IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国科学院新疆理化技術研究所の特許一覧

特表2024-500986テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶及びその製造方法並びに使用
<>
  • 特表-テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶及びその製造方法並びに使用 図1
  • 特表-テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶及びその製造方法並びに使用 図2
  • 特表-テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶及びその製造方法並びに使用 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶及びその製造方法並びに使用
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/54 20060101AFI20231227BHJP
   G02F 1/355 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
C30B29/54
G02F1/355 501
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539044
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2021140370
(87)【国際公開番号】W WO2022135451
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011568533.1
(32)【優先日】2020-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518270609
【氏名又は名称】中国科学院新疆理化技術研究所
【氏名又は名称原語表記】XINJIANG TECHNICAL INSTITUTE OF PHYSICS & CHEMISTRY, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】パン,シィーリエ
(72)【発明者】
【氏名】ムタイリプ,ミリディン
(72)【発明者】
【氏名】シィア,ミィン
【テーマコード(参考)】
2K102
4G077
【Fターム(参考)】
2K102AA08
2K102AA32
2K102AA33
2K102AA34
2K102BA18
2K102BB02
2K102BC01
2K102CA28
2K102DA01
2K102EB20
4G077AA02
4G077BF02
4G077CB02
4G077EA02
4G077HA01
(57)【要約】
テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶並びに製造方法及び使用であって、該結晶は、化学式が[C(NH]BFであり、分子量が146.89であり、三方晶系に属し、空間群がR3mであり、結晶格子パラメータがa=7.4634(10)Å、b=7.4634(10)Å、c=9.1216(19)(6)Å、Z=3であり、紫外カットオフエッジが200nmであり、周波数逓倍応答が商業化された非線形光学結晶KDPの4~5倍であり、水熱法、室温溶液法、蒸発法又はソルボサーマル法によって寸法がセンチメートルレベルの結晶を成長させ、該結晶のNd:YAGレーザー装置により出力された1064nmの基本周波数光が2逓倍周波数、又は3逓倍周波数、又は4逓倍周波数、又は5逓倍周波数、又は6逓倍周波数の高調波光出力を行い、又は200nm未満の紫外及び深紫外周波数逓倍光の出力を生成する製造における使用、又は周波数逓倍器、アップ又はダウン周波数変換器、又は光パラメトリック発振器の製造における使用である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶であって、
該結晶は、化学式が[C(NH]BFであり、分子量が146.89であり、三方晶系に属し、空間群がR3mであり、結晶格子パラメータがa=7.4634(10)Å、b=7.4634(10)Å、c=9.1216(19)(6)Å、Z=3であり、紫外カットオフエッジが200nmである、ことを特徴とするテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶。
【請求項2】
請求項1に記載されたテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の製造方法であって、
該方法は、水熱法、室温溶液法、蒸発法又はソルボサーマル法によって結晶を製造し、
水熱法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~50mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、
ステップaにおける混合溶液を体積25~100mLの高圧反応釜のポリテトラフルオロエチレンライニングに移動して、反応釜の開口を絞って密封する、ステップbと、
ステップbにおける高圧反応釜を恒温槽内に置いて、20~60℃/hの速度で50~230℃まで昇温して、3~15日間恒温保持し、更に10~100℃/日の降温速度で室温まで降温する、ステップcと、
高圧反応釜を開けて、無色の上澄み溶液からセンチメートルレベルの大寸法のテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップdと、に基づいて行われ、
室温溶液法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、
ステップaにおける混合溶液を体積50~300mLのビーカーに移動して超音波処理して、それを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を1~11に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法1~20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われ、
蒸発法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、
ステップaにおける混合溶液を体積50~300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、定性濾紙で濾過する、ステップbと、
ステップbにおけるビーカーを恒温槽内に置き、恒温槽を5~10℃/hの速度で50~120℃まで昇温して、3~15日間恒温静置して保持し、成長が終了すると、寸法1~20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップcと、に基づいて行われ、
ソルボサーマル法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの溶剤を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、溶剤が脱イオン水、無水エタノール、フッ化水素酸又はテトラフルオロホウ酸であり、
ステップaにおける混合溶液を体積50~300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を1~11に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法1~20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる、ことを特徴とする請求項1に記載されたテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載されたテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶のマルチバンド周波数逓倍デバイス又は光学素子の製造における使用。
【請求項4】
請求項3に記載されたテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶のNd:YAGレーザー装置により出力された1064nmの基本周波数光が2逓倍周波数、3逓倍周波数、4逓倍周波数、5逓倍周波数又は6逓倍周波数の高調波光出力を行う製造における使用。
【請求項5】
請求項3に記載のテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の200nm未満の深紫外周波数逓倍光の出力を生成する製造における使用。
【請求項6】
請求項3に記載のテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の周波数逓倍器、アップ又はダウン周波数変換器又は光パラメトリック発振器の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
