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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】伝導性接続部
(51)【国際特許分類】
   H02G 13/00 20060101AFI20231227BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20231227BHJP
   F03D 80/30 20160101ALI20231227BHJP
【FI】
H02G13/00
F03D1/06 A
F03D80/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538809
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2021087470
(87)【国際公開番号】W WO2022136632
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】20216991.8
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519464522
【氏名又は名称】ポリテック・アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ソレン・フィンド・マドセン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】リサ・カルロニ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB43
3H178CC02
3H178DD70X
(57)【要約】
本発明は、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメントと1つまたは複数のダウンコンダクターとの間の伝導性接続部であって、CFRPエレメントは、電気的に伝導性であり、面を有しており、伝導性接続部は、インターフェース伝導性パッチを含み、インターフェース伝導性パッチは、CFRPエレメントをインターフェース伝導性パッチと電気的に接続するためにCFRPエレメントの面の上に提供されており、インターフェース伝導性パッチは、1つまたは複数のダウンコンダクターと電気的に接続されている、伝導性接続部に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメント(2)と1つまたは複数のダウンコンダクターとの間の伝導性接続部(1)であって、前記CFRPエレメント(2)は、電気的に伝導性であり、面(3)を有しており、前記伝導性接続部(1)は、インターフェース伝導性パッチ(4)を含み、前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、前記CFRPエレメント(2)を前記インターフェース伝導性パッチ(4)と電気的に接続するためにCFRPエレメント(2)の前記面(3)の上に提供されており、前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、前記1つまたは複数のダウンコンダクターと電気的に接続されている、伝導性接続部(1)。
【請求項2】
伝導性コーティング(7)が、前記面(3)の一部の上に塗布されており、前記伝導性コーティング(7)は、前記面(3)と前記インターフェース伝導性パッチ(4)との間に中間層(7)として塗布されている、請求項1に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項3】
前記伝導性コーティング(7)は、電気メッキ、ブラシ、吹き付け、ディッピング、または、同様の塗布方法によって塗布される、請求項2に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項4】
前記伝導性コーティング(7)は、前記CFRPエレメント(2)と前記インターフェース伝導性パッチ(4)との間の適正な伝導性を保証するように構成されている、請求項2および/または3に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項5】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、前記伝導性コーティング(7)の反対側に配置されており、前記インターフェース伝導性パッチ(4)の上方に炭素繊維の構造化された層を提供することによって、前記伝導性コーティング(7)に固定される、請求項2から4のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項6】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、炭素繊維の第1の構造化された層と炭素繊維の第2の構造化された層との間に前記インターフェース伝導性パッチ(4)を挟むことによって提供され、前記第1の構造化された層は、前記面(3)の上に適用されている、請求項1に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項7】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)は金属を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項8】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、織布パッチメッシュまたはエキスパンデッド金属パッチフォイルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項9】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、前記面(3)と接続されるように構成されている第1のパーツ(8)と、前記面(3)の外側にある第2のパーツ(9)とを有しており、前記第1のパーツおよび前記第2のパーツは、電気的に接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項10】
前記ダウンコンダクターは、シートおよび/またはケーブルを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項11】
