(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】エアハンドリングユニットおよびエアハンドリングユニットの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/49 20180101AFI20231227BHJP
【FI】
F24F11/49
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559180
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 IB2021061619
(87)【国際公開番号】W WO2022130160
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020000030737
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523224693
【氏名又は名称】ダイキン アプライド ユーロップ ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】DAIKIN APPLIED EUROPE S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Piani di S.Maria 72, 00072 Ariccia(RM),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】コンサルヴォ,ピエトロ
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA37
3L260DA15
3L260EA06
3L260HA01
(57)【要約】
エアハンドリングユニット(1)、すなわちAHUは、複数のモジュール(100)であって、当該複数のモジュール(100)の各々が、物理特性値を検出して制御信号(101’)を生成するように構成されたセンサ(101)と、エアハンドリング動作を実行するように構成されたアクチュエータ(102)と、制御信号(101’)を受信するためにセンサ(101)に接続された周辺コントローラ(103)であって、コマンド信号(102’)を通じてアクチュエータ(102)を制御するためにアクチュエータ(102)に接続された周辺コントローラ(103)と、を備える複数のモジュール(100)を備える。複数のモジュール(100)は予め定められたレイアウトに従って動作可能に相互接続される。エアハンドリングユニット(1)、すなわちAHUは、各周辺コントローラ(103)と通信して各周辺コントローラ(103)と信号をやり取りする中央制御ユニット(200)を備える。複数のモジュール(100)の各周辺コントローラ(103)は、プログラマブルであり、予め定められたレイアウト内のモジュール(100)の位置、および/または対応する周辺コントローラ(103)に接続されたセンサおよびアクチュエータに応答して、制御ロジックを変更できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアハンドリングユニット(1)、すなわちAHUであって、
複数のモジュール(100)であって、当該複数のモジュール(100)の各々が、
物理特性の値を検出して制御信号(101’)を生成するように構成されたセンサ(101)と、および/または、エアハンドリング動作を実行するように構成されたアクチュエータ(102)と、
前記制御信号(101’)を受信するために前記センサ(101)に接続された周辺コントローラ(103)であって、コマンド信号(102’)を通じて前記アクチュエータ(102)を制御するために前記アクチュエータ(102)に接続された周辺コントローラ(103)と、を備え、
当該複数のモジュール(100)が予め定められたレイアウトに従って動作可能に相互接続された複数のモジュール(100)と、
各周辺コントローラ(103)と通信して各周辺コントローラ(103)と信号をやり取りする中央制御ユニット(200)と、を備え、
前記複数のモジュール(100)の各周辺コントローラ(103)は、プログラマブルであり、前記予め定められたレイアウトに従って、対応する周辺コントローラ(103)に接続された前記センサおよび/または前記アクチュエータに応答して、制御ロジックを変更できる、エアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項2】
前記複数のモジュールの各モジュール(100)は、近距離無線通信技術、すなわちNFC技術によって前記周辺コントローラ(103)をプログラムするために、前記制御ロジックを表す制御データ(103’)を受信するように構成された近接受信機(408)を含む、請求項1に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項3】
前記複数のモジュールの各モジュール(100)は、内部容積(V)を画定する外部ケーシング(401)を含む制御コンテナ(400)を備え、各周辺コントローラ(103)は前記内部容積(V)に収容される、請求項1または2に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項4】
各制御コンテナ(400)は、前記内部容積(V)を第1の容積(V1)および第2の容積(V2)に分割するように構成されたカバーと、前記周辺コントローラ(103)を対応する前記センサ(101)および/または対応する前記アクチュエータ(102)に接続する複数のコネクタ(403)と、を備え、前記第1の容積(V1)は前記周辺コントローラ(103)を収容し、前記第2の容積(V2)は前記複数のコネクタ(403)を収容する、請求項3に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項5】
各周辺コントローラ(103)は、対応する前記モジュール(100)の動作状態を表すインジケータライト(406)を備え、当該周辺コントローラ(103)の前記インジケータライトは、外部から見える、請求項3または4に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項6】
各周辺コントローラ(103)は、近距離無線通信技術、すなわちNFC技術によってデータを受信するように構成された近接受信機(408)を備え、前記近接受信機(408)は、前記制御コンテナ(400)の外面(ES)に配置される、請求項3から5のいずれか一項に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項7】
前記中央制御ユニット(200)は、対応する前記モジュール(100)に電力を供給するための電源ケーブル(PC)を介して、およびModBus接続を規定する信号ケーブル(SC)を介して、少なくとも1つの周辺コントローラ(103)に接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項8】
前記センサ(101)によって検出される前記物理特性は、以下の物理パラメータのうちの1つまたは複数を含み、すなわち、
-温度、
-圧力、
-湿度、のうちの1つまたは複数を含み、
前記複数のモジュール(100)の前記アクチュエータ(102)は、以下の動作のうちの1つまたは複数を実行するように構成される、すなわち、
-前記動作空間(OS)の外側から内側への強制空気循環、
-前記動作空間(OS)の内部からの強制空気循環および前記動作空間(OS)の外部への排出、
-空気を冷却または加熱するための熱交換、のうちの1つまたは複数を実行するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項9】
前記制御信号(101’)は、少なくとも部分的に、デジタル信号および/またはアナログ信号である、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項10】
各周辺コントローラ(103)は、当該周辺コントローラ(103)を前記予め定められたレイアウトの任意の位置に配置できるように且つ当該周辺コントローラ(103)が取り付けられる前記予め定められたレイアウトの位置に応じてプログラムされるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項11】
