(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】天然原材料及び/又はリアルフード原材料を含むミールリプレイスメントバー、並びに該ミールリプレイスメントバーの作製方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/20 20160101AFI20231228BHJP
【FI】
A23L33/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534690
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2021085359
(87)【国際公開番号】W WO2022128841
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ブリジュワニ, クシャル
(72)【発明者】
【氏名】バーク, エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】サヴァント, ヴィヴェック, ディリップ
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LE06
4B018MD01
4B018MD14
4B018MD20
4B018MD23
4B018MD27
4B018MD47
4B018MD48
4B018MD49
4B018MD77
4B018ME01
4B018MF08
(57)【要約】
本開示は、広義には、食物渇望を抑制し、減量を促進し、並びに/又は過体重若しくは肥満を予防及び/若しくは治療するための組成物及び方法に関する。より具体的には、本開示は、「クリーンラベル」のミールリプレイスメントバー並びにそれを作製及び使用するための方法を対象とする。開示されるミールリプレイスメントバーは、タンパク質、炭水化物、脂肪、及び/又は繊維を提供するリアルフード原材料及び/又は天然原材料を含むベース材料と、該ベース材料を合わせて結着させるための少なくとも1つの天然結着剤と、完全栄養を提供するためのビタミン及びミネラルと、を含む。開示されるミールリプレイスメントバーは、好ましくは全部で15種類未満の原材料から作製され、約44gのバーでは約160kcalのエネルギー及び約16gのタンパク質を提供する、又は、約55gのバーでは約200kcalのエネルギー及び約20gのタンパク質を提供する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミールリプレイスメントバーの作製方法であって、
タンパク質、炭水化物、脂肪、及び/又は繊維を含む、少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料を含むベース材料を用意するステップと、
前記ベース材料を合わせて結着させるための少なくとも1つの天然結着剤を供給するステップであって、前記少なくとも1つの天然結着剤が、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、前記ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量である、ステップと、
ビタミン及びミネラルを含む追加の原材料を供給して、最終混合物を形成するステップと、を含む方法。
【請求項2】
更に、
前記最終混合物を成形型内で成形するステップと、
前記成形された最終混合物を前記ミールリプレイスメントバーへと切断するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料が、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、カゼイン、植物タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される天然タンパク質源を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料が、少なくとも1つの穀物又は種子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ミールリプレイスメントバーが、前記ミールリプレイスメントバー44g又は55g当たり、約100~300kcalのエネルギー及び/又は約8~30gのタンパク質を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ミールリプレイスメントバーの作製方法であって、
少なくとも1つの天然結着剤を、ビタミン、ミネラル及び/又はフレーバー原材料と混合して混合物を形成するステップであって、前記少なくとも1つの天然結着剤が、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、前記ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量である、ステップと、
少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料を前記混合物と混合して、均質な混合物を形成するステップと、
天然タンパク質クリスプを前記均質な混合物と混合して最終混合物を形成するステップであって、前記天然タンパク質クリスプが、前記混合中及び前記混合後にインタクトな状態を保つ、ステップと、を含む方法。
【請求項7】
更に、
前記最終混合物を成形型内で成形するステップと、
前記成形された最終混合物を前記ミールリプレイスメントバーへと切断するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料が、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、カゼイン、植物タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される天然タンパク質源を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料が、少なくとも1つの穀物又は種子を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ミールリプレイスメントバーであって、
