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  • 特表-配水システム 図1
  • 特表-配水システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】配水システム
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/00 20060101AFI20231228BHJP
   C02F 1/00 20230101ALI20231228BHJP
   E03B 7/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
E03C1/00
C02F1/00 J
C02F1/00 S
E03B7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533333
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 SE2021051267
(87)【国際公開番号】W WO2022146217
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】2150002-0
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514026255
【氏名又は名称】オービタル システムズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マドジュビ・ナミン、アミール・メヘルダード
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060AA00
2D060AA01
2D060AA07
(57)【要約】
本発明は、配水システムを説明し、システムは、1つ以上の水使用ユニットへの水流の分配を駆動するように配置されたコアユニットと、少なくとも2つの水使用ユニットと、配水システムの作動のための制御ユニットとを備え、2つの水使用ユニットは、個々の独自性を有し、2つの水使用ユニットは制御ユニットに接続され、特定の流量および特定の温度の水を要求することを可能にし、それにより、制御ユニットは、どの水使用ユニットが要求を行っているかを識別し、次いで、要求に基づいて動作を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配水システムであって、
-1つ以上の水使用ユニットへの水流の分配を駆動するように配置されたコアユニットと、
-少なくとも2つの水使用ユニットと、
-前記配水システムの作動のための制御ユニットとを備え、
前記2つの水使用ユニットは個々の独自性を有し、前記2つの水使用ユニットは前記制御ユニットに接続され、特定の流量および特定の温度の水を要求することを可能にし、それにより、前記制御ユニットは、どの水使用ユニットが前記要求を行っているかを識別し、次いで、前記要求に基づいて動作を実行する、配水システム。
【請求項2】
前記コアユニットは、少なくとも水流、水温および水質のパラメータを対象とし、要求を受信し、これらのパラメータによって動作を実行する、請求項1に記載の配水システム。
【請求項3】
前記コアユニットは、動作を実行する要求を受信および処理する能力を有し、水消費および/またはエネルギー消費を参照して前記システム内の配水を変更および改善する能力も有する、請求項2に記載の配水システム。
【請求項4】
少なくとも1つの水使用ユニットは、水を再循環させるか、別の水使用ユニットに水を流すか、または水を廃棄する能力を有する水再循環ユニットであり、前記コアユニットは、少なくとも1つの水再循環ユニット内の水再循環を駆動するようにも配置され、前記水再循環ユニットは、好ましくは、水処理ユニットまたはシステムにも接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載の配水システム。
【請求項5】
前記システムは、少なくとも1つの水使用ユニットの後に位置付けられた少なくとも1つの貯蔵タンクも備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の配水システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの貯蔵タンクは水位制御を含む、請求項5に記載の配水システム。
【請求項7】
少なくとも1つの水使用ユニットは、蛇口を有するシンクである、請求項1から6のいずれか一項に記載の配水システム。
【請求項8】
少なくとも1つの水使用ユニットは洗濯機である、請求項1から7のいずれか一項に記載の配水システム。
【請求項9】
前記システムは、再循環シャワーも備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の配水システム。
【請求項10】
前記配水システムは、重力によって、または設置されたポンプによって、1つの一次水使用ユニットから少なくとも1つの二次水使用ユニットへの分配を提供するように配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の配水システム。
【請求項11】
前記配水システムは、重力によって1つの一次水使用ユニットから少なくとも1つの二次水使用ユニットへ分配を提供するように配置されている、請求項10に記載の配水システム。
【請求項12】
1つの一次水使用ユニットは、蛇口を有するシンクであり、二次水使用ユニットは、トイレまたはトイレに接続された水タンクである、請求項10または11に記載の配水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配水システムに関し、特に家庭用またはこれに類するもの等、例えば家庭またはホテルまたはこれらに類するものにおける配水を目的とした配水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、家庭での使用にも水を再使用する水再利用システムがある。さらに、異なる品質の水が異なる目的のために使用されるシステムもある。
