(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】回転角制限機構、それを有する車両ステアリングシステム、及び車両
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20231227BHJP
B62D 1/16 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B62D5/04
B62D1/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539304
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2021142668
(87)【国際公開番号】W WO2022143804
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011627883.0
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100219117
【氏名又は名称】金 亨泰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲鵬▼
【テーマコード(参考)】
3D030
3D333
【Fターム(参考)】
3D030DC01
3D030DG00
3D333CB02
3D333CB29
3D333CD08
3D333CE53
(57)【要約】
回転角制限機構、それを有する車両ステアリングシステム、及び車両であり、回転角制限機構(100)は、少なくとも1つの係合構造(11)が設けられた回転テーブル(1)と、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが設けられた可動部材(2)であって、回転テーブルが回転して可動部材を移動させることにより、係合構造を第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とのうちの1つに当接させ、係合構造が第1のストッパ構造に当接する場合に回転テーブルが第1の限界位置に位置し、係合構造が第2のストッパ構造に当接する場合に回転テーブルが第2の限界位置に位置する可動部材(2)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの係合構造が設けられた回転テーブルと、
第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが設けられた可動部材であって、前記回転テーブルが回転して前記可動部材を移動させることにより、前記係合構造を前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とのうちの1つに当接させ、前記係合構造が前記第1のストッパ構造に当接する場合に前記回転テーブルが第1の限界位置に位置し、前記係合構造が前記第2のストッパ構造に当接する場合に前記回転テーブルが第2の限界位置に位置する可動部材とを含むことを特徴とする、回転角制限機構。
【請求項2】
前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、前記可動部材の外周面に設けられ、或いは、
前記可動部材に溝が形成され、前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、前記溝に設けられたストッパ突起であることを特徴とする、請求項1に記載の回転角制限機構。
【請求項3】
前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、前記可動部材の周方向に間隔を隔てて設けられることを特徴とする、請求項2に記載の回転角制限機構。
【請求項4】
前記可動部材は、可動部材本体と取付部とを含み、前記取付部は、前記可動部材本体の前記回転テーブルに面する側の表面に設けられ、前記取付部の横断面積は、前記可動部材本体の横断面積よりも小さく、
前記取付部の外周面に2つの突起部が設けられ、2つの前記突起部は、前記取付部の周方向に沿って間隔を隔てて設けられ、2つの前記突起部は、前記第1のストッパ構造として、前記第2のストッパ構造としてそれぞれ構成されることを特徴とする、請求項3に記載の回転角制限機構。
【請求項5】
前記可動部材に溝が形成され、
前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、少なくとも2対あり、そのうちの1対が前記可動部材の外周面に設けられ、他の1対が前記溝の側壁に設けられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項6】
前記第1のストッパ構造は、前記可動部材の外周面に設けられ、
前記可動部材に溝が形成され、前記第2のストッパ構造は、前記溝に設けられたストッパ突起であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項7】
前記可動部材に前記可動部材の径方向に沿って貫通する開口が形成され、前記回転テーブルが前記第1の限界位置から前記第2の限界位置まで回転する場合、前記係合構造は、前記開口を通過して前記可動部材の外周から前記溝内まで回転し、
前記回転テーブルが前記第2の限界位置から前記第1の限界位置まで回転する場合、前記係合構造は、前記開口を通過して前記溝内から前記可動部材の外周まで回転することを特徴とする、請求項6に記載の回転角制限機構。
【請求項8】
