(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】癌に対する組み合わせ療法
(51)【国際特許分類】
A61K 33/00 20060101AFI20231228BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231228BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231228BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231228BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20231228BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20231228BHJP
A61K 31/255 20060101ALI20231228BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20231228BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231228BHJP
A61K 31/343 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61K33/00
A61P35/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K47/42
A61K47/36
A61K31/255
A61K9/06
A61K47/02
A61K31/343
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531545
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2021082591
(87)【国際公開番号】W WO2022112206
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518224831
【氏名又は名称】ウニベルシタット ポリテクニカ デ カタルーニャ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100103230
【氏名又は名称】高山 裕貢
(72)【発明者】
【氏名】カナル バルニルス,クリスティナ
(72)【発明者】
【氏名】トルニン カビエリェス,フアン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA12
4C076CC27
4C076DD21
4C076EE36P
4C076EE42P
4C084AA19
4C084AA23
4C084MA16
4C084MA27
4C084NA05
4C084ZB072
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA05
4C086HA07
4C086HA08
4C086HA21
4C086HA22
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA27
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA09
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA36
4C206MA37
4C206MA48
4C206NA05
4C206ZB26
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、活性酸素窒素種(RONS)を含む液体またはヒドロゲルおよびSTAT3阻害物質を含む組成物、ならびに癌の処置における前記組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.活性酸素窒素種(RONS)を含む液体またはヒドロゲル;および
b.STAT3阻害物質、
を含む組成物。
【請求項2】
RONSが、10~3000μMのH
2O
2、好ましくは10~600μMのH
2O
2、より好ましくは10~300μMのH
2O
2、さらにより好ましくは20~250μMのH
2O
2を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
RONSが、10~800μMのNO
2
-、好ましくは10~400μMのNO
2
-、より好ましくは10~250μMのNO
2
-、さらにより好ましくは20~250μMのNO
2
-を含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
