(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】超音波画像取得、追跡、及びレビュー
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534962
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2021086045
(87)【国際公開番号】W WO2022144177
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】バーラット シャム
(72)【発明者】
【氏名】クルーカー ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】エリコ クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】エルカンプ レイモン クイード
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601GA18
4C601GA21
4C601GA26
4C601GB03
4C601GB18
4C601JB40
4C601JC13
4C601JC16
4C601KK24
4C601KK31
4C601KK35
4C601LL26
(57)【要約】
超音波画像取得、追跡、及びレビューのためのシステム及び方法が開示される。システムは、超音波画像データとプローブ配向データとの組合せに基づいてプローブの位置を決定するように構成される少なくとも1つの追跡装置と結合される超音波プローブを有することができる。画像データは撮像されている患者内の物理的基準点及び上下プローブ座標を決定するために使用され得、それはプローブの横方向座標を決定するためにプローブ配向データで補足され得る。グラフィカルユーザインタフェースは、スキャンプロトコルに対応する撮像ゾーンを、プローブ位置に少なくとも部分的に基づいて各ゾーンの撮像状態とともに表示することができる。システムによって取得される超音波画像は空間インジケータ及び重症度インジケータでタグ付けすることができ、その後、画像は、後の検索及びエキスパートレビューのために記憶することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波撮像システムであって、
標的領域で超音波信号を送信し、前記超音波信号に応答してエコーを受信し、前記エコーに対応する無線周波数データを生成するように構成される超音波プローブと、
前記無線周波数データから画像データを生成するように構成される一つ又はそれより多くの画像生成プロセッサと、
前記超音波プローブの方向を決定するように構成される慣性測定装置センサと、
前記画像データ及び前記プローブの方向に基づいて、前記標的領域に対する前記超音波プローブの現在位置を決定するように構成されるプローブ追跡プロセッサと、
ユーザインターフェースであって、
前記画像データに基づくライブ超音波画像、
標的領域グラフィックス上にオーバーレイされる一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスであって、前記一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスはスキャンプロトコルに対応する、撮像ゾーングラフィックス、及び
前記撮像ゾーングラフィックスによって表される各撮像ゾーンの撮像状態
を表示するように構成される、ユーザインターフェースと
を有する、超音波撮像システム。
【請求項2】
前記超音波プローブの前記現在位置を前記撮像ゾーングラフィックスの1つに関連付けるように構成されるグラフィックスプロセッサをさらに有する、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項3】
前記撮像状態は、前記撮像ゾーングラフィックスの1つによって表される各撮像ゾーンが撮像されたか、現在撮像されているか、又はまだ撮像されていないかを示す、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは、前記撮像ゾーングラフィックスの少なくとも1つに重症度レベルをタグ付けするユーザ入力を受信するようにさらに構成される、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項5】
前記ユーザインターフェースに通信可能に結合され、前記撮像ゾーンの各々に対応する少なくとも1つの超音波画像を記憶するように構成されるメモリをさらに有する、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項6】
各撮像ゾーンの撮像状態は、前記超音波プローブの現在位置、前記超音波プローブの以前の位置、前記現在位置及び前記以前の位置において前記プローブによって費やされる時間、前記現在位置及び前記以前の位置において取得される超音波画像の数、又はそれらの組合せに基づく、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項7】
前記プローブ追跡プロセッサは、前記画像データに基づいて前記標的領域内の基準点を識別するように構成される、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項8】
前記基準点はリブ数を含む、請求項7に記載の超音波撮像システム。
【請求項9】
前記プローブ追跡プロセッサは、前記基準点に基づいて前記プローブの上下座標を決定するように構成される、請求項7に記載の超音波撮像システム。
【請求項10】
前記プローブ追跡プロセッサは、前記プローブの方向に基づいて、前記プローブの横方向座標を決定するようにさらに構成される、請求項9に記載の超音波撮像システム。
【請求項11】
前記ユーザインターフェースは、標的領域の選択、患者の方向、又はその両方を受信するようにさらに構成される、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項12】
超音波プローブを使用して標的領域で超音波信号を送信するステップであって、前記超音波信号に応答してエコーを受信し、前記エコーに対応する無線周波数データを生成するステップと、
前記無線周波数データから画像データを生成するステップと、
前記超音波プローブの方向を決定するステップと、
前記画像データ及び前記超音波プローブの方向に基づいて、前記標的領域に対する前記超音波プローブの現在位置を決定するステップと、
前記画像データに基づいてライブ超音波画像を表示するステップと、
標的領域グラフィックス上に一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスを表示するステップであって、前記一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスはスキャンプロトコルに対応する、ステップと、
前記撮像ゾーングラフィックスによって表される各撮像ゾーンの撮像状態を表示するステップと
有する、方法。
【請求項13】
前記超音波プローブの現在位置を前記撮像ゾーングラフィックスの1つに関連付けるステップをさらに有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記撮像状態は、前記撮像ゾーングラフィックスの1つによって表される各撮像ゾーンが撮像されたか、現在撮像されているか、又はまだ撮像されていないかを示す、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記撮像ゾーングラフィックスの少なくとも1つに重大度レベルをタグ付けするユーザ入力を受信するステップをさらに有する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記撮像ゾーンの各々に対応する少なくとも1つの超音波画像を記憶するステップをさらに有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記記憶するステップは、前記対応する撮像ゾーンで前記少なくとも1つの超音波画像を空間的にタグ付けするステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各撮像ゾーンの撮像状態は、前記超音波プローブの現在位置、前記超音波プローブの以前の位置、前記現在位置及び前記以前の位置において前記プローブによって費やされる時間、前記現在位置及び前記以前の位置において取得される超音波画像の数、又はそれらの組合せに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記画像データに基づいて前記標的領域内の基準点を識別するステップと,
