(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】無線車両管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20231228BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20231228BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G08G1/09 F
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533242
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 IB2021060731
(87)【国際公開番号】W WO2022112909
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523200756
【氏名又は名称】エイコーン テクノロジー システムズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガームソン、ケネス
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC12
5H181FF27
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
このシステムは、高速道路車両と、その車両の経路に沿って位置する第1の組の高速道路地点と、交通信号セクションに沿って位置する第2の組の高速道路地点と、第1の組及び第2の組の高速道路地点のそれぞれに位置する少なくとも1つのRFIDタグと、高速道路車両に位置しておりネットワークに接続された少なくとも1つのRFIDタグ・リーダと、を備えている。第1の組の高速道路地点に位置する少なくとも1つのRFIDタグは、高速道路車両が第1の組の高速道路地点を通過するときに、その動的及び静的特性を記憶するように構成されており、第2の組の高速道路地点に位置する少なくとも1つのRFIDタグは、その車両が第2の組の高速道路地点を通過するときに、その動的及び静的特性を記憶するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークと、
少なくとも1つの高速道路車両と、
前記車両の経路に沿って位置する少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点と、
前記少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置しており、前記少なくとも1つの高速道路車両が前記少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成された少なくとも1つの第1のRFIDタグと、
交通信号セクションに沿って位置する少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点と、
前記少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置しており、前記少なくとも1つの高速道路車両が前記少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成された少なくとも1つの第2のRFIDタグと、
前記ネットワークに接続された前記少なくとも1つの高速道路車両に位置する少なくとも1つのRFIDタグ・リーダと、
を備えている、車両制御システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のRFIDタグが、第1のRFIDタイプ1タグを含み、
前記少なくとも1つの第2のRFIDタグが、第1のRFIDタイプ2タグを含む、請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項3】
前記第1のRFIDタイプ2タグが、第2のRFIDタイプ2タグに、RS485又はシリアル・データ伝送ケーブルによって接続され、
前記第1のRFIDタイプ2タグが、I2C・RS485コンバータを含んでおり、前記I2C・RS485コンバータは、I2Cバス接続によってRFIDチップに接続され、並列接続によってタグ・アンテナに接続されている、請求項2に記載の車両制御システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのRFIDタグ・リーダが、前記少なくとも1つの高速道路車両に接続された、チップ・リーダに有線接続された、少なくとも1対のリーダ・アンテナを内部に含むRF透過性のエンクロージャを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1のRFIDタグと前記少なくとも1つのRFIDタグ・リーダとは、約17.78cm(7インチ)から約101.6cm(40インチ)までの間の範囲の距離を有する、請求項2に記載の車両制御システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのRFIDタグ・リーダが、前記少なくとも1つの高速道路車両の下側に位置する、請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のRFIDタグが、相互から約914.4cm(30フィート)未満だけ離れた複数のタイプ1RFIDタグを含む、請求項2に記載の車両制御システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの高速道路車両が、ウルトラ・ワイド・バンド、LWIP、LWA、WLAN、ADSL、ケーブル、又はLTEネットワークを含む無線通信ネットワークに、前記少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点又は前記少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点が開放高速道路(open highway)にある位置で接続されている、請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項9】
