(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】化学処理システム、器具、及びサンプルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
C12M 1/26 20060101AFI20231227BHJP
C12Q 1/6806 20180101ALI20231227BHJP
【FI】
C12M1/26
C12Q1/6806 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539182
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021065045
(87)【国際公開番号】W WO2022140652
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518034193
【氏名又は名称】インビボスクライブ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Invivoscribe, Inc.
【住所又は居所原語表記】10222 Barnes Canyon Road, Building 1, San Diego, California 92121, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エドワード・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・アンソニー・モットラム
(72)【発明者】
【氏名】バラージュ・キス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジェームズ・マロイ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・マルコム・クリスプ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・リー・クロスリー
(72)【発明者】
【氏名】ローレン・ヴィクトリア・エリザベス・レイン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ロバート・マクラクラン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA09
4B029AA27
4B029BB11
4B029BB20
4B029DC07
4B029DG01
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4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QS26
4B063QS40
4B063QX10
(57)【要約】
化学処理器具のためのサンプルカートリッジ。サンプルカートリッジは、処理のための流体サンプルを収容するように構成された一次反応容器であって、一次反応容器の開放上部を閉鎖するための蓋を受け入れるように構成された一次反応容器と、試薬容器の開放上部を介して1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成された試薬容器と、を備える。試薬容器は、一次試薬バルブが一次試薬チャンネル内に配設された状態で一次試薬チャンネルを介して一次反応容器に接続され、一次試薬チャンネルを通じた流体の流れを制御する。サンプルカートリッジは、一次反応容器と流体連通した一次空気圧ポートであって、蓋が閉鎖されたときに一次反応容器内の圧力を選択的に調整して、試薬容器内の流体内容物を一次反応容器内に引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された一次空気圧ポートを更に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学処理器具のためのサンプルカートリッジであって、
処理のための流体サンプルを収容するように構成された一次反応容器であって、前記一次反応容器の開放上部を閉じるための蓋を受け入れるように構成された、一次反応容器と、
試薬容器であって、前記試薬容器の開放上部を介して1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成されており、前記試薬容器は、一次試薬チャンネルを通る流体の流れを制御するように、前記一次試薬チャンネル内に配設された一次試薬バルブを備えた前記一次試薬チャンネルを介して前記一次反応容器に接続されている、試薬容器と、
前記一次反応容器と流体連通し、前記蓋が閉じられたときに、前記一次反応容器内の圧力を選択的に調整して、前記試薬容器の流体内容物を前記一次反応容器内に引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された一次空気圧ポートと、を備える、サンプルカートリッジ。
【請求項2】
前記一次空気圧ポートと前記一次反応容器との間に延設された一次空気圧チャンネルを更に備え、
前記一次反応容器内への前記一次空気圧チャンネルの開口部が、前記一次反応容器の側壁の中途まで位置する、請求項1に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項3】
前記一次反応容器内への前記一次空気圧ポートの前記開口部が、前記一次反応容器の底部よりも前記一次反応容器の上部に近接して位置する、請求項2に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項4】
前記一次反応容器内への前記一次試薬チャンネルの開口部が、前記一次反応容器の側壁の中途まで位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項5】
前記一次反応容器内への前記一次試薬チャンネルの前記開口部が、前記一次反応容器の前記底部よりも前記一次反応容器の前記上部に近接して位置する、請求項3に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項6】
前記一次反応容器から取り外し可能な出力容器に最終出力流体を運搬するように構成された最終出力チャンネルを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項7】
出力容器空気圧チャンネルを介して、出力容器と流体連通するように構成された出力容器空気圧ポートを更に備え、前記出力容器空気圧ポートは、前記出力容器内の前記圧力を選択的に調整して、前記一次反応容器から前記最終出力チャンネルを介して前記出力容器内に前記最終出力流体を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された、請求項6に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項8】
処理中に前記出力容器を閉じるように構成された一時的な蓋を更に備え、前記一時的な蓋は、前記最終出力チャンネル及び出力容器空気圧チャンネルを前記出力容器に流体接続するように構成された、請求項7に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項9】
品質管理分析のために前記出力流体の一定分量を受け入れるように構成された封止品質管理容器と、
前記品質管理容器と、前記最終出力チャンネルとの品質管理接合部との間に延設された品質管理チャンネルと、
前記品質管理容器と流体連通し、前記品質管理容器内の圧力を選択的に調整して、前記最終出力チャンネルから前記品質管理チャンネルを通じて前記品質管理容器内に、前記最終出力流体の一定分量を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された品質管理空気圧ポートと、を更に備える、請求項6~8のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項10】
前記品質管理容器には、品質管理分析のために、前記最終出力流体の一定分量と混合される染料が予め装填されている、請求項9に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項11】
緩衝液容器であって、品質管理分析のために前記最終出力流体と混合するために、前記緩衝液容器の開放上部を通じて、緩衝液を受け入れるように構成された、緩衝液容器と、
緩衝液チャンネルと、前記品質管理接合部と前記一次反応容器との間にある前記最終出力チャンネルとの緩衝剤接合部との間に延設された緩衝剤チャンネルと、
前記緩衝剤チャンネルを通じた前記緩衝液の流れを制御するために、前記緩衝剤チャンネル内に配設された緩衝剤チャンネルバルブと、を更に備える、請求項9又は10に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項12】
前記品質管理接合部と前記出力容器との間の前記最終出力チャンネルからの中間出口と、
前記中間出口が開口する封止チャンバと、
前記出口を覆う空気透過性液体バリア膜と、
前記封止チャンバと流体連通し、前記封止チャンバ内の圧力を選択的に調整して、前記最終出力チャンネルから前記空気透過性膜を通じて空気を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された中間出口空気圧ポートと、を更に備える、請求項9~11のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項13】
前記一次反応容器から廃棄物チャンネルを介して、廃液を受け入れるように構成された封止廃棄物容器と、
前記廃棄物容器と流体連通し、前記廃棄物容器内の圧力を選択的に調整して、前記一次反応容器から前記廃棄物チャンネルを通じて前記廃棄物容器内に流体を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された廃棄物空気圧ポートと、を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項14】
二次反応容器であって、前記一次反応容器から前記一次反応容器を前記二次反応容器に流体接続する一次出力チャンネルを介して、一次出力流体を受け入れるように構成され、前記試薬容器から前記試薬容器を前記二次反応容器に流体接続する二次試薬チャンネルを介して、1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成された、二次反応容器と、
一次出口チャンネルを通じた流れを制御するために、前記一次出口チャンネル内に配設された一次出口バルブと、
前記二次試薬チャンネルを通じた流れを制御するために、前記二次試薬チャンネル内に配設された二次試薬バルブと、を更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項15】
前記二次反応容器が封止され、
前記サンプルカートリッジが、前記二次反応容器と流体連通し、前記二次反応容器内の圧力を選択的に調整して、前記一次出口チャンネル又は二次試薬チャンネルから前記二次反応容器内に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された二次空気圧ポートを更に備える、請求項14に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項16】
前記二次空気圧ポートと前記二次反応容器との間に延設された二次空気圧チャンネルを更に備え、
前記二次反応容器への前記二次空気圧チャンネルの開口部は、前記二次反応容器の底部よりも前記二次反応容器の上部に近接し、前記二次反応容器の側壁の中途まで位置する、請求項15に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項17】
前記一次出力チャンネル及び二次試薬チャンネルの1つ以上の入口が、前記二次反応容器の底部よりも前記二次反応容器の上部に近接し、前記二次反応容器の側壁の中途まで、前記二次反応容器内に開口した、請求項14~16のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項18】
前記品質管理接合部において、前記品質管理チャンネルは、前記品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された前記最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する、請求項11若しくは12、又は請求項11若しくは12に直接的又は間接的に従属する場合の請求項13~17のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項19】
前記緩衝剤接合部において、前記緩衝剤チャンネルは、前記品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された前記最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する、請求項11若しくは12、又は請求項11若しくは12に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項13~18のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項20】
前記緩衝剤接合部において、前記最終出力チャンネルの緩衝剤前接合部は、前記品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された前記最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成し、
前記品質管理接合部において、前記最終出力チャンネルのQC後接合部は、前記品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された前記最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する、請求項11若しくは12、又は請求項11若しくは12に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項13~19のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項21】
流体分析器具とともに使用するためのサンプルカートリッジであって、
分析のための流体サンプルを収容するように構成されたサンプル容器と、
緩衝液を収容するように構成された緩衝液容器と、
分析のための前記緩衝液の少なくとも一部と混合された前記流体サンプルの一定分量を含む混合流体を収容するように構成された分析容器と、
前記サンプル容器と第1の接合部との間に延設されたサンプルチャンネルと、
前記サンプルチャンネルを通る前記サンプルの流れを制御するために、前記サンプルチャンネル内に配設されたサンプルチャンネルバルブと、
前記緩衝液容器と前記第1の接合部との間に延設された緩衝剤チャンネルと、
前記緩衝剤チャンネルを通る前記緩衝液の流れを制御するために、前記緩衝剤チャンネル内に配設された緩衝剤チャンネルバルブと、
前記緩衝剤チャンネル及びサンプルチャンネルと流体連通する計量チャンネルであって、前記計量チャンネルは、前記第1の接合部と第2の接合部との間に延設された、計量チャンネルと、
前記計量チャンネルと流体連通し、前記第2の接合部と前記分析容器との間に延設された分析容器チャンネルと、
前記分析容器と連通し、前記分析容器内の圧力を選択的に調整して、前記分析容器チャンネルを介して前記分析容器内に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された分析容器空気圧ポートと、を備える、サンプルカートリッジ。
【請求項22】
前記第1の接合部において、前記サンプルチャンネルが、前記計量チャンネルと鈍角を形成する、請求項21に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項23】
前記第1の接合部において、前記緩衝剤チャンネルが、前記計量チャンネルと鈍角を形成する、請求項21又は22に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項24】
前記第2の接合部において、前記分析容器チャンネルが、前記計量チャンネルと鈍角を形成する、請求項21~23のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項25】
前記サンプルチャンネルバルブ及び前記緩衝剤チャンネルバルブのうちの少なくとも一方が、選択的に開閉されて、前記流体サンプルの一定分量を前記計量チャンネルに引き込まれることを可能にし、次いで、緩衝液を、分析のための前記流体サンプルの一定分量とともに、前記緩衝剤チャンネルを通じて、並びに前記計量チャンネル及び分析容器チャンネルを通じて、前記分析容器に引き込まれることを可能にするアクティブバルブを含む、請求項21~24のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項26】
前記分析容器には、分析を容易にするために、前記緩衝液及び流体サンプルと混合するように構成された染料が予め装填されている、請求項21~25のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項27】
前記第2の接合部を介して前記計量チャンネルと流体連通する中間出口と、
前記中間出口が開口する出口チャンバと、
前記出口を覆う空気透過性液体バリア膜と、
前記出口チャンバと流体連通し、前記出口チャンバ内の圧力を選択的に調整して、前記計量チャンネルから前記空気透過性膜を通じて空気を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された中間出口空気圧ポートと、を更に備え、
前記中間出口は、前記サンプルチャンネル又は緩衝剤チャンネルから前記計量チャンネルに引き込まれた液体で前記計量チャンネルを充填することを可能にするが、前記液体が前記分析容器チャンネル内に進むことを可能にしないように配置されている、請求項21~26のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項28】
前記中間出口が、前記第2の接合部に位置する、請求項27に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項29】
出口チャンネルを更に備え、前記出口チャンネルは、前記サンプルチャンネル又は緩衝剤チャンネルから前記計量チャンネルに引き込まれた液体で前記計量チャンネルを充填し、前記液体が前記出口チャンネル内に進むことは可能にするが、前記分析容器チャンネル内に進むことを可能にしないように、前記第2の接合部と前記出口との間に延設されている、請求項27に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項30】
前記第2の接合部において、前記出口チャンネルが、前記計量チャンネルと鈍角を形成する、請求項29に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項31】
前記第2の接合部を介して、及び前記出力チャンネルを介して、前記計量チャンネルと流体連通する出力容器と、
前記出力容器と連通し、前記出力容器内の圧力を選択的に調整して、前記計量チャンネルから前記第2の接合部及び前記出力チャンネルを介して前記出力容器に流体を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された出力容器空気圧ポートと、を更に備える、請求項21~30のいずれか一項に記載のサンプルチャンネル。
【請求項32】
前記出力チャンネルが、前記第2の接合部から前記出力容器まで延設された、請求項31に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項33】
前記出力チャンネルが、前記中間出口と前記出力容器との間に延設された、請求項27~30のいずれか一項に従属する場合の請求項31に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項34】
前記緩衝剤チャンネルバルブが、空気圧モジュールに接続されて、前記緩衝剤チャンネルバルブを選択的に開閉するように構成された緩衝剤チャンネルバルブ空気圧ポートを含む圧力作動バルブを備える、請求項21~33のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ。
【請求項35】
請求項21~34のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジを受け入れるように構成された流体分析器具であって、
前記分析容器空気圧ポートに接続し、前記分析容器内の圧力を選択的に調整して、前記分析容器チャンネルを介して前記分析容器内に流体を引き込むように構成された空気圧モジュールと、
前記分析容器内の流体の特性を測定するように構成された分析モジュールと、を備える、流体分析器具。
【請求項36】
請求項21~34のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジを備える流体分析器具であって、
前記分析容器空気圧ポートに接続され、前記分析容器内の圧力を選択的に調整して、前記分析容器チャンネルを介して前記分析容器内に流体を引き込むように構成された空気圧モジュールと、
前記分析容器内の流体の特性を測定するように構成された分析モジュールと、を備える、流体分析器具。
【請求項37】
前記分析モジュールが、前記分析容器内の前記流体を照明するように構成された光源と、前記分析容器内の前記流体から送られた光を検出又は測定するように構成された光学検出器と、を備える、請求項35又は36に記載の器具。
【請求項38】
前記空気圧モジュールが、前記中間出口空気圧ポートに更に接続されるか、又は前記中間出口空気圧ポートに接続するように構成され、前記出口チャンバ内の圧力を選択的に調整して、前記計量チャンネルから前記空気透過性膜を通じて空気を引き込むように構成された、請求項27直接的又は間接的に従属する場合の請求項35~37のいずれか一項に記載の器具。
【請求項39】
前記空気圧モジュールが、前記出力容器空気圧ポートに更に接続されるか、又は前記出力容器空気圧ポートに接続するように構成され、前記出力容器内の圧力を選択的に調整して、前記第2の接合部及び前記出力チャンネルを介して前記計量チャンネルから前記出力容器内に流体を引き込むように構成された、請求項31に直接的又は間接的に従属する場合の請求項35~38のいずれか一項に記載の器具。
【請求項40】
前記空気圧モジュールが、前記緩衝剤チャンネルバルブ空気圧ポートに更に接続されるか、又は前記緩衝剤チャンネルバルブ空気圧ポートに接続して、前記緩衝剤バルブを選択的に開閉するように構成された、請求項65に直接的又は間接的に従属する場合の請求項35~39のいずれか一項に記載の器具。
【請求項41】
前記器具は、流体サンプルを含む、請求項56~65のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジのうちの複数のサンプルカートリッジを受け入れるように構成された、請求項35、又は請求項35に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項37~40のいずれか一項に記載の器具。
【請求項42】
各サンプルカートリッジの前記分析容器内の流体の分析のために、前記サンプルカートリッジのうちの1つずつに対応した種々の位置に前記分析モジュールを移動させるように構成された機構及びアクチュエータを更に備える、請求項41に記載の器具。
【請求項43】
流体分析システムであって、
請求項35、又は請求項35に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項37~42のいずれか一項に記載の器具と、
請求項21~34に記載のサンプルカートリッジのうちの1つ以上と、を備える、流体分析システム。
【請求項44】
前記サンプル容器に流体サンプルを含む、請求項36、又は請求項36に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項37~42のいずれか一項に記載の流体分析器具の操作方法であって、
記空気圧モジュールを操作し、サンプル流体が前記分析容器チャンネルに進むことなく、前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記計量チャンネル内に前記第2の接合部まで前記サンプル流体を引き込むことと、
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から、前記緩衝剤チャンネル、前記計量チャンネル、及び前記分析チャンネルを通じて、前記分析容器内に流体を引き込むことと、を含む、方法。
【請求項45】
前記空気圧モジュールを操作し、所定の期間中、前記分析容器内の圧力を低減して、前記サンプル流体が前記分析容器チャンネルに進むことなく、前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記前記計量チャンネル内に第2の接合部まで、前記サンプル流体を引き込むことと、
前記空気圧モジュールを操作して、前記所定の期間後の前記分析容器内の圧力を低減し、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、前記計量チャンネル、及び前記分析チャンネルを通じて、前記分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記中間出口内の圧力を低減して、サンプル流体が前記空気透過性バリアを満たすまで、前記サンプル流体を前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記計量チャンネル内に引き込むように前記空気圧モジュールを操作することと、
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記分析容器ないの圧力を低減し、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、前記計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて前記分析容器内に流体を引き込むことと、を更に備える、請求項27に直接的又は間接的に従属する場合の請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記空気圧モジュールを操作し、所定の期間中、前記出力容器内の圧力を低減して、前記サンプル流体が前記分析容器チャンネルに進むことなく、前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記計量チャンネル内に前記第2の接合部まで、前記サンプル流体を引き込むことと、
前記空気圧モジュールを操作して、前記所定の期間後の前記分析容器内の圧力を低減し、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、前記計量チャンネル、及び前記分析チャンネルを通じて、前記分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含む、請求項31に直接的又は間接的に従属する場合の請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネルを通じて流体を引き込むための前記空気圧モジュールの前記操作は、前記計量チャンネルに空気が充填されるまで継続される、請求項44~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記出力容器内の圧力を低減し、前記サンプル容器から前記出力容器にサンプル流体を引き込むことを更に含む、請求項31に直接的又は間接的に従属する場合の請求項44~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記空気圧モジュールを操作して、前記サンプル容器から流体が引き込まれる期間中、前記緩衝剤バルブを閉鎖状態に維持することと、
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記緩衝剤バルブを開放状態に維持し、流体が前記緩衝液容器から引き込まれることを可能にすることと、を更に含む、請求項34に直接的又は間接的に従属する場合の請求項44~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記又は各サンプルカートリッジの前記サンプル容器に流体サンプルを含む請求項21~34のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジのうちの1つ以上を収容する、請求項35、又は請求項35に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項37~42のいずれか一項に記載の流体分析器具の操作方法であって、
前記空気圧モジュールを操作し、前記サンプル流体が前記分析容器チャンネルに進むことなく、前記又は各サンプルカートリッジの前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記計量チャンネル内を前記第2の接合部まで引き込むことと、
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記又は各サンプルカートリッジの前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて前記分析容器まで引き込むことと、を含む、方法。