タンパク質、炭水化物、脂肪、及び/又は繊維を含む少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料を含むベース材料と、
前記ベース材料を合わせて結着させるための少なくとも1つの天然結着剤であって、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、前記ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量である、少なくとも1つの天然結着剤と、
ビタミン及びミネラルと、を含む、ミールリプレイスメントバー。
【請求項11】
前記少なくとも1つの天然結着剤が、前記ミールリプレイスメントバー中に実質的に均一に分散されている、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項12】
前記ミールリプレイスメントバーの各原材料が、前記ミールリプレイスメントバー全体にわたって実質的に均一に分散されている、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項13】
約9.0重量%~約12.0重量%のチコリ根シロップを含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項14】
約8.0重量%~約13.0重量%のハチミツを含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項15】
約12.0~約18.0重量%のナツメヤシペーストを含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項16】
前記少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料が、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、カゼイン、植物タンパク質、及びこれらの混合物からなる群から選択される天然タンパク質源を含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項17】
前記天然タンパク質源が、1つ以上のナッツ又は種子由来の、バターを含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項18】
前記ミールリプレイスメントバーが、前記ミールリプレイスメントバー44g又は55g当たり、約100~300kcalのエネルギー及び/又は約8~30gのタンパク質を含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項19】
前記ミールリプレイスメントバーが、ポリオール、グアーガム、マルトデキストリン、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、キサンタンガム、水素添加脂肪、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、カゼイネート、微結晶性セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含有しない、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【請求項20】
前記ミールリプレイスメントバーが、合計で15種類未満の原材料を含む、請求項10に記載のミールリプレイスメントバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[背景技術]
本開示は、広義には、食物渇望(food craving)を抑制し、減量を促進し、並びに/又は過体重若しくは肥満を予防及び/若しくは治療するための組成物及び方法に関する。より具体的には、本開示は、「クリーンラベル」のミールリプレイスメントバー並びにそれを作製及び使用するための方法を対象とする。
【0002】
過体重及び肥満の有病率は、米国において及び世界的にも上昇している。長期にわたりエネルギー消費超にエネルギー摂取が増加していることが、現代社会における肥満の主な原因である。体重管理は、典型的には実生活(real world)において、減量を誘導及び維持するための数週間及び数ヶ月間にわたるカロリー制限下で試みられる。このアプローチは、典型的には、消費される食品の量又はタイプを減少させること(すなわち、一人分のサイズの減少又はカロリー密度の低い食品の摂食)によって、又は市販の液体調製物(栄養バランスのとれた全食置き換え製品)で食事を置き換えることによって達成される。これらのいずれもが、減量において有効であることが示されている。
【0003】
食品の消費量を減少させることによるカロリー制限は、主観的な空腹感の増加及び食物に対する渇望と関連しているようである。後者は、栄養バランスのとれたミールリプレイスメント製品による食事の代替と比較して、高い失敗率及び再発率をもたらし得る。
【0004】
ますます消費者は、様々な食品カテゴリー及び形式にわたって、よりクリーンであること及び原材料が少数であることを求めるようになっている。ミールリプレイスメントバーは、典型的には、1つ以上のポリオール、人工/合成乳化剤、又は安定剤を使用して、バーを形成及び成形する。
【0005】
[発明の概要]
本開示は、少数の原材料並びに天然食品原材料及び/又はリアルフード原材料を用いて作製される「クリーンラベル」のミールリプレイスメントバーを提供し、さらに、これらのミールリプレイスメントバーは、例えばカロリー制限食の一部として消費される場合に、食事に必要とされる主要栄養素及び微量栄養素を充足する。さらに、これらのミールリプレイスメントは、官能面で有益なテクスチャ及び口当たりを有する。
【0006】
具体的には、本明細書に開示されるミールリプレイスメントバーは、ハチミツ、チコリ根シロップ、又はナツメヤシペーストのうちの1つ以上などの少なくとも1つの天然結着剤を使用し、これらは、テクスチャ及び口当たりなどの有利な感覚属性を付与し、さらにミールリプレイスメントプログラムの栄養要求を充足する。
