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特表2024-501128レーザ剥離による酸化物接合ウェーハ・ペアの分離
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】レーザ剥離による酸化物接合ウェーハ・ペアの分離
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20231228BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231228BHJP
   B23K 26/57 20140101ALI20231228BHJP
【FI】
H01L21/02 C
H01L21/02 B
H01L21/304 611Z
B23K26/57
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531656
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2021124902
(87)【国際公開番号】W WO2022111141
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】17/103,793
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ファルーク、ムクタ、グハテ
(72)【発明者】
【氏名】マクヘロン、デール、カーティス
(72)【発明者】
【氏名】スコルダス、スピリドン
【テーマコード(参考)】
4E168
5F057
【Fターム(参考)】
4E168AE05
4E168FD01
4E168JA12
4E168JA13
5F057AA04
5F057BA19
5F057DA22
(57)【要約】
半導体構造体を製造する方法は、第1のキャリア・ウェーハの下に赤外線(IR)放射を吸収することができる分離可能層を形成することを含む。第1のハード誘電体層が分離可能層の下に形成される。第2のハード誘電体層が半導体ウェーハの最上面表面に形成される。第1の誘電体層が第2の誘電体層と接合される。半導体ウェーハに電気的接続を設けるために半導体ウェーハの底面部上のコネクタが形成される。第2のキャリア・ウェーハが半導体ウェーハの底面部上のコネクタに接続される。IR放射でIRを第1のキャリア・ウェーハ中に透過させることにより分離可能層を劣化させることによって、第1のキャリア・ウェーハが半導体ウェーハから分離される。半導体ウェーハの最上面表面から第1および第2の誘電体層を貫通するバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア・ウェーハと、
前記キャリア・ウェーハの最上面上に結合された半導体ウェーハと、
前記半導体ウェーハの最上面上の第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の最上面上に直接接合された第2の誘電体層と、
前記半導体ウェーハの最上面表面から前記第1および第2の誘電体層を貫通する1つまたは複数のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線と
を備える半導体構造体。
【請求項2】
前記第1および第2の誘電体層が酸化物を含む、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記第1および第2の誘電体層が、シリコン酸化物の熱伝導率に等しいか、またはそれより大きい熱伝導率を有する、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記第1および第2の誘電体層がダイヤモンド膜を備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項5】
前記半導体ウェーハの幅を50μm~100μmに薄化した、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項6】
前記キャリア・ウェーハがガラスを含む、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項7】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間の接合が酸窒化物接合である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項8】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間の接合が窒化物接合である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項9】
半導体構造体を製造する方法であって、
第1のキャリア・ウェーハを提供することと、
前記第1のキャリア・ウェーハの下に赤外線(IR)放射を吸収することができる分離可能層を形成することと、
前記分離可能層の下に第1のハード誘電体層を形成することと、
半導体ウェーハの最上面表面上に第2のハード誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層を前記第2の誘電体層と直接接合することと、
前記半導体ウェーハに電気的接続を設けるために、前記半導体ウェーハの底面部上にコネクタを形成することと、
前記半導体ウェーハの前記底面部上の前記コネクタに、第2のキャリア・ウェーハを接続することと、
IR放射で赤外線(IR)を前記第1のキャリア・ウェーハ中に透過させることにより前記分離可能層を劣化させることによって、前記第1のキャリア・ウェーハを前記半導体ウェーハから分離することと、
前記半導体ウェーハの最上面表面から前記第1および第2の誘電体層を貫通するバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線を設けることと
