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特表2024-501203一対の磁気要素を備えるエアロゾル発生セット、及び関連する動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】一対の磁気要素を備えるエアロゾル発生セット、及び関連する動作方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 15/01 20200101AFI20231228BHJP
   A24F 40/95 20200101ALI20231228BHJP
【FI】
A24F15/01
A24F40/95
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535948
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022050157
(87)【国際公開番号】W WO2022148783
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】21150397.4
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 顕
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB17
4B162AB23
4B162AC33
4B162AC44
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
4B162AD41
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生セット(10)に関し、エアロゾル発生セット(10)は、
2つの本体端部間に延びる装置本体を画定するエアロゾル発生装置(12)であって、装置本体が装置磁気要素(45)を含む、エアロゾル発生装置(12)と、エアロゾル発生装置(12)を受容することができるキャビティ(54)、及びトリガイベントに応じて閉鎖位置から開放位置に移動可能な可動部(52)を画定するケース(14)であって、エアロゾル発生装置(12)がキャビティ(54)内に受容されると装置磁気要素(45)に面して配置されるケース磁気要素(95)を含む、ケース(14)と、トリガイベントを検出し、且つその検出時に、エアロゾル発生装置(12)がキャビティ(54)内に受容されるとキャビティ(54)から少なくとも1つの本体端部を押し出すように磁気要素(45,95)間の磁気相互作用を作動させる、ように構成された電気回路(72)と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生セット(10;110)であって、
-2つの本体端部(22,24;122,124)間に延びる装置本体(21;121)を画定するエアロゾル発生装置(12;112)であって、前記装置本体(21;121)が装置磁気要素(45;145)を含む、エアロゾル発生装置(12;112)と、
-前記エアロゾル発生装置(12;112)を受容することができるキャビティ(54;154)、及びトリガイベントに応じて閉鎖位置から開放位置に移動可能な可動部(52;152)を画定するケース(14;114)であって、前記エアロゾル発生装置(12;112)が前記キャビティ(54;154)内に受容されると前記装置磁気要素(45;145)に面して配置されるケース磁気要素(95;195)を含む、ケース(14;114)と、
-前記トリガイベントを検出し、且つその検出時に、前記エアロゾル発生装置(12;112)が前記キャビティ(54;154)内に受容されると前記キャビティ(54;154)から少なくとも1つの本体端部(22,24;122,124)を押し出すように前記磁気要素(45,95;145,195)間の磁気相互作用を作動させる、ように構成された電気回路(72)と、
を備える、エアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項2】
-前記ケース(14;114)は、前記可動部(52;152)が前記閉鎖位置にあるときに閉鎖され、
-前記ケース(14;114)は、前記可動部(52;152)が前記開放位置にあるときに開放されて、前記エアロゾル発生装置(12;112)が前記キャビティ(54;154)内に入れられるか又はそこから取り出されることが可能である、
請求項1に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項3】
前記可動部(52;152)は、前記ケース(14;114)へのアクセス蓋を形成している、請求項2に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項4】
前記トリガイベントは、前記ケース(14;114)の手動開口又はユーザによるボタン(77)の作動からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項5】
前記ケース(14;114)は、前記エアロゾル発生装置(12;112)が前記キャビティ(54;154)内に受容されると前記エアロゾル発生装置(12;112)を充電するように構成された充電ケースである、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項6】
前記磁気要素(45,95;145,195)の一方は、永久磁石であり、他方は、前記電気回路(72)に接続され、且つ前記永久磁石に反発する磁場を発生させるように構成されたコイルである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項7】
前記永久磁石は、前記装置磁気要素(45;145)によって形成され、前記コイルは、前記ケース磁気要素(95;195)によって形成されている、請求項6に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項8】
