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特表2024-500991スパッタリングターゲット及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】スパッタリングターゲット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
C23C14/34 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539112
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 KR2022001346
(87)【国際公開番号】W WO2022191428
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032654
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0010619
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ハム,ギ ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,チュニョン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ユ キョン
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029AA02
4K029BA02
4K029BA04
4K029BA05
4K029BA06
4K029BA08
4K029BA09
4K029BA12
4K029BA17
4K029BA32
4K029BA33
4K029BA34
4K029CA05
4K029DC04
4K029DC07
(57)【要約】
本発明の一側面によるスパッタリングターゲットは、基板と、上記基板上に備えられ、非晶質相の割合が98.0%以上である合金ターゲット層と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に備えられ、非晶質相の割合が98.0%以上である合金ターゲット層と、を含む、スパッタリングターゲット。
【請求項2】
前記ターゲット層の気孔度は0.1%以下である、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項3】
前記ターゲット層はCr及びMoを含む鉄(Fe)系合金を含む、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項4】
前記鉄(Fe)系合金は、Ni、Co、Cu、V、W、Pt、Nb、Ta、Au、Ag、Ti、P、S、B及びCからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素をそれぞれ10wt.%以下でさらに含む、請求項3に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項5】
前記ターゲット層の厚さは50~4000μmである、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項6】
前記基板は単一基板(single plate)であり、前記基板上に備えられた前記ターゲット層は単一の組成を有する、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
基板を準備する段階と、
前記基板上に、鉄(Fe)系非晶質合金粉末、又は非晶質形成能を有する組成の鉄(Fe)系合金粉末を低温溶射(cold spray)して、非晶質相の割合が98.0%以上であるターゲット層を形成する段階と、を含む、スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項8】
前記鉄(Fe)系合金粉末は、Cr及びMoを含む鉄(Fe)系合金粉末である、請求項7に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項9】
前記鉄(Fe)系合金粉末は、Ni、Co、Cu、V、W、Pt、Nb、Ta、Au、Ag、Ti、P、S、B及びCからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素をそれぞれ10wt.%以下でさらに含む、請求項8に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項10】
前記鉄(Fe)系合金粉末の平均粒度は40μm以下であり、
前記ターゲット層の気孔度は0.1%以下である、請求項7に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項11】
前記ターゲット層の厚さは50~4000μmである、請求項7に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項12】
