(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】二輪車用燃料給油入口組立体
(51)【国際特許分類】
B62J 35/00 20060101AFI20231227BHJP
B62J 43/20 20200101ALI20231227BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20231227BHJP
【FI】
B62J35/00 D
B62J43/20
B62M6/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559192
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 IN2021050907
(87)【国際公開番号】W WO2022130398
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202041054371
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523226882
【氏名又は名称】ティーヴイエス モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ラーマクリシュナ ナラハリセティ
(72)【発明者】
【氏名】カーシック ナラヤナ レディ アヌ
(72)【発明者】
【氏名】シュリダー バラグル
(72)【発明者】
【氏名】パティル ロヒット ビシュワナス
(57)【要約】
本発明は、燃料給油入口組立体200を備えた二輪車に関する。燃料給油入口組立体200は、フロントパネル160Aおよびリヤパネル160Eに当接するとともにサイドスカート頂点212とフロアボード155との間に延びるサイドスカート210と、サイドスカート210に形成されていて孔222を有する凹部220と、孔222から接近可能であって、燃料を燃料タンク250に供給する燃料入口開口部230とを含む。燃料給油入口組立体200は、凹部220内に設けられているC字形ボックス断面部310をさらに含む。補剛部材320がC字形ボックス断面部310に当接している。燃料給油入口組立体200は、変形例として、充電ソケット組立体400であってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車であって、燃料給油入口組立体(200)を有し、前記燃料給油入口組立体は、
フロントパネル(160A)およびリヤパネル(160E)に当接したサイドスカート(210)を含み、前記サイドスカート(210)は、サイドスカート頂点(212)とボトム構造体(155)との間に延び、
前記サイドスカート(210)に形成された凹部(220)を含み、前記凹部(220)は、孔(222)を有し、
前記孔(222)から接近可能であって燃料を燃料タンク(250)に供給する燃料入口開口部(230)を含む、二輪車。
【請求項2】
前記凹部(220)は、前記サイドスカート頂点(212)と前記ボトム構造体(155)との間の中央に位置決めされている、請求項1記載の二輪車。
【請求項3】
前記ボトム構造体(155)は、フロアボード(155)を含む、請求項1または2記載の二輪車。
【請求項4】
前記凹部(220)は、前記二輪車の横から見て、前記サイドスカート(210)の横断方向において前記サイドスカート(210)の末端のところに位置決めされている、請求項1記載の二輪車。
【請求項5】
前記凹部(220)は、前記サイドスカート(210)の肩とトリムラインとの間に位置決めされている、請求項1記載の二輪車。
【請求項6】
前記燃料給油入口組立体(200)は、前記凹部(220)内に設けられるとともに、車体に取り付けられたC字形ボックス断面部(310)を含む、請求項1~5のうちいずれか一に記載の二輪車。
【請求項7】
前記車体上に形成されていて、前記C字形ボックス断面部(310)を受け入れるよう構成された燃料入口フランジ(330)を含む、請求項6記載の二輪車。
【請求項8】
前記C字形ボックス断面部(310)に当接し、それにより前記燃料給油入口組立体(200)に保護作用をもたらす補剛部材(320)を含む、請求項6または7記載の二輪車。
【請求項9】
前記燃料入口フランジ(330)に沿ってC字形断面材を形成するトップ補剛部材(320A)およびボトム補剛部材(320B)を含み、前記燃料入口フランジ(330)は、前記トップ補剛部材(320A)と前記ボトム補剛部材(320B)との間に垂直に延びている、請求項8記載の二輪車。
【請求項10】
前記燃料給油入口組立体(200)は、前記凹部(220)を覆う蓋(240)を含む、請求項1記載の二輪車。
【請求項11】
前記蓋に結合された第1の端部および前記蓋(240)を作動させるための第2の動作可能な端部を備えたワイヤを含む、請求項10記載の二輪車。
【請求項12】
前記第2の作動可能な端部は、点火ロック(240)に結合されている、請求項11記載の二輪車。
【請求項13】