全ての前記周辺コントローラ(103)は同数の接続を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のエアハンドリングユニット(1)、すなわちAHU。
【請求項12】
エアハンドリングユニット(1)、すなわちAHUを動作空間に取り付ける方法であって、
-各々がセンサ(101)、アクチュエータ(102)並びに前記センサ(101)およびアクチュエータ(102)を制御するための周辺コントローラ(103)を含む複数のモジュール(100)を提供するステップと、
-中央制御ユニット(200)を提供するステップと、
-各モジュール(100)を前記動作空間(OS)の対応する動作領域(Z)に配置するステップと、
-前記中央制御ユニット(200)を前記複数のモジュール(100)の各周辺コントローラ(103)に接続して各モジュール(100)の前記周辺コントローラ(103)と信号をやり取りするステップと、を含み、
前記方法は、プログラミングステップを含み、前記プログラミングステップでは、前記複数のモジュール(100)の各周辺コントローラ(103)は、前記対応するモジュール(100)の前記センサおよび/または前記アクチュエータに基づいて、対応する制御ロジックをインストールすることによってプログラムされる、方法。
【請求項13】
前記プログラミングステップは、前記複数のモジュール(100)の各周辺コントローラ(103)の近接受信機(408)にプログラミング装置を近づけて、近距離無線通信技術によるデータ伝送を可能にする近接データ伝送ステップを通じて実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
配線段階を含み、前記配線段階では、前記センサ(101)および前記アクチュエータ(102)は、複数のコネクタ(403)を介して前記周辺コントローラ(103)に接続され、前記複数のコネクタ(403)は、前記周辺コントローラ(103)から離れている、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記プログラミングステップでは、前記中央制御ユニット(200)は、各モジュールが備える前記センサおよび前記アクチュエータを表す対応する制御ロジックを受信する、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
プロセッサを含むプログラミング装置(PD)を通じて、エアハンドリングユニット(1)、すなわちAHUの複数のモジュール(100)に制御ロジックをプログラミングする方法であって、前記プロセッサによって実行される以下のステップを含む、すなわち、
-予め定められたレイアウトであって、それに従って前記複数のモジュール(100)が動作可能に相互接続されるレイアウトを表すレイアウトデータ(10)を受信するステップ(F1)と、
-前記予め定められたレイアウトにおける前記モジュール(100)の配置に基づいて、複数の制御ロジックであって、それらの各々が前記複数のモジュールのうちの対応するモジュール(100)に関連付けられる複数の制御ロジックを表す制御データを受信するステップ(F2)と、
-オペレータによってプログラムされるモジュール(100)の選択を表す識別入力(11)を受信するステップ(F3)と、
-プログラムされる前記選択されたモジュール(100)に関連付けられた制御ロジックを表す、選択された制御データ(103’)を、前記プログラミング装置(PD)からプログラムされる前記モジュール(100)の対応する周辺コントローラ(103)に転送するステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記転送するステップでは、前記プログラミング装置(PD)は、前記周辺コントローラ(103)に転送された前記選択された制御データ(103’)を、各周辺コントローラ(103)を制御する前記AHUの中央制御ユニット(200)に転送する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記選択された制御データ(103’)を転送する前記ステップは、近距離無線通信技術、すなわちNFC技術によって実行される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項16、17または18に記載の方法のステップを実行するように構成された動作命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアハンドリングユニットAHUおよびエアハンドリングユニットAHUの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアハンドリングユニットは、動作空間に取り付けられるように構成されており、動作空間自体またはAHUから遠く離れた別の空間の換気または熱力学的パラメータの調整を行う。ほとんどの場合、動作空間は非常に大きく、AHUは複数のモジュールを備える。複数のモジュールの各モジュールは、特定の動作領域を調整することを目的として、予め設計されたレイアウトに従って動作空間に配置される。
【0003】
AHUは、当該AHUの輸送を容易にするために複数のモジュールに分割されている。現場で、AHUを再び(ボックス内において)一体化することができ、または、場合によっては、一部のモジュールを動作空間の異なる動作領域に配置することができる。
【0004】
複数のモジュールの各モジュールは、エアハンドリング動作を実行するように構成された少なくとも1つのアクチュエータと、動作空間の物理特性を表す制御信号を受信する少なくとも1つのセンサとを有する。AHUは、複数のモジュールを制御するための中央制御ユニットを備える。
【0005】
AHUは標準のものであっても、カスタム仕様に応じてカスタマイズされたものであってもよい。後者の場合、レイアウトの設計は、AHUを取り付ける必要がある動作空間に応じて、またカスタムによって与えられる仕様に応じて、カスタマイズされる。したがって、新たな取り付けのたびに、周辺コントローラをカスタム設計に応じてプログラムする必要がある。カスタム設計は、カスタム要求によって決まる。
【0006】
既知の解決策では、カスタム設計を得るために、各セクションのアクチュエータおよびセンサは配線されてカスタムロジック制御を得る。取り付け前に、AHUを一時的に取り付けて正常に動作するかどうかを確認し、その後取り外して現場で再度取り付ける必要がある。しかしながら、この作業には時間がかかり、当該作業は、現場での配線中に一定の確率でミスが発生することによる影響を受ける。
【0007】
他の解決策では、全てのセンサおよびアクチュエータの現場での配線を避けるために、センサおよびアクチュエータはモジュールの組み立て中に配線される周辺端子に接続される。したがって、現場での取り付け中、オペレータはモジュールを接続するだけでよい。
【0008】
しかしながら、この解決策もモジュールを接続する際の人的ミスによる影響を受ける。
【0009】
上記の欠点による影響を受ける解決策は、次の文献に開示されている。すなわち、US2014/303789、US2018/224144、US5682329に開示されている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の範囲は、前述の欠点を克服することである。
【0011】
この範囲は、前述の欠点の少なくとも1つを克服する、本開示の目的であるエアハンドリングユニットAHU、およびエアハンドリングユニットAHUの取り付け方法によって達成される。
【0012】
本開示の一態様によれば、本明細書は、エアハンドリングユニットAHU(以下ではAHU)を提供する。AHUは、複数のモジュール(動作セクション)を備える。
【0013】
一実施形態では、本明細書は、複数のエアハンドリングユニットAHUを含むエアハンドリングシステムを提供する。この実施形態では、各AHUはエアハンドリングシステムのモジュールを規定する。
【0014】
少なくとも1つのモジュールはセンサを含む。一実施形態では、各モジュールはセンサを含む。センサは物理特性値を検出するように構成される。センサは制御信号を生成するように構成される。少なくとも1つのモジュールはアクチュエータを含む。一実施形態では、各モジュールはアクチュエータを含む。アクチュエータはエアハンドリング動作を実行するように構成される。アクチュエータは、冷水、温水または冷媒流体の流れを調整するためのバルブであってもよい。アクチュエータはファンであってもよい。アクチュエータはシャッタであってもよい。