【0007】
いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、ホエイタンパク質濃縮物並びにクランチ質のテクスチャを提供するホエイクリスプと、アーモンドバターと、のベースを形成することで、形成可能な生地の作製を助け、当該生地が、ハチミツ、チコリ根シロップ、又はナツメヤシペーストのうちの1つ以上などの少なくとも1つの天然結着剤を使用して合わせて結着させることで、バー様のテクスチャ及び口当たりが生じる。形成可能な生地には、完全栄養を提供するために、オート麦フレーク、亜麻種子、ビタミン及びミネラルのうちの1つ以上などの追加の原材料を補充することができる。必要に応じて、得られたバーには、例えばバニラフレーバーなどの甘味フレーバーを添加することによって、又はチーズ、例えばパルメザン、及び/又はハーブフレーバーなどのセイボリーフレーバーを添加することによって、フレーバー付与することができる。これらの原材料は、バーを首尾よく形成するだけでなく、クリーンラベルの完全栄養をもたらす。
【0008】
特に好ましい非限定的な実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、わずか9つの異なる原材料のみを含有し、ビタミンミネラルプレミックスも含有するが、ミールリプレイスメントバーは、約44gのバーに対して約160kcalのエネルギー及び約16gのタンパク質を含有する。別の特に好ましい非限定的な実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、約55gのバーに対して約200kcalのエネルギー及び約20gのタンパク質を含有する。
【0009】
ミールリプレイスメントバーは、例えば減量プログラム中の個体について、体重管理を支援し、減量を促進し、かつ/又は肥満若しくは過体重を治療若しくは予防することができる。ミールリプレイスメントバーは、血糖コントロールのために使用することもできる。
【0010】
更なる特徴及び利点が本明細書において記述されており、以下の図面、及び発明を実施するための形態から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1における2つのバッグ中の原材料を示す。
【
図2】実施例1におけるミキシングボウル内での原材料とナツメヤシペーストとの混合を示す。
【
図3】実施例1においてバッグ1を添加して混合した後の混合物を示す。
【
図4】実施例1においてバッグ2を添加して混合した後の混合物を示す。
【
図6】実施例2における成形型内の成形前の混合物を示す。
【0012】
[発明を実施するための形態]
定義
以下、いくつかの定義を示す。しかしながら定義が以下の「実施形態」の項にある場合もあり、上記の見出し「定義」は、「実施形態」の項におけるそのような開示が定義ではないことを意味するものではない。
【0013】
本明細書に記載する全てのパーセンテージは、別途記載のない限り、組成物の総重量によるものである。本明細書で使用するとき、「約」、「およそ」、及び「実質的に」は、数値のある範囲内、例えば、参照数字の-10%から+10%の範囲内、好ましくは参照数字の-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照数字の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照数字の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。
【0014】
本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「1つの(a)原材料」又は「その(the)原材料」への言及は、「少なくとも1つの原材料」を意味し、2つ以上の原材料を含む。
【0015】
用語「含む/備える(comprise)」、「含む/備える(comprises)」、及び「含んでいる/備えている(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈されるべきである。しかしながら、本明細書に開示されている組成物は、本明細書において具体的に開示されていない要素を含まない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「を本質的に含む(consisting essentially of)」実施形態、及び特定されている構成要素「を含む(consisting of)」実施形態の開示を含む。「~から本質的に構成される」組成物とは、参照された構成成分を少なくとも75重量%、好ましくは参照された構成成分を少なくとも85重量%、より好ましくは参照された構成成分を少なくとも95重量%、最も好ましくは参照された構成成分を少なくとも98重量%含むことをいう。
【0016】
「X又はYのうちの少なくとも1つ」及び「X及び/又はY」のそれぞれの文脈において使用される「のうちの少なくとも1つ」及び「及び/又は」という用語は、「X」若しくは「Y」又は「X及びY」として解釈されるべきである。例えば、「少なくとも1つのハチミツ又はチコリ根シロップ」は、「チコリ根シロップはなしのハチミツ」、又は「ハチミツはなしのチコリ根シロップ」、又は「ハチミツとチコリ根シロップと」と解釈されるべきである。
【0017】
本明細書において使用する場合、用語「例」及び「例えば~など(such as)」は、その後に用語の列挙が続くときは特に、単に例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は包括的なものとみなされるべきではない。
【0018】
