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特表2024-501175ホットチョコレートドリンクを調製するのに適したカカオ食品調整製品およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ホットチョコレートドリンクを調製するのに適したカカオ食品調整製品およびその方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/56 20060101AFI20231228BHJP
   A23G 1/32 20060101ALI20231228BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20231228BHJP
   A23L 2/385 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A23G1/56
A23G1/32
A23L2/38 C
A23L2/38 P
A23L2/385
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023534418
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2021084041
(87)【国際公開番号】W WO2022117759
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】P202031206
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523208291
【氏名又は名称】ジュース ガレージ,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラベントス コボ,マルク
【テーマコード(参考)】
4B014
4B117
【Fターム(参考)】
4B014GB05
4B014GE14
4B014GG06
4B014GG07
4B014GG11
4B014GK03
4B014GP01
4B014GP14
4B117LE01
4B117LG17
4B117LK18
4B117LL02
4B117LP20
(57)【要約】
本発明は、ホットチョコレートドリンクおよび/またはホットチョコレートカップドリンクを調製するのに適した食品調整製品に関する。さらに、本発明は、前記食品調整製品の製造方法、および前記食品調整製品から高品質のホットチョコレートドリンクおよび/またはホットチョコレートカップドリンクを得る方法に関し、その方法は、簡単で、清潔で、実用的で、かつ迅速である。さらに、本発明は、レストランやカフェで直接飲まれるのに好適なホットチョコレートドリンクおよび/またはホットチョコレートカップドリンクを調製するのに適した食品調整製品の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物製品であって、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および少なくとも甘味料、または
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を含み、
前記第1の固形部分および/または前記第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有し、かつ
組成物製品を提供するために、組成物の成分は、均質化されることなく、可撓性のある袋で包装され、真空状態で密閉される、組成物製品。
【請求項2】
前記ミルククリームは、重量%で35~85%の脂肪含有量を有する、請求項1に記載の組成物製品。
【請求項3】
前記組成物は、密閉および/もしくは封止するようになされたストッパであるジッパー密閉システムを備える、可撓性のある袋で包装され、かつ密閉されるか、または前記袋は、密閉および/もしくは封止するようになされた温熱性を有する、請求項1~2のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項4】
重量%での前記甘味料の含有量は、10~45%、好ましくは20~40%である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項5】
前記真空状態は、前記袋内に、0.9~0.1バール、好ましくは0.8~0.3バールの減圧を提供する、請求項1~4のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項6】
前記第1の固形部分および/または前記第2の固形部分は、0.01cm~20cmの体積サイズを有する、請求項1~5のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項7】
前記製品組成物中の脂肪含有量は、重量%で前記組成物全体の少なくとも15%、好ましくは20~55%である、請求項1~6のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項8】
前記ミルククリームは、殺菌され、好ましくは、前記ミルククリームは、超高温殺菌された滅菌ミルククリームである、請求項1~7のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項9】
前記袋は、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエステル、およびポリエチレンテレフタレート(PET)、またはそれらの混合物のホモポリマーもしくはコポリマーからなるリストから選択されるプラスチック材で作製される、請求項1~8のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の組成物製品を調製する方法であって、
i)第1の態様の組成物、または
