(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】車両事故損失評価方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20231227BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231227BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541640
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2022088381
(87)【国際公開番号】W WO2023000737
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110836463.1
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323013309
【氏名又は名称】データ エンライテン テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,カイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ロンビン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ミングルイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ミンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ジア,ユンウェイ
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L055BB61
(57)【要約】
本願は、車両事故損失評価方法及び装置を提供する。車両事故損失評価方法は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することとを含む。該車両事故損失評価方法及び装置は高効率、インテリジェント且つ便利に車両に対する損失を査定し見積もることができ、現在の自動車の分野における損失が大きい事故車両に対する損失評価は部品を取外して検査する必要が有るとの現状の限界を打破する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、
前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、
前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、
前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、
前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することとを含むことを特徴する車両事故損失評価方法。
【請求項2】
前記車両情報は、車両ブランド及び配置車種情報を含むことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項3】
関連損傷部品を計算することは、
前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、衝突損傷タイプを特定することと、
特定された衝突損傷タイプに基づいて、対応する関連密度モデルを選択することと、
選択された関連密度モデルを利用して関連損傷部品を計算することと、を含むことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項4】
衝突損傷タイプは、前記コア部品及び該コア部品の損傷形態と第一対応関係を有し、
衝突損傷タイプは、前記関連密度モデルと第二対応関係を有し、
前記第一対応関係と前記第二対応関係の生成過程は、
過去事例データを収集し、過去事例データ中の車両情報に基づいて車種分類を行うことと、
過去事例における各自動車を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定することと、
異なるブランド、異なる配置となる車種の車両における各部品の三次元座標系における取付位置、更に車両の衝突部位の位置及び過去事例データにおける自動車衝突損傷程度データに基づいて、自動車衝突部位名称、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度を特定することと、
自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、衝突損傷タイプを分類することと、
異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定し、衝突損傷タイプを前記コア部品及び該コア部品の損傷形態に関連付けて保存することと、
異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立し、衝突損傷タイプを前記関連密度モデルに関連付けて保存することとを含むことを特徴する請求項3に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項5】
異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定することは、
過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビッグデータマイニング分析を行い、サンプルデータを損失金額に応じて分類することと、
異なる金額帯のサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける様々な部品の損傷が発生する確率を分析することにより、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、を含むことを特徴する請求項4に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項6】
異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立することは、
過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビックデータマイニング分析を行うことと、
部品間の損傷の発生確率を分析することにより、関連密度モデルを生成することを含むことと、を特徴する請求項4に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項7】
前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することは、
前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいてプレビュー損失報告を生成することと、
プレビュー損失報告における部品リストを修正することと、
修正した部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含むことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項8】
車両の車両情報及び修理工場情報を取得するための情報取得ユニットと、
前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定するための衝突位置及び事故形態特定ユニットと、
前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定するためのコア部品損傷特定ユニットと、
前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得するための関連損傷部品計算ユニットと、
損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成するための損失報告生成ユニットと、を有することを特徴する車両事故損失評価装置。
【請求項9】
少なくとも一つのプロセッサと、
少なくとも一つの前記プロセッサに結合され、指令が記憶される記憶装置であって、前記指令が少なくとも一つの前記プロセッサに実行される場合に、少なくとも一つのプロセッサに請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行させる記憶装置とを有することを特徴する計算装置。
【請求項10】
実行可能の指令が記憶され、前記指令が実行される場合、機械は請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行させることを特徴する機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車情報技術及び自動車損傷の査定技術に関し、より具体的には、車両事故損失評価方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
保険の請求、保険の査定、交通事故損失評価、及び自動車の修理などの、車両損失を確定する応用分野に関し、インターネット技術、IT技術、及び/又は人工知能などの技術により、どのように作業効率を向上させ、人件費を低減し、サービスレベルを向上させ、顧客の信頼を勝ち取るのは、業界と市場との共同の要望になる。交通事故損失評価は、場所、装置、及び/又は時間緊迫性等の要因により制限され、損失が大きい車両に対して、部品を取り外すことなく迅速に評価する必要がある。保険請求にかかる損傷査定は、損失が大きい車両に対して、まず修理価値があるかどうかを評価する必要があるので、部品を取り外し検査することなく迅速に評価することにより、正常修理で損失査定するか推定全損で損失査定するかを確定する必要がある。
【0003】
現在、保険会社は、損失が大きい車両に対する損失査定について、痛点は以下のとおりである。
【0004】
一、部品を取り外し検査することによる損失査定には、時間が長くなる。
【0005】
二、部品を取り外し検査することによる損失査定は、一般的に修理工場で行われ、たとえ保険会社が最終的に推定全損で損失査定し、車両の残存価額を競売にかけることを決定したいとしても、修理工場もいろいろと妨害になるだろう。
【0006】
三、車両を取り外し検査するための必要ではない費用ができてしまう。
【0007】