を含む方法。
【請求項10】
前記分離可能層がアルミニウム(Al)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離可能層が光熱変換リリース・コーティング(LTHC)層である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の誘電体層が酸化物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との直接接合の後に、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間により強い接合を形成するために熱アニールを行うことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の誘電体層の前記第2の誘電体層との前記直接接合の後に、前記半導体ウェーハを薄化することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記半導体ウェーハの前記薄化が、μm~50μmの厚さになる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記キャリア・ウェーハの最上面表面または底面表面の少なくとも一方を反射防止層でコーティングすることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記反射防止層が窒化物を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のキャリア・ウェーハが、接着剤で前記半導体ウェーハの下に接続される、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のキャリア・ウェーハを前記半導体ウェーハから分離すると、前記分離可能層の化学エッチングによって前記分離可能層の残留物を除去することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
前記半導体ウェーハが、前記第2のハード誘電体層の下にある分離可能層を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に半導体デバイスに関し、より詳細には、処理の間、半導体ウェーハをキャリア・ウェーハに一時的に取り付けること、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、集積回路は通常、様々な処理ステップを経る半導体ウェーハ上で製造される。ウェーハは、さらなる処理のために薄化されることが多い。ある厚さになると、ウェーハはさらなる処理を行うには、構造的にもろくなる。そのため、薄化したウェーハは、さらなる処理を可能にするために、好ましくは薄化する前に一時的にハンドリング・ウェーハに接合される。半導体ウェーハ、ハンドラ・ウェーハ、またはその両方に塗布される接着剤を用いて、半導体ウェーハは、ハンドラ・ウェーハに接着され得る。半導体ウェーハが処理された後、半導体ウェーハは、たとえば溶剤またはレーザを用いて接合された接着剤を溶解させることによって、ハンドラ・ウェーハから分離され得る。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態によれば、半導体構造体が、キャリア・ウェーハを備える。キャリア・ウェーハの最上面上に、半導体ウェーハが結合されている。半導体ウェーハの最上面上に、第1の誘電体層がある。第1の誘電体層の最上面上に、第2の誘電体層が直接接合されている。半導体ウェーハの最上面表面から第1および第2の誘電体層を、1つまたは複数のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL:Back End of Line)配線が貫通している。
【0004】
一実施形態では、第1および第2の誘電体層は酸化物を含む。
【0005】
一実施形態では、第1および第2の誘電体層は、シリコン酸化物の熱伝導率に等しいか、またはそれより大きい熱伝導率を有する。
【0006】
一実施形態では、第1および第2の誘電体層はダイヤモンド膜を備える。
【0007】
一実施形態では、半導体ウェーハの幅を50μm~100μmに薄化する。
【0008】
一実施形態において、キャリア・ウェーハはガラスを含む。
【0009】
一実施形態では、第1の誘電体層と第2の誘電体層との間の接合は、酸窒化物接合(oxynitride bond)である。
【0010】
一実施形態では、第1の誘電体層と第2の誘電体層との間の接合は、窒化物接合(nitride bond)である。
【0011】
一実施形態によれば、半導体構造体を製造する方法は、第1のキャリア・ウェーハを提供することと、第1のキャリア・ウェーハの下に赤外線(IR:infrared)放射を吸収することができる分離可能層(scissionable layer)を形成することとを含む。分離可能層の下に第1のハード誘電体層(hard-dielectric layer)が形成される。半導体ウェーハの最上面表面上に第2のハード誘電体層が形成される。第1の誘電体層は、第2誘電体層と直接接合される。半導体ウェーハに電気的接続を設けるために、半導体ウェーハの底面部上にコネクタが形成される。半導体ウェーハの底面部上のコネクタに、第2のキャリア・ウェーハが接続される。IR放射で赤外線(IR)を第1のキャリア・ウェーハ中に透過させることにより分解可能層を劣化させることによって、第1のキャリア・ウェーハが半導体ウェーハから分離される。半導体ウェーハの最上面表面から第1および第2の誘電体層を貫通するバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線が設けられる。