【請求項52】
前記空気圧モジュールを前記又は各サンプルカートリッジの前記分析容器空気圧ポートに接続することと、
前記空気圧モジュールを操作し、所定の期間中、前記又は各サンプルカートリッジの前記分析容器内の圧力を低減して、前記サンプル流体が前記分析容器チャンネルに進むことなく、前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記前記計量チャンネル内に前記第2の接合部まで、前記サンプル流体を引き込むことと、
前記空気圧モジュールを操作して、前記所定の期間後の前記又は各サンプルカートリッジの前記分析容器内の圧力を低減し、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて前記分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記空気圧モジュールを前記分析容器空気圧ポート及び前記又は各サンプルカートリッジの中間出口空気圧ポートに接続することと、
前記空気圧モジュールを操作して、前記又は各サンプルカートリッジの前記中間出口内の圧力を低減し、前記サンプル流体が前記空気透過性バリアを満たすまで、前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記計量チャンネル内にサンプル流体を引き込むことと、
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記又は各サンプルカートリッジの前記分析容器内の圧力を低減し、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて前記分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含む、請求項59に直接的又は間接的に従属する場合の請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記空気圧モジュールを前記分析容器空気圧ポート及び前記又は各サンプルカートリッジの出力容器空気圧ポートに接続することと、
前記空気圧モジュールを操作して、所定の期間中、前記又は各サンプルカートリッジの前記出力容器内の圧力を低減し、前記サンプル流体が前記分析容器チャンネル内に進むことなく、前記サンプル容器から前記サンプルチャンネルを通じて前記計量チャンネル内に前記第2の接合部までサンプル流体を引き込むことと、
前記空気圧モジュールを操作して、前記所定の期間後の前記又は各サンプルカートリッジの前記分析容器内の圧力を低減し、前記計量チャンネルからの前記サンプル流体の一定分量とともに、前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて前記分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含む、請求項31に直接的又は間接的に従属する場合の請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記緩衝液容器から前記緩衝剤チャンネルを通じて流体を引き込む前記空気圧モジュールの前記操作は、前記又は各サンプルカートリッジの前記計量チャンネルに空気が充填されるまで継続される、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記空気圧モジュールを前記又は各サンプルカートリッジの前記出力容器空気圧ポートに接続することと、
続いて、前記緩衝液を前記分析容器内に引き込み、前記空気圧モジュールを操作して、前記又は各サンプルカートリッジの前記出力容器内の圧力を低減し、前記サンプル容器から前記出力容器にサンプル流体を引き込むことと、を更に含む、請求項31に直接的又は間接的に従属する場合の請求項51~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記空気圧モジュールを前記又は各サンプルカートリッジの前記緩衝剤バルブ空気圧ポートに接続することと、
前記空気圧モジュールを操作して、前記サンプル容器から流体が引き込まれる期間中、前記又は各サンプルカートリッジの前記緩衝バルブを閉鎖状態に維持することと、
続いて、前記空気圧モジュールを操作して、前記又は各サンプルカートリッジの前記緩衝剤バルブを開放状態に維持し、前記緩衝液容器から流体が引き込まれるのを可能にすることと、を更に含む、請求項34に直接的又は間接的に従属する場合の請求項51~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
続いて、前記分析モジュールを操作して、前記分析容器内の前記流体の特性を測定することを更に含む、請求項44~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記測定された特性に関連のデータを外部演算デバイスに送信することを更に含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
コンピュータによる実行時、前記コンピュータに請求項44~59のいずれか一項に記載の方法を実行させる指示を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項61】
請求項43に記載のシステムの使用方法であって、
前記又は各サンプルカートリッジの前記サンプル容器に流体サンプルを堆積させることと、
前記器具内の対応するカートリッジスロットに前記又は各サンプルカートリッジを挿入することと、
前記流体サンプルを分析するために前記器具を操作することと、を含む、方法。
【請求項62】
前記流体サンプルが処理されると、前記器具から前記又は各サンプルカートリッジを取り外すことを更に含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
キットであって、
請求項6、又は請求項6に直接的若しくは間接的に従属する場合の請求項7~20のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジと、
処理中、前記出力容器を閉鎖するように構成された一時的な蓋と、を備え、前記一時的な蓋は、前記最終出力チャンネル及び出力容器空気圧チャンネルを前記出力容器に流体接続するように構成された、キット。
【請求項64】
前記一時的な蓋が、弾性的に可撓性の本体によって前記カートリッジに機械的に結合されるように構成された、請求項63に記載のキット。
【請求項65】
前記本体が、前記一時的な蓋と一体的に形成された、請求項64に記載のキット。
【請求項66】
前記本体が、接続時、前記出力容器を前記カートリッジに対して押し付けるように構成された、請求項64又は65に記載のキット。
【請求項67】
前記本体は、前記最終出力チャンネル及び出力容器空気圧チャンネルを前記出力容器に流体接続するチャンネルを画定する、請求項64~66のいずれか一項に記載のキット。
【請求項68】
前記出力容器を更に備える、請求項64~67のいずれか一項に記載のキット。
【請求項69】
器具を操作して、前記サンプルカートリッジ内のサンプルからの核酸の抽出、単離、富化、濃縮、若しくは定量、又は操作、分析、増幅、配列決定、PCRライブラリ調製、若しくはベクターへの挿入のための核酸の調製を達成することを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載のサンプルカートリッジ又は請求項63~68のいずれか一項に記載のキットの使用方法。
【請求項70】
前記核酸は、天然発生、非天然発生、DNA、ゲノムDNA、TCR DNA、cDNA、cfDNA、再構成された免疫グロブリン、RNA、mRNA、一次RNA転写産物、転写RNA、microRNA、グリコール核酸、スレオース核酸、ロック核酸、及びペプチド核酸等のクラスの核酸のうちの1つ以上を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記サンプルに対して、以下の処理ステップ:
前記器具の汚染又は他のサンプルとの交差汚染を回避するために、前記サンプルを分離して維持しつつ、前記サンプルを処理するステップと、
特定の化学、インキュベーション条件、ビーズ選択、及び溶出パラメータを使用して、核酸を選択するステップと、
処理済みの流体生成物の核酸サイズの所望の範囲を選択し、前記所望の範囲外にある望ましくない材料を廃棄するステップと、
選択された核酸生成物の濃度を増加させるステップと、
前記処理済みの流体生成物の一定分量を定量化し、前記選択された核酸に対する特定のフルオロクロームと混合し、標準基準曲線に対する等、前記生成物の特性を定量化するステップと、のうちの任意の2つ以上を実施することを更に含む、請求項69又は70に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、以下の優先出願、すなわち、2020年12月24日に出願された米国仮特許出願第63/130,450号、2021年9月7日に出願された米国仮特許出願第63/241,167号、2021年12月21日に出願された米国仮特許出願第63/292,314号、及び2021年12月21日に出願された米国意匠特許出願第29/820,394号の優先権を主張するものであり、これらの仮特許出願の内容全体を参照により、本明細書中に援用する。
【0002】
実施形態は、核酸抽出操作等、サンプルに対する操作を実行するためのシステム、器具、方法、及びコンピュータ可読媒体、並びに化学処理機器で使用するためのサンプルカートリッジ全般に関する。
【背景技術】
【0003】
核酸抽出操作等を実行するための最先端の自動化機械及び器具は、通常1ml未満、典型的には200ul前後の少量のサンプル入力を受取及び処理することができる傾向にある。しかしながら、下流処理を行うのに十分な遺伝物質を出力するためには、はるかに大きな入力サンプルから核酸を抽出することが望ましい場合がある。
【0004】
更に、ウェルプレート及び大型自動化液体取扱ロボットを使用する標準的な高スループットラボにおいて、大容量のサンプルは、典型的には、自動化処理のために小容量に等分される必要があり、これは機械の使用には非効率的である。典型的な機械は、それぞれが小さなサンプルを採取することができる多数のチャンネルを有することができるが、等分することは、機械の稼働時間を占める患者の数を減らすことに繋がる。
【0005】
既知の自動化機械の更なる一般的な問題は、汚染である。このリスクは、患者由来材料を含む容器が機械内で開放する場合、移動ピペッタが使用される場合、及び/又は、患者由来材料に接触した材料が器具内に保管される場合(ピペットチップなど)にはいつでも増加する。
【0006】
既知の自動化機械の更なる問題は、最高品質を確保するためのエンドツーエンドプロセスの十分な制御を達成することの難しさである。
【0007】
更なる問題は、ダウンストリームアッセイに直接入力される抽出ワークフローからの適切に濃縮された及び/又は定量化された核酸を達成することである。MRDなどの用途は、典型的には、高濃縮DNA(~約500ng/μL)を必要とし、これは、核酸抽出のために利用可能な計器類を使用してもほぼ達成されることはない。加えて、無細胞DNA(cfDNA)抽出の自動化を目的としたほとんどの既存のシステムは、特定サイズの核酸を選択しない。cfDNAは、典型的には、約150bpであり、下流アッセイは、cfDNAサンプル中のゲノムDNA(gDNA)汚染の存在によって悪影響を受ける。
【0008】
サンプルに対する操作を実行するためのシステム、器具、方法、及びコンピュータ可読媒体に対する、先行技術に関連の1つ以上の欠点又は不都合に対処又は改善すること、又は少なくともそれに対する有用な代替手段を提供することが望まれる。
【0009】
本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品などの検討は、これらの事項のいずれか又は全てが、先行技術の基礎の一部を形成した、又は添付の特許請求の範囲の各々の優先日の前に存在したものであるかのように、本開示に関連する分野における一般的な一般的知識であったと認めるものであるとはみなされてはならない。
【発明の概要】
【0010】
いくつかの実施形態は、化学処理器具のためのサンプルカートリッジに関し、サンプルカートリッジは、処理のための流体サンプルを収容するように構成された一次反応容器であって、一次反応容器の開放上部を閉じるための蓋を受け入れるように構成された、一次反応容器と、試薬容器であって、試薬容器の開放上部を介して1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成されており、試薬容器は、一次試薬チャンネルを通る流体の流れを制御するように、一次試薬チャンネル内に配設された一次試薬バルブを備えた一次試薬チャンネルを介して一次反応容器に接続されている、試薬容器と、一次反応容器と流体連通する空気圧ポートであって、試薬容器の流体内容物を一次反応容器内に引き込むように、蓋が閉鎖されたときに、一次反応容器内の圧力を選択的に調整するように空気圧モジュールに接続するように構成された、空気圧ポートと、を備える。
【0011】
サンプルカートリッジは、一次空気圧ポートと一次反応容器との間に延設された一次空気圧チャンネルを更に備えてもよく、一次反応容器内への一次空気圧チャンネルの開口部が、一次反応容器の側壁の中途まで位置する。一次反応容器内への一次空気圧ポートの開口部は、一次反応容器の底部よりも一次反応容器の上部に近接して位置する。いくつかの実施形態において、一次反応容器内への一次試薬チャンネルの開口部は、一次反応容器の側壁の中途まで位置する。いくつかの実施形態において、一次反応容器内への一次試薬チャンネルの開口部は、一次反応容器の底部よりも一次反応容器の上部に近接して位置する。
【0012】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、サンプルカートリッジから出る液体の通路を制限するように構成された液体トラップを更に備え得る。液体トラップは、例えば、一次空気圧チャンネルの一端内に、又は一次空気圧チャンネルの一端に配設され得る。液体トラップは、サンプルカートリッジの基部に、又はサンプルカートリッジの基部内に配設され得る。液体トラップは、ガス透過性膜を備え得る。液体トラップは、ガス透過性又は半透過性膜として作用することができる疎水性ポリマー材料を含み得る。液体トラップは、ブロックされるか、又はオーバーフローになる前に、最小量の液体を収容するように構成され得る。液体トラップの最小液体容量は、例えば、1μL~1000μL、10μL~100μL、40μL~80μL、又は50μL~60μLの範囲であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、一次反応容器から最終出力チャンネルを介して最終出力流体を受け入れるように構成された出力容器を更に備える。サンプルカートリッジは、出力容器空気圧チャンネルを介して、出力容器と連通する出力容器空気圧ポートを更に備えてもよく、出力容器空気圧ポートは、出力容器内の圧力を選択的に調整して、一次反応容器から最終出力チャンネルを介して出力容器内に最終出力流体を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成され得る。サンプルカートリッジは、処理中に出力容器を閉じるように構成された一時的な蓋を更に備えてもよく、一時的な蓋は、最終出力チャンネル及び出力容器への出力容器空気圧チャンネルのための開口部に接続され、当該開口部を画定し得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、出力容器なしで提供されてもよく、一次反応容器から取り外し可能な出力容器に最終出力流体を運搬するように構成された最終出力チャンネルを更に備えてもよい。カートリッジは、出力容器空気圧チャンネルを介して、出力容器と流体連通するように構成された出力容器空気圧ポートを更に備えてもよく、出力容器空気圧ポートは、出力容器内の圧力を選択的に調整して、一次反応容器から最終出力チャンネルを介して出力容器内に最終出力流体を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成され得る。サンプルカートリッジは、処理中に出力容器を閉じるように構成された一時的な蓋を更に備えてもよく、一時的な蓋は、最終出力チャンネル及び出力容器空気圧チャンネルを出力容器に流体接続するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、品質管理分析のために出力流体の一定分量を受け入れるように構成された品質管理容器と、品質管理容器と、最終出力チャンネルとの品質管理接合部との間に延設された品質管理チャンネルと、品質管理容器と流体連通し、品質管理容器内の圧力を選択的に調整して、最終出力チャンネルから品質管理チャンネルを通じて品質管理容器内に、最終出力流体の一定分量を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された品質管理空気圧ポートと、を更に備える。品質管理容器は、品質管理分析のために、最終出力流体の一定分量と混合される染料が予め装填され得る。
【0016】
サンプルカートリッジは、品質管理分析のために最終出力流体と混合するために、緩衝液容器の開放上部を通じて、緩衝液を受け入れるように構成された緩衝液容器と、緩衝液チャンネルと、品質管理接合部及び一次反応容器の間にある最終出力チャンネルとの緩衝剤接合部との間に延設された緩衝剤チャンネルと、緩衝剤チャンネルを通じて、緩衝液の流れを制御するために、緩衝剤チャンネル内に配設された緩衝剤チャンネルバルブと、を更に備え得る。
【0017】
サンプルカートリッジは、品質管理接合部と出力容器との間の最終出力チャンネルからの中間出口と、中間出口が開口する封止チャンバと、出口を覆う空気透過性液体バリア膜と、封止チャンバと流体連通し、封止チャンバ内の圧力を選択的に調整して、最終出力チャンネルから空気透過性膜を通じて空気を引き込むように、空気モジュールに接続されるように構成された中間出口空気圧ポートと、を更に備え得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、一次反応容器から廃棄物チャンネルを介して、廃液を受け入れるように構成された封止廃棄物容器と、廃棄物容器と流体連通し、廃棄物容器内の圧力を選択的に調整して、一次反応容器から廃棄物チャンネルを通じて廃棄物容器内に流体を引き込むように、空気圧モジュールに接続されるように構成された廃棄物空気圧ポートと、を更に備える。
【0019】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、一次反応容器から一次反応容器を二次反応容器に流体接続する一次出力チャンネルを介して、一次出力流体を受け入れるように構成され、試薬容器から試薬容器を前記二次反応容器に流体接続する二次試薬チャンネルを介して、1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成された、二次反応容器と、一次出口チャンネルを通じた流れを制御するために、一次出口チャンネル内に配設された一次出口バルブと、二次試薬チャンネルを通じた流れを制御するために、二次試薬チャンネル内に配設された二次試薬バルブと、を更に備える。二次反応容器は、封止されていてもよく、いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、二次反応容器と流体連通し、二次反応容器内の圧力を選択的に調整して、一次出口チャンネル又は二次試薬チャンネルから二次反応容器内に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された二次空気圧ポートを更に備える。サンプルカートリッジは、二次空気圧ポートと二次反応容器との間に延設された二次空気圧チャンネルを更に備えてもよく、二次反応容器への二次空気圧チャンネルの開口部は、二次反応容器の底部よりも二次反応容器の上部に近接して、二次反応容器の側壁の中途まで位置する。一次出力チャンネル及び二次試薬チャンネルの1つ以上の入口が、二次反応容器の底部よりも二次反応容器の上部に近接して、二次反応容器の側壁の中途まで、二次反応容器内に開口し得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、品質管理接合部において、品質管理チャンネルは、品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する。
【0021】
いくつかの実施形態において、緩衝剤接合部において、緩衝剤チャンネルは、品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する。
【0022】
いくつかの実施形態において、緩衝剤接合部において、最終出力チャンネルの緩衝剤前接合部は、品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する。
【0023】
いくつかの実施形態において、品質管理接合部において、最終出力チャンネルのQC後接合部は、品質管理接合部と緩衝剤接合部との間に延設された最終出力チャンネルの一部と鈍角を形成する。
【0024】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれかに係るサンプルカートリッジを受け入れるように構成された化学処理器具であって、試薬容器の開放上部を介して1つ以上の流体試薬を試薬容器に分注するように構成された試薬ディスペンサと、一次反応容器の一次空気圧ポートに接続し、蓋が閉じられているときに、一次反応容器内の圧力を選択的に調整して、試薬容器から一次試薬チャンネルを介して一次反応容器内に流体を引き込むように構成された空気圧モジュールと、を備える、器具に関する。
【0025】
空気圧モジュールは、出力容器空気圧ポートに接続し、出力容器内の圧力を選択的に調整して、最終出力流体を最終出力チャンネルを介して一次反応容器から出力容器に引き込むように、更に構成され得る。空気圧モジュールは、品質管理空気圧ポートに接続し、品質管理容器内の圧力を選択的に調整して、最終出力チャンネルから品質管理チャンネルを通じて品質管理容器内に、最終出力流体の一定分量を引き込むように更に構成され得る。試薬モジュールは、緩衝液容器に緩衝液を分注するように構成され得る。空気圧モジュールは、中間出口空気圧ポートに接続し、封止チャンバ内の圧力を選択的に調整して、最終出力チャンネルから空気透過性膜を通じて空気を引き込むように更に構成され得る。空気圧モジュールは、廃棄物空気圧ポートに接続し、廃棄物容器内の圧力を選択的に調整して、一次反応容器から廃棄物チャンネルを通じて廃棄物容器内に流体を引き込むように更に構成され得る。空気圧モジュールは、二次空気圧ポートに接続し、二次反応容器内の圧力を選択的に調整して、一次出口チャンネル又は二次試薬チャンネルから二次反応容器内に流体を引き込むように更に構成され得る。
【0026】
空気圧モジュールは、液体移送操作が完了したときを判定するために、圧力及び/又は流量の変化を検出するように構成され得る。例えば、あるチャンバから別のチャンバに液体を引き込むように圧力が調整されるとき、全ての液体が移送チャンネルを通って引き込まれると、空気は液体に続いて引き込まれ、これはより少ない圧力差を必要とし、ひいてはより高い流量を有する。この圧力及び/又は流量の変化は、空気圧モジュールによって検出されてもよく、移送プロセスが完了したときに圧力作動を停止するための信号として使用され得る。
【0027】
空気圧モジュールは、正圧又は負圧を使用してカートリッジの種々の容器間で液体を移動するように構成され得る。すなわち、ある容器に正圧(大気圧超)を付与して液体を移送チャンネルを通じて別の容器に押し込むか、又はある容器に負圧(大気圧未満)を付与して移送チャンネルを通じて液体を別の容器に引き込む。
【0028】
いくつかの実施形態において、空気圧モジュールは、異なる操作に影響を与えるように、異なる時点で種々の空気圧ポートに選択的に付与される単一の圧力レベルを使用して動作するように構成され得る。いくつかの実施形態において、空気圧モジュールは、異なる動作に影響を与えるように、異なる時点で種々の空気圧ポートに選択的に付与される2つの圧力レベルのみを使用して動作するように構成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、器具は、品質管理容器に収容された出力流体の一定分量の特性を測定するように構成された光学モジュールを更に備え得る。
【0030】
器具は、サンプルカートリッジのうちの複数のサンプルカートリッジを受け入れるように構成され得る。空気圧モジュールは、複数のサンプルカートリッジの空気圧ポートの全てに接続するように構成されてもよく、選択された時点で空気圧ポートのうちの選択されたものに選択的に圧力を加える。試薬モジュールは、選択された時点で複数のサンプルカートリッジの各々に試薬を分注するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、器具は、試薬モジュールを器具内の種々の位置に移動させるように構成された機構及びアクチュエータを更に備え、各位置は、複数のサンプルカートリッジのそれぞれ1つに対応し、試薬モジュールが1つ以上の試薬をそれぞれのサンプルカートリッジに分注することを可能にする。
【0032】
いくつかの実施形態は、各々処理のための流体サンプルを含む1つ以上のサンプルカートリッジを受け入れるように構成された化学処理器具であって、各サンプルカートリッジは、処理のための流体サンプルを収容するように構成された一次反応容器であって、一次反応容器の開放上部を閉じるための蓋を受け入れるように構成された、一次反応容器と、試薬容器であって、試薬容器の開放上部を介して1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成されており、試薬容器は、一次試薬チャンネルを通る流体の流れを制御するように、試薬チャンネル内に配設された試薬バルブを備えた一次試薬チャンネルを介して一次反応容器に接続されている、試薬容器と、一次反応容器と流体連通する空気圧ポートと、を画定し、化学処理器具は、試薬容器の開放上部を介して試薬容器内に1つ以上の流体試薬を分注するように構成された試薬ディスペンサと、
一次反応容器の一次空気圧ポートに接続し、蓋が閉じられているときに、一次反応容器内の圧力を選択的に調整して一次反応容器内に流体内容物を引き込むように構成された空気圧モジュールと、を備える、化学処理器具に関する。
【0033】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれか1つに係る器具と、記載の実施形態のいずれか1つに係るサンプルカートリッジのうちの1つ以上と、を備える化学処理システムに関する。
【0034】
いくつかの実施形態は、化学処理システムであって、1つ以上のサンプルカートリッジであって、各サンプルカートリッジは、処理のための流体サンプルを収容するように構成された一次反応容器であって、一次反応容器の開放上部を閉じるための蓋を受け入れるように構成された、一次反応容器、試薬容器であって、試薬容器の開放上部を介して1つ以上の流体試薬を受け入れるように構成され、試薬容器は、一次試薬チャンネルを通る流体の流れを制御するように、試薬チャンネル内に配設された試薬バルブを備えた一次試薬チャンネルを介して一次反応容器に接続されている、試薬容器、及び、一次反応容器と流体連通する空気圧ポート、を画定する1つ以上のサンプルカートリッジを備え、化学処理器具は、試薬容器の開放上部を介して試薬容器内に1つ以上の流体試薬を分注するように構成された試薬ディスペンサと、一次反応容器の空気圧ポートに接続し、蓋が閉じられているときに、一次反応容器内の圧力を選択的に調整して、一次反応容器内に試薬容器の流体内容物を引き込むように構成された空気圧モジュールと、を備える、化学処理システムに関する。
【0035】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれか1つに係る化学処理器具システムの動作方法であって、各々、一次反応容器内の流体サンプルを含む、記載の実施形態のいずれか1つに係るサンプルカートリッジのうちの1つ以上を収容することと、この方法は、空気圧モジュールを上記又は各サンプルカートリッジの一次空気圧ポートに接続することと、試薬モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの試薬容器内に1つ以上の試薬を分注することと、空気圧モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器内の圧力を低減し、上記又は各一次試薬チャンネルを通じて上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器内に対応する試薬容器の流体内容物を引き込むことと、を更に含む、方法に関する。
【0036】
この方法は、器具のシェーカを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器内の流体の混合を促進することを更に含み得る。この方法は、器具のヒータを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器を所定の期間、所定の温度まで加熱することを更に含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器内の試薬は、機能化された磁気ビーズを含み、この方法は、磁気ビーズを一次反応容器内の選択された位置に保持するために、磁石を操作又は移動させることを更に含む。
【0038】