液体が、水性媒体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ヒドロゲルが、少なくとも一つのゼラチン、ゼラチン誘導体、例えばメタクリル化ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、コラーゲン、コラーゲン誘導体、アルギネート、アガロース、セルロース、改質セルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、キトサン、ポリラクチド-コ-グリコリド、ポリヒドロキシアルカノエートを含む水溶液である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ヒドロゲルが、ゼラチン、アルギネート、コラーゲンまたはこれらの混合物を含む水溶液である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
カルシウムを含むセラミック材料をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
カルシウムを含むセラミック材料が、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏性ヒドロキシアパタイト、ブラッシュ石、フルオロアパタイト、カルシウム-ナトリウムおよびカリウム-ホスフェート、カルシウム-およびナトリウム-ホスフェート、カルシウム-およびカリウム-ホスフェート、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびこれらの混合物から選択され、好ましくは、セラミック材料が、ヒドロキシアパタイト、ブラッシュ石、リン酸三カルシウムまたはこれらの混合物である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
STAT3阻害物質が、STAT3発現、STAT3リン酸化、STAT3二量体化、STAT3の核への転移、STAT3 DNA結合またはSTAT3介在転写を防止する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
STAT3阻害物質がSTAT3リン酸化を予防し、より好ましくは、STAT3阻害物質がチロシン705でのSTAT3リン酸化を防止する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
STAT3阻害物質が、S3I-201またはBBI608である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも化学療法薬および免疫療法薬から選択される活性物質をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
癌の処置に使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
癌が、骨癌、前立腺癌、乳癌、脳癌または結腸癌から選択される、請求項13に記載の使用のための組成物。
【請求項15】
骨癌が、骨肉腫である、請求項14に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオテクノロジー分野に属し、癌に対する組み合わせ療法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷大気プラズマ(CAP)で処理された液体は、抗癌療法に使用されてきた。興味深いことに、CAPは健康な細胞に影響を与えることなく、癌細胞を選択的に殺すことが示されている。CAP処理液体の細胞毒性は、その中の活性酸素窒素種(reactive oxygen and nitrogen species、RONS)の量に依存することが報告されている(Bauer, G. et al. Sci Rep 9, 14210 (2019); Tornin, J. et al. Sci Rep 9, 10681, (2019))。
【0003】
STAT-3阻害物質も、抗癌療法において評価されている。骨肉腫細胞株ではSTAT3チロシンリン酸化の発生率が高いこと、および、骨肉腫細胞株においてSTAT3阻害物質S3I-201を使用してSTAT3を標的化とすると、細胞成長とコロニー形成の有意な阻害とインビトロでのカスパーゼ-3経路を介したアポトーシスの強化を示したと、報告されている(Wang et al. Anticancer Research 34: 6537-6546 (2014))。
【0004】
