(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】多色撮像のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6869 20180101AFI20231228BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20231228BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537553
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2021064423
(87)【国際公開番号】W WO2022140291
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523090010
【氏名又は名称】シンギュラー・ゲノミクス・システムズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トリントチョーク,フィードル
(72)【発明者】
【氏名】グレーザー,エリ・エヌ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA23
4B029FA12
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ42
4B063QR55
4B063QS32
4B063QX02
(57)【要約】
態様では、撮像システムが提供される。非限定的な例示的実施形態では、撮像システムは、複数のセンサアレイ(例えば、2つ又は4つの独立した時間遅延積分[TDI]センサアレイ)と、試料を照射する2つの光源(例えば、2つのレーザ)と、各光源からの1つの励起ビームを試料に向ける第1の光学系と、試料からの蛍光放射を各センサアレイに向ける第2の光学系と、を含む。実施形態では、蛍光放射がセンサアレイに衝突すると、空中画像が形成される。空中画像は、センサの平面内の放射によって形成される画像である。実施形態では、空中画像及びその動きは、試料ステージと同期される。実施形態では、蛍光放射によってセンサ内で生成された電荷は、センサアレイにわたって進行し、センサアレイの1つの行から次の行への電荷の移行は、ステージの動きと同期される。実施形態では、画像が各センサアレイ上をスイープするにつれて(すなわち、試料がスキャンされるとき)、センサアレイの1つ以上のピクセルが電荷を収集する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムであって、
試料ステージ速度で移動する試料ステージであって、前記試料ステージが、第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアを含む試料を備える、試料ステージと、
第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、
第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、
第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、前記第1の励起ビームと前記第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、前記第2の励起ビームと前記第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成され、前記第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、前記第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、
前記第1の蛍光放射を前記第1のセンサアレイに、前記第2の蛍光放射を前記第2のセンサアレイに、前記第3の蛍光放射を前記第3のセンサアレイに、前記第4の蛍光放射を前記第4のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムであって、前記第1の蛍光放射が、前記第1のセンサアレイに衝突し、前記第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成し、前記第2の蛍光放射が、前記第2のセンサアレイに衝突し、前記第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成し、前記第3の蛍光放射が、前記第3のセンサアレイに衝突し、前記第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成し、前記第4の蛍光放射が、前記第4のセンサアレイに衝突し、前記第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成する、第2の光学システムと、を備え、
前記第1の電荷、前記第2の電荷、前記第3の電荷、及び前記第4の電荷の前記移行が、前記試料ステージ速度と同期される、撮像システム。
【請求項2】
前記第1の光学システムが、前記第1の励起ビームを前記試料の第1の領域に向け、前記第2の励起ビームを前記試料の第2の領域に向けるように構成されており、前記第1の領域及び前記第2の領域が、約10μm~約500μm分離されている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記第2の光学システムが、前記第1のセンサアレイに向かって前記第1の蛍光放射を反射し、前記第3のセンサアレイに向かって前記第3の蛍光放射を反射するように構成された第1の表面と、
前記第2のセンサアレイに向かって前記第2の蛍光放射を反射し、前記第4のセンサアレイに向かって前記第4の蛍光放射を反射するように構成された第2の表面と、を含む第1の光学素子を備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記第2の光学システムが、前記第1の光学素子から下流にあり、前記第1の蛍光放射、前記第2の蛍光放射、前記第3の蛍光放射、及び前記第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2の光学素子を備える、請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記第2の光学システムが、前記第1の蛍光放射、前記第2の蛍光放射、前記第3の蛍光放射、及び前記第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成されたバンドパスフィルタを備える、請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
検出カメラが、前記第1のセンサアレイ、前記第2のセンサアレイ、前記第3のセンサアレイ、及び前記第4のセンサアレイを含む、請求項5に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記第1の光学素子が、ダイクロイックウェッジである、請求項3に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記第2の光学システムが、前記第1のセンサアレイに向かって前記第1の蛍光放射を反射し、前記第3のセンサアレイに向かって前記第3の蛍光放射を反射し、かつ
前記第2のセンサアレイに向かって前記第2の蛍光放射を透過し、前記第4のセンサアレイに向かって前記第4の蛍光放射を透過するように構成された第1の光学素子を備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記第2の光学システムが、
前記第1の光学素子から下流にあり、前記第1の蛍光放射及び前記第3の蛍光放射を集束させるように構成された第1のレンズと、
第1の光学素子から下流にあり、前記第2の蛍光放射及び前記第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2のレンズと、を備える、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記第2の光学システムが、
前記第1の蛍光放射及び前記第3の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第1のバンドパスフィルタと、
前記第2の蛍光放射及び前記第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第2のバンドパスフィルタと、を備える、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項11】
第1の検出カメラが、前記第1のセンサアレイ及び前記第3のセンサアレイを含み、第2の検出カメラが、前記第2のセンサアレイ及び前記第4のセンサアレイを含む、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記第1の光学素子が、ダイクロイックビームスプリッタである、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項13】
各センサアレイが、TDIセンサアレイである、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項14】
各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項15】
各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅及び約10~300ピクセル長である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項16】
各センサアレイが、約8,000ピクセル幅及び約128ピクセル長である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記試料ステージが、電動並進ステージである、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項18】
前記試料ステージが、位置エンコーダを備え、前記位置エンコーダが、前記電荷の前記移行を同期する同期信号を生成する、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項19】
コリメートレンズ、ビーム成形レンズ、又は円筒形レンズを更に備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項20】
1つ以上のラインジェネレータを更に備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項21】
試料を撮像する方法であって、
a)第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けることであって、前記試料が、試料ステージ速度で移動している試料ステージ上にあり、前記試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第1の蛍光放射を生成する第1のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第2の蛍光放射を生成する第2のフルオロフォアとを含む、向けることと、
b)前記第1の蛍光放射を、第1のセンサアレイに衝突させ、第1の電荷速度において前記第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成するように向け、前記第2の蛍光放射を、第2のセンサアレイに衝突させ、第2の電荷速度において前記第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成するように向けることであって、前記第1の電荷速度及び前記第2の電荷速度のうちの少なくとも1つが、前記試料ステージ速度と同期される、向けることと、
c)前記試料をスキャン次元でスキャンし、ステップa)及びステップb)を繰り返して前記試料の画像を形成することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に、第3の蛍光放射を生成する第3のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第4の蛍光放射を生成する第4のフルオロフォアと、を更に含み、
前記第3の蛍光放射を、第3のセンサアレイに衝突させ、第3の電荷速度において前記第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成するように向け、前記第4の蛍光放射を、第4のセンサアレイに衝突させ、第4の電荷速度において前記第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成するように向ける、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、四つの異なるフルオロフォアを同時に含む前記試料を撮像することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の励起ビーム及び前記第2の励起ビームが、励起ラインを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記試料をスキャンすることが、前記試料ステージを移動することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記試料をスキャンすることが、前記試料ステージを一定速度で移動することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記試料の前記画像のデータ表現を、コンピュータ可読メモリに記憶することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記励起ビームが、UV放射、VIS放射、又はIR放射を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記励起ビームが、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記試料が修飾ヌクレオチドを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記試料が、複数の個々の部位を有するアレイを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月21日に出願された米国仮特許出願第63/128,477号の利益を主張するものであり、当該仮特許出願は、その全体が参照により全ての目的に対して本明細書に組み込まれる。
【0002】
次世代シークエンシング(NGS)法は通常、アレイ上に固定されたゲノム断片の検出に依拠する。例えば、合成によるシークエンシング(SBS)では、蛍光標識されたヌクレオチドがポリヌクレオチドプライマのアレイに添加され、組み込み時に検出される。核酸鋳型に沿った核酸プライマの伸長を監視し、鋳型中のヌクレオチドの配列を決定する。各検出イベント(例えば、特徴部)は、アレイ内のその場所によって区別され得る。
【0003】
ポリヌクレオチドアレイのこれら及び他の用途のために、アレイ内の特徴部を高密度化する改良が近年なされている。例えば、こうしたアレイは、少なくとも50,000個の特徴部/cm2、100,000個の特徴部/cm2、1,000,000個の特徴部/cm2、5,000,000個の特徴部/cm2以上を有する。技術的進歩により、特徴部が光学解像度スケール、カメラのピクセルピッチ、又はその両方よりもわずかに大きくなるように、隣接特徴部間の典型的な距離が減少した。高解像度光学系(例えば、0.8の開口数(NA)を有する対物レンズ)と、本明細書に記載される高速撮像方法との組み合わせにより、撮像システムにおける分析及びスループットの向上が可能になる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示されるのは、特に、本技術分野における前述の問題及び他の問題に対する解決策である。本開示は、基材上の特徴部を迅速に識別し、かつ/又は定量化するのに有用な画像分析の方法及びシステムを提供する。
【0005】
ある態様において、撮像システムが提供される。非限定的な例示的な実施形態では、撮像システムは、複数のセンサアレイ(例えば、2つ又は4つの独立した時間遅延積分[TDI]センサアレイ)、試料を照射する2つの光源(例えば、2つのレーザ)、各光源から1つの励起ビームを試料上に向ける第1の光学システム、試料からの蛍光放射を各センサアレイに向ける第2の光学システムを含む。
【0006】
別の態様では、撮像システムであって、試料ステージ速度において移動する試料ステージであって、試料ステージが、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアを含む試料を受容するように構成されている、試料ステージと、第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイと、第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、かつ第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムであって、第1の蛍光放射が、第1のセンサアレイに衝突して、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射が、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成する、第2の光学システムと、を含み、第1の電荷及び第2の電荷のうちの少なくとも1つの進行が、試料ステージ速度と同期される、撮像システムが開示される。実施形態では、撮像システムは、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアと、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイであって、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、を更に含み、第2の光学システムが、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、かつ第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けるように構成されており、第3の蛍光放射が、第3のセンサアレイに衝突して、第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射が、第4のセンサアレイに衝突して、第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成し、第3の電荷及び第4の電荷のうちの少なくとも1つの進行が、試料ステージ速度と同期される。
【0007】
別の態様では、撮像システムであって、試料ステージ速度で移動する試料ステージであって、試料ステージが、第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアを含む試料を含む、試料ステージと、第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成され、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムであって、第1の蛍光放射が、第1のセンサアレイに衝突し、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射が、第2のセンサアレイに衝突し、第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成し、第3の蛍光放射が、第3のセンサアレイに衝突し、第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射が、第4のセンサアレイに衝突し、第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成する、第2の光学システムと、を含む、撮像システムが開示される。
【0008】
別の態様では、試料を撮像する方法であって、a)第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けることであって、試料が、試料ステージ速度で移動している試料ステージ上にあり、試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第1の蛍光放射を生成する第1のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第2の蛍光放射を生成する第2のフルオロフォアを含む、向けることと、b)第1の蛍光放射を、第1のセンサアレイに衝突させ、第1の電荷速度において第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成するように向け、第2の蛍光放射を、第2のセンサアレイに衝突させ、第2の電荷速度において第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成するように向けることであって、第1の電荷速度及び第2の電荷速度のうちの少なくとも1つが、試料ステージ速度と同期される、向けることと、c)試料をスキャン次元でスキャンし、ステップa)及びステップb)を繰り返して試料の画像を形成することと、を含む、方法が開示される。実施形態では、試料は、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第3の蛍光放射を生成する第3のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第4の蛍光放射を生成する第4のフルオロフォアと、を更に含み、第3の蛍光放射を、第3のセンサアレイに衝突させ、第3の電荷速度において第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成するように向け、第4の蛍光放射を、第4のセンサアレイに衝突させ、第4の電荷速度において第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成するように向ける。
【0009】
本明細書に記載される主題の1つ以上の変形例の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載されている。本明細書に記載される主題のその他の特徴及び利点は、説明及び図面から、かつ特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つのカメラを使用する4色撮像システムの例示的な図であり、カメラは4つのセンサアレイ(すなわち、画像センサアレイ)を包含する。
【
図2】2つのカメラを使用する4色撮像システムの例示的な図であり、各カメラは2つのセンサアレイ(すなわち、画像センサアレイ)を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
核酸シークエンシング、生体分子撮像、及び生化学的アレイのその他の使用には、商業的に実行可能なデータ取得速度を達成するために、高度な撮像システムが必要である。単位時間当たりにデータを収集し得る生化学的実験の数は、他の要因の中でも特に、アレイ密度及び画像取得速度に依存し得る。アレイ密度が高くなると、画像中の各実験の同一性を追跡することが困難になり得るため、画像取得問題が複雑になる場合がある。DNAのシークエンシングの最も一般的な方法の1つは、DNA鎖の4つのヌクレオチド塩基の各々を蛍光標識することである。典型的には、各塩基対の解像度は、横約0.5nmであり、それらの蛍光からの光は極めて弱い。高感度画像センサ及び撮像システムが必要である。
【0012】
画像取得速度は、複数の励起ビームを使用して、試料(例えば、シークエンシングのための核酸を含む試料)中の様々なフルオロフォアを撮像することによって高めることができる。しかしながら、複数の励起ビームを使用した撮像は、放射ビーム(例えば、蛍光ビーム)を様々なフルオロフォアから分離するために、追加の光学素子(例えば、光学格子)を必要とし得る。追加的に、又は代替的に、励起ビームは、試料に一度に1つずつ、衝突させることができる(例えば、時間分割多重化を使用する)。追加の光学素子及び/又は時間分割多重化を採用することは、撮像システムの複雑さを増大させ、かつ/又はデータ取得の速度を遅くする可能性がある。本明細書に記載される主題は、空間的に分離された励起ビームを使用することによって、画像取得速度を向上させることができる。これは、放射ビームを分離し、かつ/又は一度に1つの放射ビームを検出するために追加の光学系を採用することなく同時に検出できる放射ビームをもたらし得る。
【0013】