【0012】
一実施形態では、分離可能層は、アルミニウム(Al)を含む。
【0013】
一実施形態では、分離可能層は、光熱変換リリース・コーティング(LTHC:Light-To-Heat-Conversion Release Coating)層である。
【0014】
一実施形態では、第1および第2の誘電体層は、酸化物を含む。
【0015】
一実施形態では、第1の誘電体層と第2の誘電体層との直接接合の後に、第1の誘電体層と第2の誘電体層との間のより強い接合を形成するために熱アニールが行われる。
【0016】
一実施形態では、第1の誘電体層と第2の誘電体層との直接接合の後に、半導体ウェーハが薄化される。
【0017】
一実施形態では、半導体ウェーハは、50μm~100μmに薄化される。
【0018】
一実施形態では、キャリア・ウェーハの最上面表面または底面表面の少なくとも一方は、反射防止層で薄化される。
【0019】
一実施形態では、反射防止層は、窒化物を含む。
【0020】
一実施形態では、第2のキャリア・ウェーハは、接着剤で半導体ウェーハの下に接続される。
【0021】
一実施形態では、第1のキャリア・ウェーハを半導体ウェーハから分離すると、分離可能層の化学エッチングによって分離可能層の残留物が除去される。
【0022】
一実施形態では、半導体ウェーハは、第2のハード誘電体層の下に分離可能層を含む。
【0023】
本明細書に記載された技術はいくつかの方法で実施され得る。次に続く図を参照しながら、例示的実装形態を以下に与える。
【0024】
図面は例示的な実施形態のものである。図面はすべての実施形態を例示するものではない。他の実施形態が追加または代替に使用され得る。明白または不要と思われる詳細は、スペースの都合またはより効率的な説明のために省略され得る。いくつかの実施形態は、追加の構成要素やステップを用いて、または説明した構成要素やステップを全く用いずに、あるいはその両方を行って実施され得る。同じ数字が別の図面に見られる場合は、同一または類似の構成要素またはステップを指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】例示的な実施形態と一致する、ハンドラおよび半導体ウェーハの簡略化された断面図である。
図2】例示的な実施形態と一致するキャリアの断面図である。
図3】例示的な実施形態と一致する、分離可能層を含む半導体構造体を示す図である。
図4】分離可能層の底面表面上に堆積させられたハード誘電体層を含むキャリア構造体を示す図である。
図5】例示的な実施形態と一致する、半導体ウェーハ上方に置かれた、図4のキャリア構造体の配置を示す図である。
図6】例示的な実施形態と一致する、半導体ウェーハに接合されたキャリアの半導体構造体を示す図である。
図7】例示的な実施形態と一致する、ウェーハ薄化(wafer thinning)プロセスを経た半導体構造体を示す図である。
図8】例示的な実施形態と一致する、図7の半導体構造体に結合された第2のキャリアを含む半導体構造体を示す図である。
図9】例示的な実施形態と一致して、赤外線放射に露出されている、図8の半導体構造体を示す図である。
図10】例示的な実施形態と一致する、BEOL接続に使用されるハード誘電体を残存させた半導体構造体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
概要
以下の詳細な説明では、関連する教示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が例として示されている。しかしながら、本教示は、そのような詳細がなくても実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、構成要素、または回路、あるいはその組合せを、詳細な説明をせずに比較的高いレベルで説明した。
【0027】
一態様では、「前(front)」、「後(back)」、「最上面(top)」、「底面(bottom)」、「下に(beneath)」、「下に/下方に(below)」、「より低い(lower)」、「上に/上方に(above)」、「より上の(upper)」、「側面の(side)」、「左(left)」、「右(right)」などの空間関連用語は、説明されている図の向きについて使用される。本開示の実施形態の構成要素は、いくつかの異なる向きに配置され得るので、方向を示す用語は、説明の目的で使用され、決して限定するものではない。したがって、空間関連用語は、図に描かれた向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な向きを包含することが意図されていることは理解されよう。たとえば、図のデバイスを裏返すと、他の要素や特徴の「下に/下方に(below)」または「下に(beneath)」と説明された要素は、その場合、他の要素や特徴の「上に/上方に(above)」に向きを変えることになる。したがって、たとえば、「下に/下方に(below)」という用語は、下の方向のみならず、上の方向と両方を包含し得る。デバイスは他の向き(90度回転させられ、あるいは他の向きで見られまたは参照されて)でもよく、本明細書で使用する空間関連の記述語は、それに応じて解釈されるべきである。
【0028】
本明細書で使用する際、「横方向の(lateral)」および「水平方向の(horizontal)」という用語は、半導体基板または半導体基体の第1の表面に平行な向きを呼ぶ。たとえば、基板は、ウェーハまたはダイの表面であり得る。
【0029】
本明細書で使用する際、「垂直な(vertical)」という用語は、半導体基板または半導体基体の第1の表面に対して垂直な向きを呼ぶ。
【0030】