前記シートは、エキスパンデッド金属フォイルまたは織布金属メッシュである、請求項10に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項12】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)は、伝導性接続パッチポイントを含み、前記伝導性接続パッチポイントは、前記インターフェース伝導性パッチを前記ダウンコンダクターに電気的に接続するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項13】
前記シートは、1つまたは複数の伝導性接続シートポイントを含む、請求項10に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項14】
前記CFRPエレメント(2)は、構造的エレメントである、請求項1から13のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項15】
前記CFRPエレメント(2)は、風力タービンブレードの中に配置されているガーダーまたはスパーである、請求項1から14のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項16】
前記CFRPエレメント(2)は、引き抜き成形された炭素部材を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)を含む雷保護システム(100)。
【請求項18】
請求項17に記載の雷保護システム(100)を含む風力タービンブレード(101)。
【請求項19】
炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメント(2)と1つまたは複数のダウンコンダクターとの間に、請求項1から16のいずれか一項に記載の伝導性接続部(1)を提供する方法であって、前記CFRPエレメント(2)は、電気的に伝導性であり、前記方法は、
- 面(3)を有するCFRPエレメント(2)を提供するステップと、
- インターフェース伝導性パッチ(4)を提供するステップと、
- 前記CFRPエレメント(2)と前記伝導性パッチ(4)との間の電気的な接続を保証するために、CFRPエレメント(2)の前記面(3)の上に前記インターフェース伝導性パッチ(4)を適用するステップと
を含む、方法。
【請求項20】
前記インターフェース伝導性パッチ(4)が伝導性コーティングおよび前記面の上に適用される前に、前記伝導性コーティング(7)が、前記面(3)の上に塗布され、前記伝導性コーティングは、電気メッキ、ブラシ、吹き付け、ディッピング、または、同様の塗布方法によって塗布される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記伝導性コーティングが塗布される前に、前記面(3)は、クリーニングされるおよび/またはサンドペーパーをかけられる、請求項19および/または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電気メッキは、
- カソードとして前記CFRPエレメント(2)を提供するステップと、
- コーティング溶液を提供するステップと、
- 犠牲アノードを提供するステップと、
- 外部電源によって電流を印加するステップと
によって実施される、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメントと1つまたは複数のダウンコンダクターとの間の伝導性接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
CFRPエレメントは、主に、建造物の重量を依然として最適化しながら建造物の強度および剛性を強化するための構造的エレメントとして、多くの用途および建造物の中に組み込まれている。
【0003】
CFRPエレメントは、電気的に伝導性であり、したがって、これらのエレメントが、落雷のために働かされる建造物の中で使用されているときには、CFRPエレメントを通して導かれる電流を制御するために、および、内部差動電圧がフラッシュオーバーを引き起こすことを回避するために、雷保護システムによってこれらのCFRPエレメントを保護することが必要である。
【0004】
したがって、この雷保護協働(lightning protection coordination)は、建造物の中の伝導性材料の絶縁、分離、および等電位化の組み合わせによって実現される。CFRPエレメントは、意図された使用および強度に最適化されているので、CFRPエレメントの強度に影響を与えることなくCFRPエレメントとダウンコンダクターとの間に伝導性接続部を提供することは困難であることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術の上記の不利益および欠点を全体的にまたは部分的に克服することである。より具体的には、目的は、CFRPエレメントの強度と干渉することなく、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメントと1つまたは複数のダウンコンダクターとの間に改善された伝導性接続部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、多数の他の目的、利点、および特徴(それらは、下記の説明から明らかになることとなる)とともに、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメントと1つまたは複数のダウンコンダクターとの間の伝導性接続部であって、CFRPエレメントは、電気的に伝導性であり、面を有しており、伝導性接続部は、インターフェース伝導性パッチを含み、インターフェース伝導性パッチは、CFRPエレメントをインターフェース伝導性パッチと電気的に接続するためにCFRPエレメントの面の上に提供されており、インターフェース伝導性パッチは、1つまたは複数のダウンコンダクターと電気的に接続されている、伝導性接続部によって、本発明による解決策によって達成される。
【0007】
多くの建造物は、建造物の強度を強化するためにCFRPエレメントを組み込んでいる。したがって、CFRPエレメントは、建造物の構造的パーツの一部であり、それらは、伝導性であるCFRPから作製されているので、CFRPエレメントは、雷電流を導くことが可能であり、それは、CFRPエレメントの強度、および、建造物の他のパーツへの結合を危うくする可能性がある。これは、CFRPエレメントの構造および強度に干渉することなく、CFRPエレメントとダウンコンダクターとの間の伝導性接続を保証することによって、本発明によって解決される。
【0008】
そのうえ、伝導性コーティングが、面の一部の上に塗布されており、伝導性コーティングは、面とインターフェース伝導性パッチとの間に中間層として塗布されることが可能である。