【0015】
一実施形態では、モジュールはセンサおよびアクチュエータの両方を備えてもよく、別の実施形態では、モジュールはセンサおよびアクチュエータの一方のみを備えてもよい。
【0016】
一実施形態では、各モジュールは周辺コントローラを含む。
【0017】
各コントローラは、制御信号を受信するために、対応するセンサに接続される。各コントローラは、アクチュエータに接続され、コマンド信号を通じてアクチュエータを制御する。
【0018】
一実施形態では、各モジュールは、複数のセンサであって、各々が周辺コントローラに接続された複数のセンサを備えてもよい。一実施形態では、各モジュールは、複数のアクチュエータであって、各々が周辺コントローラに接続された複数のアクチュエータを備えてもよい。
【0019】
複数のモジュールは、予め定められたレイアウトに従って動作可能に相互接続される。このレイアウトは設計段階で決定され、レイアウトはカスタム仕様に従って実現される。
【0020】
AHUは中央制御ユニットを含む。中央制御ユニットは、各モジュール(または各周辺コントローラ)に接続され、各周辺コントローラと信号をやり取りする。中央制御ユニットは各周辺コントローラに接続され、それらに電力を供給する。
【0021】
一実施形態では、複数のモジュールの各周辺コントローラはプログラマブルである。
【0022】
一例では、複数のモジュールの各周辺コントローラは、事前に規定された配置位置に取り付けられた後にプログラマブルである。各周辺コントローラは、事前に規定された配置の任意の位置に取り付けられるように構造的に適している(適合している)。
【0023】
例えば、周辺コントローラの各々は同数の接続を含む。一例では、全ての周辺コントローラは同一のハードウェアを有する。すなわち、それらは同一の構造的構成を有する。これにより、一の周辺コントローラを別の周辺コントローラに置き換えることが特に簡単になる。各周辺コントローラの特性評価は、それが実際に取り付けられた後に実行される。
【0024】
本開示に関して、「動作空間」という用語は、モジュールが予め定められたレイアウトに従って配置される、熱的に調整される全空間または全空間の特定の領域を示し得る。
【0025】
したがって、この見解では、各動作領域は、特定のモジュールが配置される全空間の部屋、またはユニットを収容するボックス内の特定のモジュールの単なる場所、位置であり得る。
【0026】
言い換えれば、周辺コントローラは、当該周辺コントローラにインストールされた制御ロジックに従って、対応するセンサおよびアクチュエータを管理(制御)する。一実施形態では、制御ロジックは、対応する周辺コントローラに接続されたセンサおよび/またはアクチュエータに基づいて更新可能である。一実施形態では、制御ロジックは、予め定められたレイアウト内のモジュールの場所に応じて更新可能である。
【0027】
周辺コントローラは、アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成された単なるコンバータであってもよいことに注意されたい。したがって、より一般的な定義では、制御ロジックは、周辺コントローラによって受信されたアナログ信号および/またはデジタル信号に対して実行する動作(単なる変換であっても)を表す。
【0028】
「場所」という用語は、AHUにおけるモジュールの役割、機能、または動作空間内の物理的な場所を示す。
【0029】
好ましい実施形態では、制御ユニットはプログラマブルである。言い換えれば、中央制御ユニットは、中央制御ユニット上で実行される制御ロジックを表すプログラミングデータを受信するように構成される。好ましくは、これらのデータは、各周辺制御ユニットおよびそこに接続されたセンサおよび/またはアクチュエータに関する情報を含む。このようにして、中央制御ユニットは、各周辺コントローラからどの信号を受信すべきかを正確に認識する。したがって、中央制御ユニットは、予期された信号と一致しない信号を受信するたびに、周辺制御ユニットに警告してもよい。
【0030】
制御ユニットは、各周辺コントローラを予め定められたレイアウト内の対応するモジュールの場所に従って制御するために、制御ロジックを変化させることができる。
【0031】
これは、AHUが2つの異なる方法で制御にアプローチし得ることを意味する。第1の実施形態によれば、アクチュエータおよびセンサの制御は、対応する周辺コントローラによって部分的に実行されてもよく(例えば、他のモジュールのセンサおよびアクチュエータに対するフィードバックを必要としない制御について)、中央制御ユニットによって実行される制御によって完了されてもよい(例えば、異なるモジュールのセンサおよびアクチュエータからのフィードバックを必要とする制御について)。
【0032】
言い換えれば、制御ユニットは、AHUにインストールされた制御ロジックに従って、AHUのセンサおよびアクチュエータを制御する。この制御ロジックは、センサおよびアクチュエータを、動作空間内のそれらの場所(機能)に応じて制御するようにプログラムされている。
【0033】
一実施形態では、各周辺コントローラは、対応するセンサから信号を、好ましくはアナログ信号の形式で、収集するように構成される。各周辺コントローラは、アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成される。各周辺コントローラは、デジタル信号を制御ユニットに送信するように構成される。
【0034】
一実施形態では、各周辺コントローラは、当該周辺コントローラが対応するモジュールに接続され配置される前にプログラムされる。周辺コントローラがプログラムされた後、AHUは、対応する周辺コントローラの接続および仕様を示すラベルを印刷するためのプリンタを提供する。
【0035】
各周辺コントローラは複数の接続を含む。好ましくは、各接続は、色および/または接続のピンの数によって識別される。各色は、特定のセンサおよび/または特定のアクチュエータを表す。したがって、現場でAHUが組み立てられるときに、色はオペレータによる間違った接続の実行を防ぐ。なぜなら、センサおよびアクチュエータのコネクタは、対応する周辺コントローラに提供された色に対応した色を有するからである。
【0036】
一実施形態では、各周辺コントローラは、当該周辺コントローラが対応するモジュールに接続され配置された後にプログラムされる。言い換えれば、制御ロジックは現場で更新される。この実施形態は、互いに類似した複数のモジュールであって、モジュールが設けられる予め定められたレイアウトのあらゆる位置内に配置できる複数のモジュールを製造する可能性を提供する。したがって、ミスの発生は大幅に減少し、柔軟性が向上する。実際、各モジュールを、それらの配置後、当該モジュールが実際に配置された位置に従ってプログラムすることができる。さらに、モジュールの標準化は、製造プロセスを簡素化することによってさらなる利点を提供する。
【0037】
言い換えれば、前記周辺コントローラの各々は、同数の接続(すなわち、同数の入力および/または同数の出力)および/または同一の演算能力を含み、その結果、周辺コントローラが予見される任意の位置において予め定められたレイアウトに配置され得る。これにより、取り付けミスは大幅に減少する。
【0038】
各周辺コントローラは、当該周辺コントローラが取り付けられる場所に応じてプログラムされるように構成される。言い換えれば、各周辺コントローラは、当該周辺コントローラが配置された後にプログラムされる。オペレータは、自分が周辺コントローラを配置したばかりの位置を識別でき、モバイルプログラミング装置のデフォルト構成の位置のリストからその位置を選択でき、自動的に、モバイルプログラミング装置は、特定の位置に対応するプログラムをインストールする。
【0039】
一例では、複数のモジュールの各モジュールは近接受信機を含む。近接受信機は制御ロジックを表すデータを受信するように構成される。近接受信機を用いて、近距離無線通信(NFC)技術によって周辺コントローラをプログラムすることが可能である。加えて、または代替的に、近接受信機を用いて、RFID伝送技術によって周辺コントローラをプログラムすることが可能である。
【0040】
一実施形態では、周辺コントローラはModBusノードを備える。一実施形態では、ModBusノードは、センサおよび/またはアクチュエータも統合する。