別の高速道路車両をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
高速道路データベースとスケジュール・データベースとルート・データベースとを備えている集中型データ・ネットワーク・トラフィック管理センタを経由して、第1の車両から第2の車両に通信するステップと、
前記第1の車両から前記第2の車両に、通信システムを経由して通信するステップと、
を含む車両システム制御方法であって、前記通信システムが、
前記第1の車両の経路に沿って位置する少なくとも第1の組の2つの高速道路地点と、
交通信号に沿って位置する少なくとも第2の組の2つの高速道路地点と、
前記少なくとも第1の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置しており、前記第1の車両が前記少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成されている、少なくとも1つの第1のRFIDタグと、
前記少なくとも第2の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置しており、前記車両が前記少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成されている、少なくとも1つの第2のRFIDタグと、
前記第1の車両に位置する少なくとも1つの第1のRFIDタグ・リーダと、
前記第2の車両に位置する少なくとも1つの第2のRFIDタグ・リーダと、
を備えている、車両システム制御方法。
【請求項11】
前記第1の車両が、パラメータを、前記通信システムを経由して前記第2の車両に通信し、
前記パラメータは、前記第1の車両の速度と、前記第1の車両の位置と、前記第1の車両の車頭間隔とによって構成されるグループから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1のRFIDタグが、第1のRFIDタイプ1タグを含み、
前記少なくとも1つの第2のRFIDタグが、第1のRFIDタイプ2タグを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記通信システムが、バックアップ又はフェイルセーフ・システムをさらに備えている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バックアップ・システムの前記第1のRFIDタイプ1タグ又は前記第1のRFIDタイプ2タグが、速度、ブレーキ状態、車両ID、交通信号状態、タイム・スタンプ、及び前記第1のRFIDタイプ1タグ又は前記第1のRFIDタイプ2タグを通過した最後の車両のスケジュールを記憶する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記速度、前記ブレーキ状態、前記車両ID、前記交通信号状態、前記タイム・スタンプ、及び前記第1のRFIDタイプ1タグ又は前記第1のRFIDタイプ2タグを通過した最後の車両の前記スケジュールを、前記第1のRFIDタイプ1タグ又は前記第1のRFIDタイプ2タグを通過する次の車両を用いて書き換えるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記書き換えるステップは、約10ミリ秒から約30ミリ秒の時間範囲以内に完了される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のRFIDタイプ1タグと前記第1のRFIDタイプ2タグとのそれぞれが一意的な識別子を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のRFIDタイプ1タグと前記第1のRFIDタイプ2タグとのそれぞれが揮発性メモリを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月30日に出願された仮出願ではない米国特許出願第17/107,735号に基づく優先権を主張するPCT特許出願であり、上記の米国特許出願第17/107,735号は、2019年12月20日に出願された仮出願ではない米国特許出願第16/723,261号に基づく優先権を主張する一部継続出願(CIP)であって仮出願ではない米国特許出願であり、上記の米国特許出願第16/723,261号は、2018年5月30日に出願され2019年12月31日に米国特許第10,518,790号として特許された仮出願ではない米国特許出願第15/992,883号の米国CIP特許出願であり、これらの出願の内容の全体は、それらの全体を参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野とその実施例とは、車両位置、距離、速度、及びシステム内における場所を管理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
データの記憶及び処理における進歩が、今日では、ずっと小さな設置面積において、そして僅かなコストにより、極めて偉大なデジタル的応用の発生を可能にしている。ハードウェアの進歩及び広範な利用可能性と共に、隣接するソフトウェアの発展が、はるかにより一般的な技能となっており、読み書きの技能と同様の共有物に近づいている。
【0004】
世界中の工業化された国及び都市の多くが、経時変化しつつある公共交通システムと対峙しなければならないため、それらのシステムの監督に対する現代的なアプローチに対する必要性及び機会が生じた。近年では、既存のシステムの様々な態様を修理するために、いくつもの発表が試みられてきている。様々なシステム及び方法論が、当該技術分野において知られている。しかし、それらの構造及び動作手段は、本開示とは実質的に異なっている。
【0005】
関連する技術の検討