前記基準点に基づいて前記プローブの上下座標を決定するステップと、
前記プローブの方向に基づいて前記プローブの横方向座標を決定するステップと
をさらに有する、請求項12記載の方法。
【請求項20】
実行可能命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、実行されるとき、プロセッサに、
画像データに基づいてライブ超音波画像を表示するステップと、
標的領域グラフィックス上に一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスを表示するステップであって、前記一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスはスキャンプロトコルに対応する、ステップと、
前記撮像ゾーングラフィックスによって表される各撮像ゾーンの撮像状態を表示するステップと
を有する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は超音波プローブの動きを追跡し、それに応じて様々な画像取得プロトコルを通してユーザを誘導するように構成されるシステムに関する。より具体的には、本出願が超音波プローブの位置を追跡し、追跡される位置を特定の超音波スキャンプロトコルに特有の画像ゾーンと位置合わせするために、超音波画像データとプローブ配向データとの組合せを取得及び処理するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨界超音波スキャンは、多くの場合、厳しい時間制約の下で、厳しい環境で実行される。例えば、肺超音波スキャンは、集中治療室(ICU)において、15分以下の時間制限下で頻繁に実施される。経験のない超音波オペレータは時には数時間の正式な訓練の後に、そのような高圧スキャンを実行することに一般に頼っている。結果として、不正確な患者診断に到達するために、低品質及び欠落した画像に悩まされる欠陥検査がしばしば利用される。遠隔で実施され得る超音波結果の専門家によるレビューは取得ミスの一部を捕捉し得るが、そのようなレビューはしばしば、スタッフの不足のために利用不可能であるか又は遅延し、それによって、不正確な超音波ベースの診断の問題を悪化させる。様々な医学的検査に必要な完全で高品質の画像の取得を保証するように構成される改善される超音波システムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
強化される画像取得、視覚化、及び記憶のための超音波システム及び方法が開示される。実施形態は超音波検査中に、被検体に対する超音波プローブの位置を決定し、追跡することを含む。リアルタイムプローブ位置追跡は検査中に必要な画像が見逃されないことを確実にするために、取得ガイダンスとペアにすることができる。取得される画像の正確なレビューを容易にするために、例えば、検査中に存在しない専門の臨床医によって、実施形態はまた、それらの適切な解剖学的コンテキストにおいて画像をタグ付けし、後の検索のためにタグ付けされる画像を記憶することを伴う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示される少なくとも1つの例によれば、超音波撮像システムは標的領域において超音波信号を送信し、超音波信号に応答してエコーを受信し、エコーに対応する無線周波数(RF)データを生成するように構成される超音波プローブを含み得る。システムはまた、超音波プローブの方向を決定するように構成される慣性測定装置センサとともに、RFデータから画像データを生成するように構成される一つ又はそれより多くの画像生成プロセッサを含み得る。システムはまた、画像データ及びプローブの方向に基づいて、標的領域に対する超音波プローブの現在位置を決定するように構成されるプローブ追跡プロセッサを含むことができる。システムはまた、画像データに基づいてライブ超音波画像を表示するように構成されるユーザインターフェースを含むことができる。ユーザインターフェースはまた、標的領域グラフィックス上にオーバーレイされる一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスを表示するように構成され得、撮像ゾーングラフィックスは、スキャンプロトコルに対応し得る。ユーザインターフェースはまた、撮像ゾーングラフィックスによって表される各撮像ゾーンの撮像状態を表示するように構成され得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、超音波撮像システムが超音波プローブの現在位置を撮像ゾーングラフィックのうちの1つと関連付けるように構成されるグラフィックスプロセッサをさらに含む。いくつかの実施形態では、撮像状態が撮像ゾーングラフィックスのうちの1つによって表される各撮像ゾーンが撮像されているか、現在撮像されているか、又はまだ撮像されていないかどうかを示す。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースが撮像ゾーングラフィックスのうちの少なくとも1つに重症度レベルをタグ付けするユーザ入力を受信するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、超音波撮像システムはまた、ユーザインターフェースに通信可能に結合され、撮像ゾーンの各々に対応する少なくとも1つの超音波画像を記憶するように構成されるメモリを含む。いくつかの実施形態では、各撮像ゾーンの撮像状態が超音波プローブの現在の位置、超音波プローブの以前の位置、現在の位置及び以前の位置でプローブによって費やされる期間、現在の位置及び以前の位置で得られた超音波画像の数、又はそれらの組合せに基づく。いくつかの実施形態では、プローブ追跡プロセッサが画像データに基づいて標的領域内の基準点を識別するように構成される。いくつかの実施形態では、基準点はリブ数を含む。いくつかの実施形態では、プローブ追跡プロセッサが基準点に基づいてプローブの上下座標を決定するように構成される。いくつかの実施形態では、プローブ追跡プロセッサがプローブの方向に基づいてプローブの横方向座標を決定するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースが標的領域の選択、患者の方向、又はその両方を受信するようにさらに構成される。
【0006】
本明細書で開示される少なくとも1つの例によれば、方法は、超音波プローブを使用して標的領域で超音波信号を送信することと、超音波信号に応答してエコーを受信することと、エコーに対応する無線周波数(RF)データを生成することとを含み得る。本方法は、RFデータから画像データを生成することと、超音波プローブの方向を決定することと、画像データ及び超音波プローブの方向に基づいて、標的領域に対する超音波プローブの現在の位置を決定することとをさらに含み得る。本方法はまた、画像データに基づいてライブ超音波画像を表示することと、標的領域グラフィックス上に一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスを表示することとを含んでもよく、一つ又はそれより多くの撮像ゾーングラフィックスは、スキャンプロトコルに対応する。本方法は、撮像ゾーングラフィックスによって表される各撮像ゾーンの撮像状態を表示することをさらに含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法が超音波プローブの現在位置を撮像ゾーングラフィックスのうちの1つと関連付けることをさらに含む。いくつかの実施形態では、撮像状態が撮像ゾーングラフィックスのうちの1つによって表される各撮像ゾーンが撮像されているか、現在撮像されているか、又はまだ撮像されていないかどうかを示す。いくつかの実施形態では、本方法はまた、撮像ゾーングラフィックスの少なくとも1つに重症度レベルでタグ付けするユーザ入力を受信することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、撮像ゾーンの各々に対応する少なくとも1つの超音波画像を記憶することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの超音波画像を記憶することは少なくとも1つの超音波画像を対応する撮像ゾーンで空間的にタグ付けすることを伴う。いくつかの実施形態では、各撮像ゾーンの撮像状態が超音波プローブの現在の位置、超音波プローブの以前の位置、現在の位置及び以前の位置でプローブによって費やされる時間、現在の位置及び以前の位置で得られた超音波画像の数、又はそれらの組合せに基づくことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法が画像データに基づいて標的領域内の基準点を識別することと、基準点に基づいてプローブの上下座標を決定することと、プローブの方向に基づいてプローブの横方向座標を決定することとをさらに含む。