前記装置本体(21;121)は、装置軸に沿って延び、前記永久磁石は、前記装置軸の周りに延びている、請求項7に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項9】
前記電気回路(72)は、前記ケース(14;114)内に統合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項10】
前記装置磁気要素(45;145)は、前記本体端部(22,24;122,124)の1つに、好ましくは、前記エアロゾル発生装置(12;112)を使用中のユーザにより保持されるように設計された本体端部(22;122)内に統合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項11】
-前記エアロゾル発生装置(112)は、前記装置磁気要素(145)を統合する前記本体端部(122)とは反対側の前記本体端部(124)内に統合された装置保持要素(146)を更に備え、
-前記ケース(114)は、前記エアロゾル発生装置(112)が前記キャビティ(154)内に受容されると前記装置保持要素(146)に面して配置され、且つこの保持要素との協働により前記装置保持要素(146)を統合する前記本体端部(124)を保持するよう構成された、ケース保持要素(196)を更に備える、
請求項10に記載のエアロゾル発生セット(110)。
【請求項12】
各保持要素(146;196)は、永久磁石によって形成され、前記磁石は、互いに引きつけあうように配置されている、請求項11に記載のエアロゾル発生セット(110)。
【請求項13】
前記電気回路(72)は、前記可動部(52;152)が前記開放位置にある限り、前記磁気要素(45,95;145,195)間の前記磁気相互作用を維持するように更に構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項14】
前記電気回路(72)は、前記可動部(52;152)が前記閉鎖位置にあるときに、前記磁気要素(45,95;145,195)間の前記磁気相互作用を非作動させるように更に構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生セット(10;110)の動作方法であって、
-前記トリガイベントを検出するステップと、
-前記磁気要素(45,95;145,195)間の磁気相互作用を作動させて、前記キャビティ(52;152)から少なくとも1つの本体端部(22,24;122,124)を押し出すステップと、
を含む、動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の磁気要素を備えるエアロゾル発生セットに関する。本発明によるエアロゾル発生セットは、エアロゾル発生装置と、そのような装置を受容するように構成されたケースと、を更に備える。
【0002】
本発明はまた、そのようなエアロゾル発生セットに関連する動作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
異なるタイプのエアロゾル発生装置が当該技術分野において既に知られている。一般に、かかる装置は、例えば液体又は固体を含むことができる気化性材料を貯蔵するための貯蔵部を備える。加熱システムは、気化性材料を加熱してエアロゾルを発生させるよう配置された1つ以上の電気作動抵抗性加熱要素から形成される。エアロゾルは、装置の入口と出口との間に延びる流路内に放出される。出口は、エアロゾルを送出するためにユーザが吸入するマウスピースとして配置され得る。
【0004】
いくつかのエアロゾル発生装置では、気化性材料は、取り外し可能なカートリッジ内に貯蔵される。したがって、気化性材料が消費されると、カートリッジを容易に取り外して交換することができる。取り外し可能なカートリッジを装置本体に取り付けるために、例えば、ねじ込み接続を使用することができる。
【0005】
いくつかのエアロゾル発生装置は、ケース内に収納されるように構成される。そのようなケースは、最終的に取り外し可能なカートリッジを備えたエアロゾル発生装置を受容するように適合されてもよい。これにより、装置の携帯を簡素化し、例えば、衝撃に対して装置を保護することができる。いくつかのケースはまた、カートリッジ内に含まれる気化性材料の漏れを防止することができる。
【0006】
いくつかの例によれば、ケースは、例えば外部電源が利用可能でないときにエアロゾル発生装置のバッテリを再充電することができる充電式バッテリを備えることができる。いくつかの他の例によれば、ケースは、外部電源への装置電力接続及び/又は外部装置との装置データ接続を可能にすることができる。
【0007】
このように、ケースは、エアロゾル発生装置のユーザにとって重要なオブジェクトを提示することができ、そのUXデザイン(「ユーザ体験デザイン」)は、常に改善されなければならない。特に、エアロゾル発生装置を使用するまでのケースの操作が容易であることが、大部分のユーザにとって不可欠である。例えば、一部のユーザは、片手でケース及びエアロゾル発生装置を操作することができるように期待する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的の1つは、エアロゾル発生セットのUXデザインを改善して、ユーザが操作しやすいようにすることである。
【0009】
この目的のために、本発明は、エアロゾル発生セットに関し、エアロゾル発生セットは、
-2つの本体端部間に延びる装置本体を画定するエアロゾル発生装置であって、装置本体が装置磁気要素を備える、エアロゾル発生装置と、
-エアロゾル発生装置を受容することができるキャビティ、及びトリガイベントに応じて閉鎖位置から開放位置に移動可能な可動部を画定するケースであって、エアロゾル発生装置がキャビティ内に受容されると装置磁気要素に面して配置されるケース磁気要素を備える、ケースと、
