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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】腫瘍浸潤リンパ球培地及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/00 20060101AFI20231228BHJP
   C12N 5/078 20100101ALI20231228BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20231228BHJP
【FI】
C12N1/00 G
C12N5/078
A61P35/00
A61K35/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531655
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2021133059
(87)【国際公開番号】W WO2022111571
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011339183.1
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523136226
【氏名又は名称】上海君賽生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI JUNCELL THERAPEUTICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 華 君
(72)【発明者】
【氏名】何 周
(72)【発明者】
【氏名】李 甜 甜
(72)【発明者】
【氏名】沈 永 超
(72)【発明者】
【氏名】陳 海 斌
(72)【発明者】
【氏名】許 馥 慧
(72)【発明者】
【氏名】黄 晨
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AC20
4B065BA30
4B065BB19
4B065CA44
4B065CA46
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087BB64
4C087CA04
4C087NA14
4C087ZB26
(57)【要約】
本発明は、TIL細胞を増幅するための培養組成物であって、IL-2、IL-7、IL-15及び免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含み、前記免疫チェックポイント抗体がPD-1抗体、CTLA-4抗体、LAG-3抗体、TIM-3抗体、TIGIT抗体、BTLA抗体から選ばれる何れか1種又は複数種を含む培養組成物に関し、さらに、TIL細胞増幅培地、TIL細胞群体の製造方法、及び医薬組成物に関する。前記培養組成物は、IL-2の用量を大量に低減すると共に、細胞増殖と活性を保証し、患者に注入した後にIL-2治療を無くして副作用を減少するほか、増幅過程においてフィーダー細胞を使用しないため、外来汚染を減少し、製造プロセスを簡略化して、製造コストを削減し、製造時間を短縮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TIL細胞を増幅するための培養組成物であって、IL-2、IL-7、IL-15及び免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含み、好ましくは、前記免疫チェックポイント抗体がPD-1抗体、CTLA-4抗体、LAG-3抗体、TIM-3抗体、TIGIT抗体、BTLA抗体から選ばれる何れか1種又は複数種を含み、
好ましくは、前記培養組成物がIL-21、IL-12、GM-CSF、及びメモリーT細胞の比率を向上させる小分子の何れか1種、2種、3種又は4種をさらに含み、
好ましくは、前記培養組成物がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、OX40抗体、GITR抗体、ICOS抗体、CD206抗体、CD40抗体から選ばれる何れか1種又は複数種をさらに含み、
好ましくは、前記CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、OX40抗体、GITR抗体、ICOS抗体、CD206抗体、CD40抗体が活性化型抗体であり、
好ましくは、前記培養組成物が自家血小板又は他家血小板をさらに含むことを特徴とする、培養組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の培養組成物であって、
前記1種又は複数種の抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記マトリックスが固体マトリックスであり、前記固体マトリックスが微小球、ウェルプレート、ディッシュ、細胞培養フラスコ、及び細胞培養バッグから選ばれる何れか1種又は複数種を含み、及び/又は
前記メモリーT細胞の比率を向上させる小分子がTWS119であり、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、GM-CSFを含み、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体を含み、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CD3抗体、CD28抗体を含み、好ましくは、前記CD3抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、GM-CSFを含み、好ましくは、前記CD3抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体を含み、好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、GITR抗体、CD3抗体、CD28抗体、TWS119、CD137抗体を含み、好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、TIGIT抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GM-CSFを含み、好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、LAG3抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体を含み、好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、TIGIT抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、自家血小板を含み、好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングし、及び/又は
前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CTLA-4抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体、GM-CSF、TWS119、他家血小板を含み、好ましくは、前記CD3抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングすることを特徴とする、培養組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の培養組成物であって、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、及び3~100μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、及び1~100μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、又は前記成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、0.5~10μg/mLのCD28抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、又は前記成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、0.5~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、1~500μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、1~500μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのTIGIT抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのLAG-3抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、0.5~10μg/mLのCD3抗体、0.5~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのTIGIT抗体、1~100μg/mLのCD40抗体、1~100μg/mLのOX-40抗体、1×10~5×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含み、又は
前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、1~100μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、1×10~5×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含むことを特徴とする、培養組成物。
【請求項4】
血清及び/又は血小板、基礎培地、並びに請求項1~3の何れか1項に記載のTIL細胞を増幅するための培養組成物を含み、
好ましくは、前記培養組成物が、下記特徴、即ち、
前記基礎培地が、AIM-V、X-VIVO、DMEM、RPMI1640、OpTmizerTM、FUJIFILM Irvin MHM-Cから選ばれること、
前記血清が、ヒトAB血清、対象自己血清又は動物由来血清から選ばれること、
血清の濃度が1~10%であること、
前記血小板が他家血小板又は対象自家血小板であること、
前記血小板の密度が0.5×10~1.0×10/mLであること、
IL-2の濃度が200~6000IU/mLであること、
IL-7の濃度が5~100ng/mLであること、
IL-15の濃度が5~100ng/mLであること、
PD-1抗体の濃度が1~100μg/mLであること、
IL-21の濃度が5~100ng/mLであること、
IL-12の濃度が5~100ng/mLであること、
CD3抗体の濃度が0.5~10μg/mLであること、
CD28抗体の濃度が0.5~10μg/mLであること、
CD137抗体の濃度が1~100μg/mLであること、
GITR抗体の濃度が1~100μg/mLであること、
GM-CSFの濃度が200~5000U/mLであること、
TWS119の濃度が1~500μMであること、から選ばれる1つ又は複数を有することを特徴とする、TIL細胞増幅培地。
【請求項5】
請求項1~3の何れか1項に記載の培養組成物又は請求項4に記載の培地の、TIL細胞を含む薬物の製造における使用であって、
好ましくは、前記薬物ががんを治療するために利用され、
より好ましくは、前記がんが、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫から選ばれる1種又は複数種である、使用。
【請求項6】
TIL細胞群体の増幅方法であって、
請求項4に記載の培地でTIL細胞群体をインキュベートするステップを含み、
好ましくは、前記インキュベートが少なくとも5日間継続し、及び/又は、前記インキュベートが多くとも20日間継続することを特徴とする、方法。
【請求項7】
TIL細胞群体の製造方法であって、
TIL種細胞培地で腫瘍細胞を含む組織をインキュベートして、第1のTIL細胞群体を取得するステップ(1)と、
請求項4に記載の培地で第1のTIL細胞群体をインキュベートして、第2のTIL細胞群体を取得するステップ(2)と、を含み、
好ましくは、下記特徴、即ち、
a)前記腫瘍組織に対して前処理を行い、好ましくは、前記前処理が腫瘍組織を破砕及び/又は解離することを含むこと、
b)前記腫瘍細胞を含む組織ががん患者の腫瘍組織又は体液であること、
c)ステップ(1)に係るTIL種細胞培地が、1)IL-2、IL-6、IL-21、IFN-γ、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、2)IL-2、IL-4、IL-10、IL-21、CD137抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、3)IL-2、IL-7、IL-12、IL-21、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、4)IL-1β、IL-2、IL-7、G-CSF、GM-CSF、IFN-γ、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、5)IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、TIGIT抗体、CTLA-4抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、6)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、7)IL-2、IL-4、IL-10、IL-15、G-CSF、M-CSF、CD28抗体、OX-40抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、8)IL-2、IL-7、IL-15、IFN-γ、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、9)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、IFN-γ、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、10)IL-2、IL-7、IL-12、G-CSF、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、11)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、PD-1抗体、RRx-001、CAL-101、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、12)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、M-CSF、PD-1抗体、CNI-1493、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、13)IL-2、IL-7、IL-15、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、14)IL-2、IL-6、IL-12、G-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、CTLA-4抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、LYC-55716、GENE-1858、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、15)IL-1α、IL-2、IL-9、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、TIGIT抗体、CNI-1493、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、16)IL-2、IL-7、IL-12、IL-15、IL-21、G-CSF、M-CSF、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、CNI-1493、ダサチニブ、GNE-1858、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、の成分の組み合わせの何れか1種を含むこと、
d)ステップ(1)のインキュベートが少なくとも5日間継続すること、
e)ステップ(1)のインキュベートが多くとも20日間継続すること、
f)ステップ(1)のインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃であること、
g)ステップ(1)のインキュベートのCO濃度が5%であること、
h)ステップ(2)のインキュベートが少なくとも5日間継続すること、
i)ステップ(2)のインキュベートが多くとも20日間継続すること、
j)ステップ(2)のインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃であること、
k)ステップ(2)のインキュベートのCO濃度が5%であること、
l)前記腫瘍細胞を含む組織が、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫などのがんを罹患している対象の腫瘍組織又は体液であること、から選ばれる1つ又は複数を有することを特徴とする、方法。
【請求項8】
TIL細胞群体の製造方法であって、
TIL種細胞培地で腫瘍細胞を含む組織をインキュベートして、第1のTIL細胞群体を取得するステップ(1)と、
(1)に係る第1のTIL細胞群体を、請求項1~3の何れか1項に記載の培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体の何れか1種又は複数種に接触させて、第2のTIL細胞群体を取得するステップ(2)と、
(2)に係る第2のTIL細胞群体を、請求項1~3の何れか1項に記載の培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地に移し、培養して、第3のTIL細胞群体を取得するステップ(3)と、を含み、
好ましくは、下記特徴、即ち、
a)前記腫瘍組織に対して前処理を行い、好ましくは、前記前処理が腫瘍組織を破砕及び/又は解離することを含むこと、
b)前記腫瘍細胞を含む組織ががん患者の腫瘍組織又は体液であること、
c)ステップ(1)に係るTIL種細胞培地が、1)IL-2、IL-6、IL-21、IFN-γ、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、2)IL-2、IL-4、IL-10、IL-21、CD137抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、3)IL-2、IL-7、IL-12、IL-21、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、4)IL-1β、IL-2、IL-7、G-CSF、GM-CSF、IFN-γ、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、5)IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、TIGIT抗体、CTLA-4抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、6)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、7)IL-2、IL-4、IL-10、IL-15、G-CSF、M-CSF、CD28抗体、OX-40抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、8)IL-2、IL-7、IL-15、IFN-γ、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、9)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、IFN-γ、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、10)IL-2、IL-7、IL-12、G-CSF、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、11)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、PD-1抗体、RRx-001、CAL-101、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、12)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、M-CSF、PD-1抗体、CNI-1493、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、13)IL-2、IL-7、IL-15、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、14)IL-2、IL-6、IL-12、G-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、CTLA-4抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、LYC-55716、GENE-1858、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、15)IL-1α、IL-2、IL-9、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、TIGIT抗体、CNI-1493、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、16)IL-2、IL-7、IL-12、IL-15、IL-21、G-CSF、M-CSF、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、CNI-1493、ダサチニブ、GNE-1858、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、の成分の組み合わせの何れか1種を含むこと、
d)ステップ(1)のインキュベートが少なくとも5日間継続すること、
e)ステップ(1)のインキュベートが多くとも20日間継続すること、
f)ステップ(1)のインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃であること、
g)ステップ(1)のインキュベートのCO濃度が5%であること、
h)ステップ(2)に係るマトリックスがマルチウェルプレート、細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグであること、
i)ステップ(2)に係るカップリングが共有結合又は非共有結合によるカップリングであること、
j)ステップ(2)に係るマトリックスにカップリングする抗体がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体の何れか1種又は複数種を含み、好ましくは、CD3抗体、CD28抗体を含み、より好ましくは、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体を含むこと、
k)ステップ(2)に係る接触が、ステップ(1)に係る第1のTIL細胞群体をマトリックスにカップリングする抗体と共にインキュベートすることであり、好ましくは、前記インキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃であり、好ましくは、前記インキュベートのCO濃度が5%であること、
l)ステップ(2)において、前記インキュベートが、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地で行われること、
m)ステップ(2)に係る第1のTIL細胞群体の密度が1.0×10/mL~1.0×10/mLであり、好ましくは、2.0×10/mL~1.0×10/mLであり、より好ましくは、2.5×10/mL~3.5×10/mLであること、
n)ステップ(2)に係る接触が1~3日間継続し、好ましくは、2~3日間継続すること、
o)ステップ(3)におけるインキュベートが少なくとも5日間継続すること、
p)ステップ(3)におけるインキュベートが多くとも20日間継続すること、
q)ステップ(3)のインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃であること、
r)ステップ(3)のインキュベートのCO濃度が5%であること、
s)前記腫瘍細胞を含む組織が、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫などのがんを罹患している対象の腫瘍組織又は体液であること、から選ばれる1つ又は複数を有することを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項6~8の何れか1項に記載の方法で取得する、TIL細胞群体。
【請求項10】
請求項9に記載のTIL細胞群体の、がんを治療するための薬物の製造における用途であって、
好ましくは、前記がんが、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫から選ばれる1種又は複数種である、用途。
【請求項11】
請求項9に記載のTIL細胞群体と、薬学的に許容される添加物と、を含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項9に記載のTIL細胞群体と、凍結保存液と、を含み、
好ましくは、前記凍結保存液が細胞凍結保存液又は組織凍結保存液であり、
好ましくは、前記凍結保存液が無血清凍結保存液である、細胞凍結保存製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関し、具体的には、腫瘍浸潤リンパ球培地及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍免疫治療分野の進展により、このような治療が現代がん治療の主流となっている。近年、抗腫瘍免疫を活性化して向上する様々な方策は開発され、さまざまな臨床研究において評価された。悪性腫瘍に対する免疫治療は、主に、免疫チェックポイント(例えば、CTLA4、PD1/PDL1)モノクローナル抗体治療、キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞治療、TCR-T治療などを含み、近年、その臨床効果が注目を集めている。そのうち、CAR-T細胞治療は血液腫瘍免疫においてその効果が非常に顕著であるが、CAR-T、TCR-T及び/又は免疫チェックポイント阻害剤療法は、固形腫瘍免疫治療において、程度が異なるが、ボトルネックに直面している。
【0003】
1998年に腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の患者治療における使用ケースは初めて米国国立がん研究所(NCI)外科支部(Surgery Branch)により報道されている。TILを幅広く研究した結果、黒色腫患者の腫瘍組織から抗腫瘍活性を有する細胞を分離できることがわかる。近年、養子免疫細胞療法(ACT)にとって、体積が大きい難治性腫瘍、特に固形腫瘍に対して、TILが非常に顕著的な効果を有することは発見された。現在、アメリカIovance Therapeutics社が所有する複数種のTIL細胞薬物は、臨床第II相又は中枢的(pivotal)な第III相に進んでおり、その適応症が黒色腫、子宮頸がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、結腸がん、膵臓がん、肉腫を含む。そのうち、LN145は2019年にFDAから子宮頸がんを適応症とするファストトラック指定(fast track designation)を受けるようになると共に、化学療法期間における子宮頸がん又はその後に進行する末期子宮頸がんを治療するためのBreakthrough Therapyと認定されている。
【0004】
TILを腫瘍免疫治療に利用するには大量な細胞が必要であるが、これはTIL細胞増幅にとって技術及びプロセス制御に関する課題となっている。従来の一般的な方法として、IL-2に基づく前増幅(pre-Rapid Expansion Procedure、pre-REP)を行ってから、「急速増幅過程」(REP)を行う。REPは14日間でTIL細胞をさらに1000倍増幅することができ、該過程では、フィーダー細胞(feeder cell)として大量又は過量の被曝された複数の供与体由来の同種異系PBMC(単核細胞、MNCとも呼ばれる)、及び抗CD3抗体(OKT3)と高用量IL-2が必要とされる。REP過程を受けたTILは、免疫抑制治療を受けた黒色腫患者に、養子免疫細胞療法(ACT)を施すことができる。WO2018182817A1及びWO2019190579A1では、TILの製造方法であって、前述したTIL増幅培養方法を基に、医薬品法に適合する、産業化、量産化向けの改良TIL培養方法を提供し、1011桁のTILを製造できると共に、培養時間を短縮した、TILの製造方法が開示された。しかしながら、該培養方法は、相変わらず、フィーダー細胞として、被曝された複数の供与体由来の同種異系PBMC細胞が必要とされる。フィーダー細胞の使用によって潜在的な汚染リスクが依然として存在すると共に、製造用フィーダー細胞の製造によって全TIL製造過程の複雑性も向上した。さらに、該方法は高濃度のIL-2(6000IU/mL、3000IU/mL)を使用したため、その後の注入において細胞疲弊のリスクがある。
【0005】
そのため、本分野は、より安全で効率的なTIL細胞のインビトロ増幅システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、従来技術の現状に対して、培地の成分を最適化することで、より安全で効率的なTIL細胞インビトロ増幅システムを開発し、臨床的な使用範囲を拡大した。
【0007】
本発明の一態様は、TIL細胞を増幅するための培養組成物であって、IL-2、IL-7、IL-15及び免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含み、好ましくは、前記免疫チェックポイント抗体がPD-1抗体を含む、培養組成物を提供する。
【0008】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-21、IL-12、GM-CSF、及びメモリーT細胞の比率を向上させる小分子の何れか1種、2種、3種又は4種をさらに含む。好ましくは、前記培養組成物がIL-21及びIL-12、又はIL-21、IL-12及びGM-CSF、又はGM-CSF及びメモリーT細胞の比率を向上させる小分子をさらに含む。好ましくは、前記メモリーT細胞の比率を向上させる小分子がTWS119である。
【0009】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体がPD-1抗体、CTLA-4抗体、LAG3抗体、TIM3抗体、TIGIT抗体、BTLA抗体から選ばれる何れか1種又は複数種を含む。
【0010】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、OX40抗体、GITR抗体、ICOS抗体、CD206抗体、CD40抗体から選ばれる何れか1種又は複数種をさらに含む。好ましくは、前記培養組成物がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体から選ばれる何れか1種、2種、3種又は4種をさらに含む。例えば、前記培養組成物が(1)CD3抗体及びCD28抗体、又は(2)CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体及びGITR抗体をさらに含む。
【0011】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、OX40抗体、GITR抗体、ICOS抗体、CD206抗体、CD40抗体が活性化型抗体である。
【0012】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が自家血小板又は他家血小板をさらに含む。
【0013】
1つ又は複数の実施形態において、前記各抗体がモノクローナル抗体(mAb)である。
【0014】
1つ又は複数の実施形態において、前記1種又は複数種の抗体がマトリックスにカップリングする。1つ又は複数の実施形態において、前記マトリックスが固体マトリックスであり、例えば、微小球、ウェルプレート、ディッシュ、細胞培養フラスコ又は細胞培養バッグである。好ましくは、前記微小球が磁気ビーズである。好ましくは、前記カップリングは共有結合又は非共有結合によるカップリングである。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、GM-CSFを含む。
【0015】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体を含む。
【0016】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CD3抗体、CD28抗体を含む。好ましくは、前記CD3抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0017】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、GM-CSFを含む。好ましくは、前記CD3抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0018】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体を含む。好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0019】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、GITR抗体、CD3抗体、CD28抗体、TWS119、CD137抗体を含む。好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0020】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、TIGIT抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GM-CSFを含む。好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0021】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、LAG3抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体を含む。好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0022】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、TIGIT抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、自家血小板を含む。好ましくは、前記CD3抗体、CD137抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0023】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CTLA-4抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体、GM-CSF、TWS119、他家血小板を含む。好ましくは、前記CD3抗体及びCD28抗体がマトリックスにカップリングする。
【0024】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるIL-2の濃度が200~6000IU/mLであり、例えば、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000IU/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるIL-2の濃度が200~950、200~850、200~750、200~650、200~550、200~500IU/mLである。