「予防」は、状態又は疾患のリスク及び/又は重症度を低減させることを含む。用語「治療」、「治療する」、「軽減する」及び「緩和する」には、予防若しくは予防的治療(標的とする病態若しくは疾患の発現を予防する及び/又は遅らせる)と、治癒的、治療的若しくは疾患修飾的な治療の両方が含まれ、例えば、診断された病態又は障害の治癒、遅延、症状の緩和、及び/又は進行の停止のための治療的手段、並びに、疾患のリスクがある患者又は疾患に罹患する疑いのある患者、及び体調不良の患者又は疾患若しくは医学的症状に罹患していると診断された患者の治療が含まれる。これらの用語は、必ずしも完治するまで対象が治療されることを意味するものではない。これらの用語はまた、疾患を患ってはいないが、不健康な状態を起こしやすい個体の健康維持及び/又は増進も意味する。これらの用語はまた、1つ以上の主たる予防的又は治療的手段の相乗作用あるいは増強を含むことを意図するものである。用語「治療」、「治療する」、「軽減する」及び「緩和する」は更に、疾患若しくは症状に対する食事療法、又は疾患若しくは症状の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための食事療法を含むことを意図するものである。非限定的な例として、処置/治療は、患者、介護者、医師、看護師、又は別の医療専門家によって行うことができる。
【0019】
用語「食品」、「食品製品」、及び「食品組成物」は、ヒトなどの個体による摂取が意図され、かかる個体に対して少なくとも1種の栄養素を提供する、製品又は組成物を意味する。本明細書に記載の多くの実施形態を含む本開示の組成物は、本明細書に記載の必須成分(essential elements)及び制限に加え、本明細書に記載の、又はそうでなければ食事療法に有用な、任意の追加の若しくは任意選択的な原材料、構成成分、又は制限を含んでよく、これらから構成されてよく、又は本質的にこれらから構成されてよい。
【0020】
本明細書で使用するとき、「完全栄養」を提供する食品組成物は、その食品組成物が投与される動物にとって、唯一の栄養源とするのに十分な、十分な種類及び量の主要栄養素(タンパク質、脂肪及び炭水化物)及び微量栄養素を含有する。個体は、そのような完全食品組成物から、当該個体の栄養必要量の100%を受容可能である。
【0021】
「ミールリプレイスメント」という用語は、他のいかなる食品組成物も伴わずに、単独で投与及び摂取される食品組成物である。好ましくは、ミールリプレイスメントは、任意の他の食品組成物(例えば、別のミールリプレイスメント)の少なくとも1時間後及び/又は少なくとも1時間前、より好ましくは、任意の他の食品組成物の少なくとも2時間後及び/又は少なくとも2時間前、最も好ましくは、任意の他の食品組成物の少なくとも3時間後及び/又は少なくとも3時間前に投与及び消費される。ミールリプレイスメント品は、以下の2つのカテゴリーに分けることができる:(a)1日の食事全体の代替品として提供される製品(「全食リプレイスメント」(total diet replacement))、及び(b)1日の食事のうち1つ以上の食事の代替品として提供される製品(「ミールリプレイスメント」)。
【0022】
本明細書で使用するとき、「ミールリプレイスメントバー」という用語は、ヒト対象及び動物対象のための投与量単位として好適な、タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、及びミネラルを含む、物理的に小分けされた固形食品組成物の単位を指し、各単位は、薬学的に許容可能な希釈剤、担体、又はビヒクルとともに、所望の効果をもたらすのに十分な量の、所定量の本明細書に開示される組成物を含有する。ミールリプレイスメントバーの仕様は、使用される具体的な化合物、達成しようとする効果、及びホスト体内の各化合物に関連する薬力学によって決まる。いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、ヒトに完全栄養を提供するように配合される。ミールリプレイスメントバーは、ミールリプレイスメントバーの乾燥重量で約20~60%の炭水化物、約20~60%のタンパク質、及び約10~30%の脂肪を含むことができる。特に好ましい実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、ミールリプレイスメントバーの乾燥重量で約40%の炭水化物、約40%のタンパク質、及び約20%の脂肪を含むことができる。
【0023】
「低脂肪」食は、脂肪由来のカロリーが20%未満、好ましくは脂肪由来のカロリーが15%未満の食事である。「低炭水化物」食は、一食に含まれる炭水化物由来のカロリーが20%未満である食事である。「低カロリー食」は、食事介入前に個体が摂取していたものと比較して1日あたりのカロリーが少ない食事、及び/又は同様の体型の平均的な人物と比較して1日あたりのカロリーが少ない食事である。「超低カロリー食」は、1日あたり800kcal(3,300kJ)以下である食事である。
【0024】
「天然」という用語は、その原材料が化学的に合成されておらず、代わりに少なくとも1つの天然材料、例えば動物乳、卵又は魚油などの動物材料、例えば果実、野菜、マメ科植物、穀物、ナッツ又は種子などの植物材料、又はこれらの混合物に由来することを意味する。「リアルフード」という用語は、何らかの成分が減少させられた食品とは対照的に、食品がその天然の又は調製された状態にある場合に、通常の毎日の食事において個体によって典型的に摂取される食品を意味する。
【0025】
「対象」、「患者」又は「個体」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。
【0026】
「過体重」は、ヒトについてはBMIが25~30であることとして定義される。「肥満」は、ヒトについてはBMIが30を超えていることとして定義される。「減量/体重減少」は、総体重の減少である。減量は、例えば、体力、健康、及び/又は外観を改善するための取組みにおける全体重の減少を表し得る。「体重管理」又は「体重維持」は、全体重の維持を指す。例えば、体重管理は、正常とみなされる18.5~25の範囲にBMIを維持することに関し得る。
【0027】
本明細書で使用するとき、「有効量」とは、欠乏を予防する、個体の疾患又は医学的状態を治療する、あるいはより一般的には、症状を軽減させる、疾患の進行を管理する、又は個体に対して栄養学的、生理学的若しくは医学的利益を提供する、量である。「促進する」、「改善する」、「増加させる」、「増強する」などの相対的な用語は、ミールリプレイスメント物を投与することを含む、本明細書に開示の方法による効果を、天然食品(例えば、果実、野菜、肉、穀物、ナッツ、豆)による、但し1日のカロリー摂取量が同一である、食事と比較して指す。