この方法は、空気圧モジュールを上記又は各サンプルカートリッジの廃棄物空気圧ポートに接続し、廃棄物容器内の圧力を低減して、一次反応容器から廃棄物チャンネルを介して廃棄物容器内に流体を引き込むことを更に含み得る。この方法は、空気圧モジュールを上記又は各サンプルカートリッジの二次空気圧ポートに接続し、二次反応容器内の圧力を低減して、一次出口チャンネルから二次反応容器内に流体を引き込むことを更に含み得る。この方法は、空気圧モジュールを上記又は各サンプルカートリッジの二次空気圧ポートに接続し、二次反応容器内の圧力を低減して、二次試薬チャンネルから二次反応容器内に流体を引き込むことを更に含み得る。
【0039】
この方法は、器具のシェーカを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの二次反応容器内の流体の混合を促進することを更に含み得る。この方法は、器具のヒータを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの二次反応容器を所定の期間、所定の温度まで加熱することを更に含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、上記又は各サンプルカートリッジの二次反応容器内の試薬が、機能化された磁気ビーズを含み、方法が、磁気ビーズを二次反応容器内の選択された位置に保持するために、磁石を操作又は移動させることを更に含む。
【0041】
この方法は、空気圧モジュールを上記又は各サンプルカートリッジの廃棄物空気圧ポートに接続し、廃棄物容器内の圧力を低減して、二次反応容器から二次反応容器と廃棄物容器との間に延設された二次廃棄物チャンネルを介して廃棄物容器内に、流体を引き込むことを更に含み得る。この方法は、空気圧モジュールを、上記又は各サンプルカートリッジの出力容器の空気圧ポートに接続し、出力容器内の圧力を低減して、一次反応容器から最終出力チャンネルを介して出力容器内に、処理済み流体を引き込むことを更に含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器から引き込まれた処理済み流体が、最終出力チャンネルを介して最終出力容器に引き込まれる前に、二次反応容器に引き込まれ、更なる試薬で処理される。
【0043】
この方法は、空気圧モジュールを、上記又は各サンプルカートリッジの品質管理空気圧ポートに接続することと、出力容器内の圧力を低減して出力容器内に処理済みの流体を引き込む前に、品質管理容器内の圧力を低減して、最終出力チャンネルから品質管理チャンネルを通じて品質管理容器内に処理済みの流体の一定分量を引き込むことと、を更に含み得る。
【0044】
この方法は、試薬モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの緩衝液容器内に緩衝液を分注することと、上記又は各サンプルカートリッジの品質管理容器内の圧力を低減して緩衝液容器から干潮剤チャンネルを介して、並びに最終出力チャンネル及び品質管理チャンネルを介して、処理済み流体の一定分量とともに、品質管理容器内へ、緩衝液を引き込む前に、上記又は各サンプルカートリッジの緩衝剤チャンネルバルブを開放することと、を更に含み得る。
【0045】
この方法は、空気圧モジュールを、上記又は各サンプルカートリッジの中間出口空気圧ポートに接続することと、品質管理容器内の圧力を低減する前に、上記又は各サンプルカートリッジの出口チャンバ内の圧力を低減して、最終出力チャンネルから空気透過性膜を通って空気を引き込むことと、を更に含み得る。
【0046】
この方法は、光学モジュールを操作して、又は各サンプルカートリッジの品質管理容器に収容された処理済み流体の一定分量の特性を測定することを更に含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、試薬モジュールを操作して試薬容器に試薬を分注することは、機構及びアクチュエータを操作して、試薬モジュールを器具内の種々の位置に移動させることを更に含み、各位置は、サンプルカートリッジのうちの1つ以上の1つずつに対応する。
【0048】
いくつかの実施形態は、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに記載の方法のいずれか1つを実行させる指示を記憶したコンピュータ可読媒体に関する。
【0049】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のうちのいずれか1つのシステムの使用方法であって、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器に流体サンプルを堆積させることと、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器の開放上部を封止閉鎖するために蓋を適用することと、器具内の対応するカートリッジスロットに上記又は各サンプルカートリッジを挿入することと、流体サンプルを処理するために器具を操作することと、を含む、方法に関する。
【0050】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれか1つのシステムの使用方法であって、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器に流体サンプルを堆積させることと、上記又は各サンプルカートリッジの一次反応容器の開放上部を封止閉鎖するために蓋を適用することと、器具内の対応するカートリッジスロットに上記又は各サンプルカートリッジを挿入することと、流体サンプルを処理するために器具を操作することと、を含む、方法に関する。
【0051】
この方法は、流体サンプルが処理されると、器具から上記又は各サンプルカートリッジを取り外すことを更に含み得る。この方法は、処理済みの流体サンプルを含む出力容器をサンプルカートリッジから取り外すことを更に含み得る。この方法は、一時的な蓋を出力容器から取り外すことを更に含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態は、流体分析器具とともに使用するためのサンプルカートリッジであって、分析のための流体サンプルを収容するように構成されたサンプル容器と、緩衝液を収容するように構成された緩衝液容器と、分析のための緩衝液の少なくとも一部と混合された流体サンプルの一定分量を含む混合流体を収容するように構成された分析容器と、サンプル容器と第1の接合部との間に延設されたサンプルチャンネルと、サンプルチャンネルを通るサンプルの流れを制御するために、サンプルチャンネル内に配設されたサンプルチャンネルバルブと、緩衝液容器と第1の接合部との間に延設された緩衝剤チャンネルと、緩衝剤チャンネルを通る緩衝液の流れを制御するために、緩衝剤チャンネル内に配設された緩衝剤チャンネルバルブと、緩衝剤チャンネル及びサンプルチャンネルと流体連通する計量チャンネルであって、計量チャンネルは、第1の接合部と第2の接合部との間に延設される計量チャンネルと、計量チャンネルと流体連通し、第2の接合部と分析容器との間に延設される分析容器チャンネルと、分析容器と連通し、分析容器内の圧力を選択的に調整して、分析容器チャンネルを介して分析容器内に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された分析容器空気圧ポートと、を備える、サンプルカートリッジに関する。
【0053】
いくつかの実施形態において、サンプルチャンネルバルブ及び緩衝剤チャンネルバルブのうちの少なくとも一方は、選択的に開閉されて、流体サンプルの一定分量を計量チャンネルに引き込んだ後、緩衝液を、分析のための流体サンプルの一定分量とともに、緩衝剤チャンネルを通じて、並びに計量チャンネル及び分析容器チャンネルを通じて分析容器に引き込まれるようにすることのできる、アクティブバルブを含む。分析容器には、分析を促進するために緩衝液及び流体サンプルと混合するように構成された染料が予め装填され得る。
【0054】
サンプルカートリッジは、第2の接合部を介して計量チャンネルと流体連通する中間出口と、中間出口が内部に開口する出口チャンバと、出口を覆う空気透過性液体バリア膜と、覆う空気透過性液体バリア膜と、出口チャンバと流体連通し、出口チャンバ内の圧力を選択的に調整して、空気透過性膜を通じて計量チャンネルから空気を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された中間出口空気圧ポートと、を更に備えてもよく、中間出口は、サンプルチャンネル又は緩衝剤チャンネルから計量チャンネルに引き込まれた液体が計量チャンネルを充填することを可能にするものの、分析容器チャンネルには進行させないように、配置される。中間出口は、第2の接合部に位置し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、第2の接合部と出口との間に延設された出口チャンネルを更に備え、サンプルチャンネル又は緩衝剤チャンネルから計量チャンネルに引き込まれた液体が計量チャンネルを充填し、出口チャンネルに進行することを可能にするものの、分析容器チャンネルには進行させないようにする。
【0056】
サンプルチャンネルは、第2の接合部を介して、並びに出力チャンネルを介して、計量チャンネルと流体連通した出力容器と、出力容器と連通し、出力容器内の圧力を選択的に調整して、計量チャンネルから第2の接合部及び出力チャンネルを介して出力容器に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続するように構成された出力容器空気圧ポートと、を更に備え得る。出力チャンネルは、第2の接合部から出力容器まで延設され得る。出力チャンネルは、中間出口と出力容器との間に延設され得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、空気圧モジュールに接続されて、緩衝剤チャンネルバルブを選択的に開閉するように構成された緩衝剤チャンネルバルブ空気圧ポートを含む圧力作動バルブを備える。
【0058】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれか1つのサンプルカートリッジを受け入れるように構成された流体分析器具であって、分析容器空気圧ポートに接続し、分析容器内の圧力を選択的に調整して、分析容器チャンネルを介して分析容器内に流体を引き込むように構成された空気圧モジュールと、分析容器内の流体の特性を測定するように構成された分析モジュールと、を備える、流体分析器具に関する。
【0059】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれか1つのサンプルカートリッジを備えた流体分析器具であって、分析容器空気圧ポートに接続し、分析容器内の圧力を選択的に調整して、分析容器チャンネルを介して分析容器内に流体を引き込むように構成された空気圧モジュールと、分析容器内の流体の特性を測定するように構成された分析モジュールと、を備える、流体分析器具に関する。
【0060】
分析モジュールは、分析容器内の流体を照明するように構成された光源と、分析容器内の流体から送られた光を検出又は測定するように構成された光学検出器と、を備え得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、空気圧モジュールは、中間出口空気圧ポートに更に接続されるか、又は中間出口空気圧ポートに接続するように構成され、出口チャンバ内の圧力を選択的に調整して、計量チャンネルから空気透過性膜を通って空気を引き込むように構成される。空気圧モジュールは、出力容器空気圧ポートに更に接続されてもよく、又は出力容器空気圧ポートに接続するように構成されてもよく、出力容器内の圧力を選択的に調整して、第2の接合部及び出力チャンネルを介して計量チャンネルから出力容器内に流体を引き込むように構成されてもよい。空気圧モジュールは、緩衝剤チャンネルバルブ空気圧ポートに更に接続されてもよく、又は緩衝剤チャンネル空気圧ポートに接続するように構成されて、緩衝剤チャンネルバルブを選択的に開閉してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、器具は、流体サンプルを含む、記載の実施形態のいずれか1つのサンプルカートリッジのうちの複数のサンプルカートリッジを受け入れるように構成される。
【0063】
器具は、各サンプルカートリッジの分析容器内の流体の分析のために、サンプルカートリッジのうちの1つずつに対応した種々の位置に分析モジュールを移動させるように構成された機構及びアクチュエータを更に備え得る。
【0064】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のうちのいずれか1つ以上の器具と、記載の実施形態のうちのいずれか1つのサンプルカートリッジのうちの1つ以上と、を備える流体分析システムに関する。
【0065】
いくつかの実施形態は、サンプル容器内に流体サンプルを含んだ、記載の実施形態のうちのいずれか1つの流体分析器具の操作方法であって、空気圧モジュールを操作し、サンプル流体が分析容器チャンネルに進むことなく、サンプル容器からサンプルチャンネルを通じて計量チャンネル内に第2の接合部までサンプル流体を引き込むことと、空気圧モジュールを操作して、計量チャンネルからのサンプル流体の一定分量とともに、緩衝液容器から、緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて、分析容器内に流体を引き込むことと、を含む、方法に関する。
【0066】
この方法は、空気圧モジュールを操作し、所定の期間中、分析容器内の圧力を低減して、サンプル流体が分析容器チャンネルに進むことなく、サンプル容器からサンプルチャンネルを通じて計量チャンネル内に第2の接合部まで、サンプル流体を引き込むことと、空気圧モジュールを操作して、所定の期間後の分析容器内の圧力を低減し、計量チャンネルからのサンプル流体の一定分量とともに、緩衝液容器から緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて、分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、方法は、サンプル流体が空気透過性バリアを満たすまで、サンプル流体をサンプル容器からサンプルチャンネルを通って計量チャンネルに引き込むために、中間出口内の圧力を低減するために空気圧モジュールを操作することと、続いて、空気圧モジュールを操作して、緩衝液容器から緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて流体を分析容器に引き込むために、分析容器内の圧力を低減することと、計量チャンネルからのサンプル流体のアリコートとともに、空気圧モジュールを操作することと、を更に含み得る。
【0068】
本方法は、空気圧モジュールを操作して、所定の期間、出力容器内の圧力を低減し、サンプル流体が分析容器チャンネル内に進行することなく、サンプル容器からサンプルチャンネルを通って計量チャンネル内へ第2の接合部まで引き込むことと、空気圧モジュールを操作して、所定の期間後に、分析容器内の圧力を低減し、計量チャンネルからのサンプル流体の一定分量とともに、緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて緩衝液容器内に流体を引き込むことと、を更に備え得る。いくつかの実施形態において、緩衝液容器から緩衝剤チャンネルを通じて流体を引き込むための空気圧モジュールの操作は、計量チャンネルに空気が充填されるまで継続される。この方法は、続いて、空気圧モジュールを操作して、出力容器内の圧力を低減し、サンプル容器から出力容器にサンプル流体を引き込むことを更に含み得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、この方法は、空気圧モジュールを操作して、流体がサンプル容器に引き込まれる期間中、閉鎖状態で緩衝剤バルブを維持することと、続いて、空気圧モジュールを操作して、緩衝剤バルブを開放状態に維持し、流体が緩衝液容器から引き込まれ得るようにすることと、を更に含む。
【0070】
いくつかの実施形態は、各サンプルカートリッジのサンプル容器内に流体サンプルを含む、記載の実施形態のいずれか1つのサンプルカートリッジのうちの1つ以上を収容する、記載の実施形態のうちのいずれか1つの流体分析器具の操作方法であって、空気圧モジュールを操作して、サンプル流体が、分析容器チャンネル内に進行することなく、上記又は各サンプルカートリッジのサンプル容器からサンプルチャンネルを通じて計量チャンネル内に第2の接合部までサンプル流体を引き込むことと、続いて、空気圧モジュールを操作して、計量チャンネルからサンプル流体の一定分量とともに、上記又は各サンプルカートリッジの緩衝液容器から緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて分析容器まで流体を引き込むことと、を備える方法に関する。
【0071】
いくつかの実施形態において、この方法は、上記又は各サンプルカートリッジの分析容器空気圧ポートに空気圧モジュールを接続することと、空気圧モジュールを操作して、所定の期間中、上記又は各サンプルカートリッジの分析容器内の圧力を低減し、サンプル流体が分析容器チャンネル内に進行することなく、サンプル容器からサンプルチャンネルを通じて計量チャンネル内に第2の接合部まで流体を引き込むことと、空気圧モジュールを操作して、所定の期間後、上記又は各サンプルカートリッジの分析容器内の圧力を低減し、計量チャンネルからのサンプル流体の一定分量とともに、緩衝液容器から緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含む。
【0072】
本方法は、上記又は各サンプルカートリッジの分析容器空気圧ポート及び中間出口空気圧ポートとに空気圧モジュールを接続することと、空気圧モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの中間出口内の圧力を低減し、サンプル流体が空気透過性バリアに到達するまで、サンプル容器からサンプルチャンネルを通じて計量チャンネル内へサンプル流体を引き込むことと、続いて、空気圧モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの分析容器内の圧力を低減し、計量チャンネルからのサンプル流体の一定分量とともに、緩衝液容器から緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて分析容器内へ流体を引き込むことと、を更に含み得る。
【0073】
この方法は、上記又は各サンプルカートリッジの分析容器空気圧ポート及び出力容器空気圧ポートに空気圧モジュールを接続することと、空気圧モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの出力容器内の圧力を低減し、サンプル流体が分析容器チャンネル内に進行することなく、サンプル容器からサンプルチャンネルを通じて計量チャンネル内に第2の接合部までサンプル流体を引き込むことと、空気圧モジュールを操作して、所定時間後の上記又は各サンプルカートリッジの分析容器内の圧力を低減し、計量チャンネルからのサンプル流体の一定分量とともに、緩衝液容器から緩衝剤チャンネル、計量チャンネル、及び分析チャンネルを通じて分析容器内に流体を引き込むことと、を更に含み得る。
【0074】
緩衝液容器から緩衝剤チャンネルを通じて流体を引き込むための空気圧モジュールの操作は、上記又は各サンプルカートリッジの計量チャンネルに空気が充填されるまで継続され得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、この方法は、上記又は各サンプルカートリッジの出力容器空気圧ポートに空気圧モジュールを接続することと、次いで、分析容器内に緩衝液を引き込むために、空気阿圧モジュールを操作して、上記又は各サンプルカートリッジの出力容器内の圧力を低減し、サンプル容器から出力容器内にサンプルを引き込むことと、を更に含み得る。この方法は、上記又は各サンプルカートリッジの緩衝剤バルブ空気圧ポートに空気圧モジュールを接続することと、空気圧モジュールを操作し、流体がサンプル容器から引き込まれる期間中、上記又は各サンプルカートリッジの緩衝剤バルブを閉鎖状態に維持することと、続いて、空気圧モジュールを操作し、上記又は各サンプルカートリッジの緩衝剤バルブを開放状態に維持し、流体を緩衝液容器から引き込ませ得るようにすることと、を更に含む。
【0076】
この方法は、続いて、分析モジュールを操作し、分析容器内の流体の特性を測定することを更に含み得る。
【0077】
この方法は、測定された特性に関連のデータを外部演算デバイスに送信することを更に含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態は、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに記載の方法のいずれか1つを実行させる指示を記憶したコンピュータ可読媒体に関する。
【0079】
いくつかの実施形態は、記載のシステムのうちのいずれか1つを使用する方法であって、上記又は各サンプルカートリッジのサンプル容器内に流体サンプルを堆積することと、器具内の対応するカートリッジスロットに上記又は各サンプルカートリッジを挿入することと、器具を操作して流体サンプルを分析することと、を含む方法に関する。この方法は、流体サンプルが処理されると、器具から上記又は各サンプルカートリッジを取り外すことを更に含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態は、流体分析器具とともに使用するためのサンプルカートリッジであって、分析のための流体サンプルを収容するように構成されたサンプル容器と、緩衝液を収容するように構成された緩衝液容器と、分析のための緩衝液の少なくとも一部と混合された流体サンプルの一定分量を含む混合流体を収容するように構成された封止分析容器と、サンプル容器と分析容器との間に延設された第1のチャンネルと、緩衝剤容器から第1のチャンネルとの接合部まで延設された第2のチャンネルと、サンプル容器と接合部との間で第1のチャンネル内に配設された第1のバルブと、緩衝剤容器と接合部との間で第2のチャンネル内に配設された第2のバルブと、分析容器と連通し、第1のチャンネルから分析容器内に流体を引き込むように真空ポンプに接続されるように構成された空気圧ポートと、を備え、第1のバルブ及び第2のバルブの少なくとも一方は、アクティブバルブを含み、アクティブバルブは、選択的に開閉され、流体サンプルの一定分量を接合部を過ぎて第1のチャンネルに引き込むことを可能にし、その後、緩衝液を第2のチャンネルを通じて接合部を過ぎて第1のチャンネルに引き込むことを可能にし、流体サンプルの一定分量を運搬及び混合した後、分析のための分析容器に流れこむようにするサンプルカートリッジに関する。
【0081】
いくつかの実施形態は、少なくとも0.2mLの容量の流体サンプルを含むサンプルカートリッジを受け入れるように構成された化学処理器具であって、器具は、サンプルに以下の処理ステップ:器具の汚染又は他のサンプルとの交差汚染を回避するため、サンプルを単離して維持しつつ、サンプルに処理するステップと、特定の化学的性質、インキュベーション条件、ビーズ選択、及び溶出パラメータを使用して、核酸を選択するステップと、処理済みの流体生成物の一本鎖又は二本鎖の核酸サイズの所望の範囲を選択し、所望の範囲に収まらない、望ましくない材料を破棄するステップと、選択された核酸生成物の濃度を増加させるステップと、処理済みの流体生成物の一定分量を定量し、選択された核酸に対する特定のフルオロクロームと混合し、標準基準曲線又は較正基準曲線に対する等、生成物の特性を定量化するステップと、のうちの任意の2つ以上を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された指示にしたがって操作されるように構成される、化学処理器具に関する。
【0082】
いくつかの実施形態は、記載の実施形態のいずれか1つに係るサンプルカートリッジと、処理中に出力容器を閉じるように構成された一時的な蓋とを含むキットに関し、一時的な蓋は、最終出力チャンネル及び出力容器空気圧チャンネルを出力容器に流体接続するように構成されている。キットは、例えば、エッペンドルフチューブのような出力容器を更に備え得る。
【0083】
一時的な蓋は、弾性可撓性本体によってカートリッジに機械的に結合されるように構成され得る。本体は、一時的な蓋と一体的に形成され得る。本体は、接続時に出力容器をカートリッジに押し付けるように構成され得る。本体は、最終出力チャンネル及び出力容器空気圧チャンネルを出力容器に流体接続するチャンネルを画定し得る。
【0084】
本明細書全体を通じて、「備える(comprise)」という用語、又は「備える(comprises)」若しくは「備える(comprising)」などの変形は、記載された要素、整数、若しくはステップ、又は要素、整数、若しくはステップのグループを包含することを含意すると理解されるが、任意の他の要素、整数、若しくはステップ、又は要素、整数、若しくはステップのグループを除外するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
添付の図面のうちの種々の図面は、単に本開示の例示的な実施形態を示しており、その範囲を限定するものとみなすことはできない。
【0086】
【
図1A】いくつかの実施形態に係る、処理のためのサンプルをそれぞれ含有する1つ以上のサンプルカートリッジを受け入れるように構成された器具の概略図である。
【
図1B】いくつかの実施形態に係る、
図1Aの器具の斜視図である。
【
図1C】いくつかの実施形態に係る、
図1Aの器具の内部構成要素のいくつかを示す切り取り斜視図である。
【
図2A】いくつかの実施形態に係る、器具を使用するためのサンプルカートリッジの斜視図である。
【
図2E】更なる詳細を示す、
図2Aのサンプルカートリッジの底面図である。
【
図2F】
図2Aのサンプルカートリッジの一部を形成し得る、いくつかの実施形態に係る、流体計量配置の底面図である。
【
図2G】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの回路図である。
【
図2H】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替チャンネル配置を示す斜視図である。
【
図2I】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替チャンネル配置を示す斜視図である。
【
図2J】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替バルブを示す。
【
図2K】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替バルブを示す。
【
図2L】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替バルブを示す。
【
図2M】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替バルブを示す。
【
図2N】いくつかの実施形態に係る、
図2Aのサンプルカートリッジの代替バルブを示す。
【
図2O】いくつかの実施形態に係る、サンプルカートリッジの中間出口の拡大斜視図である。
【
図3A】いくつかの実施形態に係る、
図1A~1Cの器具の試薬モジュールの斜視図である。
【
図3B】
図3Aの試薬モジュールの試薬カートリッジの斜視図である。
【
図4A】いくつかの実施形態に係る、
図1A~1Cの器具の光学モジュールの概略図である。
【
図4B】いくつかの実施形態に係る、
図1A~1Cの器具の光学モジュールの概略図である。
【
図5A】いくつかの実施形態に係る、空気圧モジュール、熱モジュール、磁気モジュール、混合モジュール、及び運動モジュールの一部を示す、
図1A~1Cの器具の概略図である。
【
図5B】いくつかの実施形態に係る、熱モジュール、磁気モジュール、混合モジュール、及び運動モジュールの一部を示す、
図1A~1Cの器具の側面図である。
【
図5C】いくつかの実施形態に係る、器具のコアユニットの斜視図である。
【
図5D】
図5Cのコアユニットの空気圧インターフェースプレートの拡大斜視図である。
【
図5E】明確さのために他の構成要素の省略された、コアユニットの内部構成要素を示す。
【
図5F】
図5Cのコアユニットのソケットに設置された
図7Aのサンプルカートリッジと、サンプルカートリッジと係合した加熱アセンブリとの斜視図である。
【
図6】いくつかの実施形態に係る、
図1A~1Cの器具の制御モジュールの概略図である。
【
図7A】いくつかの実施形態に係る、サンプルカートリッジの斜視図である。
【
図7D】
図7Aのサンプルカートリッジの基部及び空気圧チャンネルプレートの拡大分解図である。
【
図7E】
図7Aのサンプルカートリッジの基部及び空気圧チャンネルプレートの下方斜視図である。
【
図7F】
図7Aのサンプルカートリッジの基部の上部の底面断面図である。
【
図7G】
図7Aのサンプルカートリッジの基部の底面図である。
【
図7H】
図7Aのサンプルカートリッジの基部膜の底面図である。
【
図7I】
図7AのサンプルカートリッジのPSA層の底面図である。
【
図7J】
図7Aのサンプルカートリッジの空気圧チャンネルプレートの上部の底面断面図である。
【
図7K】
図7Aのサンプルカートリッジの空気圧チャンネルプレートの底面図である。
【
図7N】
図7Aのサンプルカートリッジの一次反応容器の底部の断面図である。
【
図7O】
図7Aのサンプルカートリッジの一次反応容器の頂部の拡大斜視断面図である。
【
図7P】
図7Aのサンプルカートリッジの一次反応容器の蓋の断面図である。
【
図7R】二次反応容器の代替の上部の斜視図である。
【
図7T】
図7Aのサンプルカートリッジの廃液トラップ及び一次流体トラップの斜視図である。