前記ターゲット層に含まれる非晶質相の割合は、前記鉄(Fe)系合金粉末に含まれる非晶質相の割合の0.96倍~1倍である、請求項7に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項13】
前記鉄(Fe)系合金粉末の結晶化温度(Tx)よりも低い温度で前記スパッタリングターゲットを熱処理する段階をさらに含む、請求項7に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項14】
請求項7~13のいずれか1つの項により製造されたスパッタリングターゲットに、イオン化されたガス原子を衝突させて、前記ターゲット層に含まれる元素を被加工物上に蒸着する、合金薄膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、スパッタリングターゲットとスパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スパッタリング(sputtering)とは、真空蒸着法の一種であって、低い真空度でプラズマをイオン化されたアルゴンなどのガスを加速してターゲットに衝突させ、原子を噴出させてウエハやガラスといった基板や母材の上に薄膜を形成する方法である。スパッタリングは、一般的な蒸留法よりも蒸着能力に優れ、複雑な合金をスパッタリングターゲットとして活用したときに、その合金を維持する能力に優れ、高温で耐熱性がある金属の蒸着能力に優れるという特徴がある。
【0003】
スパッタリング工程で薄膜を形成するために使用するスパッタリングターゲットには、形成しようとする薄膜又はコーティングの組成に応じて、様々な種類のスパッタリングターゲットを使用することができるのであり、通常99.99%以上の純度を有する金属、合金、化合物素材を活用することができる。チタン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、五酸化ニオブ、アルミニウム、モリブデンニオブ合金、ステンレス鋼、ニッケル合金、コバルト合金、ITO(Indium Tin Oxide)などがターゲットとして主に用いられる。
【0004】
一方、スパッタリング方式により形成される薄膜に柱状晶の組織又は粒界を含む組織が形成される場合、粒界などに沿って腐食液が浸透し、腐食が加速することから腐食に極めて弱くなり、強度が低くなるという問題が生じる可能性があるため、非晶質相を含み、耐食性及び結晶構造を含まない非晶質薄膜を形成する技術が研究されてきた。
【0005】
しかし、非晶質スパッタリングターゲットは、スパッタリング過程におけるイオンの衝突によって温度が上昇し、このような温度の上昇によってスパッタリングターゲットの表面付近の組織が変化する可能性が高い。すなわち、熱的に不安定な非晶質相の特性上、スパッタリングターゲットの温度が上昇すると、スパッタリングターゲットの表面にて局部的な結晶化を起こし、これによりターゲットの脆性が増加して、スパッタリング工程中にスパッタリングターゲットが破壊されやすくなるという結果を招く可能性がある。スパッタリングターゲットが工程中に破壊されると、製品の生産に致命的な問題を生じさせる可能性があるため、スパッタリングターゲットの安定性を確保する必要があるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許10-2019-0109863号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、被加工物に非晶質合金薄膜を形成するために、所望の合金組成からなるのでありながらも高い非晶質相の割合を有するスパッタリングターゲットと、それを製造できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、所望の組成の合金薄膜をスパッタリングで形成するために、2つ以上の基板を使用することなく単一の基板のターゲットを活用してスパッタリングを行うことができるスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
【0009】
さらに、被加工物に非晶質合金薄膜を形成するために非晶質合金を有するスパッタリングターゲットを用いる場合に、スパッタリングターゲットの表面にて発生する非晶質合金の局部的な結晶化と脆性の問題を解決するために案出されたものであって、スパッタリング工程による表面での局部的な温度上昇があっても、結晶質化によるスパッタリングターゲットの脆性増加を最小化し、工程中に破壊が起こりにくいスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によるスパッタリングターゲットは、基板と、上記基板上に備えられ、非晶質相の割合が98.0%以上である合金ターゲット層と、を含むことができる。
【0011】