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で前記製品組成物中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、もしくは
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で前記製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を少なくとも含む組成物を提供する工程であって、前記第1の固形部分および/または前記第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の前記組成物の成分を均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装する工程と、
iii)および前記袋を密閉して、前記組成物製品を提供する工程と
を含む、方法。
【請求項11】
前記真空状態は、前記袋内に、0.9~0.1バール、好ましくは0.8~0.3バールの減圧を提供する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~9のいずれかに記載の製品組成物から、ホットチョコレートドリンクを調製する方法であって、
a)第1の態様の組成物製品を提供する工程と、
b)工程a)の前記組成物製品を電子レンジに入れる工程であって、前記組成物製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力で内部に留まる、工程と、
c)工程b)の完了後、前記ホットチョコレートドリンクが入っている前記電子レンジから、前記組成物製品を取り出す工程と、
d)任意選択で、前記袋を開封する前に、前記組成物製品を含む袋をかき混ぜ、得られた前記ホットチョコレートドリンクを、適切な容器に入れて供する工程と
を少なくとも含む、方法。
【請求項13】
前記ホットチョコレートドリンクは、粘度計を用いて40℃で測定した粘度が、8,000~30,000mPa.s、好ましくは8,500~25,000mPa.である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12~13のいずれかに記載の方法によって得られる、または得ることのできるホットチョコレートドリンク。
【請求項15】
i)組成物を提供する工程であって、前記組成物は、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で製品組成物中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、または
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で前記製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を少なくとも含み、前記第1の固形部分および/または前記第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の成分を、均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装し、かつ前記袋を密閉して、組成物製品を提供する工程と、
iii)工程ii)で得られた前記組成物製品を、電子レンジに入れる工程であって、前記組成物製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力でレンジ内部に留まる、工程と、
iv)ホットチョコレートドリンクが入っている前記電子レンジから、前記組成物製品を取り出す工程と、
v)任意選択で、前記袋を開封する前に、前記組成物製品を含む前記袋をかき混ぜ、得られた前記ホットチョコレートドリンクを、適切な容器に入れて供する工程と
を含む方法によって得られる、または得ることのできるホットチョコレートドリンク。
【請求項16】
請求項15に記載の方法によって得られる、または得ることのできるホットチョコレートドリンクであって、粘度計を用いて40℃で測定した粘度が、8,000~30,000mPa.s秒、好ましくは8,500~25,000mPa.である、ホットチョコレートドリンク。
【請求項17】
ホットチョコレートドリンクを提供するための、請求項1~9のいずれかに記載の組成物製品の使用であって、好ましくは、前記ホットチョコレートドリンクはすぐに供することができる、使用。
【請求項18】
請求項14~16のいずれかに記載のホットチョコレートドリンクを提供するための、請求項1~9のいずれかに記載の組成物製品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品および食品調製物の分野に関し、特に、ホットチョコレートドリンクおよび/またはホットチョコレートカップドリンクを調製するのに適した食品調整製品に関する。さらに、本発明は、上記食品調整製品の製造方法および上記食品調整製品から高品質のホットチョコレートドリンクおよび/またはホットチョコレートカップドリンクを得るための方法に関し、その方法は、簡単で、清潔で、実用的で、迅速で、かつ安全である。さらに、本発明は、レストランおよびカフェで、ホットチョコレートドリンクおよび/またはホットチョコレートカップドリンクを調製するのに適した食品調整製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カップのホットチョコレートは、「ホットチョコレートドリンクを作るのに適したチョコレート」としても知られており、カカオパウダー、砂糖、小麦粉、デンプン、増粘剤、ミルク、脂肪分、および一般に防腐剤または水などの他の材料をベースとしてもよい。
【0003】