【
図7U】
図7Aのサンプルカートリッジの二次流体トラップの斜視図である。
【
図7V】
図7Aのサンプルカートリッジの他の部分の拡大組立図である。
【
図7W】
図7Aのサンプルカートリッジの中間出口及びガス透過性膜の拡大組立図である。
【
図7X】
図7Aのサンプルカートリッジの組み立てられた中間出口及びガス透過性膜の斜視断面図である。
【
図7Y】
図7Aのサンプルカートリッジの基部膜の溶接パターンの底面図である。
【
図7Z】
図7Aのサンプルカートリッジの計量チャンネル及びマイクロ流体接合部の拡大底面図である。
【
図8A】いくつかの実施形態に係る、流体移送装置の斜視図である。
【
図8C】流体移送装置とサンプルカートリッジとの間の接続の拡大断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
実施形態は、核酸抽出操作等、サンプルに対する操作を実行するためのシステム、器具、方法、及びコンピュータ可読媒体全般に関する。
【0088】
従来、異なる容器及び/又は異なる器具への流体サンプルの移送を必要とするいくつかのステップを含む、多数の化学プロセスワークフローが存在する。各移送ステップでは、サンプルの流出、サンプルによる器具の汚染、及び処理のための他のサンプルとの潜在的な交差汚染の可能性がある。
【0089】
いくつかの実施形態は、サンプルを分離し、交差汚染を緩和するワークフロープロセスを促進する、化学処理器具のためのサンプルカートリッジに関する。サンプルカートリッジは、蓋を受け入れるように配置された一次反応容器と、試薬容器とを備える。一次反応容器及び試薬容器は、一次試薬チャンネルを介して接続又は流体連通している。一次試薬チャンネルは、一次試薬チャンネルを通じた流体の流れを制御するために、一次試薬チャンネルに配設された一次試薬バルブを有し得る。一次空気圧ポートは、一次反応容器と流体連通し、空気圧モジュールに接続されるように構成される。空気圧モジュールを使用して、蓋が閉じられたときに一次反応容器内の圧力を選択的に調整することによって、試薬容器の流体内容物を一次反応容器内に引き込むことができる。
【0090】
サンプルカートリッジは、一次空気圧ポートと一次反応容器との間に延設された一次空気圧チャンネルを更に備えてもよく、一次反応容器内への一次空気圧チャンネルの開口部が、一次反応容器の側壁の中途まで位置する。一次反応容器内への一次空気圧ポートの開口部は、一次反応容器の底部よりも一次反応容器の上部に近接して位置する。これにより、液体検体が空気圧モジュールに吸引され、潜在的に器具を汚染する可能性を低減し得る。
【0091】
いくつかの実施形態において、一次反応容器内への一次試薬チャンネルの開口部は、一次反応容器の側壁の中途まで位置する。いくつかの実施形態において、一次反応容器内への一次試薬チャンネルの開口部は、一次反応容器の底部よりも一次反応容器の上部に近接して位置する。これにより、液体検体が試薬チャンネルに入り、続いて試薬容器に入ることで、器具内の交差汚染に繋がり得る可能性を低減し得る。
【0092】
いくつかの実施形態によると、サンプルを処理するための密封容器、試薬を受け入れるための個別開放容器、一方向バルブ、及び反応容器の密封を可能にする流体の流れを駆動するための空気圧システムを含む、交差汚染を更に軽減する、種々の他の特徴が以下に記載される。
【0093】
例えば、品質管理のためなど、流体サンプルの1つ以上の特性の分析又は測定のために、流体サンプルの一定分量の定量を必要とする多数の化学処理ワークフローも存在する。
【0094】
いくつかの実施形態は、
図2E~2Gに関連して以下に説明される通り、分析又は品質管理のために既知の容積の一定分量を分離するための正確な流体測定を可能にするチャンネル及びバルブの配置に関する。この配置は、器具で使用するためのサンプルカートリッジに含まれてもよく、又は更には専用の流体分析器具に含まれてもよい。
【0095】
最初に
図1A~1Cを参照すると、いくつかの実施形態に係る器具100が示されている。器具100は、処理のためのサンプルをそれぞれ含有する1つ以上のサンプルカートリッジ200を受け入れるように構成され得る。器具100は、化学処理ステップ、加熱、冷却、培養、混合、分析、又は測定など、サンプルに対して1つ以上の操作を実行するように構成され得る。器具100は、サンプルに対して、従来、別個の器具で、又は実験室で手動で実行され得た複数の操作を実行するように構成されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、器具100は、サンプルに対して1つ以上の核酸抽出操作を実行するように構成され得る。例えば、患者サンプルから核酸(例えば、DNA又はRNA)を抽出し、サンプルから濃縮され、任意で定量化された、核酸を含有する出力流体を提供する。
【0097】
器具100は、サンプルに操作を実行するように構成された種々の異なるモジュールを備え得る。これらには、器具100によって実行される動作を制御するために、試薬モジュール300、光学モジュール400、空気圧モジュール500、熱モジュール600、磁気モジュール700、混合モジュール800、運動モジュール900、及び制御モジュール101から選択された任意の1つ以上が含まれ得る。器具100はまた、電源102を有してもよく、又は種々のモジュールに電力を供給するために電源102に接続されてもよい。
【0098】
試薬モジュール300は、選択された試薬をサンプルカートリッジ200に分注するように構成され得る。例えば、試薬モジュール300は、器具ワークフローの操作で使用するための対応する複数の試薬をそれぞれ含有する複数のリザーバを備え得る。試薬モジュール300は、1つ以上のポンプ、チャンネル、及び分注ノズルを備え、器具ワークフローのうちの1つ以上の一部として選択された時点で、選択されたサンプルカートリッジ200に制御された量の試薬を選択的に分注し得る。
【0099】
例えば、試薬モジュール300は、試薬の分注を制御するように構成されたシリンジポンプを備え得る。試薬モジュールは、それぞれが異なる時点で異なる試薬を分注するように構成された2つの分注ノズルを備え得る。後続の試薬をカートリッジに分注する前に、以前の試薬をノズルから洗い流し得る。いくつかの実施形態において、器具は、廃棄物レセプタクルを備えてもよく、試薬モジュールは、いくつかの試薬を廃棄物レセプタクルに分注して、カートリッジへの分注前にノズルから以前の試薬を洗い流すように構成されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、試薬モジュール300は、試薬モジュールの一部における液体の有無を検出するように構成されたセンサを備え得る。例えば、センサは、分注出口又は分注出口チューブを監視して、試薬が出力チューブを介して分注されているときを示すか、又は確認するように構成され得る。いくつかの実施形態において、複数のセンサは、試薬モジュール内の複数の異なる流体ライン、及び/又は試薬リザーバ内の流体レベルを監視するように構成され得る。
【0101】
上述又は各センサは、流体ライン又はリザーバの半透明又は透明の壁を通過する(又は反射する)光源からの光を検出するように配置された光源及び光検出器などの、光学センサを備え得る。
【0102】
試薬モジュールの1つ以上のセンサは、例えば、試薬ラインのプライミングを確認するため、試薬がいつ分配設されているかを確認するため、又は試薬がいつ排出された、若しくは近い将来に排出されて交換する必要があることを示すために、ユーザインターフェース又はインジケータLEDに接続され得る。
【0103】
試薬モジュール内の試薬ラインに使用されるチューブは、例えば、シリコンチューブ又はPTFEチューブなどの任意の好適な材料を含み得る。チューブの任意の好適な寸法は、特定の用途のために分注される液体に応じて選択され得る。例えば、内径は、約0.3mmであってもよく、外径は、約1.6mmであってもよい。
【0104】
光学モジュール400は、サンプルカートリッジ200内に含まれる材料又は流体の光学検査のための光学センサ又は検出器を備え得る。光学モジュール400は、検査のためにサンプルカートリッジ200内に含まれる材料又は流体を照射するための1つ以上の光源を更に備え得る。光学モジュール400は、例えば、濃度又は密度などのサンプルカートリッジ内に含まれる材料又は流体の特定の特性を判定するために、光学スペクトル又は近光学スペクトル内の光の特定の周波数及び/又は強度を検出及び/又は測定するように構成され得る。
【0105】
例えば、光学モジュールは、バンドパスフィルタを通して光を透過させ、カートリッジ内の染料内の蛍光を励起し、フォトダイオードによって検出される染料からの放出を引き起こす、UV LED光源を含むエピ蛍光システムを備え得る。
【0106】
空気圧モジュール500は、サンプルカートリッジ200又は器具100の特定の流路にわたって圧力差を適用して、それらの流路に沿った流体の流れを駆動するように構成され得る。
【0107】
空気圧モジュールは、正圧又は負圧を使用してカートリッジの種々の容器間で液体を移動するように構成され得る。すなわち、ある容器に正圧(大気圧超)を印加して、液体を移送チャンネルを通って別の容器に押し込むか、又はある容器に負圧(大気圧未満)を印加して、別の容器から移送チャンネルを通って液体を引き出す。
【0108】
いくつかの実施形態において、空気圧モジュールは、異なる操作に影響を与えるように、異なる時点で種々の空気圧ポートに選択的に付与される単一の圧力レベルを使用して動作するように構成され得る。いくつかの実施形態において、空気圧モジュールは、異なる動作に影響を与えるように、異なる時点で種々の空気圧ポートに選択的に付与される2つの圧力レベルのみを使用して動作するように構成され得る。
【0109】
例えば、カートリッジが、チャンネルを通って液体を移送するための駆動圧力よりも高い圧力を必要とする圧力作動バルブを含む場合、2つの圧力レベルが必要とされ得る。
【0110】
任意の好適な圧力差(例えば、真空圧力)を使用して、カートリッジ内の流れを駆動してもよいが、圧力が小さ過ぎると、特に長い液体移送時間をもたらす可能性があり、圧力勾配が大き過ぎると、スプラッシング又はスパッタリングを生じ、これらは特定の用途においては望ましくない場合があり、又は液体流動の高いせん断速度をもたらし、これは例えば、核酸などの特定の分子に潜在的に損傷を与え得ることに留意されたい。好適な真空圧力は、所与の用途で使用される液体の粘度又は粘度の範囲にも依存する。いくつかの実施形態において、駆動真空圧は、例えば、50mBar~500mBar、80mBar~300mBar、100mBar~200mBar、100mBar~120mBarの範囲、約100mBar、又は約120mBarであり得る。
【0111】
熱モジュール600は、例えば、培養のためのインキュベーションなど、器具ワークフローの異なる動作中に、サンプルカートリッジ200及びその中に含まれる材料の温度を制御及び/又は調整するように構成された1つ以上の加熱又は冷却要素を備え得る。
【0112】
磁気モジュール700は、サンプルカートリッジ200内の磁気ビーズの移動を制御するように構成された1つ以上の永久磁石又は電磁石を備え得る。例えば、磁気ビーズは、器具ワークフローの特定の動作中に結合するサンプルの構成要素のために、一次反応容器210(
図2A)内で使用され得る。磁気モジュール700は、液体が磁気ビーズから離れて排出される間、磁気ビーズを定位置に保持するように構成され得る。
【0113】
代替的に、非磁性機能化ビーズを結合に使用してもよく、フィルタを使用して、ビーズが反応容器から離れるのを制限してもよい。別の代替案は、結合のための機能化表面を有するフリットなどの多孔質材料を使用することであり、液体をフリットを通して引き出して所望の反応を達成することができる。
【0114】
他の実施形態において、化学触媒又は反応物は、反応容器内の液体と反応するためのビーズ又は多孔質固体などの固体構造の表面上のコーティングとして提供され得る。
【0115】
混合モジュール800は、器具ワークフローの特定の動作中に、一次及び/又は二次反応容器210、220(
図2A)内の流体の混合を促進するように構成され得る。例えば、混合モジュール800は、モータによって回転されるように構成された偏心重ウェイトなどのオービタルシェーカを備え得る。
【0116】
運動モジュール900は、特定のモジュールをカートリッジスロット120に対応する異なる位置に移動させて、異なる時点に対応するカートリッジ200(及び/又はその中のサンプル)上で操作を実行するように構成された1つ以上のモータ又はアクチュエータを備え得る。例えば、試薬モジュール300及び光学モジュール400は、異なるカートリッジ位置に移動されて、それらの位置で対応するカートリッジ200上で操作を実行してもよい。
【0117】
制御モジュール101は、器具100の他のモジュールと通信する電子機器ハードウェアと、選択された器具ワークフローに従って機器モジュールの操作を制御するように構成されたソフトウェアとを備え得る。
【0118】
いくつかの実施形態に係る、モジュールのそれぞれについて以下に更に説明する。
【0119】
器具100は、実験室情報システム103などの外部コンピュータシステムに接続されるように構成され得る。器具100は、サンプルカートリッジ200内のサンプルに関連する分析又は測定データなどのデータを外部実験室情報システム103に送信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、器具100は、サンプルに関連するデータ、比較のための参照データ、又は器具100の動作を制御するための指令などの情報を、外部実験室情報システムから受信するように構成され得る。
【0120】
いくつかの実施形態において、器具100は、ユーザインターフェース105を備え得る。ユーザインターフェース105は、器具100自体のディスプレイ、又は器具100と通信する外部ディスプレイを備え得る。ユーザインターフェース105は、ユーザが、サンプルカートリッジ200内のサンプルに対して実行するワークフロープログラムを選択することを可能にするように構成され得る。ワークフロープログラムは、異なるプロセスを達成するように構成された異なるワークフロー動作を含む異なるプログラムのリストから選択され得る。
【0121】
例えば、ワークフロープログラムのリストには、例えば、DNA(ゲノムDNA、再配列された免疫グロブリン又はTCR DNA、cDNA、cfDNA等)及びRNA(mRNA、一次RNA転写産物、転写RNA、又はmicroRNAなど)を含む、天然又は非天然の核酸の抽出、単離、富化、濃縮、又は定量が含まれ得る。単離しようとする非天然核酸としては、グリコール核酸、スレオース核酸、ロック核酸、及びペプチド核酸が挙げられる。他のワークフロープログラムには、増幅のための核酸の調製(例えば、PCRライブラリ調製)又は任意の他の種別の操作又は分析、例えば、配列決定若しくはインビトロ転写及び/若しくは翻訳などの適用のためのベクターへの挿入などが含まれ得る。
【0122】
ユーザインターフェース105はまた、サンプルに関連する情報、及び/又は、どのワークフロープログラム若しくはワークフロープログラムの特定のステップが現在進行中であるかの表示も表示し得る。
【0123】
器具100は、モジュールの一部又は全部を収容するために、シャーシ又はハウジング110を備え得る。いくつかの実施形態において、ハウジング110は、例えば、器具100のうちの複数の器具を垂直に積み重ねることができるように、又は実験室で並べて配置することができるように、器具100のうちの他の器具と積み重ね可能であるように構成され得る。
【0124】
器具100は、それぞれが対応するサンプルカートリッジ200を受け入れるように構成された複数のカートリッジスロット又はソケット120を備え得る。このようにして、複数のサンプルが同時に処理され得る。カートリッジスロット120は、サンプルカートリッジ200を受け入れるように構成されたハウジング110内の外部開口部によって少なくとも部分的に画定され得る。
【0125】
モジュールの一部は、各カートリッジソケット120のための専用構成要素を有し得る。モジュールの一部は、カートリッジスロット120内のカートリッジ200全てに同時に作用し得る。モジュールの一部は、異なる時点でカートリッジスロット120内の異なるカートリッジ200に作用するように構成され得る。
【0126】
図1Cを参照すると、いくつかの実施形態に係る、運動モジュール900の一部を示す、器具100の切り欠き図が示されている。対応する複数のカートリッジスロット120に配設された複数のサンプルカートリッジ200が示されている。カートリッジ200及びカートリッジスロット120は並列に配置され、器具100の一部を横切って伸張する。
【0127】
運動モジュール900は、複数のカートリッジスロット120を横切って伸張するトラック910と、トラック910に沿って移動するように構成されたキャリッジ920とを備え得る。キャリッジ920は、試薬モジュール300及び光学モジュール400など、モジュールのうちの1つ以上を運び、それらを異なるカートリッジ位置に移動させて、サンプルカートリッジ200上で操作を実行するように構成され得る。制御モジュール101によって操作されるモータなどのアクチュエータは、静止位置と種々のカートリッジ位置との間でキャリッジ920を移動させるように構成され得る。
【0128】
いくつかの実施形態において、運動モジュール900は、それぞれ、例えば、試薬モジュール300及び光学モジュール400などの異なるモジュールを運ぶように構成された複数のキャリッジ920及び対応するトラック910を備え得る。
【0129】
トラック910は、運動ステージ912を含んでもよく、これは、マーキング又は他の指標を含んでもよく、キャリッジモジュールをカートリッジスロット120及び対応するサンプルカートリッジ200と適切に整列させてモジュールが選択されたサンプルカートリッジ200上で操作を実行することを可能にする、カートリッジ位置に対応する複数のキャリッジ位置を特定し得る。運動モジュール900は、キャリッジ920が選択されたキャリッジ位置で停止するための標識信号を検出するように構成された、キャリッジ920上に配設された1つ以上のセンサを備え得る。代替的に、特定のキャリッジ位置に対応する既知のアクチュエータ状態(例えば、ステッパモータの角度)は、キャリッジを選択されたキャリッジ位置に移動させるように選択され得る。
【0130】
図2A~2Nを参照すると、いくつかの実施形態に係る、サンプルカートリッジ200が示されている。サンプルカートリッジ200は、基部202、一次反応容器210、試薬容器230、及び出力容器250を備える。サンプルカートリッジ200は、サンプル上で実行される操作に応じて、異なる用途のための異なる特徴を含み得る。
【0131】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200は、
図2Aに示され、以下で更に説明される通り、任意選択の二次反応容器220を更に備えてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200は、
図2Aに示され、以下で更に説明される通り、任意選択の廃棄物容器240を更に備えてもよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200は、
図2Aに示され、以下で更に説明される通り、任意選択の品質管理モジュール260を更に備え得る。
【0134】
サンプルカートリッジ200は、種々の容器(一次反応容器210、試薬容器230、及び出力容器250、並びにいくつかの実施形態においては、任意選択の二次反応容器220、任意選択の廃棄物容器240、任意選択の品質管理モジュール260)を接続するチャンネルを画定し、容器は流体連通し、流体(液体及び潜在的に固体を含む液体スラリーを含む)を容器間で交換できるようにする。サンプルカートリッジ200は、チャンネルを通じた流れを選択的に許可するか、又は許可せず、容器間の流体交換の制御を可能にするバルブを備え得る。いくつかの実施形態に係る、バルブ及びチャンネルのネットワークについて、以下に更に説明する。
【0135】
いくつかの実施形態において、容器(一次反応容器210、試薬容器230、出力容器250、及び任意選択の二次反応容器220、廃棄物容器240、及び品質管理モジュール260を含む)は、基部202と一体的に形成され得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、出力容器250は、例えば、Eppendorfチューブのような別個の取り外し可能な構成要素を備え得る。これにより、更なる処理又は他の場所での使用のために、封止容器250内のカートリッジ200から最終的な出力液体を容易に除去することを可能にする。
【0137】
サンプルカートリッジ200は、基部202と一体的に形成され得る出力容器ホルダ又はシート254を画定し得る。出力容器250は、器具100での処理中にシート254に着座され得る。選択された器具ワークフローが完了し、出力流体が出力容器250に堆積されると、出力容器250は、シート254から封止されて取り外されてもよく、サンプルカートリッジ200の残りは、廃棄されてもよい。
【0138】
図2Gを参照すると、いくつかの実施形態に係る、サンプルカートリッジ200のフロー回路図は、任意の追加機能とともに示されている。サンプルカートリッジ200のチャンネル及びバルブのネットワークは、単純なワークフローを参照して説明されるが、多数の異なるワークフローがカートリッジ200上又はカートリッジ200内で実行され得ることが理解されるであろう。
【0139】
液体サンプルは、一次反応容器210に導入されてもよく、蓋211は、一次反応容器210内のサンプルを封止するために使用され得る。蓋211は、例えば、
図2Aに示される通り、一次反応容器210と一体的に形成され得る。
【0140】
1つ以上の試薬は、試薬容器230の開放上部に(例えば、試薬モジュール300から)分注され得る。一次試薬チャンネル231は、試薬容器230と一次反応容器210との間に延設される。試薬は、一次試薬チャンネル231を介して試薬容器230から一次反応容器210に送達され得る。
【0141】
一次試薬バルブ235は、一次試薬チャンネル231内に配設されて、一次試薬チャンネル231を通じた流れを制御し得る。一次試薬バルブ235は、アクティブバルブ(その例は、以下で検討される)、又はパッシブバルブを含み得る。例えば、一次試薬バルブ235は、ネットワーク内の特定の他のバルブと比較して比較的低い割れ圧力を有する低圧バルブを含み得る。すなわち、バルブは、バルブ全体に比較的低い閾値圧力差が存在するまで流れを制限してもよく、その時点で、一次試薬バルブ235が開放し、流体が一次試薬チャンネル231を通じて試薬容器230から一次反応容器210に流れることができるようにする。
【0142】
駆動圧力勾配は、空気圧モジュール500を使用して作成され得る。カートリッジ200は、一次反応容器211と一次空気圧ポート213との間に延設された一次空気圧チャンネル212を備え得る。一次空気圧ポート213は、以下に説明する他の空気圧ポートとともに、基部202の底面又は側面など、サンプルカートリッジ200の外面の開口部によって画定されてもよく、器具100の空気圧コネクタ510と係合して、空気圧ポート213を空気圧モジュール500に接続するように構成され得る。
【0143】
空気圧モジュール500は、空気圧ラインによって圧力制御マニホールドに接続される、複数の空気圧ポートを画定するプレートを備え得る。各空気圧ポートは、シールを備えてもよく、カートリッジ基部202の下側の対応するポートに接続するように構成されてもよい。プレートは、カートリッジが器具に設置された際にカートリッジに合うように運動モジュールによって上方に移動されるように構成され、対応するポートが接続されてカートリッジ内のチャンネルに空気圧モジュールを接続することで、これらが流体連通するようにし得る。
【0144】
蓋211が封止された状態で、空気圧モジュール500が空気圧ポート213に負又は真空圧力(大気圧又は周囲圧力に対して負)を付与すると、一次反応容器210と試薬容器230との間に圧力勾配が作成されることで、試薬が一次試薬チャンネル231を通じて試薬容器230から一次反応容器210及びその中に含まれるサンプルに引き込まれ得るようにする。
【0145】
一次試薬バルブ235は、開放するように作動されるまでか、又は空気圧モジュール500によって空気圧ポート213に付与される圧力によって閾値割れ圧力が克服されるまで、閉鎖された状態に維持され、一次試薬チャンネル231内の流れを制限し得る。一次試薬バルブ235は、一次反応チャンバ210内の流体サンプルの一部が試薬容器230に流入するのを回避するために、逆流を制限又は防止するように構成された逆止バルブを含み得る。
【0146】
一次反応容器210の内容物の一部が一次空気圧チャンネル212に吸引されるのを回避するために、一次反応容器210への一次空気圧チャンネル212の開口部は、
図2Aに示される通り、一次反応容器210の側壁の中途までか、又は一次反応容器210の上部若しくはその付近に画定され得る。一次空気圧チャンネル212は、
図2Aに示される通り、一次反応容器210の側壁内又は一次反応容器210の側壁と並んでのいずれかに、一次反応容器210の側面を上方に延設された構造内に画定され得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、
図2Aに示される通り、一次試薬チャンネル231はまた、側壁に沿って上方に延設され、一次反応容器210の上部又はその付近で一次反応容器210内に開口し得る。これは、流体サンプルの一部が一次反応容器210から一次試薬チャンネル231又は試薬容器230に流入する可能性を更に低減し得る。
【0148】
反応容器210、230のいずれかの空気圧チャンネル及び入力チャンネルをサンプルカートリッジ200に組み込むための代替設計を
図2H及び2Iに示す。例えば、チャンネルは、
図2Hに示される通り、基部202内及び平坦な垂直ウェブ203内の開放チャンネルとして形成され得る。代替的に、チャンネルは、
図Iに示される通り、反応容器210、230の横に沿って延設された側方構造204内の開放チャンネルとして形成され得る。次いで、チャンネルは、基部202及びウェブ203又は側方構造204に接着接合又は溶接され得るフォイル又はフィルムでそれらを覆うことによって閉じられ得る。
【0149】
器具ワークフローが一次反応容器210からの廃液の除去を必要とする動作を含む場合、サンプルカートリッジ200は、廃液容器240を備え得る。代替的に、器具100は、廃液を外部に処分するための廃棄物レセプタクル又は廃棄物チャンネルを備え得る。
【0150】
サンプルカートリッジ200は、一次反応容器210と廃棄物容器240(又はその他の廃棄物チャンネル又はレセプタクル)との間に延設された一次廃棄物チャンネル214を備え得る。一次廃棄物バルブ215は、一次廃棄物チャンネル214内に配設されて、流体が一次反応容器210から一次廃棄物チャンネル214を通じて除去されるときを制御し得る。例えば、一次廃棄物バルブ215は、比較的低い割れ圧力を有する低圧バルブを備え得る。
【0151】
サンプルカートリッジ200は、廃棄物容器240と廃棄物空気圧ポート243との間に延設された廃棄物空気圧チャンネル242を更に備えてもよい。廃棄物空気圧チャンネル242はまた、廃棄物流体の廃棄物空気圧チャンネル242への吸引を回避するために、廃棄物容器240の上部又はその付近で廃棄物容器240内に開放し得る。廃棄物容器240の上部は、例えば、蓋又はフォイルで封止され得る。
【0152】
いくつかの実施形態において、どの液体が容器210、220、230、240の間で移送される必要があるかに応じて何らかの飛散が発生し、少量の液体が空気圧チャンネル212、222、242に飛散し得る。液体が空気圧チャンネルを通じて吸引される場合、それらはカートリッジから出て空気圧モジュール500に通過し、それによって器具を汚染する可能性がある。
【0153】
このシナリオを緩和するために、カートリッジは、空気圧チャンネルを介してカートリッジを離れる液体を防止又は制限するために、空気圧チャンネルのうちの1つ以上(又は各々)に関連付けられた液体トラップを備え得る。例えば、液体トラップは、空気の通過を可能にするが、液体の通過を制限又は停止するガス透過性膜を備え得る。ガス透過性膜は、例えば、開口部などの空気圧チャンネル212、222、242に沿った任意の位置に、又はカートリッジの基部の各空気圧チャンネルの端部に位置し得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、ガス透過性膜は、膜を通るガスの流れを遮断する前に存在し得る、閉じ込められた液体の容量を増加させるために、比較的大きな面積(対応するチャンネルの断面よりも大きい)にわたって配設され得る。器具は、チャンネル又は液体トラップの一方が遮断されていることによる圧力変化を検出し、続いて、例えば、ワークフロー動作の終了及びプロセスが失敗したことの表示をトリガするように構成され得る。
【0155】
サンプルカートリッジ200は、一次反応チャンバ210からの出力流体の排出を可能にするために、一次出力チャンネル216を更に画定してもよい。いくつかの実施形態において、1つの反応容器のみが必要とされる場合、一次出力チャンネル216は、出力容器250に直接繋がり得る。いくつかの実施形態において、二次反応容器が必要な場合、一次出力チャンネル216は、一次反応容器210と二次反応容器220との間に延設され得る。
【0156】
一次出口バルブ217は、一次出力チャンネル216を通る出力流体の排出を制御するために、一次出口チャンネル216内に配設され得る。例えば、一次出口バルブ217は、対応する一次出口バルブ空気圧ポート218に圧力を付与することによって作動されるアクティブ圧力作動バルブを含み得る。
【0157】
