(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ハイブリッドエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20231228BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20231228BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20231228BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/46
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535381
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2021085320
(87)【国際公開番号】W WO2022128826
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルベス
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】オリアナ ヴァレリオ
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ボンジョヴァンニ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベダッソ ベケレ アレム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC17
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
第一のエアロゾル形成基体(205)からのエアロゾルと、第二のエアロゾル形成基体(124)からのエアロゾルとを同時に発生するためのエアロゾル発生装置(100)を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生装置(100)は、第一のエアロゾル形成基体(205)を受容するための第一の基体受容部分(106a)と、第二のエアロゾル形成基体(124)を受容するための第二の基体受容部分(120)とを画定する装置ハウジング(101)を備える。装置ハウジング(101)はまた、第一の基体受容部分(106a)を通って延びる一次気流経路と、装置(100)を通って延びる二次気流経路とを画定し、これによって使用時に二次気流経路は、第二の基体受容部分(120)の中に受容された第二のエアロゾル形成基体(124)と流体連通している。二次気流経路は、第一の基体受容部分の下流の接合部で一次気流経路と合流する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のエアロゾル形成基体からのエアロゾルおよび第二のエアロゾル形成基体からのエアロゾルを同時に発生するためのエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が装置ハウジングを備え、前記装置ハウジングは、
前記第一のエアロゾル形成基体を受容するための第一の基体受容部分と、前記第二のエアロゾル形成基体を受容するための第二の基体受容部分と、
前記第一の基体受容部分を通って延びる一次気流経路と、
前記装置を通って延びる二次気流経路であって、これによって使用時に前記二次気流経路が、第二の基体受容部分の中に受容された前記第二のエアロゾル形成基体と流体連通する、二次気流経路と、を画定し、
前記二次気流経路は、前記第一の基体受容部分の下流の接合部で前記一次気流経路と合流し、
前記エアロゾル発生システムは、前記第一のエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生装置の前記第一の基体受容部分の中に受容可能である、エアロゾル発生物品と、
前記第二のエアロゾル形成基体を備えるカートリッジであって、前記第二の基体受容部分の中に受容可能である、カートリッジと、をさらに備え、
前記エアロゾル発生物品は、ロッドを画定し、前記ロッドの外部壁は、前記第一のエアロゾル形成基体の下流の流体透過性部分を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記装置ハウジングは、空洞を画定する空洞壁を備え、前記空洞壁の少なくとも一部分は、前記第一の基体受容部分を形成する、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記空洞壁は、前記第一の基体受容部分の下流の流体透過性領域を備え、前記第二の気流経路は、前記流体透過性領域を通って延びる、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記流体透過性領域は、多孔性材料、複数のスリット、複数の穴のうちの一つ以上で形成されている前記空洞壁の領域によって画定されている、請求項3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記流体透過性領域は、前記空洞壁に形成された環状帯である、請求項3または請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記空洞には開放端および閉鎖端が提供されていて、前記空洞は、前記開放端を介して長軸方向で前記第一のエアロゾル形成基体を受容するように構成されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記二次気流経路は、前記二次気流経路が前記一次気流経路と合流する所である前記長軸方向軸と実質的に垂直である、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置は、前記第一の基体受容部分の中に受容された前記第一のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第一の加熱手段をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記第一の加熱手段は、前記第一の基体受容部分に隣接してまたは前記第一の基体受容部分を包囲するインダクタコイルを備え、前記装置は、前記インダクタコイルに交流電流を供給するように構成された電源をさらに備える、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記第一の基体受容部分は、サセプタ材料を含む、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記第一の加熱手段は、抵抗ヒーターと、前記抵抗ヒーターに電流を供給するように構成された電源とを備える、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記第二の基体受容部分の中に受容された前記第二のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第二の加熱手段をさらに備える、請求項8~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置の前記装置ハウジングは、空洞を画定する空洞壁を備え、前記空洞壁の少なくとも一部分が前記第一の基体受容部分を形成し、前記空洞壁は、前記第一の基体受容部分の下流に流体透過性領域を備え、かつ前記エアロゾル発生物品が前記空洞の中に受容されている時に、前記ロッドの前記流体透過性部分は、前記空洞壁の前記流体透過性部分と一致するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第一のエアロゾル形成基体からのエアロゾルと、第二のエアロゾル形成基体からのエアロゾルとを同時に発生するためのエアロゾル発生装置に関する。本開示はまた、エアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置は、当業界で知られている。こうした周知の装置は、基体の燃焼ではなく、基体への熱の適用によって基体からエアロゾルを発生してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の構成部品として存在してもよく、これにおいてエアロゾル発生物品はエアロゾル発生装置から物理的に分離している。使用時に、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品によって受容されてもよい。装置は、熱源からエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体への熱の伝達を可能にするために電力を提供してもよい。こうした周知のエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。
【0003】
一部の周知のエアロゾル発生装置は、同時に二つのエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されている。典型的に、こうしたエアロゾル発生装置は、第一の固体エアロゾル形成基体と、第二の液体エアロゾル形成基体とを受容するように構成されている。第一のエアロゾル形成基体は、ロッドの遠位端にて、またはロッドの遠位端に向かって固体たばこ含有基体のプラグを含有するロッドを備えるエアロゾル形成物品中に含有されてもよく、物品はエアロゾル発生装置のハウジングの中に受容可能である。第二のエアロゾル形成基体は、これもエアロゾル発生装置のハウジングの中に受容可能な別個の容器またはカートリッジ中に含有されてもよい。こうしたエアロゾル発生装置は時に、ハイブリッドエアロゾル発生装置と呼ばれる。
【0004】
周知のハイブリッドエアロゾル発生装置の使用中に、揮発性化合物は、典型的に一つ以上の熱源から第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体への熱伝達の結果として、第一のエアロゾル形成基体と第二のエアロゾル形成基体の両方から放出される。単一の気流経路は、エアロゾル発生装置を通して、かつエアロゾル発生物品を通して画定されていて、これによって単一の気流経路は、第二のエアロゾル形成基体を過ぎて、次いで第一のエアロゾル形成基体を通過する。第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物は、気流経路内の空気中に同伴され、そのためこれらはまた、第一のエアロゾル形成基体を通過しなければならず、これによって第一のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物はまた、気流経路の中に同伴される。第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体からの放出された化合物は冷めるにつれて、凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。
【0005】