-トリガイベントを検出し、且つその検出時に、エアロゾル発生装置がキャビティ内に受容されるとキャビティから少なくとも1つの本体端部を押し出すように磁気要素間の磁気相互作用を作動させる、ように構成された電気回路と、
を備える。
【0010】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置を含むケースは、簡単に操作することができる。例えば、ユーザがエアロゾル発生装置を使用しようとしているときに、エアロゾル発生装置をケースから容易に取り出すことができる。更に、この取り出しは、片手だけで行うことができる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、ケースは、可動部が閉鎖位置にあるときに閉鎖され、ケースは、可動部が開放位置にあるときに開放されて、エアロゾル発生装置がキャビティ内に入れられるか又はそこから取り出されることが可能である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、可動部は、ケースのアクセス蓋を形成する。
【0013】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置は、閉鎖位置でケース内部に収納された後、ケースから容易に取り外すことができる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、トリガイベントは、ケースの手動開口又はユーザによるボタンの作動からなる。
【0015】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置は、その開放時にケースから取り外すことができる。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、ケースは、エアロゾル発生装置がキャビティ内に受容されるとエアロゾル発生装置を充電するように構成された充電ケースである。
【0017】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置は、ケースに収納されている間に充電することができる。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、磁気要素の一方は、永久磁石であり、他方は、電気回路に接続され、且つ永久磁石に反発する磁場を発生させるように構成されたコイルである。
【0019】
これらの特徴により、両方の磁気要素間の磁気相互作用を容易に行うことができる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、永久磁石は、装置磁気要素によって形成され、コイルは、ケース磁気要素によって形成される。
【0021】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置をキャビティから取り出すための電源が不要である。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、装置本体は、装置軸に沿って延び、永久磁石は、装置軸の周りに延びる。
【0023】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置は、装置軸に関する任意の向きに従ってケース内に収納され得る。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、電気回路は、ケース内に統合される。
【0025】
これらの特徴により、装置の設計及び装置の内部構成要素は、ケースからの簡単な取り出しを行うために特別に適合させる必要はない。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、装置磁気要素は、本体端部の1つに、好ましくは、エアロゾル発生装置を使用中のユーザにより保持されるように設計された本体端部内に統合される。
【0027】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置は、ユーザが容易に取ることができ、すぐに使用できる状態にすることができる。したがって、装置の取り出し及びその使用は、使用者の同じ手によって行うことができる。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、エアロゾル発生装置は、装置磁気要素を統合する本体端部とは反対側の本体端部内に統合された装置保持要素を更に備え、ケースは、エアロゾル発生装置がキャビティ内に受容されると装置保持要素に面して配置され、且つこの保持要素との協働により装置保持要素を統合する本体端部を保持するよう構成された、ケース保持要素を更に備える。
【0029】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置は、トリガイベント後、安定した位置にあることができる。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、各保持要素は、永久磁石によって形成され、磁石は、互いに引きつけあうように配置されている。
【0031】
これらの特徴により、保持要素を簡単な方法で実装することができる。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、電気回路は、可動部が開放位置にある限り、磁気要素間の磁気相互作用を維持するように更に構成される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、電気回路は、可動部が閉鎖位置にあるときに、磁気要素間の磁気相互作用を非作動させるように更に構成される。
【0034】
これらの特徴により、エアロゾル発生装置をケースから取り出す必要性がある場合にのみ、磁気要素間の磁気相互作用を作動させることが可能である。
【0035】
本発明はまた、上記で定義されたエアロゾル発生セットの動作方法に関し、方法は、以下のステップ、すなわち、
-トリガイベントを検出することと、