本明細書で使用する際、「結合された(coupled)」または「電気的に結合された(electrically coupled)」あるいはその両方の用語は、要素が互いに直接結合されていなければならないという意味を意図せず、「結合された」または「電気的に結合された」要素の間に介在要素が設けられ得る。一方、ある要素が他の要素に「直接接続される(directly connected)」または「直接結合される(directly coupled)」と言及されている場合は、介在要素が存在しない。「電気的に接続された(electrically connected)」という用語は、互いに電気的に接続された素子間の低オーミックな電気的接続を指す。
【0031】
本明細書では、第1、第2などの用語が様々な要素を説明するために使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を他の要素から区別するためにのみ使用される。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と称することができ、同様に、第2の要素を第1の要素と称することができる。本明細書で使用する際、用語「および/または(and/or)」は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のあらゆるすべての組合せを含む。
【0032】
例示的な実施形態は、理想化または簡略化された実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して、本明細書で説明する。かくして、たとえば、製造技術または許容誤差あるいはその両方の結果として、図の形状とは異なることが予想され得る。したがって、図に示された領域は本質的に模式的なものであり、その形状は必ずしもデバイスの領域の実際の形状を示すものではなく、範囲を限定しない。
【0033】
特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用され得、構造的または論理的な変更が行われ得ることを理解されたい。実施形態の説明は限定するものではない。特に、以下に説明する実施形態の要素は、別の実施形態の要素と組み合わされ得る。
【0034】
本開示の実施形態の提示を不明瞭にしないために、いくつかの処理ステップまたは操作は、提示のためおよび説明のために一緒に組み合わされていることがあり、いくつかの例では、詳細には説明されていないことがある。他の例では、いくつかの処理ステップまたは操作は、全く説明されないことがある。以下の説明は、むしろ本開示の様々な実施形態の顕著な特徴または要素に焦点を当てたものであることを理解されたい。
【0035】
本発明は、一般に、半導体構造体および製造の方法に関し、より具体的には、デバイス・ウェーハとも呼ばれる半導体ウェーハを、本明細書においてハンドラと呼ぶこともあるキャリア・ウェーハ(「キャリア」)に、処理中、一時的に接合することに関する。今日、薄いプロファイルを有するウェーハは、数ある利点の中で、シリコン貫通ビア(TSV:Through-Silicon-Via)の利用を可能にし、以てデバイスの小型化および集積化を促進する。しかし、薄いことによって構造的完全性は脆弱である。それゆえ、既存のプロセス技術および装置を使用してこのようなウェーハをハンドリングするのは容易ではない。そのため、厚いキャリアにウェーハを一時的に接合することは、薄いウェーハの裏面処理に有効な手段を提供する。キャリアを用いる従来のウェーハ処理は、ガラス、石英、またはサファイアなどの光学的に透明な材料を含み得る。接着媒体が、デバイス・ウェーハをハンドラに一時的に接合するために使用され得る。半導体ウェーハは、処理(たとえば、裏面薄化、はんだ接続形成、またはチップ・ダイシング、あるいはその組合せ)が行われた後、その半導体ウェーハは、ハンドラから剥離され得る。
【0036】
典型的な剥離プロセスの間、可視光または紫外線レーザが、光学的に透明なハンドラを通して接着媒体に向けられることにより、接着媒体をアブレーションし、処理された半導体ウェーハをハンドラからリリースすることが可能になり得る。しかし、レーザ・アブレーション・プロセスから生じる熱はまた、半導体ウェーハにダメージを引き起こし得る。加えて、ウェーハを一時的に接合するために接着剤を使用することにより、剥離プロセス完了時にハンドラ上に残滓が発生し、これが汚染となり、最終的にプロセスの歩留まりの問題となり得る。
【0037】
したがって、本明細書の教示は、半導体ウェーハとキャリア・ウェーハとの間に接着剤を使用することの熱的および構造的な制限に制約されない、処理中、半導体ウェーハをキャリア・ウェーハに一時的に取り付ける方法および構造を提供するものである。本明細書に記載された技術は、いくつかの方法で実施され得る。例示的な実装形態について、以下の図を参照しながら説明する。
【0038】
例示的ハード誘電体接合ウェーハ・ペア構造体
ここで、例示的な実施形態と一致する、ハンドラおよび半導体ウェーハの簡略化された断面図100である、図1を参照する。半導体ウェーハ802に接続されたキャリア・ウェーハ804があり、キャリア・ウェーハ804は半導体ウェーハ802の下にある。半導体ウェーハの最上面上に、第1のハード誘電体層504がある。第1の誘電体層504の最上面上に直接接合された第2のハード誘電体層402があり、合わせて永久接合された構造体602を形成する。いくつかの実施形態では、第1および第2の誘電体層は酸化物を含む。第2の誘電体層402は、以前の処理ステップのために使用された以前のキャリア・ウェーハ(図示せず)の一部である。第1の誘電体層504および第2の誘電体層402は除去されず、むしろそれらの誘電体層は、半導体ウェーハ802に電気的接続を設けるために、半導体ウェーハ802の最上面表面から第1および第2の誘電体層を貫通するバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線1002に用いられる。
【0039】