別の態様では、試料を撮像する方法が開示されている。実施形態では、試料は、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォア(例えば、第1のフルオロフォアタイプ及び第2のフルオロフォアタイプ)を含む。試料は、少なくとも4つの異なるタイプの複数のフルオロフォア、又は異なる吸光プロファイル及び放射プロファイルを有するフルオロフォアタイプを包含し得る。実施形態では、試料は、第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアを含み、各フルオロフォアは、異なる蛍光放射プロファイルを有する。実施形態では、方法は、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けることを含み、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成される。実施形態では、方法は、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料に向けることを含み、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成され、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される。実施形態では、方法は、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、かつ第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに向けることを含み、第1の蛍光放射は、第1のセンサアレイに衝突して、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成し(すなわち、フォトダイオードにおいて吸収され)、第2の蛍光放射は、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成し(すなわち、フォトダイオードにおいて吸収され)、第1の電荷及び第2の電荷のうちの少なくとも1つの進行は、試料ステージ速度と同期される。実施形態では、方法は、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けることを含み、第1の蛍光放射は、第1のセンサアレイに衝突し、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射は、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成し、第3の蛍光放射は、第3のセンサアレイに衝突して、第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射は、第4のセンサアレイに衝突して、第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成し、第1の電荷、第2の電荷、第3の電荷及び第4の電荷のうちの少なくとも1つの進行は、試料ステージ速度と同期される。実施形態では、4つの電荷の速度は全て、試料ステージ速度と同期される。実施形態では、2つの電荷(例えば、第1の電荷及び第3の電荷)の速度は、試料ステージ速度と同期される。電荷がセンサアレイにわたって進行するとき(例えば、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷)、当技術分野で現在理解されている理論に従って、電荷がアレイにわたって移行されることが理解される。例えば、電荷移行は、電子の熱運動現象に由来するが、ここで、移行方向に十分な熱速度を有する電子は、電荷移行経路上のバリアを横断する(すなわち、画像センサにわたって)。センサ上の光エネルギー入射は、デジタル化のために電気信号に変換され、これはコンピューティングデバイスに転送される。
【0014】
別の態様では、撮像システムであって、試料ステージ速度において移動する試料ステージであって、試料ステージが、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアを含む試料を受容するように構成されている、試料ステージと、第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイと、第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、かつ第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムであって、第1の蛍光放射が、第1のセンサアレイに衝突して、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射が、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成する、第2の光学システムと、を含み、第1の電荷及び第2の電荷のうちの少なくとも1つの進行が、試料ステージ速度と同期される、撮像システムが開示される。実施形態では、撮像システムは、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアと、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイであって、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、を更に含み、第2の光学システムは、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、かつ第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けるように構成されており、第3の蛍光放射は、第3のセンサアレイに衝突して、第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射は、第4のセンサアレイに衝突して、第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成し、第3の電荷及び第4の電荷のうちの少なくとも1つの進行が、試料ステージ速度と同期される。
【0015】
別の態様では、撮像システムであって、試料ステージ速度で移動している試料ステージであって、試料ステージが、第1のフルオロフォア(例えば、複数の第1のタイプのフルオロフォア)、第2のフルオロフォア(例えば、複数の第2のタイプのフルオロフォア)、第3のフルオロフォア(例えば、複数の第3のタイプのフルオロフォア)、及び第4のフルオロフォア(例えば、複数の第4のタイプのフルオロフォア)を含む試料を含む、試料ステージと、第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成され、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムと、を含み、第1の蛍光放射は、第1のセンサアレイに衝突し、第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射は、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成し、第3の蛍光放射は、第3のセンサアレイに衝突して、第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射は、第4のセンサアレイに衝突して、第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成し、第1の電荷、第2の電荷、第3の電荷及び第4の電荷のうちの少なくとも1つの進行は、試料ステージ速度と同期される、撮像システムが開示される。実施形態では、各フルオロフォアタイプは異なる。例えば、第1のフルオロフォアは、シアニン染料(例えば、CY3B)であり得、第2のフルオロフォアは、異なるシアニン染料(例えば、Alexa(登録商標)Fluor 647)であり得る。実施形態では、各フルオロフォア(例えば、第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォア)は、スペクトル的に区別できる。実施形態では、各フルオロフォアは、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの最大放射を含む。
【0016】
実施形態では、空中画像は、蛍光放射がセンサアレイに衝突するときに形成される。空中画像は、センサの平面内の放射によって形成される画像である。実施形態では、空中画像及びその移動は、試料ステージと同期される。実施形態では、蛍光放射によってセンサ内で生成される電荷は、センサアレイにわたって進行し、センサアレイの1つの行から次の行への電荷の移行は、ステージの動きと同期される。実施形態では、画像が各センサアレイ(すなわち、試料がスキャンされるとき)をスイープするにつれて、センサアレイの1つ以上のピクセルが電荷を収集する。特定の時間間隔において、ピクセルの行の各々内のピクセルの電荷は、試料スキャンと同じ方向及び速度で、それらの隣接する行に移動される。電荷の蓄積は、電荷の行が画像システム内のセンサアレイの一端からセンサアレイの他端に移動するのに必要な全時間の間に統合することができる。
【0017】
実施形態では、第1の光学システムは、第1の励起ビームを第1の入射角度で試料の第1の領域に向け、第2の励起ビームを第2の入射角度で試料の第2の領域に向けるように構成されている。実施形態では、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームは、空間的に分離され、異なる場所において試料に衝突する。結果として、第1の励起ビームによって生成される蛍光放射は、第2の励起ビームによって生成される蛍光放射から空間的に分離されている。例えば、第1の励起ビームによって生成される第1の蛍光放射及び第3の蛍光放射は、第2の励起ビームによって生成される第2の蛍光放射及び第4の蛍光放射から空間的に分離されている。
【0018】
実施形態では、第1の光学システムは、第1の励起ビームを試料の第1の領域に向け、第2の励起ビームを試料の第2の領域に向けるように構成されており、第1の領域及び第2の領域は、約10μm~約500μm分離されている。実施形態では、第1の領域及び第2の領域は、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、又は約100μm分離されている。実施形態では、第1の領域及び第2の領域は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μm分離されている。実施形態では、第1の領域及び第2の領域は、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、又は約60μm分離されている。実施形態では、第1の領域及び第2の領域は、約50μm分離されている。実施形態では、第1の領域及び第2の領域は、約50μm、約51μm、約52μm、約53μm、約54μm、約55μm、約56μm、約57μm、約58μm、約59μm、又は約60μm分離されている。
【0019】
実施形態では、放射(例えば、光のビーム又は複数の光子)は、例えば、画像センサの平面内などの、空間内の特定の場所内に画像を形成する。実施形態では、放射ビームは、画像センサ上で吸収し、センサの平面(すなわち、リソグラフィーからの用語を使用する空中画像)内でこの放射によって形成される画像は、試料(画像を生じさせる物体)が試料ステージ上を進行している間に、センサにわたって進行すると言われる。
【0020】
実施形態では、第2の光学システムは、第1のセンサアレイに向かって第1の蛍光放射を反射し、第2のセンサアレイに向かって第2の蛍光放射を反射するように構成された第1の表面と、第3のセンサアレイに向かって第3の蛍光放射を反射し、第4のセンサアレイに向かって第4の蛍光放射を反射するように構成された第2の表面と、を含む第1の光学素子を含む。第1の表面及び第2の表面から(第1の励起ビームによって生成される)第1の蛍光放射及び第3の蛍光放射をそれぞれ反射することによって、第1の蛍光放射と第3の蛍光放射との間の空間分離を達成することができる。第1の表面及び第2の表面から(第2の励起ビームによって生成される)第2の蛍光放射及び第4の蛍光放射をそれぞれ反射することによって、第2の蛍光放射と第4の蛍光放射との間の空間分離を達成することができる。
【0021】
実施形態では、第2の光学システムは、第1の光学素子から下流の第2の光学素子を含み、第1の蛍光放射、第2の蛍光放射、第3の蛍光放射、及び第4の蛍光放射を集束させるように構成されている。
【0022】
実施形態では、第2の光学システムは、第1の蛍光放射、第2の蛍光放射、第3の蛍光放射、及び第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成されたバンドパスフィルタを含む。バンドパスフィルタは、最大放射光透過の中心波長(Tmax)及び帯域幅によって画定される波長範囲の光を選択的に通過させ、この範囲外の光の通過を遮断する。Tmaxは、中心波長において透過される放射光の割合を画定する。実施形態では、バンドパスフィルタは、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを透過するように構成されている。
【0023】
実施形態では、第1の光学素子は、ダイクロイックウェッジである。実施形態では、第1の光学素子は、ダイクロイックミラーである。実施形態では、第1の光学素子は、ダイクロイックウェッジを含む。実施形態では、第1の光学素子は、ダイクロイックフィルタである。
【0024】
実施形態では、検出カメラは、第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイを含む。実施形態では、検出カメラは、第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイを含む。実施形態では、検出カメラは、第3のセンサアレイ及び第4のセンサアレイを含む。実施形態では、撮像システムは、1つのカメラを含む。実施形態では、撮像システムは、2つのカメラを含む。実施形態では、撮像システムは、3つのカメラを含む。実施形態では、撮像システムは、4つのカメラを含む。実施形態では、カメラは1つの画像センサを含む。実施形態では、カメラは2つの画像センサを含む。実施形態では、カメラは3つの画像センサを含む。実施形態では、カメラは4つの画像センサを含む。実施形態では、各カメラは1つ以上の画像センサを含む。実施形態では、カメラは2つの画像センサを含む。実施形態では、撮像システムは、2つのカメラを含み、各カメラは独立して、2つの画像センサを含む。
【0025】
実施形態では、第2の光学システムは、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに向けて反射し、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに向けて透過させ(これにより、第1の蛍光放射と第3の蛍光放射との間に空間的分離が提供される)、第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに向かって反射し、第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向かって透過するように構成された第1の光学素子を備える。第1の蛍光放射を反射し、第3の蛍光放射を透過するように第1の光学素子を構成することによって、第1の蛍光放射と第3の蛍光放射との間の空間的分離が達成される。第2の蛍光放射を反射し、第4の蛍光放射を透過するように第2の光学素子を構成することによって、第2の蛍光放射と第4の蛍光放射との間の空間的分離が達成される。実施形態では、撮像システムは、励起ビームと放射ビームとを空間的に分離する。
【0026】
実施形態では、第2の光学システムは、第1の光学素子から下流にあり、第1の蛍光放射及び第3の蛍光放射を集束させるように構成された第1のレンズと、第1の光学素子から下流にあり、第2の蛍光放射及び第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2のレンズと、を含む。
【0027】
実施形態では、第2の光学システムは、第1の蛍光放射及び第3の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第1のバンドパスフィルタと、第2の蛍光放射及び第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第2のバンドパスフィルタと、を含む。
【0028】
実施形態では、第1の検出カメラは、第1のセンサアレイ及び第3のセンサアレイを含み、第2の検出カメラは、第2のセンサアレイ及び第4のセンサアレイを含む。
【0029】
実施形態では、第1の光学素子は、光学フィルタである。実施形態では、第1の光学素子は、ダイクロイックビームスプリッタである。
【0030】
実施形態では、各センサアレイは、TDIセンサアレイである。センサアレイは、接触した光子のエネルギーを電気的応答に変換する複数の素子を有するデバイス又は装置を指す。「時間遅延積分」又は「TDI」という用語は、検出器アレイの素子の異なる部分集合による、試料の異なる部分の連続的な検出を指し、素子のサブセット間での電荷の移行は、撮像される試料の見かけの動きと同期した速度で、かつ同じ方向に進行する。例えば、TDIは、フレーム移送デバイスが、試料の見かけの移動に位置合わせされかつ同期された線形アレイのスタックによって試料の連続的なビデオ画像を作製するように試料をスキャンすることによって実施することができ、それによって、画像が1つのラインから次のラインに移動するにつれて、蓄積された電荷がそれとともに移動する。電荷の蓄積は、電荷の行がセンサアレイの一端からセンサアレイの他端に移動するのに必要な全時間の間に統合することができる。
【0031】
実施形態では、センサアレイ(例えば、TDIセンサアレイ)は、ビニングのために構成することができる。ビニングは、アレイ内の複数のピクセルからの電荷を1ピクセルに合計することによって、検出器アレイの感度を高める。使用することができるビニングの例示的なタイプは、水平ビニング、垂直ビニング、又はフルビニングを含む。水平ビニングでは、検出器アレイの各ラインの隣接するピクセルの対を合計する。垂直ビニングでは、アレイ内の2本のラインからの隣接するピクセルの対を合計する。フルビニングは、4つの隣接するピクセルが合計される、水平ビニングと垂直ビニングの組み合わせである。例えば、ビニングは、水平(1×2)、垂直(2×1)、又は組み合わせ(2×2)を含み得る。実施形態では、センサアレイ(例えば、TDIセンサアレイ)は、ビニングのために構成されることはない。
【0032】
実施形態では、第1のセンサアレイのセンサの第1のサブセットは、第1の断面がセンサの第1のサブセットと重なるときに起動され、第1のセンサアレイのセンサの第2のサブセットは、第1の断面がセンサの第2のサブセットと重なるときに起動される。実施形態では、第2のセンサアレイのセンサの第3のサブセットは、第2の断面がセンサの第3のサブセットと重なるときに起動され、第2のセンサアレイのセンサの第4のサブセットは、第2の断面がセンサの第4のサブセットと重なるときに起動される。実施形態では、第1のセンサアレイのセンサの第1のサブセットの起動とセンサの第2のサブセットの起動との間の第1の時間差は、第1の断面の第1の進行速度、及びセンサの第1のサブセットとセンサの第2のサブセットとの間の分離に基づく。実施形態では、第2のセンサアレイのセンサの第3のサブセットの起動とセンサの第4のサブセットの起動との間の第2の時間差は、第2の断面の第2の進行速度、及びセンサの第3のサブセットとセンサの第4のサブセットとの間の分離に基づく。
【0033】
実施形態では、試料ステージの速度は、約1mm/秒~約50mm/秒の速度で移動する。実施形態では、試料ステージの速度は、約10mm/秒~約30mm/秒の速度で移動する。実施形態では、試料ステージの速度は、約15mm/秒~約25mm/秒の速度で移動する。実施形態では、試料ステージの速度は、約20mm/秒の速度で移動する。試料ステージは、試料、例えば、フローセル、反応容器、又は他の基材を含む試料を受容又は支持するように構成され、フローセル、反応容器、又は他の基材は、撮像される1つ以上の物体(例えば、生体分子)を含む。試料ステージは、x/y/z軸のいずれかに沿って移動するように構成され、x/y/z軸は、試料ステージに対して配向及び/又は位置合わせされる。実施形態では、システムは精密取付板を含む。精密取付板は、取付ピン、溝、スロット、グロメット、タブ、磁石、データム表面、ツーリングボール、又はサブアセンブリ若しくは対象モジュールを受け入れるように設計された他の表面などのアライメント表面で製作され得る。
【0034】
実施形態では、各センサアレイは、少なくとも2,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも4,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも8,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも12,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも16,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも16ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも32ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも64ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも128ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも256ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも8,000ピクセル幅及び少なくとも64ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも8,000ピクセル幅及び少なくとも128ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、少なくとも8,000ピクセル幅及び少なくとも256ピクセル長である。実施形態では、各感覚アレイは、長方形である(すなわち、等角四角形の2つの辺は、他の2つの辺よりも長い)。実施形態では、各感覚アレイは、正方形である(すなわち、等角四角形の4つの辺全てが等しい)。
【0035】
