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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20231228BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20231228BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20231228BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20231228BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20231228BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20231228BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231228BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/6556
H01M50/289 101
H01M10/6561
H01M10/6567
H01M10/613
H01M10/615
H01M50/293
H01M50/298
H01M50/271 B
H01M50/204 401D
H01M50/249
H01M50/204 401Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530688
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2021078188
(87)【国際公開番号】W WO2022111904
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】2051391-7
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521448341
【氏名又は名称】リリーフド アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クラフ,マーク
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC01
5H031EE01
5H031EE04
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA29
5H040AS04
5H040AY10
5H040AY14
5H040CC34
5H040DD26
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL06
(57)【要約】
バッテリ装置(1)は、複数のバッテリ(2)を備える。これらのバッテリ(2)は、相互に隣接して配置されて、上面(7)及び反対側の下面(8)を有するバッテリパック(6a)を形成する。バッテリ装置(1)は、バッテリの上端プレート(3)及び/又は下端プレート(4)を介してバッテリ(2)を冷却又は加熱するため、バッテリパック(6a)の上面(7)及び/又は下面(8)に対して配置された少なくとも1つの熱構造要素(9)を備える。この冷却又は加熱は、熱構造要素(9)内に熱流体媒質を導くように構成された熱構造要素(9)の第1の貫通チャネル(10)を介して行われる。バッテリ装置(1)は、熱構造要素(9)に対して各バッテリ(2)の位置を固定するように構成された固定要素(36;15、30、37)を備える。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリ(2)を備えるバッテリ装置(1)であって、
各バッテリ(2)は、上端プレート(3)と、前記上端プレート(3)とは反対側の下端プレート(4)と、前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)を接続する本体(5)と、を有し、
前記本体(5)は、前記上端プレート(3)と前記下端プレート(4)との間の縦方向(Z)及び前記縦方向に対して垂直な厚さ方向(X、Y)の延出範囲を有し、
前記本体(5)は、外被表面(6)によって前記厚さ方向(X、Y)で境界が画定され、
前記バッテリ(2)は、前記厚さ方向(X、Y)で相互に隣接して配置されて、前記縦方向(Z)に上面(7)及び反対側の下面(8)を有するバッテリパック(6a)を形成し、
前記上面(7)及び前記下面(8)は、前記縦方向(Z)に対して垂直な幅方向(Y)及び長さ方向(X)の延出範囲を有し、
前記バッテリ装置(1)は、前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)を介して前記バッテリ(2)を冷却又は加熱するため、前記上面(7)及び/又は前記下面(8)に対して配置された少なくとも1つの熱構造要素(9)を備え、
前記熱構造要素(9)は、前記幅方向(Y)及び前記長さ方向(Y)の延出範囲と、前記縦方向(Z)に一致した高さと、を有し、
前記熱構造要素(9)は、前記上面(7)及び/又は前記下面(8)に沿って延出している第1の貫通チャネル(10)を含み、
前記第1の貫通チャネル(10)は、前記熱構造要素(9)の1つの側部(11)から前記熱構造要素(9)の反対側の側部(12)まで延出し、
前記貫通チャネル(10)は、前記熱構造要素(9)内に熱流体媒質を導くように構成され、
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9)に対して各バッテリ(2)の前記位置を固定するように構成された固定要素(36;15、30、37)を含む、バッテリ装置(1)。
【請求項2】
前記熱構造要素(9)は、少なくとも前記幅方向(Y)及び/又は前記長さ方向(X)の所定の力に耐えるよう構成された構造特徴部(13)を含む、請求項1に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項3】
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9)と前記上面(7)及び/又は前記下面(8)との間に中間層(14)を含む、請求項1又は2に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項4】
前記中間層(14)は、実質的に前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)の全体を覆うように配置され、
前記中間層(14)は、前記熱構造要素(9)よりも熱伝導率が低く、従って前記バッテリ(2)と前記熱構造要素(9)との間の熱等化器として作用する、請求項3に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項5】
前記中間層(14)は、前記バッテリ(2)を前記熱構造要素(9)に取り付けるための取り付け手段(15)の前記形態の固定要素(36)を含む、請求項3に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項6】
前記中間層(14)は、弾性であり、前記バッテリ(2)と前記熱構造要素(9)との間で所定の相対運動を可能とする、請求項3から5の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項7】
前記熱構造要素(9)は、金属を含み、
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9)と前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)との間に電気絶縁性中間層(14)を含む、請求項1から6の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項8】
前記熱構造要素(9)は、アルミニウム又はアルミニウム合金から作製される、請求項6に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項9】
前記熱構造要素(9)は、非導電性材料から作製され、