ハイブリッドエアロゾル発生装置は、ユーザーが第一の加熱エアロゾル形成基体または第二の加熱エアロゾル形成基体の風味または喫煙体験を得るだけでなく、二つの組み合わせも得るという利点を有する。第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体の異なる組み合わせは、例えば吸入されるエアロゾルの風味を改変するために、望ましい吸入体験を達成するように、ユーザーによって選択されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周知のハイブリッドシステムには、第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物が使用時に第一のエアロゾル形成基体を通して引き出される結果として生じる数多くの問題がある。消費者によって吸入される前に、発せられた第一のエアロゾルおよび第二のエアロゾルが、もう一方と混合することが重要である。しかし、先行技術において、気流管理は、二つのエアロゾルの最適化された混合を促進しない。二つのエアロゾルのブレンドは、吸煙中に均一性がない場合がある、または吸煙ごとに異なる場合がある。
【0007】
さらに、第二のエアロゾル形成基体の揮発性化合物は第一のエアロゾル形成基体を通過する時に、高温の領域を通過し、これは例えば第二のエアロゾルが熱分解を受ける場合があるため、第二のエアロゾルの風味を劣化させる可能性がある。これは、第一のエアロゾル形成基体のエアロゾル化温度が第二のエアロゾル形成基体よりも高い時に特有の問題である。
【0008】
さらに、周知のハイブリッドシステムにおける気流経路は、第一のエアロゾル形成基体を通過するので、引き出し抵抗は、第一のエアロゾル形成基体の空隙率に大いに依存する。これは、引き出し抵抗がユーザーにとって許容できないほど、または不快なほどに高いことを意味する可能性がある。
【0009】
第一のエアロゾル形成基体からのエアロゾルと、第二のエアロゾル形成基体からのエアロゾルとを同時に発生するためのエアロゾル発生装置であって、二つのエアロゾルのブレンドまたは混合物が最適化されていて、かつ使用間で均一であり、第二のエアロゾルの風味の劣化が最小化され、また引き出し抵抗が低い、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第一の態様によると、第一のエアロゾル形成基体からのエアロゾルと、第二のエアロゾル形成基体からのエアロゾルとを同時に発生するためのエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、第一のエアロゾル形成基体を受容するための第一の基体受容部分を画定してもよい。装置ハウジングは、第二のエアロゾル形成基体を受容するための第二の基体受容部分を画定してもよい。装置ハウジングは、一次気流経路を画定してもよい。一次気流経路は、第一の基体受容部分を通って延びてもよい。装置ハウジングはまた、二次気流経路を画定してもよい。二次気流経路は装置を通って延びてもよく、これによって使用時に二次気流経路は、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体と流体連通している。二次気流経路は、第一の基体受容部分の下流の接合部で一次気流経路と合流してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示によるエアロゾル発生装置の斜視図を図示する。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生装置の概略断面図を図示する。
図2において、エアロゾル発生物品およびカートリッジは、エアロゾル発生装置の中に受容されていて、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、およびカートリッジは一緒にエアロゾル発生システムを形成する。
【
図3】
図3は、装置の残りの部分とは別に示された、
図1および
図2のエアロゾル発生装置の空洞の斜視図を図示する。
【
図4】
図4は、
図2のエアロゾル発生物品の斜視図を図示する。
【
図6】
図6は、本開示によるエアロゾル発生装置の第二の実施形態の概略断面図を図示し、エアロゾル発生物品およびカートリッジはエアロゾル発生装置の中に受容されている。
【
図7】
図7は、本開示によるエアロゾル発生装置の第三の実施形態の概略断面図を図示し、エアロゾル発生物品およびカートリッジはエアロゾル発生装置の中に受容されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
使用時に、第一のエアロゾル形成基体は、第一の受容部分の中に受容されてもよく、また第二のエアロゾル形成基体は、第二の基体受容部分の中に受容されてもよく、装置は、第一のエアロゾル形成基体と第二のエアロゾル形成基体の両方から揮発性化合物を発生してもよい。ユーザーは、一次気流経路と二次気流経路の間の接合部の下流から(つまりこれらの気流経路が合流した後に)一次気流経路を通して空気を引き出してもよく、これによって空気は一次気流経路と二次気流経路の両方を通して引き出される。一次気流経路は、第一のエアロゾル形成基体が第一の基体受容部分の中に受容されている時に、一次気流経路が第一のエアロゾル形成基体を通過するように構成されてもよい。それ故に、第一のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物は、一次気流経路を通して引き出された空気中に同伴されてもよい。二次気流経路は、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体と流体連通していることが好ましいので、第二のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物は、二次気流経路を通して引き出された空気中に同伴されてもよい。第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物は、一次気流経路と二次気流経路の間の接合部で、第一のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物と合流してもよい。揮発性化合物は冷めてエアロゾルを形成してもよく、これはその後、ユーザーによって吸入される。第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物は、接合部の前または後で、冷めてエアロゾルを形成してもよい。
【0013】
二次気流経路は、第一の基体受容部分の下流の接合部で一次気流経路と合流するので、二次エアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物は有利なことに、一次エアロゾル形成基体を通して引き出されない。これは、一次エアロゾル形成基体および二次エアロゾル形成基体から発せられたエアロゾル間の混合の改善された均一性を可能にする。二つのエアロゾルのブレンドは有利なことに、吸煙と吸煙の間で、または使用と使用の間で均一である場合がある。さらに、この配設は有利なことに、第二のエアロゾル形成基体の揮発性化合物のいかなる劣化も回避する場合があり、そうでなければ、この劣化は、それらの揮発性化合物が、加熱された第一の基体受容部分を通過するならば生じる場合がある。これは、第二のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物の熱分解のリスクを有利なことに低減または除去し、また第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体のエアロゾル化温度が第二のエアロゾル形成基体のエアロゾル化温度よりも高い時に、特に有利である場合がある。
【0014】
一次気流経路および二次気流経路を提供することによって(この場合、一次気流経路のみが第一の基体受容部分を通過する)、気流経路を通して空気を引き出すユーザーが体験する引き出し抵抗は、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体の空隙率のみに依存しない。具体的に、より低い全体的な引き出し抵抗は、低抵抗の二次気流経路(すなわち、一次気流経路の引き出し抵抗と比べて低い抵抗)を提供することによって達成されることができる。ユーザーによって吸入される、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体から発せられたエアロゾルのバランスは、一次気流経路と比較した二次気流経路の引き出し抵抗の選択によって決定されてもよい。
【0015】
二次気流経路は、接合部の上流で一次気流経路から分離されていることが好ましい。二つの気流経路は、接合部の上流で装置ハウジングによって分離されてもよい。気流経路のこの分離は、受容された第二のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物が、受容された第一のエアロゾル形成基体を使用時に通過しないことを確実にする。
【0016】
第一の基体受容部分は、第一のエアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品の一部分を受容するように構成されてもよい。エアロゾル発生物品は、ロッドの形態であってもよく、第一のエアロゾル形成基体は、ロッドの遠位端にある、またはロッドの遠位端に向かってある。ロッドはまた、ロッドの遠位端と反対側の端にて、マウスピースを備えてもよい。装置のユーザーは、マウスピースを吸ってもよい。エアロゾル発生物品が第一の基体受容部分の中に受容されている時に、一次気流経路は、ロッドの長さを通して、第一のエアロゾル形成基体およびマウスピースを通して延びてもよい。
【0017】
第二の基体受容部分は、好ましくは液体である第二のエアロゾル形成基体を受容するように構成されてもよい。第二の基体受容部分は、取り外し可能な容器またはカートリッジ(本明細書においてカートリッジと呼ばれる)を受容するように構成されてもよい。カートリッジは、第二のエアロゾル形成基体を含有する液体貯蔵部分を形成してもよく、または備えてもよい。取り外し可能なカートリッジは有利なことに、エアロゾル形成基体が枯渇した時に、または異なる吸入体験を達成するために異なる第二のエアロゾル形成基体を含有するカートリッジを選択することが望ましい時に、交換可能であってもよい。別の方法として、第二の基体受容部分はそれ自体が、エアロゾル発生装置の残りの部分と一体型の液体貯蔵部分を形成してもよい。いずれの場合でも、二次気流経路は好ましくは、取り外し可能なまたは一体型の液体貯蔵部分の第二のエアロゾル形成基体と流体連通するように構成されてもよい。
【0018】
エアロゾル発生物品は、第一のエアロゾル形成基体の下流の流体透過性領域を備えてもよい。二次気流経路は、物品が第一の基体受容部分の中に受容されている時に、エアロゾル発生物品の流体透過性領域を通って延びるように構成されてもよい。次いで、二次気流経路は、一次気流経路と合流してもよい。
【0019】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生し、その一方で同時に、第二の基体受容部分によって含有された、または第二の基体受容部分の中に受容された第二の(好ましくは液体の)エアロゾル形成基体と相互作用する、ハイブリッド喫煙装置であることが好ましい。
【0020】
エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であることが好ましい。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品であることがより好ましい。
