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特表2024-500930農業圃場に農作物を植えるための圃場又は区域固有の播種率、深度及び時期を、農作物、圃場、収量、気象及び/又は土壌データなどの複数のデータ入力に基づいて決定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】農業圃場に農作物を植えるための圃場又は区域固有の播種率、深度及び時期を、農作物、圃場、収量、気象及び/又は土壌データなどの複数のデータ入力に基づいて決定する方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20231227BHJP
   A01C 7/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01C7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538700
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2021086610
(87)【国際公開番号】W WO2022136182
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】20216859.7
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521508254
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロペス アニェーゼ,マウリシオ
(72)【発明者】
【氏名】キーペ,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ホス-クーネ,モーリー ジョー
(72)【発明者】
【氏名】カーサデバイグ,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】パソリウス,ヴェクセル,ヴァグナー
(72)【発明者】
【氏名】シュメール,フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】デ エウスタキオ レセンデ,ファブリシオ
【テーマコード(参考)】
2B054
5L049
【Fターム(参考)】
2B054AA17
2B054BA01
2B054BB01
2B054EA05
5L049CC01
(57)【要約】
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、(ステップ3)農作物データ及び静的圃場データ並びに少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータを含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、(ステップ4)データ処理の結果に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップを含むコンピュータ実施方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、前記圃場又は前記サブ圃場区域に植えられる前記少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)前記コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する収量データ、
(B)前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する土壌データ
からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、
(ステップ3)前記農作物データ及び前記静的圃場データ並びに前記少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)前記少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び
(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、
(ステップ4)前記データ処理の結果に基づいて前記少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に植えられる前記少なくとも1つの農作物に関する前記農作物データは、
a)前記圃場又は前記サブ圃場区域に植えられる前記少なくとも1つの農作物の種又は多様性データであって、好ましくは前記農作物の遺伝子情報を含む種又は多様性データ、及び/又は
b)前記圃場又は前記サブ圃場区域に植えられる前記少なくとも1つの農作物の農作物価値データであって、好ましくは前記農作物の含油量、タンパク質含有量及び/又は養分含有量を含む農作物価値データ、
c)前記圃場又は前記サブ圃場区域に植えられる前記少なくとも1つの農作物に関する農学的データであって、好ましくは前記農作物の性的成熟日数、精力、出現率を含む農学的データ、及び/又は
d)前記圃場又は前記サブ圃場区域に植えられる前記少なくとも1つの農作物に関する規制データであって、好ましくは前記処理パラメータに関する法的枠組み及び/又は規制に関する地域固有の情報、製品管理の尺度に関する地域固有の情報、生物多様性規制又は生物多様性尺度に関する情報を含む規制データ
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する前記静的圃場データは、
a)前記圃場又は前記サブ圃場区域に関するGPS(全地球測位システム)、地理的位置データ及び/又は地理的ポジショニングデータ、及び/又は
b)前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する標高、高度、傾斜及び/又はレリーフデータ、及び/又は
c)前記圃場若しくは前記サブ圃場区域における過去の農作物保護製品若しくは農作物栄養製品の施用に関するデータ、前記圃場若しくは前記サブ圃場区域におけるシーズン前の土壌処理に関するデータ及び/又は前記圃場若しくは前記サブ圃場区域の耕作のタイプに関するデータ
を含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する前記収量データは、
a)前記圃場又は前記サブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは前記圃場又は前記サブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び/又は
b)前記圃場又は前記サブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、前記圃場又は前記サブ圃場区域の履歴的実収量、及び/又は
c)前記圃場又は前記サブ圃場区域の予測収量可能性
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する前記収量データは、
a)前記圃場又は前記サブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは前記圃場又は前記サブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び/又は
b)前記圃場又は前記サブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、前記圃場又は前記サブ圃場区域の履歴的実収量
を含み、前記履歴的収量可能性及び履歴的実収量データは、好ましくは、予め定義された又はユーザ定義された重み付け係数と組み合わされる、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する前記気象データは、前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する温度、気温、土壌温度、土壌表面温度、キャノピー温度、湿度、空気湿度、相対湿度、降水量、湿気、風条件、風速及び/又は日照レベルデータを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する前記土壌データは、前記圃場又は前記サブ圃場区域における土壌の生物学的、生化学的、化学的及び/又は物理的性質を示すデータである、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記圃場又は前記サブ圃場区域に関する前記土壌データは、
a)前記圃場又は前記サブ圃場区域における前記土壌の土壌有機物質、総炭素含有量、有機炭素含有量、無機炭素含有量、ホウ素含有量、リン含有量、カリウム含有量、窒素含有量、硫黄含有量、カルシウム含有量、鉄含有量、アルミニウム含有量、塩素含有量、モリブデン含有量、マグネシウム含有量、ニッケル含有量、銅含有量、亜鉛含有量、マンガン含有量及び/又はpH値、及び/又は
b)前記圃場又は前記サブ圃場区域における前記土壌の土壌品質、土壌砂質、土壌水分、土壌湿度、土壌温度、土壌表面温度、土壌密度、土壌特質、土壌導電度及び/又は保水容量
を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記収量データ、又は前記気象データ、又は前記土壌データを受信することと、前記処理パラメータの前記出力との間の時間枠は、1ミリ秒~1時間、好ましくは1ミリ秒~60秒、より好ましくは1ミリ秒~5秒である、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
