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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】イヤホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20231227BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
H04R1/00 317
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539026
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2022089837
(87)【国際公開番号】W WO2022228507
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202120907335.7
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120905254.3
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120908662.4
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120908450.6
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120906926.2
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 永根
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
(72)【発明者】
【氏名】▲ジ▼ 澳
(72)【発明者】
【氏名】游 芬
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
【Fターム(参考)】
5D005BE01
5D017AB13
(57)【要約】
本明細書の1つ以上の実施例は、イヤホンに関し、前記イヤホンは、人体の頭部に貼り付けられ、音声を伝送するスピーカアセンブリと、前記スピーカアセンブリに電気的に接続され、前記スピーカアセンブリを制御する機能アセンブリと、前記スピーカアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続される耳掛けと、を含み、前記スピーカアセンブリ又は前記機能アセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢又は位置が調整可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の頭部に貼り付けられ、音声を伝送するスピーカアセンブリと、
前記スピーカアセンブリに電気的に接続され、前記スピーカアセンブリを制御する機能アセンブリと、
前記スピーカアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続される耳掛けと、
を含み、
前記スピーカアセンブリ又は前記機能アセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢又は位置が調整可能である、ことを特徴とするイヤホン。
【請求項2】
前記耳掛けは、前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう第1の表面と前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう第2の表面とが所定の夾角を形成し、前記第1の表面と人体の頭部との接触による力が0.1N以上4.5N以下であるように前記スピーカアセンブリと前記機能アセンブリとの間に剛性接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記所定の夾角は、5度~10度の範囲にある、ことを特徴とする請求項2に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記第1の表面は、外側に突出した円弧面を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記機能アセンブリの人体の耳部の裏側に接近する角は、面取り加工される、ことを特徴とする請求項2に記載のイヤホン。
【請求項6】
前記機能アセンブリは、前記耳掛けに伸縮可能に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項7】
前記耳掛けは、第1の管体及び第2の管体を含み、前記第1の管体は、一端が前記スピーカアセンブリに剛性接続され、他端が前記第2の管体の一端に伸縮可能に接続され、前記第2の管体の他端は、前記機能アセンブリに剛性接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のイヤホン。
【請求項8】
前記機能アセンブリは、前記耳掛けに可動に接続され、前記機能アセンブリが外力によりタッチされるときに該外力に追従して偏向可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項9】
前記機能アセンブリに回転孔が設置され、前記耳掛けの一端が前記回転孔に回転可能に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
【請求項10】
前記機能アセンブリは、機能ハウジング及び可動接続部材をさらに含み、前記機能ハウジングは、回路基板及び/又は電池を収容し、前記耳掛けと前記機能ハウジングは、前記可動接続部材により接続される、ことを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
【請求項11】
前記可動接続部材は、ねじりばねである、ことを特徴とする請求項10に記載のイヤホン。
【請求項12】
前記可動接続部材は、減衰回転軸である、ことを特徴とする請求項10に記載のイヤホン。
【請求項13】
前記機能アセンブリが人体の頭部及び耳部に接触しない状態で、前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面は、第1の位置にあり、前記機能アセンブリの装着状態で、前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面は、第2の位置にあり、前記第1の位置での前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面と前記第2の位置での前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面との間の偏向角度は、0度~所定の閾値角度の範囲にある、ことを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
【請求項14】
前記所定の閾値角度の値は、10度~20度の範囲にある、ことを特徴とする請求項13に記載のイヤホン。
【請求項15】
前記機能アセンブリは、人体の頭部に近接する一側及び/又は人体の頭部から離れた一側に偏向する、ことを特徴とする請求項13に記載のイヤホン。
【請求項16】
前記機能アセンブリの外耳の後ろに接近する角は、面取り加工される、ことを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
【請求項17】
前記耳掛けは、弾性耳掛けであり、前記スピーカアセンブリの前側面又は底側面に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
【請求項18】
前記スピーカアセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢が調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項19】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部から離れた側面は、前記耳掛けの一端に可動に接続される、ことを特徴とする請求項18に記載のイヤホン。
【請求項20】
前記スピーカアセンブリは、自在継手により前記耳掛けに接続される、ことを特徴とする請求項19に記載のイヤホン。
【請求項21】
前記耳掛けは、弾性耳掛けであり、前記スピーカアセンブリの前側面に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項18に記載のイヤホン。
【請求項22】
前記耳掛けは、弾性耳掛けであり、前記スピーカアセンブリの底側面に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項18に記載のイヤホン。
【請求項23】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面は、外側に突出した円弧面を含み、前記円弧面は、人体の頭部に密着される、ことを特徴とする請求項18に記載のイヤホン。
【請求項24】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面の縁部に貼付層が設置され、前記貼付層は、前記人体の頭部に貼り付けられる、ことを特徴とする請求項18に記載のイヤホン。
【請求項25】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面の縁部に滑り止め部材が設置される、ことを特徴とする請求項18に記載のイヤホン。
【請求項26】
前記滑り止め部材の前記スピーカアセンブリから離れた一側に複数の凸粒が設置される、ことを特徴とする請求項25に記載のイヤホン。
【請求項27】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面に吸水ゲル層がさらに設置される、ことを特徴とする請求項18~26のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項28】
前記スピーカアセンブリ、前記機能アセンブリ及び前記耳掛けは、2組設置され、人体の頭部の左側と右側にそれぞれ対応して位置し、前記イヤホンは、
2組の前記機能アセンブリの間又は2組の前記耳掛けの間に接続され、前記機能アセンブリに対して位置が調整可能である後掛けをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項29】
前記後掛けは、前記機能アセンブリ又は前記耳掛けに回転可能に接続される、ことを特徴とする請求項28に記載のイヤホン。
【請求項30】
前記後掛けは、前記機能アセンブリに伸縮可能に接続される、ことを特徴とする請求項28に記載のイヤホン。
【請求項31】
前記機能アセンブリは、ブロック状であり、前記耳掛けの一端は、前記機能アセンブリの幅方向辺に接続され、前記後掛けは、2組の前記耳掛けの間に可動に接続され、前記スピーカアセンブリの総重量は、前記機能アセンブリ及び前記後掛けの総重量の和よりも大きい、ことを特徴とする請求項28に記載のイヤホン。
【請求項32】
装着状態で、前記耳掛けは、人の耳に支持され、2組の前記スピーカアセンブリにより発生するモーメントは、2組の前記機能アセンブリ及び前記後掛けにより発生するモーメントとバランスする、ことを特徴とする請求項31に記載のイヤホン。
【請求項33】
2組の前記スピーカアセンブリから前記耳掛けの人の耳における支持点までのモーメントは、2組の前記機能アセンブリ及び前記後掛けから前記耳掛けの人の耳における支持点までのモーメントとバランスする、ことを特徴とする請求項32に記載のイヤホン。
【請求項34】
前記機能アセンブリは、ブロック状であり、縦に設置され、前記後掛けは、前記機能アセンブリの2つの長手方向辺の間に接続され、前記後掛けは、前記機能アセンブリにスライド可能に接続される、ことを特徴とする請求項28に記載のイヤホン。
【請求項35】
前記後掛けは、第1のスライド部及び2つの第2のスライド部を含み、前記第1のスライド部の両端は、それぞれ、2つの前記第2のスライド部にスライド可能に接続され、前記第2のスライド部は、対応する前記機能アセンブリに接続され、或いは、前記後掛けの両端は、それぞれ、対応する機能アセンブリにスライド可能に接続されるとともに、前記機能アセンブリの幅方向辺に沿ってスライドして調整可能である、ことを特徴とする請求項34に記載のイヤホン。
【請求項36】
2組の前記機能アセンブリは、人体の頭部の両側をクランプし、装着状態で、2組の前記スピーカアセンブリから対応する前記機能アセンブリまでのモーメントは、前記後掛けから前記機能アセンブリまでのモーメントとバランスする、ことを特徴とする請求項35に記載のイヤホン。
【請求項37】
前記後掛けは、2組の前記耳掛けの間に接続され、装着状態で、前記後掛けは、頭頂に支持され、前記後掛けは、第1の頭部装着部及び2つの第2の頭部装着部を含み、前記2つの第2の頭部装着部の一端は、それぞれ前記第1の頭部装着部の一端に回転可能に接続され、前記第2の頭部装着部はまた、前記耳掛けに接続され、装着状態で、前記第2の頭部装着部は、前記第1の頭部装着部に対して垂直方向を中心として回転可能である、ことを特徴とする請求項28に記載のイヤホン。
【請求項38】
前記スピーカアセンブリにより発生するモーメントは、前記機能アセンブリにより発生するモーメントとバランスする、ことを特徴とする請求項37に記載のイヤホン。
【請求項39】
前記機能アセンブリは、前記耳掛けの一端に接続されるとともに、前記耳掛けと流線形になるように設置され、前記後掛けの両端は、それぞれ、対応する前記機能アセンブリの前記耳掛けから離れた一端に接続されるとともに、前記機能アセンブリと流線形になるように設置される、ことを特徴とする請求項28に記載のイヤホン。
【請求項40】
前記機能アセンブリの前記耳掛けに対する勾配は、0度~15度の範囲にある、ことを特徴とする請求項39に記載のイヤホン。
【請求項41】
前記機能アセンブリの前記耳掛けの延伸方向に沿った長さ寸法は、前記機能アセンブリの前記延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法よりも大きい、ことを特徴とする請求項39に記載のイヤホン。
【請求項42】
前記機能アセンブリの前記耳掛けの延伸方向に沿った長さ寸法と前記機能アセンブリの前記延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法との比は、10よりも小さい、ことを特徴とする請求項41に記載のイヤホン。
【請求項43】
