(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】冷却塔において複数の同時独立水源を利用するための方法
(51)【国際特許分類】
F28F 27/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
F28F27/00 501Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528182
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020060055
(87)【国際公開番号】W WO2022103388
(87)【国際公開日】2022-05-19
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ブイ.ジェンキンズ
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ ダブリュ.マイヤーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エル.レジェリート
(72)【発明者】
【氏名】エミリー アン テイラー
(72)【発明者】
【氏名】エフ.フィリップ ユー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エム.ベイリフ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール.フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー アール.ゴインズ
(57)【要約】
【課題】冷却塔システムが開示される。
【解決手段】冷却システムは、冷却塔と、冷却塔に水を供給するように構成された、少なくとも2つの補給水入口流と、冷却塔から水を除去するように構成された、ブローダウン流と、補給水入口流の各々における水を監視する、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに動作可能に接続された、コントローラと、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却塔システムであって、前記冷却塔システムは、
冷却塔と、
前記冷却塔に水を供給するように構成された、少なくとも2つの補給水入口流と、
前記冷却塔から水を除去するように構成された、ブローダウン流と、
前記補給水入口流の各々における水を監視する、少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサに動作可能に接続された、コントローラと、を備える、冷却塔システム。
【請求項2】
前記少なくとも2つの補給水入口流が、3つの補給水入口流を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの補給水入口流が、前記冷却塔に接続されたパイプに接続され、前記パイプが、前記少なくとも2つの補給水入口流から、前記冷却塔内に水を搬送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサが、導電率センサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサが、流量センサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
各補給水入口流が、少なくとも2つのセンサによって監視される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも2つのセンサが、導電率センサ及び流量センサである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラが、導電率設定点を記憶する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラに動作可能に接続された、分散制御システムを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、前記冷却塔に水を供給するように構成された、補給水保持タンクを含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
冷却水処理を制御する方法であって、前記方法は、
冷却塔に水を供給するように構成された少なくとも2つの補給水入口流の水を監視する、少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、
前記少なくとも1つのセンサから受信された前記データから、仮想補給流を作成することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサが、導電率センサである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサが、流量センサである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
3つの補給水入口流の水を監視する少なくとも3つのセンサから、データが受信される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記仮想補給流の特性に基づいて、化学添加剤を前記冷却塔内に投与することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記仮想補給流の特性に基づいて、ブローダウンを調整することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記補給水入口流の銅及び/又は軟鋼の腐食速度を監視することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