少なくとも前記ステップ(ステップ2)、(ステップ3)及び(ステップ4)は、リアルタイムモードで実行される、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記処理パラメータは、農業機器のための制御信号として出力されるか又は更に処理されることになり、前記農業機器は、好ましくは、種子ドリル又は播種機である、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記処理パラメータは、農業機器を制御するのに有用な施用マップとして出力されることになり、前記農業機器は、好ましくは、種子ドリル又は播種機である、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法を実行するための手段を含むデータ処理システム。
【請求項14】
命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業圃場に農作物を植えるための圃場又は区域固有の播種率、播種深度及び播種時期を含む処理パラメータを、農作物、圃場、収量、気象及び/又は土壌データなどの複数のデータ入力に基づいて決定するコンピュータ実施方法と、そのようなコンピュータ実施方法を実行するための手段を含むデータ処理システムと、農業機器を制御するためのそのような処理パラメータの使用と、農業圃場を処理するためのそのような処理パラメータの使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
実際に、農業従事者又はユーザは、圃場又はサブ圃場区域の異なる特徴についての、例えば標高、高度、履歴的収量可能性、土壌特質、土壌水分及び規制データを含む全てのデータ又は情報が原則として利用可能であるか又は利用可能にできるにもかかわらず、圃場又は区域固有の最適な播種率、播種深度及び播種時期を系統的に決定することができないという課題に直面することが多い。これにより、農業従事者又はユーザによって選択された播種率、播種深度及び播種時期が、最適収量、又は油、タンパク質若しくは養分の含有量の観点での最適農作物価値、又は農作物保護剤の使用を最小化する観点での最適な持続可能性効果のいずれかを実現するために不適切又は非効率的であるという課題がもたらされる。
【0003】
従来技術では、国際公開第2013/169349A1号パンフレットは、気象データ及び土壌温度に基づいて定植適期を予測する方法を開示している。国際公開第2013/169349A1号パンフレットは、区域固有の播種率、播種深度及び播種時期を決定するための体系的な手法を開示していない。
【0004】
上記の課題及び問題に鑑みて、これに関連して農業従事者又はユーザの決定プロセスを改善し、単純化する必要があることが判明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記を考慮して、本発明の目的は、農作物、圃場、収量、気象及び/又は土壌データなどの複数のデータ入力に基づいて、農業圃場に農作物を植えるための、圃場又は区域固有の播種率、播種深度及び播種時期を含む処理パラメータを決定するコンピュータ実施方法を提供することである。農業圃場の処理に関して、農業従事者又はユーザが迅速にリアルタイムで意思決定することを支援する、上述した処理パラメータを決定するコンピュータ実施方法を提供することも本発明の目的である。農業機器を制御するために使用することができる施用マップの出力を可能にする、上述した処理パラメータを決定するコンピュータ実施方法を提供することも本発明の目的である。農業圃場に植えられた農作物の収量を向上させるコンピュータ実施方法を提供することも本発明の目的である。農業圃場に植えられた農作物の含油量、タンパク質含有量又は養分含有量を含む農作物価値を向上させるコンピュータ実施方法を提供することも本発明の目的である。農業圃場で農作物を生育させるための、除草剤、殺真菌剤又は殺虫剤などの農作物保護剤の使用を最小限に抑えるコンピュータ実施方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態が従属請求項に組み込まれる。以下に記載される本発明の態様及び実施例は、方法並びにデータ処理システム、コンピュータプログラム製品及びコンピュータ可読記憶媒体に適用されることに留意されたい。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ及び静的圃場データ並びに少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び
(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0008】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、及び
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)
からなる群から選択される処理パラメータの2つ全てを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ及び静的圃場データ並びに少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び
(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて2つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0009】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも2つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ及び静的圃場データ並びに少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び
(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて少なくとも2つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0010】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの3つ全てを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ及び静的圃場データ並びに少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び
(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて3つの全ての処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0011】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの3つ全てを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
を受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ、及び静的圃場データ、及び収量データ、及び土壌データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、及び
(iii)収量データに関するデータ及び土壌データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実行するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて3つの全ての処理パラメータを出力するステップ
を含み、
- 農作物データ農作物データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の種又は多様性データ及び圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する規制データを含み、
- 土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌特質及び土壌水分を含み、
- 収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び/又は
b)圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量
を含む。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、及び
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ
を受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ、及び静的圃場データ、及び収量データ、及び気象データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、
(iii)収量データに関するデータ、及び
(iv)気象データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実行するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0013】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
を受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ、及び静的圃場データ、及び収量データ、及び土壌データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、
(iii)収量データに関するデータ、及び
