を介して、回転ディスク56に供給してもよい。前記切断機は、カプセル200に彫り刻むようになっており、特に、不正開封防止バンド203及び1以上の連結要素201が前記側壁202に得られるように、カプセル200の側壁202を切断するようになっている。実際、カプセル供給ガイド61は、一方は入口チャネル60(第2端)又は入口チャネル60がない場合には座部57に連結され、他方はカプセル処理ラインの前記部分に連結され、その近くには、ラインの前記部分に沿って通過するカプセル200と相互作用してその経路を供給ガイド61に沿って偏向させ、次いでカプセル位置決め装置55に向かうように配置された、例えば回転可能なロッドからなる偏向装置が設けられている。カプセル供給ガイド61は、面44に部分的に取り付けられている。ケーシング30のパネル、具体的には上方部8のリアパネル62には、カプセル供給ガイド61の面44への取り付けを可能にする貫通孔63が設けられている。カプセル供給ガイド61は断面多角形であってもよい。測定装置1がカプセル供給ガイド61を備える場合、検査されるカプセル200が処理ラインから自動的に取り出される。したがって、カプセル供給ガイド61により、測定装置1がカプセル処理ライン200の一部を形成してもよい。
【0038】
測定装置で順次検査される個々のカプセル200又はカプセル200のグループのいずれか一方を、処理ラインから自動的に取り出してもよい。例えば、カプセル200のグループにおけるカプセル200の数は、切断機のスピンドルの数と一致していてもよい。供給ラインから取り出すカプセル200の数は、カプセル処理ラインの主制御装置(PLC)と対話可能な処理・制御ユニットによってプログラムしてもよい。また、測定装置1をスタンドアローンで、すなわちプラグ処理ラインから切り離して使用してもよい。その場合、測定装置1は、連結要素201の引離し力を検査するための実験機として採用される。
【0039】
測定装置1は、連結要素201の引離し力の測定終了時、すなわち全ての連結要素201が破壊された時に、隆起部42に取り付けたままの不正開封防止バンド203の一部を切断するように構成された切断装置64をさらに備える。切断装置64は、ナイフ65(図4及び図4a)と、クロスカット、すなわち、不正開封防止バンド203の一部が中空の把持スピンドル41から分離し、測定装置1の垂直軸Vと垂直にならないように切断するために、ナイフを不正開封防止バンド203の一部に接近するように配置した、例えばリニアアクチュエータ等のアクチュエータ装置66(図4及び図5)とを備える。不正開封防止バンド203の一部が把持スピンドル41から分離されると、例えば、図示しない圧縮空気チャネルに取り付けたノズルによって生成されるエアブローによって、カプセル200(カップ状本体210及び不正開封防止バンド203)は、容器29の上方に位置する端部を有する排出パイプ67に導かれる(図4)。排出パイプ67は、検査されたカプセル200が重力によって容器29内に落下し、排出パイプ67自体の内表面の一部と相互作用する可能性があるように形成されている。エアブローにより、検査されたカプセル200は検出ユニット40から自動的に排出される。
【0040】
測定装置1の第1実施形態に係る力検出ユニット40の一部と、連結要素201の引離し力を検出するためのシーケンスの第1実施例のいくつかのステップとを特に示す図6から図8を参照すると、押圧手段45は、同軸上に配置した第1プッシャー70と第2プッシャー71とを備え、移動装置48の第1アクチュエータ及び移動装置48の追加のアクチュエータによって破壊方向Dに沿って移動されたときに、ブリッジ要素201a及びテザー要素201bのそれぞれの引離し力を検出するように構成されている。第1プッシャー70はほぼ中空円筒に形成され、第2プッシャー71は、第1プッシャー70にスライド可能に配置されている。具体的には、長尺開口部79が第1プッシャー70に設けられ、第2プッシャー71は第1プッシャー70で摺動可能となっている。第2プッシャー71は、ほぼ円筒形の形状を有するシャフト72と、シャフト72の端部に結合された、特に鈍い先端を有するテーパ状の端部73とを備える。この第1実施形態では、押圧手段45の押圧面52は、第1プッシャー70の押圧面を備える。この押圧面は、使用時に、端壁204の底面214の一部に押し付けられるようになっている(図6及び図7)。押圧手段45の押圧面52は、テーパ状の端部73に設けた第2プッシャー71の押圧面をさらに備える。このプッシャー71は使用時、端壁204の底面214の一部(図8)を押圧するだけではなく、シール要素207が存在する場合にはシール要素207の内側シール面215の一部に対して、又はカプセル200にシール要素207が設けられていない場合には側壁202の内側側面216の一部を押圧するようになっている。第2プッシャー71のテーパ状の端部73は、内面のL字型部分に係合して押圧するように形成されるのが好適であり、一方の側面は底面214に配置され、他方の側面は内側シール面215上又は内側側面216に配置されている。この第1実施形態では、センサ手段49は、引張力を受けたときにカプセル200のブリッジ要素201a及びテザー要素201bにそれぞれ作用する力の値を検出するために、第1プッシャー70に連結されたロードセル等の第1力センサと、第2プッシャー71に連結されたロードセル等の第2力センサとを備える。
【0041】