各補給水入口流が、少なくとも2つのセンサによって監視される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記化学添加剤が、スケール抑制剤、腐食抑制剤、殺生物剤、分散剤、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
第1の流れの補給水の、第2の流れの補給水に対する比を調整することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、冷却塔用の補給水の制御及び監視に関する。より具体的には、本開示は、独立補給水源を同時に利用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水冷却塔は、製油所及び化学生成物製造プラントに見られるような大容量の熱交換システムで使用される。冷却塔は、冷却塔内の冷却剤の一部を蒸発させることによって、吸収された熱を、循環する水冷却剤から除去するために使用される。残りの冷却剤を、ポンプによって塔の基部にあるリザーバ又は汚水槽から抽出し、熱負荷を通じて継続的に供給することができる。かかるシステムでは大量の水が蒸発するため、スケール、シルト、又は他の水汚染物質が時間の経過とともに再循環水中に蓄積することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
再循環する冷却水が接触する表面に汚損が発生する程度を防止又は制限するのを助けるために、冷却水に様々な化学物質を添加することができる。典型的な動作環境では、技術者は冷却水システムから冷却水のサンプルを採取し、サンプルの化学分析を実施し得る。技術者は、分析に基づいて、冷却水に添加される化学物質のタイプを調整し得る。多くの場合、技術者は、週に1回又は月に1回など、限定された基準で冷却水の分析を実施するためだけに施設の現場にいる場合がある。結果として、施設のプロセス条件の変更は、プロセス条件が改変されてからしばらく時間が経過するまで検出されない場合がある。更に、変更されたプロセス条件に対応するために冷却水の化学的性質が変更された場合でも、かかる変更は、概して、望ましくない冷却水の条件を防止するための予測的な変更ではなく、反動的な変更である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
冷却塔システムが開示される。冷却システムは、冷却塔と、冷却塔に水を供給するように構成された、少なくとも2つの補給水入口流と、冷却塔から水を除去するように構成された、ブローダウン流と、補給水入口流の各々における水を監視する、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに動作可能に接続された、コントローラと、を含む。
【0005】
いくつかの態様では、少なくとも2つの補給水入口流は、3つの補給水入口流を備える。
【0006】
いくつかの態様では、少なくとも2つの補給水入口流は、冷却塔に接続されたパイプに接続され、パイプは、少なくとも2つの補給水入口流から、冷却塔内に水を搬送する。
【0007】
いくつかの態様では、少なくとも1つのセンサは、導電率センサである。
【0008】
いくつかの態様では、少なくとも1つのセンサは、流量センサである。
【0009】
いくつかの態様では、各補給水入口流は、少なくとも2つのセンサによって監視される。
【0010】
いくつかの態様では、少なくとも2つのセンサは、導電率センサ及び流量センサである。
【0011】
いくつかの態様では、コントローラは、導電率設定点を記憶する。
【0012】
いくつかの態様では、冷却水システムは、コントローラに動作可能に接続された、分散制御システムを更に含む。
【0013】
いくつかの態様では、システムは、冷却塔に水を供給するように構成された、補給水保持タンクを含まない。
【0014】
冷却水処理を制御する方法もまた提供される。本方法は、冷却塔に水を供給するように構成された少なくとも2つの補給水入口流の水を監視する、少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、少なくとも1つのセンサから受信されたデータから、仮想補給流を作成することと、を含む。
【0015】
いくつかの態様では、データは、3つの補給水入口流の水を監視する、少なくとも3つのセンサから受信される。
【0016】
いくつかの態様では、本方法は、仮想補給流の特性に基づいて、化学添加剤を冷却塔内に投与することを含む。
【0017】
いくつかの態様では、本方法は、仮想補給流の特性に基づいて、ブローダウンを調整することを含む。
【0018】
いくつかの態様では、本方法は、補給水入口流の銅及び/又は軟鋼の腐食速度を監視することを含む。
【0019】
いくつかの態様では、化学添加剤は、スケール抑制剤、腐食抑制剤、殺生物剤、分散剤、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0020】
いくつかの態様では、本方法は、第1の流れの補給水の、第2の流れの補給水に対する比を調整することを更に含む。
【0021】
前述は、後に続く発明を実施するための形態がより良好に理解され得るように、本開示の特徴及び技術的利点を概括的に概説した。本願の特許請求の範囲の主題を形成する、本開示の更なる特徴及び利点は、以下に説明される。開示される概念及び具体的な実施形態は、本開示と同じ目的を実行するための他の実施形態を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者により理解されるべきである。そのような同等の実施形態が、添付の特許請求の範囲に明記される本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないことも、当業者によって認識されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
発明の詳細な説明を、以下の図面に対する具体的な参照とともに本明細書において以下に説明する。