実施形態では、各センサアレイは、約1,000ピクセル幅~約20,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約3,000ピクセル幅~約10,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約5,000ピクセル幅~約9,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約1,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約2,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約3,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約4,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約5,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約6,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約7,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約8,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約9,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約10,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約11,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約12,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約13,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約2,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約4,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約8,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約12,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約16,000ピクセル幅である。実施形態では、各センサアレイは、約16ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約32ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約64ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約128ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約256ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約8,000ピクセル幅及び約64ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約8,000ピクセル幅及び約128ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約8,000ピクセル幅及び約256ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約32ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約64ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約256ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約512ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約10~300ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約32~約256ピクセル長である。実施形態では、各センサアレイは、約32~約64ピクセル長である。
【0036】
実施形態では、試料ステージは、電動並進ステージである。実施形態では、モータは、ステッパモータ、ピエゾモータ、ブラシレスモータ、ヒステリシスモータ、リニアモータ、又はサーボモータである。実施形態では、モータはステッパモータである。実施形態では、ステッパモータは、統合されたボールスプラインを含む。実施形態では、モータは、ステッパモータである。実施形態では、モータは、ブラシレスモータである。実施形態では、モータは、ヒステリシスモータである。実施形態では、モータは、リニアモータである。実施形態では、モータは、サーボモータである。実施形態では、サーボモータは、ブレーキ機構を含む。実施形態では、モータはPicomotor(商標)アクチュエータである。
【0037】
実施形態では、試料ステージは、試料を受容し、保持するよう構成されている。実施形態では、試料ステージは、試料(例えば、本明細書に記載されるフローセル)を包含する反応容器を受容し、保持するように構成されている。実施形態では、試料ステージは、位置エンコーダを含み、位置エンコーダは、蛍光放射の進行を同期する同期信号を生成する。実施形態では、撮像システムは、絶対エンコーダを更に含む。絶対エンコーダは、試料ステージ及び/又は試料に対する、カメラ、画像センサ、及び/又はレンズの位置(すなわち、距離)についての情報を提供する。絶対位置エンコーダは、高度に反復可能な位置決めを提供するだけでなく、以前に撮像された領域を再スキャンする場合に、以前に保存された位置の回復も可能にする。
【0038】
実施形態では、試料ステージは、反応容器、フローセル、基材、又はマルチウェル容器を含み、任意選択的に保持する。当業者は、フローセル又は他の支持構造が、同様の結果を達成するために、当技術分野で既知の様々なアレイのいずれかとともに使用され得ることを認識するであろう。こうしたアレイは、試料の生物学的成分をランダムに配置することによって、又は任意の既知の技法によって支持面上に所定のパターンで形成され得る。本明細書で使用される場合、「マルチウェル容器」という用語は、表面を含む基材を指し、表面は、表面上の間質領域によって互いに分離された複数の反応チャンバを含む。実施形態では、マイクロプレートは、American National Standards Institute (ANSI)及びSociety for Laboratory Automation and Screening(SLAS)によって提供及び記載される寸法、例えば、ANSI SLAS1-2004(R2012)に記載される公差及び寸法、ANSI SLAS2-2004(R2012)、ANSI SLAS3-2004(R2012)、ANSI SLAS4-2004(R2012)、及びANSI SLAS6-2012を有し、これらは参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のマイクロプレートの寸法及び反応チャンバの配置は、自動化された実験室機器のための確立されたフォーマットと互換性があり得る。
【0039】
反応チャンバは、ウェルとして提供され得(代替的に反応チャンバと称される)、例えば、マルチウェル容器は、2、4、6、12、24、48、96、384、又は1536個の試料ウェルを包含し得る。実施形態では、96及び384個のウェルは、2:3の長方形のマトリクス内に配置される。実施形態では、24個のウェルは、3:8の長方形のマトリクス内に配置される。実施形態では、48個のウェルは、3:4の長方形のマトリクス内に配置される。実施形態では、反応チャンバは、顕微鏡スライド(例えば、約75mm×約25mmのガラススライド)である。実施形態では、スライドは、凹面スライドである(例えば、スライドは窪みを含む)。実施形態では、スライドは、生体分子の接着を強化するためのコーティング(例えば、ポリ-L-リジン、シラン、カーボンナノチューブ、ポリマー、エポキシ樹脂、又は金)を含む。実施形態では、マルチウェル容器は約5インチ×約3.33インチであり、複数の5mm直径のウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は、約5インチ×約3.33インチであり、複数の6mm直径のウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は約5インチ×約3.33インチであり、複数の7mm直径のウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は約5インチ×約3.33インチであり、複数の7.5mm直径のウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は、5インチ×3.33インチであり、複数の直径7.5mmのウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は約5インチ×約3.33インチであり、複数の8mm直径のウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は、ウェルのアレイが形成された平坦なガラス又はプラスチックトレイであり、各ウェルは、数マイクロリットル~数百マイクロリットルの流体試薬及び試料を保持することができる。
【0040】
「ウェル」という用語は、表面の間質領域によって完全に囲まれた表面開口部を有する基材の個別の凹面特徴部を指す。ウェルは、円形、楕円、正方形、多角形、又は星形(すなわち、任意の数の頂点を有する星形)を含むがこれらに限定されない、表面におけるその開口部において様々な形状のいずれかを有することができる。表面と直交するように取られたウェルの断面は、曲線、正方形、多角形、双曲線、円錐形、又は角形であり得る。マルチウェル容器のウェルは、例えば、平坦な底部であるF-底部、最小の丸みのある縁を有する底部であるC-底部、V字型底部であるV-底部、又はU字型底部であるU-底部など、異なる形状で利用可能である。実施形態では、ウェルは実質的に正方形である。実施形態では、ウェルは正方形である。実施形態では、ウェルはF-底部である。実施形態では、マルチウェル容器は、24個の実質的に丸い平底ウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は、48個の実質的に丸い平底ウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は、96個の実質的に丸い平底ウェルを含む。実施形態では、マルチウェル容器は、384個の実質的に正方形の平底ウェルを含む。
【0041】
マルチウェル容器の離散領域(すなわち、特徴部、ウェル)は、直線パターン、円形パターン、六角形パターン、又は同様のものに対応し得る、規則的なアレイ内に画定された場所を有し得る。実施形態では、ウェルのパターンは、領域、らせんパターン、直線パターン、六角形パターン、及び同様のものなどの同心円を含む。実施形態では、ウェルのパターンは、直線パターン又は六角形パターンで配置される。このような領域の規則的なアレイは、分析中にアレイから収集された信号の検出及びデータ分析に有利である。これらの離散領域は、間質領域によって分離されている。本明細書で使用される場合、「間質領域」という用語は、基材又は表面の他の領域を分離する基材内又は表面上のエリアを指す。例えば、間質領域は、アレイの1つの凹面特徴部を、アレイの別の凹面特徴部から分離することができる。互いに分離されている2つの領域は、離散的であってもよく、互いに接触しない。別の実施例では、間質領域は、特徴部の第1の部分を特徴部の第2の部分から分離することができる。実施形態では、間質領域は連続的であるが、特徴部は離散的であり、例えば、別様で連続的な表面にあるウェルのアレイの場合も同様である。間質領域によって提供される分離は、部分的又は完全な分離とすることができる。実施形態では、間質領域は、ウェルの表面材料とは異なる表面材料を有する(例えば、間質領域はフォトレジストを含有し、ウェルの表面はガラスである)。実施形態では、間質領域は、ウェルの表面材料と同じ表面材料を有する(例えば、間質領域の表面及びウェルの表面の両方がポリマー又は共重合体を含有する)。
【0042】
実施形態では、撮像システムは、コリメートレンズ、ビーム成形レンズ、ミラー、又は円筒形レンズのうちの1つ以上を更に含む。
【0043】
実施形態では、撮像システムは、1つ以上のラインジェネレータを更に含む。実施形態では、撮像システムは、2つのラインジェネレータを更に含む。実施形態では、1つ以上のラインジェネレータ(例えば、2、4、6、8、又は10ライン)を使用して、試料を照射する。1つ以上のラインジェネレータは、長方形又は長楕円形である試料における形状を有する励起ラインを作製するように構成され得る。例示的な形状としては、長方形、楕円形、又は長円形が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、1つ以上の励起ラインは、試料に接触して、試料中の1つ以上の生体分子を照射及び/又は励起する。実施形態では、ラインは高さ及び幅を有する長方形である。実施形態では、各ラインの高さは、約1、2、3、4、又は5mmである。実施形態では、各ラインの高さは、約1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、又は2.0mmである。実施形態では、各ラインの幅は、約5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、又は約30μmである。実施形態では、各ラインの幅は、1.5mm~約2.0mmであり、各ラインの高さは、約10μm~約30μmである。実施形態では、各ラインの幅は、1.6mm~約1.7mmであり、各ラインの高さは、約15μm~約25μmである。実施形態では、各ラインの幅は、1.7mmであり、各ラインの高さは、約20μmである。
【0044】
実施形態では、撮像システムは、マイクロ流体デバイス内にある。態様では、マイクロ流体デバイスが提供され、マイクロ流体デバイスは、本明細書に記載される撮像システムを含む。実施形態では、マイクロ流体デバイスは、試薬が相互作用して画像化される1つ以上の反応容器又は固体支持体を含む。本明細書のシステム内で使用するために容易に改変することができる流体構成要素を有する例示的なシステムとしては、以下に限定されないが、米国特許 第8,241,573号、同第8,039,817号、又は米国特許 出願 公開 第2012/0270305A1号に記載されているものが挙げられ、その各々が参照により本明細書に組み込まれる。実施形態では、マイクロ流体デバイスは、1つ以上の励起レーザを更に含む。実施形態では、撮像システムは、生体分析機器内にある。実施形態では、生体分析機器は、光源と、流体連通する1つ以上の相互接続されたチャンバ、ポート、及びチャネルであって、分析反応又はプロセスを実施するように構成された統合流体システムとを更に含む。実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、試料からの散乱光を検出する。実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、試料からの回折光を検出する。実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、試料からの反射光を検出する。実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、試料からの吸収光を検出する。実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、試料からの屈折光を検出する。実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、試料によって吸収されない透過光を検出する。実施形態では、デバイスは、構造に物理的に結合された少なくとも1つの貯蔵部を更に含む。実施形態では、貯蔵部は、1つ以上の試薬を貯蔵するか、又は廃棄物を保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、試薬は、水、緩衝液(例えば、アスコルビン酸を含む撮像緩衝液)、標的捕捉試薬、又は核酸増幅試薬などの流体を含む。いくつかの実施形態では、試薬容器コンパートメントは、こうした容器の内容物を所定の貯蔵温度に維持し、かつ/又はこうした容器を攪拌して、容器の内容物を溶液又は懸濁液内に維持するように構成され得る。実施形態では、少なくとも1つの貯蔵部は、反応試薬、例えば、核酸増幅試薬(例えば、増幅に必要なポリメラーゼ及びヌクレオチド)、及び/又は核酸シークエンシング試薬を含む。実施形態では、少なくとも1つの貯蔵部が、廃棄物貯蔵部、シークエンシング試薬貯蔵部、クラスタリング試薬貯蔵部、及び洗浄溶液貯蔵部のうちの少なくとも1つを含む。実施形態では、デバイスは、複数のシークエンシング試薬貯蔵部及びクラスタリング試薬貯蔵部を含む。実施形態では、クラスタリング試薬貯蔵部は、増幅試薬(例えば、酵素、塩、及びヌクレオチド、変性剤、密集剤を含有する水性緩衝液など)を含む。
【0045】
実施形態では、撮像システムは、例えば、0.1~50ミクロンの解像度で画像データを生成し得、これは、その後、生物分析機器内の制御/処理システムに転送される。制御/処理システムは、試料上の特定の場所で複数の部位を適切かつ正確に撮像するために、アナログ-デジタル変換、スケーリング、フィルタリング、及び複数のフレームにおけるデータの関連付けなどの様々な動作を実行し得る。制御/処理システムは、画像データを記憶し得、最終的に、画像データを、データが更に分析される後処理システムに転送し得る。例えば、更なる分析は、画像データからヌクレオチド配列情報を決定することを含み得る。実施形態では、制御/処理システムは、生体分析機器の動作を制御するように設計されたハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアを含み得る。画像データは、生体分析機器自体によって分析され得、又は他のシステムによって、かつ撮像後の異なる時点で、分析のために記憶され得る。実施形態では、カメラは、高い開口数(NA)値を有する対物レンズを含む。光学アセンブリによって取得された画像データは、0.1~50ミクロン、又はより具体的には、0.1~10ミクロンの解像度を有し得る。実施形態では、カメラの開口数は、少なくとも0.2である。実施形態では、カメラの開口数は、0.8以下である。実施形態では、カメラの開口数は、0.5以下である。本明細書に記載される画像システムは、10μm、5μm、2μm、1.5μm、1.0μm、0.8μm、0.5μm、又はそれ未満の距離だけ分離している特徴部又は部位を個別に分解するのに十分である解像度を有し得る。実施形態では、本明細書に記載の画像システムは、最大で100μmの距離だけ分離している特徴部又は部位を個別に分解するのに十分である解像度を有し得る。試料、例えば、マルチウェル容器のマイクロウェル又はナノウェルに応じて、本明細書に記載の撮像システムは、広視野検出のために構成され得る。撮像システムの視野直径は、例えば、少なくとも0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm又はそれ超とし得る。好適な光学構成要素を選択することによって、視野直径は、同様に最大エリアに限定することができ、そのため、視野直径は、例えば、5mm、4mm、3mm、2mm、又は1mm以下とすることができる。例えば、実施形態では、撮像システムによって取得された画像は、約0.25mm2~約25mm2の範囲内のエリアを有し得る。
【0046】
別の態様では、試料を撮像する方法であって、a)第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けることであって、試料が、試料ステージ速度で移動している試料ステージ上にあり、試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第1の蛍光放射を生成する第1のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第2の蛍光放射を生成する第2のフルオロフォアとを含む、向けることと、b)第1の蛍光放射を、第1のセンサアレイに衝突させ、第1の電荷速度において第1のセンサアレイにわたって進行する第1の電荷を生成するように向け、第2の蛍光放射を、第2のセンサアレイに衝突させ、第2の電荷速度において第2のセンサアレイにわたって進行する第2の電荷を生成するように向けることであって、第1の電荷速度及び第2の電荷速度のうちの少なくとも1つが、試料ステージ速度と同期される、向けることと、c)試料をスキャン次元でスキャンし、ステップa)及びステップb)を繰り返して試料の画像を形成することと、を含む、方法が開示される。実施形態では、試料は、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第3の蛍光放射を生成する第3のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第4の蛍光放射を生成する第4のフルオロフォアと、を更に含み、前述の第3の蛍光放射を、第3のセンサアレイに衝突させ、第3の電荷速度において第3のセンサアレイにわたって進行する第3の電荷を生成するように向け、前述の第4の蛍光放射を、第4のセンサアレイに衝突させ、第4の電荷速度において第4のセンサアレイにわたって進行する第4の電荷を生成するように向ける。実施形態では、各ピクセル内の電荷の総和がセンサアレイにわたって進行する。
【0047】
試料ステージは、x/y/z軸のいずれかに沿って移動するように構成され、x/y/z軸は、試料ステージに対して配向及び/又は位置合わせされる。標準座標系及び基準のフレームを確立するために、軸の記述を提供することが有用である。デカルト座標を使用した三次元空間の従来的な記述では、6つの自由度がある。各自由度は、3つの垂直なX軸、Y軸、及びZ軸に沿った並進及び回転に対応する。第1の自由度は、X軸に沿って左右に移動すると定義することができる。第2の自由度は、Y軸に沿って前後に移動すると定義することができる。第3の自由度は、Z軸に沿って上下に移動すると定義することができる。第4の自由度は、X軸、又は代替的に長手方向軸と称される「ロール」軸の周りを回転するものとして定義することができる。第5の自由度は、Y軸、又は代替的に横軸と称される「ピッチ」軸の周りを回転するものとして定義することができる。全体を通して交換可能に使用される、ピッチ及びロールは、先端及び傾斜と称され得る。第6の自由度は、Z軸、又は「ヨー」の周りを回転するものとして定義することができる。平面は、2つの軸によって画定される(例えば、x及びyが一緒にxy平面を形成する)ニ次元(2D)エリアを指す。検出装置(例えば、画像センサ)及び検出器によって観察される物体(例えば、試料)に関して使用する場合、xy平面は、検出器と検出される物体との間の観察方向に直交するように規定され得る。画像平面は、二次元平面上の画像の投影である。例えば、実施形態では、画像平面は、画像センサの表面上の画像の投影である。実施形態では、スキャン軸は、x軸である。実施形態では、スキャン軸は、y軸である。
【0048】
実施形態では、第1の放射の進行速度及び第2の放射の進行速度は、試料ステージ速度と同期される。試料ステージをアレイにわたる電荷の進行と同期させることにより、(例えば、試料ステージを同期させないなどの制御に対して)高精度かつより正確な撮像が許容される。粘度及び熱感度を調節する異なる生体分子及び成分が試料中に多数存在する場合、試料の流量を制御することは、流速を正確に制御し、同期を維持することに関連付けられる課題のため、好ましくない。
【0049】
実施形態では、方法は、本明細書に記載される撮像システムを使用して、試料を照射し、試料からの光(例えば、蛍光励起イベント、散乱光、透過光、又は反射光)を検出することを含む。実施形態では、方法は、試料をスキャンすること(すなわち、試料をカメラに対して並進させること)を含む。実施形態では、方法は、蛍光イベントを生成するために試料を照射することと、本明細書に記載される撮像システムを使用して1つ以上の蛍光イベントを検出することとを含む。実施形態では、方法は、固体支持体上のクラスタ(例えば、核酸の増幅コロニー)を検出することを含む。実施形態では、方法は、鋳型核酸内に組み込まれる蛍光標識ヌクレオチドを検出することを含む。実施形態では、方法は、1つ以上の核酸鋳型をシークエンシングすることを含む。実施形態では、方法は、固体支持体上の1つ以上の核酸鋳型を増幅することを含み、それによって、特徴部において複数の核酸鋳型のうちのクラスタ又はコロニーが生成される。実施形態では、方法は、核酸鋳型のうちの1つ以上にハイブリダイズしたプライマ内に標識ヌクレオチドを組み込むことと、組み込まれたヌクレオチドを検出することとを含む。実施形態では、検出することは、本明細書に記載の撮像システムを使用して特徴部を撮像することを含む。実施形態では、試料は、1つ以上の生体分子を含む。様々な生体分子が、試料中に存在し得る。例示的な生体分子としては、限定されないが、DNA又はRNAなどの核酸、酵素又は受容体などのタンパク質、ポリペプチド、ヌクレオチド、アミノ酸、糖類、補酵素、代謝物又はこれら天然成分の誘導体などが挙げられる。本明細書に記載されるシステム及び方法は、生体分子に関するものであるが、他の試料又は成分も同様に使用され得ることが理解されよう。例えば、組み合わせライブラリ、又は所望の構造若しくは機能を有すると知られているか、若しくは疑われる種を有する化合物のライブラリなど、合成試料を使用することができる。実施形態では、試料は、1つ以上の蛍光標識を含む。実施形態では、試料は、1つ以上の蛍光標識された生体分子を含む。
【0050】
実施形態では、本方法は、4つの異なるフルオロフォアを同時に含む試料を撮像することを含む。すなわち、4つの異なるフルオロフォアについての蛍光放射情報を同時に収集することである。
【0051】
実施形態では、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームは、励起ライン(例えば、ラインジェネレータによって提供される励起ビーム)を含む。実施形態では、1つ以上のラインジェネレータ(例えば、2、4、6、8、又は10ライン)を使用して、試料を照射する。1つ以上のラインジェネレータは、長方形又は長楕円形である試料における形状を有する励起ラインを作製するように構成され得る。例示的な形状としては、長方形、楕円形、又は長円形が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、1つ以上の励起ラインは、試料に接触して、試料中の1つ以上の生体分子を照射及び/又は励起する。
【0052】