【0009】
また、伝導性コーティングは、電気メッキによって塗布されることが可能である。
【0010】
そのうえ、伝導性コーティングは、ブラシ、吹き付け、ディッピング、または、同様の塗布方法によって塗布されることが可能である。
【0011】
加えて、伝導性コーティングは、金属を含むことが可能である。
【0012】
ある実施形態において、伝導性コーティングは、グラフェンを含むことが可能である。
【0013】
そのうえ、伝導性コーティングは、CFRPエレメントとインターフェース伝導性パッチとの間の適正な伝導性を保証するように構成されることが可能である。
【0014】
また、インターフェース伝導性パッチは、伝導性コーティングの反対側に配置されており、インターフェース伝導性パッチの上方に炭素繊維の構造化された層を提供することによって、伝導性コーティングに固定されることが可能である。
【0015】
構造化された層は、GFRP Biaxであることが可能である。構造化された層および/またはGFRP Biaxは、インターフェース伝導性パッチから面への(または、その逆もまた同様)電流伝達を支援するように構成されることが可能である。
【0016】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチは、面とインターフェース伝導性パッチとの間に配置された伝導性接着剤によって、インターフェース伝導性パッチを面に接着することによって提供されることが可能である。
【0017】
加えて、インターフェース伝導性パッチは、インターフェース伝導性パッチを面の上に配置することによって、および、炭素繊維の構造化された層を面およびインターフェース伝導性パッチの上方に適用することによって提供されることが可能である。
【0018】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチは、炭素繊維の第1の構造化された層と炭素繊維の第2の構造化された層との間にインターフェース伝導性パッチを挟むことによって提供されることが可能であり、第1の構造化された層は、面の上に適用されている。
【0019】
また、炭素繊維の構造化された層は、織布層および/または不織布層を含むことが可能である。
【0020】
ある実施形態において、織布層および/または不織布層は、CFRP Biax、Triax、または、同様の織布材料を含むことが可能である。
【0021】
ある実施形態において、織布層および/または不織布層は、Biax、Triax、または、同様の織布構成で、CFRP/GFRPハイブリッド材料を含むことが可能である。
【0022】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチは、金属を含むことが可能である。
【0023】
追加的に、金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、または、それらの任意の合金であることが可能である。
【0024】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチは、複合材または繊維などのような非金属材料から作製されることが可能である。
【0025】
また、インターフェース伝導性パッチは、織布パッチメッシュまたはエキスパンデッド金属パッチフォイル(expanded metal patch foil)であることが可能である。
【0026】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチは、面と接続されるように構成されている第1のパーツと、面の外側にある第2のパーツとを有することが可能である。第1のパーツおよび第2のパーツは、電気的に接続されることが可能である。
【0027】
加えて、ダウンコンダクターは、シートおよび/またはケーブルを含むことが可能である。
【0028】
そのうえ、シートは、エキスパンデッド金属フォイルまたは織布金属メッシュであることが可能である。
【0029】
シートは、伝導性材料から作製されることが可能である。
【0030】
また、シートの伝導性材料は、アルミニウム、銅、スチール、または、関連の合金などのような、金属から作製されることが可能である。
【0031】
そのうえ、シートの伝導性材料は、複合材または繊維などのような非金属であることが可能である。
【0032】
加えて、ダウンコンダクターは、金属などのような伝導性材料から作製されたケーブルまたはバーであることが可能である。
【0033】
ある実施形態において、インターフェース伝導性パッチは、伝導性接続パッチポイントを含むことが可能であり、伝導性接続パッチポイントは、インターフェース伝導性パッチをダウンコンダクターに電気的に接続するように構成されている。
【0034】
そのうえ、伝導性接続パッチポイントは、金属もしくは他の伝導性材料、または、それらの組み合わせから作製されることが可能である。
【0035】
金属は、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、真鍮、銀(Ag)、金(Au)、または、それらの任意の合金であることが可能である。
【0036】
また、伝導性接続パッチポイントは、第1のディスクおよび第2のディスクを含むことが可能である。第1のディスクは、インターフェース伝導性パッチの第1の側に配置されることが可能であり、第2のディスクは、第1のディスクの反対側の伝導性パッチの第2の側に配置されており、第1のディスクおよび第2のディスクは接続されている。
【0037】
そのうえ、インターフェース伝導性接続パッチポイントは、インターフェース伝導性パッチと機械的におよび電気的に接続されることが可能である。
【0038】
加えて、伝導性接続パッチポイントは、伝導性接着剤によって伝導性パッチに接着されることが可能である。
【0039】
ある実施形態において、スレッドが、伝導性接続パッチポイントの中に提供されることが可能である。
【0040】
そのうえ、伝導性接続パッチポイントは、面への接続から所定の距離において、インターフェース伝導性パッチの上に配置されることが可能である。
【0041】
シートは、1つまたは複数の伝導性接続シートポイントを含むことが可能である。
【0042】
また、伝導性接続シートポイントは、金属もしくは他の伝導性材料、または、それらの組み合わせから作製されることが可能である。
【0043】
そのうえ、金属は、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、真鍮、銀(Ag)、金(Au)、または、それらの任意の合金であることが可能である。
【0044】