(iv)土壌データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実行するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0014】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
を受信するステップ、
(ステップ3)農作物データ、及び静的圃場データ、及び気象データ、及び土壌データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、
(iii)気象データに関するデータ、及び
(iv)土壌データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実行するステップ、
(ステップ4)データ処理の結果に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法に関する。
【0015】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、
a)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の種又は多様性データ、及び/又は
b)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の農作物価値データ、
c)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農学的データ、及び/又は
d)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する規制データ
を含む。
【0016】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、
a)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の種又は多様性データであって、好ましくは農作物の遺伝子情報を含む種又は多様性データ、及び/又は
b)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の農作物価値データであって、好ましくはその農作物の含油量、タンパク質含有量及び/又は養分含有量を含む農作物価値データ、
c)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農学的データであって、好ましくは農作物の性的成熟日数、精力、出現率を含む農学的データ、及び/又は
d)圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する規制データであって、好ましくは処理パラメータに関する法的枠組み及び/又は規制に関する地域固有の情報、製品管理の尺度に関する地域固有の情報、生物多様性規制又は生物多様性尺度に関する情報を含む規制データ
を含む。
【0017】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、好ましくは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の種又は多様性データであって、好ましくはその農作物の遺伝情報を含む種又は多様性データを含む。
【0018】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、好ましくは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の農作物価値データであって、好ましくはそのような農作物の含油量、タンパク質含有量及び/又は養分含有量を含む農作物価値データを含む。
【0019】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、好ましくは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の農学的データであって、好ましくはその農作物の性的成熟日数、精力、出現率を含む農学的データを含む。
【0020】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、好ましくは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の規制データであって、好ましくは処理パラメータに関する法的枠組み及び/又は規制に関する地域固有の情報、製品管理の尺度に関する地域固有の情報、生物多様性規制又は生物多様性尺度に関する情報を含む規制データを含む。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、コンピューティングユニットによってデータベースから受信される。本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データは、コンピューティングユニットによってユーザ入力から受信される。
【0022】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データは、
a)圃場又はサブ圃場区域に関するGPS(全地球測位システム)、地理的位置データ及び/又は地理的ポジショニングデータ、及び/又は
b)圃場又はサブ圃場区域に関する標高、高度、傾斜及び/又はレリーフデータ、及び/又は
c)圃場若しくはサブ圃場区域における過去の農作物保護製品若しくは農作物栄養製品の施用に関するデータ、圃場若しくはサブ圃場区域におけるシーズン前の土壌処理に関するデータ及び/又は圃場若しくはサブ圃場区域の耕作のタイプに関するデータ
を含む。
【0023】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データは、好ましくは、圃場又はサブ圃場区域に関するGPS(全地球測位システム)、地理的位置データ及び/又は地理的ポジショニングデータを含む。
【0024】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データは、好ましくは、圃場又はサブ圃場区域に関する標高、高度、傾斜及び/又はレリーフデータを含む。
【0025】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データは、好ましくは、圃場若しくはサブ圃場区域における過去の農作物保護製品若しくは農作物栄養製品の施用に関するデータ、圃場若しくはサブ圃場区域におけるシーズン前の土壌処理に関するデータ及び/又は圃場若しくはサブ圃場区域の耕作のタイプに関するデータを含む。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データは、コンピューティングユニットによってデータベースから受信される。本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データは、コンピューティングユニットによってユーザ入力から受信される。
【0027】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び/又は
b)過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量、及び/又は
c)圃場又はサブ圃場区域の予測収量可能性
を含む。
【0028】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物に関する。例えば、圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物が大豆である場合、大豆に関する収量データのみがコンピューティングユニットによって受信されることになり、例えば、トウモロコシ又は小麦に関する収量データは、除外されることになる。
【0029】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、
a)対応する圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物に関する圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び/又は
b)過去に収穫された量に基づいて決定される、対応する圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物に関する圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量、及び/又は
c)対応する圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物に関する圃場又はサブ圃場区域の予測収量可能性
を含む。
【0030】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性を含む。履歴的収量可能性は、好ましくは、異なるサブ圃場区域(例えば、「パワー区域マップ」)の履歴的収量可能性を示す履歴的収量可能性マップで示すことができる。履歴的収量可能性は、好ましくは、最近の2年以上、より好ましくは最近の4年以上、最も好ましくは最近の6年以上、特に最近の8年以上、特に好ましくは最近の10年以上の対応する圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定され得る。これに関連して、用語「遠隔感知された」は、好ましくは、衛星、飛行機、無人航空機、ドローン、光学センサ又はLiDARセンサによって遠隔感知されることを意味する。
【0031】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量を含む。履歴的実収量は、最近の2年以上、より好ましくは最近の4年以上、最も好ましくは最近の6年以上、特に最近の8年以上、特に好ましくは最近の10年以上の過去において、圃場又はサブ圃場区域から収穫された量に基づいて決定され得る。