【0025】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるIL-7の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるIL-7の濃度が5~65、5~55、5~45、5~35、5~25、5~15ng/mLである。
【0026】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるIL-15の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるIL-15の濃度が5~65、5~55、5~45、5~35、5~25、5~15、10~50ng/mLである。
【0027】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるPD-1抗体の濃度が1~100μg/mLであり、例えば、1、2、3、5、7、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるPD-1抗体の濃度が1~65、1~55、1~45、1~35、1~25、1~15、1~8、1~6、1~4、1~3μg/mLである。
【0028】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるIL-21の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるIL-21の濃度が5~65、5~55、5~45、5~35、5~25、5~15ng/mLである。
【0029】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるIL-12の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるIL-12の濃度が5~65、10~55、10~45、10~35、10~25、15~25、10~15ng/mLである。
【0030】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるCD3抗体の濃度が0.5~10μg/mLであり、例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるCD3抗体の濃度が0.5~9.5、0.5~8.5、0.5~7.5、0.5~6.5、0.5~5.5、0.5~3、1.5~4.5、2.5~3.5μg/mLである。
【0031】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるCD28抗体の濃度が0.5~10μg/mLであり、例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるCD28抗体の濃度が0.5~9.5、0.5~8.5、0.5~7.5、0.5~6.5、0.5~5.5、0.5~1、1.5~4.5、2.5~3.5μg/mLである。
【0032】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるCD137抗体の濃度が1~100μg/mLであり、例えば、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるCD137抗体の濃度が1~95、1~85、1~75、1~65、1~55、1~45、1~35、1~25、1~15、1~9、1.5~8、2~7、2.5~6、2.5~5、3~5μg/mLである。
【0033】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるGITR抗体の濃度が1~100μg/mLであり、例えば、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるGITR抗体の濃度が1~95、1~85、1~75、1~65、1~55、1~45、1~35、1~25、1~15、1~9、1.5~8、2~7、2.5~6、3~5、2~3μg/mLである。
【0034】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるGM-CSFの濃度が200~5000U/mLであり、例えば、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000U/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるGM-CSFの濃度が200~1500、200~1200、200~950、200~850、200~750、200~650、200~550、200~500U/mLである。
【0035】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物におけるTWS119の濃度が1~500μMであり、例えば、1、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500μM、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物におけるTWS119の濃度が1~250、2~150、3~95、4~85、5~75、6~65、7~55、8~45、9~35、10~25、10~15μMである。
【0036】
1つ又は複数の上記実施形態において、培養組成物における自家血小板又は他家血小板の濃度が0.5×10/mL~1.0×10/mLであり、例えば、0.5×10、1.0×10、1.5×10、2.0×10、2.5×10、3.0×10、3.5×10、4.0×10、4.5×10、5.0×10、5.5×10、6.0×10、6.5×10、7.0×10、7.5×10、8.0×10、8.5×10、9.0×10、9.5×10、1.0×10/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、培養組成物における自家血小板又は他家血小板の濃度が0.5×10~9.5×10、0.5×10~7.5×10、0.5×10~5.5×10、1.0×10~5.5×10、1.0×10~5.0×10、1.0×10~4.5×10、1.0×10~4.0×10、1.0×10~3.5×10、1.5×10~3.0×10、1.5×10~2.5×10/mLである。
【0037】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IUのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:3~100μg/mLのPD-1抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、及び3~100μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0038】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、及び3~50μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0039】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、及び3μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0040】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IUのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、及び1~100μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0041】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、及び3~50μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0042】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、及び1μg/mLのPD-1抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0043】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:3~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:1~10μg/mLのCD3抗体:1~10μg/mLのCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、及び200~5000U/mLのGM-CSF、又は前記成分の同率濃縮物を含む。
【0044】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:1~5μg/mLのCD3抗体:1~5μg/mLのCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、1~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0045】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:20ng/mLのIL-12:3μg/mLのCD3抗体:3μg/mLのCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、20ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、3μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0046】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:3~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:1~10μg/mLのCD3抗体:0.5~10μg/mLのCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、0.5~10μg/mLのCD28抗体、及び200~5000U/mLのGM-CSF、又は前記成分の同率濃縮物を含む。
【0047】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:1~5μg/mLのCD3抗体:0.5~5μg/mLのCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、1~5μg/mLのCD3抗体、0.5~5μg/mLのCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0048】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200IU/mLのIL-2:50ng/mLのIL-7:50ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:10ng/mLのIL-12:3μg/mLのCD3抗体:0.5μg/mLのCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200IU/mLのIL-2、50ng/mLのIL-7、50ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、10ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、0.5μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0049】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:3~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:1~10μg/mLのCD3抗体:1~10μg/mLのCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0050】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:1~5μg/mLのCD3抗体:1~5μg/mLのCD28抗体:1~5μg/mLのCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、1~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、及び1~5μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0051】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、400IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:20ng/mLのIL-12:3μg/mLのCD3抗体:3μg/mLのCD28抗体:3μg/mLのCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、400IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、20ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、3μg/mLのCD28抗体、3μg/mLのCD137抗体、及び3μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0052】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:0.5~10μg/mLのCD3抗体:1~10μg/mLのCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、0.5~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0053】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:0.5~5μg/mLのCD3抗体:1~5μg/mLのCD28抗体:1~5μg/mLのCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、0.5~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、及び1~5μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0054】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、400IU/mLのIL-2:30ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:15ng/mLのIL-12:0.5μg/mLのCD3抗体:1μg/mLのCD28抗体:2.5μg/mLのCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、400IU/mLのIL-2、30ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、1μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、15ng/mLのIL-12、0.5μg/mLのCD3抗体、1μg/mLのCD28抗体、2.5μg/mLのCD137抗体、及び3μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0055】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:3~100μg/mLのPD-1抗体:1~10μg/mLのCD3抗体:1~10μg/mLのCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体:200~5000U/mLのGM-CSF:1~500μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、及び1~500μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0056】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体:1~5μg/mLのCD3抗体:1~5μg/mLのCD28抗体:1~5μg/mLのCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体:200~500U/mLのGM-CSF:1~100μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、1~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、1~5μg/mLのGITR抗体、200~500U/mLのGM-CSF、及び1~100μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0057】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、300IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:3μg/mLのCD3抗体:3μg/mLのCD28抗体:3μg/mLのCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体:200U/mLのGM-CSF:10μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、300IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、3μg/mLのCD3抗体、3μg/mLのCD28抗体、3μg/mLのCD137抗体、3μg/mLのGITR抗体、200U/mLのGM-CSF、及び10μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0058】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、300IU/mLのIL-2:40ng/mLのIL-7:40ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:1μg/mLのCD3抗体:1μg/mLのCD28抗体:5μg/mLのCD137抗体:2μg/mLのGITR抗体:200U/mLのGM-CSF:10μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、300IU/mLのIL-2、40ng/mLのIL-7、40ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、1μg/mLのCD3抗体、1μg/mLのCD28抗体、5μg/mLのCD137抗体、2μg/mLのGITR抗体、200U/mLのGM-CSF、及び10μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0059】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0060】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0061】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、3μg/mLのCD3抗体、0.5μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0062】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:0.5~10μg/mLのCD3抗体:0.5~10μg/mLのCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0063】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:0.5~5μg/mLのCD3抗体:0.5~5μg/mLのCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0064】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:10ng/mLのIL-12:3μg/mLのCD3抗体:0.5μg/mLのCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、10ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、0.5μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0065】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及びマトリックスにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0066】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及びマトリックスにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0067】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:50ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD137抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、50ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、1μg/mLのPD-1抗体、細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体、細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体、及び細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0068】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体:1~500μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、及び1~500μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0069】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体:1~100μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~5μg/mLのGITR抗体、及び1~100μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0070】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、300IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:25ng/mLのIL-15:2μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体:10μMのTWS119を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、300IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、25ng/mLのIL-15、2μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、3μg/mLのGITR抗体、及び10μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0071】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~100μg/mLのTIGIT抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのTIGIT抗体、及び200~5000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0072】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~5μg/mLのTIGIT抗体:200~500U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~5μg/mLのTIGIT抗体、及び200~500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0073】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:7ng/mLのIL-7:50ng/mLのIL-15:2μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:2.5μg/mLのTIGIT抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、7ng/mLのIL-7、50ng/mLのIL-15、2μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、2.5μg/mLのTIGIT抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0074】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのLAG-3抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:0.5~10μg/mLのCD3抗体:0.5~10μg/mLのCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのLAG-3抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、0.5~10μg/mLのCD3抗体、0.5~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0075】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのLAG-3抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:0.5~5μg/mLのCD3抗体:0.5~5μg/mLのCD28抗体:1~5μg/mLのCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのLAG-3抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、0.5~5μg/mLのCD3抗体、0.5~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、及び1~5μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0076】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、400IU/mLのIL-2:30ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:3μg/mLのLAG-3抗体:10ng/mLのIL-21:15ng/mLのIL-12:0.5μg/mLのCD3抗体:1μg/mLのCD28抗体:2.5μg/mLのCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、400IU/mLのIL-2、30ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、3μg/mLのLAG-3抗体、10ng/mLのIL-21、15ng/mLのIL-12、0.5μg/mLのCD3抗体、1μg/mLのCD28抗体、2.5μg/mLのCD137抗体、及び3μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0077】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~100μg/mLのTIGIT抗体:1~100μg/mLのCD40抗体:1~100μg/mLのOX-40抗体:1×10~5×10/mLの自家血小板を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのTIGIT抗体、1~100μg/mLのCD40抗体、1~100μg/mLのOX-40抗体、及び1×10~5×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0078】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~50μg/mLのTIGIT抗体:1~50μg/mLのCD40抗体:1~50μg/mLのOX-40抗体:1×10~3×10/mLの自家血小板を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~50μg/mLのTIGIT抗体、1~50μg/mLのCD40抗体、1~50μg/mLのOX-40抗体、及び1×10~3×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0079】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:25ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD137抗体:2.5μg/mLのTIGIT抗体:2μg/mLのCD40抗体:3μg/mLのOX-40抗体:3×10/mLの自家血小板を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、25ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、2.5μg/mLのTIGIT抗体、2μg/mLのCD40抗体、3μg/mLのOX-40抗体、及び3×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0080】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:1~100μg/mLのCTLA-4抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体:200~5000U/mLのGM-CSF:1×10~5×10/mLの他家血小板を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、1~100μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、及び1×10~5×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0081】
好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:1~50μg/mLのCTLA-4抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:1~50μg/mLのCD137抗体:1~50μg/mLのGITR抗体:200~500U/mLのGM-CSF:1×10~3×10/mLの他家血小板を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、1~50μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~50μg/mLのCD137抗体、1~50μg/mLのGITR抗体、200~500U/mLのGM-CSF、及び1×10~3×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0082】
より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、300IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体:2μg/mLのCTLA-4抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:5μg/mLのCD137抗体:2μg/mLのGITR抗体:200U/mLのGM-CSF:1×10/mLの他家血小板を含む。1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、成分として、300IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、1μg/mLのPD-1抗体、2μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、5μg/mLのCD137抗体、2μg/mLのGITR抗体、200U/mLのGM-CSF、及び1×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0083】
本発明は、本明細書に係るTIL細胞を増幅するための培養組成物、血清及び/又は血小板、並びに基礎培地を含む、TIL細胞増幅培地をさらに提供する。
【0084】
1つ又は複数の実施形態において、基礎培地が、AIM-V、X-VIVO、DMEM、RPMI1640、OpTmizerTM、FUJIFILM Irvin MHM-Cから選ばれる。
【0085】
1つ又は複数の実施形態において、血清が、ヒトAB血清、対象自己血清又は動物由来血清から選ばれる。
【0086】
1つ又は複数の実施形態において、血清の濃度が1~10%であり、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。好ましくは、血清の濃度が1.5~9.5%、2.5~8.5%、3.5~7.5%、4.5~6.5%である。
【0087】
1つ又は複数の実施形態において、前記血小板の密度が0.5×10/mL~3×10/mLであり、例えば、0.5×10/mL、1×10/mL、1.5×10/mL、2×10/mL、2.5×10/mL、3×10/mLである。
【0088】
1つ又は複数の実施形態において、血小板が対象自己血由来の血小板又は同種血由来の血小板である。
【0089】
1つ又は複数の実施形態において、前記培地が抗生物質をさらに含む。好ましくは、前記抗生物質がペニシリン、ストレプトマイシンから選ばれる1種又は複数種である。
【0090】
1つ又は複数の実施形態において、培地におけるペニシリンの濃度が10~1000IU/mL、20~800IU/mL、50~100IU/mLである。
【0091】
1つ又は複数の実施形態において、培地におけるペニシリンの濃度が10~1000IU/mL、20~800IU/mL、50~100IU/mLである。
【0092】
本発明は、細胞培養成分、サイトカイン、免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含み、前記サイトカインがIL-2を含み、前記免疫チェックポイントがPD-1、LAG-3、TIGIT及び/又はCTLA-4を含み、前記細胞培養成分が血清培地又は無血清培地である、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の種細胞培地をさらに提供する。
【0093】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-2の濃度が約3000IU/mL以下である。
【0094】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-2の濃度が約2000IU/mL~約3000IU/mLである。
【0095】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがIL-7を含む。