前記係合構造は、前記回転テーブルに設けられたストッパバンプであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項9】
前記回転テーブルに2つの前記ストッパバンプが設けられ、2つの前記ストッパバンプは、それぞれ第1のストッパバンプと第2のストッパバンプであり、
前記第1のストッパバンプは、前記回転テーブルの中心に隣接して設けられ、前記第2のストッパバンプは、前記第1のストッパバンプに対して前記回転テーブルの中心から離れて設けられることを特徴とする、請求項8に記載の回転角制限機構。
【請求項10】
前記係合構造は、前記回転テーブルの前記可動部材に面する側の表面に設けられることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項11】
前記回転テーブルに螺旋溝が設けられ、前記可動部材にガイドシャフトが設けられ、前記ガイドシャフトは、螺旋溝内に移動可能に係合され、前記回転テーブルは、前記ガイドシャフトにより前記可動部材を移動させることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項12】
前記回転テーブルの周方向における前記螺旋溝の回転角は、αであり、前記αは、720°≦α≦1440°を満たすことを特徴とする、請求項11に記載の回転角制限機構。
【請求項13】
係合溝が形成された固定部材であって、前記可動部材が前記係合溝内に移動可能に係合され、前記回転テーブルが回転する場合に前記可動部材が前記係合溝内に移動する固定部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項14】
前記回転角制限機構が受ける最大トルクは、Mであり、前記Mは、M≧50N・mを満たすことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の回転角制限機構。
【請求項15】
ステアリングシャフトと、
請求項1~14のいずれか一項に記載の回転角制限機構であって、前記回転角制限機構の回転テーブルが前記ステアリングシャフトに固定される回転角制限機構とを含むことを特徴とする、車両ステアリングシステム。
【請求項16】
請求項15に記載の車両ステアリングシステムを含むことを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2020年12月30日に提出した、名称が「回転角制限機構、それを有する車両ステアリングシステム、及び車両」の中国特許出願第「202011627883.0」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、回転角制限の技術分野に関し、特に、回転角制限機構、それを有する車両ステアリングシステム、及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、ステアバイワイヤシステムは、ハンドルと転舵輪との間の従来の機械的接続がキャンセルされ、データバスを介して信号を伝達し、ステアリング制御システムからフィードバックコマンドを取得する。しかしながら、ステアバイワイヤシステムにおいてステアリングギヤがステアリングシャフトに機械的制限を提供することができないため、ステアリングシャフトに回転角制限機構を設けて、ハンドルの任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決しようとする。
【0005】
このために、本願は、ハンドルの角度制限を実現することにより、ハンドルの任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避することができる回転角制限機構を提供することを1つの目的とする。
【0006】
本願は、上記回転角制限機構を有する車両ステアリングシステムを提供することを他の目的とする。
【0007】
本願は、上記車両ステアリングシステムを有する車両を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る回転角制限機構は、少なくとも1つの係合構造が設けられた回転テーブルと、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが設けられた可動部材であって、前記回転テーブルが回転して前記可動部材を移動させることにより、前記係合構造を前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とのうちの1つに当接させ、前記係合構造が前記第1のストッパ構造に当接する場合に前記回転テーブルが第1の限界位置に位置し、前記係合構造が前記第2のストッパ構造に当接する場合に前記回転テーブルが第2の限界位置に位置する可動部材とを含む。
【0009】
本願の実施例に係る回転角制限機構において、回転テーブルと可動部材とが設けられ、回転テーブルに少なくとも1つの係合構造が設けられ、可動部材に第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが設けられ、かつ回転テーブルが回転して可動部材を移動させることにより、係合構造を第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とのうちの1つに当接させるため、係合構造が第1のストッパ構造又は第2のストッパ構造に当接する場合に回転テーブルのさらなる回転を効果的に限定することができ、それにより、優れた制限作用を果たすことができる。回転角制限機構を、ステアリングシャフトとステアリングギヤとが分離される車両ステアリングシステム、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、ハンドルの回転角制限機能を実現することができ、それにより、ハンドルの任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避することができ、信頼性が高い。