本発明の一側面によるスパッタリングターゲットの製造方法は、基板を準備する段階と、上記基板上に鉄(Fe)系非晶質合金粉末又は非晶質形成能がある組成の鉄(Fe)系合金粉末を低温溶射(cold spray)して非晶質相の割合が98.0%以上であるターゲット層を形成する段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によるスパッタリングターゲットは、非晶質相が高い分率を有する合金粉末又は非晶質形成能に優れた合金粉末を基板に溶射して製造することができ、スパッタリングターゲットの製造時に非晶質粉末を使用する場合、非晶質合金粉末の高い非晶質分率をスパッタリングターゲットのターゲット層においても維持でき、スパッタリングターゲットの非晶質相の割合が高くなり、当該スパッタリングターゲットを使用して製造される薄膜も高い非晶質分率を有することができる。
【0013】
また、スパッタリングターゲットの製造時の合金粉末が、非晶質形成能に優れた合金粉末である場合、その組成がターゲット層においても維持されうるのであり、当該スパッタリングターゲットを使用して製造される薄膜は、非晶質で構成されうる。
【0014】
また、非晶質合金粉末を用いて溶射コーティング工程で製造する場合、スパッタリングターゲット層の大きさ(大面積化)、厚さなどの調節が容易であり、バックプレート(Back plate又はbacking plate)も自由に選択可能である。
【0015】
また、スパッタリングターゲットの製造工程が比較的簡単であることから、スパッタリングターゲットの作製が容易であり、スパッタリングの後、損なわれた領域の補修(repair)も可能であるため、製造コストの節減効果に優れる。
【0016】
また、スパッタリング工程を用いて合金薄膜を製造するとき、これらの構成元素のスパッタリングターゲットを真空チャンバに同時に設置しなければならないのであるが、非晶質合金粉末を用いて、溶射コーティング工程でもってスパッタリングターゲットを製造すると、単一の基板に備えられる単一のスパッタリングターゲットのみを使用しうるので、装置の小型化及び製造時間の減少が導かれうる。
【0017】
また、溶射コーティング工程を用いてスパッタリングターゲットを製造すると、99.99%の高い密度を有するスパッタリング層(コーティング層)を容易に形成することができ、シリンダタイプのスパッタリングターゲットの製造が可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】スパッタリング装置の構造及びスパッタリング方法を概略的に示した図である。
図2】アトマイズ工程で製造された鉄系非晶質粉末の断面微細組織とXRD分析結果を示した図である。
図3】溶射コーティング工程で製造された鉄系非晶質合金スパッタリングターゲットを撮影した写真である。
図4】低温溶射工程で製造された鉄系非晶質合金ターゲット層の断面微細組織を撮影した写真である。
図5】超高速火炎溶射工程で製造された鉄系非晶質合金ターゲット層の断面微細組織を撮影した写真である。
図6】低温溶射工程で製造された非晶質合金ターゲット層のXRD分析結果である。
図7】低温溶射工程で製造された非晶質合金ターゲット層のEPMA分析結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明を詳しく説明する前に、本明細書で使用している用語は、特定の実施形態を記述するためのものであるだけで、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。本明細書で使用している全ての技術用語及び科学用語は、他に断らない限り、技術的に通常の技術を有する者に一般的に理解されるものと同一の意味を有する。
【0020】
本明細書及び請求の範囲の全般にわたって、他に断らない限り、含む(comprise、comprises、comprising)という用語は、言及された物、段階又は一群の物、及び段階を含むことを意味し、任意のある他の物、段階、又は一群の物あるいは一群の段階を排除する意味で使用しているものではない。
【0021】
一方、本発明の様々な実施形態は、明確に反する指摘がない限り、その他の如何なる実施形態とも組み合わせることができる。特に、好ましいか有利であると指示したある特徴は、好ましいか有利であると指示したその他の如何なる特徴とも組み合わせることができる。
【0022】
図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは、便宜のために誇張して表現されることもありうる。全体的に、図面の説明の際に観察者の視点で説明しており、一構成要素が他の構成要素の「上に/下に」あるとするとき、これは他の構成要素の「直上に/直下に」ある場合だけでなく、その間に別の構成要素がある場合も含む。
【0023】
本発明の一側面は、スパッタリングターゲットであって、基板200、及び基板200上に備えられるターゲット層100を含む。
【0024】