米国特許第9,669,850号は、鉄道の運営と鉄道による商品の輸送とをモニタする方法及びシステムに関するものであり、無線受信機を含むモニタリング装置が、関心対象である鉄道線及び/又は列車をモニタするために、設置されている。このモニタ装置は、このモニタ装置の範囲にある列車、線路、又は線路脇の位置から無線信号を受信するように構成された無線受信機(すなわち、LIDAR)を含む。このモニタ装置は、無線信号を受信し、受信信号は、データ・ストリームに復調される。しかし、この開示は、RFIDタグ上にではなく、中央位置における列車の活動のメモリ・ストレージを要求する。
【0006】
米国特許出願公開第2017/0043797号は、関心対象である線路脇の地点に設置された無線周波数識別(RFID)タグを、最後尾(EOT)の車両に設置されたRFIDタグ・リーダと共に用いる、方法及びシステムに関する。RFIDタグ・リーダとRFIDタグとは、これらに限定されることはないが、列車の健全性を判断すること、EOT車両の地理的位置を判断すること、及びEOT車両が線路に沿った線路脇のPOIをクリアしたと判断することを含む、いくつかの方法に用いられることが可能な情報を提供するために、協働して機能する。この出願公開は、RFIDタグ上の記憶用メモリを開示しているが、メモリを揮発性とすることを開示していない。
【0007】
米国特許第9,711,046号は、鉄道線路に沿って走行している列車及び関連する列車資産のリアルタイムな位置、構成、及び動作状態を含め、列車及び関連する列車資産の少なくとも一部の構成可能で仮想的な表現を提示する制御システムに関する。この制御システムは、(RFIDなどの)列車位置決定システムと、列車構成判断システムとを含み得る。
【0008】
様々なシステムが、当該技術分野において知られている。しかし、それらの構造と動作手段とは、本開示とは実質的に異なる。他の発明は、本開示によって教示されるすべての課題を解決するとは限らない。本発明の少なくとも1つの実施例が、下記の図面に提示されており、本明細書において、より詳細に説明されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9,669,850号
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0043797号
【特許文献3】米国特許第9,711,046号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、本発明とその実施例とは、車両位置、距離、速度、及び車両システム内部における場所を管理するシステム及び方法を説明している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の実施例は、車両制御システムを説明する。この車両制御システムは、少なくとも1つの高速道路車両と、少なくとも1つの高速道路車両の経路に沿って位置する少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点と、少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置しており、少なくとも1つの高速道路車両が少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成された少なくとも1つの第1のRFIDタグと、を含む。この車両制御システムは、また、交通信号セクションに沿って位置する少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点と、少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置しており、少なくとも1つの高速道路車両が少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成された少なくとも1つの第2のRFIDタグと、を含む。
【0012】
この車両制御システムは、さらに、ネットワークに接続された少なくとも1つの高速道路車両に位置する少なくとも1つのRFIDタグ・リーダを含む。少なくとも1つのRFIDタグ・リーダは、少なくとも1つの高速道路車両に接続された、チップ・リーダに有線接続された少なくとも1対のリーダ・アンテナを内部に含むRF透過性のエンクロージャを備えている。他の実例では、少なくとも1つのRFIDタグ・リーダは、少なくとも1つの高速道路車両の下側に位置する。
【0013】
いくつかの実例において、少なくとも1つの第1のRFIDタグは、第1のRFIDタイプ1タグを含み、少なくとも1つの第2のRFIDタグは、第1のRFIDタイプ2タグを含む。さらに、少なくとも1つの第1のRFIDタグと少なくとも1つのRFIDタグ・リーダとは、約17.78cm(7インチ)から約101.6cm(40インチ)までの間の範囲の距離を有する。さらにまた、いくつかの実例では、少なくとも1つの第1のRFIDタグは、相互から約914.4cm(30フィート)未満だけ離れた複数のタイプ1RFIDタグを含む。さらにまた、第1のRFIDタイプ2タグは、RS485又はシリアル・データ伝送ケーブルによって、第2のRFIDタイプ2タグに接続されている。第1のRFIDタイプ2タグは、I2C・RS485コンバータを含んでおり、このI2C・RS485コンバータは、I2Cバス接続によってRFIDチップに接続され、並列接続によってタグ・アンテナに接続される。
【0014】
他の実例では、少なくとも1つの高速道路車両が、ウルトラ・ワイド・バンド、LWIP、LWA、WLAN、ADSL、ケーブル、又はLTEネットワークを含む無線通信ネットワークに、少なくとも1つの第1の組の2つの高速道路地点又は少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点が開放高速道路(open highway)にある位置で接続されている。さらに、この車両制御システムは、また、他の高速道路車両を含むこともあり得る。
【0015】