損失が大きく、正常修理で損失査定する事故車両に対して、部品損失にかかる項目は数十乃至百に上り、人手で損失査定リストを作成することは非常に時間がかかることであり、一般的に一時間以上を必要とする。迅速に評価し、すこし調整することにより数分間で損失査定リストを完成できれば、作業効率を大幅に向上させ、人件費を低減するには間違いないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は車両事故損失評価方法及び装置を革新的に提供し、従来の損失査定のやり方及び理念を突破し、自動車衝突損傷の形をモデリングし、大量の過去データを抽出し分析を行い、車両衝突損傷モデルと損失内訳との間の関連アルゴリズムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術目的を達成するために、本発明の一つの技術案は、車両事故損失評価方法を開示した。車両事故損失評価方法は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含む。
【0010】
更に、前記車両事故損失評価方法において、前記車両情報は、車両ブランド及び配置車種情報を含む。
【0011】
更に、前記車両事故損失評価方法において、関連損傷部品を計算することは、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、衝突損傷タイプを特定することと、特定された衝突損傷タイプに基づいて、対応する関連密度モデルを選択することと、選択された関連密度モデルを利用して関連損傷部品を計算することと、を含む。
【0012】
更に、前記車両事故損失評価方法において、衝突損傷タイプは、前記コア部品及び該コア部品の損傷形態と第一対応関係を有し、衝突損傷タイプは、前記関連密度モデルと第二対応関係を有し、前記第一対応関係と前記第二対応関係の生成過程は、過去事例データを収集し、過去事例データ中の車両情報に基づいて車種分類を行うことと、過去事例における各自動車を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定することと、異なるブランド、異なる配置となる車種の車両における各部品の三次元座標系における取付位置、更に車両の衝突部位の位置及び過去事例データにおける自動車衝突損傷程度データに基づいて、自動車衝突部位名称、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度を特定することと、自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、衝突損傷タイプを分類することと、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定し、衝突損傷タイプを前記コア部品及び該コア部品の損傷形態に関連付けて保存することと、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立し、衝突損傷タイプを前記関連密度モデルに関連付けて保存することと、を含む。
【0013】
更に、前記車両事故損失評価方法において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定することは、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビッグデータマイニング分析を行い、サンプルデータを損失金額に応じて分類することと、異なる金額帯のサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける様々な部品の損傷が発生する確率を分析することにより、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、を含む。
【0014】
更に、前記車両事故損失評価方法において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立することは、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビックデータマイニング分析を行うことと、部品間の損傷の発生確率を分析することにより、関連密度モデルを生成することと、を含む。
【0015】
更に、前記車両事故損失評価方法において、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することは、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいてプレビュー損失報告を生成することと、プレビュー損失報告における部品リストを修正することと、修正後の部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含む。
【0016】
上記の技術目的を達成するために、本発明の別の技術案は、車両事故損失評価装置を開示した。前記車両事故損失評価装置は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得するための情報取得ユニットと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定するための衝突位置及び事故形態特定ユニットと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定するためのコア部品損傷特定ユニットと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得するための関連損傷部品計算ユニットと、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成するための損失報告生成ユニットと、を有する。
【0017】
上記の技術目的を達成するために、本発明の別の技術案は、計算装置を開示した。前記計算装置は、少なくとも一つのプロセッサと、少なくとも一つの前記プロセッサに結合され、指令が記憶される記憶装置とを含み、前記指令が少なくとも一つの前記プロセッサに実行される場合に、少なくとも一つのプロセッサに以上の方法を実行させる。
【0018】
上記の技術目的を達成するために、本発明の別の技術案は、機械に読取できる記憶媒体を開示した。前記機械に読取できる記憶媒体は、実行可能の指令が記憶され、前記指令が実行される場合、前記機械に以上の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0020】
本発明の実施例が提供する車両事故の損失評価方法及び装置は、高効率、インテリジェント且つ便利に、車両に対する損失を査定し見積もることができ、現在の自動車の分野における損失が大きい事故車両に対する損失評価が、部品を取り外し検査することにより損失査定が必要という現状の限界を打破し、取り外して検査することなく損傷の境目を特定し、保険会社に対して適当な損失賠償案を制定し、損失賠償コストを節約するには意義が大きい。現在の自動車の分野における損失が大きい事故車両に対する損失評価が従業員のスキルに依存し過ぎるとの現状の限界を打破し、従業員の技術に対する要求を軽減させ、損失評価の効率を大幅に向上させた。現場で保険会社へ報告するときに迅速で正確に予測でき、保険会社の支払備金の計算に科学的保障を提供し、これまでの軽率な個人で決まる予測方法とは根本的に異なる。道路での交通事故の損失評価において、事故車両を迅速に評価することは、交通事故の迅速な処理、および/または事故紛争の迅速な処理に遠大な意義と価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図には、
【
図1】
図1は、本発明の実施例にかかる車両事故損失評価方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の一例にかかる見積書の概略図である。
【
図3A】
図3A及び
図3Bは、それぞれ本発明の例1にかかるレクサスSUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図3B】
図3A及び
図3Bは、それぞれ本発明の例1にかかるレクサスSUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、それぞれ本発明の例2にかかる北京現代SUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、それぞれ本発明の例2にかかる北京現代SUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図5A】
図5A及び
図5Bは、それぞれ本発明の例3にかかる一汽トヨタReizの3ボックス4ドア車両の異なる視角から見た実車衝突図である。
【
図5B】
図5A及び
図5Bは、それぞれ本発明の例3にかかる一汽トヨタReizの3ボックス4ドア車両の異なる視角から見た実車衝突図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の例3にかかる円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の例4にかかるコア部品であり、ユーザーが目視して部品の損傷形態をチェックする。
【
図7】
図7は、本発明の例5にかかるコア部品であり、ユーザーが目視して部品の損傷形態をチェックする。
【
図8】
図8は、本発明の例6にかかるコア部品であり、ユーザーが目視して部品の損傷形態をチェックする。
【
図9】
図9は、本発明の例1にかかる修正可能な損傷報告プレビューページの概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の一例にかかる
図1に示す方法のステップS140における第一対応関係及び第二対応関係の生成過程のフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施例にかかる車両事故損失評価装置の構造概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例にかかる車両事故損失評価処理のための計算装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に明細書の図面を参照して本発明にかかる車両事故損失評価方法及び装置を詳細に解説・説明する。
【0023】
図1は本発明の一つの実施例にかかる車両事故損失評価方法のフローチャートである。
【0024】
図1に示すように、ステップS110において、車両の車両情報及び修理工場情報を取得する。ここで、車両情報は車両ブランド及び配置車種情報を含んでもよい。
【0025】