【0010】
実施形態は実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができ、実行されると、開示される超音波撮像システムのプロセッサに、前述の方法のいずれかを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の原理に従って構成される超音波撮像システムのブロック図である。
【
図2】本開示の原理に従って構成される例示的なプロセッサを示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施例に従って表示されるグラフィカルユーザインターフェースである。
【
図4】本開示の実施例に従って実施される取得後画像記憶、検索、及びレビューの態様を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に従って実施される超音波プローブ追跡技術の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態に従って実施される例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図7】本開示の実施形態に従って実施される別の例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の実施例の以下の説明は、本開示又はそのアプリケーションもしくは使用を限定することを決して意図するものではない。本システム及び方法の実施例の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、説明されるシステム及び方法が実施され得る特定の実施例を例として示す添付の図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本開示のシステム及び方法を実施することを可能にするために十分に詳細に説明され、他の実施例が利用されてもよく、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく構造的及び論理的変化が行われてもよいことを理解される。さらに、明確にするために、特定の特徴の詳細な説明は本開示の説明を不明瞭にしないように、それらが当業者に明らかである場合には、議論されない。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本システム及び方法の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0013】
リアルタイムプローブ追跡及びガイダンスを提供するように構成される超音波システムが後続のレビューのために取得される画像を表示し、タグ付けし、アーカイブする関連する方法とともに開示される。いくつかの例では、グラフィカルユーザインタフェースが肺スキャンなどの特定のスキャンプロトコルに関連する一つ又はそれより多くの画像ゾーンを表示するように構成され得る。画像ゾーンは、患者レンダリング又はライブ超音波画像上にオーバレイされる動的グラフィックスの形成で描写することができる。スキャン中に超音波プローブ位置を追跡することによって、本明細書に開示されるシステムはまた、ゾーンがすでに撮像されているか、現在撮像されているか、又はまだ撮像されていないかどうかを反映するように、ユーザインターフェース上に描写される各画像ゾーンのステータスをリアルタイムで更新することができる。このようにして、ユーザは、(すべての必要なゾーンからの)すべての必要な画像が得られるまで、スキャンプロトコルを通して案内されることができる。取得される画像は後のレビューのために取得されるときに保存することができ、各画像は、その対応する画像ゾーンで空間的にタグ付けすることができる。このようにして、取方法される画像は、各バケットが患者の特定の解剖学的領域に対応する、所定の画像ゾーン「バケット」に記憶され、それによって、取方法後のレビューアがそれらの適切な解剖学的コンテキストにおいて画像を検査することを可能にする。例えば、取得後レビューアは、身体のどの領域に対応する画像を解読する必要なく、系統的な様式で1つ以上の関心領域からの画像を分析することができる。
【0014】
本開示は任意の特定のスキャンプロトコル又は患者の解剖学的構造に限定されないが、本明細書に開示される実施形態は例示のみを目的として肺スキャンに関連して説明される。肺スキャンは肺関連疾患に一般的に関連する視覚的及び空間的に多様な知見のために、本明細書に開示されるシステムを介した改善を特に受け入れることができ、その非限定的な例としては、COVID19、肺炎、肺癌、又は身体的損傷が挙げられ得る。肺スキャン結果を分析する臨床医は最終的な結論又は診断に到達するために、断片化される情報の複数のストリームを手動で調整することを強いられることが多く、経験の少ないスタッフが肺スキャンを実行することにますます依存しているので、達成することがしばしば困難であるタスクである。さらに、スキャンを実行するユーザによって不正確に注釈され、及び/又はタグ付けされる画像は画像をそれらの対応する解剖学的位置にリンクすることを困難にし、これはまた、様々な肺状態の縦断的研究及び監視を複雑にする。上述のように、開示されるシステム及び方法は、肺の評価に限定されず、被検体の心臓、脚、腕などに容易に適用され得る。開示される実施形態はまた、ヒト対象に限定されず、例えば、獣医学的設定において実施されるスキャンプロトコルに従って、動物にも同様に適用され得る。
【0015】
図1は、本開示の原理に従って構成される、移動式又はカートベースの超音波撮像システム100のブロック図を示す。一緒に、システム100の構成要素は被検体、例えば、患者に対応する超音波画像データを取得し、処理し、表示し、記憶し、被検体のどの領域が撮像されているか、現在撮像されているか、又は特定のスキャンプロトコルに従ってまだ適切に撮像されていないかを決定することができる。
【0016】
図示のように、システム100は、超音波プローブ112、例えば外部超音波プローブに含まれ得るトランスデューサアレイ110を含み得る。他の例では、トランスデューサアレイ110が撮像される被検体(例えば、患者)の表面にコンフォーマルに適用されるように構成される可撓性アレイの形成であってもよい。トランスデューサアレイ110は超音波信号(例えば、ビーム、波)を送信し、送信される超音波信号に応答してエコー(例えば、受信される超音波信号)を受信するように構成される。様々なトランスデューサアレイ、例えば、線形アレイ、湾曲アレイ、又はフェーズドアレイを使用することができる。トランスデューサアレイ110は例えば、2D及び/又は3D撮像のための仰角及び方位角寸法の両方でスキャンすることができるトランスデューサ素子の2次元アレイ(図示されるよう)を含むことができる。一般に知られているように、軸方向はアレイの面に垂直な方向であり(湾曲したアレイの場合、軸方向は扇形に広がる)、方位角方向は一般に、アレイの長手方向によって画定され、仰角方向は方位角方向を横断する。
【0017】
いくつかの例では、トランスデューサアレイ110が超音波プローブ112内に配置され得、アレイ110内のトランスデューサ素子による信号の送信及び受信を制御し得る、マイクロビームフォーマ114に結合され得る。いくつかの例では、マイクロビームフォーマ114がアレイ110内のアクティブ要素(たとえば、一時点にアクティブアパーチャを定義するアレイの要素のアクティブサブセット)による信号の送信及び受信を制御し得る。
【0018】
超音波プローブ112はまた、いくつかの例ではジャイロスコープを備え得る慣性測定装置センサ(IMUセンサ)116を含むことができる。IMUセンサ116は例えば、その方向を決定することによって、超音波プローブ112の動きを検出及び測定するように構成することができ、それを利用して、撮像されている被検体に対するその外側/内側及び前後位置を決定することができる。
【0019】
いくつかの例ではマイクロビームフォーマ114がたとえば、プローブケーブルによって、又はワイヤレスで、送信/受信(T/R)スイッチ118に結合され得、それは送信と受信との間で切り替わり、主ビームフォーマ120を高エネルギー送信信号から保護する。いくつかの実施形態では例えば、ポータブル超音波システムではシステム内のT/Rスイッチ118及び他の要素が画像処理電子機器を収容することができる超音波システムベース内ではなく、超音波プローブ112内に含まれることができる。超音波システムベースは、典型的には信号処理及び画像データ生成のための回路、ならびにユーザインターフェースを提供するための実行可能命令を含む、ソフトウェア及びハードウェア構成要素を含む。