該出願は、2020年12月26日に出願した中国特許出願第202011568533.1号に基づく優先権を主張し、この中国特許出願の全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、赤外-可視-深紫外-深紫外波長域に使用される分子式が[C(NH]BFのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶並びに製造方法及び使用に関し、結晶材料の技術分野及び光学技術分野に属する。
【背景技術】
【0003】
193nmフォトリソグラフィ技術、マイクロナノメーター微細レーザ加工、並びに超高エネルギー分解能光電子分光装置及び光電子放射顕微鏡などの近代化された計器は深紫外レーザ光源(一般的に波長が200nmよりも短いものを指す)を強く求めるにつれて、全固体深紫外レーザ光源を発展させることは、既に国際レーザ科学界が最近研究しているホットスポットとなった。全固体深紫外レーザ光源を発展させ、深紫外非線形光学結晶が非常に重要な素子である。
【0004】
現在、産業に応用されている紫外、深紫外非線形光学結晶は、主にLiB(LBO)、CsB(CBO)、CsLiB10(CLBO)、BaB(BBO)及びKBeBO(KBBF)結晶を含む。LBO結晶は、広い光透過範囲、高い光学均一性を有し、より大きな有効周波数逓倍係数(3KDP)及び高い損傷閾値(18.9GW/cm)を有する。しかしながら、相対的に低い複屈折率(Δn=0.04~0.05)に起因して、それは深紫外領域において位相整合を実現できず、最短周波数逓倍波長が276nmである。LBO結晶と類似して、CBO及びCLBO結晶も相対的に低い複屈折率に起因して、深紫外領域における応用を制限する。BBO結晶はより大きな周波数逓倍係数及び複屈折を有するが、相対的に高い紫外吸収カットオフエッジ(189nm)に起因して、その最短周波数逓倍波長が204.8nmであり、これによりその深紫外領域における応用を制限する。KBBFは1064nmの基本周波数光を直接に6逓倍周波数で出力することが実現され得るが、KBBFは、層状成長習性を有し、大寸法の結晶を成長させる難度が高いため、その応用をある程度で制限する。従って、優れた総合性能を持つ新しい深紫外非線形光学結晶の開発が切実に求められている。。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を提供することであり、該結晶は、化学式が[C(NH]BFであり、分子量が146.89であり、三方晶系に属し、空間群がR3mであり、結晶格子パラメータがa=7.4634(10)Å、b=7.4634(10)Å、c=9.1216(19)(6)Å、Z=3であり、紫外カットオフエッジが200nmであり、周波数逓倍応答が商業化された非線形光学結晶KDPの4~5倍であり、該結晶は、レーザ損傷閾値が大きく、硬度が適当で、加工しやすく、空気中に安定して潮解しにくい。
【0006】
本発明の他の目的は、前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の製造方法を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶であって、該結晶は、化学式が[C(NH]BFであり、分子量が146.89であり、三方晶系に属し、空間群がR3mであり、結晶格子パラメータがa=7.4634(10)Å、b=7.4634(10)Å、c=9.1216(19)(6)Å、Z=3であり、紫外カットオフエッジが200nmである。
【0009】
前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の製造方法であって、該方法は、水熱法、室温溶液法、蒸発法又はソルボサーマル法によって結晶を製造し、
水熱法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~50mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、
ステップaにおける混合溶液を体積25~100mLの高圧反応釜のポリテトラフルオロエチレンライニングに移動して、反応釜の開口を絞って密封する、ステップbと、
ステップbにおける高圧反応釜を恒温槽内に置いて、20~60℃/hの速度で50~230℃まで昇温して3~15日間恒温保持し、更に10~100℃/日の降温速度で室温まで降温する、ステップcと、
高圧反応釜を開けて、無色の上澄み溶液からセンチメートルレベルの大寸法のテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップdと、に基づいて行われ、
室温溶液法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、
ステップaにおける混合溶液を体積50~300mLのビーカーに移動して超音波処理して、それを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を1~11に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法1~20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われ、
蒸発法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、
ステップaにおける混合溶液を体積50~300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、定性濾紙で濾過する、ステップbと、
ステップbにおけるビーカーを恒温槽内に置き、恒温槽を5~10℃/hの速度で50~120℃まで昇温して、3~15日間恒温静置して保持し、成長が終了すると、寸法1~20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップcと、に基づいて行われる。
ソルボサーマル法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
NH基含有化合物及びBF基含有化合物をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの溶剤を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
その中、前記NH基含有化合物が炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硝酸グアニジン又はリン酸グアニジンであり、BF基含有化合物がテトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸ナトリウムであり、溶剤が脱イオン水、無水エタノール、フッ化水素酸又はテトラフルオロホウ酸であり、
ステップaにおける混合溶液を体積50~300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を1~11に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法1~20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶のマルチバンド周波数逓倍デバイス又は光学素子の製造における使用である。
【0010】
前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶のNd:YAGレーザー装置により出力された1064nmの基本周波数光が2逓倍周波数、3逓倍周波数、4逓倍周波数、5逓倍周波数又は6逓倍周波数の高調波光出力を行う製造における使用である。
【0011】
前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の200nm未満の深紫外周波数逓倍光の出力を生成する製造における使用である。
【0012】
前記テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の周波数逓倍器、アップ又はダウン周波数変換器又は光パラメトリック発振器の製造における使用である。
【0013】
本発明に係るテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶並びに製造方法及び使用によれば、該結晶は、品質が高く、結晶寸法が大きく、光学均一性が高いといった特徴を有し、デバイスの製造ニーズを満たすことができ、赤外-可視-深紫外-深紫外波長域において広く応用されやすい。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の製造方法によれば、該方法によって寸法がセンチメートルレベルのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得て、明らかな層状成長習性を有せず、大寸法の容器を用いて結晶の成長サイクルを延長すれば、対応する大寸法のテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得ることができ、該非線形光学結晶の成長において、結晶が成長しやすくて透明で包まれず、成長速度が速く、コストが低く、大寸法の結晶を容易に得るといった利点を有する。