【0096】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-7の濃度が約200~約1000U/mLである。
【0097】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがIL-15を含む。
【0098】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-15の濃度が約200~約500U/mLである。
【0099】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインが腫瘍壊死因子TNFを含む。
【0100】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがTNFαを含む。
【0101】
1つ又は複数の実施形態において、前記TNFαの濃度が約10~約100pg/mLである。
【0102】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがコロニー刺激因子を含む。
【0103】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがGM-CSF、G-CSF及び/又はM-CSFを含む。
【0104】
1つ又は複数の実施形態において、前記GM-CSFの濃度が約200~約5000U/mLである。
【0105】
1つ又は複数の実施形態において、前記G-CSFの濃度が約300U/mL~約1000U/mLである。
【0106】
1つ又は複数の実施形態において、前記M-CSFの濃度が約300U/mL~約800U/mLである。
【0107】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがインターフェロンを含む。
【0108】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがIFN-γ、IFN-α及び/又はIFN-βを含む。
【0109】
1つ又は複数の実施形態において、前記IFN-γの濃度が約10~約1000ng/mLである。
【0110】
1つ又は複数の実施形態において、前記IFN-γの濃度が約300~約1000U/mLである。
【0111】
1つ又は複数の実施形態において、前記IFN-αの濃度が約500U/mL~約1000U/mLである。
【0112】
1つ又は複数の実施形態において、前記IFN-βの濃度が約200U/mL~約500U/mLである。
【0113】
1つ又は複数の実施形態において、前記サイトカインがIL-4、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-9、IL-18、IL-12、IL-21及び/又はIL-10をさらに含む。
【0114】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-4の濃度が約200~約500U/mLである。
【0115】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-1αの濃度が約200~約500U/mLである。
【0116】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-1βの濃度が約200~約500U/mLである。
【0117】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-6の濃度が約200~約500U/mLである。
【0118】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-9の濃度が約200~約500U/mLである。
【0119】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-18の濃度が約200~約500U/mLである。
【0120】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-12の濃度が約200~約1000U/mLである。
【0121】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-21の濃度が約200~約500U/mLである。
【0122】
1つ又は複数の実施形態において、前記IL-10の濃度が約200~約500U/mLである。
【0123】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がヒトPD-1抗体又はその抗原結合断片である。
【0124】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片が前記PD-1抗体又はその抗原結合断片であり、前記PD-1抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約100μg/mLである。
【0125】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がヒトLAG-3抗体又はその抗原結合断片である。
【0126】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がLAG-3抗体又はその抗原結合断片であり、前記LAG-3抗体又はその抗原結合断片の濃度が約3~約10μg/mLである。
【0127】
1つ又は複数の実施形態において、前記TIGIT抗体又はその抗原結合断片がヒトTIGIT抗体又はその抗原結合断片である。
【0128】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がTIGIT抗体又はその抗原結合断片であり、前記TIGIT抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約25μg/mLである。
【0129】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がヒトCTLA-4抗体又はその抗原結合断片である。
【0130】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCTLA-4抗体又はその抗原結合断片であり、前記CTLA-4抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約100μg/mLである。
【0131】
1つ又は複数の実施形態において、前記種細胞培地が共刺激受容体抗体又はその抗原結合断片をさらに含み、前記共刺激受容体又はその抗原結合断片がCD40抗体又はその抗原結合断片、OX-40抗体又はその抗原結合断片、CD137抗体又はその抗原結合断片及び/又はCD28抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0132】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCD137抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0133】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD137抗体又はその抗原結合断片がヒトCD137抗体又はその抗原結合断片である。
【0134】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD137抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約100μg/mLである。
【0135】
1つ又は複数の実施形態において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCD28抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0136】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD28抗体又はその抗原結合断片がヒトCD28抗体又はその抗原結合断片である。
【0137】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD28抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約10μg/mLである。
【0138】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD40抗体又はその抗原結合断片がヒトCD40抗体又はその抗原結合断片である。
【0139】
1つ又は複数の実施形態において、前記CD40抗体又はその抗原結合断片の濃度が約5~約10μg/mLである。
【0140】
1つ又は複数の実施形態において、前記OX-40抗体又はその抗原結合断片がヒトOX-40抗体又はその抗原結合断片である。
【0141】
1つ又は複数の実施形態において、前記OX-40抗体又はその抗原結合断片の濃度が約3~約10μg/mLである。
【0142】
1つ又は複数の実施形態において、前記血清培地が血清を含む。
【0143】
1つ又は複数の実施形態において、前記血清がヒトAB血清を含む。
【0144】
1つ又は複数の実施形態において、前記血清の濃度が約1~約10%(v/v)である。
【0145】
1つ又は複数の実施形態において、前記血清培地がAIM-V培地を含む。
【0146】
1つ又は複数の実施形態において、前記無血清培地がX-VIVO培地を含む。
【0147】
1つ又は複数の実施形態において、前記細胞培養成分が抗生物質を含む。
【0148】
1つ又は複数の実施形態において、前記細胞培養成分がペニシリン-ストレプトマイシン混合液PSを含む。
【0149】
1つ又は複数の実施形態において、前記ペニシリン-ストレプトマイシン混合液PSの濃度が約1~約200U/mLである。
【0150】
1つ又は複数の実施形態において、前記種細胞培地がM2型マクロファージ阻害剤をさらに含み、前記M2型マクロファージ阻害剤がRRx001及び/又はCNI-1493を含む。
【0151】
1つ又は複数の実施形態において、前記M2型マクロファージ阻害剤の濃度が約0.1~約100μMである。
【0152】
1つ又は複数の実施形態において、前記種細胞培地が制御性T細胞(Treg)阻害剤をさらに含み、前記制御性T細胞阻害剤がCAL-101、ダサチニブ(dasatinib)、イマチニブ(imatinib)及び/又はパノビノスタット(Panobinostat)を含む。
【0153】
1つ又は複数の実施形態において、前記制御性T細胞阻害剤の濃度が約0.1~約100μMである。
【0154】
1つ又は複数の実施形態において、前記種細胞培地が骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)阻害剤をさらに含み、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤がAG490、デシタビン(decitabine)、スニチニブ及び/又はBBI608を含む。
【0155】
1つ又は複数の実施形態において、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤の濃度が約0.1~約100μg/mLである。
【0156】
1つ又は複数の実施形態において、前記種細胞培地がT細胞活性化剤をさらに含み、前記T細胞活性化剤がLYC-55716、GNE-1858及び/又はメチレンブルーを含む。
【0157】
1つ又は複数の実施形態において、前記T細胞活性化剤の濃度が約1~約10μMである。
【0158】
1つ又は複数の実施形態において、前記種細胞培地がT細胞分化阻害剤をさらに含み、前記T細胞分化阻害剤がTWS119を含む。
【0159】
1つ又は複数の実施形態において、前記T細胞分化阻害剤の濃度が約1~約10μMである。
【0160】
別の様態において、本願は、本願に係る種細胞培地により培養された腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体を提供する。
【0161】
別の様態において、本願は、本願に係る腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0162】
別の様態において、本願は、前記腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体、及び本願に係る医薬組成物の、がんを治療するための薬物の製造における使用を提供する。
【0163】
1つ又は複数の実施形態において、前記がんが、黒色腫、神経膠腫、胃がん、肺がん、消化管間質腫瘍、腸がん、肝がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、子宮内膜間質肉腫、骨盤低分化型腺がん、胆管がんから選ばれる。
【0164】
別の様態において、本願は、前記種細胞培地の、腫瘍浸潤リンパ球の増幅における使用を提供する。
【0165】
別の様態において、本願は、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の培養方法であって、本願に係る種細胞培地で単離された腫瘍浸潤リンパ球を培養するステップを含む方法を提供する。
【0166】
別の様態において、本願は、腫瘍浸潤リンパ球の増幅方法であって、本願に係る種細胞培地で単離された腫瘍浸潤リンパ球を培養して、前記腫瘍浸潤リンパ球の種細胞を取得するステップを含む方法を提供する。
【0167】
1つ又は複数の実施形態において、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が、必要とする被験者の腹水、手術で切除した原発巣サンプル、手術で切除した同時性及び異時性転移巣サンプル、穿刺サンプル、体液から選ばれるサンプルに由来する。
【0168】
1つ又は複数の実施形態において、前記体液が血液、組織液、リンパ液及び/又は体腔貯留液を含む。
【0169】
1つ又は複数の実施形態において、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が、黒色腫、神経膠腫、胃がん、肺がん、消化管間質腫瘍、腸がん、肝がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、子宮内膜間質肉腫、骨盤低分化型腺がん、胆管がんから選ばれる腫瘍に由来する。
【0170】
1つ又は複数の実施形態において、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が切除された腫瘍組織に由来し、前記切除された腫瘍組織の直径が約1mm~約10mmである。
【0171】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養の時間が約3~20日間である。
【0172】
1つ又は複数の実施形態において、前記培養の温度が約30~42℃である。
【0173】
本発明は、本明細書に係るTIL細胞を増幅するための培養組成物の、TIL細胞を増幅するための培地又はTIL細胞を含む薬物の製造における使用をさらに提供する。1つ又は複数の実施形態において、前記薬物ががんを治療するために利用される。
【0174】
1つ又は複数の実施形態において、前記がんが、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫から選ばれる。
【0175】
本発明は、本明細書に係るTIL細胞を増幅するための培地の、TIL細胞を含む薬物の製造における使用をさらに提供する。1つ又は複数の実施形態において、前記薬物ががんを治療するために利用される。
【0176】
1つ又は複数の実施形態において、前記がんが、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫から選ばれる。
【0177】
本発明は、TIL細胞群体の増幅方法であって、本明細書に係る培地でTIL細胞群体をインキュベートするステップを含む方法をさらに提供する。
【0178】
1つ又は複数の実施形態において、前記インキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続する。
【0179】
1つ又は複数の実施形態において、前記インキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。
【0180】
本発明は、TIL細胞群体の製造方法であって、
TIL種細胞培地で腫瘍細胞を含む組織をインキュベートして、第1のTIL細胞群体を取得するステップ(1)と、
(2)本明細書に係る培地で第1のTIL細胞群体をインキュベートして、第2のTIL細胞群体を取得するステップと、を含む方法をさらに提供する。
【0181】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織ががん患者から取得される。
【0182】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織に対して前処理を行う。1つ又は複数の実施形態において、前記前処理が腫瘍組織を破砕及び/又は解離することを含む。
【0183】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織に対して機械切断の方式により破砕した組織ブロックを形成する。
【0184】
1つ又は複数の実施形態において、前記破砕した組織ブロックのサイズが2×2×2mm、3×3×3mm、4×4×4mm、5×5×5mm、又は6×6×6mmである。
【0185】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のインキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続する。
【0186】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のインキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。
【0187】
2つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のインキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続する。
【0188】
2つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のインキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。
【0189】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る第1のTIL細胞群体から開始した接種密度が2.0×10/cm~5.0×10/cmであり、好ましくは、2.5×10/cm~4.5×10/cmであり、より好ましくは、2.5×10/cm~3.0×10/cmである。
【0190】
1つ又は複数の実施形態において、腫瘍細胞を含む組織が、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫などのがんを罹患している対象の腫瘍組織又は体液である。
【0191】
1つ又は複数の実施形態において、前記体液が血液、胸水、組織液、リンパ液及び/又は腹水を含む。
【0192】
1つ又は複数の実施形態において、前記TIL種細胞培地が前述した通りであり、引用によりその全文が本願に組み込まれているPCT/CN2021/096585に記載される内容を参照する。
【0193】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)に係るインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。
【0194】
2つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)に係るインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。
【0195】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)及びステップ(2)に係るインキュベートのCO濃度が5%である。
【0196】
本発明は、TIL細胞群体の製造方法であって、
TIL種細胞培地で腫瘍細胞を含む組織をインキュベートして、第1のTIL細胞群体を取得するステップ(1)と、
(1)に係る第1のTIL細胞群体を、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体の何れか1種又は複数種に接触させて、第2のTIL細胞群体を取得するステップ(2)と、
(2)に係る第2のTIL細胞群体を、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地に移し、培養して、第3のTIL細胞群体を取得するステップ(3)と、を含む方法をさらに提供する。
【0197】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織ががん患者から取得される。
【0198】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織が手術又は生検により取得した腫瘍組織である。
【0199】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織に対して前処理を行う。1つ又は複数の実施形態において、前記前処理が腫瘍組織を破砕及び/又は解離することを含む。
【0200】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍組織に対して機械切断の方式により破砕した組織ブロックを形成する。
【0201】
1つ又は複数の実施形態において、前記破砕した組織ブロックのサイズが2×2×2mm、3×3×3mm、4×4×4mm、5×5×5mm、又は6×6×6mmである。
【0202】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のTIL種細胞培地が前述したTIL種細胞培地である。
【0203】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)に係るインキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。
【0204】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)に係るインキュベートのCO濃度が5%である。
【0205】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のインキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続する。
【0206】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(1)のインキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。
【0207】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係るマトリックスにカップリングする抗体がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体の何れか1種又は複数種を含み、好ましくは、CD3抗体、CD28抗体を含み、より好ましくは、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体を含む。
【0208】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係るマトリックスがマルチウェルプレート、細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグである。
【0209】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係るカップリングが共有結合又は非共有結合によるカップリングによるカップリングである。
【0210】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る接触が、ステップ(1)に係る第1のTIL細胞群体をマトリックスにカップリングする抗体と共にインキュベートすることであり、好ましくは、前記インキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。好ましくは、前記インキュベートのCO濃度が5%である。
【0211】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)において、前記インキュベートが、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地で行われる。
【0212】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る接触が1~3日間継続する。好ましくは、2~3日間継続する。
【0213】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る第1のTIL細胞群体の密度が1.0×10/mL~1.0×10/mLであり、好ましくは、2.0×10/mL~1.0×10/mLであり、より好ましくは、2.5×10/mL~3.5×10/mLである。
【0214】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)の培養が少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続する。
【0215】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)の培養が多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。
【0216】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る培養の温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。
【0217】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る培養のCO濃度が5%である。
【0218】
本発明は、本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体をさらに提供する。
【0219】
本発明は、本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体の、がんを治療するための薬物の製造における用途をさらに提供する。
【0220】
1つ又は複数の実施形態において、前記がんが、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫から選ばれる。
【0221】
本発明は、前述した本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体と、薬学的に許容される添加物とを含む、医薬組成物をさらに提供する。
【0222】
1つ又は複数の実施形態において、前記医薬組成物が、本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体とヒドロキシクロロキンとを含む。好ましくは、前記医薬組成物が化学療法薬をさらに含む。より好ましくは、前記化学療法薬がシクロホスファミドである。
【0223】
本発明は、前述した本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体と凍結保存液とを含む、細胞凍結保存製剤をさらに提供する。
【0224】
1つ又は複数の実施形態において、前記凍結保存液が細胞凍結保存液又は組織凍結保存液である。
【0225】
1つ又は複数の実施形態において、前記凍結保存液が無血清凍結保存液であり、例えば、BioLife SolutionsのCryoStor CS10凍結保存液である。
【0226】
本発明は、
固形腫瘍患者の腫瘍組織を取得して、前述したTIL細胞群体の製造方法でTIL細胞を製造するステップ(1)と、
固形腫瘍患者に対して前処理を行うステップ(2)と、
前処理が行われた固形腫瘍患者に(1)におけるTIL細胞を注入するステップ(3)と、を含む固形腫瘍の治療方法をさらに提供する。
【0227】
1つ又は複数の実施形態において、前記固形腫瘍の治療方法が、
治療効果について評価するステップ(4)をさらに含んでもよい。
【0228】
1つ又は複数の実施形態において、前記固形腫瘍が、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫を含む。
【0229】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る前処理が、前記固形腫瘍患者に対して化学療法薬とヒドロキシクロロキンを投与することを含む。1つ又は複数の実施形態において、前記化学療法薬がシクロホスファミドである。
【0230】
1つ又は複数の実施形態において、前記シクロホスファミドの用量が5~50mg/kg/日である。好ましくは、20~50mg/kg/日である。より好ましくは、20~25mg/kg/日である。
【0231】
1つ又は複数の実施形態において、前記ヒドロキシクロロキンの用量が400mg/日~800mg/日である。好ましくは、500mg/日~800mg/日である。より好ましくは、600mg/日~800mg/日である。
【0232】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る前処理が、TIL細胞注入前の6日目-注入前の3日目の任意の1日間、2日間又は3日間で行われる。好ましくは、前記前処理が、TIL細胞注入前の5日目、4日目及び3日目で行われる。
【0233】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(2)に係る前処理が、TIL細胞注入前の5日目で前記固形腫瘍患者に経口により400~800mgのヒドロキシクロロキンを、静脈注射により5~50mg/kgのシクロホスファミドを投与し、注入前の4日目と3日目で前記固形腫瘍患者に静脈注射により5~50mg/kgのシクロホスファミドをそれぞれ投与することを含む。
【0234】
1つ又は複数の実施形態において、前記シクロホスファミドが静脈注射又は経口により投与される。
【0235】
1つ又は複数の実施形態において、前記ヒドロキシクロロキンが静脈注射又は経口により投与される。
【0236】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る(1)におけるTIL細胞が本明細書に係る細胞凍結保存製剤に存在する。
【0237】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る自己注入するTIL細胞の数が1.0×1010~1.2×1011個のTIL細胞である。好ましくは、2.0×1010~8.0×1010個のTIL細胞である。より好ましくは、2.0×1010~5.0×1010個のTIL細胞である。さらに好ましくは、2.0×1010~4.0×1010個のTIL細胞である。
【0238】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る自己注入するTIL細胞の数が、1.0×1010個のTIL細胞、1.5×1010個のTIL細胞、2.0×1010個のTIL細胞、2.5×1010個のTIL細胞、3.0×1010個のTIL細胞、3.5×1010個のTIL細胞、4.0×1010個のTIL細胞、4.5×1010個のTIL細胞、5.0×1010個のTIL細胞、5.5×1010個のTIL細胞、6.0×1010個のTIL細胞、6.5×1010個のTIL細胞、7.0×1010個のTIL細胞、7.5×1010個のTIL細胞、8.0×1010個のTIL細胞、8.5×1010個のTIL細胞、9.0×1010個のTIL細胞、9.5×1010個のTIL細胞、1.0×1011個のTIL細胞、1.2×1010個のTIL細胞である。
【0239】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る注入するTIL細胞の細胞製剤の細胞密度が1.0×10/mL~2.0×10/mLである。
【0240】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る注入するTIL細胞の細胞製剤の体積が200mL~600mLである。
【0241】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(3)に係る自己注入が静脈注射により行われる。
【0242】
1つ又は複数の実施形態において、ステップ(4)に係る治療効果評価が腫瘍イメージング評価と腫瘍マーカー発現レベル評価を含む。
【0243】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍イメージング評価がCT及び/又はMRIにより行われる。好ましくは、前記腫瘍イメージング評価の基準がRECIST v1.1である。
【0244】
1つ又は複数の実施形態において、前記腫瘍マーカー発現レベルが免疫組織化学、血液指標検出及び/又はハイスループットシークエンシング検出により行う。
【0245】
発明の優位性:
1)本発明は、IL-2を除くサイトカインと活性化型抗体を導入するなど、成分が最適化された増幅培地を使用することで、インビトロ培養過程において腫瘍微小環境で抑制されるTIL細胞を再度効果的に活性化させることができる。
2)IL-2の用量を大量に低減すると共に、細胞増殖と活性を保証し、潜在的な細胞疲弊リスクを低減するほか、最適化されたインビトロ培養プロセスで培養するTIL細胞のIL-2に対する依存度を大幅に低減する。
3)本発明に係るTIL細胞培地及びTIL細胞培養方法で培養するTILは、IL-2に対する依存度が大幅に低減したため、臨床患者に注入する前の前処理において通常の治療案では必要とされる化学療法薬のフルダラビンを無くすことができ、使用される化学療法薬のシクロホスファミドの用量が現在の通常用量より大幅に低減したほか、通常のTIL注入後にIL-2を大用量で注射することに対して、注入後にIL-2を注射しなくても、生体内において効率的且つ安定的に増殖することができ、且つ高グレードの有害事象がないことから、顕著でプラスの治療効果が示されると共に、臨床の副作用が大幅に低減された。また、一部の身体症状が悪化し、高用量のIL-2治療に耐えられない末期固形腫瘍患者に対しても、本発明に係る培養法で製造するTIL細胞を利用して自己注入治療を施すことができ、即ち、本発明に係るTIL細胞培地及びTIL細胞培養方法で製造するTIL細胞はより多くの潜在的な固形腫瘍患者に対応できる。
4)本発明に係るTIL細胞は、増幅過程においてフィーダー細胞(例えば、外来同種異系PBMC又はその他の細胞)を使用しないため、外来汚染を減少すると共に、製造プロセスを大幅に簡略化し、製造コストを削減し、製造時間を短縮した。本発明に係る培地でTIL細胞を製造することで、フィーダー細胞を使用せずに1010~1011細胞を素早く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0246】
図1】組織サンプルT001に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図2】組織サンプルT002に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図3】組織サンプルT003に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図4】組織サンプルT004に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図5】組織サンプルT005に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図6】組織サンプルT006に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図7】組織サンプルT007に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図8】組織サンプルT008に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図9】組織サンプルT009に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図10】組織サンプルT010に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図11】組織サンプルT011に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図12】組織サンプルT012に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図13】組織サンプルT013に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図14】組織サンプルT014に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図15】組織サンプルT015に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図16】組織サンプルT016に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図17】組織サンプルT017に由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果図である。