【0021】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを発生するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成材料から成る、またはそれを含む基体を意味する。
【0022】
本明細書で使用される「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱されると揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生させる能力を持つ材料を示す。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含むか、またはそれによって構成されうる。
【0023】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品の要素または要素の部分の相対的な位置を、ユーザーがエアロゾル発生物品または装置をその使用中に吸う方向に関して記述するために使用される。
【0024】
装置ハウジングは、空洞を画定する空洞壁を画定してもよい。空洞の少なくとも一部分は、第一の基体受容部分を形成してもよい。
【0025】
本明細書で使用される「基体受容部分」は、エアロゾル形成基体を受容するように構成された装置ハウジングの部分を意味する。第一のエアロゾル形成基体がエアロゾル発生物品の遠位に、またはエアロゾル発生物品の遠位に向かって含有されている場合、第一の基体受容部分は、物品が受容されている時に、第一の基体を直ちに取り囲むハウジングの部分である。物品が空洞の中に受容されている時に第一の基体を包囲していない空洞の部分、例えば基体の下流の物品の特徴部を包囲する部分は、第一の基体受容部分の一部を形成しない。
【0026】
空洞壁は有利なことに、構成された空洞壁が受容するエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を備えてもよい。好都合なことに、空洞壁は管状であってもよい。これは、装置がロッド形態を画定するエアロゾル発生物品とともに使用されることが意図されていて、こうしたロッドの幾何学的輪郭に対応する空洞の管状形状を有する場合に、特に適切である場合がある。例えば、エアロゾル発生物品が喫煙物品である場合、物品のためのロッド状の幾何学的形状の使用は、従来の紙巻たばこおよび電子たばこなどの周知の喫煙物品において見いだされる幾何学的形状に対応する。空洞壁は円筒状であってもよい。
【0027】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形、または楕円形の断面の概して円筒状の要素を意味するために使用される。
【0028】
空洞壁は流体透過性領域を備えてもよい。二次気流経路は流体透過性領域を通って延びてもよい。二次気流経路は空洞内で一次気流経路と合流してもよい。好ましくは、空洞壁の流体透過性領域は、第一の基体受容部分の下流であってもよい。これは有利なことに、二次気流経路を介して空洞に入る空気が、第一の受容部分の下流で、かつ第一の受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体の下流で空洞に入ることを確実にする。流体透過性領域は、第一の基体受容部分のすぐ下流に提供されていることが好ましい。これは、ユーザーによる吸入の前に、第一の発せられたエアロゾルおよび第二の発せられたエアロゾルの最大限の混合を確実にする。しかしながら、流体透過性領域は、分離が適切に低ければ、第一の基体受容部分から軸方向に離隔してもよい。流体透過性領域と第一の基体受容部分の間の分離は、5ミリメートル未満、好ましくは2ミリメートル未満であってもよい。
【0029】
空洞の壁の流体透過性部分は、多孔性材料、複数のスリット、複数の穴のうちの一つ以上を備えてもよい。例として、また限定することなく、空洞壁の流体透過性部分は、メッシュ内に開口部を画定するメッシュの隙間を有するメッシュとして提供されてもよく、それによって、メッシュを通って流れる空気、およびその空気中に同伴された揮発性化合物に透過性を提供する。別の方法として、流体透過性部分は、いかなるメッシュまたは他の制限もなく、空洞壁に提供された開口部であってもよい。さらなる代替において、空洞壁の流体透過性部分は、複数の空孔を備えてもよく、この部分において複数の空孔は壁の材料内に空所を画定する。空洞壁の流体透過性部分の一部を形成してもよい任意の空孔、スリット、または穴のサイズは、流体透過性部分の流体流れに対する透過性に直接影響を与える。
【0030】
第一のエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品が空洞の中に受容されている時に、空洞壁の流体透過性領域は、エアロゾル発生物品の外部壁の対応する流体透過性部分と一致していることが好ましい。エアロゾル発生装置の空洞壁の流体透過性部分とエアロゾル発生物品の外部壁とを一致させることは、装置の二次気流経路からエアロゾル発生物品の内部の中に気流を効率的に導くことを可能にする。
【0031】
本明細書で使用される「流体透過性」という用語は、気体または液体が通過することを可能にする実体に関連して使用される。具体的に、流体透過性は、エアロゾルを形成している場合がある、同伴された揮発性化合物を含む空気が通過することを可能にする実体を指すために使用される。「流体透過性」という用語はまた、その体積のすべてまたは一部のいずれかに関連して、適切な材料、例えば材料の体積のすべてまたは一部に多孔性を有する材料の体積特性を包含する。
【0032】
本明細書で使用される「一致」という用語は、正確にまたは部分的に重なり合っていること意味するために使用される。
【0033】
空洞壁は管状であることが好ましい。空洞壁の流体透過性部分は、少なくとも一つの環状流体透過性帯を備えてもよい。一つ以上の環状帯としての空洞壁の流体透過性部分の提供は、第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物を同伴した二次気流経路内の空気を管状空洞壁の周辺の周りの空洞の中に半径方向に導くことを可能にする。使用時に、これは有利なことに、二次気流経路からの空気中に同伴された、受容された第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物と、一次気流経路の空気中に同伴された、受容された第一のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物との均一な混合を促進する場合がある。これは有利なことに、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物の混合を改善する場合がある。これは、装置の使用中、または分離された使用期間と使用期間の間の吸入エアロゾルの均一性を改善する効果を有する場合がある。
【0034】
空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品とともに装置が使用され、環状帯として提供された対応する流体透過性部分を有するエアロゾル発生物品の外部壁を備える場合、装置の環状帯と物品の環状帯との一致する整列は、物品の外部壁の周辺の周りにエアロゾル発生物品の内部の中への空気の均一な半径方向の流入を提供する場合がある。
【0035】
空洞には、開放端および閉鎖端が提供されてもよい。エアロゾル発生装置は、管状空洞の開放端を介して、第一のエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。空洞は、開放端を介して長軸方向で第一のエアロゾル形成基体を受容するように構成されてもよい。
【0036】
一次気流経路は、長軸方向軸に実質的に平行な方向で空洞を通って延びてもよい。エアロゾル発生物品が第一の基体受容部分の中に受容されている時に、一次気流経路は、長軸方向軸に平行な方向でエアロゾル形成物品を通過してもよい。
【0037】
二次気流経路は、一次気流経路と合流する所である長軸方向軸に実質的に垂直であってもよい。これは有利なことに使用時に、一次気流経路と二次気流経路が合流する、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物の混合を改善する場合がある。気流経路が互いに垂直であるように二次気流経路が一次気流経路と合流する時に、混合は最適化される場合がある。
【0038】
好都合なことに、エアロゾル発生装置は、電気式装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第一の加熱手段を備えてもよい。第一の加熱手段は、誘導加熱と抵抗加熱のいずれかまたは両方によって第一のエアロゾル形成基体を加熱してもよい。装置は、第一の加熱手段に電力を供給するための電源を備えてもよい。電源は好ましくは、電池であってもよく、それによって装置に携帯性の利点を提供する。電池は好ましくは、再充電可能電池であってもよい。
【0039】
一部の実施形態において、第一の加熱手段は、第一の基体受容部分を加熱するように構成されてもよく、これによって熱は、受容された第一のエアロゾル形成基体に伝達される。
【0040】
第一の加熱手段の誘導加熱バージョンの一実施例において、第一の加熱手段は、第一の基体受容部分に隣接して、または第一の基体受容部分を包囲してインダクタコイルを備えてもよい。第一の基体受容部分の少なくとも一部はサセプタ部分を備えてもよい。サセプタ部分は、交番磁場によって加熱可能であるように構成されてもよい。使用時に、(例えば、装置の上述の電源によって)インダクタコイルに供給された電力は、インダクタコイルがサセプタ部分内に渦電流を誘発することをもたらす。これらの渦電流は次に、第一の基体受容部分のサセプタ部分が熱を発生することをもたらす。電力は、交番磁場としてインダクタコイルに供給される。交流電流は任意の適切な周波数を有してもよい。交流電流は好ましくは、高周波の交流電流であってもよい。交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。エアロゾル発生物品が第一の基体受容部分の中に受容されている時に、サセプタ部分によって発生した熱は物品に伝達して、エアロゾルが基体から発するのを引き起こすのに十分な温度に、物品内の第一のエアロゾル形成基体を加熱する場合がある。サセプタ部分は、電磁エネルギーを吸収して熱に変換する能力を有する材料で形成されている。例として、また限定することなく、サセプタ部分は、鋼などの強磁性材料で形成されてもよい。
【0041】
好ましくは、第一の基体受容部分は、上述の通り、空洞壁の少なくとも一部を形成し、またインダクタコイルは、サセプタ部分を備える第一の基体受容部分を取り囲むらせん状コイルである。好ましくは、インダクタコイルは、サセプタ部分の半径方向外側でサセプタ部分を取り囲んでもよい。サセプタ部分の半径方向外側にインダクタコイルを位置することは、空洞の中への物品の挿入中に、エアロゾル発生物品との接触からインダクタコイルが損傷することを回避する。
【0042】
先に概説した第一の加熱手段の誘導加熱バージョンの変形において、第一の基体受容部分は、あらゆるサセプタ部分を欠いてもよい。代わりに、エアロゾル発生物品の一部としてサセプタが提供されてもよく、好ましくは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体内に全体的に、または部分的に封入されてもよい。こうした実施形態において、装置は、第一の基体受容部分が空洞壁の一部を形成する時に、好ましくは壁の半径方向外側で空洞壁を取り囲む、インダクタコイルを依然として備えてもよい。