-磁気要素間の磁気相互作用を作動させて、キャビティから少なくとも1つの本体端部を押し出すことと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明及びその利点は、非限定的な例としてのみ挙げられ、且つ添付の図面を参照して記述される以下の説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【0037】
図1】本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生セットの概略斜視図であり、エアロゾル発生セットは、ケースと、ケース内に受容されたエアロゾル発生装置と、を備える。
図2図1のエアロゾル発生装置の正面図である。
図3図1のケースの正面図である。
図4図1のケースの開放位置及び閉鎖位置を示す概略図である。
図5】本発明の第1の実施形態による、図1のエアロゾル発生セットの動作を説明する概略図である。
図6】本発明の第2の実施形態による、エアロゾル発生セットに含まれるエアロゾル発生装置の概略正面図である。
図7】本発明の第2の実施形態による、エアロゾル発生セットに含まれるケースの概略正面図である。
図8図7のケースを開放状態及び閉鎖状態で示す概略斜視図である。
図9】本発明の第2の実施形態による、エアロゾル発生セットの動作を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載される構造の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示の利益を有する当業者には、本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行できることが明らかであろう。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生装置」又は「装置」は、エアロゾル発生ユニット(例えば、ユーザが吸入するための、例えばマウスピースにおいて装置の出口に送達される前に、エアロゾルに凝縮する蒸気を生成するエアロゾル発生要素)によって、蒸気吸入用のエアロゾルを含むエアロゾルをユーザに送達するための蒸気吸入装置を含み得る。装置は、可搬であり得る。「可搬」は、ユーザが保持して使用する装置を指し得る。装置は、例えば、可変の時間量にわたってヒータシステムを作動させることにより、(定量のエアロゾルとは対照的に)可変量のエアロゾルを生成するように適合されてもよく、その生成はトリガにより制御できる。トリガは、蒸気吸入ボタン及び/又は吸入センサなど、ユーザが作動させることができるものであり得る。吸入センサは、吸入強度並びに吸入持続時間に対する感度が高いものであってもよく、(たばこ、葉巻、又はパイプ等のような従来の可燃性喫煙物品の喫煙効果を模倣するように)可変量の蒸気を提供することを可能にしてもよい。装置は、ヒータ及び/又は加熱されたエアロゾル発生物質(エアロゾル前駆体)の温度を特定の目標温度まで駆動し、その後、その温度をエアロゾルの効率的な生成を可能にする目標温度にて維持するための温度調節制御部を含んでもよい。
【0040】
本明細書中で使用される場合、用語「エアロゾル」は、固体粒子、液滴、気体の1つ以上の気化性物質の懸濁液を含んでいてもよい。懸濁液は、空気を含む気体の状態であってもよい。本明細書のエアロゾルは、一般に、蒸気を指し得る/含み得る。エアロゾルは、気化性材料の1つ以上の成分を含んでいてもよい。
【0041】
本明細書中で使用される場合、用語「気化性材料」若しくは「前駆体」又は「エアロゾル形成物質」若しくは「物質」とは、エアロゾルを形成するよう空気中で気化可能な任意の材料を指定するために用いられる。気化は、一般に、400℃未満、好ましくは350℃までの温度等の気化性材料の沸点までの温度上昇によって得られる。気化性材料は、例えば、エアロゾル発生液、ゲル、ワックス、又は発泡体等、ロッドの形態であってもよく、処理されたたばこ材料、再構成たばこ(RTB)の圧着シート若しくは配向ストリップ、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル発生固体を含むか、又はそれらからなっていてもよい。気化性材料は、ニコチン、カフェイン、又は他の有効成分の1つ以上を含んでいてもよい。有効成分は、液体であってもよい担体で運ばれてもよい。担体は、プロピレングリコール又はグリセリンを含んでいてもよい。香料も含まれてもよい。香料は、エチルバニリン(バニラ)、メントール、酢酸イソアミル(バナナ油)、又は類似物を含んでいてもよい。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「外部装置」は、本明細書で説明するように、エアロゾル発生装置との無線データ接続を確立することができる装置を指す場合がある。そのような外部装置は、例えば、携帯電話のようなモバイル装置であってもよい。加えて、そのような外部装置は、エアロゾル発生装置から受信した、又はエアロゾル発生装置に送信することが意図された、少なくともいくつかのデータを処理することができるスマート装置であってもよい。そのようなスマート装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、又は例えばIoT(「モノのインターネット」)技術に従って実装された任意の他のスマートオブジェクトであってもよい。そのようなスマート装置はまた、エアロゾル発生装置と同様の別のエアロゾル発生装置であってもよい。
【0043】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生セット10は、エアロゾル発生装置12と、エアロゾル発生装置12を収納するように構成されたケース14と、を備える。
【0044】