実施形態では、試料をスキャンすることは、試料ステージを移動させることを含む。実施形態では、試料をスキャンすることは、一定速度で試料ステージを移動させることを含む。試料ステージの移動は、例えば、蛍光放射の伝播方向と直交し、典型的にはx及びy次元として示される、次元の一方又は両方を含む、1つ以上の次元で行うことができる。システムは、スキャン素子を更に含んでもよく、スキャン素子は、ある方向に沿って試料をスキャンするように構成された機械的構成要素、電気機械的構成要素、ソフトウェア構成要素、又はそれらの組み合わせであり得、その方向はスキャン方向に対応し得る。実施形態では、スキャン方向は、試料の励起方向に対して直交する。実施形態では、スキャン方向は、励起ビーム方向に対して非直交であり、直交投影された構成要素が、最終的な画像再構成に直接寄与する。「スキャン素子」という用語は、試料の異なる部分を順次検出することができる素子を意味することが意図される。スキャン素子は、例えば、光源、対物レンズ、画像センサ、又は試料を含む、システムの1つ以上の構成要素の位置を変更することによって動作することができる。例示的なスキャン素子としては、限定されないが、ビーム(例えば、励起ビーム)を試料にわたって移動させるように構成された検流計、又は試料をビームにわたって移動させるように構成された並進ステージが挙げられる。実施形態では、試料は、約1mm2/秒、1.5mm2/秒、5mm2/秒、10mm2/秒、50mm2/秒、又は100mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、試料は、10mm2/秒、20mm2/秒、30mm2/秒、40mm2/秒、又は50mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、試料は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、試料は、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、又は約20mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、試料は少なくとも20mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、カメラは、試料がスキャンされる(例えば、x軸などのスキャン軸で連続的にスキャンされる)際に、動的に調整される。実施形態では、カメラは、試料がスキャンされる(例えば、x軸などのスキャン軸で連続的にスキャンされる)際に、最初に(例えば、一連の周期的実験の構成又は第1のサイクルの間に)調整される。例えば、一連の撮像サイクル(例えば、シークエンシングサイクル)にわたって試料ステージをスキャンする場合、試料の初期構成スキャンは、試料の焦点を最大化するためにカメラを調整し、残りの撮像サイクルについては、カメラの配向及び/又は位置は静止したままである。
【0053】
実施形態では、方法は、試料の画像のデータ表現を、コンピュータ可読メモリに記憶することを更に含む。
【0054】
実施形態では、励起ビームは、UV放射、VIS放射、又はIR放射を含む。実施形態では、励起ビームは、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを含む。
【0055】
実施形態では、照射器又は光源は、試料に入射光を提供する放射源(すなわち、伝播された電磁エネルギーの発生源又は発生器)である。放射源は、紫外線(UV)範囲(約200~390nm)、可視(VIS)範囲(約390~770nm)、又は赤外線(IR)範囲(約0.77~25ミクロン)、又は電磁スペクトルの他の範囲における電磁放射を作製する照射源を含むことができる。実施形態では、照射器又は光源は、アークランプ又は石英ハロゲンランプなどのランプである。実施形態では、照明器又は光源は、可干渉光源である。実施形態では、光源は、レーザ、LED(発光ダイオード)、水銀灯若しくはタングステンランプ、又は超連続ダイオードである。実施形態では、光源は、200nm~1500nmの波長を有する励起ビームを提供する。実施形態では、レーザは、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを提供する。実施形態では、レーザは、405nm、488nm、532nm、又は633nmの波長を有する励起ビームを提供する。
【0056】
実施形態では、光源は、1つ以上の励起ビームを提供する。励起ビームは、試料又は試料領域に向けて伝播される電磁エネルギーを意味することが意図されている。励起ビームは、電磁波又は粒子の集合体が均一な方向に伝播するように成形され得、伝播方向に直交するニ次元断面が長方形又は長楕円形である。励起ビームの例示的なニ次元断面は、長方形、楕円形、又は長円形の形状を含むことができる。励起ビームの断面幅は、例えば、約0.5μm~約50μmの範囲の一方又は両方の寸法を有することができる。例えば、励起ビームの寸法は、少なくとも約0.05μm、0.1μm、0.5μm、1μm、5μm又は10μmであり得る。更に、励起ビームの寸法は、例えば、最大で約0.1μm、0.2μm、0.5μm、1μm、5μm又は10μmでありうる。実施形態では、励起ビームの寸法は、約0.2μm~約50μmである。実施形態では、励起ビームの寸法は、約10μm~約30μmである。実施形態では、励起ビームの寸法は、約20μm~約30μmである。実施形態では、励起ビームの寸法は、約20μmである。これらの寸法は単に例示的なものであり、所望により他の寸法を有する励起ビームを使用することができることを理解されたい。
【0057】
実施形態では、光源は、レーザ(例えば、固体レーザ又は気体レーザなどのレーザ)である。実施形態では、光源は、1つ以上の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)、垂直外部キャビティ面発光レーザ(VECSEL)、又はダイオード励起固体(DPSS)レーザを含む。実施形態では、光源は、連続波(CW)レーザ又はパルスレーザである。実施形態では、光源はパルスレーザである。実施形態では、光源は超短パルスレーザである。超短レーザは、ピコ秒以下の時間の間、励起ビームを作製することができるレーザである。超短レーザは、典型的に、励起ビームのパルスを制御するためのパルスコントローラ、パルス整形器、及び空間光変調器などの追加の構成要素を含む。実施形態では、超短レーザは、フェムト秒又はピコ秒の間、励起ビームを提供する。実施形態では、光源はフェムト秒又はピコ秒のパルスレーザである。実施形態では、レーザは、チタンサファイアレーザ、色素レーザ、又はファイバレーザである。実施形態では、システムは、2つ以上の光源(例えば、レーザ)を含む。実施形態では、第1の光源は、赤色波長の光を放射するように構成され、第2の光源は、緑色波長の光を放射するように構成されている。実施形態では、システムは、2つ以上のレーザを含む。
【0058】
実施形態では、試料は、修飾ヌクレオチド(例えば、可逆的ターミネータ及び/又は標識を含むヌクレオチド)を含む。実施形態では、試料は、基材に付着したヌクレオチドを含む。実施形態において、試料は、表面固定化ポリヌクレオチド(例えば、基材に共有結合しているポリヌクレオチドプライマ又はポリヌクレオチド鋳型)を含む。実施形態では、ポリヌクレオチドの5’末端は、固体支持体にテザー結合される官能基を含有する共有結合の非限定的な例としては、固体支持体上でエポキシ又はイソチオシアネート基と反応するアミン修飾ポリヌクレオチド、固体支持体上でアミノフェニル又はアミノプロピル官能基と反応するスクシン化ポリヌクレオチド、固体支持体上でアジド官能基と反応するジベンゾシクロクチン修飾ポリヌクレオチド(又はその逆)、固体支持体上でテトラジン又はメチルテトラジン基と反応するトランスシクロオクチン修飾ポリヌクレオチド(又はその逆)、固体支持体上でメルカプト官能基と反応するジスルフィド修飾ポリヌクレオチド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)化学を介してコア上のカルボン酸基と反応するアミン官能化ポリヌクレオチド、ジスルフィド結合又はマレイミド結合を介して固体支持体に付着するチオール修飾ポリヌクレオチド、固体支持体上のアジド官能基への銅触媒クリック反応を介して固体支持体に付着するアルキン修飾ポリヌクレオチド、及び固体支持体上で遊離アクリル酸モノマーを用いて重合してポリアクリルアミドを形成するか又は固体支持体上でチオール基と反応させるアクリダイト修飾ポリヌクレオチドが挙げられる。
【0059】
実施形態では、基材は、均一にシラン化される表面を有する、顕微鏡スライドなどのガラス又は石英である。これは、従来のプロトコル、例えば、Beattieら(1995)、Molecular Biotechnology、4:213を使用して達成され得る。かかる表面は、増幅前にオリゴヌクレオチド(例えば、フォワードプライマ並びにリバースプライマ、及び/又はスプリントプライマ)の末端付着を許すように容易に処理される。実施形態では、固体支持面は、ポリヌクレオチドを固定化することができる官能基を含有するポリマーコーティングを更に含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、秩序だったパターンでのポリヌクレオチドの固定化に好適なパターン化された表面を含む。パターン化された表面は、固体支持体の露出した層の中又はその上の異なる領域の配置を指す。例えば、領域のうちの1つ以上は、1つ以上のプライマが存在する特徴部であることができる。特徴部は、捕捉プライマが存在しない間質領域によって分離されることができる。いくつかの実施形態では、パターンは、行及び列にある特徴部のx-y形式であることができる。いくつかの実施形態では、パターンは、特徴部及び/又は間質領域の反復配置であることができる。いくつかの実施形態では、パターンは、特徴部及び/又は間質領域のランダムな配置であることができる。いくつかの実施形態では、プライマは固体支持体上にランダムに分布する。いくつかの実施形態では、プライマは、パターン化された表面上に分布する。
【0060】
実施形態では、試料は、複数の個々の部位(例えば、マイクロアレイ又はマルチウェル容器)を有するアレイを含む。典型的なマイクロアレイは、時には特徴部と称される部位を包含し、各々が標的の集団を有する。アレイの部位又は特徴部は、典型的には離散的であり、互いの間の空間で分離されている。特徴部のサイズ及び特徴部間の間隔は、アレイが高密度、中密度又は低密度であり得るように変更することができる。高密度アレイは、約15μm未満で分離された部位を有することを特徴とする。中密度アレイは、約15~30μmで部位が分離されているのに対し、低密度アレイは、30μmを超えて部位が分離されている。実施形態では、試料は、100μm、50μm、10μm、5μm、1μm又は0.5μm未満で分離されている特徴部を含むアレイである。他の例示的な試料としては、限定はされないが、生物学的標本(例えば、核酸、タンパク質、細胞、ウイルス、又は組織)、ナノ粒子、又は電子チップ(例えば、マイクロプロセッサチップ)が挙げられる。試料は、検出されることが意図される物体又は場所を指す。実施形態では、試料は、撮像のための標的である複数の別個の特徴部を含む。いくつかの実施形態では、試料は、標的核酸が標的特徴部として付着されている、ビーズ又はウェルなどの表面を有する非平面構造を含む。実施形態では、試料は、試料ホルダによって保持される。試料ホルダは、マルチウェルプレートであることができる。いくつかの実例では、マルチウェルプレートは、16個、24個、48個、96個、384個又はそれを超える試料ウェルを有する。これらの実例のうちのいくつかでは、光源のアレイ、例えば、LEDは、16個、24個、48個、96個、384又はそれを超える対応する光源を有する。いくつかの実例では、マルチウェルプレートは、生物学的分析用の標準的なマイクロウェルプレートである。実施形態では、試料ホルダは、少なくとも内部的に、フッ素系ポリマー又はBSAなどの生物学的物質の試料ホルダへの付着を防止するための材料でコーティングされている。実施形態では、試料は、シークエンシングされ得るゲノム材料を含む。実施形態では、試料は、標識ヌクレオチド、例えば、光の異なる波長に対応する異なる標識を含有するヌクレオチドを含む。標識は、例えば、蛍光標識、化学発光標識又は生物発光標識であり得る。例えば、遺伝子シークエンシング(又はDNAシークエンシング)では、実施形態は、核酸ポリヌクレオチド(例えば、DNAの鎖)内のヌクレオチド塩基の正確な順序を決定するために使用され得る。ヌクレオチド塩基は、特異的蛍光標識(例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、又はチミン(T))で標識化され得る。あるいは、例えば、1つの色、2つの色、又は3つの色でのシークエンシング方法を使用し得る。蛍光に関しては、ヌクレオチド塩基の各々は、核酸を励起光で連続的に励起することによって順番に決定され得る。核酸は、本明細書に記載されるように、励起光を吸収して、画像センサ上に異なる波長の放射光を透過し得る。画像センサは、放射光の波長及びフォトダイオードによって受け取られる強度を測定し得る。各ヌクレオチド(例えば、蛍光標識ヌクレオチド)は、特定の波長及び/又は強度の励起光によって励起されると、特定の波長の光及び/又は強度を画像センサに放射し得、核酸の特定の位置における特定のヌクレオチド塩基の存在の識別が許容される。その特定のヌクレオチド塩基が決定されると、それは核酸から除去され得、その結果、次の連続するヌクレオチド塩基が類似のプロセスに従って決定され得る。
【0061】
実施形態では、試料は、表面を含む基材を含むマイクロプレートアレイを含み、表面は、表面上の間質領域によって互いに分離された複数のウェルを備え、1つ以上のウェルは、試料(例えば、細胞又は組織試料)、粒子、又は核酸を含む。実施形態では、試料は、細胞を含む。実施形態では、試料は、粒子を含む。実施形態では、試料は、核酸を含む。実施形態では、試料は、組織試料である。実施形態では、試料は、細胞を含む。実施形態では、表面は、オリゴヌクレオチドを実質的に含まない。実施形態では、マイクロプレートアレイは、2個、4個、6個、12個、24個、48個、96個、384個又は1536個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、24個、48個、96個、又は384個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、24個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、48個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、96個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、384個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートの寸法は、American National Standards Institute(ANSI)及びSociety For Laboratory Automation And Screening(SLAS)によって提供される基準、例えば、ANSI SLAS1-2004(R2012)に記載される公差及び寸法、ANSI SLAS2-2004(R2012)、ANSI SLAS3-2004(R2012)、ANSI SLAS4-2004(R2012)、及びANSI SLAS 6-2012に準拠する。実施形態では、マイクロプレートは、長さ127.7mm±0.5mm×幅85.4mm±0.5mmの長方形形状を有し、6個、12個、24個、48個、又は96個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートは、長さ127.7mm±0.5mm×幅85.4mm±0.5mmの長方形形状を有し、6個、12個、24個、48個、又は96個のウェルを含み、各ウェルの平均直径は約5~7mmである。実施形態では、マイクロプレートは、長さ127.7mm±0.5mm×幅85.4mm±0.5mmの長方形形状を有し、6個、12個、24個、48個、又は96個のウェルを含み、各ウェルの平均直径は約6mmである。
【0062】
例示的なワークフローの一般的な概要を、
図1及び2に提供する。本明細書では、少なくとも1つのCCD-CMOSセンサアレイ(本明細書ではTDIアレイ又はハイブリッドTDIラインスキャンセンサと代替的に称される)を含む撮像システムが記載される。ハイブリッドTDIセンサ(例えば、CCD-CMOSセンサアレイ)は、CCDピクセル構造をCMOS技術と組み合わせ、従来のCCD及び/又は従来のCMOSセンサと比較して、より高感度の超高速画像捕捉を可能にする。実施形態では、CCD-CMOSセンサアレイは、複数の(例えば、数百のライン)を捕捉し、各線は、通過するにつれて試料のスナップショットを連続的に捕捉し、暗い又は撮像しにくい物体の非常に低ノイズな画像をもたらすことができる複数の画像の蓄積を可能にする。
【0063】
実施形態では、試料はアレイ(例えば、マイクロアレイ)である。典型的なマイクロアレイは、特徴部と称されることもある部位を包含し、各々が標的の集団を有する。アレイの部位又は特徴部は、典型的には離散的であり、互いの間の空間で分離されている。特徴部のサイズ及び特徴部間の間隔は、アレイが高密度、中密度又は低密度であり得るように変更することができる。高密度アレイは、約15μm未満で分離された部位を有することを特徴とする。中密度アレイは、約15~30μmで部位が分離されているのに対し、低密度アレイは、30μmを超えて部位が分離されている。実施形態では、試料は、100μm、50μm、10μm、5μm、1μm又は0.5μm未満で分離されている特徴部を含むアレイである。他の例示的な試料としては、限定はされないが、生物学的標本(例えば、核酸、タンパク質、細胞、ウイルス、又は組織)、ナノ粒子、又は電子チップ(例えば、マイクロプロセッサチップ)が挙げられる。実施形態では、試料は、表面を含む基材を含むマイクロプレートアレイを含み、表面は、表面上の間質領域によって互いに分離された複数のウェルを備え、1つ以上のウェルは、試料(例えば、細胞又は組織試料)、粒子、又は核酸を含む。実施形態では、試料は、細胞を含む。実施形態では、試料は、粒子を含む。実施形態では、試料は、核酸を含む。実施形態では、試料は、組織試料である。実施形態では、試料は、細胞を含む。実施形態では、表面は、オリゴヌクレオチドを実質的に含まない。実施形態では、マイクロプレートアレイは、2個、4個、6個、12個、24個、48個、96個、384個又は1536個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、24個、48個、96個、又は384個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは24個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは48個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは96個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートアレイは、384個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートの寸法は、American National Standards Institute(ANSI)及びSociety For Laboratory Automation And Screening(SLAS)によって提供される基準、例えば、ANSI SLAS1-2004(R2012)に記載される公差及び寸法、ANSI SLAS2-2004(R2012)、ANSI SLAS3-2004(R2012)、ANSI SLAS4-2004(R2012)、及びANSI SLAS 6-2012に準拠する。実施形態では、マイクロプレートは、長さ127.7mm±0.5mm×幅85.4mm±0.5mmの長方形形状を有し、6個、12個、24個、48個、又は96個のウェルを含む。実施形態では、マイクロプレートは、幅85.4mm±0.5mm、長さ127.7mm±0.5mmの長方形形状を有し、6個、12個、24個、48個、又は96個のウェルを含み、各ウェルの平均直径は約5~7mmである。実施形態では、マイクロプレートは、長さ127.7mm±0.5mm×幅85.4mm±0.5mmの長方形形状を有し、6個、12個、24個、48個、又は96個のウェルを含み、各ウェルの平均直径は約6mmである。
【0064】
実施形態では、撮像システムは、チャネル当たり1つのカメラ及び1つのCCD-CMOSセンサアレイを含む。実施形態では、撮像システムは、1つのカメラ及び4つのCCD-CMOSセンサを含む。実施形態では、撮像システムは、2つのカメラ及び2つのCCD-CMOSセンサアレイを含む。実施形態では、撮像システムアーキテクチャは、2つのカメラを使用する直立した無限補正された落射蛍光顕微鏡を含み、それら各々は、4つのカラーチャネルのうちの2つの捕捉を担う。実施形態では、撮像経路は、4つの蛍光バンドを第1のカメラ又は第2のカメラに経路指定するビームスプリッタを含む。実施形態では、撮像経路の分岐の各々は、その分岐に意図されたカラーチャネルの対を透過し、励起光及び帯域外蛍光を遮断するように特に設計されたデュアルバンドパスフィルタを含む。
【0065】
多色画像取得内の典型的な実装は、赤及び緑の励起光で2回連続して露光し、複数のチャネル内で画像を捕捉することに依拠する。これとは対照的に、本明細書に記載の撮像システムは、全てのチャネルを並列に撮像し、時間的分離の代わりに、励起光の空間分離に依拠しており、
図1及び2を参照のこと。本明細書に記載されるシステム及び方法の利点は、それらが、複数の標的核酸を並列に迅速かつ効率的に検出することを提供することである。
【0066】
第1の構成ワークフローでは、
図1に示すように、第1の光源101は、第1の励起ビーム103を提供し、第2の光源102は、第2の励起ビーム104を提供する。励起ビーム103は、ミラー112、ミラー113、及びレンズ110によってダイクロイックフィルタ140に向けられる。励起ビーム104は、ミラー111、ミラー113、及びレンズ110によってダイクロイックフィルタ140に向けられる。ダイクロイックフィルタ140は、対物レンズ130を通して、かつ試料120上に励起ビーム103及び励起ビーム104を向ける。試料中の複数のフルオロフォアとの励起ビームの相互作用は、蛍光放射105、106、107、及び108を生成する。蛍光放射105、106、107、及び108は、ダイクロイックウェッジ141によって反射され、チューブレンズ115を通して、更にバンドパスフィルタ145を通して透過される。蛍光放射105は、センサアレイ151に向かって透過され、蛍光放射106は、センサアレイ152に向かって透過され、蛍光放射107は、センサアレイ153に向かって透過され、蛍光放射108は、センサアレイ154に向かって透過される。いくつかの実装では、ミラー111及び112は、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104に対してそれぞれ配向させることができ、その結果、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104が空間的に分離されている。これにより、第1の励起ビーム103を、試料120の第1の場所に衝突させ、第2の励起ビーム104を、試料220の第2の場所に衝突させることを許容することができる。結果として、(励起ビーム103によって生成される)蛍光放射105及び106は、(励起ビーム204によって生成される)放射107及び108から空間的に分離されている。実施形態では、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104は、約10μm~約500μm空間的に分離されている。実施形態では、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104は、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、又は約100μm空間的に分離されている。実施形態では、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μm空間的に分離されている。実施形態では、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104は、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、又は約60μm空間的に分離されている。実施形態では、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104は、約50μm空間的に分離されている。実施形態では、第1の励起ビーム103及び第2の励起ビーム104は、約50μm、約51μm、約52μm、約53μm、約54μm、約55μm、約56μm、約57μm、約58μm、約59μm、又は約60μm空間的に分離されている。