【0043】
本明細書で使用される「サセプタ」または「サセプタ部分」は、変化する磁場に供された時に加熱する導電性要素を意味する。これはサセプタ要素内に誘起された渦電流および/またはヒステリシス損失の結果である場合がある。サセプタのための可能性がある材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、および事実上あらゆる他の導電性元素が挙げられる。有利なことに、サセプタ要素はフェライト要素である。サセプタ要素のための材料および幾何学的形状は、望ましい電気抵抗および発熱を提供するように選ぶことができる。サセプタ要素は、例えばメッシュ、フラットスパイラルコイル、繊維、または織物を含んでもよい。有利なことに、サセプタは第一のエアロゾル形成基体と接触している。サセプタ要素は有利なことに、流体透過性であってもよい。
【0044】
第一の加熱手段の抵抗加熱バージョンの一実施例において、第一の加熱手段は抵抗発熱体を備えてもよい。電源(上述の電源など)は、抵抗ヒーターに電流を供給するように構成されてもよい。抵抗発熱体は、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体を取り囲むように、第一の基体受容部分を取り囲むように配設されてもよい。例として、抵抗発熱体は、環状スリーブの形態を有してもよい。上述の通り、第一の受容部分が空洞壁の一部を形成する場合、環状スリーブは、空洞壁内に位置してもよく、または空洞壁の一部を形成してもよい。
【0045】
別の方法として、抵抗発熱体は、物品のエアロゾル形成基体と近接するように、または直接接触するように、受容されたエアロゾル発生物品の内部の中に使用時に挿入可能であるように、第一のエアロゾル形成基体の中に突出するように配設されてもよい。例として、抵抗発熱体は、ブレードの形態を有してもよい。使用時に、電力が抵抗発熱体に(例えば、装置の上述の電源によって)供給され、それによって抵抗発熱体の加熱がもたらされることになる。次いで熱は、抵抗発熱体から、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体に伝達されて、エアロゾルが基体から発するのを引き起こすのに十分な温度に、エアロゾル形成基体を加熱してもよい。
【0046】
エアロゾル発生装置は、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第二の加熱手段をさらに備えてもよい。第二の加熱手段は、誘導加熱と抵抗加熱のいずれかまたは両方によって第二のエアロゾル形成基体を加熱してもよい。同じ電源が、第一の加熱手段と同様に、第二の加熱手段に電力を供給してもよい。
【0047】
一部の実施形態において、第二の加熱手段は、使用時に第二の基体受容部分を加熱するように構成されてもよい。次いで熱は、受容する第二のエアロゾル形成基体に伝達されてもよい。
【0048】
第二の加熱手段の誘導加熱バージョンの一実施例において、第二の基体受容部分の少なくとも一部はサセプタ部分を備えてもよい。装置は、サセプタ部分に隣接する、またはサセプタ部分を包囲するインダクタコイルを備えてもよい。装置は、インダクタコイルに交流電流を供給するように構成された電源をさらに備えてもよい。使用時に、(例えば、装置の上述の電源によって)インダクタコイルに供給された電力は、インダクタコイルがサセプタ部分内に渦電流を誘発することをもたらす。これらの渦電流は次に、第二の基体受容部分のサセプタ部分が熱を発生することをもたらす。電力は、交番磁場としてインダクタコイルに供給される。交流電流は任意の適切な周波数を有してもよい。交流電流は好ましくは、高周波の交流電流であってもよい。交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。
【0049】
抵抗加熱バージョンの一実施例において、第二の加熱手段は抵抗発熱体を備えてもよい。抵抗発熱体は、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体を取り囲むように、第二の基体受容部分を取り囲むように配設されてもよい。
【0050】
別の方法として、第二のエアロゾル形成基体が、第二の基体受容部分の中に受容可能な交換可能なカートリッジ中に含有されている場合、エアロゾル発生装置は、サセプタまたは抵抗発熱体を備えなくてもよい。代わりに、サセプタまたは抵抗発熱体は、カートリッジの一部として提供されてもよい。
【0051】
誘導加熱バージョンの一実施例において、サセプタは、カートリッジの一部として提供されてもよい。こうした実施形態において、装置は依然として、インダクタコイルを備えてもよい。
【0052】
抵抗加熱バージョンの一実施例において、カートリッジの中に抵抗発熱体が提供されてもよい。こうした実施形態において、エアロゾル発生装置およびカートリッジは、カートリッジが第二の基体受容部分の中に受容されている時に、装置の電源とカートリッジの第二の加熱手段との間の接続を可能にする電気的接続を備えてもよい。
【0053】
エアロゾル発生装置は、電源から第一の加熱手段と第二の加熱手段のいずれかまたは両方に供給された電力を制御するためにコントローラをさらに備えてもよい。それ故に、コントローラは、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体の加熱を制御してもよい。一般的に、コントローラは、装置が使用中である時に、第一の加熱手段と第二の加熱手段の両方に電力を供給するように、かつ受容された第一のエアロゾル形成基体と第二のエアロゾル形成基体の両方からエアロゾルが同時に発生されるように構成されてもよい。一部の実施形態において、コントローラは、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体のうちのどちらが発生されるかを制御可能であってもよいように、第一の加熱手段および第二の加熱手段に独立して電力を供給するように構成されてもよい。これは、装置の吸煙中または使用中に変化してもよい。
【0054】
本開示の第二の態様において、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、本開示の第一の態様によるエアロゾル発生装置を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品をさらに備えてもよい。エアロゾル発生物品は、第一のエアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生の第一の基体受容部分の中に受容可能であってもよい。エアロゾル発生システムはカートリッジを備えてもよい。カートリッジは第二のエアロゾル形成基体を備えてもよい。カートリッジは、第二の基体受容部分の中に受容可能であってもよい。
【0055】
第一のエアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であることが好ましい。しかしながら、第一のエアロゾル形成基体は、固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。別の方法として、第一のエアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体であってもよい。
【0056】
第一のエアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことがより好ましい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ含有エアロゾル形成材料を含んでもよい。
【0057】
第一のエアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体の第一のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこ、および均質化したたばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0058】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよく、これらは固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこ揮発性風味化合物または非たばこ揮発性風味化合物を含む一つ以上のカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0059】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片、またはシートの形態を取ってもよい。固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するために、あるパターンで堆積されてもよい。
【0060】
好ましい一実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含む。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。
【0061】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むことが好ましい。本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する層状要素を指す。本明細書で使用される「集合した」という用語は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向で巻き込みされ、折り畳まれ、またはその他の方法で圧縮もしくは締め付けされたシートを記述するために使用される。
【0062】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。本明細書で使用する用語「エアロゾル形成体」は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して略抵抗性である、任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。
【0063】
適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。
【0064】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0065】
エアロゾル発生システムは、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第一の加熱手段を備えてもよい。第一の加熱手段は、誘導加熱と抵抗加熱のいずれかまたは両方によって第一のエアロゾル形成基体を加熱してもよい。装置は、第一の加熱手段に電力を供給するための電源を備えてもよい。電源は好ましくは、電池であってもよく、それによって装置に携帯性の利点を提供する。電池は好ましくは、再充電可能電池であってもよい。
【0066】
一部の実施形態において、第一の加熱手段は、第一の基体受容部分を加熱するように構成されてもよく、これによって熱は、受容された第一のエアロゾル形成基体に伝達される。