【0015】
本発明に係るテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の製造方法によれば、大寸法の非線形光学結晶を得て、結晶の結晶学的データに基づいて結晶ワークを指向し、必要な角度、厚さ及び断面寸法に基づいて結晶を切断し、結晶の光透過面をバフ研磨すれば、非線形光学デバイスとして使用でき、該テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶は、より広い光透過波長域を有し、物理的化学的性質が安定し、機械的硬度が大きく、断裂及び潮解しにくく、切断、バフ研磨加工及び保存しやすいといった利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係るXRDスペクトルであり、スペクトルが理論XRDクロマトグラムに一致し、化合物であるテトラフルオロホウ酸グアニジンの存在を証明したものである。
図2図2は、本発明に係るテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶の写真図である。
図3図3は、本発明に係るテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶で製造された非線形光学デバイスの動作原理図であり、そのうち、1はレーザー装置、2は発光ビーム、3はテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶、4は出射ビーム、5はフィルタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例1
水熱法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
炭酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積25mLの高圧反応釜のポリテトラフルオロエチレンライニングに移動して、反応釜の開口を絞って密封する、ステップbと、
ステップbにおける高圧反応釜を恒温槽内に置いて、20℃/hの速度で50℃まで昇温して、3日間恒温保持してから10℃/日の降温速度で室温まで降温する、ステップcと、
高圧反応釜を開けて、無色の上澄み溶液から寸法11×10×12mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップdと、に基づいて行われる。
【0018】
実施例2
水熱法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硫酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸リチウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、50mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積100mLの高圧反応釜のポリテトラフルオロエチレンライニングに移動して、反応釜の開口を絞って密封する、ステップbと、
ステップbにおける高圧反応釜を恒温槽内に置いて、60℃/hの速度で230℃まで昇温して、15日間恒温保持してから100℃/日の降温速度で室温まで降温する、ステップcと、
高圧反応釜を開けて、無色の上澄み溶液から寸法18×20×33mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップdと、に基づいて行われる。
【0019】
実施例3
水熱法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硝酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸アンモニウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、40mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積70mLの高圧反応釜のポリテトラフルオロエチレンライニングに移動して、反応釜の開口を絞って密封する、ステップbと、
ステップbにおける高圧反応釜を恒温槽内に置いて、40℃/hの速度で150℃まで昇温して、7日間恒温保持してから60℃/日の降温速度で室温まで降温する、ステップcと、
高圧反応釜を開けて、無色の上澄み溶液から大寸法11×22×23mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップdと、に基づいて行われる。
【0020】
実施例4
水熱法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
リン酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸ナトリウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~50mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積50mLの高圧反応釜のポリテトラフルオロエチレンライニングに移動して、反応釜の開口を絞って密封する、ステップと、
ステップbにおける高圧反応釜を恒温槽内に置いて、50℃/hの速度で200℃まで昇温して、7日間恒温保持してから80℃/日の降温速度で室温まで降温する、ステップcと、
高圧反応釜を開けて、無色の上澄み溶液からセンチメートルレベルの大寸法10×21×22mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップdと、に基づいて行われる。
【0021】
実施例5
室温溶液法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
リン酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸ナトリウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積50mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を1に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法1mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0022】
実施例6
室温溶液法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硫酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸リチウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を11に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0023】
実施例7
室温溶液法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硝酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸リチウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、100mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積200mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を5に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法12mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0024】
実施例8
室温溶液法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
炭酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸ナトリウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積150mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を10に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法15mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0025】