抗癌療法において、健康な細胞に影響を与えることなく癌細胞を殺す新しい治療法を見つける必要が依然としてある。CAPは骨肉腫(OS)を含む様々な癌型に使用され、その有効性が証明されている。OSは世界で最も一般的な小児骨原発腫瘍であり、8番目に多い小児癌である。OSは非常に攻撃的な腫瘍であり、高い転移能を示すが、現在の療法は過去30年間あまり進歩していない。現在の療法には、最初の手術に高用量のメトトレキサート、シスプラチン、ドキソルビシンまたはイホスファミドを組み合わせたものがある。外科的切除へのアクセスが困難であり、OSに対する化学療法の有害な影響のため、この疾患における治癒と生存の両方を改善する新しい治療法の評価が急務である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記の問題に対する解決策を提供するものである。本発明者らは、驚くべきことに、冷プラズマ処理液体またはヒドロゲルのような酸化ストレスを基礎とする療法とSTAT3阻害物質との組み合わせが、癌療法として相乗的に有効であり、癌幹細胞および非癌幹細胞の両方の癌細胞の成長を劇的に防止する一方、健康な細胞には影響を与えないことを見出した。これにより、活性酸素窒素種(RONS)およびSTAT3阻害物質の両方を無毒性濃度で使用することで、癌細胞に対してのみ高い細胞毒性効果を達成することになる。
【0006】
第一の態様において、本発明は、
a.RONSを含む液体またはヒドロゲル;および
b.STAT3阻害物質、
を含む組成物に関する。
【0007】
好ましい実施態様において、RONSは、10~3000μMのH2O2、好ましくは10~600μMのH2O2、より好ましくは10~300μMのH2O2、さらにより好ましくは20~250μMのH2O2を含む。別の好ましい実施態様において、RONSは、10~800μMのNO2
-、好ましくは10~400μMのNO2
-、より好ましくは10~250μMのNO2
-、さらにより好ましくは20~250μMのNO2
-を含む。好ましい実施態様において、RONSは、10~3000μMのH2O2および/または10~800μMのNO2
-を含む。別の好ましい実施態様において、RONSは、10~600μMのH2O2および/または10~400μMのNO2
-を含む。別の好ましい実施態様において、RONSは、10~300μMのH2O2および/または10~250μMのNO2
-を含む。別の好ましい実施態様において、RONSは、20~250μMのH2O2および/または20~250μMのNO2
-を含む。
【0008】
RONSの濃度は、H2O2およびNO2
-に対してそれぞれAR/HRP試薬法またはグリース試薬法のいずれかを使用して定量される。また、ヒドロゲルが使用され、タンパク質溶液がAR/HRP試薬法またはグリース試薬に干渉を引き起こす場合には、酸化還元反応およびNO2
-に基づいてグリース試薬を使用してH2O2の定量を可能にする、試験紙付きのプラスチックストリップ(plastic strip)を使用することもできる。これら二つの方法では同等の結果が得られる。
【0009】
好ましい実施形態において、組成物は、RONSを含む液体を含み、ここで、液体は水性媒体である。水性媒体は、水、食塩水水溶液、例えばリンゲル液、病院用非経腸溶液、薬物ビヒクルとして使用される溶液、または細胞培養培地から選択され得る。
【0010】
好ましい実施態様において、組成物は、RONSを含むヒドロゲルを含み、ここで、ヒドロゲルは、少なくとも一つのゼラチン、ゼラチン誘導体、例えばメタクリル化ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、コラーゲン、コラーゲン誘導体、アルギネート、アガロース、セルロース、改質セルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、キトサン、ポリラクチド-コ-グリコリド、ポリヒドロキシアルカノエートを含む水溶液である。好ましい実施態様において、ヒドロゲルは、ゼラチン、アルギネート、コラーゲンまたはこれらの混合物を含む水溶液である。
【0011】
好ましい実施態様において、組成物は、カルシウムを含むセラミック材料をさらに含む。好ましくは、カルシウムを含むセラミック材料は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏性ヒドロキシアパタイト、ブラッシュ石、フルオロアパタイト、カルシウム-ナトリウムおよびカリウム-ホスフェート、カルシウム-およびナトリウム-ホスフェート、カルシウム-およびカリウム-ホスフェート、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム 半水和物、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびこれらの混合物から選択され、好ましくは、セラミック材料は、ヒドロキシアパタイト、ブラッシュ石、リン酸三カルシウムまたはこれらの混合物である。
【0012】