オプションの実施形態として、ユーザーにより車両の車台番号(VIN、Vehicle Identification Number:車両識別番号)の画像を入力した後に光学文字認識(OCR、Optical Character Recognition)又はユーザーが手動で車両の車台番号情報を入力することにより、車両ブランド及び配置車種情報を取得することができる。修理工場情報、例えば修理工場の名称を取得し、修理工場によって、同じ自動車部品の修理価格が異なる可能性があるため、修理工場の名称に基づいて修理工場のタイプを判断することができ、例えば、修理工場のタイプは4S店及び総合修理工場を含み、修理工場のタイプに基づいて部品の修理価格を特定することができる。車両情報にはナンバープレート番号情報をさらに含めても良く、賠償請求するために保険会社へ損失報告を送信する必要があるときには、車両情報はナンバープレート番号情報を含む必要がある。ナンバープレート番号情報はユーザーにより手動で入力されてもよい。個人的な問い合わせのため、損失報告を保険会社に送信する必要がない場合には、ナンバープレート番号情報を入力しなくてもよい。代替方式として、一つの案件識別コードを入力又は生成することもできる。
【0026】
具体的な例として、見積書を作成する過程で損失査定される車両の基本情報を生成することができる。ユーザーは携帯電話モバイル機器を使用してAPPのホームページにアクセスするか、或いは、デスクトップコンピュータを使用してウェブページのホームページにアクセスし、ナンバープレート情報を入力してから、ユーザーが車両の車台番号(VIN)画像を入力した後にOCR識別又は手動で車両の車台番号情報を入力して車両車台番号情報を取得し、車台番号情報に基づいて車両の車種を特定し、その後に修理工場情報を選択して補完することにより、見積書を作成する。見積書の一例は
図2に示すとおりである。
【0027】
ステップS120において、車両情報に基づいて、車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定する。
【0028】
同類の自動車ブランドの車種を三次元座標系における対応サイズの直方体に仮設することができる。ユーザーは仮設の直方体上で円を描いて車両の衝突部位をマークし、事故形態を選択することができる。
【0029】
例1は、右後側の衝突を例とする。
図3Aは本発明の例1にかかるレクサスSUV車についての実車衝突図であり、車両右後側は衝突損傷エリアである。車両の衝突実際部位についての円描きに従って、プログラムは車両衝突損傷エリアが右後側であることをインテリジェントに計算する。
図3Bに示すように、車両エアバッグが展開したことを目測できるため、「エアバッグエアカーテンが損傷した」との事故形態をチェックする必要がある。
【0030】
例2については、
図4Aは本発明の例2にかかる北京現代SUV車についての実車衝突図であり、車両右前角及び真正面右寄りが衝突部位である。車両の衝突実際部位についての円描きに従って、プログラムは車両衝突損傷エリアが右前角及び正面であることをインテリジェントに計算する。
図4Bに示すように、車両エアバッグが展開し、エンジン吸気マニホールドが損傷したことを目測できるため、「エアバッグエアカーテンが損傷した」及び「エンジンが損傷した」との事故形態をチェックする必要がある。
【0031】
例3については、
図5A及び
図5Bは本発明の例3にかかる一汽トヨタReiz3-ボックス4ドア車両についての実車衝突図であり、車両の右前角及び右後側は衝突部位である。車両の衝突実際部位についての円描きに従って、プログラムは車両衝突損傷エリアが右前角及び右後側であることをインテリジェントに計算する。
図5Cに示すように、車両エアバッグが展開したことを目測できるため、「エアバッグエアカーテンが損傷した」事故形態をチェックする必要がある。
【0032】
ステップS130において、車両情報及び衝突部位の三次元座標系における位置及び事故形態に基づいて、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定する。
【0033】
ここで、コア部品は、「車両の構造部品、又は衝突を緩衝する役割を果たす部品、又はある事故形態で部品関連密度が最も活発な部品である」ことを特徴とし、例えば「フロント縦ビームアセンブリ(左)は構造部品であり、衝突に対する支持力が最大であり、例えばフロントバンパーフレームは衝突緩衝部品であり、例えば前バンパーの表面は、真正面前、左前、右前に衝突する時に部品関連密度が最も活発であるものである」。コア部品は対応する車両部位に分布し、円を描いて車両の衝突部位をマークすると、対応するコア部品がポップアップされる。
【0034】
具体的には、まず自動車部品の組立位置を座標化する。部品の実際の組立位置に基づいて、組立部品についての座標系を確立し、各部品の組立位置に対して三次元座標を付与する。
【0035】
具体的な例として、ユーザーの円描きと事故形態のチェック操作の後、プログラムは具体的な車両の実際の組立部品に基づいて、対応するコア部品リストをポップアップさせ、ユーザーが損傷タイプを判断し、損傷部品を交換するか、板金修理で対応するかを判断する必要がある。ここで、コア部品は、車両外観の視認可能な損傷形態は、損傷形態が目測可能な部品など、部品を取り外す検査が必要なく損傷形態を判定できる部品であっても良い。コア部品の個数は3乃至12であってもよく、車両の衝突部位の個数及び車両配置に応じて異なってもよい。
図6は本発明の例4にかかるコア部品であり、ユーザーが目測し部品の損傷形態をチェックする。
図7は本発明の例5にかかるコア部品であり、ユーザーが目測し部品の損傷形態をチェックする。コア部品であるフロント縦ビームアセンブリを例として、車両のフロント縦ビームアセンブリが損傷したとすると、衝突の程度が厳しいことが分かり、車両のフロント縦ビームアセンブリが損傷していないとすると、損傷程度が軽微であることが分かる。
図8は本発明の例6にかかるコア部品であり、ユーザーが目測し部品の損傷形態をチェックする。
【0036】
ステップS140において、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得する。
【0037】
ステップS140において、関連損傷部品を計算することは、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、衝突損傷タイプを特定することと、特定された衝突損傷タイプに基づいて、対応する関連密度モデルを選択することと、選択された関連密度モデルを利用して関連損傷部品を計算することと、を含むことができる。得られた全ての損傷部品の名称を収集し、実際の事故車両の組立部品に基づいて余分な部品を除外し、損傷部品リストを生成する。
【0038】
ステップS150において、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて、損失評価見積を含む損失報告を生成する。
【0039】
ステップS150において損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失報告を生成することは、損傷部品リストと修理工場情報に基づいてプレビュー損失報告を生成することと、プレビュー損失報告における部品リストを修正することと、修正後の部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含むことができる。
【0040】
具体的な例として、
図9に示すように、依然として上記の例1を例とし、ユーザーは10個のコア部品のうちの6個について、交換又は修理が必要であると判定し、「残存価額見積を取得する」をクリックすると、プログラムは、車両衝突タイプが「右後側極重度の衝突」であり、部品交換項目は76項であり、合計102732元であり、人工費項目は14728元であり、損失評価合計は117010元であることをインテリジェントに計算する。該車両の実際の損失査定は109680元であり、偏差は7330元のみであり、偏差率は7.05%である。「内訳を見る」をクリックすると、具体的な損失評価内容をプレビューすることができる。
【0041】
偏差の原因は、幾つかの部品に対して交換するか修理するかという損傷形態が間違えたことにある。ユーザーがさらに修正すれば、正確かつ完全な評価ができる。代替的な実施形態として、修正については、ユーザーがプレビュー損失報告における損傷したコア部品リスト中のコア部品に対して削除及び/又は追加し、及び/又はコア部品の損傷形態等を修正することができる。
【0042】
代替的な実施形態として、上記ステップS140において、衝突損傷タイプは、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態と第一対応関係を有することができ、衝突損傷タイプは、関連密度モデルと第二対応関係を有することができる。
図10に示すように、第一対応関係と第二対応関係の生成過程は以下のステップを含むことができる。
【0043】
ステップS1410において、過去事例データを収集し、過去事例データ中の車両情報に基づいて車種分類を行う。
【0044】
乗用自動車の車体外観は主に3ボックス4ドア、3ボックス2ドア、2ボックス5ドア、SUV、MPV、及びワゴンなど合計6種類に分けられ、車両車台番号(VIN)を解析することにより各車両の具体的な外観タイプを取得することができる。
【0045】
ステップS1420において、過去事例における各自動車を三次元座標系における対応図形として仮設し、図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定する。
【0046】
具体的には、自動車衝突部位及びエリアの三次元座標データを事前に確立する必要がある。
図10に示すように、自動車車体外観を正前面衝突1、左前角衝突2、左前側衝突3、左中側衝突4、左後側衝突5、左後角衝突6、正後面衝突7、右後角衝突8、右後側衝突9、右中側衝突10、右前側衝突11、右前角衝突12、前中部衝突13、中中部衝突14、及び後中部衝突15など合計15の衝突部位に分類することができる。車体に応じて各衝突部位エリアに三次元座標データを確立し、ユーザーが円を描くとコンピュータは車両衝突に対応するエリア名称を算出することができる。
【0047】
ステップS1430において、異なるブランド、異なる配置となる車種の車両における各部品の三次元座標系における取付位置、更に車両の衝突部位の位置及び過去事例データにおける自動車衝突損傷程度データに基づいて、自動車衝突部位名称、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度を特定する。
【0048】