前記蓋(240)は、前記C字形ボックス断面部(310)に回動可能に取り付けられている、請求項10記載の二輪車。
【請求項14】
前記蓋(240)は、前記凹部(220)に回動可能に取り付けられている、請求項10記載の二輪車。
【請求項15】
二輪電気車両であって、充電ソケット組立体を有し、前記充電ソケット組立体は、
フロントパネル(160A)およびリヤパネル(160E)に当接したサイドスカート(210)を含み、前記サイドスカート(210)は、サイドスカート頂点(212)とボトム構造体(155)との間に延び、
前記サイドスカート(210)に形成された凹部(220)を含み、前記凹部(220)は、孔(222)を有し、
前記孔(222)から接近可能であってバッテリを充電する充電ソケットを含む、二輪電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、二輪車、特に二輪車用の燃料給油入口組立体に関する。本発明はまた、二輪電気車両用の充電ソケット組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車が内燃エンジンで走行するにせよ電力を供給されるにせよいずれにせよ、二輪車は、燃料補給または充電(再充電)システムを必要とする。内燃エンジンで走行する従来型二輪車では、燃料給油システムは、一般に、燃料タンクと、燃料入口と、燃料入口を燃料タンクに連結する燃料パイプとから成っている。典型的には、スクータ型の二輪車では、これら燃料システムは、シート(座席)の下側にかつユーティリティボックスの後ろにパッケージ化され、燃料入口は、シートの下側にまたはテールランプの近くに位置決めされる。
【0003】
燃料入口をシートの下に配置した場合、燃料給油を可能にするにはライダーと後部座席の同乗者が車から降りる必要がある。燃料入口がシートの下ではなくてテールランプの近くに配置されている場合であっても、ライダーは降りて燃料ステーションのところで適正な燃料給油が行われるようにし、そして燃料入口の蓋を閉める必要が依然としてある。また、燃料の液滴がマフラ上にこぼれ落ちる恐れがあり、それにより安全性のリスクが生じる。
【0004】
また、当該技術分野において、シートの後ろに位置するテールカバー組立体に燃料入口を設けることが知られている。この場合、ライダーは、燃料給油のためにシートを開く必要はないが、かかる設置場所はまた、燃料のこぼれの問題をもたらす。さらに、燃料給油の位置がライダーのシートの後ろにあり、そのために、ライダーの注意が必要であり、場合によっては、ライダーは、燃料給油中に降りて燃料給油後に燃料給油用蓋を閉めなければならない。
【0005】
この目的のため、公知のスクータ型二輪車の中には、燃料タンクがフロアボードの下にパッケージ化されているものがあり、燃料入口の位置は燃料タンクの配置場所で決まるので、燃料入口は、ライダーの位置の前寄りでリヤパネル上に位置決めされる。しかしながら、かかる燃料システムでは、フロアボードが燃料入口の上方の高さ位置に取り付けられている場合には燃料給油の面で深刻な欠点があり、すなわち、フロアボード上への燃料のこぼれの潜在的リスクやモバイル式充電スロットのパッケージ化やグローブボックススペースにおいて制約がある。燃料入口をフロントパネル上に配置することはできず、その理由は、かかる配置場所は、衝突の場合に安全上高いリスクをもたらしかねず、しかも特にフロアボードが取り付けられている場合にはライダーには手が届きそうもないからである。
【0006】
同様の問題は、バッテリ用の充電ソケットがシートの下かあるいはライダー位置の前のリヤパネル上に位置決めされる場合に電動式スクータ型二輪車の場合に変わらず生じそうである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、当該技術分野においては、少なくとも上述の問題に取り組む燃料給油入口または充電ソケットの位置決めを備えた燃料システムまたは充電システムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一観点では、本発明は、燃料給油入口組立体を有する二輪車に関する。燃料給油入口組立体は、フロントパネルおよびリヤパネルに当接したサイドスカートを含み、サイドスカートは、サイドスカート頂点とボトム構造体との間に延び、燃料給油入口組立体は、サイドスカートに形成された凹部をさらに含み、凹部は、孔を有し、燃料給油入口組立体はさらに、孔から接近可能であって燃料を燃料タンクに供給する燃料入口開口部を含む。本発明の一実施形態では、ボトム構造体は、フロアボードである。
【0009】
本発明の一実施形態では、凹部は、サイドスカート頂点とボトム構造体またはフロアボードとの間の中央に位置決めされている。もう1つの実施形態では、凹部は、二輪車の横から見て、サイドスカートの横断方向においてサイドスカートの末端のところに位置決めされている。別の実施形態では、凹部は、肩と、サイドスカートのトリムラインとの間に位置決めされている。
【0010】