エアロゾル発生装置12は、図2に、より詳細に示されている。この図2を参照すると、エアロゾル発生装置12は、装置軸Xに沿ってバッテリ端部22とマウスピース端部24との間に延びる装置本体21を備える。装置本体21は、例えば円形、楕円形、又は長方形の断面を有する円筒形状を形成することができる。装置本体21は、装置軸Xに沿って延びる側壁25を更に画定する。装置本体21の断面形状に応じて、側壁25は、1つ又はいくつかの外面によって形成することができる。
【0045】
マウスピース端部24は、例えば、ユーザの口と協働することを意図されたマウスピース(図2には示されていない)を含む。バッテリ端部22は、例えば、装置12が蒸気を発生させるために使用されている間、ユーザが装置12を保持するように使用可能である。特に、バッテリ端部21は、ユーザがエアロゾル発生装置12を使用している間に保持されるように、適切な人間工学的形状を形成することができる。
【0046】
図2を参照すると、装置本体21は、気化性材料を貯蔵するように設計された貯蔵部26を画定する。特に、本発明の一実施形態によれば、この貯蔵部26は、気化性材料を貯蔵するように設計された、取り外し可能なカートリッジを受容するように設計される。したがって、この実施形態によれば、カートリッジは、貯蔵部26内に受容することができ、気化性材料が使い果たされると、別のカートリッジと交換することができる。場合によっては、カートリッジは、マウスピースを画定し、且つ装置12のマウスピース端部24を少なくとも部分的に形成することができる。本発明の別の実施形態によれば、貯蔵部26は、例えば適切な開口部を通して、気化性材料を直接充填されるように設計される。この場合、気化性材料が使い果たされると、貯蔵部26は、気化性材料によって再充填することができる。
【0047】
装置本体21は、エアロゾル発生装置12の内部部分を区画し、この内部には、例えば、装置12に電力供給するように設計された電力ブロック32と、貯蔵部26内に含まれる気化性材料を加熱するように設計された加熱装置34と、エアロゾル発生装置12の動作を制御するように設計されたコントローラ36と、を含む。装置本体21は、当該技術分野で知られている装置の様々な機能を実行する他の内部構成要素を更に含んでもよい。
【0048】
図2は、エアロゾル発生装置12の様々な構成要素の概略図のみを提示し、必ずしもこれら構成要素の実際の物理的配置及び寸法を示すわけではないことに留意すべきである。特に、そのような配置は、エアロゾル発生装置12の設計及びその構成要素の技術的特徴に従って選択され得る。
【0049】
電力ブロック32は、バッテリ及びバッテリ充電器を含む。バッテリは、例えば、外部電源により提供される電源を使用して充電され、且つ所定の電圧の直流電流DCを供給するように設計された、既知のバッテリである。バッテリ充電器は、バッテリを外部電源に接続し、例えば所定の充電プロファイルに従って外部電源からバッテリに送出される電力を制御することができる。そのような充電プロファイルは、例えば、その充電レベルに応じて、バッテリの充電電圧を画定することができる。
【0050】
バッテリを外部電源に接続するために、本発明の一実施形態によれば、バッテリ充電器は、図2に示される電力コネクタ40を含む。電力コネクタ40は、任意の既知のコネクタに対応することができ、装置軸Xに実質的に垂直な装置本体21の側壁上に配置され、且つ装置本体21のバッテリ端部22上に配置され得る。特に、電力コネクタ40は、この側壁から突出することができ、又はこの側壁内に凹むことができる。他の実施形態によれば、電力コネクタ40は、例えば装置本体21の側壁25上のような、任意の他の壁上に配置されてもよい。有利には、電力コネクタ40は、外部コネクタとの接続及び/又は外部コネクタからの切断を容易にする任意の適切な手段を備えることができる。そのような手段は、磁気要素によって形成することができる。有利には、電力コネクタ40は、外部コネクタの内部に係合されることなく、且つこの外部コネクタの少なくとも一部を受容することなく、外部コネクタに接続されるように構成される。この場合、コネクタ間の接続は、両コネクタの接触面の協働により行われてもよい。接続を維持して、信頼性を高めるために、適切な押圧手段を使用して、少なくとも一方のコネクタを他方のコネクタに向かって押圧することができる。そのような押圧手段は、エアロゾル発生装置12及び/又はケース14に統合することができる。有利には、以下に更に詳細に説明するように、押圧手段の動作は、トリガイベントに応じて更に非作動させることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ40は、例えばデータ伝送目的のような、充電目的以外の目的で使用することができる。この場合、コントローラ36に直接接続することができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によれば、バッテリ充電器はまた、それ自体が既知であるように、例えば一対のコイル間の磁気協働を使用して、装置12のバッテリを無線で充電するように適合させてもよい。この場合、電力コネクタ40は、先に説明したように設けられてもよく、又は例えばデータ伝送目的のような、他の目的にのみ使用されてもよい。更に別の実施例によれば、エアロゾル発生装置12にはコネクタが設けられていない。
【0052】
加熱システム34は、コントローラ36を通して電力ブロック32に接続される。当該技術分野で知られている様々なタイプの構成要素は、加熱システム34を形成することができる。したがって、本発明の一実施形態によれば、加熱システム34は、貯蔵部26内に配置されたウィックと、ウィックの周囲に配置され、且つコントローラ36を通して電力ブロック32に接続された加熱要素と、を備えることができる。この場合、気化性材料は、加熱要素によって加熱されている間にウィックを通過することによって気化され得る。本発明の別の実施形態によれば、加熱システム34は、一対の加熱プレートを備えてもよい。この場合、一方の加熱プレートを貯蔵部26内に配置し、他方の加熱プレートを、この加熱プレートに接触させて配置し、且つ電力ブロック32に接続することができる。本発明の更に別の実施形態によれば、加熱システム34は、貯蔵部26内に配置されたサセプタと、貯蔵部26の周囲に配置されたコイルとを備えてもよい。