【0028】
実施形態
本開示の一態様は、少なくとも1つの天然結着剤を含む、「クリーンラベル」のミールリプレイスメントバーである。好ましくは、少なくとも1つの天然結着剤は、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、これらの天然結着剤のうち少なくとも2つが使用され、最も好ましくは、これらの天然結着剤のうち3つ全てが使用される。一実施形態では、少なくとも1つの天然結着剤は、ミールリプレイスメントバー中に実質的に均質に分散されている。好ましくは、バーはコーティングを有さず、その代わりに、バーの各原材料をミールリプレイスメントバー全体に実質的に均一に分散させることができる。
【0029】
少なくとも1つの天然結着剤は、ベース材料が長方形又は略長方形(例えば、縁部が丸みを帯びている)などの形状に形成された後、その形状を維持するのに有効な量で、ミールリプレイスメントバー中に存在することができる。例えば、ミールリプレイスメントバーは、約9.0重量%~約12.0重量%のチコリ根シロップと、 約8.0重量%~約13.0重量%のハチミツと、約12.0~約18.0重量%のナツメヤシペーストと、を含むことができる。
【0030】
「クリーンラベル」ミールリプレイスメントバーは、少なくとも1つの天然結着剤によってひとまとまりにされたベース材料をさらに含む。ベース材料は、好ましくは、それぞれがタンパク質、炭水化物、脂肪又は繊維のうちの1つ以上を提供する1つ以上のリアルフード原材料及び/又は天然原材料を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。1つ以上のリアルフード原材料及び/又は天然原材料の量は、少なくとも1つの天然結着剤にそれらを添加することで、ミールリプレイスメントバーによる完全栄養の提供が確保されるように、配合することができる
【0031】
例えば、ベース材料中の1つ以上のリアルフード原材料及び/又は天然原材料は、天然タンパク質源(例えば1つ以上の乳タンパク質、例えば乳タンパク質濃縮物及び/又は乳タンパク質単離物)、ホエイタンパク質(例えば、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、及び/又はホエイタンパク質加水分解物)、カゼイン(例えばカゼインミセル)又は植物タンパク質(例えば、ダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、及び/若しくはイネタンパク質)を含むことができる。天然タンパク質源は、粉末及び/又はクリスプ(crisp)(例えば、押出によって加工される)の形態とすることができる。さらに又はあるいは、天然タンパク質源は、アーモンドバター及び/又はピーナッツバターなどの1つ以上のナッツ又は種子由来の、バター(例えば、ペースト)を含むことができる。
【0032】
1つ以上のリアルフード原材料及び/又は天然原材料若しくは天然タンパク質源は、炭水化物、脂肪及び/又は繊維を含むことができる。
【0033】
ベース材料中の1つ以上のリアルフード原材料及び/又は天然原材料は、好ましくは、少なくとも1つの穀物又は種子、例えば、オート麦(例えば、オート麦フレーク)、大麦、小麦、亜麻種子、及び/又はヒマワリ種子を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、ホエイタンパク質濃縮物並びにクランチ質のテクスチャを提供するホエイクリスプと、アーモンドバターと、のベースを形成することで、形成可能な生地の作製を助け、当該生地が、ハチミツ、チコリ根シロップ、又はナツメヤシペーストのうちの1つ以上などの少なくとも1つの天然結着剤を使用して合わせて結着させることで、バー様のテクスチャ及び口当たりが生じる。形成可能な生地には、完全栄養を提供するために、オート麦フレーク、亜麻種子、ビタミン及びミネラルのうちの1つ以上などの追加の原材料を補充することができる。必要に応じて、得られたバーは、例えばバニラフレーバーなどの甘味フレーバーを添加することによって、又はセイボリーフレーバーを添加することによって、フレーバー付けすることができる。これらの原材料は、バーを首尾よく形成するだけでなく、クリーンラベルの完全栄養をもたらす。
【0035】
一実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、タンパク質、炭水化物、脂肪、及び/又は繊維を含む、少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料を含むベース材料を用意すること、
【0036】
少なくとも1つの天然結着剤を供給して該ベース材料を合わせて結着させるステップであって、該少なくとも1つの天然結着剤が、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、形状を維持するのに有効な量である、ステップ、及び
ビタミン及びミネラルを含む追加の原材料を供給して最終混合物を形成するステップ、
によって作製することができる。
【0037】
一実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、少なくとも1つの天然結着剤を、ビタミン、ミネラル及び/又はフレーバー原材料と混合して混合物を形成するステップであって、少なくとも1つの天然結着剤が、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量である、ステップと、少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料を混合物と混合して、均質な混合物を形成するステップと、天然タンパク質クリスプを均質な混合物と混合して最終混合物を形成するステップであって、天然タンパク質クリスプが、混合中及び混合後にインタクトな状態を保つ、ステップと、によって作製することができる。
【0038】