【0041】
一実施形態では、前記複数のモジュールの各モジュールは制御コンテナを備える。
【0042】
各制御コンテナは外部ケーシングを含む。外部ケーシングは内部容積を画定する。各周辺コントローラは、対応する制御コンテナの内部容積に収容される。このようにして、各周辺コントローラは接触から、ひいては損傷から保護される。
【0043】
一実施形態では、各制御コンテナは、隔壁(または分離壁またはカバー)を備える。各隔壁(分離壁またはカバー)は、対応する内部容積を第1の容積と第2の容積とに分割するように構成される。一実施形態では、各制御コンテナは複数のコネクタを備える。複数のコネクタは、周辺コントローラを対応するセンサおよび/または対応するアクチュエータに接続するように構成される。一実施形態では、第1の容積は、対応する周辺コントローラを収容する。一実施形態では、第2の容積は、対応する複数のコネクタを収容する。この配置により、センサおよび/またはアクチュエータの、周辺コントローラへの接続の最中であっても、周辺コントローラに触れることがなくなる。
【0044】
別の実施形態では、各制御コンテナは、カバー、好ましくはプラスチック製のカバーを備える。プラスチックカバーは、周辺コントローラが配置される第1の容積を画定するように構成される。プラスチックカバーは、対応する周辺コントローラを少なくとも部分的に囲み、接続の最中に当該周辺コントローラが損傷するのを防止する。プラスチックカバーは周辺コントローラ上にかけられる。
【0045】
プラスチックカバーは、対応する周辺コントローラの1つまたは複数のLEDの光を導くためのLEDライトガイドを含む。
【0046】
一実施形態では、各周辺コントローラはインジケータライトを備える。インジケータライトは、対応するモジュールの動作状態を表す。例えば、モジュールの正常な動作またはモジュールの問題の表示である。一実施形態では、各制御コンテナは点検開口部を備え、それを通して、対応する周辺コントローラの光は外部から見える。一実施形態では、インジケータライトは周辺コントローラ上にある。
【0047】
したがって、制御コンテナを開けることなく、インジケータライトおよびモジュールの状態を外部から点検することが可能である。
【0048】
一実施形態では、近接受信機は、対応する制御コンテナの外面に配置される。
【0049】
中央制御ユニットは、電源ケーブルによって各周辺コントローラに接続され、対応するモジュールに電力を供給する。中央制御ユニットは、信号ケーブルによって各周辺コントローラに接続される。一実施形態では、制御ケーブル信号は、各モジュールのModbusノードに接続されるModBus接続を規定する。
【0050】
一実施形態では、AHUは、以下のアクチュエータのうちの1つまたは複数を含む。すなわち、
-送水バルブ、
-ダンパ、
-空気プラズマイオン化装置、
-ダンパアクチュエータ、
-UVランプ、
-スイッチ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0051】
一実施形態では、前記複数のモジュールのアクチュエータは、以下の動作のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。すなわち、
-外部からの強制空気循環および対応する動作領域への返還、
-内部からの強制空気循環および動作領域の外部への排出、
-空気を冷却または加熱するための熱交換、
-外部からの強制空気流と動作領域からの強制空気流との混合、
-空気の加湿および除湿、
-CO2またはCOまたはVOCまたはPMまたはラドン濃度および/またはその他のガス濃度を低減するための動作領域内の空気の更新、
-粒子状物質および揮発性有機化合物濃度を低減するための空気の濾過および更新、
-細菌およびウイルス濃度を低減するための空気の濾過および更新、
-ラドン濃度を低減するための空気の濾過および更新、のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。
【0052】
制御信号は、少なくとも部分的に、デジタル信号および/またはアナログ信号である。
【0053】
温度、圧力、湿度およびCO2を検出するセンサはアナログセンサである。
【0054】
一実施形態では、AHUは、以下のデジタルセンサのうちの1つまたは複数を含む。
-CO2およびCOの量、
-空気流量および質量流量、
-粒子状物質(PM1-PM2,5-PM10)、
-揮発性有機化合物検出器、
-騒音レベル、
-ガス濃度および排出、
-光および電磁放射、
-熱流束、
-煙の存在、
-モータ振動センサ、
-ファン振動センサ、
-相対湿度センサ、
-ラドンセンサ、
-圧力センサ、
-差圧センサ、
-人感センサ、のうちの1つまたは複数を含む。
【0055】
一実施形態では、制御ユニットは、以下のアラームのうちの1つまたは複数を実行するように構成される。
-ファンアラーム、
-DXアラーム、
-バッテリアラーム、
-熱回収アラーム、
-ヒータアラーム、
-冷却/加熱ポンプアラーム、
-加湿器ポンプアラーム、
-等温加湿器アラーム、
-火災アラーム
-電気および機械部品の故障、
-過熱、
-電圧降下または増加、
-ロータの故障、
-フィルタの交換、
-モータアラーム、
-限界を超えたCO2濃度、
-限界を超えたPM濃度、
-限界を超えたVOC濃度、
-限界を超えたラドン濃度、のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。
【0056】
本開示のAHUは、最終クライアントが専用の選択ソフトウェアによってAHUモジュールを自由にカスタマイズすることを可能にするように構成される。カスタマイズが完了した後、ソフトウェアは、カスタマイズされたAHUを設置オペレータの端末に送信するようにプログラムされている。オペレータの端末は、受信したカスタマイズされたAHUに従ってAHUのモジュールをプログラムする。また、オペレータ端末は、クライアントが選択したカスタマイズされたAHUに基づいて、AHUのレイアウトを自動的にレンダリングするようにプログラムされている。
【0057】
それに加えて、制御ソフトウェアは、クライアントに提供される必要がある電気スキーマを「アズビルド」でレンダリングするようにプログラムされている。また、制御ソフトウェアは、メインコントローラおよびモジュールをプログラムして、各モジュールに接続される各センサの「ModBus」アドレスをそれらに教える。
【0058】
これらすべての特徴により、システムの信頼性および柔軟性が向上する。さらに、それらは、システムの組み立ておよびAHUの電気接続を容易にし、これらは、当該分野の専門家でないユーザによっても実行可能である。
【0059】
一実施形態では、1つの周辺コントローラが故障した場合に備えて、AHUシステムは保守端末を含み、これはオペレータによる取り付け中に使用されたものと同一であり得る。当該端末は、損傷した周辺コントローラから構成データを受信するようにプログラムされている。構成データは、損傷した周辺コントローラ上で実行されるプログラムを表す。この通信は、NFC接続によって行われてもよい。次に端末は、例えばNFC接続を通じて、構成データを新しい周辺コントローラに転送するようにプログラムされている。最後に、何の困難もなく且つ間違いを犯す可能性が非常に低い状態で、周辺コントローラを変更するだけである。
【0060】
本明細書の一態様によれば、本明細書は、エアハンドリングユニットAHUを動作空間に取り付ける方法を提供する。
【0061】
本方法は、各々がセンサおよび/またはアクチュエータ並びにセンサおよび/またはアクチュエータを制御するための周辺コントローラを含む複数のモジュールを提供するステップを含む。
【0062】
本方法は、中央制御ユニットを提供するステップを含む。
【0063】
本方法は、各モジュールを動作空間の対応する動作領域に(または、予め定められたレイアウト内の対応する動作位置に)配置するステップを含む。
【0064】
本方法は、中央制御ユニットを複数のモジュールの各周辺コントローラに接続して、各モジュールの周辺コントローラと信号をやり取りするステップを含む。
【0065】
本方法は、複数のモジュールの各周辺コントローラが対応する制御ロジックをインストールすることによってプログラムされる、プログラミングステップを含む。制御ロジックは、対応する周辺コントローラが接続されるセンサおよび/またはアクチュエータに基づいて選択される。