加えて、伝導性接続シートポイントは、第1のポイント層および第2のポイント層を含むことが可能である。第1の層は、第1の材料から作製されることが可能であり、第2の層は、第2の材料から作製されている。
【0045】
そのうえ、第1の材料は、第2の材料とは異なっていることが可能である。
【0046】
そのうえ、伝導性接続シートポイントは、伝導性接続パッチポイントと直接的にまたは間接的に接続されることが可能である。
【0047】
また、それぞれの伝導性接続パッチおよび/またはポイント伝導性接続シートポイントは、3mmから200mmの間の、好ましくは、5mmから100mmの間の最小曲率半径を有する外側の閉じられた湾曲を示す幾何学形状を有することが可能である。
【0048】
追加的に、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、軌道長半径および軌道短半径を有することが可能である。
【0049】
そのうえ、軌道長半径および軌道短半径は、等しくなっていることが可能であり、円形外周部を提供する。
【0050】
そのうえ、軌道長半径および軌道短半径は、異なっていることが可能であり、長円形または楕円形の外周部を提供する。
【0051】
また、軌道長半径は、CFRPエレメントの所定の軸線に対して所定の角度で配向されることが可能である。
【0052】
所定の角度は、0度から90度の間にあることが可能である。
【0053】
加えて、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、部分的にまたは完全に円形または長円形であることが可能である。
【0054】
そのうえ、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、非対称的な形状を有することが可能である。
【0055】
また、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントの外周部は、湾曲した線および真っ直ぐな線によって画定されることが可能である。
【0056】
加えて、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、所定の厚さを有することが可能であり、その厚さは、0.5mmよりも大きく、好ましくは、1.0mmよりも大きくなっていることが可能である。
【0057】
そのうえ、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントの厚さは、パッチおよび/またはシートの厚さに関して両方の方向に延在することが可能である。
【0058】
そのうえ、伝導性接続シートポイントは、シートと機械的に接続されることが可能である。
【0059】
追加的に、伝導性接続シートポイントは、伝導性接着剤によってシートに接着されることが可能である。
【0060】
また、レセプターボルトは、伝導性接続シートポイントを通してインターフェース伝導性パッチの伝導性接続パッチポイントの中へねじ込まれることが可能である。
【0061】
スレッドは、伝導性接続シートポイントの中に提供されることが可能である。
【0062】
そのうえ、中間ケーブルは、伝導性接続パッチポイントおよび伝導性接続シートポイントを接続していることが可能である。
【0063】
そのうえ、CFRPエレメントは、構造的エレメントであることが可能である。
【0064】
また、CFRPエレメントは、風力タービンブレードの中に配置されているガーダー(girder)またはスパーであることが可能である。
【0065】
加えて、CFRPエレメントは、マストであるかまたはマストの一部であることが可能である。
【0066】
ある実施形態において、CFRPエレメントは、引き抜き成形された炭素部材を含むことが可能である。
【0067】
また、本発明は、上記に説明されているような伝導性接続部を含む雷保護システムに関する。
【0068】
また、本発明は、上記に説明されているような雷保護システムを含む風力タービンブレードに関する。
【0069】
また、本発明は、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメントと1つまたは複数のダウンコンダクターとの間に伝導性接続部を提供する方法であって、CFRPエレメントは、電気的に伝導性であり、方法は、
- 面を有するCFRPエレメントを提供するステップと、
- インターフェース伝導性パッチを提供するステップと、
- CFRPエレメントと伝導性パッチとの間の電気的な接続を保証するために、CFRPエレメントの面の上にインターフェース伝導性パッチを適用するステップと
を含む、方法に関する。
【0070】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチが伝導性コーティングおよび面の上に適用される前に、伝導性コーティングが面の上に塗布されることが可能であり、伝導性コーティングは、電気メッキ、ブラシ、吹き付け、ディッピング、または、同様の塗布方法によって塗布される。
【0071】
加えて、伝導性コーティングが塗布される前に、面は、クリーニングされるおよび/またはサンドペーパーをかけられることが可能である。
【0072】
また、電気メッキは、
- カソードとしてCFRPエレメントを提供するステップと、
- コーティング溶液を提供するステップと、
- 犠牲アノードを提供するステップと、
- 外部電源によって電流を印加するステップと
よって実施されることが可能である。
【0073】
そのうえ、本方法は、
- 面の上にコーティングされることとなるエリアを局在化させるステップと、
- ブラシ/布/スポンジをコーティング溶液によって飽和させるステップと、
- ブラシ/布/スポンジと接触しているアノードと外部電源を接続するステップと、
- 飽和されたブラシ/布/スポンジをそのエリアに適用するステップと
をさらに含むことが可能である。
【0074】
本発明およびその多くの利点は、添付の概略的な図面を参照して、より詳細に下記に説明されることとなり、図面は、図示の目的のために、いくつかの非限定的な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】本発明による伝導性接続部の実施形態を示す図である。
図2】本発明による伝導性接続部の別の実施形態を示す図である。
図3】インターフェース伝導性パッチの実施形態を示す図である。
図4】CFRPエレメントと接続されているインターフェース伝導性パッチを示す図である。
図5】接続ブロックおよび接続ポイントコネクターを介してダウンコンダクターと接続されているインターフェース伝導性パッチを示す図である。
図6】接続ブロックおよび接続ポイントコネクターを介してダウンコンダクターと接続されているインターフェース伝導性パッチを示す図である。