基板200は、スパッタリングターゲットのターゲット層100を形成するためのバックプレート(Back plate)であって、ターゲット層100を形成できる表面を提供し、スパッタリングターゲットの大きさを決定する。基板200の素材は制限されず、金属又は合金素材の基板200を使用することができ、電気伝導性と熱伝導性に優れた金属又は合金もしくは金属酸化物素材を使用することがよく、例えば、銅金属、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウムガリウム酸化物(IZO)又はインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)からなる基板200を使用することができる。
【0025】
基板200の大きさは制限されないが、スパッタリングターゲットをスパッタリング工程のターゲットとして活用するために使用する場合、スパッタリングの工程時間、速度、作業量に応じて変わりうるのであり、スパッタリングターゲットを製造する方式と条件に応じて決定することができる。
【0026】
基板200と、後述するターゲット層100との間には、接合層を備えることができる。基板200上に備えられるターゲット層100と、基板200との界面にて、互いの接合が良好でない場合、ターゲット層100の剥離が起こるという問題が生じる可能性があるが、基板200とターゲット層100との接合特性を補うために、例えば、エラストマー(Elastomer)といった接合層を備えうるのであり、基板200と接合層との優れた接合が求められない場合は、別途の接合層なしに、基板200上にターゲット層100を直接に形成してもよい。
【0027】
ターゲット層100は、基板200上に備えられる合金層であって、基板200又は接合層の表面に備えられうる。ターゲット層100は、非晶質形成能に優れた合金組成からなり、非晶質相を含む非晶質合金層であることが好ましい。
【0028】
具体的には、ターゲット層100に含まれる合金は、鉄(Fe)を主成分として含む組成を有する鉄系合金であることがよく、非晶質形成能を向上させることができる元素が含まれている鉄系非晶質合金であることが好ましい。非晶質スパッタリングターゲット材料としては、非晶質形成能を向上させることができる大型原子(large atom)であるK、Sr、Eu、Ca、Y、Pb、Er、In、Zrなどを一部含むことができるのであり、中型原子(intermediate atom)であるNi、Cr、Co、Cu、V、Mo、W、Pt、Nb、Ta、Au、Ag、Tiなどを含むことができるのであり、小型原子(small atom)であるP、S、B、C元素を添加することができる。
【0029】
本発明の一実施形態の鉄系合金は、Fe、Cr及びMoを含み、さらにNi、Co、Cu、V、W、Pt、Nb、Ta、Au、Ag、Ti、P、S、B及びCからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素を含み、上記元素群から選択される2以上の元素を含むことが好ましい。
【0030】
一方、さらに含まれる、Ni、Co、Cu、V、W、Pt、Nb、Ta、Au、Ag、Ti、P、S、B及びCからなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素は、合金の全体における、それぞれ10wt%以内で含まれることが好ましい。
【0031】
選択される少なくとも1つ以上の元素が10wt.%を超える場合、合金の非晶質形成能の低下、並びにガラス転移温度(Tg)及び結晶化温度(Tx)の低下により、非晶質相の割合が低くなるか、結晶化が発生しやすくなる可能性がある。また、このため、スパッタリングの際に発生する熱により、ターゲット層100にて結晶化が行われ、ターゲットに亀裂が発生するか、スパッタリングでもって製造される合金薄膜300の組成ムラを引き起こす可能性がある。
【0032】
ターゲット層100をなす合金が上記のような組成を有する場合、合金の非晶質形成能に優れた鉄系合金ターゲット層100を備えうる。ここで、ターゲット層100に非晶質相が高い割合で含まれうるのであり、ターゲット層100が非晶質相を含まないか、低い割合で含むとしても、最終的に得られる薄膜において高い割合の非晶質相を得ることができる。
【0033】
ターゲット層100に含まれる非晶質相の割合は、80~100%、好ましくは90~100%、さらに好ましくは95~100%である。
【0034】
非晶質相の割合が当該範囲より低い場合、結晶相の割合が高くなり、合金における結晶相をなす元素の不均一な分布により、スパッタリング薄膜の組成均一度が減少する可能性がある。また、結晶相の割合の増加で、ターゲット層100の脆性が増加するか、結晶相が形成されたターゲット層100の部分における合金のガラス転移温度(Tg)及び結晶化温度(Tx)の低下により非晶質形成能が低下することで、スパッタリング時に発生する温度上昇による、更なる結晶化が局部的に発生しうることから、ターゲット層100の亀裂を引き起こす可能性がある。
【0035】
一方、ターゲット層100の厚さは、特に制限されず、適用される技術分野及び製品の要求値に応じて容易に制御することができるが、50μm~4000μm、好ましくは100μm~4000μmの範囲が好ましいのでありうる。