具体的には、自動車部品の取付位置の三次元座標ジャイロスコープデータを事前に作成する必要がある。自動車衝突事故には、自動車部品データベース例えばTOP2000部品データベースにおける部品の名称が99.90%の自動車部品の名称をカバーすることができる。
【0049】
各車両が実際にTOP2000部品データベース内のどの部品を取り付けたかは、車両の車台番号(VIN)により解析して取得することができる。TOP2000部品データベースにおける80%の部品は、それぞれ三室4ドア、三室2ドア、二室5ドア、SUV、MPV、及びマイクロバスの6種類の車体外形における取付位置が同じであり、その他20%の部品は自動車ブランド及び配置車種によって異なる。
【0050】
6種類の車体外形を二種類に分け、下記のとおりそれぞれ二通りの三次元立体部品座標系を確立することができる。
【0051】
第一種の部品座標系では、「三室2ドア」以外の車体外形となる車両の部品座標系OXYZ=0(9,12,3)、原点O=(0,0,0)は車両の左前下角点であり、X軸は車両左右方向、最長目盛は12であり、Y軸は車両前後方向、最長目盛は12であり、Z軸は車両上下方向、最長目盛は3である。
【0052】
第二種の部品座標系では、「三室2ドア」となる車体外形となる車両の部品座標系OXYZ=0(9,10,3)、原点O=(0,0,0)は車両の左前下角点であり、X軸は即ち車両左右方向、最長目盛は9であり、Y軸は車両前後方向、最長目盛は10であり、Z軸は車両上下方向、最長目盛は3である。
【0053】
具体的な例として、100以上の乗用自動車ブランド、20万種類以上の異なる配置車種、及び2000個の部品名称を、実際の部品の取付位置に基づいて、コンピュータにより自動車部品の取付位置の三次元座標ジャイロスコープデータを作成することができる。
【0054】
ステップS1440、自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、衝突損傷タイプを分類する。
【0055】
具体的な例として、自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、156種類の衝突損傷タイプを作成することができる。以下の表1に示すように、左前角に10種類の衝突損傷タイプがあり、左前側に15種類の衝突損傷タイプがある
【0056】
【表1】
具体的な例として、ビックデータマイニング分析方法によりコア部品及び部品損傷形態と156種類の衝突損傷タイプとの対応関係を取得する。ステップS1450において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定し、衝突損傷タイプをコア部品及び該コア部品の損傷形態に関連付けて保存する。
【0057】
具体的には、S1450は、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビッグデータマイニング分析を行い、サンプルデータを損失金額に応じて分類することと、異なる金額帯のサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける様々な部品の損傷が発生する確率を分析することにより、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、を含むことができる。
【0058】
具体的な例として、具体的には千万レベルの過去事故車両の損失査定記録をサンプルとし、ビックデータマイニング分析方法を採用し、サンプルを損失金額帯に応じて分類し、異なる金額帯におけるサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける各部品の損傷が発生する確率を分析することにより、156種類の衝突損傷タイプのコアキー部品名称及び部品損傷形態を特定する。逆に、ユーザーが円を描いてコア部品の損傷形態をチェックすると、コンピュータは事故車両の損傷タイプをインテリジェントに算出することもできる。
【0059】
車両の衝突部位及び事故形態とコアキー部品リストとの間に強い相関関係があり、ビックデータマイニング分析方法により取得することができる。ステップS1460において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立し、衝突損傷タイプを関連密度モデルに関連付けて保存する。
【0060】
具体的には、ステップ1460は、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビックデータマイニング分析を行うことと、部品間の損傷の発生確率を分析することにより関連密度モデルを生成することとを含むことができる。具体的な例として、同様に千万レベルの過去事故車両の損失査定記録をサンプルとし、ビックデータマイニング分析方法を採用し、部品損傷の間の関連密度を分析することができる。部品損傷の間の関連密度を分析することは、神経密度アルゴリズムで実現することができる。例えば、部品Aに交換損傷形態が発生した場合、部品Bに交換損傷形態が発生する密度がどの程度であるか。さらに例えば、部品Aと部品Bの両方に交換損傷形態が発生した場合、部品Cに交換損傷形態が発生する密度がどの程度であるか。このように類推して、TOP2000部品データベースにおける部品の関連が強い部品損傷形態を特定する。
【0061】
図11は本発明の他の実施例にかかる車両事故損失評価装置の構造概略図である。
図11に示すように、該実施例にかかる車両事故損失評価装置1100は情報取得ユニット1110、衝突位置及び事故形態特定ユニット1120、コア部品損傷特定ユニット1130、関連損傷部品計算ユニット1140及び損失報告生成ユニット1150を含む。
【0062】
情報取得ユニット1110は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得するためのものである。情報取得ユニット1110の操作は、
図1を参照して上述したステップS110の操作を参照することができる。
【0063】
衝突位置及び事故形態特定ユニット1120は、車両情報に基づいて、車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定するためのものである。衝突位置及び事故形態特定ユニット1120の操作は、
図1を参照して上述したステップS120の操作を参照することができる。
【0064】
コア部品損傷特定ユニット1130は、車両情報及び衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定するためのものである。コア部品損傷特定ユニット1130の操作は、
図1を参照して上述したステップS130の操作を参照することができる。
【0065】
関連損傷部品計算ユニット1140は、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより損傷部品リストを取得するためのものである。関連損傷部品計算ユニット1140の操作は、
図1を参照して上記したステップS140の操作を参照することができる。
【0066】
損失報告生成ユニット1150は、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成するためのものである。損失報告生成ユニット1150の操作は、
図1を参照して上述したステップS150の操作を参照することができる。
【0067】
本発明の実施例にかかる車両事故損失評価方法及び装置の特徴は、自動車部品の組立位置を座標化し、同類の自動車ブランドの車種を一つの長方体に仮設し、次に部品の実際の取り付け位置に基づいて、組立部品座標系を確立し、各部品の組立位置について三次元座標を付与する。同時に過去事故車の評価記録をマイニング分析し、神経密度アルゴリズムを運用し、車両部品の間の損傷発生確率、及び車両部品の損傷と車両衝突損傷程度との間の関連関係を算出する。車両事故の衝突部位、損傷程度と部品損傷関係の数学的モデルを確立することにより、事故車両の損失報告を迅速かつインテリジェントに評価する。人工知能(AI)を利用して自動車衝突損傷形態をモデリングし、大量の過去データでマイニング分析を行い、車両衝突損傷モデルと損失内訳との間の関連アルゴリズムを実現する。ユーザーは携帯電話端末とウェブページ端で便利に操作して使用することができ、迅速に評価することができる。
【0068】
図12は本発明の実施例にかかる車両事故損失評価処理のための計算装置の構造ブロック図である。
【0069】
図12に示すように、計算装置1200は、少なくとも一つのプロセッサ1210、記憶装置1220、メモリ1230、通信インタフェース1240及び内部バス1250を含み、かつ少なくとも一つのプロセッサ1210、記憶装置1220、メモリ1230及び通信インタフェース1240はバス1250を介して接続される。該少なくとも一つのプロセッサ1210は、コンピュータ可読記憶媒体(即ち、記憶装置1220)に記憶されるか又はコードされる少なくとも一つのコンピュータ可読指令(即ち、上記ソフトウェア形態で実現される要素)を実行する。
【0070】
実施例の一つにおいて、記憶装置1220にコンピュータ実行可能な指令が記憶され、実行する場合に少なくとも一つのプロセッサ1210によって、車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を実行させる。
【0071】
理解すべきなのは、記憶装置1220に記憶されたコンピュータ実行可能指令が実行される時に少なくとも一つのプロセッサ1210が本発明の各実施例における
図1乃至11を参照して上記した様々な操作及び機能を行うことである。
【0072】
本発明において、計算装置1200は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ノートブックコンピュータ、モバイル計算装置、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドヘルド装置、メッセージ送受信装置、ウェアラブル計算装置、消費電子装置等を含むが、それらに限定されない。
【0073】
実施例によれば、例えば非一時的な機械可読媒体のプログラム製品を提供する。非一時的な機械可読媒体は指令(即ち、上記ソフトウェア形態で実現される要素)を有してもよく、該指令が機械により実行される場合、機械は本発明の各実施例における
図1乃至11を参照して上記した様々な操作及び機能を実行する。
【0074】
具体的には、可読記憶媒体を備えたシステム又は装置を提供することができ、該可読記憶媒体に上記実施例のいずれかの実施例の機能を実現するソフトウェアプログラムコードを記憶し、かつ該システム又は装置のコンピュータ又はプロセッサは該可読記憶媒体に記憶された指令を読み取り実行する。