【0020】
マイクロビームフォーマ114の制御下でのトランスデューサアレイ110からの超音波信号の伝送は、T/Rスイッチ118及び主ビームフォーマ120に結合され得る伝送コントローラ122によって指示され得る。送信コントローラ122はトランスデューサアレイ110によって送信される超音波信号波形の特性、例えば、振幅、位相、及び/又は極性を制御することができる。送信コントローラ122はまた、ビームがステアリングされる方向を制御し得る。ビームはトランスデューサアレイ110から(直交して)真っ直ぐ前方に、又はより広い視野に対して異なる角度で操向されてもよい。送信コントローラ122はまた、一つ又はそれより多くのユーザ入力126を受信するように構成されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)124に結合され得る。例えば、ユーザは、超音波スキャンを実行する人であってもよく、GUI 124を介して、送信コントローラ122がトランスデューサアレイ110を高調波画像モード、基本画像モード、ドップラー画像モード、又は画像モードの組み合わせ(例えば、異なる画像モードをインターリーブする)で動作させるかどうかを選択してもよい。一つ又はそれより多くの撮像パラメータを備えるユーザ入力126は以下でさらに説明するように、GUI 124に通信可能に結合されるシステム状態コントローラ128に送信され得る。
【0021】
ユーザ入力126の追加の例はスキャンタイプ選択(例えば、肺スキャン)、患者の前方又は背面、患者の状態(例えば、肺炎)、及び/又は特定の超音波画像において捕捉される1つ以上の特徴又は状態の推定重症度レベルを含むことができる。ユーザ入力126はまた、限定はしないが、患者の名前、年齢、身長、体重、病歴などを含む、様々な種類の患者情報を含むことができる。また、現在のスキャンの日時を、スキャンを実行するユーザの名前と共に入力することもできる。ユーザ入力126を受信するために、GUI 124は一つ又はそれより多くの機械的制御(例えば、ボタン、エンコーダなど)、タッチセンサ式制御(例えば、トラックパッド、タッチスクリーンなど)、及び/又は様々な聴覚入力及び/又は触覚入力に応答する他の既知の入力デバイス(例えば、音声コマンド受信機)を含み得る、制御パネル130などの一つ又はそれより多くの入力デバイスを含み得る。制御パネル130を介して、GUI 124はまた、画像取得、生成、及び/又はディスプレイの様々なパラメータを調整するために使用され得る。例えば、ユーザは、電力、撮像モード、利得のレベル、ダイナミックレンジ、空間合成のオン/オフ、及び/又は平滑化のレベルを調整することができる。
【0022】
いくつかの例ではマイクロビームフォーマ114によって生成される部分的にビームフォーミングされる信号が主ビームフォーマ120に結合され得、ここで、トランスデューサ素子の個々のパッチからの部分的にビームフォーミングされる信号は完全にビームフォーミングされる信号に合成され得る。マイクロビームフォーマ114はまた、いくつかの例では省略され得、トランスデューサアレイ110は主ビームフォーマ120の制御下にあり得、次いで、それは信号のすべてのビームフォーミングを実行し得る。マイクロビームフォーマ114がある場合とない場合の例では主ビームフォーマ120のビームフォーミングされる信号が一つ又はそれより多くの画像生成プロセッサ134を含み得る画像処理回路132に結合され、その例は信号プロセッサ136、スキャンコンバータ138、画像処理装置140、ローカルメモリ142、ボリュームレンダラ144、及び/又はマルチプレーナリフォーマッタ146を含み得る。一緒に、画像生成プロセッサ134はビームフォーミングされる信号(たとえば、ビームフォーミングされるRFデータ)からライブ超音波画像を生成するように構成され得る。
【0023】
信号プロセッサ136はバンドパスフィルタリング、デシメーション、I及びQ成分分離などの様々な方法で、ビームフォーミングされるRFデータを受信し、処理し得る。信号プロセッサ136はまた、スペックル低減、信号合成、及び電子雑音除去などの追加の信号拡張を実行し得る。信号プロセッサ136からの出力はスキャンコンバータ138に結合することができ、スキャンコンバータは、所望の画像フォーマットで受信される空間関係でエコー信号を配列することができる。例えば、スキャンコンバータ138は、エコー信号を2次元(2D)扇形状フォーマットに配列することができる。
【0024】
画像処理装置140は一般に、RFデータから画像データを生成するように構成され、コントラスト及び強度最適化などの追加のエンハンスメントを実行することができる。超音波プローブ112によって取得される無線周波数データは様々なタイプの画像データに処理することができ、その非限定的な実施例は、チャネルごとのデータ、事前ビームフォーミングされるデータ、事後ビームフォーミングされるデータ、ログ検出されるデータ、スキャン変換されるデータ、ならびに2D及び/又は3Dにおける処理されるエコーデータを含むことができる。画像処理装置140からの出力(たとえば、Bモード画像)は、バッファリング及び/又は一時記憶のためにローカル画像メモリ142に結合され得る。ローカルメモリ142は画像、実行可能命令、GUI 124を介してユーザによって提供されるユーザ入力126、又はシステム100の動作に必要な任意の他の情報を含む、システム100によって生成されるデータを記憶するように構成される、任意の適切な非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、フラッシュドライブ、ディスクドライブ)として実装され得る。
【0025】
例えば米国特許第6,530,885号(Entrekinら)に記載のように、画像データの臨床的に重要なボリュメトリックサブセットを生成するように構成される実施形態では、ボリュームレンダラ144が、所与の参照点から見た3Dデータセットの画像(投影、レンダリング、又はレンダリングとも呼ばれる)を生成するために含まれ得る。ボリュームレンダラ144は、いくつかの例では一つ又はそれより多くのプロセッサとして実装され得る。ボリュームレンダラ144は、表面レンダリング及び最大強度レンダリングなどの任意の既知の又は将来の既知の技法によって、ポジティブレンダリング又はネガティブレンダリングなどのレンダリングを生成することができる。米国特許第6,443,896号(Detmer)に記載のように、マルチプレーナリフォーマッタ146は、身体の体積領域内の共通平面内の点から受信されるエコーを、その平面の超音波画像に変換することができる。
【0026】
いくつかの例では画像処理装置140、ローカルメモリ142、ボリュームレンダラ144、及び/又はマルチプレーナリフォーマッタ146からの出力は画像データのセット内の様々な解剖学的特徴及び/又は画像特徴を認識するように構成される特徴認識プロセッサ148に送信され得る。解剖学的特徴は様々な器官、骨、身体構造又はその一部を含むことができ、一方、画像特徴は、一つ又はそれより多くの画像アーチファクトを含むことができる。特徴認識プロセッサ148の実施形態は、記憶される画像の大きなライブラリを通して参照及びソートすることによって、そのような特徴を認識するように構成され得る。
【0027】
画像生成プロセッサ134の一つ又はそれより多くの構成要素、及びいくつかの例では、特徴認識プロセッサ148から受信される画像データが次いで、プローブ追跡プロセッサ150によって受信され得る。プローブ追跡プロセッサ150は、IMUセンサ116から出力されるデータと共に受信画像データを処理して、撮像されている被検体に対するプローブ112の位置を決定することができる。プローブ追跡プロセッサ150はまた、プローブ112が各位置で費やす時間を測定することができる。以下でさらに説明するように、プローブ追跡プロセッサ150は、超音波画像内に捕捉され、特徴認識プロセッサ148によって認識される一つ又はそれより多くの特徴を基準点として使用することによって、プローブ位置を決定することができる。次いで、画像データから収集される基準点は、IMUセンサ116から受信されるプローブ配向データによって増強される。一緒に、これらの入力は、プローブの位置及び撮像される対応するスキャン特定ゾーンを決定するために使用され得る。
【0028】