【0003】
本発明は、水の意図された使用に基づいて最適な使用を可能にする、配水のためのスマートシステムを提供する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、配水システムを対象とし、前記システムは、
-1つ以上の水使用ユニット(water user units)への水流の分配を駆動するように配置されたコアユニットと、
-少なくとも2つの水使用ユニットと、
-配水システムの作動のための制御ユニットとを備え、
前記2つの水使用ユニットは、個々の独自性(identities)を有し、前記2つの水使用ユニットは前記制御ユニットに接続されて、特定の流量および特定の温度の水を要求することを可能にし、それにより、制御ユニットは、どの水使用ユニットが要求を行っているかを識別し、次いで、要求に基づいて動作を実行する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下に、本発明のいくつかの特定の実施形態を提供する。本発明の1つの特定の実施形態によれば、コアユニットは、少なくとも水流、水温、および水質のパラメータを対象とし、要求を受信し、これらのパラメータによって動作を実行する。これに関する動作は、例えば、水流または水温を増加または減少させることであることがある。さらに、水質を参照すると、動作は、水使用ユニットから使用される要求に基づいて、ある場所または源から水を送るかどうかを決定し、次いで、水使用ユニットに水を送ることに基づいてもよい。また、この作業では、設定された閾値または動的な閾値を使用して、制御ユニットが、異なる水使用ユニットに対する特定の要件として限界値を有するようにしてもよい。
【0006】
本発明のさらに別の実施形態によれば、コアユニットは、動作を実行する要求を受信および処理する能力を有し、また、水消費および/またはエネルギー消費を参照してシステム内の配水を変更および改善する能力を有する。この能力は、本発明によるシステムが、システム内の状態、要求それ自体、ならびに既存の水源およびエネルギー源に基づいて、異なる水源およびエネルギー源を選択することができることを意味する。いくつかの例を挙げると、本発明によるシステムのコアユニットは、いくつかの水使用ユニットが同時に水を要求している場合、水流を制限することを選択することができる。さらに、いくつかのエネルギー源が存在する場合、コアユニットは、そのような最適化が可能であるとき、より高価なエネルギーよりも安価な種類からエネルギーを適切に選択する。一例として、システム内に既に保持されている温水は、その部分の水質が十分に高い場合、追加のタスクのために使用することができる。水質に関する同じタイプの選択が、本発明によるコアユニットに対して実行することが可能である。水質、水流、およびエネルギーは、この点において重要な側面であり、本発明によるコアユニットにおいて最適化に基づくことが可能なすべてのそのようなパラメータである。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの水使用ユニットは、水を再循環させるか、別の水使用ユニットに水を流すか、または水を廃棄する能力を有する水再循環ユニットであり、コアユニットは、少なくとも1つの水再循環ユニット内の水再循環を駆動するようにも配置され、水再循環ユニットは、好ましくは、水処理ユニットまたはシステムにも接続される。1つのそのような例は、再循環シャワーである。さらに、コアユニットは、例えば、再循環シャワーにおけるそのような水再循環ユニットのコアユニットであってもよく、本発明によるシステム全体を作動させるように配置されてもよい。水処理ユニットまたはシステムは、UVユニットおよび/または加熱器、または組み合わされたUVおよび加熱器ユニットを備えてもよい。さらに、そのようなシステムはまた、1つ以上のフィルタ、オゾン処理ユニット、およびこれらに類するもののような他のタイプのユニットを備えてもよい。
【0008】
さらに、本発明のさらに別の実施形態によれば、システムは、少なくとも1つの水使用ユニットの後に位置付けられた少なくとも1つの水貯蔵タンクも備える。一例として、そのような貯蔵タンクは、使用された水を保持するための貯蔵タンクとしてシンクおよび蛇口に関連して位置付けられてもよく、その水はトイレで流すときに再使用されてもよい。さらに、そのような貯蔵タンクは、洗濯機、シンクおよび蛇口などのいくつかの水使用ユニットに関連して位置付けられてもよい。さらに、一実施形態によれば、少なくとも1つの貯蔵タンクは、水位制御を含む。これは、貯蔵タンクが満杯であり、さらに多くの水が貯蔵タンクに送られる場合、オーバーフローは、排水管に廃棄されるように送られるか、またはシステム内のさらに別の水貯蔵タンクに送られることを意味する。これはまた、システムがいくつかの貯蔵タンクを備えてもよいことを意味する。
【0009】