半導体ウェーハ802は、当技術分野で知られている典型的なウェーハであり得、複数の層および材料を含み得る。その複数の層は、半導体材料、誘電体材料、および導電体材料を含み得る。半導体材料は、たとえば、アンドープSi、n型ドープSi、p型ドープSi、単結晶Si、多結晶Si、非晶質Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、Ga、GaAs、InAs、InPおよび他のすべてのIII/V族またはII/VI族化合物半導体など、任意の公知の半導体材料を含み得る。化合物半導体材料の非限定的な例は、ガリウムヒ素、インジウムヒ素、およびインジウムリンを含む。典型的には、この半導体ウェーハは、たとえば数百ミクロンの厚さであり得、780μmからおよそ100μm以下まで薄化されていることがある。
【0040】
例示的プロセス
図1のキャリア・ウェーハに結合された半導体ウェーハの構造体に関する前述の説明を用いて、それを製造する例示的プロセスについて説明することは有益であり得る。そのために、図2図10は、例示的な実施形態と一致する、キャリアを使用する方法による半導体構造体の製造の様々なステップを示す図である。
【0041】
ここで図2を参照すると、キャリア(本明細書ではキャリア・ウェーハと呼ばれることもある)の断面図200が与えられる。一実施形態では、キャリア・ウェーハ204は、赤外線(IR)放射に対して透明な、アンドープのシリコンまたは低濃度にドープされたシリコンなどの材料で構成され得る。キャリア204は、およそ400μmからおよそ1000μmの範囲の高さ、および後にそれに結合される対応する半導体ウェーハの直径に一致する全体としての直径を有し得る。ハンドラの厚さは、その直径と構造的安定性の要件とに応じて変化し得ることに留意されたい。様々な実施形態において、キャリア204の底面部または最上面部あるいはその両方は、反射防止コーティング層(たとえば、窒化物)202、206を含み得る。この反射防止コーティングの厚さは、より詳細に後述するが、後にそれの下に形成される分離可能層によるIR吸収に最適化され得る。
【0042】
図3は、本明細書において犠牲層と称されることもある分離可能層302を含む半導体構造体300を示す図である。様々な実施形態において、分離可能層302は、アルミニウム(Al)またはIR放射を効率的に吸収することができる任意の他の光熱変換リリース・コーティング(LTHC)層であり得る(たとえば、高いIR吸収性能を有する材料が好ましいが、低いIR吸収性能を有する材料が除外される必要はない)。分離可能層302は、限定はしないが、化学気相成長(CVD:chemical vapor deposition)、プラズマCVD(PECVD:plasma enhanced CVD)、熱CVD(THCVD:thermal CVD)、スパッタリング、スピンオン堆積などの従来の堆積技術を用いて、キャリア204の底面表面(たとえば、IRコーティング202の下)上に堆積させられ得る。
【0043】
図4は、分離可能層302の底面表面上に堆積させられたハード誘電体層402を含むキャリア構造体400を示す。たとえば、ハード誘電体402は、プラズマ化学気相成長(PECVD)プロセス(たとえば、300℃以上において)によって堆積させられ得る。様々な実施形態において、ハード誘電体層402は、限定はしないが、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン酸炭窒化物、シリコン炭窒化物、ボロン窒化物、ボロン酸窒化物、ボロン酸炭窒化物、ボロン炭窒化物、アルミニウム窒化物、アルミニウム酸窒化物、アルミニウム酸炭窒化物、またはアルミニウム炭窒化物、あるいはその組合せを含み得る。一般に、シリコン系酸化物に等しいか、またはそれより大きい熱伝導率をもつ酸化物、酸窒化物、酸炭窒化物、炭窒化物層は、ウェーハ接合に使用され得る(たとえば、二酸化シリコン)。フロント・エンド・オブ・ライン(FEOL)向けの適用など、BEOL配線の約400℃のプロセス限界より高い温度に耐えられる用途では、ダイヤモンド膜もハード誘電体層として本教示でサポートされている。
【0044】
図5は、例示的な実施形態と一致する、半導体ウェーハ502の上方に置かれた図4のキャリア構造体400の配置500を示す図である。様々な実施形態において、半導体ウェーハ502は、集積回路と一致する様々な回路および構造を含み得る。半導体ウェーハ502は、キャリア404の誘電体層402と対向する最上面側に、ハード誘電体層504を含む。ハード誘電体層504は、キャリア404のハード誘電体層402と実質的に同様である材料を含み得る。たとえば、ハード誘電体層504は、半導体ウェーハ502上に直接、300℃以上のプラズマ化学気相成長(PECVD)プロセスによる酸化物または他の絶縁体の接合膜スタック(単層または多層)であり得る。一実施形態では、半導体ウェーハ502は、キャリア404の分離可能層302に加えて、またはその代替に、誘電体層504の直下に分離可能層を有する。
【0045】
図6は、例示的な実施形態と一致する、半導体ウェーハ502に接合されたキャリア404の半導体構造体600を示す。キャリア404を半導体ウェーハ502にアラインメントすると、キャリアのハード誘電体402が半導体ウェーハのハード誘電体層504に永久接合される(たとえば、酸化物対酸化物の永久接合)。たとえば、酸化物(TEOS(tetra ethoxy silane)など)はダングリング・ボンドを有し得、これを利用して2つの界面を効果的に取り付ける。一実施形態では、接合後、およそ300℃~400℃の熱アニール・サイクルがあり、2つの異なるハード誘電体層、402と504との間により強い接合を作る。
【0046】