【0010】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、前記可動部材の外周面に設けられ、或いは、前記可動部材に溝が形成され、前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、前記溝に設けられたストッパ突起である。
【0011】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、前記可動部材の周方向に間隔を隔てて設けられる。
【0012】
本願のいくつかの実施例によれば、前記可動部材は、可動部材本体と取付部とを含み、前記取付部は、可動部材本体の前記回転テーブルに面する側の表面に設けられ、前記取付部の横断面積は、前記可動部材本体の横断面積よりも小さく、
前記取付部の外周面に2つの突起部が設けられ、2つの前記突起部は、前記取付部の周方向に沿って間隔を隔てて設けられ、2つの前記突起部は、前記第1のストッパ構造として、前記第2のストッパ構造としてそれぞれ構成される。
【0013】
本願のいくつかの実施例によれば、前記可動部材に溝が形成され、前記第1のストッパ構造と前記第2のストッパ構造とは、少なくとも2対あり、そのうちの1対が前記可動部材の外周面に設けられ、他の1対が前記溝の側壁に設けられる。
【0014】
本願のいくつかの実施例によれば、前記第1のストッパ構造は、前記可動部材の外周面に設けられ、前記可動部材に溝が形成され、前記第2のストッパ構造は、前記溝に設けられたストッパ突起である。
【0015】
本願のいくつかの実施例によれば、前記可動部材に前記可動部材の径方向に沿って貫通する開口が形成され、前記回転テーブルが第1の限界位置から第2の限界位置まで回転する場合、前記係合構造は、前記開口を通過して前記可動部材の外周から前記溝内まで回転し、
前記回転テーブルが第2の限界位置から第1の限界位置まで回転する場合、前記係合構造は、前記開口を通過して前記溝内から前記可動部材の外周まで回転する。
【0016】
本願のいくつかの実施例によれば、前記係合構造は、前記回転テーブルに設けられたストッパバンプである。
【0017】
本願のいくつかの実施例によれば、前記回転テーブルに2つの前記ストッパバンプが設けられ、2つの前記ストッパバンプは、それぞれ第1のストッパバンプと第2のストッパバンプであり、
前記第1のストッパバンプは、前記回転テーブルの中心に隣接して設けられ、前記第2のストッパバンプは、前記第1のストッパバンプに対して前記回転テーブルの中心から離れて設けられる。
【0018】
本願のいくつかの実施例によれば、前記係合構造は、前記回転テーブルの前記可動部材に面する側の表面に設けられる。
【0019】
本願のいくつかの実施例によれば、前記回転テーブルに螺旋溝が設けられ、前記可動部材にガイドシャフトが設けられ、前記ガイドシャフトは、螺旋溝内に移動可能に係合され、前記回転テーブルは、前記ガイドシャフトにより前記可動部材を移動させる。
【0020】
本願のいくつかの実施例によれば、前記回転テーブルの周方向における前記螺旋溝の回転角は、αであり、前記αは、720°≦α≦1440°を満たす。
【0021】
本願のいくつかの実施例によれば、前記回転角制限機構は、係合溝が形成された固定部材であって、前記可動部材が前記係合溝内に移動可能に係合され、前記回転テーブルが回転する場合に前記可動部材が前記係合溝内に移動する固定部材をさらに含む。
【0022】
本願のいくつかの実施例によれば、前記回転角制限機構が受ける最大トルクは、Mであり、前記Mは、M≧50N・mを満たす。
【0023】
本願の第2の態様の実施例に係る車両ステアリングシステムは、ステアリングシャフトと、本願の上記第1の形態の実施例に係る回転角制限機構であって、前記回転角制限機構の回転テーブルが前記ステアリングシャフトに固定される回転角制限機構とを含む。
【0024】
本願の第3の態様の実施例に係る車両は、本願の上記第2の態様の実施例に係る車両ステアリングシステムを含む。
【発明の効果】
【0025】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0027】
【
図1】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの斜視図である。
【
図2】
図1に示された車両ステアリングシステムの別の角度の斜視図である。
【
図3】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの構造概略図である。
【
図6】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの別の角度の構造概略図である。
【
図9】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転テーブル、ステアリングシャフト、固定部材及び可動部材の組立概略図である。
【
図10】本願の実施例に係る回転テーブルとステアリングシャフトとの接続概略図である。
【
図11】本願の実施例に係る固定部材の斜視図である。
【
図12】本願の実施例に係る可動部材の斜視図である。
【
図13】本願の実施例に係る可動部材と固定部材との組立概略図である。
【