【0023】
【
図1】抑制剤の設定点と、補給源の百分率との対比を示す。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【発明を実施するための形態】
【0028】
様々な実施形態が、同様の要素が、概して、同様の数字によって参照される、図面を参照して以下に説明される。実施形態の様々な要素の関係性及び機能は、以下の詳細な説明を参照することによってより良好に理解され得る。しかしながら、実施形態は、図面に例解されるものに限定されない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、場合によっては、例えば、従来の製造及び組み立てなど、本明細書で開示される実施形態の理解に必要ではない詳細が省略されている場合があることを、理解されるべきである。
【0029】
通常、複数の補給源のシナリオでは、顧客にとっての唯一の実行可能な代替手段は、大型均等化タンクを設置し、全ての補給流を、そのタンクに誘導することである。そのシナリオでは、タンクから生じる1つの水流だけが、冷却塔の補給として使用される。この用途は、大きな資本支出と、タンクのための大きな設置面積とを必要とする。また、このタンクは、原因となる流れの各々が、複合補給流にどのように影響し得るかを、プラントが説明することを可能にしない。
【0030】
本開示は、均等化タンクを必要とせずに、個々の流れの監視を可能にする。それはまた、冷却塔に入る複数の流れの比が変化するにつれて、腐食/スケール制御化学の設定点をリアルタイムに変更すること可能にする。
【0031】
冷却塔システムが開示される。冷却システムは、冷却塔と、冷却塔に水を供給するように構成された、少なくとも2つの補給水入口流と、冷却塔から水を除去するように構成された、ブローダウン流と、補給水入口流の各々における水を監視する、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに動作可能に接続された、コントローラと、を含む。
【0032】
各補給水入口流は、補給水を監視する、1つのセンサ、2つのセンサ、3つのセンサ、4つのセンサ、5つのセンサ又は6つのセンサを有し得る。センサは、補給水の様々な特性を検出するように、構成され得る。センサによって測定される特性の例としては、ORP、溶存酸素(Dissolved Oxygen、DO)、導電率、pH、濁度、(殺生物剤、スケール抑制剤、摩擦低減剤、酸、塩基、及び/又は脱酸素剤などの)特定の化学物質の濃度、(例えば、経験的に、自動的に、蛍光的に、電気化学的に、比色的に判定され、直接測定され、計算される)イオン(リン酸塩)のレベル、温度、圧力、流量、又は、総溶解若しくは懸濁固形物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
いくつかの態様では、少なくとも1つのセンサは、流量センサである。いくつかの態様では、各補給ラインを監視する2つのセンサ、流量センサ及び導電率センサが存在する。
【0034】
別の例として、センサは、冷却水中の粒子の濃度及び/又はサイズを示す測定値を提供するための、光学センサであり得る。例えば、冷却水の濁度及び/又は光散乱特性を測定するために、光学センサが使用され得る。冷却水中の粒子の濃度の増加は、スケール汚損成分に関連付けられ、スケール汚損のメカニズムを示唆し得る。追加的又は代替的に、熱交換器、又は熱交換器が曝露されるのと同じ冷却水条件に曝露される金属切り取り試片又は試験ストリップなど、熱交換器の類似物の冷却水流側の表面の汚損形成を測定するために、光学センサが使用され得る。光学センサは、監視される表面に形成された汚損物質を光学的に評価して、汚損物質の特性、及びそれに応じて、汚損物質がスケール汚損のメカニズム(又は腐食若しくは生物汚損)に関連付けられているかどうかを判定し得る。
【0035】
腐食速度は、補給水ライン及び冷却塔において監視され得る。冷却塔システムは、各流れに対する銅及び軟鋼の腐食監視技術を含み得、その情報を使用して、冷却塔内で起こり得る下流の腐食問題をリアルタイムで回避するのを助け得る。これは、高効率冷却装置は、通常、より薄い管壁を熱交換器内に有し、より慎重な腐食レベルの監視を必要とするため、高効率冷却装置を含む用途において特に重要である。
【0036】
別の例として、化学添加剤を冷却水流に導入して潜在的な汚損原因に対抗する状況では、添加剤は、蛍光定量的に分析して冷却水中の化学物質の濃度を判定することができる蛍光的にタグ付けされたポリマー又は不活性蛍光トレーサを含み得る。コントローラは、蛍光応答に基づいて化学添加剤の消費速度を評価して、検出された冷却水汚損が処理中の汚損のメカニズム又は潜在的に異なる汚損のメカニズムに関連付けられているかどうかを判定するのを助け得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、「スケール汚損」という用語は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、酸化マンガン、リン酸アルミニウム、シルト、及び砂などの成分を含むが、これらに限定されない、冷却水からの、又は冷却水中で形成される粒子状物質による熱交換表面の汚損を指す。
【0038】
「腐食汚損」という用語は、主に金属酸化物などの腐食形成堆積物による熱交換表面の汚損を指し、これらは、その場で、又はシステム内の他の場所からの破損及び再堆積によって形成され得る。
【0039】
例えば、冷却水の蒸発は、システムを介してリサイクルされる冷却水流中の塩(例えば、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム)の濃度につながることがある。これらの塩は、冷却水と接触する熱交換器の表面にスケーリング堆積物を形成し得る。別の例として、冷却水が有機材料及び微生物を含有する場合、バイオフィルムが冷却水と接触する熱交換器の表面に堆積し得る。更に別の例として、例えば、金属構成要素(例えば、鉄、アルミニウム、及び/又は亜鉛)の酸化により、冷却水流内で腐食生成物が発生し得る。これらの腐食生成物はまた、冷却水と接触する熱交換器の表面に堆積し得る。汚損のメカニズム又は原因とは無関係に、冷却水と接触する熱交換器の表面にバリア層が蓄積すると、熱交換器を通る熱伝達の効率が低減し得る。