測定装置1の第2実施形態に係る力検出ユニット40の一部と、連結要素の引離し力を検出するためのシーケンスの第2実施例のいくつかのステップとを示す図9図10図12及び図13を特に参照すると、押圧手段45は、ほぼ円筒形の第1部分74と、中空の把持スピンドル41の長尺キャビティ46の長軸Gに対してほぼ垂直なヒンジ軸Hの周りで回転可能なように第1部分74にヒンジ結合された、同じく円筒形の第2部分75とを備える。言い換えれば、第2部分75は、第1部分74に対して関節結合されている。第1部分74及び第2部分75は使用時、特に図9図10及び図12に示す整列構成Eを最初にとる。この整列構成Eでは、測定装置1が動作していないときに、長尺キャビティ46の長軸Gにほぼ平行、又はそれと一致する軸に沿って第1部分74及び第2部分75が整列する。押圧手段45を破壊方向Dに沿って移動させることによって、最初にブリッジ要素201a(図12)を変形させ、次いで破壊させるために、端壁204の底面214の一部を押圧する。破壊方向Dに沿った押圧手段45の移動と同時に、センサ手段49は、カプセル200に付与する力の値を検出し、場合によってはメモリに格納する。(検出された力の値が減少したことと一致する)全てのブリッジ要素201aが破壊した時点で、押圧手段45が破壊方向Dに沿って再び操作され、破壊方向Dに沿って移動を続けることにより、第2部分75の端部が、端壁204の底面214の一部と、シール要素207の内側シール面215の一部(シール要素207が存在しない場合は内側側面216の一部)とに係合する。このような部分は、少なくとも1つのテザー要素201bが、不正開封防止バンド203を中空把持スピンドル41に片側で固定したまま、第2部分75を回転で引きずっているので、(カプセル200が中空把持スピンドル41に取り付けられている場合)カプセル200の長軸A、又は中空把持スピンドル41のキャビティ46の長軸Gに対して傾斜する。言い換えれば、第2部分75は、ヒンジ軸Hを中心に回転する。これに対し、第1部分74は、回転せず、その長軸が中空把持スピンドル41のキャビティ46の長軸Gとほぼ平行なままである。したがって、第1部分74及び第2部分75は、第2部分75が第1部分74の長軸に対してもはや整列していないが傾斜する長軸を有する傾斜構成Fをとる。第2部分75が下がると、カプセル200の内側に力を加え続けることにより、少なくとも1つのテザー要素201bの破壊にもつながる。破壊方向Dに沿った押圧手段45の移動と同時に、センサ手段49は、カプセル200に加えられた力の値を検出し、場合によってはメモリに保存する。またこの場合、第2部分75の端部は、内面のL字型部分に係合して押し付けるように形成されるのが有効であり、一方の側面は底面214上に配置され、他方の側面は内側シール面215又は内側側面216上に配置されている。
【0042】
この第2実施形態では、測定装置1は、検査されるカプセル200の画像、すなわち、カプセル200が引張試験を受けるときに側壁202から分離される前の、具体的にはカプセル200が中空把持スピンドル41に連結される前の、不正開封防止バンド203の画像を取得するように配置された視覚システム76を備える。図11は、視覚システム76によって検出された画像例を示す。例えば、視覚システム76は、ビデオカメラ、特にリニアカメラで構成してもよい。このように、視覚システム76により、視覚システム76のフレーム内にある不正開封防止バンド203の少なくとも一部の画像を評価することにより、対象となるカプセル76上で切断機によって行われる切断の品質を評価することができる。この第2実施形態では、持上当接装置50は、検査対象のカプセル200を固定するように、側壁202の外側側面208に係合するように配置した係合溝77を当接面51に備える。例えば、係合溝77は、カプセル200のローレット領域209と係合するように形成された係合領域78を備えてもよい。本実施形態では、駆動装置54は、持上当接装置50の並進だけでなく、面44にほぼ垂直な回転軸Lを周りの回転も可能にする。図示されていない変形例によれば、検査されるカプセル200は、既存タイプの真空システムを介して、持上当接装置50の当接面51に固定される。
【0043】
持上当接装置50の回転により、視覚システム76の視覚野に直接落下していないものを含めて、不正開封防止バンド203のいくつかの部分の画像を評価することができる。このようにして、不正開封防止バンド203の全長を検査することが可能である。さらに、カプセル200が引張力を受ける前に、少なくとも1つのテザー要素201bの位置に応じて、カプセル200に角度を付けてもよい。視覚システム76により、ブリッジ要素201aのサイズ、それらの角度分布、切断の規則性、及び切断の位置を決定することも可能である。
【0044】
上述の測定装置1の操作は、
カプセル200を検出ユニット40に供給するステップと、
保持要素213が前記隆起部42に係合することにより、カプセル200を中空把持スピンドル41に連結するステップと、
押圧手段45を介してカプセル200に引張力を付与し、センサ手段49を介して、前記連結要素201が受ける変形に比例した電気信号を検出するステップと、
持上当接装置50を動作方向Oに沿って移動させ、押圧手段45を破壊方向Dに沿って同時に、特に同じ速度で移動させ、当接面51が端壁204の外面218から設定距離X、Yに維持されるようにし、当接面51は端壁204の外面218と協働して、引張力の印加中にカプセル200が過度に傾斜するのを打ち消すステップと、
を備える測定方法を実行させる。
【0045】