生成方法は、迅速でも清潔でもないため、上記ホットの飲用カップチョコレートを生成するには、水またはミルクを調理用容器内で加熱する必要があり、非常に熱くなったところで火からおろし、使用する溶かしたチョコレートを溶解する工程に進む。通常、混合物が沸騰するまで再加熱する必要があり、方法は、チョコレートの密度を高めて、良質のホットチョコレートドリンクを提供するために、少なくとも2回または3回繰り返されなければならない。
【0004】
さらに、この方法は、スプーンまたは棒で絶え間なくかき混ぜる必要があるため、過剰に時間がかかり、容器の潜在的な汚染、チョコレート/カカオが焦げてしまうリスク、蒸発によって中身が減少するリスク、および後にすべての付属品を洗浄する必要を伴い、すべての面で望ましくない。
【0005】
スペイン特許第2069505号には、電子レンジまたは湯煎を使用して容器に簡単に溶かすことができるチョコレートベースの製品を作製するための手順が記載されている。上記チョコレートベースの製品を得るために、スペイン特許第2069505号では、カカオペースト、カカオ脂および転化糖をベースとする組成物を使用し、溶かした時になめらかな製品を得るために転化糖を利用している。しかしながら、スペイン特許第2069505号で得られた製品は、結果として高品質かつ良好な粘性のホットチョコレートドリンクをもたらしていない。
【0006】
その後の、米国特許第5,894,031号には、チョコレート飲料ミックスおよびその調製物が記載されている。チョコレート飲料ミックスは、1cm×0.25cm×0.5mm(0.00013cm)の大きさの、チョコレート飲料ミックスまたは複合菓子片の総重量に対して90重量部を、粉末カカオミックスまたは粉末クリーマー(10部)と混ぜて、飲料ミックスを形成することによって調製される。飲料は、上記飲料ミックス10部をホットミルク100部に加え、混ぜることによって得られる。しかしながら、該発明者らは、混合物を長時間かき混ぜると、だまが顕著に発生し、均質でなく、高糖度な味わいを有するチョコレート飲料混合物を生じると述べている。
【0007】
スペイン特許第2141023号では、他の代替物が記載されており、ホットチョコレートカップドリンクの調製に適した食品調製物が開示された。上記食品調製物は、鱗片または削り屑ほどの複数の小部分からなり、水またはミルクなどの液体に溶かすと、沸点に達するまで混合物の温度を上昇させることなく、形成された混合物を増粘させることが観察された。
【0008】
ホットチョコレートカップドリンクの調製に適した上記食品調製物の組成物は、鱗片または薄片状ほどの小チョコレート部分から作製され、上記部分は、30~80%の糖類、10~30%の植物性脂肪分、0~5%の乳化剤、5~20%の増粘剤、10~20%のカカオ、10%超のカカオ乾燥物質および0~2%の香料を含む。ホットチョコレートカップドリンクは、小チョコレート部分を250mlのミルクまたは水と60℃の温度で混ぜることによって調製されるが、上記組成物を再現すると、非常に粘性の低い組成物が得られることが観察された。
【0009】
さらに、日本国公開特許公報「特開2005-192467号公報」は、チョコレートミックスを直接袋内に供給し、その結果、一度均質化された製品が、飲まれる前に固化工程を経る方法に関する。日本国公開特許公報「特開2005-192467号公報」はまた、製品の品質および口当たりに影響を及ぼす多数の添加物および防腐剤を使用するという弱点を有する。
【0010】
したがって、上述したすべての欠点を克服し、迅速で、簡単で、かつ清潔な方法でホットチョコレートドリンクの調製ができ、レストランやホテルだけでなく、家庭で調製することにも適した製品組成物を開発する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明の第1の態様は、組成物製品であって、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で組成物製品中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、または
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を含み、
第1の複数の固形部分および/または第2の複数の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有し、かつ
組成物製品を提供するために、組成物の成分は、均質化されることなく、可撓性のある袋に包装され、真空状態で密閉される、組成物製品に関する。
【0012】
第1の態様の組成物製品によって、迅速で、簡単で、安全で、かつ清潔な方法でのホットチョコレートドリンクの調製が可能になる。組成物製品はまた、レストランやホテルだけでなく、家庭で使用することにも適している。さらに、第1の態様の組成物製品によって、良好ななめらかさおよび粘性に加えて、高いカカオ濃度も有する高品質のホットチョコレートドリンクの調製が可能になる。組成物製品から得られるホットチョコレートドリンクはまた、保存および調製時の成分の蒸発が防止されるので、香りをすべて持続させながら、だまにならず、良好な均質性を有する。
【0013】
第1の態様の組成物製品は、保存時および調製後に、例えばその味わいや香りなどの感覚刺激性質を維持しながら、なめらかさや口当たりといった特徴は同一であるホットチョコレートを再現可能に調製できるという、さらなる利点を有する。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様の組成物製品を調製する方法に関し、該方法は、
i)第1の態様の組成物、または、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で組成物製品中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、もしくは
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で組成物製品中に含まれる、ミルククリーム