サンプルカートリッジ200が二次反応容器220を含む実施形態において、サンプルカートリッジ200は、試薬容器230と二次反応容器220との間に延設された二次試薬チャンネル232を備え得る。
【0158】
二次試薬バルブ236は、二次試薬チャンネル232内に配設されて、二次試薬チャンネル232を通る試薬の流れを制御し得る。例えば、二次試薬バルブ236は、サンプルカートリッジ200内の他のバルブと比較して、比較的高い割れ圧力を有する高圧バルブを含み得る。
【0159】
サンプルカートリッジ200は、二次反応容器220と二次空気圧ポート223との間に延設された二次空気圧チャンネル222を備え得る。二次空気圧チャンネル222は、二次反応容器220の上部又はその付近で二次反応容器220内に開放し得る。廃棄物容器240の上部は、例えば、蓋又はフォイルで封止され得る。
【0160】
試薬は、二次空気圧ポート223に負の真空圧力を付与して、比較的高い割れ圧力を克服するのに十分な二次試薬バルブ236にわたる圧力差を生じることによって、二次試薬チャンネル232を介して試薬容器230から二次反応容器220に引き込まれ得る。この流れの間、一次出力バルブ217は、一次出口出力216を通る流れを回避するために閉じられ得る。
【0161】
一方、一次反応容器210から二次反応容器220への出力流体の流れが必要とされるとき、一次出力バルブ217が開放されてもよく、一次出力チャンネル216を通る流れを駆動するのに十分であるが、二次試薬バルブ236の比較的高い割れ圧力を克服するのに十分ではない圧力差を生じる、真空圧力が二次空気圧ポート223に付与され得る。一次出力チャンネル216は、二次反応容器220の上部又は上部付近で、二次反応容器220内に開放し得る。
【0162】
サンプルカートリッジ200は、二次反応容器220と廃棄物容器240(又はその他の廃棄物チャンネル又はレセプタクル)との間に延設された二次廃棄物チャンネル224を備え得る。二次廃棄物バルブ225は、二次廃棄物チャンネル224内に配設されて、流体が二次反応容器220から二次廃棄物チャンネル224を通じて除去されるときを制御し得る。例えば、二次廃棄物バルブ225は、比較的低い割れ圧力を有する低圧バルブを含み得る。いくつかの実施形態において、二次廃棄物チャンネル224は、必要とされないこともある。すなわち、二次反応容器220から除去されるべき廃液がない場合である。
【0163】
サンプルカートリッジ200は、二次反応チャンバ220からの出力流体の排出を可能にするために、二次出力チャンネル226を更に画定し得る。いくつかの実施形態において、品質管理が必要でない場合、二次出力チャンネル226は、出力容器250に直接繋がり得る。いくつかの実施形態において、品質管理が必要な場合、二次出力チャンネル226は、二次反応容器220と品質管理モジュール260との間に延設され得る。
【0164】
二次出力チャンネル226は、二次反応容器220と緩衝液接合部228との間に延設され得る。二次出口バルブ227は、二次出力チャンネル226を通じた出力流体の排出を制御するために、二次出口チャンネル226内に配設され得る。例えば、二次出口バルブ227は、比較的高い割れ圧力を有する高圧バルブを含み得る。
【0165】
品質管理(QC)モジュール260は、分析のために二次反応容器220(又は二次容器がない場合は一次反応容器210)から一定量の出力流体を受け入れるように構成された品質管理QC容器261を備える。サンプルカートリッジ200は、真空圧力が付与されて、出力流体を二次出力チャンネル226からQC容器261に引き込み得る、QC空気圧チャンネル262及びQC空気圧ポート263を更に備え得る。QC容器261の上部は、例えば、蓋又はフォイルで封止され得る。
【0166】
いくつかの実施形態において、QC容器261には、光学モジュール400による光学分析を容易にするために、染料(任意選択で乾燥染料)が予め装填されてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態において、出力流体は、光学分析の前に、品質管理緩衝液と混合され得る。QC緩衝液は、出力流体とともにQC容器261内に移送される前に、QC緩衝剤容器265内に保持され得る。例えば、QC緩衝剤容器265は、緩衝液が試薬モジュール300によってQC緩衝剤容器265に分注され得るように、開放上部を画定し得る。
【0168】
サンプルカートリッジ200は、緩衝剤接合部228にて、QC緩衝剤容器261から二次出力チャンネル226(又は二次容器がない場合は一次出力チャンネル216)まで延設されたQC緩衝剤チャンネル266を備え得る。QC緩衝剤バルブ267は、QC緩衝剤チャンネル266内に配設されて、QC緩衝剤チャンネル266を通じた緩衝液の流れを制御し得る。例えば、QC緩衝剤バルブ267は、対応するQC緩衝剤空気圧ポート268に正圧又は負圧を付与することによって作動される圧力作動バルブなどの作動バルブを含み得る。
【0169】
サンプルカートリッジ200は、二次出力チャンネル226及び緩衝剤チャンネル266と流体連通し、緩衝剤接合部228から品質管理接合部229まで延設された、計量チャンネル299を更に備え得る。
【0170】
サンプルカートリッジ200は、QC接合部229とQC容器261との間に延設されたQCチャンネル269を更に備えてもよい。サンプルカートリッジ200は、QCチャンネル269を通じてQC容器261内への流体の流れを制御するために、QCチャンネル269内に配設されたQC容器バルブ264を更に備えてもよい。QC容器バルブ264は、比較的低い割れ圧力を有する低圧バルブを含み得る。
【0171】
QC緩衝剤バルブ267が閉じられている間、真空圧力は、QC容器空気圧ポート263に付与されて、二次出力バルブ227の閾値を短時間克服する比較的高い圧力差を生じて、二次反応容器220からの出力流体の一部を緩衝剤接合部228を通って二次出力チャンネル226に引き込み、QC接合部229までの計量チャンネル299に引き込み、その後、圧力差を中和して流れを停止させ得る。計量チャンネル299は、出力流体の正確な一定分量を画定するために、計量チャンネル299が緩衝液接合部228からQC接合部229まで充填され得るように、既知の容量(例えば、1μL)を画定し得る。
【0172】
次に、QC緩衝剤バルブ267は、QC緩衝剤空気圧ポート268に適切な作動圧力を付与し、QC容器空気圧ポート263に真空圧力を加えて、低圧QC容器バルブ264を開放するのに十分に高いものの、高圧二次出力バルブ227の閾値を下回る圧力差を生じることによって、開放され得る。これにより、QC緩衝液は、測定チャンネル299からの出力流体の一定分量とともに、QC緩衝剤チャンネル266を通じて、並びに測定チャンネル299及びQCチャンネル269を通じて、QC容器261に流入させることができる。
【0173】
次に、混合された流体は、分析のためにQC容器261内の予め装填された染料と混合され得る。
【0174】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200は、対応するQC基準空気圧チャンネル272及びQC基準空気圧ポート273をそれぞれ備えた1つ以上のQC基準容器271を更に備えてもよく、これらには、各々、所与の量の乾燥染料が予め装填され得る。各QC基準容器271はまた、対応するQC基準空気圧ポート273に真空圧力を付与することによって、QC基準容器271に引き込まれる特定必要量のQC緩衝液を受け取るように構成された、対応するQC緩衝剤容器275も有し得る。
【0175】
次いで、QC容器261の内容物は、例えば、特定の成分の濃度などの出力流体の特性を測定するために、光学モジュール400を使用してQC基準容器271の内容物と比較可能である。
【0176】
サンプルカートリッジ200は、QC接合部229で二次出力チャンネル226から分岐し、二次出力チャンネル226を出力容器250に接続する最終出力チャンネル256を更に備える。最終出力バルブ257は、最終出力チャンネル256内に配設され、最終出力チャンネル256を通じた流れを制御する。最終出力バルブ257には、例えば、低圧逆止バルブが含まれ得る。
【0177】
サンプルカートリッジ200は、出力容器250と出力容器空気圧ポート253との間に延設された出力容器空気圧チャンネル252を更に備える。真空圧力は、出力容器空気圧ポート253に適用されて、出力流体を最終出力チャンネル256を通じて出力容器250に引き込み得る。
【0178】
最終出力チャンネル256及び出力容器空気圧チャンネル252は、器具ワークフロー中に閉鎖された出力容器250を封止するために使用される、一時的な取り外し可能な蓋259(
図2F及び2Gに示される)に接続され得る。サンプルが処理され、サンプルカートリッジ200が器具100から取り外されると、一時的な蓋259は、出力容器250から取り外されてもよく、出力容器250は、主出力容器蓋251で閉じられてもよい。例えば、出力容器の蓋251は、
図2Aに示される通り、出力容器250と一体的に形成されたヒンジ付きの蓋であり得る。
【0179】
QC分析のための出力流体の正確な一定分量を測定するために、出力流体がQC接合部229と緩衝液接合部228との間の計量チャンネル299に充填され、最終出力チャンネル256に入るまで、所定の期間、真空圧力が付与され得る。計量チャンネル299の長さは、特定の既知の容量(例えば、1μL)を画定するように設計され得る。次に、最終出力チャンネル256を通じた流れは、出力容器空気圧ポート253での圧力を周囲圧力に戻すことによって停止され得る。
【0180】
次いで、QC緩衝剤バルブ267が開放されてもよく、真空圧力は、QC空気圧ポート263に付与されてもよく、QC緩衝剤容器265からQC及び緩衝液接合部228、229を合過ぎて計量チャンネル299及びQCチャンネル269を通じて緩衝液を引き込み、出力流体の一定分量を運び、QC容器261に引き込まれるようにしてもよい。このようにして、QCと緩衝剤接合部228、229との間に精密な一定分量の容量が画定され、これは、緩衝液と混合されるQC容器内のスラグとして進行する。
【0181】
QC緩衝剤容器265の内容物全体は、QCと緩衝接合部228、229との間のチャンネルに緩衝液(又はわずかな量のみ)が残らないように、QC容器261に引き込まれてもよい。これにより、既知の容量(又は既知の容量に非常に近い)の緩衝液がQC容器261に引き込まれたことが保証される。また、チャンネルに残っている可能性のある緩衝液の量を低減又は最小化し、出力流体を希釈するが、これは、高濃度の出力流体が必要な場合に好都合であり得る。
【0182】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200は、
図2Gに示される通り、余分な流体を廃棄物容器240に廃棄するための廃棄チャンネル279を備え得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、これは、過剰な流体がないように、精密な容量の出力流体及び緩衝液が測定され、QC容器261に引き込まれ得るため、必要ではない場合がある。
【0183】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200は、最終出力バルブ257と出力容器250との間の最終出力チャンネル256からの中間出口280を更に備え得る。出口280は、気体に透過性であるが液体が通過させない空気透過性膜281で封止され得る。膜281の他方側(チャンネル256の反対側)において、中間出口空気圧チャンネル282は、出口280を中間出口空気圧ポート283に接続する。中間出口空気圧ポート283に真空圧力を付与することによって、空気透過性膜281を通って空気を引き出すことができる。
【0184】
これが行われると、液体出力流体は、最終出力チャンネル256に沿って引き込まれるが、それが空気透過性膜281に到達すると停止する。これは、結果として、空気圧モジュール500によって検出され得る圧力勾配の増加に繋がり、これは、チャンネル256が中間出口280まで充填されたことを示す。この信号を使用して、測定チャンネル299及びQCチャンネル269を通じて緩衝液を流すなど、ワークフローの次のステップをトリガし得る。
【0185】
封止された反応容器210、220、QC容器261、QC基準容器271、出力容器250、及び廃棄物容器240は、これらの容器から出た流体サンプルの飛散による交差汚染又は器具汚染を伴わず、流体サンプルの処理を可能にする。これは、試薬モジュールから試薬を受け入れるための別個の容器(例えば、試薬容器230及び緩衝剤容器265、275)を提供し、必要に応じて、流れを駆動するための圧力勾配を作成するために、空気圧モジュール及び対応する空気圧ポートを使用して処理するために試薬を封止された容器に移すことによって達成される。封止された容器の上部又はその付近に入口チャンネル及び空気圧チャンネルの開口部を位置することでもまた、器具を汚染する可能性のある、サンプル流体の入口チャンネルへの逆流、又はサンプル流体の空気圧モジュールへの吸引の機会を低減する。
【0186】
図2Eを参照すると、カートリッジのチャンネル及びバルブのネットワークを更に詳細に示す、サンプルカートリッジ200の底面図が示されている。品質管理モジュール260の拡大図を
図2Fに示す。同様の要素は、同様の参照番号で示される。
【0187】
いくつかの実施形態において、QCモジュール260は、サンプルカートリッジ200などのより大きなサンプルカートリッジ、又はQC分析又は精密な流体計量を必要とし得る他のサンプルカートリッジの一部として含まれ得る。いくつかの実施形態において、QCモジュール260は、測定又は分析器具の一部として含まれ得る。
【0188】
図2Fを参照すると、いくつかの実施形態に係る、QCモジュール260が、別個のサンプルカートリッジ290として独立して考慮され得る。いくつかの実施形態は、
図2Fに示される通り、QCモジュール260のみを含む独立したサンプルカートリッジ290に関する。
【0189】
サンプルカートリッジ290は、例えば、流体分析器具とともに使用するために構成され得る。カートリッジ290は、分析のための流体サンプルを収容するように構成されたサンプル容器220を備える。サンプル容器220は、サンプルカートリッジ200の二次反応容器220に対応するか、又は二次反応容器220を備えないサンプルカートリッジ200内の一次反応容器210に対応し得る。
【0190】
カートリッジ290は、緩衝液を収容するように構成された(サンプルカートリッジ200と同様の)緩衝液容器265を備える。カートリッジ290は、分析のために少なくともいくつかの緩衝液と混合された流体サンプルの一定分量を含む混合流体を収容するように構成された、封止された分析容器261(QC容器261に対応する)を備える。
【0191】
カートリッジ290は、サンプル容器220と第1の接合部228(緩衝剤接合部228に対応する)との間に延設されたサンプルチャンネル226(二次出力チャンネル226に対応する)を備える。
【0192】
カートリッジ290は、サンプルチャンネル226を通じたサンプルの流れを制御するために、サンプルチャンネル226内に配設されたサンプルチャンネルバルブ227(二次出力バルブ227に対応する)を備える。
【0193】
カートリッジ290は、緩衝液容器265と第1の接合部288との間に延設された緩衝剤チャンネル266を備える。緩衝剤チャンネルバルブ267は、緩衝剤チャンネル266内に配設され、緩衝剤チャンネル266を通じた緩衝液の流れを制御する。
【0194】
カートリッジ290は、緩衝剤チャンネル266及びサンプルチャンネル226と流体連通する計量チャンネル299を備え、計量チャンネル299は、第1の接合部228と第2の接合部229(QC接合部229に対応する)との間に延設される。
【0195】
カートリッジ290は、測定チャンネル299と流体連通し、第2の接合部229と分析容器261との間に延設された分析容器チャンネル269(QCチャンネル269に対応する)を備える。カートリッジ290は、分析容器261と通信し、分析容器261内の圧力を選択的に調整して、分析容器チャンネル269を介して分析容器261内に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された分析容器空気圧ポート263(QC空気圧ポート263に対応する)を備える。
【0196】
サンプルチャンネルバルブ227及び緩衝剤チャンネルバルブ267のうちの少なくとも一方は、選択的に開閉されて、流体サンプルの一定分量が計量チャンネル299に引き込まれることを可能にし、次いで、緩衝液が、分析のための流体サンプルのアリコートとともに、緩衝剤チャンネル266を通って、並びに計量チャンネル299及び分析容器チャンネル269を通って分析容器261に引き込まれることを可能にすることアクティブバルブを含み得る。例えば、緩衝剤チャンネルバルブ267には、アクティブバルブが含まれてもよく、サンプルチャンネルバルブ227には、比較的高圧の逆止バルブが含まれてもよい。
【0197】
分析容器261には、分析を促進するために緩衝液及び流体サンプルと混合するように構成された染料が予め装填され得る。
【0198】
サンプルカートリッジ290又は200は、第2の接合部229を介して計量チャンネル299と流体連通する中間出口280を更に備え得る。中間出口280は、サンプルカートリッジ200の中間出口と同様であってもよく、これらは両方、以下に説明する特徴のいずれかを含んでもよい。
【0199】
図2O(隣接
図2F)を参照すると、いくつかの実施形態に係る、出口280の拡大上面斜視図が示される。
【0200】
いくつかの実施形態において、出口280は、第2の接合部229に位置され得る。いくつかの実施形態において、出口280は、第2の接合部229から離れて位置されてもよく、出口チャンネル285を介して第2の接合部229に接続されてもよい。
【0201】
サンプルカートリッジ290又は200は、中間出口280が開口する出口チャンバ284を備え得る。空気透過性液体バリア膜281は、出口280を覆ってもよい。
【0202】
サンプルカートリッジ290又は200は、出口チャンバ284と流体連通し、空気圧モジュールに接続されて、出口チャンバ284内の圧力を選択的に調整し、計量チャンネル299から空気透過性膜281を通じて空気を引き込むように構成された、中間出口空気圧ポート283を備え得る。
【0203】
サンプルカートリッジ290又は200は、中間出口空気圧ポート283と出口チャンバ284との間に延設された中間出口空気圧チャンネル282を備え得る。出口チャンバ284は、2つの流体開口部、すなわち、出口280及び中間出口空気圧チャンネル282の開口部のみで封止され得る。出口チャンバ284の上部は、例えば、フォイルで封止され得る。
【0204】
中間出口280は、サンプルチャンネル226又は緩衝剤チャンネル266から計量チャンネル299に引き込まれた液体が計量チャンネル299を充填することを可能にするものの、分析容器チャンネル269への進入を可能にしないように配置され得る。
【0205】
サンプルカートリッジ290又は200は、第2の接合部229と出口280との間に延設された出口チャンネル285を備えててもよく、サンプルチャンネル226又は緩衝剤チャンネル266から計量チャンネル299に引き込まれた液体が、計量チャンネル299を充填して、出口チャンネル285に進行することを可能にするものの、分析容器チャンネル269への進入を可能にしないようにする。
【0206】
サンプルカートリッジ290又は200は、第2の接合部229を介して、及び出力チャンネル256を介して、計量チャンネル299と流体連通する出力容器250を備え得る。出力チャンネル256は、第2の接合部229から出力容器250まで延設され得る。代替的に又は追加的に、出力チャンネルは、中間出口280と出力容器250との間に延設され得る。
【0207】
サンプルカートリッジ290又は200は、出力容器250と連通し、出力容器250内の圧力を選択的に調整して、計量チャンネル299から第2の接合部229及び出力チャンネル256を介して出力容器250に流体を引き込むように空気圧モジュールに接続されるように構成された出力容器空気圧ポート253を備え得る。
【0208】
計量チャンネルの容量を精密に画定できるため、サンプルカートリッジ290及びQCモジュール260のチャンネル、バルブ、容器、及び出口の配置により、サンプル流体(又は処理済みの流体)の一定分量の精密な定量化を可能にする。上述の配置は、精密な定量が必要とされる任意の用途の定量のため、精密な定量流体のために使用され得る。
【0209】
サンプルカートリッジ290は、サンプルカートリッジ200に関連して説明された通り、1つ以上の基準容器271及び関連の緩衝剤容器275、空気圧チャンネル272、及び空気圧ポート273を更に備え得る。
【0210】
出力チャンネル256及び出力容器空気圧チャンネル252は、出力チャンネル256及び出力容器空気圧チャンネル252の出力容器250内への開口部を画定する一時的な蓋259に接続され、出力容器250を封止するように構成され得る。一時的な蓋259は、出力容器250がサンプルカートリッジ290の基部202から取り外されることを可能にするために取り外されてもよく、出力容器250は、出力容器蓋251で封止されてもよい。
【0211】
サンプルカートリッジ200又は290は、所与の用途のために任意の好適なプラスチック材料で形成され得る。例えば、生物学的材料を取り扱うために、ポリプロピレンが使用され得る。
【0212】
サンプルカートリッジ200又は290は、射出成形によって形成され得る。例えば、サンプルカートリッジ200又は290は、開放上部又は開放側部を有するチャンネル、チャンバ、及び容器の一部又は全部で形成されてもよく、開口部の一部は、例えば、上述の封止されたチャンネル、チャンバ、及び容器を形成するための必要に応じて、溶接フォイルで封止されてもよい。
【0213】
基部内のチャンネルは、基部に熱溶接され得るポリプロピレン膜で覆われ得る。また、容器との間で通じた側壁のチャンネルは、同様に、本体に熱溶接されたポリプロピレン膜で覆われ得る。例えば、熱溶接は、レーザ溶接を含んでもよく、各チャンネルの周囲のトラクタ溶接は、膜を本体に固定して各チャンネルを画定し得る。
【0214】
バルブは、配置及び用途に応じて、任意の好適なアクティブ又はパッシブバルブを含み得る。好適なバルブには、異なる相対的な割れ圧力を有する逆止バルブ(例えば、
図2Jに図示)、ダックビルバルブ(例えば、
図2Lに図示)、アンブレラバルブ(例えば、
図2Mに図示)、表面張力及びキャピラリ作用に応じて異なる割れ圧力を有するマイクロ流体バルブ又はキャピラリバルブ、圧力作動スイッチバルブ(例えば、
図2Kに図示)、電子作動スイッチバルブ(例えば、電磁バルブ)、又はProdgerバルブなどの機械作動スイッチバルブ(例えば、
図2Nに図示)は含まれ得る。異なるバルブ種別の組み合わせを使用して、サンプルカートリッジ200内の必要な流れを達成し得る。
【0215】
図3A及び3Bを参照すると、いくつかの実施形態に係る、試薬モジュール300が示されている。試薬モジュール300は、フレーム350に取り外し可能に搭載された複数の試薬カートリッジ320を備える。フレーム350はまた、試薬カートリッジ320からの試薬の分注を制御するように構成されたポンプ360を支持する。
【0216】
単離された試薬カートリッジ320を
図3Bに示す。各試薬カートリッジ320は、リザーバ322、可撓性分注チューブ323、及びリザーバ322を支持するように構成され、試薬モジュールフレーム350と係合して試薬カートリッジ320をフレーム350に搭載するように構成された試薬カートリッジフレーム325を備える。
【0217】
ポンプ360は、蠕動ポンプを含み得る。例えば、ポンプ360は、ポンプシャフト363及びポンプシャフト363に搭載されたポンプカム(図示せず)の回転を駆動するようにそれぞれ構成された、1つ又は複数のモータ362を備え得る。ポンプカムは、例えば、丸い歯付き歯車のように、突起を有する略円形であってもよい。
【0218】
試薬モジュールフレーム350に搭載されると、試薬カートリッジフレーム325は、チューブ323の一部がポンプカムの円周の周りに少なくとも部分的に延びるように、分注チューブ323を支持してもよく、ポンプカムが対応するモータ362によって回転されると、ポンプカムの突起が分注チューブ323の一部に接触して圧縮し、それによって、ポンプカムが回転するにつれて、流体が分注チューブ323を通じて押し出されるようにしてもよい。分注チューブ323は、試薬モジュール300がサンプルカートリッジ200と整列しているときに、開口部が試薬をサンプルカートリッジ200の所望の容器(試薬容器又はQC緩衝剤液容器)に分注するように位置決めされ得る。
【0219】
分注チューブ323は、任意の好適な材料で形成されてもよく、場合によっては、それぞれの試薬との適合性に応じて異なる材料で形成されてもよい。例えば、分注チューブ323は、シリコーン、ビトン、又はChem-Durance Bioチューブで形成され得る。
【0220】
各試薬カートリッジ320は、モータ362の対応する1つによって駆動される各ポンプカムによって係合され得る。いくつかの実施形態において、単一のポンプカム、又は複数のポンプカムの回転を駆動するように構成された単一のポンプシャフト363は、分注を制御するために試薬カートリッジ320のうちの1つを超える数の試薬カートリッジ320と係合するように構成され得る。例えば、複数の試薬を同時に、同様の量で分注する場合、対応する試薬カートリッジ320は、単一のポンプシステムによって同時に係合され、試薬をサンプルカートリッジ200に分注してもよい。
【0221】
ポンプ360は、独立したモータ362及び駆動シャフト363を備えて、異なる試薬カートリッジ320からの試薬の分注を独立して制御し得る。
【0222】
異なる試薬カートリッジ320のリザーバ322は、その中に含まれる異なる試薬の消費の予想比率に比例して、異なる容量を画定し得る。例えば、第1の試薬が典型的には第2の試薬の2倍の容量で分注される場合、第1の試薬のためのリザーバ322は、第2の試薬のためのリザーバ322の容量の2倍であってもよい。
【0223】
リザーバ322は、特定の数の器具ワークフローを実行するのに十分な容量の試薬を含み得る。試薬リザーバ322が空であるとき、試薬モジュール300は、
図1Bに示される通り、器具ハウジング110から部分的にスライドさせて、試薬リザーバ322を再充填することができるか、又は空の試薬カートリッジ320を完全に取り外して充填された試薬カートリッジ320と交換することができるようにする。
【0224】
いくつかの実施形態において、試薬モジュールフレーム350は、運動モジュール900のキャリッジ920を含み得るか、又は搭載され得る。試薬モジュール300は、カートリッジスロット120内の複数のサンプルカートリッジ200にわたる移動軸903に沿って(運動モジュール900によって)移動されてもよく、器具ワークフロー中の選択された時点で試薬をサンプルカートリッジ200に分注し得る。
【0225】
試薬モジュール300は、サンプルカートリッジ200の選択された1つに対応する選択された時点で、選択されたキャリッジ位置に移動され得る。次いで、ポンプ360は、対応する試薬カートリッジ320から1つ以上の試薬を、例えば、試薬容器230又は品質管理緩衝液容器などのサンプルカートリッジ200内の選択された容器に分注するように操作され得る。
【0226】
図4A及び4Bを参照すると、いくつかの実施形態に係る、光学モジュール400の図が示されている。光学モジュール400は、光源410及び検出器420を備える。光源410は、QC容器261内の出力液体、又はQC基準容器271のうちの1つの基準液体を含み得る、品質管理(QC)サンプル404を照明するように構成される。検出器420は、QCサンプル404から透過した光を検出及び測定するように構成される。
【0227】
例えば、光源410は、LED又はレーザを含み得る。検出器420は、フォトダイオード又は他の任意の好適な光検出器を含んでもよい。光源410及び検出器410は、可視、近可視、赤外線、及び紫外線範囲を含む、用途及び測定される特性に応じて、任意の好適な周波数範囲で動作するように構成され得る。
【0228】
光学モジュール400は、QCサンプル404から透過された散乱光、屈折光、又は反射光のうちのいずれか1つ以上を測定するように構成され得る。
【0229】
いくつかの実施形態において、光学モジュール400は、1つ以上のレンズ、フィルタ、及び/又は、他の光学デバイスを備え得る。例えば、光学モジュール400は、光源410からの光を(例えば、平行線に)集束させるためのソースレンズ412と、光源410からの光をQCサンプル404に向かってリダイレクトするためのビームスプリッタ414と、光源光をQCサンプル404に集束させ、QCサンプル404から透過した光を(例えば、平行線に)再集束させるためのサンプルレンズ402と、QCサンプル404から透過された光を検出器420に集束させるための検出器レンズ422と、検出器経路及び/又はソース経路に配設された、特定の周波数の光をフィルタするための1つ以上のフィルタ430とを備え得る。
【0230】
光学モジュール400は、運動モジュール900のキャリッジ920(試薬モジュール300と同一のキャリッジ又は独立したキャリッジ920のいずれか)に搭載されてもよく、光学モジュール400がカートリッジスロット120内のサンプルカートリッジ200の選択されたいずれか1つと整列して、サンプルカートリッジ200に配設されたQCサンプル404を光学的に分析することを可能にしてもよい。
【0231】
例えば、
図2Aに示されるサンプルカートリッジ200は、比較する1つのQC容器261及び3つのQC基準容器271を備える。QC容器261及び3つのQC基準容器271は、光学モジュール404の移動軸904に平行なサンプルカートリッジ200の横方向軸に沿って配置されてもよく、光学モジュール400がQCサンプル404にすぐにアクセスできるようにしてもよい。キャリッジ920は、運動モジュール900によって、QC容器261及び3つのQC基準容器271の位置に対応する異なるキャリッジ位置に移動され得る。