本発明のもう1つの実施形態では、燃料給油入口組立体は、凹部内に設けられるとともに車体に取り付けられたC字形ボックス断面部を含む。一実施形態では、燃料給油入口組立体は、車体上に形成されていて、C字形ボックス断面部を受け入れるよう構成された燃料入口フランジを含む。もう1つの実施形態では、燃料給油入口組立体は、C字形ボックス断面部に当接し、それにより燃料給油入口組立体に保護作用をもたらす補剛部材を含む。一実施形態では、燃料給油入口組立体は、燃料入口フランジに沿ってC字形断面を形成するトップ補剛部材およびボトム補剛部材を含む。一実施形態では、燃料入口フランジは、トップ補剛部材とボトム補剛部材との間に垂直に延びている。
【0011】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、燃料給油入口組立体は、凹部を覆う蓋を含む。一実施形態では、燃料給油入口組立体は、蓋に結合された第1の端部および蓋を作動させるための第2の動作可能な端部を備えたワイヤを含む。もう1つの実施形態では、ワイヤの第2の作動可能な端部は、点火ロックに結合されている。別の実施形態では、蓋は、C字形ボックス断面部に回動可能に取り付けられている。さらにもう1つの実施形態では、蓋は、凹部に回動可能に取り付けられている。
【0012】
もう1つの観点では、充電ソケット組立体を有する二輪電気車両に関する。充電ソケット組立体は、フロントパネルおよびリヤパネルに当接したサイドスカートを含む。サイドスカートは、サイドスカート頂点とボトム構造体との間に延びている。凹部がサイドスカートに形成され、凹部は、孔を有する。バッテリを充電するために孔から充電ソケットに接近できる。
【0013】
本発明の諸実施形態を参照し、これら実施形態の実施例が添付の図に示されている。これらの図は、例示であって、本発明を限定するものではない。本発明を一般にこれら実施形態に関して説明するが、理解されるべきこととして、本発明の範囲はこれら特定の実施形態に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態としての例示の車両の右側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態としての燃料給油入口組立体の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態としての燃料給油入口組立体の側面図で見た燃料給油入口組立体の凹部を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態としての燃料給油入口組立体の断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に従って、蓋が開き位置にある燃料給油入口組立体の斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に従って、蓋が閉じ位置にある燃料給油入口組立体の斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態としての二輪電気車両用の充電ソケット組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、燃料給油入口組立体を備えた二輪車に関する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態としての例示の車両10の右側面図である。車両10は、フレーム組立体105を有する。フレーム組立体105は、ヘッド管105A、メインフレーム組立体105Bを含む。1つ以上のフロントサスペンション110が前輪115をハンドルバー組立体190に連結しており、ハンドルバー組立体は、車両10のステアリング組立体を形成している。ステアリング組立体は、ヘッド管105A回りに回転可能に設けられている。メインフレーム組立体105Bは、ヘッド管105Aから後方下方に延びており、このメインフレーム組立体は、その後、実質的に長手方向に延びる曲げ部分を含む。さらに、フレーム組立体105は、車両10のリヤ部分に向かってメインフレーム組立体105Bのリヤ部分から傾斜した状態で後方に延びる1つ以上のリヤ管105Cを含む。
【0017】
車両10は、内燃(IC)エンジン125およびトラクションモータ135のうちの少なくとも一方を含むパワーユニットを有する。例えば、トラクションモータ135は、ブラシレス直流(BLDC)モータを含むのがよい。パワーユニットは、後輪145に結合されている。一実施形態では、ICエンジン125は、フレーム組立体105に揺動可能に連結されている。一実施形態では、ICエンジン125は、スイングアーム141に取り付けられ、スイングアーム141は、フレーム組立体105に揺動可能に連結されている。トラクションモータ135は、一実施形態では、ICエンジン125に隣接して設けられている。一実施形態では、トラクションモータ135は、後輪145に取り付けられたハブである。さらに、車両10は、後輪145をパワーユニットに結合するトランスミッション手段131を有する。トランスミッション手段131は、連続可変トランスミッション、自動トランスミッションまたは固定比トランスミッションを含む。シート組立体151がパワーユニットの上方に設けられ、このシート組立体は、フレーム組立体105のリヤ管105Cによって支持されている。シート組立体151は、ヒンジ式に開放可能である。フレーム組立体105は、シート組立体151の前に位置するステップスルー(step-through)部分STを含む。フロアボードの形態をしたボトム構造体155がステップスルー部分STのところに設けられ、ライダーは、フロアボード155上に足を載せることによって、車両10を着座位置で操作することができる。さらに、フロアボード155は、荷を積むことができる。