【0075】
このような状況で、可読媒体から読み取ったプログラムコード自体は上記実施例のいずれかの実施例の機能を実現することができるため、機械可読コード及び機械可読コードを記憶する可読記憶媒体は本発明の一部を構成する。
【0076】
可読記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク(例えばCD ROM、CD R、CD RW、DVD ROM、DVD RAM、DVD RW、DVD RW)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMを含む。オプションとして、通信ネットワークを介してサーバコンピュータ上又はクラウドからプログラムコードをダウンロードすることができる。
【0077】
以上は本発明の実施例だけであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容を利用して行われた同様な効果の構造又は同様な効果のフローの変換、又は他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用することは、いずれも同様に本発明の請求項の保護範囲内に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車情報技術及び自動車損傷の査定技術に関し、より具体的には、車両事故損失評価方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
保険の請求、保険の査定、交通事故損失評価、及び自動車の修理などの、車両損失を確定する応用分野に関し、インターネット技術、IT技術、及び/又は人工知能などの技術により、どのように作業効率を向上させ、人件費を低減し、サービスレベルを向上させ、顧客の信頼を勝ち取るのは、業界と市場との共同の要望になる。交通事故損失評価は、場所、装置、及び/又は時間緊迫性等の要因により制限され、損失が大きい車両に対して、部品を取り外すことなく迅速に評価する必要がある。保険請求にかかる損傷査定は、損失が大きい車両に対して、まず修理価値があるかどうかを評価する必要があるので、部品を取り外し検査することなく迅速に評価することにより、正常修理で損失査定するか推定全損で損失査定するかを確定する必要がある。
【0003】
現在、保険会社は、損失が大きい車両に対する損失査定について、痛点は以下のとおりである。
【0004】
一、部品を取り外し検査することによる損失査定には、時間が長くなる。
【0005】
二、部品を取り外し検査することによる損失査定は、一般的に修理工場で行われ、たとえ保険会社が最終的に推定全損で損失査定し、車両の残存価額を競売にかけることを決定したいとしても、修理工場もいろいろと妨害になるだろう。
【0006】
三、車両を取り外し検査するための必要ではない費用ができてしまう。
【0007】
損失が大きく、正常修理で損失査定する事故車両に対して、部品損失にかかる項目は数十乃至百に上り、人手で損失査定リストを作成することは非常に時間がかかることであり、一般的に一時間以上を必要とする。迅速に評価し、すこし調整することにより数分間で損失査定リストを完成できれば、作業効率を大幅に向上させ、人件費を低減するには間違いないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は車両事故損失評価方法及び装置を革新的に提供し、従来の損失査定のやり方及び理念を突破し、自動車衝突損傷の形をモデリングし、大量の過去データを抽出し分析を行い、車両衝突損傷モデルと損失内訳との間の関連アルゴリズムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術目的を達成するために、本発明の一つの技術案は、車両事故損失評価方法を開示した。車両事故損失評価方法は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含む。
【0010】
更に、前記車両事故損失評価方法において、前記車両情報は、車両ブランド及び配置車種情報を含む。
【0011】
更に、前記車両事故損失評価方法において、関連損傷部品を計算することは、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、衝突損傷タイプを特定することと、特定された衝突損傷タイプに基づいて、対応する関連密度モデルを選択することと、選択された関連密度モデルを利用して関連損傷部品を計算することと、を含む。
【0012】
更に、前記車両事故損失評価方法において、衝突損傷タイプは、前記コア部品及び該コア部品の損傷形態と第一対応関係を有し、衝突損傷タイプは、前記関連密度モデルと第二対応関係を有し、前記第一対応関係と前記第二対応関係の生成過程は、過去事例データを収集し、過去事例データ中の車両情報に基づいて車種分類を行うことと、過去事例における各自動車を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定することと、異なるブランド、異なる配置となる車種の車両における各部品の三次元座標系における取付位置、更に車両の衝突部位の位置及び過去事例データにおける自動車衝突損傷程度データに基づいて、自動車衝突部位名称、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度を特定することと、自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、衝突損傷タイプを分類することと、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定し、衝突損傷タイプを前記コア部品及び該コア部品の損傷形態に関連付けて保存することと、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立し、衝突損傷タイプを前記関連密度モデルに関連付けて保存することと、を含む。
【0013】
更に、前記車両事故損失評価方法において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定することは、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビッグデータマイニング分析を行い、サンプルデータを損失金額に応じて分類することと、異なる金額帯のサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける様々な部品の損傷が発生する確率を分析することにより、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、を含む。
【0014】
更に、前記車両事故損失評価方法において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立することは、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビックデータマイニング分析を行うことと、部品間の損傷の発生確率を分析することにより、関連密度モデルを生成することと、を含む。
【0015】
更に、前記車両事故損失評価方法において、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することは、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいてプレビュー損失報告を生成することと、プレビュー損失報告における部品リストを修正することと、修正後の部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含む。
【0016】
上記の技術目的を達成するために、本発明の別の技術案は、車両事故損失評価装置を開示した。前記車両事故損失評価装置は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得するための情報取得ユニットと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定するための衝突位置及び事故形態特定ユニットと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定するためのコア部品損傷特定ユニットと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得するための関連損傷部品計算ユニットと、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成するための損失報告生成ユニットと、を有する。
【0017】
上記の技術目的を達成するために、本発明の別の技術案は、計算装置を開示した。前記計算装置は、少なくとも一つのプロセッサと、少なくとも一つの前記プロセッサに結合され、指令が記憶される記憶装置とを含み、前記指令が少なくとも一つの前記プロセッサに実行される場合に、少なくとも一つのプロセッサに以上の方法を実行させる。
【0018】
上記の技術目的を達成するために、本発明の別の技術案は、機械に読取できる記憶媒体を開示した。前記機械に読取できる記憶媒体は、実行可能の指令が記憶され、前記指令が実行される場合、前記機械に以上の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0020】
本発明の実施例が提供する車両事故の損失評価方法及び装置は、高効率、インテリジェント且つ便利に、車両に対する損失を査定し見積もることができ、現在の自動車の分野における損失が大きい事故車両に対する損失評価が、部品を取り外し検査することにより損失査定が必要という現状の限界を打破し、取り外して検査することなく損傷の境目を特定し、保険会社に対して適当な損失賠償案を制定し、損失賠償コストを節約するには意義が大きい。現在の自動車の分野における損失が大きい事故車両に対する損失評価が従業員のスキルに依存し過ぎるとの現状の限界を打破し、従業員の技術に対する要求を軽減させ、損失評価の効率を大幅に向上させた。現場で保険会社へ報告するときに迅速で正確に予測でき、保険会社の支払備金の計算に科学的保障を提供し、これまでの軽率な個人で決まる予測方法とは根本的に異なる。道路での交通事故の損失評価において、事故車両を迅速に評価することは、交通事故の迅速な処理、および/または事故紛争の迅速な処理に遠大な意義と価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図には、
【
図1】