好ましい実施態様において、STAT3阻害物質は、Stat3発現、STAT3リン酸化、STAT3二量体化、STAT3の核への転移、STAT3 DNA結合またはSTAT3介在転写を防止する。好ましい実施態様において、STAT3阻害物質はSTAT3リン酸化を防止し、より好ましくは、STAT3阻害物質はチロシン705でのSTAT3リン酸化を防止する。STAT3阻害物質は、S3I-201、WP1066、レスベラトロール、スタティック(Stattic)、ニクロサミド、STAT3-IN-1、STAT5-IN-1、AS1517499、C188-9、BP-1-102、SH-4-54、クリプトタンシノン、ボスチニブ(SKI-606)、フルダラビン、ニフロキサジド、ブレヴィリンA(Brevilin A)、RCM-1、ケンフェロール-3-O-ルチノシド、ククルビタシンIIb、SC-43、スクテラリン、HJC0152、SH5-07(SH-5-07)、APTSTAT3-9R、オクロマイシノン(STA-21)、ナパブカシン(BBI608)、HO-3867、アーテスネートまたはこれらの組み合わせから選択され得る。好ましい実施態様において、STAT3阻害物質は、S3I-201またはBBI608である。好ましい実施態様において、STAT3阻害物質はS3I-201である。好ましい実施態様において、STAT3阻害物質はBBI608である。
【0013】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも化学療法薬および免疫療法薬から選択される活性物質をさらに含む。
【0014】
本発明の第二の態様は、癌の処置に使用するための第一の態様の組成物に関する。好ましい実施態様において、癌は、骨癌、肉腫、前立腺癌、ウロテリオマ(urotelioma)、乳癌、脳癌、または結腸癌から選択される。より好ましい実施態様において、骨癌は骨肉腫である。
【0015】
第二の態様の好ましい実施態様において、RONSを含む液体またはヒドロゲルとSTAT3阻害物質とは、同時にまたは順次に投与される。別の好ましい実施態様において、組成物は手術前または手術後に投与される。
【0016】
別の態様において、本発明は、対象において癌組織を処置する方法であって、該対象に、
(a)液体またはヒドロゲルおよび活性酸素窒素種(RONS);および
(b)STAT3阻害物質、
を含む組成物を投与することを含む方法に関する。
【0017】
好ましい実施態様によれば、成分(a)および(b)は同時または順次に投与される。
【0018】
別の態様において、対象において癌組織を処置する方法であって、冷大気圧プラズマを該組織に適用し、STAT3阻害物質を該対象に投与することを含む方法に関する。癌組織は好ましくは骨肉腫である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】プラズマ処理液体中のRONSの濃度(μM)[ここで、四角は、AmplexRed/HRPアッセイによる過酸化水素(H
2O
2)のマイクロモル(μM)濃度を示し、カラムはグリースアッセイによる亜硝酸塩(NO
2
-)のマイクロモル(μM)濃度を示す。]。データは平均値として示す(n=3)。
【0020】
【
図2】細胞生存率に対する組み合わせ療法の相乗効果を示す。15s-プラズマ処理培地(PTM)、S3I-201(80μM)、または両者の組み合わせを用いて、示された細胞株(A. SaOS-2. B. MG-63. C. U2-OS. D. hBM-MSC)を24時間、48時間および72時間処理した後に測定した細胞生存率(WST1アッセイ)。各時間について、四つのカラムは左から右に、対照、プラズマ処理培地(PTM)、S3I-201、およびプラズマ処理培地およびS3I-201の組み合わせに対応する。細胞生存率は、対応する対照と比較して示している。データは、n=3の独立した実験の平均値と標準偏差を示す。
【0021】
【
図3】CSC培養液中のRONSの濃度を示す。カラムは、指定された処理時間における、AmplexRed/HRPアッセイによる過酸化水素(H
2O
2)のマイクロモル(μM)濃度を示し、マーカーはグリースアッセイによる亜硝酸塩(NO
2
-)のマイクロモル(μM)濃度を示す。データは平均値で示す(n=3)。
【0022】
【
図4】STAT3阻害物質およびプラズマ処理培地は、骨肉腫細胞株由来の癌細胞の腫瘍様塊の成長を相乗的に防止することを示す。MG-63細胞からの癌細胞の腫瘍様塊数。n=3の独立した複製、およびそれぞれn=6の独立した培養から複製。
【0023】
【
図5】接着培養におけるOS細胞株の細胞生存率を低下させるS3I-201とPARとの相乗効果を示す。プラズマ-処理リンゲル食塩水(PTR)に10%FBSを添加する前と後、およびMcCoy 5A改変培地(McCoy’s A5 Medium Modified)で1:1に希釈した後に測定したH
2O
2(A)およびNO
2
-(B)の濃度。接着培養中のG-292、SaOS-2およびU2-OS細胞を2時間、(C)未処理PTR中の様々な濃度のS3I-201(20-100μM)に曝露し、および(D-F)処理後100μMのS3I-201添加状態および添加してない状態で30~240秒間処理したPTRに曝露した。その後、PTRをMcCoy 5A改変培地で1:1に希釈した。PTR曝露72時間後に、PrestoBlueアッセイにより代謝活性を測定した。値は、未処理PTRに曝露された細胞に対して相対化させた。
【0024】
【