【0232】
QC容器261及び3つのQC基準容器271は、光が光源410からその中に含まれるQCサンプル404内に通過し、QCサンプル404から光検出器420に通過することを可能にする透明な窓を(上部、下部、又は側方に)含み得る。窓は、散乱を最小限に抑えるために、SPI A-1グレードの表面仕上げを有し得る。ウィンドウの厚さは、3mm以下であり得る。
【0233】
運動モジュール900は、QCサンプル404が光学モジュール400の光学焦点面から2mm以内にあり、任意選択で1.25mmの横方向位置公差内にあるように、光学モジュール400とともに位置決めし得る。光学モジュール400及びサンプルカートリッジ200の特性に応じて、異なる公差が異なる用途に好適であり得る。
【0234】
いくつかの実施形態に係る、空気圧モジュール500が、
図1Cに示されている。空気圧モジュール500は、圧力レギュレータ及びコンプレッサ、真空発生器又は真空ポンプを備え得る。代替的に、空気圧モジュール500は、例えば、外部圧力源又は真空ラインに接続されるように構成され得る。
【0235】
空気圧モジュール500は、サンプルカートリッジ200の空気圧ポートに接続するように構成されたカートリッジスロット120に隣接するコネクタを備えた空気圧ライン及びバルブのネットワークを備え得る。空気圧モジュール500は、器具ワークフロー中の選択された時点で、(大気圧に対して)正圧及び/又は負圧を、サンプルカートリッジ200の選択された空気圧ポートに選択的に送達するように構成され得る。
【0236】
いくつかの実施形態において、空気圧モジュール500は、サンプルカートリッジ200の異なる空気圧ポートに異なる大きさの相対圧力差を送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、空気圧モジュール500は、異なる時点で、サンプルカートリッジ200の選択された空気圧ポートに異なる大きさの相対圧力差を送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、空気圧モジュール500は、サンプルカートリッジ200の空気圧ポートに負圧のみを送達するように構成され得る。
【0237】
いくつかの実施形態において、空気圧モジュール500は、空気圧ラインのセットを備えてもよく、空気圧ラインの各セットは、カートリッジスロット120内の複数のサンプルカートリッジ200の全ての対応する空気圧ポートに選択された圧力を同時に送達するように構成される。例えば、一次空気圧ポート213の全てに特定の負圧を同時に付与する。
【0238】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジ200の各空気圧ポートは、圧力変動を伴うことなく、選択された時点でそれに送達される単一の選択された圧力又は圧力範囲を有し得る。
【0239】
空気圧モジュール500は、器具ワークフローの選択された時点で必要な圧力を必要な空気圧ポートに選択的に送達するための任意の好適なバルブシステムを備え得る。例えば、制御モジュール101によって電子的に操作されるソレノイドバルブのアレイ、又はマニホールドバルブシステム、又はロータリーバルブシステムである。
【0240】
図5A及び5Bを参照すると、いくつかの実施形態に係る、空気圧モジュール500、熱モジュール600、磁気モジュール700、混合モジュール800、及び運動モジュール900の一部は、シャーシ又はハウジング110内に収容され、カートリッジスロット又はソケット120を画定するために協働するコアユニット1100を形成することが示されている。
【0241】
空気圧コネクタ510は、空気圧支持フレーム505によって支持されるカートリッジスロット120の下方に示される。支持フレーム505は、運動モジュール900の一部を形成し得る空気圧モジュールアクチュエータ905に接続される。空気圧モジュールアクチュエータ905は、空気圧コネクタ510を上昇及び下降させるように構成されたモータ又は直線アクチュエータを含み得る。空気圧コネクタ510は、サンプルカートリッジ200をカートリッジスロット120に装填する(又はそれらをカートリッジスロット120から取り外す)ために下方位置にあってもよい。サンプルカートリッジ200がカートリッジスロット120内に収容されるとき、空気圧モジュールアクチュエータ905が操作され、空気圧支持フレーム505及び空気圧コネクタ510を上昇させて、空気圧コネクタ510がサンプルカートリッジ200内の空気ポートと係合し、空気圧モジュール500をサンプルカートリッジ200のチャンネルに流体接続するようにする。
【0242】
いくつかの実施形態において、運動モジュール900は、ハウジング110内で器具100の他の構成要素を上昇及び下降させるように構成された垂直移動プラットフォーム950を更に備え得る。プラットフォーム950の移動は、
図4Bに示される通り、例えば、モータ957及びリードスクリュー959を備えたリニアアクチュエータ又はリードスクリューアクチュエータを含み得るプラットフォームアクチュエータ955によって駆動され得る。
【0243】
垂直移動プラットフォーム950は、例えば、熱モジュール600及び/又は磁気モジュール700の構成要素、並びに上昇及び下降される必要があり得る器具の他の任意の構成要素を、上昇及び下降させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、空気圧支持フレーム505及びコネクタ510は、同様の垂直移動プラットフォーム950に搭載され得る。いくつかの実施形態において、運動モジュール900は、異なる構成要素又は構成要素のグループを独立して上昇及び下降させるように独立して操作されるように構成された複数の垂直移動プラットフォーム950を備え得る。例えば、熱モジュール及び磁気モジュールは、単一の垂直移動プラットフォームに搭載されてもよく、これには、磁気モジュールとは独立して熱モジュールを上昇及び下降させるために、追加の垂直移動プラットフォームが搭載されてもよい。
【0244】
いくつかの実施形態において、器具100は、垂直移動プラットフォーム950を備えなくてもよい。
【0245】
熱モジュール600は、1つ以上の熱制御デバイス610を備えてもよく、これには、加熱及び/若しくは冷却要素、熱電デバイス、ペルチェ要素、抵抗ヒータ、熱ランプ、熱交換器、及び/又はファンが含まれ得る。加熱(又は他の熱制御)が(例えば、培養のために)器具ワークフローの1つの間に必要とされるとき、プラットフォーム950は、熱制御デバイス610(例えば、ヒータ)をカートリッジスロット内のサンプルカートリッジ200により近づけるように上昇されてもよく、熱制御デバイス610は作動されてもよい。
【0246】
いくつかの実施形態において、熱モジュール600は、反応容器の加熱を促進するために、加熱要素に結合された導電部材を含んでもよい。例えば、導電部材は、プレート又はジャケットを含んでもよく、これらは、反応容器を部分的に包囲するように構成された相補的な表面を画定してもよい。
【0247】
熱モジュール600は、加熱要素及び導電部材の下方に配設され、周囲の空気を加熱要素及び導電部材の周りに導き、必要に応じてこれらを冷却するように構成された冷却ファンを備え得る。
【0248】
カートリッジは、一次反応容器210及び/又は二次反応容器220の底部周辺の基部202内に、反応容器210、220の傍に位置決めするための1つ以上の導電性部材及び/又は磁石の通過を可能にするように構成された、開口部を画定してもよい。
【0249】
いくつかの実施形態において、熱モジュール600は、カートリッジスロット120に近接した位置に固定され、一次及び/又は二次反応容器210、220と整列され、特定のワークフロー動作に必要な熱調整に応じて、加熱から冷却又は中間に単純に切り替えられ得る。
【0250】
磁気モジュール700は、一次及び/又は二次反応容器210、220内の磁気ビーズの移動を制御するように配置された1つ以上の磁石710を備え得る。磁石710は、永久磁石及び/又は電磁石を含んでもよく、磁気ビーズが静止しているときに一次及び/又は二次反応容器210、220の近くに上昇させられ、磁石710が磁気ビーズにあまり影響を及ぼさないように、一次及び/又は二次反応容器210、220から更に離れて降下されるように、垂直移動プラットフォーム950に搭載され得る。磁石710は、チャンネル内への排出流の遮断又は狭窄を回避するために、ビーズを排出出口から遠ざけるように保持すべく、一次及び/又は二次反応容器210、220のいずれかの側に配設され得る。
【0251】
いくつかの実施形態において、例えば、磁石710が電磁石を含むとき、磁石710は、特定のワークフロー動作に必要な状態に応じて、カートリッジスロット120に近接した位置に固定され、一次及び/又は二次反応容器210、220と整列され、オン又はオフに単純に切り替えられ得る。
【0252】
いくつかの実施形態において、器具は磁気モジュール700を含まなくてもよく、一次及び/又は二次反応容器内の機能化ビーズは、例えば、フィルタなどの物理的障壁又は制限によって出力チャンネルから遠ざけられてもよい。
【0253】
混合モジュール800は、サンプルカートリッジ200内の流体の混合を強化するための任意の好適なデバイスを含み得る。例えば、混合モジュール800は、シェーカ810を含んでもよい。シェーカ810は、器具100内の振動を誘発するためにモータによって回転されるように構成された偏心カム又はオフセットウェイトなどのオービタルシェーカを含み得る。代替的に、他の従来の混合デバイスを使用して、サンプルカートリッジ200内の流体の混合を促進し得る。いくつかの実施形態において、混合モジュール800は、サンプルカートリッジ200の全てを同時に振るように構成された単一シェーカ810を含む。
【0254】
オービタルシェーカは、器具を転倒させることなく、カートリッジを振動させるように構成された複数のウェイト及びカウンタウェイトを含み得る。必要な用途に好適な振動の好適な電力、周波数、及び振幅を選択し得る。比較的壊れやすい分子(例えば、核酸)を処理するために、2000rpm未満の周波数、例えば、約1100rpmなどが好適であり得る。
【0255】
図6を参照すると、いくつかの実施形態に係る、制御モジュール101の概略図が示されている。制御モジュール101は、試薬モジュール300、光学モジュール400、空気圧モジュール500、熱モジュール600、磁気モジュール700、混合モジュール800、及び運動モジュール900の制御を含み得る、器具100によって実行される操作を制御するように構成された電子機器及びソフトウェアを備える。
【0256】
制御モジュール101はまた、モジュールの操作を監視するための1つ以上のセンサを備え得る。センサには、例えば、位置センサ、加速度計、近接センサ、角度センサ(例えば、シャフト角度又は速度センサ)、ホールセンサ、及び圧力センサが含まれ得る。
【0257】
図5C~5Fを参照すると、以下で更に説明するように、サンプルカートリッジ200(又は
図7Aに示されるサンプルカートリッジ1000)を受け入れるように構成され得る、いくつかの実施形態に係る、コアユニット1100が更に詳細に示されている。
【0258】
コアユニット1100は、各々がカートリッジ1000を受け入れるように構成されたカートリッジスロット又はソケット120を少なくとも部分的画定し得る。各カートリッジソケット120は、カートリッジ1000を空気圧ライン515を介して空気圧モジュール500に係合及び接合させるように構成された関連空気圧インターフェースプレート1500(
図5D)を有し得る。
【0259】
空気圧プレート1500は、空気圧ライン515と流体連通した空気圧プレートポート1501、1502、1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510を画定し得る。空気圧プレートポートは、順に、カートリッジ1000(
図7B)内の対応するカートリッジ空気圧ポート1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210と接続するように構成される。空気圧プレートポートは、他の異なるサンプルカートリッジに適合するように、異なって、又は異なる数で配置され得る。対応する空気圧プレートポートとサンプルカートリッジ1000の下側のカートリッジ空気圧ポートとの間の配置及び接続は、
図5D及び7Bを比較することによって理解することができる。
カートリッジポート1201は、空気圧プレートポート1501に接続するように構成される。
カートリッジポート1202は、空気圧プレートポート1502に接続するように構成される。
カートリッジポート1203は、空気圧プレートポート1503に接続するように構成される。
カートリッジポート1204は、空気圧プレートポート1504に接続するように構成される。
カートリッジポート1205は、空気圧プレートポート1505に接続するように構成される。
カートリッジポート1206は、空気圧プレートポート1506に接続するように構成される。
カートリッジポート1207は、空気圧プレートポート1507に接続するように構成される。
カートリッジポート1208は、空気圧プレートポート1508に接続するように構成される。
カートリッジポート1209は、空気圧プレートポート1509に接続するように構成される。
カートリッジポート1210は、空気圧プレートポート1510に接続するように構成される。
【0260】
空気圧モジュール500は、カートリッジ1000のチャンネル内の液体流を駆動し、及び/又は、カートリッジ1000内のバルブを操作するために、各空気圧ライン515内の圧力を独立して選択的に調整するように構成され得る。
【0261】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、空気圧ライン515の一部又は全部において正の動作圧力(周囲圧力を上回る)に合わせて構成され得る。例示の実施形態において、サンプルカートリッジ1000は、空気圧ライン515の全部において負の動作圧力(周囲圧力を下回る)に合わせて構成される。
【0262】
いくつかの実施形態において、サンプルカートリッジは、単一の圧力レベルで動作圧力に合わせて構成され得る。例示の実施形態において、サンプルカートリッジ1000は、2つの動作圧力レベルに合わせて構成される。第1の動作圧力は、例えば、180mBar~500mBar、190mBar~350mBarの範囲、又は約200mBarの比較的高い大きさの負圧であり得る。第2の動作圧力は、例えば、50mBar~200mBar、80mBar~150mBar、100mBar~120mBarの範囲、又は約120mBarの比較的低い大きさの負圧であり得る。2つの圧力レベルの差は、例えば、20mBar~200mBar、50mBar~100mBarの範囲、少なくとも20mBar、少なくとも50mBar、又は少なくとも100mBarであってもよい。カートリッジ空気圧ポート1201、1202、1203、1204、1205は、比較的高い第1の動作圧力に合わせて構成され得る。カートリッジ空気圧ポート1206、1207、1208、1209、1210は、比較的低い第2の動作圧力に合わせて構成され得る。
【0263】
ソケット120は、ソケット120への挿入時、カートリッジ基部202の縁部1220を摺動可能に収容するように構成された溝を画定する平行レール1120を備え得る。レール1120は、カートリッジ基部202と一体的に形成された弾性クリップ1222を受け入れるように構成された凹部1122を備え得る(
図7F)。
【0264】
空気圧インターフェースプレート1500は、ソケット120の下方に位置決めされ、ばねによって係合位置に付勢され得る。コアユニット1100は、運動モジュール900の一部を形成するモータ1192によって操作される一対のリードスクリュー1191上下に移動させるように構成されたコアキャリッジ1190を備え得る。コアキャリッジ1190は、内部構成要素をより良く視覚化するために、コアユニット1100の構成要素の一部を省略した
図5Eに見てとることができる。
【0265】
空気圧プレート1500は、引き込みロッド1520に接続されてもよく、これは、コアカートリッジ1190が引き込みロッド1520を上下にスライドさせることができるようにコアカートリッジを通過し、引き込みロッド1520の下端は、コアカートリッジ1190の下方に位置決めされたストップ1522を備える。コアキャリッジ1190がストップ1522との係合を超えて降下されるとき、引き込みロッド1520及び空気圧インターフェースプレート1500は、コアキャリッジ1190とともに下降される。
【0266】
インターフェースプレート1500の格納は、カートリッジ1000のソケット120への挿入を可能にする。運動モジュール900は、コアキャリッジ1190を上昇させてばねにインターフェースプレート1500を上昇させ、これをカートリッジ1000の基部202に押し付け、インターフェースプレート1500とレール1120との間でこれをクランプするように操作され得る。
【0267】
空気圧インターフェースプレート1500は空気圧プレート1500とカートリッジ1000との間で圧縮及び変形されて、対応する空気圧ポート1501、1201の間の接続周辺に封止を提供するように構成された、空気圧プレートポート1501、1502、1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510の各々を包囲するガスケット又は封止部分1530を備え得る。ガスケット1530は、例えば、ゴム、シリコーン、又はその他のポリマーなどの任意の好適なエラストマー材料で形成され得る。ガスケット1530は、円錐台形、例えば、空気圧インターフェースプレート1500の対向する平坦面とカートリッジ1000の底部との間に封止を提供するための他の任意の好適な形状を画定し得る。
【0268】
熱モジュール600は、一端にラジエータ662、及び反対側の端部に冷却ファン663を含むヒータ610を備えてもよく(
図5F)、これは、コアキャリッジ1190又は独立した運動ステージに搭載され得る。
【0269】
ラジエータ662及び磁石710は、
図5D及び5Eに示される通り、スリットを画定して、それらが
図7B及び5Fに示される通り、カートリッジ1000の基部の孔1230を通って伸張することを可能にし、ラジエータ662、磁石710、及び反応容器210、220の間の更なる近接を可能にし得る。
【0270】
図7A~7Zを参照すると、いくつかの実施形態に係る、サンプルカートリッジ1000が更に詳細に示されている。サンプルカートリッジ1000は、サンプルカートリッジ200に関して記載されたものと同様の特徴を含み、同様の特徴は同様の参照符号で示される。
【0271】
図7Cを参照すると、サンプルカートリッジ1000が、サンプルカートリッジ1000を形成するために組み合わされた種々の構成要素を示す分解斜視図において示されている。
【0272】
サンプルカートリッジ1000は、基部202、一次反応容器210、二次反応容器220、試薬容器230、及び廃棄物容器240を画定する本体1001を備える。本体1001はまた、以下に詳細に記載される他の特徴を画定する。
【0273】
本体1001は、特定の用途に好適な任意の材料の任意の適切な手段によって形成され得る。いくつかの用途では、サンプル及び試薬が処理されるのに好適な非反応性材料を必要とする場合がある。本体1001は、例えば、ポリカーボネート又はポリプロピレンなどの非反応性ポリマー材料で射出成形及び形成され得る。
【0274】
本体1001は、サンプルカートリッジ200に関して記載の通り、及びカートリッジ1000に関して更に以下に記載される通り、複数のチャンネルを画定する。本体1001に画定されたチャンネルの一部は、射出成形による製造を容易にするために部分的に開放している。本体1001によって画定される容器の一部は、製造を促進するための開口部を備えて形成され得る。カートリッジ1000は、容器開口部の一部を被覆及び封止し、開放チャンネルを被覆し、チャンネルを画定するよう協働するように本体1001に接続された複数の膜を備え得る。
【0275】
膜は、例えば、ポリプロピレン等の任意の好適な材料で形成されてもよく、例えば20μm~200μm、50μm~150μmの範囲、又は約100μmの厚さを有してもよい。
【0276】
膜は、例えば、接着剤接着、及び/又は、熱溶接又はレーザ溶接などの溶接によって本体1001に固定され得る。
【0277】
カートリッジ1000は、
基部202に画定されたチャンネルを被覆する基部膜1402と、
廃棄物容器240の上部を被覆及び封止するための廃棄物上部膜1440と、
廃棄物空気圧チャンネル242の一部を被覆する廃棄物側膜1442と、
一次空気圧チャンネル212の一部を被覆する一次空気圧側膜1412と、
一次試薬チャンネル231の一部を被覆する一次試薬側膜1431と、
二次試薬容器220の上部を被覆及び封止するための二次上部膜1420と、
二次空気圧チャンネル222及び二次試薬チャンネル232の一部を被覆する二次側膜1422と、
中間出口チャンバ284Tの上部を被覆及び封止するための中間出口膜1480と、
QC容器261及びQC基準容器271の上部を被覆及び封止するためのQC上部膜1461と、
QC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272の一部を被覆するQC側膜1462と、を備え得る。
【0278】
カートリッジ1000は、カートリッジ空気圧ポート1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210を画定する空気圧チャンネルプレート1602と、基部202内の対応する空気圧ポート及び空気圧チャンネルに空気圧ポートを接続して、基部内の流体チャンネルを通じた流体の流れを駆動し、カートリッジバルブを操作する複数の空気圧チャンネルと、を更に備え得る。空気圧チャンネルプレート1602はまた、
図7J及び7Nに関連して以下に更に記載の通り、基部202に画定されたバルブポート及び基部膜1402と協働してバルブを画定するバルブ凹部を画定し得る。
【0279】
空気圧チャンネルプレート1602は、基部膜1402が間に挟まれた状態で、基部202に結合され得る。空気圧チャンネルプレート1602は、感圧接着剤(PSA)、例えば、3M 300LSE接着剤など、接着剤接合によって、基部膜1402及び/又は基部202に接着接合され得る。接着剤は、PSA層1606として調製されてもよく、例えば、基部202のバルブ及び空気圧ポートなどの接合を必要としない特定の部分に対応する開口部を画定する。
【0280】
カートリッジ1000は、空気の通過を可能にするものの、液体の通過に抵抗又はこれを防止するように構成されたガス透過性膜を更に備え得る。サンプルカートリッジ200に関して検討した通り、ガス透過性膜を使用して、カートリッジ100内の空気圧チャンネルに不注意に入る可能性のある液体が、処理中にカートリッジ1000から逃れ、潜在的に器具100を汚染することを制限し得る。
【0281】
ガス透過性膜は、サンプル及び関与する試薬を考慮して、疎水性ガス透過性膜、例えば、PTFE又はPPなどの所与の用途のための任意の好適な材料で形成され得る。ガス透過性膜は、例えば、20μm~200μm、50μm~150μmの範囲、又は約110μmの厚さを有し得る。
【0282】
カートリッジ1000は、
一次空気圧チャンネル212に関連付けられた(及び任意選択で、QCQC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272にも関連付けられた)一次透過性膜1415と、
二次空気圧チャンネル222に関連付けられた二次透過性膜1425と、
廃棄物空気圧チャンネル242に関連付けられた廃棄物透過性膜1445と、
中間出口280に関連付けられた中間出口透過性膜281と、を備え得る。
【0283】
図7D及び7Eは、基部202、基部膜1402、PSA層1606、及び空気圧チャンネルプレート1602の上面及び底面を示し、構成要素が層の積層中においてともにいかに接続するように整列されるかを示している。
【0284】
基部202は、チャンネルを画定するために基部膜1402で被覆された基部202の底面に凹んでいる複数のチャンネルを画定する。基部膜1402及びPSA層1606は、基部202及び空気圧チャンネルプレート1602内の種々のポート、バルブ及び孔に対応する貫通厚さの孔を有する簡易なシートを画定する。空気圧チャンネルプレート1602は、複数の空気圧チャンネルを画定し、空気圧チャンネルプレート1602の上面のバルブ凹部、及びカートリッジ空気圧ポート1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210は、空気圧チャンネルプレート1602の底面に画定される。
【0285】
図7F~7Kは、容器、チャンネル、バルブ、及びポートの経路及び接続を示すべく、層間の比較を容易にするために、カートリッジ1000の下から見た各層を通る横断面を示している。
図7Lは、直接比較のために、並びに対応する特徴の整列を見るために、空気圧チャンネルプレート1602(
図7J)のチャンネル、バルブ凹部、及び空気圧ポートに重ねられた基部202(
図7G)のチャンネル及びバルブを示す。
【0286】
図7Fは、基部チャンネルの直上の基部202の上層を示す。カートリッジソケット120のレール1120及びクリップ凹部1122と係合するように構成された、基部202の縁部1220及び弾性クリップ1222が示されている。
【0287】
基部はまた、注入成形後の材料収縮による反りを軽減するために、厚さを低減した試薬容器230を包囲する凹部1230を画定し得る。例えば、基部202は、他の領域では約2.5mmの厚さを有し、凹部1230では約1.5mmまで先細にされ得る。
【0288】
図7Gは、基部202の底面に形成されたチャンネルを示す。
図7F及び7Gを参照すると、これらのチャンネルは、例示の目的のためにのみ
図2Gのフロー回路図に対応して説明される。チャンネル及びバルブは、他の実施形態においては異なって配置されてもよく、異なる容器の組み合わせに関連付けられた異なるチャンネル及びバルブを含んでもよい。
【0289】
一次廃棄物チャンネル214は、
図7Gの2つのバルブポート間の間隙として示される一次廃棄物バルブ215を介して、一次反応容器210の底部の出口と廃棄物容器240の底部の入口との間に延設される。
【0290】
二次廃棄物チャンネル224は、
図7Gの2つのバルブポート間の間隙として示される二次廃棄物バルブ225を介して、二次反応容器220の底部の出口と廃棄物容器240の底部の入口との間に延設される。
【0291】
一次試薬チャンネル231は、
図7Gの2つのバルブポート間の間隙として示される一次試薬バルブ235を介して、試薬容器230の底部の出口と一次反応容器210(
図7M)の入口との間に延設される。
【0292】
以上に検討したように、
図7Mに示される通り、及び
図7Oに更に詳細に示される通り、一次試薬チャンネル231の入口は、一次反応容器210の上部付近で一次反応容器210内に開口し得る。
【0293】
いくつかの実施形態において、一次反応容器210は、一次反応容器210に入る液体試薬の飛散を低減するために、入口凹部1231を画定し得る。一次試薬チャンネル231は、入口凹部1231の反対側の第2の側壁1231bの反対側で、入口凹部1231の第1の側壁1231a内に開口し得る。入口凹部1231は、第1及び第2の側壁1231a、1231bの間の凸面1231cによって部分的に画定され得る。比較的高速で入口凹部1231に入る液体試薬は、第2の側壁1231bに衝突し、次いで、凸面1231cを下って、一次反応容器210の側壁を下って流れ得る。凸状面1231cは、入口凹部1231と一次反応容器210の側壁との間を滑らかに遷移し得る。これらの特徴により、一次反応容器210内の試薬の飛散を低減又は緩和してもよく、それ以外の場合、残留流体が側壁に残留するか、又は潜在的に空気圧チャンネル212内に吸引される可能性がある。
【0294】
一次反応容器210は、一次空気圧チャンネル212の開口部に同様の凹部を画定して、液体が一次空気圧チャンネル212に吸引される可能性を低減し得る。
【0295】
二次試薬チャンネル232は、
図7Gの2つのバルブポート間の間隙として示される二次試薬バルブ236を介して、試薬容器230の底部の出口と二次反応容器220の入口(
図7M)との間に延設される。
【0296】
以上に検討した通り、二次試薬チャンネル232の入口は、
図7Mに示される通り、及び
図7Qに更に詳細に示される通り、二次反応容器220の上部付近で二次反応容器220内に開放し得る。
【0297】
いくつかの実施形態において、二次反応容器230は、一次反応容器210の入口凹部1231と同様の入口凹部を画定し得る。いくつかの実施形態において、二次試薬チャンネル232は、二次反応容器220内に直接開放し得る。いくつかの実施形態において、二次反応容器220は、二次試薬チャンネル232から二次反応容器220に繋がる凹面1232cを画定し得る。凹面1232cは、二次試薬チャンネル232と二次反応容器220の側壁との間を滑らかに遷移し得る。
【0298】
図7O及び7Pを参照すると、一次反応容器210の蓋211は、本体1001と一体的に形成され、可撓性ヒンジ部分211aを介して一次反応容器210に接続され得る。蓋211は、例えば、一次反応容器210を封止するために、一次反応容器210の上部リムを圧入、スナップフィット、又は締まり嵌め接続で係合させるように構成された、弾性変形可能な環状フランジ1211を備え得る。
【0299】