前記体型寸法は、10mm以下である、ことを特徴とする請求項42に記載のイヤホン。
【請求項44】
前記体型寸法は、8mmであり、前記長さ寸法は、40mmである、ことを特徴とする請求項43に記載のイヤホン。
【請求項45】
前記後掛けは、金属体を含み、前記金属体は、前記機能アセンブリに電気的に接続されて、前記イヤホンのアンテナとする、ことを特徴とする請求項39に記載のイヤホン。
【請求項46】
前記金属体の両端は、それぞれ、2組の前記機能アセンブリに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項45に記載のイヤホン。
【請求項47】
前記金属体は、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナを含み、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナは、それぞれ、対応する前記機能アセンブリに電気的に接続されるとともに、間隔をあけて設置される、ことを特徴とする請求項45に記載のイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、音響の分野に関し、特にイヤホンに関する。
【0002】
[参照による援用]
本願は、2021年4月28日に提出された出願番号202120907335.7の中国特許出願、2021年4月28日に提出された出願番号202120905254.3の中国特許出願、2021年4月28日に提出された出願番号202120908662.4の中国特許出願、2021年4月28日に提出された出願番号202120908450.6の中国特許出願、及び2021年4月28日に提出された出願番号202120906926.2の中国特許出願の優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
イヤホンは、人々の日常生活に広く適用され、携帯電話、コンピュータなどの電子機器と組み合わせて使用されることにより、ユーザが聴覚の饗宴を楽しむことができる。イヤホンの動作原理によって、一般的に、気導イヤホンと骨伝導イヤホンに分けられる。また、ユーザがイヤホンを装着する方式によって、一般的に、ヘッドホン、耳掛け型イヤホン及びカナル型イヤホンに分けられる。さらに、イヤホンと電子機器との間のインタラクション方式によって、一般的に、有線型イヤホンと無線型イヤホンに分けられる。現在、ヘッドホン又は耳掛け型イヤホンは、通常、固定構造(例えば、耳掛け、後掛け)により、ユーザの耳部の周側に固定することができ、イヤホンの装着の快適性及び安定性は、ユーザの選択及び体験に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ユーザの装着快適性とイヤホンの装着安定性を向上させるイヤホンを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の実施例に係るイヤホンは、人体の頭部に貼り付けられ、音声を伝送するスピーカアセンブリと、前記スピーカアセンブリに電気的に接続され、前記スピーカアセンブリを制御する機能アセンブリと、前記スピーカアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続される耳掛けと、を含み、前記スピーカアセンブリ又は前記機能アセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢又は位置が調整可能である。
【0006】
いくつかの実施例において、前記耳掛けは、前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう第1の表面と前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう第2の表面とが所定の夾角を形成し、前記第1の表面と人体の頭部との接触による力が0.1N以上4.5N以下であるように前記スピーカアセンブリと前記機能アセンブリとの間に剛性接続される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記所定の夾角は、5度~10度の範囲にある。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1の表面は、外側に突出した円弧面を含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリの人体の耳部の裏側に接近する角は、面取り加工される。
【0010】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、前記耳掛けに伸縮可能に接続される。
【0011】
いくつかの実施例において、前記耳掛けは、第1の管体及び第2の管体を含み、前記第1の管体は、一端が前記スピーカアセンブリに剛性接続され、他端が前記第2の管体の一端に伸縮可能に接続され、前記第2の管体の他端は、前記機能アセンブリに剛性接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、前記耳掛けに可動に接続され、前記機能アセンブリが外力によりタッチされるときに該外力に追従して偏向可能である。
【0013】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリに回転孔が設置され、前記耳掛けの一端が前記回転孔に回転可能に接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、機能ハウジング及び可動接続部材をさらに含み、前記機能ハウジングは、回路基板及び/又は電池を収容し、前記耳掛けと前記機能ハウジングは、前記可動接続部材により接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記可動接続部材は、ねじりばねである。
【0016】
いくつかの実施例において、前記可動接続部材は、減衰回転軸である。
【0017】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリが人体の頭部及び耳部に接触しない状態で、前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面は、第1の位置にあり、前記機能アセンブリの装着状態で、前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面は、第2の位置にあり、前記第1の位置での前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面と前記第2の位置での前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面との間の偏向角度は、0度~所定の閾値角度の範囲にある。
【0018】
いくつかの実施例において、前記所定の閾値角度の値は、10度~20度の範囲にある。
【0019】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、人体の頭部に近接する一側及び/又は人体の頭部から離れた一側に偏向する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリの外耳の後ろに接近する角は、面取り加工される。
【0021】
いくつかの実施例において、前記耳掛けは、弾性耳掛けであり、前記スピーカアセンブリの前側面又は底側面に固定的に接続される。
【0022】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢が調整可能である。
【0023】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリの人体の頭部から離れた側面は、前記耳掛けの一端に可動に接続される。
【0024】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリは、自在継手により前記耳掛けに接続される。
【0025】
いくつかの実施例において、前記耳掛けは、弾性耳掛けであり、前記スピーカアセンブリの前側面に固定的に接続される。
【0026】
いくつかの実施例において、前記耳掛けは、弾性耳掛けであり、前記スピーカアセンブリの底側面に固定的に接続される。
【0027】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面は、外側に突出した円弧面を含み、前記円弧面は、人体の頭部に密着される。
【0028】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面の縁部に貼付層が設置され、前記貼付層は、前記人体の頭部に貼り付けられる。
【0029】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面の縁部に滑り止め部材が設置される。
【0030】
いくつかの実施例において、前記滑り止め部材の前記スピーカアセンブリから離れた一側に複数の凸粒が設置される。
【0031】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面に吸水ゲル層がさらに設置される。
【0032】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリ、前記機能アセンブリ及び前記耳掛けは、2組設置され、人体の頭部の左側と右側にそれぞれ対応して位置し、前記イヤホンは、2組の前記機能アセンブリの間又は2組の前記耳掛けの間に接続され、前記機能アセンブリに対して位置が調整可能である後掛けをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施例において、前記後掛けは、前記機能アセンブリ又は前記耳掛けに回転可能に接続される。
【0034】
いくつかの実施例において、前記後掛けは、前記機能アセンブリに伸縮可能に接続される。
【0035】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、ブロック状であり、前記耳掛けの一端は、前記機能アセンブリの幅方向辺に接続され、前記後掛けは、2組の前記耳掛けの間に可動に接続され、前記スピーカアセンブリの総重量は、前記機能アセンブリ及び前記後掛けの総重量の和よりも大きい。
【0036】
いくつかの実施例において、装着状態で、前記耳掛けは、人の耳に支持され、2組の前記スピーカアセンブリにより発生するモーメントは、2組の前記機能アセンブリ及び前記後掛けにより発生するモーメントとバランスする。
【0037】
いくつかの実施例において、2組の前記スピーカアセンブリから前記耳掛けの人の耳における支持点までのモーメントは、2組の前記機能アセンブリ及び前記後掛けから前記耳掛けの人の耳における支持点までのモーメントとバランスする。
【0038】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、ブロック状であり、縦に設置され、前記後掛けは、前記機能アセンブリの2つの長手方向辺の間に接続され、前記後掛けは、前記機能アセンブリにスライド可能に接続される。
【0039】
いくつかの実施例において、前記後掛けは、第1のスライド部及び2つの第2のスライド部を含み、前記第1のスライド部の両端は、それぞれ、2つの前記第2のスライド部にスライド可能に接続され、前記第2のスライド部は、対応する前記機能アセンブリに接続され、或いは、前記後掛けの両端は、それぞれ、対応する機能アセンブリにスライド可能に接続されるとともに、前記機能アセンブリの幅方向辺に沿ってスライドして調整可能である。
【0040】
いくつかの実施例において、2組の前記機能アセンブリは、人体の頭部の両側をクランプし、装着状態で、2組の前記スピーカアセンブリから対応する前記機能アセンブリまでのモーメントは、前記後掛けから前記機能アセンブリまでのモーメントとバランスする。
【0041】
いくつかの実施例において、前記後掛けは、2組の前記耳掛けの間に接続され、装着状態で、前記後掛けは、頭頂に支持され、前記後掛けは、第1の頭部装着部及び2つの第2の頭部装着部を含み、前記2つの第2の頭部装着部の一端は、それぞれ前記第1の頭部装着部の一端に回転可能に接続され、前記第2の頭部装着部はまた、前記耳掛けに接続され、装着状態で、前記第2の頭部装着部は、前記第1の頭部装着部に対して垂直方向を中心として回転可能である。
【0042】
いくつかの実施例において、前記スピーカアセンブリにより発生するモーメントは、前記機能アセンブリにより発生するモーメントとバランスする。
【0043】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリは、前記耳掛けの一端に接続されるとともに、前記耳掛けと流線形になるように設置され、前記後掛けの両端は、それぞれ、対応する前記機能アセンブリの前記耳掛けから離れた一端に接続されるとともに、前記機能アセンブリと流線形になるように設置される。
【0044】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリの前記耳掛けに対する勾配は、0度~15度の範囲にある。
【0045】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリの前記耳掛けの延伸方向に沿った長さ寸法は、前記機能アセンブリの前記延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法よりも大きい。
【0046】
いくつかの実施例において、前記機能アセンブリの前記耳掛けの延伸方向に沿った長さ寸法と前記機能アセンブリの前記延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法との比は、10よりも小さい。
【0047】
いくつかの実施例において、前記体型寸法は、10mm以下である。
【0048】
いくつかの実施例において、前記体型寸法は、8mmであり、前記長さ寸法は、40mmである。
【0049】
いくつかの実施例において、前記後掛けは、金属体を含み、前記金属体は、前記機能アセンブリに電気的に接続されて、前記イヤホンのアンテナとする。
【0050】
いくつかの実施例において、前記金属体の両端は、それぞれ、2組の前記機能アセンブリに電気的に接続される。
【0051】
いくつかの実施例において、前記金属体は、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナを含み、前記第1のサブアンテナと前記第2のサブアンテナは、それぞれ、対応する前記機能アセンブリに電気的に接続されるとともに、間隔をあけて設置される。
【0052】