【0053】
コントローラ36は、エアロゾル発生装置12の動作を制御することができる。特に、コントローラ36は、気化性材料から蒸気を発生させるために、装置の加熱システム34に電力供給するように構成される。コントローラ36は、蒸気吸入ボタンを介してユーザによって、又は例えばエアロゾル発生装置12の空気流路内に配置された圧力センサによる、ユーザパフの検出に応じて作動され得る。コントローラ36は、それ自体が既知の装置12の任意の他の機能を実行することができる。そのような機能は、例えば、装置12の外部装置との通信能力、メンテナンス能力、分析能力などに関係し得る。
【0054】
本発明によれば、エアロゾル発生装置12は、以下に更に詳細に説明するように、ケース磁気要素と協働するように設計された装置磁気要素45を更に備える。
【0055】
図3の例によれば、装置磁気要素45は、バッテリ端部22上に配置されている。本発明の別の実施形態によれば、装置磁気要素45は、エアロゾル発生装置12の他の任意の場所に配置される。特に、本発明のいくつかの実施形態によれば、装置磁気要素45は、マウスピース端部24上、又はバッテリ端部22とマウスピース端部22との間の任意の他の場所に配置されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、装置磁気要素45は、装置本体21の内部部分に配置されてもよい。この場合、ケース磁気要素と相互作用できるように、エアロゾル発生装置12の側壁25の内面に隣接して配置することができる。本発明の他の実施形態によれば、装置磁気要素45は、装置本体21の外部に配置される。この場合、装置磁気要素21は、例えば側壁25から突出するか、又は側壁25の外面と滑らかな表面を形成することができる。
【0057】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置磁気要素45は、永久磁石によって形成される。磁石の形状は、装置本体21の形状に応じて適合させることができる。例えば、装置本体21が円筒形状を形成する場合、永久磁石は、同じ円筒形状を形成することができる。この場合、永久磁石は、同じ極性を有する外面と、また外面の極性とは反対である同じ極性を有する内面と、を形成することができる。例えば、外面の極性は、磁石のN極に対応し、内面の極性は、そのS極に対応することができる。この実施形態によれば、永久磁石は、装置軸Xの周りに配置することができる。この場合、この磁石の外面は、側壁25の内面に隣接するか、又は側壁25の外面と滑らかな表面を形成するか、又は側壁25から突出する。したがって、装置磁気要素45は、装置本体21の向き(すなわち、円形断面形状の場合には半径方向の向き)とは無関係にケース磁気要素と相互作用することができる。
【0058】
本発明の更に別の実施形態によれば、装置磁気要素45は、任意の他の適切な構成要素によって形成することができる。例えば、装置磁気要素45は、例えば装置本体21の電力ブロック32によって電力供給されると磁場を形成することができる、コイルによって形成され得る。
【0059】
ここで、このケース14を、特に図3を参照して説明する。したがって、この図3によれば、ケース14は、固定部51と、可動部52とを含む。
【0060】
固定部51は、例えば、ユーザがケース14から装置12を取り出すことを望むときに、ユーザにより保持されるように設計されている。固定部51は、キャビティ軸Yに沿って延びるキャビティ54を画定する。キャビティ54は、図1に示されるように、装置軸Xがキャビティ軸Yと共存するように、エアロゾル発生装置12を少なくとも部分的に受容するよう適合されている。特に、図3を再び参照すると、キャビティ54は、第1の端部62と第2の端部64との間でキャビティ軸Yに沿って延びている。第1の端部62及び第2の端部64は、エアロゾル発生装置12のバッテリ端部22及びマウスピース端部24を丁重に受容するように適合されている。この目的のために、図の実施形態では、キャビティ54の第1の端部62は、上述したように、エアロゾル発生装置12のコネクタ40と協働するように構成されたコネクタ70を含み得る。コネクタ40の性質に応じて、ケース14のコネクタ70は、装置12に電力を伝送するように、又はこの装置12にデータを送信するように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ54の第1の端部62は、エアロゾル発生装置12がキャビティ54内に受容されるとマウスピースからの漏れを防止する、フォーム又は任意の他の適切な材料を含んでもよい。
【0061】
ケース14の固定部51は、特に電気回路72を含むケースの内部部分を画定する。いくつかの実施形態では、電気回路72は、エアロゾル発生装置12に電力供給を行うことができる充電回路を含む。この目的のために、充電回路は、充電可能なバッテリと、エアロゾル発生装置12のバッテリを無線で及び/又はコネクタ40、70を介して充電することができる充電器と、を含んでもよい。充電回路は、この回路内に含まれるバッテリ及び/又は充電器を外部電源に接続することを可能にする、電気接続手段を更に含んでもよい。例えば、充電回路は、この目的のために、外部コネクタ73を画定することができる。この外部コネクタ73は、例えば、ケース14の固定部51の外面上に配置される。いくつかの例によれば、外部コネクタ73は、ケース14上の可動部52上に配置される。いくつかの実施形態では、充電回路は、バッテリなしで設けられる。この場合、エアロゾル発生装置12のバッテリを電源から直接充電することができる。
【0062】
本発明によれば、電気回路72は、以下に更に詳細に説明するように、ケース14の反発能力を実装することができる制御モジュール75を更に含む。
【0063】