本発明の第2の実施例は、車両システムを制御する方法を説明する。この方法は、集中型データ・ネットワーク・トラフィック管理センタを経由して、第1の車両から第2の車両に通信するステップを含む。集中型データ・ネットワーク・トラフィック管理センタは、高速道路データベースと、スケジュール・データベースと、ルート・データベースと、を備えている。この方法は、また、第1の車両から第2の車両に、通信システムを経由して通信するステップを含む。この通信システムは、第1の車両の経路に沿って位置する少なくとも第1の組の2つの高速道路地点と、交通信号に沿って位置する少なくとも第2の組の2つの高速道路地点と、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点に位置する少なくとも1つの第1のRFIDタグと、を備えている。少なくとも1つの第1のRFIDタグは、車両が少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成されている。
【0016】
この通信システムは、さらに、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点に位置する少なくとも1つの第2のRFIDタグを含む。少なくとも1つの第2のRFIDタグは、車両が少なくとも1つの第2の組の2つの高速道路地点を通過するときにその動的及び静的特性を記憶するように構成されている。この通信システムは、また、第1の車両に位置する少なくとも1つの第1のRFIDタグ・リーダと、第2の車両に位置する少なくとも1つの第2のRFIDタグ・リーダと、を含む。いくつかの実例では、この通信システムは、さらに、バックアップ又はフェイルセーフ・システムを備えている。
【0017】
第1の車両は、パラメータを、通信システムを経由して、第2の車両に通信する。さらに、パラメータは、数ある中で、第1の車両の速度、第1の車両の位置、及び/又は第1の車両の車頭間隔(headway)とによって構成されるグループから選択される。実例では、少なくとも1つの第1のRFIDタグは、第1のRFIDタイプ1タグを含み、少なくとも1つの第2のRFIDタグは、第1のRFIDタイプ2タグを含む。バックアップ・システムの第1のRFIDタイプ1タグ又は第1のRFIDタイプ2タグは、速度、ブレーキ状態、車両ID、交通信号状態、タイム・スタンプ、及び第1のRFIDタイプ1タグ又は第1のRFIDタイプ2タグを通過した最後の車両のスケジュールを記憶する。
【0018】
実例では、第1のRFIDタイプ1タグと第1のRFIDタイプ2タグとは、それぞれが、一意的な識別子を含む。さらにまた、さらなる実例では、第1のRFIDタイプ1タグと第1のRFIDタイプ2タグは、それぞれが、揮発性メモリを含む。
【0019】
実例では、この方法は、さらに、速度、ブレーキ状態、車両ID、交通信号状態、タイム・スタンプ、及び第1のRFIDタイプ1タグ又は前記第1のRFIDタイプ2タグを通過した最後の車両のスケジュールを、第1のRFIDタイプ1タグ又は第1のRFIDタイプ2タグを通過する次の車両を用いて書き換えるステップをさらに含む。この書き換えるステップは、約10ミリ秒から約30ミリ秒の時間範囲以内に完了される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本明細書に開示されている少なくともいくつかの実施例による、システムの3つの動作モードである。
【
図2】本明細書に開示されている少なくともいくつかの実施例による、車両設定の一実施例である。
【
図3】本明細書に開示されている少なくともいくつかの実施例による、高速道路に沿ったシステムの可能な設定である。
【
図4】システムの一実施例の動作概略図の詳細である。
【
図5A】システムの一実施例の動作概略図の別の詳細である。
【
図5B】システムの一実施例の動作概略図の別の詳細である。
【
図6】システムの一実施例のデータ・フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好適な実施例が、次に、図面を参照して、説明される。多数の図における同一の要素が、同じ参照番号を用いて、識別されている。
【0022】
ここで、本発明の各実施例が、詳細に参照される。これらの実施例は、本発明の説明として提供されており、本発明がこれらの実施例に限定されることは意図されていない。実際、当業者であれば、本明細書を読み、本図面を参照すれば、それらに対して様々な修正及び変更が可能であることを理解するであろう。
【0023】
本発明は、これ以降では「エイコーン(Acorn)」システムと称されるが、車両が高速道路に沿って自律的に動作することを可能にするように設計されたシステムについて、説明している。エイコーン設計の中心には、高速道路に沿った、典型的には約3.048メートル(10フィート)~約9.144メートル(30フィート)の間隔、好ましくは約7.62メートル(25フィート)間隔でのエイコーン・タグの設置がある。直線的な高速道路エリアに沿って(又は高速道路エリアを通過して)、タイプ1のエイコーン・タグが、ハードウェア接続なしで、典型的な間隔で、設置される。交通信号及び交差位置では、タイプ2のエイコーン・タグが、典型的な間隔で、交通信号を制御するのに用いられる高速道路回路をシミュレートする直列の有線接続を用いて、展開される。これらのシミュレートされた高速道路回路は、交通信号コントローラとのインターフェースを有することが可能である。
【0024】
以下では、時速約144.84キロメートル(90mph)で動作するシステムにおいて、ただ1つのエイコーン・タグ及びリーダ・インターフェース方法が、成功裏のリード・ライト・サイクルを達成するのに要求され、設置を簡略化している。しかし、展開が、時速約144.84キロメートル(90mph)を超える速度をサポートすることを必要とする場合には、システムは、成功裏のリード・ライト・サイクルの達成を継続するため、現状のままで、分割されたリード・ライト・サイクルを利用するように構成されることが可能である。
【0025】
エイコーン・システムは、オープン・プロトコル・ベースのシステムであり、ソフトウェア・アプリケーションが複数のベンダ及びソースから入手可能とすることができ、このシステムは、異なるハードウェア及びソフトウェア・プラットフォーム上で複数のオペレーティング・システムを用いて、世界中の様々なシステムに適応可能であるということが、理解されるべきである。このアプローチは、エイコーン・タグの供給と同様に、エイコーン・システムをシステムの単一の供給業者に固定しない。さらに、このアプローチは、システムのソフトウェア及びハードウェアの両方において、一般的な故障モードを排除する。