図18】T001に由来するTILの標的細胞HGC27に対するRTCA殺傷効果図である。
図19】T002に由来するTILの標的細胞A375に対するRTCA殺傷効果図である。
図20】T003に由来するTILの標的細胞HeLaに対するRTCA殺傷効果図である。
図21】T005に由来するTILの標的細胞HGC27に対するRTCA殺傷効果図である。
図22】T004に由来するTILの標的細胞HGC27に対するRTCA殺傷効果図である。
図23】T006に由来するTILの同種腫瘍オルガノイドに対する殺傷効果図である。
図24】T001に由来するTILの、HGC27により誘導されるCDX腫瘍組織マウスモデルに対する殺傷効果である。
図25】T002に由来するTILの、A375により誘導される腫瘍組織CDXマウスモデルに対する殺傷効果である。
図26】T008に由来するTILの相同的対合のPDX腫瘍組織マウスモデルに対する殺傷効果図である。
図27】T007に由来するTILの相同的対合のPDX腫瘍組織マウスモデルに対する生体内腫瘍トロピズム効果図である。
図28】TIL細胞注入治療を受けたT009患者の各時点のイメージング評価結果である。
図29】T009患者の注入前から注入約120日後の期間内の、末梢血における白血球、好中球及びリンパ球の数の変化傾向曲線図である。
図30】T009患者の注入前から注入20日後の期間内の、末梢血における白血球、好中球及びリンパ球の数の変化傾向曲線図である。
図31】T009患者の末梢血に注入するTIL細胞のTCRクローン型の頻度及びリンパ球の総数の経時変化の重ね合せ傾向である。
【発明を実施するための形態】
【0247】
TIL細胞培養の外来汚染を減少すると共に、製造プロセスを簡略化し、製造コストを削減し、製造時間を短縮するために、本発明者らは、腫瘍組織でTIL細胞を製造するための増幅(REP)培地、及びTIL細胞を製造又は増幅するための方法を開発した。これらの培地でTIL細胞を処理することで、フィーダー細胞を使用しなくても、1010~1011以上の細胞を素早く増幅することができる。
【0248】
用語の定義
本願において、通常、用語「インターフェロン」はウイルス複製と細胞増殖を抑制すると共に、免疫応答を調節し、高度な種特異性を有するタンパク質ファミリーである。代表的且つ適切なインターフェロンとして、組換えインターフェロンα-2b、組換えインターフェロンα-2a、組換えインターフェロンα-2C、インターフェロンα-n1、コンセンサスαインターフェロン、又はインターフェロンα-n3を含むが、これらに限定されない。
【0249】
本願において、通常、用語「コロニー刺激因子」は分泌型グリコプロテインであり、造血幹細胞の表面における受容体タンパク質に結合することで、細胞内のシグナル伝達経路を活性化させて、細胞が増殖して、特定種類の血細胞(通常、白血球であり、赤血球の形成について、エリスロポエチンを参照)に分化することに繋がる。これらは人工的に合成してもよく、外部から投与してもよい。
【0250】
本願において、通常、用語「抗原結合断片」は抗体分子の一部であり、抗体と抗原との特異的結合を担当するアミノ酸を含む。抗原における、抗体によって特異的に認識及び結合する部分は、上記に示される「エピトープ」と呼ばれる。上記に示されるように、抗原結合ドメインは抗体軽鎖可変領域(VL)と抗体重鎖可変領域(VH)を代表的に含んでもよいが、必ずしも両者共に含むとも限らない。Fd断片は、例えば、通常、2つのVH領域を有すると共に、完全抗原結合ドメインの幾つかの抗原結合機能を保持する。抗体の抗原結合断片の例は、(1)VL、VH、定常軽鎖(CL)、CH1ドメインを有する、一価断片であるFab断片、(2)ヒンジ領域のジスルフィド架橋により連結される2つのFab断片を有する、二価断片であるF(ab’)2断片、(3)2つのVHとCH1ドメインを有するFd断片、(4)抗体シングルアームのVLとVHドメインを有するFv断片、(5)VHドメインを有するdAb断片(Wardら、“Binding Activities of a Repertoire of Single Immunoglobulin Variable Domains Secreted From Escherichia coli,”Nature 341:544-546(1989)、その全文が引用の形で本明細書に組み込まれる)、(6)単離された相補性決定領域(CDR)、及び(7)例えば、scFV-ライブラリーに由来する一本鎖Fv(scFv)を含む。Fv断片の2つのドメインであるVL及びVHは、独立した遺伝子によりコードされるが、組換え法を利用して合成コネクソンにより連結してもよい。Fv断片は、合成コネクソンによりそのVL及びVH領域がペアリングするように製造されて、一価分子である単一のタンパク質鎖(一本鎖Fv(scFv)とも呼ばれる)が形成される(例えば、Hustonら,“Protein Engineering of Antibody Binding Sites: Recovery of Specific Activity in an Anti-Digoxin Single-Chain Fv Analogue Produced in Escherichia coli,”Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883(1988)を参照)。これらの抗体断片が当業者に知られている通常の技術により取得され、且つ前記断片の機能が完全抗体と同様に評価される。本願において、用語「抗原結合断片」は、抗原、特に細胞表面受容体分子抗原に特異的に結合するリガンドをさらに含む。通常、リガンドは、機能的反応を引き起こすように、高親和力及び特異的な方式で受容体タンパク質(例えば、前記抗原)に結合できるポリペプチド又は化合物である。例えば、前記リガンドが、CD40のリガンドCD40L、CD137のリガンドCD137L、CD28のリガンドCD80及び/又はOX-40のリガンドOX-40Lを含んでもよい。
【0251】
本願において、通常、用語「免疫チェックポイント」はCD4+及びCD8+T細胞の細胞表面における1組の分子である。これらの分子は、抗腫瘍免疫応答をダウンレギュレーション又は抑制する「ブレーキ」として効果的に機能できる。DNA、RNA又はタンパク質のレベルを抑制することで、これらの抑制分子を抑制してもよい。
【0252】
本願において、通常、用語「活性化型抗体」は、免疫細胞、例えば、T細胞のT細胞表面受容体に対応する抗体であり、前記T細胞表面受容体が例えば、TCR及び/又は共刺激受容体である。これらの抗体は、TCR及び/又は共刺激受容体に結合することで、これらの受容体の下流にある活性化シグナル経路を活性化させ、前記免疫細胞の活性化と増殖のレベルを顕著に向上させることができる。
【0253】
本願において、通常、用語「共刺激受容体」は、免疫細胞、例えば、T細胞の表面に発現する、活性化免疫応答反応が依存する受容体である。共刺激受容体は、抗原提示細胞が存在し、且つ第1のシグナルが提供された前提で、その対応する活性化型抗体、リガンド又は抗原結合断片に結合することで、共刺激シグナルをオンにして、免疫エフェクター細胞を完全に活性化させる。通常、共刺激受容体に仲介されるシグナル経路の活性化は、免疫応答の効果的な発生にとって、重要な役割を果たしている。よく使われる共刺激受容体がCD28、CD40、CD137、及びOX-40を含むが、これらに限定されない。
【0254】
本願において、通常、用語「腫瘍壊死因子TNF」はTNFタンパク質であり、TNFリガンドのスーパーファミリーではない。ヒトTNFαのGenbank登録番号はNP_000585.2である。用語「TNFα」は、TNFαの前駆体形態、前TNFα(pro-TNFα)、完全長TNFα、及び細胞内のプロセスで発生される任意の形態のTNFαを含む。該用語は、例えば、スプライスバリアント、アレルバリアント、及びアイソタイプなど、TNFαの天然存在及び非天然存在バリアントをさらに含む。TNFαがTNFR1(1型TNF受容体、CD120a、p55/60)及びTNFR2(2型TNF受容体、CD120b、p75/80)の2つの受容体に結合できる。TNFαは炎症性サイトカインの働きを果たし、例えば、神経炎において機能する。
【0255】
本願において、通常、用語「腫瘍浸潤リンパ球」は腫瘍組織から単離された浸潤リンパ球である。免疫組織化学染色によれば、腫瘍浸潤リンパ球がCD3+T細胞、CD20+、CD79α+B細胞、形質細胞、及びCD56+NK細胞を含んでもよく、T細胞、少量のB細胞、NK細胞、マクロファージ、及び樹状細胞をさらに含んでもよい。前記腫瘍浸潤リンパ球は、そのまま細胞傷害性Tリンパ球或いは分泌サイトカインを介して効率的且つ高特異的な抗腫瘍細胞傷害効果を果たす。本願において、前記腫瘍浸潤リンパ球が単球白血球を含んでもよく、前記単球白血球が血液から離れて腫瘍に遷移する。前記腫瘍浸潤リンパ球が、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT細胞からなる群より選ばれてもよい。
【0256】
本願において、通常、用語「種細胞」は、本願に係る培地を含む任意の適切な培地で腫瘍組織から培養した腫瘍浸潤リンパ球である。これらの細胞は、その後培養をさらに拡大する開始細胞群体としてもよく、例えば、被験者個体に注入治療を施すための細胞群体など、最終用途の細胞群体としてもよい。前記種細胞は任意の異なる培養時間で腫瘍組織から取得してもよい。前記種細胞の培養時間が特定の培養時間に限定されず、前記種細胞のその後の用途によって決定してもよい。
【0257】
本願において、通常、用語「IL-15」はT細胞(特に、腸管上皮細胞間リンパ球(IEL))及びナチュラルキラー(NK)細胞の有効成長因子、生存因子、活性化因子に当たる炎症性サイトカインであり、「IL-15抗原」及び「インターロイキン15」とも呼ばれてもよい。CD、関節リウマチ(RA)、乾癬を含む複数種の炎症性疾患において、IL-15の発現増加が証明された(Malamutら、2010)。IL-15はCD免疫病理の中心調節因子及びRCDにおいてリンパ腫を形成する非冗長駆動因子と考えられる。
【0258】
本願において、通常、用語「IL-2」は、リンホカインにより誘導されて、正常な末梢血リンパ球から発生すると共に低濃度で生体内に存在するタンパク質である。IL-2は最初にMorganら(1976)Science193:1007-1008に記述されており、Tリンパ球の増殖を誘導・刺激することができるため、当初T細胞成長因子と呼ばれる。該用語は、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など、IL-2の発現後修飾のタンパク質も含む。
【0259】
本願において、通常、用語「IL-7」はIL-7遺伝子によりコードされるタンパク質である。IL-7は骨髄及び胸腺における間質細胞が分泌する造血成長因子であり、角化細胞、樹状細胞、肝細胞、神経細胞や上皮細胞から発生できる。IL-7はT細胞及びB細胞に対する作用に関する。
【0260】
本願において、通常、用語「PD-1」はCD28ファミリーに属する免疫抑制性受容体である。PD-1は主にその前に活性化したT細胞にインビボで発現すると共に、PD-1とPD-2の2種のリガンドに結合する。完全なhPD-1配列はGenBank登録番号U64863を参照する。
【0261】
本願において、通常、用語「LYC-55716」はRORγ活性化剤であり、そのCAS番号が2055536-64-4である。
【0262】
本願において、通常、用語「GNE-1858」はHPK1阻害剤であり、そのCAS番号がT11438である。
【0263】
本願において、通常、用語「TWS119」はGSK-3阻害剤であり、そのCAS番号が601514-19-6である。
【0264】
本願において、通常、用語「RRX-001」は放射線増感活性を有するエピジェネティクス調整剤である。前記RRX-001は、CD47/SIRPα軸をダウンレギュレーションすることができると共に、腫瘍微小環境におけるTAM及びその他の免疫サプレッサー細胞を免疫刺激表現型に改めて極性化する。そのCAS番号が925206-65-1である。
【0265】
本願において、通常、用語「CNI-1493」は炎症性サイトカイン(TNFを含む)の産生を阻害できる化合物であり、そのCAS番号が164301-51-3である。
【0266】
本明細書において、用語「TIL誘導」は動物の腫瘍からTIL細胞を単離する過程である。TIL細胞をインビトロで所定数に増幅した後、動物の生体内に注入することで、腫瘍の成長や転移を抑制する効果が得られる。
【0267】
本発明は、開放術又は最小侵襲手術で取得する腫瘍組織を含む任意の腫瘍組織からTILを単離することに適する。例示的な腫瘍組織は、例えば、胃がん、甲状腺腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、肺がん、黒色腫、頭頸部がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝がん、結腸直腸がん、神経膠腫、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、腎がん、骨肉腫などのがんの腫瘍組織である。
【発明の詳細な説明】
【0268】
本発明は、TIL細胞を増幅するための培養組成物及び培地を提供する。前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15及び免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含む。幾つかの形態において、前記培養組成物がIL-21、IL-12、GM-CSF、及びメモリーT細胞の比率を向上させる小分子の何れか1種、2種、3種又は4種をさらに含む。前記メモリーT細胞の比率を向上させる小分子がTWS119を含むが、これに限定されない。
【0269】
前記免疫チェックポイント抗体がPD-1抗体、CTLA-4抗体、LAG3抗体、TIM3抗体、TIGIT抗体、BTLA抗体から選ばれる何れか1種又は複数種である。
【0270】
前記培養組成物がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、OX40抗体、GITR抗体、ICOS、CD206抗体、CD40抗体の何れか1種又は複数種をさらに含んでもよい。好ましくは、前記培養組成物がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体の何れか1種、2種、3種又は4種をさらに含む。本明細書に係る培養組成物又は培地における抗体が分散又は固定の形態で存在してもよい。例えば、上記1種又は複数種の抗体がマトリックス(例えば、固体マトリックス)に結合されてもよい。特定の例示的な一実施形態において、前記固体マトリックスが微小球、例えば、磁気ビーズである。特定の例示的な一実施形態において、前記固体マトリックスが細胞培養用プレートであり、例えば、ウェルプレート、ディッシュ、細胞培養フラスコ又は細胞培養バッグである。
【0271】
本明細書において、免疫チェックポイント抗体が免疫細胞における自己免疫機能を調節するタンパク質分子に対する抗体である。
【0272】
本明細書において、本分野に知られている通り、天然の完全抗体は四量体であり、2本の同じ重鎖ポリペプチドと2本の同じ軽鎖ポリペプチドを含む。各重鎖が、少なくとも4つのドメイン、即ち、アミノ末端の可変ドメインVH、定常ドメインCH1、定常ドメインCH2、カルボキシ末端の定常ドメインCH3を含む。各軽鎖が、2つのドメイン、即ち、アミノ末端の可変ドメインVL、カルボキシ末端の定常ドメインCLを含む。各可変領域が、3つの「相補性決定領域」、即ち、CDR1、CDR2、CDR3、及び4つの「フレームワーク」領域、即ち、FR1、FR2、FR3、FR4を含む。「抗原結合断片」は、抗体における標的抗原に特異的に結合できる断片を示す。抗体又はその抗原結合断片が、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd’断片、Fd断片、Fv断片、ジスルフィド結合により結合されたFv断片、一本鎖抗体(scFv)、単離されたCDR又はCDRグループ、ポリペプチド-Fc融合体、単一ドメイン抗体、ラクダ科抗体、マスキング抗体、小型モジュール免疫薬、二機能抗体、ナノボディ抗体、Humabody抗体を含む。
【0273】
具体的な実施形態において、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、GM-CSFを含む。或いは、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体を含む。或いは、前記培養組成物がIL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、GITR抗体、GM-CSF、TWS119を含む。
【0274】
本発明に係るTIL細胞増幅培地が、本明細書に係るTIL細胞を増幅するための培養組成物、血清及び/又は血小板、並びに基礎培地を含む。本明細書に係る培養組成物又は培地が抗生物質をさらに含んでもよい。好ましくは、前記抗生物質がペニシリン、ストレプトマイシンから選ばれる1種又は複数種である。
【0275】
本明細書に係る培養組成物又は培地において、IL-2の濃度が200~6000IU/mLであり、例えば、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000IU/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、IL-7の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、IL-15の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、PD-1抗体の濃度が1~100μg/mLであり、例えば、1、2、3、5、7、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、IL-21の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、IL-12の濃度が5~100ng/mLであり、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ng/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、CD3抗体の濃度が0.5~10μg/mLであり、例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、CD28抗体の濃度が0.5~10μg/mLであり、例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、CD137抗体の濃度が1~100μg/mLであり、例えば、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、培養組成物におけるGITR抗体の濃度が1~100μg/mLであり、例えば、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μg/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、培養組成物におけるGM-CSFの濃度が200~5000U/mLであり、例えば、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000U/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲であり、TWS119の濃度が1~500μMであり、例えば、1、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500μM、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。
【0276】
具体的な実施形態において、本明細書に係る培養組成物又は培地が、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、及び3~100μg/mLのPD-1抗体を含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、及び3~50μg/mLのPD-1抗体を含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、500IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、及び3μg/mLのPD-1抗体を含む。前記培地が、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、OpTmizerTMをさらに含む。
【0277】
別の具体的な実施形態において、本明細書に係る培養組成物又は培地が、200~6000IUのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体を含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体を含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体を含む。前記培地が、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、OpTmizerTMをさらに含む。
【0278】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物又は培地が、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、及び200~5000U/mLのGM-CSFを含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、1~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSFを含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、20ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、3μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSFを含む。前記培地が、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、AIM-Vをさらに含む。
【0279】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物又は培地が、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:3~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:1~10μg/mLのCD3抗体:0.5~10μg/mLのCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:3~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:1~5μg/mLのCD3抗体:0.5~5μg/mLのCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200IU/mLのIL-2:50ng/mLのIL-7:50ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:10ng/mLのIL-12:3μg/mLのCD3抗体:0.5μg/mLのCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。前記培地が、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、AIM-Vをさらに含む。
【0280】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物又は培地が、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体を含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、1~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、及び1~5μg/mLのGITR抗体を含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、400IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、20ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、3μg/mLのCD28抗体、3μg/mLのCD137抗体、及び3μg/mLのGITR抗体を含む。前記培地が、自家血小板、PS二重特異性抗体、X-VIVOをさらに含む。
【0281】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物又は培地が、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:0.5~10μg/mLのCD3抗体:1~10μg/mLのCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体を含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:0.5~5μg/mLのCD3抗体:1~5μg/mLのCD28抗体:1~5μg/mLのCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体を含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、400IU/mLのIL-2:30ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:15ng/mLのIL-12:0.5μg/mLのCD3抗体:1μg/mLのCD28抗体:2.5μg/mLのCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体を含む。前記培地が、自家血小板、PS二重特異性抗体、X-VIVOをさらに含む。
【0282】
その他の具体的な実施形態において、前記培養組成物又は培地が、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、3~100μg/mLのPD-1抗体、1~10μg/mLのCD3抗体、1~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、及び1~500μMのTWS119を含む。好ましくは、前記培養組成物又は培地が、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、3~50μg/mLのPD-1抗体、1~5μg/mLのCD3抗体、1~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、1~5μg/mLのGITR抗体、200~500U/mLのGM-CSF、及び1~100μMのTWS119を含む。より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、300IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、3μg/mLのCD3抗体、3μg/mLのCD28抗体、3μg/mLのCD137抗体、3μg/mLのGITR抗体、200U/mLのGM-CSF、及び10μMのTWS119を含む。或いは、より好ましくは、前記培養組成物又は培地が、300IU/mLのIL-2:40ng/mLのIL-7:40ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:1μg/mLのCD3抗体:1μg/mLのCD28抗体:5μg/mLのCD137抗体:2μg/mLのGITR抗体:200U/mLのGM-CSF:10μMのTWS119を含む。前記培地が、他家血小板、PS二重特異性抗体、MHM-Cをさらに含む。
【0283】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。
【0284】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、3μg/mLのCD3抗体、0.5μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0285】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:0.5~10μg/mLのCD3抗体:0.5~10μg/mLのCD28抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:0.5~5μg/mLのCD3抗体:0.5~5μg/mLのCD28抗体:200~1000U/mLのGM-CSFを含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:10ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:10ng/mLのIL-21:10ng/mLのIL-12:3μg/mLのCD3抗体:0.5μg/mLのCD28抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。
【0286】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及び200~1000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、10ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、10ng/mLのIL-21、10ng/mLのIL-12、3μg/mLのCD3抗体、0.5μg/mLのCD28抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0287】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体を含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:50ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD137抗体を含む。
【0288】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及びマトリックスにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、及びマトリックスにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、50ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、1μg/mLのPD-1抗体、細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体、細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体、及び細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD137抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0289】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体:1~500μMのTWS119を含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体:1~100μMのTWS119を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、300IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:25ng/mLのIL-15:2μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体:10μMのTWS119を含む。
【0290】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、及び1~500μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~5μg/mLのGITR抗体、及び1~100μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、300IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、25ng/mLのIL-15、2μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、3μg/mLのGITR抗体、及び10μMのTWS119、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0291】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~100μg/mLのTIGIT抗体:200~5000U/mLのGM-CSFを含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~5μg/mLのTIGIT抗体:200~500U/mLのGM-CSFを含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:7ng/mLのIL-7:50ng/mLのIL-15:2μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:2.5μg/mLのTIGIT抗体:500U/mLのGM-CSFを含む。
【0292】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのTIGIT抗体、及び200~5000U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~5μg/mLのTIGIT抗体、及び200~500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、7ng/mLのIL-7、50ng/mLのIL-15、2μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、2.5μg/mLのTIGIT抗体、及び500U/mLのGM-CSF、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0293】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのLAG-3抗体:5~100ng/mLのIL-21:5~100ng/mLのIL-12:0.5~10μg/mLのCD3抗体:0.5~10μg/mLのCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体を含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのLAG-3抗体:5~50ng/mLのIL-21:5~50ng/mLのIL-12:0.5~5μg/mLのCD3抗体:0.5~5μg/mLのCD28抗体:1~5μg/mLのCD137抗体:1~5μg/mLのGITR抗体を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、400IU/mLのIL-2:30ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:3μg/mLのLAG-3抗体:10ng/mLのIL-21:15ng/mLのIL-12:0.5μg/mLのCD3抗体:1μg/mLのCD28抗体:2.5μg/mLのCD137抗体:3μg/mLのGITR抗体を含む。