図7】伝導性接続ポイントの異なる実施形態を示す図である。
図8】伝導性接続ポイントの異なる実施形態を示す図である。
図9】伝導性接続ポイントの異なる実施形態を示す図である。
図10】伝導性接続ポイントの異なる形状を示す図である。
図11】伝導性接続ポイントの異なる形状を示す図である。
図12】伝導性接続ポイントの異なる形状を示す図である。
図13】伝導性接続ポイントの異なる形状を示す図である。
図14】風力タービンブレードの中に配置されているCFRPエレメントおよび雷保護システムを概略的に示す図である。
図15】風力タービンブレードを通る断面図である。
図16】3つの風力タービンブレードを有する風力タービンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
すべての図は、極めて概略的であり、必ずしも正しい縮尺になっているわけではなく、それらは、本発明を解明するために必要なそれらのパーツのみを示しており、他のパーツは、省略されているか、または、単に示唆されている。
【0077】
図1は、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメント2と1つまたは複数のダウンコンダクター(図示せず)との間の伝導性接続部1を示している。CFRPエレメント2は、電気的に伝導性であり、面3を有しており、伝導性接続部1は、インターフェース伝導性パッチ4を含み、インターフェース伝導性パッチ4は、CFRPエレメント2をインターフェース伝導性パッチ4と電気的に接続するためにCFRPエレメント2の面3の上に提供されており、インターフェース伝導性パッチ4は、1つまたは複数のダウンコンダクター(図示せず)と電気的に接続されている。
【0078】
図1に示されている実施形態では、インターフェース伝導性パッチ4は、炭素繊維の第1の構造化された層5と炭素繊維の第2の構造化された層6との間にインターフェース伝導性パッチ4を挟むことによって提供され、第1の構造化された層5は、面3の上に適用されており、第2の構造化された層6は、第1の構造化された層5およびインターフェース伝導性パッチ4の上方に適用されている。
【0079】
また、インターフェース伝導性パッチ4は、インターフェース伝導性パッチ4を面3の上に配置することによって、ならびに、炭素繊維の第1の構造化された層5を面3およびインターフェース伝導性パッチ4の上方に適用することによって提供されることが可能である。
【0080】
炭素繊維の構造化された層5、6は、織布層および/または不織布層を含むことが可能である。織布層および/または不織布層は、CFRP Biax、Triax、または同様の織布材料を含むことが可能である。加えて、炭素繊維およびガラス繊維の混合を含むハイブリッド層またはプライが、使用されることも可能である。
【0081】
構造化された層をインターフェース伝導性パッチ4の上方に配置することによって、インターフェース伝導性パッチ4がCFRPエレメントに対して確実に維持されること、および、CFRPエレメントとインターフェース伝導性パッチとの間の適正な伝導性が取得されるということが保証される。
【0082】
別の示されていない実施形態では、インターフェース伝導性パッチは、面とインターフェース伝導性パッチとの間に配置されている伝導性接着剤によって、インターフェース伝導性パッチを面に接着することによって提供されることが可能である。
【0083】
図2では、伝導性接続部1の別の実施形態が示されている。この実施形態では、伝導性コーティング7が、面3の一部の上に塗布されており、伝導性コーティング7は、面3とインターフェース伝導性パッチ4との間に中間層7として塗布される。CFRPエレメント2は、本実施形態では、3つの引き抜き成形された炭素部材から構築されるが、しかし、他の実施形態では、異なる数の引き抜き成形された炭素部材も使用されることが可能である。
【0084】
伝導性コーティング7は、ブラシ、吹き付け、ディッピング、または、同様の塗布方法によって塗布されることが可能である。
【0085】
加えて、インターフェース伝導性パッチが配置され、面と接続されているそのエリアでは、面の一部のみがコーティングされている。CFRPエレメントに沿ったいくつかのエリアは、コーティングされることが可能であり、いくつかのインターフェース伝導性パッチがCFRPエレメントの延在に沿って配置されることが可能であるようになっている。
【0086】
そのうえ、伝導性コーティング7は、電気メッキ技法によって塗布されることが可能である。伝導性コーティングは、次いで、金属を含むことが可能であり、次いで、塗布されるコーティングが、面3に配置されて接続される金属メッキであることが可能であるようになっている。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、または、それらの任意の合金であることが可能である。
【0087】
伝導性コーティング7またはメッキは、CFRPエレメントの構造および強度と干渉することなく、CFRPエレメント2とインターフェース伝導性パッチ4との間の適正な強化された伝導性を保証するように構成されている。
【0088】
CFRPエレメントの面にコーティングまたはメッキすることによって、CFRPエレメントの炭素繊維とコーティングまたはメッキとの間に、より高い程度の伝導性が取得され、それは、繰り返しになるが、より高い程度の伝導性をインターフェース伝導性パッチに提供し、そこからダウンコンダクターに提供する。
【0089】
加えて、インターフェース伝導性パッチ4は、図2に示されているように、伝導性コーティングの反対側に配置されており、次いで、その後に、インターフェース伝導性パッチ(図示せず)の上方に炭素繊維の構造化された層を提供することによって、伝導性コーティングまたはメッキに固定されることが可能である。
【0090】
また、本発明は、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメントと1つまたは複数のダウンコンダクターとの間に伝導性接続部を提供する方法であって、CFRPエレメントは、電気的に伝導性であり、方法は、
- 面を有するCFRPエレメントを提供するステップと、
- インターフェース伝導性パッチを提供するステップと、
- CFRPエレメントと伝導性パッチとの間の電気的な接続を保証するために、CFRPエレメントの面の上にインターフェース伝導性パッチを適用するステップと
を含む、方法に関する。
【0091】
上記に説明されているように、インターフェース伝導性パッチが伝導性コーティングおよび面の上に適用される前に、伝導性コーティングが面の上に塗布されることが可能であり、伝導性コーティングは、電気メッキ、ブラシ、吹き付け、ディッピング、または、同様の塗布方法によって塗布される。