【0036】
非晶質相を含む合金からなるターゲット層100を製造するための方法として、合金を粉末化した後、溶射コーティング工程でターゲット層100を形成する方法、合金を蒸着又はスパッタリングする方法、リボン、薄片状に製造した後、高温で成形又は焼結する方法、鋳造、プレス又は圧着する方法などを用いることができ、合金粉末を溶射コーティングしてターゲット層100を形成する方法を用いることが好ましい。
【0037】
非晶質合金粉末を用いて、溶射コーティング工程でスパッタリングターゲットを製造する場合、合金粉末を完全に溶融させた後、速い冷却速度(~10K/s)で急冷する工程を含むことができ、噴射温度の制御を通じて粉末の非晶質相をそのまま維持しながらターゲット層100を形成できることから、厚さ及び大きさなどを制御しやすいという利点がある。
【0038】
これに対し、高温で成形又は焼結する方法、鋳造、プレス又は圧着する方法、蒸着又はスパッタリングする方法などの場合、速い冷却速度(~10K/s)の付与が困難であることから、非晶質組織(short range ordered structure)をなすことが難しく、バックプレート(back plate or backing plate)との更なる接合工程が追加されるため、生産性及び経済性の低下を引き起こす可能性がある。
【0039】
より具体的には、ターゲット層100は、様々な溶射方式で製造することができ、なかでも高速火炎溶射(HVOF)、プラズマ溶射(Plasma spray)、火炎溶射(flame spray)、アーク溶射(Arc spray)、ツインワイヤアーク溶射(Twin wire arc spray、TWAS)及び低温溶射(cold spray)などを含む熱溶射(Thermal spray)方式を活用することが好ましい。
【0040】
ターゲット層100を形成する方法として熱溶射方式を用いる場合、所望の合金組成からなる合金粉末を使用することができ、コーティングの方法及び条件を制御しやすいという利点がある。また、非晶質相を含む合金粉末を溶射素材(Feedstock)として使用する場合、粉末に含まれた非晶質相の割合を高いレベルに維持しながらターゲット層100を形成できるため、高い分率の非晶質相を有する非晶質ターゲット層100の形成に有利である。
【0041】
本発明の一実施形態は、熱溶射方式により形成されたターゲット層100が含まれるスパッタリングターゲットを開示し、熱溶射方式の中でも低温溶射(cold spray)方式によりターゲット層100が備えられたスパッタリングターゲットを開示する。
【0042】
大気プラズマ溶射(Atmospheric plasma spray、APS)、アーク溶射(Arc spray)、超高速火炎溶射(HVOF spray)などのような高い温度を伴う溶射コーティング工程の場合、ガラス転移温度(Tg)あるいは結晶化温度(Tx)よりも高い温度区間で粉末が積層されることから、粉末が飛行途中に高い熱源によって酸化される飛行中酸化(inflight oxidation)による粉末の酸化(oxidation)が発生するのであり、それによる金属元素の枯渇(depletion)が発生する。このような添加元素の枯渇は、コーティング層の非晶質形成能を局部的に減少させ、枯渇領域で合金の結晶化が発生する可能性がある。
【0043】
しかし、低温溶射コーティング工程を用いると、このような問題点が発生せず、他の溶射コーティング工程で製造された素材よりも、ターゲットの全体的な非晶質分率が高く、均一な非晶質相の割合が得られ、純度及び密度も、より高いという利点を有している。
【0044】
低温溶射は、金属又は複合材料粉末を、高圧の圧縮ガス、例えばヘリウム、窒素、アルゴン又は混合ガスなどを用い、500~1200m/sの程度の超音速に加速させて粉末の塑性変形を誘導し、母材上に粉末を積層して緻密な溶射層を形成する技術であって、低い温度で粉末を溶融させることなく固相状態で積層して運動エネルギーによる塑性変形を起こすため、高温での酸素との反応性が高い銅、チタン素材に適用するか、相の安定性が低い非晶質、ナノ結晶素材を溶射する方法として活用されるのであり、初期粉末の特性(純度、組成など)がそのまま維持されるという利点がある。
【0045】
また、非晶質合金粉末を用いて、溶射方式でターゲット層100を形成する場合、形成される溶射層は基板200又は母材の上に備えられるため、従来、基板200にターゲット層100を接合するために必要であった接合ボンディング工程を省略できるという利点がある。
【0046】
さらに、溶射コーティング工程を通じて粉末を積層させることでスパッタリングターゲットを製造する方法は、廃スパッタリングターゲットのメンテナンス(repair)に活用することも好ましい。
【0047】
形成されたターゲット層100は、合金粉末に含まれた合金の組成、非晶質相の割合、溶射方法、溶射条件によって、一部異なる特性を有することができる。ターゲット層100は、粒界(particle boundary)に酸化物が存在しないことから、コーティング層の純度が粉末の純度と類似しており(低い不純物含有量)、気孔度が極めて低く、非晶質相の割合が供給原料(feedstock)と類似のレベルで得られる。