【0026】
次に
図1を参照すると、本発明のある実施例による、車両システムを制御するための方法が、例示として図解されている。ある実施例によると、第1の車両が、無線制御された通信を用いる集中的なデータ・ネットワーク(たとえば、交通管理センタ)を経由して、第2の車両に通信しており、この場合に、交通管理センタは、高速道路データベースと、スケジュール・データベースと、ルート・データベースとを含む。第1の車両は、また、バックアップ通信システムを経由して、第2の車両に通信することもあり得る。
【0027】
ある実施例によると、本方法において用いられるシステム・アーキテクチャにより、安全な車頭間隔を計算するために、通信の複数のレイヤが重要な車載データを送受信することが可能になる。通信のこれらのレイヤは、車両の連続的で安全な動作を保証するために、(
図1では、1、2、及び3とラベル付けされている)3つの動作モードの形成を助ける。
図1のモード1は、システムに最小の車頭間隔を提供するため、技術のすべてのレイヤを用いて、モード1を、主たる、したがって、正常な動作モードに導いている。ある実施例によると、モード1では、正常動作が、以下の冗長な入力、すなわち、交通管理センタによってブロードキャストされる、スケジュール更新及び車両位置確認(a)と、車両から車両へブロードキャストされる、車両位置確認(b)と、タグによって読み取られる、先行車両の時間及び速度(c)と、タグによって読み取られる、現在の車両の位置確認(d)と、LIDARによって可能になる、クリアな先行距離を感知する高速道路視覚レンジ(e)と、を用いて車頭距離を計算する。
【0028】
ある実施例によると、
図1のモード2である後続の動作モードは、交通管理センタの通信が失われるときに、縮小されて関与するが、最小の車頭間隔を増加させることによって、システムの機能継続を可能にする。最後に、
図1のモード3は、タグ及び車載機器の情報のみに依拠することによって車両の自律全体を可能にする自律的な動作を示しており、最も制限的な車頭間隔を強制する。
【0029】
ある実施例によると、バックアップ通信システムは、第1の車両と、第2の車両と、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点と、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点と、少なくとも1つのRFIDタイプ1タグと、少なくとも1つのRFIDタイプ2タグと、少なくとも1つのRFIDタグ・リーダと、を含む。車両の数量は、どのような特定の数量にも限定されない、ということが理解されるべきである。さらにまた、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点と少なくとも第2の組の2つの高速道路地点との数量は、どのような特定の数量にも限定されない。
【0030】
少なくとも第1の組の2つの高速道路地点は、第1の車両の経路に沿った位置にある。少なくとも第2の組の2つの高速道路地点は、交通信号の位置にある。さらにまた、少なくとも1つのRFIDタイプ1タグは、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点の位置にあり、第1の車両が少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を通過するときに、第1の車両の特性を記憶するように構成されている。さらに、少なくとも1つのRFIDタイプ2タグは、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点の位置にあり、車両が少なくとも第2の組の2つの高速道路地点を通過するときに、車両の特性を記憶するように構成されている。少なくとも1つのRFIDタグ・リーダは、第1の車両と第2の車両とに位置している。
【0031】
バックアップ・システムのRFIDタイプ1タグ又はRFIDタイプ2タグは、他のパラメータの中でも、RFIDタイプ1タグ又はRFIDタイプ2タグを通過する最後の車両の速度、ブレーキ状態、車両ID、交通信号状態、タイム・スタンプ、及び/又はスケジュールなど、多くのパラメータを記憶することができる。タグ上に記録されているパラメータ(たとえば、RFIDタイプ1タグ又はRFIDタイプ2タグを通過する最後の車両の速度、ブレーキ状態、車両ID、交通信号状態、タイム・スタンプ、及びスケジュール)は、RFIDタイプ1タグ又はRFIDタイプ2タグを通過する次の車両に関する情報を用いて、書き換えられることが可能である。読み出し及び書き込みステップは、典型的には、約10ミリ秒から約30ミリ秒までの範囲内で完了可能であるが、最適には、システムの安全な動作のためには、20ミリ秒が好適である。
【0032】
各車両(たとえば、第1の車両及び第2の車両)は、高速道路データベースとスケジュール・データベースとルート・データベースとを含む、搭載している3つの主たるデータベースをトラッキングすることができる。高速道路データベースは、高速道路ネットワークの詳細を含んでおり、その位置の入力記録のためのキーとして、タグ一意的ID(「UID」)を利用する。臨時速度フィールドは可変であり、すべての他のフィールド(たとえば、高速道路制限速度フィールド、次の接近車両フィールド、視覚範囲フィールド、次の道路地点フィールドなど)は、メンテナンスがタグを変更しない限り、固定されている。スケジュール・データベースにより、車両が、そのシステムにおける他の車両との関係におけるそれ自体の位置を決定することが可能になる。すべてのフィールド(たとえば、車両IDフィールド、予定されたルート・フィールド、予定された時間フィールド、確認された時間フィールド)は、予めロードされることが可能であるか、又は行程を通じて更新されることが可能である。ルート・データベースは、高速道路システムをナビゲートするのに必要とされる情報を含み得る。このデータベースは、時間との関係での、個別の車両の予測される位置に関する情報を含む。位置は、タグUIDに基づく。
【0033】