図1は、本発明の実施例にかかる車両事故損失評価方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の一例にかかる見積書の概略図である。
【
図3A】
図3A及び
図3Bは、それぞれ本発明の例1にかかるレクサスSUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図3B】
図3A及び
図3Bは、それぞれ本発明の例1にかかるレクサスSUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、それぞれ本発明の例2にかかる北京現代SUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、それぞれ本発明の例2にかかる北京現代SUV車の実車衝突図及び円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図5A】
図5A及び
図5Bは、それぞれ本発明の例3にかかる一汽トヨタReizの3ボックス4ドア車両の異なる視角から見た実車衝突図である。
【
図5B】
図5A及び
図5Bは、それぞれ本発明の例3にかかる一汽トヨタReizの3ボックス4ドア車両の異なる視角から見た実車衝突図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の例3にかかる円を描いて車両の衝突部位をマークして事故形態を選択するページ概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の例4にかかるコア部品であり、ユーザーが目視して部品の損傷形態をチェックする。
【
図7】
図7は、本発明の例5にかかるコア部品であり、ユーザーが目視して部品の損傷形態をチェックする。
【
図8】
図8は、本発明の例6にかかるコア部品であり、ユーザーが目視して部品の損傷形態をチェックする。
【
図9】
図9は、本発明の例1にかかる修正可能な損傷報告プレビューページの概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の一例にかかる
図1に示す方法のステップS140における第一対応関係及び第二対応関係の生成過程のフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施例にかかる車両事故損失評価装置の構造概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例にかかる車両事故損失評価処理のための計算装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に明細書の図面を参照して本発明にかかる車両事故損失評価方法及び装置を詳細に解説・説明する。
【0023】
図1は本発明の一つの実施例にかかる車両事故損失評価方法のフローチャートである。
【0024】
図1に示すように、ステップS110において、車両の車両情報及び修理工場情報を取得する。ここで、車両情報は車両ブランド及び配置車種情報を含んでもよい。
【0025】
オプションの実施形態として、ユーザーにより車両の車台番号(VIN、Vehicle Identification Number:車両識別番号)の画像を入力した後に光学文字認識(OCR、Optical Character Recognition)又はユーザーが手動で車両の車台番号情報を入力することにより、車両ブランド及び配置車種情報を取得することができる。修理工場情報、例えば修理工場の名称を取得し、修理工場によって、同じ自動車部品の修理価格が異なる可能性があるため、修理工場の名称に基づいて修理工場のタイプを判断することができ、例えば、修理工場のタイプは4S店及び総合修理工場を含み、修理工場のタイプに基づいて部品の修理価格を特定することができる。車両情報にはナンバープレート番号情報をさらに含めても良く、賠償請求するために保険会社へ損失報告を送信する必要があるときには、車両情報はナンバープレート番号情報を含む必要がある。ナンバープレート番号情報はユーザーにより手動で入力されてもよい。個人的な問い合わせのため、損失報告を保険会社に送信する必要がない場合には、ナンバープレート番号情報を入力しなくてもよい。代替方式として、一つの案件識別コードを入力又は生成することもできる。
【0026】
具体的な例として、見積書を作成する過程で損失査定される車両の基本情報を生成することができる。ユーザーは携帯電話モバイル機器を使用してAPPのホームページにアクセスするか、或いは、デスクトップコンピュータを使用してウェブページのホームページにアクセスし、ナンバープレート情報を入力してから、ユーザーが車両の車台番号(VIN)画像を入力した後にOCR識別又は手動で車両の車台番号情報を入力して車両車台番号情報を取得し、車台番号情報に基づいて車両の車種を特定し、その後に修理工場情報を選択して補完することにより、見積書を作成する。見積書の一例は
図2に示すとおりである。
【0027】
ステップS120において、車両情報に基づいて、車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定する。
【0028】
同類の自動車ブランドの車種を三次元座標系における対応サイズの直方体に仮設することができる。ユーザーは仮設の直方体上で円を描いて車両の衝突部位をマークし、事故形態を選択することができる。
【0029】
例1は、右後側の衝突を例とする。
図3Aは本発明の例1にかかるレクサスSUV車についての実車衝突図であり、車両右後側は衝突損傷エリアである。車両の衝突実際部位についての円描きに従って、プログラムは車両衝突損傷エリアが右後側であることをインテリジェントに計算する。
図3Bに示すように、車両エアバッグが展開したことを目測できるため、「エアバッグエアカーテンが損傷した」との事故形態をチェックする必要がある。
【0030】
例2については、
図4Aは本発明の例2にかかる北京現代SUV車についての実車衝突図であり、車両右前角及び真正面右寄りが衝突部位である。車両の衝突実際部位についての円描きに従って、プログラムは車両衝突損傷エリアが右前角及び正面であることをインテリジェントに計算する。
図4Bに示すように、車両エアバッグが展開し、エンジン吸気マニホールドが損傷したことを目測できるため、「エアバッグエアカーテンが損傷した」及び「エンジンが損傷した」との事故形態をチェックする必要がある。
【0031】
例3については、
図5A及び
図5Bは本発明の例3にかかる一汽トヨタReiz3-ボックス4ドア車両についての実車衝突図であり、車両の右前角及び右後側は衝突部位である。車両の衝突実際部位についての円描きに従って、プログラムは車両衝突損傷エリアが右前角及び右後側であることをインテリジェントに計算する。
図5Cに示すように、車両エアバッグが展開したことを目測できるため、「エアバッグエアカーテンが損傷した」事故形態をチェックする必要がある。
【0032】
ステップS130において、車両情報及び衝突部位の三次元座標系における位置及び事故形態に基づいて、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定する。
【0033】
ここで、コア部品は、車両の構造部品、又は衝突を緩衝する役割を果たす部品、又はある事故形態で部品関連密度が最も活発な部品であることを特徴とし、例えばフロント縦ビームアセンブリ(左)は構造部品であり、衝突に対する支持力が最大であり、例えばフロントバンパーフレームは衝突緩衝部品であり、例えば前バンパーの表面は、真正面前、左前、右前に衝突する時に部品関連密度が最も活発であるものである。コア部品は対応する車両部位に分布し、円を描いて車両の衝突部位をマークすると、対応するコア部品がポップアップされる。
【0034】
具体的には、まず自動車部品の組立位置を座標化する。部品の実際の組立位置に基づいて、組立部品についての座標系を確立し、各部品の組立位置に対して三次元座標を付与する。
【0035】
具体的な例として、ユーザーの円描きと事故形態のチェック操作の後、プログラムは具体的な車両の実際の組立部品に基づいて、対応するコア部品リストをポップアップさせ、ユーザーが損傷タイプを判断し、損傷部品を交換するか、板金修理で対応するかを判断する必要がある。ここで、コア部品は、車両外観の視認可能な損傷形態は、損傷形態が目測可能な部品など、部品を取り外す検査が必要なく損傷形態を判定できる部品であっても良い。コア部品の個数は3乃至12であってもよく、車両の衝突部位の個数及び車両配置に応じて異なってもよい。
図6は本発明の例4にかかるコア部品であり、ユーザーが目測し部品の損傷形態をチェックする。
図7は本発明の例5にかかるコア部品であり、ユーザーが目測し部品の損傷形態をチェックする。コア部品であるフロント縦ビームアセンブリを例として、車両のフロント縦ビームアセンブリが損傷したとすると、衝突の程度が厳しいことが分かり、車両のフロント縦ビームアセンブリが損傷していないとすると、損傷程度が軽微であることが分かる。
図8は本発明の例6にかかるコア部品であり、ユーザーが目測し部品の損傷形態をチェックする。
【0036】
ステップS140において、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得する。
【0037】
ステップS140において、関連損傷部品を計算することは、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、衝突損傷タイプを特定することと、特定された衝突損傷タイプに基づいて、対応する関連密度モデルを選択することと、選択された関連密度モデルを利用して関連損傷部品を計算することと、を含むことができる。得られた全ての損傷部品の名称を収集し、実際の事故車両の組立部品に基づいて余分な部品を除外し、損傷部品リストを生成する。
【0038】
ステップS150において、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて、損失評価見積を含む損失報告を生成する。
【0039】
ステップS150において損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失報告を生成することは、損傷部品リストと修理工場情報に基づいてプレビュー損失報告を生成することと、プレビュー損失報告における部品リストを修正することと、修正後の部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含むことができる。
【0040】
具体的な例として、