システム状態コントローラ128は、GUI 124の一つ又はそれより多くのディスプレイ152上に表示するためのグラフィックオーバーレイを生成し得る。これらのグラフィックオーバーレイは例えば、患者名、画像の日付及び時間、撮像パラメータなどの標準識別情報を含むことができる。これらの目的のために、システム状態コントローラ128は、タイプされる患者名又は他の注釈などの入力をGUI 124から受信するように構成され得る。グラフィックオーバーレイはまた、特定のスキャンプロトコル及び/又は患者の状態に特有の個別の撮像ゾーンを、各ゾーンの撮像状態とともに描写することができる。撮像ゾーンのグラフィックオーバーレイは
図3に以下に示すように、被検体の少なくとも一部分の概略図上に、又は前に取得されるもしくはライブの超音波画像上に直接表示することができる。
【0029】
各撮像ゾーングラフィックのステータスを表示及び更新するために、実施形態はまた、ユーザインターフェース124、システム状態コントローラ128、及びプローブ追跡プロセッサ150に通信可能に結合されるグラフィックスプロセッサ153を含み得る。グラフィックスプロセッサ153は例えば、プローブ追跡プロセッサ150によって決定される物理的プローブ座標をディスプレイ152のピクセル領域に変換することによって、プローブ追跡プロセッサ150によって決定される超音波プローブ112の現在位置を、GUI 124のディスプレイ152上に描かれた撮像ゾーン及び対応するグラフィックのうちの1つと関連付けるように構成され得る。プローブ座標に対応する特定のピクセルが特定の撮像ゾーングラフィックス内に入るかどうかは、グラフィックスプロセッサ153によって決定することもできる。関連して、グラフィックスプロセッサ153はまた、プローブ追跡プロセッサ150によって決定される超音波プローブ112の一つ又はそれより多くの現在及び以前の位置に少なくとも部分的に基づいて、各撮像ゾーンの撮像状態を決定及び/又は更新するように構成され得る。例えば、「現在撮像」ゾーングラフィックはプローブ追跡プロセッサ150によって決定されるプローブ112の新しい位置に基づいて、「前に撮像される」ゾーングラフィックに切り替えることができ、グラフィックプロセッサ153は、単独で、又はシステム状態コントローラ128、GUI 124、もしくはその両方によって提供される追加の処理によって、更新される撮像状態に変換することができる。グラフィックスプロセッサ153はまた、所与の位置又は位置の範囲においてプローブ112によって費やされる時間に基づいて、現在のプローブ位置又は位置の範囲において画像生成プロセッサ134によって生成される超音波画像の数とともに、各撮像ゾーングラフィックの撮像状態を更新することができる。例えば、プローブ112が短い瞬間、例えば、5秒又は10秒間、特定の位置又は位置のクラスタで画像データを取得するだけである場合、グラフィックスプロセッサ153は、その位置又は位置のクラスタを包含する撮像ゾーンに対応する撮像ゾーングラフィックの「現在撮像中」又は「まだ撮像されていない」状態を維持することができる。
【0030】
ディスプレイ152は、LCD、LED、OLED、又はプラズマディスプレイ技術などの様々な既知のディスプレイ技術を使用して実装される表示装置を含み得る。いくつかの例では、ディスプレイ152がユーザが例えば、拡張のために特定の解剖学的特徴をタッチ選択すること、どの画像ゾーンが適切に撮像されるかを示すこと、一つ又はそれより多くの取得される画像又は対応するゾーンに重症度レベルを割り当てること、及び/又は画像ゾーン表示のための解剖学的方向を選択することによって、ディスプレイ152上に示される画像と直接対話することができるように、制御パネル130と重複し得る。ディスプレイ152はまた、ライブ超音波画像、及びいくつかの例では、静止した、以前に取得される画像を含む、一つ又はそれより多くの超音波画像154を示すことができる。いくつかの例では、ディスプレイ152が制御パネル130の一つ又はそれより多くのソフトコントロールを含むタッチセンシティブディスプレイであり得る。
【0031】
さらに示されるように、システム100は、生の画像データ、処理される超音波画像、患者固有の情報、注釈、臨床ノート、及び/又は画像ラベルを含む、様々なタイプのデータを記憶し得る、外部メモリ155を含むか、又はそれと通信可能に結合され得る。外部メモリ155は画像ゾーン情報でタグ付けされる画像、例えば、それらが取得される画像ゾーンに対応する各画像に対する空間タグ、及び/又はそれらが取得される画像及び/又はゾーンに割り当てられた重症度タグを格納することができる。このようにして、記憶される画像は対象の領域、例えば、肺又は肺の一部に直接関連付けられ、潜在的な医学的状態の推定重症度レベルでフラグが立てられる。外部メモリ155に記憶される画像は時間参照することができ、それによって、被検体及びその中で識別される一つ又はそれより多くの関心のある特徴の縦断的評価を可能にする。いくつかの例では、記憶される画像が画像内に具現化される臨床情報に基づいてスキャンプロトコルを調整するために前向きに使用され得る。例えば、病変がそのゾーンに対応する身体の部分内に存在し、及び/又は中程度から高い重症度タグがそのゾーンに割り当てられたために、1つの撮像ゾーンのみが臨床医にとって特に関心がある場合、記憶される画像をレビューするユーザは、その情報を使用して、将来の撮像努力を集中させることができる。
【0032】
本明細書に記載の実施形態はまた、例えば超音波スキャンが完了した後に、取得される画像を臨床医に表示するように構成される少なくとも1つの追加のGUI 156を含むことができる。GUI 156はGUI 124とは異なる位置に配置することができ、それによって、臨床医は、取得される画像を遠隔で分析することができる。GUI 156上に取り出されて表示される画像は空間タグ、重症度タグ、及び/又は画像に関連する他の注釈及びラベルとともに、外部メモリ155に記憶される画像を含むことができる。
【0033】
さらに示されるように、システム100は、超音波プローブ112の位置を決定又は精緻化するように構成される1つ又は追加の又は代替のデバイスを含むか、又はそれと結合され得る。例えば、電磁(EM)追跡装置158を含むことができる。EM追跡装置158は、患者が横になっているか座っているかに応じて、患者の下又は後ろに配置され得る卓上磁場発生器を備えることができる。システム100は標的スキャン領域の境界を画定することによって較正することができ、これは、患者の頸部、腹部、左側、及び右側に配置されるときに超音波プローブ112を追跡することによって達成することができる。較正後、システム100を使用して、IMUセンサ116を用いずに、空間的及び時間的にプローブ112を追跡し、同時に、スキャンされている標的領域の領域をマッピングすることができる。
【0034】
システム100は追加的に又は代替的に、システム100を含む検査室に取り付けられた、プローブ112に統合される、又は他の方法でGUI 124に結合されるカメラ160を含むことができる。カメラを使用して得られた画像は、例えばカメラ画像に存在する特徴を認識することによって、スキャンされている現在の撮像ゾーンを推定するために使用することができる。いくつかの例では、カメラ160によって収集される画像データがプローブ追跡プロセッサ150の精度をさらに改善するために、超音波画像データ及びIMUセンサ116から受信されるデータを補うために使用され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、
図1に示す様々なコンポーネントを組み合わせることができる。例えば、特徴認識プロセッサ148及びプローブ追跡プロセッサ150はシステム状態コントローラ128及びグラフィックスプロセッサ153と同様に、単一のプロセッサとして実装され得る。
図1に示される様々なコンポーネントはまた、別個のコンポーネントとして実装され得る。いくつかの例では、
図1に示す様々なプロセッサのうちの1つ又は複数が本明細書で説明する指定されるタスクを実行するように構成される汎用プロセッサ及び/又はマイクロプロセッサによって実装され得る。いくつかの例では、様々なプロセッサのうちの1つ又は複数が特定用途向け回路として実装され得る。いくつかの例では様々なプロセッサ(たとえば、画像処理装置140)のうちの1つ又は複数は一つ又はそれより多くのグラフィカル処理ユニット(GPU)を用いて実装され得る。
【0036】
図2は、本開示の原理に従って利用される例示的なプロセッサ200を示すブロック図である。プロセッサ200は、
図1に示される画像処理装置140など、本明細書で説明される一つ又はそれより多くのプロセッサを実装するために使用され得る。プロセッサ200は限定はしないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、FPGAがプロセッサを形成するようにプログラムされているフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィカル処理ユニット(GPU)、ASICがプロセッサを形成するように設計されている特定用途向け回路(ASIC)、又はそれらの組合せを含む、任意の適切なプロセッサタイプであり得る。