【0032】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、圃場又はサブ圃場区域の予測収量可能性を含み、予測収量可能性は、好ましくは、履歴的収量可能性及び/又は履歴的実収量に基づいて、任意選択で気象予報(例えば、特定の気象モデルを使用する、農作物シーズン全体にわたる気象予報)に基づいて推定されるか、又は予測収量可能性は、収量予測モデル、すなわち収量データのための予測モデルに基づいて推定される。
【0033】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び
b)圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量
を含み、履歴的収量可能性(「HYP」と称される)及び履歴的実収量データ(「HAY」と称される)は、好ましくは、予め定義された又はユーザ定義された重み付け係数と組み合わされる。別の好ましい実施形態では、履歴的収量可能性及び履歴的実収量データは、HYPに関するX%の重み付け及びHAYに関するY%の重み付けで組み合わされ得る。例えば、圃場又はサブ圃場区域に関する最終収量データは、式X%×HYP+Y%×HAYで計算され、ここで、X%は、好ましくは、10%~90%の範囲、より好ましくは20%~80%の範囲、最も好ましくは30%~70%の範囲であり、Y%は、好ましくは、10%~90%の範囲、より好ましくは20%~80%の範囲、最も好ましくは30%~70%の範囲であり、X%及びY%は、合計で100%である。好ましい実施形態では、履歴的収量可能性(「HYP」と称される)及び履歴的実収量(「HAY」と称される)データは、それぞれが50%の重み付けで組み合わされ得、例えば、圃場又はサブ圃場区域に関する最終収量データは、式50%×HYP+50%×HAYで計算される。別の好ましい実施形態では、履歴的収量可能性及び履歴的実収量データは、HYPに関する30%の重み付け及びHAYに関する70%重み付けで組み合わされ得、例えば、圃場又はサブ圃場区域に関する最終収量データは、式30%×HYP+70%×HAYで計算される。別の好ましい実施形態では、履歴的収量可能性及び履歴的実収量データは、HYPに関する70%の重み付け及びHAYに関する30%重み付けで組み合わされ得、例えば、圃場又はサブ圃場区域に関する最終収量データは、式70%×HYP+30%×HAYで計算される。
【0034】
本発明の更なる態様によると、3つの入力データ、例えば収量データ、静的圃場データ及び土壌データが使用される場合、これらのデータは、特にデータ処理ステップにおいて、予め定義された又はユーザ定義された重み付け係数で組み合わせることができ、重み付け係数は、第1の入力データ(「AIP」と称される)(例えば、収量データ)に関するA%の重み付け、第2の入力データ(「BIP」と称される)(例えば、標高又は勾配などの静的圃場データ)に関するB%の重み付け及び第3の入力データ(「CIP」と称される)(例えば、土壌特質、土壌有機物質又は土壌水分などの土壌データ)に関するC%の重み付けを有し、例えば、3つの入力データの最終組合せは、式A%×AIP+B%×BIP+C%×CIPで計算され、ここで、A%、B%及びC%は、好ましくは、10%~90%の範囲、より好ましくは20%~80%の範囲、最も好ましくは30%~70%の範囲であり、A%、B%及びC%は、合計で100%である。本発明の更なる態様によると、4つの入力データ、例えば収量データ、静的圃場データ並びに土壌データ1番及び土壌データ2番が使用される場合、これらのデータは、特にデータ処理ステップにおいて、予め定義された又はユーザ定義された重み付け係数で組み合わせることができ、重み付け係数は、第1の入力データ(「AIP」と称される)(例えば、収量データ)に関するA%の重み付け、第2の入力データ(「BIP」と称される)(例えば、標高又は勾配などの静的圃場データ)に関するB%の重み付け、第3の入力データ(「CIP」と称される)(例えば、土壌特質、土壌有機物質又は土壌水分などの土壌データ1番)に関するC%の重み付け及び第4の入力データ(「DIP」と称される)(例えば、土壌水分などの土壌データ2番)に関するD%の重み付けを有し、例えば、4つの入力データの最終組合せは、式A%×AIP+B%×BIP+C%×CIP+D%DIPで計算され、ここで、A%、B%、C%及びD%は、好ましくは、10%~90%の範囲、より好ましくは20%~80%の範囲、最も好ましくは30%~70%の範囲であり、A%、B%、C%及びD%は、合計で100%である。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、コンピューティングユニットによってデータベースから受信される。本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に関する収量データは、コンピューティングユニットによってユーザ入力から受信される。
【0036】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する気象データは、圃場又はサブ圃場区域に関する温度、気温、土壌温度、土壌表面温度、キャノピー温度、湿度、空気湿度、相対湿度、降水量、湿気、風条件、風速及び/又は日照レベルデータを含む。好ましい実施形態では、気象データは、その後数日間及び数週間に対して予測された気象データを含む。好ましい実施形態では、気象データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物を植える前の少なくとも4日間、より好ましくは少なくとも1週間、最も好ましくは少なくとも2週間、特に好ましくは少なくとも3週間にわたる気象データを含む。好ましい実施形態では、気象データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物を植えた後の少なくともその後4日間、より好ましくは少なくともその後1週間、最も好ましくは少なくともその後2週間、特に好ましくは少なくともその後3週間にわたる気象データを含む。好ましい実施形態では、気象データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物を植える前の数日間又は数週間にわたる気象データ及び圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物を植えた後の数日間又は数週間にわたって予想された気象データを含む。好ましい実施形態では、気象データは、気温、相対湿度及び/又は降水量を含む。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に関する気象データは、好ましくは、遠隔の又は近位の気象センサを使用して、リアルタイム測定からコンピューティングユニットによって受信される。
【0038】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場区域に関する気象データは、気象データに対する予測モデルによって生成される。
【0039】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、好ましくは、遠隔の又は近位の土壌センサを使用して、リアルタイム測定からコンピューティングユニットによって受信される。
【0040】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の生物学的、生化学的、化学的及び/又は物理的性質を示すデータである。
【0041】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、
a)圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌有機物質、総炭素含有量、有機炭素含有量、無機炭素含有量、ホウ素含有量、リン含有量、カリウム含有量、窒素含有量、硫黄含有量、カルシウム含有量、鉄含有量、アルミニウム含有量、塩素含有量、モリブデン含有量、マグネシウム含有量、ニッケル含有量、銅含有量、亜鉛含有量、マンガン含有量及び/又はpH値、及び/又は
b)圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌品質、土壌砂質、土壌水分、土壌湿度、土壌温度、土壌表面温度、土壌密度、土壌特質、土壌導電度及び/又は保水容量
を含む。
【0042】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌有機物質、総炭素含有量、有機炭素含有量及び/又は土壌無機炭素含有量を含む。本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の窒素含有量を含む。本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌品質、土壌砂質、土壌水分、土壌湿度、土壌温度、土壌表面温度、土壌密度、土壌特質、土壌導電度及び/又は保水容量、窒素含有量を含む。本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、土壌特質を含む。本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、土壌水分を含む。本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、土壌特質及び土壌水分を含む。
【0043】
本発明の更なる態様によると、圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データは、少なくとも2つの異なるタイプの土壌データ、例えば土壌特質及び土壌水分又は例えば土壌特質及び土壌有機物質を含む。
【0044】