本明細書で封止されている容器、チャンバ又はチャンネルへの言及は、種々のポート及びチャンネルへの画定された入口及び出口以外で封止されていることを意味することが意図されている旨、理解されるであろう。場合によっては、流密又は気密封止が形成され得る。しかしながら、用途に応じて、完璧な封止は必要とされない場合があり、ある程度の流体漏れがあることもある。
【0300】
二次試薬チャンネル232及び二次空気圧チャンネル222は、
図7Qに示される通り、二次反応容器230の上部を包囲する上面1223に部分的に画定され、相対的に近接して二次反応容器230内に開口し得る。
【0301】
いくつかの実施形態において、二次試薬チャンネル232の二次反応容器230への開口部は、二次空気圧チャンネル222の二次反応容器230への開口部から比較的離れていてもよい。例えば、開口部は、2mm~20mm、3mm~10mm、5mm~8mmの範囲、又は少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、又は少なくとも10mmの距離で分離され得る。
【0302】
二次試薬チャンネル232は、例えば、
図7Rに示される通り、上面1223内の二次反応容器230の円周周辺に部分的に延設され、開口部間の分離を達成し得る。代替的に又は追加的に、一次空気圧チャンネル222は、上面1223内の二次反応容器230の円周周辺に部分的に延設し得る。
【0303】
この構成は、二次試薬チャンネル232から二次反応容器220に入る試薬が不注意に二次空気圧チャンネル222に吸引される可能性を軽減又は低減し得る。
【0304】
一次出力チャンネル216は、一次反応容器210の底部の出口から延設され、
図7Gの2つのバルブポート間の間隙として示される一次出力バルブ217を介して二次試薬チャンネル232に接合する。
【0305】
二次出力チャンネル226は、
図7Gの2つのバルブポート間の間隙として示される二次出力バルブ227を介して、二次反応容器220の底部の出口から緩衝接合部228まで延設される。
【0306】
緩衝剤接合部228から、体積計量及びQCモジュール260は、
図2Fの拡大図に関連して説明したのと同様のチャンネル及びバルブを備え得るが、
図7Gに示される通り、これらは異なって配置され得る。
【0307】
特に、基部202は、基準緩衝剤バルブ1277を介して、QC基準緩衝剤容器275のそれぞれの底部の出口から対応するQC基準容器271まで延設された基準緩衝剤チャンネル1275を画定する。これにより、QC基準空気圧チャンネル272が基準緩衝剤バルブ1277を閉じることによって遮断されることを可能にしつつ、QC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272が単一の空気圧ライン515に接続されることを可能にする。
【0308】
最終出力チャンネル256は、出力容器空気圧ポート253に隣接する流体接続ポート1256、及び
図8A~8Cに示される流体移送装置880に接続するように構成された機械的クリップ1280で終端し、ひいては、最終出力チャンネル256と出力容器空気圧ポート253と出力容器250との間の流体連通を提供する。
【0309】
図7Sに示される通り、廃棄物容器240の側面を上向きに延設し、
図7Jに示される通り、排液トラップ1640に接続するために下向きに延設した、廃棄物空気圧チャンネル242の一部が示されている。廃液トラップ1640は、基部膜1402によって画定されたチャンバと、空気圧チャンネルプレート1602内の凹部1642とを備える。
【0310】
凹部1642は、凹部1642の下面1644上方の高さに設定された環状突起1643を画定する。廃棄空気圧チャンネル242は、
図7J及び7Tに示される通り、突起1643の高さ上方の凹部1642の側壁を通じて接続する凹部1642と流体連通するように、空気圧チャンネルプレート1602の一部を通じて延設される。下面1644は、カートリッジ空気圧ポート1205を形成する孔を画定する。
【0311】
廃棄物透過性膜1445は、廃棄物空気圧チャンネル242からカートリッジ空気圧ポート1205を分離するために(例えば、接着剤又は熱溶接によって)突起1643に固定されることで、廃棄物空気圧チャンネル242内に不注意に吸引された流体が排液トラップ1640に捕捉されるようにし、廃棄物透過性膜1445を通じてカートリッジ空気圧ポート1205に通過することが制限される。
【0312】
廃液トラップ1640は、廃棄物透過性膜1445を支持するために、下面1644から突起1643の高さまで延設されたスペーサ突出部1645を更に備え得る。
【0313】
一次及び二次空気圧チャンネル212、222の一部は、
図7Fの一次及び二次反応容器210、220の側面を上向きに延設され、
図7Gの空気圧チャンネルプレート1602に向かって下向きに延設されることが示されている。QC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272は、
図7FのQC容器261及びQC基準容器271の側面を上向きに延設され、
図7Gに示されるチャンネルを介して空気圧チャンネルプレート1602に向かって下向きに延設されることが示されている。
【0314】
廃液トラップ1640と同様に、一次及び二次空気圧チャンネル212、222は、それぞれ、一次及び二次流体トラップ1611、1620に接続する。
図7Jに示される通り、QC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272もまた、一次流体トラップ1611に接続する。
【0315】
一次流体トラップ1611は、基部膜1402によって画定されたチャンバと、空気圧チャンネルプレート1602内の凹部1612とを備える。
【0316】
凹部1612は、凹部1612の下面1614上方の高さに設定された環状突起1613を画定する。一次空気圧チャンネル210は、
図7J及び7Tに示される通り、突起1613の高さの上方で凹部1612の側壁を通じて接続する凹部1612と流体連通するように、空気圧チャンネルプレート1602の一部を通じて延設される。下面1614は、カートリッジ空気圧ポート1206を形成する孔を画定する。
【0317】
一次透過性膜1415は、一次空気圧チャンネル210からカートリッジ空気圧ポート1206を分離するために(例えば、接着剤又は熱溶接によって)突起1613に固定されることで、一次空気圧チャンネル210内に不注意に吸引された流体が一次流体トラップ1611に捕捉されるようにし、一次透過性膜1415を通ってカートリッジ空気圧ポート1206に通過することが制限されるようにする。
【0318】
同様に、QC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272は両方とも、
図7J及び7Tに示される通り、突起1613の高さの上方の凹部1612の側壁を通じて接続する空気圧チャンネルプレート1602内の共通のQC空気圧チャンネル1660に接続する。QC空気圧チャンネル262又はQC基準空気圧チャンネル272に不注意に吸引された任意の流体は、一次流体トラップ1611に捕捉され、一次透過性膜1415を通じてカートリッジ空気圧ポート1206に通過することが制限される。
【0319】
一次流体トラップ1611は、一次透過性膜1415を支持するために、下面1614から突起1613の高さまで延設されたスペーサ突起1615を更に備え得る。
【0320】
廃棄物及び一次流体トラップ1640、1611と同様に、二次流体トラップ1620は、基部膜1402によって画定されたチャンバと、空気圧チャンネルプレート1602内の凹部1622とを備える。
【0321】
凹部1622は、凹部1622の下面1624上方の高さに設定された環状突起1623を画定する。二次空気圧チャンネル220は、
図7J及び7Uに示される通り、突起1623の高さの上方で凹部1622の側壁を通じて接続する凹部1622と流体連通するように、空気圧チャンネルプレート1602の一部を通じて延設される。下面1624は、カートリッジ空気圧ポート1208を形成する孔を画定する。
【0322】
二次透過性膜1425は、カートリッジ空気圧ポート1208を二次空気圧チャンネル220から分離するために(例えば、接着剤又は熱溶接によって)突起1623に固定されることで、二次空気圧チャンネル220内に不注意に吸引された流体が二次流体トラップ1620に捕捉されるようにし、二次透過性膜1425を通じてカートリッジ空気圧ポート1208まで通過することが制限されるようにする。
【0323】
二次流体トラップ1620は、二次透過性膜1425を支持するために、下面1624から離間して突起1623の高さまで延設されたスペーサ突出部1625を更に備え得る。
【0324】
流体トラップ1611、1620、1640の形状、深さ、直径、及び体積(並びにガス透過性膜1415、1425、1445の露出領域)は、空気圧チャンネルに不注意に吸引され得る液体の量に応じて、異なる用途に合わせて調整され得る。膜上方の流体トラップの容量は、例えば、10μL~1mL、50μL~500μLの範囲、又は約100μLであってもよく、膜の表面積は、例えば、50mm2~500mm2、100mm2~300mm2の範囲、又は約200mm2であってもよい。
【0325】
代替的に、いくつかの実施形態において、マイクロ流体又は重力型流体トラップなどの他のタイプの流体トラップが採用されてもよい。いくつかの実施形態において、流体トラップは完全に省略され得る。
【0326】
図7Sを参照すると、廃棄物空気圧チャンネル242の一部は、廃棄物容器240の外側側面に画定され、廃棄物側膜1442によって封止され得る。廃棄物容器240の上部は、廃棄物上部膜1440によって封止され得る。
【0327】
図7Sに示される通り、一次空気圧チャンネル212、一次試薬チャンネル231、二次空気圧チャンネル222、及び二次試薬チャンネル232の各々の一部は、支持ウェブ203の外側側面(廃棄物容器240、一次反応容器210、試薬容器230、及び二次反応容器220の間に延設される)に画定されてもよく、対応する側面膜1412、1431、1422によって封止されてもよい。チャンネル212、231、222、232の他の部分は、
図7M及び7Qに示される通り、例えば、基部202の付近、及び/又は、反応容器210、220の上部付近で、本体1001によって完全に画定され得る。
【0328】
二次空気圧チャンネル222及び二次試薬チャンネル232の一部は、
図7Q及び7Rに示される通り、上面1223内に画定されてもよく、二次上部膜1420によって封止されてもよい。
【0329】
封止膜は、組み立てを容易にするために分離部分1401を備えてもよく、これは、対応する封止膜が本体1001に固定されると取り外されてもよい。
【0330】
図7Vを参照すると、QC空気圧チャンネル262及びQC基準空気圧チャンネル272の一部は、QC容器261及びQC基準容器271の外側側面に画定され、QC側膜1462によって封止され得る。QC上部膜1461は、QC容器261及びQC基準容器271の上部を被覆及び封止するために提供され得る。
【0331】
中間出口膜1480は、中間出口チャンバ284の上部を被覆及び封止するため、基部202の上面に固定され得る。このことは、
図7W及び7Xに更に詳細に示されている。
【0332】
中間出口チャンバ284は、基部202の上面の凹部によって画定され得る。出口チャンバ284の底面は、中間出口280と中間出口空気圧チャンネル282への開口部とを画定し得る。中間出口透過性膜281は、中間出口280を被覆する、中間ものの、中間出口空気圧チャンネル282は被覆しないように、中間出口チャンバ284の底面に固定され得る(接着剤又は熱溶接)。中間出口チャンバ284の上部開口部は、中間出口膜1480によって封止され得る。
【0333】
空気圧モジュール500が操作されて、中間出口空気圧チャンネル282内の圧力が低減されるとき、計量チャンネル299(及び/又は出口チャンネル285)から透過性膜281を通じて空気が引き込まれてもよく、これによって計量チャンネル内の液体が、チャンバ284内に向かって通過することなく、膜281まで引き込まれるようにしてもよい。
【0334】
7Jを参照すると、空気圧チャンネルプレート1602はまた、カートリッジバルブの動作を可能にするために、他の空気圧ポートをバルブ凹部に接続する複数の空気圧チャンネルを画定する。カートリッジバルブは、
図2Kに示されるように構成されたスイッチバルブを備える。
【0335】
例えば、一次廃棄物バルブ215の垂直断面を
図7Nに示す。一次廃棄物チャンネル214は、一次反応容器210の底部の出口から廃棄物容器240に向かって延設された基部202内に画定され得る。バルブ215において、第1及び第2のバルブポート214a及び214bで終端する2つのセクションに分離された一次廃棄物チャンネル214に破損が生じる場合がある。
【0336】
バルブポート214a、214bは、基部膜1402によって静止構成で閉鎖され得る(これにより、静止構成で他のカートリッジバルブの全ての対応するバルブポートも閉鎖する)。基部膜1402の他方の側では、バルブポート214a、214bの反対側に、空気圧チャンネルプレート1602によって画定され、バルブポート214a、214bの間に(基部膜1402の反対側に)延設された一次廃棄物バルブ凹部1615が設けられる。
【0337】
一次廃棄物バルブ凹部1615は、カートリッジ空気圧ポート1204に接続されることで、空気圧モジュール500が操作され、一次廃棄物バルブ凹部1615内の圧力を低減することができ、これによって一次廃棄物バルブ凹部1615に向かう基部膜1402の曲げを生じ、一次廃棄物バルブ215を開放し、第1及び第2のバルブポート214a、214b間の流体連通を可能にするようにしてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、バルブに圧力をかけて開放させる可能性のある動作中に、バルブが確実に閉じたままであるようにするために、正圧がバルブ凹部1615(及び他のもの)に付与され得る。
【0338】
同様に、他のカートリッジバルブは、空気圧モジュール500によるバルブの動作を可能にするために、空気圧チャンネルによってカートリッジ空気圧ポートに接続されたバルブポート及び対応するバルブ凹部を備え得る。
【0339】
空気圧チャンネルプレート1602は、一次廃棄物バルブ215に対応し、空気圧チャンネル1604を介してカートリッジ空気圧ポート1204に接続される、一次廃棄物バルブ凹部1615を画定する。
【0340】
空気圧チャンネルプレート1602は、二次試薬バルブ236に対応し、空気圧チャンネル1604を介してカートリッジ空気圧ポート1204に接続された二次試薬バルブ凹部1636を画定する。
【0341】
空気圧チャンネルプレート1602は、一次出力バルブ217に対応し、空気圧チャンネル1607を介してカートリッジ空気圧ポート1207に接続された一次出力バルブ凹部1617を画定する。
【0342】
空気圧チャンネルプレート1602は、一次試薬バルブ235に対応し、空気圧チャンネル1603を介してカートリッジ空気圧ポート1203に接続された一次試薬バルブ凹部1635を画定する。
【0343】
空気圧チャンネルプレート1602は、二次廃棄物バルブ225に対応し、空気圧チャンネル1603を介してカートリッジ空気圧ポート1203に接続された二次廃棄物バルブ凹部1625を画定する。
【0344】
空気圧チャンネルプレート1602は、二次出口バルブ227に対応し、空気圧チャンネル1609を介してカートリッジ空気圧ポート1209に接続された二次出口バルブ凹部1627を画定する。
【0345】
空気圧チャンネルプレート1602は、最終出力バルブ257に対応し、空気圧チャンネル1609を介してカートリッジ空気圧ポート1209に接続された最終出力バルブ凹部1657を画定する。
【0346】
空気圧チャンネルプレート1602は、3つの基準緩衝バルブ1277に対応し、空気圧チャンネル1609を介してカートリッジ空気圧ポート1209に接続される3つの基準緩衝剤バルブ凹部1677を画定する。
【0347】
空気圧チャンネルプレート1602は、QC容器バルブ264に対応し、空気圧チャンネル1610を介してカートリッジ空気圧ポート1210に接続されたQC容器バルブ凹部1664を画定する。
【0348】
空気圧チャンネルプレート1602は、QC緩衝剤バルブ267に対応し、空気圧チャンネル1610を介してカートリッジ空気圧ポート1210に接続されたQC緩衝剤バルブ凹部1667を画定する。
【0349】
バルブ凹部は、特定の用途のための任意の好適なサイズ、形状、及び比率を備え得る。例えば、バルブ凹部は、図面に示される通り、丸みを帯びた隅部を有する略矩形であり得る。図示の実施形態のバルブ凹部は、例えば、約6mmの長さ、約2mmの幅、及び約0.5mmの深さを有して、寸法が全て類似している。
【0350】
空気圧チャンネルプレート1602に画定された空気圧チャンネルは、深さが約0.5mm、幅が約1mmである。
【0351】
同様に、流体チャンネルは、約0.5mmの深さ及び約1mmの幅を有し得る。しかしながら、流体チャンネルの一部は、より小さいチャンネル断面がチャンネル内の液体の体積流量及び体積のより正確な制御を可能にする場合、例えば、体積計量セクション用などのより小さな寸法を有し得る。
【0352】
例えば、チャンネル226、256、266、269、299、285は、0.5mm未満、0.3mm未満、又は約0.25mmの幅、及び1mm未満、0.5mm未満、0.3mm未満、又は約0.2mmの深さを有し得る。これらのチャンネルは、例えば、
図7Xに示される通り、約1mmの幅まで各バルブのためのバルブポートを形成するように広がり得る。
【0353】
いくつかの実施形態において、(例えば、熱溶接又はレーザ溶接によって)基部膜1402を基部202に溶接するための溶接パターンを示した
図7Yに示される通り、バルブポートの全ては、対応するチャンネルから広がってもよい。いくつかの好適な寸法は、例示的目的のためにのみ、カートリッジ1000内の異なるバルブのために
図7Yの拡大図において提供されている。空気圧チャンネルプレート1602内の対応するバルブ凹部は、例えば、
図7Yに示される形状及び寸法に実質的に適合し得る。
【0354】
溶接パターンは、チャンネルの縁部に沿って走り、バルブポートを接続してバルブを形成する内側溶接ライン1403を含み得る。いくつかの実施形態において、溶接パターンはまた、冗長性のためにチャンネル周辺に第2のバリアを提供する外側溶接線1404を含み得る。
【0355】
図7Zを参照すると、いくつかの実施形態に係る、計量チャンネル299は、緩衝剤接合部228及び品質管理接合部229の拡大図で更に詳細に示されている。チャンネル及び接合部の形状は、所与の用途のための任意の好適な形状を含み得る。例えば、
図2Fでは、接合部228、229は、垂直なT字形接合部として示されている。代替的に、接合部228、229は、例えば、傾斜したY字形接合部、又は
図7Zに示される通り、湾曲したY字形接合部、又は他の任意の好適な幾何学形状を備え得る。
【0356】
品質管理接合部229において、品質管理チャンネル269は、計量チャンネル299と鈍角αを形成し得る。
【0357】
緩衝剤接合部228において、緩衝剤チャンネル266は、計量チャンネル299と鈍角βを形成し得る。
【0358】
同様に、品質管理接合部229において、出力チャンネル285は、計量チャンネル299と鈍角γを形成し得る。
【0359】
緩衝剤接合部228において、二次出力チャンネル226(又は代替的に、一次出力チャンネル216)は、計量チャンネル299と鈍角δを形成し得る。
【0360】
接合角α、β、γ、δのそれぞれは、例えば、90°~180°、100°~170°、110°~160°、120°~150°、130°~140°の範囲、約135°、又は約137°であり得る。
【0361】
計量チャンネル299は、各接合部228、229で広がってもよく、接続チャンネル226、266、269、285に遷移する湾曲縁部を画定してもよい。
【0362】
品質管理接合部229において、品質管理チャンネル269及び出力チャンネル285は、鋭角ε及び変曲点229aを形成し得る。
【0363】
緩衝剤接合部228において、緩衝剤チャンネル266及び二次出力チャンネル226(又は代替的に、一次出力チャンネル216)は、鋭角ζ及び変曲点228aを形成し得る。
【0364】
鋭角ε及びζのそれぞれは、例えば、10°~90°、30°~60°の範囲、約45°又は約40°であり得る。
【0365】
変曲点228a及び229aの曲率半径は、例えば、0.1mm~0.5mmの範囲、0.5mm未満、0.4mm未満、0.3mm未満、0.2mm未満、又は約0.2mmであり得る。
【0366】
図7Hを参照すると、基部膜1402は、開口部を通って画定し、ポートの対応部分間の基部膜1402と、基部202内のチャンネル242、212、222、253、283、262、272と、空気圧チャンネルプレート1602とを通じた流体連通を可能にする。基部膜1402はまた、ラジエータ及び磁石の通過を可能にするための開口部1230も備える。
【0367】
カートリッジ1000のQC及び計量部分において、中間出口280は、
図7J及び7Xに示される通り、空気圧チャンネルプレート1602に画定される中間出口空気圧チャンネル282を介してカートリッジ空気圧ポート1202に接続される。
【0368】
出力容器空気圧ポート253は、
図7Jに示される通り、空気圧チャンネルプレート1602内に画定され得る出力容器空気圧チャンネル252を介してカートリッジ空気圧ポート1201に接続される。
【0369】
空気圧チャンネルプレート1602は、QC容器261と整列したQC孔1261、及びQC基準容器271と整列した3つのQC基準孔1271を画定する。ポリプロピレン膜1402は、QC容器261及び基準容器271の各々の底部を形成し、光学モジュールの光学アクセスにより、QC孔1261及びQC基準孔1271を通ってQC容器261及び基準容器271の内容物を分析させる、透明な観察窓を提供し得る。
【0370】
いくつかの実施形態において、空気圧チャンネルプレート1602(又は代替的に、カートリッジ1000の別の部分)は、カートリッジ1000がソケット120に正しく設置されていることを示すために、器具100上のスイッチ又はマイクロスイッチと係合するように構成されたスイッチ凹部1690を画定し得る。
【0371】
図7Iは、PSA層1606を更に詳細に示しており、接着剤接合を必要としない領域に対応する孔を示し、これは、基本的に、基部膜1402内の孔、及びバルブ凹部、流体トラップ、QC孔1261、及びQC基準孔1271を含む、空気圧チャンネルプレート1602の上面内の凹部全てに対応する。接着剤がチャンネルの機能に影響を及ぼさない場合があるため、PSA層1606は、必ずしも、空気圧チャンネルプレート内の空気圧チャンネルのための孔を画定する必要はない。
【0372】
図8A及び8Bを参照すると、流体移送装置880がより詳細に示されている。装置880は、
図2F及び2Gに関連して説明される通り、器具のワークフロー中に閉じられた出力容器250を密封するために使用される一時的及び取り外し可能な蓋259を備える。
【0373】
装置880は、出力容器250を出力容器空気圧チャンネル252に流体接続するように構成された移送空気圧チャンネル882と、最終出力チャンネル256から一時な蓋259の出口を介して出力容器250に液体を運搬するように構成された液体移送チャンネル886と、を更に備える。
【0374】
チャンネル882、886は、
図7Cに示される通り、本体888(例えば、射出成形ポリプロピレン)において画定され、移送装置膜840(例えば、熱溶接ポリプロピレン膜)で被覆及び封止される。
【0375】
本体888はまた、
図8Cに示される通り、出力容器シート254付近で、基部202の上面の対応するコネクタ1289に機械的に結合されることによって、移送空気圧チャンネル882を出力容器空気圧チャンネル252に、液体搬送チャンネル886を最終出力チャンネル256に、接続するように構成されたコネクタ889を画定する。
【0376】
本体888は、弾性的に可撓性であってもよく、
図7Aに示される通り、出力容器250をカートリッジ1000に流体的及び機械的に結合するためにねじれた接続構成に曲げられると、本体888は、例えば、軌道シェーカとの混合などの器具の操作中に、出力容器250をカートリッジ1000に向かって(例えば、シート254内に)押し付けて固定するように構成され得る。
【0377】
流体移送装置880は、例えば、キット内のカートリッジ1000(及び任意選択で出力容器250)とともに提供され得る。
【0378】
代替的に、一時的な蓋259は、流体移送装置880ではなく、チューブを介してチャンネル256、252に簡易に接続され得る。
【0379】
カートリッジ1000は、内部に保存されたサンプルを識別するために、例えば、バーコードなどの指標1295を含み得る(
図7A)。カートリッジ1000には、指標1295と同一であり得るか、又は指標1295に関連付けられ得る、対応する指標1296又はバーコードを含み得る出力容器250が設けられてもよい。代替的に、カートリッジ1000は、カートリッジ1000から取り外され、サンプルが処理されると、出力流体が収容される適切な出力容器250に付与され得る、対応する指標1296を備えた1つ以上の剥離ラベルを備えてもよい。
【0380】
指標1295、1296は、サンプルを処理する際に器具1000によって生成されたデータに関連付けられるように、スキャンされてもよく、さもなければ、実験室情報システム又は同様のものにデータが入力されてもよい。
【0381】
実施例1
ここでは、例示のみを目的として、器具ワークフローの例を説明する。いくつかの実施形態において、器具100は、例えば、核酸抽出ワークフローを実行するように構成され得る。
【0382】
器具のワークフローが開始される前に、ユーザは、生体サンプルなどの流体サンプルをサンプルカートリッジ200の一次反応容器210内にピペットし得る。例えば、患者から採取した0.2~5mLの血液又は骨髄である。
【0383】
次に、ユーザは、一次反応容器210の蓋211を閉じ、次いで、サンプルカートリッジ200のシリアル番号又は他の指標を記録又はスキャンし、例えば、サンプルを過去に含んだバイアルから、対応する患者の詳細を記録し得る。この情報は、例えば、LIMSシステム又は実験室情報システムに記録され得る。
【0384】
次に、ユーザは、カートリッジ200を、器具100内のカートリッジスロット120のうちの1つに挿入し得る。
【0385】
次に、ユーザは、ユーザインターフェースを使用して、器具のワークフロープログラムを選択し得る。次いで、器具ワークフローは、コンピュータ可読記憶媒体上に記録された命令の下、制御モジュール101によって制御された器具機能によって開始され得る。例えば、以下に記載される核酸抽出ワークフローである。
【0386】
運動モジュールが操作され、空気圧モジュールをサンプルカートリッジ上の空気圧ポートと係合させ、カートリッジをクランプして、カートリッジスロット120からのカートリッジ200の取り外しを制限する。
【0387】
次いで、運動モジュールが操作され、サンプルカートリッジ上方の位置に試薬モジュールを移動させ、試薬モジュールが操作され、プロテイナーゼKを試薬容器230内に分注する。例えば、検体1mL体積当たり50~100μgのプロテイナーゼKの範囲内である。
【0388】
空気圧モジュールが操作され、検体とともに試薬を一次反応容器210に移送する。
【0389】
混合モジュールのオービタルシェーカを操作して、一次反応容器内の試薬と検体との混合を促進する。
【0390】
運動モジュール及び熱モジュールを操作して、ヒータを作動及び上昇させ、一次反応容器を加熱し、62Cで10分間インキュベートして、血液内のタンパク質を消化する。次いで、ヒータを下げて動作を停止させてもよい。
【0391】
次いで、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、溶解緩衝液(例えば、5MのグアナジニウムHCl、0.25%のTween-20)を試薬容器230に分注する。
【0392】
次に、空気圧モジュールが操作され、溶解緩衝液を一次反応容器に移す。
【0393】
次いで、運動モジュール及び試薬モジュールが操作され、機能化された磁気ビーズ(例えば、カルボキシルCOOH磁気ビーズ)を試薬容器内に分注する。
【0394】
例えば、固相可逆的固定化(SPRI)機能化ビーズ、カルボキシル化ビーズ、又はその他の磁気機能化ビーズを含む、任意の適切な種別の機能化ビーズが使用され得る。
【0395】
次に、空気圧モジュールが操作され、ビーズを一次反応容器に移す。
【0396】
オービタルシェーカが操作され、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0397】
運動及び熱モジュールを操作して、一次反応容器を加熱し、内容物を62Cで15分間インキュベートして、血液を溶解し、核酸(NA)をビーズに結合させる。
【0398】
次いで、ヒータが、動作停止され、冷却ファンが操作されて、一次反応容器210を冷却する。
【0399】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0400】
空気圧モジュールを操作して、溶解物を含む一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0401】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0402】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、洗浄1緩衝液を試薬容器(例えば、3MのグアナジニウムHCl、30%エタノール)に分注する。
【0403】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄1液を一次反応容器に移す。
【0404】