実施例9
蒸発法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硝酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸をNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積50mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、定性濾紙で濾過する、ステップbと、
ステップbにおけるビーカーを恒温槽内に置き、恒温槽を温度5℃/hの速度で50℃まで昇温して、3日間恒温静置して保持し、成長が終了すると、寸法1mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップcと、に基づいて行われる。
【0026】
実施例10
蒸発法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硫酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸アンモニウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、定性濾紙で濾過する、ステップbと、
ステップbにおけるビーカーを恒温槽内に置き、恒温槽を温度10℃/hの速度で120℃まで昇温して、15日間恒温静置して保持し、成長が終了すると、寸法20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップcと、に基づいて行われる。
【0027】
実施例11
蒸発法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
炭酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸ナトリウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、120mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積250mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、定性濾紙で濾過する、ステップbと、
ステップbにおけるビーカーを恒温槽内に置き、恒温槽を温度10℃/hの速度で100℃まで昇温して、13日間恒温静置して保持し、成長が終了すると、寸法14mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップcと、に基づいて行われる。
【0028】
実施例12
蒸発法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
リン酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸リチウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10~200mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積180mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、定性濾紙で濾過する、ステップbと、
ステップbにおけるビーカーを恒温槽内に置き、恒温槽を8℃/hの速度で100℃まで昇温して、12日間恒温静置して保持し、成長が終了すると、寸法12mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップcと、に基づいて行われる。
【0029】
実施例13
ソルボサーマル法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を成長させることは、具体的に、
硫酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸リチウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10mLの脱イオン水を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積50mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を1に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法10mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0030】
実施例14
ソルボサーマル法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
炭酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸ナトリウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、50mLの無水エタノールを加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積200mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を11に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法1mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0031】
実施例15
ソルボサーマル法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
硫酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸アンモニウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10mLのフッ化水素酸を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積300mLのビーカーに移動して超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を7に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法20mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0032】
実施例16
ソルボサーマル法によってテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を製造することは、具体的に、
炭酸グアニジン及びテトラフルオロホウ酸リチウムをNH:BF=3:1のモル比で均一に混合して十分に研磨した後、10mLのテトラフルオロホウ酸を加えてそれを十分に混合して溶解させる、ステップaと、
ステップaにおける混合溶液を体積170mLのビーカーに移動して、超音波処理してそれを十分に混合して溶解させ、溶液のpH値を10に調整し、定性濾紙で濾過してから塩化ビニルフィルムで開口を密封し、揺動せず、汚染がなく、空気対流がない静的環境に置いて、溶液中の溶剤の揮発速度を調整するために密封された開口には若干の穴を刺し、室温で静置して保持し、成長が終了すると、寸法13mmのテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶を得る、ステップbと、に基づいて行われる。
【0033】
実施例17
実施例1~16において得られたテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶[C(NH]BF図2)のいずれを整合方向に応じて加工処理し、図3に示すように3の位置に配置し、室温でQスイッチNd:YAGレーザー装置を光源とし、入射波長が1064nmであり、QスイッチNd:YAGレーザー装置1が発する波長1064nmの赤外ビーム2は[C(NH]BF単結晶3に入射して、波長532nmの緑色の周波数逓倍光を発生し、出力強度が同等条件でのKDPの約4.3倍である。
【0034】
実施例18
実施例1~16において得られたテトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶[C(NH]BF図2)のいずれを整合方向に応じて加工処理し、図3に示すように3の位置に配置し、室温でQスイッチNd:YAGレーザー装置を光源とし、入射波長が532nmであり、QスイッチNd:YAGレーザー装置1が発する波長532nmの赤外ビーム2は[C(NH]BF単結晶3に入射し、波長266nmの周波数逓倍光を発生し、出力強度が同等条件でのBBOの約1.2倍である。
【符号の説明】
【0035】
1 レーザー装置
2 発光ビーム
3 テトラフルオロホウ酸グアニジンの非線形光学結晶
4 出射ビーム
5 フィルタ
図1
図2
図3
【国際調査報告】