前記熱構造要素(9)は、前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)に直接接触して配置されるか、又は、前記熱構造要素(9)は、非導電性材料から作製され、
前記熱構造要素(9)と前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)との間に前記中間層(14)が配置される、請求項1から6の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項10】
前記中間層(14)は、シート材料及び/又は硬化性液体として構成される、請求項3から9の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項11】
前記バッテリ装置(1)は、前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)を介して前記バッテリ(2)を冷却又は加熱するため、前記上面(7)に対して配置された1つの熱構造要素(9)及び前記下面(8)に対して配置された1つの熱構造要素(9)を備える、請求項1から10の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項12】
前記バッテリ装置(1)は、前記2つの熱構造要素(9)に取り付けられて前記バッテリパック(6a)の側部(11、12、24、25)を覆っている少なくとも1つの側壁(22、23)を備える、請求項11に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項13】
前記バッテリ装置(1)は、少なくとも2つのバッテリパック(6a)を含み、
各バッテリパック(6a)の前記熱構造要素(9)は、拡張バッテリ装置(1)を形成するために相互接続され、
前記熱構造要素(9)は、前記バッテリパック(6a)を相互接続するため、前記幅方向又は前記長さ方向で前記熱構造要素(9)の境界を画定する前記側部(11、12、24、25)のうち少なくとも1つに沿った接続手段(16)を含む、請求項1から12の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項14】
前記接続手段(16)は、スライド動作によって前記熱構造要素(9)の相互接続を可能とするスライド及び接続手段(17)を含むか、又は、
前記接続手段(16)は、引っかけ動作によって前記熱構造要素(9)の相互接続を可能とするフック及び接続手段(18)を含む、請求項13に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項15】
前記バッテリ装置(1)は、前記高さ方向(Z)に積層された少なくとも2つのバッテリパック(6a)を含み、
前記バッテリ装置(1)は、相互接続熱構造要素(33)を含み、
前記相互接続熱構造要素の一方側は、前記バッテリパック(6a)のうち1つにおける前記バッテリに面し、
第2の側は、前記第2のバッテリパック(6a)における前記バッテリに面し、
前記相互接続熱構造要素(33)の両側は、前記バッテリ(2)に面する前記熱構造要素(9)の前記側と同様の特徴を有する、請求項1から14の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項16】
前記熱構造要素(9)は、前記上面(7)及び/又は前記下面(8)に沿って延出している第2の貫通チャネル(19)を含み、
前記第1の貫通チャネル(10)及び前記第2の貫通チャネル(19)は、前記熱構造要素(9)の1つの側部(11)から前記熱構造要素(9)の反対側の側部(12)まで延出し、
前記熱構造要素(9)の前記第1及び第2の貫通チャネル(10、19)は、同一の側部からの前記熱流体媒質の流入及び流出のために相互接続されている、請求項1から15の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項17】
前記熱構造要素(9)は、接続ケーブルを収容するための溝及び/又はくぼみ(20)を含む、請求項1から16の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項18】
前記熱構造要素(9)は、前記高さ方向(Z)に延出している少なくとも1つの貫通開口(21)を含み、
前記貫通開口(21)は、前記貫通開口(21)を貫通する締結手段(32)を受容するためのものである、請求項1から17の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項19】
前記装置(1)は、前記熱構造要素(9)の少なくとも1つの側部24、25に取り付け可能である少なくとも1つの側壁(22、23)を含み、
前記側壁(22)は、前記縦方向及び前記側部(24、25)に沿った延出範囲を有する、請求項1から18の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項20】
前記熱構造要素(9)は、前記側壁(22)の取り付けのため、少なくとも1つの側部(24、25)に沿った取り付け手段(26)を含む、請求項15に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項21】
前記側壁(22、23)は、前記貫通チャネル(10、19)に接続するための流体伝導体(27)を含む、請求項17から18の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項22】
前記熱構造要素(9)は、前記バッテリ(2)に面する下側(28)及び前記バッテリ(2)の反対側に面する上側(29)を含み、
前記下側(28)は、前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)を受容するように構成された固定要素(36)を含む、請求項1から21の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項23】
前記上側(29)は、構造特徴部(13)を含む、請求項20に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項24】
前記構造特徴部(13)は、等長格子(31)を含む、請求項23に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項25】
前記熱構造要素(9)は、押し出しプロセスで回転ダイから作製された表面パターンを含む押し出しプロファイル製品である、請求項1から24の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項26】
前記固定要素(36)は、前記バッテリ(2)の前記位置を固定するように構成されたくぼみ(30)及び/又は中間層(14)及び/又は前記熱構造要素(9)から延出している突起(37)を含む、請求項1から25の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項27】
前記構造熱要素(9)(33)は、陽極酸化表面を有する金属で作製されて、構造熱要素(9、33)の金属と前記バッテリ(2)との間に断熱及び/又は電気絶縁を与える、請求項1から26の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項28】
前記熱構造要素(9、33)を集電体として使用する、請求項1から27の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項29】
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9、33)に取り付けられているか又は接続されている温度センサを備える、請求項1から28の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項30】