【0092】
伝導性コーティングが塗布される前に、面は、コーティングまたはメッキの強化された接着を提供するために、クリーニングされる、および/または、任意の残留物もしくは汚染のためにサンドペーパーをかけられるかまたは機械加工されることが可能である。
【0093】
上記に述べられているように、伝導性コーティングは、電気メッキによって面の上に塗布されることが可能である。ある実施形態において、電気メッキは、
- カソードとしてCFRPエレメントを提供するステップと、
- コーティング溶液を提供するステップと、
- 犠牲アノードを提供するステップと、
- 外部電源によって電流を印加するステップと
よって実施されることが可能である。
【0094】
加えて、電気メッキプロセスは、
- 面の上にコーティングされることとなるエリアを局在化させるステップと、
- ブラシ/布/スポンジをコーティング溶液によって飽和させるステップと、
- ブラシ/布/スポンジと接触しているアノードと外部電源を接続するステップと、
- 飽和されたブラシ/布/スポンジをそのエリアに適用するステップと
を含むことが可能である。
【0095】
この方法は、大きなCFRPエレメントの小さなエリアのみが電気メッキされることとなるときに好都合である。
【0096】
当業者によって認識されるように、他の電気メッキプロセスが、CFRPエレメントのサイズおよびハンドリングにしたがって適用されることが可能である。
【0097】
また、伝導性コーティングは、グラフェンを含むことが可能である。
【0098】
図2に示されているように、インターフェース伝導性パッチ4は、面3と接続されるように構成されている第1のパーツ8と、面3の外側にある第2のパーツ9とを有することが可能である。第1のパーツ8および第2のパーツ9は、電気的に接続されている。
【0099】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチ4は、本実施形態では、伝導性接続パッチポイント10を含み、伝導性接続パッチポイント10は、インターフェース伝導性パッチ4をダウンコンダクター(図示せず)に電気的に接続するように構成されている。図2に示されている実施形態では、伝導性接続パッチポイント10は、インターフェース伝導性パッチ4の第2のパーツ9に関連して配置されている。
【0100】
図3において、インターフェース伝導性パッチの実施形態が示されている。インターフェース伝導性パッチ4は、複合材または繊維などのような金属材料または非金属材料を含むシートから作製されることが可能である。
【0101】
インターフェース伝導性パッチ4が、完全にまたは部分的に金属から作製されているときには、金属は、好ましくは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、または、それらの任意の合金である。
【0102】
そのうえ、インターフェース伝導性パッチ4は、インターフェース伝導性パッチ4における適正な伝導性を保証するために、織布パッチメッシュまたはエキスパンデッド金属パッチフォイルであることが可能である。
【0103】
インターフェース伝導性パッチ4は、0.1mmから2.0mm程度の厚さを有することが可能である。
【0104】
インターフェース伝導性パッチ4と関連して、伝導性接続パッチポイント10が配置されている。伝導性接続パッチポイント10は、金属もしくは他の伝導性材料、または、それらの組み合わせから作製されることが可能である。
【0105】
伝導性接続パッチポイント10の金属は、スズ、アルミニウム、銅、真鍮、銀、金、または、それらの任意の合金であることが可能である。
【0106】
伝導性接続パッチポイント10は、第1のディスク11および第2のディスク12を含むことが可能である。第1のディスク11は、インターフェース伝導性パッチ4の第1の側に配置されることが可能であり、第2のディスク12は、第1のディスク11の反対側の伝導性パッチ4の第2の側に配置されており、第1のディスクおよび第2のディスクは接続されている。好適な実施形態において、スズディスク(図示せず)が、メッシュとディスクとの間の伝導性を強化するために、インターフェース伝導性パッチ4のメッシュの周りに配置されている。
【0107】
そのうえ、インターフェース伝導性接続パッチポイント10は、インターフェース伝導性パッチ4と機械的におよび電気的に接続されることが可能である。
【0108】
また、伝導性接続パッチポイント10は、伝導性接着剤によってインターフェース伝導性パッチに接着されることが可能である。
【0109】
そのうえ、ケーブルまたは他の伝導性部材が伝導性接続パッチポイント10と接続されることが可能であるということを促進させるために、スレッドが、伝導性接続パッチポイント10に提供されることが可能である。
【0110】
図2および図4において見られるように、伝導性接続パッチポイント10は、面3への接続部から所定の距離において、インターフェース伝導性パッチ4の上に配置されることが可能である。
【0111】
以下では、本発明が、風力タービンブレードのための雷保護システムに関連してさらに説明されることとなる。しかし、本発明は、たとえば、1つまたは複数のCFRPエレメントを含むマストなどのような他のCFRPエレメントに関連して適用されることも可能であり、そのマストは、落雷のために働かされることが可能である。
【0112】
したがって、CFRPエレメントは、たとえば、風力タービンブレードの中に配置されているガーダーまたはスパーなどのような構造的エレメントであることが可能である。
【0113】
そのうえ、CFRPエレメントは、図2において見られるように、引き抜き成形されたCFRP部材を含むことが可能である。
【0114】
図5において見られるように、インターフェース伝導性パッチ4は、CFRPエレメント2に電気的に接続されている。インターフェース伝導性パッチ4は、ケーブルコネクター13を有しており、ケーブルコネクター13は、再び、中間ケーブル14と接続されており、そして、中間ケーブル14は、中間接続ブロック15と接続されている。これによって、CFRPエレメント2の中に流れる電流は、好都合な様式で中間接続ブロック15に導かれることが可能である。中間接続ブロック15は、伝導性接続シートポイント18を介して(ここでは、シート17のような形態の)ダウンコンダクター16に接続されることが可能である。
【0115】
ダウンコンダクターは、上記に説明されているように、シートを含むことが可能であり、または、それは、ケーブルもしくはバーであることが可能である。ダウンコンダクターがケーブルである状況では、ケーブルは、ケーブルコネクターを介してインターフェース伝導性パッチに直接的に接続されることが可能である。