【0040】
熱伝達ネットワークを通過する冷却水流の潜在的な汚損条件を低減又は排除するのを助けるために、1つ以上の化学物質を冷却水に添加して、汚損物質の形成及び/又は堆積を抑制することができる。冷却水に注入され得る化学添加剤の例としては、ポリマー(分散剤及びスケール抑制剤)、ホスフィノコハク酸オリゴマー(PSO、スケール及び腐食抑制剤)などの有機リン化合物、亜鉛(腐食抑制剤)、オルトリン酸塩(腐食抑制剤)、ポリリン酸塩(スケール及び腐食抑制剤)、殺生物剤、分散剤、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。追加的又は代替的に、1つ以上の化学添加剤を冷却水に注入して、冷却水のpHを調整することができる。pH調整制御剤の例としては、鉱酸、有機酸、及び無機塩基が挙げられる。
【0041】
本開示の方法及びシステムは、独立水源からの、2つより多くの補給水流を収容するように、拡大縮小することができる。いくつかの態様では、システムは、3つの補給水入口流、4つの補給水入口流、5つの補給水入口流、又は6つの補給水入口流を含む。各入口流は、補給水保持タンクを通過することなく、単一の冷却塔入口パイプに接続され得る。代替的に、各入口流は、独立して冷却塔内に供給され得る。
【0042】
冷却システム、及び関連付けられた処理プログラムは、コントローラに記憶された所定のルックアップテーブルを使用して、入口補給水流の比の個別変化に応じて、最適化及び調整される。
【0043】
各測定パラメータは、システムが維持されるべき、所定の設定点又は動作範囲を有し得る。いくつかの態様では、コントローラは、導電率、pH又は腐食設定値を記憶する。
【0044】
補給水の特性を測定し、流量又は添加剤投与量を調整する、本プロセスは、更新されたリアルタイム又はほぼリアルタイムの調整をローカルPLCに提供するために、Nalco Cooling Water Optimizerを使用するクラウドベースのPLC計算又はオンサイトのPLC計算のいずれかを使用して、リアルタイムで実現され得る。
【0045】
処理薬品の投与量は、流入する補給水流と、結果として得られる水プロファイルとの比に、依存し得る。
【0046】
図5を参照すると、冷却塔システム100の一実施形態が示されている。システム100は、冷却塔101と、冷却塔101に水を供給するように構成された、少なくとも2つの補給水入口流102と、冷却塔101から水を除去するように構成された、ブローダウン流103と、補給水入口流102の各々における水を監視する、少なくとも1つのセンサ104と、少なくとも1つのセンサ104に動作可能に接続された、コントローラ105と、を含む。
【0047】
少なくとも2つの補給水入口流102は、冷却塔101に接続されたパイプ107に接続され、パイプ107は、少なくとも2つの補給水入口流102から、冷却塔101内に水を搬送する。補給流は、冷却塔に水を搬送するパイプに接続される必要はないが、補給水を供給するために、冷却塔に直接接続され得る。
【0048】
冷却塔システムは、コントローラに動作可能に接続された、分散制御システム108を含み得る。PLCコントローラ105は、補給水流センサ104から入力を受信する。PLCコントローラは、仮想複合流を生成するために、補給水流の任意の組み合わせの、Optimizer109の性能データを利用して、事前にプログラムされる。PLCコントローラ105は、仮想複合流の補給比に従って、適切な制御パラメータを特定する。制御パラメータは、コントローラ110及び分散制御システム108にエクスポートされ、化学ポンプ及びブローダウン弁を作動させる。制御パラメータは、全ての場所にエクスポートされる必要はなく、ブローダウン弁及び化学ポンプを制御する場所にのみ、エクスポートされる必要がある。
【0049】
冷却塔では、水が蒸発により失われ111、補給水を加えなければならない。流体は、熱交換器113への途中でフィルタ112を通る、ライン117を通って移動する。次に、流体は、冷却塔101に戻される。ライン117の流体は、ライン114を通して薬剤を注入することによって、化学物質で処理することができる。補給水ライン102はまた、ライン114を通して、補給水ライン102又は冷却塔101内に直接注入することによって、化学添加剤でも処理することができる。化学物質は、タンク115内に貯蔵し、目標ライン内にポンプ圧送することができる。
【0050】
ライン117の流体のサンプルは、ライン116を使用して引き出し、水分析ユニット110を使用して、分析することができ得る。ライン117の流体の特性は、コントローラ110に伝送することができ、そこで、特性は、記憶された設定点と比較することができる。次に、コントローラ110は、補給水の流量又は化学添加剤の投与量を調整すべきかどうかを判定する。補給水センサは、複合流の補給比に基づいて、対応する制御パラメータを制御装置110にエクスポートする、PLCコントローラ105に報告される。
【0051】
特定の態様では、制御システムは、コントローラ及び複数のセンサを備える、監視及び制御ユニットを含む。複数のセンサの各々は、コントローラと通信した状態にあり得る。例えば、ユニットが5つのセンサを備える場合、5つのセンサの各々は、コントローラと通信した状態にあり得る。特定の態様では、コントローラは、移動が可能になるように、スキッド又は他のタイプの支持部材に取り付けることができる。
【0052】
冷却水処理を制御する方法もまた提供される。本方法は、冷却塔に水を供給するように構成された少なくとも2つの補給水入口流の水を監視する、少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、少なくとも1つのセンサから受信されたデータから、仮想補給流を作成することと、を含む。