キャリア404を半導体ウェーハに結合することによって、半導体ウェーハ504のみの場合の脆弱性のゆえに、キャリア404によって与えられる追加の構造的支持なしでは不可能であったであろう様々な所望の半導体処理ステップが、実行され得る。たとえば、半導体ウェーハ502の幅は、裏面薄化(たとえば、780μmから100μmに)によって、大幅に減少させられ得る。これに関して、図7は、例示的な実施形態と一致する、ウェーハ薄化プロセスを経た半導体構造体700を示す。半導体ウェーハを薄化するためには、研削などの様々な適切な技術が使用され得る。このようにして、シリコン貫通ビア(TSV)は捉えられ、パッド、設置された再配線層(RDL:redistribution layer)、設置されたフリップ・チップ(C4:Controlled Collapsed Chip Connection)互換構造(たとえば、Cu台座/ピラーおよびはんだキャップ704)などに結合され得る。コーティング層702があり、これはシリコン窒化物であり得、これは、TSVの頭出しおよび捕捉プロセス中に、半導体ウェーハ502およびTSVの機械的完全性を保護し、封止するために使用される。他の実施形態では、コーティング層702は、所定レベルの電気障壁特性と機械強度とを有する任意の他の誘電体材料(たとえば、シリコン酸窒化物、シリコン炭窒化物、およびシリコン・ベースでない他の同様の材料)でもあり得る。
【0047】
いくつかのシナリオでは、半導体構造体700は、半導体ウェーハ802の回路に機能を追加、または付加的な機能を追加、あるいはその両方を行うさらなる処理によってさらに強化させるができる。この点に関して、図8は、例示的な実施形態と一致する、図7の半導体構造体に結合された第2のキャリア804を含む半導体構造体を示す。様々な実施形態において、第2のキャリアは、テープまたは任意の適切な接着剤(たとえば、特に高いトポグラフィが接着層の使用を必要とし得る場合、その用途に応じた処理の柔軟性を最大化する)によってアラインメントされ、ともに保持され得、これは、その後のレーザ・プロセスまたは化学プロセスあるいはその両方により除去可能であり得る。このようにして、第1のキャリア404は、さらなる処理のために、半導体ウェーハ802の構造的完全性を維持しながら、後に除去され得る。さらなる処理は、たとえば、半導体ウェーハ802と結合して電気的に通信する追加のウェーハを含み得る。
【0048】
図9は、例示的な実施形態と一致する、図8の半導体構造体800が赤外線(IR)放射910に露出されているシナリオ900を示す。たとえば、IR(すなわち、中赤外)レーザ放射910が、第1のキャリア904を通して分離可能層302に当てられ、第1のキャリア904を、残りの構造体、すなわち半導体ウェーハ802、適切なコネクタ704および第2のキャリア804からリリースする。IR放射910は、分離可能層302の接合を破壊し、半導体ウェーハ802の最上面を第1のキャリア904から剥離させるように作用するものである。
【0049】
図10は、例示的な実施形態と一致する、それの最上面キャリア404が除去された、図9の半導体構造体900を示す。残った分離可能層302は、たとえば、化学エッチング・プロセスによって除去され得る。注目すべきは、事前の処理ステップで一緒に接合された、最上面誘電体402と底面誘電体504とを備える602の接合構造が除去されないことである。むしろ、接合構造602は、半導体ウェーハ802の回路に電気的接続を設けるための通常のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)処理のための支持を与えるために使用される。たとえば、様々な実施形態において、トランジスタ、抵抗器、インダクタ、キャパシタなどの個々の半導体デバイスは、第1のハード誘電体402および第2のハード誘電体504を貫通するBEOL配線によって半導体ウェーハ802の配線と相互接続することができる。したがって、半導体ウェーハ802に至る電気的な接続性が確保され得る。図10の半導体構造体1000では、以前に図1で説明したように、BEOL接続1002にハード誘電体602が使用されている。このようにして、チップの最上面表面は、半導体ウェーハ802の外部と通信し、ならびにその上に追加の回路(たとえば、誘電体402の最上面への電気接続経路を有する別の半導体ウェーハ)を受け入れることができる。このプロセスを繰り返すことで、相互に接続された複数のレベルをもつ積層型アーキテクチャを生み出し得る。
【0050】
本明細書で説明したプロセスを使用することによって、接着剤が使用されるときに固有の様々な処理上の制約が取り除かれる。たとえば、第1のキャリア・ウェーハに接合した後の3Dウェーハの裏面の処理が容易になる。適用例によっては、キャリア・ウェーハの第2の接合は、接着剤の使用による場合がある。たとえば、高温(たとえば400℃)で処理される典型的なBEOL半導体インフラを使用して、処理が実行され得る。実際、アルミニウムが分離可能層として使用された場合、最高500℃までの構造体の処理は対応される。
【0051】
(本明細書で説明した、誘電体同士の接合の代わりに)接着層を使用する既知のプロセスは、通常300℃を超えることができないことに留意されたい。換言すれば、本明細書で論じるプロセスは、通常300℃以下である接着剤の熱的安定性の制約にもはや拘束されない。したがって、図7図9の構造体に関して実行される処理の文脈で通常の接着剤が使用された場合、そのプロセスは、接着剤の熱的完全性およびその除去時に持ち込まれる汚染物質を含む、接着剤の安定性によって制限されることになる。たとえば、接着剤の汚染に関する懸念は、接合時にウェーハの周辺からオーバーフローする可能性のためであり得、オーバーフローは、ウェーハ・エッジが粘着性を有し、半導体製造装置のウェーハのハンドリング時に処理不良事象を引き起こし得る。このような汚染を避けるためには、コストを上昇させ、全体のスループットを低下させることになる特別な洗浄装置が、通常、深くかかわることになる。したがって、本明細書で説明する処理では接着剤が使用されていないため、接着剤の使用に特有の汚染の心配がない。
【0052】