前記バッテリ装置(1)は、車両(38)の前記構造体の一部、又は、前記バッテリ装置(1)が一部となる用途の他の任意の構造体の一部、として構成されている、請求項1から29の何れか一項に記載の前記バッテリ装置(1)を備える車両(38)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリを備えるバッテリ装置に関する。各バッテリは、上端プレートと、この上端プレートとは反対側の下端プレートと、上端プレート及び下端プレートを接続する本体と、を有する。本体は、上端プレートと下端プレートとの間の縦方向及びこの縦方向に対して垂直な厚さ方向の延出範囲(extension)を有する。本体は、外被表面によって厚さ方向で境界が画定される。バッテリは、厚さ方向で相互に隣接して配置されて、縦方向に上面及び反対側の下面を有するバッテリパック(6a)を形成する。上面及び下面は、縦方向に対して垂直な幅方向及び長さ方向の延出範囲を有する。
【背景技術】
【0002】
バッテリは様々な用途において広く知られ、使用されている。環境問題のため、バッテリ駆動デバイスは日ごとに重要となっている。例えばバッテリ駆動車両は増加しており、そのため容易かつ高速に再充電を行えるバッテリが求められている。バッテリの再充電では多くの要素が求められる。高速再充電のための1つの重要な要素は、充電中のバッテリの温度である。一部のバッテリは適切な温度に冷却する必要があるが、一部のバッテリは少なくとも最初は適切な温度に加熱する必要がある。
【0003】
更に、エネルギ消費は例えば重量に依存し、重量が増大すればするほどエネルギ消費も増大する。
【発明の概要】
【0004】
従来技術に対して、バッテリ充電が改良されると同時に軽量かつ頑強なバッテリが必要とされている。本発明は、高速なバッテリ充電機能及び効率的な熱管理の要求を満足させ、同時に、軽量で構造的に頑強であり、製造時に組み立てられる少数の部品及び/又は材料で生成することが合理的であり、また、寿命終了時に電池(cell)のリサイクル又は再使用のため分解することが合理的である。本発明は、軽量かつ構造的に頑強なバッテリであり、部品数が極めて少なく、構造内に冷却を一体化して、電池を過熱させるリスクなしに5~6分という短時間で満充電を可能とする。主要部品すなわち熱構造要素は押し出しプロファイルを利用し、これは、構造、バッテリ固定、及び、冷却流体/ガス用の冷却チャネルが一体化されたバッテリ冷却の機能を果たす。プロファイルはバッテリの端部に熱的に接続され、熱を「面内で」すなわちバッテリの上端から下端まで効率的に伝達するバッテリセルの能力を利用する。更に、バッテリセルを固定するために押し出しプロファイルを使用可能であるので、バッテリを固定するための別個の部品及び材料の必要がなくなり、このためバッテリパック内の構成要素及び材料の量が低減し、結果として、材料、重量、及びコストが更に節約されると共に、迅速な組み立て及び分解が行われる。
【0005】
本発明は、複数のバッテリを備えるバッテリ装置に関する。各バッテリは、上端プレートと、この上端プレートとは反対側の下端プレートと、上端プレート及び下端プレートを接続する本体と、を有する。本体は、上端プレートと下端プレートとの間の縦方向及びこの縦方向に対して垂直な厚さ方向の延出範囲を有する。本体は、外被表面によって厚さ方向で境界が画定される。バッテリは、厚さ方向で相互に隣接して配置されて、縦方向に上面及び反対側の下面を有するバッテリパックを形成する。上面及び下面は、縦方向に対して垂直な幅方向及び長さ方向の延出範囲を有する。バッテリ装置は、上端プレート及び/又は下端プレートを介してバッテリを冷却又は加熱するため、上面及び/又は下面に対して配置された少なくとも1つの熱構造要素を備える。熱構造要素は、幅方向及び長さ方向の延出範囲と、縦方向に一致した高さと、を有する。熱構造要素は、上面及び/又は下面に沿って延出している第1の貫通チャネルを含む。第1の貫通チャネルは、熱構造要素の1つの側部から熱構造要素の反対側の側部まで延出している。貫通チャネルは、熱構造要素内に熱流体媒質を導くように構成されている。バッテリ装置は、熱構造要素に対して各バッテリの位置を固定するように構成された固定要素を備える。
【0006】
1つの利点は、熱構造要素が、バッテリを適所に固定すると同時に、端部プレートのうち少なくとも1つを介してバッテリを冷却又は加熱することでバッテリの温度を調節するという、複合的な能力を有することである。少なくともバッテリ充電中、バッテリの温度は重要である。この装置を用いると、環境に応じてバッテリ温度を制御することにより、バッテリを高エネルギレベルで充電し、従って極めて短時間で充電することができる。例えば高温気候では、バッテリの種類に応じて充電中にバッテリを最適な温度に冷却することが重要である。寒冷気候では、バッテリ充電の開始前にバッテリを加熱する必要があり得る。熱構造要素は、冷却中にバッテリから貫通チャネル内の熱流体媒質へ高い熱伝達を可能とすると共に、バッテリ加熱中に熱流体媒質からバッテリへ高い熱伝達を可能とする材料で、一体的に構成される。組み込まれた貫通チャネルは、熱構造要素に対する熱流体媒質の輸送及び熱構造要素からの熱流体媒質の輸送を可能とする。熱流体媒質は、例えば車両加熱及び/又は冷却回路のような外部回路の一部とすることができる。貫通チャネルは、任意の適切な接続部及び流体伝導体を介してそのような回路に接続することができる。熱構造要素が2つ以上の貫通チャネルを含む場合、これらの貫通チャネルを相互接続して1つの内部加熱及び/又は冷却回路を生成してもよい。この場合、1つの貫通チャネル内へ入口を介して熱流体媒質を供給し、このチャネルの出口を隣接する貫通チャネルの入口に接続し、3つ以上の貫通チャネルが存在する場合はこのチャネルの出口を更に別の貫通チャネルに接続することができ、最後の出口を外部回路に接続する。ここでの1つの利点は、熱構造要素が、各チャネルが別々に供給を受ける場合よりも均等な熱分布を達成することである。上述のように、貫通チャネルは任意の適切な接続部及び流体伝導体によって相互接続することができる。
【0007】
一例によれば、熱構造要素は、上面及び/又は下面に沿って延出している第2の貫通チャネルを含む。第1の貫通チャネル及び第2の貫通チャネルは、熱構造要素の1つの側部から熱構造要素の反対側の側部まで延出している。熱構造要素の第1及び第2の貫通チャネルは、同一の側部からの熱流体媒質の流入及び流出のために相互接続されている。
【0008】
熱流体媒質は、バッテリとの間で熱伝達を可能とする任意の適切な気体又は流体とすることができる。
【0009】
以下で更に説明するように、複数のバッテリパックを一緒に配置して、より大型のバッテリアセンブリを形成してもよい。各バッテリパックは少なくとも1つの熱構造要素を含み、異なる熱構造要素の貫通チャネルを相互接続して熱流体媒質回路を形成することができる。内部加熱及び/又は冷却回路の有無にかかわらず貫通チャネルを直列に相互接続してもよいが、各貫通チャネルに別々に供給を行うことも可能である。熱構造要素を外部回路に別々に接続することの1つの利点は、各熱構造要素を熱的に調整できることである。例えば、バッテリ装置の中央部のバッテリパックは、バッテリ装置の端部に位置決めされたバッテリパックとは異なる要求を有する可能性がある。
【0010】
一例によれば、熱構造要素は、少なくとも幅方向及び/又は長さ方向の所定の力に耐えるよう構成された構造特徴部(structural features)を含む。
【0011】
ここでの1つの利点は、熱構造要素が、バッテリ固定及び熱管理と共に更に別の複合的な能力を有することである。構造特徴部は熱構造要素を強化するので、バッテリパック及びバッテリ装置は頑強になり、もし熱構造要素が圧力下で屈した(give away)としたらバッテリに損害を及ぼす恐れがあった外力に耐えることができる。構造特徴部に伴う別の利点は、これがなければ均一な厚さであったプレートから材料を除去できるので、熱構造要素を軽量化できることである。
【0012】
一方の端部から別の端部へ延出している直線状の貫通チャネルと、熱構造要素の一部である固定要素と、構造特徴部と、を組み合わせることにより、押し出しプロセスで回転ダイから作製された表面パターンすなわち構造特徴部及び固定要素を含む押し出しプロファイル製品として熱構造要素を製造する可能性が与えられる。
【0013】
一例によれば、熱構造要素は、バッテリに面する下側及びバッテリの反対側に面する上側を含む。下側は、上端プレート及び/又は下端プレートを受容するように構成された固定要素を含む。ここで、上側は構造特徴部を含む。
【0014】