図14】本願の実施例に係る回転テーブルの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0029】
以下、
図1~
図14を参照して本願の実施例に係る回転角制限機構100を説明する。回転角制限機構100は、車両ステアリングシステム200に適用することができる。本願の以下の説明において、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200に適用することを例として説明する。当然のことながら、当業者であれば理解されるように、回転角制限機構100は、車両ステアリングシステム200だけでなく、他のタイプのシステムに適用することができる。
【0030】
図4、
図5、
図7及び
図8に示すように、本願の実施例に係る回転角制限機構100は、回転テーブル1と可動部材2とを含む。
【0031】
具体的には、回転テーブル1に少なくとも1つの係合構造11が設けられ、可動部材2に第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが設けられ、回転テーブル1が回転して可動部材2を移動させることにより、係合構造11を第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とのうちの1つに当接させることができ、係合構造11が第1のストッパ構造に当接する場合に回転テーブル1が第1の限界位置に位置し、係合構造11が第2のストッパ構造に当接する場合に回転テーブル1が第2の限界位置に位置する。
【0032】
例えば、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、回転テーブル1は、ステアリングシャフト201に固定されてもよい。運転者が車両のハンドルを操作してステアリングシャフト201を時計回り方向のような第1の回転方向に沿って回転させる場合、回転テーブル1は、ステアリングシャフト201とともに上記第1の回転方向に沿って回転して可動部材2を移動させることができ、係合構造11が第1のストッパ構造に当接する場合、回転テーブル1は、第1の限界位置まで回転し、この場合、回転テーブル1は、上記第1の回転方向に沿って回転し続けることができず、第1の回転方向と逆の、反時計回り方向のような第2の回転方向のみに沿って回転することができ、それにより、第1の回転方向に沿ったステアリングシャフト201の角度制限を実現することができ、運転者が車両のハンドルを操作してステアリングシャフト201を反時計回り方向のような第2の回転方向に沿って回転させる場合、回転テーブル1は、ステアリングシャフト201とともに第2の回転方向に沿って回転して可動部材2を移動させることができ、係合構造11が第2のストッパ構造に当接する場合、回転テーブル1は、第2の限界位置まで回転し、この場合、回転テーブル1は、上記第2の回転方向に沿って回転し続けることができず、第1の回転方向のみに沿って回転することができ、それにより、第2の回転方向に沿ったステアリングシャフト201の角度制限を実現することができる。
【0033】
これにより、回転テーブル1が第1の限界位置又は第2の限界位置に位置する場合、係合構造11が第1のストッパ構造又は第2のストッパ構造に当接し、回転テーブル1のさらなる回転を制限することができるため、回転テーブル1の回転角制限を実現することができ、また、回転角制限機構100は、構造が簡単であり、信頼性が高い。また、このように設けられた回転角制限機構100は、ステアリングシャフト201とステアリングギヤとが分離される車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムなどに適用することができ、ハンドルの任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避することができる。また、上記可動部材2を設けることにより、回転テーブル1が第1の限界位置又は第2の限界位置に位置する場合のみ、係合構造11は、対応する第1のストッパ構造又は第2の制限機構に当接することができ、回転テーブルが他の位置に位置する場合、係合構造11は、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とからずれることができ、それにより、回転角制限機構100の大きな角度の制限を実現し、車両のステアリングニーズを満たす。
【0034】
本願の実施例に係る回転角制限機構100において、回転テーブル1と可動部材2とが設けられ、回転テーブル1に少なくとも1つの係合構造11が設けられ、可動部材2に第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが設けられ、かつ回転テーブル1が回転して可動部材2を移動させることにより、係合構造11を第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とのうちの1つに当接させるため、係合構造11が第1のストッパ構造又は第2のストッパ構造に当接する場合に回転テーブル1のさらなる回転を効果的に限定することができ、それにより、優れた制限作用を果たすことができる。回転角制限機構100を、ステアリングシャフト201とステアリングギヤとが分離される車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、ハンドルの回転角制限機能を実現することができ、それにより、ハンドルの任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避することができ、信頼性が高い。