【0048】
具体的に、ターゲット層100に含まれた不純物の含有量は、0.05wt.%以下、好ましくは0.001~0.04wt.%、さらに好ましくは0.001~0.005wt.%でありうる。不純物の含有量が当該範囲よりも高い場合、薄膜の組成と粉末の組成とが異なり、期待していた特性(耐摩耗、耐腐食など)の低下を引き起こす可能性がある。
【0049】
ここで不純物とは、外部から取り込まれる不純物だけでなく、ターゲット層100を形成する過程で粒界(particle boundary)に微量存在する窒素、酸素などのような元素、飛行中酸化(inflight oxidation)により形成された金属の酸化物、金属原子が非金属原子と化学的に結合されたセラミック相、金属間化合物などを含むものであって、異物だけでなく、非晶質合金粉末に含まれていない新たな化合物、結晶相などを含む。
【0050】
また、ターゲット層100の気孔度は0.1%以下でありうる。より好ましい気孔度は、0.01~0.1%でありうる。ターゲット層100の気孔度が当該範囲より高い場合、スパッタリングの際にターゲット層100の剥離及び薄膜の粗度(roughness)が増加し、最終製品の質が低くなるという問題がある。
【0051】
また、ターゲット層100に含まれる非晶質相の割合は、98.0%以上であることがよく、好ましくは99.0%以上、より好ましくは99.5%以上である。コーティングに使用された非晶質合金粉末に含まれた非晶質相の割合に比べて0.96~1倍、好ましくは0.98~1倍の範囲であることがよい。ターゲット層100に含まれる非晶質相の割合が当該範囲より低いか、非晶質合金粉末より低い割合の非晶質相を含む場合、薄膜の局部的な組成差が発生し、それによる特性の低下が生じる可能性がある。
【0052】
また、スパッタリングターゲット層100の強度又はビッカース硬度(HV0.3)は、初期粉末と類似の900~1100Hvであることがよく、好ましくは1000~1100Hvである。強度又はビッカース硬度が低い場合、コーティング層の位置別の組成差が発生している可能性があり、粉末の粒界の結合力が低くなっていると理解することができる。このような場合、スパッタリングが進められるにつれて、薄膜の組成がターゲット層100と異なるか、ターゲット層100の一部が剥離して薄膜に落ち、製品の不良を招く可能性がある。
【0053】
一方、ターゲット層100を形成するための溶射工程に使用される非晶質合金粉末についての大きさと形態は、制限されないが、球形に近い粉末であるのがよく、合金粉末の平均粒径は40μm以下、好ましくは30μm以下であるのがよい。
【0054】
粒径が当該範囲より小さい場合、粉末の運動エネルギーが低くなって積層効率が減少し、スパッタリングターゲットの製造時の経済性が低くなり、単位g当たりの比表面積の増加でもって飛行中酸化(inflight oxidation)による金属酸化物が形成され得るのであり、当該範囲より大きい場合、粉末の変形が誘導されないことからターゲット層100の気孔度が高くなるという問題がある。
【0055】
本発明の一実施形態は、非晶質合金粉末を基板200上に低温溶射してターゲット層を形成するか、必要時に熱処理されて得られるスパッタリングターゲットを提供する。低温溶射コーティング後に熱処理を行う場合、酸化物が形成されない範囲内、あるいは結晶化が起こらない温度範囲内で熱処理を行うことができ、熱処理の際にターゲット層100の合金は、非晶質相を維持しながら気孔度が減少し、ターゲット層100の密度が向上しうる。
【0056】
ここで、熱処理雰囲気としては真空雰囲気又はAr雰囲気の熱処理が適切であり、550~570℃で行うことがよく、560~570℃で行うことが好ましい。熱処理温度が当該範囲より低い場合、気孔の改善効果が得られないことから、コーティング層の密度向上は難しく、当該範囲より高い場合、結晶化が起こり、非晶質分率が低くなるという問題が発生する可能性がある。
【0057】
本発明の当該側面によるスパッタリングターゲットは、スパッタリングの際にイオン化されたガス原子が表面に衝突し、加工物400の表面にターゲット層100と同一の組成の合金薄膜300を形成できる単一(single)ターゲットとして活用されることが好ましく、単一ターゲットとして活用されるとは、単一基板200(single plate)上に、単一の組成の合金からなるターゲット層100が形成されたスパッタリングターゲットが、スパッタリング工程で、唯一のものとして使用されることを意味する。
【0058】
単一の組成の合金とは、全く異なる元素を含むか、含まれる元素の含有量が互いに異なる場合を除くという意味であって、ターゲット層100を形成する過程で一部の不純物が含まれるか、無視できる程度の含有量差や含まれた非晶質相の割合が変わるとしても、通常、同一の組成の合金と見なされる場合を含む。
【0059】