【0067】
第2の構成ワークフローでは、
図2に示すように、第1の光源201は、第1の励起ビーム203を提供し、第2の光源202は、第2の励起ビーム204を提供する。励起ビーム203は、ミラー212、ミラー213、及びレンズ210によってダイクロイックフィルタ240に向けられる。励起ビーム204は、ミラー211、ミラー213、及びレンズ210によって、ダイクロイックフィルタ240に向けられる。ダイクロイックフィルタ240は、対物レンズ230を通して、かつ試料220上に励起ビーム203及び励起ビーム204を向ける。試料中の複数のフルオロフォアとの励起ビームの相互作用は、蛍光放射205、206、207、及び208を生成する。蛍光放射205及び207は、チューブレンズ215を通して、更にバンドパスフィルタ245を通して、ダイクロイックビームスプリッタ241によって反射される。蛍光放射205は、センサアレイ251に向かって透過され、蛍光放射207は、センサアレイ253に向かって透過される。蛍光放射206及び208は、チューブレンズ216を通して、更にバンドパスフィルタ246を通して、ダイクロイックビームスプリッタ241によって反射される。蛍光放射206は、センサアレイ252に向かって透過され、蛍光放射208は、センサアレイ254に向かって透過される。いくつかの実装では、ミラー211及び212は、第1の励起ビーム203及び第2の励起ビーム204に対してそれぞれ配向させることができ、その結果、第1の励起ビーム203及び第2の励起ビーム204が空間的に分離されている。これにより、第1の励起ビーム203を試料220の第1の場所に衝突させ、第2の励起ビーム204を試料220の第2の場所に衝突させることを許容することができる。結果として、(励起ビーム203によって生成される)蛍光放射205及び206は、(励起ビーム204によって生成される)放射207及び208から空間的に分離されている。
【0068】
実施形態では、対物レンズは顕微鏡対物レンズである。本発明に有用な例示的なテレセントリック対物レンズには、米国特許第5,847,400号に記載されているものが含まれ、これは参照により本明細書に組み込まれる。実施形態では、対物レンズは、空気対物レンズである。実施形態では、対物レンズは、液浸対物レンズである。実施形態では、対物レンズは、大きな開口数(NA)(例えば、0.95~1.5の範囲のNA)を有し、空気浸漬又は液体浸漬(例えば、水、油、又は他の浸漬流体)を介して撮像を行う。例えば、NAは、少なくとも約0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、又はそれ以上であってもよい。当業者であれば、レンズが作用する媒体の屈折率に依存するNAは、例えば、空気については最大1.0、純水については1.33、又は油などの他の媒体についてはそれよりも高いことを含む、より高い場合があることを理解するであろう。しかしながら、他の実施形態は、上記実施例よりも低いNA値を有し得る。光学アセンブリによって取得された画像データは、0.1~50ミクロン、又はより具体的には、0.1~10ミクロンの解像度を有し得る。実施形態では、カメラの開口数は、少なくとも0.2である。実施形態では、カメラの開口数は、0.8以下である。実施形態では、カメラの開口数は、0.5以下である。本明細書に記載される画像システムは、10μm、5μm、2μm、1.5μm、1.0μm、0.8μm、0.5μm、又はそれ未満の距離だけ分離している特徴部又は部位を個別に分解するのに十分である解像度を有し得る。実施形態では、本明細書に記載の画像システムは、最大で100μmの距離だけ分離している特徴部又は部位を個別に分解するのに十分である解像度を有し得る。
【0069】
実施形態では、各カメラは、少なくとも1つのCCD-CMOSセンサアレイを含む。光感受性ピクセルはCCDであり、ラインからラインへのノイズレス電荷移行を許容する。読み出し回路はCMOSであり、列を並列に読み出し、高ライン速度を可能にする。各ラインは、通過する物体のスナップショットを連続的に捕捉し、複数の画像の蓄積を許容し、暗い物体又は撮像しにくい物体の非常に低ノイズの画像をもたらすことができる。CMOS技術の電力効率と組み合わせると、CCD-CMOSセンサは、優れた光感度で超高速撮像を許す。
【0070】
実施形態では、CCD-CMOSセンサアレイは、少なくとも8,000ピクセル幅である。実施形態では、CCD-CMOSセンサアレイは、少なくとも64ピクセル長である。実施形態では、CCD-CMOSセンサアレイは、少なくとも128ピクセル長である。実施形態では、各ピクセルは、(例えば、x及びy軸に対応する)二次元の幅及び高さを有する。実施形態では、各ピクセルは、3μm幅である。実施形態では、各ピクセルは、4μm幅である。実施形態では、各ピクセルは、5μm幅である。実施形態では、各ピクセルは、2μm幅である。実施形態では、各ピクセルは、1μm幅である。実施形態では、各ピクセルは、3μm高である。実施形態では、各ピクセルは、4μm高である。実施形態では、各ピクセルは、5μm高である。実施形態では、各ピクセルは、2μm高である。実施形態では、各ピクセルは、1μm高である。実施形態では、センサアレイは、複数のピクセルを含む。実施形態では、各ピクセルは、ほぼ正方形である(すなわち、各ピクセルは等しい水平及び垂直のサンプリングピッチを有する)。実施形態では、各ピクセルは、ほぼ長方形である(すなわち、各ピクセルは、不等な水平及び垂直のサンプリングピッチを有し、長楕円形がもたらされる)。
【0071】
実施形態では、センサアレイは、出力信号を生成する。画像センサの出力信号は、各ピクセルのフォトダイオード上の光入射(例えば、放射)によって生成される電子に由来する。出力信号の出力電圧は、フォトダイオードから読み取りノードへの信号電子の移行に依存する。フォトダイオードの形状及びサイズは、電荷移行速度を制御することが知られている。例えば、大型フォトダイオードでは、電子を移送トランジスタに押し込む横方向電界が減少するため、生成された電子を完全に抽出することは困難である。フォトダイオードの形状を調節することは、移行を強化することが知られている(例えば、三角形形状のフォトダイオードは、横方向電界を増加させる)。
【0072】
実施形態では、CCD-CMOSセンサアレイは、スキャン方向に対して横方向に延在するピクセルの行からなり、入力同期信号によって決定される速度で、1つの行から次の行へ電荷を移行させる能力を有する。同期信号は、撮像レンズの下に撮像される物体(例えば、試料)を移動させる、運動ステージの位置エンコーダによって生成される。例えば、試料は、一定の速度で対物レンズの下で並進される。励起源は、試料上の長方形のエリアを照射する。スキャンが進むと、試料中の特定の物体の蛍光像が、ステージのスキャン速度を倍増した速度でカメラチップ(CCD-CMOSセンサアレイなど)上を並進される。実施形態では、試料は、約1mm2/秒、1.5mm2/秒、5mm2/秒、10mm2/秒、50mm2/秒又は100mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、試料は、10mm2/秒、20mm2/秒、30mm2/秒、40mm2/秒、又は50mm2/秒でスキャンされる。実施形態では、試料は、少なくとも20mm2/秒でスキャンされる。
【0073】
実施形態では、システムは、スキャン素子を更に含み得、スキャン素子は、ある方向に沿って試料をスキャンするように構成された機械的構成要素、電気機械的構成要素、ソフトウェア構成要素、又はそれらの組み合わせであり得、その方向はスキャン方向に対応し得る。実施形態では、スキャン方向は、試料の励起方向に対して直交する。実施形態では、スキャン方向は、励起ビーム方向に対して非直交であり、直交投影された構成要素が、最終的な画像再構成に直接寄与する。「スキャン素子」という用語は、試料の異なる部分を順次検出することができる素子を意味することが意図される。スキャン素子は、例えば、光源、対物レンズ、画像センサ、又は試料を含む、システムの1つ以上の構成要素の位置を変更することによって動作することができる。例示的なスキャン素子としては、限定されないが、ビーム(例えば、励起ビーム)を試料にわたって移動させるように構成された検流計、又は試料をビームにわたって移動させるように構成された並進ステージが挙げられる。
【0074】
TDIアレイ(例えば、CCD-CMOSセンサアレイ)撮像システムはまた、検出器アレイの素子の異なるサブセットによって試料の異なる部分を順次検出するように構成され得、素子のサブセット間の電荷の移行は、撮像される試料の見かけの動きと同期する速度で、同一方向に進行する。例えば、CCD-CMOSセンサアレイ撮像システムは、フレーム移送デバイスが、試料の見かけの動きに位置合わせされかつ同期された線形アレイのスタックによって試料の連続的なビデオ画像を作製するように試料をスキャンし得、それによって、画像が1つのラインから次のラインに移動するにつれて、蓄積された電荷がそれとともに移動する。電荷の蓄積は、電荷の行が検出器の一端からシリアルレジスタに(又は、フレーム移行CCDの場合、デバイスの記憶エリアに)移動するのに必要な全時間の間に統合することができる。
【0075】
システムはまた、一群のレンズ(コリメートレンズ、ビーム成形レンズ(例えば、パウエルレンズ)、及び円筒形レンズなど)、ミラー(例えば、ダイクロイックミラー)、ビームスプリッタ、1つ以上のピンホール開口、励起フィルタ、又はそれらの組み合わせを含む、他の構成要素を含み得る。例えば、光源の方向、サイズ、及び/又は偏光は、レンズ、ミラー、及び/又は偏光子を使用して調整され得る。実施形態では、システムの構成要素のうちの1つ以上は、自動的に調整又は操作され得る。自動制御デバイスは、電動並進ステージ、作動デバイス、1つ以上のピエゾステージ、並びに/又は1つ以上の自動スイッチ及びフリップ式のミラー及びレンズを含み得る。実施形態では、システムは、1つ以上の光源から放射される光を望ましいパターンに成形するように構成された1つ以上の光学構成要素(例えば、ビーム成形レンズ)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、光学構成要素は、(例えば、1つ以上のパウエルレンズ、又は他のビーム成形レンズ、回折構成要素、又は散乱構成要素を使用することによって)光をラインパターンに成形し得る。実施形態では、光学構成要素は、ラインジェネレータを含む。
【0076】
実施形態では、光学構成要素は、パウエルレンズ、マイクロレンズ、又はマイクロレンズアレイを含む。実施形態では、光学構成要素は、ガラス、金属、又はプラスチック上に製作されたマイクロレンズを含む。実施形態では、1つのビーム成形レンズ又は複数のビーム成形レンズを通して、励起ビームを向けてもよい。いくつかの実施形態では、単一のビーム成形レンズを使用して、複数の光源(例えば、2つの光源)から出力される励起ビームを成形してもよい。いくつかの実施形態では、別個のビーム成形レンズを、各光ビームに使用してもよい。実施形態では、ビーム成形レンズはパウエルレンズであり、代替的にパウエルプリズムとも称される。ビームの形状は、既知の技法、例えば、ライン、円錐、超ガウシアン、リング、ドーナツ、ベッセル-ガウス、エルミート-ガウシアン、ラゲール-ガウシアン、超幾何ガウシアン、インス-ガウシアンなど従って、適切な幾可学的形状に成形され得る。実施形態では、ビームは、許容可能な限界内(例えば、ビームにわたり30%未満の強度変化)で均一である。実施形態では、ビームは形状が示されるか、又は勾配を含む。
【0077】
試料は、検出されることが意図される物体又は場所を指す。実施形態では、試料は、撮像のための標的である複数の別個の特徴部を含む。いくつかの実施形態では、試料は、標的核酸が標的特徴部として付着されている、ビーズ又はウェルなどの表面を有する非平面構造を含む。実施形態では、試料は、試料ホルダによって保持される。試料ホルダは、マルチウェルプレートであることができる。いくつかの実例では、マルチウェルプレートは、16個、24個、48個、96個、384個又はそれを超える試料ウェルを有する。これらの実例のうちのいくつかでは、光源のアレイ、例えば、LEDは、16個、24個、48個、96個、384個又はそれを超える対応する光源を有する。いくつかの実例では、マルチウェルプレートは、生物学的分析のための標準的なマイクロウェルプレートである。
【0078】
態様では、核酸シークエンシングシステムが提供され、遺伝子シークエンシングシステムは、本明細書に記載される撮像システムを含む。遺伝子シークエンシングシステムは、励起ビームを利用して、DNA含有試料中の標識ヌクレオチドを励起し、DNA内に存在する塩基対の分析を可能にする。高速シークエンシングでは、DNAフルオロフォアに励起ビームを送達するために、高速スキャンを採用し、画像センサによって検出されるDNA試料からの反応性光子の十分な放射を刺激する。次世代シークエンシング(NGS)技術の多くは、合成によるシークエンシング(SBS)の形態を使用し、ここで、修飾ヌクレオチドが酵素とともに使用され、制御された様式でDNA鋳型の配列を読み取る。実施形態では、シークエンシングは、合成によるシークエンシングプロセスを含み、個々のヌクレオチドは、重合されて成長する相補鎖を形成するため、反復的に識別される。実施形態では、成長する相補鎖に付加されるヌクレオチドは、標識と、更なる伸長を阻止する可逆的連鎖停止剤の両方を含み、その結果、ヌクレオチドは、停止剤を除去して更なるヌクレオチドを付加し識別する前に、標識によって識別され得る。こうした可逆的連鎖停止剤は、例えば、米国特許第10,738,072号、米国特許第7,541,444号及び第7,057,026号に記載されている、除去可能な3’保護基を含む。こうした修飾ヌクレオチドが、シークエンシングされた鋳型領域に対して相補的な成長中のポリヌクレオチド鎖内に組み込まれると、更なる配列伸長を導くために利用可能な遊離3’-OH基はなく、したがってポリメラーゼは更なるヌクレオチドを付加することができない。成長中の鎖内に組み込まれた塩基の同一性が決定されると、3’可逆的停止剤を除去して、連続的に次のヌクレオチドの付加を許容し得る。実施形態では、遺伝子シークエンシングシステムは、4つの異なる標識を含む4つの異なるヌクレオチドの検出を利用する。
【0079】
実施形態において、核酸シークエンシングシステムは、4つ未満の異なる標識を使用する4つの異なるヌクレオチドの検出を利用する。第1の実施例として、一対のヌクレオチドタイプは、同じ波長で検出することができるが、強度などの信号状態の違いに基づいて、対の一方のメンバを他方と比較して区別することができ、又は対の他方のメンバに対して検出された信号と比較して、見かけの信号を出現させるか又は消失させる、対の一方のメンバに対する変化(例えば、化学修飾、光化学修飾若しくは物理的修飾を介して)に基づいて区別することができる。第2の実施例として、4つの異なるヌクレオチドタイプのうちの3つは、特定の条件下で検出することができ、一方で第4のヌクレオチドタイプは、それらの条件下で検出可能な標識を欠いているか、又はそれらの条件下で最小限に検出される。最初の3つのヌクレオチドタイプの核酸内への組み込みは、それぞれの信号の存在に基づいて決定することができ、第4のヌクレオチドタイプの核酸内への組み込みは、任意の信号の不在又は最小の検出に基づいて決定することができる。第3の実施例として、1つのヌクレオチドタイプは、2つの異なるチャネル内で検出される標識を含むことができ、一方で他のヌクレオチドタイプは、ただ1つのチャネル内で検出される。
【0080】
態様では、細胞撮像システムが提供され、細胞撮像システムは、本明細書に記載されるような撮像システムを含む。細胞撮像システムは、励起ビームを利用して、細胞(例えば、対象組織から、又は生検、血液試料、若しくは細胞培養からの試料)を含む試料からの放射(例えば、回折光、反射光、屈折光)を検出する。対象からの流体又は組織を含む細胞を含む試料の非限定的な例としては、限定はしないが、血液又は血液製剤(例えば、血清、血漿、血小板、軟膜、又は同様のもの)、臍帯血、絨毛、羊水、脳脊髄液、脊髄液、洗浄液(例えば、肺、胃、腹膜、乳管、耳、関節鏡下)、生検試料、腹腔穿刺試料、細胞(血球、リンパ球、胎盤細胞、幹細胞、骨髄由来細胞、胚又は胎児細胞)又はその一部(例えば、ミトコンドリア、核、抽出物、又は同様のもの)、尿、便、喀痰、唾液、鼻粘液、前立腺液、洗浄、精液、リンパ液、胆汁、涙、汗、母乳、乳汁、同様のもの又はそれらの組み合わせが挙げられる。組織の非限定的な例としては、臓器組織(例えば、肝臓、腎臓、肺、胸腺、副腎、皮膚、膀胱、生殖器、腸、結腸、脾臓、脳、同様のもの又はそれらの一部)、上皮組織、毛髪、毛包、導管、管、骨、眼、鼻、口、喉、耳、爪、同様のもの、それらの一部又はそれらの組み合わせが挙げられる。試料は、正常、健康、疾患あり(例えば、感染した)、及び/又は癌性(例えば、癌細胞)である細胞又は組織を含み得る。対象から得られた試料は、複数の生物(例えば、ウイルス核酸、胎児核酸、細菌核酸、寄生虫核酸)の細胞又は細胞材料(例えば、核酸)を含み得る。
【0081】
態様では、細胞撮像システムが提供され、細胞撮像システムは、本明細書に記載されるように撮像システムを含む。組織撮像システムは、励起ビームを利用して、組織(例えば、対象組織から、又は生検、血液試料、若しくは細胞培養からの試料)を含む試料からの放射(例えば、回折光、反射光、屈折光)を検出する。
【0082】
実施形態では、システム(例えば、核酸シークエンシングシステム、細胞撮像システム、又は組織撮像システム)は、流体連通する1つ以上の相互接続されたチャンバ、ポート、及びチャネルの統合システムを含み、単独で、又は支持機能を提供するアプライアンス若しくは器具と連携して、分析の反応又はプロセスを実施するように構成されている。試薬吸引マニホールド及び/又は試薬分注マニホールドは、流体システムと流体連通する。流体システムは、デバイスの流体ネットワークを洗浄又はクリーニングするために、また反応物を希釈するために、流体を貯蔵し得る。例えば、流体システムは、試薬、酵素、他の生体分子、緩衝溶液、水性溶液、及び非極性溶液を貯蔵するための様々な貯蔵部を含み得る。更に、流体システムは、廃棄物を受容するめの廃棄物貯蔵部も含み得る。本明細書で使用される場合、流体は、液体、ゲル、気体、又はそれらの混合物であり得る。また、流体は、2つ以上の流体の混合物とすることができる。流体ネットワークは、それを通って流れる1つ以上の流体を有するように構成された複数の流体構成要素(例えば、流体ライン、ポンプ、吸引器、ノズル、弁、又は他の流体デバイス、マニホールド、貯蔵部)を含み得る。実施形態では、システムは、1つ以上の蠕動ポンプを含む。実施形態では、システムは、1つ以上のシリンジポンプを含む。実施形態では、サポート機能は、試料導入、流体及び/又は試薬の駆動手段、温度制御、検出システム、データ収集及び統合システムのうちの少なくとも1つを含み、鋳型ポリヌクレオチド(例えば、任意選択的にバーコードを含む標的ポリヌクレオチド)の核酸配列を決定するように構成されている。デバイスは、例えば、弁及びポンプを利用する圧力駆動流量制御を使用して、1つ以上の方向及び/又はデバイスの1つ以上のチャネル内への試薬、分子、又は酵素の流れを操作することができる。
【0083】
態様では、細胞試料(例えば、細胞を含む組織試料)を撮像する方法が提供される。実施形態では、方法は、細胞を含む試料を提供することと、本明細書に記載される撮像システムを使用して試料を照射することと、試料からの放射(例えば、蛍光励起イベント、散乱光、透過光、又は反射光)をアクティブピクセルセンサアレイで検出することと、同期した様式で(すなわち、第1及び第2の電荷の両方の移行は、試料ステージ速度と同期される)試料をスキャンすることと、を含む。
【0084】
実施形態では、方法は、試料の物理的形態又は構造の二次元又は三次元の写真、画像、ビデオ、又はその他の表現を取得するステップを更に含む。この表現は、光照射野、蛍光、又は他の顕微鏡技法を介して得ることができる。実施形態では、方法は、追加の画像診断法又は免疫組織化学モダリティ(例えば、免疫染色)を更に含む。免疫組織化学(IHC)は、抗体と抗原との間の特異的結合を活用して、一般的に光顕微鏡で検出及び検査される、細胞及び組織中の特異的抗原を検出し、局在化させる強力な技法である。Magaki,S.,Hojat,S.A.,Wei,B.,So,A.,& Yong,W.H.(2019).Methods in molecular biology (Clifton,N.J.),1897,289-298に記載のプロトコルなど、既知のIHCモダリティを使用してもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。実施形態では、追加の画像診断法は、明視野顕微鏡法、位相差顕微鏡法、ノマルスキー微分干渉顕微鏡法、又は暗視野顕微鏡法を含む。実施形態において、方法は、1つ以上の細胞を含む試料の細胞形態(例えば、細胞境界又は細胞形状)を決定することを更に含む。例えば、細胞境界を決定することは、画像のピクセル値を単一の強度閾値と比較することを含み、これは、Carpenter,A.らGenome Biology 7,R100(2006)及びArce,S.,Sci Rep 3,2266(2013)に記載されるヒストグラムベースのアプローチを使用して迅速に決定され得る。この表現と空間的に分解された核酸検出結果との比較を使用して、組織の認識可能な特徴部を有する遺伝情報を局在化することができる。本明細書に記述されるシステム及び方法で使用するために改変することができる核酸の空間的検出のための例示的な方法は、US2014/0066318に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。実施形態では、方法は、1つの軸(例えば、z方向)に沿ってスキャンすることによって、画像の二次元平面を取得することを含む。例えば、複数の二次元平面を、xy平面内の同じ試料に対して取得し得、それによって検出事象が、異なるz平面上で発生し得る。本明細書に提供される方法の実施形態では、方法は、1つの撮像面を、隣接する撮像面から区別するのに十分な解像度で、複数の二次元平面の各々を通して撮像することを含む。実施形態では、本明細書に記載の方法及びデバイスは、複数の深度分解光学的断面画像を同時に得る。
【0085】
実施形態では、方法は、追加の画像処理技法(例えば、フィルタリング、マスキング、平滑化、アンシャープマスクフィルタ(USM)、デコンボリューション、又は最大強度投影(MIP))を実施することを含む。実施形態では、方法は、放射の高周波成分を増幅する線形又は非線形のフィルタを使用して、放射を計算的にフィルタリングすることを含む。例えば、USM法は、オリジナルの画像の複製物にガウスぼかしを適用し、次いでそれをオリジナルの画像と比較する。差が閾値設定より大きい場合、画像は減算される。実施形態では、方法は、最大強度投影(MIP)を含む。最大強度投影は、三次元データ(例えば、試料内の様々な深度からの放射)を単一の二次元画像にする可視化技法である。例えば、投影は、各深度において最も明るいピクセル(ボクセル)を取り、最終的な二次元画像でそのピクセル強度値を表示する。様々な機械学習アプローチ、例えば、Lugagne etら Sci Rep 8,11455(2018)及びPattarone,G.,らSci Rep 11、10304(2021)に記載されている方法を使用してもよく、それらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。実施形態では、方法は、異なる焦点距離で撮影された複数の画像を組み合わせて、結果として得られる画像を個々のソース画像のどれよりも大きな被写界深度(DOF)を有するものにする焦点合成(例えば、zスタッキング)を含む。
【0086】
本明細書に記載される主題の1つ以上の態様又は特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現され得る。これらの様々な実装は、特殊目的又は汎用であり得、ストレージシステムからデータ及び命令を受信し、ストレージシステムにデータ及び命令を送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ、少なくとも1つの入力デバイス(例えば、マウス、タッチスクリーンなど)、及び少なくとも1つの出力デバイスを含むプログラマブルシステム上で実行可能及び/又は解釈可能である1つ以上のコンピュータプログラム内の実装を含み得る。本明細書に記載の方法及びシステムは、特定の命令で構成されたプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート若しくはトランジスタロジック、離散ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどの機械によって実装又は実施することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイス、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこうした構成の組み合わせとして実装することもできる。本明細書に記載の方法又はプロセスの要素は、コンピュータハードウェア内、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール内、又は2つの組み合わせで実装することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当技術分野で既知の任意の他の形態のコンピュータ可読記憶媒体内に常駐することができる。