例示的な実施例によって本明細書をさらに説明し、これらの例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例において、同じ番号が同じ構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なイヤホンの構成図である。
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと耳掛けの接続形態を示す概略構成図である。
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと耳掛けの接続形態を示す別の概略構成図である。
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと耳掛けの接続形態を示すまたまた別の概略構成図である。
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと機能アセンブリとの概略構成図である。
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る別の例示的なイヤホンの構成図である。
図7】本明細書のいくつかの実施例に係る図1又は図6における機能アセンブリと耳掛けの接続形態を示す概略構成図である。
図8】本明細書のいくつかの実施例に係るまた別の例示的なイヤホンの構成図である。
図9】本明細書のいくつかの実施例に係る図8におけるイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の構成図である。
図10】本明細書のいくつかの実施例に係る図6におけるイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
図11】本明細書のいくつかの実施例に係るさらに別の例示的なイヤホンの構成図である。
図12】本明細書のいくつかの実施例に係る図11におけるイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る別のイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
図14】本明細書のいくつかの実施例に係るまたさらに別の例示的なイヤホンの構成図である。
図15】本明細書のいくつかの実施例に係る後掛けの分解概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本明細書のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本明細書を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ符号は、同じ構造又は操作を示す。
【0055】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0056】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0057】
本明細書では、フローチャートを用いて本明細書の実施例に係るシステムが実行する操作を説明する。先行及び後続の操作が必ずしも順序に従って正確に実行されるとは限らないことを理解されたい。その代わりに、各ステップを逆の順序で、又は同時に処理してもよい。また、他の操作をこれらのプロセスに追加してもよく、これらのプロセスから1つ以上の操作を除去してもよい。
【0058】
本明細書の実施例は、イヤホンを提供する。いくつかの実施例において、イヤホンの装着方式によって、本明細書の実施例におけるイヤホンは、ヘッドホン又は耳掛け型イヤホンであってもよい。ユーザがイヤホンを装着している場合、主にユーザの頭部によりイヤホンの重量を受けることができ、例えば、人体の耳によいイヤホンの重量を受け、或いは、人体の頭部によりイヤホンの重量を受ける。いくつかの実施例において、イヤホンの動作原理によって、本明細書の実施例におけるイヤホンは、空気伝導式イヤホン、骨伝導式イヤホン又は骨導気導複合型イヤホンであってもよい。骨導気導複合型イヤホンは、空気伝導音声及び骨伝導音声の両方を生成することができるイヤホンであってもよい。
【0059】
骨伝導イヤホンは、人体の皮膚に接触し、人体の骨を介して音声を人の聴覚システムに伝達することにより、ユーザが音声に聞こえる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、オーディオ情報を含む音声信号を取得し、音声信号に基づいて振動することができ、振動は、伝達部材(例えば、振動パネル)によりユーザの骨に伝達することができ、ユーザの聴覚システムは、骨を介して振動を受けてオーディオ情報をさらに知覚することができる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、オーディオ情報を含む信号を受信し、トランスデューサによりオーディオ情報を音声振動に変換してから、音声をユーザの感覚器官に伝送することができ、それにより音声に聞こえる。
【0060】
いくつかの実施例において、イヤホンは、スピーカアセンブリ、機能アセンブリ及び耳掛けを含んでもよい。スピーカアセンブリは、人体の頭部に密着され、音声を伝送することができる。機能アセンブリは、スピーカアセンブリに電気的に接続され、スピーカアセンブリの音声伝送を制御することができる。耳掛けは、スピーカアセンブリと機能アセンブリとの間に接続され、スピーカアセンブリをユーザの頭部又は耳部に固定することができる。いくつかの実施例において、イヤホンは、2組の機能アセンブリの間又は2組の耳掛けの間に接続される後掛けをさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、イヤホンは、人体の左耳と右耳の付近にそれぞれ位置する、2組のスピーカアセンブリ、2組の機能アセンブリ及び2組の耳掛けを含んでもよく、後掛けは、2組の機能アセンブリの間又は2組の耳掛けの間に接続され、後掛けは、耳掛けと協同してイヤホンをユーザの頭部又は耳部によりよく固定することができる。いくつかの実施例において、イヤホンは、後掛けを含まなくてもよく、耳掛けのみにより人体の耳部に装着することができる。例えば、耳掛けは、人体の耳部にフィットする形状の構造(例えば、フック状構造、C字形構造)を有するように設置され、人体の耳部に掛けることができる。
【0061】
いくつかの実施例において、イヤホンの各部材の構造及び各部材の間の接続関係(例えば、接続形態)及び相対位置を調整することにより、ユーザがイヤホンを装着している場合、イヤホンは、ユーザの頭部に密着されるが、ユーザに大きな圧迫感を与えることなく、ユーザの装着快適さを向上させることができ、同時に、イヤホンは、支持位置に関するモーメントバランスをとって、イヤホンのバランスの調整に役立ち、それによりユーザの装着安定性を向上させることができる。
【0062】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なイヤホンの構成図である。
【0063】
図1に示すように、イヤホン100は、スピーカアセンブリ10、機能アセンブリ20、耳掛け30及び後掛け40を含んでもよい。スピーカアセンブリ10は、人体の頭部に貼り付けられ、音声を伝送することができる。機能アセンブリ20は、スピーカアセンブリ10に電気的に接続され、スピーカアセンブリ10の音声伝送を制御することができる。耳掛け30は、スピーカアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に接続され、スピーカアセンブリ10をユーザの耳部の付近に固定することができる。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10、機能アセンブリ20及び耳掛け30は、いずれも2つあってもよく、人体の頭部の左側と右側にそれぞれ対応して装着される。後掛け40は、2つの機能アセンブリ20の間又は2つの耳掛け30の間に接続される。
【0064】
スピーカアセンブリ10は、コアハウジング及びイヤホンコアを含んでもよい。コアハウジングは、耳掛け30の一端に接続され、イヤホンコアを収容する。いくつかの実施例において、コアハウジングは、2つのハウジング部、例えば、第1のコアハウジング部及び第2のコアハウジング部を含んでもよく、第1のコアハウジング部と第2のコアハウジング部は、係合接続(又は締結部材、接着剤など)方式で接続され、イヤホンコアを収容する空間が形成される。イヤホンコアは、コアハウジングにより形成された内部空間に位置する。イヤホンコアは、電気信号を対応する機械的振動に変換してもよい(すなわち「音声を発生する」)。イヤホンコアは、機能アセンブリ20に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10は、骨伝導方式で音声を伝送してもよく、空気伝導方式で音声を伝送してもよい。骨伝導の方式で、イヤホンコアにより発生する振動は、コアハウジングを介してユーザの顔に伝達することができる。空気伝導の方式で、イヤホンコアにより発生する振動は、空気振動を促進して音声を生成することができ、上記音声は、コアハウジング上の1つ以上の音導孔を介してコアハウジングの外部に伝達され、さらにユーザの耳に伝導される。
【0065】
機能アセンブリ20は、機能ハウジング、回路基板及び/又は電池を含んでもよい。いくつかの実施例において、機能ハウジングは、耳掛け30の他端(スピーカアセンブリ10から離れた一端)に接続されてもよく、機能アセンブリ20の機能ハウジングは、耳掛け30によりスピーカアセンブリ10のコアハウジングに物理的に接続される。機能ハウジングの内部には、回路基板及び/又は電池を収容する収容空間が形成されてもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、スピーカアセンブリ10に電気的に接続されて、スピーカアセンブリ10の音声伝送の制御を実現することができる。例えば、機能アセンブリ20における回路基板は、イヤホンコアの音声発生を制御できるように、スピーカアセンブリ10のイヤホンコアに電気的に接続されてもよい(例えば、導線又はフレキシブル基板により電気的に接続される)。回路基板は、電気信号を機械的振動に変換するようにイヤホンコアを制御し、さらに骨伝導方式又は空気伝導方式でユーザに音声を伝達することができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、イヤホン100に電気エネルギーを提供してもよい。例えば、機能アセンブリ20における電池は、イヤホンコアの音声発生に電気エネルギーを提供できるように、スピーカアセンブリ10のイヤホンコアに電気的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、回路基板と電池は、同一の機能ハウジング内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、回路基板と電池は、それぞれ2つの機能ハウジング内に設置され、対応する導体により互いに電気的に接続され、さらに導体によりスピーカアセンブリ10におけるイヤホンコアに電気的に接続されてもよい。
【0066】
耳掛け30は、スピーカアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に接続されてもよい。いくつかの実施例において、耳掛け30は、第1の耳掛け部及び第2の耳掛け部を含んでもよく、第1の耳掛け部と第2の耳掛け部は、係合接続又は接着剤などの方式で接続される。第1の耳掛け部には、機能アセンブリ20からスピーカアセンブリ10への導線又はフレキシブル基板を収容する配線ダクトが設置されてもよく、第1の耳掛け部と第2の耳掛け部は、係合接続されて導線又はフレキシブル基板の露出を回避することができる。
【0067】
後掛け40は、2組の機能アセンブリ20の間又は2つの耳掛け30の間に接続される。いくつかの実施例において、ユーザがイヤホン100を装着している場合、2組のスピーカアセンブリ10は、人体の頭部の左側と右側にそれぞれ位置し、2つの耳掛け30と後掛け40の協同作用で、人体の頭部を挟持してユーザの皮膚に接触することができ、さらに、例えば、骨伝導技術に基づいて音声の伝達を実現することができる。いくつかの実施例において、イヤホン100は、後掛け40を含まなくてもよく、耳掛け30のみにより人体の耳部に装着することができる。例えば、耳掛け30は、人体の耳部にフィットする形状の構造(例えば、フック状構造、C字形構造)を有するように設置され、人体の耳部に掛けることができる。
【0068】
なお、本明細書の実施例に係るイヤホン100は、マイクロホン、ピックアップなどのマイクロホンをさらに含んでもよい。イヤホン100は、イヤホン100の外部の音声信号をマイクロホンにより収集することができる。イヤホン100は、ブルートゥース(登録商標)又は近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)などの通信デバイスをさらに含んでもよく、通信デバイスは、対応する導体により回路基板及び電池に電気的に接続されて、対応する機能を実現する。
【0069】
なお、本明細書の実施例におけるスピーカアセンブリ10は、2つ設置され、2つのスピーカアセンブリ10は、いずれも音声を発生することができるため、イヤホン100のステレオ効果を達成し、さらにイヤホン100の音響表現力を改善することができる。他の実施例において、イヤホン100は、他のいくつかのステレオ効果への要求が特に高くない適用シナリオ、例えば、難聴患者の補聴、生放送中の(司会者への)セリフ提示などに適用される場合、1つのスピーカアセンブリ10のみが設置されてもよい。また、本明細書の実施例の説明において使用された方位は、イヤホン100が人体の頭部に装着されるシナリオを用いて説明されることにより、イヤホン100の特徴をより簡潔に表現することができるが、人体の頭部などの生物的特徴を本明細書が保護を請求するイヤホン100の特徴とすべきではない。
【0070】
いくつかの実施例において、イヤホン100の各部材の構造及び各部材の間の接続関係(例えば、接続方式)及び相対位置を調整することにより、ユーザがイヤホンを装着している場合、イヤホンは、ユーザの頭部に安定して固定されるが、ユーザの頭部に大きな圧迫感を与えることなく、ユーザがイヤホンを装着している場合の安定性及び快適性を向上させることができる。例えば、スピーカアセンブリ10と耳掛け30との接続方式、耳掛け30と機能アセンブリ20との接続方式、後掛け40と機能アセンブリ20又は耳掛け30との接続方式、機能アセンブリ20の構造、耳掛け30の構造及び後掛け40の構造などを設定することにより、イヤホンを装着している場合に高い安定性及び快適性を有することができる。以下、イヤホンの各部材の構造、接続方式、位置関係などを詳細に説明する。