【0037】
プロセッサ200は、一つ又はそれより多くのコア202を含み得る。コア202は、一つ又はそれより多くの演算論理ユニット(ALU)204を含み得る。いくつかの例では、コア202がALU 204に加えて、又はその代わりに、浮動小数点論理ユニット(FPLU)206及び/又はデジタル信号処理ユニット(DSPU)208を含み得る。
【0038】
プロセッサ200は、コア202に通信可能に結合される一つ又はそれより多くのレジスタ212を含み得る。レジスタ212は専用論理ゲート回路(たとえば、フリップフロップ)及び/又は任意のメモリ技術を使用して実装され得る。いくつかの例では、レジスタ212がスタティックメモリを使用して実装され得る。レジスタは、データ、命令、及びアドレスをコア202に提供することができる。
【0039】
いくつかの例では、プロセッサ200がコア202に通信可能に結合される一つ又はそれより多くのレベルのキャッシュメモリ210を含み得る。キャッシュメモリ210は、コンピュータ可読命令を実行のためにコア202に提供することができる。キャッシュメモリ210は、コア202による処理のためのデータを提供し得る。いくつかの例では、コンピュータ可読命令がローカルメモリ、たとえば、外部バス216に取り付けられたローカルメモリによってキャッシュメモリ210に与えられている場合がある。キャッシュメモリ210は任意の適切なキャッシュメモリタイプ、たとえば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及び/又は任意の他の適切なメモリ技術などの金属酸化膜半導体(MOS)メモリを用いて実装され得る。
【0040】
プロセッサ200はシステムに含まれる他のプロセッサ及び/又はコンポーネント(たとえば、GUI 124)からのプロセッサ200への入力、及び/又はプロセッサ200からシステムに含まれる他のプロセッサ及び/又はコンポーネント(たとえば、ディスプレイ152)への出力を制御し得るコントローラ214を含み得る。コントローラ214は、ALU 204、FPLU 206、及び/又はDSPU 208内のデータパスを制御することができる。コントローラ214は、一つ又はそれより多くの状態マシン、データパス、及び/又は専用制御論理として実装され得る。コントローラ214のゲートは、スタンドアロンゲート、FPGA、ASIC、又は任意の他の適切な技術として実装され得る。
【0041】
レジスタ212及びキャッシュメモリ210は、内部接続220A、220B、220C、及び220Dを介してコントローラ214及びコア202と通信することができる。内部接続は、バス、マルチプレクサ、クロスバースイッチ、及び/又は任意の他の適切な接続技術として実装され得る。
【0042】
プロセッサ200のための入力及び出力は、一つ又はそれより多くの導電線を含み得るバス216を介して提供され得る。バス216はプロセッサ200の一つ又はそれより多くのコンポーネント、たとえば、コントローラ214、キャッシュメモリ210、及び/又はレジスタ212に通信可能に結合され得る。バス216は、前述のディスプレイ152及び制御パネル130など、システムの一つ又はそれより多くの構成要素に結合され得る。
【0043】
バス216は、一つ又はそれより多くの外部メモリに結合され得る。外部メモリは、ROM(Read Only Memory)232を含み得る。ROM 232は、マスクされるROM、電子フィールドプログラマブルゲートアレイ読み出し専用メモリ(EPROM)、又は任意の他の適切な技術であり得る。外部メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)233を含むことができる。RAM 233は、スタティックRAM、バッテリバックアップスタティックRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、又は任意の他の適切な技術であり得る。外部メモリは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)235を含んでもよい。外部メモリは、フラッシュメモリ234を含んでもよい。外部メモリは、ディスク236などの磁気記憶デバイスを含むことができる。いくつかの例では、外部メモリが
図1に示される超音波撮像システム100などのシステム、たとえばローカルメモリ142に含まれ得る。
【0044】
図3は、その特定のスキャンに関連する各撮像ゾーンを、各ゾーンの撮像状態とともに描写することによって、超音波スキャンを通してユーザを誘導するように構成されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)300の例である。GUI 300は、患者の身体の少なくとも一部分を示す患者グラフィックス302を表示する。この例では、患者グラフィックス302が患者の胸部領域を示す。複数の別個の撮像ゾーン304が、患者グラフィックス302内の撮像ゾーングラフィックスの形成で示され、この例では合計8つのゾーンを示す。各撮像ゾーン304の撮像状態は、スキャンが実行されるときに各ゾーンの外観を修正することによって示すことができる。例えば、各撮像ゾーン304の色は、ユーザがそこから画像を取得することにつれて更新されてもよい。特定の一実施形態では、既にスキャンされる撮像ゾーンは緑色に着色されてもよく、スキャンされていないゾーンは赤色で示されてもよく、現在スキャンされているゾーンはオレンジ色で示されてもよい。各ゾーンステータスを表す特定の色は、もちろん変化し得る。
図3に示されるように、現在撮像されている撮像ゾーンは並列対角線でラベル付けされ、撮像されていない孤立撮像ゾーンはその外周の周りに破線でラベル付けされる。描かれた撮像ゾーンの静止は、すでに撮像されている。
【0045】
さらに示されるように、GUI 300はまた、矢状画像及び横断画像が各撮像ゾーンから取得されるかどうかを示す記号を提供することができる。この特定の例では「+」記号が矢状画像と横断画像の両方が実際に取り込まれたことを示し、一方、「|」は 「―」記号は矢状画像のみが捕捉されることを示し、この特定のスナップショットでは見えないが、「―」記号は横断画像のみが捕捉されることを示すことができる。したがって、GUI 300は、ユーザが任意のゾーンが不注意に見落とされるかどうか、及び追加の画像が必要であるかどうかをリアルタイムで決定するための包括的な基準を提供する。
【0046】
撮像ゾーン304の数は、スキャンプロトコルに応じて変化し得る。たとえば、プロトコルは、1つのゾーン、2つのゾーン、3つのゾーン、4つのゾーン、5つのゾーン、6つのゾーン、7つのゾーン、8つのゾーン、9つのゾーン、10のゾーン、11のゾーン、12のゾーン、13のゾーン、14のゾーン、15のゾーン、16のゾーン、又はそれ以上から少なくとも1つの画像を取得することを必要とし得る。肺の包括的な検査を実施するために、例えば、マルチゾーンプロトコルは、約6、8、12、又は14の撮像ゾーンを含むことができる。プロトコルはまた、特定の実施形態に従ってカスタマイズすることができ、その結果、対象の一つ又はそれより多くの器官又は領域の包括的スキャンを実行する代わりに、ゾーンのサブセットを撮像のために指定することができる。例えば、臨床医は、そのようなゾーンによって表される身体の領域において以前に識別される異常に起因して、撮像のために1つ又は2つのゾーンのみを指定することができる。このようにして、超音波画像を介して達成される長手方向モニタリングの効率を改善することができる。
【0047】
撮像ゾーン304が完全にスキャンされる後、ユーザはその特定の撮像ゾーンにおいて捕捉される観察される解剖学的及び/又は撮像特徴に基づいて、推定重症度評価、例えば、1乃至5の範囲のスケールでの数値評価を入力するように促され得る。撮像ゾーン及び/又はそれに関連する少なくとも1つの画像のこのリアルタイムタグ付けは、
図4に関連して以下でさらに説明するように、取得後のレビュー努力をガイド又は優先順位付けするために使用することができる。いくつかの実施形態では本明細書に開示されるシステム(例えば、システム100)は取得される画像データ内に具現化される特定の解剖学的特徴及び/又は撮像特徴を自動的に識別するように構成され得る。
図1に示される特徴認識プロセッサ148は例えば、表示のために、及び/又はプローブ追跡プロセッサ150に通知するために、そのような特徴を識別することができる。
【0048】