【0067】
別の方法として、第一の加熱手段の誘導加熱バージョンの一実施例において、サセプタがエアロゾル発生物品の一部として提供されてもよく、好ましくは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体内に完全に、または部分的に封入されてもよい。こうした実施形態において、装置はインダクタコイルを備える。使用時に、(例えば、装置の上述の電源によって)電力はインダクタコイルに供給されてもよく、これはインダクタコイルがサセプタ内に渦電流を誘発することをもたらす場合がある。これらの渦電流は次に、サセプタに熱の発生をもたらしてもよく、この熱は、エアロゾルが基体から発するのを引き起こすのに十分な温度に第一のエアロゾル形成基体を加熱するために、第一のエアロゾル形成基体に伝達してもよい。
【0068】
エアロゾル発生物品はロッドを画定することが好ましい。ロッドは第一のエアロゾル形成基体を含有する。ロッドの外部壁は流体透過性部分を備える。ロッドの外部壁の流体透過性部分は、第一のエアロゾル形成基体の下流に位置付けられている。エアロゾル発生装置の装置ハウジングは、空洞を画定する空洞壁を備えてもよい。空洞壁の少なくとも一部分は、第一の基体受容部分を形成してもよい。空洞壁は、第一の基体受容部分の下流の流体透過性領域を備えてもよい。ロッドの流体透過性部分は、エアロゾル発生物品が空洞の中に受容されている時に、空洞壁の流体透過性部分と一致するように構成されてもよい。このようにして、空気は、ユーザーがエアロゾル発生物品の口側端で吸入する時に、二次気流経路を通して引き出されてもよい。空気は、装置ハウジングを通り、空洞壁の流体透過性領域を通り、ロッドの外部壁の透過性領域を通り、ロッドの内部の中に流れてもよい。次に、この空気は、一次気流経路を通して引き出された空気と合流してもよい。
【0069】
エアロゾル発生物品のロッドは、口側端および遠位端を有し、口側端は遠位端の下流に位置することが好ましい。エアロゾル発生装置の一次気流経路は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に受容されている時に、エアロゾル発生物品を通って延びてもよい。一次気流経路は、エアロゾル形成基体を通って、かつ口側端に向かって下流にロッドの内部に沿って延びてもよく、これによって、ユーザーによる口側端での吸引の適用時に、空気はエアロゾル発生物品の中に引き出されて、かつ口側端に向かって下流にロッドの内部に沿ってエアロゾル形成基体を通過する。使用時に、揮発性化合物は、第一のエアロゾル形成基体から放出されて、一次気流経路を通過する空気中に同伴されてもよい。二次気流経路は、装置ハウジング内の空気吸込み口から、かつロッドの外部壁の流体透過性部分を通って延びて、次いで第一の基体受容部分の下流の接合部で第二の一次気流経路と合流してもよい。二次気流経路は、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体と流体連通してもよく、これによって第二のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物は、二次気流経路を通して引き出された空気中に同伴される。同伴された揮発性化合物を有する空気は、外部壁の流体透過性部分を通して、ロッドのエアロゾル発生物品のロッド内部の混合領域の中に引き出される。混合領域は、第一のエアロゾル形成基体の下流であってもよく、かつ好ましくはそのすぐ隣であってもよい。これは、第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物が第一のエアロゾル形成基体を通過する必要なく、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物の混合を確実にする。
【0070】
好都合なことに、エアロゾル形成基体は遠位端に位置する、または口側端よりも遠位端の近くに位置する。
【0071】
ロッドの内部は、混合領域から口側端まで障害物がなく、これによって使用時に、混合流れが混合領域から口側端に流れる時に妨げられないことが好ましい。例として、エアロゾル発生物品は、周知の電子たばこ内で一般的に見いだされる通りの、口側端に向かう下流の流路を妨げるマウスピースフィルターまたはエアロゾル冷却要素を欠いてもよい。エアロゾル形成基体の下流のロッドの内部内でいかなるこうした障害物も欠くことは、一次気流経路および二次気流経路の引き出し抵抗を低減するのに役立つ場合があり、またエアロゾルおよび冷却空気の混合流れの所与の量を吸入するために口側端にてユーザーが適用することが必要とされる吸引の量を低減するのに役立つ場合がある。さらに、これはまた、エアロゾル発生物品の製造の複雑さを低減するのに役立つ場合がある。
【0072】
ロッドの外部壁の流体透過性部分は、多孔性材料、複数のスリット、複数の穴のうちの一つ以上を備えてもよい。例として、また限定することなく、ロッドの外部壁の流体透過性部分はメッシュとして提供されてもよく、メッシュ内に開口部を画定するメッシュの隙間を有し、それによってメッシュを通る(すなわち、外部壁を通る)気流に透過性を提供する。さらなる代替において、ロッドの外部壁の流体透過性部分は複数の空孔を備えてもよく、この部分において複数の空孔は外部壁の材料内に空所を画定する。ロッドの外部壁の流体透過性部分の一部を形成してもよい任意の空孔、スリット、または穴のサイズは、流体透過性部分の気流に対する透過性に直接影響を与える。こうした任意の空孔、スリット、または穴のサイズは、エアロゾル発生物品の内部内の冷却空気の望ましい体積流量に従って選択されてもよい。
【0073】
ロッドの外部壁はラッパーとして提供されてもよく、ラッパーは第一のエアロゾル形成基体を囲む。例として、ラッパーはシガレットペーパーであってもよい。ラッパーには、ロッドの外部壁の流体透過性部分を形成するに、穿孔が提供されてもよい。ラッパーはおよそ0.02~0.07ミリメートル、またはおよそ0.03~0.05ミリメートルの厚さを有することが好ましい。ロッドによって画定されたエアロゾル発生物品は、およそ3~10ミリメートル、またはおよそ4.4~8ミリメートルの直径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。好ましくは、エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ60ミリメートルの全長を有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。
【0074】
ロッドの外部壁の流体透過性部分は、少なくとも一つの環状流体透過性帯を備えることが好ましい。環状流体透過性帯の使用は、物品の周辺の周りのエアロゾル発生物品の内部の中への冷却空気の均一な半径方向の流入を提供する。これは有利なことに、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物の混合を改善する場合がある。これは、装置の使用中、または分離された使用期間と使用期間の間の吸入エアロゾルの均一性を改善する効果を有する場合がある。
【0075】
好ましくは、ロッドの外部壁の流体透過性部分は、0.2~4ミリメートル、またはより好ましくは0.2~2.5ミリメートル、またはより好ましくは0.2~1.8ミリメートル、またはより好ましくは0.2~1.5ミリメートルの軸方向長さを有してもよい。ロッドの外部壁の流体透過性部分の軸方向長さを制限することは、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物の混合を流体透過性部分を介して集中させるのを支援する場合がある。
【0076】
好都合なことに、ロッドの外部壁の流体透過性部分は、4ミリメートル以下だけ、または好ましくは2.5ミリメートル以下だけ、またはより好ましくは1.8ミリメートル以下だけ、またはより好ましくは1.5ミリメートル以下だけ、またはより好ましくは0.2ミリメートル以下だけ第一のエアロゾル形成基体の下流に延びてもよい。流体透過性部分が第一のエアロゾル形成基体から下流に特定した距離以下までしか延びないように制限することによって、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物の混合は、ロッドの中の第一のエアロゾル形成基体のすぐ下流で達成されることができる。これは、混合された流れがロッドの口側端に到達する時に、完全に混合された吸入可能な蒸気をユーザーが受容し、それによってユーザーの体験を高めることを確実にするのに役立つ。
【0077】
カートリッジ中に含有された第二のエアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物は、第二のエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。第二のエアロゾル形成基体は固体であっても、または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでいてもよい。第二のエアロゾル形成基体は液体であることが好ましい。
【0078】
第二のエアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。第二のエアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。第二のエアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。好ましくは、第二のエアロゾル形成基体は、別の方法として、非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0079】
第二のエアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度かつ安定したエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはこれらの混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、風味剤などのその他の添加剤および成分を含んでもよい。
【0080】
第二のエアロゾル形成基体は、担体または支持体上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填されてもよい。一つの実施例において、エアロゾル形成基体は毛細管材料内に保持された液体基体である。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターに運ぶように整列されてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって移動することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して移動されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。
【0081】
エアロゾル発生システムは、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第二の加熱手段をさらに備えてもよい。第二の加熱手段は、誘導加熱と抵抗加熱のいずれかまたは両方によって第二のエアロゾル形成基体を加熱してもよい。同じ電源が、第一の加熱手段と同様に、第二の加熱手段に電力を供給してもよい。