図6】骨肉腫細胞143.B(A)およびMG-63細胞(B)における細胞増殖能に対す組み合わせ療法の相乗効果。骨肉腫細胞143.B(A)およぎMG-63(B)の5秒間PTM(プラズマ処理細胞培養培地、PTM-5s)、100μMのS3I-201、または両者の組み合わせで処理した場合のリアルタイム細胞増殖。データは、初期時間(t=0h)から最終段階(t=144h)までの正規化セル指数(Normalized Cell Index)を示す。黒矢印は、播種後の処理追加(t=24h)を示す。
【0025】
【
図7】サルコスフェア(sarcosphere)数の減少に対する組み合わせ療法の相乗効果を示す。形成された(A)MG-63 サルコスフェアおよび(B)143.Bサルコスフェアをスコア化し(サイズ≧70μM)、カウントした。データは、形成されたサルコスフェア数をn=6の独立した実験の平均値と標準偏差で示した(*p<0.01;**p<0.001;****p<0.0001 一元ANOVA)。(C)PTM 5分、10分、20分でのNO
2
-およびH
2O
2の濃度(マイクロモル濃度)。
【0026】
【
図8】インビボでの骨肉腫腫瘍サイズ低下におけるプラズマ処理培地およびS3I-201の相乗効果を示す。最終日(腫瘍が1000mm
3に達した時点)における様々な群の腫瘍体積。一元ANOVAを行い、対照群と処理群間の統計学的有意性を決定した。PTM単独(n=5)またはS3I-201(n=4)で処理したマウスは、対照(n=4)群と同様の腫瘍体積を示したが、PTM+S3I-201組み合わせ群(n=6)の腫瘍体積は対照より有意に低かった(**p<0.0065)。
【実施例】
【0027】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供されるが、本発明を限定するものではない。
【0028】
1.プラズマ処理およびRONS濃度
プラズマ処理後の細胞培養培地中のRONSの産生は時間依存性であり、NO
2
-とH
2O
2の平衡量を示す(
図1)。ほとんどの処理時間では、NO
2
-の濃度に有意差は見られないが、120秒では、プラズマ処理培地で生成されるH
2O
2濃度がNO
2
-の最大3倍である(
図1)。これらの濃度は、15s-プラズマ処理培地を用いた次の例で使用する濃度である。
【0029】
2. S3I-201およびプラズマ処理培地は骨肉腫細胞株の成長を相乗的に阻止するが、健康な細胞には影響しない。
骨肉腫SaOS-2、MG-63、U2-OS細胞および健康なhBM-MSCsの生存率を
図2に示す。15s-プラズマ処理培地はSaOS-2細胞に対してのみ細胞毒性を示し、MG-63、U2-OS、hBM-MSCs細胞では細胞増殖の増加を示した(
図2A~D)。驚くべきことに、15s-プラズマ処理培地およびSTAT3阻害物質S3I-201の組み合わせは、別々に処理するよりも有意に相乗的な細胞毒性効果を示した。プラズマ処理培地-15sの投与量が非常に低くても、組み合わせ処理によって三つの骨肉腫細胞株においてプラズマ処理培地の細胞毒性が増加したが、健康な細胞は影響を受けなかった(
図2A~D)。
【0030】
3. S3I-201およびプラズマ処理培地は、癌幹細胞(CSC)培養の成長を防止する。
プラズマ処理培地(DMEM-F12)の細胞毒性能を、3Dモノクローナルオステオスフェア(osteosphere)で試験した。プラズマ処理後の細胞培養培地中のRONSの産生は時間依存性であり、調査したすべての処理時間でNO
2
-およびH
2O
2の平衡化カクテルを示す(
図3)。
【0031】
播種後7日目にすでに形成されたMG-63細胞のオステオスフェアを、480s-プラズマ処理培地およびSTAT3阻害物質S3I-201の組み合わせで3日間直接処理した。注目すべきことに、S3I-201および480s-プラズマ処理培地の組み合わせは、オステオスフェア数を完全に減少させる効果があった(
図4)。
【0032】
4. プラズマ処理培地およびS3I-201の相乗効果による、接着培養中のOS細胞株の細胞生存率の低下。
H
2O
2(
図5A)およびNO
2
-(
図5B)の濃度は、10%FBSの添加前後、およびMcCoy 5A改変培地で1:1に希釈した後、プラズマ処理リンゲル食塩水(PTR)中で測定した。接着培養中のG-292、SaOS-2およびU2-OS細胞を2時間、未処理PTR中のさまざまな濃度のS3I-201(20~100μM)に曝露し(
図5C)、処理後100μMのS3I-201添加状態および添加してない状態で30~240秒間処理したPTRに曝露した(
図5D~F)。その後、PTRをMcCoy 5A改変培地で1:1に希釈した。PTR曝露72時間後に、PrestoBlueアッセイにより代謝活性を測定した。値は、未処理PTRに曝露された細胞に対して相対化させた。
【0033】
5. プラズマ処理ヒドロゲル溶液の細胞毒性効果