【0066】
本方法は、好ましくは配置段階の後に、複数のモジュールの各周辺コントローラが対応する制御ロジックをインストールすることによってプログラムされる、現場でのプログラミングステップを含む。制御ロジックは、モジュールが配置された動作領域に基づいて選択される。
【0067】
しかしながら、制御ユニットおよび/または周辺コントローラは、それが現場に輸送される前の品質管理中に、工場でプログラムされてもよい。
【0068】
一実施形態では、(現場での、または工場での)プログラミングステップは、近接データ伝送ステップを通じて実行される。近接データ伝送ステップでは、オペレータは、複数のモジュールの各周辺コントローラの近接受信機にプログラミング装置を近づける。近接データ伝送ステップでは、プログラミング装置は、制御データを対応するモジュールに伝送し、対応する制御ロジックをインストールする。
【0069】
一実施形態では、本方法は、センサおよび/またはアクチュエータが複数のコネクタを介して周辺コントローラに接続される、配線段階のステップを含む。このステップでは、配線ステップ中の損傷を避けるために、複数のコネクタが対応する周辺コントローラから離れている。
【0070】
本開示の別の態様によれば、本明細書は、プロセッサを含むプログラミング装置を通じて、エアハンドリングユニットAHUの複数のモジュールに制御ロジックをプログラミングする方法を提供する。
【0071】
本方法は、予め定められたレイアウトを表すレイアウトデータを受信するステップを含む。複数のモジュールは、予め定められたレイアウトに従って動作可能に相互接続される。複数のモジュールは、予め定められたレイアウトに従って動作空間内に配置される。
【0072】
本方法は、複数の制御ロジックを表す制御データを受信するステップを含む。言い換えれば、制御データは、汎用プロセッサに特定の制御ロジックの実行を指示するために当該汎用プロセッサにインストールするためのデータセットである。
【0073】
各制御ロジックは、前記複数のモジュールのうちの対応するモジュールに関連付けられる。制御ロジックは、予め定められたレイアウトにおけるモジュールの配置に基づいて、対応するモジュールに関連付けられる。制御ロジックは、制御を設計しているオペレータからの入力によって対応するモジュールに関連付け可能である。他の実施形態では、プロセッサは、予め定められたレイアウトにおけるモジュールの配置に応じて、および/または特定の種類のモジュールに応じて、メモリから制御データを読み出す。モジュールの種類は、プログラミング装置の入力を通じてオペレータによって指定される。
【0074】
本方法は、オペレータによってプログラムされるモジュールの選択を表す識別入力を受信するステップを含む。言い換えれば、オペレータが、AHUを取り付けるために現場にいるとき、モジュールを物理的に所定の位置に配置した後、プログラミング装置上で、対応する仮想モジュールを選択でき、仮想モジュールは、プログラミング装置で特定の位置にあることを示す。他の実施形態では、オペレータが、工場にいるとき、AHUをクライアントに送る前に、プログラミング装置上で、対応する仮想モジュールを選択でき、仮想モジュールは、プログラミング装置で特定の位置にあることを示す。
【0075】
本方法は、プログラムされる選択されたモジュールに関連付けられた制御ロジックを表す、選択された制御データを転送するステップを含む。選択された制御データは、プログラミング装置から、プログラムされる選択されたモジュールの対応する周辺コントローラに転送される。
【0076】
一実施形態では、選択された制御データを転送するステップは、近距離無線通信(NFC)技術によって実行される。
【0077】
本開示の別の態様によれば、本明細書は、エアハンドリングユニットAHUの複数のモジュールに制御ロジックをプログラムする方法の1つまたは複数のステップを実行するように構成された動作命令を含むコンピュータプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明のこの特徴および他の特徴は、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい非限定的な例示的な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【
図1】エアハンドリングユニットAHUの概略レイアウトを示す。
【
図3】エアハンドリングユニットAHUの複数のモジュールに制御ロジックをプログラムする方法の概略図を示す。
【
図4】
図3による方法の伝送ステップの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
添付の図を参照すると、エアハンドリングユニットAHUは参照番号1で示される。AHU1は、熱力学的に調整される動作空間OS内に取り付け可能である。特に、AHUは、少なくとも1つの、しかし好ましくは複数のモジュール100を備える。複数のモジュールの各モジュール100は、対応する動作領域Zに(予め定められたレイアウトの対応する位置に)配置される。AHUは、調整される必要がある空間である調整空間に含まれる空気に対して熱調整、換気またはその他の物理的変換を実行するように構成されることに注意されたい。時には、AHUが配置される動作空間および調整される必要がある調整空間は同一であるが、これは単なる例である。ほとんどの場合、調整空間は動作空間OSとは異なる(動作空間OSよりもかなり大きい)。
【0080】
AHU1は、AHU1を制御するように構成された中央制御ユニット200を備える。特に、中央制御ユニット200は、複数のモジュールの各モジュール100に(各モジュール100からデータを受信する能力という点で)接続される。
【0081】
この情報接続は2つの異なる方法で実行され得る。限られた数のモジュールに対して特に有利である第1の実施形態によれば、中央制御ユニット200は、各モジュール100に、対応するケーブルによって直接接続される。多数のモジュールに対して特に有利である第2の実施形態によれば、中央制御ユニット200は、1つのモジュール、または最大で2つのモジュールに接続される。この実施形態では、他のモジュールは直列に接続されており、モジュールに関する情報は他のモジュール100を通過する。
【0082】
一実施形態では、AHUは、動作空間内の物理特性値を検出するように構成された複数のセンサ300を備える。前記複数のセンサ300は、中央制御ユニット200に直接的または間接的に接続される。一実施形態では、少なくとも1つのセンサ301は中央制御ユニット200に直接接続される。前記少なくとも1つのセンサ301は、中央制御ユニット200に接続され、制御信号、好ましくはアナログ制御信号を中央制御ユニット200に送信する。
【0083】
本明細書の一態様によれば、前記1つまたは複数のセンサは、以下のセンサのうちの1つまたは複数を含む。すなわち、
-温度センサ、
-圧力センサ、
-湿度センサ、の1つまたは複数を含む。
【0084】
一実施形態では、AHUは複数のアクチュエータ400を備え、複数のアクチュエータ400は、それらが配置される動作領域Z(動作位置)を熱力学的に調整するための動作を実行するように構成される。前記複数のアクチュエータ400は、中央制御ユニット200に直接的または間接的に接続される。一実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータは中央制御ユニット200に直接接続される。前記少なくとも1つのアクチュエータは、中央制御ユニット200に接続され、中央制御ユニット200からコマンド信号、好ましくはアナログコマンド信号を受信する。
【0085】
本明細書の一態様によれば、前記1つまたは複数のアクチュエータは、以下のアクチュエータのうちの1つまたは複数を含む。すなわち、
-動作空間の外側から動作空間の内側への強制空気循環を実行する、および/または動作空間の内側から動作空間の外側への強制空気循環を実行するファン、
-動作空間内の空気とヒータまたは冷媒流体であり得る熱調整流体との間の熱交換を実行する熱交換器、
-動作空間内の空気を除湿するための除湿機、
-AHUの排出セクションから熱を回収するための熱回収システム、の1つまたは複数を含む。
【0086】