【0035】
本願のいくつかの実施例によれば、
図10、
図12及び
図14を参照すると、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、可動部材2の外周面に設けることができる。このように設けると、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、係合構造11に対して効果的なストッパと制限作用を果たすと同時に、可動部材2の外周面の空間が大きいため、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造との加工を容易にする。
【0036】
本願のいくつかの実施例によれば、上記第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、可動部材2の周方向に間隔を隔てて設けられる。例えば、
図10、
図12及び
図14の例において、可動部材2は、可動部材本体21と取付部22とを含み、取付部22は、可動部材本体21の回転テーブル1に面する側の表面に設けられ、取付部22の横断面積は、可動部材本体21の横断面積よりも小さくてもよい。取付部22の外周面に2つの突起部221が設けられ、2つの突起部221は、取付部22の周方向に沿って間隔を隔てて設けられ、2つの突起部221は、それぞれ第1のストッパ構造と第2のストッパ構造であり、各突起部221の回転テーブル1から離れる側の表面の少なくとも一部は、可動部材本体21に接続され、それにより第1のストッパ構造と第2のストッパ構造との構造強度を向上させることができる。これにより、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とを間隔を隔てて設けることにより、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造からの可動部材2に対する力を分散させることができ、それにより、可動部材2の受力をより均一にし、可動部材2の移動をより安定にする。
【0037】
当然のことながら、本願は、これに限定されず、本願の他の実施例によれば、
図10、
図12及び
図14を参照すると、可動部材2に溝23が形成され、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、溝23に設けられたストッパ突起231であってもよい。例えば、
図12の例において、溝23に設けられた第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、可動部材2の周方向に間隔を隔てて設けられてもよい。これにより、上記第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、同様に、係合構造11に対して効果的なストッパと制限作用を果たすことができ、それにより、回転テーブル1が第1の限界位置及び第2の限界位置まで回転する場合に回転テーブル1のさらなる回転を限定し、このように設けられた第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、可動部材2の横方向の占有空間を減少させることができ、それにより、回転角制限機構100全体の構造をよりコンパクトにすることができる。また、溝23を設けることにより、可動部材2全体の重量を軽減することができ、それにより、回転テーブル1が可動部材2を移動させることを容易にし、回転テーブル1と可動部材2の移動のスムーズ性を効果的に向上させ、コストを低減することができる。
【0038】
本願のさらにいくつかの実施例によれば、
図12を参照すると、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とは、少なくとも2対あり、1つの第1のストッパ構造と1つの第2のストッパ構造とは1対であり、そのうちの1対は、可動部材2の外周面に設けられ、他の1対は、溝23の側壁に設けられる。これにより、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とを少なくとも2対設けることにより、そのうちの1つの第1のストッパ構造又は第2のストッパ構造の損傷による制限故障を回避することができる。回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、車両ステアリングシステム200の制限信頼性をさらに保証することができ、それにより、ハンドルの任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷をさらに回避し、車両ステアリングシステム200の耐用年数を効果的に向上させ、走行安全をさらに保証することができる。
【0039】
本願のさらなるいくつかの実施例によれば、第1のストッパ構造は、可動部材2の外周面に設けられ、第2のストッパ構造は、溝23に設けられたストッパ突起231(未図示)である。例えば、可動部材2に可動部材2の径方向に沿って貫通する開口が形成されてもよく、回転テーブル1が第1の限界位置から第2の限界位置まで回転する場合、係合構造11は、上記開口を通過して可動部材2の外周から溝23内まで回転することができ、回転テーブル1が第2の限界位置から第1の限界位置まで回転する場合、係合構造11は、上記開口を通過して溝23内から可動部材2の外周まで回転することができる。
【0040】