現在のUIDと車両IDとを用いると、車両が予定されたスケジュールに先行しているか又は遅延しているかを判断するために、予定された時間フィールドにアクセスすることが可能である。モード2及びモード3の最中の動作のためには、予定された位置が、先行する車両のID及び時間を用いて、判断され得る。エイコーン・システム・データベースは、10万を超えるレコードを有するようにプログラムすることが可能である。当初のスタートアップの時点では、現在のタグUID入力とスケジュール位置とを特定するためのすべてのデータベースのサーチは、そのレコードを特定するのに、最大で1秒を要し得る。その後では、高速なインデクシングが用いられるのであるが、その理由は、レコードがシーケンシャルにアクセスされるため、インクリメンタルな増加又は減少となるからである。
【0034】
車両の間隔設定は、タグと慣性航法とから、車両位置を、少なくともプラスマイナス3.81メートル(12.5フィート)の精度まで確立することによって、達成される。このデータは、車載のネットワーク・マップによって記憶され、ルートに沿ったすべての車両にブロードキャストされ得る。車載ネットワーク・マップは、また、他の車両ブロードキャストからそれが受け取る車両位置を用いて更新されることで、車両コンピュータが、先行する車両までの距離、目標速度、及び安全な動作距離を維持するためのブレーキング・ポイントを計算することが、可能になる。タグは、最終車両の時間、速度、及び走行状態に関するデータ・フィールドを有する。他に受信されたデータがない場合には、これが、車両における計算によって、先行する車両がその緊急ブレーキを適用した場合に、その車両がどこに存在するのかを判断することを可能にする。車両は、更新を行うと、それ自体の位置を、ルートに沿った約30.48メートル(100フィート)ごとの又は車両の動作速度によって決定されるすべての他の車両にブロードキャストする。
【0035】
モード2及びモード3において用いるための車両のための目標速度と利用可能な車頭間隔とを計算するために、車載プロセッサは、以下のプロセスに固執することが可能である。
【0036】
車頭間隔というタグ・シーケンス・アレイは、高速道路データベースから予めロードされるのであるが、先行する車両への距離(クリアなタグの個数として)を計算するのに用いられることが可能である。この値は、「クリア・タグ」値として知られることが可能である。先行車両のタグ位置は、以下の方法によって取得可能であって、すなわち、モード1では、高速道路データベースが、先行車両の現在位置を保持している。この位置は、先行車両からの伝送と交通管理センタから到着した検証とを経由して、確認可能である。先行車両の位置が受信されたが、交通管理センタによって検証されていない場合には、モード2が呼び出される。先行する車両の速度と、その車両がタグの場所にあった時間とを用いると、先行する車両の位置は、速度が一定であると仮定すると、予測が可能である。この推定された先行車両の位置は、高速道路データベースとその車両からの報告された位置と比較される。2つの数字のうちの低い方の数字が、クリア・タグ・フィールド又は値において、値を設定するのに用いられる。
【0037】
車両が、500ミリ秒を超えて、いかなる車両状態の更新も受け取っていない場合には、モード3が呼び出される。モード3では、車両は、受け取られたタグ・データから、先行するクリア・タグの個数を計算し、必要に応じてタグ・クリア値を補正するために、スケジュールされている位置を用いる。高速道路視覚レンジは、許容される最大速度を修正するために、用いられることになる。得られたタグ・クリア値から、(タグの個数に変換された)車両の長さが、減算される。これが、その車両のための、予定された停止タグになる。次に、車頭間隔タグの個数が、車両が停止タグによって停止する場合に動作可能な最大速度を決定するために、車載データベースをアドレシングするのに用いられる。車載データベースから導かれた最大速度は、次に、高速道路速度及び臨時速度と比較される。最も低い値が、選択される。受け取られたデータにより、車両は、先行車両の速度とブレーキ・プロファイルとを計算することが可能になる。
【0038】
車両の速度を決定するためには、割込み要求(IRQ)を、タグ読取りの間の時間を総計するタイマ・シーケンスを開始させるのに用いることが可能である。このカウンタは、100マイクロ秒の間隔を用いる64ビットであり、タグの間の既知のタグ間隔を用いて平均速度を決定することを可能にする。時速約16.09キロメートル(10mph)の速度では、カウンタは、下記の公式によって計算されるように、そのタグ間隔でのタグ読取りの間で、15,957という整数値に到達する。このカウンタ値は、以前のタグの間で計算された平均速度に基づき、タグの間の車両の位置を計算するのに用いることが可能である。
【0039】
【0040】
たとえば、上の方程式を用いると、車両が時速約16.09キロメートル(10mph)で走行している場合には、正確な位置及び速度の計算が1,596マイクロ秒ごとに発生するため、1,596マイクロ秒ごとに、正確な位置及び速度が、交通管理センタ及び他の車両にブロードキャストされることが可能である。車両の速度が上昇すると、走行時間が減少するため、正確な位置及び速度値のブロードキャスト頻度の上昇が可能になる。たとえば、平均が時速約40.23キロメートル(25mph)ならば、位置の更新は、682マイクロ秒ごとに発生し、時速約96.56キロメートル(60mph)ならば、284マイクロ秒ごとである。
【0041】
ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)通信は、異なるタイプの高速道路エリアに沿って様々なレベルの接続性を提供するために、様々な技術とネットワークとを用い得る。動作を継続するために連続的なWAN通信が要求されることはないものの、理想的には、通信は、上述されたようにブロードキャストされる車両位置をサポートするために、高速道路システムの全体に沿って、存在すべきである。ブロードキャストされる車両位置は、僅かに、データ伝送のために1024ビットを要求し、確認応答のために1024ビットを要求するだけであるから、高速道路ルート・システムの全体に沿って、最小限の通信が要求される。
【0042】