【0071】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30に固定的に接続されてもよい。例えば、耳掛け30とスピーカアセンブリ10は、接着、係着、リベット接合、一体射出成形などの方式で固定的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30に可動に接続されてもよい。例えば、耳掛け30とスピーカアセンブリ10は、ヒンジ接続、自在継手などの方式で可動に接続されてもよい。いくつかの実施例において、耳掛け30の第1の耳掛け部とスピーカアセンブリ10の第1のコアハウジング部は、固定的に接続されてもよく、可動に接続されてもよい。
【0072】
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと耳掛けの接続形態を示す概略構成図である。図2に示すように、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30に対して姿勢が調整可能であり、それによりイヤホン100が装着されているときに、スピーカアセンブリ10は、人体の頭部によりよく密着され、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に対する傾斜による低い音声伝送効果を回避することができる。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に対する傾斜は、スピーカアセンブリ10が人体の頭部に密着されないことを引き起こす。このような場合に、スピーカアセンブリの姿勢を調整することにより、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう一側の表面は、人体の頭部によりよく密着することができる。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に対する傾斜は、スピーカアセンブリ10上の音導孔の位置がユーザの耳道の方向からずれることを引き起こす。このような場合に、スピーカアセンブリの姿勢を調整することにより、スピーカアセンブリ10上の音導孔(空気伝導の場合)は、ユーザの耳道に向かうことができる。
【0073】
いくつかの実施例において、耳掛け30は、剛性耳掛けであってもよい。耳掛け30は、硬質プラスチック又はゴムで製造されてもよく、耳掛け30全体が剛性であり、変形できないように耳掛け30の内部に鋼棒などの金属部材が嵌設されてもよい。図2に示すように、スピーカアセンブリ10の人体の頭部から離れた側面は、スピーカアセンブリ10の姿勢が耳掛け30に対して調整可能であるように耳掛け30の一端に可動に接続され、さらにユーザがイヤホン100を装着している場合、イヤホン100が可能な限り人体の頭部に密着することができることを保証する。
【0074】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10と耳掛け30は、自在継手により可動に接続されてもよい。耳掛け30のスピーカアセンブリ10に接続された一端に平滑な球体が設置され、スピーカアセンブリ10の人体の頭部から離れた側面にボス10-1が設置され、ボス10-1に溝が設置され、球体は、溝内に係止されるとともに、溝内で回転することができ、それにより自在継手構造が構成される。球体とボス10-1は、スピーカアセンブリ10の耳掛け30に対する姿勢調整を実現するように、相対的に回転することができる。いくつかの実施例において、ボス10-1の溝の寸法及び耳掛け30における球体の寸法を設定することにより、スピーカアセンブリ10の耳掛け30に対する姿勢調整の範囲の調整を実現することができる。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面を人体の頭部に可能な限り又は全部密着させることを実現するために、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して垂直方向(図2に示す)を中心として回転する角度の範囲をプラスマイナス5度の範囲に設定し、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して水平方向(図2に示す)を中心として回転する角度の範囲をプラスマイナス10度の範囲に設定してもよい。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面をより多くの場合に人体の頭部に可能な限り又は全部密着させるために、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して垂直方向を中心として回転する角度の範囲をプラスマイナス10度の範囲に設定し、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して水平方向を中心として回転する角度の範囲をプラスマイナス15度の範囲に設定してもよい。回転角度のプラスマイナスとは、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対してある方向を中心として回転するときの回転方向が異なることを意味する。例えば、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して垂直方向を中心として回転するときの回転方向が時計回りである場合、回転角度は、正の値であってもよく、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して垂直方向を中心として回転するときの回転方向が反時計回りである場合、回転角度は、負の値であってもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、図2に示すように、耳掛け30は、接続された延伸部321及びオフセット部322を含んでもよい。耳掛け30は、延伸部321により機能アセンブリ20に接続される。耳掛け30は、オフセット部322によりスピーカアセンブリ10に接続される。いくつかの実施例において、延伸部321の人体の頭部から離れた側面と機能アセンブリ20の人体の頭部から離れた側面とは、面一にされてもよい。オフセット部322は、延伸部321に対して人体の頭部から離れた方向にオフセットし、一端がスピーカアセンブリ10に可動に接続される。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の厚さが大きく、延伸部321がオフセット部322に対して人体の頭部に近接する方向にオフセットすることにより、延伸部321に接続された機能アセンブリ20も人体の頭部に近接し、機能アセンブリ20が外耳の後ろに当接して外耳の後ろに不快感を与えることを回避する。スピーカアセンブリ10の厚さは、スピーカアセンブリ10の人体の皮膚に密着された側面と人体の皮膚から離れた側面との間の距離であってもよい。
【0076】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30にヒンジ接続されてもよく、耳掛け30に対してヒンジ接続方向を中心として姿勢が調整することができる。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10と耳掛け30とのヒンジ接続方向は、垂直方向又は水平方向であってもよく、それによりスピーカアセンブリ10は、耳掛け30に対して垂直方向又は水平方向を中心として姿勢が調整することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10は、さらに耳掛け30に回転可能に接続されてもよい。スピーカアセンブリ10と耳掛け30は、軸孔嵌合により互いに回転可能に接続することができる。例えば、スピーカアセンブリ10の人体の頭部から離れた側面にボス10-1が設置され、ボス10-1には、その内部に凹んだ孔部が設置され、耳掛け30のスピーカアセンブリ10に接続された一端は、孔部に挿入され、孔部内で回転可能である。このような設置方式では、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30の軸線を中心として回転して姿勢を調整し、イヤホン100を装着しているときのフィット性を向上させることにより、スピーカアセンブリ10が人体の頭部に密着される効果を改善することができる。
【0078】
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと耳掛けの接続形態を示す別の概略構成図である。図3に示すように、いくつかの実施例において、耳掛け30は、弾性耳掛けであってもよい。耳掛け30は、弾性が高いシリカゲル、プラスチック、ゴムなどの材質で製造されてもよい。耳掛け30は、スピーカアセンブリ10に固定的に接続され、耳掛け30自体の弾性により、スピーカアセンブリ10の耳掛け30に対する姿勢調整を実現することができる。
【0079】
図3に示すように、耳掛け30は、円弧状であってもよく、スピーカアセンブリ10との接続位置から円弧状に延伸する。耳掛け30は、スピーカアセンブリ10の人体の耳部から離れた前側面101に固定的に接続される。いくつかの実施例において、耳掛け30は、接続された円弧状部分311及び水平部分312を含んでもよい。円弧状部分311は、円弧状であり、機能アセンブリ20に接続されてもよく、水平部分312は、直線状であり、イヤホン100が人体の頭部に装着されているときに水平又は略水平に設置される。水平部分312の円弧状部分311から離れた一端は、耳掛け30の弾性によりスピーカアセンブリ10が装着状態で水平方向(図3に示す)を中心として姿勢を調整するように、スピーカアセンブリ10に接続される。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面を人体の頭部に可能な限り又は全部密着させるために、スピーカアセンブリ10の耳掛け30に対する姿勢調整時の回転範囲を、プラスマイナス15度又はプラスマイナス10度の範囲にしてもよい。
【0080】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう一側の表面が人体の頭部に対して傾斜する場合、人体の頭部は、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう一側の表面に接触することにより、スピーカアセンブリ10は、力を受けて偏向して、姿勢調整を実現するとともに、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう一側の表面が人体の頭部に完全に密着される。いくつかの実施例において、耳掛け30は、機能アセンブリ20に接続された一端からスピーカアセンブリ10に接続された一端まで、機能アセンブリ20に対して人体の頭部に徐々に傾斜することにより、2組のスピーカアセンブリ10の間の間隔は、人体の頭部の幅(人体の頭部の幅は、人体の左耳と右耳との間の距離に近似することができる)よりも小さい。イヤホン100が人体の頭部に装着されている場合、人体の頭部は、スピーカアセンブリ10に締付力を適応的に形成することにより、スピーカアセンブリ10が耳掛け30に対して適応的に姿勢を調整することを確保する。締付力は、人体の頭部がスピーカアセンブリ10に印加してスピーカアセンブリ10を偏向させる力であってもよい。
【0081】
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと耳掛けの接続形態を示すまた別の概略構成図である。いくつかの実施例において、図4に示すように、耳掛け30は、弾性耳掛けであってもよく、スピーカアセンブリ10の人体の顎に向かう下側面102に固定的に接続される。いくつかの実施例において、耳掛け30は、スピーカアセンブリ10と人の耳との間から湾曲して延伸し、下側面102に接続されてもよい。いくつかの実施例において、耳掛け30は、スピーカアセンブリ10の人体の耳部から離れた前側面101(図3に示す)から湾曲して延伸し、下側面102に接続されてもよい。
【0082】
図4に示すように、耳掛け30は、接続された第1の湾曲部331及び第2の湾曲部332を含んでもよい。第1の湾曲部331は、機能アセンブリ20に接続されるとともに、機能アセンブリ20に対して人体の顎に向かって湾曲し、第2の湾曲部332は、第1の湾曲部331に対して耳掛け30の下側面102に向かって湾曲するとともに、下側面102に接続される。いくつかの実施例において、第2の湾曲部332は、湾曲して接続された水平サブ部333及び垂直サブ部334を含んでもよく、水平サブ部333は、第2の湾曲部332が下側面102の下方に延伸するように、第1の湾曲部331に接続されるとともに第1の湾曲部331に対して湾曲して設置される。装着状態で、水平サブ部333は、ほぼ水平方向に延伸することができる。垂直サブ部334は、水平サブ部333に対して湾曲して設置され、装着状態でほぼ垂直に延伸する。垂直サブ部334の水平サブ部333から離れた一端は、スピーカアセンブリ10に接続されることにより、耳掛け30の弾性によりスピーカアセンブリ10は、装着状態で、垂直方向を中心として姿勢を調整することができる。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面を人体の頭部に可能な限り又は完全に密着させるために、スピーカアセンブリ10の耳掛け30に対する姿勢調整時の回転範囲を、プラスマイナス15度又はプラスマイナス10度の範囲にしてもよい。
【0083】
いくつかの実施例において、図3と類似し、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30に対して人体の頭部に向かって傾斜し、すなわち、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30との接続箇所に位置する一端から該接続箇所から離れた端部まで、人体の頭部に向かって傾斜し、人体の頭部は、スピーカアセンブリ10に人体の頭部との間の締付力を提供することにより、スピーカアセンブリ10は、耳掛け30に対して適応的に姿勢を調整し、さらにスピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面が人体の頭部に完全に密着される。