このように、回転テーブル1の回転角制限を実現すると同時に、第1のストッパ構造の加工を容易にし、溝23を設けることは、同様に可動部材2の重量を減少させることができ、それにより、回転テーブル1と可動部材2との移動のスムーズ性を効果的に向上させることができる。また、第2のストッパ構造が溝23に設けられるため、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造との可動部材2の周方向の占有空間を相対的に小さくし、回転角制限機構100の体積を減少させることができる。
【0041】
理解されるように、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造との実際の設置位置及び具体的な構造などは、実際の必要に応じて具体的に決定して、実際の適用をよりよく満たすことができる。
【0042】
本願のいくつかの実施例において、
図10及び
図14を参照すると、係合構造11は、回転テーブル1に設けられたストッパバンプである。例えば、
図10及び
図14の例において、回転テーブル1に2つのストッパバンプが設けられ、2つのストッパバンプは、それぞれ第1のストッパバンプ111と第2のストッパバンプ112であってもよい。第1のストッパバンプ111は、回転テーブル1の中心に隣接して設けられ、第2のストッパバンプ112は、第1のストッパバンプ111に対して回転テーブル1の中心から離れて設けられ、例えば、第2のストッパバンプ112は、回転テーブルのエッジに位置することができる。これにより、係合構造11をストッパバンプとして設けることにより、係合構造11は、回転テーブル1が第1の限界位置又は第2の限界位置まで回転する場合、対応する第1のストッパ構造又は第2のストッパ構造の側面に当接することができ、制限が確実であり、構造がより簡単であり、加工しやすく、回転角制限機構100の加工効率を効果的に向上させ、コストを低減することができる。
【0043】
以下、
図10及び
図12を参照して、係合構造11と第1のストッパ構造、第2のストッパ構造との具体的な係合過程を説明する。ここで、係合構造11が2つであり、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造とが2対あることを例として説明する。
【0044】
図10に示すように、可動部材2の外周面に2つの突起部221が設けられ、2つの突起部221は、1対の第1のストッパ構造と第2のストッパ構造であり、2つの突起部221は、それぞれ第1の突起部と第2の突起部である。溝23内に2つのストッパ突起231が設けられ、2つのストッパ突起231は、他の1対の第1のストッパ構造と第2のストッパ構造であり、2つのストッパ突起231は、それぞれ第1の突起と第2の突起である。可動部材2の長さ方向の両端は、それぞれ第1の端と第2の端であり、第1の突起部と第1の突起とは、いずれも第1の端に隣接して設けられ、第2の突起部と第2の突起とは、いずれも第2の端に隣接して設けられる。
【0045】
回転テーブル1が第1の限界位置まで回転する場合、第1のストッパバンプ111は、第1の突起に当接し、第2のストッパバンプ112は、第2の突起部に当接し、回転テーブル1が第2の限界位置まで回転する場合、第1のストッパバンプ111は、第2の突起に当接し、第2のストッパバンプ112は、第1の突起部に当接する。
【0046】
これにより、回転テーブル1が第1の限界位置又は第2の限界位置まで回転する場合、2つの係合構造11は、それぞれ可動部材2の両端のストッパ構造(即ち、第1のストッパ構造と第2のストッパ構造)に当接することができ、それにより、可動部材2の受力をより均一にし、回転角制限機構100の耐用年数を向上させることができる。
【0047】
図10及び
図14に示される2つの係合構造11は、説明のために使用されており、当業者であれば、本願の技術手段を読んだ後、該手段を他の数の係合構造11の技術手段に適用することも本願の保護範囲内に含まれることを理解できることは明らかである。
【0048】
本願のいくつかの実施例において、
図10及び
図14を参照すると、係合構造11は、回転テーブル1の可動部材2に面する側の表面に設けられる。このように設けると、回転テーブル1が第1の限界位置及び第2の限界位置まで回転する場合、係合構造11は、第1のストッパ構造又は第2のストッパ構造とよりよく係合することができ、このように設けられた係合構造11は、回転テーブル1の周方向の寸法を減少させることができ、それにより、回転角制限機構100の体積を減少させることができる。回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、車両ステアリングシステム200の占有空間を減少させることができ、それにより、車両の空間レイアウトに役立つ。
【0049】
本願のいくつかの実施例において、
図5、
図8及び
図14を参照すると、回転テーブル1に螺旋溝12が設けられ、可動部材2にガイドシャフト24が設けられ、ガイドシャフト24は、螺旋溝12内に移動可能に係合され、回転テーブル1は、ガイドシャフト24により可動部材2を移動させる。例えば、
図8の例において、ガイドシャフト24の右端は、可動部材22に接続され、ガイドシャフト24の左端は、螺旋溝12内に係合され、螺旋溝12内に移動することができる。回転テーブル1の回転過程において、ガイドシャフト24は、螺旋溝12に対して螺旋溝12内に移動して可動部材2を移動させる。回転テーブル1が第1の限界位置まで回転する場合、ガイドシャフト24は、螺旋溝12の周方向両端のうちの一端に位置することができ、回転テーブル1が第2の限界位置まで回転する場合、ガイドシャフト24は、螺旋溝12の周方向両端のうちの他端に位置することができる。
【0050】