【0018】
さらに、フレーム組立体105は、フロントパネル160A、レッグシールド160B、アンダーシートカバー160C、左および右側パネル160D、フレーム組立体105に取り付けられるとともに、フレーム組立体105およびその取り付け部品を覆うリヤパネル160Eを含む複数の車体パネルによって覆われている。
【0019】
加うるに、フロントフェンダ165が前輪115の少なくとも一部分を覆っている。ユーティリティボックスがシート組立体151の下に設けられ、このユーティリティボックスは、フレーム組立体105によって支持されている。リヤフェンダ175が後輪145の少なくとも一部分を覆っており、このリヤフェンダは、後輪145の上方に位置決めされている。車輪145およびパワーユニットからの力を弱めてかかる力がフレーム組立体105に達しないようにするためにスイングアーム141および後輪145をフレーム組立体105に連結する1つ以上のサスペンション195が車両10のリヤ部分に設けられている。
【0020】
さらに、車両10は、ヘッドライト185A、テールライト185B、トランジスタ制御型点火(TCI)ユニット(図示せず)、およびオルタネータ(図示せず)、スタータモータ(図示せず)を含む複数の電気および電子部品を有する。
【0021】
図2を参照すると、燃料給油入口組立体200は、車両10のサイドスカート210内に設けられている。サイドスカート210は、フロントパネル160Aおよびリヤパネル160Eに当接している。サイドスカート頂点212は、フロントパネル160A、リヤパネル160Eおよびサイドスカート210の最も上に位置する点が互いに接触する箇所である。サイドスカート210は、サイドスカート頂点212とボトム構造体155との間に延びている。本発明の一実施形態では、ボトム構造体155は、フロアボードである。凹部220がサイドスカート210内に形成されており、凹部220は、孔222を有する。燃料入口開口部230がフロアボード155の下にパッケージ化された燃料タンク250と流体連通関係をなして設けられており、その結果、燃料入口開口部230は、孔222から接近可能である。燃料入口開口部230は、螺合状態の開くことができるキャップによって覆われるのがよい。燃料給油作業では、燃料入口開口部230には孔222から燃料ガンによる接近が行われ、燃料は、燃料入口開口部230から燃料タンク250に流れる。燃料入口開口部230へのかかる接近により、ライダーは、燃料給油作業の間、車両から降りる必要がないようになる。また、燃料タンク250をフロアボード155の下にパッケージ化することにより、良好な重量分布が行われるとともに、ユーティリティボックス内に広いスペースが得られる。
【0022】
本発明の一実施形態では、サイドスカート210の凹部220は、凹部220がサイドスカート頂点212およびフロアボード155に対して中央の位置に位置決めされるよう設けられている。本発明のもう1つの実施形態では、サイドスカート210の凹部220は、凹部220が二輪車10の横から見てサイドスカート210の横断方向にサイドスカート210の末端のところに位置決めされるよう設けられている。凹部220のかかる位置により、燃料ガンは、ライダーの足の位置から常時遠ざかったままであるようになり、しかもフロアボード155上への燃料のこぼれが生じないようになる。本発明のもう1つの実施形態では、凹部220は、方向指示器ランプに隣接してサイドスカート210に設けられている。本発明の別の実施形態では、凹部220は、二輪車10の横から見て、実質的にフロントフェンダ165の上方でサイドスカート210に設けられている。本発明のもう1つの実施形態では、サイドスカート210の凹部220は、凹部220がサイドスカート210の肩とトリムラインとの間に位置決めされるよう設けられ、それにより、最終車両製品監査の際に二輪車10に高い評価が与えられる。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態としての燃料給油入口組立体200の側面図で見て燃料給油入口組立体200の凹部220を示している。図示のように、燃料給油入口組立体200は、C字形ボックス断面部(C字形ボックス断面部材/C字形箱形断面部材)310を有し、このC字形ボックス断面部は、凹部220内に設けられかつ図示のように車体に取り付けられている。燃料給油入口組立体200は、二輪車10の側方に駐車している車両に対して露出されるので、あるいは二輪車10が横倒しになった場合または別の車両との衝突事故の際に真っ先に衝撃を受ける可能性があるので、C字形ボックス断面部310は、燃料給油入口組立体200を丈夫にしている。さらに、燃料ガンが燃料入口開口部230にかかるよう作られている場合にその結果として、燃料入口組立体200への荷重の移動が行われる。かかる場合でも、凹部220内に設けられているC字形ボックス断面部310は、荷重を支持する強度を燃料入口組立体に提供する。これらに加えて、C字形ボックス断面部310はまた、過剰給油燃料のためのデフレクタとして働く。