とを含む組成物を提供する工程であって、第1の複数の固形部分および/または第2の複数の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の組成物の成分を均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装する工程と、
iii)袋を密閉して組成物製品を提供する工程と
を含む。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1の態様の製品組成物からホットチョコレートドリンクを調製する方法に関し、該方法は、
a)第1の態様の組成物製品を提供する工程と、
b)工程a)の組成物製品を電子レンジに入れる工程であって、該製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力で電子レンジ内部に留まる工程と、
c)ホットチョコレートドリンクが入っている電子レンジから、組成物製品を取り出す工程と、
d)任意選択で、上記袋を開封する前に、組成物製品を含む袋をかき混ぜ、得られたホットチョコレートドリンクを適切な容器に入れて供する工程と
を少なくとも含む。
【0016】
第2の態様の方法は、高温で加熱する工程、水またはミルクによって希釈する工程、成分を撹拌および溶解する工程などを含む、標準的な生成方法を短縮するという利点を有し、チョコレートを焦がすリスク、燃焼して思わしくない味わいまたは香りがもたらされるリスク、だまが発生するリスク、および均質ではないか、または分離が生じる可能性のあるチョコレートドリンクがもたらされるリスクを排除する。第2の態様の方法もまた、迅速で、簡単で、かつ清潔である。
【0017】
本発明の第3の態様は、第2の態様の方法から得るまたは得ることができるホットチョコレートドリンクに関する。
【0018】
本発明の第4の態様は、ホットチョコレートドリンクを提供するための第1、第2または第3の態様の組成物製品の使用に関し、ここで、ホットチョコレートドリンクは、好ましくは、すぐに供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
したがって、本発明の第1の態様は、組成物製品であって、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で組成物製品中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、または
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を含み、
第1の複数の固形部分および/または第2の複数の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有し、かつ
組成物製品を提供するために、組成物の成分は、均質化されることなく、可撓性のある袋に包装され、真空状態で密閉される、組成物製品に関する。
【0020】
ダークチョコレートの第1の複数の固形部分の大きさ、および/または第2の複数の固形部分の大きさは、組成物製品が、電子レンジで短時間温めるか、または加熱した後に、均質なホットチョコレートドリンクを迅速に調製し、すぐに供することができるという利点をもたらす。第1の態様の好ましい実施形態では、ダークチョコレートの第1の複数の固形部分、および/または第2の複数の固形部分の大きさは、0.01~20cmである。より大きな体積サイズを有する複数の固形部分だと、電子レンジで温めるのに時間がかかりすぎる製品組成物がもたらされ、飲用に適した均質なホットチョコレートドリンクをもたらさないことが確認された。そのうえ、電子レンジで使用する場合、製品組成物は、ほとんどすべての電子レンジ出力設定で数秒後に破裂するため、取り扱いの危険性も高い。加えて、0.005cmより小さい体積サイズを有する、ダークチョコレートの第1の複数の固形部分、および/または第2の複数の固形部分だと、粘性の低いホットチョコレートがもたらされ、これはあまりにもとろみが少ないため、ホットチョコレートドリンクとして使用されるのに十分な口当たりを有さない。
【0021】
固形部分は、オンス、コイン、または、正方形片もしくは丸形片などの異なる形状を有する小片の形であり得る。好ましくは、薄片形の小片は、容易に崩れ、製品組成物の調製の良好な再現性が保証されないため、使用しない。
【0022】
第1の態様の好ましい実施形態では、組成物はまた、天然香味料、防腐剤、タンパク質、食物繊維、着色剤、塩化ナトリウムなどの乳化剤、またはこれらの混合物からなる群から選択される、追加の成分を含んでもよい。
【0023】
本発明の文脈において、50~85重量%の総カカオ含有量を有するダークチョコレートという用語は、全カカオ成分の総量が、ダークチョコレートの総重量に対して50~85%であると理解される。カカオ成分は、カカオ脂およびカカオペーストを含む。例えば、52%のカカオ含有量を有するダークチョコレート、または52%のダークチョコレートは、52%のカカオ脂およびカカオペーストを有すると理解される。好ましい実施形態では、ダークチョコレート中のカカオ脂の量は、ダークチョコレートの総量の少なくとも26%である。
【0024】
本発明の文脈において、ホワイトチョコレートは、少なくともカカオ脂および甘味料を含む。好ましくは、ホワイトチョコレートは、カカオ脂、甘味料、ミルク、またはヒマワリもしくは大豆レシチンなどの他の成分を含む。
【0025】
第2の固形部分の、カカオ脂および甘味料の混合物は、ホワイトチョコレートの一部として提供されてもよく、または2つの別々の成分として混合物に添加されてもよい。
【0026】
本発明の文脈において、甘味料という用語は、天然糖および人工糖を含む。人工糖は、マルチトール、アスパルテーム、サッカリン、ソルビトール、マンニトールまたはキシリトールから選択することができる。天然糖は、サトウキビジュース、糖蜜、天然ブラウンシュガー、パネラ、サトウキビ糖、ソルガム糖蜜、ミ-ド、バーチシロップ、メープルシロップ、メープル糖から選択することができる。