【0082】
第二の加熱手段の誘導加熱バージョンの一実施例において、第二の基体受容部分の少なくとも一部はサセプタ部分を備えてもよい。装置は、サセプタ部分に隣接する、またはサセプタ部分を包囲するインダクタコイルを備えてもよい。使用時に、(例えば、装置の上述の電源によって)インダクタコイルに供給された電力は、インダクタコイルがサセプタ部分内に渦電流を誘発することをもたらす。これらの渦電流は次に、第一の基体受容部分のサセプタ部分が熱を発生することをもたらす。電力は、交番磁場としてインダクタコイルに供給される。交流電流は任意の適切な周波数を有してもよい。交流電流は好ましくは、高周波の交流電流であってもよい。交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。
【0083】
先に概説した第二の加熱手段の誘導加熱バージョンの変形において、第二の基体受容部分は、あらゆるサセプタも欠いてもよい。代わりに、サセプタはカートリッジの一部として提供されてもよい。こうした実施形態において、装置は依然として、インダクタコイルを備えてもよい。
【0084】
カートリッジはハウジングを備えてもよく、その外部表面はエアロゾル形成基体を包囲する。外部表面の少なくとも一部分は、流体透過性のサセプタ要素によって形成されてもよい。サセプタ要素は、流体サセプタ要素を通して透過することを可能するために、サセプタ要素に形成された複数の開口部を有してもよい。具体的に、このサセプタ要素は、(気相の状態、または気相と液相の両方の状態の)エアロゾル形成基体がサセプタ要素を通して透過することを可能にする場合がある。サセプタ要素はカートリッジハウジング内の開口部を横切って延びるシートの形態であってもよい。サセプタ要素はカートリッジハウジングの周囲の周りに延びてもよい。サセプタ要素は、カートリッジハウジングが装置ハウジングと係合されている時に、インダクタコイルに隣接して位置付けられるように構成されているカートリッジハウジングの壁上に提供されてもよい。使用時に、サセプタ要素内で誘起された電圧を最大化するために、サセプタ要素をインダクタコイルの近くに有することは有利である。
【0085】
第二の加熱手段の抵抗加熱バージョンの一実施例において、カートリッジは抵抗発熱体を備える。抵抗発熱体は、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体を取り囲むように、第二の基体受容部分を取り囲むように配設されてもよい。別の方法として、抵抗発熱体は、カートリッジの一部として提供されてもよい。こうした実施形態において、エアロゾル発生装置およびカートリッジは、カートリッジが第二の基体受容部分の中に受容されている時に、装置の電源とカートリッジの第二の加熱手段との間の接続を可能にする電気的接続を備えてもよい。
【0086】
カートリッジが毛細管材料を含む場合、上述の通り、毛細管材料は第二のエアロゾル形成基体を、カートリッジのサセプタ要素または抵抗発熱体に運ぶように構成されてもよい。
【0087】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0088】
実施例1.第一のエアロゾル形成基体からのエアロゾルおよび第二のエアロゾル形成基体からのエアロゾルを同時に発生するためのエアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生装置が装置ハウジングを備え、装置ハウジングが、
第一のエアロゾル形成基体を受容するための第一の基体受容部分と、第二のエアロゾル形成基体を受容するための第二の基体受容部分と、
第一の基体受容部分を通って延びる一次気流経路と、
装置を通って延びる二次気流経路であって、これによって使用時に二次気流経路が、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体と流体連通している、二次気流経路と、を画定し、
二次気流経路が、第一の基体受容部分の下流の接合部で一次気流経路と合流する、エアロゾル発生装置。
実施例2.二次気流経路が、接合部の上流の一次気流経路から分離されている、実施例1に記載のエアロゾル発生装置。
実施例3.第一の基体受容部分が、第一のエアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品の一部分を受容するように構成されている、実施例1または実施例2に記載のエアロゾル発生装置。
実施例4.第二の基体受容部分が第二のエアロゾル形成基体を受容するように構成されている、実施例1~3のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例5.第二の基体受容部分が、第二のエアロゾル形成基体を含有する液体貯蔵部分を備える取り外し可能な容器またはカートリッジを受容するように構成されている、実施例4に記載のエアロゾル発生装置。
実施例6.第二の基体受容部分が、エアロゾル発生装置の残りの部分と一体型の液体貯蔵部分を形成する、実施例4に記載のエアロゾル発生装置。
実施例7.装置ハウジングが、空洞を画定する空洞壁を画定し、かつ空洞の少なくとも一部分が第一の基体受容部分を形成する、実施例1~6のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例8.空洞壁が有利なことに、構成された空洞壁が受容するエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を備えてもよい、実施例7に記載のエアロゾル発生装置。
実施例9.空洞壁が管状である、実施例8に記載のエアロゾル発生装置。
実施例10.空洞壁が円筒状である、実施例8または実施例9に記載のエアロゾル発生装置。
実施例11.洞壁が流体透過性領域を備える、実施例7~10のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例12.空洞壁の流体透過性領域が、第一の基体受容部分の下流にある、実施例11に記載のエアロゾル発生装置。
実施例13.流体透過性領域が、第一の基体受容部分のすぐ下流に提供されている、実施例11または実施例12に記載のエアロゾル発生装置。
実施例14.流体透過性領域が第一の基体受容部分から軸方向に離隔していて、流体透過性領域と第一の基体受容部分の間の分離が5ミリメートル未満、好ましくは2ミリメートル未満である、実施例11または実施例12に記載のエアロゾル発生装置。
実施例15.空洞の壁の流体透過性部分が、多孔性材料、複数のスリット、複数の穴のうちの一つ以上を備える、実施例11~14のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例16.空洞壁が管状であり、空洞壁の流体透過性部分が少なくとも一つの環状流体透過性帯を備える、実施例11~15のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例17.空洞に開放端および閉鎖端が提供されている、実施例7~16のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例18.エアロゾル発生装置が、長軸方向にある管状空洞の開放端を介して第一のエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成されている、実施例17に記載のエアロゾル発生装置。
実施例19.一次気流経路が、長軸方向軸に実質的に平行な方向で空洞を通って延びる、実施例18に記載のエアロゾル発生装置。
実施例20.二次気流経路が、一次気流経路と合流する所である長軸方向軸に実質的に垂直である、実施例18または実施例19に記載のエアロゾル発生装置。
実施例21.エアロゾル発生装置が、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第一の加熱手段を備える、実施例1~20のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例22.第一の加熱手段が、誘導加熱と抵抗加熱のいずれかまたは両方によって第一のエアロゾル形成基体を加熱し、かつ装置が第一の加熱手段に電力を供給するための電源を備える、実施例21に記載のエアロゾル発生装置。
実施例23.電源が電池である、実施例22に記載のエアロゾル発生装置。
実施例24.電池が再充電可能電池である、実施例23に記載のエアロゾル発生装置。
実施例25.第一の加熱手段が、第一の基体受容部分に隣接して、またはそれを包囲してインダクタコイルを備える、実施例21~24のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例26.第一の基体受容部分の少なくとも一部がサセプタ部分を備える、実施例25に記載のエアロゾル発生装置。
実施例27.第一の基体受容部分が空洞壁の少なくとも一部を形成する、実施例26に記載のエアロゾル発生装置。
実施例28.インダクタコイルが、サセプタ部分を備える第一の基体受容部分を取り囲むらせん状コイルである、実施例25~27のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例29.インダクタコイルがサセプタ部分の半径方向外側でサセプタ部分を取り囲む、実施例28に記載のエアロゾル発生装置。
実施例30.第一の加熱手段が抵抗発熱体を備える、実施例21~24のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例31.抵抗発熱体が、第一の基体受容部分の中に受容された第一のエアロゾル形成基体を取り囲むように、第一の基体受容部分を取り囲むように配設されている、実施例30に記載のエアロゾル発生装置。
実施例32.抵抗発熱体が環状スリーブの形態を有する、実施例30または実施例31に記載のエアロゾル発生装置。
実施例33.抵抗発熱体が、受容されたエアロゾル発生物品の内部の中に使用時に挿入可能であるように、第一のエアロゾル形成基体の中に突出するように配設されている、実施例30に記載のエアロゾル発生装置。
実施例34.抵抗発熱体がブレードの形態を有してもよい、実施例33に記載のエアロゾル発生装置。
実施例35.第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体を使用時に加熱するように構成された第二の加熱手段をさらに備える、実施例21~34のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例36.第二の加熱手段が、誘導加熱と抵抗加熱のいずれかまたは両方によって第二のエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、実施例35に記載のエアロゾル発生装置。
実施例37.第二の基体受容部分の少なくとも一部がサセプタ部分を備えてもよい、実施例35または実施例36に記載のエアロゾル発生装置。
実施例38.第二の加熱手段が抵抗発熱体を備える、実施例35または実施例36に記載のエアロゾル発生装置。
実施例39.抵抗発熱体が、第二の基体受容部分の中に受容された第二のエアロゾル形成基体を取り囲むように、第二の基体受容部分を取り囲むように配設されている、実施例38に記載のエアロゾル発生装置。
実施例40.エアロゾル発生システムであって、