【0087】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、構成要素、又はコードとも称され得る、コンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、及び/又はアセンブリ言語/機械言語で実装することができる。本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」という用語は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラマブル論理デバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/又はデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的固体メモリ又は磁気ハードドライブ又は任意の同等の記憶媒体のように、このような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的又は追加的に、例えば、1つ以上の物理的プロセッサコアに関連付けられたプロセッサキャッシュ又は他のランダムアクセスメモリのような一時的な方法で、このような機械命令を記憶することができる。コンピュータは、例えば、Windows、又はMacOS、又はUnix、又はLinuxのいくつかのバージョンのいずれか1つのような、様々なオペレーティングシステムのいずれか1つを実行することができる。
【0088】
特定の態様では、ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載の主題は、ユーザに情報を表示するための、例えば、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどのディスプレイデバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供し得る、例えば、マウス又はトラックボールなどのキーボード及びポインティングデバイスを有するコンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスを、ユーザとの相互作用を提供するために使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響的、音声的、又は触覚的な入力を含むがこれに限定されない任意の形態で受信され得る。他の可能な入力デバイスとしては、タッチスクリーン、若しくは単一点抵抗性又は多点抵抗性又は容量性のトラックパッドなどの他のタッチセンサ式デバイス、音声認識ハードウェア及びソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイス及び関連する解釈ソフトウェアなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバとして)を含むコンピューティングシステム、又はミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)を含むコンピューティングシステム、又はフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータで、ユーザが本明細書に記載される主題の実装と相互作用し得る)、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア、若しくはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせにおいて実装され得る。システムの構成要素は、任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続され得る。通信ネットワークの実施例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネット、WiFi(IEEE 802.11規格)、NFC、BLUETOOTH、ZIGBEE、及び同様のものが挙げられる。
【0090】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含み得る。クライアント及びサーバは、概して互いに遠隔であり、典型的には通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、かつ互いに対してクライアントとサーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0091】
本明細書に記載される主題は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、及び/又は物品に具体化され得る。前述の説明に記載される実装は、本明細書に記載される主題と一致する全ての実装を表すものではない。むしろ、それらは、記載される主題に関連する態様と一致するいくつかの実施例に過ぎない。いくつかの変形例を上に詳細に説明したが、他の変更又は追加も可能である。特に、更なる特徴及び/又は変形例は、本明細書に記載された内容に加えて提供することができる。例えば、上述の実装は、開示された特徴の様々な組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに/又は上記に開示されたいくつかの更なる特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせを対象とすることができる。更に、添付図面に描写され、かつ/又は本明細書に記載されている論理の流れは、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序、又は連続的な順序を必ずしも必要としない。他の実装は、以下の請求項の範囲内であり得る。
【0092】
実施形態
実施形態1.撮像システムであって、試料ステージ速度において移動する試料ステージであって、試料ステージが、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアを含む試料を受容するように構成されている、試料ステージと、第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイと、第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、かつ第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムであって、第1の蛍光放射が、第1のセンサアレイに衝突して、第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射が、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成する、第2の光学システムと、を備え、第1の電荷及び第2の電荷の両方の移行が、試料ステージ速度と同期される、撮像システム。
【0093】
実施形態2.第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアと、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイであって、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、を更に含み、第2の光学システムが、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、かつ第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けるように構成されており、第3の蛍光放射が、第3のセンサアレイに衝突して、第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射が、第4のセンサアレイに衝突して、第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成し、第3の電荷及び第4の電荷のうちの少なくとも1つの移行が、試料ステージ速度と同期される、実施形態1の撮像システム。
【0094】
実施形態3.撮像システムであって、試料ステージ速度で移動する試料ステージであって、試料ステージが、第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアを含む試料を備える、試料ステージと、第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、第1の励起ビームと第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成され、第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、第1の蛍光放射を第1のセンサアレイに、第2の蛍光放射を第2のセンサアレイに、第3の蛍光放射を第3のセンサアレイに、第4の蛍光放射を第4のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムと、を備え、第1の蛍光放射が、第1のセンサアレイに衝突し、第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成し、第2の蛍光放射が、第2のセンサアレイに衝突して、第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成し、第3の蛍光放射が、第3のセンサアレイに衝突して、第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成し、第4の蛍光放射が、第4のセンサアレイに衝突して、第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成し、第1の電荷、第2の電荷、第3の電荷及び第4の電荷のうちの少なくとも1つの移行が、試料ステージ速度と同期される、撮像システム。
【0095】
実施形態4.第1の光学システムが、第1の励起ビームを試料の第1の領域に向け、第2の励起ビームを試料の第2の領域に向けるように構成されており、第1の領域及び第2の領域が、約10μm~約500μm分離されている、実施形態1~3の撮像システム。
【0096】
実施形態5.第2の光学システムが、第1のセンサアレイに向かって第1の蛍光放射を反射し、第3のセンサアレイに向かって第3の蛍光放射を反射するように構成された第1の表面と、第2のセンサアレイに向かって第2の蛍光放射を反射し、第4のセンサアレイに向かって第4の蛍光放射を反射するように構成された第2の表面と、を含む第1の光学素子を備える、実施形態2~4の撮像システム。
【0097】
実施形態6.第2の光学システムが、第1の光学素子から下流にあり、第1の蛍光放射、第2の蛍光放射、第3の蛍光放射、及び第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2の光学素子を備える、実施形態5の撮像システム。
【0098】
実施形態7.第2の光学システムが、第1の蛍光放射、第2の蛍光放射、第3の蛍光放射、及び第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成されたバンドパスフィルタを備える、実施形態6の撮像システム。
【0099】
実施形態8.検出カメラが、第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイを含む、実施形態7の撮像システム。
【0100】
実施形態9.第1の光学素子が、ダイクロイックウェッジである、実施形態5の撮像システム。
【0101】
実施形態10.第2の光学システムが、第1のセンサアレイに向かって第1の蛍光放射を反射し、第3のセンサアレイに向かって第3の蛍光放射を反射し、第2のセンサアレイに向かって第2の蛍光放射を透過し、第4のセンサアレイに向かって第4の蛍光放射を透過するように構成された第1の光学素子を備える、実施形態2~4の撮像システム。
【0102】
実施形態11.第2の光学システムが、第1の光学素子から下流にあり、第1の蛍光放射及び第3の蛍光放射を集束させるように構成された第1のレンズと、第1の光学素子から下流にあり、第2の蛍光放射及び第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2のレンズと、を備える、実施形態10の撮像システム。
【0103】
実施形態12.第2の光学システムが、第1の蛍光放射及び第3の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第1のバンドパスフィルタと、第2の蛍光放射及び第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第2のバンドパスフィルタと、を備える、実施形態11の撮像システム。
【0104】
実施形態13.第1の検出カメラが、第1のセンサアレイ及び第3のセンサアレイを含み、第2の検出カメラが、第2のセンサアレイ及び第4のセンサアレイを含む、実施形態12の撮像システム。
【0105】
実施形態14.第1の光学素子が、ダイクロイックビームスプリッタである、実施形態10の撮像システム。
【0106】
実施形態15.各センサアレイが、TDIセンサアレイである、実施形態1~14のうちの1つの撮像システム。
【0107】
実施形態16.各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0108】
実施形態17.各センサアレイが、約3,000~10,000ピクセル幅である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0109】
実施形態18.各センサアレイが、約5,000~8,000ピクセル幅である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0110】
実施形態19.各センサアレイが、約5,500ピクセル幅である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0111】
実施形態20.各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅及び約10~300ピクセル長である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0112】
実施形態21.各センサアレイは、約3,000~10,000ピクセル幅及び約10~300ピクセル長である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0113】
実施形態22.各センサアレイは、約5,000~10,000ピクセル幅及び約30~300ピクセル長である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0114】
実施形態23.各センサアレイが、約8,000ピクセル幅及び約128ピクセル長である、実施形態1~15のうちの1つの撮像システム。
【0115】
実施形態24.試料ステージが、電動並進ステージである、実施形態1~23のうちの1つの撮像システム。
【0116】
実施形態25.試料ステージが、位置エンコーダを備え、位置エンコーダが、電荷の移行を同期する同期信号を生成する、実施形態1~24のうちの1つの撮像システム。
【0117】
実施形態26.コリメートレンズ、ビーム成形レンズ、又は円筒形レンズを更に備える、実施形態1~25のうちの1つの撮像システム。
【0118】
実施形態27. 1つ以上のラインジェネレータを更に備える、実施形態1~26のうちの1つの撮像システム。
【0119】
実施形態28. 2つのラインジェネレータを更に備える、実施形態1~26のうちの1つの撮像システム。
【0120】
実施形態29.試料を撮像する方法であって、a)試料上に第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを向けることを含み、前述の試料が、試料ステージ速度で移動する試料ステージ上にあり、試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第1の蛍光放射を生成する第1のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第2の蛍光放射を生成する第2のフルオロフォアとを含む、向けることと、b)前述の第1の蛍光放射を、第1のセンサアレイに衝突させ、第1の電荷速度において第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成するように向け、前述の第2の蛍光放射を、第2のセンサアレイに衝突させ、第2の電荷速度において第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成するように向けることであって、第1の電荷速度及び第2の電荷速度のうちの少なくとも1つが、試料ステージ速度と同期される、向けることと、c)試料をスキャン次元でスキャンし、ステップa)及びステップb)を繰り返して試料の画像を形成することと、を含む、方法。
【0121】
実施形態30.試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第3の蛍光放射を生成する第3のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第4の蛍光放射を生成する第4のフルオロフォアと、を更に含み、前述の第3の蛍光放射を、第3のセンサアレイに衝突させ、第3の電荷速度において第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成するように向け、前述の第4の蛍光放射を、第4のセンサアレイに衝突させ、第4の電荷速度において第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成するように向ける、実施形態29の方法。
【0122】
実施形態31.方法が、4つの異なるフルオロフォアを同時に含む試料を撮像することを含む、実施形態30の方法。
【0123】
実施形態32.第1の励起ビーム及び第2の励起ビームが、励起ラインを含む、実施形態30又は31の方法。
【0124】
実施形態33.試料をスキャンすることが、試料ステージを移動することを含む、実施形態30~32のうちの1つの方法。
【0125】
実施形態34.試料をスキャンすることが、一定速度で試料ステージを移動することを含む、実施形態30~33のいずれか1つの方法。
【0126】
実施形態35.前述の試料の前述の画像のデータ表現を、コンピュータ可読メモリに記憶することを更に含む、実施形態30~34のうちの1つの方法。
【0127】
実施形態36.励起ビームが、UV放射、VIS放射、又はIR放射を含む、実施形態30~35のうちの1つの方法。
【0128】
実施形態37.励起ビームが、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを含む、実施形態30~36のうちの1つの方法。
【0129】
実施形態38.試料が修飾ヌクレオチドを含む、実施形態30~37のうちの1つの方法。
【0130】
実施形態39.試料が、複数の個々の部位を有するアレイを含む、実施形態30~38のうちの1つの方法。
【0131】
I.定義
上記及び下記の両方において、本明細書に言及される全ての特許、特許出願、記事及び刊行物は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0132】
本明細書に別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に含まれる用語を含む様々な科学辞書は、周知であり、当業者によって利用可能である。本明細書に記載されるものと類似又は同等な任意の方法及び材料が、本開示の実施又は試験における使用を見出しているが、いくつかの好ましい方法及び材料が記載される。したがって、以下に定義される用語は、明細書全体を参照することによってより完全に記載される。本開示は、当業者によって使用される文脈に応じて変化し得るため、記載された特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されないことを理解されたい。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0133】
本明細書で使用される場合、単数形用語「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段の旨を明確に示さない限り、複数参照を含む。本明細書全体を通して、例えば、「一実施形態」、「実施形態」、「別の実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「ある特定の実施形態」、「追加の実施形態」、又は「更なる実施形態」若しくはそれらの組み合わせは、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所における前記の語句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0134】
本明細書全体を通して、例えば、「一実施形態」、「実施形態」、「別の実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「ある特定の実施形態」、「追加の実施形態」、又は「更なる実施形態」若しくはそれらの組み合わせは、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所における前記の語句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0135】
本明細書で使用される「約」という用語は、指定された値を含む値の範囲を意味し、当業者であれば、指定された値と合理的に類似しているとみなすであろう。実施形態では、「約」という用語は、当技術分野で一般的に許容可能な測定値を使用した標準偏差内であることを意味する。実施形態では、約は、指定された値の±10%まで拡張させた範囲を意味する。実施形態では、約は、指定された値を意味する。
【0136】
本明細書全体を通して、文脈が別途要求しない限り、用語「comprise(含む)」、「comprises(含む)」、及び「comprising(含む)」は、指定されたステップ又は要素若しくは複数のステップ又は複数の要素のグループを含むことを暗示するが、他のステップ又は要素若しくは複数のステップ又は複数の要素のグループを除外することを暗示しないものとして理解されるであろう。“からなる”とは、“からなる”という語句に続くものを含み、かつそれらに限定されることを意味する。したがって、“からなる”という語句は、列挙された要素が、必要又は必須であり、他の要素が存在しない場合があることを示す。「から本質的になる」とは、語句の後に列挙された任意の要素を含み、列挙された要素について本開示に明記された活動又は作用に干渉又は寄与しない他の要素に限定されることを意味する。したがって、“から本質的になる”という語句は、列挙された要素が、必要又は必須であるが、他の要素は任意選択的ではなく、列挙された要素の活動又は作用に影響を及ぼすかどうかに応じて、存在しない場合があることを示す。
【0137】
本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、一本鎖、二本鎖、多本鎖のいずれかの形態のヌクレオチド(例えば、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド)及びそのポリマー、又はその相補体を指す。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「オリゴ」又は同様のものの用語は、通常及び慣用的な意味で、ヌクレオチドの配列を指す「ヌクレオチド」という用語は、通常及び慣用的な意味で、ポリヌクレオチドの単一単位、例えば、モノマーを指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はそれらの修飾体であることができる。本明細書で想定されるポリヌクレオチドの例としては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖RNA、並びに一本鎖及び二本鎖DNA及びRNAと線形又は環状のフレームワークとの混合物を有するハイブリッド分子が挙げられる。ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、遺伝子間DNA(限定されないが、ヘテロクロマチックDNAを含む)、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、配列の単離DNA、配列の単離RNA、核酸プローブ、及びプライマが挙げられる。本開示の方法で有用なポリヌクレオチドは、天然核酸配列及びそのバリアント、人工核酸配列、又はかかる配列の組み合わせを含んでもよい。