一実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、少なくとも1つのリアルフード並びに/又は天然原材料であって、天然タンパク質クリスプ、ビタミン、及び/若しくはミネラルを含む、天然原材料を含む乾燥原材料を混合するステップと、少なくとも1つの天然結着原材料及び任意選択でフレーバー原材料を含む湿潤原材料を乾燥原材料と混合して最終混合物を形成するステップと、によって作製することができ、少なくとも1つの天然結着剤は、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量であり、天然タンパク質クリスプは、混合中及び混合後にインタクトな状態を保つ。
【0039】
「クリーンラベル」ミールリプレイスメントバーは、Code of Federal Regulationsのタイトル21、第2巻(2015年4月1日改訂)、第I章、サブ章B、パート101、サブパートA、セクション101.9(「Nutrition labeling of food」)、サブセクション(c)(8)(iv)によって確立されたビタミン及びミネラルの推奨1日摂取量(RDI)に従って、ビタミン及びミネラルを含み得る。この点に関して、RDIは、以下のようなビタミン類及びミネラル類において確立される:
ビタミンA:5,000国際単位
ビタミンC:60ミリグラム
カルシウム:1,000ミリグラム
鉄:18ミリグラム
ビタミンD:400国際単位
ビタミンE:30国際単位
ビタミンK:80マイクログラム
チアミン:1.5ミリグラム
リボフラビン:1.7ミリグラム
ナイアシン:20ミリグラム
ビタミンB6:2.0ミリグラム
葉酸:400マイクログラム
ビタミンB12:6マイクログラム
ビオチン:300マイクログラム
パントテン酸:10ミリグラム
リン:1,000ミリグラム
ヨウ素:150マイクログラム
マグネシウム:400ミリグラム
亜鉛:15ミリグラム
セレン:70マイクログラム
銅:2.0ミリグラム
マンガン:2.0ミリグラム
クロム:120マイクログラム
モリブデン:75マイクログラム
塩化物:3,400ミリグラム
【0040】
ビタミン及びミネラルは、プレミックスの形態で「クリーンラベル」のミールリプレイスメントバーに添加することができる。いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーのそれぞれは、RDIの10%~40%、例えば、RDIの10~30%又はRDIの20%~30%の量のビタミン及びミネラルを含み、好ましくは、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、鉄、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、リン、ヨウ素、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、マンガン、クロム、モリブデン、及び塩化物のそれぞれについてこの量を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、約100~300kcal、好ましくは約125~250kcal、より好ましくは約150~200kcal、最も好ましくは約160kcal、約8~30g、好ましくは約10~20g、より好ましくは約12~15g、最も好ましくは約14gの量のタンパク質、約10~30g、好ましくは15~25g、より好ましくは約18~22g、最も好ましくは約20gの量の炭水化物、及び1~7g、好ましくは1~6g、より好ましくは2~5g、最も好ましくは約3gの量の脂肪、を含む。これらの量は、単位当たり、例えば、44g又は55gのミールリプレイスメントバーなどの個別に包装されたミールリプレイスメントバー当たりの量である。
【0042】
特に好ましい非限定的な実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、約44gのバーに対して、約160kcalのエネルギー及び約16gのタンパク質を含有する。別の特に好ましい非限定的な実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、約55gのバーに対して約200kcalのエネルギー及び約20gのタンパク質を含有する。
【0043】
好ましくは、ミールリプレイスメントバーは、「クリーンラベル」であり、例えば、ポリオール、グアーガム、マルトデキストリン、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、キサンタンガム、水素添加脂肪、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、カゼイネート、微結晶性セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含まない。
【0044】
本開示の別の態様は、本明細書に開示されるミールリプレイスメントバーを作製する方法である。一般に、ミールリプレイスメントバーは、タンパク質、炭水化物、脂肪、及び/又は繊維を含む、少なくとも1つのリアルフード及び/又は天然原材料を含むベース材料を用意するステップ、少なくとも1つの天然結着剤を供給して該ベース材料を合わせて結着させるステップであって、該少なくとも1つの天然結着剤が、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシ、ナツメヤシペースト及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、形状を維持するのに有効な量である、ステップ、及び
ビタミン及びミネラルを含む追加の原材料を供給して最終混合物を形成するステップ、
によって作製することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、少なくとも1つの天然結着剤を、ビタミン、ミネラル及び/又はフレーバー原材料と混合して混合物を形成するステップであって、少なくとも1つの天然結着剤が、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量である、ステップと、1つ以上のリアルフード及び/又は天然原材料を該混合物と混合して、均質な混合物を形成するステップと、天然タンパク質クリスプを該均質な混合物と混合して、最終混合物を形成するステップと、