【0294】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのLAG-3抗体、5~100ng/mLのIL-21、5~100ng/mLのIL-12、0.5~10μg/mLのCD3抗体、0.5~10μg/mLのCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、及び1~100μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのLAG-3抗体、5~50ng/mLのIL-21、5~50ng/mLのIL-12、0.5~5μg/mLのCD3抗体、0.5~5μg/mLのCD28抗体、1~5μg/mLのCD137抗体、及び1~5μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、400IU/mLのIL-2、30ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、3μg/mLのLAG-3抗体、10ng/mLのIL-21、15ng/mLのIL-12、0.5μg/mLのCD3抗体、1μg/mLのCD28抗体、2.5μg/mLのCD137抗体、及び3μg/mLのGITR抗体、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0295】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~100μg/mLのTIGIT抗体:1~100μg/mLのCD40抗体:1~100μg/mLのOX-40抗体:1×10~5×10/mLの自家血小板を含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:マトリックスにカップリングするCD137抗体:1~50μg/mLのTIGIT抗体:1~50μg/mLのCD40抗体:1~50μg/mLのOX-40抗体:1×10~3×10/mLの自家血小板を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、500IU/mLのIL-2:5ng/mLのIL-7:25ng/mLのIL-15:3μg/mLのPD-1抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD3抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD28抗体:細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグにカップリングするCD137抗体:2.5μg/mLのTIGIT抗体:2μg/mLのCD40抗体:3μg/mLのOX-40抗体:3×10/mLの自家血小板を含む。
【0296】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~100μg/mLのTIGIT抗体、1~100μg/mLのCD40抗体、1~100μg/mLのOX-40抗体、及び1×10~5×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、1~50μg/mLのTIGIT抗体、1~50μg/mLのCD40抗体、1~50μg/mLのOX-40抗体、及び1×10~3×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、500IU/mLのIL-2、5ng/mLのIL-7、25ng/mLのIL-15、3μg/mLのPD-1抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、マトリックスにカップリングするCD137抗体、2.5μg/mLのTIGIT抗体、2μg/mLのCD40抗体、3μg/mLのOX-40抗体、及び3×10/mLの自家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0297】
別の1つ又は複数の実施形態において、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~6000IU/mLのIL-2:5~100ng/mLのIL-7:5~100ng/mLのIL-15:1~100μg/mLのPD-1抗体:1~100μg/mLのCTLA-4抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:1~100μg/mLのCD137抗体:1~100μg/mLのGITR抗体:200~5000U/mLのGM-CSF:1×10~5×10/mLの他家血小板を含む。好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、200~500IU/mLのIL-2:5~50ng/mLのIL-7:5~50ng/mLのIL-15:1~50μg/mLのPD-1抗体:1~50μg/mLのCTLA-4抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:1~50μg/mLのCD137抗体:1~50μg/mLのGITR抗体:200~500U/mLのGM-CSF:1×10~3×10/mLの他家血小板を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、下記比率の各成分、即ち、300IU/mLのIL-2:10ng/mLのIL-7:30ng/mLのIL-15:1μg/mLのPD-1抗体:2μg/mLのCTLA-4抗体:マトリックスにカップリングするCD3抗体:マトリックスにカップリングするCD28抗体:5μg/mLのCD137抗体:2μg/mLのGITR抗体:200U/mLのGM-CSF:1×10/mLの他家血小板を含む。
【0298】
別の具体的な実施形態において、前記培養組成物が、成分として、200~6000IU/mLのIL-2、5~100ng/mLのIL-7、5~100ng/mLのIL-15、1~100μg/mLのPD-1抗体、1~100μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~100μg/mLのCD137抗体、1~100μg/mLのGITR抗体、200~5000U/mLのGM-CSF、及び1×10~5×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。好ましくは、前記培養組成物が、成分として、200~500IU/mLのIL-2、5~50ng/mLのIL-7、5~50ng/mLのIL-15、1~50μg/mLのPD-1抗体、1~50μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、1~50μg/mLのCD137抗体、1~50μg/mLのGITR抗体、200~500U/mLのGM-CSF、及び1×10~3×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。より好ましくは、前記培養組成物が、成分として、300IU/mLのIL-2、10ng/mLのIL-7、30ng/mLのIL-15、1μg/mLのPD-1抗体、2μg/mLのCTLA-4抗体、マトリックスにカップリングするCD3抗体、マトリックスにカップリングするCD28抗体、5μg/mLのCD137抗体、2μg/mLのGITR抗体、200U/mLのGM-CSF、及び1×10/mLの他家血小板、又はこれらの成分の同率濃縮物を含む。
【0299】
本明細書に係る抗体が任意の種に由来する抗体又は組換え抗体であってもよく、好ましくは、モノクローナル抗体である。これらの抗体が本分野において周知されており、例えば、PD-1抗体Tislelizumab、PD-1抗体Sintilimab、PD-1抗体Toripalimab、PD-1抗体Camrelizumab、CD3抗体ab86883、CD28抗体MAB342、CN103951753BにおけるSEQ ID NO:104及びSEQ ID NO:105に示されるGITR抗体、CN111182919AにおけるSEQ ID NO:10及びSEQ ID NO:11に示されるCD137抗体である。これらの特許文献又は開示は引用により全文が本願に組み込まれている。
【0300】
上記誘導組成物又は培地において、CD3抗体とCD28抗体の濃度比が3:1~1:6、2:1~1:5、1:1~1:4である。上記増幅組成物又は培地において、CD3抗体とCD28抗体の濃度比が3:1~1:6、2:1~1:5、1:1~1:4であり、CD3抗体とCD137抗体の濃度比が3:1~1:6、2:1~1:5、1:1~1:4である。
【0301】
本明細書に係る血清が本分野における既知の動物細胞(例えば、TIL細胞)の培養に利用できる任意の血清であってもよく、例えば、ヒトAB血清、対象自己血清又は動物由来血清である。血清の濃度が1~10%であり、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。
【0302】
本明細書に係る血小板が対象血液由来の血小板又は同種血由来の血小板であってもよい。血小板の密度が0.5×10/mL~3×10/mLであり、例えば、0.5×10/mL、1×10/mL、1.5×10/mL、2×10/mL、2.5×10/mL、3×10/mL、又は上記数値の何れか2つの間の範囲である。
【0303】
本明細書に係る「基礎培地」が本分野における既知のTIL細胞の培養に利用できる任意の培地であり、AIM-V、X-VIVO、DMEM、RPMI1640、OpTmizer、MHM-Cを含むが、これらに限定されない。これらの培地は成分及び含有量が本分野において周知されており、その由来が実施例に記載されている。
【0304】
本明細書に係る方法で使用されるTIL種細胞培地が本分野における既知の腫瘍組織からTIL細胞の増殖を誘導できる任意の培地であってもよい。例示的なTIL種細胞培地はPCT/CN2021/096585に記載される通りであり、引用によりその全文が本明細書に組み込まれている。
【0305】
例えば、本明細書に係るTIL種細胞培地は、細胞培養成分、サイトカイン、免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含み、前記サイトカインがIL-2を含み、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がPD-1抗体又はその抗原結合断片を含み、前記細胞培養成分が血清培地又は無血清培地である。前記IL-2の濃度が約3000IU/mL以下又は約200IU/mL以下である。一態様において、本願は、細胞培養成分、サイトカイン、免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片を含み、前記サイトカインがIL-2を含み、前記免疫チェックポイントがPD-1、LAG-3、TIGIT及び/又はCTLA-4を含み、前記細胞培養成分が血清培地又は無血清培地である、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞培地を提供する。
【0306】
本願において、前記サイトカインがヒト化サイトカインであってもよい。
【0307】
本願において、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がヒト化及び/又は完全ヒト化抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0308】
例えば、前記IL-2の濃度が約3000IU/mL以下であってもよい(例えば、約2900IU/mL以下、約2800IU/mL以下、約2700IU/mL以下、約2600IU/mL以下、約2500IU/mL以下、約2400IU/mL以下、約2300IU/mL以下、約2200IU/mL以下、約2100IU/mL以下、約2000IU/mL以下、約1900IU/mL以下、約1800IU/mL以下、約1700IU/mL以下、約1600IU/mL以下、約1500IU/mL以下、約1400IU/mL以下、約1300IU/mL以下、約1100IU/mL以下、約1000IU/mL以下、約900IU/mL以下、約800IU/mL以下、約700IU/mL以下、約600IU/mL以下、約500IU/mL以下、約400IU/mL以下、約300IU/mL以下又はさらに低くてもよい)。例えば、前記IL-2の濃度が約2000IU/mL以下、約2500IU/mL以下、又は約3000IU/mL以下であってもよい。
【0309】
例えば、前記サイトカインがIL-7を含んでもよい。
【0310】
例えば、前記IL-7の濃度が約5~約100ng/mLであってもよい(例えば、約5~約95ng/mL、約5~約90ng/mL、約5~約85ng/mL、約5~約80ng/mL、約5~約75ng/mL、約5~約70ng/mL、約5~約65ng/mL、約5~約60ng/mL、約5~約55ng/mL、約5~約50ng/mL、約5~約45ng/mL、約5~約40ng/mL、約5~約35ng/mL、約5~約30ng/mL、約5~約25ng/mL、約5~約20ng/mL又は約5~約10ng/mLであってもよい)。例えば、前記IL-7の濃度が約200~約1000U/mLであってもよい(例えば、少なくとも約200U/mL、少なくとも約500U/mL、又は少なくとも約1000U/mLであってもよい)。本願において、前記IL-7の濃度が約200~1000IU/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、少なくとも約500IU/mL、又は少なくとも約1000IU/mLであってもよい。
【0311】
例えば、前記サイトカインがIL-15を含んでもよい。
【0312】
例えば、前記IL-15の濃度が約5~約100ng/mLであってもよい(例えば、約5~約95ng/mL、約5~約90ng/mL、約5~約85ng/mL、約5~約80ng/mL、約5~約75ng/mL、約5~約70ng/mL、約5~約65ng/mL、約5~約60ng/mL、約5~約55ng/mL、約5~約50ng/mL、約5~約45ng/mL、約5~約40ng/mL、約5~約35ng/mL、約5~約30ng/mL、約5~約25ng/mL、約5~約20ng/mL又は約5~約10ng/mLであってもよい)。例えば、前記IL-15の濃度が約200~約500U/mLであってもよい(例えば、少なくとも約200U/mL、少なくとも約250U/mL、少なくとも約300U/mL、又は少なくとも約500U/mLであってもよい)。本願において、前記IL-15の濃度が200~500IU/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、少なくとも約250IU/mL、少なくとも約300IU/mL又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0313】
例えば、前記サイトカインが腫瘍壊死因子TNFを含んでもよい。
【0314】
例えば、前記サイトカインがTNFαを含んでもよい。
【0315】
例えば、前記TNFαの濃度が約10~約100pg/mLであってもよい(例えば、約10~約95pg/mL、約10~約90pg/mL、約10~約80pg/mL、約10~約70pg/mL、約10~約60pg/mL、約10~約50pg/mL、約10~約40pg/mL、約15~約40pg/mL、約10~約25pg/mL、約15~約25pg/mL、約10~約30pg/mL、約10~約20pg/mL、又は約10~約15pg/mLであってもよい)。本願において、前記TNF-αの濃度が約10~100pg/mLであってもよい。例えば、約10~100pg/mL、約15~100pg/mL、約20~100pg/mL、又は約25~100pg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約10pg/mL、少なくとも約15pg/mL、少なくとも約20pg/mL、又は少なくとも約25pg/mLであってもよい。
【0316】
例えば、前記サイトカインがコロニー刺激因子を含んでもよい。
【0317】
例えば、前記サイトカインがGM-CSF、G-CSF及び/又はM-CSFを含んでもよい。
【0318】
例えば、前記GM-CSFの濃度が約200~約5000U/mLであってもよい(例えば、約200~約800U/mL、約200~約500U/mL、約300~約5000U/mL、約500~約5000U/mL、約1000~約5000U/mL、約1500~約5000U/mL、約2000~約5000U/mL、約2500~約5000U/mL、約3000~約5000U/mL、約3500~約5000U/mL、約4000~約5000U/mL、又は約45000~約5000U/mLであってもよい)。例えば、約200~約1000U/mL、約200~約800U/mL、約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200U/mL、少なくとも約500U/mL、又は少なくとも約800U/mLであってもよい。
【0319】
例えば、前記G-CSFの濃度が約300U/mL~約1000U/mLであってもよい。例えば、前記G-CSFの濃度が約500~1000U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約500U/mL、又は少なくとも約1000U/mLであってもよい。
【0320】
例えば、前記M-CSFの濃度が約300U/mL~約800U/mLであってもよい。例えば、前記M-CSFの濃度が約300U/mL~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約300U/mL、少なくとも約500U/mL、又は少なくとも約800U/mLであってもよい。
【0321】
例えば、前記サイトカインがインターフェロンを含んでもよい。
【0322】
例えば、前記サイトカインがIFN-γ、IFN-α及び/又はIFN-βを含んでもよい。
【0323】
例えば、前記IFN-γの濃度が約10~約1000ng/mLであってもよい(例えば、約15~約1000ng/mL、約20~約1000ng/mL、約30~約1000ng/mL、約40~約1000ng/mL、約50~約1000ng/mL、約60~約1000ng/mL、約70~約1000ng/mL、約80~約1000ng/mL、約90~約1000ng/mL、約100~約1000ng/mL、約200~約1000ng/mL、約300~約1000ng/mL、約400~約1000ng/mL、約500~約1000ng/mL、約600~約1000ng/mL、約700~約1000ng/mL、約800~約1000ng/mL、又は約900~約1000ng/mLであってもよい)。例えば、前記IFN-γの濃度が約10~約1000ng/mLであってもよい。例えば、前記IFN-γの濃度が約300~約1000ng/mL、約300~約800ng/mL、又は約300~約500ng/mLであってもよい。例えば、少なくとも約300 ng/mL、少なくとも約500 ng/mL、少なくとも約800 ng/mL、又は少なくとも約1000 ng/mLであってもよい。
【0324】
例えば、前記IFN-αの濃度が約500U/mL~約1000U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約500ng/mLであってもよい。
【0325】
例えば、前記IFN-βの濃度が約200U/mL~約500U/mLであってもよい。例えば、前記IFN-βの濃度が約250~約500ng/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約250ng/mL、又は少なくとも約500ng/mLであってもよい。
【0326】
例えば、前記サイトカインがIL-4、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-9、IL-18、IL-12、IL-21及び/又はIL-10をさらに含んでもよい。
【0327】
例えば、前記IL-4の濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0328】
例えば、前記IL-1αの濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0329】
例えば、前記IL-1βの濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0330】
例えば、前記IL-6の濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0331】
例えば、前記IL-9の濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0332】
例えば、前記IL-18の濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0333】
例えば、前記IL-12の濃度が約200~約1000U/mLであってもよい。例えば、前記IL-12の濃度が約200~約1000U/mL、約200~約500U/mL、又は約300~約1000U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、少なくとも約250IU/mL、少なくとも約300IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0334】
例えば、前記IL-21の濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、前記IL-21の濃度が約250~約1000U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、少なくとも約250IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0335】
例えば、前記IL-10の濃度が約200~約500U/mLであってもよい。例えば、少なくとも約200IU/mL、少なくとも約250IU/mL、少なくとも約300IU/mL、又は少なくとも約500IU/mLであってもよい。
【0336】
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がPD-1抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0337】
例えば、前記PD-1抗体又はその抗原結合断片がヒトPD-1抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0338】
例えば、前記PD-1抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約100μg/mLであってもよい(例えば、約3~約100μg/mL、約5~約100μg/mL、約10~約100μg/mL、約15~約100μg/mL、約16~約100μg/mL、約17~約100μg/mL、約18~約100μg/mL、約19~約100μg/mL、約20~約100μg/mL、約25~約100μg/mL、約30~約100μg/mL、約36~約100μg/mL、約40~約100μg/mL、約45~約100μg/mL、約50~約100μg/mL、約55~約100μg/mL、約60~約100μg/mL、約65~約100μg/mL、約70~約100μg/mL、約80~約100μg/mL、又は約90~約100μg/mLであってもよい)。本願において、前記PD-1 mAbの濃度が約3~100μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約3μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約10μg/mL、少なくとも約15μg/mL、少なくとも約20μg/mL、少なくとも約25μg/mL、少なくとも約36μg/mL、少なくとも約50μg/mL、又は少なくとも約100μg/mLであってもよい。
【0339】
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がヒトLAG-3抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0340】
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がLAG-3抗体又はその抗原結合断片であってもよく、前記LAG-3抗体又はその抗原結合断片の濃度が約3~約10μg/mLである。例えば、約5~約10μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約3μg/mL、少なくとも約5μg/mL、又は少なくとも約10μg/mLであってもよい。
【0341】
例えば、前記TIGIT抗体又はその抗原結合断片がヒトTIGIT抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0342】
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がTIGIT抗体又はその抗原結合断片であってもよく、前記TIGIT抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約25μg/mLである。本願において、前記TIGIT mAbの濃度が約2.5~20μg/mLであってもよい。例えば、約5~20μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約2.5μg/mL、少なくとも約5μg/mL、又は少なくとも約20μg/mLであってもよい。
【0343】
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がヒトCTLA-4抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0344】
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCTLA-4抗体又はその抗原結合断片であってもよく、前記CTLA-4抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約100μg/mLである。本願において、前記CTLA-4 mAbの濃度が約3~50μg/mL、約5~50μg/mL、又は約10~50μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約3μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約10μg/mL、又は少なくとも約50μg/mLであってもよい。
【0345】
本願において、前記種細胞培地が共刺激受容体抗体又はその抗原結合断片をさらに含んでもよく、前記共刺激受容体免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCD40抗体又はその抗原結合断片、OX-40抗体又はその抗原結合断片、CD137抗体又はその抗原結合断片、及び/又はCD28抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。
【0346】
例えば、前記共刺激抗体又はその抗原結合断片がCD137抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。
【0347】
例えば、前記CD137抗体又はその抗原結合断片がヒトCD137抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0348】
例えば、前記CD137抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約100μg/mLであってもよい(例えば、約2~約100μg/mL、約3~約100μg/mL、約3~約20μg/mL、約4~約100μg/mL、約5~約100μg/mL、約6~約100μg/mL、約7~約100μg/mL、約8~約100μg/mL、約9~約100μg/mL、約10~約100μg/mL、約12~約100μg/mL、約20~約100μg/mL、約10~約90μg/mL、約10~約80μg/mL、約10~約70μg/mL、約10~約50μg/mL、約10~約20μg/mL、又は約3~約12μg/mLであってもよい)。本願において、前記CD137 mAbの濃度が約3~20μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約3μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約10μg/mL、少なくとも約12μg/mL、又は少なくとも約20μg/mLであってもよい。
【0349】
例えば、前記共刺激抗体又はその抗原結合断片がOX40抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。
【0350】
例えば、前記OX-40抗体又はその抗原結合断片がヒトOX-40抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0351】
例えば、前記OX-40抗体又はその抗原結合断片の濃度が約3~約10μg/mLであってもよい。本願において、前記OX-40 mAbの濃度が約5~10μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約3μg/mL、少なくとも約5μg/mL、又は少なくとも約10μg/mLであってもよい。
例えば、前記共刺激抗体又はその抗原結合断片がCD28抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。
例えば、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCD28抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。
【0352】
例えば、前記CD28抗体又はその抗原結合断片がヒトCD28抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0353】
例えば、前記CD28抗体又はその抗原結合断片の濃度が約1~約10μg/mLであってもよい(例えば、約2~約10μg/mL、約3~約10μg/mL、約3~約5μg/mL、約4~約10μg/mL、約5~約10μg/mL、約6~約10μg/mL、約7~約10μg/mL、又は約8~約10μg/mLであってもよい)。本願において、前記CD28 mAbの濃度が約3~10μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約3μg/mL、少なくとも約5μg/mL、又は少なくとも約10μg/mLであってもよい。
【0354】
例えば、前記共刺激抗体又はその抗原結合断片がCD40抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。
【0355】
例えば、前記CD40抗体又はその抗原結合断片がヒトCD40抗体又はその抗原結合断片であってもよい。
【0356】
例えば、前記CD40抗体又はその抗原結合断片の濃度が約5~約10μg/mLであってもよい。本願において、前記CD40 mAbの濃度が約6~10μg/mL、又は約5~8μg/mLであってもよい。例えば、少なくとも約5μg/mLであってもよい。
【0357】
例えば、前記血清培地が血清を含んでもよい。
【0358】
例えば、前記血清がヒトAB血清を含んでもよい。
【0359】
例えば、前記血清の濃度が約1~約10%(v/v)であってもよい(例えば、約1.5~約10%、約2~約10%、約3~約10%、約4~約10%、約5~約10%、約1~約9%、約1~約8%、約1~約7%、又は約1~約6%であってもよい)。
【0360】
例えば、前記血清培地がAIM-V培地を含んでもよい。
【0361】
例えば、前記無血清培地がX-VIVO培地、又はCTSTMOpTmizerTM培地を含んでもよい。
【0362】
例えば、前記細胞培養成分が抗生物質を含んでもよい。
【0363】
例えば、前記細胞培養成分がペニシリン-ストレプトマイシン混合液PSを含んでもよい。
【0364】
例えば、前記ペニシリン-ストレプトマイシン混合液PSの濃度が約1~約200U/mLであってもよい(例えば、約1~約5U/mL、約1~約10U/mL、約1~約20U/mL、約1~約30U/mL、約1~約40U/mL、約1~約50U/mL、約1~約60U/mL、約1~約70U/mL、約1~約80U/mL、約1~約90U/mL、約1~約100U/mL、約1~約120U/mL、約1~約140U/mL、約1~約160U/mL、約1~約180U/mL、又は約1~約200U/mLであってもよい)。例えば、前記ペニシリン-ストレプトマイシン混合液PSの濃度が約100U/mLであってもよい。
【0365】
例えば、前記種細胞培地がM2型マクロファージ阻害剤をさらに含んでもよく、前記M2型マクロファージ阻害剤がRRx001及び/又はCNI-1493を含んでもよい。
【0366】
例えば、前記M2型マクロファージ阻害剤の濃度が約0.1~約100μMであってもよい(例えば、約0.5~約100μM、約1~約100μM、約2~約100μM、約2.5~約100μM、約3~約100μM、約2~約3μM、約5~約100μM、約10~約100μM、約20~約100μM、約0.1~約90μM、約0.5~約90μM、約1~約90μM、約5~約90μM、約0.1~約80μMであってもよい)。
【0367】
例えば、前記種細胞培地が制御性T細胞(Treg)阻害剤をさらに含んでもよく、前記制御性T細胞阻害剤がCAL-101、ダサチニブ(dasatinib)、イマチニブ(imatinib)及び/又はパノビノスタット(Panobinostat)を含んでもよい。
【0368】
例えば、前記制御性T細胞阻害剤の濃度が約0.1~約100μMであってもよい(例えば、約0.5~約100μM、約1~約100μM、約5~約100μM、約10~約100μM、約20~約100μM、約0.1~約90μM、約0.5~約90μM、約1~約90μM、約5~約90μM、約0.1~約80μMであってもよい)。例えば、前記制御性T細胞阻害剤の濃度が約1~約5μM、約1~約3μM、約1.5~約5μM、約2~約5μM、約2.5~約5μM、又は約3~約5μMであってもよい。
【0369】
例えば、前記種細胞培地が骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤をさらに含んでもよく、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤がAG490、デシタビン(decitabine)、スニチニブ及び/又はBBI608を含んでもよい。
【0370】
例えば、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤の濃度が約0.1~約100μg/mLであってもよい(例えば、約0.5~約100μg/mL、約1~約100μg/mL、約2~約100μg/mL、約5~約100μg/mL、約6~約100μg/mL、約7~約100μg/mL、約8~約100μg/mL、約9~約100μg/mL、約10~約100μg/mL、約20~約100μg/mL、約10~約90μg/mL、約10~約80μg/mL、約10~約70μg/mL、又は約10~約50μg/mLであってもよい)。例えば、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤の濃度が約1~約3μg/mL、又は約1.5~約3μg/mLであってもよい。
【0371】
本願において、前記種細胞培地が前記制御性T細胞(Treg)阻害剤、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤、及び前記M2型マクロファージ阻害剤の少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種を含んでもよい。
【0372】
本願において、前記種細胞培地がT細胞活性化剤をさらに含んでもよく、前記T細胞活性化剤がLYC-55716、GNE-1858及び/又はメチレンブルーを含んでもよい。
【0373】
例えば、前記T細胞活性化剤の濃度が約1~約10μMであってもよい。例えば、約1~約9μM、約1~約8μM、約1~約7μM、約1~約6μM、約2~約10μM、約3~約10μM、約4~約10μM、又は約5~約10μMであってもよい。
【0374】
本願において、前記種細胞培地がT細胞分化阻害剤をさらに含んでもよく、前記T細胞分化阻害剤がTWS119を含んでもよい。