【0053】
仮想補給流は、特定の割合の補給水入口流からなる、流れを指す。流量及び導電率などの、各補給水流の特性に基づいて、2つ以上の補給流が混合される場合、混合流の特性を予測することができる。
【0054】
補給水入口流上のセンサで受信されたデータが分析され、仮想流が生成される。化学添加剤の投与量及びブローダウンの流量は、仮想流の特性に基づいて調整することができる。
【0055】
いくつかの態様では、本方法は、補給水流の品質の変化に基づいて、冷却システムのブローダウン及びCoC(Cycles of Concentration、濃縮サイクル)を調整することを含み得る。
【0056】
本明細書で使用される場合、「コントローラ」という用語は、プロセッサ、メモリデバイス、デジタル記憶媒体、任意の数の通信プロトコル及び/若しくはネットワークにまたがる通信をサポートするように動作可能な通信回路を含む通信インターフェース、ユーザインターフェース(例えば、ブラウン管、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、若しくは他のモニタを含み得るグラフィカルユーザインターフェース)、並びに/又は他の構成要素などの構成要素を有するマニュアルオペレータ又は電子デバイスを指す。
【0057】
コントローラは、好ましくは、1つ以上の特定用途向け集積回路、プログラム、コンピュータ実行可能命令若しくはアルゴリズム、1つ以上のハードワイヤードデバイス、無線デバイス、及び/又は1つ以上の機械デバイスと一体化するように動作可能である。更に、コントローラは、本発明のフィードバック、フィードフォワード、及び/又は予測ループを一体化するように動作可能である。コントローラシステム機能の一部又は全ては、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、無線ネットワーク、インターネット接続、マイクロ波リンク、赤外線リンク、有線ネットワーク(例えば、イーサネット)などにおける通信用の、ネットワークサーバなどの中心位置にあり得る。更に、信号調整器又はシステムモニタなどの他の構成要素が、信号伝送及び信号処理アルゴリズムを促進するために含まれ得る。
【0058】
特定の態様では、コントローラは、システムパラメータに関連する任意の測定又は予測された特性に優先順位を付けるための階層ロジックを含む。例えば、コントローラは、導電率よりもシステムのpHを優先するように、又はその逆であるようにプログラムされ得る。そのような階層ロジックの目的は、システムパラメータに対する改善された制御を可能にすること及び循環制御ループを回避することであると理解されたい。
【0059】
いくつかの実施形態では、監視及び制御ユニット、並びにそれに関連する方法は、自動コントローラを含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、手動又は半手動である。例えば、システムが、システム内の様々なセンサから受信した1つ以上のデータセットを含む場合、コントローラが、どのデータポイント/データセットを更に処理するかを自動的に判定することができるか、又はオペレータが、そのような判定を部分的若しくは完全に行うことができる。例えば、工業的水塊(industrial body of water)のデータセットは、ORP、溶存酸素(DO)、導電率、pH、濁度、(殺生物剤、スケール抑制剤、酸、塩基などの)特定の化学物質の濃度、(例えば、経験的に、自動的に、蛍光的に、電気化学的に、比色的に判定され、直接測定され、計算される)イオンレベル、温度、圧力、流量、総溶解若しくは懸濁固形物などの変数又はシステムパラメータを含み得る。そのようなシステムパラメータは、典型的には、これらのパラメータ専用に設計されたセンサ、例えば、pHセンサ、イオン分析器、温度センサ、熱電対、圧力センサ、腐食プローブ、及び/又は任意の他の好適なデバイス若しくはセンサなどの、任意のタイプの好適なデータ収集機器で測定される。データ収集機器は、コントローラと通信していることが好ましく、いくつかの実施形態によると、コントローラによって付与される先進的機能(本明細書において説明されている制御アルゴリズムの任意の部分を含む)を有し得る。
【0060】
監視及び制御ユニットは、水を分析することができ、かつ水に関するデータをコントローラに送信することができる複数のセンサを備え得る。複数のセンサは、例えば、水における導電率、pH、ORP、殺生物剤濃度、濁度、温度、流量、及びDOを測定するためのセンサを備えることができる。監視及び制御ユニットは、これらのセンサのうちのいずれか、これらのセンサのうちの全て、これらのセンサのうちの2つ以上の組み合わせ、ここでは特に言及されていない1つ以上の更なるセンサを備え得、センサは、コントローラと通信した状態にあり得る。本開示によって企図される他のタイプのセンサとしては、水中油センサ(oil in water sensors)、全溶解固形物センサ、及び全懸濁固形物センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
本開示の監視及び制御システムは、特定の実施形態では、1つ以上の化学物質注入ポンプを備える。各化学物質注入ポンプは、貯蔵デバイスと流体連通した状態にあり得る。各貯蔵デバイスは、1つ以上の化学物質を含み得、化学物質注入ポンプは、これらの化学物質を水塊に輸送し得る。いくつかの実施形態では、化学物質注入ポンプは、貯蔵デバイスを備える。化学物質注入ポンプは、有線接続、無線接続、電子的、セルラー方式、赤外線、衛星、又は任意の他のタイプの通信ネットワーク、トポロジー、プロトコル、標準などの任意の組み合わせなどによって、あらゆる手法でコントローラと通信した状態にあり得る。したがって、コントローラは、ポンプに信号を送って、それらの化学物質供給速度を制御することができる。
【0062】