【0084】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面は、外側に突出した円弧面を含んでもよく、すなわち、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面の少なくとも一部は、外側に突出した円弧面であり、このような設置は、スピーカアセンブリ10が人の顔に密着されるときの摩擦力を増大させることにより、イヤホン100の振動耐性を向上させることができる。
【0085】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面の縁部に貼付層が設置されてもよい。貼付層は、人体の頭部に貼り付けられ、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面が人の顔に密着される場合、貼付層は、該密着をさらに補強し、他の要因(例えば、ランニング、縄跳びなどの運動)によりスピーカアセンブリ10が人体の頭部に密着されずに滑り落ちる状況を緩和し、ひいては解消することができる。いくつかの実施例において、貼付層は、医療用接着剤又はハイドロゲルなどであってもよい。貼付層は、交換可能である。例えば、貼付層は、粘着性が低下した後に交換することができる。
【0086】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面の縁部に滑り止め部材が設置されてもよい。滑り止め部材は、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面と人体の頭部との間の摩擦力を増大させ、他の要因によりスピーカアセンブリ10が人体の頭部に密着されずに滑り落ちる状況を緩和し、ひいては解消することができる。いくつかの実施例において、滑り止め部材は、滑り止めスリーブであってもよく、滑り止めスリーブは、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面の縁部に外嵌される。いくつかの実施例において、滑り止めスリーブは、ユーザの装着快適さを向上させるように、肌にやさしい材質であってもよい。いくつかの実施例において、滑り止め部材は、滑り止めゴムブロックであってもよい。滑り止めゴムブロックは、そのゴム材質により摩擦力を効果的に増大させることにより、滑り止め効果を達成することができる。いくつかの実施例において、滑り止め部材は、滑り止めシリカゲルであってもよく、シリカゲルの大きい摩擦係数により摩擦力を効果的に増大させ、スピーカアセンブリ10が密着されずに滑り落ちることを回避する。いくつかの実施例において、滑り止め部材は、滑り止めハイドロゲルなどの他の実用に適する材質であってもよい。
【0087】
いくつかの実施例において、滑り止め部材のスピーカアセンブリ10から離れた一側に複数の凸粒が設置されてもよく、複数の凸粒は、ユーザとの密着度を向上させることにより、より優れた滑り止め作用を果たすことができる。
【0088】
いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面には、吸水ゲル層がさらに設置されてもよい。吸水ゲル層は、スピーカアセンブリ10の人体の顔の肌に接触する位置に設置されてもよく、顔の肌に接触する位置の水分を吸収し、スピーカアセンブリ10が顔の肌に接触して滑ることを防止することにより、スピーカアセンブリ10と人体の頭部との間の摩擦力を増加させることができる。
【0089】
スピーカアセンブリ10と耳掛け30との接続方式(例えば、回転可能な接続、固定的な接続)、及び耳掛け30の構造タイプ(例えば、弾性耳掛け、剛性耳掛け)を設定することにより、スピーカアセンブリ10の耳掛け30に対する姿勢調整を実現し、それによりスピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面が人体の頭部に可能な限り密着され、さらにイヤホン100の装着安定性と、イヤホン100が人体に音声を伝達する音声効果とを向上させることができる。
【0090】
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る図1におけるスピーカアセンブリと機能アセンブリとの概略構成図である。図5に示すように、いくつかの実施例において、耳掛け30は、スピーカアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に剛性接続されてもよい。いくつかの実施例において、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう第1の表面103と機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201とは、第1の表面103が人体の頭部に密着されるときに機能アセンブリ20が外耳の後ろに接触しないように、一定の、所定の夾角βを形成し、第1の表面103と人体の頭部との接触による力を0.1N以上4.5N以下にする。いくつかの実施例において、第1の表面103は、少なくとも部分的に人体の頭部に直接的又は間接的に接触してもよく、0.1Nの力は、スピーカアセンブリ10の第1の表面103を人体の頭部に接触させるときの最小力よりも大きくてもよく、4.5Nの力は、スピーカアセンブリ10の第1の表面103を人体の頭部に接触させるときに人体に痛みを感じさせる最小力よりも小さくてもよい。なお、第1の表面103と人体の頭部との接触による力が0.1N以上4.5N以下である場合、頭部に過大な圧迫感を与えて人体に痛みを感じさせることなく、第1の表面103を人体の頭部に安定して接触させることができる。第1の表面103と人体の頭部との接触による力を0.1N~4.5Nの範囲に設定することにより、スピーカアセンブリ10により生成された音声を人体に伝達する伝達効率及び音質を向上させることができる。
【0091】
いくつかの実施例において、イヤホン100が骨伝導イヤホンである場合、骨伝導イヤホンの音声品質は、スピーカアセンブリ10の第1の表面103上の力の分布に関連する。スピーカアセンブリ10の周波数応答曲線は、第1の表面103上の点の周波数応答曲線を重ね合わせたものであってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103と人体の頭部との間の力は、0.2N~0.8Nであってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103と人体の頭部との間の力は、0.2N~3.6Nであってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103と人体の頭部との間の力は、0.2N~1.5Nであってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103と人体の頭部との間の力は、0.3N~1.8Nであってもよい。スピーカアセンブリと人体の頭部(例えば、顔)との接触による力(クランプ力とも呼ばれる)の範囲及び効果に関するより多くの説明は、2015年8月13日に提出された出願番号PCT/CN2015/086907のPCT出願を参照することができ、そのすべての内容が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0092】
いくつかの実施例において、イヤホン100が装着されている場合、スピーカアセンブリ10の第1の表面103と人体の頭部との接触による力を0.1N以上4.5N以下にすると、音声の伝達効率及び音質を保証できるとともに、機能アセンブリ20が装着中に耳の外耳の後ろに当接しないようにし、装着快適性を向上させることができる。
【0093】
いくつかの実施例において、耳掛け30がスピーカアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に剛性接続される場合、耳掛け30は、剛性耳掛けであり、スピーカアセンブリ10及び機能アセンブリ20にいずれも固定的に接続されてもよい。このような設置方式では、第1の表面103と第2の表面201とは、一定の、所定の夾角βを形成することにより、第1の表面103が人体の頭部に完全に密着される場合、機能アセンブリ20と外耳の後ろとの間に隙間を有し、機能アセンブリ20が外耳の後ろに当接することを回避することができる。いくつかの実施例において、第1の表面103と第2の表面201とによって形成された所定の夾角βが一定の範囲にあると、第1の表面103が人体の頭部に完全に密着される場合、機能アセンブリ20が人体の頭部と外耳の後ろの外側との間の空間に位置するとともに人体の頭部と外耳の後ろの外側にいずれも接触しないことを保証することができる。いくつかの実施例において、第1の表面103と第2の表面201との間の所定の夾角βは、3度~15度の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103と第2の表面201との間の所定の夾角βは、5度~10度の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103と第2の表面201との間の所定の夾角βは、5度~8度の範囲にあってもよい。
【0094】
いくつかの実施例において、第1の表面103は、スピーカアセンブリ10の人体の頭部に向かう側面であり、第2の表面201は、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう側面であってもよい。いくつかの実施例において、第1の表面103及び第2の表面201は、平面であってもよく、外側に突出した円弧面であってもよい。第1の表面103及び/又は第2の表面201が平面である場合、所定の夾角βは、2つの平面によって形成された夾角であってもよい。第1の表面103及び/又は第2の表面201が円弧面である場合、所定の夾角βは、第1の表面103と第2の表面201の縁部の輪郭線で構成された平面間の夾角であってもよく、2つの円弧面の頂部(装着時に人体の頭頂に向かう一側)の接平面間の夾角であってもよい。
【0095】
いくつかの実施例において、第1の表面103は、スピーカアセンブリ10が人の顔に密着されるときの摩擦力を増大させることにより、イヤホン100の振動耐性を向上させるように、外側に突出した円弧面を含んでもよい。いくつかの実施例において、円弧面は、第1の表面103の表面の全体又は一部に分布してもよい。第1の表面103が外側に突出した円弧面を含む場合、イヤホン100の装着状態で、該円弧面は、人の顔に密着することができる。第1の表面103が平面であることに対して、円弧面は、スピーカアセンブリ10と人の顔との接触領域を増加させることにより、イヤホン100と人の顔との摩擦力を増加させ、さらにイヤホン100が人体の頭部から滑り落ちることを防止することができる。
【0096】
いくつかの実施例において、図1及び図5に示すように、機能アセンブリ20の外耳の後ろに接近する角は、面取り加工されてもよい。面取りには、角面取り、丸面取りなどが含まれてもよい。面取り加工されると、機能アセンブリ20と外耳の後ろとの間に逃げ空間を残し、機能アセンブリ20が外耳の後ろに接触するリスクを減少させ、機能アセンブリ20が外耳の後ろに当接することをさらに回避することができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、ブロック状であってもよい。例えば、機能アセンブリ20は、直方体、立方体、柱体などの形状であってもよい。機能アセンブリ20が直方体ブロック状であることを例として、機能アセンブリ20の第2の表面201は、長手方向辺及び幅方向辺を有することができる。長手方向辺とは、第2の表面201の耳掛け30の延伸方向に平行(又は略平行)な辺を指す。幅方向辺とは、第2の表面201の耳掛け30の延伸方向に垂直(又は略垂直)な辺を指す。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の長手方向辺が耳掛け30の延伸方向に沿って設置される場合、機能アセンブリ20の外耳の後ろに向かう幅方向辺は、外耳の後ろに当接しやすい可能性があり、このとき、機能アセンブリ20の外耳の後ろに接近する角は、その外耳の後ろに向かう幅方向辺上の角であってもよく、該角に対して面取り処理を行うことにより、機能アセンブリ20が外耳の後ろに当接することをさらに回避することができる。
【0097】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る別の例示的なイヤホンの構成図である。
【0098】
図6に示すように、機能アセンブリ20は、耳掛け30に伸縮可能に接続されてもよく、すなわち、機能アセンブリ20は、耳掛け30に固定的に接続されるとともに耳掛け30の構造により伸縮する。機能アセンブリ20は、耳掛け30により伸縮すると、機能アセンブリ20の位置を調整することにより、機能アセンブリ20が外耳の後ろに当接することを回避することができる。
【0099】
いくつかの実施例において、耳掛け30は、第1の管体31及び第2の管体32を含んでもよい。第1の管体31は、一端がスピーカアセンブリ10に剛性接続され、他端が第2の管体32の一端に伸縮可能に接続され、第2の管体32の他端は、機能アセンブリ20に剛性接続される。いくつかの実施例において、第1の管体31と第2の管体32は、スライド可能に外嵌されてもよく、第2の管体32の一端(機能アセンブリ20から離れた一端)は、第1の管体31の一端(スピーカアセンブリ10から離れた一端)にスライド可能に挿入され、締結部材により固定されてもよい。締結部材は、ねじ、ピン、ロックナットなどを含んでもよいが、それらに限定されない。締結部材により固定されると、第1の管体31と第2の管体32とのスライドを制限することができる。締結部材による第1の管体31及び第2の管体32の位置制限固定の作用が解除されると、第1の管体31と第2の管体32は、相対的にスライドすることにより、機能アセンブリ20の耳掛け30における位置を調整することができる。機能アセンブリ20の位置調整が終了した後に、締結部材により第1の管体31及び第2の管体32を再固定することができる。
【0100】
いくつかの実施例において、第1の管体31及び第2の管体32には、いずれも位置制限孔が設置され、締結部材(例えば、ねじ又はピン)は、第1の管体31及び第2の管体32を固定するように、位置制限孔に穿設されてもよい。いくつかの実施例において、締結部材(例えば、ロックナット)は、第1の管体31のスピーカアセンブリ10から離れた端部に螺合されてもよく、ロックナットの位置を螺旋調整することにより、第1の管体31の端部開口の大きさを調整することができる。第1の管体31の端部開口が大きい場合、第2の管体32は、第1の管体31に対して伸縮可能にスライドすることができ、第1の管体31の端部開口が小さい場合、第1の管体31の端部開口は、第2の管体32を押し、さらに第1の管体31と第2の管体32を固定する。
【0101】