0.5重量%のアルギネートおよび2重量%のゼラチンの50/50ブレンド溶液を調製した(最終濃度0.25%wtのアルギネートおよび1%wtのゼラチン)。アルギネート/ゼラチンの混合物は、2%wtのゼラチンと0.5%wtのアルギネートを1:1の割合で2分間ボルテックスすることにより調製した。粉末ゼラチンをMilliQ水と37℃で磁気攪拌しながら2時間混合することで、2%wtのゼラチンゲルを得た。0.5%アルギネートは、SpeedMixer
TM DAC 150.1 FVZ-K(SpeedMixer
TM, Germany)を用い、3500r.p.m.で15分間、アルギネート粉末とMilliQ水を混合することによって調製した。0.25%wtのアルギネートおよび1%wtのゼラチンの水性混合物を、大気圧プラズマジェットkINPen IND(登録商標)(Neoplas, Germany)で処理し、アルゴンでプラズマを発生させた。処理条件:ガス流量1L/min、ノズル距離10mm、処理時間180秒。処理は96-ウェルプレート中の200μLの混合物で行った。前記プラズマ処理混合物は、材料中に以下の濃度の反応性種を産生させた:
【表1】
【0034】
表に示すように、この組成物で得られた活性種の値は、水中で産生した値よりも数倍高い。前記プラズマ処理混合物を、骨肉腫細胞株(SaOS-2)および健康な細胞(ヒト骨髄間葉系幹細胞またはhBM-MSC)の両方の細胞生存率アッセイに使用した:
【表2】
【0035】
この組成物は、癌細胞株に対するプラズマ処理ポリマー溶液の選択性を示し、72時間後に健康な細胞(hBM-MSC)の生存を可能にする。
【0036】
6. セラミック材料を含むプラズマ処理ヒドロゲル溶液の細胞毒性効果
先の実施例の組成物は、3分間の代わりに5分間プラズマで処理することにより調製し、さらに5%wtのカルシウム欠乏性ヒドロキシアパタイトマイクロスフェア(MS)を含み、これを添加し、ボルテックスで2分間混合した。マイクロスフェアの直径は100μm<φ<150μmであった。RONSの量は、バイオセラミック材料の添加に影響されなかった。ポリマー溶液中とバイオセラミック材料添加後の組成物中のプラズマによって産生した活性種の濃度は、以下に見られるように同等である:
【表3】
【0037】
組成物中で産生した種は周囲の培地に放出され、少なくとも24時間は保存される。これは、MSに活性物質であるドキソルビシン(DOX)をあらかじめ担持させた組成物でも試験した:
【表4】
【0038】
【0039】
【0040】
7. プラズマ処理培地およびS3I-201の相乗効果による接着培養中のOS細胞株の細胞生存率の低下
細胞増殖はxCELLigenceシステム(ACEA Biosciences, Inc, San Diego, CA, USA)を用いて調べた。骨肉腫細胞143.B(
図6A)およびMG-63(
図6B)を、500μLの培養培地中に金微小電極を1×10
4の密度で挿入した特別設計のマイクロタイタープレートに播種した。翌日、400μLの培養培地をPTM-5s 400μL、S3I-201 100μM、および両者の組み合わせ400μLに交換した。細胞インピーダンス変化として測定したリアルタイムの増殖は、xCELLigenceシステムにより、実験終了まで1時間ごとにモニターした。
図6Aおよび6Bは、初期時間(t=0h)から最終段階(t=144h)までの正規化セル指数(Normalized Cell Index)を示す。黒矢印は、播種後の処理追加(t=24h)を示す。この結果は、PTMおよびSTAT3阻害物質の組み合わせ療法が相乗的に作用して細胞増殖を抑制することを明確に示している。
【0041】
8. プラズマ処理培地およびS3I-201の相乗効果による骨肉腫癌幹細胞の除去
骨肉腫細胞MG-63および143.Bをサルコスフェア形成条件(癌幹細胞(CSC)単離標準法)で3日間培養し、次に、以下のパラメータに従ってPTMと接触させてさらに7日間インキュベートした:ヘリウム流速:1L/min;APPJノズルとCSC培地表面との間のギャップ:10mm;処理時間:5~20分。CSC培地はDMEM/F-12にGlutaMAXTM(1X;GibcoTM、cat.no 10565018、Carlsbad、CA、USA)、B-27サプリメント(1:50;Life Technologies)、ヘパリン(1:1000;Sigma)、ヒトbEGF(20ng/ml)、ヒトbFGF(10ng/ml;GoldBio)およびピルビン酸ナトリウムを添加したものとした。サルコスフェアは3日目にPTM(5分および20分)、S3I-201(100μM)、または両者の組み合わせでさらに7日間処理した。
【0042】
10日目のサルコスフェアの生存率は、MG-63および143.B細胞においてPTMを5分間および20分間処理すると、自己複製能と癌細胞の腫瘍様塊の成長が増加することを一貫して示した(
図7Aおよび7B)。サルコスフェアの数はS3I-201阻害物質単独で有意に減少し(*p<0.01)、サルコスフェアはPTM+S3I-201の組み合わせで完全に根絶された(*p<0.001)(
図7AおよびB)。