本発明の更なる態様によると、収量データ、又は気象データ、又は土壌データを受信することと、処理パラメータの出力との間の時間枠は、1ミリ秒~1時間、好ましくは1ミリ秒~60秒、より好ましくは1ミリ秒~5秒である。本発明の好ましい実施形態では、収量データ、又は気象データ、又は土壌データを受信することと、処理パラメータの出力との間の時間枠は、30分、好ましくは20分、より好ましくは10分、最も好ましくは5分、特に2分、特に好ましくは60秒、特により好ましくは30秒、特に最も好ましくは15秒、例えば5秒、例えば3秒を超えない。本発明の好ましい実施形態では、収量データ、又は気象データ、又は土壌データを受信することと、処理パラメータの出力との間の時間枠は、少なくとも1ミリ秒、好ましくは10ミリ秒、より好ましくは少なくとも50ミリ秒、最も好ましくは少なくとも100ミリ秒である。
【0045】
本発明の更なる態様では、少なくともステップ(ステップ2)、(ステップ3)及び(ステップ4)は、リアルタイムモードで実行され、好ましくは1ミリ秒~2分の範囲の時間枠、より好ましくは1ミリ秒~60秒の範囲の時間枠、最も好ましくは1ミリ秒~30秒の範囲の時間枠、特に1ミリ秒~15秒の範囲の時間枠、特に好ましくは1ミリ秒~5秒の範囲の時間枠、特により好ましくは1ミリ秒~3秒の範囲の時間枠、例えば1ミリ秒~1秒の範囲の時間枠で実行される。本発明の別の好ましい実施形態によれば、少なくともステップ(ステップ2)、(ステップ3)及び(ステップ4)は、好ましくは、1分未満、より好ましくは10~45秒、最も好ましくは1~10秒、より好ましくは0.5~1秒、最も好ましくは100~500ミリ秒、特に10~100ミリ秒で実行される。
【0046】
本発明の更なる態様によると、リアルタイム測定は、センサ、例えば遠隔センサ、近位センサ、遠隔土壌センサ若しくは近位土壌センサ又は他の器具によって時間Xにおいて実施される測定であり、コンピューティングユニットは、時間Xよりも大きい時間Yにおいて、それらの測定から得られたデータを受信する。XとYとの間の時間差は、好ましくは、1ミリ秒~2分の範囲の時間枠、より好ましくは1ミリ秒~60秒の範囲の時間枠、最も好ましくは1ミリ秒~30秒の範囲の時間枠、特に1ミリ秒~15秒の範囲の時間枠、特に好ましくは1ミリ秒~5秒の範囲の時間枠、特により好ましくは1ミリ秒~3秒の範囲の時間枠、例えば1ミリ秒~1秒の範囲の時間枠にある。
【0047】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、農業機器のための制御信号として出力されるか又は更に処理されることになり、農業機器は、好ましくは、種子ドリル又は播種機である。
【0048】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、処理管理システムに組み込まれた農業機器のための制御信号として出力されるか又は更に処理されることになり、農業機器は、好ましくは、種子ドリル又は播種機である。
【0049】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、農業機器を制御するのに有用な施用マップとして出力されることになり、農業機器は、好ましくは、種子ドリル又は播種機であり、そのような施用マップは、好ましくは、異なるサブ圃場区域に対して異なる処理パラメータ又は2つ以上の処理パラメータの異なる組合せを示す。
【0050】
本発明の好ましい実施形態では、農業機器は、
- 可変速度アプリケータを有する地上ロボット、
- 空中アプリケータ(例えば、無人航空機、ドローン)、
- 種子散播、点播、鋤の後の播種、ドリル播種、ヒルドロッピング、正条植え及び移植のための機器を含む、種子の施用のための手段、
- 例えば、種子が特定の円形プレートによってホッパーから取り出され、シャンクに放出されて重力で畝の底に運ばれる標準的なドリル播種機、
- 他の可変速度種子アプリケータ
であり得るか又はそれらを含み得る。
【0051】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、播種率であり、収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、又は
b)圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量
を含む。
【0052】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、播種率であり、収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び
b)圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量
を含む。
【0053】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、播種率であり、収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び
b)圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量
を含み、履歴的収量可能性及び履歴的実収量データは、好ましくは、予め定義された又はユーザ定義された重み付け係数と組み合わされる。
【0054】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、播種深度であり、土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌特質及び土壌水分を含む。
【0055】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、播種時期であり、農作物データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の種又は多様性データ及び圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する規制データを含み、土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌水分を含む。
【0056】
本発明の更なる態様によると、処理パラメータは、播種率、及び播種深度、及び播種時期であり、
- 農作物データは、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物の種又は多様性データ及び圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する規制データを含み、
- 土壌データは、圃場又はサブ圃場区域における土壌の土壌特質及び土壌水分を含み、
- 収量データは、
a)圃場又はサブ圃場区域の履歴的収量可能性であって、好ましくは圃場又はサブ圃場区域の遠隔感知された緑葉面積又はバイオマスデータに基づいて決定される履歴的収量可能性、及び/又は
b)圃場又はサブ圃場区域から過去に収穫された量に基づいて決定される、圃場又はサブ圃場区域の履歴的実収量
を含む。
【0057】
本発明の更なる態様によれば、本発明は、本発明のコンピュータ実施方法を実行するための手段を含むデータ処理システムにも関する。
【0058】
本発明の更なる態様によると、本発明は、命令を含むコンピュータプログラム製品であって、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、本発明のコンピュータ実施方法を実行させる、コンピュータプログラム製品にも関する。
【0059】
本発明の更なる態様によると、本発明は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、本発明によるコンピュータ実施方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体にも関する。
【0060】
本発明の更なる態様によると、本発明は、本発明のコンピュータ実施方法によって決定される処理パラメータの使用にも関する。
【0061】
本発明の更なる態様によると、本発明は、本発明のコンピュータ実施方法によって決定される処理パラメータの使用にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明の実施形態のワークフローを示す。
図2】本発明のコンピュータ実施方法のデータフローの実施形態を示す。
図3】処理管理システム500を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明に関連して、用語「包含する」は、「含む」を意味する。
【0064】
本発明に関連して、用語「圃場」又は「農業圃場」は、農作物植物が生産、生育、播種され、且つ/又は生産、生育、播種されることが計画されている任意のエリアとして理解される。用語「圃場」又は「農業圃場」は、園芸圃場及び林業圃場も含み得る。
【0065】
本発明に関連して、用語「遺伝情報」は、DNA配列、RNA配列、DNA及び/又はRNA配列の部位、DNA及び/又はRNAの分子構造、エピジェネティック情報(例えば、DNA部位のメチル化)、遺伝子変異についての情報、遺伝子コピー数変動についての情報、遺伝子の過剰発現についての情報、遺伝子の発現レベルについての情報、遺伝子シフトについての情報、野生型と変異体との比率についての情報、異なる変異体間の比率についての情報、変異体と他のバリアント(例えば、エピジェネティックバリアント)との間の比率についての情報、異なるバリアント(例えば、エピジェネティックバリアント)の比率についての情報、植物病(例えば、葉枯病、黄サビ病、ダイズサビ病)又は他の病害を含むが、これらに限定されない、農作物又は植物の遺伝的性質に関する任意の種類の情報として理解される。
【0066】