カプセル200を供給するステップは、持上降装置50が下降位置Nにあるとき、開放端206が上方を向いているカプセル200を当接面51の上方に配置するステップと、続いて持上当接装置50を供給方向Sに沿って保持要素213が隆起部42に係合することによりカプセル200が中空把持スピンドル41に連結される供給位置Pまで移動させるステップとを備える(図6)。カプセル200を当接面51の上方に配置するステップは、特に順次、回転ディスク56を受取位置Cに提供するステップと、カプセル200を回転ディスク56のシート57に挿入するステップと、カプセル200がその長軸Aを中空把持スピンドル41の長尺キャビティ46の長軸Gとほぼ一致させ、かつシート57の軸とほぼ一致させる取外し位置に到達するまで、回転ディスク56を、回転軸Mを中心として特にほぼ180°回転させるステプと、をさらに備えることができる。カプセル200を当接面51の上方に配置するステップは、カプセル200をカプセル処理ラインの一部から、カプセル供給ガイド61を介して取り出し、カプセル200を座部57に供給するステップをさらに備えてもよい。前記測定方法は、当接面51と端壁204の外面218とが設定距離Xだけ離間するまで、一部の間、持上当接装置50を動作方向Oに沿って移動させるステップをさらに備える(図7及び図12)。前記測定方法は、連結要素201の引離し力を測定するステップをさらに備え、このステップは、押圧手段45を破壊方向Dに沿って移動させ、カプセル200の内側に引張力を作用させてブリッジ要素201aを破壊するステップと、前記設定距離Xを維持しながら、持上当接装置50を動作方向Oに沿って第1部分のために移動させるステップと、を備える。連結要素201の引離し力を測定するステップは、センサ手段49を介して、押圧手段45を破壊方向Dに沿って移動させるのと同時に、特に押圧手段45がカプセル200の内面に力を加え始めた時から、カプセル200、ひいては連結要素201に作用する引張力の値を常に検出するステップをさらに備える。前記引張力の値を検出するステップは、ブリッジ要素201aの引離し力の値を計算することからなり、ブリッジ要素201aの引離し力の値は、特に第1部分の間に検出される第1最大力の値と一致する。設定距離Xは、全てのブリッジ要素201aが破壊されるまで、すなわち、センサ手段49がブリッジ要素201aの引離し力を検出するまで維持される。前記測定方法は、さらに第1部分の間に持上当接装置50を動作方向Oに沿って移動させて、端壁204の当接面51と外面218とが、設定距離Xと同じでも異なってもよい追加設定距離Yだけ離間するまで測定するステップをさらに備える。連結要素201の引離し力を測定するステップは、テザー要素201bを破壊すべくカプセル200の内面に引張力を作用させるために、押圧手段45を破壊方向Dに沿ってさらに移動させるステップと、その間、追加設定距離Yが維持される第2部分のために、持上当接装置50を動作方向Oに沿って移動させるステップとをさらに備える(図8及び図13)。連結要素201の引離し力を測定するステップは、押圧手段45を破壊方向Dに沿って移動させるのと同時に、センサ手段49を介して、カプセル200、ひいては連結要素201に作用する引張力の値を常時検出するステップをさらに備える。引張力の値を検出するステップは、テザー要素201bの引離し力の値を計算するステップを備え、テザー要素201bの引離し力の値は、特に第2部分の間に検出される第1最大力の値の後に検出される第2最大力の値と一致する。追加設定距離Yは、全てのテザー要素201bが破壊されるまで、すなわち、センサ手段49がテザー要素201bの引離し力を検出するまで維持される。第1部分の間、設定距離Xを維持し、第2部分の間、追加設定距離Yを維持することで、前記引張力の付与中にカプセル200が傾斜しないようにすることができる。これは、カプセル200が僅かに傾斜すれば、当接面51が端壁204の外面218の少なくとも1つの領域と協働することにより、連結要素201の引離し力の測定を妨げる過度の傾きを防止することができるからである。測定装置1の第1実施形態を参照すると、押圧手段45を破壊方向Dに沿って移動させるステップは、ブリッジ要素201aを破壊するためにカプセル200の端壁204の底面214の一部に引張力を作用させるために、第1プッシャー70を破壊方向Dに沿って移動させる一方、第2プッシャー71をカプセル200の長軸Aとほぼ同軸である所定の位置に維持する第1ステップを備えてもよい(図7)。押圧手段45を破壊方向Dに沿って移動させるステップは、第1ステップに続く第2ステップを備える。第2ステップは、第2プッシャー71を破壊方向Dに沿って移動させる一方、第1プッシャー70を所定の位置に維持して、テザー要素201bを破壊するために、カプセル200の端壁204の底面214の一部及びシール要素207の内側シール面215の一部に(カプセル200がシール要素207を備える場合)、又は、カプセル200の端壁204の底面214の一部及び内側側面216の一部に(カプセル200がシール要素207を備えていない場合)、引張力を作用させる第2ステップをさらに備えてもよい(図8)。測定装置1の第2実施形態を参照すると、カプセル200を中空把持スピンドル41に連結する前に、前記測定方法は、カプセル200が角度を固定され、すなわち自由に回転できないように、係合溝77にカプセル200を係合するために、端壁204に当接面51及び押圧面52が反対側の部分から当接するように、持上当接装置50及び押圧手段45を相互に接近させるステップをさらに備えてもよい(図9)。