ケース14の可動部52は、例えば、ケース14のアクセス蓋によって形成される。したがって、可動部52は、ケース14の固定部51にヒンジ止めすることができる。本発明の他の例によれば、可動部52は、任意の他の適切な手段を使用して固定部51に取り付け可能であってもよい。可動部52は、可動部52がケース14へのアクセスを閉鎖する閉鎖位置と、装置12をケース内に、特にキャビティ54内に入れることができ、又はそこから取り出すことができる開放位置との間で移動可能である。特に、閉鎖位置において、可動部52は、エアロゾル発生装置12がキャビティ54内に受容されるとその少なくとも一部を覆うことができる。いくつかの実施形態では、可動部52はまた、固定部のキャビティ54に受容されないエアロゾル発生装置12の部分を受容するように構成されたキャビティを画定することができる。言い換えれば、この場合、固定部51及び可動部52の両方のキャビティは、可動部52が閉鎖位置にあるときにエアロゾル発生装置12を完全に受容するように設計されている。
【0064】
可動部52は、トリガイベントに応じて閉鎖位置から開放位置に移動される。トリガイベントは、ユーザによる可動部52の手動作動からなる場合がある。手動作動は、例えば、固定部51の対応する末端から可動部52の少なくとも1つの末端を引っ張ることからなる場合がある。
【0065】
本発明の他の例によれば、トリガイベントは、ユーザによるボタンの作動からなる場合がある。この場合、ケース14は、例えば、ケースの固定部51上に配置されたボタン77を含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、ボタン77は、ケース14の可動部52上に配置されるか、又はケース14の可動部52と固定部51の間で共有される。ボタン77は、例えば、ボタン77が作動されると、可動部52を開放位置に移動させるように構成された付勢手段に接続されてもよい。付勢手段には、例えば、可動部52が固定部51にヒンジ止めされているときにケース14のヒンジを作動させることができる、ばね、又は他の任意の弾性要素が含まれ得る。
【0066】
別の実施例によれば、トリガイベントは、電気回路72によって検出され得る任意の他のイベントからなる場合がある。例えば、トリガイベントは、ケース14の電気回路72に接続された外部装置から特別なコマンドを受信することからなる場合がある。別の実施形態によれば、外部装置は、装置12に直接接続されてもよい。この場合、装置12又はケース14が外部装置から対応するコマンドを受信すると、付勢手段を作動させて可動部52を開放位置に移動させることができる。
【0067】
本発明によれば、ケース14は、トリガイベントに応じてキャビティ54からエアロゾル発生装置12を反発させるために装置磁気要素45と相互作用するように構成されたケース磁気要素95を更に含む。特に、図3によれば、ケース磁気要素95は、装置12がキャビティ54に受容されると装置磁気要素45に面して配置される。したがって、図2及び図3の例によれば、ケース磁気要素95は、キャビティ54の第1の端部62に隣接して配置されてもよい。有利には、ケース磁気要素95は、ケース14の固定部51の内部部分に配置され、且つキャビティ54を区画する壁を通して装置磁気要素45と相互作用することができる。
【0068】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置磁気要素95は、ケース軸Yに垂直な軸(以下コイル軸Zと呼ばれる)に沿って配置されたコイルを表す。コイルは、電気回路72に、特にその動作を制御することができる制御モジュール75に接続されている。特に、制御要素75は、コイル軸Zに沿ってコイル95の内部に磁場を形成するようにコイルに電力供給することができる。コイル軸Zに沿った磁場は、装置磁気要素45が永久磁石によって形成されているときに、装置磁気要素45の外面と同じ極性を有する。特に、図5に示されるように、コイルは、制御モジュール75によって電力供給されて、コイル軸Zに沿って装置磁気要素45を反発させる磁場を形成する。この例では、磁場はしたがって、N極を有する。
【0069】
本発明によれば、ケース14の制御モジュール75は、可動部52を開放位置に移動させるトリガイベントを検出することができる。この目的のために、制御モジュール75は、例えば、ケースの可動部52の開放位置を検出することができる検出器、又は、例えば、ユーザにより作動されると特別な信号を送信することができるボタン77に接続される。この検出に加えて、制御モジュール75は、装置磁気要素45を反発させるようにケース磁気要素95に電力供給することができる。場合によっては、制御モジュール75は、所定のプロファイルに従って、装置磁気要素45を反発させるようにケース磁気要素95に電力供給することができる。例えば、このプロファイルに従って、コイルは、トリガイベントの検出後に遅延を伴って電力供給されてもよい。この遅延は、可動部52が全開放位置内に通過するのに必要な時間に対応してもよい。プロファイルはまた、例えば、反発の速度を適応させるために、コイルに送出される電力を変化させ、したがって、ユーザに対して特定の視覚効果を達成することができる。いくつかの実施形態では、制御モジュール75は、可動部52が開放位置にある限り、ケース磁気要素45に電力供給するように構成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、制御モジュール75は、所定の時間間隔の間、又はエアロゾル発生装置12がキャビティ54内に部分的に受容されている限り、ケース磁気要素45に電力供給するように構成される。この最後の場合、制御モジュール75は、キャビティ54からの装置の取り出しを検出する手段に関連付けられてもよい。
【0070】
別の実施形態によれば、ケース磁気要素95は、永久磁石によって形成することができ、装置磁気要素45は、コイルによって形成される。この場合、装置のコントローラ36は、例えば、トリガイベントに応じて装置のバッテリによってこのコイルに電力供給することができる。更に別の実施形態によれば、ケース磁気要素95及び装置磁気要素45の両方が、互いに反発するための適切な方法で電力供給され得るコイルによって形成される。
【0071】