本発明に関連して、用語「収量」は、(例えば、ヘクタール又は平方メートルで示される)面積単位当たりの及び植生期間(例えば、シーズン)当たりの収穫された植物又は農作物のバイオマス(例えば、トン又はキログラム単位で示される)であるように理解され、収量は、例えば、1ヘクタール当たりのトン又は1ヘクタール当たりのキログラムとして示される。とりわけ、本開示における用語「収量」は、いわゆる「生物学的収量」及びいわゆる「経済的収量」の両方を意味し得る。好ましくは、「収量」は、生物学的収量を意味する。「生物学的収量」は、「単位面積当たり及び生育期当たりに生産される、根を含む総植物質量(バイオマス)」として定義される。「経済的収量」について、「植物が成長する部位近傍の」「植物器官のみ又は構成要素のみ」が考慮され、「高い生物学的収量は、高い経済的収量に対する基礎である」(Hans Mohr,Peter Schopfer,Lehrbuch der Pflanzenphysiologie,3rd edition,Berlin/Heidelberg 1978,p.560-561を参照されたい)。
【0067】
本発明に関連して、用語「データ処理」は、コンピュータシステムによって行われる、有意味情報を生成又は出力するための、データに対する任意の操作であると理解される。データ処理は、限定ではなく、データ検証、データ解析、データ集計、データソート、データ分類、データ合算、データ変換、データ変更、データ更新等を含む。データベース又はデータベースシステムにおけるデータ処理は、データベース又はデータベースシステムにおける自動要求及びそのような要求の結果の自動出力を含むこともできる。
【0068】
本発明に関連して、用語「データベース」は、記憶されコンピュータシステムから電子的にアクセスすることができるデータの任意の編成された集合体として理解され、関係データベース、非関係データベース、グラフデータベース、ネットワークデータベース、クラウドデータベース、インメモリデータベース、アクティブデータベース、データウェアハウス、演繹データベース、分散データベース、組み込みデータベース、エンドユーザデータベース、ハイパーテキスト又はハイパーメディアデータベース、知識データベース、モバイルデータベース、オペレーショナルデータベース、並列データベース、確率データベース、リアルタイムデータベース、空間データベース、時間データベース、用語指向データベース及びExcelデータベースを含むが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施形態では、データベースは、以下のデータベースの少なくとも1つである:関係データベース、非関係データベース、グラフデータベース、ネットワークデータベース、クラウドデータベース、インメモリデータベース、アクティブデータベース、データウェアハウス、演繹データベース、分散データベース、組み込みデータベース、エンドユーザデータベース、ハイパーテキスト又はハイパーメディアデータベース、知識データベース、モバイルデータベース、オペレーショナルデータベース、並列データベース、確率データベース、リアルタイムデータベース、空間データベース、時間データベース、用語指向データベース及びExcelデータベース。
【0069】
本発明に関連して、用語「データベースシステム」は、互いに接続された2つ以上のデータベースを含むシステムとして理解され、連合データベースシステム、アレイデータベース管理システム及び他のデータベース管理システムを含むが、これらに限定されない。
【0070】
本発明に関連して、用語(「植えられる」における)「植えられる」又は「植える」は、土壌上又は中に種子又は苗を置くことと理解される。
【0071】
本発明に関連して、「少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植える率」は、「播種率」とも称され、面積(すなわち平方メートル、又はヘクタール、又はエーカー)当たりに植えられる種子の量、特に個数又は(例えば、キログラム単位の)重量であると理解される。播種率は、播種集団又は播種密度とも呼ばれる。
【0072】
本発明に関連して、「播種深度」とも称される「少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための深さ」は、土壌表面と、植えられる種子が置かれなければならない土壌中の位置との間の(例えば、センチメートル単位での)距離であると理解される。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、播種深度は、1cm~8cm、より好ましくは2cm~7cm、最も好ましくは3cm~6cmであり得る。
【0074】
本発明に関連して、少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための時間窓は、10日~1時間、より好ましくは7日~3時間、最も好ましくは5日~5時間、特に好ましくは3日~8時間、特により好ましくは2日~12時間、特に36時間~16時間、例えば28時間~20時間に及び得る。「少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための時間窓」は、「播種時期」とも呼ばれる。
【0075】
本発明に関連して、用語「施用マップ」は、好ましくは、圃場内の異なる場所又は区域に施用されるべき播種率、播種深度又は播種時期の2次元空間分布を示すマップである。本発明に関連して、用語「サブ圃場区域」は、農業圃場の管理区域又は部分であると理解される。すなわち、農業圃場は、2つ以上のサブ圃場区域に空間的に分割でき、各サブ圃場区域は、異なるバイオマスレベル又は異なる土壌特性などの異なる性質を有し得る。特に、施用マップは、異なるサブ圃場区域において、異なる播種率及び/又は播種深度が適用又は実施されなければならないこと示すことができる。例えば、施用マップは、第1の区域において、播種率が、例えば1エーカー当たり100,000個の種子でなければならないこと及び第2の区域において、播種率が、例えば1エーカー当たり200,000個の種子でなければならないこと示し得る。
【0076】
本発明に関連して、(ステップ1)と(ステップ2)との間の時系列順は、同時であるか、又は(ステップ1)の次に(ステップ2)若しくは(ステップ2)の次に(ステップ1)であり得る。
【0077】
本発明に関連して、農作物データに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、農作物データに接続された又は農作物データに関する任意のデータ、
- 農作物データに転換又は変換できる任意のデータ、
- 農作物データに関する識別子、又は
- そのような農作物データ
であり得る。
【0078】
本発明に関連して、静的圃場データに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、静的圃場データに接続された又は静的圃場データに関する任意のデータ、
- 静的圃場データに転換又は変換できる任意のデータ、
- 静的圃場データに関する識別子、又は
- そのような静的圃場データ
であり得る。
【0079】
本発明に関連して、追加データに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、追加データに接続された又は追加データに関する任意のデータ、
- 追加データに転換又は変換できる任意のデータ、
- 追加データに関する識別子、又は
- そのような追加データ
を含み得る。
【0080】
本発明に関連して、収量データに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、収量データに接続された又は収量データに関する任意のデータ、
- 収量データに転換又は変換できる任意のデータ、
- 収量データに関する識別子、又は
- そのような収量データ
であり得る。
【0081】
本発明に関連して、気象データに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、気象データに接続された又は気象データに関する任意のデータ、
- 気象データに転換又は変換できる任意のデータ、
- 気象データに関する識別子、又は
- そのような気象データ
であり得る。
【0082】
本発明に関連して、土壌データに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、土壌データに接続された又は土壌データに関する任意のデータ、
- 土壌データに転換又は変換できる任意のデータ、
- 土壌データに関する識別子、又は
- そのように土壌データ
であり得る。
【0083】
本発明に関連して、少なくとも1つの処理パラメータに関するデータは、
- 例えばデータベース又はデータベースシステム内にある、少なくとも1つの処理パラメータに接続された又はそれに関する任意のデータ、
- 少なくとも1つの処理パラメータに転換又は変換できる任意のデータ、
- 少なくとも1つの処理パラメータに関する識別子、又は
- そのような少なくとも1つの処理パラメータ
であり得る。
【0084】
土壌データの空間的変動は、種子の性能に関する不確定度の源であるため、1つ以上の土壌データの測定は、予測モデルと一緒に又はそれと組み合わせて、予測された土壌データを生成でき、これを本発明のコンピュータ実施方法で更に使用できる。
【0085】
本明細書で使用される「予測モデル」という用語は、数学的方法及び計算方法を使用して、事象又は結果を予測するモデルを示し得る。一例では、予測モデルは、機械学習モデルなどの訓練済み計算予測モデルであり、それは、パターンを認識し、データを分類し、将来の事象を予想するために「訓練データ」を使用して訓練され得る。圃場試験は、機械学習モデルのための訓練データを取得するために行われ得る。別の例では、予測モデルは、方程式ベースモデルを使用して、種子の性能に対する、例えば土壌データの影響の現象を記述する、パラメータ化された数学的手法である。数学的モデルは、モデル入力に対する変化に基づいて何らかの将来の状態又は時間における結果を予想するために使用される。圃場試験からのサンプルデータを使用して、数式のパラメータをフィッティングし得、次いで数式を使用して、測定された土壌データから種子の予測性能(例えば、収量)を生成し得る。