持上当接装置50と押圧手段45とを相互に接近させるステップの後、前記測定方法は、持上当接装置50をその回転軸Lの周りに回転させて、テザー要素201bの位置等のその基準要素の位置に基づいてカプセル200を方向付けるカプセル200の段階的ステップをさらに備えてもよい。前記基準要素の位置は、視覚システム76を介して不正開封防止バンド203の少なくとも1つの画像を取得することによって検出される。段階的ステップにより、カプセル200の基準要素を所望の方向に方向付けてもよい。持上当接装置50と押圧手段45とを相互に接近させるステップの後、前記測定方法は、持上当接装置50をその回転軸Lの周りで回転させ、不正開封防止バンド203の領域の少なくとも1つの画像を取得することを含む、カプセル200の検査ステップをさらに含んでもよい。持上当接装置50の回転及び少なくとも1つの画像の取得は、不正開封防止バンド203の外面全体の画像が得られるまで繰り返してもよい。カプセル200の段階的ステップ及び/又はカプセル200の検査ステップを実施した後、前記測定方法は、カプセル200を中空把持スピンドル41に連結するステップと、続く連結要素201の引離し力を測定するステップとを備え、その間、視覚システム76はオフしてもよい(図10)。検査されるカプセル200に作用する力の値、及びその結果として連結要素201に作用する力の値は、測定装置1の処理及び制御ユニットで取得され、場合によってはそこに記憶される。センサ手段49が力の値に比例する測定信号を検出すると、処理・制御ユニットは、このようにして取得した測定信号を処理して、力の値に変換する。連結要素201の引離し力を測定するステップの終わりに、前記測定方法は、切断装置64によって、隆起部42に固定されたままの不正開封防止バンド203を切断し、エアブローを使用してカプセル200を排出するステップを備えてもよい。前記測定方法はさらに、破壊方向Dに沿った押圧手段45の移動の関数として、又は時間の関数として、力の値の傾向曲線をプロットし、表示装置13に表示するステップを備えてもよい。
【0046】
図16及び図17は、それぞれ図16a及び図17aに示される第1実施例のカプセル及び第2実施例のカプセルをそれぞれ検査することにより検出された引裂値(tear-off values)つまり引離し値の傾向曲線を示す2つの実施例のグラフである。前記各グラフは、上述した測定方法を適用して測定装置1が検出した引裂値の傾向(破線で表された曲線)、第1検出モードで検出した引離し値の傾向(点線で表された曲線)、及び第2検出モードで検出した引裂値の傾向(実線で表された曲線)を示す。特に図18を参照すると、第1検出モードでは、少なくとも1つのテザー要素201bに、カプセル200の長軸Aにほぼ平行な方向(垂直方向、軸方向、又は0°)に沿って引張力が付与され、それは、検査されるカプセル200を取り付けたボトルの長軸にほぼ平行である。対照的に、第2検出モードでは、少なくとも1つのテザー要素201bに、カプセル200の長軸Aにほぼ垂直な方向(又は水平方向、径方向、又は90°方向)に沿って引張力が付与される。第1及び第2検出モードは、測定装置1(それぞれ図14及び図15)又は別の実験室の機械により実施してもよい。グラフに示す各曲線は、ブリッジ要素201aの引離し力と一致し、破壊方向Dに沿った押圧手段45の第1移動部の間に検出される第1極大点と、テザー要素201bの引離し力と一致し、破壊方向Dに沿った押圧手段45の第2移動部分の間に検出される第2極大点と、を有する。第1部分及び第2部分は、ほぼ15mmの長さである。前記測定方法は、カプセル200の生産情報を得るために、検出された力の値を分析するステップをさらに備えてもよい。この情報は、特に測定装置1がラインで使用される場合に、検査されたカプセル200が製造されたカプセル生産工場の1以上の部分に変更を加えるために使用される。具体的には、検出された力の値に対して行われた分析から、カプセル製造プラントの1以上の部品が故障しているかどうかを判断することができる。例えば、切断機に使用される切断パラメータが適切でないために、切断ブレードが摩耗しているか、故障しているかを検出することができる。その結果、摩耗したブレードを交換したり、切断機の切断パラメータを変更したりすることにより、切断動作を修正することができる。なお、力を時間の関数として図示したグラフを分析することによって、ブリッジ要素201aの伸びを決定することが可能である。したがって、異なる材料で形成されたカプセル200におけるブリッジ要素201aの伸びを比較したり、検出された伸びがその材料に対して予想される伸びから逸脱しているために、検査されたカプセル200の成形に使用された材料が適合していないかどうかを決定したりすることが可能である。言い換えれば、検出された力の値は、カプセル製造プラントの1部分の故障の状態に関連している可能性がある。
【0047】