ターゲット層100に含まれる合金は、非晶質形成能に優れた鉄系非晶質合金であって、非晶質相の割合、ガラス転移温度(Tg)及び結晶化温度(Tx)が高く、スパッタリング工程中の局部的なターゲットの温度上昇によっても結晶化が行われにくいため、脆性特性が良好であり、スパッタリングターゲットの亀裂がほとんど発生しない。
【0060】
また、溶射コーティング工程で形成されたスパッタリングターゲットを単一ターゲットとして活用してスパッタリング工程に使用する場合、上述したターゲット層100の優れた特性(高い非晶質形成能)と溶射コーティング工程に起因するターゲット層100の健全な微細組織(極めて低い気孔度及び粉末界面欠陥)により、スパッタリング工程中にターゲットの温度が上昇しても、微細な組織的欠陥(細孔及び粉末界面欠陥)における物性劣化によりターゲット層100に亀裂が形成されることを防止できる。
【0061】
本発明の他の側面は、スパッタリングターゲットを製造する方法であって、鉄系合金粉末及び基板200を準備する段階、前述した基板200上に鉄系非晶質合金粉末を熱溶射(Thermal spray)してターゲット層100を形成する段階を含む。
【0062】
鉄系合金粉末は、前述したものと同一の非晶質合金粉末を使用することが好ましく、非晶質相を含まないとしても、非晶質形成能の高い組成の合金粉末を使用することがよい。基板200は、前述したものと同様に、スパッタリング工程の際に、陰極に電気的に連結され、イオン化されたガス原子がターゲット層100に向かって加速されるようにすることがよい。
【0063】
熱溶射方法は、様々な方法を用いることが可能であるが、低温溶射(cold spray)方式を用いることが最も好ましい。
【0064】
本発明の当該側面は、スパッタリング方法を通じて非晶質相を含む薄膜を製造する場合、非晶質形成能に優れた組成の合金をターゲットとして提供するために、合金組成の割合で計算された2以上のターゲットを使用してスパッタリングを行う方法に対し、単一のスパッタリングターゲットを活用できるという点において、製造される薄膜の組成が均一化及びスパッタリング工程が単純化されることができるという利点があり、非晶質合金組成のターゲットを焼結や鋳造で製造しにくいという問題点を解決する利点がある。
【0065】
前述したスパッタリングターゲットのターゲット基板200は、バックプレートとしてスパッタリング工程の際に、そのまま活用することができ、単一基板(single plate)であることがよく、直流又は交流電源に連結されて陰極(Cathode、-極)としての役割を果たすことができる。基板200上に備えられたターゲット層100は、スパッタリングが起こる表面を提供し、スパッタリング工程の進行時にスパッタリングターゲットのターゲット層100に含まれた合金が、スパッタリングの対象となり、陽極(Anode、+極)の役割を果たす基材又は基板200などの加工物400の上に、
同一の組成の合金薄膜300を形成する。
【0066】
スパッタリングに用いる装置及びスパッタリング条件は制限されず、通常の技術レベルで採用可能な装置及び条件で行うことができる。
【0067】
本発明の他の側面は、前述したスパッタリングターゲットをスパッタリングターゲットとして形成された合金薄膜、及び合金薄膜を含む構造体に関するものである。
【0068】
スパッタリングにより製造される薄膜は、ターゲット層100と同一の組成の合金を含むことが好ましく、実際には測定方法や試料の採取時に一部誤差が生じる可能性があるが、スパッタリング工程により形成される薄膜の組成は、スパッタリングターゲットとなるターゲット層100と同一の組成を有すると表現することができる。
【0069】
特に、スパッタリングにより製造される薄膜は、スパッタリングターゲットとして使用されるターゲット層100が非晶質相を含む場合、ターゲット層100の非晶質相まで同様に含むように備えられうるのであり、薄膜に含まれる非晶質相の割合と、ターゲット層100に含まれる非晶質相の割合との差は、0%であることが理想的であるが、5%以内、好ましくは0.1~5%で得られる。
【0070】
また、熱溶射方式で形成されたターゲット層100が有する粉末積層形態の構造は、スパッタリング工程時に、合金粉末間又は合金粉末内部での化学的反応や不純物形成を最小化できるため、希望する組成の合金をそのまま薄膜に適用できるという利点がある。
【実施例
【0071】
以下では、実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。
【0072】
(実施例)
スパッタリングターゲットの製造
Fe系非晶質合金粉末として、中型原子であるCr、Moと、小型原子であるB、Cなどとを含み、各成分の含有量がCr:15.8wt.%、Mo:27.0wt.%、B:1.2wt.%、C:3.7wt.%、残部のFeからなり、表1の平均粒度を有する鉄系非晶質合金粉末を用意した。その後、それぞれの合金粉末を、ステンレス鋼基板上に低温溶射(Cold spray)方式、超高速火炎溶射(HVOF)方式、及び大気プラズマ溶射(Atmospheric plasma spray,APS)方式を用いて、表1に記載の厚さを有するターゲット層を形成した。