さらに示されるように、GUI 300は、この実施形態では前面/背面選択を含む患者方向選択306を含むことができる。患者方向選択306は、ユーザが各ビューに関連付けられた撮像ゾーンとともに、撮像されている対象の正面ビューと背面ビューとの間でトグルすることを可能にするタッチセンシティブ制御を備えることができる。表示される患者グラフィックス302は、8つの撮像ゾーン304に分割される正面図を示す。バックビューは、同じ又は異なる数の撮像ゾーンを含むことができる。
【0049】
GUI 300はまた、ここではタッチセンサ式スライド制御の形成でスキャンガイド選択308を含み、これは、ユーザがスキャンガイドをオン及びオフにすることを可能にする。スキャンガイダンスがオフにされる場合、撮像ゾーン304及び/又はそれらの対応する撮像ステータスは、患者グラフィックス302から除去され得る。
【0050】
解剖学的領域選択310はまた、GUI 300上に提供されて、ユーザが検査のための解剖学的領域を入力することを可能にすることができ、それは、GUI 300に、その特定の領域に関連する撮像ゾーンを表示させることができる。例示的な領域は、胸部領域又は心臓もしくは肺などのその中の解剖学的特徴を含むことができる。GUI 300は、ユーザによって手動で、及び/又はメニュー、例えばドロップダウンメニューからの選択を介して、フリーテキスト入力を介して領域選択310を受信するように構成することができる。
【0051】
図4は、本明細書に記載されるシステム及び方法に従って実施される取得後記憶及びレビュー計画の図である。示されるように、それぞれが1つ以上の撮像ゾーンを含む、被検体の正面
図402及び背面
図404は超音波スキャン中又は超音波スキャン後に、例えば遠隔位置で、臨床医によるレビューのためにGUI 405上に表示され得る。したがって、GUI 405は、
図1に示されるGUI 156に対応し得る。撮像ゾーングラフィックスは、スキャン中に超音波オペレータによって知覚されるような、各ゾーン内の医学的状態又は異常の推定重症度レベルを示し得る。
【0052】
推定される重大度レベルは、後のレビューのために潜在的な問題にフラグを立てることができる。例えば、正面
図402は、中程度のゾーン406と、重度のゾーン408と、2つの法線ゾーン410、412とを含む。各ゾーンから取得される画像は一つ又はそれより多くのプロセッサ(例えば、プローブ追跡プロセッサ150及びシステム状態コントローラ128)によって空間的にタグ付けすることができ、その結果、画像は関連するゾーン記憶バケットに編成され、記憶され、各バケットは特定の撮像ゾーンに対応する。この例では、複数の画像407が取得され、編成され、中程度のゾーン406に対応する別個の記憶バケットに一緒に記憶される。複数の画像409が取得され、厳しいゾーン408に対応する個別の記憶バケットが記憶される。複数の画像411が通常ゾーン410のうちの1つに対応する記憶バケットにアーカイブされ、別々の複数の画像413が他の通常ゾーン412のためにアーカイブされている。背面ビュー404の場合、通常ゾーン414は複数の記憶される画像415に関連付けられ、中程度ゾーン416は複数の記憶される画像417に関連付けられる。画像は、
図1に示す外部メモリ155などの一つ又はそれより多くのデータベース又はメモリ装置に記憶することができる。
【0053】
画像をレビューする臨床医はGUI 405上に表示される正面ビュー402及び/又は背面ビュー404上の関心のある撮像ゾーンをクリック又は他の方法で選択し、選択されるゾーンに対応する画像を選別することができる。このようにして、解剖学的コンテキストは、臨床医によってレビューされる各画像に対して提供される。臨床医はスキャンを実行したユーザによって「中程度」又は「重度」としてタグ付けされる画像から始まる可能性が最も高い、より密接な分析のための特定の画像を閲覧及び/又は選択することができる。図示の例では画像418が重症撮像ゾーン408から導出される複数の画像409内に含まれ、画像420は中等度ゾーン416から導出される複数の画像417内に含まれていた。より多くの時間が検討されると、臨床医は、超音波オペレータの初期重症度レベル推定に同意又は同意せず、それに応じて画像の重症度状態を更新することができる。
【0054】
画像レビューを開始するために、臨床医はGUI 405を使用して、患者医療記録番号(MRN)などの患者固有の情報を入力することができ、システム(例えば、システム100)は超音波、CT、X線、及び/又はMRI検査から得られた結果を含む、患者に対して(例えば、外部メモリ155から)実行されるすべての過去の検査結果を自動的に取り出すことができる。したがって、一つ又はそれより多くの非超音波モダリティ422からのデータは、本明細書で説明する超音波ベースのシステムと通信可能に結合することができる。そのようなモダリティ422からの情報は、例えばGUI 405上でユーザに表示することもできる。
図4に示す実施形態では、GUI 405が複数のCT画像424及び/又はX線画像426を、特定の撮像ゾーンから取得される一つ又はそれより多くの超音波画像と同時に表示することができる。したがって、この統合により、臨床医は様々な撮像モダリティから得られた画像を検討することができ、各画像は、特定の撮像ゾーンに対応する。
【0055】
図5は、本明細書に記載の実施形態に従って実施される超音波プローブ追跡技術500の概略図である。プローブ追跡技術500は超音波プローブ及び関連する処理コンポーネント(例えば、プローブ112及び画像生成プロセッサ134)を使用して取得される画像データと、IMUセンサ(例えば、IMUセンサ116)を使用して取得される動きデータとの組合せを利用することによって、(例えば、プローブ追跡プロセッサ150を介して)実行され得る。ステップ502に示すように、ユーザは、超音波プローブ504を最上位の位置から下方向(下向きの矢印で示す)に並進させることができる。一連の超音波画像はこのプローブ移動中に取得することができ、これは、肋骨などの解剖学的及び/又は画像特徴をカウント又は観察するために使用することができる。この情報は、プローブの現在の上下(S―I)座標を決定するためのマーカーを提供することができる。決定されるS―Iプローブ座標から、ユーザは、プローブが意図される画像ゾーンの上に位置決めされるまで、ステップ506に従ってプローブ504を横方向に傾斜及び/又はスライドさせることができる。この横方向の動きは、IMUセンサ116を用いて追跡され、外側/内側及び前後方向(A―P)プローブ位置を導出することができる。
【0056】
画像データと動きデータとの組み合わせを介して決定されるプローブ位置は各ゾーンが十分に撮像されているかどうかを決定するために、一つ又はそれより多くの追加要因508によって増強され得る。そのような係数508の非限定的な実施例は、特定の画像ゾーンを撮像すること510に費やされる時間、特定のゾーンで取得される超音波画像512の数、及び/又は特定の画像ゾーン内で認識される任意の解剖学的特徴もしくは画像特徴を含み得る。様々な例では、所与の撮像ゾーンで費やされる時間が30秒未満から約30秒以上、例えば約2分の範囲で変動し得る。各ゾーンで取得される画像の数はまた、約5枚未満の画像から約5枚の画像、又は約10枚の画像、15枚の画像、20枚の画像、又はそれ以上の範囲で変動し得る。システムによって(例えば、特徴認識プロセッサ148を介して)認識される特徴は、肝臓又はその一部の存在、一つ又はそれより多くのリブ又はその一部の存在、及び/又は心臓又はその一部の存在を含むことができる。特徴はまた、肺硬化領域、胸膜線、及び/又は過剰なB線などの様々な異常を含むことができる。異常はまた、過去の検査中に特定される永久病変など、患者固有のものであってもよい。これらの特徴の各々は例えば、一つ又はそれより多くの特徴を含む撮像ゾーンが現在撮像されていることを確認することによって、超音波プローブの位置を追跡する一つ又はそれより多くのプロセッサ(例えば、プロセッサ150)をさらに配向し得る。そのような特徴の存在はユーザに、ユーザが現れるゾーンを撮像するのにより多くの時間を費やすことを引き起こし得る。
【0057】