一実施形態では、各モジュールは、前記複数のセンサ300の1つまたは複数のセンサ101を備える。一実施形態では、各モジュールは、前記複数のアクチュエータ400の1つまたは複数のアクチュエータ102を備える。
【0087】
複数のモジュールの各モジュール100は、周辺コントローラ103を備える。周辺コントローラ103は、中央制御ユニット200と信号をやり取りする(中央制御ユニット200から信号を受信する、中央制御ユニット200に信号を送信する)ように構成される。各周辺コントローラ103が中央制御ユニットとやり取りする信号は、好ましくはデジタル信号である。しかしながら、周辺コントローラ103はアナログ信号をやり取りしてもよい。
【0088】
各周辺コントローラ103は、各周辺コントローラ103に電気エネルギーを供給するように構成された電源ケーブルPCによって中央制御ユニットに接続される。さらに、各周辺コントローラ103は、各周辺コントローラ103との間でデジタル信号を伝送するように構成された信号ケーブルSCによって中央制御ユニットに接続される。
【0089】
一実施形態では、電源ケーブルPCおよび信号ケーブルSCは両方とも、各周辺コントローラ103に接続されるメインケーブル内に収容される。
【0090】
複数のモジュール100の各周辺コントローラ103は、対応する1つまたは複数のセンサ101に接続される。前記1つまたは複数のセンサ101は、センサによって検出された値を表す制御信号101’を対応する周辺コントローラ103に送信するように構成される。複数のモジュール100の各周辺コントローラ103は、対応する1つまたは複数のアクチュエータ102に接続される。一実施形態では、各周辺コントローラ103は、対応する1つまたは複数のアクチュエータ102に電力を供給するように構成される。一実施形態では、各周辺コントローラ103は、対応する1つまたは複数のアクチュエータ102にコマンド信号102’を送信して、それらの動作を命令するように構成される。
【0091】
一実施形態では、信号ケーブルSCはModBusである。一実施形態では、各周辺コントローラ103は、Modbusに接続された各々のModBusノードを備える。
【0092】
複数のモジュールの各モジュール100は、制御コンテナ400を備える。制御コンテナ400は、プラスチックまたは他の適切な材料で作られた箱であってもよい。制御コンテナ400は、内部容積Vを画定する複数の壁401を備える。複数の壁401は、制御コンテナ400の外面ESおよび制御コンテナ400の内面ISを規定する。
【0093】
制御コンテナ400は隔壁402を含む。例えば、隔壁402は、複数の壁401と接続された壁である。隔壁は、複数の壁401と一体的に接続されるように製造されてもよい。例えば、制御コンテナ400は、成形プロセスによって作製されてもよい。隔壁402は接続開口部402’を含む。
【0094】
隔壁402は、内部容積Vを第1の容積V1と第2の容積V2に分割する。第1の容積V1と第2の容積V2は、接続開口部402’を介して連通している。
【0095】
一実施形態では、制御コンテナ400は複数のコネクタ403を備える。複数のコネクタ403は、周辺コントローラ103と、対応するモジュール100の前記1つまたは複数のセンサおよび/または前記1つまたは複数のアクチュエータとの接続を可能にするように構成される。複数のコネクタ403は、対応する周辺コントローラ103と電気的に接続される。
【0096】
各モジュール100は、周辺コントローラ103を対応するモジュール100の前記1つまたは複数のセンサおよび/または前記1つまたは複数のアクチュエータに接続するための複数の接続ケーブル404を備える。
【0097】
制御コンテナ400は、複数の外部開口部405を含み、各々の外部開口部は、複数の接続ケーブルのうちの対応する接続ケーブル404が内部容積Vにアクセスすることを可能にするように構成される。
【0098】
一実施形態では、第1の容積V1は、例えば複数の壁401のうちの1つの壁に固定された周辺コントローラ103を収容する。一実施形態では、第2の容積V2は複数のコネクタ403を収容する。
【0099】
この実施形態では、複数のコネクタ403と対応する周辺コントローラとの間の接続は、接続開口部402’を通って隔壁を横切る。
【0100】
一実施形態では、各周辺コントローラ103はインジケータライト406を含む。インジケータライト406は、発せられる光の種類に応じて、対応するモジュール100の動作状態に関する情報を提供するように構成される。
【0101】
例えば、モジュール100が何らかの動作上の問題を抱えている場合、インジケータライト406は赤色の光を発し、一方、モジュール100が正常に動作している場合、インジケータライト406は緑色の光を発する。
【0102】
一実施形態では、制御コンテナ400は点検開口部407を含む。点検開口部407は制御コンテナ400の内部容積Vに開いており、オペレータがインジケータライト406を外側から見ることを可能にする。他の実施形態では、インジケータライト406は、制御コンテナ400の外面ES上に配置され且つ専用ワイヤによって対応する周辺コントローラ103に接続され得る。
【0103】
一実施形態では、各モジュール100は近接受信機408を含む。近接受信機408は、近距離無線通信(NFC)技術を介して外部装置からデータを受信し、当該近接受信機408が接続されている周辺コントローラ103にデータを送信するように構成される。特に、一実施形態によれば、近接受信機408は、対応する周辺コントローラ103にインストールされる制御ロジックを表す制御データ103’を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、各モジュール100は近接送信機を含む。近接送信機は、近距離無線通信(NFC)技術を介して、周辺コントローラ103から外部装置にデータを送信するように構成される。近接送信機は、例えば制御障害または他の診断が必要な場合に、対応する周辺コントローラ103のメモリからデータをダウンロードするために有用であり得る。
【0104】
本明細書の一態様によれば、実施形態の一例としてのみ、複数のモジュールは以下を備える。すなわち、
-第1のフィルタモジュールM1であって、
外気を受け入れるための開口部を開閉するシャッタと、
外部温度を検出するように構成された温度センサと、
外気を濾過するためのフィルタシステムと、を含む第1のフィルタモジュールM1と、
-流出する空気から熱を回収して流入する空気に伝達するための回収ヒータと、温度センサとを含む熱回収モジュールM2と、
-熱調整モジュールM3であって、
クーラと、
ヒータと、
流れを調整するための1つまたは複数のバルブと、
1つまたは複数の温度センサと、を含む熱調整モジュールM3と、
-第2のフィルタモジュールM4であって、
外部から流入する空気を濾過するためのフィルタシステムと、
温度センサと、
圧力センサと、を含む第2のフィルタモジュールM4と、
-動作空間から流出する空気を濾過するための第3のフィルタモジュールM5と、を備える。
【0105】
本明細書の一態様によれば、本開示は、
図5Aおよび5Bに示される制御コンテナのさらなる実施形態を提供する。
【0106】
この実施形態では、制御コンテナ400は、周辺コントローラ103を保護するように構成されたカバー401’を含む。カバー401’は好ましくは透明である。カバー401’は、周辺コントローラ103に接続するためのケーブルを受け入れるために片側で開いている。
【0107】
周辺コントローラ103は、好ましくは、入力信号を受信する、または出力信号を送信するように構成された複数のプラグ402’(好ましくは10個のプラグ)を含む。このプラグ402’は、個々のモジュール100のセンサ101およびアクチュエータ102に接続されるように構成される。
【0108】
各プラグ402’は、それに接続されなければならないセンサおよび/またはアクチュエータを識別する色によって特徴付けられる。各プラグ402’は、複数のピン接続を含んでもよい。
【0109】
周辺コントローラ103の近接受信機408は、好ましくは、周辺コントローラのベースから離れている。これにより、外部からの検出および/または誘導が可能になる。
【0110】
周辺コントローラ103は、第1のプラグ403’および第2のプラグ404’を含む。第1のプラグ403’は、ModBus通信を規定し、中央制御ユニット200または別の周辺コントローラ103から信号を受信するように構成される。第2のプラグ404’は、ModBus通信を規定し、中央制御ユニット200または別の周辺コントローラ103に信号を送信するように構成される。