によって作製することができる。天然タンパク質クリスプは、混合中及び混合後にインタクトな状態を保つ。
【0046】
いくつかの実施形態では、ミールリプレイスメントバーは、少なくとも1つのリアルフード、及び/又は天然タンパク質クリスプ、ビタミン、ミネラルを含む天然原材料を、混合するステップ、並びに少なくとも1つの天然結着原材料及びフレーバー原材料を含む湿潤原材料を乾燥原材料と混合して最終混合物を形成するステップ、によって作製することができる。少なくとも1つの天然結着剤は、ハチミツ、チコリ根シロップ、ナツメヤシペースト、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、ミールリプレイスメントバーが形状を維持するのに有効な量であり、天然タンパク質クリスプは、混合中及び混合後にインタクトな状態を保つ。
【0047】
さらに、最終混合物を成形型内で成形することができる。成形された最終混合物は、任意の所望の重量のバーへと切断することができる。
【0048】
好ましくは、ミールリプレイスメントバーは、全部で15種類未満の原材料、より好ましくは全部で10種類未満の原材料、例えば全部で9種類の原材料から作製される。
【0049】
本開示の別の態様は、食物渇望を低減し、減量を促進し、及び/又は過体重若しくは肥満を治療し、及び/又は血糖コントロールを必要とするヒトなどの個体(例えば、過体重又は肥満のヒト)において、それを行う方法である。本方法は、800~1,500kcal/日、好ましくは900~1,400kcal/日、より好ましくは1,000~1,300kcal/日、最も好ましくは約1,120kcal/日のカロリー摂取量を提供する量で、少なくとも3週間の期間にわたって毎日、本明細書に開示のミールリプレイスメントバーを個体に1つ以上経口投与することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のミールリプレイスメントバーは、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、又は少なくとも3ヶ月の期間にわたって毎日ヒトに投与される。
【0050】
ミールリプレイスメントバーは、1日あたり複数の別個のミールリプレイスメントとして、好ましくは1日あたり少なくとも3つの別個のミールリプレイスメントとして、より好ましくは1日あたり少なくとも4つの別個のミールリプレイスメントとして、最も好ましくは1日あたり5つの別個のミールリプレイスメントとして投与され得る。
【0051】
毎日投与される1つ以上のミールリプレイスメントバーは、実質的に、その期間中に個体によって消費されるカロリーを含有する唯一の食品である(すなわち、その期間中、個体は、例えば「全食リプレイスメント」として、1つ以上のミールリプレイスメントバーからその栄養のほぼ全てを得る)。上述したように、「食品」は飲料を含むが、コーヒー、水及びダイエットソーダ(すなわち、低カロリーソーダ又はノンカロリーソーダ)は、本開示によるカロリーを含まない食品とみなされる。「その期間中にヒトによって消費されるカロリーを含有する実質的に唯一の食品又は飲料」は、ヒトが、本明細書に開示されるミールリプレイスメントバー以外の食品又は飲料から1日200kcal未満、好ましくは1日100kcal未満、より好ましくは1日50kcal未満、最も好ましくは1日約0kcalを消費することを意味する。
【0052】
好ましくは、個体は、生後19~60歳のヒトである。いくつかの実施形態では、ヒトはその他の点では健康であり、すなわち、過体重又は肥満が、当該ヒトが罹患する唯一の障害又は症状である。ヒトは、期間中、減量薬(例えば、オルリスタット、フェンテルミン+トピラメート、ロルカセリン、ブプロピオン+ナルトレキソン、又はリラグルチド)を消費してもしなくてもよい。
【0053】
本開示の別の態様では、キットは、本明細書に開示される個別に包装されたミールリプレイスメントバーを含む。キットは、800~1,500kcal/日、好ましくは900~1,400kcal/日、より好ましくは1,000~1,300kcal/日、最も好ましくは約1,120kcal/日の1日カロリー摂取量を提供するために消費すべき個別に包装されたミールリプレイスメントバーの1日当たりの数を指示する説明書を含む。例えば、指示は、個別に包装されたミールリプレイスメントバーの1日当たりの摂取数は5個であるとしてミールリプレイスメントバーを特定することができる。キットは、少なくとも3週間、好ましくは少なくとも1ヶ月間、個別に包装されたミールリプレイスメントバーの1日の数を提供するのに十分な数の個別に包装されたミールリプレイスメントバーを含む。
【0054】
添付の特許請求の範囲を含めて本願で使用するとき、「キット」は、特定される構成要素が、1つ以上の容器内に又は1つ以上の容器と物理的に関連付けられ、作製、配送、販売、又は使用のための1つの単位としてみなされるものを意味する。入れ物としては、袋、箱、カートン、ボトル、任意の種類若しくは設計若しくは材料のパッケージ、上包装、シュリンク包装、添付された構成要素(例えば、ステープルで留められたもの、又は接着されたものなど)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。単一の包装は、特定される構成要素が含まれている1つ以上の容器でもよく、及び物理的に関連付けられている1つ以上の容器でもよく、そのことにより、製造、流通、販売、又は使用のための1つの単位と考えられる。「サッシェ」は、例えばセロファンで作られた小さな使い捨てバッグ又はパウチである。
【0055】
当業者は、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。特に、液体乳ブレンドについて記載された特徴は、液体乳ブレンドを作製する特徴と組み合わせることができ、逆もまた同様である。更に、本発明の異なる実施形態について記載された特徴を組み合わせてもよい。
【0056】
[実施例]
実施例1:2段階混合による食品バーの調製