【0375】
例えば、前記T細胞分化阻害剤の濃度が約1~約10μMであってもよい。例えば、約1~約9μM、約1~約8μM、約1~約7μM、約1~約6μM、約2~約10μM、約3~約10μM、約4~約10μM、又は約5~約10μMであってもよい。
【0376】
本願において、前記RRX-001の濃度が約0.1~約100μMであってもよい。例えば、少なくとも約3μMであってもよい。
【0377】
本願において、前記Sunitinibの濃度が約1.5~約3μMであってもよい。例えば、少なくとも約1.5μM又は少なくとも約3μMであってもよい。
【0378】
本願において、前記CNI-1493の濃度が約2~約3μMであってもよい。例えば、少なくとも約2μM、少なくとも約2.5μM、又は少なくとも約3μMであってもよい。
【0379】
本願において、前記Imatinibの濃度が約2~約5μMであってもよい。例えば、少なくとも約2μM又は少なくとも約5μMであってもよい。
【0380】
本願において、前記CAL-101の濃度が約1.5~約5μMであってもよい。例えば、少なくとも約1.5μM又は少なくとも約5μMであってもよい。
【0381】
本願において、前記Dasatinibの濃度が約2~約3μMであってもよい。例えば、少なくとも約2μM、少なくとも約2.5μM、又は少なくとも約3μMであってもよい。
【0382】
本願において、前記LYC-55716の濃度が約1~約10μMであってもよい。例えば、少なくとも約1μM又は少なくとも約10μMであってもよい。
【0383】
本願において、前記GNE-1858の濃度が約4~約5nMであってもよい。例えば、少なくとも約4nM、少なくとも約4.5nM、又は少なくとも約5nMであってもよい。
【0384】
本願において、前記メチレンブルーの濃度が約1~約2μMであってもよい。例えば、少なくとも約1μM、少なくとも約1.5μM、又は少なくとも約2μMであってもよい。
【0385】
本願において、前記TWS119の濃度が約1~約10μMであってもよい。例えば、少なくとも約1μM、少なくとも約5μM、又は少なくとも約10μMであってもよい。
【0386】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0387】
例えば、前記種細胞培地が、少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約1000U/mLのIL-7、少なくとも約100μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0388】
本願において、前記種細胞培地が、IL-2、IL-9、IL-15、PD-1抗体又はその抗原結合断片、CTLA-4抗体又はその抗原結合断片、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0389】
例えば、前記種細胞培地が、少なくとも約2000U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-9、少なくとも約500U/mLのIL-15、少なくとも約50μg/mLのCTLA-4抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約50μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3%のヒト血清、無血清培地AIM-V、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0390】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、G-CSF、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0391】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2000U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-7、少なくとも約1000U/mLのG-CSF、少なくとも約36μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約20pg/mLのTNFα、少なくとも約3%のヒト血清、無血清培地AIM-V、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0392】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-12、IL-21、GM-CSF、LAG3抗体又はその抗原結合断片、CTLA-4抗体又はその抗原結合断片、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0393】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-12、少なくとも約500U/mLのIL-21、少なくとも約800U/mLのGM-CSF、少なくとも約10μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10μg/mLのCTLA-4抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0394】
本願において、前記種細胞培地がIL-1β、IL-2、IL-6、IL-21、IFN-γ、TIGIT抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0395】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約500U/mLのIL-1β、少なくとも約2500U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-6、少なくとも約200U/mLのIL-21、少なくとも約1000U/mLのIFN-γ、少なくとも約20μg/mLのTIGIT抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約50μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約25pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0396】
本願において、前記種細胞培地がIL-1α、IL-2、IL-9、IL-18、IFN-α、IFN-β、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0397】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約500U/mLのIL-1α、少なくとも約2000U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-9、少なくとも約200U/mLのIL-18、少なくとも約500U/mLのIFN-α、少なくとも約500U/mLのIFN-β、少なくとも約5μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約25μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約25pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0398】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-4、IL-10、IL-21、CD137抗体又はその抗原結合断片、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0399】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-4、少なくとも約200U/mLのIL-10、少なくとも約250U/mLのIL-21、少なくとも約10μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約20μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0400】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-6、IL-12、IL-21、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD28抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0401】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-6、少なくとも約500U/mLのIL-12、少なくとも約200U/mLのIL-21、少なくとも約20μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10pg/mLのTNFα、少なくとも約3%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0402】
本願において、前記種細胞培地がIL-1β、IL-2、IL-7、IL-21、G-CSF、GM-CSF、IFN-γ、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0403】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約200U/mLのIL-1β、少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-7、少なくとも約200U/mLのIL-21、少なくとも約500U/mLのG-CSF、少なくとも約500U/mLのGM-CSF、少なくとも約1000U/mLのIFN-γ、少なくとも約5μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約15pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0404】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、TIGIT抗体又はその抗原結合断片、CTLA-4抗体又はその抗原結合断片、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0405】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2500U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-4、少なくとも約500U/mLのIL-12、少なくとも約500U/mLのGM-CSF、少なくとも約300U/mLのM-CSF、少なくとも約200U/mLのIFN-β、少なくとも約800U/mLのIFN-γ、少なくとも約5μg/mLのTIGIT抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10μg/mLのCTLA-4抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0406】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、IL-15、IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、CD137抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFαヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0407】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-7、少なくとも約200U/mLのIL-15、少なくとも約800U/mLのGM-CSF、少なくとも約10μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約20μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約20pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0408】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-4、IL-10、IL-10、G-CSF、M-CSF、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD28抗体又はその抗原結合断片、OX-40抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0409】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2500U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-4、少なくとも約500U/mLのIL-10、少なくとも約250U/mLのIL-10、少なくとも約500U/mLのG-CSF、少なくとも約300U/mLのM-CSF、少なくとも約5μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10μg/mLのOX-40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地AIM-V、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0410】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、IL-21、IFN-α、IFN-γ、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD28抗体又はその抗原結合断片、OX-40抗体又はその抗原結合断片、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、CTLA-4抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0411】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-7、少なくとも約500U/mLのIL-21、少なくとも約500U/mLのIFN-α、少なくとも約800U/mLのIFN-γ、少なくとも約5μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのOX-40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのCTLA-4抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0412】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、IL-15、IFN-β、IFN-γ、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD40抗体又はその抗原結合断片、OX-40抗体又はその抗原結合断片、TIGIT抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0413】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-7、少なくとも約500U/mLのIL-15、少なくとも約250U/mLのIFN-β、少なくとも約1000U/mLのIFN-γ、少なくとも約5μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのCD40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのOX-40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのTIGIT抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約15μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0414】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、IFN-γ、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD28抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0415】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-7、少なくとも約200U/mLのIL-15、少なくとも約500U/mLのGM-CSF、少なくとも約1000U/mLのIFN-γ、少なくとも約3μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0416】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、IL-12、G-CSF、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、CD28抗体又はその抗原結合断片、CD40抗体又はその抗原結合断片、TIGIT抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、TNFα、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0417】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-7、少なくとも約300U/mLのIL-12、少なくとも約300U/mLのG-CSF、少なくとも約200U/mLのGM-CSF、少なくとも約500U/mLのIFN-α、少なくとも約500U/mLのIFN-γ、少なくとも約3μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのCD40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約2.5μg/mLのTIGIT抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約10pg/mLのTNFα、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0418】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、PD-1抗体又はその抗原結合断片、RRx-001、CAL-101、ヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0419】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約1000U/mLのIL-7、少なくとも約50μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μMのRRx-001、少なくとも約1.5μMのCAL-101、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0420】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-10、IL-18、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、Sunitinib、Imatinib、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0421】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2500U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-10、少なくとも約200U/mLのIL-18、少なくとも約10μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μMのSunitinib、少なくとも約5μMのImatinib、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0422】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-1β、IL-6、GM-CSF、M-CSF、CNI-1493、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0423】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-1β、少なくとも約500U/mLのIL-6、少なくとも約500U/mLのGM-CSF、少なくとも約500U/mLのM-CSF、少なくとも約5μMのCNI-1493、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0424】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-9、IL-10、IL-21、GM-CSF、OX40抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、Sunitinib、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0425】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-9、少なくとも約200U/mLのIL-10、少なくとも約500U/mLのIL-21、少なくとも約500U/mLのGM-CSF、少なくとも約5μg/mLのOX40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約36μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約1.5μMのSunitinib、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0426】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-6、IL-12、CD28抗体又はその抗原結合断片、OX-40抗体又はその抗原結合断片、CTLA-4抗体又はその抗原結合断片、TNFα、Imatinib、ヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0427】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2500U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-6、少なくとも約1000U/mLのIL-12、少なくとも約10μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのOX-40抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのCTLA-4抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約15pg/mLのTNFα、少なくとも約5μMのImatinib、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地CTSTMOpTmizerTM、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0428】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-7、IL-15、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD28抗体又はその抗原結合断片、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、Dasatinib、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0429】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約200U/mLのIL-7、少なくとも約300U/mLのIL-15、少なくとも約12μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μMのDasatinib、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0430】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-6、IL-12、G-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、CTLA-4抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、Dasatinib、LYC-55716、GNE-1858、ヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0431】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約3000U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-6、少なくとも約500U/mLのIL-12、少なくとも約1000U/mLのG-CSF、少なくとも約500U/mLのM-CSF、少なくとも約500U/mLのIFN-β、少なくとも約800U/mLのIFN-γ、少なくとも約3μg/mLのCTLA-4抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約2.5μMのDasatinib、少なくとも約10μMのLYC-55716、少なくとも約4.5nMのGNE-1858、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地X-VIVO 15、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0432】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-1α、IL-9、GM-CSF、CD137抗体又はその抗原結合断片、CD28抗体又はその抗原結合断片、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、TIGIT抗体又はその抗原結合断片、CNI-1493、メチレンブルー、TWS119、ヒト血清、無血清培地AIM-V、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0433】
例えば、前記種細胞培地が少なくとも約2500U/mLのIL-2、少なくとも約500U/mLのIL-1α、少なくとも約500U/mLのIL-9、少なくとも約800U/mLのGM-CSF、少なくとも約3μg/mLのCD137抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約3μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約5μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約2.5μg/mLのTIGIT抗体又はその抗原結合断片、少なくとも約2.5μMのCNI-1493、少なくとも約1μMのメチレンブルー、少なくとも約5μMのTWS119、少なくとも約5%のヒト血清、無血清培地AIM-V、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0434】
本願において、前記種細胞培地がIL-2、IL-1α、IL-12、IL-21、G-CSF、M-CSF、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、CD28抗体又はその抗原結合断片、CD40抗体又はその抗原結合断片、LAG-3抗体又はその抗原結合断片、PD-1抗体又はその抗原結合断片、CNI-1493、Dasatinib、GNE-1858、メチレンブルー、ヒト血清、無血清培地AIM-V、及びペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0435】
例えば、前記種細胞培地が約3000U/mLのIL-2、約200U/mLのIL-1α、約500U/mLのIL-12、約500U/mLのIL-21、約300U/mLのG-CSF、約800U/mLのM-CSF、約500U/mLのIFN-α、約300U/mLのIFN-β、約300U/mLのIFN-γ、約3μg/mLのCD28抗体又はその抗原結合断片、約5μg/mLのCD40抗体又はその抗原結合断片、約5μg/mLのLAG-3抗体又はその抗原結合断片、約3μg/mLのPD-1抗体又はその抗原結合断片、約3μMのCNI-1493、約2μMのDasatinib、約5nMのGNE-1858、約1.5μMのメチレンブルー、約5%のヒト血清、無血清培地AIM-V、及び100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン混合液PS二重特異性抗体を含んでもよい。
【0436】
別の様態において、本願は、本願に係る種細胞培地により培養された腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体を提供する。
【0437】
別の様態において、本願は、本願に係る腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0438】
別の様態において、本願は、前記腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体、及び本願に係る医薬組成物の、がんを治療するための薬物の製造における使用を提供する。
【0439】
本願に係る種細胞培地が、さまざまながんに由来する腫瘍浸潤リンパ球の増幅に使用できる。本願に係る種細胞培地が、がんの種類に対して広範なスペクトルと普遍的な適用性を有する。いくつかの場合において、前記種細胞培地が、さまざまながんに由来する腫瘍浸潤リンパ球の培養に使用でき、さまざまながんに由来する腫瘍浸潤リンパ球の種細胞又はその細胞群体の取得に使用できる。いくつかの場合において、本願に係る種細胞培地及び/又は本願に係る医薬組成物ががんを治療するための薬物の製造に使用できる。本願において、前記がんが、子宮頸がん(例えば、再発した子宮頸がんを含んでもよい)、卵巣がん、骨盤低分化型腺がん、腸がん(例えば、肝臓に転移した腸がんなどの転移したものを含んでもよい)、胃がん、黒色腫、乳がん及び/又は子宮内膜間質肉腫を含んでもよい。例えば、前記がんが、黒色腫、神経膠腫、胃がん、肺がん、消化管間質腫瘍、腸がん、肝がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、子宮内膜間質肉腫、骨盤低分化腺、胆管がんから選ばれてもよい。
【0440】
別の様態において、本願は、前記種細胞培地の、腫瘍浸潤リンパ球の増幅における使用を提供する。
【0441】
別の様態において、本願は、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の培養方法であって、本願に係る種細胞培地で単離された腫瘍浸潤リンパ球を培養するステップを含む方法を提供する。
【0442】
別の様態において、本願は、腫瘍浸潤リンパ球の増幅方法であって、本願に係る種細胞培地で単離された腫瘍浸潤リンパ球を培養して、前記腫瘍浸潤リンパ球の種細胞を取得するステップを含む方法を提供する。
【0443】
例えば、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が、必要とする被験者の腹水、手術で切除した原発巣サンプル、手術で切除した同時性及び異時性転移巣サンプル、穿刺サンプル、体液から選ばれるサンプルに由来してもよい。
【0444】
例えば、前記体液が血液、組織液、リンパ液及び/又は体腔貯留液を含んでもよい。例えば、前記体液が腹水(例えば、胃がん患者の腹水又は乳がん患者の腹水であってもよい)及び/又は胸水(例えば、子宮内膜間質肉腫患者の胸水であってもよい)を含んでもよい。
【0445】
例えば、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が、黒色腫、神経膠腫、胃がん、肺がん、消化管間質腫瘍、腸がん、肝がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、子宮内膜間質肉腫、骨盤低分化型腺がん、胆管がんから選ばれる腫瘍に由来してもよい。例えば、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が、子宮頸がん(例えば、再発した子宮頸がんを含んでもよい)、卵巣がん、骨盤低分化型腺がん、腸がん(例えば、肝臓に転移した腸がんなどの転移したものを含んでもよい)、胃がん、黒色腫、乳がん及び/又は子宮内膜間質肉腫から選ばれるがんの腫瘍組織に由来してもよい。
【0446】
例えば、前記単離された腫瘍浸潤リンパ球が腫瘍組織を切除した組織ブロックに由来してもよく、前記腫瘍組織を切除した組織ブロックの直径が約1mm~約10mmであり、例えば、約2mm~約10mm、約3mm~約10mm、約4mm~約10mm、約5mm~約10mm、約6mm~約10mm、約7mm~約10mm、又は約8mm~約10mmであってもよい。
【0447】
例えば、前記培養の時間が約3~20日間であってもよい。例えば、前記培養の時間が約3~15日間であってもよく、例えば、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、又は約20日間であってもよい。
【0448】
例えば、前記培養の温度が約30~42℃であってもよい。例えば、少なくとも約30℃、少なくとも約31℃、少なくとも約32℃、少なくとも約33℃、少なくとも約34℃、少なくとも約35℃、少なくとも約36℃、少なくとも約37℃、少なくとも約38℃、少なくとも約39℃、少なくとも約40℃、少なくとも約41℃、又は少なくとも約42℃であってもよい。
【0449】
例えば、前記培養のCO2濃度が約1%~10%であり、例えば、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、又は少なくとも約10%であってもよい。
【0450】
本願において、本願に係る種細胞培地を使用することで、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の細胞活性を顕著に向上することができる(例えば、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の細胞総数を顕著に向上することができ、例えば、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の数が少なくとも約10桁に達するようにできる。例えば、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の細胞生存率を顕著に向上することができ、例えば、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞の細胞生存率が少なくとも約85%に達するようにできる。例えば、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞から分泌されるサイトカイン(例えば、IFN-γ)の数を顕著に向上することができる)。本願において、本願に係る種細胞培地を使用することで、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞におけるCD3+細胞の比率を顕著に向上することができる。
【0451】
本願において、本願に係る種細胞培地を使用することで、腫瘍浸潤リンパ球の種細胞を供与体である被験者(例えば、腫瘍患者)に注入した後、一部の注入製品TILのTCRクローンの頻度が供与体である被験者の末梢血において顕著に大幅に向上すると共に、供与体である被験者の末梢血のTCRライブラリーとTIL注入製品のTCRライブラリーとの類似度も顕著に向上し、長時間にわたって維持することができる。また、本願に係る種細胞培地で培養したTIL細胞を供与体である被験者に自己注入した後、供与体である被験者の体内のリンパ球が比較的に活発に増殖できる。