【0024】
さらに、
図3に示すように、補剛部材320がC字形ボックス断面部310内に設けられた状態でC字形ボックス断面部310の内壁に当接し、それにより追加の保護作用を燃料給油入口組立体200に提供している。C字形ボックス断面部310は、補剛部材320と一緒になって、側面からの衝撃があればこれをまず最初に補剛部材320で受けるようになっている。
【0025】
図4に示すように、C字形ボックス断面部310は、燃料入口フランジ330によって車体に取り付けられている。燃料入口フランジ330は、シャーシまたは車体の一部品である。C字形ボックス断面部310は、締結具によりまたは溶接継手によって燃料入口フランジ330に取り付けられるのがよい。燃料入口フランジ330はまた、燃料漏れの停止手段(arrester)として働く。
【0026】
本発明の一実施形態では、
図4に示すように、燃料給油入口組立体200は、トップ補剛部材320Aおよびボトム補剛部材320Bを含み、これら補剛部材は、燃料入口フランジ330に沿ってC字形断面材を形成している。燃料入口フランジ330は、トップ補剛部材320Aとボトム補剛部材320Bとの間で垂直方向に延びている。
【0027】
図2~
図6に示すように、燃料給油入口組立体200は、凹部220を覆うよう開くことができる蓋240を有する。本発明の一実施形態では、蓋240は、C字形ボックス断面部310に回動可能に取り付けられてもよく、あるいは、凹部220に回動可能に取り付けられてもよい。
【0028】
図5に示すように、蓋240は、点火ロック350によって開くことが可能である。この点に関し、第1の端部を備えたワイヤが蓋240に結合され、第2の開くことができる端部が点火ロック350に結合されている。したがって、点火ロックの操作により、蓋240が開く。十分に理解されるように、専用の手段がワイヤを操作して蓋240を開くよう設けられてもよい。
【0029】
図6は、本発明の一実施形態に従って蓋240が閉じ位置になる状態の燃料給油入口組立体200の斜視図である。この実施形態では、この図は、蓋240が閉じ位置にあることを示している。蓋240は、これが車両10のサイドスカート210のトリムラインと面一となすよう設けられ、それにより、車両10の見栄えがよくなっている。
【0030】
本発明の例示の実施形態では、蓋240は、車両10のフロントサイド寄りで開くことができ、それにより、ライダーにとって燃料入口開口部230の接近性が向上する。
【0031】
本発明の変形実施形態では、
図7に示すように、二輪車10は、電気型の二輪車であり、燃料給油入口組立体200は、変形例として、充電ソケット組立体400として使用できる。この点に関し、燃料入口開口部230に代えて充電ソケット430が用いられ、燃料タンク250に代えてバッテリが用いられ、充電ソケット430がバッテリと電気的連絡状態にある。上述の燃料給油入口組立体200の残りの部品は、それに応じて、電気車両の要件を満たすよう改造可能である。
【0032】
有利には、本発明は、燃料給油のためにライダーが車両から降りなければならないという問題ならびにフロアボードが燃料入口の上方の高さ位置に取り付けられている場合における燃料給油という面での深刻な制約、フロアボード上への燃料のこぼれの潜在的なリスク、およびモバイル式充電スロットのパッケージ化やグローブボックススペースにおける制約という問題を解決する。上記において開示したような本発明の燃料給油入口組立体の燃料入口開口部の位置に起因して、燃料給油のためにライダーと同乗者が車から降りる必要がなく、またフロアボードが燃料入口の上方の高さ位置に取り付けられている場合であっても、ライダーは、フロアボードからアイテムを降ろす必要なく、燃料入口開口部に依然として容易に接近することができる。また、この結果、二輪車のフロアボード取り付けやすさが向上する。燃料給油入口組立体が二輪車の横側寄りに位置決めされているので、モバイル式スロットおよびグローブボックスのパッケージ化が制約を受けず、しかもフロアボード上への燃料こぼれの恐れが最小限に抑えられる。さらに、燃料給油入口組立体が車両のフロント寄りに位置決めされているので、ライダーは燃料キャップを確実に閉じることができ、しかもユーティリティボックス内の利用可能な空間が増大する。
【0033】
本発明をある特定の実施形態に関して説明したが、当業者には明らかなように、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および改造を行うことができる。
【国際調査報告】