図6は、本明細書に記載の実施形態に従って実行される超音波画像の例示的な方法600を示す。図示のように、方法600は超音波撮像システム(例えば、システム100)を用いて超音波スキャンを開始することによって、ステップ602で開始することができる。超音波スキャンを開始することは、グラフィカルユーザインターフェース(例えば、GUI 124)でスキャンを実行するユーザからの入力を受信すること、1つ以上のデータベース(例えば、外部メモリ155)から患者データを取り出すこと、又は両方を含み得る、患者履歴情報を入力することを含み得る。いくつかの例では、顔、音声、及び/又は指紋認識を使用して、特に患者が同じ医療機関又は部門によって実行される事前のスキャンを受けた場合に、患者を自動的に識別することができる。患者を識別した後、超音波システムは同じ患者を検査するために以前に利用されるスキャンパラメータを取り出し、表示し、かつ/又は実装することができる。そのようなパラメータは、前のスキャン中の患者の位置、及び/又は使用される特定のトランスデューサを含むことができる。画像設定は、前のスキャンで利用される設定に一致するように設定することもできる。そのような設定は、撮像深度、撮像モード、高調波、焦点深度などを含むことができる。スキャンを開始することは、患者の肺をスキャンするために使用される12ゾーンプロトコルなどの特定のスキャンプロトコルを選択することを含むこともできる。
【0058】
次いで、方法600は、ステップ604において、ユーザによって見られるGUI上にスキャングラフィックスを表示することを含むことができる。スキャングラフィックスは各撮像ゾーン状態と共に、
図3に示されるような患者グラフィックスをオーバーレイする1つ以上の撮像ゾーンを含むことができる。ステップ606において、方法は使用されている超音波プローブの動きを追跡し、プローブの位置を推定することを含むことができる。ステップ608において、スキャングラフィックスは1つ以上の撮像ゾーンに費やされる時間及び/又はそのようなゾーンで取得される画像の数とともに、プローブの動きを反映するようにGUI上で更新され得る。ステップ610は後のレビューのために、取得される画像をタグ付けし、保存することを含むことができる。タグ付けは、各画像を特定の撮像ゾーンに関連付けるための空間タグ付け、及び/又は各画像を医学的状態の推定重症度レベルに関連付けるための重症度タグ付けを含むことができる。ステップ612において、方法600は、更新されるGUIによって提供されるガイダンスを用いてスキャンを継続することを伴い得る。次いで、ステップ606乃至612は、特定のスキャンプロトコルによって画定される各撮像ゾーンを適切に撮像するために必要な時間だけ繰り返すことができる。
【0059】
図7は、本明細書で説明する様々な実施形態に従って実装される例示的な方法700のフローチャートである。方法700は、超音波撮像システム100などの超音波撮像システムによって実行され得る。方法700のステップは図示される順序で時系列的に、又は任意の順序で実行され得る。超音波スキャンが実行されるにつれて、一つ又はそれより多くのステップが繰り返され得る。
【0060】
ブロック702において、方法700は超音波プローブ(例えば、プローブ112)を使用して標的領域(例えば、患者の肺)で超音波信号を送信することを含む。次いで、信号に応答するエコーが受信され、そこからRFデータが生成される。ステップ704において、方法700は、RFデータから画像データを生成することを含む。このステップは、システム100の画像生成プロセッサ134のうちの1つ又は複数によって実行され得る。ステップ706において、方法700は例えば、IMUセンサ116によって取得されるデータを使用して、超音波プローブの方向を決定することを含む。ステップ708において、標的領域に対する超音波プローブの現在の位置は例えば、プローブ追跡プロセッサ150によって、画像データ及びプローブの方向に基づいて決定することができる。ステップ710において、方法700は例えば、GUI 124上に、画像データに基づくライブ超音波画像を表示することを含むことができる。ステップ712は例えば、
図3に示されるGUI 300上に示されるように、標的領域グラフィックス上に1つ以上の撮像ゾーングラフィックスを表示することを含んでもよい。撮像ゾーングラフィックスは例えば、ユーザによって選択されるプロトコルに応じて異なる数及び/又は装置のグラフィックスが現れ得るように、スキャンプロトコルに特有のものとすることができる。ステップ714において、方法700は、撮像ゾーングラフィックスによって表される各撮像ゾーンの撮像状態を表示することを伴い得る。撮像ゾーン状態は、特定の撮像ゾーンが十分に撮像されているか、まだ十分に撮像されていないか、又は十分に撮像されているプロセスにあるかどうかを示し得る。
【0061】
構成要素、システム、及び/又は方法がコンピュータベースのシステム又はプログラマブルロジックなどのプログラマブルデバイスを使用して実装される様々な例では、上記のシステム及び方法が「C」、「C++」、「FORTRAN」、「Pascal」、「VHDL」などの種々の公知の又は後に開発されるプログラミング言語のいずれかを使用して実装され得ることは理解される。したがって、上述のシステム及び/又は方法を実施するために、コンピュータなどのデバイスに指示することができる情報を含むことができる、磁気コンピュータディスク、光ディスク、電子メモリなどの様々な記憶媒体を準備することができる。適切なデバイスが記憶媒体上に含まれる情報及びプログラムにアクセスすると、記憶媒体は情報及びプログラムをデバイスに提供することができ、したがって、デバイスが本明細書で説明するシステム及び/又は方法の機能を実行することを可能にする。例えば、ソースファイル、オブジェクトファイル、実行可能ファイルなどの適切な材料を含むコンピュータディスクがコンピュータに提供される場合、コンピュータは情報を受信し、それ自体を適切に構成し、様々な機能を実装するために上記の図及びフローチャートに概説される様々なシステム及び方法の機能を実行することができる。すなわち、コンピュータは上述のシステム及び/又は方法の異なる要素に関する情報の様々な部分をディスクから受信し、個々のシステム及び/又は方法を実装し、上述の個々のシステム及び/又は方法の機能を調整することができる。
【0062】
本開示を考慮して、本明細書で説明される様々な方法及びデバイスは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアで実装され得ることに留意される。さらに、様々な方法及びパラメータは、例としてのみ含まれ、いかなる限定的な意味でも含まれない。本開示を考慮して、当業者は本開示の範囲内に留まりながら、これらの技法に影響を与えるための独自の技法及び必要な機器を決定する際に、本教示を実施することができる。本明細書で説明するプロセッサのうちの一つ又はそれより多くの関数はより少ない数又は単一の処理ユニット(たとえば、CPU)に組み込まれ得、本明細書で説明する関数を実行するために実行可能命令に応答してプログラムされる特定用途向け集積回路(ASIC)又は汎用処理回路を使用して実装され得る。
【0063】
本システムは超音波撮像システムを特に参照して説明されてきたが、本システムは一つ又はそれより多くの画像が系統的な方法で取得される他の医用撮像システムに拡張され得ることも想定される。したがって、本システムは腎臓、精巣、乳房、卵巣、子宮、甲状腺、肝臓、肺、筋骨格、脾臓、心臓、動脈血及び血管系に関連するが、これらに限定されない画像情報を取得及び/又は記録するために、ならびに超音波誘導介入に関連する他の画像アプリケーションのために使用され得る。さらに、本システムは本システムの特徴及び利点を提供することができるように、従来の撮像システムと共に使用することができる一つ又はそれより多くのプログラムを含むこともできる。本開示の特定の追加の利点及び特徴は、本開示を研究する際に当業者に明らかであり得るか、又は本開示の新規なシステム及び方法を使用する人によって経験され得る。本システム及び方法の別の利点は、従来の医用画像システムが本システム、装置、及び方法の特徴及び利点を組み込むように容易にアップグレードされ得ることであり得る。
【0064】
当然のことながら、本明細書に記載される例、実施例、又はプロセスのいずれか1つが、一つ又はそれより多くの他の例、実施例、及び/又はプロセスと組み合わされてもよく、あるいは本システム、デバイス、及び方法に従って、別個の装置又はデバイス部分の間で分離及び/又は実行されてもよいことを理解される。
【0065】
最後に、上記の考察は本システム及び方法の単なる例示を意図するものであり、添付の特許請求の範囲を、任意の特定の例又は例のグループに限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、本システムは例示的な実施例を参照して特に詳細に説明されてきたが、以下の特許請求の範囲に記載される本システム及び方法のより広範かつ意図される精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の修正及び代替の実施例が考案され得ることも理解される。したがって、明細書及び図面は例示的な方法で見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【国際調査報告】