【0138】
ポリヌクレオチドは、典型的には、4つのヌクレオチド塩基の特定の配列、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、及びチミン(T)(ポリヌクレオチドがRNAである場合、チミン(T)のウラシル(U))からなる。したがって、「ポリヌクレオチド配列」という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表示であり、代替的に、当該用語は、ポリヌクレオチド分子自体に適用され得る。このアルファベッ表現は、中央処理ユニットを有するコンピュータのデータベースに入力され、機能的ゲノム解析及び相同性検索などのバイオインフォマティクスアプリケーションに使用することができる。ポリヌクレオチドは、任意選択的に、1つ以上の非標準ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ及び/又は修飾ヌクレオチドを含み得る。
【0139】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド鋳型」という用語は、ポリメラーゼによって結合され、核酸合成のための鋳型として利用され得る任意のポリヌクレオチド分子を指す。本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチドプライマ」又は「プライマ」という用語は、ポリヌクレオチド鋳型にハイブリダイズし、ポリメラーゼによって結合し、PCR又はシークエンシング反応などの核酸合成の鋳型指向プロセスにおいて伸長し得る任意のポリヌクレオチド分子を指す。コア内のコアポリマーに付着されたポリヌクレオチドプライマは、「コアポリヌクレオチドプライマ」と称される。
【0140】
一般に、用語「標的ポリヌクレオチド」は、標的配列を有する核酸分子の開始集団における核酸分子又はポリヌクレオチドを指し、その存在、量、及び/若しくはヌクレオチド配列、又はそれらのうちの1つ以上における変化が決定されることが望ましい。一般に、用語「標的配列」は、核酸の一本鎖上の核酸配列を指す。標的配列は、遺伝子の一部、調節配列、mRNA、miRNA、rRNAを含むゲノムDNA、cDNA、RNA、又は他の一部であり得る。標的配列は、試料からの標的配列又は増幅反応の産物などの二次標的であり得る。標的ポリヌクレオチドは、必ずしも任意の単一分子又は配列ではない。例えば、標的ポリヌクレオチドは、反応条件に応じて、反応中の複数の標的ポリヌクレオチドのうちのいずれか1つであり得、所与の反応中の全てのポリヌクレオチドであり得る。例えば、ランダムプライマを用いた核酸増幅反応では、反応中の全てのポリヌクレオチドは増幅され得る。更なる実施例として、単一の反応において複数の標的に向けられたポリヌクレオチドプライマを使用して、一群の標的を同時にアッセイし得る。更に別の実施例として、試料中のポリヌクレオチドの全て又はサブセットは、プライマ結合配列の付加によって(プライマ結合配列を含むアダプタのライゲーションなどによって)修飾され、各修飾ポリヌクレオチドは、対応するプライマポリヌクレオチドとの反応において標的ポリヌクレオチドにされ得る。
【0141】
本明細書で使用される場合、「フローセル」という用語は、核酸シークエンシングデバイス中の反応容器を指す。フローセルは、典型的には、小さな流体チャネル(例えば、1つ以上のチャネルを有するガラススライド75mm×25mm×1mm)を含有するガラススライドであり、その中を、シークエンシング溶液(例えば、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、及び緩衝液)が横断し得る。典型的にはガラスであるが、好適なフローセル材料は、ポリマー材料、プラスチック、シリコン、石英(溶融シリカ)、Borofloat(登録商標)ガラス、シリカ、シリカ系材料、カーボン、金属、光ファイバ又は光ファイバ束、サファイア、又はCOC及びエポキシなどのプラスチック材料を含み得る。特定の材料は、特定の使用に望ましい性質に基づいて選択することができる。例えば、所望の波長の放射線に対して透明である材料は、所望の波長の放射線を利用する分析技法に有用である。逆に、特定の波長の放射線を通過させない材料(例えば、不透明、吸収的、又は反射性である)を選択することが望ましい場合がある。実施形態では、フローセルの材料は、熱エネルギーを伝導する能力のために選択される。実施形態では、フローセルは、入口ポート及び出口ポート、並びにそれらの間に延在するフローチャネルを含む。
【0142】
本明細書で使用される「ラインジェネレータ」は、伝播の光軸に対して垂直な平面内で回折限界の、又は回析限界に近い励起ビームを、ラインの水平軸に沿って実質的に均一な強度分布で生成するように構成されている光学構成要素を指す。例示的なラインジェネレータとしては、限定はされないが、角度均一性、円柱マイクロレンズアレイ、回折素子、又はパウエルレンズなどの非球面屈折レンズを有する一次元ディフューザが挙げられる。
【0143】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、固体支持材料を指す。基材は、非多孔性又は多孔性であることができる。基材は、硬質又は可撓性であることができる。非多孔質基材は概して、液体や気体のバルク流に対するシールを提供する。例示的な固体支持体としては、限定されないが、ガラス及び変性ガラス若しくは機能化ガラス、プラスチック(アクリル、ポリスチレン、及びスチレンと他の材料の共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、Teflon(商標)、環状オレフィン共重合体、ポリイミドなど)、ナイロン、セラミックス、樹脂、Zeonor、ケイ素及び変性ケイ素を含むシリカ又はシリカ系材料、炭素、金属、無機ガラス、光ファイバ束、光パターン化可能なドライフィルムレジスト、UV硬化型の接着剤及びポリマーを含む。いくつかの実施形態に対する特に有用な固体支持体は、フローセル内に位置する少なくとも1つの表面を有する。「表面」という用語は、基材の外部部分又は外部層を意味することが意図される。表面は、気体、液体、ゲル、ポリマー、有機ポリマー、類似の又は異なる材料、金属、又はコーティングの第2の表面などの別の材料と接触することができる。表面、又はその領域は、実質的に平坦であることができる。基材及び/又は表面は、ウェル、ピット、チャネル、隆線、隆起領域、ペグ、ポスト又は同様のものなどの表面特徴部を有することができる。「ウェル」という用語は、表面の間質領域によって完全に囲まれた表面開口部を有する基材の個別の凹面特徴部を指す。ウェルは、円形、楕円、正方形、多角形、又は星形(例えば、任意の数の頂点を有する星形)を含むがこれに限定されない、表面におけるその開口部において様々な形状のいずれかを有することができる。表面と直交するように取られたウェルの断面は、曲線、正方形、多角形、双曲線、円錐形、又は角形であり得る。
【0144】
本明細書で使用される場合、用語「シークエンシング」、「配列決定」、「ヌクレオチド配列の決定」、及び同様のものは、シークエンシングされるポリヌクレオチドの部分的又は完全な配列情報(例えば、配列)の決定、特にそのような配列情報を生成するための物理的プロセスを含む。すなわち、この用語は、標的ポリヌクレオチドに関する配列比較、コンセンサス配列決定、コンティグアセンブリ、フィンガプリンティング、及び同様のレベルの情報、並びに標的ポリヌクレオチド中のヌクレオチドを明示的に識別して順序付けることを含む。この用語はまた、標的ポリヌクレオチド内の4種類のヌクレオチドのうちの1つ、2つ、又は3つの識別、順序付け、及び場所の決定を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシークエンシングプロセスは、鋳型及びアニールされたプライマを、ポリメラーゼ伸長及び/又はシークエンシングに好適な条件下で、好適なポリメラーゼに接触させることを含む。シークエンシング方法は、好ましくは、フローセル(例えば、フローセルのチャネル内)内の固体基材上に配列された標的ポリヌクレオチドを用いて実施される。実施形態では、シークエンシングは、合成によるシークエンシング(SBS)である。簡潔に述べると、SBS方法は、DNAポリメラーゼの存在下で、標的核酸を1つ以上の標識ヌクレオチド(例えば、蛍光標識された)と接触させることを伴う。任意選択的に、標識ヌクレオチドは、ヌクレオチドが組み込まれると伸長を停止させる可逆的な停止性を更に含むことができる。したがって、可逆的な停止を使用する実施形態については、(検出が発生する前又は後に)開裂溶液をフローセルに送達することができる。洗浄は、様々な送達ステップ間で実施することができる。次いで、このサイクルをn回繰り返すことで、プライマをnヌクレオチドで延長し、長さnの配列を検出することができる。本開示の方法とともに使用するために容易に適合させることができる例示的なSBS手順及び検出プラットフォームは、例えば、Bentleyら、Nature456:53-59(2008),WO2004/018497、及びWO2007/123744に記載され、それら各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態では、シークエンシングは、pHベースのDNAシークエンシングである。pHベースのDNAシークエンシングの概念は、参照により組み込まれる文献、US2009/0026082、及びPourmandら、Proc.Natl.Acad.Sci.,103:6466-6470(2006)を含む文献に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。パイロシークエンシングなど、環状反応を使用する他のシークエンシング手順を使用することができる。ライゲーションによるシークエンシング反応も有用であり、例えば、ShendureらScience309:1728-1732(2005)に記載のものが挙げられる。
【0145】
本明細書で使用される場合、「特徴部」という用語は、その相対的な場所に従って他の点又はエリアと区別できるパターンの点又はエリアを指す。個々の特徴部は、1つ以上のポリヌクレオチドを含むことができる。例えば、特徴部は、特定の配列を有する単一の標的核酸分子を含むことができ、又は特徴部は、同じ配列(及び/又はその相補配列)を有するいくつかの核酸分子を含むことができる。パターンの異なる特徴部にある異なる分子は、パターンの特徴部の場所に従って互いに区別することができる。特徴部の非限定的な例としては、基材中のウェル、基材中又は上の粒子(例えば、ビーズ)、基材中又は上のポリマー、基材からの突出部、基材上の隆線部、又は基材中のチャネルが挙げられる。
【0146】
「画像」という用語は、その通常の意味に従って使用され、物体の全て又は一部の表現を指す。表現は、光学的に検出された再現であり得る。例えば、画像は、蛍光、発光、散乱、又は吸収信号から得ることができる。画像内に存在する物体の部分は、物体の表面又は他のxy平面とすることができる。典型的には、画像は、三次元物体のニ次元表現である。画像は、異なる強度(すなわち、信号レベル)の信号を含み得る。画像は、コンピュータ可読形式又は媒体で提供することができる。画像は、任意の画像センサによって検出され得る、物体(例えば、試料)から来る光線の集束点の収集から導出される。
【0147】
本明細書で使用される場合、「信号」という用語は、例えば、蛍光、発光、散乱、又は吸収インパルス又は電磁波が送信又は受信されることを含むことが意図される。信号は、紫外線(UV)範囲(約200~390nm)、可視(VIS)範囲(約391~770nm)、赤外線(IR)範囲(約0.771~25ミクロン)、又は電磁スペクトルの他の範囲において検出することができる。「信号レベル」という用語は、検出されたエネルギー又はコード化された情報の量又は数を指す。例えば、信号は、その強度、波長、エネルギー、周波数、電力、輝度、又はそれらの組み合わせによって定量化され得る。他の信号は、電圧、電流、電界強度、磁界強度、周波数、電力、温度などの特性に従って定量化することができる。信号の欠如は、ゼロの信号レベル、又はノイズと有意に区別されない信号レベルであることが理解される。
【0148】
「xy座標」という用語は、xy平面の場所、サイズ、形状、及び/又は配向を指定する情報を指す。情報は、例えば、デカルト系における数値座標であることができる。座標は、x軸及びy軸の一方又は両方に対して提供することができるか、又はxy平面(例えば、基準面)内の別の場所に対して提供することができる。「xy平面」という用語は、直線軸x及びyによって画定される二次元エリアを指す。検出装置及び検出器によって観察される物体に関連して使用される場合、xy平面は、検出器と検出される物体との間の観察方向に直交するものとして指定され得る。「z軸」及び「z方向」という用語は、概して顕微鏡及び撮像システムの技術におけるそれらの使用とともに一貫して使用されることを意図しており、z軸は焦点軸を指す。したがって、z軸並進は、焦点軸の長さの増減をもたらす。z軸並進は、例えば、(例えば、試料ステージ若しくは光学素子又はその両方を移動することによって)光学ステージに対して試料ステージを移動させることによって実施することができる。
【0149】
本明細書で使用される場合、「クラスタ」及び「コロニー」という用語は、複数の固定化ポリヌクレオチド及び複数の固定化相補的ポリヌクレオチドを含む固体支持体上の離散部位を指すために互換的に使用される。「クラスタ化アレイ」という用語は、こうしたクラスタ又はコロニーから形成されるアレイを指す。この文脈では、「アレイ」という用語は、クラスタの秩序ある配置を必要とすると理解されるべきではない。「アレイ」という用語は、当技術分野における通常の意味に従って使用され、異なる分子がその相対的な場所に応じて互いに区別できるように、1つ以上の固相基材に付着している異なる分子の集団を指す。フローセルは、アレイを含み得、各々、固相基材上の異なるアドレス指定可能な特徴部に位置する異なる分子を含むことができる。アレイの分子は、核酸プライマ、核酸プローブ、核酸鋳型、又はポリメラーゼ又はリガーゼなどの核酸酵素であることができる。本発明で有用なアレイは、約2つの特徴部から何百万、何十億又はそれ以上の範囲の密度を有することができる。アレイの密度は、1平方cm当たり2つから多いものでは10億個以上の異なる特徴部を有することができる。例えば、アレイは、少なくとも約100個の特徴部/cm2、少なくとも約1,000個の特徴部/cm2、少なくとも約10,000個の特徴部/cm2、少なくとも約100,000個の特徴部/cm2、少なくとも約10,000,000個の特徴部/cm2、少なくとも約100,000,000個の特徴部/cm2、少なくとも約1,000,000,000個の特徴部/cm2、少なくとも約2,000,000,000個の特徴部/cm2又はそれ以上を有することができる。実施形態では、アレイは、例えば、少なくとも約10個の特徴部/cm2、100個の特徴部/cm2、500個の特徴部/cm2、1,000個の特徴部/cm2、5,000個の特徴部/cm2、10,000個の特徴部/cm2、50,000個の特徴部/cm2、100,000個の特徴部/cm2、1,000,000個の特徴部/cm2、5,000,000個の特徴部/cm2、又はそれ以上を含む、様々な密度のいずれかに特徴を有する。クラスタリングとは、クラスタを生成するプロセス(すなわち、ポリヌクレオチドの固相増幅)を指す。
【0150】
「核酸シークエンシングデバイス」という用語は、相互に接続され流体連通する1つ以上のチャンバ、ポート、及びチャネルの統合システムであって、鋳型ポリヌクレオチドの核酸配列を決定する目的で、単独で又は試料導入、流体及び/又は試薬駆動手段、温度制御、検出システム、データ収集及び/又は統合システムなどのサポート機能を提供するアプライアンス又は器具と協力して、分析反応又はプロセスを実行するために設計されているものを指す。核酸シークエンシングデバイスは、内部壁に弁、ポンプ、及び特殊な機能的コーティングを更に含み得る。核酸シークエンシングデバイスは、フローセルの最大表面積が光学レンズに露出されるようにフローセルを配向する受容ユニット、又はプラテンを含み得る。他の核酸シークエンシングデバイスには、Illumina(商標),Inc.(例えば、HiSeq(商標)、MiSeq(商標)、NextSeq(商標)、又はNovaSeq(商標)システム)、Life Technologies(商標)(例えば、ABI PRISM(商標)、又はSOLiD(商標)システム)、Pacific Biosciences(例えば、Sequel(商標)又はRS II(商標)システムなどのSMRT(商標)技術を使用するシステム)、又はQiagen(例えばGenereader(商標)システム)によって提供されるものが含まれる。核酸シークエンシングデバイスは、内部壁に流体貯蔵部(例えば、ボトル)、弁、圧力源、ポンプ、センサ、制御システム、弁、ポンプ、及び特殊機能コーティングを更に含み得る。実施形態では、デバイスは、複数のシーケンシング試薬貯蔵部及び複数のクラスタリング試薬貯蔵部を含む。実施形態では、クラスタリング試薬貯蔵部は、増幅試薬(例えば、酵素、塩、及びヌクレオチドを含有する水性緩衝液、変性剤、密集剤など)を含む。実施形態では、貯蔵部は、シークエンシング試薬(例えば、酵素、塩、及びヌクレオチドを含有する水性緩衝液など)、洗浄溶液(水性緩衝液)、開裂溶液(還元剤などの開裂剤を含有する水性緩衝液)、又は洗浄液(希釈漂白溶液、希釈NaOH溶液、希釈HCl溶液、希釈抗菌溶液、又は水)を含む。貯蔵部の各々の流体は、変化することができる。流体は、例えば緩衝液(例えば、生理食塩水-クエン酸ナトリウム(SSC)、アスコルビン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又は「トリス」)、水性塩(例えば、KCl又は(NH4)2SO4))、ヌクレオチド、ポリメラーゼ、開裂剤(例えば、トリ-n-ブチル-ホスフィン、トリフェニルホスフィン及びそのスルホン酸化バージョン(すなわち、トリス(3-スルホフェニル)-ホスフィン、TPPTS)、及びトリ(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)及びその塩、開裂剤スカベンジャ化合物(例えば、2’-ジチオビセタンアミン又は11-Azido-3、6、9-トリオキサウンデカン-1-アミン)、キレート剤(例えば、EDTA)、洗剤、界面活性剤、密集剤、又は安定剤(例えば、PEG、Tween、BSA)を含有し得る水溶液であることができる。貯蔵部の非限定的な実施例としては、カートリッジ、パウチ、バイアル、容器、エッペンチューブがある。実施形態では、デバイスは、蛍光撮像を行うように構成されている。実施形態では、デバイスは、1つ以上の光源(例えば、1つ以上のレーザ)を含む。実施形態では、照明器又は光源は、試料に入射光を提供する放射源(すなわち、伝播する電磁エネルギーの発生源又は発生器)である。放射源は、紫外線(UV)範囲(約200~390nm)、可視(VIS)範囲(約390~770nm)、又は赤外線(IR)範囲(約0.77~25ミクロン)、又は電磁スペクトルの他の範囲での電磁放射を作製する照明源を含むことができる。実施形態では、イルミネータ又は光源は、アークランプ又は石英ハロゲンランプなどのランプである。実施形態では、照明器又は光源は、コヒーレント光源である。実施形態では、光源は、レーザ、LED(発光ダイオード)、水銀ランプ若しくはタングステンランプ、又は超連続ダイオードである。実施形態では、光源は、200nm~1500nmの間の波長を有する励起ビームを提供する。実施形態では、レーザは、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを提供する。実施形態では、照明器又は光源は、発光ダイオード(LED)である。LEDは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、薄膜エレクトロルミネッセンスデバイス(TFELD)、又は量子ドットベースの無機有機LEDであることができる。LEDは、燐光性OLED(PHOLED)を含むことができる。実施形態では、核酸シークエンシングデバイスは、撮像システム(例えば、本明細書に記載されるような撮像システム)を含む。ヌクレオチドに連結された識別可能な標識(例えば、蛍光標識)のうちの1つ以上を励起し、その後、識別可能な標識の画像データを得ることができる撮像システムである。画像データ(例えば、検出データ)は、デバイス内の別の構成要素によって分析され得る。撮像システムは、本明細書に記載のシステムを含み得、対物レンズを含む蛍光分光光度計及び/又は固体撮像デバイスを含み得る。固体撮像デバイスは、電荷結合素子(CCD)及び/又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)を含み得る。
【0151】
本明細書で使用される「標識」又は「(複数の)標識」という用語は、概して、それ自体で、又は別の分子との相互作用によって、直接又は間接的に検出可能な信号を作製又はもたらすことができる分子を指す。標識部分は、例えば分光法を使用して試料を検出することを許容する任意の部分であることができる。例示的な標識部分は、蛍光標識、質量標識、化学発光標識、電気化学標識、検出可能な標識及び同様のものである。検出可能な標識の非限定的な実施例としては、蛍光染料、ビオチン、ジゴキシン、ハプテン、及びエピトープを含む標識が挙げられる。概して、色素は、比色信号、発光信号、生物発光信号、化学発光信号、燐光信号、蛍光信号などの光学的に検出可能な信号を提供することができる分子、化合物、又は物質である。実施形態では、染料は蛍光染料である。市販されているものもある、染料の非限定的な実施例には、CF染料(Biotium,Inc.)、Alexa Fluor染料(Thermo Fisher)、DyLight染料(Thermo Fisher)、Cy染料(GE Healthscience)、IRDyes(Li-Cor Biosciences,Inc.)、及びHiLyte染料(Anaspec,Inc.)を含む。実施形態では、標識はフルオロフォアである。検出可能な薬剤(例えば、標識)の実施例としては、蛍光及び発光物質、分子、又は組成物を含む造影剤が含まれ、これらに限定されないが、一般に「染料」、「標識」、又は「指標」と称される様々な有機又は無機の小分子が挙げられる。例としては、フルオレセイン、ローダミン、アクリジン染料、アレクサ染料、及びシアニン染料が挙げられる。実施形態では、検出可能な部分は、蛍光分子(例えば、アクリジン染料、シアニン染料、フッ素染料、オキサジン染料、フェナントリジン染料、又はローダミン染料)である。実施形態では、検出可能な部分は、蛍光分子(例えば、アクリジン染料、シアニン染料、フッ素染料、オキサジン染料、フェナントリジン染料、又はローダミン染料)である。
【0152】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限の間に、文脈上明らかにそうでない場合を除き、下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその述べられた範囲内の値のより小さい範囲内の他の述べられた又は述べられていない介在値は、本発明に包含されることが理解される。(より広く詳述された範囲内の)任意のそのような小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれ得るか、又は特定の値そのものとして含まれ得、また述べられた範囲内の特に除外された制限を条件として、本発明内に包含される。述べられた範囲が、限度の一方又は両方を含む場合、それらに含まれる制限のいずれか又は両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0153】