実施例1~39のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置と、
第一のエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生装置の第一の基体受容部分の中に受容可能である、エアロゾル発生物品と、
第二のエアロゾル形成基体を備えるカートリッジであって、第二の基体受容部分の中に受容可能である、カートリッジと、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例41.第一のエアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である、実施例40に記載のエアロゾル発生システム。
実施例42.第一のエアロゾル形成基体がニコチンを含む、実施例40または実施例41に記載のエアロゾル発生システム。
実施例43.エアロゾル形成基体がたばこを含む、実施例40~42のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例44.エアロゾル発生物品がロッドを画定する、実施例40~43のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例45.ロッドが第一のエアロゾル形成基体を含有する、実施例44に記載のエアロゾル発生システム。
実施例46.ロッドの外部壁が流体透過性部分を含む、実施例45または実施例46に記載のエアロゾル発生システム。
実施例47.ロッドの外部壁の流体透過性部分が、第一のエアロゾル形成基体から下流に位置付けられている、実施例46に記載のエアロゾル発生システム。
実施例48.エアロゾル発生装置の装置ハウジングが、空洞を画定する空洞壁を備え、空洞壁の少なくとも一部分が第一の基体受容部分を形成し、空洞壁が、第一の基体受容部分の下流に流体透過性領域を備え、かつエアロゾル発生物品が空洞の中に受容されている時に、ロッドの流体透過性部分が空洞壁の流体透過性部分と一致するように構成されている、実施例47に記載のエアロゾル発生システム。
実施例49.エアロゾル発生物品のロッドが口側端および遠位端を有し、口側端が遠位端の下流に位置する、実施例46~48のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
実施例50.第一のエアロゾル形成基体が遠位端に位置する、または口側端よりも遠位端の近くに位置する、実施例49に記載のエアロゾル発生システム。
実施例51.ロッドの外部壁の流体透過性部分が、多孔性材料、複数のスリット、複数の穴のうちの一つ以上を備えてもよい、実施例46~50のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例52.ロッドの外部壁の流体透過性部分が少なくとも一つの環状流体透過性帯を備える、実施例46~51のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0089】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0090】
図1は、エアロゾル発生装置100を示す。装置100は、ハウジング101を有する。起動ボタン102は、ハウジング101の中に組み込まれている。
【0091】
図2に示す通り、再充電可能電池103の形態の電源は、ハウジング101内に位置する。制御電子機器104もまた、ハウジング101内に位置する。制御電子機器104は、再充電可能電池103に隣接して位置付けられている。ハウジング101は、装置100の内部内に延びる管状空洞105を有する。空洞105は、長軸方向軸107に沿って装置100内に延びる管状空洞壁106によって画定されている。空洞105は、開放端108および閉鎖端109を有し、開放端および閉鎖端は空洞の反対側の端に位置する。空洞105は、長軸方向軸107に沿って開放端108を介してエアロゾル発生物品200を受容するように構成されている。
図2において、第一のエアロゾル形成基体205を備えるエアロゾル発生物品200は、空洞の中に受容されている。ハウジング101には、空洞105の開放端108を露出または閉鎖するために移動されることができる、摺動可能なカバー110が提供されている。
図1において、カバー110は、空洞105の開放端が閉鎖されている閉位置で示されている。
図2において、カバー110は、空洞105の開放端が開放していて、そのためエアロゾル発生物品200を受容することができる開位置で示されている。
【0092】
図2および
図3に示す通り、管状空洞壁106は、下方部分106aおよび上方部分106bを有する。下方部分106aは、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品200の遠位端を受容するために構成された第一の基体受容部分である。下方部分106aは、上方部分106bと異なる材料で形成されている。下方部分106aは、電磁エネルギーを吸収して熱に変換する能力を有する材料で形成されている。そのため、この実施形態の場合、下方部分106aはサセプタ部分である。それに応じて、下方部分およびサセプタ部分という用語は、参照符号106aに対して互換的に使用されている。この実施例において、サセプタ部分106aは鋼で形成されている。しかしながら、他の実施形態(図示せず)において、サセプタ部分106aは、電磁エネルギーを吸収して熱に変換する能力を有する他の材料で形成されてもよい。他の実施形態において、下方部分106a(すなわち、第一の基体受容部分)は、電磁エネルギーを吸収して熱に変換する能力を有する材料でのみ部分的に形成されてもよい。下方部分106aの残りの部分は、サセプタ部分から離れて、かつ受容するエアロゾル発生物品に向かって熱を伝導するために適切な熱伝導性材料から形成されてもよい。いずれの場合でも、インダクタコイル111は、下方部分106aを円周状に取り囲む。
【0093】
管状壁106の上方部分106bは、高分子材料で形成されている。空洞105の管状壁106の上方部分106bの環状領域には、管状壁を通して半径方向に延びる穴の均一な分布が提供されていて、環状流体透過性帯112を形成する。環状流体透過性帯112およびサセプタ部分106aは
図3において、より明瞭に示されている。
【0094】
図2に示す通り、単一の空気吸込み口115は、空洞105の閉鎖端部109の真下のハウジング101の底面に提供されていて、一次気流チャネル209は、空気吸込み口115から、空洞105の閉鎖端109内に形成された開口部に延び、次いで空洞105を通して、具体的に空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品200を通して延びる。流体の流線は、空気吸込み口115を通して入る空気が、空洞105の閉鎖端109とどのように流体連通するかを示す
図2に含まれている。
【0095】
エアロゾル発生装置は、第二の基体受容部分120をさらに備える。
図2に示す通り、第二のエアロゾル形成基体124を含有するカートリッジ122は、第二の基体受容部分の中に受容されている。第二のエアロゾル形成基体124は液体であり、そのためカートリッジ122は液体貯蔵部分であると見なされてもよい。カートリッジ122は、
図2に図示した実施形態において、第二の基体受容部分120から取り外し可能である。他の実施形態において、第二の受容部分120はそれ自体が、装置の残りの部分と一体型の液体貯蔵部分を形成してもよい。
【0096】
図2に示す通り、カートリッジ122は、ヒーター要素126をさらに備える。この実施形態において、ヒーター要素126は抵抗ヒーター要素であり、かつ流体透過性である。抵抗ヒーター要素は、第二の基体受容部分120の中に位置する電気接点に接続可能であるカートリッジ122上の電気接点を介して電池に接続可能である。カートリッジの電気接点は、カートリッジ122が基体受容部分120の中に受容されている時に、第二の基体受容部分の電気接点と接触する。電気接点は示されていなく、また第二の基体受容部分120の電気接点を電池に接続する、またはカートリッジの電気接点を抵抗ヒーター要素126に接続するいかなるワイヤも示されていない。
【0097】
第二のエアロゾル形成基体124は、重力の作用下でヒーター要素126に供給される。また、第二のエアロゾル形成基体124が中に保持されてもよいカートリッジの中に毛細管材料(図示せず)が提供されてもよい。毛細管材料は第二のエアロゾル形成基体124をヒーター要素126に移動してもよい。毛細管要素はカートリッジ122を充填してもよい。
【0098】
一部の実施形態において、抵抗ヒーター要素126はサセプタ要素で置き換えられてもよく、また装置は、そのサセプタ要素内で使用時に熱を発生するように構成された第二のインダクタコイルを備えてもよい。一部の実施形態において、ヒーター要素は、熱が第二の受容部分からカートリッジに伝導されることができるように、カートリッジではなく第二の受容部分の中に提供されてもよい。
【0099】
図2に示す通り、二次気流経路は、ハウジング101の側壁に提供された空気吸込み口114の間に画定されている。
図2の流体流線によって示される通り、空気吸込み口114を通してハウジング101に入る空気は、ハウジングの内部を通って流れて、環状流体透過性帯112と流体連通する。二次気流経路は流体透過性ヒーター要素126を通る。それ故に、二次気流経路は、カートリッジが第二の基体受容部分120(
図2に示す通り)の中に受容されている時に、カートリッジ122中に含有された第二のエアロゾル形成基体124と流体連通している。
【0100】
エアロゾル発生物品200は
図4の斜視図において、より明瞭に示されている。エアロゾル発生物品200は、細長い円筒状のロッドの形態を有する。それに応じて、エアロゾル発生物品およびロッドという用語は本明細書において、参照符号200に対して互換的に使用されている。エアロゾル発生物品200は、遠位端201および口側端202を有する。エアロゾル発生物品200は、シガレットペーパーのラッパー203を有する。ラッパー203は、ロッド200の外部壁を形成する。
図5bおよび
図5cに示す通り、多孔性前方プラグ204、エアロゾル形成基体205のプラグ、および管状コア要素206は、ラッパー203内で逐次的に、かつ同軸で組み立てられる。多孔性前方プラグ204は、遠位端201に位置する。エアロゾル形成基体205のプラグは、前方プラグのすぐ下流に位置付けられている。管状コア要素206は、エアロゾル形成基体205のプラグのすぐ下流に位置付けられていて、口側端202に向かって延びる。示された実施形態において、管状コア要素206の中空内部207は、空の空間を画定するために、マウスピースフィルター要素などの障害物がない。そのため、中空内部207は、エアロゾル形成基体205の下流端と口側端202の間のロッド200の内部が、遮るもののない流路を画定することを意味する。しかしながら、代替的な一実施形態(図示せず)において、フィルター要素は、口側端202に隣接するロッド200内に位置してもよい。本明細書に示された、かつ記述された実施形態の場合、エアロゾル形成基体205はたばこを含有する固体基体である。ラッパー203の環状領域には、管状壁を通して半径方向に延びる穴の均一な分布が提供されていて、ロッド200のラッパー203(すなわち、外部壁)の中に環状流体透過性帯208を形成する。
【0101】