特定の実施形態では、監視及び制御システムは、複数のセンサが、連続的又は断続的なフィードバック、フィードフォワード、及び/又は予測情報をコントローラに提供するように実装されており、このコントローラは、この情報をNalco Global Gatewayなどのリレーデバイスにリレーすることができ、このリレーデバイスは、この情報を、セルラー方式通信を介して、携帯電話、コンピュータ、及び/又はセルラー方式通信を受信することができる任意の他のデバイスなどのリモートデバイスに伝送することができる。このリモートデバイスは、情報を解釈し、リレーデバイスを通じてコントローラへと信号(例えば、電子命令)を自動的に送信し返して、コントローラに、ポンプの出力に対する特定の調整を行わせることができる。この情報はまた、コントローラによって内部で処理され得、コントローラは、例えば、化学物質注入量を調整するために、ポンプに信号を自動的に送信することができる。複数のセンサから又はリモートデバイスからの、コントローラによって受信される情報に基づいて、コントローラは、様々なポンプに信号を伝送して、ポンプが水に注入している化学物質の量を自動でリアルタイムに調整し得る。
【0063】
代替的に、コントローラからセルラー方式通信を受信するリモートデバイスのオペレータは、リモートデバイスを通じて手動でポンプを操作することができる。オペレータは、リモートデバイスを通じて、セルラー方式で、又は他の方法でコントローラに指示を伝達することができ、コントローラは、化学物質注入ポンプの化学物質添加速度を調整し得る。例えば、オペレータは、コントローラからのセルラー通信を介してリモートデバイスから信号又は警告を受信し、リモートデバイスを使用してコントローラに指示又は信号を送信し返して、化学物質注入ポンプのうちの1つ以上をオンにすること、化学物質注入ポンプのうちの1つ以上をオフにすること、注入ポンプのうちの1つ以上によって水に添加される化学物質の量を増加若しくは減少させること、又は前述の任意の組み合わせを行うことができる。コントローラ及び/又はリモートデバイスはまた、オペレータが実際に指示を送信又は入力することなく、前述の調整又は修正のいずれかを自動的に行うことができる。測定された特性が許容範囲外であるかどうかをコントローラ又はリモートデバイスが判定することができるように、予め設定されたパラメータ又はプログラムがコントローラ又はリモートデバイスに入力される。複数のセンサによって受信された情報に基づいて、コントローラ又はリモートデバイスは、ポンプを適切に調整すること又は適切な警告を送信することができる。
【0064】
特定の実施形態では、リモートデバイス又はコントローラは、複数のセンサからデータを受信し、1つ以上の測定された特性が、許容可能な範囲内にあるか、又はその外側にあるかをデータが示すかどうかを判定するための、適切なソフトウェアを含み得る。このソフトウェアはまた、コントローラ又はリモートデバイスに、許容可能な範囲外の特性を矯正するために取るべき適切な措置を判定させることができる。例えば、測定されたpHが許容範囲を上回る場合、ソフトウェアは、コントローラ又はリモートデバイスが、この判定を行い、水塊内への酸の流量を増加させるようにポンプに警告するなどの、是正措置を講じることを可能にする。
【0065】
本明細書に開示される監視及び制御システム、並びに/又はコントローラは、プログラミング論理を組み込んで、複数のセンサからのアナライザ信号をポンプ調整論理へと変換し、かつある特定の実施形態では、複数の化学物質注入ポンプのうちの1つ以上を個々に制御することができる。操作され得る化学物質注入ポンプのタイプの非限定的な例示的な例としては、殺生物剤、スケール抑制剤、摩擦低減剤、酸、塩基、亜硫酸塩、脱酸素剤、及び、特定の水性工業システムにおいて有用であることが証明され得る、任意の他のタイプの化学物質の注入を担う、化学物質注入ポンプが挙げられる。殺生物剤、スケール抑制剤、摩擦低減剤、酸、塩基、亜硫酸塩及び脱酸素剤の特定の例は全て、当該技術分野において周知であり、そのような化学物質の全ての例は、本開示の範囲内である。
【0066】
本明細書で開示されるセンサは、水又はシステムパラメータに関連付けられた特性を感知及び/又は予測し、その特性を、コントローラに伝送され得る入力信号、例えば、電気信号に変換するように動作可能である。各センサに関連付けられた送信機は、入力信号をコントローラに伝送する。コントローラは、伝送された入力信号を受信することと、受信した入力信号を入力数値に変換することと、入力数値を分析して入力数値が最適範囲内にあるかどうかを判定することと、出力数値を生成することと、出力数値を出力信号、例えば、電気信号に変換することと、出力信号を受信機、例えば、そのような受信機機能を組み込んだポンプ、又は受信機機能を組み込んだコンピュータ若しくは携帯電話などの、リモートデバイスに送信することと、を行うように動作可能である。受信機は、出力信号を受信し、ポンプの流量を調整するようにオペレータに警告するか、又は、出力数値がその特性の許容範囲内にない場合、受信機は、ポンプの流量を自動的に変化させるように、動作可能であり得る。
【0067】
本方法は、任意選択的に、複数の異なるシステムパラメータに対して繰り返され、各異なるシステムパラメータは、特有の関連付けられた特性を有するか、又は代替的に、全てのシステムパラメータは、複数のセンサによって同時に分析され得る。
【0068】
化学物質ポンプ、アラーム、コンピュータ若しくは携帯電話などの遠隔監視デバイス、又は他のシステム構成要素への測定されたパラメータ又は信号のデータ伝送は、任意の好適なデバイスを用いて、かつ例として、WiFi、WiMAX、イーサネット、ケーブル、デジタル加入者回線、Bluetooth、セルラーテクノロジー(例えば、2G、3G、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)、GSM、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)など)などを含む、任意の数の有線及び/又は無線ネットワークにまたがって実現される。Nalco Global Gatewayは、好適なデバイスの一例である。イーサネットインターフェース、無線インターフェース(例えば、IEEE 802.11a/b/g/x、802.16、Bluetooth、光、赤外線、RF端子など)、ユニバーサルシリアルバス、電話ネットワークなどの任意の好適なインターフェース規格、及びそのようなインターフェース/接続の組み合わせが使用され得る。