移動可能な持上当接装置50により、測定ステップの間、当接面51は端壁204の外面218と協働して、その長軸Aに対するカプセル200の回転可能性を排除する。これにより、全ての連結要素201が破壊されていることが確実であるため、連結要素201の引離し力に信頼性の高い測定値を得ることができる。さらに、可動式の持上当接装置50及び視覚システム76により、カプセル200は適切に方向付けられ、検出ユニット40に供給することができる。押圧手段45の形状により、ブリッジ要素201a及び/又は少なくとも1つのテザー要素201bを備えたカプセル200の引離し力を検出することができる。測定装置1は、構成要素に変更を加えることなく、25mm以上38mm以下の範囲の直径と、10mm以上20mm以下の範囲の高さを有するカプセル200の連結要素201の引離し力を測定するステップをさらに備える。上述したものとは異なるサイズを有するカプセル200を検査したい場合には、カプセル200を作業位置に移動させる部品に加えて、中空把持スピンドル41のみを変更する必要がある。つまり、測定装置1は非常に汎用性が高いことが分かる。最後に、測定装置は、類似のサイズのカプセル200において、異なるタイプのバンドの連結ブリッジ要素201aの引離し力を検査することができる。
【0048】
図19から図24は、測定装置の別の4例を示す。これらの測定装置は、保証バンドを退去させるための手段が、バンドを切断する手段の代わりに、バンドの環状形状をそのままにしておく取り外し手段を備える点においてのみ、これまでの実施例の測定装置と異なるものである。
【0049】
図19の測定装置は、垂直軸を有する管状要素81(例えば、円筒形)で構成されている。具体的には、測定装置は、管状要素81の内部に軸方向に移動可能に設けた軸方向押圧要素(axial thrust element)45を備えてもよい。前述の例と同様に、軸方向押圧要素45は、カプセル200を下方に押し下げるように構成されており、カプセル200を(閉じた環状の形状を有する)不正開封防止バンド203に連結する脆弱手段201を破壊するように構成されている。
【0050】
図19から図22の実施例に示す軸方向押圧要素45は、特にこれまでの実施例のものと類似してもよい。
【0051】
具体的には、測定装置は、管状要素81から径方向に突出する環状隆起部42を備えてもよい。環状隆起部42は、特に、これまでの実施例に見られるように、軸方向押圧要素45がカプセル200を下方に押して破壊を引き起こすときに、不正開封防止バンド203を軸方向に保持する当接面として作用するように構成された少なくとも1つの反応面82を備えてもよい。具体的には、このような反応面82は、円周方向に(連続モード又は非連続モードのいずれかで)延長してもよい。
【0052】
図19から図22の実施例に示す環状隆起部42は、特に、これまでの実施例のものと同様であってよい。
【0053】
反応面82は、特に、不正開封防止バンドを軸方向に保持し、脆弱手段201の破壊を可能にするように、不正開封防止バンド203の内径よりも大きな外径を備えてもよい。
【0054】
測定装置は、特に、軸方向押圧要素45によってカプセル200に作用する少なくとも1つの力を検出するように構成されたセンサ手段49(図19から図22には示されていないが、これらの例示的な実施形態では設けられている。)を備えてもよい。したがって、図19から図22の各測定装置は、脆弱手段の引離し力を測定するためのセンサ手段を備えており、このセンサ手段は、特に、これまでの例で説明したものと同様のものであってもよい。
【0055】
図19に示す測定装置(図20から図22に示すものも同様)は、特に、簡略化のために示されていない、以前に説明した測定装置の様々な要素(全体又は一部)を備えてもよい。具体的には、図19から図22に示す例示的な測定装置が切断装置64を備えないことも可能である。以下に詳述するように、これらの例では、脆弱手段の破壊に続く不正開封防止バンドの除去、又は排出、及びその結果としてのカプセルの分離が行われるからである。その結果としてのカプセルの分離は、不正開封防止バンドを切断したり引き裂いたりすることなく、あるいはその他の方法で不正開封防止バンドを開いたりすることなく、環状隆起部42から不正開封防止バンドを離脱させるか、あるいは環状隆起部42から不正開封防止バンドを移動させることによって行われるが、バンド自体の閉じた環状の形状はそのまま残している。
【0056】
測定装置は、特に、脆弱手段201の破壊後に、環状隆起部42と不正開封防止バンド203との間に少なくとも1つの相対的な動きを引き起こすように構成されたバンド係合解除手段を備えていてもよい。
【0057】
前述の相対的な動きは、特に、(図19及び図20の例のように)不正開封防止バンド203の径方向の広がり、又は(図21及び図22の例のように)環状隆起部42の径方向の崩潰のいずれか、又はその両方(すなわち、不正開封防止バンド203の径方向の広がり及び環状隆起部42の径方向の崩潰の両方)から構成してもよい。
【0058】
前述の相対移動の結果、不正開封防止バンド203は、少なくとも、不正開封防止バンド203が環状隆起部42から係合解除される、又は環状隆起部42から移動するのに必要な時間の間、無傷のまま、すなわち、閉じた環状の形状を有し、かつ、閉じた環状の形状を保ったまま不正開封防止バンド203を取り外すことができるように、環状隆起部42の外径よりも大きい内径を有してもよい。
【0059】
バンド係合解除手段は、(図19及び図20の実施例のように)不正開封防止バンド203を径方向外側に広げるように構成された径方向押圧部を備えてもよい(バンド係合解除手段によって広げられた不正開封防止バンド203の一部を図19に破線で示す)。
【0060】