【0452】
前記TIL種細胞培地のサイトカインは、下記特徴、即ち、前記サイトカインがIL-7を含み、前記IL-7の濃度が、例えば、約5~約100ng/mLであること、前記サイトカインがIL-15を含み、前記IL-15の濃度が、例えば、約5~約100ng/mLであること、前記サイトカインが腫瘍壊死因子TNF、例えば、TNFαを含み、前記TNFαの濃度が、例えば、約10~約100pg/mLであること、前記サイトカインがコロニー刺激因子、例えば、GM-CSFを含み、前記GM-CSFの濃度が、例えば、約200~約5000U/mLであること、前記サイトカインがインターフェロン、例えば、IFN-γを含み、前記IFN-γの濃度が、例えば、約10~約1000ng/mLであること、前記サイトカインがIL-4、IL-12、IL-21、IL-10から選ばれるインターロイキンをさらに含むこと、をさらに有してもよい。
【0453】
前記TIL種細胞培地の免疫チェックポイント抗体は、下記特徴、即ち、前記PD-1抗体又はその抗原結合断片がヒトPD-1抗体又はその抗原結合断片であり、前記PD-1抗体又はその抗原結合断片の濃度が、例えば、約10~約100μg/mLであること、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCD137抗体又はその抗原結合断片、例えば、ヒトCD137抗体又はその抗原結合断片を含み、前記CD137抗体又はその抗原結合断片の濃度が、例えば、約1~約100μg/mLであること、前記免疫チェックポイント抗体又はその抗原結合断片がCD28抗体又はその抗原結合断片、例えば、ヒトCD28抗体又はその抗原結合断片を含み、前記CD28抗体又はその抗原結合断片の濃度が、例えば、約1~約10μg/mLであること、をさらに有してもよい。
【0454】
前記TIL種細胞培地の細胞培養成分は、下記特徴、即ち、血清培地が血清、例えば、ヒトAB血清を含み、前記血清の濃度が、例えば、約1~約10%(v/v)であること、前記血清培地がAIM-V培地を含むこと、前記無血清培地がX-VIVO培地、MHM-C培地を含むこと、をさらに有してもよい。
【0455】
前記TIL種細胞培地の細胞培養成分は、下記特徴、即ち、無血清培地が血小板、例えば、対象自己血由来の血小板又は同種血由来の血小板を含み、前記血小板の密度が、例えば、約0.5×10/mL~約3×10/mLであること、前記無血清培地がX-VIVO培地、MHM-C培地を含むこと、をさらに有してもよい。
【0456】
前記TIL種細胞培地がM2型マクロファージ阻害剤をさらに含んでもよく、前記M2型マクロファージ阻害剤がRRx001及び/又はCNI-1493を含んでもよい。前記M2型マクロファージ阻害剤の濃度が約0.1~約100μMである。前記TIL種細胞培地が制御性T細胞(Treg)阻害剤をさらに含んでもよく、前記制御性T細胞阻害剤がCAL-101、ダサチニブ(dasatinib)、イマチニブ(imatinib)及び/又はパノビノスタット(Panobinostat)を含む。前記制御性T細胞阻害剤の濃度が約0.1~約100μMである。前記TIL種細胞培地が骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤をさらに含んでもよく、前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤がAG490、デシタビン(decitabine)、スニチニブ及び/又はBBI608を含む。前記骨髄由来サプレッサー細胞阻害剤の濃度が約0.1~約100μg/mLである。
【0457】
本発明は、本明細書に係るTIL細胞を増幅するための培養組成物の、TIL細胞を増幅するための培地又はTIL細胞を含む薬物の製造における使用をさらに提供する。本発明は、本明細書に係るTIL細胞を増幅するための培地の、TIL細胞を含む薬物の製造における使用をさらに提供する。これらの薬物がTIL細胞を取得する由来となる腫瘍組織に関するがんを治療するために利用される。
【0458】
本発明は、TIL細胞群体の増幅方法であって、本明細書に係るTIL細胞培養組成物を含む培地でTIL細胞群体をインキュベートすることを含む方法をさらに提供する。前記インキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続し、及び/又は前記インキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。前記インキュベートの条件が本分野において周知されており、例えば、約30~42℃、約1%~10%のCOである。
【0459】
本発明は、TIL細胞群体の製造方法1であって、
TIL種細胞培地で腫瘍組織をインキュベートして、第1のTIL細胞群体を取得するステップ(1)と、
本明細書に係る培地で第1のTIL細胞群体をインキュベートして、第2のTIL細胞群体を取得するステップ(2)と、を含む方法をさらに提供する。
【0460】
本発明は、TIL細胞群体の製造方法2であって、
TIL種細胞培地で腫瘍細胞を含む組織をインキュベートして、第1のTIL細胞群体を取得するステップ(1)と、
(1)に係る第1のTIL細胞群体を、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体の何れか1種又は複数種に接触させて、第2のTIL細胞群体を取得するステップ(2)と、
(2)に係る第2のTIL細胞群体を、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地に移し、培養して、第3のTIL細胞群体を取得するステップ(3)と、を含む方法をさらに提供する。
【0461】
前記方法1及び方法2の前記第2のTIL細胞群体が1010~1011以上のTIL細胞を有する。通常、前記腫瘍組織は、腫瘍組織を洗浄、破砕及び/又は解離することを含む前処理を必要とする。前記腫瘍組織を破砕及び/又は解離する方法は機械切断の方式又は酵素消化であってもよい。前記腫瘍組織を機械切断して形成された破砕した組織ブロックのサイズがその後の培養及び更なる処理を容易にする任意の通常のサイズであってもよく、任意に、2×2×2mm、3×3×3mm、4×4×4mm、5×5×5mm、又は6×6×6mmである。
【0462】
TIL細胞を誘導するために、前記方法1及び方法2のステップ(1)のインキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続し、及び/又は、ステップ(1)のインキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。十分な数のTIL細胞を増幅するために、前記方法1のステップ(2)のインキュベートが少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続し、及び/又は、前記方法1のステップ(2)のインキュベートが多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。前記インキュベートの条件が本分野において周知されており、例えば、約30~42℃、約1%~10%のCOである。
【0463】
前記方法2のステップ(2)において、前記マトリックスにカップリングする抗体がCD3抗体、CD28抗体、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、GITR抗体から選ばれる何れか1種又は複数種を含む。好ましくは、CD3抗体、CD28抗体、CD137抗体から選ばれる何れか1種又は複数種を含む。前記マトリックスがマルチウェルプレート、細胞培養ディッシュ、細胞培養バッグ、磁気ビーズから選ばれる何れか1種又は複数種を含む。前記カップリングは共有結合又は非共有結合によるカップリングであり、上記抗体をマトリックスに固定させることができればよい。例えば、前記マトリックスが細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグであってもよく、前記カップリングは、上記抗体を含む母液を細胞培養ディッシュ又は細胞培養バッグの底部又は内壁にインキュベートすることでコーティングし、コーティング前処理により、培養ディッシュの底部に付着すると共にマトリックスに固定する抗体を形成してもよい。好ましくは、上記抗体が活性化型抗体である。
【0464】
前記方法2のステップ(2)において、好ましくは、前記接触が前記方法2のステップ(1)に係る第1のTIL細胞群体をマトリックスにカップリングする抗体と共にインキュベートすることであり、前記インキュベートの温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。好ましくは、前記インキュベートのCO濃度が5%である。好ましくは、前記インキュベートが、前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地で行われる。任意に、前記前述した培養組成物におけるマトリックスにカップリングする抗体を除く成分の何れか1種又は複数種を含む培地が、1)IL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、2)IL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、IL-21、IL-12、及びGM-CSF、3)IL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、GITR抗体、及びTWS119、4)IL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、TIGIT抗体、及びGM-CSF、5)IL-2、IL-7、IL-15、LAG3抗体、IL-21、IL-12、及びGITR抗体、6)IL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、TIGIT抗体、CD40抗体、OX-40抗体、及び自家血小板、7)IL-2、IL-7、IL-15、PD-1抗体、CTLA-4抗体、CD137抗体、GITR抗体、GM-CSF、TWS119、及び他家血小板、の成分の組み合わせの何れか1種又は複数種を含む。前記接触が1~3日間継続し、例えば、1日間、2日間、3日間継続する。
【0465】
方法2のステップ(2)において、前記第1のTIL細胞群体の密度が1.0×10/mL~1.0×10/mLであり、好ましくは、2.0×10/mL~1.0×10/mLであり、より好ましくは、2.5×10/mL~3.5×10/mLである。任意に、1.0×10/mL、2.0×10/mL、2.5×10/mL、3.0×10/mL、3.5×10/mL、4.0×10/mL、4.5×10/mL、5.0×10/mL、5.5×10/mL、6.0×10/mL、6.5×10/mL、7.0×10/mL、7.5×10/mL、8.0×10/mL、8.5×10/mL、9.0×10/mL、9.5×10/mL又は10×10/mLである。
【0466】
前記方法2のステップ(3)において、前記培養が少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間継続し、又は、多くとも20日間、多くとも15日間、多くとも14日間、多くとも13日間、多くとも12日間、多くとも11日間、多くとも10日間、多くとも9日間、多くとも8日間、多くとも7日間、多くとも6日間、多くとも5日間継続する。前記培養の温度が30~42℃であり、好ましくは、37℃である。前記培養のCO濃度が5%である。
【0467】
前記方法1及び方法2のステップ(1)において、前記TIL種細胞培地が前述したTIL種細胞培地の何れか1種であってもよい。任意に、前記TIL種細胞培地が、1)IL-2、IL-6、IL-21、IFN-γ、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、2)IL-2、IL-4、IL-10、IL-21、CD137抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、3)IL-2、IL-7、IL-12、IL-21、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、4)IL-1β、IL-2、IL-7、G-CSF、GM-CSF、IFN-γ、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、5)IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、TIGIT抗体、CTLA-4抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、6)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、7)IL-2、IL-4、IL-10、IL-15、G-CSF、M-CSF、CD28抗体、OX-40抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、8)IL-2、IL-7、IL-15、IFN-γ、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、9)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、IFN-γ、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、10)IL-2、IL-7、IL-12、G-CSF、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、11)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、PD-1抗体、RRx-001、CAL-101、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、12)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、M-CSF、PD-1抗体、CNI-1493、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、13)IL-2、IL-7、IL-15、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、14)IL-2、IL-6、IL-12、G-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、CTLA-4抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、LYC-55716、GENE-1858、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、15)IL-1α、IL-2、IL-9、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、TIGIT抗体、CNI-1493、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、16)IL-2、IL-7、IL-12、IL-15、IL-21、G-CSF、M-CSF、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、CNI-1493、ダサチニブ、GNE-1858、血清、二重特異性抗体、及び基礎培地、の何れか1種を含んでもよい。好ましくは、前記TIL種細胞培地が、下記成分の組合せ、即ち、1)IL-2、IL-6、IL-21、IFN-γ、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、2)IL-2、IL-4、IL-10、IL-21、CD137抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、3)IL-2、IL-7、IL-12、IL-21、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びCTSTMOpTmizerTM、4)IL-1β、IL-2、IL-7、G-CSF、GM-CSF、IFN-γ、LAG3抗体、PD-1抗体、TNF-α、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びCTSTMOpTmizerTM、5)IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、TIGIT抗体、CTLA-4抗体、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、6)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、PD-1抗体、TNF-α、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、7)IL-2、IL-4、IL-10、IL-15、G-CSF、M-CSF、CD28抗体、OX-40抗体、PD-1抗体、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びAIM-V培地、8)IL-2、IL-7、IL-15、IFN-γ、CD137抗体、CD40抗体、OX-40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、9)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、IFN-γ、CD137抗体、CD28抗体、PD-1抗体、TNF-α、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、10)IL-2、IL-7、IL-12、G-CSF、GM-CSF、IFN-α、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、TIGIT抗体、PD-1抗体、TNF-α、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、11)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、PD-1抗体、RRx-001、CAL-101、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びCTSTMOpTmizerTM、12)IL-2、IL-7、IL-15、GM-CSF、M-CSF、PD-1抗体、CNI-1493、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、13)IL-2、IL-7、IL-15、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、14)IL-2、IL-6、IL-12、G-CSF、M-CSF、IFN-β、IFN-γ、CTLA-4抗体、PD-1抗体、ダサチニブ、LYC-55716、GENE-1858、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、15)IL-1α、IL-2、IL-9、IL-15、GM-CSF、CD137抗体、CD28抗体、LAG3抗体、TIGIT抗体、CNI-1493、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びX-VIVO 15培地、16)IL-2、IL-7、IL-12、IL-15、IL-21、G-CSF、M-CSF、IFN-γ、CD28抗体、CD40抗体、LAG3抗体、PD-1抗体、CNI-1493、ダサチニブ、GNE-1858、ヒトAB血清、PS二重特異性抗体、及びAIM-V培地、の成分の組み合わせの何れか1種を含んでもよい。
【0468】
本発明に係る方法で製造するTIL細胞群体ががんを治療するための薬物の製造に利用されてもよい。そのため、本発明は、本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体と、薬学的に許容される添加物とを含む、医薬組成物をさらに含む。本明細書において、薬学的に許容される添加物は、薬理学的及び/又は生理学的に被験者や活性成分と相溶性がある担体、希釈剤及び/又は賦形剤であり、pH調整剤、界面活性剤、炭水化物、アジュバント、酸化防止剤、キレート剤、イオン強度増強剤、防腐剤を含むが、これらに限定されない。具体的には、薬学的に許容される適切な添加物が、本分野でTIL細胞の注入(例えば、静脈輸注)によく利用される添加物であってもよい。
【0469】
通常、医薬組成物にTIL細胞が治療有効量で含まれる。治療有効量とは、被験者における疾患又は病状の治療、予防、軽減及び/又は緩和が実現できる用量である。患者の年齢、性別、罹患病状及びその重症度、患者のその他の体調などの要素によって治療有効量が決定される。本明細書において、通常、被験者又は患者が哺乳動物であり、特に、ヒトである。
【0470】
本発明は、前述した本明細書の何れか1つの実施形態に係る方法で取得するTIL細胞群体と凍結保存液とを含む、細胞凍結保存製剤をさらに提供する。
【0471】
本明細書に係る凍結保存液は、組織凍結保存液又は細胞凍結保存液であってもよく、本発明に係るTIL細胞が低温条件で、例えば、ドライアイス凍結保存又は液体窒素凍結保存の条件で活性を保持することができるようにする。好ましくは、前記凍結保存液は、無血清凍結保存液であってもよく、前記細胞凍結保存製剤が低温から回復した後に、除去しないまま個体に直接的に注入するにも関わらず、個体に対しても顕著な毒性と副作用がない。
【0472】
本発明は、本明細書に係る方法でTIL細胞を製造すること、及び対象に前記TIL細胞を投与することを含む、細胞療法をさらに含む。例えば、投与するTIL細胞は、受験者の腫瘍細胞を死滅させることができる。また、TIL細胞により仲介される免疫応答が養子免疫療法のステップの一部であってもよい。
【0473】
以下は具体的な実施例により本発明を説明する。なお、これらの実施例は説明するためのものであり、意図的に本発明の範囲を限定するものではない。実施例に使用される方法及び材料は別途断りのない限り、本分野でよく知られている材料及び方法である。
【実施例
【0474】
実施例1:培地の調製
下記成分でTIL種細胞培地を製造した。
【0475】
【表1】
【0476】
GITR抗体はGenScriptにより合成される(配列がCN103951753BにおけるSEQ ID NO:104及びSEQ ID NO:105に由来)。
【0477】
表1~表3に従って異なるTIL細胞培地を調製した。基礎培地は血清と二重特異性抗体を所定の比率で入れられた後、4℃で1ヶ月以内保存できる。使用する際に、まず、培地を4℃で取り出して、37℃の水浴で予熱し、次に、使用直前にその他の成分(様々なインターロイキン、コロニー刺激因子、インターフェロン、TNF-α、様々な抗体及びその他の分子)を作業濃度となるまで入れて、TIL細胞培養に利用した。表3で「コーティング」と記載される成分(CD3 mAb、CD28 mAb及びCD137 mAb)は、溶液成分の形態で培地に存在するのではなく、細胞培養を開始する前に、これらの成分を含む母液を、例えば、マルチウェルプレート、ディッシュ又は細胞培養バッグなど、細胞培養ディッシュの底部又は内壁でインキュベートして、コーティング前処理により、培養ディッシュの底部に付着すると共にマトリックスに固定する成分を形成した。前記コーティング前処理の方式は、本分野における周知のタンパク質によるコーティングの通常操作であってもよい。例えば、具体的な処理方式として、コーティング対象成分であるCD3 mAb、CD28 mAb及び/又はCD137 mAbをPBSでコーティング母液に調製し(各成分の濃度が5μg/mL)、上記細胞培養ディッシュの底部又は内壁がコーティング母液に満遍なく覆われるように、コーティング母液を細胞培養ディッシュに入れ、4℃で一晩インキュベートした後、コーティング母液を捨て、PBSで5回洗浄してから、使用に備えた。表3における自家血小板は患者自己の血液に、他家血小板は健康成人の血液に由来する。血小板はCN105107233Bに開示された方法で製造する。ここの全文が引用により本願に組み込まれている。下記培地に使用される一部のサイトカインは、質量-活性が下記のように換算する。即ち、IL-7:1mg=1.21×10U、IL-15:1mg=1.14×10U、IL-12:1mg=1.02×10U、IL-21:1mg=1.07×10U。
【0478】
【表2】
【0479】
【表3】
【0480】
【表4】
【0481】
実施例2:患者固形腫瘍サンプルの処理及びTIL細胞培養
1)最終濃度100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び50μg/mLのゲンタマイシンを含む生理食塩水を調製して、使用に備えた。
【0482】
2)クラスII生物学的安全キャビネットの無菌環境において、単離されて間もない腫瘍患者の腫瘍組織サンプルを、30mLのステップ1)で調製された生理食塩水が加えられた10cm培養ディッシュに入れて洗浄し、その後30mLのステップ1)で調製された生理食塩水が加えられた別の10cmディッシュに移して洗浄し、計3回繰り返して洗浄した。
【0483】
3)無菌手術用ブレードで脂肪組織と壊死組織を取り除き、腫瘍組織を直径3×3×3mmの小さなブロックに切断し、2つのG-REX100培養ポット(Wilsonwolfより購入)を取り、各G-REX100培養ポットにランダムで選定された42個の腫瘍組織ブロックを入れ、培養ポットに実施例1で製造されたTIL培地の何れか1種を入れて、種細胞培地とした。プログラムフリーザーを利用して、残りの腫瘍組織ブロックをCryoStor10(BioLifeSolutionsより購入)凍結保存液で液体窒素凍結保存した。
【0484】
4)3)の腫瘍組織ブロックを含むG-REX100培養ポットに1Lの種細胞培地を入れて、腫瘍組織ブロックを37℃、5%COで培養した。4日間おきに古い種細胞培地を半分の体積で取り除き、新しい種細胞培地を半分の体積で補充し、11~15日目に遠心分離してTIL種細胞を取得し、細胞の総数と生存率を統計した。
【0485】
5)a:全成分が培地溶液成分である拡大培地(表2~表3の番号18と22の培地)の場合、G-REX500M培養ポット(Wilsonwolfより購入)に5Lの予熱された拡大培地を入れ、ステップ4)で取得した種細胞を2.0×10/cm~5.0×10/cmの接種密度で接種し、37℃、5%COで培養した。4日間おきに細胞を計数して、古い拡大培地を半分の体積で取り除き、新しい拡大培地を半分の体積で補充し、各G-REX500Mポットの細胞総数が1.0×1010に達した後、1:2の比率でフラスコに分けた。各フラスコに新しい拡大培地を5Lまで補充した後、培養し続けた。拡大培地に計12~15日間培養した後、細胞を収穫して、TIL製品細胞を取得した。
【0486】
b:一部の成分が前述したように事前にコーティング処理を行われた拡大培地(表2~表3の番号17、19、20、21、23、24の培地)の場合、4)で収穫された種細胞を取り、コーティング成分を除く対応する溶液におけるその他の成分を含む拡大培地で1.0×10/mL~1.0×10/mLとなるように再懸濁させ、コーティング成分でコーティング前処理が行われた細胞培養ディッシュに入れて、37℃、5%COで2~3日間活性化させた。その後、活性化された細胞を遠心分離して収集し、事前に予熱された拡大培地が加えられたG-REX500M培養ポットに接種した。G-REX500M培養ポットにおける拡大培地は同じくコーティング成分を除く対応する溶液におけるその他の成分を含む拡大培地である。各G-REX500Mにおける拡大培地の体積が5Lである。活性化された種細胞を2.0×10/cm~5.0×10/cmの接種密度で接種し、37℃、5%COで培養した。4日間おきに細胞を計数して、古い拡大培地を半分の体積で取り除き、新しい拡大培地を半分の体積で補充し、各G-REX500Mポットの細胞総数が1.0×1010に達した後、1:2の比率でフラスコに分けた。各フラスコに新しい拡大培地を5Lまで補充した後、培養し続けた。G-REX500M培養ポットの拡大培地に計10~12日間培養した後、細胞を収穫して、TIL製品細胞を取得した。
【0487】
6)5)で収穫された製品細胞を取り、フローサイトメータにより収穫された製品細胞の表現型を検出すると共に、HTRF IFN-γ検出試薬キット(Cisbio Human IFN gamma kit 品番:62HIFNGPET)により取扱説明書に記載される方法でIFN-γ分泌レベルを検出した。
【0488】
下記の表4は、腫瘍組織サンプル番号、がん種類、培養過程で使用される種細胞培地と拡大培地の表1~表3における対応する番号、各組織サンプルの種細胞培地と拡大培地のそれぞれの培養時間及びG-REX500M細胞接種密度を示す。表5は、ステップ5)のbにおける、対応する腫瘍組織サンプルのコーティング容器種類、コーティング活性化再懸濁細胞密度及びコーティング活性化時間を示す。
【0489】
【表5】
【0490】
【表6】
【0491】
245Mm細胞培養ディッシュはCorning(Cat. 431111)より、細胞培養バッグはTakara (CultiLifeTM 215 Culture Bag, Cat. FU0005)より購入される。上記TIL製品細胞の製造全過程はGMPグレード製造現場で関連法律に遵守した上で行われる。細胞を収穫して遠心分離し、D-PBSで洗浄し、生理食塩水に再懸濁させ、品質制御検出の結果、各指標(CD3+比率、CD4+及びCD8+比率、IFN-γ分泌レベル、無菌、内毒素、浸透圧など)が「中華人民共和国薬典」の規定又は国内外で上場した免疫細胞治療製品の対応する一般基準に適合したため、許可を受けた。
【0492】
結果は表6及び図1図17に示される。表6は、本発明に係る培地及び培養方法で表4の各組織サンプルから培養した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の種細胞数、製品細胞数、製品細胞生存率、製品細胞表現型、及び製品細胞のIFN-γ分泌レベルを示す。図1図17は、番号T001、T002、T003、T004、T005、T006、T007、T008、T009、T010、T011、T012、T013、T014、T015、T016、T017の組織サンプルに由来するTIL製品細胞のフローサイトメトリーによる表現型解析結果にそれぞれ対応する。
【0493】
【表7】
【0494】
表6の結果によれば、本願に係る各群の種細胞培地で培養した固形腫瘍組織は、12日間の収穫時に少なくとも10程度の細胞総数が得られ、例えば、T002、T010及びT013の一部の腫瘍サンプルでは、総数が2×10及び3×10を超えるTIL種細胞が得られた。各群の種細胞は、本願に係る各群の異なる拡大培地で培養した後、最終的に24日前後の収穫時に1010~1011桁のTIL製品細胞を取得でき、その大部分が1011の量以上である。全ての群で収穫されたTIL製品細胞は、生存率が高く、個別を除く大部分のサンプルは90%以上であり、例えば、T005、T008及びT013などはほぼ99%である。また、検出した結果、各群のTIL製品細胞はIFN-γ分泌量も高レベルである。そのため、本願に係る培地及び培養方法で取得した全てのTIL製品細胞は高レベルの活性化状態を保持している。図1図17によれば、全ての群のTIL製品細胞は高純度のリンパ球であり、CD45細胞の比率が100%又はほぼ100%である。全てのTIL製品細胞は、CD3細胞の比率が少なくともほぼ80%(79.25%)であり、大部分の群のTIL製品細胞はCD3細胞の比率が90%を超え、一部の群はほぼ100%である(例えば、T006、T013、T002、T015)。全ての群のサンプルのTIL製品細胞において、大部分の群は、図3、4、5、6、8、10、13、14、15、16、17に示されるように、CD3細胞群体におけるCD8T細胞の比率がほぼ50%又は50%を超え、CD4T細胞に対して絶対的な優位性を示しており、一部の群は、図2、9に示されるように、CD8T細胞とCD4T細胞の比率が約1:1である。上記の結果によれば、本願に係る各群の種細胞培地と拡大培地の組合せで異なる腫瘍組織サンプルから培養したTIL製品細胞は、優れた表現型を有する。
【0495】
実施例3:T001に由来するTILの標的細胞に対する殺傷効果
胃がん細胞系HGC27(Merck Cat. 94042256より購入)を選定して標的細胞とし、ACEA社のリアルタイム非標識細胞機能アナライザー(RTCA)で実施例2により取得したT001組織に由来するTIL製品細胞のインビトロ殺傷活性を検出した。具体的なステップは下記の通りである。
【0496】
(1)ゼロ設定:各ウェルに50μLのDMEM又は1640培養液を入れ、装置に入れ、step 1を選択して、ゼロ設定した。
【0497】
(2)標的細胞プレーティング:HGC27細胞を、1ウェルあたり10個細胞/50μLで検出電極を含むプレートにプレーティングし、細胞が安定的になるまで数分間静置してから、装置に入れ、step 2を開始して、細胞を培養した。
【0498】
(3)エフェクター細胞の添加:標的細胞を細胞指数(Cell Index)が1.0に近づくまで19h培養した後、step 2を一時的に停止し、エフェクター細胞を1ウェルあたり50μLで添加した。TIL細胞生存率の比率に従って、それぞれ2:1、4:1、8:1のET比でエフェクター細胞数量を添加し、step 3を開始し、50hを超えて共培養し続けて、細胞の増殖曲線を観察した。
【0499】
その結果、図18に示されるように、ET比が2:1である場合、腫瘍細胞対照群に比べて、T001に由来するTIL細胞が腫瘍細胞HGC27に対する顕著な殺傷効果を示している。ET比が向上するに伴って、TIL細胞のHGC27に対する殺傷効果も顕著に向上する。
【0500】
実施例4:T002に由来するTILの標的細胞に対する殺傷効果
黒色腫細胞系A375(ATCCより購入)を選定して標的細胞とし、ACEA社のリアルタイム非標識細胞機能アナライザー(RTCA)で実施例2により取得したT002組織に由来するTIL製品細胞のインビトロ殺傷活性を検出した。具体的なステップは下記の通りである。
【0501】
(1)ゼロ設定:各ウェルに50μLのDMEM又は1640培養液を入れ、装置に入れ、step 1を選択して、ゼロ設定した。
【0502】
(2)標的細胞プレーティング:標的細胞A375を、1ウェルあたり10個細胞/50μLで検出電極を含むプレートにプレーティングし、細胞が安定的になるまで数分間静置してから、装置に入れ、step 2を開始して、細胞を培養した。
【0503】
(3)エフェクター細胞の添加:標的細胞を細胞指数(Cell Index)が1.5になるまで20h培養した後、step 2を一時的に停止し、エフェクター細胞を1ウェルあたり50μLで添加した。TIL細胞生存率の比率に従って、それぞれ2:1、4:1、8:1のET比でエフェクター細胞数量を添加し、step 3を開始し、50hを超えて共培養し続けて、細胞の増殖曲線を観察した。
【0504】
その結果、図19に示されるように、ET比が2:1である場合、腫瘍細胞対照群に比べて、T002に由来するTIL細胞が顕著な腫瘍細胞A375に対する殺傷効果を示している。ET比が向上するに伴って、TIL細胞のA375に対する殺傷効果も顕著に向上する。
【0505】
実施例5:T003に由来するTILの標的細胞に対する殺傷効果
子宮頸がん細胞系HeLa(ATCCより購入)を選定して標的細胞とし、ACEA社のリアルタイム非標識細胞機能アナライザー(RTCA)で実施例2により取得したT003組織に由来するTIL製品細胞のインビトロ殺傷活性を検出した。具体的なステップは下記の通りである。
【0506】
(1)ゼロ設定:各ウェルに50μLのDMEM又は1640培養液を入れ、装置に入れ、step 1を選択して、ゼロ設定した。
【0507】
(2)標的細胞プレーティング:標的細胞HeLaを、1ウェルあたり10個細胞/50μLで検出電極を含むプレートにプレーティングし、細胞が安定的になるまで数分間静置してから、装置に入れ、step 2を開始して、細胞を培養した。
【0508】
(3)エフェクター細胞の添加:標的細胞を細胞指数(Cell Index)が1.0になるまで20h培養した後、step 2を一時的に停止し、エフェクター細胞を1ウェルあたり50μLで添加した。TIL細胞生存率の比率に従って、それぞれ2:1、4:1、8:1のET比でエフェクター細胞数量を添加し、step 3を開始し、50hを超えて共培養し続けて、細胞の増殖曲線を観察した。
【0509】
その結果、図20に示されるように、ET比が2:1である場合、腫瘍細胞対照群に比べて、T003に由来するTIL細胞が顕著な腫瘍細胞HeLaに対する殺傷効果を示している。ET比が向上するに伴って、TIL細胞のHeLaに対する殺傷効果も顕著に向上する。
【0510】
実施例6:T005に由来するTILの標的細胞に対する殺傷効果
胃がん細胞系HGC27(Merck Cat. 94042256より購入)を選定して標的細胞とし、ACEA社のリアルタイム非標識細胞機能アナライザー(RTCA)で実施例2により取得したT005組織に由来するTIL製品細胞のインビトロ殺傷活性を検出した。具体的なステップは下記の通りである。