図7のAおよび7Bは、PTMとS3I-201の組み合わせによる骨肉腫における癌幹細胞(CSC)除去能力を示している。
【0043】
図7Cは、サルコスフェアの処理に使用したPTM中のRONS濃度を示す。PTM中の亜硝酸塩(グリース試薬アッセイ)または過酸化物(Amplex Red Assay)の間に有意差は記録されなかった。NO
2
-の濃度は、PTM-5分および20分で、それぞれ119±13μMから545±57μMであった。過酸化物についても同様の傾向が見られ、PTM-5分および20分で、それぞれ60±11μMから572±109μMの範囲であった。
【0044】
これらのデータにより、組み合わせ処理のみがCSCの生存を強力に除去することが明確に確認された。CSCは腫瘍の再発転移や化学療法抵抗性に直接関係する細胞亜集団であり、CSCを除去する療法の開発が急務である。これらの結果は、PTMおよびSTAT3阻害物質の組み合わせ療法が、これらのCSCの除去に相乗的に作用することを示している。
【0045】
9. プラズマ処理培地およびS3I-201の相乗効果によるインビボでの骨肉腫腫瘍サイズの縮小
骨肉腫の発症におけるS3I-201と組み合わせたPTMの役割を検討するために、ヒト143B骨肉腫細胞を免疫不全マウスの脛骨に注射するマウス同所性骨肉腫モデルを使用した。すべてのインビボ腫瘍実験は、雌性ヌードマウス(Janvier LabsのNMRI-Foxn1nu/nuマウス)を用いて行った。同所性の原発性腫瘍成長のために、50,000の細胞を7週齢のマウスの右脛骨にイソフルラン麻酔下で注射した。マウスに、毎日100μLのPTM-20分、または5mg/kgのS3I-201(経口、トウモロコシ油に溶解)を週3回、または両方の処理の組み合わせを腫瘍傍注射(para-tumoral injection)した。並行して、対照群にはリンゲル食塩水または200μLのトウモロコシ油を毎日経口的に腫瘍傍注射した。原発腫瘍は、細胞注入の5日後と、その後腫瘍が試験エンドポイント(終了基準:原発腫瘍の全流束>108フォトン/s)に達するまで週1回、生物発光インビボイメージングにより検出し定量した。
図8は、最終日(腫瘍が1,000 mm
3に達した時点)における群間の平均腫瘍体積の差を示し、これは、キャリパを用いて測定するか、IVISスペクトラム(Caliper Life Sciences, Hopkinton, MA)を用いて発光強度を測定した。一元ANOVAを行い、対照群と処理群間の統計学的有意性を判定した。PTR単独処理群(n=5)またはS3I-201処理群(n=4)のマウスは、対照群(n=4)と同様に腫瘍体積を示すことを見出した。しかし、PTM+S3I-201組み合わせ群(n=6)の腫瘍体積は対照群より有意に少なかった(**p<0.0065)。これらの結果を総合すると、PTMおよびS3I-201の組み合わせのみが骨肉腫に対してインビボで抗腫瘍効果を誘導することを示している。
【0046】
材料および方法
【0047】
細胞培養および薬物
骨肉腫細胞株SaOS-2、MG-63およびU2-OSと健康なhBM-MSC(細胞型は両方とも米国ATCCより入手)に対する冷プラズマ処理培地の効果を評価した。この試験では、細胞株を、グルコース(4,5g/L)、ピルベート、グルタミン無添加のダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(GibcoTM, USA)(10%ウシ胎児血清(FBS)(GibcoTM cat no. 10270098, USA)、2mMのL-グルタミン(GibcoTM)、100単位/mLのペニシリン(GibcoTM)および100μg/mLのストレプトマイシン(GibcoTM)を含む)で培養した。細胞を37℃、湿度95%、5%CO2で培養した。また、G-292、SaOS-2およびU2-OS細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(それぞれ50U/mLおよび50μg/mL)および1mMピルビン酸ナトリウム(いずれもGibcoTM製)を添加した1,5mM L-グルタミンを含むMcCoy 5A改変培地(GibcoTM, Carlsbad, CA, USA)で培養した。S3I-201(cat.No.S1155)はSelleckhemから得た。
【0048】
冷プラズマジェット装置(jet device)および培養培地または単層培養への適用
kINPen(登録商標)IND(Neoplas tools GmbH, Greifswald, Germany)は、大気条件下でプラズマを放電するハンドヘルドユニットからなり、プラズマを発生させるDC電源ユニットおよびアルゴンガスを利用する、クリニックで使用されている商用プラズマジェットである。セラミック製キャピラリー(内径1.6mm)の中心にはピン型電極(直径1mm)が取り付けられ、誘電体の周囲には接地された対電極としてリングがある。針の電源は、周波数1MHzで振幅ピーク2kVから3kVの正弦波電圧波形を生成する小型RFジェネレーターで電力を供給され、2.5kHzで変調され、プラズマのデューティサイクルは1:1である。