具体的には、径方向押圧部は、反応面82の径方向内側に配置されている(すなわち、環状隆起部によって保持され、まだ径方向に広げられていない不正開封防止バンドの内側に配置されている)少なくとも1つの第1収縮構成と、径方向押圧部が第1の構成に対して径方向外側に移動して、不正開封防止バンド203を径方向に押して径方向に広げ、バンドを破壊することなく環状隆起部42を越えて移動させ、この閉じた環状の形状をそのまま維持する少なくとも1つの第2拡大構成と、をとるように移動してもよい。図19は、第2バンド拡幅構成における径方向当接部の一部を破線で示す。
【0061】
径方向押圧部は、図19の実施例のように、円周に沿って配置され、径方向に移動可能な2、3、又はそれ以上のセクタ83で構成してもよい。具体的には、各セクタ83は、円周方向の円弧に沿って延びるセクタで構成してもよい。より小径の第1収縮構成では、様々なセクタ83は、全体として、実質的に連続した円筒形状を形成してもよい。
【0062】
測定装置は、特に、第1の構成と第2の構成との間で径方向押圧部を移動させるように構成したアクチュエータ手段(図示せず)を備えてもよい。これらのアクチュエータ手段は、特に、少なくとも1つのアクチュエータを備えてもよい。特に、空圧式のアクチュエータ手段を配置することが可能である。また、1以上のリニアアクチュエータを配置することが可能である。全てのセクタ83を(例えば、動作伝達機構を介して)作動させるアクチュエータを配置することも可能である。各セクタ83を各アクチュエータに連結して作動させることも可能である。
【0063】
径方向押圧部は、図20の実施例のように、前記軸方向押圧要素45によって支持された外部カウンタプロファイル85と接触するように構成された内部プロファイル84を備えてもよい。軸方向押圧要素45の上方への動きにより、内部プロファイル84と外部カウンタプロファイル85とが接触し、径方向押圧部が径方向外側に押圧される。
【0064】
前述の内部プロファイル84は、特に、(縮小された直径を有する)第1の構成に向かって静止位置に弾性的に戻るように構成された1、2又はそれ以上の弾性要素86の一端に配置してもよい。
【0065】
特に、内部プロファイル84は、垂直軸の周りで、弾性要素86の周方向配列の下端に配置してもよい。各弾性要素86は、特に、軸方向に細長い弾性タブを備えてもよい。内部プロファイル84は、図20の実施例のように、各弾性要素86上に配置した複数のプロファイル部に設けてもよい。外部カウンタプロファイル85は、図20の実施例のように、軸方向押圧要素45のフレア状(例えば、切頭円錐状)の部分から、この押圧要素が、下側の位置に配置された要素部分での大径から、上側の位置に配置された要素部分での小径へと直径を変化させるように形成してもよい。
【0066】
具体的には、各弾性要素86は、図20の実施例のように、同じ管状要素81の壁部を備えてもよい。各弾性要素86は、対向する2つの側面に、管状要素81の壁部に設けた2つの貫通開口又はノッチにより形成してもよい。周方向の配置は、内部プロファイル84がなく、拡張を意図しない壁部によって間隔を空けられた一連の垂直弾性要素86によって形成され、一連の垂直な貫通開口が、拡張可能な垂直弾性要素86と固定された壁部との間の分離界面を形成する。各貫通開口又はノッチは、特に、非常に薄いスロットを備えてもよく、固定壁部で間隔を空けて配置した拡張可能な弾性要素86の前述の円周方向の配置により、実質的に連続し、関連する中断が実質的にないと考えることができる管状要素81の外面(ここでは、円筒形)を得ることが可能である。
【0067】
脆弱手段201の破壊後、押圧要素45は(図19に示すものと同様に下側の位置から)上向きに移動する。図20の実施例では、カウンタプロファイル85がプロファイル84と接触して相互に作用する構成(上部位置、図示せず)まで続く上向きの動きは、弾性要素86を径方向外側に拡張させる結果、係合解除によって不正開封防止バンド203が環状隆起部42から排出される(バンドにいかなる破壊もなく、閉じた環状形状のままである)。この上部構成では、より大きな直径を有する押圧要素45の一部が、弾性要素86を拡張位置に維持することによりバンドが外側に取り出される。
【0068】
バンドの係合解除又は除去の後、押圧要素45は、別のカプセルの脆弱手段の引離し力のための新たな測定サイクルにより、中間位置(図20の右側、ここで、「中間」という用語は、脆弱手段を破壊するために到達する下側位置と、不正開封防止バンドを係合解除するために到達する上側位置とを参照して理解される)に到達するまで、再び下方に移動する。
【0069】
バンド係合解除手段は、図21及び図22の実施例のように、管状要素81の崩潰可能部(collabsible portion)87を備えてもよい。環状隆起部42は、特に、崩潰可能部87に配置してもよい。そのような崩潰可能部87は、特に、図20の弾性要素86と同様な構成としてもよく、ここでは、環状隆起部42が崩潰可能部87上に配置されているという違いがあるが、図20の実施例では、環状隆起部42は固定要素であり、径方向外向きに押圧するために自身の直径を拡張することができる可動要素は、管状要素81の弾性壁部に示される。
【0070】
さらに、このような崩潰可能部87は、環状隆起部42の反応面82が不正開封防止バンド203を軸方向に保持することができる拡張バンド保持構成(図22の左側に図示)と、環状隆起部42の反応面82が径方向内側に湾曲し、その結果、拡張大径保持構成に対して自身の直径が減少する崩潰解放構成(collapsed release configuration)(図22の右側に図示)とを想定することができる。崩潰解放構成では、環状隆起部42は、不正開封防止バンド203を解放することができる。