これにより、上記螺旋溝12及びガイドシャフト24を設けることにより、回転テーブル1が回転すると同時に可動部材2を移動させることができ、また、螺旋溝12が螺旋状に滑らかに延伸することができるため、ガイドシャフト24の螺旋溝12内の移動がスムーズであり、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、このように設けられた螺旋溝12は、構造が簡単であり、運転者がハンドルのステアリングを制御する過程において、回転テーブル1とガイドシャフト24との間の摩擦力は、基本的に一致するため、運転者の運転快適性を効果的に向上させることができる。また、ガイドシャフト24を螺旋溝12内に移動させ、回転テーブル1の回転角度をより大きくすることにより(例えば、360°よりも大きい)、大きな角度の制限を実現し、車両のステアリング要求を十分に満たすことができる。
【0051】
本願のいくつかの実施例によれば、回転テーブル1の周方向における螺旋溝12の回転角は、αであり、αは、720°≦α≦1440°を満たす。具体的には、例えば、α<720°である場合、回転テーブル1の周方向における螺旋溝12の回転角は、小さすぎ、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、回転テーブル1の回転角度は、車両のステアリング要求を満たすことができない可能性があり、α>1440°である場合、回転テーブル11の周方向における螺旋溝12の回転角は、大きすぎ、螺旋溝12の加工難度を向上させる。これにより、回転テーブル1を第1の限界位置から第2の限界位置まで回転させるか、又は第2の限界位置から第1の限界位置まで回転させる場合に回転テーブル1の回転角度αが720°≦α≦1440°を満たすように設定することにより、回転テーブル1の大きな角度の制限を実現することができ、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200に適用する場合、車両のステアリング需要を効果的に満たし、螺旋溝12の加工難度を低下させることができ、それにより、製造コストを低減することができる。
【0052】
本願のいくつかの実施例によれば、回転角αは、900°であってもよい。このように設定することにより、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、ハンドルの回転角度は、2.5周であり、即ち、ハンドルが0°である中間位置にある場合に最大で450°時計回りに回転するか又は450°反時計回りに回転することができ、回転角制限を実現すると同時に、車両のステアリング要求を効果的に満たし、回転テーブル1の加工製造に役立つことができる。
【0053】
当然のことながら、本願は、これに限定されず、回転角αは、他の角度であってもよい。理解できるように、αの具体的な数値は、実際の適用をよりよく満たすように、車両のステアリングニーズ及び適用場面などの実際の必要に応じて具体的に設定することができる。
【0054】
本願の実施例において、
図9、
図11及び
図13を参照すると、回転角制限機構100は、固定部材3をさらに含み、固定部材3に係合溝31が形成され、可動部材2は、係合溝31内に移動可能に係合され、回転テーブル1が回転する場合に可動部材2は、係合溝31内に移動する。
【0055】
例えば、
図11及び
図13の例において、係合溝31は、回転テーブル1の径方向に沿って延伸し、可動部材2の可動部材本体21は、係合溝31内に係合され、係合溝31に対して移動可能である。回転テーブル1が回転テーブル1の中心軸線を中心として回転する過程において、ガイドシャフト24は、螺旋溝12に沿って移動し、ガイドシャフト24が可動部材2に設けられるため、ガイドシャフト24は、可動部材2を固定部材3に対して係合溝31内で移動させる。これにより、上記係合溝31を設けることにより、係合溝31は、効果的な制限とガイド作用を果たし、可動部材2を係合溝31に沿って移動させ、可動部材2の回転を限定することができ、それにより、回転角制限機構100の制限信頼性を保証することができる。
【0056】
本願のいくつかの実施例によれば、
図13に示すように、固定部材3に2つのボス4が設けられ、2つのボス4は、それぞれ係合溝31の長さ方向の両端に位置する。回転テーブル1が第1の限界位置又は第2の限界位置まで回転する場合、可動部材2は、対応するボス4に当接して、可動部材2が係合溝31内から脱出することを防止し、回転テーブル1の回転をさらに限定して、回転テーブル1の角度制限をより確実にすることができる。
【0057】
本願のいくつかの実施例において、
図5、
図8、
図9及び
図11~
図13に示すように、取付部22の幅方向の両側に移動部222が設けられ、各移動部222は、それぞれ可動部材本体21を超えた対応する側面まで延伸する。固定部材3に互いに対向する2つの係合部32が設けられ、2つの係合部32は、それぞれ係合溝31の幅方向の両側に位置し、各係合部32と固定部材3との間にスライド溝が画定され、2つの移動部222は、それぞれ2つのスライド溝内に係合される。これにより、移動部222をスライド溝と係合させることにより、可動部材2の回転テーブル1の軸方向に沿った移動を限定することができる。
【0058】
本願のいくつかの実施例において、回転角制限機構100が受ける最大トルクは、Mであり、Mは、M≧50N・mを満たす。このように設定することにより、回転角制限機構100は、大きなトルクを受けることができ、回転角制限機構100を車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムに適用する場合、車両ステアリングシステム200が高い構造強度を有することを保証することができ、それにより、車両ステアリングシステム200全体の構造安定性を向上させることができる。