「光学フィルタ」という用語は、波長、偏光、周波数に依存した方法で放射を選択的に通過又は拒否するためのデバイスを指す。実施形態では、光学フィルタは、ダイクロイックフィルタ又は誘電体フィルタである。異なるフルオロフォアからの蛍光は、二色性光学素子によって更に分離され、センサアレイ上で空間的に分離されたライン内に投影される可能性がある。焦点外の蛍光信号からバックグラウンドを更に抑制するために、複数の縞パターンを有する光学フィルタをカメラの前に設置して、選択された蛍光ラインのみを通過させ、不要なものを拒否し得る。光学フィルタは、当技術分野におけるまったく通常の意味に従って使用され、特定の波長、偏光又は周波数を有する光の通過を選択的に通過又は拒絶するためのデバイスを指す。この用語は、誘電体材料の複数の層が、様々な層からの反射の間の干渉が建設的であるか又は破壊的であるかに応じて光を通過又は反射する、干渉フィルタを含むことができる。干渉フィルタは、当技術分野では、二色フィルタ、又は誘電体フィルタとも称される。用語は、吸収によって選択的な波長又は波長範囲を有する光の通過を防止する吸収フィルタを含むことができる。吸収フィルタには、例えば、着色ガラス又は有色液体が含まれる。フィルタは、例えば、バンドパス、ショートパス、及びロングパスを含む、1つ以上の特定のフィルタ透過特性を有することができる。バンドパスフィルタは、最大放射光透過の中心波長(Tmax)及び帯域幅によって画定される波長範囲の光を選択的に通過させ、この範囲外の光の通過を遮断する。Tmaxは、中心波長で透過される放射の割合を定義する。帯域幅は、典型的には、Tmaxの半分である透過値でフィルタによって通過させられる波長の範囲である、半値全幅(FWHM)として記載される。バンドパスフィルタは、10ナノメートル(nm)、20nm、30nm、40nm又は50nmのFWHMを有することができる。ロングパスフィルタは、Tmax及びカットオン波長によって定義される高めの波長の光を選択的に通過させる。カットオン波長は、光透過率がTmaxの半分である波長であり、波長がカットオン波長より高く増加すると、透過率は増加し、波長がカットオン波長より低く減少すると透過率は減少する。ショートパスフィルタは、Tmax及びカットオフ波長によって画定される低めの波長の放射を選択的に通過させる。カットオフ波長は、光透過率がTmaxの半分である波長であり、波長がカットオフ波長より大きくなると、透過率は減少し、波長がカットオフ波長より小さくなると、透過率は増加する。フィルタは、50~100%、60~90%又は70~80%のTmaxを有することができる。
【0154】
「同期する」という用語は、その通常の意味に従って使用され、同時発生するイベントを指す。例えば、試料ステージは、試料ステージが電荷移行に呼応して移動するように構成されるように、センサアレイにわたって電荷移行と同期するように構成されている。実施形態では、同期性は、電荷移行と同じ速度での試料ステージの移動を必要としない。実施形態では、試料ステージはステージ速度で移動し、電荷は電荷移行速度でセンサアレイにわたって移行し、ステージ速度と電荷移行速度は関連付けられる(例えば、ステージ速度は電荷移行速度の分数又は比率である)。実施形態では、同期されたイベントが同時に発生する。実施形態では、試料ステージは、電荷移行とほぼ同じ速度で移動するように構成されている。実施形態では、電荷移行速度は、1000ns(ナノ秒)/μm、500ns(ナノ秒)/μm、100ns(ナノ秒)/μm、50ns(ナノ秒)/μm、又はそれ未満(例えば、40ns(ナノ秒)/μm)である。実施形態では、試料は、約1mm2/秒、1.5mm2/秒、5mm2/秒、10mm2/秒、50mm2/秒又は100mm2/秒でスキャンされ、スキャン速度は、電荷移行速度と関連付けられる。
【0155】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例解のみを目的とし、その光における様々な修正又は変更が当業者に提案され、本出願の趣旨及び目的、並びに添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解される。本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、参照によりその全体で全ての目的に対して本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムであって、
試料ステージ速度で移動する試料ステージであって、前記試料ステージが、第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、第3のフルオロフォア、及び第4のフルオロフォアを含む試料を備える、試料ステージと、
第1のセンサアレイ、第2のセンサアレイ、第3のセンサアレイ、及び第4のセンサアレイと、
第1の励起ビームを提供するように構成された第1の光源、及び第2の励起ビームを提供するように構成された第2の光源と、
第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムであって、前記第1の励起ビームと前記第1のフルオロフォアとの相互作用により、第1の蛍光放射が生成され、前記第2の励起ビームと前記第2のフルオロフォアとの相互作用により、第2の蛍光放射が生成され、前記第1の励起ビームと第3のフルオロフォアとの相互作用により、第3の蛍光放射が生成され、前記第2の励起ビームと第4のフルオロフォアとの相互作用により、第4の蛍光放射が生成される、第1の光学システムと、
前記第1の蛍光放射を前記第1のセンサアレイに、前記第2の蛍光放射を前記第2のセンサアレイに、前記第3の蛍光放射を前記第3のセンサアレイに、前記第4の蛍光放射を前記第4のセンサアレイに向けるように構成された第2の光学システムであって、前記第1の蛍光放射が、前記第1のセンサアレイに衝突し、前記第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成し、前記第2の蛍光放射が、前記第2のセンサアレイに衝突し、前記第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成し、前記第3の蛍光放射が、前記第3のセンサアレイに衝突し、前記第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成し、前記第4の蛍光放射が、前記第4のセンサアレイに衝突し、前記第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成する、第2の光学システムと、を備え、
前記第1の電荷、前記第2の電荷、前記第3の電荷、及び前記第4の電荷の前記移行が、前記試料ステージ速度と同期される、撮像システム。
【請求項2】
前記第1の光学システムが、前記第1の励起ビームを前記試料の第1の領域に向け、前記第2の励起ビームを前記試料の第2の領域に向けるように構成されており、前記第1の領域及び前記第2の領域が、約10μm~約500μm分離されている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記第2の光学システムが、前記第1のセンサアレイに向かって前記第1の蛍光放射を反射し、前記第3のセンサアレイに向かって前記第3の蛍光放射を反射するように構成された第1の表面と、
前記第2のセンサアレイに向かって前記第2の蛍光放射を反射し、前記第4のセンサアレイに向かって前記第4の蛍光放射を反射するように構成された第2の表面と、を含む第1の光学素子を備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記第2の光学システムが、前記第1の光学素子から下流にあり、前記第1の蛍光放射、前記第2の蛍光放射、前記第3の蛍光放射、及び前記第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2の光学素子を備える、請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記第2の光学システムが、前記第1の蛍光放射、前記第2の蛍光放射、前記第3の蛍光放射、及び前記第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成されたバンドパスフィルタを備える、請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
検出カメラが、前記第1のセンサアレイ、前記第2のセンサアレイ、前記第3のセンサアレイ、及び前記第4のセンサアレイを含む、請求項5に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記第1の光学素子が、ダイクロイックウェッジである、請求項3に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記第2の光学システムが、前記第1のセンサアレイに向かって前記第1の蛍光放射を反射し、前記第3のセンサアレイに向かって前記第3の蛍光放射を反射し、かつ
前記第2のセンサアレイに向かって前記第2の蛍光放射を透過し、前記第4のセンサアレイに向かって前記第4の蛍光放射を透過するように構成された第1の光学素子を備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記第2の光学システムが、
前記第1の光学素子から下流にあり、前記第1の蛍光放射及び前記第3の蛍光放射を集束させるように構成された第1のレンズと、
第1の光学素子から下流にあり、前記第2の蛍光放射及び前記第4の蛍光放射を集束させるように構成された第2のレンズと、を備える、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記第2の光学システムが、
前記第1の蛍光放射及び前記第3の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第1のバンドパスフィルタと、
前記第2の蛍光放射及び前記第4の蛍光放射を選択的に透過するように構成された第2のバンドパスフィルタと、を備える、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項11】
第1の検出カメラが、前記第1のセンサアレイ及び前記第3のセンサアレイを含み、第2の検出カメラが、前記第2のセンサアレイ及び前記第4のセンサアレイを含む、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記第1の光学素子が、ダイクロイックビームスプリッタである、請求項8に記載の撮像システム。
【請求項13】
各センサアレイが、TDIセンサアレイである、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項14】
各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項15】
各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅及び約10~300ピクセル長である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項16】
各センサアレイが、約8,000ピクセル幅及び約128ピクセル長である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記試料ステージが、電動並進ステージである、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項18】
前記試料ステージが、位置エンコーダを備え、前記位置エンコーダが、前記電荷の前記移行を同期する同期信号を生成する、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項19】
コリメートレンズ、ビーム成形レンズ、又は円筒形レンズを更に備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項20】
1つ以上のラインジェネレータを更に備える、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項21】
試料を撮像する方法であって、
a)第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けることであって、前記試料が、試料ステージ速度で移動している試料ステージ上にあり、前記試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に第1の蛍光放射を生成する第1のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第2の蛍光放射を生成する第2のフルオロフォアとを含む、向けることと、
b)前記第1の蛍光放射を、第1のセンサアレイに衝突させ、第1の電荷速度において前記第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成するように向け、前記第2の蛍光放射を、第2のセンサアレイに衝突させ、第2の電荷速度において前記第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成するように向けることであって、前記第1の電荷速度及び前記第2の電荷速度のうちの少なくとも1つが、前記試料ステージ速度と同期される、向けることと、
c)前記試料をスキャン次元でスキャンし、ステップa)及びステップb)を繰り返して前記試料の画像を形成することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記試料が、それぞれ、第1の励起ビームとの相互作用の後に、第3の蛍光放射を生成する第3のフルオロフォアと、第2の励起ビームとの相互作用の後に第4の蛍光放射を生成する第4のフルオロフォアと、を更に含み、
前記第3の蛍光放射を、第3のセンサアレイに衝突させ、第3の電荷速度において前記第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成するように向け、前記第4の蛍光放射を、第4のセンサアレイに衝突させ、第4の電荷速度において前記第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成するように向ける、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、四つの異なるフルオロフォアを同時に含む前記試料を撮像することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の励起ビーム及び前記第2の励起ビームが、励起ラインを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記試料をスキャンすることが、前記試料ステージを移動することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記試料をスキャンすることが、前記試料ステージを一定速度で移動することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記試料の前記画像のデータ表現を、コンピュータ可読メモリに記憶することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記励起ビームが、UV放射、VIS放射、又はIR放射を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記励起ビームが、405nm、470nm、488nm、514nm、520nm、532nm、561nm、633nm、639nm、640nm、800nm、808nm、912nm、1024nm、又は1500nmの波長を有する励起ビームを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記試料が修飾ヌクレオチドを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記試料が、複数の個々の部位を有するアレイを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
撮像システムであって、
試料ステージ速度で移動する試料ステージであって、前記試料ステージが試料を備える、試料ステージと、
第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイと、
第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けるように構成された第1の光学システムと、
第2の光学システムであって、
前記試料からの光放射を前記第1のセンサアレイに向け、それによって、前記第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷が生成され、前記試料からの第2の光放射を前記第2のセンサアレイに向け、それによって、前記第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷が生成されるように構成された第2の光学システムと、を備え、
前記第1の電荷及び前記第2の電荷の前記移行が、前記試料ステージ速度と同期される、撮像システム。
【請求項33】
前記第1の光学システムが、前記第1の励起ビームを前記試料の第1の領域に向け、前記第2の励起ビームを前記試料の第2の領域に向けるように構成されており、前記第1の領域及び前記第2の領域が、約10μm~約500μm分離されている、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項34】
前記第1の領域及び前記第2の領域が、約30μm~約100μm分離されている、請求項33に記載の撮像システム。
【請求項35】
前記第2の光学システムが、
前記第1のセンサアレイに向かって前記第1の光放射を反射するように構成された第1の表面と、
前記第2のセンサアレイに向かって前記第2の光放射を反射するように構成された第2の表面と、を含む第1の光学素子を備える、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項36】
前記第2の光学システムが、前記第1の光学素子から下流にあり、前記第1の光放射及び前記第2の光放射を集束させるように構成された第2の光学素子を備える、請求項35に記載の撮像システム。
【請求項37】
前記第2の光学システムが、前記第1の光放射及び前記第2の光放射を選択的に透過するように構成されたバンドパスフィルタを備える、請求項36に記載の撮像システム。
【請求項38】
検出カメラが、前記第1のセンサアレイ及び前記第2のセンサアレイを含む、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項39】
各センサアレイが、TDIセンサアレイである、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項40】
各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅である、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項41】
各センサアレイが、約1,000~20,000ピクセル幅及び約10~300ピクセル長である、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項42】
各センサアレイが、約8,000ピクセル幅及び約128ピクセル長である、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項43】
前記試料ステージが、電動並進ステージである、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項44】
前記試料ステージが、位置エンコーダを備え、前記位置エンコーダが、前記電荷の前記移行を同期する同期信号を生成する、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項45】
コリメートレンズ、ビーム成形レンズ、又は円筒形レンズを更に備える、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項46】
1つ以上のラインジェネレータを更に備える、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項47】
第3のセンサアレイを更に含み、前記第2の光学システムが、前記試料からの第3の光放射を前記第3のセンサアレイに向け、それによって、前記第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷が生成されるように構成されている、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項48】
前記第1の光放射及び前記第2の光放射が、回折光、屈折光、散乱光、透過光、又は反射光を含む、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項49】
前記第1の光放射及び前記第2の光放射が、蛍光放射である、請求項32に記載の撮像システム。
【請求項50】
第4のセンサアレイを更に含み、前記第2の光学システムが、
前記試料からの第4の光放射を前記第4のセンサアレイに向け、それによって、前記第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷が生成されるように構成されており、
前記第1、第2、第3、及び第4の電荷の前記移行が、前記試料ステージ速度と同期される、請求項47に記載の撮像システム。
【請求項51】
第1の検出カメラが、前記第1のセンサアレイ及び前記第3のセンサアレイを含み、第2の検出カメラが、前記第2のセンサアレイ及び前記第4のセンサアレイを含む、請求項50に記載の撮像システム。
【請求項52】
前記第1の光学素子が、ダイクロイックビームスプリッタである、請求項50に記載の撮像システム。
【請求項53】
前記第2の光学システムが、前記第1の光放射を前記第1のセンサアレイに向かって反射し、前記第3の光放射を前記第3のセンサアレイに向かって反射し、
前記第2の光放射を前記第2のセンサアレイに向かって透過し、前記第4の光放射を前記第4のセンサアレイに向かって透過するように構成された第1の光学素子を備える、請求項50に記載の撮像システム。
【請求項54】
前記第2の光学システムが、
前記第1の光学素子から下流にあり、前記第1の光放射及び前記第3の光放射を集束させるように構成された第1のレンズと、
前記第1の光学素子から下流にあり、前記第2の光放射及び前記第4の光放射を集束させるように構成された第2のレンズと、を備える、請求項53に記載の撮像システム。
【請求項55】
前記第2の光学システムが、
前記第1の光放射及び前記第3の光放射を選択的に透過するように構成された第1のバンドパスフィルタと、
前記第2の光放射及び前記第4の光放射を選択的に透過するように構成された第2のバンドパスフィルタと、を備える、請求項53に記載の撮像システム。
【請求項56】
試料を撮像する方法であって、
a)第1の励起ビーム及び第2の励起ビームを試料上に向けることであって、前記試料が、試料ステージ速度で移動している試料ステージ上にあり、前記試料が、
細胞又は生体組織を含む、向けることと、
b)前記試料からの第1の光放射を、第1のセンサアレイに衝突させ、第1の電荷速度において前記第1のセンサアレイにわたって移行する第1の電荷を生成するように向け、前記試料からの第2の光放射を、第2のセンサアレイに衝突させ、第2の電荷速度において前記第2のセンサアレイにわたって移行する第2の電荷を生成するように向けることであって、前記第1の電荷速度及び前記第2の電荷速度のうちの少なくとも1つが、前記試料ステージ速度と同期される、向けることと、
c)前記試料をスキャン次元でスキャンし、ステップa)及びステップb)を繰り返して前記試料の画像を形成することと、を含む、方法。
【請求項57】
前記試料が、第3の光放射及び第4の光放射、を更に含み、
前記第3の光放射を、第3のセンサアレイに衝突させ、第3の電荷速度において前記第3のセンサアレイにわたって移行する第3の電荷を生成するように向け、前記第4の光放射を、第4のセンサアレイに衝突させ、第4の電荷速度において前記第4のセンサアレイにわたって移行する第4の電荷を生成するように向ける、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記試料をスキャンすることが、前記試料ステージを一定速度で移動させることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記試料の前記画像のデータ表現を、コンピュータ可読メモリに記憶することを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記試料が、複数の個々の部位を有するアレイを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記試料ステージが、間質領域によって互いに分離された複数のウェルを含むマイクロプレートアレイを備え、1つ以上のウェルが、前記試料を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記方法が、前記試料の物理的形態又は構造の二次元又は三次元の写真、画像、ビデオ、又はその他の表現を取得することを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
前記マイクロプレートアレイが、2個、4個、6個、12個、24個、48個、96個、384個又は1536個のウェルを含む、請求項61に記載の方法。
【国際調査報告】