【0071】
崩潰可能部87は、特に、軸方向の押圧要素45による脆弱手段201の破壊後に、崩潰解放構成となるように構成してもよい。脆弱手段201の破壊後、押圧要素45は上方に移動する。上方への移動は、それがもはや内部的に崩潰可能部87に対抗しない構成、すなわち、図22の右側に示されているものに類似した構成まで継続し、崩潰可能部87の崩れ(collapse)を引き起こし、それによって、後者は、内部的な対抗作用がないために、収縮した小径の静止位置に弾性的に移動する。
【0072】
崩潰可能部87は、図21及び図22の実施例のように、垂直方向に延びる1、2、又はそれ以上の長尺弾性要素88を備えてもよい。各弾性要素88は、崩潰解放構成で静止位置に移動するように構成してもよい。
【0073】
測定装置は、特に、不正開封防止バンドを保持するために弾性要素88を前述の拡大構成に維持するように配置した当接手段(abutment means)を備えてもよい。一方、軸方向押圧要素45は、脆弱手段201を破壊するためにカプセル200を下方に押圧する。
【0074】
これらの実施例のように、当接手段は、同様な軸方向押圧要素45を備えてもよい。この軸方向押圧要素45は、(順次)中間位置(環状隆起部への不正開封防止バンドの挿入を可能にするため)、下側位置(カプセルへの押圧及びフランジャブル手段の破壊を得るため)、及び上側位置(環状隆起部の崩潰を得て、不正開封防止バンドの離脱を可能にするため)を取るように構成される。
【0075】
中間位置(例えば、図22の左側、又は図20の右側に示す)では、軸方向押圧要素45は、弾性要素88に対抗してこれらの弾性要素88を拡張保持構成に維持することができる。
【0076】
中間位置では、軸方向押圧要素45は、環状隆起部42に不正開封防止バンド203を係合させるために、カプセル200を(特に、カプセルを持ち上げる持ち上げ装置によって、これまでの例で説明したように)持ち上げることができる。前述の持上当接装置は、図19から図22の全ての実施例に見出すことができる。
【0077】
(例えば、図19に示す)下方位置では、軸方向押圧要素45は、軸方向押圧要素45自体がカプセル200を下方に押圧した後、弾性要素88を膨張した保持構成に維持するように、弾性要素88に対抗することが可能である。
【0078】
(例えば、図22の右側に示す)上方位置では、軸方向押圧要素45は、弾性要素88が(より小径の静止位置に弾性的に移動することによって)崩潰バンド解放構成に向かって自由に崩潰できるように配置されている。
【0079】
図23及び図24は、別の例示的な測定装置を示す。この測定装置では、径方向の押圧部は、軸方向の押圧要素45に取り付けた押圧プロファイル90を備える。押圧プロファイル90は、特に、軸方向の押圧要素45によって強固に支持され、押圧要素自体の外面から径方向に突出する、特に、平坦な、層状の又は板状の形状を有する複数の要素又はアタッチメントに配置してもよい。
【0080】
押圧プロファイル90は、特に、軸方向押圧要素45の下動により、不正開封防止バンド203を径方向外側に広げるように構成してもよい(例えば、図23の左部分から右部分に見られる動き参照)。
【0081】
押圧プロファイル90は、特に、軸方向押圧要素45の両方向への垂直移動を可能にするように、管状要素81に得られた1以上の垂直スロット91に挿入してもよい。押圧プロファイル90は、特に、円周方向に配置した少なくとも1つの押圧面を備えてもよい。押圧面は、特に、上部に向かって広くなるように傾斜した逆フレア形状であってもよい。
【0082】
図示の例のように、押圧プロファイル90は、管状要素81に得られた各スロット91にそれぞれ挿入される、円周方向に配置した複数の異なるプロファイル部から構成してもよい。
【0083】
軸方向押圧要素45が下動して、不正開封防止バンド203の脆弱手段の引き離し検査を実行するとき、軸方向押圧要素45によって支持された押圧プロファイル90も下方に移動し、その形状により脆弱手段の破壊後に、不正開封防止バンド203に向かって径方向の押圧作用を与え、バンド自体を広げて、環状隆起部42から取り外して排出する。
【0084】
図19から図24の実施例に関しては、装置は、少なくともカプセル200を、環状隆起部42から離れている下方位置から、不正開封防止バンド203が環状隆起部42を通過して、環状隆起部42によって軸方向に保持される上方位置まで搬送するように構成された持上要素53等の持上要素を備えてもよい。
【0085】
図19から図24の例に関しては、装置は、バンド係合解除手段が環状隆起部42と不正開封防止バンド203との間に前述の相対的な動きを引き起こした後、つまり環状隆起部42から不正開封防止バンドが外部に取り外された後に、不正開封防止バンド203を軸方向に押し下げるように構成された軸方向押圧部89(図19又は図23参照)を備えてもよい。この軸方向突出部89は、特に、アクチュエータ手段によって制御される、垂直な軸方向に移動可能な環状のプッシャーを備えてもよい。いずれにしても、閉じた環状形状に維持されている不正開封防止バンドの移動を促進するために、別のタイプの押圧手段、例えば、空気又は別の気体を噴射するブロー手段を設けてもよい。
【0086】
図25から図33は、押圧プロファイル90がその上端から半径方向外側に突出する保持手段92を備えている点で、図23および図24の測定装置とは異なる測定装置を示している。保持手段92は、特に、保証バンド203を(カプセルから取り外した後)軸方向に保持するように構成してもよく、これによって、保証バンド自体が押圧プロファイル90を越えて放り出されるのを防止する。