【0059】
図4、
図5及び
図7~
図10を参照すると、本願の第2の態様の実施例に係る車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムは、ステアリングシャフト201と回転角制限機構100とを含む。回転角制限機構100は、本願の上記第1の態様の実施例に係る回転角制限機構100であり、回転角制限機構100の回転テーブル11は、ステアリングシャフト201に固定される。
【0060】
例えば、
図4、
図5及び
図7~
図10の例において、回転テーブル1と、固定部材3と、可動部材2とは、いずれもステアリングシャフト201に嵌設され、このように、車両ステアリングシステム200の構造をよりコンパクトで、小型化にすることができる。車両ステアリングシステム200は、ハウジング202をさらに含んでもよく、ステアリングシャフト201は、ステアリングシャフト201の中心軸線を中心としてハウジング202内に回転可能に設けられ、固定部材3は、ハウジング202内に固定される。ステアリングシャフト201がステアリングシャフト201の中心軸線を中心として回転する過程において、回転テーブル1は、ステアリングシャフト201とともに回転して可動部材2を移動させることができ、係合構造11が第1のストッパ構造に当接する場合、回転テーブル1は、第1の限界位置まで回転し、係合構造11が第2のストッパ構造に当接する場合、回転テーブル1は、第2の限界位置まで回転し、それにより、ステアリングシャフト201の回転角制限を実現することができる。これにより、車両ステアリングシステム200のステアリングシャフト201とステアリングギヤとが分離される(例えば、ステアバイワイヤシステム)場合、ステアリングシャフト201の回転角制限を実現し、ステアリングシャフト201の任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避することができる。
【0061】
本願の実施例に係る車両ステアリングシステム200、例えば、ステアバイワイヤシステムは、上記回転角制限機構100を使用することにより、優れた制限作用を果たし、ステアリングシャフト201の任意回転によるクロックスプリング及び角度センサなどの部品への損傷を回避することができる。
【0062】
本願の実施例に係る車両(未図示)は、本願の上記実施例に係る車両ステアリングシステム200を含む。
【0063】
本願の実施例に係る車両は、上記車両ステアリングシステム200を用いることにより、ステアリングシャフト201とステアリングギヤとのステアリングトルク伝達が切断される場合にステアリングシャフト201の回転角制限を実現することができ、それにより、ステアリングシャフト201の任意回転を回避し、車両の耐用年数を向上させ、車両の信頼性を向上させることができる。
【0064】
本願の実施例に係る車両の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0065】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0066】
また、用語「第1の」、「第2の」は、目的の説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示するものであると理解すべきではない。これにより、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0067】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0068】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接的に接触することであってもよく、第1の特徴と第2の特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることであってもよく、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを表すことであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることであってもよく、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことを表すことであってもよい。
【0069】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略表現は、必ずしも同じ実施例又は例に対するものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0070】
以上、本願の実施例が示され、説明されるが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと見なすと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0071】
100 回転角制限機構
1 回転テーブル
11 係合構造
111 第1のストッパバンプ
112 第2のストッパバンプ
12 螺旋溝
2 可動部材
21 可動部材本体
22 取付部
221 突起部
222 移動部
23 溝
231 ストッパ突起
24 ガイドシャフト
3 固定部材
31 係合溝
32 係合部
4 ボス
200 車両ステアリングシステム
201 ステアリングシャフト
202 ハウジング
【国際調査報告】