図に示された、かつ本明細書に記述されたエアロゾル発生物品200は、ユーザーによる吸入のためにエアロゾル形成基体205からエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生装置100で使用することが意図された喫煙物品である。エアロゾル発生装置100は再使用可能であるが、その一方でエアロゾル発生物品200は使い捨てであり、単回使用のみが意図されている。
【0102】
上記で言及された一次気流経路209は、エアロゾル形成基体205を通って、管状コア要素206の中空内部に沿って延びる。二次気流経路210は、環状流体透過性帯208を通って、ロッド200内に位置する混合領域211に延びる。混合領域211は、以下により詳細に記載の通り、一次気流経路209および二次気流経路210が一致し、かつ合流し、それらのそれぞれの流体流れが相互に混合し、組み合わせられる所である。
【0103】
使用時に、ユーザーは最初に、摺動可能なカバー110を摺動して、空洞105の開放端108を露出させることになる。次いで、ユーザーは開放端108を介して、物品の遠位端201が空洞の閉鎖端109に触れるまで、新しい未使用のエアロゾル発生物品200を空洞105の中に挿入することになる。この位置において、エアロゾル発生物品200は、エアロゾル発生装置200の空洞105の中に受容されていると言われる。ユーザーはまた、取り外し可能なカートリッジを第二の基体受容部分220の中に挿入してもよく、または交換してもよい。しかしながら、取り外し可能なカートリッジは典型的に、数回の使用のために十分な第二のエアロゾル形成基体を含有するため、これは必要ではない場合がある。エアロゾル発生装置100、カートリッジ122、およびエアロゾル発生物品200の組み合わせは、エアロゾル送達システムを形成する。エアロゾル発生物品200が空洞106内に受容されている時に、空洞105の管状壁106の環状流体透過性帯112は、エアロゾル発生物品200のラッパー203の環状流体透過性帯208と一致している。さらに、エアロゾル発生装置200が空洞106内に受容されている時に、エアロゾル形成基体205のプラグは、サセプタ部分106b(すなわち、第一の基体受容部分)およびインダクタコイル111内に完全に位置する。
【0104】
ユーザーが起動ボタン102を押すのに伴い、制御電子機器104は、再充電可能電池103からインダクタコイル111への、およびヒーター要素126への電力の供給を制御する。結果として生じる、インダクタコイル111を通る電流の流れは、渦電流を鋼サセプタ部分106aの中に誘発する。これらの渦電流は次に、サセプタ部分106aの加熱をもたらす。サセプタ部分106aからの熱は、空洞105内に収容されたエアロゾル発生物品200上に放射される。エアロゾル形成基体205のプラグは、サセプタ部分106aおよびインダクタコイル111内に完全に位置するので、サセプタ部分からの熱は、エアロゾル発生物品200のラッパー203上に放射され、エアロゾル形成基体205のプラグに伝導される。結果として生じる、エアロゾル形成基体205の加熱は、基体が第一のエアロゾルを発することをもたらす。同時に、抵抗発熱体126を通る電流の流れは、発熱体を加熱させる。発熱体126からの熱は、発熱体126と接触している、または発熱体126の近くの第二のエアロゾル形成基体124に伝達される。結果として生じる、エアロゾル形成基体120の加熱は、基体が第二のエアロゾルを発することをもたらす。
【0105】
制御電子機器104は、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体のためにそれぞれ最適化されている所定の熱的プロファイルに従って、サセプタ部分106bおよび発熱体126の温度を調整するように構成されている。サセプタ部分106aが、エアロゾル形成基体205のプラグからエアロゾルを発生させるに十分に高い温度に到達し、発熱体126が、カートリッジ120中に含有されたエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分に高い温度に到達すると、ユーザーは次いで、吸引を口側端に適用するために、エアロゾル発生物品200の口側端202を吸ってもよい。エアロゾル発生物品200でユーザーによって行われる各吸い込みは一般的に、「吸煙」と呼ばれる。
【0106】
口側端202を吸うユーザーからもたらされる吸引は、空気が、空洞105の閉鎖端109を通して運ばれ、多孔性前方プラグ204を通してエアロゾル発生物品200に入り、エアロゾル形成基体205のプラグを通して前進するように、入口開口部115を介して、かつ一次気流経路209を通してエアロゾル発生装置100の中に吸われることをもたらす。この空気は、サセプタ部分106aによる加熱に起因して、第一のエアロゾル形成基体205から発せられるエアロゾルと同伴されるようになり、第一の気流経路209に沿って流れ続けて、エアロゾル形成基体205のプラグの下流端から混合領域211の中に出現する。
【0107】
ユーザーが口側端202を吸うことからもたらされる吸引はまた、外部空気が空気吸込み口114を介してエアロゾル発生装置100のハウジング101の中に吸われて、二次気流経路210を通って、そのためハウジング101の内部内を通過し、ヒーター要素126を通り過ぎる結果をもたらす。空気はヒーター要素126を通ると、ヒーター要素による加熱に起因して第二のエアロゾル形成基体124から発せられたエアロゾルを同伴するようになる。次いで、空気は、空洞105の管状壁106の上方部分106bの中に画定された環状流体透過性帯112に前進し、それを通して継続する。装置100の空洞105の管状壁106に画定された環状流体透過性帯112と、エアロゾル発生物品200のラッパー203の中に画定された環状流体透過性帯208との一致する整列は、空気の大半が流体透過性帯112を通って流れ、次いで管状壁106と物品200を分離する半径方向の間隙を横切って通り、かつ第二の気流経路210に沿って流体透過性帯208を通過することをもたらす。このようにして、第二のエアロゾル形成基体から発せられたエアロゾルを同伴した空気は、エアロゾル発生装置100のハウジング101の内部を通して供給されることができ、その後、空洞105の中に受容されたエアロゾル発生物品200内に供給されることができる。物品200のラッパー203の中に画定された環状流体透過性帯208を通過すると、第二のエアロゾル形成基体から発せられたエアロゾルを同伴した空気は混合領域211に入る。
【0108】
混合領域211において、第一の気流経路209に沿って流れる第一のエアロゾル形成基体から発せられた、加熱されたエアロゾルは、二次気流経路210に沿って流れる第二のエアロゾル形成基体から発せられた、加熱されたエアロゾルと混合する。重要なことに、流体透過性帯112は、第一の基体受容部分106aの下流であり、またエアロゾル発生物品の流体透過性帯208は、第一のエアロゾル形成基体205の下流であるので、第二のエアロゾル形成基体から発せられたエアロゾルは、第一のエアロゾル形成基体を通過しない。代わりに、第二のエアロゾルは、第一のエアロゾル形成基体のすぐ下流の混合チャンバーに入る。これは、第一のエアロゾルと第二のエアロゾルの最適な混合を促進する。混合流れは混合チャンバーの中で冷めて、次いでエアロゾル発生物品の管状コア要素206の中空内部207に沿って、かつ口側端202に向かって下流に流れて、ユーザーによって吸入される。
【0109】
図に示すエアロゾル発生物品200の場合、環状流体透過性帯208は、4ミリメートルの軸方向長さL208を有し、環状帯208の上流端は、エアロゾル形成基体205のプラグの下流端と一致している。代替的な実施形態において、軸方向長さL208は、わずか0.2ミリメートルであってもよい。図に示すエアロゾル発生物品200は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの長さを有する。
【0110】
図6は、エアロゾル発生装置400の第二の実施形態を図示する。
図6のエアロゾル発生装置400の特徴の多くは、
図2の特徴と同じであり、同一の特徴に対して同じ参照符号が使用されている。この実施形態における差異は、装置400がサセプタ要素を備えていないことである。代わりに、サセプタ402は、エアロゾル発生物品404の基体の中に提供されている。サセプタ402は鋼で作製されている。サセプタ402は、物品が空洞105の中に受容されている時に、エアロゾル発生物品の基体内にあるので、インダクタコイル111によって包囲されている。それ故に、使用時にインダクタコイル111は、鋼のサセプタ402内に渦電流を誘発し、これはサセプタ402の加熱もたらし、結果として基体は第一のエアロゾルを発する。制御電子機器104は、所定の熱的プロファイルに従ってサセプタ402の温度を調整するために構成されている。
【0111】
それ以外では、エアロゾル発生装置400はエアロゾル発生装置100と同様に動作し、第一のエアロゾル形成基体から発せられたエアロゾルは、一次気流経路を通過する空気中に同伴されて、第一のエアロゾル形成基体の下流の混合領域内で、二次気流経路を通過する空気と混合し、次いでユーザーによって吸入される。
【0112】
図7は、エアロゾル発生装置500の第三の実施形態を図示する。
図7のエアロゾル発生装置500の特徴の多くは、
図2の特徴と同じであり、同一の特徴に対して同じ参照符号が使用されている。この実施形態における差異は、装置500が、第一のエアロゾル形成基体を加熱するために抵抗加熱配設を採用していることである。抵抗加熱配設は、再充電可能電池に電気的に接続されたヒーターブレード502を備える。ヒーターブレードは、熱伝導性基体506上に形成された電気トラック504を備える。電気トラックは導電性であり、また電流が通過した時に加熱するために適切な比抵抗を有する材料で形成されている。ヒーターブレード502は、空洞105の閉鎖端から上向きに突出し、これによって、エアロゾル発生物品501が空洞105の中に受容されている時に、ヒーターブレード502が第一のエアロゾル形成基体内に位置するエアロゾル発生物品を貫通する。使用時に、制御電子機器104は、再充電可能電池103からヒーターブレード502への電力の供給を制御する。これは、電気トラック504が加熱することを引き起こし、その熱は熱伝導性基体506と、エアロゾル発生物品の第一のエアロゾル形成基体とに伝達される。制御電子機器104は、所定の熱的プロファイルに従ってヒーターブレード502の温度を調整するように構成されている。
【0113】
それ以外では、エアロゾル発生装置500はエアロゾル発生装置100と同様に動作し、第一のエアロゾル形成基体から発せられたエアロゾルは、一次気流経路を通過する空気中に同伴されて、第一のエアロゾル形成基体の下流の混合領域内で、二次気流経路を通過する空気と混合し、次いでユーザーによって吸入される。
【0114】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字「A」は「A」±10%として理解される。この文脈内で、数字「A」は、数字「A」が修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字「A」は、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、「A」が逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】