【0049】
プラズマを直接適用するか、プラズマで培地を処理するために、同じ操作パラメータの下で方法間を比較できるプロトコルを設計した:アルゴン流量3L/min、液体表面間とジェットノズルと間の距離10mm、30,000細胞/ウェルを含む24-ウェルプレート中の1mLの培養培地(例えば、DMEM、高グルコース、グルタミン不使用、フェノールレッド不使用、0.1g/Lのピルビン酸ナトリウム(GibcoTM , cat.no 11360070, Carlsbad, CA, USA),またはDMEM-F12)で15、30、60、120、240または480秒間。
【0050】
プラズマ処理リンゲル食塩水(PTR)を作製するために、2mLの無菌リンゲル食塩水(8.6g/LのNaCl、0.33g/LのCaCl2および0.3g/LのKCl)を、室温で、無菌条件で、ガス流量3L/min、ジェットノズルからの距離10mmでプラズマジェット下に置いた。液体は、1.9cm2の表面のマルチウェルプレート(24ウェルプレート)に入れた。プラズマ処理時間は30~240秒で検討した。処理直後に10%FBSを添加した。
【0051】
代謝活性
サブコンフルエントなG-292、SaOS-2、U2-OS細胞をトリプシン処理し、遠心分離し、48-ウェルプレートに15x103細胞/ウェルの密度で播種し、対応する培地300μL中で24hインキュベートした。一方では、異なる濃度(20~100μM)のS3I-201を添加した10%FBS入りリンゲル液300μLでインキュベートした後各細胞株において培養培地を置き換えた。他方で、S3I-201(100μM)を添加または添加しない状態で30~240秒間処理したPTR 300μLで、各細胞株において培養培地を置き換えた。細胞を3回各条件で2時間培養した。陽性対照として、各細胞株を10%FBS添加リンゲル液で2時間インキュベートした。その後、各条件で対応する新鮮培地300μLを添加した。次に、細胞を37℃で72時間培養した。PrestoBlueアッセイで細胞代謝を評価し;培地中で20%PrestoBlue試薬を用いた。陰性対照として、PrestoBlueを細胞なしでインキュベートした。530/590nmのλex/emで蛍光を測定し、陰性対照の蛍光を差し引いた。各処理条件の蛍光は陽性対照を基準とした。
【0052】
RONSの測定
Tornin, J. et al. Sci Rep 9, 10681, (2019)に、以前記載されたのと同じプロトコールに従って、プラズマ処理培養培地中の過酸化水素および亜硝酸塩の濃度を測定した。簡単に説明すると、亜硝酸塩濃度はグリース試薬を用いて行い、過酸化水素濃度は発色試薬および西洋ワサビペルオキシダーゼを用いた酸化還元反応によって測定した。
【0053】
単層細胞生存率アッセイおよび免疫蛍光法
抗腫瘍効果を評価するために、WST-1(Roche, Germany)細胞増殖アッセイを製造者の使用説明書に従って行った。細胞を24-ウェルプレートに1000μLの培養培地当たり30×103細胞の密度で播種した。翌日、培養培地を1000μLのプラズマ処理培地に交換した。24.48または72時間後、WST-1ワーキング溶液(18μL/mL)を各ウェルに添加し、プレートを37℃で60分間インキュベートした。λabs=440nmで吸光度を測定した。各実験は独立して3回行った。冷プラズマで処理していない培地を対照として用いた。
【0054】
オステオスフェア(osteosphere)の培養および生存率
MG-63細胞株を、DMEM-F12+Glutamax(Gibco)、B-27/VitAサプリメント(1:50;Life Technologies)、ヘパリン(1:1000;Sigma)、増殖因子ヒトEGF(20ng/ml)およびヒトbFGF(10ng/ml;GoldBio)、ならびに細胞の凝集を避ける1%メチルセルロース(Sigma)を含む無血清球形培地中で、細胞の付着を防ぐためにUltraLow Costar 6ウェルプレート(Corning)にウェル当たり1.500細胞の密度でプレーティングした。さらに、EGFおよびbFGFの新鮮なアリコートを3日ごとに加えた。プラズマ処理培地またはSTAT3阻害物質のインビトロでの効果を分析するために、7日目にスフェア培養を処理し、次に、癌細胞の腫瘍様塊培養条件下で培養し、癌細胞の腫瘍様塊の形成を阻害する薬物の能力を72時間アッセイした。
【0055】
統計
図に示した結果の統計分析では、三つの独立した実験の平均と標準偏差を計算して、95%の信頼区間を決定した。スチューデントT検定は、各処理と対照(未処理)を比較した有意差の判定に使用した。また、組み合わせは、プラズマ処理培地およびS3I-201の単独処理と比較して有意であることを見出した。一元ANOVA分析(One-way ANOVA)は図中に示されており、*はp<0.05を意味し;**はp<0.01を意味し、***はp<0.001を意味する)。
【国際調査報告】