【0111】
この第1のプラグ403’および第2のプラグ404’の各々は、好ましくは6つのピン、すなわち2つの信号ピンと、1つの基準ピンと、2つの給電ピンと、2つの信号ケーブルを包むメッシュに接続される1つのピンとを含む。
【0112】
制御コンテナ400は外部ハウジング405’を備える。外部ハウジング405’は第1のシェル4051’および第2のシェル4052’を含み、これらは制御コンテナ400の内部容積Vへのアクセスを禁止するために互いに接続可能である。
【0113】
第1のシェル4051’は凹部Rを備える。第1のシェル4051’は少なくとも2つの溝を含む壁Wを備え、それらに対して入力ModBusおよび出力ModBusを支持する。
【0114】
一実施形態では、制御コンテナ400は、圧力計に接続されるように構成された圧力プレート406’を含む。圧力プレート406’は凹部R内に収容される。一実施形態では、圧力プレート4061’は、圧力プレート406’を2つの圧力計に接続するために4つのパイプを含む。一実施形態では、圧力プレート4062’は、圧力プレート406’を1つの圧力計に接続するために2つのパイプを含む。最後に、一実施形態では、圧力プレート4063’は、周辺コントローラが圧力を制御する必要がないときに凹部Rを閉じるために、平坦である。
【0115】
圧力プレート406’の各パイプについて、制御コンテナ400は、パイプを周辺コントローラ103に接続する対応するプラスチックチューブを含む。
【0116】
周辺コントローラにつながる全てのケーブル(ModBus In、ModBus Out、センサケーブル、アクチュエータケーブル)は、第1のシェル4051’と第2のシェル4052’との間に配置される。この目的のために、制御コンテナ400は第1のシール4071’および第2のシール4072’を備える。第1のシール4071’は第1の部分P1と第2の部分P2とを備える。第1の部分P1は、第1のシェル4051’の凹部Rと相補的な外形を含む。したがって、第1のシール4071’の第1の部分P1は、凹部Rが設けられた第1のシェル4051’の境界上に配置される。圧力プレート406’は、第1のシール4071’内に位置する。第1のシール4071’の第2の部分P2は、圧力プレート406’の上方に配置され、実際に第1のシール4071’を閉じ続ける。
【0117】
第1のシール4071’は、第1のシェル4051’の境界の反対側に、各々が対応するケーブルを受け入れるように構成された第1の複数のシートS1を備える。
【0118】
第2のシール4072’は第2の複数のシートS2を含み、第2の複数のシートS2は、第1の複数のシートS1と一緒に、周辺コントローラに到達するケーブルを取り囲む。したがって、第1のシール4071’および第2のシール4072’は、第1のシェル4051’と第2のシェル4052’との間に配置される。
【0119】
制御コンテナ400はさらに、プレースホルダプラグ408’を含む。プレースホルダプラグ408’は、周辺コントローラにロードされる特定の制御ロジックにおいて対応するケーブルがない場合に、第1のシール4071’および第2のシール4072’の間に配置できるプラグである。
【0120】
カバー401’は、外部から検出されるように、インジケータライト406の光を周辺コントローラ103のベースからハウジング405’まで導くように構成された複数のライトガイドを備える。
【0121】
一実施形態では、制御コンテナは複数の一方向ホルダ409’を含む。複数の一方向ホルダは、ケーブルが制御コンテナ400から外れることを避けるために、ケーブルを一方向に保持するように構成される。一実施形態では、各一方向ホルダ409は、ケーブルの引き抜き方向に互いに分岐する第1の壁と第2の壁とを含む。したがって、ケーブルが外側から引っ張られると、ケーブルとの摩擦の結果として2つの壁が曲がり、ケーブルを締め付けてケーブルの引き抜きを防止する。
【0122】
一実施形態では、周辺コントローラ103は、周辺コントローラ103にデータをアップロードおよび周辺コントローラ103からデータをダウンロードするためのUSB接続を含む。
【0123】
一実施形態では、制御コンテナ400は、外部ハウジング405’に関連付けられた引抜ツールを備える。引抜ツールは、作業者がケーブルを引き抜く、および/またはケーブルを対応するプラグに挿入するのに役立つ。
【0124】
一実施形態では、周辺コントローラは6つのLED(インジケータライト406)を含む。周辺コントローラは、以下のレジェンダに従ってLEDに色を表示するようにプログラムされている。
LED1:緑色、周辺コントローラオン。
LED2:赤色:周辺コントローラエラー、周辺コントローラを交換する必要がある。
LED3:黄色:I/Oケーブル配線エラー。
LED4:青色、通信は正常である。
LED5:黄色:中央制御ユニット200との通信タイムアウト。
LED6:赤色、モジュールはアラーム状態である。
【0125】
本明細書はまた、エアハンドリングユニットAHUを取り付ける方法を提供する。本方法は、複数のモジュール100を含むAHU1を提供するステップを含む。このステップでは、AHUを取り付ける必要がある場所にAHUは輸送される。
【0126】
特に、AHU1は動作空間OSに取り付けられる必要がある。AHUが上記場所に輸送された後、AHUは動作空間OS内に配置される必要がある。特に、本方法は配置ステップを含み、配置ステップでは、AHU1が動作空間OS内に配置される。特に、配置ステップでは、複数のモジュールの各モジュール100が対応する動作領域Z(予め定められたレイアウトにおける動作位置)に配置される。
【0127】
配置ステップでは、AHU1の中央制御ユニット200が動作空間OSの対応する位置内に配置される。
【0128】
本方法は、接続ステップを含む。接続ステップでは、以下の接続のうちの1つまたは複数が実行され得る。
【0129】
各モジュール100は中央制御ユニット200と接続される。特に、各モジュールが対応する周辺コントローラ103を有する一実施形態によれば、各周辺コントローラ103は中央制御ユニット200と接続される。接続ステップでは、各周辺コントローラ103は、電源ケーブルPCによって中央制御ユニット200に接続され、中央制御ユニット200によって電気エネルギーが供給される。接続ステップでは、各周辺コントローラ103は、信号ケーブルSCによって中央制御ユニット200に接続され、中央制御ユニット200とデジタル信号および/またはアナログ信号をやり取りする。
【0130】
接続ステップでは、各周辺コントローラ103は、モジュール100の対応する1つまたは複数のセンサ101に接続される。特に、一実施形態によれば、周辺コントローラ103と前記1つまたは複数のセンサ101との間の接続はアナログ接続である。この接続により、1つまたは複数のセンサ101が対応する周辺コントローラ103に制御信号101’を送信することが可能になる。
【0131】
接続ステップでは、各周辺コントローラ103は、モジュール100の対応する1つまたは複数のアクチュエータ102に接続される。特に、一実施形態によれば、周辺コントローラ103と前記1つまたは複数のアクチュエータ102との間の接続は、電力伝送および/または信号伝送を含む。この接続により、1つまたは複数のアクチュエータ102が対応する周辺コントローラ103へのコマンド信号102’を受信することが可能になる。
【0132】
接続ステップでは、一端で前記1つまたは複数のセンサ101および/または前記1つまたは複数のアクチュエータ102に接続された複数の接続ケーブル404は、モジュール100の制御コンテナ400の対応する外部開口部405に挿入される。複数の接続ケーブル404は、対応する外部開口部405に挿入された後、対応する複数のコネクタ403に接続され、当該複数のコネクタ403は、対応する周辺コントローラに接続されている。複数のコネクタ403は、接続ステップ中の周辺コントローラ103の損傷を避けるために、当該周辺コントローラ103から距離を置いて制御コンテナ400内に配置される。
【0133】
本方法は収容ステップを含み、収容ステップでは、周辺コントローラ103は、制御コンテナ400の内部容積Vの第1の容積V1に配置され、複数のコネクタ403は、内部容積Vの第2の容積V2であって、隔壁402によって第1の容積V1から仕切られた第2の容積V2に配置される。収容ステップは、好ましくは、現場ではなく、各モジュールの組み立て中に実行される。