簡潔のために1枚の半導体ウェーハの製造を示しているが、本明細書の教示に基づいて、任意の所望の数の半導体ウェーハを積層できることが理解されよう。さらに、説明のためにウェーハという用語が使用されるが、ダイシングされたチップも使用され得ることが理解されるであろう。
【0053】
上記のような方法は、集積回路チップの製造に使用され得る。出来上がった集積回路チップは、生ウェーハ形態で(すなわち、複数のパッケージされていないチップを有する1枚のウェーハとして)、ベア・ダイとして、またはパッケージされた形態で製造者から供給され得る。後者の場合、チップは、シングル・チップ・パッケージ(リードによってマザーボードなどの上位キャリアに搭載されるプラスチック・キャリアなど)に、またはマルチチップ・パッケージ(表面配線または埋め込み配線のいずれかまたは両方を有するセラミック・キャリアなど)に実装され得る。いずれにしても、次いでこのチップは、(a)マザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品どちらかの一部として、他のチップ、ディスクリート回路素子、または他の信号処理デバイス、あるいはその組合せと統合され得る。最終製品は、玩具のようなローエンド用途から、ディスプレイ、キーボードなどの入力デバイス、および中央処理装置を有する先端コンピュータ製品まで、集積回路チップを含むあらゆる製品になり得る。
【0054】
結論
本教示の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示したが、網羅的であることまたは開示した実施形態に限定されることを意図するものではない。説明した実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの改変および変形が、当業者には明らかになるであろう。本明細書で使用する用語は、本実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の適用または技術改良を最もよく説明するため、あるいは当業者が本明細書に開示された実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。
【0055】
以上、最良の状態と考えられるものまたは他の例あるいはその両方を説明したが、そこに様々な改変を加えられ得、本明細書に開示した主題は様々な形態および例で実施され得、本明細書に記載したのはその一部のみであるが、教示は多数の用途に適用され得ることが理解される。以下の請求項により、本教示の真の範囲に入るあらゆる応用、改変および変形を主張することが意図されている。
【0056】
本明細書で説明した構成要素、ステップ、特徴、目的、利益、および利点は、単なる例示に過ぎない。いずれも、またそれらに関連する議論も、保護の範囲を限定することを意図していない。本明細書では様々な利点について説明したが、すべての実施形態が必ずしもすべての利点を含むわけではないことは理解されよう。特に断りのない限り後続の特許請求の範囲を含む、この明細書に記載されているすべての測定値、値、等級、位置、規模、サイズ、およびその他の仕様は、正確ではなく概数値である。これらは、それらが関連する機能およびそれらが関連する技術分野における慣例に合致する合理的な範囲を有することが意図されている。
【0057】
数多くの他の実施形態も企図されている。これらは、より少ない、追加の、または異なる、あるいはその組合せの構成要素、ステップ、特徴、目的、利益、および利点を有する実施形態を含んでいる。これらは、構成要素またはステップあるいはその両方の、配置または順序あるいはその両方が異なる実施形態も含んでいる。
【0058】
以上、例示的な実施形態に関連して説明したが、「例示的」という用語は、最良または最適ではなく、単に例として意味されることが理解される。すぐ上に述べた場合を除き、記述または図示したものは、特許請求の範囲に記載されているか否かにかかわらず、構成要素、ステップ、特徴、対象、利益、利点、または均等物のいずれも発明の放棄を意図したものではなく、また解釈されるべきではない。
【0059】
本明細書で使用する用語および表現は、本明細書で特に意味を定めていない限り、それぞれの対応する調査および研究の領域に関して、当該用語および表現に与えられる通常の意味を有するものと理解される。第1および第2などの関係用語は、ある実体または行為を他の実体または行為から区別するためにのみ使用され得、そのような実体間または行為間に実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または示唆するものではない。「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」という用語またはその他の変形は、要素のリストを有するプロセス、方法、物品または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的にはリストされていない他の要素またはそのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の要素を含み得るように、非排他的包含が適用されることが意図されている。「1つの(a)」または「1つの(an)」で始まる要素は、さらなる制約なしに、その要素を構成するプロセス、方法、物品、または装置における追加の同一要素の存在を排除するものではない。
【0060】
本開示の要約書は、読者が本技術開示の本質を迅速に把握することが可能になるように提供される。要約書は、請求項の範囲または意味を解釈したり、限定したりするためには使用されないことを理解した上で提示される。加えて、前述の発明を実施するための形態において、本開示を効率化する目的で、様々な特徴が様々な実施形態においてグループ化されていることが分かる。この開示方法は、主張された実施形態が各請求項に明示的に記載されているものよりも多くの特徴を有するという意図を反映したものと解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の主題は、開示された単一の実施形態のすべての特徴よりも少ないところに存在する。したがって、以下の請求項は、各請求項が個別に請求する主題として独立し、本明細書により発明を実施するための形態に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア・ウェーハと、