図9に示すように、依然として上記の例1を例とし、ユーザーは10個のコア部品のうちの6個について、交換又は修理が必要であると判定し、「残存価額見積を取得する」をクリックすると、プログラムは、車両衝突タイプが「右後側極重度の衝突」であり、部品交換項目は76項であり、合計102732元であり、人工費項目は14728元であり、損失評価合計は117010元であることをインテリジェントに計算する。該車両の実際の損失査定は109680元であり、偏差は7330元のみであり、偏差率は7.05%である。「内訳を見る」をクリックすると、具体的な損失評価内容をプレビューすることができる。
【0041】
偏差の原因は、幾つかの部品に対して交換するか修理するかという損傷形態が間違えたことにある。ユーザーがさらに修正すれば、正確かつ完全な評価ができる。代替的な実施形態として、修正については、ユーザーがプレビュー損失報告における損傷したコア部品リスト中のコア部品に対して削除及び/又は追加し、及び/又はコア部品の損傷形態等を修正することができる。
【0042】
代替的な実施形態として、上記ステップS140において、衝突損傷タイプは、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態と第一対応関係を有することができ、衝突損傷タイプは、関連密度モデルと第二対応関係を有することができる。
図10に示すように、第一対応関係と第二対応関係の生成過程は以下のステップを含むことができる。
【0043】
ステップS1410において、過去事例データを収集し、過去事例データ中の車両情報に基づいて車種分類を行う。
【0044】
乗用自動車の車体外観は主に3ボックス4ドア、3ボックス2ドア、2ボックス5ドア、SUV、MPV、及びワゴンなど合計6種類に分けられ、車両車台番号(VIN)を解析することにより各車両の具体的な外観タイプを取得することができる。
【0045】
ステップS1420において、過去事例における各自動車を三次元座標系における対応図形として仮設し、図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定する。
【0046】
具体的には、自動車衝突部位及びエリアの三次元座標データを事前に確立する必要がある。
図10に示すように、自動車車体外観を正前面衝突1、左前角衝突2、左前側衝突3、左中側衝突4、左後側衝突5、左後角衝突6、正後面衝突7、右後角衝突8、右後側衝突9、右中側衝突10、右前側衝突11、右前角衝突12、前中部衝突13、中中部衝突14、及び後中部衝突15など合計15の衝突部位に分類することができる。車体に応じて各衝突部位エリアに三次元座標データを確立し、ユーザーが円を描くとコンピュータは車両衝突に対応するエリア名称を算出することができる。
【0047】
ステップS1430において、異なるブランド、異なる配置となる車種の車両における各部品の三次元座標系における取付位置、更に車両の衝突部位の位置及び過去事例データにおける自動車衝突損傷程度データに基づいて、自動車衝突部位名称、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度を特定する。
【0048】
具体的には、自動車部品の取付位置の三次元座標ジャイロスコープデータを事前に作成する必要がある。自動車衝突事故には、自動車部品データベース例えばTOP2000部品データベースにおける部品の名称が99.90%の自動車部品の名称をカバーすることができる。
【0049】
各車両が実際にTOP2000部品データベース内のどの部品を取り付けたかは、車両の車台番号(VIN)により解析して取得することができる。TOP2000部品データベースにおける80%の部品は、それぞれ三室4ドア、三室2ドア、二室5ドア、SUV、MPV、及びマイクロバスの6種類の車体外形における取付位置が同じであり、その他20%の部品は自動車ブランド及び配置車種によって異なる。
【0050】
6種類の車体外形を二種類に分け、下記のとおりそれぞれ二通りの三次元立体部品座標系を確立することができる。
【0051】
第一種の部品座標系では、「三室2ドア」以外の車体外形となる車両の部品座標系OXYZ=0(9,12,3)、原点O=(0,0,0)は車両の左前下角点であり、X軸は車両左右方向、最長目盛は9であり、Y軸は車両前後方向、最長目盛は12であり、Z軸は車両上下方向、最長目盛は3である。
【0052】
第二種の部品座標系では、「三室2ドア」となる車体外形となる車両の部品座標系OXYZ=0(9,10,3)、原点O=(0,0,0)は車両の左前下角点であり、X軸は即ち車両左右方向、最長目盛は9であり、Y軸は車両前後方向、最長目盛は10であり、Z軸は車両上下方向、最長目盛は3である。
【0053】
具体的な例として、100以上の乗用自動車ブランド、20万種類以上の異なる配置車種、及び2000個の部品名称を、実際の部品の取付位置に基づいて、コンピュータにより自動車部品の取付位置の三次元座標ジャイロスコープデータを作成することができる。
【0054】
ステップS1440、自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、衝突損傷タイプを分類する。
【0055】
具体的な例として、自動車衝突部位、自動車衝突車体高さ及び自動車衝突損傷程度に応じて、156種類の衝突損傷タイプを作成することができる。以下の表1に示すように、左前角に10種類の衝突損傷タイプがあり、左前側に15種類の衝突損傷タイプがある
【0056】
【表1】
具体的な例として、ビックデータマイニング分析方法によりコア部品及び部品損傷形態と156種類の衝突損傷タイプとの対応関係を取得する。ステップS1450において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定し、衝突損傷タイプをコア部品及び該コア部品の損傷形態に関連付けて保存する。
【0057】
具体的には、S1450は、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビッグデータマイニング分析を行い、サンプルデータを損失金額に応じて分類することと、異なる金額帯のサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける様々な部品の損傷が発生する確率を分析することにより、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、を含むことができる。
【0058】
具体的な例として、具体的には千万レベルの過去事故車両の損失査定記録をサンプルとし、ビックデータマイニング分析方法を採用し、サンプルを損失金額帯に応じて分類し、異なる金額帯におけるサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける各部品の損傷が発生する確率を分析することにより、156種類の衝突損傷タイプのコアキー部品名称及び部品損傷形態を特定する。逆に、ユーザーが円を描いてコア部品の損傷形態をチェックすると、コンピュータは事故車両の損傷タイプをインテリジェントに算出することもできる。
【0059】
車両の衝突部位及び事故形態とコアキー部品リストとの間に強い相関関係があり、ビックデータマイニング分析方法により取得することができる。ステップS1460において、異なる自動車外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立し、衝突損傷タイプを関連密度モデルに関連付けて保存する。
【0060】
具体的には、ステップ1460は、過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビックデータマイニング分析を行うことと、部品間の損傷の発生確率を分析することにより関連密度モデルを生成することとを含むことができる。具体的な例として、同様に千万レベルの過去事故車両の損失査定記録をサンプルとし、ビックデータマイニング分析方法を採用し、部品損傷の間の関連密度を分析することができる。部品損傷の間の関連密度を分析することは、神経密度アルゴリズムで実現することができる。例えば、部品Aに交換損傷形態が発生した場合、部品Bに交換損傷形態が発生する関連密度がどの程度であるか。さらに例えば、部品Aと部品Bの両方に交換損傷形態が発生した場合、部品Cに交換損傷形態が発生する関連密度がどの程度であるか。このように類推して、TOP2000部品データベースにおける部品の関連が強い部品損傷形態を特定する。
【0061】
図11は本発明の他の実施例にかかる車両事故損失評価装置の構造概略図である。
図11に示すように、該実施例にかかる車両事故損失評価装置1100は情報取得ユニット1110、衝突位置及び事故形態特定ユニット1120、コア部品損傷特定ユニット1130、関連損傷部品計算ユニット1140及び損失報告生成ユニット1150を含む。
【0062】
情報取得ユニット1110は、車両の車両情報及び修理工場情報を取得するためのものである。情報取得ユニット1110の操作は、
図1を参照して上述したステップS110の操作を参照することができる。
【0063】
衝突位置及び事故形態特定ユニット1120は、車両情報に基づいて、車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定するためのものである。衝突位置及び事故形態特定ユニット1120の操作は、
図1を参照して上述したステップS120の操作を参照することができる。
【0064】
コア部品損傷特定ユニット1130は、車両情報及び衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定するためのものである。コア部品損傷特定ユニット1130の操作は、
図1を参照して上述したステップS130の操作を参照することができる。
【0065】
関連損傷部品計算ユニット1140は、衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより損傷部品リストを取得するためのものである。関連損傷部品計算ユニット1140の操作は、
図1を参照して上記したステップS140の操作を参照することができる。
【0066】
損失報告生成ユニット1150は、損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成するためのものである。損失報告生成ユニット1150の操作は、
図1を参照して上述したステップS150の操作を参照することができる。
【0067】