一例によれば、構造特徴部は等長格子(isometric grid)を含む。ここでの1つの利点は、等長格子が最適な重量強度比を与えることである。また、構造特徴部の他のタイプのパターンも可能であり、バッテリ装置が用いられる用途のタイプに依存する。
【0015】
一例によれば、バッテリ装置は高さ方向に積層された少なくとも2つのバッテリパックを含む。バッテリ装置は相互接続熱構造要素を含み、その一方側はバッテリパックのうち1つにおけるバッテリに面し、第2の側は第2のバッテリパックにおけるバッテリに面し、相互接続熱構造要素の両側は、バッテリに面する熱構造要素の側と同様の特徴(feature)を有する。
【0016】
一例によれば、固定要素は、バッテリの位置を固定するように構成されたくぼみ及び/又は中間層及び/又は熱構造要素から延出している突起を含む。
【0017】
一例によれば、バッテリ装置は、熱構造要素と上面及び/又は下面との間に中間層を含む。
【0018】
一例によれば、中間層は実質的に上端プレート及び/又は下端プレートの全体を覆うように配置され、中間層は熱構造要素よりも熱伝導率が低く、従ってバッテリと熱構造要素との間の熱等化器(thermal equalizer)として作用する。
【0019】
一例によれば、中間層は、バッテリを熱構造要素に取り付けるための取り付け手段の形態の固定要素を含む。
【0020】
一例によれば、中間層は弾性であり、バッテリと熱構造要素との間で所定の相対運動を可能とする。
【0021】
一例によれば、熱構造要素は金属を含み、バッテリ装置は、熱構造要素と上端プレート及び下端プレートとの間に電気絶縁性中間層を含む。一例によれば、熱構造要素はアルミニウム又はアルミニウム合金から作製される。
【0022】
一例によれば、熱構造要素は非導電性材料から作製され、熱構造要素は上端プレート及び下端プレートに直接接触して配置されるか、又は、熱構造要素は非導電性材料から作製され、熱構造要素と上端プレート及び下端プレートとの間に中間層が配置される。熱構造要素に適した非導電性材料の一例はセラミックである。このような材料も耐火性であるためである。他の材料も可能であり、例としては、プラスチック又はプラスチック複合材又は金属プラスチック複合材又はセラミック又はセラミックマトリックス複合材が挙げられる。
【0023】
一例によれば、中間層はシート材料及び/又は硬化性液体として構成される。
【0024】
一例によれば、バッテリ装置は、上端プレート及び/又は下端プレートを介してバッテリを冷却又は加熱するため、上面に対して配置された1つの熱構造要素及び下面に対して配置された1つの熱構造要素を備える。ここでの1つの利点は、バッテリを冷却及び/又は加熱する熱的能力の向上である。別の利点は、バッテリパック及びバッテリ装置の強度すなわち外力に耐える可能性が増大することである。
【0025】
一例によれば、バッテリ装置は、2つの熱構造要素に取り付けられてバッテリパックの側部を覆っている少なくとも1つの側壁を備える。
【0026】
一例によれば、バッテリ装置は少なくとも2つのバッテリパックを含み、各バッテリパックの熱構造要素は拡張バッテリ装置を形成するため相互接続されている。熱構造要素は、バッテリパックを相互接続するため、幅方向又は長さ方向で熱構造要素の境界を画定する側部のうち少なくとも1つに沿った接続手段を含む。
【0027】
一例によれば、接続手段は、スライド動作によって熱構造要素の相互接続を可能とするスライド及び接続手段を含むか、又は、接続手段は、引っかけ(hook)動作によって熱構造要素の相互接続を可能とするフック及び接続手段を含む。
【0028】
一例によれば、熱構造要素は、接続ケーブルを収容するための溝及び/又はくぼみを含む。溝及びくぼみも、押し出しプロセスで回転ダイによって形成され得る。
【0029】
一例によれば、熱構造要素は、高さ方向に延出している少なくとも1つの貫通開口を含む。貫通開口は、この貫通開口を貫通する締結手段を受容するためのものである。
【0030】
一例によれば、装置は、熱構造要素の少なくとも1つの側部に取り付け可能である少なくとも1つの側壁を含み、側壁は、縦方向及び側部に沿った延出範囲を有する。
【0031】
一例によれば、熱構造要素は、側壁の取り付けのため、少なくとも1つの側部に沿った取り付け手段を含む。
【0032】
一例によれば、貫通チャネルの入口及び/又は出口に面する側壁は、貫通チャネルに接続するための流体伝導体を含む。外部熱回路は側壁を介してバッテリ装置に接続され得る。
【0033】
上述のように、バッテリ装置の構造特徴部及び強度によって、例えば車両における外部構造の一部である構造特徴部として特に有利となる。
【0034】
従って本発明は、上記に従ったバッテリ装置を含む車両に関する。バッテリ装置は、車両の構造体、又は、バッテリ装置が一部となる用途の他の任意の構造体の一部として構成されている。
【0035】
本発明は上記の例に限定されず、別の特徴を追加することも可能である。例えば構造熱要素は、陽極酸化表面を有する金属で作製して、構造熱要素の金属とバッテリとの間に断熱及び/又は電気絶縁を与えることができる。また、熱構造要素は、バッテリの正極及び負極の一方側又は両側からの集電体として使用することができる。更に、バッテリ装置は、熱構造要素を通る熱流体媒質を制御する制御ユニットに情報を送信するため、熱構造要素に取り付けられているか又は接続されている温度センサを備えてもよい。1又は複数のセンサは、温度を検出するための任意の適切なセンサとすることができる。制御ユニットは、例えば車両加熱及び/又は冷却回路のような外部回路を制御するため受信及び送信手段を含む、計算機能を有する任意の適切な制御ユニットとすることができる。制御ユニットは更に、バッテリの適切な充電温度に関するデータを記憶するためのメモリを含むことができる。このデータを1又は複数のセンサからの温度入力データと相互に関連付けることで、制御により、センサからの入力に応じて、1又は複数の貫通チャネル内の熱流体媒質を介して熱構造要素を冷却又は加熱するため回路に出力制御信号を与えると共に熱流体媒質の適切な供給率を与えるようになっている。バッテリ装置の制御ユニットは、例えば、センサからの入力に応じてバッテリ装置に対する熱流体媒質及びバッテリ装置からの熱流体媒質の流量を制御する別個の制御ユニットとすることができる。流量は、冷却又は加熱の必要に応じて開放及び閉鎖する1つ以上のバルブ及び/又は様々なポンプ効果を有する1つ以上のポンプ等によって制御できる。ここで、制御ユニットは、外部回路の制御ユニットに接続してこれと通信することができ、バルブ及び/又はポンプは、外部回路の一部とするか、又は、外部回路に接続されたバッテリ装置のための別個の回路が存在することもある。代替案では、制御ユニットは外部回路における制御ユニットの一部である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下で、複数の図と関連付けて本発明を説明する。
【0037】
図1】一例に従ったバッテリ装置の斜視図を概略的に示す。
図2】一例に従った熱構造要素の斜視図を概略的に示す。
図3】一例に従った2つの熱構造要素の斜視図を概略的に示す。
図4】一例に従った、高さ方向に重ねて位置決めされた2つのバッテリパックの斜視図を概略的に示す。
図5】一例に従った、1つのバッテリユニット内にまとめられた12のバッテリパックの斜視図を概略的に示す。3つのバッテリパックが高さ方向に重ねて位置決めされて1つのサブユニットを形成し、2つのサブユニットが長さ方向に隣接して位置決めされ、4つのサブユニットが幅方向に隣接して位置決めされ、バッテリユニットを形成している。
図6】一例に従った、1つのバッテリユニット内にまとめられた9のバッテリパックの斜視図を概略的に示す。3つのバッテリパックが高さ方向に重ねて位置決めされて1つのサブユニットを形成し、3つのサブユニットが長さ方向に隣接して位置決めされてバッテリユニットを形成している。
図7】一例に従った、1つのバッテリユニット内にまとめられた54のバッテリパックの斜視図を概略的に示す。3つのバッテリパックが高さ方向に重ねて位置決めされて1つのサブユニットを形成し、2つのサブユニットが長さ方向に隣接して位置決めされ、12のサブユニットが幅方向に隣接して位置決めされ、バッテリユニットを形成している。