【0086】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、農作物植物の可能な限り最良且つ最も効率的な生育を達成するという目的、例えば最高の収量、又はバイオマス若しくは農作物価値、又は農作物品質を達成することを目的として、少なくとも1つの処理パラメータを決定又は出力するように実施される。
【0087】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、以下の論理で実施される:より高い収量データ、例えばより高い履歴的収量可能性又はより高い履歴的実収量を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種率を増加させ得る。より低い収量データ、例えばより低い履歴的収量可能性又はより低い履歴的実収量を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種率を減少させ得る。この論理は、「正常播種率論理」と呼ばれ、例えばトウモロコシのために使用される。
【0088】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、以下の論理で実施される:より高い収量データ、例えばより高い履歴的収量可能性又はより高い履歴的実収量を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種率を減少させ得る。より低い収量データ、例えばより低い履歴的収量可能性又はより低い履歴的実収量を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種率を増加させ得る。この論理は、「逆播種率論理」と呼ばれ、例えば大豆のために使用される。
【0089】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、以下の論理で実施される:農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種を示す農作物データに応じて、最初に、「通常収量播種率論理」(農作物収量が農作物播種率の増加と共に概ね増加し、これは、例えば、トウモロコシに適用可能である)又は「逆収量播種率論理」(農作物収量が農作物播種率の増加と共に概ね減少し、これは、例えば、大豆に適用可能である)が特定の農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種に適用可能であるかどうかが決定され、「通常収量播種率論理」が決定された場合、より高い履歴的収量可能性又はより高い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を増加させ得るのに対して、より低い履歴的収量可能性又はより低い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を減少させ得、「逆収量播種率論理」が決定された場合、より高い履歴的収量可能性又はより高い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を減少させ得るのに対して、より低い履歴的収量可能性又はより低い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を増加させ得る。
【0090】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、以下の論理で実施される:農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種を示す農作物データに応じて、最初に、「通常収量播種率論理」(農作物収量が農作物播種率の増加と共に概ね増加し、これは、例えば、トウモロコシに適用可能である)又は「逆収量播種率論理」(農作物収量が農作物播種率の増加と共に概ね減少し、これは、例えば、大豆に適用可能である)が特定の農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種に適用可能であるかどうかが決定され、この決定は、
a)特定の農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種に対して、「通常収量播種率論理」が適用可能か又は「逆収量播種率論理」が適用可能かを示す既存の収量播種率相関データ、又は
b)特定の農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種に対して、「通常収量播種率論理」が適用可能か又は「逆収量播種率論理」が適用可能かを示す、収量播種率相関データのための自動又は半自動データベース検索、
c)特定の農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種に対して、「通常収量播種率論理」が適用可能か又は「逆収量播種率論理」が適用可能かを示す、シミュレートされた収量播種率相関データであって、このシミュレーションは、類似の生物学的及び/又は生理学的及び/又は形態学的性質を有する他の農作物タイプ、農作物種、農作物多様性又は遺伝的変種の対応するデータに基づくものであり、任意選択で機械学習技術を使用するものである、収量播種率相関データ
に基づいて実施される。「通常収量播種率論理」が決定された場合、より高い履歴的収量可能性又はより高い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を増加させ得るのに対して、より低い履歴的収量可能性又はより低い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を減少させ得、「逆収量播種率論理」が決定された場合、より高い履歴的収量可能性又はより高い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を減少させ得るのに対して、より低い履歴的収量可能性又はより低い履歴的実収量を示す収量データを有するサブ圃場区域では、それに応じて播種率を増加させ得る。
【0091】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、以下の論理で実施される:より高い土壌水分を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種深度を減少させ得る。より低い土壌水分を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種深度を増加させ得る。大量の粘土を有する土壌特質を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種深度を減少させ得る。大量の砂を有する土壌特質を有するサブ圃場区域については、それに応じて播種深度を増加させ得る。雨が予想されるサブ圃場区域については(例えば、近日中に降雨の可能性が高い場合)、それに応じて播種深度を減少させ得る。雨が予想されていないサブ圃場区域については(例えば、近日中に降雨の可能性が非常に低い場合)、それに応じて播種深度を増加させ得る。
【0092】
本発明の別の好ましい実施形態では、(ステップ3)におけるデータ処理は、以下の論理で実施される:土壌水分が高い場合、播種時期は、この高い土壌水分を使用できるように決定されることになる。土壌水分が低く且つ数日後に降雨が予想される場合、播種時期は、水源として降雨の水が使用されることになり、種子が成長するのに十分な水を有するように、あと数日間待つように決定されることになる。いずれにしても、播種時期は、圃場又はサブ圃場区域に植えられる農作物に関する規制データに準拠するように決定されることになる。
【0093】
図1は、本発明の実施形態のワークフローを示す。
【0094】
図1では、
(a)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの率(播種率)、
(b)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの深度(播種深度)、及び
(c)少なくとも1つの農作物を圃場又はサブ圃場区域に植えるための少なくとも1つの時間窓(播種時期)
からなる群から選択される処理パラメータの少なくとも1つを決定するコンピュータ実施方法であって、
(ステップ1)(102)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、圃場又はサブ圃場区域に植えられる少なくとも1つの農作物に関する農作物データ及び圃場又はサブ圃場区域に関する静的圃場データを受信するステップ、
(ステップ2)(104)コンピューティングユニットにより、データベースから、及び/又はユーザ入力から、及び/又はリアルタイム測定から、
(A)圃場又はサブ圃場区域に関する収量データ、
(B)圃場又はサブ圃場区域に関する気象データ、及び
(C)圃場又はサブ圃場区域に関する土壌データ
からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データを受信するステップ、
(ステップ3)(106)農作物データ及び静的圃場データ並びに少なくとも1つのタイプの追加データに少なくとも基づいて、
(i)農作物データに関するデータ及び/又は静的圃場データに関するデータ、
(ii)少なくとも1つの処理パラメータに関するデータ、
(iii)収量データ、気象データ及び土壌データからなる群から選択される少なくとも1つのタイプの追加データに関するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいて、データ処理を開始及び/又は実施するステップ、