【0116】
シート17は、エキスパンデッド金属フォイルまたは織布金属メッシュであることが可能である。シートは、たとえば、アルミニウム、銅、スチール、または関連の合金である金属などのような、伝導性材料から作製されている。
【0117】
ダウンコンダクターがケーブルまたはバーであるときには、ダウンコンダクターは、金属などのような伝導性材料から作製されることが可能である。
【0118】
図6において、インターフェース伝導性パッチ4が示されている。インターフェース伝導性パッチ4は、ケーブルコネクター13を有しており、ケーブルコネクター13は、ケーブル19と電気的に接続されている。ケーブル19は、ケーブルコネクター13を接続ポイントコネクター20と電気的に接続している。接続ポイントコネクター20は、シート17の中に配置されている伝導性接続シートポイント18と接続されている。これによって、フレキシブル接続が取得される。
【0119】
図7および図8は、どのように接続ポイントコネクター20が伝導性接続シートポイント18と接続されているかということを示している。第1のコネクターディスク11は、伝導性接続シートポイント18の一方の側に配置されており、第2のコネクターディスク12は、伝導性接続ポイントの反対側に配置されており、それによって、伝導性接続シートポイント18をカプセル化している。伝導性接続シートポイント18は、先に説明されたように、シート17と電気的に接続されている。本実施形態では、第1のコネクターディスク11および第2のコネクターディスク12は、図8において見られるように、コネクターボルト21によって接続されている。
【0120】
図9において、インターフェース伝導性パッチ4のケーブルコネクター13が示されている。ケーブル19は、ボルトヘッド22を介してケーブルコネクターに接続されている。この実施形態は、任意の製造公差がケーブル19によって克服されることが可能であるということを保証することを支援する。
【0121】
上記に述べられているように、ダウンコンダクターがシートであるときには、1つまたは複数の伝導性接続シートポイントが、伝導性を可能にするために、シートの中に配置されることが可能である。
【0122】
伝導性接続パッチポイントと同じ様式で、伝導性接続シートポイントは、金属もしくは他の伝導性材料、または、それらの組み合わせから作製されることが可能である。金属は、スズ、アルミニウム、銅、真鍮、銀、金、または、それらの任意の合金であることが可能である。
【0123】
伝導性接続シートポイントは、第1のポイント層および第2のポイント層を含むことが可能である。第1の層は、第1の材料から作製されることが可能であり、第2の層は、第2の材料から作製されている。第1の材料は、第2の材料とは異なっていることが可能である。
【0124】
そのうえ、伝導性接続シートポイントは、伝導性接続パッチポイントと直接的にまたは間接的に接続されることが可能である。
【0125】
図10において、伝導性接続パッチポイント10または伝導性接続シートポイント18の実施形態が示されている。それぞれのポイント10、18は、3mmから200mmの間の、好ましくは、5mmから100mmの間の最小曲率半径を有する外側の閉じられた湾曲23を示す幾何学形状を有することが可能である。
【0126】
加えて、ポイント10、18は、図10に示されているように、軌道長半径24および軌道短半径25を有している。軌道長半径24および軌道短半径25が長さに関して等しいときには、伝導性接続ポイントの円形外周部は、図10に示されているように提供される。
【0127】
軌道長半径24および軌道短半径25が異なるときには、ポイント10、18の長円形または楕円形の外周部は、図11に示されているように提供される。加えて、軌道長半径24は、風力タービンブレードの長手方向軸線26に対して所定の角度αで配向されることが可能である。所定の角度αは、0度から90度の間にあることが可能である。
【0128】
したがって、ポイント10、18は、部分的にまたは完全に円形または長円形であることが可能である。
【0129】
加えて、ポイント10、18は、非対称的な形状を有することが可能である。
【0130】
また、ポイント10、18の外周部27は、図12に示されているように、湾曲した線および真っ直ぐな線によって画定されることが可能である。
【0131】
図13において見られるように、ポイント10、18は、厚さtを有することが可能であり、厚さtは、0.5mmよりも大きく、好ましくは、1.0mmよりも大きい。ポイント10、18の厚さtは、シート17の厚さに関して両方の方向に延在することが可能である。
【0132】
伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、
- 伝導性材料を溶融するステップと、
- エキスパンデッドフォイルまたはメッシュを取り囲むために、溶融された伝導性材料を液体状態で塗布するステップと
- ポイントとエキスパンデッドフォイルまたはメッシュとの間に機械的なおよび電気的な伝導性の接続を提供するために、溶融された材料が硬化することを可能にするステップと
によって、パッチまたはシート(たとえば、エキスパンデッドフォイルまたはメッシュなど)に提供されることが可能である。
【0133】
伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、
- 2つの固体ディスクを提供するステップと、
- パッチまたはシートのそれぞれの側に2つの固体ディスクを配置するステップと、
- 2つの固体ディスクをパッチまたはシートにはんだ付けするステップと
によって、パッチまたはシート(たとえば、エキスパンデッドフォイルまたはメッシュなどに)提供されることが可能である。
【0134】
材料の溶融は、電気誘導加熱または電気抵抗加熱によって実施されることが可能である。
【0135】
溶融された接続材料は、エキスパンデッドフォイルまたはメッシュに関連して配置されているモールドの中へそれを流し込むことによって適用されることが可能である。モールドは、ポイントの外周部を画定する。伝導性材料は、スズなどのような金属であることが可能である。
【0136】
また、伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、
- 成形された伝導性材料を提供するステップと、
- 成形された伝導性材料をエキスパンデッドフォイルまたはメッシュの上に塗布するステップと、
- ポイントとエキスパンデッドフォイルまたはメッシュとの間に機械的なおよび電気的な伝導性の接続を提供するために、成形された伝導性材料をはんだ付けするステップと