【0087】
保持手段92は、特に、いくつかの突起の円周方向の配置、または図示の例のように、単一の(連続的に延びる)円周方向の突出要素を備え得る。後者は、(この例のように)水平な当接面または下向きに傾斜した当接面によってバンドを軸方向下方に保持するために、バンドに係合することができる円周方向のコントラスト部を画定することができる。
【0088】
この測定装置は、特に、押圧手段の動きを活性化するために、特にレバー94によって押圧手段(軸方向押圧要素45)に接続されたアクチュエータ93を備え得る。
【0089】
上述した全ての実施形態を参照すると、測定装置は、データ処理システムを備えた電子制御・管理手段(例えば、少なくともCPU又は電子プロセッサ)を備える。本明細書に記載の各測定装置は、外部とのデータ交換を可能にするためにネットワーク化することができる。各測定装置は、特に、プログラムの実行を制御するために、及び/又は操作の流れを規制するために、少なくとも1つの監視プログラムを備えた少なくとも1つのオペレーティングシステムに連結することができる。
【0090】
監視プログラムは、特に、測定装置の電子制御及び管理手段に、様々なアクチュエータの1以上の動作パラメータ(又は作業「レシピ」)を提供し、様々なセンサによって検出された1以上のデータを記憶するように構成してもよい。監視プログラムは、例えば、測定装置を含む単一の生産ラインに適用することができ、特に、測定装置が実際に生産ラインの一部を形成する場合に適用することができる。他の例では、監視プログラムは、2以上の生産ラインを含むプラント全体に適用することができる。このような場合、測定装置は、複数のラインの生産を検査するために、例えば、生産ラインの1つに含まれていない実験室において、独立した装置として使用することができる。
【0091】
例えば、「基本的な生産ライン」は、測定装置に合わせた切断機を含むと理解してよい。
【0092】
図34は、(保証バンド203を形成するのに適した)切断機及び/又は(保証バンド203のフラップを曲げるのに適した)曲げ機101と一列に配置された測定装置1(上述したもののいずれか)を含む生産ラインのレイアウトを示す。2つの機械を組み合わせた連続するラインでの配置(切断機及び/又は曲げ機101の下流の測定装置1)は、特に有利である。なぜならば、切断機及び/又は曲げ機の1つまたは複数の動作パラメータについて(装置測定によって実行されたチェックの結果に基づく)フィードバック制御を提供することができるためである。これら2つの機械は同一ライン内にあるため、どちらもリアルタイムで、かつ、略均一なプロセスパラメータ(温度など)で、カプセルを受け取る。言い換えれば、切断機及び/又は曲げ機の制御手段は、特に測定装置1のセンサ手段から来る信号に応じて、切断機及び/又は曲げ機101を制御して、特に、切断機及び/又は曲げ機械101の1つまたは複数のプロセスパラメータに介入し、リアルタイムで切断及び/又は折り畳みを調整および改善して、カプセルの保証バンドを形成するように構成することができる。
【0093】
いずれにしても、切断機は独立した機械であってよく、測定装置は、以前に製造され、場合によっては保存されたカプセルの一群に対する引離し力を測定するように構成されていてもよい。例えば、測定装置は、異なる生産ラインから得られた複数のカプセルを検査するために独立した装置として使用されてもよく、異なる形状を有していてもよい。
【0094】
測定装置は、特に、電子制御及び管理手段に連結されたユーザインターフェースを備えてもよい。このユーザインターフェースは、例えば、製品又は生産ロットの名称、作業サイクルの開始時刻及び/又は作業サイクルの終了時刻、ロットサイズ(例えば、ロット内のカプセル数)、処理されたカプセル数、予め定義された最小閾値力値等のデータの1つ又は複数を取得すべくSPC(Statistical Process Control)レポートを見つけるように構成することができる。
【0095】
ユーザインターフェース上のSPCレポートは、特に、検出された引裂き力(例えば、処理されたカプセルの平均引裂き力値)を含んでいてもよい。特に、ユーザインターフェース上のSPCレポートは、引裂き力の最小閾値及び/又は引裂き力の最大閾値を含んでいてもよい。特に、ユーザインターフェース上のSPCレポートは、最小閾値よりも低い引裂き力を有する処理済みカプセルの数、及び/又は、最大閾値よりも高い引裂き力を有する処理済みカプセルの数を含んでいてもよい。ユーザインターフェース上のSPCレポートは、特に、検査全般の結果のインジケータ(例えば、イデオグラム)を備えてもよい。
【0096】
電子制御及び管理手段は、特に、検出された各引裂き力値を所定の最小閾値及び/又は所定の最大閾値と比較するように構成してもよい。検査の一般的な結果は、例えば、最小閾値及び/又は最大閾値を超えるカプセルの数に基づいて、所定のアルゴリズムに従って検出されたデータを処理することによって得てもよい。特に、電子制御・管理手段は、生産ラインの正しい管理に関する情報を監督プログラムに提供するように構成していてもよい。
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図16a
図17
図17a
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】