(ステップ4)(108)データ処理の結果に基づいて少なくとも1つの処理パラメータを出力するステップ
を含むコンピュータ実施方法が示される。
【0095】
図2
図2は、本発明のコンピュータ実施方法のデータフローの実施形態を示す。
【0096】
本発明のコンピュータ実施方法の(ステップ1)及び(ステップ2)に対応する第1のデータフローセクションでは、データソース101が利用可能になる。データソースは、例えば、ユーザデバイス103、データベース105及び/又はセンサ107であり得る。用語「ユーザ入力デバイス」は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、モニタ、データ記憶デバイス又は任意の他のデバイスであると理解され、それを介して、人間及びロボットを含むユーザは、圃場管理システム112にデータを入力するか又は移動させることができる。用語「入力データベース」は、任意の組織化されたデータの集合体であると理解され、入力データベースは、記憶され、コンピュータシステムから電子的にアクセスでき、入力データベースからデータを圃場管理システム112に入力するか又は移動させることができる。用語「センサ」は、現実世界情報を検出するか又は受信し、この現実世界情報を別のシステムに送信することが可能な任意の種類の物理的又は仮想的なデバイス、モジュール又は機械であると理解され、温度センサ、湿度センサ、水分センサ、pHセンサ、圧力センサ、土壌センサ、農作物センサ、水センサ及びカメラを含む。
【0097】
更なるデータフローセクションにおいて、データソース101の1つから生じたデータは、任意選択で、データ前処理セクション110において前処理される。そのようなデータ前処理は、データ較正、(例えば、異なるフォーマットへの)データ変換、データ修正、データ妥当性確認及びデータ検証を含み得る。
【0098】
更なるデータフローセクションにおいて、データソース101の1つから生じたデータであって、任意選択でデータ前処理セクション110において前処理されたデータは、例えば、農作物データ122、静的圃場データ124、収量データ126、土壌データ128又は気象データ130として圃場管理システム112に入力される。
【0099】
本発明のコンピュータ実施方法の(ステップ3)に対応する更なるデータフローセクションでは、上述したデータが、データ処理セクション120の圃場管理システムにより、例えば、1つ以上の農作物関連モデル142、1つ以上の圃場関連モデル144、1つ以上の収量関連のモデル146、1つ以上の土壌関連のモデル148、1つ以上の気象モデル150又はこのようなモデルの組合せを使用して処理される。農作物関連モデル142は、特定の入力データに基づいて、農作物種、農作物生物季節学、農作物生育、農作物開発及び他の農作物関連特性を決定、予測及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。圃場関連モデル144は、特定の入力データに基づいて、圃場の土壌特性又は他の圃場関連特性を決定、予測及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。収量関連モデル146は、特定の入力データに基づいて、農作物生物季節学及び農作物バイオマスを含む農作物収量を決定、予測及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。農学的推奨モデル148は、特定の入力データに基づいて、特定の現実世界農学的目的、特に播種を実現するための1つ以上の方法、製品(特に種子又は苗)、用量(特に播種率)、時間窓又は他の処理パラメータを決定することが可能なアルゴリズムである。気象モデル150は、温度、降水量、水分、湿度、日照又は風速などの任意の気象関連パラメータをその開発を含めて決定、予測及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。データ処理セクション120内において、上述したモデルの1つの出力も、上述したモデルの別のものの入力として直接使用され得る。データ処理セクション120内において、上述したモデルの少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つは、並列構成若しくは順次構成又は並列構成と順次構成との組合せのいずれかで動作し得る。
【0100】
本発明のコンピュータ実施方法の(ステップ4)に対応する更なるデータフローセクションでは、データ処理セクション120におけるモデルの最終出力は、圃場管理システムからデータ出力層160に転送され、例えば、ユーザデバイス162における出力データベース164に又は制御ファイル166として出力される。用語「ユーザ出力デバイス」は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、モニタ、データ記憶デバイス又は任意の他のデバイスであると理解され、それを介して、人間及びロボットを含むユーザは、圃場管理システム112からデータを受信することができる。用語「出力データベース」は、任意の組織化されたデータの集合体であると理解され、出力データベースは、記憶され、コンピュータシステムから電子的にアクセスでき、圃場管理システム112から出力又は転送されたデータを受信することができる。用語「制御ファイル」は、機械又はデバイス、例えば農業処理デバイスを制御することに役立つ任意のバイナリファイル、データ、信号、識別子、コード、画像又は任意の他の機械可読要素若しくは機械検出可能要素であると理解される。
【0101】
図3
図3は、処理管理システム500を概略的に示す。本発明のコンピュータ実施方法によって決定される処理パラメータは、処理管理システム500に組み込まれた農業機器のための制御信号として出力されるか又は更に処理されることになり、農業機器は、好ましくは、種子ドリル又は播種機である。処理管理システム500は、種子ドリル又は播種機510、データ管理システム520、圃場管理システム112及びクライアントコンピュータ540を含み得る。種子ドリル又は播種機510は、変動速度アプリケータを有する地上ロボット又は種子製品(特に種子及び苗)を圃場502に施用するための他の変動速度アプリケータであり得る。
【0102】
図3の実施例では、種子ドリル又は播種機510は、スマート農業機械として具体化されている。スマート農業機械510は、スマート種子ドリル又はスマート播種機であり得、接続システム512を含む。接続システム512は、スマート農業機械510を分散コンピューティング環境に通信可能に結合させるように構成され得る。接続システムは、スマート農業機械510で収集されたデータを分散コンピューティング環境のデータ管理システム520、圃場管理システム112及び/又はクライアントコンピュータ540に提供するように構成され得る。
【0103】
データ管理システム520は、スマート農業機械510にデータを送信するか、又はスマート農業機械510からデータを受信するように構成され得る。例えば、圃場502への施用中に記録されたデータを含む、検出されたマップ又は施用されたマップは、スマート農業機械510からデータ管理システム520に送信され得る。例えば、データ管理システム520は、異なる圃場及び関する処理マップの地理参照データを含み得る。
【0104】
圃場管理システム520は、スマート農業機械510に制御プロトコル、起動コード又は判定論理を提供するか、又はスマート農業機械510からのデータを受信するように構成され得る。そのようなデータは、データ管理システム520を介しても受信され得る。
【0105】
圃場コンピュータ540は、ユーザ入力を受信し、且つ圃場識別子及び任意選択の処理指示子を圃場管理システム112に提供するように構成され得る。代わりに、圃場識別子は、種子ドリル又は播種機510によって提供され得る。代わりに、任意選択の処理指定子は、例えば、生育段階モデル、気象モデリング、近隣圃場発生率などを使用して決定され得る。圃場管理システム112は、圃場識別子及び任意選択の処理指定子に基づいて、データ管理システム520において、対応する農業圃場及び関する処理マップを検索し得る。圃場コンピュータ540は、圃場管理システム112及び/又はスマート農業機械510からクライアントデータを受信するように更に構成され得る。そのようなクライアントデータは、例えば、スマート農業機械510を用いて特定の圃場に実施される施用スケジュール又は特定の圃場の健康状態に対する洞察を提供する圃場分析データを含み得る。
【0106】
処理デバイス510、データ管理システム520、圃場管理システム112及びクライアントコンピュータ540は、ネットワークに関連付けられ得る。例えば、ネットワークは、インターネットであり得る。ネットワークは、代わりに、いかなる他のタイプ及び数のネットワークでもあり得る。例えば、ネットワークは、ワイドエリアネットワークに接続されたいくつかのローカルエリアネットワークによって実装され得る。ネットワークは、有線ネットワーク、無線ネットワーク、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク等の任意の組合せを含み得る。
【0107】
本発明のデータ処理システムは、圃場管理システム112として、又は圃場管理システム112内において、又は圃場管理システム112の一部として具体化されて、上述した方法を実行して、スマート農業機械510に制御データを提供し得る。例えば、圃場管理システム112は、接続システム512を介して種子ドリル又は播種機510から種子ドリル/播種機の構成データを受信し得る。圃場管理システム112は、種子ドリル又は播種機510に設置された1つ以上のセンサから地理依存環境データ(例えば、温度、水分、湿度及び/又は風速)を受信して、環境データを監視し得る。代わりに又は加えて、圃場管理システム112は、気象サービスから地理依存性の環境データを受信し得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】