ここで、エアロゾル発生装置セット10の動作方法について、図4を参照して説明する。
【0072】
エアロゾル発生装置12は、ケース14内、特にキャビティ54内に受容されることが最初に考慮される。可動部52は、図4の上部に示されるように、閉鎖位置にある。ユーザがエアロゾル発生装置12をケース14から取り出すことを望む場合、ユーザは、例えばボタン77を作動させることによって、及び/又は可動部52を手動で引くことによって、トリガイベントを引き起こすことができる。このトリガイベントは、可動部52の開放をもたらす。トリガイベントは制御モジュール75によって検出され、これにより、ケース磁気要素95と装置磁気要素45との間の磁気相互作用を作動させる。この磁気相互作用により、装置のバッテリ端部22がキャビティ54から反発する。キャビティ54に対する装置12のこの位置は、図4の下部に示されている。このようにして、ユーザは、バッテリ端部22によりエアロゾル発生装置12を保持することによって、エアロゾル発生装置12を手にし、例えばパフを行うことによってその使用を開始することができる。
【0073】
本発明の第2の実施形態
ここで、本発明の第2の実施形態によるエアロゾル発生セット110を、図6図9を参照して説明する。以前の場合と同様に、エアロゾル発生セット110は、エアロゾル発生装置112と、エアロゾル発生装置112を受容するように構成されたケース114と、を備える。
【0074】
本発明の第2の実施形態によるエアロゾル発生装置112は、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生装置12と同様である。特に、このエアロゾル発生装置112は、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生装置12と同じ内部要素を備える。これらの内部要素については、以下で更に詳しく説明しない。
【0075】
以前の場合と同様に、本発明の第2の実施形態によるエアロゾル発生装置112は、図6に示されるように、バッテリ端部122とマウスピース端部124との間で装置軸Xに沿って延びている。バッテリ端部122は、例えば上記で説明した装置磁気要素45と同様である装置磁気要素145を受容する。特に、以前の場合と同様に、装置磁気要素145は、装置軸Xの周りに配置された永久磁石によって形成されてもよい。
【0076】
本発明の第2の実施形態によれば、エアロゾル発生装置112は、図6に示されるように、例えばマウスピース端部124上に配置された装置保持要素146を更に備える。装置保持要素146は、装置磁気要素145と同様であってもよい。特に、この装置保持要素146はまた、装置軸Xの周りに延びる永久磁石によって形成されてもよい。この永久磁石146はまた、同じ極性の外面、及び外面の極性とは反対の同じ極性の内面を画定する。例えば、外面の極性は、N極に対応することができる。装置磁気要素145と同様に、装置保持要素146は、装置本体121を区画する側壁と隣接して配置されてもよく、又は側壁に統合されてもよく、又はこの側壁から突出してもよい。
【0077】
本発明の第2の実施形態によるケース114はまた、本発明の第1の実施形態によるケース14と同様である。特に、図7に示されるように、本発明の第2の実施の形態によるケース114は、固定部151及び可動部152を含む。以前の場合と同様に、可動部152は、固定部151にヒンジ止めされてもよく、又は他の任意の適切な手段を使用してこの固定部151に取り付けられてもよい。本発明の第2の実施形態によるケース114はまた、本発明の第1の実施形態を参照して説明したように、固定部151の内部部分に配置され、且つ装置磁気要素145と相互作用してエアロゾル発生装置112をケースから反発させることができる、ケース磁気要素195を備える。
【0078】
本発明の第2の実施形態によれば、ケース114は、装置保持要素146と相互作用して対応する装置端部をケース114のキャビティ内に保持することができる、ケース保持要素196を更に備える。ケース保持要素196は、例えば、エアロゾル発生装置112においてケース114のキャビティ内に受容されると装置保持要素146に面して配置される永久磁石によって形成されてもよい。特に、装置保持要素146は、装置保持要素146を形成する磁石の外面に面するその末端が反対の極性を有するような方法で配置される。言い換えれば、ケース保持要素196は、装置保持要素146を引きつけるように配置される。そのような位置では、図9に示されるように、ケース保持要素196は、装置の対応する端部をキャビティ内に保持するように装置磁気要素146を引きつけることができる。図9の例では、ケース保持要素196を形成する磁石は、そのS極が装置保持要素146を形成する磁石の外面に面するように配置される。
【0079】
いくつかの他の実施形態では、ケース保持要素196は、装置保持要素146を引きつけることができる電気コイルのような任意の他の磁気要素によって形成されてもよい。同様に、装置磁気要素146はまた、トリガイベントの検出時に電力供給されるコイルによって形成されてもよい。
【0080】
本発明の第2の実施形態によるエアロゾル発生セット110の動作は、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生セット10の動作と同様である。特に、以前の場合と同様に、トリガイベントが検出されると、ケース磁気要素195は、装置磁気要素145を反発させることができる。これにより、図8の下部に示されるように、装置のバッテリ端部がキャビティ154から押し出される。しかしながら、この場合でも、エアロゾル発生装置112のマウスピース端部は、図8にも示されるように、保持要素146及び196の磁気的な協働によってキャビティ154内に依然として保持することができる。これにより、エアロゾル発生装置112をそのような位置で安定化させて、その落下を防止することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】