【0027】
第1の態様の別の好ましい実施形態では、製品組成物は、少なくとも第1の固形部分および第2の固形部分の甘味料含有量を含む、重量%で10~45%、好ましくは20~40%の総甘味料含有量を有する。甘味料含有量は、一度調製されると、だまのない、良好な安定性および均質性、ならびに粘性を有するホットチョコレートドリンクを提供するのに役立つ。
【0028】
第1の態様の製品組成物の好ましい実施形態では、ミルククリームは、35%~85%の脂肪含有量を有し、これは、クリームまたは脂肪成分の相分離のない均質な混合物でありながらも、良好ななめらかさを有するホットチョコレートドリンクを提供する。さらに、調製後、飲用に適した良好な粘性およびなめらかさを有するホットチョコレートドリンクを提供する。
【0029】
本発明の文脈において、ホットチョコレートドリンクという用語は、35~80℃、好ましくは35~65℃の温度で、カップ、グラス、またはホットドリンクを飲むのに好適な容器で飲むのに適した、ホットで供されるチョコレート飲料であると理解される。ホットチョコレートドリンクは、8,000~30,000mPa.s、好ましくは8,500~25,000mPa.s、より好ましくは8,500~20,000mPa.sの粘度を有する。粘度は、粘度プローブ6および速度10を用いて、ブルックフィールド粘度計により40℃で測定した。
【0030】
第1の態様の製品組成物の別の好ましい実施形態では、ミルククリームはまた、水、0.1~2.5重量%の範囲のタンパク質、ならびに/または0.1~5重量%の範囲の炭水化物および/もしくは甘味料を含んでもよい。
【0031】
本発明の文脈において、ミルククリームの「脂肪含有量」という用語は、動物性脂肪を含む。しかしながら、組成物製品は、第1の固形ブラックチョコレート部分または第2の固形部分に含まれ得る追加の脂肪含有量を有し得る。したがって、組成物製品の総脂肪含有量を示す場合、これは動物性脂肪および植物性脂肪を含むことになる。
【0032】
第1の態様の別の好ましい実施形態では、組成物製品中の総脂肪含有量は、重量%で、組成物全体の少なくとも15%、好ましくは20~55%、より好ましくは30~50%である。
【0033】
第1の態様の別の好ましい実施形態では、ミルククリームは、滅菌ミルククリームである。より好ましくは、ミルククリームは殺菌される。より好ましくは、ミルククリームは、超高温殺菌された滅菌ミルククリームであり、例えばUHT(超高温)処理によって滅菌される。これにより、冷蔵庫や冷凍庫による冷却を行うことなく、製品組成物の保存が可能となり、製品組成物の輸送、取り扱いおよび保存が容易である。
【0034】
第1の態様の組成物製品は、必要に応じて、飲用する前に冷蔵庫で保存してもよい。保存料は必要とせず、物理的性質および感覚刺激性質は維持され、影響を受けない。
【0035】
本発明の文脈において、「組成物が包装される」という言いまわしは、組成物が可撓性のある袋の内側に配置され、密閉されることであると理解される。好ましくは、密閉して封止される。
【0036】
本発明の文脈において、可撓性のある袋という用語は、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるリストのホモポリマーまたはコポリマーから選択される少なくともプラスチック材で作製される袋であると理解される。
【0037】
第1の態様の別の好ましい実施形態では、可撓性のある袋は、封止密閉システムを有する袋とすることができる。好ましくは、可撓性のある袋は、密閉および/もしくは封止するようになされたストッパであるジッパー密閉システムを備える袋であるか、または封止機を用いて熱シールを生成することによって密閉および/もしくは封止される袋である。
【0038】
本発明の文脈において、真空状態という用語は、可撓性のある袋内の圧力の低下を含み、袋内の圧力は、0.9~0.1バール、好ましくは0.8~0.3バール、より好ましくは0.7~0.5バールとすることができる。真空状態で、組成物を可撓性のある袋に包装することにより、だまのない均質なホットチョコレートドリンクを得ながら、より迅速にホットチョコレートドリンクを調製することができる。
【0039】
上記のように、真空状態で、組成物を可撓性のある袋に包装することにより、組成物の固形成分および液体成分を可撓性のある袋全体に、より均質に分散させることができ、もっとも手軽な包装方法で、かつより多くの単位量を包装することができるので、輸送効率が向上する。加えて、すぐに飲めるホットチョコレートドリンクを得るのにかかる調製時間を短縮し、組成物製品が過熱された場合、または必要以上に長く加熱された場合に、組成物製品袋が破裂する可能性を回避するので、使用時の安全性が向上する。
【0040】
第1の態様の組成物製品はまた、保存時および調製後に、例えばその風味や香りなどの感覚刺激性質を維持しながら、なめらかさや口当たりといった特徴は同一である、ホットチョコレートを再現可能に調製できるという利点を有する。
【0041】
本発明の第2の態様は、第1の態様の組成物製品を調製する方法に関し、該方法は、
i)第1の態様の組成物、または、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で組成物製品中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、もしくは
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、量%で35~45%の範囲で組成物製品中に含まれる、ミルククリーム
とを少なくとも含む組成物を提供する工程であって、第1の固形部分および/または第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の組成物の成分を均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装する工程と、