図8】一例に従った、長さ方向に隣接して位置決めされ、スライド装置を介して相互に結合された2つのバッテリパックの斜視図を概略的に示す。
図9図8の装置の幅及び高さ方向の側面図を概略的に示す。
図10】一例に従った、図8及び図9のスライド装置のクローズアップを概略的に示す。
図11】一例に従った、図8及び図9のスライド装置のクローズアップを概略的に示す。
図12】一例に従った、図8及び図9の上部熱構造要素の側壁装置のクローズアップを概略的に示す。
図13】一例に従った、図8及び図9の下部熱構造要素の側壁装置のクローズアップを概略的に示す。
図14】異なるバッテリ固定要素の上面図を概略的に示す。
図15図14の側面図を概略的に示す。
図16】4つの周囲側壁を備えた図8と同様の図を概略的に示す。
図17】4つの周囲側壁を備えた図4と同様の図を概略的に示す。
図18】一例に従ったバッテリ装置の斜視図を概略的に示す。
図19図18に従ったバッテリ装置の斜視図を概略的に示す。
図20図1から図17の何れか1つに従ったバッテリ装置を備える車両の斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下で、複数の非排他的な実施形態に関連付けて本発明を説明する。同様の機構(feature)は同様の番号で示される。実施形態の説明を容易にするため、3次元デカルト直交座標系を使用する。X軸は長さ方向を示し、Y軸は幅方向を示し、Z軸は高さ方向を示す。
【0039】
図1は、2つの熱構造要素9を備える、一例に従ったバッテリ装置1の斜視図を概略的に示す。図2は、一例に従った熱構造要素9の斜視図を概略的に示す。図3は、一例に従った2つの熱構造要素9の斜視図を概略的に示す。図18及び図19は、1つの熱構造要素9を備える、一例に従ったバッテリ装置の2つの斜視図を概略的に示す。
【0040】
図1から図3図18及び図19は、複数のバッテリ2を備えるバッテリ装置1を概略的に示す。各バッテリ2は、上端プレート3と、この上端プレート3とは反対側の下端プレート4と、上端プレート3及び下端プレート4を接続する本体5と、を有する。本体5は、上端プレート3と下端プレート4との間の縦方向Z及びこの縦方向に対して垂直な厚さ方向X、Yの延出範囲を有する。本体5は、外被表面6によって厚さ方向X、Yで境界が画定される。バッテリ2は、厚さ方向X、Yで相互に隣接して配置されて、縦方向Zに上面7及び反対側の下面8を有するバッテリパック6aを形成する。上面7及び下面8は、縦方向Zに対して垂直な幅方向Y及び長さ方向Xの延出範囲を有する。バッテリ装置1は、上端プレート3及び/又は下端プレート4を介してバッテリ2を冷却又は加熱するため、上面7及び/又は下面8に対して配置された少なくとも1つの熱構造要素9を備える。熱構造要素9は、幅方向Y及び長さ方向Xの延出範囲と縦方向に一致した高さとを有する。熱構造要素9は、上面7及び/又は下面8に沿って延出している第1の貫通チャネル10を含む。第1の貫通チャネル10は、熱構造要素9の1つの側部11から熱構造要素9の反対側の側部12まで延出している。貫通チャネル(10)は、熱構造要素(9)内に熱流体媒質を導くように構成されている。バッテリ装置1は、熱構造要素9に対して各バッテリ2の位置を固定するように構成された固定要素36;15、30、37を備える。
【0041】
バッテリの厚さ方向及び縦方向に対する上記の言及は、バッテリパック内のバッテリ及びそれらの関係の説明を容易にすることのみを目的として行われる。バッテリは、概ね縦方向の延出範囲を有すると共に厚さ方向で外被表面によって境界が画定される任意の適切な形状を有することができる。例えば円形断面を有するバッテリは、円筒座標で記載される場合、縦方向に対して垂直な半径方向の厚さを有する。上述のようなデカルト座標系を用いると、縦方向は高さ方向Zとすることができ、厚さ方向は幅方向Y及び長さ方向によって記述される面内にある。従って、バッテリの形状にかかわらず、厚さ方向を記述する断面は、デカルト座標内で高さ方向Zの様々な位置に対してX-Y面内の断面形状によって記述することができる。バッテリが相互に隣接して位置決めされる場合、厚さ方向はX-Y面と一致し、縦方向は高さ方向Zと一致する。
【0042】
図1では、5つのバッテリ2が幅方向Yで1列に位置決めされ、長さ方向Xの24の列がバッテリパック6aを形成している。図1では、バッテリパック6a内の最適な空間利用のため、隣接する列が1列おきにずらして位置決めされている。本発明はバッテリパックを形成するバッテリ数に限定されず、これは例えば、バッテリ装置が使用される用途のタイプ、バッテリの大きさ及び形態、並びにバッテリに選択される配置のタイプに応じて変動する設計特徴である。本発明は更に、上述のずらした配置に限定されず、例えば、バッテリ装置が使用される用途のタイプ、バッテリの大きさ及び形態、バッテリの種類、熱及び火災の予防、バッテリ間の電気的接続等に応じて構成され得る。更に、バッテリは、全ての正極が一方側に、全ての負極が他方側に配置されるように構成され得る。又は、一部のバッテリは正極が一方側に面するような向きに配置され、一部のバッテリは負極が同一の側に面するような向きに配置される混合型としてもよい。これは、例えば電気配線に依存する設計上の選択である。バッテリの向きにかかわらず、熱構造要素9は、上端プレート3及び/又は下端プレート4を介してバッテリ2を有利に冷却又は加熱する。
【0043】
図1から図18からわかるように、バッテリパック6aは、例えば用途におけるエネルギ消費、バッテリパック空間及び位置等、用途の必要性に応じて様々なやり方で配置することができる。
【0044】
一例に従って、例えば図2を参照すると、バッテリパック6aは、上面7又は下面8のいずれかに位置決めされた1つの熱構造要素9を備える。熱構造要素9で覆われていない表面7、8は、その端部で適所にバッテリを固定する異なる構造の一部を形成し得る。この異なる構造は、バッテリを収容するための任意のタイプの装置とすることができる。
【0045】
一例に従って、例えば図1を参照すると、バッテリパック6aは、上面7及び下面8に位置決めされた2つの熱構造要素9を備える。熱構造要素9は、上端プレート3及び下端プレート4を介してバッテリ2を有利に冷却又は加熱する。図3からわかるように、2つの熱構造要素9は締結手段32を介して相互に固定することができる。この例において、熱構造要素9は、高さ方向Zに延出している少なくとも1つの貫通開口21を含み、これは貫通開口21を貫通する締結手段32を受容するためのものである。締結手段32は、例えばナット付き又はナットなしのボルト又はリベット等、複数のプレートを一緒に固定するための任意の適切なデバイス又は構造とすることができる。
【0046】
図1から図18は、熱構造要素9が、少なくとも幅方向Y及び/又は長さ方向Xの所定の力に耐えるよう構成された構造特徴部13を含むことを概略的に示す。構造特徴部13は熱構造要素9の一体部分である。一例に従った熱構造要素9は、熱構造要素9の一方側に構造特徴部13が構成された均質材料とすることができる。ここでの1つの利点は、構造特徴部13の間の材料が除去されているか又は存在しないので熱構造要素9が軽量になることである。
【0047】
別の例に従った熱構造要素9は、熱構造要素9の一方側で熱構造要素9内に構造特徴部13が埋め込まれた均質材料とすることができる。ここでの1つの利点は、構造特徴部13の間の材料が除去されているか又は存在しないので熱構造要素9が軽量になることである。
【0048】
一例によれば、熱構造要素9は、バッテリ2に面する下側28及びバッテリ2の反対側に面する上側29を含む。下側28は、上端プレート3及び/又は下端プレート4を受容するように構成された固定要素36を含む。
【0049】
一例によれば、上側29は構造特徴部13を含む。
【0050】
一例によれば、構造特徴部13は等長格子31を含む。
【0051】
熱構造要素9は、有利には、押し出しプロセスで回転ダイから作製された表面パターンを含む押し出しプロファイル製品である。
【0052】
図14及び図15は、固定要素36が、バッテリ2の位置を固定するように構成されたくぼみ30及び/又は中間層14及び/又は熱構造要素9から延出している突起37を含むことを示す。
【0053】