【0069】
本明細書で使用する場合、「ネットワーク」という用語は、これらのデータ伝送方法の全てを包括する。説明されるデバイス(例えば、アーカイブシステム、データ分析ステーション、データ取込デバイス、処理デバイス、遠隔監視デバイス、化学物質注入ポンプなど)のいずれも、上で説明される、又は他の好適なインターフェース又は接続を用いて互いに接続され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、システムのパラメータ情報は、システムから受信され、アーカイブされる。特定の実施形態では、システムのパラメータ情報は、時刻表又は予定表に従って処理される。いくつかの実施形態では、システムのパラメータ情報は、リアルタイム又は実質的にリアルタイムで、直ちに処理される。このようなリアルタイム受信は、例えば、コンピュータネットワーク越しの「ストリーミングデータ」を含み得る。
【0071】
本開示の方法は、様々な用途で使用することができる。例えば、酸化組成物は、亜塩素酸塩が制限である非殺生物用途において、変換された二酸化塩素分子に対する需要を低下させるための、犠牲酸化剤として使用され得、本アプローチは、淡水処理又は流入水処理において、ある種の汚染物質が酸化を必要とし得る廃水処理において、化学的に還元する環境を有する水流において、著しい嫌気的環境を有する水流において好気的環境を作り出すために、より高い投与量の酸化性殺生物剤が有害な影響を有し得るが、より低い投与量で利益を得ることができる水系において、並びに、飲食業界、製紙工程及び鉱業における開放再循環型冷却水システムにおいて、二酸化塩素の使用を可能にし得る。
【実施例】
【0072】
実施例1
【0073】
本発明のために試験されたシナリオは、各補給水流に2つのセンサ(流量及び導電率)を有する、3つの補給水流からなる。補給水センサは、各個々の補給流に対する流量及び導電率の入力を受け取る、PLCコントローラに接続されている。仮想複合流が生成され、この特定の仮想複合流の制御パラメータは、分散制御スクリーン及び冷却塔コントローラに出力される。分散制御スクリーンは、ブローダウン弁を制御し、冷却塔コントローラは、化学ポンプ及び導電率設定点を制御する。
【0074】
図1は、第1の流れから第2の流れに変化する流量と、また、混合条件とを示す。実験のこの段階について、発明者らは、混合比の変更、及び化学物質設定点の変更も検証した。それは、仮想複合流が、負荷及び冷却塔レベルに基づいて変動するとき、システムを保護するために、対応する制御パラメータをプログラミングが出力することを明確に示す。
【0075】
図2及び
図3に示すように、瞬間的な軟鋼腐食速度(
図2)及び銅腐食(
図3)速度は、規格内に留まる。補給流の腐食性は、システム水の瞬間的腐食速度に影響を及ぼすが、補給比に基づいて、制御を修正することができるので、システムは保護されたままである。
【0076】
濃縮サイクル及び塔システム導電率を、
図4に示す。これは、補給水の仮想複合流が、導電率を絶えず変化させ、より高い、又はより低いCoCをもたらすことによる、変化する濃縮サイクルを示す。塔の導電率の低下は、補給水比に基づいて、システムを保護するためである。より多くの腐食性の水がシステムに導入されるにつれて、システムを保護するために、導電率が低下した。
【0077】
本明細書で開示及び特許請求される組成物及び方法の全ては、本開示を考慮して、過度の実験を伴わずに作製及び実行され得る。本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本発明の特定の好ましい実施形態が、本明細書で詳細に説明される。本開示は、本発明の原理の例示であり、本発明を例解された特定の実施形態に限定することを意図するものではない。加えて、異なるように明示的に述べられない限り、「a(ある1つの)」という用語は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を含むことを意図する。例えば、「ある1つのセンサ(a sensor)」は、「少なくとも1つのセンサ」又は「1つ以上のセンサ」を含むことを意図する。
【0078】
絶対項又は近似項のいずれかで与えられる任意の範囲は、双方を包含することを意図するものであり、本明細書で使用されるいかなる定義も、明確にすることを意図するものであり、限定を意図するものではない。本発明の広範な範囲を明記する数値範囲及びパラメータは、近似値ではあるものの、特定の実施例で明記される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いかなる数値も、それらのそれぞれの試験測定値において見られる標準偏差に必然的に起因する特定の誤差を本質的に含む。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包含されるあらゆる部分範囲(全ての小数値及び全体値を含む)を包含するものとして理解されるべきである。
【0079】
本明細書に開示される任意の組成物は、本明細書に開示される任意の要素、成分、及び/並びに原料、又は本明細書に開示される要素、成分、又は原料のうちの2つ以上の任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなり得る。
【0080】
本明細書に開示される任意の方法は、本明細書に開示される任意の方法ステップ、又は本明細書に開示される方法ステップのうちの2つ以上の任意の組み合わせを含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなり得る。
【0081】