によって、パッチまたはシート(たとえば、エキスパンデッドフォイルまたはメッシュなど)に提供されることが可能である。
【0137】
伝導性接続パッチポイントおよび/または伝導性接続シートポイントは、
- 伝導性材料から作製されている少なくとも2つのディスクを提供するステップと、
- エキスパンデッドフォイルまたはメッシュの反対側に2つのディスクを配置するステップと、
- ディスク間に電気的な伝導性の接続を提供するために、エキスパンデッドフォイルまたはメッシュがディスク間にある状態でディスクを互いに固定するステップと
によって、パッチまたはシート(たとえば、エキスパンデッドフォイルまたはメッシュなど)に追加的に提供されることが可能である。
【0138】
ディスクは、機械的な接続によって互いに固定されることが可能である。
【0139】
別の実施形態では、塑性変形によってエキスパンデッドフォイルまたはメッシュの周りに2つのディスクを一緒にプレスして冷間鍛造することによって、ディスクは、互いに固定されることが可能である。
【0140】
そのうえ、ディスクは、スポット溶接によって互いに固定されることが可能である。
【0141】
また、ディスクは、パルス溶融によって互いに固定されることが可能である。
【0142】
加えて、ディスク間に伝導性接着剤を塗布することによって、および、接着剤が硬化されるまでディスクを適切な位置に維持することによって、ディスクは、互いに固定されることが可能である。
【0143】
図14において、雷保護システム100が、概略的に示されている。雷保護システム100は、第1のダウンコンダクター28を含み、第1のダウンコンダクター28は、風力タービンブレード102のチップ端部101から、チップ端部から所定の距離に配置されているチップ接続ブロック103へ延在しており、単一のダウンコンダクター28は、チップ接続ブロック103と電気的に接続されている。
【0144】
そのうえ、第2のダウンコンダクター16は、チップ接続ブロック103から、CFRP構造的エレメント2と正圧側面との間におよびそれらに沿って、ルート端部105に配置されているルート接続ブロック104に向けて延在している。
【0145】
加えて、第3のダウンコンダクター(図14に示されていない)が、チップ接続ブロックから、構造的エレメントと負圧側面との間におよびそれらに沿って、ルート接続ブロックに向けて延在している。
【0146】
第2のダウンコンダクターは、第1のシートを含み、第3のダウンコンダクターは、第2のシートを含み、第1のシートおよび第2のシートは、ダウンコンダクターとして機能するための伝導性材料から作製されている。
【0147】
第1のシートおよび第2のシートは、複数の伝導性接続シートポイント18を含み、伝導性接続シートポイントは、チップ接続ブロック103およびルート接続ブロック104の付近に配置されており、それぞれ、チップコネクターブロックおよびルートコネクターブロックと電気的に接続されている。
【0148】
これによって、チップ接続ブロック103は、風力タービンブレード102のチップからの単一のダウンコンダクター28と、CFRPスパーまたはビームのチップパーツからのダウンコンダクターとして作用するそれぞれのブレードシェルの中の第1のシートおよび第2のシートとの間のインターフェースとしての役割を果たす。加えて、正圧側面ダウンコンダクター(すなわち、第1のシート)と負圧側面ダウンコンダクター(すなわち、第2のシート)との間の結合または等電位化は、1つのユニットの中で実施される。同時に、第2のダウンコンダクターおよび第3のダウンコンダクターは、シートのチップにストライクを取り付けるためのレセプターベースとして作用する。パーツ103は、完全な雷電流をハンドリングし、その絶縁鋳造(insulating casting)に起因して遮断故障を回避するように慎重に設計されている。
【0149】
図15において、風力タービンブレード102の断面図が示されている。風力タービンブレード102は、正圧側面111および負圧側面110を有しており、正圧側面111および負圧側面110は、風力タービンブレード102の外側面である。また、風力タービンブレード102は、前縁部106および後縁部107を有している。風力タービンブレード102は、長手方向軸線に沿って延在するCFRP構造的エレメント2を有しており、CFRP構造的エレメント2は、電気的に伝導性であるスパーまたはビームである。CFRPスパーまたはビームは、風力タービンブレード102の強度を強化している。本実施形態は、CFRPエレメント2が風力タービンブレード102のシェルの中に配置されているということを示している。CFRPエレメントは、たとえば、GFRPおよびコア材料(PVCフォームまたはバルサ木材)のサンドイッチ構造として作製されているウェブを介して接続されることが可能である。
【0150】
図16は、タワー151と、ナセル152と、3つの風力タービンブレード102とを有する風力タービン150を示している。それぞれの風力タービンブレード102は、ハブ153に接続されているルート端部105と、チップ端部101とを有している。風力タービンブレード101は、ルート端部102からチップ端部103へ延在する長手方向軸線26を有している。
【0151】
本発明は、本発明の好適な実施形態に関連して上記に説明されてきたが、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明から逸脱することなく、いくつかの修正例が考えられるということが当業者にとって明らかであることとなる。
【符号の説明】
【0152】
1 伝導性接続部
2 炭素繊維強化ポリマー(CFRP)エレメント
3 面
4 インターフェース伝導性パッチ
5 第1の構造化された層
6 第2の構造化された層
7 伝導性コーティング
8 第1のパーツ
9 第2のパーツ
10 伝導性接続パッチポイント
11 第1のディスク
12 第2のディスク
13 ケーブルコネクター
14 中間ケーブル
15 中間接続ブロック
16 ダウンコンダクター
17 シート
18 伝導性接続シートポイント
19 ケーブル
20 接続ポイントコネクター
21 コネクターボルト
22 ボルトヘッド
23 外側の閉じられた湾曲
24 軌道長半径
25 軌道短半径
26 長手方向軸線
27 外周部
28 第1のダウンコンダクター
100 雷保護システム
101 チップ端部
102 風力タービンブレード
103 チップ接続ブロック
104 ルート接続ブロック
105 ルート端部
106 前縁部
107 後縁部
110 負圧側面
111 正圧側面
150 風力タービン
151 タワー
152 ナセル
153 ハブ
t 厚さ
α 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】