オービタルシェーカが操作され、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0405】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0406】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0407】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0408】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、洗浄2緩衝液を試薬容器(例えば、20mMのグリシンHCl(pH3.0)80%エタノール))に分注する。
【0409】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄2液を一次反応容器に移す。
【0410】
オービタルシェーカが操作され、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0411】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0412】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0413】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0414】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、洗浄3緩衝液を試薬容器(例えば、20mMのグリシンHCl(pH3.0)+0.1%Tween20)に分注する。
【0415】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄3液を一次反応容器に移す。
【0416】
オービタルシェーカが操作され、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0417】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0418】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0419】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0420】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、洗浄4緩衝液を試薬容器(例えば、20mMのグリシンHCl(pH3.0)+0.1%Tween20)に分注する。
【0421】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄4液を一次反応容器に移す。
【0422】
オービタルシェーカが操作され、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0423】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0424】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0425】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0426】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、溶出緩衝液を試薬容器に分注する(例えば、1xTE、pH8.0)。
【0427】
次に、空気圧モジュールを操作して、溶出緩衝液を一次反応容器に移す。
【0428】
オービタルシェーカが操作され、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0429】
ヒータを上昇及び作動させ、一次反応容器を15分間74Cに加熱し、ビーズから溶出緩衝液中にDNAを放出する。
【0430】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0431】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器(溶出液)の液体内容物を二次反応容器220に移す間、ビーズを1~5分間、定位置に保持する。
【0432】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0433】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、COOH(カルボキシル)ビーズを結合緩衝液(例えば、0.8MのNaCl+11%PEG8000)とともに試薬溶液中に分注する。
【0434】
次に、空気圧モジュールを操作して、試薬容器の内容物を二次反応容器に移す。
【0435】
オービタルシェーカを操作して、二次反応容器の内容物の混合及び抽出されたDNAのCOOHビーズへの結合を促進する。
【0436】
運動モジュール及び磁気モジュールを操作して、磁石710と係合し、磁気ビーズを二次反応容器の1つ以上の側方に保持する。
【0437】
空気圧モジュールを操作して二次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0438】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0439】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、COOHビーズ洗浄1を試薬容器(例えば、85%エタノール)に分注する。
【0440】
次に、空気圧モジュールを操作して、試薬容器の内容物を二次反応容器に移す。
【0441】
次に、二次反応容器の内容物を30秒間インキュベートする。
【0442】
運動モジュール及び磁気モジュールを操作して、磁石710と係合し、磁気ビーズを二次反応容器の1つ以上の側方に保持する。
【0443】
空気圧モジュールを操作して二次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。
【0444】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0445】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、COOHビーズ洗浄2を試薬容器(例えば、85%エタノール)に分注する。
【0446】
次に、空気圧モジュールを操作して、試薬容器の内容物を二次反応容器に移す。
【0447】
次に、二次反応容器の内容物を30秒間インキュベートする。
【0448】
運動モジュール及び磁気モジュールを操作して、磁石710と係合し、磁気ビーズを二次反応容器の1つ以上の側方に保持する。
【0449】
空気圧モジュールを操作して二次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0450】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、COOH溶出緩衝液(例えば、10mMのTris、pH8.0)を試薬容器に分注する。
【0451】
次いで、空気圧モジュールを操作して、溶出緩衝液を二次反応容器に移す。
【0452】
オービタルシェーカを操作して、二次反応容器の内容物の混合を促進し、COOHビーズから溶出緩衝液にDNAを放出する。
【0453】
運動モジュール及び磁気モジュールを操作して、磁石710と係合し、磁気ビーズを二次反応容器の1つ以上の側方に保持する。
【0454】
次に、空気圧モジュールを操作して、二次反応容器(溶出液)の液体内容物を空気透過性膜まで引き上げ、計量チャンネルを充填する。
【0455】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、中性緩衝液を、QC緩衝剤容器265及び3つのQC基準緩衝液容器275に分注する。
【0456】
次に、空気圧モジュールを操作して、緩衝液を、計量チャンネルからの溶出液の一定分量(例えば、1μL)とともに、QC緩衝剤容器から計量チャンネルを通ってQC容器に引き込む。そして、緩衝液をQC基準緩衝液容器275から対応するQC基準容器271に移す。
【0457】
次いで、空気圧モジュールを操作して、溶出液の残りを二次反応容器から出力容器250に移す。
【0458】
オービタルシェーカを操作して、QC容器261及びQC基準容器271の内容物の混合、及びQC基準容器内の予め装填された染料及び基準核酸(NA)の再懸濁を促進する。
【0459】
運動モジュールを操作して、光学モジュールを、サンプルカートリッジ及び緩衝液とともに溶出液の一定分量を含むQC容器に対応する位置に移動させ、光学モジュールを操作して、QC容器の内容物に対して蛍光測定を実行する。
【0460】
運動モジュールが更に操作され、光学モジュールを3つのQC基準容器に対応する3つの位置に移動させ、光学モジュールが操作され、QC基準容器の各々の内容物に対して蛍光測定を実行する。
【0461】
次いで、蛍光測定からのデータを使用して、最終溶出液のDNA濃度を判定する。結果として得られたデータは、定量化を提供し、記録及び/又は捕捉のためにLIMSシステムに送信され得る。
【0462】
最後に、空気圧モジュールは、サンプルカートリッジから下降及び係合解除され得る。これには、いくつかの実施形態に係る、ワークフロープログラムの終了が含まれ得る。
【0463】
次いで、サンプルカートリッジ200は、ユーザによって器具100から取り外され得る。一時的な蓋259は、出力容器250から取り外されてもよく、主要な蓋は、出力容器250を封止するために閉じられてもよい。
【0464】
次いで、出力容器250を出力容器シート254から取り外し、サンプルカートリッジ200の残りの部分を廃棄してもよい。
【0465】
実施例2
いくつかの実施形態に従って、別のワークフローの例を以下に示す。化学的性質及び操作パラメータは、全血の0.5mLサンプルからのgDNA抽出に好適である。器具操作の詳細は、他の用途及びプロセスにも適し得る。
【0466】
器具のワークフローが開始される前に、ユーザは、生体サンプルなどの流体サンプルをサンプルカートリッジ200の一次反応容器210内にピペットし得る。例えば、患者から採取された0.5mLの血液である。
【0467】
次に、ユーザは、一次反応容器210の蓋211を閉じ、次いで、サンプルカートリッジ200のシリアル番号又は他の指標を記録又はスキャンし、例えば、サンプルを過去に含んだバイアルから、対応する患者の詳細を記録し得る。この情報は、例えば、LIMSシステム又は実験室情報システムに記録され得る。
【0468】
次に、ユーザは、カートリッジ200を、器具100内のカートリッジスロット120のうちの1つに挿入し得る。
【0469】
次に、ユーザは、ユーザインターフェースを使用して、器具のワークフロープログラムを選択し得る。次いで、器具ワークフローは、コンピュータ可読記憶媒体上に記録された命令の下、制御モジュール101によって制御された器具機能によって開始され得る。例えば、核酸抽出ワークフローについて以下に説明する。
【0470】
運動モジュールが操作され、空気圧モジュールをサンプルカートリッジ上の空気圧ポートと係合させ、カートリッジをクランプして、カートリッジスロット120からのカートリッジ200の取り外しを制限する。
【0471】
次に、運動モジュールが操作され、試薬モジュールをサンプルカートリッジ上方の位置に移動させ、試薬モジュールが操作され、50μLのプロテイナーゼK(供給元から受け取ったQiagen)を試薬容器230に分注する。
【0472】
空気圧モジュールが操作され、検体とともに試薬を一次反応容器210に移送する。
【0473】
次いで、試薬モジュールが操作され、120μLの商業用支持緩衝液ALを試薬容器230に分注し、空気圧モジュールが操作され、検体とともに試薬を一次反応容器210に移送する。
【0474】
代替的に、プロテイナーゼK及び緩衝液は、ともに又は1つずつ、試薬容器230に分注されてもよく、次いで、単一の移送ステップでともに一次反応容器210に移送されてもよい。
【0475】
空気圧モジュールの操作には、例えば、100mBar~120mBarの範囲内の(周囲圧力に対する)真空圧力又は負圧を適用することが含まれ得る。
【0476】
混合モジュールのオービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、一次反応容器内での試薬と検体との混合を促進する。
【0477】
運動モジュール及び熱モジュールが操作され、ヒータを作動及び上昇させて一次反応容器を加熱し、25℃で10分間インキュベートして血液内のタンパク質を消化する。次いで、ヒータを下げて動作を停止させてもよい。
【0478】
代替的に、周囲温度が25℃に近い場合、このステップではヒータは必要ない場合がある。
【0479】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、825μLの溶解緩衝液(0.8M g.HCl、0.01MのTris pH8、50%2-プロパノール、1.2MのNaCl、2mMのEDTA、0.25%Tween-20)を試薬容器230に分注する。
【0480】
次に、空気圧モジュールが操作され、溶解緩衝液を一次反応容器に移す。
【0481】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールが操作され、機能化された磁気ビーズ(Siemens Versant 50μL)を試薬容器に分注する。
【0482】
次に、空気圧モジュールが操作され、ビーズを一次反応容器に移す。
【0483】
試薬容器内でビーズが析出又は沈殿する(これは閉塞に繋がり得る)のに利用可能な時間を回避又は短縮するために、空気圧モジュールが操作され、試薬容器へのビーズの分注が完了する前に、ビーズを一次反応容器に移し得る。例えば、移送は、分注の間に開始されてもよいか、又は分注の中途で開始されてもよいか、及び段階的に行われてもよい。分注はまた、いくつかの実施形態において、段階的に行われてもよい。
【0484】
代替的に又は追加的に、溶解緩衝液の一部(例えば、3分の2)は、試薬容器内に残留した任意のビーズを洗い流す、又は一次反応容器内にチャンネルを移すために、ビーズの分注及び移送後に堰き止められ、試薬チャンバ内に分注され得る。
【0485】
オービタルシェーカが操作され、1100rpmで10秒間、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0486】
運動モジュール及び熱モジュールが操作され、一次反応容器を加熱し、内容物を約62℃で15分間インキュベートして、血液を溶解し、核酸(NA)をビーズに結合させる。オービタルシェーカがまたインキュベーション期間中にも1100rpmで操作され、混合を促進し得る。
【0487】
次いで、ヒータの動作を停止し、冷却ファンを操作して、一次反応容器210を周囲温度に戻すように冷却する。例えば、冷却動作は、冷却速度に応じて、1分~5分、2分~3分の範囲、又は約2分の持続時間を有し得る。いくつかの実施形態において、ビーズが乾燥しないように、反応容器を冷却する必要がある場合がある。他の実施形態において、乾燥に問題がない場合、このステップは省略され得る。
【0488】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0489】
磁石は、冷却動作中に係合され得る。
【0490】
空気圧モジュールを操作して、溶解物を含む一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。磁石は、移送プロセス中に液体とともに流れることに抵抗するのに十分な強度で容器壁部に対して保持されるように、ビーズを磁石に向かって移動させるために、液体の移送に先立って約1分間、ビーズに係合するように適用され得る。所要時間の長さは、ビーズと磁石との間の磁気吸引の強度と、流体の粘度とに依存し得る。いくつかの実施形態において、より短い沈降時間(1分未満)でも十分である場合もあり、又はより長い沈降時間(例えば、1分超、2分超、3分超、又は4分超)が必要である場合もある。
【0491】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0492】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、850μLの洗浄1緩衝液を試薬容器に分注する(例えば、3MグアナジニウムHCl(gHCl)、30%エタノール)。
【0493】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄1液を一次反応容器に移す。
【0494】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0495】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0496】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。磁石は、液体を移送する前に、約1分間ビーズに係合するように適用され得る。
【0497】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0498】
次いで、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、450μLの洗浄2緩衝液(例えば、80%エタノール、0.1Mのクエン酸ナトリウム緩衝液、pH3)を試薬容器に分注する。
【0499】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄2液を一次反応容器に移す。
【0500】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0501】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0502】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。磁石は、液体を移送する前に、約1分間ビーズに係合するように適用され得る。
【0503】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0504】
次いで、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、450μLの洗浄3緩衝液(例えば、20mMのグリシンHCl、0.1%のTw-20、pH3)を試薬容器に分注する。
【0505】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄3液を一次反応容器に移す。
【0506】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0507】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0508】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。磁石は、液体を移送する前に、約1分間ビーズに係合するように適用され得る。
【0509】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0510】
次いで、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、450μLの洗浄4緩衝液(例えば、20mMのグリシンHCl、0.1%のTw-20、pH3)を試薬容器に分注する。
【0511】
洗浄4は、前のステップから分注システム内の汚染物質を洗い流すために、洗浄3と同一の緩衝液を使用して完了される。このステップは、純度を確保するために、又は溶液中に汚染物質が出現する可能性を更に低減するために、必要に応じて2回以上、反復され得る。代替的に、汚染物質が懸念されない場合、又は分注システムが潜在的な汚染を回避する独立チャンネルを含む場合、このステップは省略され得る。
【0512】
次に、空気圧モジュールを操作して、洗浄4液を一次反応容器に移す。
【0513】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0514】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0515】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。磁石は、液体を移送する前に、約1分間ビーズに係合するように適用され得る。
【0516】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0517】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、165μLの溶出緩衝液を試薬容器(例えば、1xTE、pH8.0)に分注する。
【0518】
次に、空気圧モジュールを操作して、溶出緩衝液を一次反応容器に移す。
【0519】
ヒータを上昇及び作動させ、一次反応容器を約62℃に10分間加熱し、ビーズから溶出緩衝液中にDNAを放出する。オービタルシェーカは、一次反応容器の内容物の混合を促進するために、10分間のインキュベーション期間中に1100rpmで操作され得る。
【0520】
次いで、運動モジュール及び磁気モジュールを操作し、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持する。
【0521】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器(溶出液)の液体内容物を二次反応容器220に移す間、ビーズを1~5間、定位置に保持する。磁石は、液体を移送する前に、約1分間ビーズに係合するように適用され得る。次いで、使用されたビーズは、プロセスの終わりまで(二次反応容器内の溶出液の更なる処理中に)、又はカートリッジが廃棄されるとき、一次反応容器内に残留する。
【0522】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0523】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、COOH(カルボキシル)ビーズを結合緩衝液(例えば、470μLのマスターミックス、1.24MのNaCl、13.95%のPEG8000、0.78%のw/v倍率(MFY0002 Bangslabビーズ))とともに試薬容器内に分注する。
【0524】
次に、空気圧モジュールを操作して、試薬容器の内容物を二次反応容器に移す。
【0525】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、一次反応容器の内容物の混合を促進する。
【0526】
運動モジュール及び磁気モジュールは、磁石710と係合し、磁気ビーズを一次反応容器の1つ以上の側方に保持するように操作される。
【0527】
空気圧モジュールを操作して一次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移す間、ビーズを1~5分間定位置に保持する。磁石は、液体を移送する前に、約1分間ビーズに係合するように適用され得る。
【0528】
この例において、二次反応容器ビーズ内のビーズは、磁石に対する磁気吸引がより弱く、より粘性の高い溶液中にある。したがって、より長い定着時間(例えば、2分)が必要であり得る。しかしながら、十分であれば、1分未満から2分超、3分超、又は4分超のより長い、又はより短い沈降時間を使用し得る。
【0529】
いくつかの実施形態において、磁石は、後続の洗浄段階中も係合したままであり得る。例えば、この場合のように、ビーズに比較的弱い結合速度がある場合、磁石でビーズを定位置に保持することで、ビーズからのDNAの早期洗い流しを軽減し得る。
【0530】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、200μLのCOOHビーズ洗浄1を試薬容器(例えば、85%エタノール)に分注する。
【0531】
次に、空気圧モジュールを操作して、試薬容器の内容物を二次反応容器に移す。
【0532】
次いで、二次反応容器の内容物を室温で30秒間インキュベートする。
【0533】
次に、空気圧モジュールを操作して、二次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移しつつ、磁石(まだ係合している)はビーズを定位置に保持する。
【0534】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、200μLのCOOHビーズ洗浄2を試薬容器(例えば、85%エタノール)に分注する。
【0535】
COOHビーズ洗浄2は、前のステップから分注システム内の汚染物質を洗い流すために、COOHビーズ洗浄1と同一の緩衝液を使用して完了される。このステップは、純度を確保するために、又は溶液中に汚染物質が出現する可能性を更に低減するために、必要に応じて1回を超える回数、反復され得る。代替的に、汚染物質が懸念されない場合、又は分注システムが潜在的な汚染を回避する独立チャンネルを含む場合、このステップは省略され得る。
【0536】
次に、空気圧モジュールを操作して、試薬容器の内容物を二次反応容器に移す。
【0537】
次いで、二次反応容器の内容物を室温で30秒間インキュベートする。
【0538】
次に、空気圧モジュールを操作して、二次反応容器の液体内容物を廃棄物容器240に移しつつ、磁石(まだ係合している)はビーズを定位置に保持する。
【0539】
次いで、磁石710は、一次反応容器から係合解除される。
【0540】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、30μLのCOOH溶出緩衝液(例えば、1×TE緩衝液pH8)を試薬容器に分注する。
【0541】
次いで、空気圧モジュールを操作して、溶出緩衝液を二次反応容器に移す。
【0542】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、二次反応容器の内容物の混合を促進し、COOHビーズから溶出緩衝液にDNAを放出する。
【0543】
運動モジュール及び磁気モジュールを操作して、磁石710と係合し、磁気ビーズを二次反応容器の1つ以上の側方に保持する。次のステップの前に、約1分の沈降時間が許容され得る。
【0544】
次に、空気圧モジュールを操作して、二次反応容器(溶出液)の液体内容物を空気透過性膜まで引き上げ、計量チャンネルを充填する。
【0545】
次に、運動モジュール及び試薬モジュールを操作して、中性緩衝液(例えば、199μLの1×TE緩衝液pH8)をQC緩衝剤容器265内、及び3つのQC基準緩衝液容器275(例えば、200μLの1×TE緩衝液pH8)に分注する。
【0546】
次に、空気圧モジュールを操作して、空気がチャンネルを充填するまで、緩衝液を、計量チャンネルからの溶出液の一定分量(例えば、1μL)とともに、QC緩衝剤容器から計量チャンネルを通じてQC容器265内に引き込む。また空気圧モジュールを操作して、緩衝液をQC基準緩衝液容器275から対応するQC基準容器271に移す。
【0547】
QC容器265及びQC基準緩衝液容器275は、各々、同様の量(例えば、0.2μg)の乾燥DNA染料を含有し、QC基準緩衝液容器275は、各々、比較のための異なる基準量のgDNA(例えば、各々、4ngのgDNA、60ngのgDNA、500ngのgDNA)を含有する。
【0548】
次いで、空気圧モジュールを操作して、溶出液の残りを二次反応容器から出力容器250に移す。
【0549】
オービタルシェーカを1100rpmで10秒間操作して、QC容器261及びQC基準容器271の内容物の混合、及びQC基準容器内の予め装填された染料及び基準核酸(NA)の再懸濁を促進する。
【0550】
運動モジュールを操作して、光学モジュールを、サンプルカートリッジ及び緩衝液とともに溶出液の一定分量を含むQC容器に対応する位置に移動させ、光学モジュールを操作して、QC容器の内容物に対して蛍光測定を実行する。
【0551】
運動モジュールが更に操作され、光学モジュールを3つのQC基準容器に対応する3つの位置に移動させ、光学モジュールが操作され、QC基準容器の各々の内容物に対して蛍光測定を実行する。
【0552】
次いで、蛍光測定からのデータを使用して、既知の濃度を有する3つの参照容器からの測定間の曲線を適合させ、内挿(又は外挿)して溶出液の濃度を判定することによって、最終溶出液のDNA濃度を判定する。結果として生じるデータは、記録及び/又は捕捉のためにLIMSシステムに送信され得る。
【0553】
最後に、空気圧モジュールは、サンプルカートリッジから下降及び係合解除され得る。これには、いくつかの実施形態に係る、ワークフロープログラムの終了が含まれ得る。
【0554】
次いで、サンプルカートリッジ200は、ユーザによって器具100から取り外され得る。一時的な蓋259は、出力容器250から取り外されてもよく、主要な蓋は、出力容器250を封止するために閉じられてもよい。
【0555】
次いで、出力容器250を出力容器シート254から取り外し、サンプルカートリッジ200の残りの部分を廃棄してもよい。
【0556】
本開示の広範にわたる一般的な範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して多数の変形及び/又は修正が行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示であり、限定ではないとみなされるべきである。
【国際調査報告】