iii)袋を密閉して組成物製品を提供する工程
とを含む。
【0042】
第2の態様の好ましい実施形態では、真空状態は、可撓性のある袋内の圧力の低下を含み、袋内の圧力は、0.9~0.1バール、好ましくは0.8~0.3バール、より好ましくは0.7~0.5バールである。
【0043】
第2の態様の好ましい実施形態では、可撓性のある袋は、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびそれらの混合物からなるリストのホモポリマーまたはコポリマーから選択される、少なくともプラスチック材で作製される。より好ましくは、可撓性のある袋は、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、またはそれらの混合物の少なくともホモポリマーまたはコポリマーで作製される。
【0044】
真空状態で、組成物を可撓性のある袋に包装することにより、だまのない均質なホットチョコレートドリンクを得ながら、より迅速にホットチョコレートドリンクを調製することができる。そのうえ、固形成分および液体成分を可撓性のある袋全体に、より均質に分散させることができ、もっとも手軽な包装方法で、かつより多くの単位量を包装することができるので、輸送効率が向上する。加えて、均質なホットチョコレートドリンクを得るのにかかる加温時間および/または電力を低減し、組成物製品が過熱された場合、または必要以上に長く加熱された場合に、組成物製品袋が破裂する可能性を回避するため、使用時の安全性が向上する。
【0045】
第2の態様の方法はまた、ホットチョコレートを再現可能に調製できるという利点を有し、得られるホットチョコレートドリンクは、例えばその風味や香りなどの感覚刺激性質を維持しながら、なめらかさや口当たりといった特徴は同一である。
【0046】
本発明の第3の態様は、第1の態様の組成物製品から、または第2の態様から得られる組成物製品から、ホットチョコレートドリンクを調製する方法に関し、該方法は、
a)第1の態様の組成物製品を提供する工程と、
b)工程a)の組成物製品を電子レンジに入れる工程であって、製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力で内部に留まる工程と、
c)ホットチョコレートドリンクが入っている電子レンジから、組成物製品を取り出す工程と、
d)任意選択で、上記袋を開封する前に、組成物製品を含む袋をかき混ぜ、かつ任意選択で、得られたホットチョコレートドリンクを適切な容器に入れて供する工程と
を少なくとも含む。
【0047】
第3の態様の方法は、高温で加熱する工程、ミルクまたは水によって希釈する工程、成分をかき混ぜ、かつ溶解する工程などを含む、標準的な生成方法を短縮するという利点を有し、チョコレートを焦がすリスク、焦げて思わしくない味わいまたは香りがもたらされるリスク、だまが発生するリスク、および均質でないか、または相分離が生じる可能性のあるチョコレートドリンクがもたらされるリスクを排除する。第3の態様の方法もまた、迅速で、安全で、簡単で、かつ清潔である。
【0048】
第3の態様の好ましい実施形態では、かき混ぜることは、袋を振るか、揉むか、もしくは捏ねることにより、手作業で行うか、あるいは振るか、揉むか、もしくは捏ねるようになされた撹拌器または機械ロボットにより、機械で行うことができる。
【0049】
第3の態様の好ましい実施形態では、かき混ぜる工程は、少なくとも5秒間、好ましくは5~15秒間、より好ましくは15~30秒間行われる。
【0050】
第3の態様の好ましい実施形態では、工程a)の組成物製品は、20~70秒間、より好ましくは30~45秒間、電子レンジ内に留まる。
【0051】
第3の態様の好ましい実施形態では、電子レンジの出力は、400~750wまたは400~600wに設定される。
【0052】
第3の態様のより好ましい実施形態では、工程a)の組成物製品は、300~600wに設定された電子レンジの出力で、30~60秒間、電子レンジ内に留まる。
【0053】
さらに、組成物製品および工程b)の条件により、非常に迅速かつ実用的な方法でかき混ぜる工程を実施でき、また、可撓性のある袋内の温度および圧力が高すぎないので、手作業でかき混ぜる際に、手を火傷するか、または袋が破裂するのを防止することができる。袋の外側の温度は、使用される組成物に応じて32~54℃で変動する場合がある。
【0054】
本発明の第4の態様は、第2の態様の方法から得る、または得ることができるホットチョコレートドリンクに関する。
【0055】
第3の態様の方法から得る、または得ることができる第4の態様のホットチョコレートドリンクは、良好な均質性を有し、かつ、だまおよび相分離が全くない一方で、高濃度のカカオおよび良好ななめらかさを有するという利点を有する。さらに、一度調製されたホットチョコレートドリンクは、混合物の温度が80℃を超えて、好ましくは70℃を超えて上昇しないので、光沢のある薄い膜もできず、焦げたチョコレートの味や香りもしない。
【0056】
第4の態様の好ましい実施形態では、ホットチョコレートドリンクは、
i)組成物を提供する工程であって、組成物は、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で製品組成物中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐カカオ脂および甘味料、または
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を少なくとも含み、第1の固形部分および/または第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の成分を、均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装し、かつ袋を密閉して、組成物製品を提供する工程と、