一例によれば、例えば図4図5図6図7、及び図17を参照すると、バッテリ装置1は高さ方向Zに積層された少なくとも2つのバッテリパック6aを含む。バッテリ装置1は相互接続熱構造要素33を含み、その一方側はバッテリパック6aのうち1つにおけるバッテリに面し、第2の側は第2のバッテリパック6aにおけるバッテリに面している。相互接続熱構造要素33の両側は、バッテリ2に面する熱構造要素9の側と同様の特徴を有する。この例では、下側28及び上側29は、上端プレート3及び/又は下端プレート4を受容する固定要素36を含む。図4図5図6図7、及び図17において、固定要素は、上端プレート3及び/又は下端プレート4を受容するように構成されたくぼみ30の形態であるが、他の形態の固定要素36も可能である。例えば図14及び図15は、固定要素36が、バッテリ2の位置を固定するように構成されたくぼみ30及び/又は中間層14及び/又は熱構造要素9から延出している突起37を含むことを示す。
【0054】
一例によれば、バッテリ装置1は、熱構造要素9と上面7及び/又は下面8との間に中間層14を含む。
【0055】
一例によれば、図13で示されているように、中間層14は実質的に上端プレート3及び/又は下端プレート4の全体を覆うように配置されている。中間層14は熱構造要素9よりも熱伝導率が低く、従って、バッテリ2と熱構造要素9との間の熱等化器として作用する。一例によれば、中間層14は、バッテリ2を熱構造要素9に取り付けるための取り付け手段15の形態の固定要素36を含む。図13は、固定要素36がくぼみ30及び中間層14の形態であることを概略的に示すが、中間層14のみである固定要素36を用いて下側28を構成することも可能である。
【0056】
一例によれば、中間層14は弾性であり、バッテリ2と熱構造要素9との間で所定の相対運動を可能とする。
【0057】
一例によれば、熱構造要素9は金属を含み、バッテリ装置1は、熱構造要素9と上端プレート3及び下端プレート4との間に電気絶縁性中間層14を含む。一例によれば、熱構造要素9は、アルミニウム又はアルミニウム合金又は他の任意の導電性材料から作製される。
【0058】
一例によれば、熱構造要素9は非導電性材料から作製され、上端プレート3及び下端プレート4に直接接触して配置されるか、又は、熱構造要素9は非導電性材料から作製され、熱構造要素9と上端プレート3及び下端プレート4との間に中間層14が配置される。熱構造要素9の非導電性材料は、プラスチック又はプラスチック複合材又は金属プラスチック複合材又はセラミック又はセラミックマトリックス複合材から形成することができる。
【0059】
一例によれば、中間層14はシート材料及び/又は硬化性液体として構成される。ここで、シート材料は、紙又は板等と同様の概ね平坦な形状を有する材料を指す。硬化性液体は、中間層として塗布することができ、硬化後にその形状を維持するように硬化する任意の適切な液体とすることができる。
【0060】
一例によれば、バッテリ装置1は、2つの熱構造要素9に取り付けられてバッテリパック6aの側部11、12、24、25を覆っている少なくとも1つの側壁22、23を含む。側壁22、23は、バッテリパックの側部のうち1つ、2つ、3つ、又は4つ全てに提供することができる。代替案として、側壁22、23は、積層バッテリパック6aの側部のうち1つ、2つ、3つ、又は4つ全てに提供することができる。積層バッテリパック6aは、例えば図4図5図6図7で見られるようにバッテリを相互に積層することにより形成するか、又は図8で見られるようにバッテリを相互に隣接して取り付けることにより形成するか、又は図5で見られるようにこれら双方を組み合わせて形成することができる。
【0061】
一例に従って、例えば図8を参照すると、バッテリ装置1は少なくとも2つのバッテリパック6aを含み、各バッテリパック6aの熱構造要素9は拡張バッテリ装置1を形成するために相互接続されている。相互接続された熱構造要素9は、少なくとも幅方向の所定の力に耐えるように構成されている。熱構造要素9は、バッテリパック6aを相互接続するため、幅方向又は長さ方向で熱構造要素9の境界を画定する側部11、12、24、25のうち少なくとも1つに沿った接続手段16を含む。
【0062】
一例に従って、例えば図8から図11を参照すると、接続手段16は、スライド動作によって熱構造要素9の相互接続を可能とするスライド及び接続手段17を含むか、又は接続手段16は、引っかけ動作によって熱構造要素9の相互接続を可能とするフック及び接続手段18を含む。
【0063】
図10は、一例に従った、図8及び図9のスライド装置16、17のクローズアップを概略的に示す。図10は、スライド装置16、17が、一方の熱構造要素9において構成された第1のスライド部材17aと、第2の熱構造要素9において構成された第2のスライド部材17bと、を含むことを示す。第1及び第2のスライド部材17a、17bは、相互につかみ合って熱構造要素9を所定位置に保ちながらも同時にスライドを可能とする、一致した幾何学的形状を有する特徴部を用いて構成されている。図10において、スライド部材17a、17bは実質的にT字形のスライド部材を用いて構成され、傾斜部分17c、17dはスライド以外の動きを妨げる。また、スライド部材は、図8及び図9に示された側壁22を受容するための側部22に沿った取り付け手段26をも含む。あるいは取り付け手段26は、バッテリパック6aを相互に積層した場合に使用することも可能である。図10及び図11では、バッテリパックの正しい側を相互に確実に対応させるため、スライド部材17a、17bは、各側部がそれぞれ異なるように構成される。
【0064】
図11は、一例に従った、図8及び図9のスライド装置16、17のクローズアップを概略的に示す。図11図10と同様であるが、スライド部材17a、17bは、スライド部材を所定位置に固定し、更にスライドすることを妨げるため、スライド部材接続点34を含む。図11において、接続点34は溝のような開口の形態であり、溝の一部は一方のスライド部材17aの材料によって境界が画定され、溝の残り部分は他方のスライド部材17bによって境界が画定される。図11は、取り付け手段35が、スライド部材17a、17bを固定するため接続点に挿入されるよう構成されていることを示す。取り付け手段35は、図11で示されているようなボルト又はねじとすることができ、又は、接着剤もしくは他の任意の適切な取り付け手段としてもよい。ボルト又はねじ36の使用は、例えば図16に見られる側壁22a、22bをバッテリ装置1に取り付けて固定することができるという利点を有する。
【0065】
図10及び図11の接続手段16は、スライド手段17の代わりにフック及びスナップ手段18とすることができる。フック及びスナップ手段18は、図10及び図11に示されているものと同様に見えるが、傾斜部分17c、17dは存在しない場合がある。ここで、2つのバッテリパック6aを1つにまとめるには、一方のバッテリパック6aを第2のバッテリパック6aに対して斜めにして、これらを上部熱構造要素9のフック手段に引っかけ、次いで斜めにしたバッテリパックを回転させて、下部の2つの熱構造要素9間の隙間を狭めるように動かし、フック要素が相互に接触してフック装置の所定位置に留められる(snap)ようにすればよい。上記に従った取り付け手段35及び取り付け手段接続点34もここで使用することができるが、熱構造要素9が他の手段によって所定位置に固定される場合は省略することも可能である。
【0066】
一例に従って、図1から図17を参照すると、熱構造要素9は、上面7及び/又は下面8に沿って延出している第2の貫通チャネル19を含む。第1の貫通チャネル10及び第2の貫通チャネル19は、熱構造要素9の1つの側部11から熱構造要素9の反対側の側部12まで延出している。熱構造要素9の第1及び第2の貫通チャネル10、19は、同一の側部からの冷却及び/又は加熱媒体の流入及び流出のために相互接続されている。
【0067】
一例によれば、側壁22、23は、貫通チャネル10、19に接続するための流体伝導体27を含む。
【0068】
一例によれば、図示されていないが、熱構造要素9は、接続ケーブルを収容するための溝及び/又はくぼみ20を含む。
【0069】