本発明の実施例にかかる車両事故損失評価方法及び装置の特徴は、自動車部品の組立位置を座標化し、同類の自動車ブランドの車種を一つの長方体に仮設し、次に部品の実際の取り付け位置に基づいて、組立部品座標系を確立し、各部品の組立位置について三次元座標を付与する。同時に過去事故車の評価記録をマイニング分析し、神経密度アルゴリズムを運用し、車両部品の間の損傷発生確率、及び車両部品の損傷と車両衝突損傷程度との間の関連関係を算出する。車両事故の衝突部位、損傷程度と部品損傷関係の数学的モデルを確立することにより、事故車両の損失報告を迅速かつインテリジェントに評価する。人工知能(AI)を利用して自動車衝突損傷形態をモデリングし、大量の過去データでマイニング分析を行い、車両衝突損傷モデルと損失内訳との間の関連アルゴリズムを実現する。ユーザーは携帯電話端末とウェブページ端で便利に操作して使用することができ、迅速に評価することができる。
【0068】
図12は本発明の実施例にかかる車両事故損失評価処理のための計算装置の構造ブロック図である。
【0069】
図12に示すように、計算装置1200は、少なくとも一つのプロセッサ1210、記憶装置1220、メモリ1230、通信インタフェース1240及び内部バス1250を含み、かつ少なくとも一つのプロセッサ1210、記憶装置1220、メモリ1230及び通信インタフェース1240はバス1250を介して接続される。該少なくとも一つのプロセッサ1210は、コンピュータ可読記憶媒体(即ち、記憶装置1220)に記憶されるか又はコードされる少なくとも一つのコンピュータ可読指令(即ち、上記ソフトウェア形態で実現される要素)を実行する。
【0070】
実施例の一つにおいて、記憶装置1220にコンピュータ実行可能な指令が記憶され、実行する場合に少なくとも一つのプロセッサ1210によって、車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を実行させる。
【0071】
理解すべきなのは、記憶装置1220に記憶されたコンピュータ実行可能指令が実行される時に少なくとも一つのプロセッサ1210が本発明の各実施例における
図1乃至11を参照して上記した様々な操作及び機能を行うことである。
【0072】
本発明において、計算装置1200は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ノートブックコンピュータ、モバイル計算装置、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドヘルド装置、メッセージ送受信装置、ウェアラブル計算装置、消費電子装置等を含むが、それらに限定されない。
【0073】
実施例によれば、例えば非一時的な機械可読媒体のプログラム製品を提供する。非一時的な機械可読媒体は指令(即ち、上記ソフトウェア形態で実現される要素)を有してもよく、該指令が機械により実行される場合、機械は本発明の各実施例における
図1乃至11を参照して上記した様々な操作及び機能を実行する。
【0074】
具体的には、可読記憶媒体を備えたシステム又は装置を提供することができ、該可読記憶媒体に上記実施例のいずれかの実施例の機能を実現するソフトウェアプログラムコードを記憶し、かつ該システム又は装置のコンピュータ又はプロセッサは該可読記憶媒体に記憶された指令を読み取り実行する。
【0075】
このような状況で、可読媒体から読み取ったプログラムコード自体は上記実施例のいずれかの実施例の機能を実現することができるため、機械可読コード及び機械可読コードを記憶する可読記憶媒体は本発明の一部を構成する。
【0076】
可読記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク(例えばCD ROM、CD R、CD RW、DVD ROM、DVD RAM、DVD RW)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMを含む。オプションとして、通信ネットワークを介してサーバコンピュータ上又はクラウドからプログラムコードをダウンロードすることができる。
【0077】
以上は本発明の実施例だけであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容を利用して行われた同様な効果の構造又は同様な効果のフローの変換、又は他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用することは、いずれも同様に本発明の請求項の保護範囲内に含まれる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両情報及び修理工場情報を取得することと、
前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定することと、
前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、
前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得することと、
前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することとを含むことを特徴する車両事故損失評価方法。
【請求項2】
前記車両情報は、車両ブランド及び配置車種情報を含むことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項3】
関連損傷部品を計算することは、
前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、衝突損傷タイプを特定することと、
特定された衝突損傷タイプに基づいて、対応する関連密度モデルを選択することと、
選択された関連密度モデルを利用して関連損傷部品を計算することと、を含むことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項4】
衝突損傷タイプは、前記コア部品及び該コア部品の損傷形態と第一対応関係を有し、
衝突損傷タイプは、前記関連密度モデルと第二対応関係を有し、
前記第一対応関係と前記第二対応関係の生成過程は、
過去事例データを収集し、過去事例データ中の車両情報に基づいて車種分類を行うことと、
過去事例における各
車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定することと、
異なるブランド、異なる配置となる車種の車両における各部品の三次元座標系における取付位置、更に車両の衝突部位の位置及び過去事例データにおける
車両衝突損傷程度データに基づいて、
車両衝突部位名称、
車両衝突車体高さ及び
車両衝突損傷程度を特定することと、
車両衝突部位
名称、
車両衝突車体高さ及び
車両衝突損傷程度に応じて、衝突損傷タイプを分類することと、
異なる
車両外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定し、衝突損傷タイプを前記コア部品及び該コア部品の損傷形態に関連付けて保存することと、
異なる
車両外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立し、衝突損傷タイプを前記関連密度モデルに関連付けて保存することとを含むことを特徴する請求項3に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項5】
異なる
車両外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態をそれぞれ特定することは、
過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビッグデータマイニング分析を行い、サンプルデータを損失金額に応じて分類することと、
異なる金額帯のサンプルデータに係る様々な車両損傷タイプにおける様々な部品の損傷が発生する確率を分析することにより、対応するコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定することと、を含むことを特徴する請求項4に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項6】
異なる
車両外形となる車両の異なる衝突損傷タイプに対して、対応する関連密度モデルをそれぞれ確立することは、
過去事例データにおける過去事故車両の損失査定記録をサンプルデータとし、ビックデータマイニング分析を行うことと、
部品間の損傷の発生確率を分析することにより、関連密度モデルを生成することを含むことと、を特徴する請求項4に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項7】
前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することは、
前記損傷部品リストと前記修理工場情報に基づいてプレビュー損失報告を生成することと、
プレビュー損失報告における部品リストを修正することと、
修正した部品リストと前記修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成することと、を含むことを特徴する請求項1に記載の車両事故損失評価方法。
【請求項8】
車両の車両情報及び修理工場情報を取得するための情報取得ユニットと、
前記車両情報に基づいて、前記車両を三次元座標系における対応図形として仮設し、前記図形に基づいて車両の衝突部位の位置を特定し、事故形態を特定するための衝突位置及び事故形態特定ユニットと、
前記車両情報及び前記衝突部位の三次元座標系における位置及び前記事故形態に基づいて、前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態を特定するためのコア部品損傷特定ユニットと、
前記衝突部位に係るコア部品及び該コア部品の損傷形態に基づいて、関連損傷部品を計算することにより、損傷部品リストを取得するための関連損傷部品計算ユニットと、
損傷部品リストと修理工場情報に基づいて損失評価見積を含む損失報告を生成するための損失報告生成ユニットと、を有することを特徴する車両事故損失評価装置。
【請求項9】
少なくとも一つのプロセッサと、
少なくとも一つの前記プロセッサに結合され、指令が記憶される記憶装置であって、前記指令が少なくとも一つの前記プロセッサに実行される場合に、少なくとも一つのプロセッサに請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行させる記憶装置とを有することを特徴する計算装置。
【請求項10】
実行可能の指令が記憶され、前記指令が実行される場合、機械は請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行させることを特徴する機械可読記憶媒体。
【国際調査報告】