iii)工程ii)で得られた組成物製品を、電子レンジに入れる工程であって、組成物製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力でレンジ内部に留まる、工程と、
iv)ホットチョコレートドリンクが入っている電子レンジから、組成物製品を取り出す工程と、
v)任意選択で、袋を開封する前に、組成物製品を含む袋をかき混ぜ、得られたホットチョコレートドリンクを、適切な容器に入れて供する工程と
を含む方法によって得られる、または得ることができる。
【0057】
第3の態様のホットチョコレートドリンクは、35~80℃、好ましくは35~65℃の温度で、カップ、グラス、またはホットドリンクを飲むのに好適な容器で飲むのに適した、ホットで供されるチョコレート飲料である。ホットチョコレートドリンクは、8,000~30,000mPa.s、好ましくは8,500~25,000mPa.s、より好ましくは8,500~20,000mPa.sの粘度を有する。粘度は、粘度プローブ6および速度10を用いて、ブルックフィールド粘度計により40℃で測定した。
【0058】
ダークチョコレートの第1の複数の固形部分および第2の複数の固形部分は、固形または半固形として組成物に添加されるのに対し、ミルククリームは、液体として添加される。低濃度の他の材料は、ミルククリームとともに液相で添加することができる。全ての成分を可撓性のある袋に入れた後、袋内の圧力が低下して真空状態になり、かつ袋が密閉され、好ましくは、封止もされる。
【0059】
本発明の第5の態様は、ホットチョコレートドリンクを得るための第1、第2または第3の態様の組成物製品の使用に関し、好ましくは、ホットチョコレートドリンクはすぐに供することができる。
【実施例
【0060】
実施例1
すべての材料を入れるのに十分な容量の、可撓性のある透明プラスチック袋を用意し、その後、後述するように以下の材料を秤量し、可撓性のあるプラスチック袋に入れた。
‐14.9gの甘味料を含み、各ダークチョコレート部分の大きさが3.2cmである、45gのダークチョコレート(72%)を用意する。
‐11.4gの甘味料を含み、各部分の大きさが0.01cm3である、20gのホワイトチョコレート
‐35%の脂肪含有量を有する35gのミルククリーム(UHT)
【0061】
可撓性プラスチック袋は、一度包装されると、真空状態に置かれ、袋内の圧力は約0.7バール減圧する。こうして、1回分としてすぐに発売可能な製品が得られる。複数回分の製品も調整可能である。得られた組成物製品は、使用する時まで冷蔵庫に保存することができる。
【0062】
使用したいと思ったら、1回分の密閉された組成物製品を電子レンジに、750wの出力で30秒間、または600wの出力で45秒間、入れる。
【0063】
組成物製品を取り出したら、プラスチック袋がまだ密閉されたままの状態で、15~20秒間、手作業で袋を振るか、または捏ねることができる。その後、プラスチック袋を開封するか、または切れ目を作って、中身をカップまたは飲用容器に注ぐ。ホットチョコレートドリンクの温度および口当たりは、電子レンジでの加温時間を短縮または延長することによって調節することができる。
【0064】
【表1】
表1:実施例1の各部分および成分の配分
【0065】
実施例2
実施例2を、以下の組成物を用いて、実施例1と同様に実施した。ブラックチョコレートの第1の複数の固形部分の大きさは3.2cmで、ホワイトチョコレートの各部分の大きさは0.01cmであった。
【0066】
【表2】
表2:実施例2の各部分および成分の配分
【0067】
実施例3
実施例3を、表3の組成物を用いて、実施例1と同様に実施した。ブラックチョコレートの第1の複数の固形部分の大きさは3.2cmであり、ホワイトチョコレートの各部分の大きさは0.01cmであった。
【0068】
【表3】
表3:実施例3の各部分および成分の配分
【0069】
【表4】
表4:固形部分の大きさがホットチョコレートドリンクに与える影響
【0070】
【表5】
表5:電子レンジで調製した後のホットチョコレートドリンクの温度および粘度。粘度は、40℃に達するまで、時間をかけてホットチョコレートドリンクを冷却する上記の手法によって計算した。
【0071】
スペイン特許第2141023号の実施例は、文献に、チョコレートドリンクを調製すのに使用する比率が明記されなかったため、100gのチョコレート薄片を200mlのミルクに、100gのチョコレート薄片を150mlのミルクに使用して、実施した。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物製品であって、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を含み、
前記第1の固形部分および前記第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有し、かつ
組成物製品を提供するために、組成物の成分は、均質化されることなく、可撓性のある袋で包装され、真空状態で密閉される、組成物製品。
【請求項2】
前記ミルククリームは、重量%で35~85%の脂肪含有量を有する、請求項1に記載の組成物製品。
【請求項3】
前記組成物は、密閉および/もしくは封止するようになされたストッパであるジッパー密閉システムを備える、可撓性のある袋で包装され、かつ密閉されるか、または前記袋は、密閉および/もしくは封止するようになされた温熱性を有する、請求項1~2のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項4】
重量%での前記甘味料の含有量は、10~45%、好ましくは20~40%である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項5】