いくつかの実施例において、イヤホン100は、後掛け40を含まなくてもよく、耳掛け30(例えば、フック状構造、C字形構造)のみにより人体の耳部に装着することができる。機能アセンブリ20は、耳掛け30により伸縮すると、機能アセンブリ20の位置を調整することにより、異なる人体の耳の形状に適応する。
【0102】
図7は、本明細書のいくつかの実施例に係る図1又は図6における機能アセンブリと耳掛けの接続形態を示す概略構成図である。
【0103】
いくつかの実施例において、図7に示すように、耳掛け30は、剛性耳掛けであってもよく、弾性耳掛けであってもよく、機能アセンブリ20は、耳掛け30に可動に接続され、機能アセンブリ20が外力によりタッチされるときに該外力に追従して偏向することにより、機能アセンブリ20が人体の頭部及び外耳の後ろを避けることができるため、機能アセンブリ20が大きい圧力で人体の頭部及び外耳の後ろに当接することを回避することができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、人体の頭部又は外耳の後ろから一定の当接力を受けるとき、耳掛け30の延伸軸線を中心として偏向して、人体の頭部又は外耳の後ろを避けることにより、機能アセンブリ20と外耳の後ろ又は人体の頭部との当接による不快感及び圧迫感を回避又は解消することができる。
【0104】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30に接続された一側に回転孔(図示せず)が設置され、耳掛け30の一端が回転孔に回転可能に接続される。耳掛け30が回転孔に穿設されるとともに回転孔に隙間嵌めされることにより、機能アセンブリ20は、外力を受けるときに耳掛け30を中心として偏向して、外耳の後ろ又は人体の頭部が機能アセンブリ20に当接するときに適応的に偏向して避けることができるため、不快感及び圧迫感を回避することができる。
【0105】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、機能ハウジング及び可動接続部材(図示せず)をさらに含んでもよく、耳掛け30と機能ハウジングは、可動接続部材により可動に接続することができる。いくつかの実施例において、可動接続部材は、ねじり閾値を有してもよい。ねじり閾値は、可動接続部材をねじることができる力の閾値である。可動接続部材の受けた外力がねじり閾値に達すると、可動接続部材は、一定の角度の偏向が発生することができる。いくつかの実施例において、可動接続部材は、ねじりばね又は減衰回転軸などを含んでもよい。いくつかの実施例において、可動接続部材は、ねじりばねであってもよく、ねじりばねは、耳掛け30に穿設されるとともに、機能ハウジングと係合することができる。機能アセンブリ20の受けた外力がねじりばねのねじり閾値に達すると、機能ハウジングは、耳掛け30の延伸軸線を中心として偏向することができる。いくつかの実施例において、ねじりばねのねじり閾値を小さく設定することにより、機能ハウジングと人体の頭部又は外耳の後ろとの接触による力は、圧迫感を引き起こさずに機能アセンブリ20を偏向させることができる。いくつかの実施例において、ねじりばねの構造パラメータ(例えば、寸法、材料など)を設計することにより、ねじりばねのねじり閾値を調整してもよい。
【0106】
いくつかの実施例において、可動接続部材は、減衰回転軸であってもよく、減衰回転軸は、一端が機能ハウジングに接続され、他端が耳掛け30に接続される。機能アセンブリ20の受けた外力が減衰回転軸のねじり閾値に達すると、機能アセンブリ20は、減衰回転軸により偏向し、その後に耳掛け30に相対的に固定されることを保持することができる。いくつかの実施例において、減衰回転軸の閾値は、外力が圧迫感を引き起こさずに機能アセンブリ20を偏向させることができるように、設定されてもよい。いくつかの実施例において、減衰回転軸の構造パラメータ(例えば、寸法、材料など)を設計することにより、減衰回転軸のねじり閾値を調整してもよい。
【0107】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30に対する偏向の角度は、プラスマイナスの所定の閾値角度の範囲にあってもよい。機能アセンブリ20が偏向しない場合、偏向角度が0度であり、機能アセンブリ20が頭部に近接するか又は頭部から離れて偏向することが順方向偏向又は逆方向偏向であると定義することができ、対応する偏向角度が正の角度又は負の角度である。
【0108】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20が人体の頭部及び耳部に接触しない状態で、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201は、第1の位置にあってもよく、機能アセンブリ20の装着状態で、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201は、第2の位置にある。第1の位置での機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201と第2の位置での機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201との間の偏向角度は、プラスマイナスの所定の閾値角度の範囲にある。換言すれば、装着状態で、機能アセンブリ20が人体の頭部及び耳部に接触しない可能性があり、機能アセンブリ20が偏向せず、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201が第1の位置にあり、偏向角度が0度であり、装着状態で、機能アセンブリ20は、さらに人体の頭部及び耳部に接触し、さらに偏向する可能性があり、このとき、第2の表面201は、第2の位置にあり、第1の位置での第2の表面201と第2の位置での第2の表面201との間の偏向角度は、プラスマイナスの所定の閾値角度の範囲にある。いくつかの実施例において、所定の閾値角度は、10度~20度の範囲にあってもよい。例えば、所定の閾値角度は、10度、14度、17度、20度などであってもよい。いくつかの実施例において、所定の閾値角度は、10度であってもよく、機能アセンブリ20の耳掛け30に対する偏向の角度は、プラスマイナス10度の範囲にある。例えば、機能アセンブリ20は、耳掛け30に対して順方向又は逆方向に5度、6度又は8度など偏向する。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、さらに人体の頭部に近接する一側又は人体の頭部から離れた一側のみに偏向することができ、第1の位置での機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201と第2の位置での機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう第2の表面201との間の偏向角度は、0度~所定の閾値角度の範囲にある。
【0109】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の外耳の後ろに接近する角は、機能アセンブリ20が外耳の後ろに当接することを回避するように、面取り加工されてもよく、面取りの加工に関するより多くの内容は、上述した説明を参照することができる。
【0110】
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係るまた別の例示的なイヤホンの構成図である。いくつかの実施例において、図6及び図8に示すように、後掛け40は、2組の機能アセンブリ20の間又は2組の耳掛け30の間に接続されてもよい。例えば、図6における後掛け40は、2組の機能アセンブリ20の間に接続される。また例えば、図8における後掛け40は、2組の耳掛け30の間に接続される。装着状態で、後掛け40は、後頭部(図6に示す)又は頭頂(図8に示す)に位置してもよい。いくつかの実施例において、後掛け40は、機能アセンブリ20又は耳掛け30に固定的に接続されてもよく、すなわち、後掛け40は、調整可能ではない。後掛け40は、一体射出成形、接着又はネジ接続などの方式で機能アセンブリ20又は耳掛け30に固定的に接続することができる。
【0111】
いくつかの実施例において、後掛け40の機能アセンブリ20に対する位置は、調整可能であってもよく、それにより後掛け40の姿勢を調整し、後掛け40の重心位置を変更し、後掛け40により発生するモーメントを調整して、イヤホン100の支持位置に関するモーメントバランスをとり、イヤホン100の装着安定性を向上させる。いくつかの実施例において、単なる例として、後掛け40は、機能アセンブリ20又は耳掛け30に回転可能に接続されてもよい。
【0112】
いくつかの実施例において、図8に示すように、後掛け40は、2組の耳掛け30に接続され、頭頂に装着されてもよい。耳掛け30は、スピーカアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に接続され、耳部に支持されずに接続作用のみを果たす。装着状態で、後掛け40が頭頂に支持され、すなわち、イヤホン100が人体の頭部に装着されているとき、イヤホン100の支持点が後掛け40にあり、イヤホン100の安定装着状態で、スピーカアセンブリ10により発生するモーメントと機能アセンブリ20により発生するモーメントは、後掛け40上の支持点に関してバランスすることができる。
【0113】
図9は、本明細書のいくつかの実施例に係る図8におけるイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
【0114】
図9に示すように、後掛け40は、頭頂に装着され、イヤホン100の重量は、人体の頭部により提供された支持力によりバランスされ、イヤホン100の支持点は、後掛け40にあり、このとき、イヤホンの支持点に関するモーメントは、等式(1)を満たすことができる。
【0115】
g*r=mg*r (1)
【0116】
式中、mは、単一のスピーカアセンブリ10の質量であり、mは、単一の機能アセンブリ20の質量であり、rは、スピーカアセンブリ10の重心から後掛け40上の支持点までのモーメントアームであり、rは、機能アセンブリ20の重心から後掛け40上の支持点までのモーメントアームであり、gは、重力定数である。
【0117】
いくつかの実施例において、後掛け40の接続空間形態を変更することにより、装着状態での平行後掛けから縦型垂直後掛けに変更し、イヤホン100の支持点が後掛け40に位置するように後掛け40によりイヤホン全体の重量を支えることにより、後掛け40の重心のイヤホン100の支持点に対するバランスモーメントアームを解消し、スピーカアセンブリ10及び機能アセンブリ20だけで装着状態でのモーメントバランスをとることができる。平行後掛けは、装着状態で後掛けの位置する平面が人体の高さ方向に垂直又はほぼ垂直であることであってもよい。縦型垂直後掛けは、装着状態で後掛けの位置する平面が人体の高さ方向に平行又はほぼ平行であることであってもよい。
【0118】
いくつかの実施例において、図8に示すように、後掛け40は、第1の頭部装着部411及び2つの第2の頭部装着部412を含み、2つの第2の頭部装着部412の一端は、それぞれ第1の頭部装着部411の一端に回転可能に接続され、第2の頭部装着部412の他端は、耳掛け30に接続される。装着状態では、第2の頭部装着部412は、第1の頭部装着部411に対して垂直方向を中心として回転することができ、回転角度を調整することにより、耳掛け30に接続されたスピーカアセンブリ10及び機能アセンブリ20と人体の頭部との装着状態がよい。いくつかの実施例において、回転角度の範囲は、プラスマイナス10度であってもよい。いくつかの実施例において、回転角度の範囲は、プラスマイナス8度であってもよい。いくつかの実施例において、回転角度の範囲は、プラスマイナス5度であってもよい。
【0119】
いくつかの実施例において、受けた力から分析すると、イヤホン100の支持点が頭頂にあり、両側の耳掛け30、スピーカアセンブリ10及び機能アセンブリ20が対称的に設置される場合、イヤホン100は、モーメントバランスを容易にとることができるとともに、人体の頭部の差異に応じて微調整して、高い装着効果を達成し、イヤホン100の装着安定性を向上させることができる。
【0120】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、ブロック状(例えば、図6に示す)であってもよい。機能アセンブリ20の耳掛け30に接続された表面は、2つの幅方向辺(すなわち、機能アセンブリ20の耳掛け30に接続された表面の幅方向に沿って分布する2つの側辺)及び2つの長手方向辺(すなわち、機能アセンブリ20の耳掛け30に接続された表面の長手方向に沿って分布する2つの側辺)を有してもよく、2つの幅方向辺は、互いに間隔をあけて、2つの長手方向辺も互いに間隔をあける。耳掛け30の一端は、機能アセンブリ20の幅方向辺に接続されてもよく、後掛け40が2組の耳掛け30の間に可動に接続される場合、スピーカアセンブリ10の質量は、イヤホン100のバランス調整を容易にするように、機能アセンブリ20と後掛け40の質量の和より大きくてもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、ブロック状であり、耳掛け30の一端は、機能アセンブリ20の幅方向辺に接続され、このとき、機能アセンブリ20は、横型に設置されてもよい。
【0121】
図10は、本明細書のいくつかの実施例に係る図6におけるイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
【0122】
いくつかの実施例において、イヤホン100の支持点は、耳掛け30に位置してもよい。図10に示すように、装着状態で、耳掛け30は、人の耳に支持され、後掛け40は、後頭部に位置し、イヤホン100の重量は、主に人の耳から耳掛け30に提供された支持力によりバランスされ、イヤホン100の支持点は、耳掛け30にある。このとき、2組のスピーカアセンブリ10により発生するモーメントは、2組の機能アセンブリ20及び後掛け40により発生するモーメントとバランスすることができ、このとき、イヤホンの支持点に関するモーメントは、等式(2)を満たすことができる。
【0123】
g*r=mg*r+mg*r (2)
【0124】
式中、mは、後掛け40の質量であり、rは、後掛け40の重心から耳掛け30上の支持点までのモーメントアームである。
【0125】