車両位置に加えて、WAN通信は、交通管理センタから各車両へのスケジュール更新をサポートする必要がある。車両位置とは異なり、スケジュール更新は、結構な帯域幅を要求するため、広帯域幅のネットワークによってサポートされる必要がある。広帯域幅の通信が存在すべき合理的な位置は、駅及び交通信号の位置であり、これらは、ウェイポイントとしても知られている。
【0043】
次に、更新される記録の量(number of records)は、約250kBである。16CRC、データ検証、及びそれ以外の通信オーバヘッドを許容するためには、単一車両の記録の更新は6Mb、完全なスケジュール更新は400Mb(50MB)となり得る。通信及びデータ更新(
図6)並びにデータ検証(
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図7E、及び
図7F)など、本発明の様々な実施例は、本出願の図面(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5A、
図5B、
図6、
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図7E、及び
図7F)のうちの1つ又は複数において、現に見出され得ることに注意してほしい。
【0044】
コーディングのこのような削減により、はるかに迅速なSILレーティングへの検証が可能になるが、その理由は、コードの行数が少なくなり、コードを提供するために複数のベンダが関与することが可能になるからである。
【0045】
交通信号位置では、エイコーン・タイプ2タグを、実際の交通信号まで約1219.20キロメートル(4,000フィート)という典型的な距離で、インストールすることが可能である。タイプ2のタグにより、交通信号/ARSが搭載システムと通信することが可能になり、交通信号位置の状態とその位置に対する目標速度とが提供される。
【0046】
ここで
図2を参照すると、車両制御システムが、本発明のある実施例に従って、例示的に図解されており、ここでは、このシステムは、ネットワークに接続された、少なくとも1つの先行車両と、その少なくとも1つの先行車両に位置する少なくとも1つのRFIDタグ・リーダと、少なくとも1つの後続車両と、を含む。ある実施例によると、(
図2に示されているような)少なくとも1つの先行車両に位置するRFIDタグ・リーダは、少なくとも1つの車両に接続された、チップ・リーダに有線接続された少なくとも1対のリーダ・アンテナを含むRF透過性のエンクロージャを含み得る。
【0047】
ある実施例によると、少なくとも1つの先行車両におけるネットワーク・データベースは、ブルートゥース(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)接続など種々のネットワークを相互に結合する通信バックボーンによって、少なくとも1つの後続車両におけるネットワーク・データベースに接続されることが可能である。さらにまた、少なくとも1つの先行車両及び/又は少なくとも1つの後続車両のネットワークは、レーダを含み得る。
【0048】
ある実施例によると、少なくとも1つの先行車両又は少なくとも1つの後続車両のネットワークは、(
図4に示されているように)、高速道路地点が開放高速道路にある位置におけるLTEネットワークと、高速道路地点が閉鎖高速道路(enclosed highway)にある位置におけるWi-Fiネットワークとを用いて、無線通信ネットワークに接続可能である。或いは、通信ネットワークは、通信のために、ウルトラ・ワイド・バンド(UWB)、LWIP、LWA、WLAN、ADSL、又はケーブル・ネットワークを用い得る。
【0049】
図3は、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を示しているが、これらの高速道路地点は、少なくとも1つのRFIDタイプ1タグ(エイコーン・タグ)を接続可能な車両の経路に沿って位置しており、その車両が少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を通過するときにその特性を記憶するように構成されている。
図3は、さらに、高速道路交通信号に沿って位置する第2の組の2つの高速道路地点と、第2の組の2つの高速道路地点のそれぞれに位置する少なくとも1つのRFIDタイプ2タグ(エイコーン・タグ・タイプ2)とを示している。この少なくとも1つのRFIDタイプ2タグ(エイコーン・タグ・タイプ2)は、車両が第2の組の2つの高速道路地点を通過するときに、その特性を記憶するように構成されている。
【0050】
ある実施例によると、RFIDタイプ2タグは、RS485ケーブルによって、第2のRFIDタイプ2タグに接続されることが可能である。RFIDタイプ2タグは、I2CからRS485へのコンバータを含んでおり、このコンバータは、I2Cバス接続によってRFIDチップに接続され、並列接続によってタグ・アンテナに接続されている。ある実施例によると、RFIDタイプ1タグとRFIDタグ・リーダとは、約17.78cm(7インチ)から約101.6cm(40インチ)までの間の距離を有しており、RFIDタグ・リーダは、少なくとも1つの先行車両の下側と、少なくとも1つの後続車両の下側と、に位置している。ある実施例によると、RFIDタイプ1タグは、約609.6センチメートル(20フィート)から約914.4センチメートル(30フィート)の間だけ相互に離隔しているが、最適には、
図3に示されているように、約762センチメートル(25フィート)だけ離隔している。
【0051】
次に
図4を参照すると、本発明のある実施例による動作概略図の詳細が、例示的に図解されている。
【0052】
交通管理センタにおけるインターフェースは、既存のシステムによって保持されている現在の車両スケジュールを、エイコーン・データベース・フォーマットに変換することができ、それぞれの位置における目標時間の追加的な細分性を加える。車両がそれらの位置を報告すると、インターフェースは、その位置報告を、交通管理センタによって現に用いられているものとして、エミュレートする。既存のシステムへの第2のインターフェースは、自動ルート設定システムである。ルートが予定されていたものから変更されている場合には、新たなルートは、エイコーン互換なフォーマットに変換され、エイコーンが動作している車両に伝送される。これらのインターフェースが、既存の及び補助的な混合交通動作を伴う動作を可能にするのであって、これは、