前記真空状態は、前記袋内に、0.9~0.1バール、好ましくは0.8~0.3バールの減圧を提供する、請求項1~4のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項6】
前記第1の固形部分および/または前記第2の固形部分は、0.01cm~20cmの体積サイズを有する、請求項1~5のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項7】
前記製品組成物中の脂肪含有量は、重量%で前記組成物全体の少なくとも15%、好ましくは20~55%である、請求項1~6のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項8】
前記ミルククリームは、殺菌され、好ましくは、前記ミルククリームは、超高温殺菌された滅菌ミルククリームである、請求項1~7のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項9】
前記袋は、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエステル、およびポリエチレンテレフタレート(PET)、またはそれらの混合物のホモポリマーもしくはコポリマーからなるリストから選択されるプラスチック材で作製される、請求項1~8のいずれかに記載の組成物製品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の組成物製品を調製する方法であって、
i) ‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で前記製品組成物中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で前記製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を少なくとも含む組成物を提供する工程であって、前記第1の固形部分および前記第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の前記組成物の成分を均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装する工程と、
iii)前記袋を密閉して、前記組成物製品を提供する工程と
を含む、方法。
【請求項11】
前記真空状態は、前記袋内に、0.9~0.1バール、好ましくは0.8~0.3バールの減圧を提供する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~9のいずれかに記載の製品組成物から、ホットチョコレートドリンクを調製する方法であって、
)前記組成物を提供する工程と、
b)工程a)の前記組成物製品を電子レンジに入れる工程であって、前記組成物製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力で内部に留まる、工程と、
c)工程b)の完了後、前記ホットチョコレートドリンクが入っている前記電子レンジから、前記組成物製品を取り出す工程と、
d)任意選択で、前記袋を開封する前に、前記組成物製品を含む袋を振るか、揉むか、または捏ねることによりかき混ぜ、得られた前記ホットチョコレートドリンクを、適切な容器に入れて供する工程と
を少なくとも含む、方法。
【請求項13】
前記ホットチョコレートドリンクは、粘度計を用いて40℃で測定した粘度が、8,000~30,000mPa.s、好ましくは8,500~25,000mPa.である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12~13のいずれかに記載の方法によって得られる、または得ることのできるホットチョコレートドリンク。
【請求項15】
i)組成物を提供する工程であって、前記組成物は、
‐ダークチョコレートの第1の複数の固形部分であって、
‐50~85%の範囲のカカオ含有量を有するカカオ、
‐甘味料
を少なくとも含み、重量%で40~50%の範囲で製品組成物中に含まれる、第1の複数の固形部分と、
‐第2の複数の固形部分であって、
‐ホワイトチョコレート
を少なくとも含み、重量%で5~20%の範囲で前記製品組成物中に含まれる、第2の複数の固形部分と、
‐少なくとも35%の脂肪含有量を有するミルククリームであって、重量%で35~45%の範囲で前記組成物製品中に含まれる、ミルククリームと
を少なくとも含み、前記第1の固形部分および前記第2の固形部分は、0.005cm~30cmの体積サイズを有する、工程と、
ii)工程i)の成分を、均質化することなく、真空状態で可撓性のある袋で包装し、かつ前記袋を密閉して、組成物製品を提供する工程と、
iii)工程ii)で得られた前記組成物製品を、電子レンジに入れる工程であって、前記組成物製品は、20~70秒間、好ましくは300~800wの出力でレンジ内部に留まる、工程と、
iv)ホットチョコレートドリンクが入っている前記電子レンジから、前記組成物製品を取り出す工程と、
v)任意選択で、前記袋を開封する前に、前記組成物製品を含む前記袋を振るか、揉むか、または捏ねることによりかき混ぜ、得られた前記ホットチョコレートドリンクを、適切な容器に入れて供する工程と
を含む方法によって得られる、または得ることのできるホットチョコレートドリンク。
【請求項16】
請求項15に記載の方法によって得られる、または得ることのできるホットチョコレートドリンクであって、粘度計を用いて40℃で測定した粘度が、8,000~30,000mPa.s秒、好ましくは8,500~25,000mPa.である、ホットチョコレートドリンク。
【請求項17】
ホットチョコレートドリンクを提供するための、請求項1~9のいずれかに記載の組成物製品の使用であって、好ましくは、前記ホットチョコレートドリンクはすぐに供することができる、使用。
【請求項18】
請求項14~16のいずれかに記載のホットチョコレートドリンクを提供するための、請求項1~9のいずれかに記載の組成物製品の使用。
【国際調査報告】