フードバーは、以下のように調製することができる:
バッグ1(
図1の左のバッグ)に以下の乾燥原材料を秤量する
ホエイタンパク質濃縮物
亜麻種子
ビタミンプレミックス及び
オート麦フレーク
【0057】
バッグ2(
図1の右のバッグ)に以下の乾燥原材料を秤量する。
ホエイクリスプ
【0058】
ミキシングボウルに秤量する。
ナツメヤシ及び/又はナツメヤシペースト
【0059】
テクスチャがペーストになるまで混合する
【0060】
ミキシングボウルに、ナツメヤシペースト
アーモンドバター
海塩
ミネラルミックス
バニラを秤量する。
【0061】
ミキシングボウル内で全ての原材料を混合する(
図2)
【0062】
チコリ根シロップ及びハチミツを穏やかに加熱し(例えば、約30℃)、混合した湿潤原材料をミキシングボウルに添加する。
【0063】
ミキシングボウル内で全てを混合する。
【0064】
バッグ1を加える
【0065】
よくまとまった/均質な混合物になるまで混合する(
図3)。
【0066】
バッグ2を加える。
【0067】
注意深く混合し、ホエイクリスプが混合中及び混合後にインタクトな状態を保っていることを確保する(
図4)。
【0068】
【0069】
実施例2:乾燥ブレンドし、続いて結合剤を添加し、最終混合することによる、フードバーの調製
あるいは、フードバーは、以下のように調製することもできる:
バッグに以下の乾燥原材料を秤量する。
ホエイタンパク質濃縮物
ホエイクリスプ
亜麻種子
ビタミンミックス
ミネラルミックス
オート麦フレーク及び
海塩
【0070】
ミキシングボウル内でバッグからの原材料を混合する。
【0071】
湿潤原材料の、
ハチミツ及び
チコリ根シロップを秤量する。
【0072】
約30℃まで加熱する
【0073】
湿潤原材料を乾燥原材料と共にミキシングボウルに加える。
残りの湿潤原材料の、
ハチミツ
チコリ根シロップ
アーモンドバター
ナツメヤシ
バニラ及び/又はチーズ及び/又はハーブをミキシングボウルに加える。
【0074】
よくまとまった/均質な混合物になるまで注意深く混合し、混合中及び混合後にホエイクリスプがインタクトな状態を保っていることを確保する(
図6)
【0075】
【0076】
実施例1及び実施例2の両方において、成形された混合物は、44g(例えば、米国市場用)、68g(例えば、少なくともいくつかの非米国市場用)、又は例えば、特定の市場の要件を満たす任意の他の重量などの任意の所望の重量のバーへと切断することができる。
【0077】
実施例3:レシピの実施例
以下の表1~7には、本開示によるいくつかの例示的なレシピを掲載する。
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
以下の表8は、許容可能なテクスチャ及び口当たりを有し、多くの市場の栄養ガイドラインを満たす、良好なバーを産業的に提供することができるレシピ変更及び原材料比の非限定的な例を示す。
【0086】
【0087】
実施例4:本開示による市販の減量バー及び4つのプロトタイプスイーツの感覚マッピング
調製は、試験した全ての製品について同じとした。製品を約1インチ片に切断し、それぞれ透明なふたを有する透明な2オンスのスフレカップに入れて提供した。
【0088】
回答者には大きな紙を与え、互いにより近い製品はより類似しており、互いにより離れている製品はより異なるというナッピングスタイルで製品をマッピングするように求めた。回答者は、多種多様な感覚的差異により、自身のマップにどの特質(dimensions)を使用するかを決めることができた。回答者は、特定のフレーバーノート(すなわち、チェリーフレーバー強度)についてはマッピングしないように、むしろこのマッピングの目的のためにそれをより広く保つように指示された。回答者はまた、マップ上の製品のポイントの隣にその製品の説明を書くように指示された。
【0089】
回答者はほとんどの場合、フレーバー強度、オフノート、粘着性及びザクザク感について製品をマッピングした。数名は含有物又は食品片の数によって製品をマッピングした。回答者は、主に、サクサクしている、噛み応えがある、柔らかい/硬い/歯ごたえがある、歯に粘着する、ボロボロしている、及び粉っぽいなどの説明を備えるテクスチャ属性についてコメントした。
【0090】
バーは、含有物の頻度、含有物のサイズ及びタイプ、ぎっしり感(compaction)、光沢、コーティング(enrobement)、濃厚さ、及び形状を含む外観属性が異なっていた。
【0091】
さらに、回答者によって選択された寸法とは無関係に、4つのプロトタイプは各回答者の個々のマップ上で一緒に近くに配置され、プロトタイプ間の差異が、市販品サンプルにおける差異と比較して小さいことを示す。
【0092】
全てのプロトタイプは、試験したいくつかの市販品(BSC Cleanバー、Flexiバー)と同様に主にナッツフレーバー特性を有すると記載されたが、試験した他の市販品はフルーティ/タルト(Tart)(Barley + bar、Keto Brownie bite、Planet food bar)であった。外観に関しては、試験した市販品のほとんどが識別され得る果実片又は穀物片を含有していたのに対して、プロトタイプはそれぞれ、より柔らかそう見える主要なベースを有していた。含有物の寸法(数及びサイズ)、視覚的ぎっしり感、及び光沢にも明らかな外観上の差異があった。
【0093】
図9~15は、上記生成物の感覚マップを示す。以下の表9は、試験されたプロトタイプ及び市販品のマッピング結果を要約する。
【0094】
【0095】
以下の表10~12には、試験した全ての製品を掲載する。
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
本明細書で述べる現在の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなる点を理解されたい。そのような変更及び修正は、本主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、なされ得る。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】