「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義である「含む(comprising)」という移行句は、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素、成分、原料、及び/又は方法ステップを除外しない。
【0082】
「からなる(consisting of)」という移行句は、特許請求の範囲に明記されていない任意の要素、成分、原料、及び/又は方法ステップを除外する。
【0083】
「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句は、特許請求の範囲を、特定の要素、成分、原料及び/又はステップ、並びに特許請求される発明の基本的な及び新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
【0084】
特に明記されていない限り、本明細書で言及される全ての分子量は、重量平均分子量であり、全ての粘度は、ニート(希釈されていない)ポリマーを用いて25℃で測定した。
【0085】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、それらのそれぞれの試験測定値において見られる標準偏差から生じる誤差内にある引用された値を指し、それらの誤差が判定され得ない場合、「約」は、例えば、引用された値の5%以内を指し得る。
【0086】
更に、本発明は、本明細書おいて説明される様々な実施形態の一部又は全部の、あらゆる可能な組み合わせを包含する。また、本明細書おいて説明される本発明の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者にとって明らかであろうことも理解されるべきである。そのような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、かつその意図される利点を縮小することなく行われ得る。したがって、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【0087】
記述
【0088】
記述1:冷却塔システムであって、上記冷却塔システムは、冷却塔と、冷却塔に水を供給するように構成された、少なくとも2つの補給水入口流と、冷却塔から水を除去するように構成された、ブローダウン流と、補給水入口流の各々における水を監視する、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに動作可能に接続された、コントローラと、を備える、システム。
【0089】
記述2:少なくとも2つの補給水入口流が、3つの補給水入口流を含む、記述1に記載のシステム。
【0090】
記述3:少なくとも2つの補給水入口流が、冷却塔に接続されたパイプに接続され、パイプが、少なくとも2つの補給水入口流から、冷却塔内に水を搬送する、記述1又は2に記載のシステム。
【0091】
記述4:少なくとも1つのセンサが、導電率センサである、記述1~3のいずれか1つに記載のシステム。
【0092】
記述5:少なくとも1つのセンサが、流量センサである、記述1~3のいずれか1つに記載のシステム。
【0093】
記述6:各補給水入口流が、少なくとも2つのセンサによって監視される、記述1~5のいずれか1つに記載のシステム。
【0094】
記述7:少なくとも2つのセンサが、導電率センサ及び流量センサである、記述6に記載のシステム。
【0095】
記述8:コントローラが、導電率設定点を記憶する、記述1~7のいずれか1つに記載のシステム。
【0096】
記述9:コントローラに動作可能に接続された、分散制御システムを更に備える、記述1~8のいずれか1つに記載のシステム。
【0097】
記述10:システムが、冷却塔に水を供給するように構成された、補給水保持タンクを含まない、記述1~9のいずれか1つに記載のシステム。
【0098】
記述11:冷却水処理を制御する方法であって、上記方法は、冷却塔に水を供給するように構成された少なくとも2つの補給水入口流の水を監視する、少なくとも1つのセンサからデータを受信することと、少なくとも1つのセンサから受信されたデータから、仮想補給流を作成することと、を含む、方法。
【0099】
記述12:少なくとも1つのセンサが、導電率センサである、記述11に記載の方法。
【0100】
記述13:少なくとも1つのセンサが、流量センサである、記述11に記載の方法。
【0101】
記述14:3つの補給水入口流の水を監視する少なくとも3つのセンサから、データが受信される、記述11~13のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
記述15:仮想補給流の特性に基づいて、化学添加剤を冷却塔内に投与することを更に含む、記述11~14のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
記述16:仮想補給流の特性に基づいて、ブローダウンを調整することを更に含む、記述11~15のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
記述17:補給水入口流の銅及び/又は軟鋼の腐食速度を監視することを更に含む、記述11~16のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
記述18:各補給水入口流が、少なくとも2つのセンサによって監視される、記述11~17のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
記述19:化学添加剤が、スケール抑制剤、腐食抑制剤、殺生物剤、分散剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、記述15に記載の方法。
【0107】
記述20:第1の流れの補給水の、第2の流れの補給水に対する比を調整することを更に含む、記述11~19のいずれか1つに記載の方法。
【国際調査報告】