【0511】
(1)ゼロ設定:各ウェルに50μLのDMEM又は1640培養液を入れ、装置に入れ、step 1を選択して、ゼロ設定した。
【0512】
(2)標的細胞プレーティング:標的細胞HGC27を、1ウェルあたり10個細胞/50μLで検出電極を含むプレートにプレーティングし、細胞が安定的になるまで数分間静置してから、装置に入れ、step 2を開始して、細胞を培養した。
【0513】
(3)エフェクター細胞の添加:標的細胞を細胞指数(Cell Index)が1.0程度になるまで21h培養した後、step 2を一時的に停止し、エフェクター細胞を1ウェルあたり50μLで添加した。TIL細胞生存率の比率に従って、それぞれ2:1、4:1、8:1のET比でエフェクター細胞数量を添加し、step 3を開始し、50hを超えて共培養し続けて、細胞の増殖曲線を観察した。
【0514】
その結果、図21に示されるように、ET比が2:1である場合、腫瘍細胞対照群に比べて、T005に由来するTIL細胞が強い腫瘍細胞HGC27に対する殺傷効果を示している。また、ET比が向上するに伴って、TIL細胞HGC27に対する殺傷効果がさらに顕著に向上することはないため、低いET比でT005に由来するTIL細胞の標的細胞HGC27に対する殺傷効果が上限まで達したことを示している。
【0515】
実施例7:T004に由来するTILの標的細胞に対する殺傷効果
胃がん細胞系HGC27(Merck Cat. 94042256より購入)を選定して標的細胞とし、ACEA社のリアルタイム非標識細胞機能アナライザー(RTCA)で実施例2により取得したT004組織に由来するTIL製品細胞のインビトロ殺傷活性を検出した。具体的なステップは下記の通りである。
【0516】
(1)ゼロ設定:各ウェルに50μLのDMEM又は1640培養液を入れ、装置に入れ、step 1を選択して、ゼロ設定した。
【0517】
(2)標的細胞プレーティング:標的細胞HGC27を、1ウェルあたり10個細胞/50μLで検出電極を含むプレートにプレーティングし、細胞が安定的になるまで数分間静置してから、装置に入れ、step 2を開始して、細胞を培養した。
【0518】
(3)エフェクター細胞の添加:標的細胞を細胞指数(Cell Index)が1.5程度になるまで21h培養した後、step 2を一時的に停止し、エフェクター細胞を1ウェルあたり50μLで添加した。TIL細胞生存率の比率に従って、それぞれ2:1、4:1、8:1のET比でエフェクター細胞数量を添加し、step 3を開始し、80hを超えて共培養し続けて、細胞の増殖曲線を観察した。
【0519】
その結果、図22に示されるように、ET比が2:1である場合、腫瘍細胞対照群に比べて、T004に由来するTIL細胞が腫瘍細胞HGC27に対してある程度の殺傷効果を示している。ET比が向上するに伴って、TIL細胞のHGC27に対する殺傷効果も顕著に徐々に向上する。
【0520】
実施例8:TIL細胞の同種腫瘍オルガノイドに対する殺傷効果
実施例2における単離されて間もないT006腫瘍組織を取り、開示文献(Chiara M Cattaneo , Krijn K Dijkstra , Lorenzo F Fanchi , Sander Kelderman, Sovann Kaing, Nienke van Rooij, Stieneke van den Brink, Ton N Schumacher, Emile E Voest. Tumor organoid-T-cell coculture systems Nat Protoc. 2020 Jan;15(1):15-39. ,該文献の全文が引用により本願に組み込まれる)の10ページに記載される方法で腫瘍組織を処理した後、オルガノイド(Patient-derived organoid,PDO)を培養した。培養に使用される試薬キットはすべて該開示文献の記載を参照して購入した。適切に培養して2~3代継代したPDOを取り、下記フローで同種TIL細胞(T006 TIL製品細胞)とPDOの共培養及び殺傷実験を行った。
【0521】
1日目:
1. 培養されたT006 PDO系を取り、PDO培地を捨て、予熱した適量のディスパーゼ(2mg/mL PBSに溶解)でPDOを処理し、ピペットガンでPDOを軽く吹いてから、PDOを37℃で5~15min置いた。単細胞が現れないようにした。
【0522】
2. PDOを遠心分離チューブに移し、1mLのディスパーゼに対して100μLのEDTA (0.5M)を入れ、PBSを10mLとなるように補充して、遠心分離した。
【0523】
3. 2mLのPDO培地でPDOを12ウェルプレートに移し、アノイキスが発生しないように10μMのY-27632(MCE Cat. HY10071より購入)を入れて、37℃、5% COで24時間培養した。
【0524】
2日目:
1. 抗原提示を増強するように、PDOに200ng/mLのIFNγを入れて、一晩処理した。
【0525】
2. 96ウェルプレートに5μg/mLのCD28mAbのPBS(1ウェルあたり50μL)をコーティングして、4℃で24時間インキュベートした。
【0526】
3. 24ウェルG-REXに1×10個のTIL細胞をプレーティングし、150U/mLのIL-2と20μg/mLのPD1 mAbを入れて、一晩処理した。
【0527】
3日目:
1. 12ウェルプレートからPDOを収集した。オルガノイドと培地の懸濁液を15ml試験管に移した。総体積を二等分した。総体積の1/11は単細胞に分解して計数するために利用され、総体積の10/11は実験に利用される。
【0528】
2. 1/11を酵素性分解して単細胞に分解した。PDOを500μLのTrypLEに再懸濁させて、37℃で5~15分間インキュベートした。数分間おきに器官が遊離するかについて検査した。単細胞に分解した場合、停止して計数した。
【0529】
3. PBSでPDOの10/11を2回洗浄して、培養液に添加されたIFN-γを取り除いた。
【0530】
4. TIL細胞培地(表1の8番培地)に1×10個/mLの単細胞でオルガノイドを再懸濁させた。PD-1mAbを濃度40μg/mLとなるように、Y-27632を濃度20μMとなるように入れた。
【0531】
5. TIL細胞を収集し、800gで3min遠心分離して、表1の8番培地で再懸濁させた。密度が5×10/mLとなるように調整した。
【0532】
6. 細胞数量を2群に均等に分けて、96ウェルプレートに入れた。
群1:100μLのPDO+100μLの8番培地
群2:100μLのPDO+100μLの5×10 TIL細胞を含む8番培地
群1と群2はそれぞれ3つの平行するサブウェルを作った。37℃で48時間培養した後、各サブウェルにおけるTILとPDOの混合懸濁液を単細胞懸濁液に酵素消化し、腸がん細胞マーカーEpCAMのフローサイトメトリー用抗体で腫瘍細胞を染色し、染料試薬キットZombie NIRTM Fixable Viability Kit(Biolegendより購入)による染色で死細胞と生細胞を区別して、染色後にフローサイトメータにより検出した。
【0533】
その結果、図23に示されるように、**:p<0.01である。同種TIL細胞と48時間共培養した後、PDO+TIL群のEpCAM腫瘍細胞生存率はPDO+TIL培地群より顕著に減少した。T006腫瘍組織により誘導・培養されたオルガノイドはその相同的対合のTIL細胞によって効果的に殺傷された。
【0534】
実施例9:T001組織サンプルに由来するTIL製品細胞の、マウスの細胞株由来腫瘍移植物(Cell line-derived xenograft,CDX)の腫瘍組織に対する殺傷効果
実験動物
免疫不全B-NDGマウス(Biocytogenより購入)を選定して、CDXモデル構築用実験動物とした。
【0535】
実験設計と群分け:下記表7に示される。
【0536】
【表8】
【0537】
TIL細胞は実施例2により製造され、組織サンプルT001に由来するTIL製品細胞である。尾静脈注射投与前に細胞を遠心分離してPBSに再懸濁させ、細胞密度が2×10/mLであるPBS細胞懸濁液を調製した。
【0538】
動物飼養
必要な数のB-NDGマウスを購入した後、SPF級実験動物飼育室に飼養した。適応期間を7~10日とした。
【0539】
環境:マウスを動物飼育室の透明な樹脂製ケージに入れた。ケージの床材は高圧滅菌が行われた木屑やとうもろこしの芯であり、定期的に交換した。動物飼育室に高効率エアフィルターを配置して、温度を20~26℃(68~79°F)、相対湿度を40~70%に保持した。持続的に観測して、温度と湿度を記録した。照明条件は1日に12時間蛍光灯照射と12時間照明無しとした。
【0540】
餌と水:実験用マウスは専門のマウス餌(放射線により消毒済み、Shanghai SLAC Laboratory Animal Co.,Ltd、中国)を無限量で摂取し、任意の時間で滅菌に近い清潔水を支障なく飲用することができる。
【0541】
腫瘍細胞の接種
各マウスの右側皮下にHGC-27腫瘍細胞(マウス1匹あたり2×10細胞)を接種した。腫瘍の成長を促進するために、接種は0.1mLの50%マトリックスを含む培地で行う。
【0542】
動物の群分けと投与
腫瘍体積が~50mm程度に達した場合、12匹の動物を腫瘍体積によってランダムに群分けして(n=6)、全ての群がベースラインにおいて比較可能性を有するようにした。群分ける当日をP0とする。実験期間において動物体重と腫瘍体積を週3回測定し、毎日、動物の臨床症状を観察した。腫瘍体積は、mmで示し、計算式がV=0.5×a×bであり、但し、aとbはそれぞれ腫瘍の長径と短径である。
【0543】
結果
実験結果は図24に示される。群間の腫瘍体積の差は、対応のない両側t検定により統計的分析を行う。*:p<0.05、**:p<0.01。図24の結果によれば、投与後23日目まで、PBS対照群を注射した担癌マウスに比べて、TIL細胞投与群のマウス腫瘍体積の増大が顕著に抑制され、T001に由来するTIL製品細胞がインビボで胃がん腫瘍に対して非常に顕著な殺傷効果を有することを示している。
【0544】
実施例10:T002組織サンプルに由来するTIL製品細胞の、マウスCDX腫瘍組織に対する殺傷効果
【0545】
実験動物
免疫不全B-NDGマウス(Biocytogenより購入)を選定して、CDXモデル構築用実験動物とした。
【0546】
実験設計と群分け:下記表8に示される。
【0547】
【表9】
【0548】
TIL細胞は実施例2により製造され、組織サンプルT002に由来するTIL製品細胞である。
【0549】
尾静脈注射投与前に細胞を遠心分離してPBSに再懸濁させ、細胞密度が2×10/mLであるPBS細胞懸濁液を調製した。
【0550】
腫瘍細胞の接種
各マウスの右側皮下に黒色腫細胞A375(マウス1匹あたり2×10細胞)を接種した。腫瘍の成長を促進するために、接種は0.1mLの50%マトリックスを含む培地で行う。
【0551】
動物飼養、動物群分け及び投与は実施例9と同様である。
【0552】
結果
実験結果は図25に示される。群間の腫瘍体積の差は、対応のない両側t検定により統計的分析を行う。*:p<0.05、**:p<0.01。図25の結果によれば、投与後22日目まで、PBS対照群を注射した担癌マウスに比べて、TIL細胞投与群のマウス腫瘍体積の増大が顕著に抑制され、T002に由来するTIL製品細胞がインビボで黒色腫に対して非常に顕著な殺傷効果を有することを示している。
【0553】
実施例11:T008組織サンプルに由来するTIL製品細胞の、相同的対合の患者に由来する腫瘍移植物(Patient-derived xenograft,PDX)の腫瘍組織に対する殺傷効果
実験動物
免疫不全B-NDGマウス(Biocytogenより購入)を選定して、PDXモデル構築用実験動物とした。
【0554】
実験設計と群分け:下記表9に示される
【0555】
【表10】
【0556】
TIL細胞は実施例2により製造され、組織サンプルT008に由来するTIL製品細胞である。尾静脈注射投与前に細胞を遠心分離してPBSに再懸濁させ、細胞密度が1×10/mLであるPBS細胞懸濁液を調製した。
【0557】
動物飼養
必要な数のB-NDGマウスを購入した後、SPF級実験動物飼育室に飼養した。適応期間を7~10日とした。
【0558】
環境:マウスを動物飼育室の透明な樹脂製ケージに入れる。ケージの床材は高圧滅菌が行われた木屑やとうもろこしの芯であり、定期的に交換した。動物飼育室に高効率エアフィルターを配置して、温度を20~26℃(68~79°F)、相対湿度を40~70%に保持した。持続的に観測して、温度と湿度を記録した。照明条件は1日で12時間蛍光灯照射と12時間照明無しとした。
【0559】
餌と水:実験用マウスは専門のマウス餌(放射線により消毒済み、Shanghai SLAC Laboratory Animal Co.,Ltd、中国)を無限量で摂取し、任意の時間で滅菌に近い清潔水を支障なく飲用した。
【0560】
PDXモデルの構築
1)患者腫瘍組織サンプルの処理:T008腫瘍組織の一部を取り、無菌条件で壊死部分組織、脂肪組織、結締組織などを取り除き、綺麗に洗浄した後、メスで幾つかの5×5×5mm組織ブロックに切断し、腫瘍サンプル輸送保存液を含むUWに入れて、腫瘍ブロックをB-NDGマウスに接種した。
【0561】
2)腫瘍組織サンプルの接種:幾つかのB-NDGマウスを取り、マウス肩甲部の皮膚を処理し、マウス皮下腫瘍接種固定器でマウスを固定し、ヨードフォアで消毒し、リドカインで局所麻酔を施してから、PDXモデル腫瘍ブロック接種用トロカールで1)の腫瘍ブロックを右側鼠径部に接種した。接種当日をP0とした。腫瘍の大きさを週2回測定した。腫瘍体積の計算式はV=0.5×a×bであり、但し、aとbはそれぞれ腫瘍の長径と短径を示す。
【0562】
3)PDX組織の継代:各接種マウスの腫瘍組織の成長状況を観察し、腫瘍組織の体積が300mm以上に成長した場合、マウスに麻酔を施し、腫瘍ブロックを取り出して、無菌条件においてメスで5×5×5mm組織ブロックに切断した後、ステップ2)を繰り返し、別のマウス右側鼠径部に接種し、次代のPDX腫瘍の成長を待つ。
【0563】
4)ステップ3)を繰返し、2~3代継代した後、マウス体内のPDX組織の一部を取り、組織切片の病理分析を行った。PDX組織が依然としてヒト組織である(マウス組織ではない)ことを確認したら、表9の実験計画に使用されるマウス数の1.5倍でPDX組織をマウスに接種し(即ち、PDX組織ブロックをマウス24匹に接種)、マウス腫瘍の成長状況を観察した。腫瘍の大きさを週2回測定し、腫瘍の成長を待つ。
【0564】
動物の群分けと投与
PDX接種マウスの腫瘍体積が~50mm程度に達した場合、24匹の動物から適切な腫瘍体積の動物を16匹選定し、腫瘍体積によってランダムに群分けして(n=8)、全ての群がベースラインにおいて比較可能性を有するようにした。群分ける当日をD0とした。表9の案で投与した。実験期間において動物体重と腫瘍体積を週3回測定し、毎日、動物の臨床症状を観察した。腫瘍体積はmmで示し、腫瘍測定の計算式が上記と同様である。
【0565】
結果
実験結果は図26に示される。群間の腫瘍体積の差は、対応のない両側t検定により統計的分析を行った。*:p<0.05、**:p<0.01。図26の結果によれば、投与後40日目まで、PBS対照群を注射した担癌マウスに比べて、TIL細胞投与群のマウス腫瘍体積の増大が顕著に抑制され、T008に由来するTIL製品細胞がインビボで同じ患者由来の腫瘍PDX組織に対して非常に顕著な殺傷効果を有することを示している。
【0566】
実施例12:T007組織サンプルに由来するTIL製品の、相同的対合のPDXマウス生体内における腫瘍トロピズム検出
1.患者末梢血PBMCからのT細胞の単離及び製造
Ficoll分離法によりT007組織サンプルの対応する患者末梢血20mLから末梢血単核球(PBMCs)を単離した。PBMCを2~4h接着培養した。そのうち、接着していない懸濁細胞がナイーブT細胞である。懸濁細胞を15ml遠心分離チューブに収集して、1200rmpで3min遠心分離し、上澄みを捨て、生理食塩水を入れて、1200rmpで3min遠心分離し、生理食塩水を捨て、このステップを繰り返した。収穫されたT細胞を、200IU/mLのIL-2と5%のヒトAB血清を含むX-VIVO15で再懸濁させ、事前にCD3 mAbとCD28 mAbをコーティングした細胞培養ディッシュに入れて、37℃、5%COインキュベータで3日間活性化させた。細胞懸濁液を別の培養ディッシュに移して培養し、1~2日間おきに新しい培地を交換し、少なくとも1.0×10T細胞を取得して、その後の実験に供した。
【0567】
2.ルシフェラーゼを組み込んで発現するT細胞及びTIL細胞の製造
Genechemよりルシフェラーゼ遺伝子を発現する品番LVCON101のレンチウイルス粒子を購入した。下記ステップによりルシフェラーゼを発現するレンチウイルスで、1により製造されたT007患者の末梢血に由来するT細胞(使用細胞数量:1×10)及び実施例2により製造されたT007腫瘍組織サンプルに由来するTIL製品細胞(使用細胞数量:1×10)を導入した。具体的なステップは下記の通りである。
【0568】
第1ステップ:感染前の準備。冷蔵庫からウイルスを取り出し、氷上で溶かし、ウイルスをFBS無しのDMEMで10倍希釈した。
【0569】
第2ステップ:感染の操作。T細胞及びTIL細胞を800gで3min遠心分離し、細胞沈殿物を無血清X-VIVO 15基礎培地で再懸濁させた後、細胞MOI及びウイルス力価に応じて、対応するウイルス量を入れた。計算式:ウイルス体積=(MOI×細胞数)/ウイルス力価。MOI値=50で末梢血T細胞及びTIL細胞を感染し、8~12h感染後にヒトAB血清を最終濃度が5% v/vとなるように、IL-2を最終濃度が200IU/mLとなるように補充して、24~48h培養し続けた。
【0570】
第3ステップ:細胞培養及び継代。途中で細胞に液体を補充して、細胞活性を保持してもよい。
【0571】
第4ステップ:感染効果の確認。感染後72hに、細胞を少量で取り、96ウェルプレートの1つのウェルに入れると同時に、20μLのルシフェラーゼの基質フルオレセインを入れ、塩希釈液を入れて、小動物生体イメージャで蛍光状況を観測した。
【0572】
その結果、T細胞及びTIL細胞はいずれも、蛍光値を明らかに検出でき、ルシフェラーゼを発現するレンチウイルスがT007のT細胞及びTIL細胞を適切に導入されたことを示している。それぞれ、T-Luc細胞及びTIL-Luc細胞とした。
【0573】
3.PDXモデルの構築
実施例11における「PDXモデルの構築」に記載される方法を参照しながら、T007腫瘍組織の一部を取り、免疫不全B-NDGマウスのT007腫瘍組織に基づくPDXモデルを構築した。2~3代安定的に継代し、病理検出により、マウスPDX組織ではなく、依然としてヒトPDX組織であることを確認できた場合、実験要求に応じてB-NDGマウスに腫瘍ブロックの移植接種を行った。腫瘍ブロックの接種部位はマウスの右側鼠径部である。
【0574】
4.TIL細胞の生体内腫瘍トロピズム検出
実験設計及び群分けは下記の表10に示される。
【0575】
【表11】
【0576】
2により製造されたT-Luc細胞及びTIL-Luc細胞を遠心分離し、細胞沈殿物をPBSで再懸濁させ、密度が1×10/mLである細胞懸濁液を調製した。3群のT007 PDX担癌マウスに表10の実験方案で投与した。投与後1日(D1)と10日(D10)に、それぞれ3群のマウスにルシフェラーゼの基質フルオレセインを注射することで反応させてから、小動物生体イメージング観測装置により生体蛍光イメージングを行い、T-Luc細胞及びTIL-Luc細胞の担癌マウス生体内における分布状況を観察した。
【0577】
結果は図27に示される。図27に示すように、尾静脈注入1日後、末梢血に由来するT細胞及びTIL細胞が血液の循環により肺に顕著に集積した。注入10日後に、蛍光生体イメージングによれば、T細胞及びTIL細胞は、腫瘍生成の傾向があるが、末梢血に由来するT細胞に比べて、TIL細胞の腫瘍生成の傾向がより顕著であった。
【0578】
実施例13:TIL臨床注入及び生体内TIL細胞増殖
本願に係る培養方法で取得したTILの臨床における安全性と有効性を検証するために、固形腫瘍に対するTIL注入治療の臨床試験を行った。該臨床試験は上海市第十人民病院倫理委員会により承認された。詳細についてhttp://www.chictr.org.cn/を参照し、登録番号はChiCTR2100044705であり、或いはwww.clinicaltrials.govを参照し、登録番号はNCT04766320である。また、該試験は上海交通大学医学院付属同仁病院及び蘇州大学付属第2病院と共同で実施した。www.clinicaltrials.gov登録番号はそれぞれNCT04967833とNCT04943913である。
【0579】
研究案
1.被験者受入・除外基準及び群分け方法
受入基準:
1)18歳≦年齢≦75歳
2)病理診断により悪性腫瘍原発/再発/転移と診断した患者
3)期待寿命>3ヶ月
4)Karnofsky≧60%又はECOG点数0~2点
5)現在、被験者には標準治療法を施したが失敗に終わり、或いは標準治療案がないこと
6)被験者は穿刺又は生組織切除に適する腫瘍領域を有すること、或いは悪性水腫からTILsが分離可能であること
7)少なくとも1つの評価可能な腫瘍病巣を有すること
8)白血球計数≧2.5×10/L、好中球絶対計数≧1.5×10/L、血小板計数≧100×10、血色素≧90g/L
9)血清クレアチニンのクリアランスが50mL/min以上であり、クレアチニン≦1.5×ULN、ALT(アラニンアミノトランスアミナーゼ)/AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)<正常群の3倍、肝転移患者<正常群の5倍、総ビリルビン≦1.5×ULN
10)活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)≦1.5×ULN、国際標準化比(INR)≦1.5×ULN
11)十分な静脈通路があり、手術又は穿刺術の絶対禁忌或いは相対禁忌がないこと
12)生育能力を有する被験者は、内容を理解した上で自分の意思で、許可された高効率的な避妊方法を実施すると共に、リンパ除去案が完了した後の1年間以内で実施し続けること
13)放射線治療、化学治療及び生物製剤を含む悪性腫瘍に対する任意の治療方法は、TILsを取得する28日間前に停止すること
14)十分な理解能力があり、自分の意思でインフォームドコンセントにサインすること。
15)優れたコンプライアンスを有し、研究訪問計画やその他の協議書の要求に従うこと。
【0580】
除外基準:
1)糖質コルチコイドで治療する必要があり、1日用量が15mgのプレドニゾン(又は相当量のホルモン)より大きいこと
2)自己免疫性疾患のため免疫抑制治療が必要とされること
3)血清クレアチニン>1.5×ULN、血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(SGOT)>5倍正常値上限、総ビリルビン>1.5×ULN
4)1秒間努力呼気量(FEV1)<2L、一酸化炭素肺拡散能(DLCO)(校正)<40%
5)顕著な心血管異常の下記何れか1の定義:ニューヨーク心臓病協会(NYHA)によるIII又はIV度のうっ血性心不全、臨床的に顕著な低血圧、臨床的に制御できない高血圧、制御できない症状性虚血性心疾患、又は駆出率<35%;臨床的に関与する必要がある心室性不整脈、II-III度房室ブロックなどの、重篤な心調律又は伝導異常
6)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に罹患し、又はHIV抗体が検出されたこと
検出の結果、アクティブb型肝炎又はc型肝炎ウイルス感染症(HBsAg陽性及び/又は抗-HCV陽性)、梅毒感染症又は梅毒トレポネーマ抗体陽性であること
7)重篤な身体又は精神疾患。
8)血培養による陽性又は感染のイメージング証拠
9)その他の薬物、又はその他の生物治療、化学治療又は放射治療を1ヶ月以内に受けた、或いは受けていること
10)細胞治療に類似する化学又は生物成分の化合物に対するアレルギー反応があること
11)以前免疫治療を受け、irAEグレード≧3であったこと
12)既往の抗腫瘍治療の不良反応がCTCAE5.0バージョングレード評価≦1グレードに回復していない(脱毛など研究者判断では安全リスクのない毒性を除く)こと
13)妊娠期又は哺乳期女性
14)研究者は、その他の重篤な全身性疾患の病歴を有し、又はその他の理由で、被験者が該臨床研究に適しないと判断すること
【0581】
2.治療効果の評価基準
主要な治療効果指標:
1)全奏効率(ORR)、
2)病勢コントロール率(DCR)、
3)奏効持続期間(DOR)、
4)無増悪生存期間(PFS)、
5)全生存期間(OS)。
【0582】
副次の治療効果指標:
1)臨床効果評価:完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定(SD)、進行(PD)など
2)治療前後の生活品質変化
治療効果は研究者が観察できるORRと定義される。RECIST1.1基準に準拠する。
【0583】
3.有害事象の記録及び処理措置
3.1有害事象の定義
有害事象(AE):被験者がインフォームドコンセントにサインして試験に選定された時点から、最後の医学的フォローアップまでの医学的有害事象であり、身体症状、疾患又はラボ検査異常と表れることがあるが、必ずしも治療又は試験薬物と因果関係があるとは限らない。
【0584】
新しい状況又は既存状況の悪化はAEと見なす。例えば、関節炎など、研究に選定される前に既存し、且つ研究期間において悪化していない安定的な慢性疾患はAEと見なさない。異常なラボ検査結果、臨床症状又は身体症状は、研究者判断で臨床的意義を有する場合、AEと見なす。
【0585】
重篤な有害事象(SAE):試験過程において下記何れか1つ又は複数の状況に該当する有害事象である。(1)死亡、(2)命を脅かす、即ち、重篤な患者が即時に死亡するリスクであり、将来的に進展する場合に死亡する可能性ではない、(3)入院又は入院時間が延長する、(4)永久な又は顕著な機能喪失、(5)奇形、先天性欠損に致す、(6)その他の重要な医学的事象。
【0586】
3.2.有害事象重篤度の判定基準
研究過程において発生する全ての有害事象の重篤度はNCI-CTCAE 5.0バージョンに基づいて評価し、1~5級に分ける。
・1級:軽度;無症状又は症状微小;臨床又は診断所見に過ぎない;治療が不要。
・2級:中度;軽度、局部又は非侵襲治療が必要;年齢に見合う手段的日常生活動作が制限される。
・3級:重篤又は医学的重要な意味を有するが、即時に命に危険を及ぼすことはない;入院又は入院時間が延長;障害に致す;個人の日常生活動作が制限される。
・4級:命に危険を及ぼす;緊急治療が必要。
・5級:AEに関わる死亡。
【0587】
4.注入前の前処理
TIL細胞を注入する前に、患者がリンパ球の前処理案(ヒドロキシクロロキン600~800mg×1日、シクロホスファミド20~25mg/kg/d×3日)を受ける。前処理案に使用される薬物、用量、日数(投与回数)は、研究者が患者の実際状況に応じて判断・調整する。
【0588】
注入当日を0日目と定義する。TIL細胞を注入する前に、研究者が患者に対して下記の化学治療前処理を行う(前処理後に患者の白血球が減少するため、病室への不要な出入りを制限、患者がマスクをつけるなど、感染予防策を講じる)。
【0589】
-5日にシクロホスファミド(Cy)20~25mg/kgを静脈注射し、ヒドロキシクロロキン(HCQ) 600~800mgを経口投与する。
【0590】
-4日にシクロホスファミド20~25mg/kgを静脈注射する。
【0591】
-3日にシクロホスファミド20~25mg/kgを静脈注射する。
【0592】
-2、-1日に患者が休憩する。
【0593】
0日にTIL細胞を注入する。
【0594】
5.TIL細胞注入及び治療効果評価
前述した4回の注入前の前処理が完了した後の0日目に患者に注入する。各患者に1回注入し、1回の注入用量が2×1010~5×1010個のTIL細胞であり、注入する細胞製剤の細胞密度が1.0×10/mL~2.0×10/mLであり、注入する細胞製剤の体積が200mL~600mLである。0日目に患者にTIL細胞を注入し、注入後にサイトカインを投与しない。注入後に患者を5~8日入院させて、患者の注入後状況を観測しながら記録する。患者が内容を理解・了承した上で、異なる時点で患者の末梢血を採取して、PBMCの成分と変化を検出し、注入後1~3ヶ月でイメージングによる効果評価を行う。
【0595】
6.TIL臨床注入の結果
現在まで16名の被験者を選定した。下記に示される表11には、臨床効果評価を受けたそのうちの11名の患者の基本状況が記載されている(評価時間が注入後1~3ヶ月以内である)。
【0596】
【表12】
【0597】
16名の被験者のうち、有害事象はグレード1の寒気5名(31.3%)、グレード1の発熱7名(43.8%)、グレード2の発熱6名(37.5%)を含み、全ての症状が時間経過に伴って消える。それ以外、その他の有害事象を観察していない。
【0598】
T017患者はイメージング評価により腫瘍が顕著に縮小することを示し、部分奏効(PR)と判定した。該患者に対して、TIL細胞注入前後にそれぞれ末梢血を採取し、一部の腫瘍マーカーのレベルを検出した。比較結果が下記の表12に示される。
【0599】
【表13】
【0600】
表12の結果によれば、T017患者は、注入前に、上記の幾つかの腫瘍マーカーのうち、正常範囲にあるα-フェトプロテインとCA199を除き、その他が正常範囲を大幅に上回る。TIL注入後30日に該患者の末梢血における上記腫瘍マーカーを再度検出した結果、正常範囲を上回った腫瘍マーカーのうち、正常範囲を僅か上回るヒト精巣上体タンパク4を除き、その他が正常範囲に回復又は維持する。
【0601】
図28はT009患者のTIL細胞注入後のイメージング評価結果を示す。核磁気共鳴イメージングの結果によれば、注入前の腫瘍病巣サイズが約3cmである。注入前に比べて、該患者はTIL注入後6週間に腫瘍病巣が顕著に縮小した(当時、部分奏効PRと判定)。注入10週間後に、腫瘍はイメージングにより検出できなくなり、RECIST 1.1指針基準に従って、完全奏効(CR)と判定した。
【0602】
患者は、注入前から注入後120日の期間内の、複数の異なる時点で採血及び血液検査を行った。T009患者が内容を理解・了承した上で、該患者のTIL注入当日の注入前(D0)及び注入後2、7、11、13、17、24、29、31、43、49、53、59日目(D2、D7、D11、D13、D17、D24、D29、D31、D43、D49、D53、D59)に採取した末梢血から、Ficoll密度勾配遠心分離法によりPBMCを単離した後に、Trizol(Life Technologies)で細胞を分解し、細胞分解液からRNAを抽出して、TCR β鎖CDR3領域のRNAシークエンシング(TCR-seq,Immuquad Biotech)を行うと共に、患者に臨床注入するためのT009 TIL製品細胞に対してTCR β鎖CDR3領域のTCR-seqを行い、さまざまな時点における末梢血PBMC及び注入するTIL製品細胞のTCRβ鎖CDR3ライブラリーを取得した。TCR-seqにより取得したD0、D2、D7、D11、D13、D17、D24、D29、D31、D43、D49、D53、D59のTCRβ鎖CDR3ライブラリーのそれぞれをTIL製品細胞のTCRβ鎖CDR3ライブラリーに比べることで、重なり合うTCRはTIL注入前後のさまざまな時点(D2、D7、D11、D13、D17、D24、D29、D31、D43、D49、D53、D59)における患者末梢血に注入するTIL細胞のクローン型に対応するTCRである。
【0603】
図29は患者の注入前から注入後約120日の期間内の、末梢血における白血球、好中球及びリンパ球の数の変化傾向曲線図である。図30図29における注入前から注入後20日までの部分拡大図である。図29及び30によれば、注入前の前処理から注入当日(D0)まで、上記の3種類の細胞の絶対計数が顕著に低下した。D0から、白血球、好中球の2種類の絶対計数は低下し続き、D10前後まで白血球と好中球は共に最低レベルまで低下した。これは、文献に報道される内容と同様である(M E Gershwin, E J Goetzl, A D Steinberg Cyclophosphamide: use in practice Ann Intern Med. 1974 Apr;80(4):531-40)。一方、リンパ球計数は、D0から顕著に上昇し、その上昇傾向がD0後の1週間で特に著しく、白血球、好中球の2種類の細胞の絶対計数の低下傾向とは顕著に対照的であるため、TIL細胞注入後に、リンパ球がインビボで顕著に増殖したことを示している。
【0604】
図31は、患者の末梢血に注入するTIL細胞のTCRクローン型の頻度及びリンパ球の総数の経時変化の重ね合せ傾向である。図31によれば、注入当日に、TILを注入するTCRクローン型の頻度が一瞬でピークに達し、その後低く低下してから、また上昇し続き、しかも注入後30日までこの上昇傾向がリンパ球の総数の上昇傾向と高度的に重なり合うため、患者の末梢血におけるリンパ球の数の注入後の顕著な上昇がTILを注入するTCRクローン型の増殖と高度的に関わることを示している。
【0605】
図29、30、及び31の結果によれば、本発明に係るTIL製品細胞は、低用量のシクロホスファミド+ヒドロキシクロロキンにより前処理を行われた患者に注入すると、生体内で積極的且つ有効的に増殖できる。
【0606】
比較例
中国特許出願CN110785486Aの明細書の142ページの実施例19に記載される方法の過程2A(即ち、明細書に記載されるGen2製造方法)を利用して、CN110785486Aの明細書の177ページの実施例27に開示されたpre-REP培養段階(即ち、本願に係る種細胞培養段階に対応)でIL-2、IL-15、IL-21を添加する技術案と組み合わせて、実施例2の表4におけるT004、T009、T013、T014組織サンプルからTIL製品細胞を製造した。採用される製造方法は、CN110785486Aの明細書の実施例19、27及びその他の全ての関連実施例に記載される方法であり、方法参照先のCN110785486Aの全文が引用により本願に組み込まれている。参照するTIL製造方法の必要とされるフィーダー細胞が健康人のPBMCに由来する。
【0607】
CN110785486Aに記載される製造方法(以下「比較方法」と呼ぶ)及び本発明に係る製造方法(以下「本方法」と呼ぶ)で製造された最終のTIL製品細胞についてそれぞれ下記の指標検出と比較を行った。
【0608】
1)細胞計数と生存率、
2)CD45細胞の全細胞に占める比率、
3)CD3細胞のCD45細胞に占める比率、
4)CD4細胞及びCD8細胞のCD3細胞に占める比率、
5)メモリーT細胞のCD3細胞に占める比率、
6)IFN-γ分泌レベル、
7)T細胞疲弊レベル、
8)制御性T細胞(Treg)のCD3細胞に占める比率。
メモリーT細胞比率、疲弊T細胞、活性化T細胞はフローサイトメータにより検出する。具体的には、TcmはCD45ROCCR7細胞を検出することで決定され、TemはCD45ROCCR7細胞を検出することで決定され、疲弊T細胞はLag3細胞を検出することで決定され、IFN-γ分泌レベルの検出は本願に係る実施例2に記載される方法を採用し、TregはCD4CD25Foxp3細胞を検出することで決定される。
【0609】
結果は表13に示される。
【0610】
【表14】
【0611】
表13の結果によれば、比較方法で培養されたTIL製品細胞は、細胞数、生存率、CD45細胞比率、CD3/CD45比率の指標が、本方法で培養されたTIL製品細胞と大体同じである。2つの方法で培養されたTIL製品細胞におけるCD8細胞のCD3細胞に占める比率はほぼ同じであり、比較方法で培養されたTIL細胞におけるCD4細胞の比率は比較的に高く、本方法で培養されたTIL細胞における一部の細胞はCD4CD8CD3 T細胞であり、即ち、ダブルネガティブT細胞である。2つの方法で培養されたTIL細胞のメモリーT細胞表現型において、TcmのT細胞総数に占める比率は10%程度で最高であり、2つのTIL細胞のIFN-γ分泌レベルも大体同じである。一方、比較方法で培養されたTIL細胞に比べて、本発明に係る方法では、4つの組織サンプルにおいて培養されたTIL製品細胞は、疲弊T細胞とTreg比率に関して顕著に低いため、本方法で培養されたTIL細胞がインビボ・インビトロにおいて活性化、増殖と殺傷性能に関してより大きな潜在的優位性を有する。
【0612】
以上、本願の実施形態について詳しく記述したが、本願は上記実施形態の詳細内容に限定されず、本願の技術範囲内で本願の技術案について様々な簡易な変形をしてもよく、これらの簡易な変形は本願の保護範囲である。なお、上記具体的な実施形態に記述された各具体的な技術特徴は、矛盾が生じない限り、任意の適切な方式で組み合わせられてもよく、必要でない繰返しがないように、本願は可能な各組合せ方式について別途で説明しない。さらに、本願の各種の実施形態も互いに任意に組み合わせられてもよく、本願の趣旨から逸脱しない限り、本願に開示された内容と見なされる。
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【国際調査報告】