【0073】
【表1】
【0074】
(実験例)
実験例1-鉄系非晶質粉末の組織分析
表1の鉄系非晶質合金粉末の断面微細組織を電子顕微鏡で観察し、鉄系非晶質合金粉末のX-Ray回折分析を行って、その結果を図2に示した。
【0075】
図2(a)は、粉末の断面微細構造を撮影した写真であって、粉末は全体的に球形と観察され、平均粒度は29.5μmであることを確認することができる。図2(b)の結果から、結晶質相のピーク(crystalline peak)は検出されておらず、広いハローピーク(broad halo peak)のみ検出され、粉末は、いずれも非晶質相を維持していると判断される。
【0076】
実験例2-ターゲット層の構造的特性分析
試験片1~6の合金コーティング層及び合金粉末について、ICP分析を通じて合金組成、及び不純物或いは異物の含有有無を確認し、X線回折(XRD:X-ray diffraction)分析を用いて結晶構造を分析し、電界放出型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope)と電界放出型電子探針微細分析器(Field Emission Electron Probe Micro Analyzer)を用いて、コーティング層の微細組織(気孔度及び元素分布)を確認した。
【0077】
図3は、母材上における横と縦の長さが各8cmの領域に、試験片1の鉄系非晶質粉末を用いて、スパッタリングターゲットを製造した後に撮影した写真である。
【0078】
図4及び図5は、それぞれ試験片1及び試験片2の粉末を使用し、低温溶射コーティング工程と超高速火炎溶射工程で製造された鉄系非晶質合金ターゲット層についての断面と微細組織を撮影した写真である。
【0079】
図4(a)において、ターゲット層の厚さは420μmと測定され、ターゲット層の内部及びターゲット層と母材との界面領域にて、如何なる欠陥や不純物も観察されなかった。
【0080】
図4(b)は、高倍率で観察したときのターゲット層の微細組織を撮影したものであり、(1)と表示した部分で粒界に酸化物が検出されなかったことからみて、初期粉末と同一のレベルの不純物がターゲット層に含まれていることが分かる。
【0081】
図5(a)においては、ターゲット層の内部及びターゲット層と母材との界面上に結合は観察されなかったものの、粒界に一部気孔が存在することが観察されるのであり、図5(b)においては、粒界の間が確実に観察されるのであって、(2)と表示した部分でFe-Cr系複合酸化物が存在していると分析されることから、図4に示した低温溶射工程のターゲット層と比べて不純物の含有量が高く、製造に使用された鉄系非晶質合金粉末に含まれた不純物含有量と比べてターゲット層に含まれた不純物の含有量が、より高いことと予想される。
【0082】
図6は、試験片1の低温溶射コーティング工程で製造されたターゲット層についてのXRD分析結果を示したものである。分析結果、試験片1の鉄系非晶質合金粉末を用いて低温溶射方式でターゲット層を形成する場合、図2(b)に示したように、使用された粉末と同様に結晶質相のピークは検出されておらず、広いハローピークのみ検出されることから、粉末と同様に非晶質相が維持されることが示された。
【0083】
図7は、試験片1のスパッタリングターゲットのターゲット層をEPMAで分析した結果を示したものであって、分析結果、合金に含まれるFe、Cr、Mo及びBが一様かつ微細に分布することが分かったのであり、相(phase)の析出による合金元素の偏析(segregation)は観察されなかった。
【0084】
実験例3-スパッタリングターゲットの物性分析
試験片1~7で使用された合金粉末及びスパッタリングターゲット層の非晶質の割合、気孔度及び硬度を測定し、ターゲット素材の表面研磨後の亀裂密度を確認した。ターゲット層の微細組織の分析結果に基づいて、非常に優秀、優秀、良好、悪い、の4段階で評価した。
【0085】
実験例1及び3の結果をまとめて下表2に示した。
【0086】
【表2】
【0087】
実験例4-スパッタリングを行った後でのスパッタリングターゲットの表面の評価
試験片1~7を用いてスパッタリングを行ったのであり、スパッタリングの後、使用されたターゲット素材の表面についての目視評価と、光学顕微鏡を用いた亀裂密度測定とを行い、結果に基づいて非常に優秀、優秀、良好、悪い、の4段階で評価して、下記表3に示した。
【0088】
【表3】
【0089】
前述した各実施形態で例示した特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によって、他の実施形態に対しても組み合わせて、又は変形して実施可能である。従って、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0090】
100 ターゲット層
200 基板
300 合金薄膜
400 加工物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】