前記キャリア・ウェーハの最上面上に結合された半導体ウェーハと、
前記半導体ウェーハの最上面上の第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の最上面上に直接接合された第2の誘電体層と、
前記半導体ウェーハの最上面表面から前記第1および第2の誘電体層を貫通する1つまたは複数のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線と
を備える半導体構造体。
【請求項2】
前記第1および第2の誘電体層が酸化物を含む、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記第1および第2の誘電体層が、シリコン酸化物の熱伝導率に等しいか、またはそれより大きい熱伝導率を有する、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記第1および第2の誘電体層がダイヤモンド膜を備える、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項5】
前記半導体ウェーハの幅を50μm~100μmに薄化した、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項6】
前記キャリア・ウェーハがガラスを含む、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項7】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間の接合が酸窒化物接合である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項8】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間の接合が窒化物接合である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項9】
半導体構造体を製造する方法であって、
第1のキャリア・ウェーハを提供することと、
前記第1のキャリア・ウェーハの下に赤外線(IR)放射を吸収することができる分離可能層を形成することと、
前記分離可能層の下に第1の誘電体層を形成することと、
半導体ウェーハの最上面表面上に第2の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層を前記第2の誘電体層と直接接合することと、
前記半導体ウェーハに電気的接続を設けるために、前記半導体ウェーハの底面部上にコネクタを形成することと、
前記半導体ウェーハの前記底面部上の前記コネクタに、第2のキャリア・ウェーハを接続することと、
IR放射で赤外線(IR)を前記第1のキャリア・ウェーハ中に透過させることにより前記分離可能層を劣化させることによって、前記第1のキャリア・ウェーハを前記半導体ウェーハから分離することと、
前記半導体ウェーハの最上面表面から前記第1および第2の誘電体層を貫通するバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線を設けることと
を含む方法。
【請求項10】
前記分離可能層がアルミニウム(Al)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離可能層が光熱変換リリース・コーティング(LTHC)層である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の誘電体層が酸化物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との直接接合の後に、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間により強い接合を形成するために熱アニールを行うことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の誘電体層の前記第2の誘電体層との前記直接接合の後に、前記半導体ウェーハを薄化することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記半導体ウェーハの前記薄化が、50μm~100μmの厚さになる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記キャリア・ウェーハの最上面表面または底面表面の少なくとも一方を反射防止層でコーティングすることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記反射防止層が窒化物を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のキャリア・ウェーハが、接着剤で前記半導体ウェーハの下に接続される、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のキャリア・ウェーハを前記半導体ウェーハから分離すると、前記分離可能層の化学エッチングによって前記分離可能層の残留物を除去することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
前記半導体ウェーハが、前記第2の誘電体層の下にある分離可能層を含む、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】