【0134】
配置ステップは、オペレータに提供される予め定められたレイアウトに基づいて実行される。複数のモジュールの各モジュール100は、予め定められたレイアウト内のその位置に応じて、特定の方法で制御されなければならない。
【0135】
したがって、本方法はプログラミングステップを含む。
【0136】
一実施形態では、プログラミングステップは、周辺コントローラが配置された後、現場で行われてもよい。他の実施形態では、プログラミングステップは、AHUがクライアントに送られる前に、工場で行われてもよい。
【0137】
プログラミングステップにより、各モジュール100を特徴付けることが可能となる。実際、(現場または工場で)プログラミングする前に、複数のモジュールの各モジュール100は、モジュール100が設けられる予め定められたレイアウトの任意の位置に配置されるのに適している。(現場または工場での)プログラミングステップによって、各モジュールは、当該モジュールが実際に物理的に配置される位置に応じて(または、当該モジュールが接続されるセンサおよびアクチュエータに応じて)区別される。この特徴により、レイアウトの特定の位置に間違ったモジュールを配置するというオペレータによるミスが回避される。
【0138】
したがって、(現場または工場での)プログラミングステップは、対応するモジュール100にインストールされる制御ロジックを表す制御データ103’を、プログラミング装置PDから当該モジュール100に転送するステップを含む。言い換えれば、(現場または工場での)プログラミングステップでは、各周辺コントローラ103は、対応するモジュール100が動作空間内に配置される位置に従ってプログラムされる。
【0139】
一実施形態では、制御データ103’を転送するステップは、近距離無線通信(NFC)技術を通じて行われる。
【0140】
プログラミングステップが現場で実行される場合、プログラミングステップは好ましくは配置ステップの後に実行される。
【0141】
より具体的には、配置ステップの後、オペレータは、単にスマートフォン、テーブルまたはパーソナルコンピュータであり得るプログラミング装置PDを保持し、前記複数のモジュールの各モジュール100に近づけてそれをプログラムする。オペレータは、好ましくはプログラミング装置PDの画面上で、モジュールの実際の位置に対応する位置で仮想レイアウト上に表示されるモジュールを選択する。プログラミング装置PDは、画面上で選択されたモジュールの位置に基づいて、選択されたモジュール100にインストールされる制御ロジックに対応する制御データ103’を準備する。プログラミング装置PDは、準備された制御データ103’を対応するモジュール100の近接受信機408に伝送し、設計された制御ロジックを周辺コントローラ103にインストールする。この伝送ステップは、複数のモジュールの各モジュール100に対して行われる。
【0142】
言い換えれば、複数のモジュールは、選択ソフトウェア内のモジュールのデータベースの中から選択される。特に、クライアントはAHUをカスタマイズでき、クライアントの選択に従って、モジュールはモジュールのデータベースから選択される。全てのモジュールが定義された後、その全てのコンポーネントを用いて、ソフトウェアはまた、経済的なオファーを作成できる。
【0143】
オーダーが実行されると、ソフトウェアはモジュールに関する全ての情報、特に全てのコンポーネントとAHUレイアウト内のモジュールの位置とをオペレータに送信し、オペレータはソフトウェアを通じて、受け取った仕様に従って、AHUを工場で、またはAHUの組み立て中に現場で取り付けることができる。
【0144】
より具体的には、本明細書はまた、プロセッサを含むプログラミング装置を介してエアハンドリングユニットAHUの複数のモジュールに制御ロジックをプログラミングする方法を提供する。
【0145】
本方法は、予め定められたレイアウトであって、それに従って複数のモジュールが動作可能に相互接続されるレイアウトを表すレイアウトデータ10を受信するステップF1を含む。
【0146】
本方法は、複数の制御ロジックを表す制御データ103’を受信するステップF2を含む。各制御ロジックは、前記複数のモジュールのうちの対応するモジュール100に関連付けられる。各制御ロジックは、予め定められたレイアウトにおけるモジュール100の配置に基づいて、前記複数のモジュールのうちの対応するモジュール100に関連付けられる。
【0147】
制御データ103’および/またはレイアウトデータ10は、以下の方法のうちの1つまたは複数でプロセッサによって受信され得る。
-特定のカスタムプロジェクトに関連付けられたレイアウトデータおよび/または制御データをリモートサーバ上で読み取る。レイアウトデータは、設計ステップ中に別の端末のオペレータによって生成される。
-プログラミング装置のインポートモジュールを介して、レイアウトデータおよび/または制御データをインポートする。
-電子メールまたは無線接続によってレイアウトデータおよび/または制御データを受信する。
-モバイル通信またはナローバンドを介してレイアウトデータを受信する。
【0148】
一実施形態では、各モジュールは、その機能および/またはその位置に従って、一連のカテゴリ内に分類され得る。一実施形態では、プロセッサは、AHUを設計しているオペレータから、各モジュールが属するカテゴリを受け取る。
【0149】
一実施形態では、プロセッサは、リモートサーバ上で各モジュール100の制御データを、当該モジュール100が属するカテゴリに基づいて、読み取る。
【0150】
本方法は、オペレータによってプログラムされるモジュール100の選択を表す識別入力11を受信するステップF3を含む。
【0151】
例えば、識別入力11は、仮想的な予め定められたレイアウトが表示されるプログラミング装置PDのタッチスクリーン上で特定のモジュール100に触れることによる当該特定のモジュール100の選択であってもよい。
【0152】
一実施形態では、本方法は、プログラムされる選択されたモジュールに関連付けられた制御ロジックを表す、選択された制御データ103’を転送するステップF4を含む。選択された制御データ103’は、プログラミング装置PDから、プログラムされるモジュール100の対応する周辺コントローラ103に転送される。
【0153】
好ましくは、選択された制御データ103’を転送するステップF4は、近距離無線通信(NFC)技術によって実行される。
【0154】
一実施形態では、プロセッサは、予め定められたレイアウトに基づいて制御データ103’をグループ化し、制御データ(制御ロジック)のデータベースにまだ存在していない制御データ103’の新しいグループを規定する(新しい制御ロジックを規定する)ように構成される。プロセッサは、将来のプロジェクトに対して直接実装するために、制御データ103’の新しいグループ(新しい制御ロジック)をデータベースに保存するように構成される。
【0155】
例えば、ユーザが、データベース内の制御データ103’の各単一グループによって(データベース内に存在する制御ロジックによって)管理可能なセンサの最大数を超える数のセンサをモジュール内に実装する場合、プロセッサは、制御データ103’の2つのグループ(2つの既存の制御ロジック)を選択してもよく、これらは、組み合わせて全てのセンサを管理できる。しかしながら、これらの解決策は、2つの周辺コントローラで動作し、各周辺コントローラは、制御データ103’の対応するグループで(対応する制御ロジックで)プログラムされる。他の実施形態では、周辺コントローラが物理的に全てのセンサを管理できる場合、プロセッサは、全てのセンサを一緒に実装する周辺コントローラを制御するようにプログラムされた制御データ103’の新しいグループ(新しい制御ロジック)を作成する。したがって、同数のセンサに対して1つの周辺コントローラを使用するだけでよい。
【0156】
さらに、制御データ103’のデータベースは、クライアントの種々のニーズをカバーし得る制御データ103’の新しいグループで継続的に更新される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0157】
【特許文献1】US2014/303789
【特許文献2】US2018/224144
【特許文献3】US5682329
【国際調査報告】