さらに別の特定の実施形態によれば、少なくとも1つの水使用ユニットは、蛇口を有するシンクである。さらに、別の実施形態によれば、少なくとも1つの水使用ユニットは洗濯機である。さらに、別の実施形態によれば、システムは再循環シャワーも備える。本発明による配水システムは、家庭において、例えば台所においても、任意のタイプの水使用ユニットを備えることができるが、特に、浴室に設けることが可能な、または浴室の水システムに接続することが可能な任意のタイプの水使用ユニットを備えることができることに留意されたい。本発明は、ホテル、スポーツおよびフィットネスアリーナまたはこれらに類するもののための他のタイプのスマートウォーターユーザシステム(smart water user systems)においても実施できることに留意されたい。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態によれば、配水システムは、重力によって、または設置されたポンプによって、1つの一次水使用ユニットから少なくとも1つの二次水使用ユニットへの分配を提供するように配置される。さらに別の実施形態によれば、配水システムは、重力によって1つの一次水使用ユニットから少なくとも1つの二次水使用ユニットへの分配を提供するように配置される。1つの特定の実施形態によれば、1つの一次水使用ユニットは、蛇口を有するシンクであり、二次水使用ユニットは、トイレまたはトイレに接続された水タンクである。したがって、本発明による1つの代替形態では、システムは、蛇口を有するシンクの後に配置されたタンクを備える。次いで、この水タンクは、適切には、オーバーフロー配置を有し、その結果、タンクが満杯である場合、さらなる水の流れが、トイレのメインタンクなどの別の水使用ユニットに直接、および/または排水管にさらに送られてもよい。この水タンクは、便器を洗浄するときに必要とされる水のための水リザーバとしても機能してもよい。さらに、このタンク内には、消毒剤などが配置されてもよく、これはトイレに設けられることが多い。例を挙げると、消毒剤、衛生化剤、または良好な方法で匂いに影響を及ぼす薬剤を提供する1つ以上のタブレットまたはデバイスが、このタンク内に提供されてもよい。
【0011】
さらに、本発明による配水システムは、洗濯機も備えてもよい。このタイプの水使用ユニットは、洗浄サイクルが実行されることが意図されるとき、特定の温度および流量の水が要求されるように作動される。したがって、本発明によるコアユニットは、洗濯機に適した水流を洗濯機に提供することを確実にする。一例として、洗濯機から要求される30℃の水流があり、そのような水が使用され、例えば再循環シャワーで再循環され、上述したようなタンクに保持されている場合、この流れは洗濯機に送られてもよい。また、そのような水流は、新鮮な水源から直接来てもよいことに留意されたい。さらに、冷たい新鮮な水がシステムに流入する場合、これはシステム内の温水によって混合または加熱されてもよい。したがって、エネルギーは、システム全体においてよりスマートな方法で使用される。これは、洗濯機が60℃の水を要求する場合にも当てはまることができる。そのような場合、水流は、可能な温度まで安価な方法でシステム内で加熱されてもよく、次いで、洗濯機は、洗濯機内で残りの水を60℃まで直接加熱してもよい。これは、例えば電気加熱などの高価値エネルギーの使用によって、洗濯機内の冷水5℃から60℃までの全体にわたって高価値エネルギーを直接使用する必要がない、よりスマートな解決策である。
【0012】
さらに、洗濯機からの使用済みの水もタンクに送られ、例えばトイレを流すときに後で使用されてもよい。
【0013】
2つの異なる例が図に示されている。これらについては以下でさらに説明する。
【0014】
本発明は、スマート配水システムを提供する。第1のレベル(level)では、コアまたは調整ユニットを有するシステムは、特定の水使用ユニットが水流、水温、および場合によっては水質に関する要求を提供するときに、その水使用ユニットに適切な水流が提供されることを確実にする。配水システムは、例えば、いくつかの水使用ユニットが水流を要求しているときに、所定の時間における総水消費量だけでなく、最適なエネルギー消費も考慮に入れて、適切な水流を提供する。
【0015】
第2のレベルでは、配水システムは、異なる水使用ユニット間のスマート分配も有する。この第2のレベルの一般的な留意として、分配は、調整ユニット/コアユニット(同じタイプのユニットと見なされてもよい)によって可能にされる。システムは、好適には、デジタルミキサを備え、ここで、新鮮な水源からの温水および冷水が混合されてもよい(図1および図2参照)。したがって、調整ユニットは、特定の水使用ユニットに特定の温度および流量の水を提供することができる。この第2のレベルのより詳細な態様では、1つの水使用ユニットで使用された水は、異なる水使用ユニットで再使用される。例えば、上述したように、タンクは、シンクおよび蛇口の後に位置付けられてもよい。このタンク内の水は、トイレに流すためおよびそのトイレで洗い流すために使用されてもよく、この移動は、異なる水使用ユニットの位置に応じて、重力のみによって、またはポンプの使用によって達成されてもよい。さらに、ここでも、水質パラメータが作用し、すなわち、より低い水質を可能にする後続の水使用ユニットが、本発明によるシステムの下流に適切に提供される。
【0016】
本発明によれば、いくつかの水使用ユニットが同時に使用されるとき、および異なるエネルギー源が使用可能であるときに、コアユニットがトレードオフ最適化を実行しなければならない特定の状況が存在する。
【0017】
また、本発明によるシステムは、流量、温度および/または水質を測定するように配置されたいくつかのセンサも適切に備えることに留意されたい。導電率センサなどの異なる代替形態が可能である。また、フィルタおよびこれに類するもののためのUVセンサおよび/または圧力センサなどの、水処理ユニットのための機能センサも完全に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1では、本発明の1つの特定の実施形態が示されている。この場合、新鮮な冷水(および冷たい新鮮な水が加熱された温水)への接続を有するデジタルミキサが配置される。システムは、再循環シャワーと、水を保持するために使用されるタンクを有するシンクおよび蛇口とを備え、水はトイレに流されるために使用されてもよい。見てわかるように、全ての使用排水管は、通常の基準に従って互いに相互接続されてもよい。
図2図2では、本発明のさらに別の特定の実施形態が示されている。この場合、洗濯機も本発明によるシステム内に配置される。
図1
図2
【国際調査報告】