いくつかの実施例において、後掛け40は、耳掛け30に回転可能に接続されてもよい。具体的には、図6に示すように、耳掛け30に第1のヒンジ板34が設置されてもよく、後掛け40の端部に第2のヒンジ板42が設置され、第1のヒンジ板34と第2のヒンジ板42は、回転軸により接続される。後掛け40の姿勢を回転調整することにより、後掛け40の重心の位置を変更することができる。耳掛け30は、人体の耳部に支持され、すなわち、耳掛け30の人体の耳部に接触する位置が支持点であり、スピーカアセンブリ10及び機能アセンブリ20は、該支持点の両側に位置して、モーメントバランスに役立ち、また後掛け40の調整と組み合わせて、異なる人体の頭部との差異的なモーメントバランスにより役立ち、それによりイヤホン100の装着安定性に役立つ。
【0126】
いくつかの実施例において、さらに、図6に示すように、機能アセンブリ20は、耳掛け30に伸縮可能に接続され、機能アセンブリ20の耳掛け30における伸縮により機能アセンブリ20の位置を調整することにより、機能アセンブリ20及び後掛け40が耳掛け30上の支持点のモーメントアームに対してモーメントバランスをとって、それによりイヤホン100の装着安定性を向上させることができる。このとき、後掛け40は、第1のスライド部421及び2つの第2のスライド部422を含んでもよく、第1のスライド部421の両端は、それぞれ、2つの第2のスライド部422にスライド可能に接続され、第2のスライド部422は、一端に第2のヒンジ板42が設置されるとともに、耳掛け30にヒンジ接続されて、さらに機能アセンブリ20及び後掛け40が耳掛け30上の支持点のモーメントアームに対してモーメントバランスをとることを補助する。
【0127】
いくつかの実施例において、イヤホン100の支持点が耳掛け30に位置する場合、イヤホン100は、後掛け40を含まなくてもよい。イヤホン100は、耳掛け30(例えば、フック状構造、C字形構造)のみにより人体の耳部に装着することができ、人体の頭部の同一側に位置するスピーカアセンブリ10により発生するモーメントは、対応する機能アセンブリ20により発生するモーメントとバランスする。
【0128】
図11は、本明細書のいくつかの実施例に係るさらに別の例示的なイヤホンの構成図である。図12は、本明細書のいくつかの実施例に係る図11におけるイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
【0129】
いくつかの実施例において、イヤホン100の支持点は、機能アセンブリ20に位置してもよい。図11に示すように、機能アセンブリ20は、ブロック状であり、後掛け40は、機能アセンブリ20の2つの長手方向辺に接続されてもよく、このとき、機能アセンブリ20は、縦型に設置される。後掛け40は、機能アセンブリ20に伸縮可能に接続され、機能アセンブリ20が人体の頭部に挟まれやすい。いくつかの実施例において、2組の機能アセンブリ20は、人体の頭部の両側をクランプし、すなわち、機能アセンブリ20を主支持点として用い、このとき、機能アセンブリ20の重心の支持点に対するバランスモーメントアームは、ほとんど無視される。スピーカアセンブリ10のクランプ力が耳掛け30により単独で提供され、後掛け40が機能アセンブリ20に提供した正圧力が人体の頭部に接触して摩擦力を発生し、該摩擦力がイヤホン100の重力をバランスさせる。
【0130】
図12に示すように、いくつかの実施例において、後掛け40の両端は、それぞれ、対応する機能アセンブリ20にスライド可能に接続され、機能アセンブリ20の幅方向辺に沿ってスライドして調整することができる(スライド方向は、図12中の矢印で示す)。後掛け40は、スライド過程において、後掛け40の機能アセンブリ20に対する位置を調整することができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20には、幅方向(図12中の矢印方向)にスライドレールが設置されてもよく、後掛け40の端部にスライダが設置され、スライダは、スライドレール内にスライド可能に組み立てられることにより、後掛け40が機能アセンブリ20に対してスライドすることができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20には、幅方向にガイドブロックが設置されてもよく、後掛け40の端部にガイド軸が接続され、ガイド軸は、ガイドブロックにスライド可能に組み立てられることにより、後掛け40が機能アセンブリ20に対してスライドすることができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、後掛け40により提供された弾力により人体の頭部をクランプし、機能アセンブリ20の人体の頭部に接触する位置は、支持点であってもよく、機能アセンブリ20上の支持点に関してスピーカアセンブリ10とモーメントバランスをとるように後掛け40を調整することにより、イヤホン100の装着安定性を向上させることができる。
【0131】
装着状態で、2組のスピーカアセンブリ10から対応する機能アセンブリ20までのモーメントは、後掛け40から機能アセンブリ20までのモーメントとバランスし、すなわち、スピーカアセンブリ10の重心から支持点までのモーメントは、後掛け40の重心から支持点までのモーメントに等しい。具体的には、図12に示すように、後掛け40が弾力を提供することにより、2組の機能アセンブリ20は、装着状態で人体の頭部の両側をクランプし、さらにイヤホン100の重力は、主に機能アセンブリ20と人体の頭部との間の摩擦力によりバランスされ、すなわち、イヤホン100の支持点は、機能アセンブリ20に位置し、このとき、イヤホンの支持点に関するモーメントは、等式(3)を満たすことができる。
【0132】
g*r=mg*r (3)
【0133】
式中、mは、後掛け40の質量であり、rは、後掛け40の重心から支持点までのモーメントアームである。なお、耳掛け30は、質量がスピーカアセンブリ10の質量に対して極めて小さく、かつその重心から支持点までのモーメントアームが短いため、耳掛け30により発生するモーメントは、スピーカアセンブリ10により発生するモーメントと同じレベルではなく、無視することができる。
【0134】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20と人体の頭部との接触面積を相対的に増加させて、機能アセンブリ20の人体の頭部に与える圧力を低下させ、装着快適さを改善することができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう側面は、人体の頭部の対応する領域にフィットすることができ、すなわち、機能アセンブリ20が人体の頭部により密着されるように、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう側面に対して倣い設計を行うことにより、機能アセンブリ20と人体の頭部との接触面積を増大させる。例えば、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう側面は、内に凹んで人体の頭部に密着される。また例えば、機能アセンブリ20の人体の頭部に向かう側面に弾性層が設置され、弾性層により機能アセンブリ20と人体の頭部との接触面積を増大させる。
【0135】
図13は、本明細書のいくつかの実施例に係る別のイヤホンの装着状態でモーメントがバランスする場合の概略図である。
【0136】
いくつかの実施例において、図13に示すように、機能アセンブリ20は、ブロック状であり、後掛け40と耳掛け30は、それぞれ機能アセンブリ20の2つの幅方向辺に接続され、機能アセンブリ20は、横型に設置され、後掛け40は、機能アセンブリ20に固定的に接続されるか又は伸縮可能に接続される。後掛け40の質量と機能アセンブリ20の質量との和は、スピーカアセンブリ10の質量よりも小さくてもよい。
【0137】
いくつかの実施例において、装着状態で、耳掛け30は、人の耳に支持され、イヤホン100の支持点は、耳掛け30にあり、2組のスピーカアセンブリ10は、人体の頭部の両側に挟まれ、機能アセンブリ20は、人体の頭部に接触せず、2組のスピーカアセンブリ10により発生するモーメントは、後掛け40及び機能アセンブリ20より発生するモーメントとバランスし、このとき、イヤホンの支持点に関するモーメントは、等式(4)を満たすことができる。
【0138】
g*r+mg*r=M (4)
【0139】
式中、Mは、スピーカアセンブリ10により発生するモーメントであり、その重力と、人体の頭部との間の摩擦力により発生するモーメントとを含む。
【0140】
図14は、本明細書のいくつかの実施例に係るまたさらに別の例示的なイヤホンの構成図である。
【0141】
いくつかの実施例において、図14に示すように、耳掛け30は、スピーカアセンブリ(図示せず)と機能アセンブリ20との間に接続され、機能アセンブリ20は、耳掛け30の一端に接続されるとともに、耳掛け30と流線形になるように設置される。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30に遷移する断面は、徐変するものであってもよく、機能アセンブリ20は、大体耳掛け30の延伸方向に沿って設置され、機能アセンブリ20には、耳掛け30に対して突出する明らかな箇所がない。なお、機能アセンブリ20と耳掛け30の延伸方向に沿った横断面とは、ほぼ同じであり、寸法上の僅かな差異のみが存在する。流線形になるように設置された機能アセンブリ20と耳掛け30により、機能アセンブリ20が耳の後ろを押すことによる不快感及び圧迫感を回避することができる。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20は、耳の後ろを押さないことを保証するように、耳掛け30に対して一定の勾配を有してもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30に対する勾配は、0度~20度の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30に対する勾配は、0度~15度の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30に対する勾配は、0度~10度の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、延伸方向において、機能アセンブリ20の周方向の各箇所の耳掛け30に対する勾配は、いずれも適切な範囲(例えば、0度~15度)にあってもよく、それにより機能アセンブリ20は、耳掛け30と流線形になるように設置される。
【0142】
いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30の延伸方向に沿った長さは、機能アセンブリ20の延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法よりも大きくてもよい。該体型寸法は、幅寸法、厚さ寸法又は径方向寸法などであってもよい。このような設置方式により、機能アセンブリ20を延伸方向に長尺状にすることができ、それにより耳掛け30と流線形になるように設置される。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30の延伸方向に沿った長さ寸法と機能アセンブリ20の延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法との比は、10よりも小さくてもよい。例えば、長さ寸法と体型寸法との比は、6であり、体型寸法は、幅寸法及び厚さ寸法を含み、幅寸法は、6mmであり、厚さ寸法は、8mmであり、長さ寸法は、36mmであってもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30の延伸方向に沿った長さ寸法と機能アセンブリ20の延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法との比は、8よりも小さくてもよい。いくつかの実施例において、機能アセンブリ20の耳掛け30の延伸方向に沿った長さ寸法と機能アセンブリ20の延伸方向に垂直な方向に沿った体型寸法との比は、5よりも小さくてもよい。いくつかの実施例において、体型寸法は、10mm以下であってもよく、機能アセンブリ20における電池又は回路基板は、幅寸法が10mmよりも小さく、従来の大きい幅寸法の電池又は回路基板とは異なる。
【0143】
本実施例において、機能アセンブリ20の体型寸法は、8mmであり、長さ寸法は、40mmであってもよい。後掛け40は、2組の機能アセンブリ30の間に接続され、機能アセンブリ20の耳掛け30から離れた一端に接続されるとともに、機能アセンブリ20と流線形になるように設置される。機能アセンブリ20の後掛け40に対する勾配は、0度~15度の範囲にある。いくつかの実施例において、2組の耳掛け30、2組の機能アセンブリ20及び後掛け40は、一体に設計されてもよく、換言すれば、体型寸法がほぼ同じであるように耳掛け30、後掛け40及び機能アセンブリ20を設計することにより、機能アセンブリ20は、耳掛け30の一端及び後掛け40の一端に接続され、機能アセンブリ20と耳掛け30との間の勾配及び機能アセンブリ20と後掛け40との間の勾配は、小さく、それによりそれらが一体に流線形になり、外形に明らかな突起がない。いくつかの実施例において、イヤホン100は、後掛け40を含まなくてもよく、耳掛け30(例えば、フック状構造、C字形構造)のみにより人体の耳部に装着することができ、スピーカアセンブリ10、機能アセンブリ20及び耳掛け30は、流線形になるように一体に設置される。
【0144】
図15は、本明細書のいくつかの実施例に係る後掛けの分解概略構成図である。
【0145】
いくつかの実施例において、図11及び図15に示すように、イヤホンは、支持構造50をさらに含んでもよい。支持構造50は、スピーカアセンブリ10及び機能アセンブリ20に接続される。支持構造50内に金属体43が設置されてもよく、金属体43は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、イヤホン100のアンテナとする。
【0146】
いくつかの実施例において、図11に示すように、支持構造50は、上述した耳掛け30及び後掛け40を含んでもよく、耳掛け30は、スピーカアセンブリ10と機能アセンブリ20との間に接続され、後掛け40は、2組の機能アセンブリ20の間に接続される。後掛け40及び/又は耳掛け30内に金属体43が設置され、金属体43は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、イヤホン100のアンテナとする。いくつかの実施例において、金属体43は、一定の長さを有し、変化した電流及び変化した磁界を変換することにより、信号の送信及び受信を実現することができる。これにより、金属体43は、アンテナとして使用することができる。