一例によれば、例えば図8図9図16、及び図17を参照すると、装置1は、熱構造要素9の少なくとも1つの側部24、25に取り付け可能である少なくとも1つの側壁22、23を含む。側壁22は、縦方向及び側部24、25に沿った延出範囲を有する。一例によれば、熱構造要素9は、図10及び図11に関連付けて上記で検討した、側壁22を取り付けるための少なくとも1つの側部24、25に沿った取り付け手段26を含む。図16は、4つの周囲側壁22、23、22a、23aを備える図8と同様の図を概略的に示し、図17は、4つの周囲側壁22、23、22a、23aを備える図4と同様の図を概略的に示す。側壁22、23、22a、23aのうち1つ以上は、図10図11図12図13で見られるような溝の形態の取り付け手段26を介して所定位置にスライドすることができる、及び/又は、接着剤、溶接、ボルト留め、ピンリベット、もしくは他の任意の適切な手段の形態の取り付け手段26によって取り付けることができる。図12は、一例に従った、図8及び図9の上部熱構造要素9の側壁装置22、26のクローズアップを概略的に示す。図13は、一例に従った、図8及び図9の下部熱構造要素9の側壁装置22、26のクローズアップを概略的に示す。
【0070】
図10図11図12、及び図13は、側壁22、23、22a、23aが、図8のように横に並んで位置決めされた2つのバッテリパック6aの間にも配置され得ることを示す。ここでの1つの利点は、異なるバッテリパック6aを隔離し、従って延焼を妨げる耐火材料で側壁を作製できることである。別の利点は、このような中間側壁が、組み立てられたバッテリ装置1の安定性及び強度を増大することである。
【0071】
上記を参照すると、図4は、一例に従った、高さ方向Zに重ねて位置決めされた2つのバッテリパック6aの斜視図を概略的に示す。図17で見られるように、4つの側壁22、23、22a、23aは、双方のバッテリパック6aを覆うように配置することができる。以下に説明するバッテリパックのパッキングは全て、上記に従った側壁22、23、22a、23aを有する可能性がある。しかしながら、バッテリパックの組成及び相互接続されるバッテリパック6aの数にかかわらず、1つ以上の側部で側壁22、23、22a、23aを省略することも可能である。例えば、バッテリパック6aを収容するように配置されたデバイスが側壁を用いて構成される場合、バッテリパックの1つ以上の側壁22、23、22a、23aを省略することができる。しかしながら、熱構造要素9に接続された側壁22、23、22a、23aを用いることに伴う1つの利点は、これによりバッテリパック6a及び/又はバッテリユニット及びバッテリ装置1の安定性が増大することである。
【0072】
図5は、一例に従った、1つのバッテリユニット内にまとめられた12のバッテリパック6aの斜視図を概略的に示す。3つのバッテリパック6aが高さ方向Zに重ねて位置決めされて1つのサブユニットを形成し、2つのサブユニットが長さ方向Xに隣接して位置決めされ、4つのサブユニットが幅方向Yに隣接して位置決めされ、バッテリユニットを形成している。
【0073】
図6は、一例に従った、1つのバッテリユニット内にまとめられた9のバッテリパック6aの斜視図を概略的に示す。3つのバッテリパック6aが高さ方向Zに重ねて位置決めされて1つのサブユニットを形成し、3つのサブユニットが長さ方向Xに隣接して位置決めされてバッテリユニットを形成している。
【0074】
図7は、一例に従った、1つのバッテリユニット内にまとめられた54のバッテリパック6aの斜視図を概略的に示す。3つのバッテリパック6aが高さ方向Zに重ねて位置決めされて1つのサブユニットを形成し、2つのサブユニットが長さ方向Xに隣接して位置決めされ、12のサブユニットが幅方向Yに隣接して位置決めされ、バッテリユニットを形成している。
【0075】
一例に従って、例えば図20を参照すると、バッテリ装置1は車両38の構造体の一部として構成されている。ここで、図1から図19の何れか1つに示された例のうち何れか1つに従ったバッテリ装置1は、車両38の構造体の一部として構成することができ、構造要素9は車両38の構造体を補強する。しかしながら、図1から図19の何れか1つに示された例のうち何れか1つに従ったバッテリ装置1は、バッテリ装置1が一部となる用途の他の任意の適切な構造体の一部とすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリ(2)を備えるバッテリ装置(1)であって、
各バッテリ(2)は、上端プレート(3)と、前記上端プレート(3)とは反対側の下端プレート(4)と、前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)を接続する本体(5)と、を有し、
前記本体(5)は、前記上端プレート(3)と前記下端プレート(4)との間の縦方向(Z)及び前記縦方向に対して垂直な厚さ方向(X、Y)の延出範囲を有し、
前記本体(5)は、外被表面(6)によって前記厚さ方向(X、Y)で境界が画定され、
前記バッテリ(2)は、前記厚さ方向(X、Y)で相互に隣接して配置されて、前記縦方向(Z)に上面(7)及び反対側の下面(8)を有するバッテリパック(6a)を形成し、
前記上面(7)及び前記下面(8)は、前記縦方向(Z)に対して垂直な幅方向(Y)及び長さ方向(X)の延出範囲を有し、
前記バッテリ装置(1)は、前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)を介して前記バッテリ(2)を冷却又は加熱するため、前記上面(7)及び/又は前記下面(8)に対して配置された少なくとも1つの熱構造要素(9)を備え、
前記熱構造要素(9)は、前記幅方向(Y)及び前記長さ方向(Y)の延出範囲と、前記縦方向(Z)に一致した高さと、を有し、
前記熱構造要素(9)は、前記熱構造要素(9)は、押し出しプロセスで回転ダイから作製された表面パターンを含む押し出しプロファイル製品であり、
前記熱構造要素(9)は、前記上面(7)及び/又は前記下面(8)に沿って延出している第1の貫通チャネル(10)を含み、
前記第1の貫通チャネル(10)は、前記熱構造要素(9)の1つの側部(11)から前記熱構造要素(9)の反対側の側部(12)まで延出し、
前記貫通チャネル(10)は、前記熱構造要素(9)内に熱流体媒質を導くように構成され、
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9)に対して各バッテリ(2)の前記位置を固定するように構成された固定要素(36;15、30、37)を含む、バッテリ装置(1)。
【請求項2】
前記熱構造要素(9)は、少なくとも前記幅方向(Y)及び/又は前記長さ方向(X)の所定の力に耐えるよう構成された構造特徴部(13)を含む、請求項1に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項3】
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9)と前記上面(7)及び/又は前記下面(8)との間に中間層(14)を含む、請求項1又は2に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項4】
前記中間層(14)は、実質的に前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)の全体を覆うように配置され、
前記中間層(14)は、前記熱構造要素(9)よりも熱伝導率が低く、従って前記バッテリ(2)と前記熱構造要素(9)との間の熱等化器として作用する、請求項3に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項5】
前記中間層(14)は、前記バッテリ(2)を前記熱構造要素(9)に取り付けるための取り付け手段(15)の前記形態の固定要素(36)を含む、請求項3に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項6】
前記中間層(14)は、弾性であり、前記バッテリ(2)と前記熱構造要素(9)との間で所定の相対運動を可能とする、請求項3から5の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項7】
前記熱構造要素(9)は、金属を含み、