図5A及び
図5Bにも示され得る。
【0053】
図4に示されているように、システム内のすべての車両は、その下側に搭載されたエイコーン・タグ・リーダと、車両間のWi-Fi及びブルートゥース(登録商標)・リンクと、車両の内側又は外側のエイコーン処理機器と、車両の頂部におけるWANアンテナと、運転者車両の前面におけるレーダ衝突検出器と、運転者エリアにおける運転者ディスプレイと、を含む。
【0054】
エイコーン・システムの主要な利点は、サービスへのその導入がオーバーレイ原理(overlay principle)によるということである。高速道路へのインストールは、最小限まで縮小されており、時間及び費用を最小化しながらシステムのユーザへの混乱を回避している。タグ又は通信経路のサイバーハックを回避するために、すべての伝送及び記憶されたタグ・データに対して暗号化が適用される。
【0055】
ある実施例によると、エイコーン・システムのサービス導入は、切り換えが実質的に一夜のうちに可能であるように、シームレスに生じる。
【0056】
さらに、本発明の実施例は、少なくとも1つの先行車両と、少なくとも1つの後続車両と、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点と、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点と、少なくとも1つのRFIDタイプ1タグ(エイコーン・タグ)と、少なくとも1つのRFIDタイプ2タグ(エイコーン・タグ2)と、少なくとも1つのRFIDリーダと、を含む車両制御システムを含む。少なくとも第1の組の2つの高速道路地点は、車両の経路に沿った位置にあり、少なくとも1つのRFIDタイプ1タグ(エイコーン・タグ)が、そこに接続されること、そして、車両が少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を通過するときに、車両の特性を記憶するように構成されることが可能である。少なくとも第2の組の2つの高速道路地点は、交通信号に沿って位置する。少なくとも1つのRFIDタイプ2タグ(エイコーン・タグ2)は、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点のそれぞれの位置にあり、車両が少なくとも第2の組の2つの高速道路地点を通過するときに、車両の特性を記憶するように構成されている。少なくとも1つのRFIDタグ・リーダは、ネットワークに接続された、少なくとも1つの先行車両上と少なくとも1つの後続車両上とに位置している。
【0057】
車両システムを制御する方法を有することが、本発明の実施例のさらに別の目的である。この方法は、集中型のデータ・ネットワーク無線制御通信(たとえば、交通管理センタ)を経由して第1の車両に第2の車両と通信させるなど、複数の処理ステップを含む。集中型のデータ・ネットワーク無線制御通信は、高速道路データベースと、スケジュール・データベースと、ルート・データベースと、を含む。
【0058】
第1の車両と第2の車両との間の通信は、また、バックアップ通信システムを経由して、生じ得る。バックアップ通信システム(上述したモード1と称される)は、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点と、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点と、少なくとも1つのRFIDタイプ1タグと、少なくとも1つのRFIDタイプ2タグと、少なくとも1つのRFIDタグ・リーダと、を含む。少なくとも第1の組の2つの高速道路地点は、第1の車両の経路に沿った位置にある。少なくとも1つのRFIDタイプ1タグは、少なくとも第1の組の2つの高速道路地点の位置にあり、第1の車両が少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を通過するときに、第1の車両の特性を記憶するように構成されている。少なくとも第2の組の2つの高速道路地点は、交通信号に沿って位置する。少なくとも1つのRFIDタイプ2タグは、少なくとも第2の組の2つの高速道路地点の位置にあり、車両が少なくとも第1の組の2つの高速道路地点を通過するときに、車両の特性を記憶するように構成されている。少なくとも1つのRFIDタグ・リーダは、第1の車両と第2の車両とに位置している。
【0059】
本発明の様々な実施例の説明が、例示の目的で提示されてきたが、網羅的であることも、又は開示されている実施例に限定されることも、意図されていない。記載されている実施例の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び改変が、当業者には明らかであろう。本明細書で用いられている用語は、実施例の原理、実際的な応用例、若しくは市場で見つかる技術との比較における技術的改善を最良に説明するように、又は他の人間若しくは当業者が本明細書に開示されている実施例を理解することを可能にするように、選択された。
【0060】
本開示又はその実施例の要素を紹介するときに、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、それらの要素の1つ又は複数個が存在している、ということを意味するように意図されている。同様に、「別の」という形容詞は、ある要素を紹介するのに用いられるときには、1つ又は複数個の要素を意味するように意図されている。「含む」及び「有する」という用語は、列挙されている要素以外にも追加的な要素が存在する場合があり得るという、包含的であるように意図されている。
【0061】
本発明を、ある程度の特定性をもって説明してきたが、本開示は単に例示としてなされたのであって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、部材の構成及び配列の詳細における複数の変更が行われ得る、ということが理解されるべきである。
【国際調査報告】