【0147】
いくつかの実施例において、後掛け40内に金属体43が設置されてもよく、金属体43の少なくとも一端は、機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例において、金属体43は、一体型であってもよく、その一端が1組の機能アセンブリ20に電気的に接続され、他端が他組の機能アセンブリ20に電気的に接続されず、或いは、金属体43の両端は、それぞれ、対応する1組の機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例において、金属体43は、分離式であってもよく、それぞれ1組の機能アセンブリ20に電気的に接続される。
【0148】
具体的には、図15に示すように、後掛け40は、第1の後掛けハウジング441、第2の後掛けハウジング442及び金属体43を含んでもよく、金属体43は、第1の後掛けハウジング441と第2の後掛けハウジング442が係合して形成された空間内に位置する。金属体43は、機能アセンブリ20に電気的に接続されて、イヤホン100のアンテナとし、すなわち、後掛け40に設置された金属体43をアンテナとして通信信号を送受信し、機能アセンブリ20又はスピーカアセンブリ10にアンテナを設置することをさらに回避することができるため、機能アセンブリ20又はスピーカアセンブリ10の体積を減少させることができ、機能アセンブリ20及び耳掛け30を流線形に設置することに役立つ。いくつかの実施例において、金属体43は、一体型のワイヤであってもよく、両端がそれぞれ2組の機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、金属体43の長さを30mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、金属体43の長さを35mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、金属体43の長さを40mm以上にしてもよい。
【0149】
いくつかの実施例において、金属体43は、分離式であってもよい。金属体43は、第1のサブアンテナ(図示せず)及び第2のサブアンテナ(図示せず)を含んでもよく、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナは、それぞれ、対応する機能アセンブリ20に電気的に接続されるとともに、間隔をあけて設置される。第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナは、後掛け40に設置されてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナの長さを、いずれも30mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナの長さを、いずれも35mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、第1のサブアンテナ及び第2のサブアンテナの長さをいずれも40mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、第1のサブアンテナと第2のサブアンテナの長さは、等しくてもよく、等しくなくてもよい。
【0150】
いくつかの実施例において、耳掛け30内に金属体43が設置されてもよく、金属体43の一端が機能アセンブリ20に電気的に接続される。いくつかの実施例において、金属体43は、一体型のワイヤであってもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、金属体43の長さを30mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、金属体43の長さを35mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、信号をよりよく送受信するために、金属体43の長さを40mm以上にしてもよい。いくつかの実施例において、イヤホン100は、後掛け40を含まなくてもよく、このとき、金属体43は、耳掛け30のみに設置されてもよい。
【0151】
いくつかの実施例において、金属体43の端部には、溶接金属層が被覆されてもよく、金属体43は、溶接金属層により機能アセンブリ20における回路基板に溶接される。いくつかの実施例において、金属体43は、チタンワイヤであってもよく、溶接金属層は、亜鉛メッキ層である。チタンワイヤは、回路基板に直接的に溶接されにくいため、回路基板に溶接されやすい溶接金属層を端部にメッキすることにより、回路基板に電気的に接続されやすい。いくつかの実施例において、金属体43は、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金又はクロムモリブデン鋼などの金属であってもよく、溶接金属層は、銅メッキ層などであってもよく、本明細書は、これを具体的に限定しない。
【0152】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているものに過ぎず、本明細書を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本明細書に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本明細書によって示唆されることが意図されているため、本明細書の例示的な実施例の趣旨及び範囲内にある。
【0153】
さらに、本明細書の実施例を説明するために、本明細書において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本明細書の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本明細書の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0154】
また、当業者には理解されるように、本明細書の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本明細書の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本明細書の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0155】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本明細書に記載の処理素子又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本明細書の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明の目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本明細書の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0156】
同様に、本明細書の実施例の前述の説明では、本明細書を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴よりも少ない場合がある。
【0157】
いくつかの実施例において、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「概ね」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本明細書のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例では、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0158】
本明細書において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本明細書の内容と一致しないか又は矛盾する明細書経過文書、及び(現在又は後に本明細書に関連する)本明細書の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。なお、本明細書の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本明細書に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本明細書における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0159】
最後に、本明細書に記載の実施例は、単に本明細書の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本明細書の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本明細書の実施例の代替構成は、本明細書の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本明細書の実施例は、本明細書において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0160】
100 イヤホン
10 スピーカアセンブリ
10-1 ボス
20 機能アセンブリ
30 耳掛け
31 第1の管体
32 第2の管体
34 第1のヒンジ板
40 後掛け
42 第2のヒンジ板
43 金属体
50 支持構造
101 前側面
102 下側面
103 第1の表面
201 第2の表面
311 円弧状部分
312 水平部分
321 延出部
322 オフセット部
331 第1の湾曲部
332 第2の湾曲部
333 水平サブ部
334 垂直サブ部
411 第1の頭部装着部
412 第2の頭部装着部
421 第1のスライド部
422 第2のスライド部
441 第1の後掛けハウジング
442 第2の後掛けハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の頭部に貼り付けられ、音声を伝送するスピーカアセンブリと、
前記スピーカアセンブリに電気的に接続され、前記スピーカアセンブリを制御する機能アセンブリと、
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう第1の表面と前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう第2の表面とが所定の夾角を形成し、前記第1の表面と人体の頭部との接触による力が0.1N以上4.5N以下であるように前記スピーカアセンブリと前記機能アセンブリとの間に接続された、耳掛けと、
を含み、
前記スピーカアセンブリ又は前記機能アセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢又は位置が調整可能である、ことを特徴とするイヤホン。
【請求項2】
前記所定の夾角は、5度~10度の範囲にある、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記第1の表面は、外側に突出した円弧面を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記機能アセンブリの人体の耳部の裏側に接近する角は、面取り加工される、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記機能アセンブリは、前記耳掛けに可動に接続され、前記機能アセンブリが外力によりタッチされるときに該外力に追従して偏向可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項6】
前記機能アセンブリに回転孔が設置され、前記耳掛けの一端が前記回転孔に回転可能に接続される、ことを特徴とする請求項に記載のイヤホン。
【請求項7】
前記機能アセンブリが人体の頭部及び耳部に接触しない状態で、前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面は、第1の位置にあり、前記機能アセンブリの装着状態で、前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面は、第2の位置にあり、前記第1の位置での前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面と前記第2の位置での前記機能アセンブリの人体の頭部に向かう表面との間の偏向角度は、0度~所定の閾値角度の範囲にある、ことを特徴とする請求項に記載のイヤホン。
【請求項8】
前記所定の閾値角度の値は、10度~20度の範囲にある、ことを特徴とする請求項に記載のイヤホン。
【請求項9】
前記機能アセンブリは、人体の頭部に近接する一側及び/又は人体の頭部から離れた一側に偏向する、ことを特徴とする請求項に記載のイヤホン。
【請求項10】
前記スピーカアセンブリは、前記耳掛けに対して姿勢が調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項11】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面の縁部に貼付層が設置され、前記貼付層は、前記人体の頭部に貼り付けられる、ことを特徴とする請求項10に記載のイヤホン。
【請求項12】
前記スピーカアセンブリの人体の頭部に向かう側面の縁部に滑り止め部材が設置される、ことを特徴とする請求項10に記載のイヤホン。
【請求項13】
前記スピーカアセンブリ、前記機能アセンブリ及び前記耳掛けは、2組設置され、人体の頭部の左側と右側にそれぞれ対応して位置し、前記イヤホンは、
2組の前記機能アセンブリの間又は2組の前記耳掛けの間に接続され、前記機能アセンブリに対して位置が調整可能である後掛けをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項14】
前記機能アセンブリは、ブロック状であり、前記耳掛けの一端は、前記機能アセンブリの幅方向辺に接続され、前記後掛けは、2組の前記耳掛けの間に可動に接続され、前記スピーカアセンブリの総重量は、前記機能アセンブリ及び前記後掛けの総重量の和よりも大きい、ことを特徴とする請求項13に記載のイヤホン。
【請求項15】
装着状態で、前記耳掛けは、人の耳に支持され、2組の前記スピーカアセンブリにより発生するモーメントは、2組の前記機能アセンブリ及び前記後掛けにより発生するモーメントとバランスする、ことを特徴とする請求項14に記載のイヤホン。
【国際調査報告】