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9)と前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)との間に電気絶縁性中間層(14)を含む、請求項1から6の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項8】
前記熱構造要素(9)は、アルミニウム又はアルミニウム合金から作製される、請求項6に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項9】
前記熱構造要素(9)は、非導電性材料から作製され、
前記熱構造要素(9)は、前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)に直接接触して配置されるか、又は、前記熱構造要素(9)は非導電性材料から作製され、
前記熱構造要素(9)と前記上端プレート(3)及び前記下端プレート(4)との間に前記中間層(14)が配置される、請求項1から6の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項10】
前記中間層(14)は、シート材料及び/又は硬化性液体として構成される、請求項3から9の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項11】
前記バッテリ装置(1)は、前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)を介して前記バッテリ(2)を冷却又は加熱するため、前記上面(7)に対して配置された1つの熱構造要素(9)及び前記下面(8)に対して配置された1つの熱構造要素(9)を備える、請求項1から10の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項12】
前記バッテリ装置(1)は、前記2つの熱構造要素(9)に取り付けられて前記バッテリパック(6a)の側部(11、12、24、25)を覆っている少なくとも1つの側壁(22、23)を備える、請求項11に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項13】
前記バッテリ装置(1)は、少なくとも2つのバッテリパック(6a)を含み、
各バッテリパック(6a)の前記熱構造要素(9)は、拡張バッテリ装置(1)を形成するために相互接続され、
前記熱構造要素(9)は、前記バッテリパック(6a)を相互接続するため、前記幅方向又は前記長さ方向で前記熱構造要素(9)の境界を画定する前記側部(11、12、24、25)のうち少なくとも1つに沿った接続手段(16)を含む、請求項1から12の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項14】
前記接続手段(16)は、スライド動作によって前記熱構造要素(9)の相互接続を可能とするスライド及び接続手段(17)を含むか、又は、
前記接続手段(16)は、引っかけ動作によって前記熱構造要素(9)の相互接続を可能とするフック及び接続手段(18)を含む、請求項13に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項15】
前記バッテリ装置(1)は、前記高さ方向(Z)に積層された少なくとも2つのバッテリパック(6a)を含み、
前記バッテリ装置(1)は、相互接続熱構造要素(33)を含み、
前記相互接続熱構造要素の一方側は、前記バッテリパック(6a)のうち1つにおける前記バッテリに面し、
第2の側は、前記第2のバッテリパック(6a)における前記バッテリに面し、
前記相互接続熱構造要素(33)の両側は、前記バッテリ(2)に面する前記熱構造要素(9)の前記側と同様の特徴を有する、請求項1から14の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項16】
前記熱構造要素(9)は、前記上面(7)及び/又は前記下面(8)に沿って延出している第2の貫通チャネル(19)を含み、
前記第1の貫通チャネル(10)及び前記第2の貫通チャネル(19)は、前記熱構造要素(9)の1つの側部(11)から前記熱構造要素(9)の反対側の側部(12)まで延出し、
前記熱構造要素(9)の前記第1及び第2の貫通チャネル(10、19)は、同一の側部からの前記熱流体媒質の流入及び流出のために相互接続されている、請求項1から15の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項17】
前記熱構造要素(9)は、接続ケーブルを収容するための溝及び/又はくぼみ(20)を含む、請求項1から16の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項18】
前記熱構造要素(9)は、前記高さ方向(Z)に延出している少なくとも1つの貫通開口(21)を含み、
前記貫通開口(21)は、前記貫通開口(21)を貫通する締結手段(32)を受容するためのものである、請求項1から17の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項19】
前記装置(1)は、前記熱構造要素(9)の少なくとも1つの側部24、25に取り付け可能である少なくとも1つの側壁(22、23)を含み、
前記側壁(22)は、前記縦方向及び前記側部(24、25)に沿った延出範囲を有する、請求項1から18の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項20】
前記熱構造要素(9)は、前記側壁(22)の取り付けのため、少なくとも1つの側部(24、25)に沿った取り付け手段(26)を含む、請求項15に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項21】
前記側壁(22、23)は、前記貫通チャネル(10、19)に接続するための流体伝導体(27)を含む、請求項17から18の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項22】
前記熱構造要素(9)は、前記バッテリ(2)に面する下側(28)及び前記バッテリ(2)の反対側に面する上側(29)を含み、
前記下側(28)は、前記上端プレート(3)及び/又は前記下端プレート(4)を受容するように構成された固定要素(36)を含む、請求項1から21の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項23】
前記上側(29)は、構造特徴部(13)を含む、請求項20に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項24】
前記構造特徴部(13)は、等長格子(31)を含む、請求項23に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項25】
前記固定要素(36)は、前記バッテリ(2)の前記位置を固定するように構成されたくぼみ(30)及び/又は中間層(14)及び/又は前記熱構造要素(9)から延出している突起(37)を含む、請求項1から24の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項26】
前記構造熱要素(9)(33)は、陽極酸化表面を有する金属で作製されて、構造熱要素(9、33)の金属と前記バッテリ(2)との間に断熱及び/又は電気絶縁を与える、請求項1から25の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項27】
前記熱構造要素(9、33)を集電体として使用する、請求項1から26の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項28】
前記バッテリ装置(1)は、前記熱構造要素(9、33)に取り付けられているか又は接続されている温度センサを備える、請求項1から27の何れか一項に記載のバッテリ装置(1)。
【請求項29】
前記バッテリ装置(1)は、車両(38)の前記構造体の一部、又は、前記バッテリ装置(1)が一部となる用途の他の任意の構造体の一部、として構成されている、請求項1から28の何れか一項に記載の前記バッテリ装置(1)を備える車両(38)。
【国際調査報告】